(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124888
(43)【公開日】2024-09-13
(54)【発明の名称】処理装置、処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
B41J 29/38 20060101AFI20240906BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20240906BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240906BHJP
【FI】
B41J29/38 202
B41J29/42 F
G03G21/00 388
G03G21/00 376
B41J29/38 204
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023032854
(22)【出願日】2023-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】戸塚 聡
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
【Fターム(参考)】
2C061AQ06
2C061AS02
2C061CQ04
2C061CQ34
2C061CQ36
2C061HJ07
2C061HK07
2C061HK11
2C061HN04
2H270KA55
2H270LA22
2H270LC02
2H270LC04
2H270LC05
2H270LC07
2H270LD03
2H270LD15
2H270MA24
2H270MB07
2H270MB11
2H270MB36
2H270MF14
2H270MF17
2H270NC07
2H270PA14
2H270QA13
2H270ZC03
2H270ZC08
(57)【要約】
【課題】 印刷制御パラメータを設定する際のユーザの負担を軽減する。
【解決手段】 画像形成装置100は、メディアセンサ270で検知された用紙の特徴量(例えば、坪量および表面性等)に基づいて、当該用紙の種類を判別し、判別した用紙の種類に基づいて、当該用紙の印刷制御パラメータを用紙データベースに登録される情報として設定する。また、画像読込装置170で検知された調整用チャートに基づいて、当該調整用チャートが印刷されている用紙の印刷制御パラメータを設定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙の特徴が反映された情報である用紙情報を、当該用紙から検知する検知手段と、
前記検知手段により検知された前記用紙情報に基づいて、用紙に印刷を行う際に用いる印刷制御パラメータの少なくとも1つを用紙データベースに登録される情報として設定する設定手段と、
を有することを特徴とする処理装置。
【請求項2】
前記検知手段は、用紙が給紙された後、印刷される前に、当該用紙から前記用紙情報を検知する第1の検知手段を有することを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
【請求項3】
前記設定手段は、前記第1の検知手段により検知された前記用紙情報に基づいて、用紙の種類を特定することと、当該種類の用紙に対する前記印刷制御パラメータの少なくとも1つを設定することと、を行うことを特徴とする請求項2に記載の処理装置。
【請求項4】
前記検知手段は、用紙に印刷されている印刷情報を光学的に読み込むことにより前記用紙情報を検知する第2の検知手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載の処理装置。
【請求項5】
印刷手段を有し、
前記印刷手段は、前記印刷情報を用紙に印刷することを特徴とする請求項4に記載の処理装置。
【請求項6】
前記検知手段は、用紙が給紙された後、印刷される前に、当該用紙から前記用紙情報を検知する第1の検知手段と、
用紙に印刷されている印刷情報を光学的に読み込むことにより前記用紙情報を検知する第2の検知手段と、を有し、
前記第2の検知手段は、前記第1の検知手段で前記用紙情報を検知した用紙に印刷された印刷情報を前記用紙情報として検知することを特徴とする請求項1または2に記載の処理装置。
【請求項7】
印刷手段を有し、
前記印刷手段は、前記第1の検知手段により検知された前記用紙情報に基づいて前記設定手段により設定された前記印刷制御パラメータに基づく前記印刷情報を用紙に印刷することを特徴とする請求項6に記載の処理装置。
【請求項8】
前記印刷制御パラメータは、用紙の種類ごとに設定され、
前記設定手段により設定される前記印刷制御パラメータは、前記検知手段で前記用紙情報を検知した用紙と同種の用紙を印刷する際に用いる印刷制御パラメータであることを特徴とする請求項1または2に記載の処理装置。
【請求項9】
用紙の特徴が反映された情報である用紙情報を、当該用紙から検知する検知工程と、
前記検知工程により検知された前記用紙情報に基づいて、用紙に印刷を行う際に用いる印刷制御パラメータの少なくとも1つを用紙データベースに登録される情報として設定する設定工程と、
を有することを特徴とする処理方法。
【請求項10】
請求項1または2に記載の処理装置の各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理装置、処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
用紙の搬送経路上に用紙の表面性や坪量といった用紙の特徴量を測定する紙種検知センサ(メディアセンサ)を備えた画像形成装置がある。このような画像形成装置は、印刷ジョブに基づいて給紙した用紙の特徴量をメディアセンサで測定し、測定した用紙の特徴量に基づいて、予め記憶された用紙データベース(メディアライブラリ)から用紙の種類を特定する。そして、画像形成装置は、特定した用紙の種類に対応する印刷制御パラメータを用いて、当該用紙に対する印刷を行う。
【0003】
特許文献1には、基本用紙(デフォルトの用紙)の種類だけでなく、多種多様な種類の用紙に対しても印刷制御パラメータを用いた印刷を行うための技術が開示されている。特許文献1に記載の画像形成装置は、予め用意されている基本用紙の印刷制御パラメータを複製し、複製した印刷制御パラメータをユーザが変更することにより、ユーザ定義用紙(ユーザが独自に設定した用紙の種類)の印刷制御パラメータを設定する。特許文献1に記載の画像形成装置では、ユーザ定義用紙の複製元となる基本用紙の種類をメディアセンサで測定して特定し、その基本用紙の情報の印刷制御パラメータをユーザに設定させることでユーザ定義メディアを作成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術では、用紙情報を用紙データベースに登録する際に、測定によって特定されている印刷制御パラメータであっても、その印刷制御パラメータをユーザが手動で設定する必要がある。したがって、印刷制御パラメータを設定する際にユーザに負担がかかる。
【0006】
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、用紙情報を用紙データベースに登録する際に、ユーザにかかる負担を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の処理装置は、用紙の特徴が反映された情報である用紙情報を、当該用紙から検知する検知手段と、前記検知手段により検知された前記用紙情報に基づいて、用紙に印刷を行う際に用いる印刷制御パラメータの少なくとも1つを用紙データベースに登録される情報として設定する設定手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、用紙情報を用紙データベースに登録する際に、ユーザにかかる負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図5B】用紙種類選択画面に対する操作後に表示される画面を示す図である。
【
図6A】ユーザ定義用紙を登録するための画面を示す図である。
【
図7】ユーザ定義用紙を登録する際の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態を説明する。なお、以下に説明する実施形態は一例であり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また以下の実施形態において、同一の構成については同じ符号を付して詳細な説明する。
【0011】
<画像形成装置100の構成>
図1は、画像形成装置100の概略構成の一例を示す図である。
図1において、CPU110は、画像形成装置100の全体を制御する制御部の一例である。なお、画像形成装置100は、CPU110とは異なる一または複数の専用のハードウェアを有し、専用のハードウェアが、CPU110による処理のうちの少なくとも一部の処理を実行してもよい。専用のハードウェアは、例えば、ASIC(特定用途向けの集積回路)、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、およびDSP(デジタルシグナルプロセッサ)等である。また、画像形成装置100は、CPU110以外に代えてまたは加えてCPU以外のハードウェアプロセッサ(例えばGPU)を有していてもよい。
【0012】
ROM120は、本実施形態に係る制御プログラムや各種設定値の初期値等を記憶している。CPU110は、ROM120から読み出された本実施形態に係る制御プログラムを実行することにより、後述する画像形成の手順および各フローチャートの手順を実現する。RAM130は、CPU110による制御の下、様々な情報を記憶する。本実施形態では、用紙の種類ごとに、用紙の名称(種類名)やサイズ、印刷制御パラメータ等の用紙情報を記憶する紙種データベース(用紙データベース、またはメディアライブラリともいう)がRAM130に記憶される場合を例示する。なお、RAM130は、情報の記憶保持動作が不要な書き換え可能なメモリであることが好ましい。また、CPU110は、或る用紙の種類に対応する印刷制御パラメータをユーザが変更した場合、その変更後の印刷制御パラメータを、当該用紙の種類に対応する印刷制御パラメータとして紙種データベースに追加(記憶)する。この印刷制御パラメータは、ユーザによって独自に設定された印刷制御パラメータである。
【0013】
指示/表示部140は、各種の情報を表示する機能と、ユーザインターフェースとしての機能と、を有する。指示/表示部140は、操作画面を表示可能なディスプレイ(例えばタッチパネル)や、ボタン等を含む。ユーザが、指示/表示部140が備えるボタン等を操作することにより、プリント動作開始等の指示を入力すると、指示/表示部140は、当該指示の内容を示す指示情報をCPU110に出力する。なお、プリント動作開始等の指示情報を画像形成装置100に入力する形態は、ユーザが指示/表示部140を操作して画像形成装置100に入力する形態に限定されない。例えば、プリント動作開始等の指示情報は、不図示のネットワーク等を介して接続された外部装置(例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン)から画像形成装置100に入力されてもよい。
【0014】
通信部150は、画像形成装置100が外部装置と通信を行うためのハードウェアインターフェースを有する。
プリンタエンジン160は、CPU110からの指示に基づいて、用紙に対して画像を形成する(すなわち印刷を行う)ための各種の動作を行う。例えば、プリント動作開始の指示情報が入力されると、CPU110は、当該指示情報に従い、プリンタエンジン160が有する給紙搬送モータを駆動制御する。プリンタエンジン160は、給紙部に置かれている用紙の搬送を行う。また、CPU110は、プリンタエンジン160に対して印刷制御パラメータを設定することにより、当該プリンタエンジン160による画像の形成(印刷)を制御する。プリンタエンジン160は、CPU110により設定された印刷制御パラメータに基づいて用紙に印刷を行う。
【0015】
画像読込装置170は、用紙に印刷されている情報を光学的に読み込んで画像データ(デジタルデータ)に変換する。画像読込装置170は、イメージスキャナを有する。CPU110は、画像読込装置170により得られた画像データに基づく画像を用紙に印刷するための処理を行う。
【0016】
図2は、画像形成装置100の内部構成の一例を示す図である。
図2において、画像読込装置170は、画像形成装置本体201の上方に略水平に設置される。画像読込装置170と画像形成装置本体201との間に、印刷された用紙Pを排出するための排出空間Sが形成されている。印刷された用紙Pは、排出空間Sの底面に突出された積載部202に積載される。なお、
図2において画像形成装置本体201内に示す構成は、用紙Pを除いて
図1に示すプリンタエンジン160に含まれるものとする。
【0017】
カセット給送部210は、給紙カセット211から用紙Pを給送する。カセット給送部210は、ピックアップローラ212と、フィードローラ213と、リタードローラ214と、を有する。なお、
図1では表記の都合上、1つのカセット給送部210に対してのみ符号を付す。ピックアップローラ212は、給紙カセット211から用紙Pを送り出す。フィードローラ213およびリタードローラ214は、ピックアップローラ212から送り出された用紙Pを分離して用紙搬送経路R1に搬送するためのローラである。
【0018】
手差し給送部220は、手差し給紙トレイ221から用紙Pを給送する。手差し給送部220は、給紙ローラ222と、引き抜きローラ223と、を有する。手差し給送部220は、カセット給送部210と同様に、手差し給紙トレイ221から用紙Pを用紙搬送経路R1に送り出し、送り出した用紙Pを分離して用紙搬送経路R1に搬送する。
カセット給送部210および手差し給送部220と、画像形成部230と、の間の用紙搬送経路R1上には、レジローラ対260が設けられている。レジローラ対260は、用紙Pの斜行(用紙Pが用紙搬送経路R1の進行方向に対して斜めに進行すること)を補正する。
【0019】
画像形成部230は、例えば、4ドラムフルカラー方式である。画像形成部230は、例えば、レーザースキャナ231と、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の4色のトナー画像を形成する4個のプロセスカートリッジ232と、を有する。なお、
図1では表記の都合上、一色(例えばイエロー)のプロセスカートリッジ232に対してのみに符号を付す。
【0020】
各プロセスカートリッジ232は、感光体ドラム232aと、帯電手段である帯電器232bと、現像手段である現像器232cと、を有する。また、画像形成部230は、プロセスカートリッジ232の上方に設けられた二次転写部233と、定着部234と、を有する。トナーカートリッジ235は、現像器232cにトナーを供給するためのカートリッジである。
【0021】
二次転写部233は、駆動ローラ233aと、テンションローラ233bと、転写ベルト233cと、を有する。転写ベルト233cは、駆動ローラ233aおよびテンションローラ233bに巻き掛けられている。なお、転写ベルト233cの内側には、一次転写ローラ236が設けられている。一次転写ローラ236は、感光体ドラム232aに対向した位置で転写ベルト233cに当接する。なお、
図1では表記の都合上、1つの一次転写ローラ236に対してのみ符号を付す。
【0022】
転写ベルト233cは、不図示の駆動部により駆動される駆動ローラ233aにより矢印方向に回転する。二次転写部233の駆動ローラ233aと対向する位置には、二次転写ローラ237が設けられている。二次転写ローラ237は、転写ベルト233c上に形成されたカラー画像を用紙Pに転写する。定着部234は、二次転写ローラ237の上部に設けられる。定着部234は、加圧ローラ234aと、加熱ローラ234bと、を有する。なお、定着部234の構成の一例の詳細については
図3を参照しながら後述する。
【0023】
定着部234の左上部には第1排出ローラ対241a、第2排出ローラ対241b、および両面反転部250が設けられている。両面反転部250は、正転よび逆転の双方が可能な反転ローラ対251を有する。一面に画像が形成された用紙Pは、反転ローラ対251により、再搬送経路R2に送り出され、再度、画像形成部230に搬送される。
画像形成装置100の上部には、指示/表示部140が有するディスプレイが設けられている。
【0024】
メディアセンサ270は、給紙部から搬送されて用紙搬送経路R1を搬送中の用紙Pから、当該用紙Pの特徴量を検知する。用紙の特徴量は、例えば、表面性(表面の形状の特徴)、厚み、および大きさ等である。メディアセンサ270の一例の詳細については
図4を参照しながら後述する。
以上、本実施形態の画像形成装置100の内部構成を説明したが、以上の画像形成装置100の内部構成は一例であり、前述した構成に限定されるものではない。
【0025】
<画像形成装置100の動作>
次に、用紙Pに画像を形成する際の画像形成装置100の動作の一例を説明する。まず、CPU110は、印刷する原稿の画像データを受け取ると、画像データに対して画像処理を行う。CPU110は、画像処理した画像データを電気信号に変換して画像形成部230のレーザースキャナ231に伝送する。帯電器232bによって表面が所定の極性の電位に一様に帯電されている感光体ドラム232aの表面が、レーザースキャナ231から出力されるレーザーによって順次露光される。これにより、各プロセスカートリッジ232の感光体ドラム232a上に、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの静電潜像が順次形成される。
【0026】
その後、静電潜像は、各色のトナーによって現像されることにより可視化される。各感光体ドラム232a上の各色のトナー像は、一次転写ローラ236に印加された一次転写バイアスにより、転写ベルト233cに順次重ね合わせられて転写される。これにより、転写ベルト233c上にトナー像が形成される。また、このトナー画像の形成動作に並行して、用紙Pは、カセット給送部210または手差し給送部220によって1枚ずつレジローラ対260に搬送される。レジローラ対260により用紙Pの斜行が補正される。その後用紙Pは、レジローラ対260により二次転写部233に搬送される。二次転写ローラ237には二次転写バイアスが印加される。これにより、二次転写部233に搬送された用紙Pには、転写ベルト233c上に形成されたトナー像が一括して転写される。トナー像が転写された用紙Pは、定着部234に搬送される。
【0027】
定着部234に搬送された用紙Pは、加圧ローラ234aと加熱ローラ234bにより形成されたローラニップ部において熱および圧力を受ける。これにより、用紙P上の各色のトナーが溶融して、各色が混色し、用紙P上にカラーの画像が定着する。このとき、溶融したトナーの粘着力により、加熱ローラ234bへの張り付き力が用紙Pに発生する虞がある。用紙Pの剛度(コシ)が弱いと、回転する加熱ローラ234bに用紙Pがそのまま巻き取られる虞がある。このため、用紙Pを分離させるための不図示の分離板が加熱ローラ234bの下流側に設けられている。この後、画像が定着された用紙Pは、定着部234の下流に設けられた第1排出ローラ対241aおよび第2排出ローラ対241bによって排出空間Sに排出される。排出空間Sに排出された用紙Pは、排出空間Sの底面に突出された積載部202に積載される。なお、用紙Pの両面に画像を形成する際には、用紙Pは、用紙Pの片面(オモテ面)に画像が定着された後、反転ローラ対251により再搬送通路R2に搬送される。片面(オモテ面)に画像が形成された用紙Pは、再搬送通路R2を通って、画像形成部230に搬送される。そして、前述したのと同様にして用紙Pのウラ面に画像が形成される。
【0028】
メディアセンサ270は、用紙搬送経路R1に設けられる。前述したように本実施形態では、メディアセンサ270が、給紙カセット211および手差し給紙トレイ221から画像形成部230に向けて用紙搬送経路R1を搬送中の用紙Pの特徴量を検知する場合を例示する。また、本実施形態では、CPU110が、メディアセンサ270で検知された用紙Pの特徴量に基づいて、当該用紙Pの種類を判別する場合を例示する。
【0029】
なお、メディアセンサ270の設置位置は、
図1に図示する位置に限定されない。例えば、手差し給紙トレイ221から給送される用紙Pの特徴量を検知するために、メディアセンサ270は、例えば、給紙ローラ222および引き抜きローラ223の間において用紙搬送経路R1を搬送中の用紙Pの特徴量を検知してもよい。この場合、メディアセンサ270は、手差し給紙トレイ221から給送される用紙Pの特徴量を検知し、給紙カセット211から給送される用紙Pの特徴量を検知しない。また、例えば、給紙カセット211から給送される用紙Pの特徴量を検知するために、メディアセンサ270は、例えば、各給紙カセット211から画像形成部230に向かう用紙搬送経路R1の合流地点を搬送中の用紙Pの特徴量を検知してもよい。また、メディアセンサ270は、例えば、画像形成部230よりも下流において用紙搬送経路R1を搬送中の用紙Pの特徴量を検知してもよい。
【0030】
なお、本実施形態では、メディアセンサ270によって用紙の特徴量を検知して、CPU110がその検知結果に基づいて用紙の種類を判別することを、必要に応じて、メディアセンサ270を用いて用紙の種類を判別すると表現する。
以上、本実施形態の画像形成装置100の基本的な動作を説明したが、以上の画像形成装置100の基本的な動作は一例であり、前述した動作に限定されるものではない。
【0031】
<定着部234の説明>
図3は、定着部234の構成の一例を示す図である。本実施形態では、定着部234がアセンブリである場合を例示する。前述したように定着部234は、加圧ローラ234aと、加熱ローラ234bと、を有する。定着部234は、さらに、ヒータホルダ234c、定着ヒータ234d、定着フィルム234e、および温度検知センサ234fを有する。
【0032】
ヒータホルダ234cは、定着ヒータ234dを保持(固定)する。定着ヒータ234dは、ヒータホルダ234cの下部に固定される。定着ヒータ234dの長手方向(
図3の紙面に垂直な方向)は、例えば、ヒータホルダ234cの長手方向(
図3の紙面に垂直な方向)と平行である。定着フィルム234eは、弾性層であり、加熱ローラ234bの表面に設けられる。なお、
図3に示す各矢印Rは、加圧ローラ234aおよび加熱ローラ234bのそれぞれの回転の方向を示す。また
図3に示す矢印Tは、トナー301が載った用紙Pの移動方向を示す。
【0033】
加圧ローラ234aの芯金の両端部(
図3の紙面に垂直な方向の端部)は、定着部234の両側端部(
図3の紙面に垂直な方向の端部)において、回転自由に軸受させた状態になっている。ヒータホルダ234cは、定着ヒータ234d側を加圧ローラ234bと接する向きにして設置される。また、ヒータホルダ234cは、不図示の付勢機構により所定の押圧力で押圧された状態になっている。これにより、定着ヒータ234dの面が、定着フィルム234eを挟んで加圧ローラ234aの弾性に抗して圧接されて、所定幅のローラニップ部302が形成される。
【0034】
加圧ローラ234aは、不図示の駆動機構により矢印Rで示す反時計方向に所定の周速度にて回転駆動する。定着ヒータ234dは、セラミック基板と、セラミック基板上に設けられた抵抗発熱体と、を有する。定着ヒータ234dには、温度検知センサ234fが当接している。CPU110は、温度検知センサ234fで検知された定着ヒータ234dの温度に基づいて、定着ヒータ234dの温度が所定の目標温度になるように、定着ヒータ234dに供給する電力を制御する。定着ヒータ234dの目標温度は、用紙の種類および環境温度等で決定される。CPU110は、指示/表示部140から設定された用紙の種類、あるいは、メディアセンサ270によって検知された用紙の種類に従って、定着ヒータ234dの目標温度を決定する。定着ヒータ234dの目標温度は、例えば、普通紙に対して薄紙の場合は低めの温度に、厚紙の場合は高めの温度に設定される。
以上、本実施形態の定着部234の構成を説明したが、以上の定着部234の構成は一例であり、前述した構成に限定されるものではない。
【0035】
<メディアセンサ270の説明>
図4は、メディアセンサ270の構成の一例を示す図である。
図4に示す例では、メディアセンサ270は、発光素子270aと、受光素子270bと、を有する。発光素子270aは、例えばLEDである。受光素子270bは、例えばフォトダイオードである。発光素子270aが発光した光の用紙Pからの反射光を受光素子270bが検知することができるように、発光素子270aおよび受光素子270bが設置される。受光素子270bは、用紙Pからの反射光の量を検知する。また、メディアセンサ270には、メディアセンサ270内の搬送経路に用紙Pを案内するガイド部270cが設けられている。
【0036】
CPU110は、受光素子270bの入力信号をメディアセンサ270の出力値として受信する。メディアセンサ270の出力値は、用紙の特徴量(例えば、表面性および坪量等)によって異なる値になる。CPU110は、メディアセンサ270の出力値に基づいて、用紙Pの特徴量を特定し、特定した特徴量に基づいて、用紙Pの種類を判別することが可能である。例えば、CPU110は、用紙の種類と、当該用紙の特徴量と、を相互に関連付けて記憶する紙種データベースを用いて用紙Pの種類を判別する。この場合、CPU110は、メディアセンサ270の出力値に基づいて、用紙Pの特徴量を特定し、特定した特徴量に関連付けられている用紙の種類を、紙種データベースから読み出すことにより、用紙Pの種類を判別する。なお、CPU110は、用紙Pの特徴量に関連付けられている用紙の種類が紙種データベースにない場合、当該用紙Pは、印刷することができない用紙であると判定する。この場合、CPU110は、用紙Pが印刷に適さないために、印刷することができないことを、指示/表示部140に表示させてもよい。なお、CPU110は、後述する調整用チャートについては、用紙Pの特徴量に関連付けられている用紙の種類が紙種データベースになくても印刷を行うと判定する。
【0037】
そしてCPU110は、判別した用紙Pの種類に従って、画像形成速度や、定着部234(定着ヒータ234d)の目標温度を最適に制御する。以上のように、本実施形態では、CPU110が、メディアセンサ270を用いて用紙Pの種類を判別することで、ユーザは用紙の種類を意識して設定する必要がなくなる。そのため、本実施形態における画像形成装置100は、メディアセンサ270を用いて用紙の種類を判別し、その用紙の種類に応じて印刷制御パラメータ等を自動で設定するモード(以下、メディア自動設定モードとする)を有する。一方で、本実施形態の画像形成装置100は、印刷に使用する用紙の種類をユーザが手動で設定するモード(以下、メディア手動設定モードとする)も有する。
【0038】
ユーザは、指示/表示部140を操作することで、給紙カセット211および手差し給紙トレイ221毎に、メディア自動設定モードおよびメディア手動設定モードのうちのいずれかの設定モードを予め設定することが可能である。なお、デフォルトのモードは、例えば、メディア自動設定モードである。また、設定モードがメディア自動設定モードおよびメディア手動設定モードのうちのいずれであるかを示す設定値は、例えば、RAM130に記憶される。
【0039】
以上、本実施形態のメディアセンサ270の構成を説明したが、以上のメディアセンサ270の構成は一例であり、前述した構成に限定されない。例えば、メディアセンサ270は、発光素子および受光素子に加えて、圧電素子等の超音波センサを組み合わせた構成であってもよく、当該構成を有していてもよい。
【0040】
なお、メディア自動設定モードおよびメディア手動設定モードの設定方法と、設定に応じた画像形成装置100の処理は、例えば、特許文献1に記載の内容で実現される。したがって、ここでは、特許文献1に記載の内容と同じ部分についての詳細な説明を省略する。なお、本実施形態の画像形成装置100は、設定モードがメディア自動設定モードである場合には、メディアセンサ270を用いて印刷に使用する用紙の種類を判別する。一方、設定モードがメディア手動設定モードである場合、画像形成装置100は、印刷に使用する用紙の種類を、ユーザが手動で設定した用紙の種類とする。
【0041】
<ユーザ定義用紙の説明>
次に、
図5A~
図5Bを参照しながら、ユーザ定義用紙の登録方法の一例を説明する。なお、
図5A~
図5Bに示す画面501、511、521、531、541は、指示/表示部140に表示される画面の一例を模式的に示したものである。本実施形態において、ユーザ定義用紙とは、ユーザが独自に設定した種類の用紙である。ユーザは、ユーザ定義用紙に対し、印刷制御パラメータを設定することが可能である。印刷制御パラメータは、用紙に画像を形成するための制御パラメータである。印刷制御パラメータには、例えば、用紙の特徴量や、定着ヒータ234dの温度や、二次転写電圧の調整値や、用紙内の画像位置の調整値等が含まれる。用紙の特徴量には、例えば、坪量や表面性等が含まれる。本実施形態では、予め用意されている基本用紙の印刷制御パラメータを基にして、後述するようにしてユーザ定義用紙が登録される場合を例示する。基本用紙の印刷制御パラメータは、紙種データベースに記憶されており、ユーザ定義用紙の印刷制御パラメータは、紙種データベースに追加される。紙種データベースは、画像形成装置100の内部の記憶媒体に記憶されていてもよいし、画像形成装置100の外部において管理されていてもよい。例えば、紙種データベースには、用紙の種類と、当該用紙の特徴量と、当該用紙の印刷制御パラメータと、が相互に関連付けて記憶される。本実施形態では、紙種データベースがRAM130に記憶されている場合を例示する。
【0042】
図5Aは、用紙種類選択画面501、511の一例を示す図である。用紙種類選択画面501、511は、例えば、メニュー画面に対するユーザの選択操作に基づいて指示/表示部140に表示される。
【0043】
ユーザは、
図5Aに示す用紙種類選択画面501、511のプルダウン502によって、基本用紙と、ユーザ定義用紙と、全ての用紙と、の3つのうちのいずれか1つを選択することが可能である。CPU110は、ユーザの選択に応じてRAM130に記憶している紙種データベース内の用紙の情報を読み出し、用紙一覧503に表示する。なお、
図5Aでは、基本用紙と、ユーザ定義用紙とが、プルダウン502によって選択された状態を例示し、全ての用紙が選択された状態の図示を省略する。全ての用紙が選択された場合、基本用紙と、ユーザ定義用紙と、が用紙一覧503に表示される。
【0044】
図5A(a)に示す用紙種類選択画面501は、プルダウン502によって基本用紙が選択された場合に表示される用紙種類選択画面の一例である。用紙一覧503には、ユーザ定義用紙を設定する際に選択可能な基本用紙の一覧が表示される。CPU110は、紙種データベースに登録されている基本用紙の情報を読み出して用紙一覧503に表示させる。ユーザは、用紙一覧503に表示された用紙から任意の基本用紙を選択し、複製ボタン505を押下することで、基本用紙に対して紙種データベースに登録されている情報を基に、新たなユーザ定義用紙を紙種データベースに登録することができる。なお、新たなユーザ定義用紙には、新規名称が付けられる。複製ボタン505が押下されることにより新たなユーザ定義用紙の情報を登録することは、例えば、特許文献1に記載されているようにして行われるので、ここでは、その詳細な説明を省略する。
【0045】
ユーザは、用紙一覧503に表示された用紙から任意の基本用紙を選択したうえで、詳細/編集ボタン504を押下することで、基本用紙の詳細を確認することが可能である。基本用紙の特徴量には、例えば、坪量やサイズ等が含まれる。なお、本実施形態では、基本用紙については、特徴量を変更することができないものとする。したがって、ユーザは、用紙一覧503に表示された用紙から任意の基本用紙を選択したうえで、詳細/編集ボタン504を押下しても、基本用紙の特徴量(印刷制御パラメータ)を変更することができない。また、本実施形態では、基本用紙は削除することができないものとする。このため、プルダウン502によって基本用紙が選択されている場合、削除ボタン506は押下できないように網掛けとなっている。OKボタン507が押下されると、CPU110は、用紙種類選択画面501の表示を終了させる。
【0046】
図5A(b)に示す用紙種類選択画面511は、プルダウン512によって、ユーザ定義用紙が選択された場合に表示される用紙種類選画面の一例である。用紙一覧513には、ユーザ定義用紙の一覧が表示される。CPU110は、紙種データベースに登録されているユーザ定義用紙の情報を読み出して用紙一覧513に表示させる。ユーザは、用紙一覧513に表示された用紙から任意のユーザ定義用紙を選択したうえで、詳細/編集ボタン514を押下することで、紙種データベースに登録済みのユーザ定義用紙の詳細を確認することが可能である。また、ユーザは、用紙一覧513に表示された用紙から任意のユーザ定義用紙を選択したうえで、詳細/編集ボタン514を押下することで、紙種データベースに登録済みのユーザ定義用紙の特徴量(印刷制御パラメータ)を変更することが可能である。ユーザ定義用紙の特徴量には、例えば、坪量やサイズ等が含まれる。
【0047】
さらに、ユーザは、用紙一覧513に表示された用紙から任意のユーザ定義用紙を選択したうえで複製ボタン515を押下することで、紙種データベースに登録済みのユーザ定義用紙を基に、新たなユーザ定義用紙を登録することができる。前述したように、複製ボタン515が押下されることにより新たなユーザ定義用紙の情報を登録することは、例えば、特許文献1に記載されているようにして行われるので、ここでは、その詳細な説明を省略する。また、ユーザは、用紙一覧513に表示された用紙から任意のユーザ定義用紙を選択したうえで削除ボタン516を押下することで、選択したユーザ定義用紙を紙種データベースから削除することが可能である。OKボタン517が押下されると、CPU110は、用紙種類選択画面511の表示を終了させる。
【0048】
図5Bは、用紙種類選択画面501、511に対する操作後に表示される画面の一例を示す図である。用紙種類選択画面501、511の詳細/編集ボタン504、514が押下されると、CPU110は、指示/表示部140に表示される画面を、
図5Aに示す用紙種類選択画面501、511から
図5B(a)に示す詳細/編集画面521に遷移させる。詳細/編集画面521により、ユーザは、各種の用紙を制御するために必要な印刷制御パラメータの設定の確認および編集を行うことが可能である。なお、前述したように本実施形態では、基本用紙については特徴量(印刷制御パラメータ)を変更することができない場合を例示する。この場合、
図5A(a)に示す用紙種類選択画面501の詳細/編集ボタン504、514が押下された場合に表示される詳細/編集画面521においては、印刷制御パラメータの編集(変更)を行うことができないようにする。例えば、変更ボタン522a~522eは、押下できないように網掛けとする。
【0049】
詳細/編集画面521において、名称の欄には、基本用紙およびユーザ定義用紙の名称が表示される。基本用紙の名称は、画像形成装置100に予め登録されている名称である。一方、ユーザ定義用紙の名称は、ユーザが登録した名称である。種別の欄には、基本用紙およびユーザ定義用紙のうちのいずれかが表示される。坪量の欄には、用紙の重さが表示される。サイズの欄には、用紙のサイズが表示される。表面性の欄には、用紙の表面の形状の特徴を表す種別が表示される。二次転写電圧の調整の欄および画像位置の調整の欄には、設定なしおよび設定ありのいずれかが表示される。二次転写電圧および画像位置の調整値の一例を次に説明する。
【0050】
<調整値の説明>
二次転写電圧とは、二次転写ローラ237に印加される電圧である。二次転写電圧は、例えば、転写ベルト233c上のトナーを用紙Pに転写するために必要な大きさの値であって異常放電が起きない程度の大きさの値に設定される。例えば、用紙の水分量や抵抗値が標準値と大きく異なる種類の用紙Pを印刷に使用する場合、二次転写電圧のデフォルト値では最適な転写を行えない虞がある。例えば、印刷に使用する用紙Pの抵抗値が標準値より大きい場合、デフォルト値では二次転写電圧が不足する虞があるため、デフォルト値よりも大きな値の二次転写電圧を二次転写ローラ237に印加する必要がある。また、印刷に使用する用紙Pの水分量が標準値より小さい場合、異常放電が起きやすく、異常放電に起因する画像不良が発生する虞があるため、デフォルト値より小さい値の二次転写電圧を二次転写ローラ237に印加する必要がある。このように、印刷に使用する用紙Pの種類に応じて二次転写電圧を適切な値に制御する必要がある。そこで、画像形成装置100は、用紙の種類に応じた適切な調整値を二次転写電圧の調整値として登録するために、不図示の調整用チャートを用紙Pに印刷する。その後、用紙Pに印刷された調整用チャートを画像読込装置170で読み込む。CPU110は、画像読込装置170で読み込まれた調整用チャートに基づいて、転写効率が規定範囲内に収まるように二次転写電圧の調整値を決定する。
【0051】
ユーザは、二次転写電圧の調整の新規登録および再登録を行いたい場合、変更ボタン522a~522eのうち、二次転写電圧の調整に対応する変更ボタン522dを押下する。そうすると、CPU110は、指示/表示部140に表示される画面を、
図5B(a)に示す詳細/編集画面521から、
図5B(b)に示すチャートプリント画面531に遷移させる。チャートプリント画面531においてプリント開始ボタン532が押下されると、CPU110は、調整用チャートを用紙Pに印刷させた後、
図5B(c)に示すチャート読込画面541を指示/表示部140に表示させる。ユーザは、用紙Pに印刷された調整用チャートを画像読込装置170が有するフィーダに置き、読込開始ボタン542を押下する。読込開始ボタン542が押下されると、CPU110は、画像読込装置170に対してフィーダに置かれた用紙Pのスキャンを指示する。CPU110は、画像読込装置170で読み込まれた調整用チャートに基づいて、二次転写電圧の調整値を算出する。CPU110は、算出した二次転写電圧の調整値を、用紙種類選択画面501、511の用紙一覧503、513から選択された用紙に対する二次転写電圧として、当該用紙に関連付けて紙種データベースに登録する。このようにして用紙の二次転写電圧の調整値が紙種データベースに登録されると、詳細/編集画面521において、当該用紙の二次転写電圧の調整の欄に、設定ありが表示される。
【0052】
なお、
図5B(a)に示す詳細/編集画面521においてOKボタン524が押下された場合、CPU110は、例えば、指示/表示部140に表示される画面を、詳細/編集画面521から用紙種類選択画面501、511に戻す。また、
図5B(b)に示すチャートプリント画面531においてキャンセルボタン533が押下された場合、CPU110は、例えば、指示/表示部140に表示される画面を、チャートプリント画面531から詳細/編集画面521に戻す。また、
図5B(c)に示すチャート読込画面541においてキャンセルボタン543が押下された場合、CPU110は、例えば、指示/表示部140に表示される画面を、チャート読込画面541から詳細/編集画面521に戻す。なお、この場合、CPU110は、例えば、指示/表示部140に表示される画面を、チャート読込画面541からチャートプリント画面531に戻してもよい。
【0053】
画像位置の調整は、用紙Pのオモテ面およびウラ面に印刷される画像の位置を調整するために行われる。用紙Pの種類によって、画像形成部230に設けられているロールの滑り具合や、画像形成後の用紙Pの縮み具合等が異なる。このため、用紙Pのオモテ面とウラ面に対し、用紙Pの基準位置から見た場合の画像位置の調整値(すなわち、用紙Pの基準位置を原点とする相対座標系における画像の座標値に対する調整値)が設定される。用紙Pの基準位置は、例えば、左上端である。そこで、画像形成装置100は、用紙に対して適切な調整値を登録するために、不図示の調整用チャートを用紙Pのオモテ面およびウラ面にそれぞれ印刷する。その後、用紙Pに印刷された調整用チャートを画像読込装置170で読み込む。CPU110は、画像読込装置170で読み込まれた調整用チャートに基づいて、画像位置の調整値を算出する。例えば、CPU110は、用紙Pに印刷した調整用チャートの位置(狙い位置)と、画像読込装置170で読み込まれた調整用チャートの位置(実際の位置)と、の差に基づいて、画像位置の調整値を算出する。前述した二次転写電圧を調整するための調整用チャートと、画像位置を調整するための調整用チャートは、同じ画像であってもよいし、調整対象に応じて異なる画像としてもよい。
【0054】
ユーザは、画像位置の調整の新規登録および再登録を行いたい場合、変更ボタン522a~522eのうち、画像位置の調整に対応する変更ボタン522eを押下する。そうすると、二次転写電圧の調整時と同様に、チャートプリント画面531の表示、プリント開始ボタン532の押下、調整用チャートの印刷、チャート読込画面541の表示、読込開始ボタン542の押下、および調整用チャートの読み込みが行われる。CPU110は、画像読込装置170で読み込まれた調整用チャートに基づいて、画像位置の調整値を算出する。CPU110は、算出した画像位置の調整値を、用紙種類選択画面501、511の用紙一覧503、513から選択された用紙に対する画像位置として、当該用紙に関連付けて紙種データベースに登録する。このようにして用紙の画像位置の調整値が紙種データベースに登録されると、詳細/編集画面521において、当該用紙の画像位置の調整の欄に、設定ありが表示される。
【0055】
なお、
図5B(a)では、詳細/編集画面521において、名称、種別、坪量、サイズ、表面性、二次転写電圧の調整、および画像位置の調整が表示される場合を例示する。しかしながら、紙種データベースには、他にも、印刷制御パラメータを含む各種のパラメータが登録されている。ユーザは、ボタン523を押下することで、それらのパラメータの確認および紙種データベースへの登録を行うことができる。
【0056】
また、ここでは、ユーザが複製ボタン505、515や詳細/編集ボタン504、514を押下することによって、ユーザ定義用紙の登録や、印刷制御パラメータの設定(変更)を手動で行う場合を説明した。本実施形態では、このような印刷制御パラメータの手動の設定に加え、CPU110が、メディアセンサ270を用いて当該用紙の種類を判別し、判別した用紙の種類に基づいて、当該用紙の印刷制御パラメータを設定する場合を例示する。このようにことによって、ユーザは、ユーザ定義用紙を登録するための操作の際に、用紙の種類を意識することなくなる。さらに、本実施形態では、調整用チャートを印刷する際に用紙Pの特徴量をメディアセンサ270で検知する。これにより、メディアセンサ270による用紙Pの特徴量の検知の際に白紙を出力することによる用紙Pの無駄を抑制することができる。さらに、調整用チャートに基づく調整値と、メディアセンサ270の出力値に基づく特徴量と、を印刷制御パラメータとして設定することを、調整用チャートの印刷および当該調整用チャートの光学的な読み込みという一連の動作で実行することができる。以下に、このようにする手法の一例を説明する。
【0057】
<ユーザ定義用紙の登録>
図6A~
図6Cは、ユーザが用紙の種類を意識することなくユーザ定義用紙を登録するための画面の一例を示す図である。
図6A(a)に示す用紙設定画面601は、例えば、CPU110が、手差し給紙トレイ221に用紙Pが置かれたと判別した場合に、指示/表示部140に表示される。なお、手差し給紙トレイ221に用紙Pが置かれたことは、例えば、手差し給紙トレイ221に設けられている不図示のセンサによって検知される。以下の説明では、手差し給紙トレイ221に用紙Pが置かれた場合を例示するが、給紙カセット211に置かれている用紙Pをユーザ定義用紙として設定する場合に用紙設定画面601が表示されてもよい。この場合、例えば、用紙設定画面601は、給紙カセット211毎の画面になる。また、用紙設定画面601は、例えば、用紙Pが給紙カセット211に置かれたことではなく、ユーザによって、用紙設定画面601の呼び出し操作が行われた場合に指示/表示部140に表示される。用紙設定画面601の呼び出し操作は、例えば、メニュー画面に対する選択操作により行われる。
【0058】
用紙設定画面601では、手差し給紙トレイ221に置かれた用紙Pのサイズや種類等の設定が可能である。
「はじめて使う用紙」ボタン602は、ユーザ定義用紙を登録する場合に押下されるボタンである。「よく使う」ボタン603は、既存のユーザ定義用紙のうちユーザによって予め登録されたユーザ定義用紙の印刷を行う場合に押下されるボタンである。「よく使う」ボタン603が押下されると、CPU110は、印刷を行う用紙を選択するための不図示の画面を指示/表示部140に表示させる。当該画面において選択された用紙に対して紙種データベースに登録されている印刷制御パラメータに基づく印刷が行われる。なお、当該画面において基本用紙が選択可能となっていてもよい。「用紙サイズを変更」ボタン604は、用紙Pのサイズを選択する際に押下されるボタンである。「用紙サイズを変更」ボタン604が押下されると、CPU110は、用紙Pのサイズを選択するための不図示の画面を指示/表示部140に表示させる。なお、当該画面では、規格により定められているサイズに加えて、ユーザが定義したサイズを選択することができる。「用紙種類を変更」ボタン605は、用紙Pの種類を選択する際に押下されるボタンである。「用紙種類を変更」ボタン605が押下されると、CPU110は、用紙Pの種類を選択するための不図示の画面を指示/表示部140に表示させる。なお、当該画面では、メディアセンサ270を用いて用紙の種類を判別することを選択することができる。このように当該画面において、用紙の種類を選択することに加え、メディアセンサ270を用いて用紙の種類を判別することを選択することができるようにすることによって、前述したメディア自動設定モードまたはメディア手動設定モードが設定される。OKボタン606が押下されると、CPU110は、用紙設定画面601の表示を終了させる。
【0059】
「はじめて使う用紙」ボタン602が押下されると、CPU110は、指示/表示部140に表示される画面を、
図6A(a)に示す用紙設定画面601から、
図6A(b)に示す操作説明画面611に遷移させる。操作説明画面611には、ユーザ定義用紙を登録するために必要な操作の内容が表示される。操作説明画面611においてキャンセルボタン613が押下された場合、CPU110は、指示/表示部140に表示される画面を、操作説明画面611から用紙設定画面601に戻す。
【0060】
ユーザ定義用紙の登録を継続する場合、ユーザは、次へボタン612を押下する。そうすると、CPU110は、指示/表示部140に表示される画面を、
図6A(b)に示す操作説明画面611から
図6B(a)に示す印刷指示画面621に遷移させる。印刷指示画面621においてキャンセルボタン623が押下された場合、CPU110は、指示/表示部140に表示される画面を、印刷指示画面621から用紙設定画面601に戻す。なお、CPU110は、指示/表示部140に表示される画面を、印刷指示画面621から操作説明画面611に戻してもよい。
【0061】
手差し給紙トレイ221に置いた用紙Pに調整用チャートを印刷する場合、ユーザは、プリント開始ボタン622を押下する。そうすると、CPU110は、各種の調整を行うための調整用チャートを手差し給紙トレイ221に置かれた用紙Pに対して行うことをプリンタエンジン160に指示する。また、CPU110は、調整用チャートを印刷する最初の用紙Pの給紙時にメディアセンサ270で用紙Pの特徴量を検知させ、当該特徴量に基づいて用紙Pの種類を判別する。
【0062】
そして、CPU110は、判別した用紙の種類を紙種データベースに複製し、複製した用紙の種類を、手差し給紙トレイ221に置かれた用紙P(ユーザ定義用紙)の情報として紙種データベースに作成する。このとき、CPU110は、メディアセンサ270の出力値に基づいて特定することが可能な印刷制御パラメータ(例えば坪量および表面性等)を、当該手差し給紙トレイ221に置かれた用紙Pの印刷制御パラメータとして紙種データベースに登録する。
【0063】
また、本実施形態では、CPU110が、メディアセンサ270の出力値に基づいて特定した印刷制御パラメータに基づいて調整用チャートを印刷することをプリンタエンジン160に指示する場合を例示する。例えば、両面印刷の実行が指示されている場合に、メディアセンサ270の出力値に基づいて特定した坪量および表面性が、両面印刷をすることができない坪量および表面性であるとする。この場合、CPU110は、調整用チャートの印刷を両面印刷から片面印刷に変更する。また、ADF用の調整用チャートの印刷が指示されている場合に、メディアセンサ270の出力値に基づいて特定した坪量および表面性が、ADF(Auto Document Feeder)で用紙Pをスキャンできない坪量および表面性であるとする。この場合、CPU110は、印刷対象の調整用チャートを、ADF用の調整用チャートから、圧板用の調整用チャートに変更する。このように、CPU110は、メディアセンサ270の出力値に基づいて特定した印刷制御パラメータに基づいて調整用チャートを印刷することをプリンタエンジン160に指示するのが好ましい。
【0064】
以上のようにして調整用チャートが用紙Pに印刷された後、CPU110は、指示/表示部140に表示される画面を、
図6B(a)に示す印刷指示画面621から
図6B(b)に示す読込指示画面631に遷移させる。読込指示画面631においてキャンセルボタン633が押下された場合、CPU110は、指示/表示部140に表示される画面を、読込指示画面631から用紙設定画面601に戻す。なお、CPU110は、指示/表示部140に表示される画面を、読込指示画面631から操作説明画面611または印刷指示画面621に戻してもよい。
【0065】
用紙Pに印刷された調整用チャートを画像読込装置170で読み込ませる場合、ユーザは、当該用紙Pを画像読込装置170にセットした後に、読込開始ボタン632を押下する。そうすると、CPU110は、用紙Pの情報の読み込みを画像読込装置170に指示する。画像読込装置170は、用紙Pをスキャンして、当該用紙Pに印刷されている調整用チャートを光学的に読み込む。
【0066】
CPU110は、画像読込装置170で読み込まれた調整用チャートに基づいて、当該調整用チャートで算出可能な印刷制御パラメータの調整値を算出する。ここで行われる調整は、例えば、二次転写電圧および画像位置の調整である。ただし、ここで行われる調整は、用紙Pに紐づけて実施が必要な調整であれば、二次転写電圧および画像位置の調整に限定されない。例えば、ここで行われる調整は、定着ヒータ234dの目標温度の調整や、画像形成速度の調整であってもよい。また、調整用チャートの印刷および読み込みは、複数の印刷制御パラメータに対して一括して行われてもよいし、個々の印刷制御パラメータごとに個別に行われてもよい。前者の場合、CPU110は、1つの調整用チャートから、複数の印刷制御パラメータの調整値を算出する。後者の場合、CPU110は、1つの調整用チャートから、1つの印刷制御パラメータの調整値を算出する。CPU110は、以上のようにして算出した調整値を、紙種データベースに新規に登録したユーザ定義用紙(調整用チャートを印刷するために手差し給紙トレイ221に置かれた用紙P)の印刷制御パラメータとして、紙種データベースに登録する。
【0067】
次に、CPU110は、指示/表示部140に表示される画面を、
図6B(b)に示す読込指示画面631から
図6C(a)に示す名称入力画面641に遷移させる。名称入力画面641においてキャンセルボタン645が押下された場合、CPU110は、指示/表示部140に表示される画面を、名称入力画面641から用紙設定画面601に戻す。なお、CPU110は、指示/表示部140に表示される画面を、名称入力画面641から操作説明画面611、印刷指示画面621、または読込指示画面631に戻してもよい。
【0068】
ユーザは、名称入力欄642に任意の名称を入力した後、OKボタン643を押下する。このとき、紙種データベースに新規に登録したユーザ定義用紙を、よく使う用紙として設定する場合、ユーザは、チェックボックス644をチェックしたうえで、OKボタン643を押下する。これにより、
図6A(a)に示した「よく使う」ボタン603が押下された場合に、紙種データベースに新規に登録したユーザ定義用紙が、印刷を行う用紙の選択肢に含まれる。
【0069】
OKボタン643が押下されると、CPU110は、指示/表示部140に表示される画面を、
図6C(b)に示す用紙設定画面651に遷移させる。用紙設定画面651は、
図6A(a)に示した用紙設定画面601と同じ役割の画面である。ただし、
図6C(b)に示す用紙設定画面651では、用紙種類の欄652に、
図6C(a)に示した名称入力欄642に入力された名称が表示され、以上のようにしてユーザ定義用紙が紙種データベースに登録された状態になる。その後、ユーザは、当該ユーザ定義用紙と同種の用紙を印刷する場合、例えば、「よく使うボタン」603を押下する。そして、ユーザは、「よく使うボタン」603を押下することにより表示される不図示の画面において当該ユーザ定義用紙を選択する。これにより、当該ユーザ定義用紙に対して紙種データベースに登録されている印刷制御パラメータを用いた印刷が実行される。
【0070】
以上が、ユーザ定義用紙を登録する際の画面の遷移の一例である。次に、ユーザ定義用紙を登録する際の制御フローの一例を
図7のフローチャートを用いて説明する。
図7のフローチャートの各ステップは、例えば、CPU110が、制御プログラムをROM120から読み出してRAM130に展開し、実行することで実現される。
【0071】
ここでは、手差し給紙トレイ221に用紙Pが置かれているとCPU110が判別した場合に
図7のフローチャートが開始する場合を例示する。
S701において、CPU110は、用紙設定画面601を指示/表示部140に表示させる。
次に、S702において、CPU110は、「はじめて使う用紙」ボタン602が押下されるまで待機する。そして、「はじめて使う用紙」ボタン602が押下されると(S702でYesの場合)、S703の処理が行われる。S703において、CPU110は、操作説明画面611を指示/表示部140に表示させた後、印刷指示画面621を指示/表示部140に表示させる。なお、操作説明画面611から印刷指示画面621への画面の遷移は、操作説明画面611の次へボタン612の押下により行われる。
【0072】
次に、S704において、CPU110は、プリント開始ボタン622が押下されるまで待機する。そして、プリント開始ボタン622が押下されると(S704でYesの場合)、S705の処理が行われる。S705において、CPU110は、手差し給紙トレイ221から用紙Pを給紙させることをプリンタエンジン160に指示すると共に、用紙の特徴量を検知することをメディアセンサ270に指示する。そして、CPU110は、メディアセンサ270の出力値に基づいて、用紙Pの種類を判別する。
【0073】
次に、S706において、CPU110は、S705で判別した用紙の種類を紙種データベースに複製してユーザ定義用紙の情報を紙種データベースに作成する。次に、S707において、CPU110は、メディアセンサ270の出力値に基づいて特定される印刷制御パラメータを、S706で作成したユーザ定義用紙の印刷制御パラメータとして登録する。
【0074】
次に、S708において、CPU110は、S707で登録したユーザ定義用紙の印刷制御パラメータに基づいて調整用チャートの印刷をプリンタエンジン160に指示する。次に、S709において、CPU110は、読込指示画面631を指示/表示部140に表示させる。
【0075】
次に、S710において、CPU110は、読込開始ボタン632が押下されたか否かを判定する。この判定の結果、読込開始ボタン632が押下されていない場合(S710でNoの場合)、S709の処理が再び行われる。一方、読込開始ボタン632が押下されると(S710でYesの場合)、S711の処理が行われる。S711において、CPU110は、用紙の情報の読み込みを画像読込装置170に指示する。これにより、画像読込装置170は、用紙をスキャンして、当該用紙に印刷されている調整用チャートを光学的に読み込む。
【0076】
次に、S712において、CPU110は、調整用チャートのスキャン画像に基づいて、用紙の印刷制御パラメータの調整値を算出する。次に、S713において、CPU110は、S712で算出した調整値を、S706で作成したユーザ定義用紙の印刷制御パラメータとして登録する。
【0077】
次に、S714において、CPU110は、名称入力画面641を指示/表示部140に表示させる。次に、S715において、CPU110は、名称入力欄642に名称が入力されたうえで、OKボタン643が押下されるまで待機する。そして、名称入力欄642に名称が入力されたうえで、OKボタン643が押下されると(S715でYesの場合)、S716の処理が行われる。
【0078】
S716において、CPU110は、名称入力欄642にされた名称を、S706で作成したユーザ定義用紙の名称として登録する。次に、S717において、CPU110は、手差し給紙トレイ221から給紙される用紙の種類としてS701~S715の処理で紙種データベースに登録したユーザ定義用紙を設定する。また、CPU110は、
図6C(b)に示す用紙設定画面651の用紙種類の欄652に、名称入力欄642に入力された名称を表示させる。S717の処理が終了すると、
図7のフローチャートによる処理は終了する。
【0079】
<まとめ>
以上のように本実施形態では、画像形成装置100は、用紙Pの特徴が反映された情報である用紙情報を当該用紙から検知する。そして、画像形成装置100は、検知した用紙情報に基づいて、当該用紙Pの印刷制御パラメータの少なくとも1つを用紙データベースに登録される情報として設定する。したがって、個々の印刷制御パラメータを手動で設定するために、用紙の種類および特徴をユーザが特定する手間を軽減することができる。例えば、画像形成装置100は、メディアセンサ270で検知された用紙の特徴量(例えば、坪量および表面性等)に基づいて、当該用紙の種類を判別する。そして、画像形成装置100は、判別した用紙の種類に基づいて、当該用紙の印刷制御パラメータを用紙データベースに登録される情報として設定する。また、画像読込装置170で検知された調整用チャートに基づいて、当該調整用チャートが印刷されている用紙の印刷制御パラメータを用紙データベースに登録される情報として設定する。この場合、用紙Pの特徴が反映された情報(用紙情報)の一例は、用紙の特徴量および調整用チャートである。そして、用紙情報の検知として、メディアセンサ270を用いた第1の検知と、画像読込装置170を用いた第2の検知と、が行われる。また、印刷情報の一例として、調整用チャートが印刷される。
【0080】
ここで、用紙搬送経路R1を搬送中の用紙Pを検知対象とするメディアセンサ270を用いて用紙Pの種類を判別するためには、用紙Pを出力する必要がある。この場合、白紙の用紙Pを出力すると、無駄に用紙を消費することになる。また、特許文献1に記載のように、メディアセンサ270を用いて判別した用紙Pの種類をユーザ定義用紙としても、印刷制御パラメータの変更をユーザが行うのでは、メディアセンサ270で測定可能な特徴量をユーザがわざわざ入力する手間が発生し煩わしい。これに対し、本実施形態では、画像形成装置100は、用紙Pに調整用チャートを印刷する際に、当該用紙Pの特徴量を検知し、調整用チャートが印刷された用紙Pから調整用チャートを読み込み、当該調整用チャートに基づいて調整値を算出する。したがって、メディアセンサ270で用紙Pの特徴量を検知する際に白紙を出力する必要がなくなる、よって、メディアセンサ270により用紙Pの特徴量を検知する際の用紙の無駄を抑制することができる。さらに、調整用チャートに基づく調整値とメディアセンサ270の出力値に基づく特徴量とを印刷制御パラメータとして設定することにより、ユーザがユーザ定義用紙の情報を作成および編集する手間を軽減することができる。
【0081】
(その他の実施例)
本発明は、前述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
また、以上説明した本発明の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0082】
また、本実施形態の開示は、例えば、以下の構成および方法を含む。
(構成1)
用紙の特徴が反映された情報である用紙情報を、当該用紙から検知する検知手段と、
前記検知手段により検知された前記用紙情報に基づいて、用紙に印刷を行う際に用いる印刷制御パラメータの少なくとも1つを用紙データベースに登録される情報として設定する設定手段と、
を有することを特徴とする処理装置。
(構成2)
前記検知手段は、用紙が給紙された後、印刷される前に、当該用紙から前記用紙情報を検知する第1の検知手段を有することを特徴とする構成1に記載の処理装置。
(構成3)
前記設定手段は、前記第1の検知手段により検知された前記用紙情報に基づいて、用紙の種類を特定することと、当該種類の用紙に対する前記印刷制御パラメータの少なくとも1つを設定することと、を行うことを特徴とする構成2に記載の処理装置。
(構成4)
前記検知手段は、用紙に印刷されている印刷情報を光学的に読み込むことにより前記用紙情報を検知する第2の検知手段を有することを特徴とする構成1~3のいずれか1つに記載の処理装置。
(構成5)
印刷手段を有し、
前記印刷手段は、前記印刷情報を用紙に印刷することを特徴とする構成4に記載の処理装置。
(構成6)
前記検知手段は、用紙が給紙された後、印刷される前に、当該用紙から前記用紙情報を検知する第1の検知手段と、
用紙に印刷されている印刷情報を光学的に読み込むことにより前記用紙情報を検知する第2の検知手段と、を有し、
前記第2の検知手段は、前記第1の検知手段で前記用紙情報を検知した用紙に印刷された印刷情報を前記用紙情報として検知することを特徴とする構成1~5のいずれか1つに記載の処理装置。
(構成7)
印刷手段を有し、
前記印刷手段は、前記第1の検知手段により検知された前記用紙情報に基づいて前記設定手段により設定された前記印刷制御パラメータに基づく前記印刷情報を用紙に印刷することを特徴とする構成6に記載の処理装置。
(構成8)
前記印刷制御パラメータは、用紙の種類ごとに設定され、
前記設定手段により設定される前記印刷制御パラメータは、前記検知手段で前記用紙情報を検知した用紙と同種の用紙を印刷する際に用いる印刷制御パラメータであることを特徴とする構成1~7のいずれか1つに記載の処理装置。
(方法1)
用紙の特徴が反映された情報である用紙情報を、当該用紙から検知する検知工程と、
前記検知工程により検知された前記用紙情報に基づいて、用紙に印刷を行う際に用いる印刷制御パラメータの少なくとも1つを用紙データベースに登録される情報として設定する設定工程と、
を有することを特徴とする処理方法。
(プログラム1)
構成1~8のいずれか1つに記載の処理装置の各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0083】
100:画像形成装置、110:CPU、120:ROM、130:RAM、140:指示/表示部、150:通信部、160:プリンタエンジン、270:メディアセンサ