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特開2024-124868サブラック積載装置、サブラック積載方法及び通信機器用ラック
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  • 特開-サブラック積載装置、サブラック積載方法及び通信機器用ラック 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124868
(43)【公開日】2024-09-13
(54)【発明の名称】サブラック積載装置、サブラック積載方法及び通信機器用ラック
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/18 20060101AFI20240906BHJP
【FI】
H05K7/18 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023032822
(22)【出願日】2023-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111121
【弁理士】
【氏名又は名称】原 拓実
(74)【代理人】
【識別番号】100200218
【弁理士】
【氏名又は名称】沼尾 吉照
(72)【発明者】
【氏名】向井 敏幸
(57)【要約】
【課題】ラック本体内にサブラックを積載する際に、ラックに合わせたサポートアングルを都度準備する必要がなく、サブラック積載作業が容易となるサブラック積載装置、サブラック積載方法及び通信機器用ラックを提供すること。
【解決手段】通信機器用ラック内にユニットを収納するためのサブラックを上下方向に積載するためのものであって、下部に下側サブラックの側面板の突出部が嵌合される開口部と、上部に上側サブラックを載置するためのサブラック受け部と、前記サブラック受け部に載置される上側サブラックが側面板方向に移動するのを規制する突出部とを備えるサブラック積載装置。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信機器用ラック内にユニットを収納するためのサブラックを上下方向に積載するためのものであって、
下部に下側サブラックの側面板の突出部が嵌合される開口部と、
上部に上側サブラックを載置するためのサブラック受け部と、
前記サブラック受け部に載置される上側サブラックが側面板方向に移動するのを規制する突出部と、
を備えたサブラック積載装置。
【請求項2】
前記開口部が下側サブラックの側面板に対してスライドさせることができる断面が略コの字形状のレール構造である、
請求項1に記載のサブラック積載装置。
【請求項3】
通信機器用ラック内に下側のサブラックを設置し、
前記下側のサブラックの両側面板の上部突出部に請求項1記載のサブラック積載装置の開口部を嵌合させ、
前記サブラック積載装置の前記サブラック受け部に、上側サブラックを載置する、ことを特徴とするサブラック積載方法。
【請求項4】
4本の支柱と、
前記支柱が所定の間隔で固定されたラック本体と、
前記ラック本体に実装された最下段のサブラックと、
前記最下段のサブラックの両側面板の上部突出部に前記開口部が嵌合された請求項1記載のサブラック積載装置と、
前記サブラック積載装置の前記サブラック受け部に載置された上段サブラックと、
を有する通信機器用ラック。
【請求項5】
前記上段サブラックの前面部が前記支柱に固定された請求項4に記載の通信機器用ラック。
【請求項6】
前記上段サブラックの上に、請求項1記載のサブラック積載装置を介してさらにサブラックが積載されている、
請求項4または請求項5記載の通信機器用ラック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、サブラック積載装置、サブラック積載方法及び通信機器用ラックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、4本の支柱を立設したラック本体内に、通信機器等のユニットを実装する際、L形のサポートアングルをラック内の支柱に取り付け、このサポートアングルの上にサブラックを載せて実装している(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-24818号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、サポートアングルは、使用するラックに取り付け寸法等を合わせたものを準備する必要があるとともに、サポートアングルをラックにねじ止めするため、ラックの組立作業が煩雑となっていた。
【0005】
そこで本発明が解決しようとする課題は、ラック本体内にサブラックを積載する際に、ラックに合わせたサポートアングルを都度準備する必要がなく、サブラック積載作業が容易となるサブラック積載装置、サブラック積載方法及び通信機器用ラックを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、実施形態のサブラック積載装置は通信機器用ラック内にユニットを収納するためのサブラックを上下方向に積載するためのものであって、下部に下側サブラックの側面板の突出部が嵌合される開口部と、上部に上側サブラックを載置するためのサブラック受け部と、前記サブラック受け部に載置される上側サブラックが側面板方向に移動するのを規制する突出部とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】通信機器用ラックに積載された最下段のサブラックの概略図
図2】ユニットが収納されたサブラックの概略図
図3】サブラック積載装置の斜視図
図4】サブラック積載装置、下段のサブラック及び上段のサブラックの断面図
図5】サブラック積載装置を利用したサブラック積載概略図
図6】サブラック積載フローチャート
図7】通信機器用ラック全体概略図
図8】通信機器用ラック製作におけるサブラック積載フローチャート
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して発明を実施するための実施形態について説明する。
【0009】
(第1の実施形態)
本実施形態において、ラック本体1とは、例えば、図1に示すように、4本の支柱11A~11Dを有し、隣接する支柱11A,11D間及び支柱11B,11C間にサポートアングル12がそれぞれ掛け渡され(支柱11B,11C間のサポートアングルについては図示省略)、サポートアングル12は端部が各支柱11A~11Dに図示しないネジ等で固定される。ラック本体1はこのサポートアングル12上にサブラック10を載せて、固定するための架台のことを言う。また、ラック本体1にはサイズが定められているものもあって、例えば、19インチラックとは19インチ機器が使用されるラックであって、国内ではJIS規格にて標準化されている。
【0010】
また、本実施形態に係るサブラック10とは図2に示すようにラック本体1内に電源ユニット等のユニット21A~21Dを収納して、実装するための収納部であって、サブラック10を利用することで各種ユニット21A~21Dをラック本体1に実装することが可能である。
【0011】
ここで、本実施形態におけるサブラック積載装置とは、前述したサポートアングル12を代替するものであって、ラック本体1にサブラック10を固定するために用いる部材である。また、複数のサブラック10を上下方向に複数段積載するための機能も併せ持つものである。
【0012】
以下に本実施形態に係るサブラック積載装置30の構造について、図面を用いて説明する。
【0013】
図3に当該サブラック積載装置30の斜視図、図4に当該サブラック積載装置30の断面図、図5に支柱11、サブラック40,50及びサブラック積載装置30の概略図を示す。なお、サブラック積載装置30は、例えば金属のように強度のある部材で形成されている。
【0014】
図3に示すように、サブラック積載装置30は下部に開口部31が形成されている。開口部31は、図4及び図5に示すように、下側サブラック40に係る側面板41の上部突出部42に嵌合される。なお、図4では下側サブラック40の側面板41,側面板の上部突出部42及び上面板43を示し、下側サブラック下面板等は省略してある。
【0015】
また、開口部31と反対側の上部には、上側サブラック50を載置するための平坦な面であるサブラック受け部32が形成されている。
【0016】
さらに、上部にはサブラック受け部32よりも上方に突出し、サブラック受け部32に載置された上側サブラック50が側面板51の側面板方向に移動するのを規制する突出部33が形成されている。
【0017】
サブラック積載装置30の開口部31は前述した側面板41の突出部42が嵌まるような略コの字形状となっており、側面板41の上部突出部42に沿って移動可能なレール構造である。従って、開口部31を突出部42に嵌め合えば、サブラック積載装置30は突出部42上でスライドすることが可能である。
【0018】
サブラック積載装置30の長さは、ラック本体1に合わせた長さではなく、ラック本体1内に実装されるサブラック40,50の奥行方向の長さよりも短い長さとなっている。1種類のサブラック積載装置30でいずれのラック本体1にも利用することができることを考慮すると、サブラック積載装置30の長さは、例えば460mm程度が好ましい。
【0019】
開口部31の深さL1は側面板の上部突出部42が上面板43から突出した長さL2と略同程度が好ましい。開口部31の深さをこのような深さにすることによって、サブラック積載装置30の開口部31を突出部42に嵌合し、サブラック受け部32に上側サブラック50を載置したとき、上側サブラック50の重量は下側サブラック40の側面板41と上面板43とに分散されることとなり、強度の面でも有利である。
【0020】
本実施形態に係るサブラック積載装置30の開口部31の幅は下側サブラック側面板41の厚さと同程度であって、がたつきが感じられない程度のものである。
【0021】
なお、サブラック積載装置30に係る突出部33は、サブラック受け部32の平坦面から上部に突出して形成されているものであって、上側サブラック50が上側サブラック側面板51の側面板方向に移動することがないように備えられている。上側サブラック50がサブラック積載装置30と嵌め合いによって設置されていないのは、開口部31が下側サブラック40と嵌合することによって、サブラック積載装置30は下側サブラック40から外れることのないように固定されているのであって、突出部33によって上側サブラック50は嵌め合い構造でなくとも十分固定することが可能なためである。
【0022】
上側サブラック50を載置する部分が嵌め合い構造ではないことによって、下側サブラック40及び上側サブラック50はラック本体1に安定的に固定された状態を保持しつつ、ラック本体1への載置又はラック本体1からの取外しが簡便になる。
【0023】
以上より、本実施形態によれば、以下に示すような効果が得られる。
【0024】
(1)使用する通信機器用ラックに合わせたサポートアングルを準備する必要がなく、使用するラックを選ばずに毎回同一のサブラック積載装置を使用することができる。
【0025】
(2)通信機器用ラックに、全てのサブラック搭載用のサポートアングルの取付けが不要であって、サブラックに対するサブラック積載装置の嵌め合い部分も左右の2カ所であるため、サブラックの取付け作業が容易になり、組立て時間の短縮となる。
【0026】
次に、本実施形態に係るサブラック積載装置30を用いた通信用ラックへのサブラック積載方法について図5のサブラック積載概略図及び図6のフローチャートを用いて説明する。
【0027】
まず、ラック本体1に設置された下側サブラック40に係る下側サブラック側面板41の上部の突出部42に、サブラック積載装置30を、サブラック受け部32がラック本体1の内側となる向きに開口部31の嵌め合い構造にて設置する(S110)。これは、下側サブラック40の左右両方に係る両側面板41に対して行われる。
【0028】
次に、突出部42に設置されたサブラック積載装置30のサブラック受け部32に上側サブラック50を載置する(S120)。サブラック積載装置30と上側サブラック50は嵌め合い構造での固定ではないため、積載が容易である。
【0029】
載置された上側サブラック50は、上側サブラック前面部54A,54Bをそれぞれ通信用ラックの支柱11A,11Bにねじ止めすることで前後方向の移動を規制して固定される(S130)。
【0030】
以上にて、サブラック積載装置30を用いた通信機器用ラックへのサブラック積載作業フローが完了する。
【0031】
(第2の実施形態)
次に、第1の実施形態に係るサブラック積載装置を用いてサブラックを積載した通信機器用ラック及びその通信機器用ラック製作に係るサブラック積載方法について説明する。
【0032】
まず、本実施形態に係る通信機器用ラックについて図7を用いて説明する。なお、図7において、第1の実施形態のサブラック積載装置と同等の構成については、第1の実施形態と同じ符号を付与しており、説明を省略する。
【0033】
本実施形態に係る通信機器用ラック110は、第1の実施形態に係るサブラック積載装置を用いてサブラックが積載された通信機器用ラックである。
【0034】
4本の支柱11A~11D、サポートアングル12,1段目サブラック70、2段目サブラック80、3段目サブラック90、4段目サブラック100、それぞれのサブラック間に設置されたサブラック積載装置30によって構成される。
【0035】
最下段部に設置される1段目サブラック70は、下側にサブラックが無くサブラック積載装置30を利用できないため、従来通りサポートアングル12上に載置されたうえで、1段目サブラックの前面部74A,74Bをそれぞれ支柱11A、11Bにねじ止めに固定することで設置される。
【0036】
1段目サブラックの上段サブラックに当たる2段目サブラック80以降については、第1の実施形態に係るサブラック積載装置を利用して積載され、最上段部に設置される4段目サブラック100まで積載される。
【0037】
次に、本実施形態に係る通信機器用ラック製作に係るサブラック積載方法について図7及び図8を用いて説明する。
【0038】
まず、支柱11Aと11Dの間にサポートアングル12を、支柱11Bと支柱11Cの間にもサポートアングル(図示省略)を通信機器用ラック110の最下段部にねじ止めによって設置する(S210)。サポートアングル12は、各支柱11A~11Dの所定の間隔に合わせた長さであって、例えば、19インチ機器が収納可能な各支柱11A~11Dの間隔に合わせた長さである。
【0039】
次に、上述したサポートアングル12上に最下段のサブラック(以降1段目サブラック70と称す。)を載置して、サブラック前面部74A,74Bをそれぞれ支柱11A,11Bにねじ止めにて固定する(S220)。
【0040】
これは従来技術と同様のサポートアングル12を利用したサブラック固定方法である。1段目サブラック70の下側に土台となるサブラックが無く、第1の実施形態に係るサブラック積載装置30が利用できないためである。
【0041】
次に、2段目サブラック80を第1の実施形態に係るサブラック積載方法を利用して(サブラック積載装置を介して)、ラック本体1内に積載する(S230)。ここで、2段目サブラック80はラック本体1内において最上段に該当しないため(S240のNo)、再度第1の実施形態に係るサブラック積載方法を利用して3段目サブラック90を積載する(S230)。
【0042】
同様に、3段目サブラック90もラック本体1内において最上段に該当しないため(S240のNo)、再度第1の実施形態に係るサブラック積載方法を利用して4段目サブラック100を積載する(S230)。
【0043】
ここで、4段目サブラック100は本実施形態における最上段に該当するため(S240のYes)、サブラック積載作業が完了し、本実施形態に係る通信機器用ラックが完成する。
【0044】
なお、本実施形態においてはサブラックの段数は4段であるが、段数はこれより多くても少なくても構わない。
【0045】
以上のように、本実施形態においても、以下に示すような効果が得られる。
【0046】
(1)使用する通信機器用ラックに合わせたサポートアングルを準備する必要がなく、使用するラックを選ばずに毎回同一のサブラック積載装置を使用することができる。
【0047】
(2)通信機器用ラックに、全てのサブラック搭載用のサポートアングルの取付けが不要であって、サブラックに対するサブラック積載装置の嵌め合い部分も左右の2カ所であるため、サブラックの取付け作業が容易になり、組立て時間の短縮となる。
【0048】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0049】
10…サブラック、11…支柱、12…サポートアングル、21…ユニット、30…サブラック積載装置、31…開口部、32…受け部、33…突出部、40…下側サブラック、41…側面板、42…突出部、43…上面板、44…前面部、50…上側サブラック、51…側面板、52…突出部、53…上面板、54…前面部、L1…開口部の深さ幅、L2…突出部の長さ、70…1段目サブラック、74A,74B…1段目サブラック前面部、80…2段目サブラック、90…3段目サブラック、100…4段目サブラック、110…通信機器用ラック、
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8