(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124874
(43)【公開日】2024-09-13
(54)【発明の名称】粉砕器具
(51)【国際特許分類】
B02C 9/02 20060101AFI20240906BHJP
A23F 5/08 20060101ALN20240906BHJP
A23F 3/12 20060101ALN20240906BHJP
A23L 7/10 20160101ALN20240906BHJP
【FI】
B02C9/02
A23F5/08
A23F3/12
A23L7/10 Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023032830
(22)【出願日】2023-03-03
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-01-17
(71)【出願人】
【識別番号】392031790
【氏名又は名称】株式会社小泉製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100114074
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 嘉一
(74)【代理人】
【識別番号】100222324
【弁理士】
【氏名又は名称】西野 千明
(72)【発明者】
【氏名】中島 のりみ
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 恭弘
(72)【発明者】
【氏名】小泉 俊博
【テーマコード(参考)】
4B023
4B027
4D067
【Fターム(参考)】
4B023LT51
4B027FB30
4B027FC10
4B027FE02
4B027FP69
4B027FQ04
4D067AA13
(57)【要約】
【課題】手で持って振ることで粉末にすることができ、コンパクトな粉砕器具の提供を目的とする。
【解決手段】手で保持し振るための容器体と、前記容器体内に投入する球体とを有し、前記容器体の中に前記球体と原材料とを投入し、手で振ることで前記原材料が粉末になることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手で保持し振るための容器体と、前記容器体内に投入する球体とを有し、
前記容器体の中に前記球体と原材料とを投入し、手で振ることで前記原材料が粉末になることを特徴とする粉砕器具。
【請求項2】
前記球体は1つであり、前記容器体は内部に前記球体が移動する筒状部と前記球体が突き当たる粉砕部とを有していることを特徴とする請求項1記載の粉砕器具。
【請求項3】
前記球体が移動する筒状部の内側と前記球体の間の隙間から粉末が移動するものであることを特徴とする請求項2記載の粉砕器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は例えば、焙煎したコーヒー豆、茶葉あるいは穀物等の各種食材を粉砕して粉末にするための粉砕器具に関し、特に手で振って楽しみながら粉末にすることができる粉砕器具に係る。
【背景技術】
【0002】
例えば、焙煎したコーヒー豆はコーヒーミル等にて直前に挽いた方が新鮮で美味しいコーヒーが得られる。
また、お茶の場合も茶葉を挽いて粉末にしたものが知られている。
さらには、各種粉末にした粉末食品も知られている。
【0003】
これらのミルには回転刃によるカッター方式、ついて粉にする臼、回転式石臼等が知られている。
特許文献1には、ポット部に数多くのボールを投入したボールミル装置が開示されているが、装置が大がかりで複雑である。
特許文献2には、気流式粉砕機を用いた焙煎豆微粉末を開示するが、これも複雑な構造で大型になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11-169734号公報
【特許文献2】特開2008-72901号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、手で持って振ることで粉末にすることができ、コンパクトな粉砕器具の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る粉砕器具は、手で保持し振るための容器体と、前記容器体内に投入する球体とを有し、前記容器体の中に前記球体と原材料とを投入し、手で振ることで前記原材料が粉末になることを特徴とする。
【0007】
容器体内にコーヒー豆、茶葉、穀物等の原材料と球体とを投入し、手で持って上下あるいは左右に強く振るようにシェイクすると容器体の内部で、球体と容器体の内壁との間にて原材料が打ち砕かれることで粉末になる。
【0008】
容器体を手で持って強く振ることで球体が容器体内部で移動し、臼のように原材料を砕くことになるので、容器体及び球体は硬い材質で製作されているのが好ましい。
したがって、容器体の材質としてセラミック、金属等が例として挙げられるが、加工しやすい点では金属製が好ましい。
例えば銅合金、鋼等である。
球体としては硬くて重いものが良く、石材や金属製が好ましく、金属としては比重の大きい鉄球が例として挙げられる。
【0009】
容器体に投入する球体の数は原材料に合せて1つでも2つ以上の複数でもよいが、焙煎したコーヒー豆等を挽いてコーヒーにする場合等には、球体の取り出しや扱いが容易で粉末の分離がしやすい点で、前記球体は1つであり、前記容器体は内部に前記球体が移動する筒状部と前記球体が突き当たる粉砕部とを有していてもよい。
この場合に、前記球体が移動する筒状部の内側と前記球体の間の隙間から粉末が移動するものであってもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る粉砕器具は、容器体の中に原材料と球体とを投入し、手で持ってシェイクすることで粉末が得られるので、必要な分量だけの量を粉末にすることができる。
粉砕器具を手で持ってシェイクする動作を楽しむことができ、その時に生じる音を楽しむこともできる。
さらに具体的に説明すると、粉砕器具は手で自由に振ることができるので、垂直方法あるいは水平方向等の自由な方向に振ることのみならず、振る強さやタイミング等を含めてその音を聞きながらフレキシブルに粉砕できる。
これにより、いろいろな要素を加えて試行錯誤しながら、好みの粒径分布の粉末を得る楽しみができる。
また、粉砕の程度により、その音が変化するので、この音の変化を楽しむこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】(a)は本発明に係る粉砕器具の外観斜視図を示し、(b)は第1容器から第2容器を外した状態を示す。
【
図2】(a)は粉砕器具の平面図、正面図を示し、(b)は平面図及び断面図を示す。
【
図3】(a)は第1容器に球体を入れる状態、(b)は原材料(コーヒー豆)を投入し、第2容器を第1容器に取り付ける状態を示す。
【
図4】(a)は球体が第2容器の内側頂部に突き当たる状態、(b)は球体が落下した状態、(c)は粉末になった状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る粉砕器具の構造例を以下、図に基づいて説明する。
図1に示すように粉砕器具100は、第1容器11と第2容器12とからなる容器体10と中に投入する球体20から構成されている。
【0013】
本実施例では第1容器11と第2容器12を真鍮(黄銅合金)で製作した例となっている。
第1容器11の開口部側に凸部11aを形成し、第2容器12の開口部側に凹部12aを形成することで相互に嵌合する例になっているが、凸部11a側におねじ部、凹部側にめねじ部を形成し、螺合するようにしてもよい。
また、外形は第1容器11と第2容器12とを対称形にし、上面12d、下面11dに平坦部を形成することで、上面12d又は下面11dの一方を下端にして自立できるようにした例となっている。
図2(b)に示すように第1容器11及び第2容器12は内部が筒状部11b、12bからなる円筒状の移動部と、それぞれ内側の底部側にシェイクの際に球体20が打ち当たる粉砕部11c、12cを有している。
本実施例では、球体20を鉄鋳物で製作した。
【0014】
図3(a)、(b)に示すように第1容器11の中に球体20とコーヒー豆等の原材料1を投入し、第2容器12で蓋をし、
図4(a)~(c)に示すように上下に強くシェイクする。
この際に容器体10を両手で保持し、上下、左右に強くシェイクすると、球体21が容器体の内側で筒状部11b、12bを移動し、上下の粉砕部11c、12cにて原材料を潰すように動く。
球体20が上下の粉砕部11c、12cに突き当たる際に音が鳴るので、これを楽しむことができる。
したがって、いわば楽器として楽しむこともできる。
【0015】
本実施例では
図4に示すように、コーヒー豆が粉砕され粉末になると容器体10の筒状部11b、12bと球体20との隙間から通過するように、球体20の外径D
1と筒状部11b、12bの内径D
2とを設定した例になっている。
この外径D
1と内径D
2との設定により、粉砕される粉末の粒度を調整できる。
なお、第1容器11と第2容器12の両方に原材料1を投入してもよい。
また、
図5に示した実施例2のように、球体20を筒状部11bの軸方向に長いラクビーボールのような楕円形にしたり、側部に平坦部21を設けることで球体20が回転することなく、筒状部11bに沿って移動するようにしてもよい。
これにより、球体20が原材料1に打ち当たる面を一定にし、その表面に凹凸を設けることもできる。
また、上下の粉砕部11c,12cの一方又は両方に粉末2が通過できる複数の孔、及びそれを塞ぐ蓋を設けることで、粉砕後にそのまま粉砕した粉末を取り出せるようにすることもできる。
【0016】
原材料にコーヒー豆を用いて粉末のコーヒーにした場合には、それぞれシェイクを楽しみながら挽きたてのコーヒーを味わうことができる。
【符号の説明】
【0017】
1 原材料
10 容器体
11 第1容器
11b 筒状部
12 第2容器
12b 筒状部
20 球体
100 粉砕器具
【手続補正書】
【提出日】2023-09-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器体と、前記容器体内に投入する球体とを有し、
前記容器体は、第1容器と第2容器との相互の開口部を嵌合又は螺合してあり、
前記第1容器及び第2容器は、その一方又は両方に開口部側に球体が移動する筒状部と、内側底部に球体が突き当たる粉砕部を有していることを特徴とする粉砕器具。
【請求項2】
前記球体は1つであり、
前記容器体の中に前記球体と原材料を投入し、前記球体と前記筒状部との間の隙間は前記原材料が粉砕された粉末のみが通過できる大きさであることを特徴とする請求項1記載の粉砕器具。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の粉砕器具を用いて、容器体の中に原材料と球体を投入し、前記粉砕器具を手で保持し振ることで前記原材料が粉砕され、粉末を得ることを特徴とする粉末の製造方法。
【手続補正書】
【提出日】2023-11-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器体と、前記容器体内に投入する球体とを有し、
前記容器体は、第1容器と第2容器との相互の開口部を嵌合又は螺合してあり、
前記第1容器及び第2容器は、その一方又は両方に開口部側に球体が移動する筒状部と、内側底部に球体が突き当たる粉砕部を有し、
前記球体は1つであり、
前記容器体の中に前記球体と原材料を投入し、前記球体と前記筒状部との間の隙間は前記原材料が粉砕された粉末が通過できる大きさであり、前記筒状部を上下方向にして上下に振るものであることを特徴とする粉砕器具。