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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124900
(43)【公開日】2024-09-13
(54)【発明の名称】車両用ステップ装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 3/02 20060101AFI20240906BHJP
【FI】
B60R3/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023032878
(22)【出願日】2023-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】三輪 政史
【テーマコード(参考)】
3D022
【Fターム(参考)】
3D022AA02
3D022AD02
3D022AE07
3D022AE10
3D022AE15
3D022AE26
(57)【要約】
【課題】サブステップが障害物に当たることを抑制できる車両用ステップ装置を提供する。
【解決手段】車両用ステップ装置10は、車体2に取付けられるベース14に取付けられ、車両上下方向に延びる回転軸心を有するアーム11と、アーム11に取付けられ、第1展開位置と第1格納位置との間を移動するステップ12と、ステップ12に取り付けられ、第2展開位置と第2格納位置との間を移動するサブステップ40と、を備える。サブステップ40は、ステップ12が第1展開位置に位置する時に第2展開位置に移動することによって、ステップ12と車体2との間にサブステップ40の少なくとも一部が位置するように配置され、ステップ12が第1格納位置に位置する時に第2格納位置に位置する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用ステップ装置であって、
車体または前記車体に取付けられるベースに取付けられ、車両上下方向に延びる回転軸心を有するアームと、前記アームに取付けられ、第1展開位置と第1格納位置との間を移動するステップと、第2展開位置と第2格納位置との間を移動するサブステップと、を備え、
前記サブステップは、前記ステップが前記第1展開位置に位置する時に前記第2展開位置に移動することによって、前記ステップと前記車体との間に前記サブステップの少なくとも一部が位置するように配置され、
前記サブステップは、前記ステップが前記第1格納位置に位置する時に前記第2格納位置に位置する、
車両用ステップ装置。
【請求項2】
前記サブステップは、前記ステップの前記第1展開位置と前記第1格納位置との間の移動に連動して、前記第2展開位置と前記第2格納位置との間を移動する、
請求項1に記載の車両用ステップ装置。
【請求項3】
前記車両用ステップ装置が取り付けられる車両には、前記サブステップに当接する当接部が設けられ、
前記サブステップは、前記ステップとともに移動するように前記ステップに取り付けられ、前記当接部によって車両幅方向における移動を規制される、
請求項1または2に記載の車両用ステップ装置。
【請求項4】
前記当接部は、車両幅方向において前記車体のロッカーフランジよりも車両幅方向の外方に設けられ、
前記サブステップは、位置決部を有し、
前記位置決部は、前記ロッカーフランジに当接することによって前記サブステップの格納時における前記サブステップの位置決めを行い、前記当接部に当接することによって前記サブステップの展開時における前記サブステップの位置決めを行う、
請求項3に記載の車両用ステップ装置。
【請求項5】
前記当接部は、車両幅方向において、前記ロッカーフランジと、前記車体のロッカーの車両外方面との間に位置する、
請求項4に記載の車両用ステップ装置。
【請求項6】
前記サブステップの格納時、車両幅方向において、前記サブステップの内方端部は、前記ロッカーフランジの外方面よりも車両幅方向の外方に位置する、
請求項4に記載の車両用ステップ装置。
【請求項7】
前記サブステップは、第1突起部を有し、
前記ステップは、第2突起部を有し、
車両幅方向において、前記第1突起部は、前記第2突起部よりも車両幅方向における外方に位置し、
前記第1突起部は、前記ステップの展開時に前記第2突起部に当接し、または、前記ステップの展開時に前記サブステップが車両幅方向の内方に移動する場合に、前記第2突起部に当接可能である、
請求項1または2に記載の車両用ステップ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両用ステップ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両に使用される車両用ステップ装置が開示されている。車両用ステップ装置は、車体に取付けられるアーム(同文献では、支持アーム)と、アームに取付けられ、展開位置と格納位置との間を動くステップ(同文献では、可動ステップ)とを備える。車両用ステップ装置はさらにサブステップを備える。特許文献1の車両用ステップ装置では、サブステップは車体に固定される。ステップの展開時において、ステップは、サブステップよりも車両幅方向の外方に位置する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-041771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両幅方向において、サブステップが車体から外方に飛び出るように、サブステップが車体に固定される場合がある。車体から外方に飛び出る部分が大きいと、サブステップが障害物に当たる虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
態様1の車両用ステップ装置は、車両用ステップ装置であって、車体または前記車体に取付けられるベースに取付けられ、車両上下方向に延びる回転軸心を有するアームと、前記アームに取付けられ、第1展開位置と第1格納位置との間を移動するステップと、第2展開位置と第2格納位置との間を移動するサブステップと、を備え、前記サブステップは、前記ステップが前記第1展開位置に位置する時に前記第2展開位置に移動することによって、前記ステップと前記車体との間に前記サブステップの少なくとも一部が位置するように配置され、前記サブステップは、前記ステップが前記第1格納位置に位置する時に前記第2格納位置に位置する。
【0006】
この構成によれば、サブステップが、第2展開位置と第2格納位置との間を移動するため、サブステップにおいて、格納時における車体から外方に飛び出る部分の大きさを、展開時における車体から外方に飛び出る部分の大きさよりも小さくできる。
【0007】
態様2の車両用ステップ装置は、次の通りである。態様1に記載の車両用ステップ装置において、前記サブステップは、前記ステップの前記第1展開位置と前記第1格納位置との間の移動に連動して、前記第2展開位置と前記第2格納位置との間を移動する。この構成によれば、ステップの展開時に、サブステップをステップに連動して展開できる。また、ステップの格納時に、サブステップを格納できるため、格納時における車体からのサブステップの飛び出る部分を小さくできる。
【0008】
態様3の車両用ステップ装置は、次の通りである。態様1または2に記載の車両用ステップ装置において、前記車両用ステップ装置が取り付けられる車両には、前記サブステップに当接する当接部が設けられ、前記サブステップは、前記ステップとともに移動するように前記ステップに取り付けられ、前記当接部によって車両幅方向における移動を規制される。この構成によれば、ステップの格納時または展開時においてサブステップを適切な位置に配置できる。ステップの移動に伴って、サブステップも移動するため、ステップの移動に伴って、車体のうちのステップの格納時にサブステップによって覆われている部分が露出する。このようにして、車体においてジャッキの配置スペースを確保できる。
【0009】
態様4の車両用ステップ装置は、次の通りである。態様3に記載の車両用ステップ装置において、前記当接部は、車両幅方向において前記車体のロッカーフランジよりも車両幅方向の外方に設けられ、前記サブステップは、位置決部を有し、前記位置決部は、前記ロッカーフランジに当接することによって前記サブステップの格納時における前記サブステップの位置決めを行い、前記当接部に当接することによって前記サブステップの展開時における前記サブステップの位置決めを行う。この構成によれば、ロッカーフランジのみによってサブステップを位置決めする場合に比べて車両幅方向における外方で、サブステップを格納および展開できる。
【0010】
態様5の車両用ステップ装置は、次の通りである。態様4に記載の車両用ステップ装置において、前記当接部は、車両幅方向において、前記ロッカーフランジと、前記車体のロッカーの車両外方面との間に位置する。この構成によれば、当接部を車体のロッカーに配置できる。
【0011】
態様6の車両用ステップ装置は、次の通りである。態様4または5に記載の車両用ステップ装置において、前記サブステップの格納時、車両幅方向において、前記サブステップの内方端部は、前記ロッカーフランジの外方面よりも車両幅方向の外方に位置する。この構成によれば、車両上下方向においてサブステップがロッカーフランジの下方に位置しないため、サブステップがロッカーフランジの下に位置する場合に比べて、ステップの地上高を高くできる。
【0012】
態様7の車両用ステップ装置は、次の通りである。態様1から6のいずれか1つに記載の車両用ステップ装置において、前記サブステップは、第1突起部を有し、前記ステップは、第2突起部を有し、車両幅方向において、前記第1突起部は、前記第2突起部よりも車両幅方向における外方に位置し、前記第1突起部は、前記ステップの展開時に前記第2突起部に当接し、または、前記ステップの展開時に前記サブステップが車両幅方向の内方に移動する場合に、前記第2突起部に当接可能である。この構成によれば、サブステップの展開時において、第1突起部が第2突起部に当接することによって、サブステップの車両幅方向における内方への移動を抑制できる。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、サブステップが障害物に当たることを抑制できる車両用ステップ装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1実施形態において、ステップが第1展開位置に位置する車両用ステップ装置の平面図である。
図2図1の車両用ステップ装置の底面図である。
図3】ステップが第1格納位置に位置する図1の車両用ステップ装置の平面図である。
図4図3の車両用ステップ装置の底面図である。
図5】サブステップおよびサブステップが取り外された車両用ステップ装置の斜視図である。
図6図5の6-6線に沿うサブステップの断面図である。
図7】サブステップのうちの取付部が省略された図3の車両用ステップ装置の部分正面図である。
図8】ステップおよびサブステップの部分側面図である。
図9図3の車両用ステップ装置が取り付けられる車両の部分側面図である。
図10図1の車両用ステップ装置の正面図である。
図11図3の車両用ステップ装置の正面図である。
図12】サブステップが第2格納位置から第2展開位置に移動する車両用ステップ装置の正面図である。
図13】サブステップが第2展開位置から第2格納位置に移動する車両用ステップ装置の正面図である。
図14】第2実施形態において、ステップが第1展開位置に位置する車両用ステップ装置の正面図である。
図15】ステップが第1格納位置に位置する図14の車両用ステップ装置の正面図である。
図16】第3実施形態において、ステップが第1展開位置に位置する車両用ステップ装置の平面図である。
図17図16の車両用ステップ装置の底面図である。
図18】ステップが第1格納位置に位置する図16の車両用ステップ装置の平面図である。
図19図18の車両用ステップ装置の底面図である。
図20】第1変更例のステップおよびサブステップの部分側面図である。
図21】第2変更例の車両用ステップ装置の正面図である。
図22】第3変更例のステップの正面図である。
図23】第4変更例のステップの正面図である。
図24】第5変更例のステップの正面図である。
図25】第6変更例のステップが第1展開位置に位置する車両用ステップ装置の平面図である。
図26図25の26-26線に沿うステップの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<第1実施形態>
図1から図13を参照して、本実施形態に係る車両用ステップ装置10について説明する。車両用ステップ装置10は、車両1の車体2に取り付けられる。以下の説明では、車両用ステップ装置10が車体2に取り付けられた状態のことを「取付状態」と呼ぶ。
【0016】
以下の説明において使用される車両用ステップ装置10の各方向について説明する。車両幅方向DXは、取付状態において、車両1の幅方向に一致する。車両前後方向DYは、取付状態において、車両1の前後方向に一致する。車両上下方向DZは、取付状態において、車両1の上下方向に一致する。車両幅方向DXにおいて、車両1の外側から中心に向かう方を、内方とする。車両幅方向DXにおいて、車両幅方向DXの内方と反対の方を、外方とする。各図において、車両幅方向DXを示す矢印は内方を向き、車両前後方向DYを示す矢印は後方を向き、車両上下方向DZを示す矢印は上方を向く。
【0017】
図1から図4に示されるように、車両用ステップ装置10は、搭乗者の車両1への乗車および降車を補助する装置である。図1から図4の破線は、車両1において、車両幅方向DXにおける外方に位置する車体2の側面を示す。車両用ステップ装置10は、車両1において乗降用ドアによって閉鎖される車両乗降口の付近に取り付けられる。車両用ステップ装置10は、車両1の乗降用ドアの開閉と連動して動作してもよく、車両1の乗車者の操作によって動作してもよい。
【0018】
車両用ステップ装置10は、アーム11と、ステップ12と、サブステップ40と、を備える。ステップ12は、アーム11に取付けられる。サブステップ40は、ステップ12に取り付けられる。ステップ12は、第1展開位置と第1格納位置との間を移動する。ステップ12は、モータの動力によって移動する。車両用ステップ装置10の動作は、例えば、第1展開位置と第1格納位置との間におけるステップ12の移動である。図1および図2は、ステップ12が第1展開位置に配置される場合の車両用ステップ装置10を示す。図3および図4は、ステップ12が第1格納位置に配置される場合の車両用ステップ装置10を示す。
【0019】
車両用ステップ装置10は、車体2に取付けられるベース14を備える。アーム11は、車体2またはベース14に取付けられる。本実施形態では、アーム11は、ベース14に取り付けられる。車両用ステップ装置10は、アーム11を駆動する駆動部15と、アーム11を回転可能に支持するベース側回転軸16と、ステップ12を支持するステップ側回転軸17と、を備える。ベース側回転軸16は、ベース14に対して中心軸心C1を中心に回転可能に、アーム11を支持する。ステップ側回転軸17は、アーム11に対して中心軸心C2を中心に回転可能に、ステップ12を支持する。中心軸心C1および中心軸心C2は、概ね車両上下方向DZに延びる。中心軸心C1および中心軸心C2は、車両上下方向DZに延びていれば、車両上下方向DZに対して、車両幅方向DXまたは車両前後方向DYに傾斜するように配置されてもよい。
【0020】
<ベース14>
図10に示されるように、ベース14は、車体2のロッカー3に固定される。ロッカー3は、車体2の側面の下部を構成する。ロッカー3は、車両前後方向DYに延びるように、車体2に配置される。ロッカー3は、例えば、中空断面形状を有する。ベース14は、ボルトによってロッカー3に固定されてもよく、車体2においてロッカー3よりも内方にあるメンバー等にボルトによって固定されてもよい。
【0021】
図1および図2に示されるように、ベース14は、アーム11を支持する。本実施形態では、ベース14は、2つのブラケット18と、2つのブラケット18を連結する連結バー19とを備える。2つのブラケット18は車両前後方向DYに間隔をあけて車体2のロッカー3に取り付けられる(図10参照)。2つのブラケット18および連結バー19は、鉄製鋼材またはアルミニウム合金、樹脂等によって構成される。
【0022】
<アーム11>
アーム11は、車体2よりも下に位置する(図10参照)。アーム11は、ステップ12を支持する。車両用ステップ装置10は、1または複数のアーム11を備える。本実施形態では、車両用ステップ装置10は、2つのアーム11を備える。2つのアーム11のうちの前方のアーム11は、ステップ12の前方の端部を支持する。2つのアーム11のうちの後方のアーム11は、ステップ12の後方の端部を支持する。アーム11は、ベース14に対して回転可能にベース14に取り付けられる。アーム11は、鉄製鋼材またはアルミニウム合金、樹脂等によって構成される。
【0023】
アーム11は、ステップ12が組付けられる先端部20と、先端部20の反対側にある基部21と、先端部20と基部21との間の中間部22と、を有する。基部21は、ベース14を介して車体2に取り付けられ、先端部20は、ステップ12を支持する。アーム11は、中心軸心C1を中心に回転する。アーム11の基部21は、ベース側回転軸16を介してブラケット18に取り付けられる。
【0024】
アーム11は、車両上下方向DZに延びる回転軸心を有する。アーム11は、回転軸心を中心に回転する。アーム11の回転軸心は、例えば、中心軸心C1と一致する。アーム11の回転軸心は、車両上下方向DZに延びていれば、車両上下方向DZに対して、車両幅方向DXまたは車両前後方向DYに傾斜するように配置されてもよい。アーム11が回転することによって、アーム11の先端部20は、第1格納位置に対応する第1位置から、第1展開位置に対応する第2位置まで移動する。第2位置は、第1位置よりも後方かつ外方に位置する。
【0025】
<ステップ12>
図1および図3に示されるように、車両用ステップ装置10のステップ12は、乗降用の補助ステップとして使用される。ステップ12は、車両乗降口の下端よりも下方に配置される。ステップ12は、2つのアーム11によって、車両1の車両乗降口の付近に支持される。ステップ12は、鉄製鋼材またはアルミニウム合金、樹脂等によって構成される板状部材である。ステップ12は、第1展開位置と第1格納位置との間を移動することによって、展開および格納される。ステップ12の展開時、ステップ12は、第1展開位置に配置される。ステップ12の格納時、ステップ12は、第1格納位置に配置される。
【0026】
第1展開位置は、車体2に対して第1格納位置から、車両前後方向DYにおいて後方、かつ、車両幅方向DXにおいて外方に離れた位置にある。第1展開位置は、車体2に対して第1格納位置から、車両上下方向DZにおいて下方に離れた位置にあってもよい。第1展開位置は、車体2に対して第1格納位置から、車両上下方向DZにおいて上方に離れた位置にあってもよい。
【0027】
ステップ12が第1格納位置に位置する場合、ステップ12は、車体2のロッカー3の下に格納される(図10参照)。ステップ12が第1格納位置に位置する場合、ステップ12の全部または一部が車体2の下に配置される(図11参照)。第1展開位置は、車両幅方向DXにおいて第1格納位置よりも外方に位置する。
【0028】
図1および図2に示されるように、ステップ12は、ステップ本体部23と、アーム11が取り付けられるアーム取付部24と、を有する。本実施形態では、ステップ本体部23は、取付状態において上面23Aが水平となるように構成される。
【0029】
アーム取付部24の数は、アーム11の数に対応する。本実施形態では、2つのアーム取付部24が、車両前後方向DYに並んでステップ本体部23に取り付けられる。アーム取付部24は、ステップ本体部23の下方に設けられる。
【0030】
アーム取付部24には、中心軸心C2を中心に回転可能にアーム11の先端部20が取り付けられる。アーム11の先端部20は、ステップ側回転軸17を介してアーム取付部24に取り付けられる。ステップ側回転軸17の中心軸心C2は、ベース側回転軸16の中心軸心C1に平行である。
【0031】
ステップ12は、車両前後方向DYにおいて前方の端部である第1ステップ端部25Aと、車両前後方向DYにおいて後方の端部である第2ステップ端部25Bを有する。ステップ12は、ステップ本体部23の端部に取り付けられる第1キャップ部26Aと、第1キャップ部26Aとは反対側の端部に取り付けられる第2キャップ部26Bとを有する。第1キャップ部26Aは、第1ステップ端部25Aに設けられる。第2キャップ部26Bは、第2ステップ端部25Bに設けられる。
【0032】
<駆動部15>
図1および図2に示されるように、駆動部15は、ベース14に対してステップ12を移動させる。駆動部15は、アーム11を回転させることによってステップ12を移動させる。駆動部15は、第1格納位置と第1展開位置との間でステップ12を移動させる。駆動部15は、ステップ12が使用されない場合に、ステップ12を第1格納位置に移動させ、乗降時においてステップ12が使用される場合に、ステップ12を第1展開位置に移動させる。例えば、駆動部15は、車両1の乗降用ドアが閉鎖される場合に、ステップ12を第1格納位置に移動させ、車両1の乗降用ドアが解放される場合に、ステップ12を第1展開位置に移動させる。
【0033】
駆動部15は、第1端部27Aと、第1端部27Aとは反対側に位置する第2端部27Bとを有する。第1端部27Aは、第2端部27Bに対して、第1端部27Aと第2端部27Bとの間の間隔距離が拡大または縮小するように移動する。駆動部15は、ベース14、アーム11およびステップ12のうちの1つと連結する第1連結部28Aを備える。駆動部15は、ベース14、アーム11およびステップ12のうちの他の1つと連結する第2連結部28Bを備える。
【0034】
駆動部15は、伸縮ユニット29を含む。伸縮ユニット29は、伸縮本体部30と、伸縮本体部30に対して移動する移動部31とを有する。伸縮本体部30は、第2端部27Bを有する。伸縮本体部30において、第2端部27Bと反対側の端部には開口部が設けられる。移動部31は第1端部27Aを有する。第1端部27Aは、移動部31において第2端部27Bから最も遠い部分を含む。第2端部27Bは、伸縮本体部30において第1端部27Aから最も遠い部分を含む。移動部31は、伸縮本体部30の開口部から伸縮本体部30に進入できるように構成される。移動部31が伸縮本体部30内に対して移動することによって、伸縮ユニット29が伸縮する。本実施形態では、移動部31の第1端部27Aは、移動部31の端部と定義され、かつ、第2端部27Bは、伸縮本体部30の端部であると定義される。
【0035】
移動部31は、第1連結部28Aを介して、ベース14、アーム11およびステップ12のうちの1つに連結される。本実施形態では、移動部31の第1端部27Aは、第1連結部28Aを介してアーム11に接続される。第1連結部28Aの一例として、ボールジョイントが挙げられる。
【0036】
伸縮本体部30は、第2連結部28Bを介して、ベース14、アーム11およびステップ12のうちで、第1連結部28Aが連結されていないものに着脱可能に連結される。本実施形態では、伸縮本体部30の第2端部27Bは、第2連結部28Bを介してベース14の連結バー19に接続される。第2連結部28Bの一例として、ボールジョイントが挙げられる。一例では、第2連結部28Bは、取付部材32を介して連結バー19に取り付けられる。
【0037】
伸縮本体部30は、モータと、モータによって回転するスピンドルとを有する。移動部31は、スピンドルに係合するナットを有する。移動部31が、スピンドルの回転に基づいて、ナットとともにスピンドルの軸方向に沿って移動することによって、伸縮ユニット29は伸縮する。伸縮ユニット29の伸縮によってアーム11が回転し、アーム11の回転にともなってステップ12が移動する。駆動部15の下方には、駆動部カバー15Aが設けられる。駆動部カバー15Aは、ステップ12の格納時に、駆動部15の少なくとも一部に重なるように、ステップ12に取り付けられる。駆動部カバー15Aは、車両1の走行時に、地面から巻き上がる粉塵、泥、ゴミ等から駆動部15を保護する。
【0038】
<サブステップ40>
サブステップ40は、ステップ12の展開時における車体2とステップ12との間の隙間をカバーするために使用される。サブステップ40は、鉄製鋼材またはアルミニウム合金、樹脂等によって構成される板状部材である。
【0039】
サブステップ40は、第2展開位置と第2格納位置との間を移動する。サブステップ40は、第2展開位置と第2格納位置との間を移動することによって、展開および格納される。サブステップ40の展開時、サブステップ40は、第2展開位置に配置される。サブステップ40の格納時、サブステップ40は、第2格納位置に配置される。サブステップ40は、ステップ12が第1展開位置に位置する時に第2展開位置に位置する。サブステップ40は、ステップ12が第1格納位置に位置する時に第2格納位置に位置する。
【0040】
図1および図2において、サブステップ40は、第2展開位置に位置する。図3および図4において、サブステップ40は、第2格納位置に位置する。サブステップ40は、ステップ12とともに移動するようにステップ12に取り付けられる。第2展開位置(図1参照)は、車体2に対して第2格納位置(図3参照)から、車両前後方向DYにおいて後方、かつ、車両幅方向DXにおいて外方に離れた位置にある。第2展開位置は、車体2に対して第1格納位置から、車両上下方向DZにおいて下方に離れた位置にあってもよい。第2展開位置は、車体2に対して第1格納位置から、車両上下方向DZにおいて上方に離れた位置にあってもよい。
【0041】
図1に示されるように、サブステップ40は、ステップ12が第1展開位置に位置する時に第2展開位置に移動することによって、ステップ12と車体2との間にサブステップ40の少なくとも一部が位置するように配置される。取付状態では、サブステップ40が第2展開位置に位置する場合、サブステップ40の平面視で、サブステップ40は、全部または一部が車体2とステップ12との間に配置される。サブステップ40が第2展開位置に位置する場合、サブステップ40の平面視で、サブステップ40は、少なくとも一部が車体2から露出する。
【0042】
図3に示されるように、サブステップ40は、ステップ12が第1格納位置に位置する時に第2格納位置に移動することによって、車体2の下にサブステップ40の少なくとも一部が位置するように配置される。取付状態では、サブステップ40が第2格納位置に位置する場合、車体2の下方にサブステップ40の全部または一部が配置される。サブステップ40が第2格納位置に位置する場合、サブステップ40は、車体2のロッカー3の下に格納される。
【0043】
図5に示されるように、サブステップ40は、本体部41と、本体部41に設けられる取付部42を含む。本体部41は、取付状態において、車両上下方向DZにおいて上方を向く上面41Aを有する。本体部41は、短辺の延びる方向が車両幅方向DXに一致し、長辺の延びる方向が車両前後方向DYに一致する板状部材である。本体部41は、ステップ本体部23と水平に配置されてもよく、ステップ本体部23に対して傾いて配置されてもよい。本体部41は、取付状態において、車両上下方向DZにおいてステップ本体部23よりも上に位置し、車体2よりも下に位置する。
【0044】
サブステップ40は、平面視において、本体部41の少なくとも一部がステップ本体部23と重なるように配置される。サブステップ40が第2展開位置に位置する場合、車両幅方向DXにおいて、本体部41の外方端部41Xは、ステップ本体部23の外方端部23Xとステップ本体部23の内方端部23Yとの間に位置する(図1および図2参照)。サブステップ40が第2格納位置に位置する場合、車両幅方向DXにおいて、本体部41の内方端部41Yは、ステップ本体部23の外方端部23Xとステップ本体部23の内方端部23Yとの間に位置する(図3および図4参照)。
【0045】
取付部42は、例えば、本体部41の端部に取り付けられるキャップである。取付部42は、例えば、ねじ等によって本体部41に取り付けられる。取付部42は、サブステップ40がステップ12に対して移動可能なように、サブステップ40をステップ12に取り付ける。取付部42は、第1取付部42Aと、第2取付部42Bとを有する。第1取付部42Aは、車両前後方向DYにおいて本体部41の前方の端部に取り付けられ、第2取付部42Bは、車両前後方向DYにおいて本体部41の後方の端部に取り付けられる。
【0046】
第1取付部42Aは、ステップ12の第1ステップ端部25Aに取り付けられ、第2取付部42Bは、ステップ12の第2ステップ端部25Bに取り付けられる。第1取付部42Aのうちの本体部41と対向する面が、ステップ12の前方から第1ステップ端部25Aに当接し、第2取付部42Bのうちの本体部41と対向する面が、ステップ12の後方から第2ステップ端部25Bに当接する。このように取付部42がステップ12に取り付けられることによって、ステップ12に対する車両前後方向DYへのサブステップ40の移動が抑制される。
【0047】
図6および図7を参照して、取付部42を説明する。図6は、図5の6-6線に沿うサブステップ40の断面図である。図6および図7に示されるように、取付部42は、例えば、本体取付部43と、取付支持部44と、ステップ摺動部45を有する。本体取付部43、取付支持部44およびステップ摺動部45は、取付部42に設けられる。図6は、取付部42のうちの第1取付部42Aを例示する。第2取付部42Bも、図6の第1取付部42Aと同様に構成される。
【0048】
本体取付部43は、車両前後方向DYに凹む溝43Aを有する。本体取付部43の溝43Aに本体部41が挿し込まれることによって、取付部42が、本体部41に取り付けられる。溝43Aには、車両上下方向DZに延びる突起43Bが設けられる。溝43Aに本体部41が挿し込まれると、突起43Bが本体部41の下面に当接することによって、本体部41に対して取付部42が固定される。
【0049】
取付支持部44は、車両上下方向DZにおいて、本体部41がステップ本体部23よりも上方に位置するように、取付部42を支持する。取付支持部44は、車両上下方向DZにおいて本体取付部43よりも下方に設けられる。取付支持部44の下端部44Aが、ステップ12に当接することによって、本体部41が、ステップ本体部23の上面23Aよりも上に位置する。
【0050】
取付支持部44は、本体取付部43から下方に延びる下垂部43Xに設けられる。第1取付部42Aの下垂部43Xは、ステップ12の前端面よりも前方に配置される。第2取付部42Bの下垂部43Xは、ステップ12の後端面よりも後方に配置される。取付支持部44は、下垂部43Xから車両前後方向DYに突出する1つまたは複数の突起44Bを含む。本実施形態では、取付支持部44は、5つの突起44Bを含む。突起44Bのそれぞれは車両上下方向DZに延びる。突起44Bの下端は、同一の直線上に位置する。本実施形態では、突起44Bの下端は、取付支持部44の下端部44Aに対応する。
【0051】
ステップ12は、ステップ12の車両前後方向DYにおける側面に設けられるレール部12Aを有する。図7では、サブステップ40のうちの取付部42の図示が省略されている。図7は、第1キャップ部26Aに設けられるレール部12Aを例示する。レール部12Aは、ステップ12の側面から、車両前後方向DYに突出し、車両幅方向DXに延びるように形成される。取付支持部44の下端部44Aは、車両上下方向DZにおいて、ステップ12のレール部12Aの上部に当接する。下端部44Aがレール部12Aの上部に当接した状態において、レール部12Aの上を滑るように移動することによって、サブステップ40はステップ12に対して移動する。
【0052】
ステップ摺動部45は、車両上下方向DZにおいて、取付支持部44よりも下方に設けられる。ステップ摺動部45は、下垂部43Xから車両前後方向DYに突出し、車両幅方向DXに延びるように突出する。ステップ摺動部45は、レール部12Aの下部に当接可能に配置される。ステップ摺動部45は、レール部12Aに常に当接しなくてもよい。取付支持部44およびステップ摺動部45が、車両上下方向DZにおいてステップ12のレール部12Aを挟むことによって、ステップ12に対する車両上下方向DZへのサブステップ40の移動が抑制される。
【0053】
<車両幅方向DXにおけるサブステップ40の移動の抑制及び規制>
車両用ステップ装置10は、車両幅方向DXにおいて、ステップ12に対するサブステップ40の移動を抑制する位置決構造50を備える。位置決構造50は、ステップ12およびサブステップ40に設けられる。
【0054】
図6および図7に示されるように、位置決構造50は、第1突起部51および第2突起部52を備える。サブステップ40は、例えば、第1突起部51を有し、ステップ12は、例えば、第2突起部52を有する。第1突起部51および第2突起部52が当接することによって、ステップ12が第1展開位置に位置する場合に、車両幅方向DXにおいてサブステップ40が第2格納位置から内方に移動することが抑制される。
【0055】
第1突起部51は、下垂部43Xに設けられ、車両前後方向DYに突出する。第1突起部51は、車両上下方向DZにおいて、ステップ摺動部45よりも下に設けられる。本実施形態の第1突起部51は、ステップ摺動部45と一体に設けられるが、第1突起部51は、ステップ摺動部45と別体に設けられてもよい。第2突起部52は、ステップ12の車両前後方向DYにおける端面に設けられ、車両前後方向DYに突出する。第2突起部52は、第1キャップ部26Aおよび第2キャップ部26Bに設けられる。
【0056】
図8に示されるように、車両幅方向DXにおいて、第1突起部51は、第2突起部52よりも車両幅方向DXにおける外方に位置する。車両幅方向DXから見て、第1突起部51の一部または全部が第2突起部52に重なるように第1突起部51および第2突起部52が配置される。車両幅方向DXにおいて、サブステップ40がステップ12に対して内方に移動する場合に、第1突起部51は、第2突起部52に当接する。
【0057】
図10に示されるように、第1突起部51は、ステップ12の展開時、第2突起部52に当接してもよい。また、第1突起部51は、ステップ12の展開時、サブステップ40が車両幅方向DXの内方に移動する場合に、第2突起部52に当接可能であってもよい。ステップ12の展開時は、ステップ12が第1展開位置に配置される場合である。
【0058】
ステップ12の展開時にサブステップ40が車両幅方向DXの内方に移動する場合に、第1突起部51が第2突起部52に当接することによって、展開時に第2展開位置から内方へのサブステップ40の移動が抑制される。第1突起部51および第2突起部52は、ステップ12の展開時に第2展開位置から内方へのサブステップ40の所定距離以上の移動を抑制できればよい。ステップ12の展開時に第2展開位置から内方へのサブステップ40の所定距離以上の移動を抑制できれば、ステップ12の展開時に第1突起部51と第2突起部52とが、当接しなくてもよい。
【0059】
図6および図7に示されるように、第1突起部51および第2突起部52の位置は、第1展開位置に対する第2展開位置の位置に基づいて設定される。本実施形態では、車両幅方向DXにおいて、第1突起部51は、取付部42の外方端部42Xに設けられ、第2突起部52は、ステップ12の内方端部12Yに設けられる。このように第1突起部51および第2突起部52を配置することによって、平面視において、展開時にステップ12とサブステップ40とが重なる部分を小さくできる。
【0060】
図6および図7に示されるように、位置決構造50は、第3突起部53および第4突起部54を備える。サブステップ40は、例えば、第3突起部53を有し、ステップ12は、例えば、第4突起部54を有する。第3突起部53が第4突起部54に当接することによって、ステップ12が第1格納位置に位置する場合に、サブステップ40が第2格納位置から外方に移動することが抑制される。
【0061】
第3突起部53は、下垂部43Xに設けられ、車両前後方向DYに突出する。本実施形態の第3突起部53は、取付支持部44のうちの車両幅方向DXにおいて最も外方に位置する突起44Bである。第3突起部53は、取付支持部44とは別に設けられてもよい。第4突起部54は、ステップ12の車両前後方向DYにおける端面に設けられ、車両前後方向DYに突出する。第4突起部54は、第1キャップ部26Aおよび第2キャップ部26Bに設けられる。
【0062】
図8に示されるように、車両幅方向DXにおいて、第3突起部53は、第4突起部54よりも車両幅方向DXにおける内方に位置する。車両幅方向DXにおいて第3突起部53の一部または全部が第4突起部54に重なるように第3突起部53および第4突起部54が配置される。車両幅方向DXにおいて、サブステップ40がステップ12に対して外方に移動する場合に、第3突起部53は、第4突起部54に当接する。
【0063】
図11に示されるように、第3突起部53は、ステップ12の格納時に第4突起部54に当接してもよい。または、第3突起部53は、ステップ12の格納時にサブステップ40が車両幅方向DXの外方に移動する場合に、第4突起部54に当接可能であってもよい。ステップ12の格納時は、ステップ12が第1格納位置に配置されている場合である。
【0064】
ステップ12の格納時にサブステップ40が車両幅方向DXの外方に移動する場合に、第3突起部53が第4突起部54に当接することによって、格納時に第2格納位置から外方へのサブステップ40の移動が抑制される。第3突起部53および第4突起部54は、ステップ12の格納時に第2格納位置から外方へのサブステップ40の所定距離以上の移動を抑制できればよい。ステップ12の格納時に第2格納位置から外方へのサブステップ40の所定距離以上の移動を抑制できれば、ステップ12の格納時に第3突起部53と第4突起部54とが、当接していなくてもよい。
【0065】
図6および図7に示されるように、第3突起部53および第4突起部54の位置は、第1格納位置に対する第2格納位置の位置に基づいて設定される。本実施形態では、車両幅方向DXにおいて、第3突起部53は、取付部42の外方端部42Xよりも内方に設けられる。第4突起部54は、ステップ12の外方端部12Xに設けられる。このように第3突起部53および第4突起部54を配置することによって、車両上下方向DZにおいて、格納時にステップ12の外方端部12Xとサブステップ40の外方端部40Xとが重なるように、サブステップ40を配置できる。格納時にステップ12の外方端部12Xとサブステップ40の外方端部40Xとが重なるため、ステップ12の格納時における車両用ステップ装置10のうちの外方へ飛び出る部分を小さくできる。
【0066】
図9および図10に示されるように、車両1には、サブステップ40に当接する当接部4が設けられる。当接部4は、車両幅方向DXにおいて車体2のロッカーフランジ5よりも車両幅方向DXの外方に設けられる。当接部4は、車両幅方向DXにおいて、ロッカーフランジ5と、車体2のロッカー3の車両外方面3Aとの間に位置する。
【0067】
本実施形態では、当接部4は、車体2に設けられる1または複数のピンである。本実施形態では、当接部4は、複数のピンを有する。複数のピンは、車両前後方向DYから見て重なるように、車両前後方向DYに並んで配置される。
【0068】
当接部4は、ロッカー3に設けられる孔に取り付けられる。ロッカー3に設けられる孔の一例は、車体2の塗装のために設けられる孔である。車体2に既存の孔等を利用して当接部4を設けることによって、車両1に当接部4を容易に設けることができる。当接部4の構成は、上記の例に限定されない。当接部4は、車体2またはロッカー3に直接形成される突起、板状部材等であってもよい。
【0069】
車両用ステップ装置10は、位置決部55を備える。サブステップ40は、当接部4によって車両幅方向DXにおける移動を規制される。サブステップ40は、位置決部55を有する。サブステップ40は、位置決部55が当接部4と当接することによって、車両幅方向DXにおける移動を規制される。
【0070】
位置決部55は、本体部41から車両上下方向DZの上方に延びる板状部材である。位置決部55の板状部材は、車両前後方向DYに延びる。位置決部55は、本体部41と一体に形成される。位置決部55は、車両幅方向DXにおける外方を向く第1面55Aと、車両幅方向DXにおける内方を向く第2面55Bとを含む。
【0071】
図10および図11に示されるように、本実施形態の位置決部55は、車両幅方向DXにおいて、ロッカーフランジ5と当接部4との間に位置する。位置決部55は、ロッカーフランジ5に当接することによってサブステップ40の格納時におけるサブステップ40の位置決めを行い、当接部4に当接することによってサブステップ40の展開時におけるサブステップ40の位置決めを行う。
【0072】
サブステップ40が第2格納位置から第2展開位置に移動する場合、第1面55Aが当接部4に当接することによって、サブステップ40の車両幅方向DXにおける外方への移動が規制される(図10参照)。サブステップ40の展開後においては、第1面55Aは、当接部4に当接していなくてもよい。
【0073】
サブステップ40が第2展開位置から第2格納位置に移動する場合、第2面55Bがロッカーフランジ5に当接することによって、サブステップ40の車両幅方向DXにおける内方への移動が規制される(図11参照)。サブステップ40の格納後においては、第2面55Bは、ロッカーフランジ5に当接していなくてもよい。
【0074】
第1面55Aには、位置決部55と当接部4とが当接する際の衝撃を緩衝する緩衝材が設けられてもよい。第2面55Bには、位置決部55とロッカーフランジ5とが当接する際の衝撃を緩衝する緩衝材が設けられてもよい。
【0075】
図11に示されるように、サブステップ40の格納時、車両幅方向DXにおいて、サブステップ40の内方端部40Yは、ロッカーフランジ5の外方面5Aよりも車両幅方向DXの外方に位置する。本実施形態では、サブステップ40の内方端部40Yは、位置決部55の第2面55Bである。サブステップ40の構成によっては、サブステップ40の内方端部40Yが位置決部55の第2面55Bとは異なる部分であってもよい。ステップ12の格納時、サブステップ40は、車両幅方向DXにおいて、ロッカーフランジ5と重ならないように配置される。
【0076】
<サブステップ40の移動要領>
図10および図11に示されるように、サブステップ40は、ステップ12の移動に連動して、車両1に対して移動する。サブステップ40は、ステップ12の第1展開位置と第1格納位置との間の移動に連動して、第2展開位置と第2格納位置との間を移動する。サブステップ40は、ステップ12が第1格納位置から第1展開位置に移動する場合に、第2格納位置から第2展開位置に移動する。サブステップ40は、ステップ12が第1展開位置から第1格納位置に移動する場合に、第2展開位置から第2格納位置に移動する。
【0077】
車両幅方向DXにおいて、格納時におけるステップ12とサブステップ40との位置関係は、展開時におけるステップ12とサブステップ40との位置関係と異なる。サブステップ40は、取付支持部44の下端部44Aがレール部12Aの上に当接するため、位置決部55が当接部4またはロッカーフランジ5と当接するまでは、ステップ12と連動して車両幅方向DXおよび車両前後方向DYに移動する。ステップ12が展開する場合、位置決部55が当接部4に当接することによって車両幅方向DXにおけるサブステップ40の位置が決められる。ステップ12を展開する場合は、ステップ12が第1格納位置から第1展開位置に移動する場合である。ステップ12が格納する場合、位置決部55がロッカーフランジ5に当接することによって車両幅方向DXにおけるサブステップ40の位置が決められる。ステップ12を格納する場合は、ステップ12が第1展開位置から第1格納位置に移動する場合である。
【0078】
車両前後方向DYにおいて、格納時におけるステップ12とサブステップ40との位置関係は、展開時におけるステップ12とサブステップ40との位置関係と概ね等しい。サブステップ40は、第1取付部42Aおよび第2取付部42Bによってステップ12に対する車両前後方向DYへの移動が抑制される。したがって、ステップ12が車両前後方向DYに移動すると、ステップ12と連動して車両前後方向DYに移動する。
【0079】
車両上下方向DZにおいて、格納時におけるステップ12とサブステップ40との位置関係は、展開時におけるステップ12とサブステップ40との位置関係と概ね等しい。サブステップ40は、取付支持部44およびステップ摺動部45によってステップ12に対する車両上下方向DZへの移動が抑制される。したがって、ステップ12が車両上下方向DZに移動すると、ステップ12と連動して車両上下方向DZに移動する。
【0080】
図1および図3を参照して、第2格納位置から第2展開位置へのサブステップ40の移動について説明する。
ステップ12が第1格納位置に位置する場合、サブステップ40は、第2格納位置に位置する(図11参照)。ステップ12が第1格納位置から第1展開位置に移動する場合、ステップ12は、車両前後方向DYにおいて後方に移動しつつ、車両幅方向DXにおいて外方に移動する。サブステップ40は、ステップ12の移動と連動して、第2格納位置から、車両前後方向DYにおいて後方に移動しつつ、車両幅方向DXにおいて外方に移動する。
【0081】
サブステップ40が第2格納位置から外方に移動すると、位置決部55が当接部4に当接することによって、サブステップ40の外方への移動が規制される(図12参照)。サブステップ40は、車両幅方向DXにおいてステップ12に対する移動が抑制されないため、サブステップ40の外方への移動が規制されてもステップ12の移動は規制されない。したがって、サブステップ40の車両幅方向DXへの移動が規制されても、ステップ12は、引き続き車両前後方向DYにおいて後方に移動しつつ、車両幅方向DXにおいて外方へ移動する。サブステップ40は、車両幅方向DXへの移動を規制されるが、車両前後方向DYへのステップ12の移動に連動して、引き続き車両前後方向DYにおいて後方に移動する。
【0082】
ステップ12が第1展開位置に位置すると、サブステップ40は、第2展開位置に位置する(図10参照)。
第2展開位置から第2格納位置へのサブステップ40の移動について説明する。
【0083】
ステップ12が第1展開位置に位置する場合、サブステップ40は、第2展開位置に位置する(図10参照)。ステップ12が第1展開位置から第1格納位置に移動する場合、ステップ12は、車両前後方向DYにおいて前方に移動しつつ、車両幅方向DXにおいて内方に移動する。サブステップ40は、ステップ12の移動と連動して、第2展開位置から、車両前後方向DYにおいて前方に移動しつつ、車両幅方向DXにおいて内方に移動する。
【0084】
サブステップ40が第2格納位置から内方に移動すると、位置決部55がロッカーフランジ5に当接することによって、サブステップ40の内方への移動が規制される(図13参照)。サブステップ40は、車両幅方向DXにおいてステップ12に対する移動が抑制されないため、サブステップ40の内方への移動が規制されてもステップ12の移動は規制されない。サブステップ40の車両幅方向DXへの移動が規制されても、ステップ12は、引き続き車両前後方向DYにおいて前方に移動しつつ、車両幅方向DXにおいて内方へ移動する。サブステップ40は、車両幅方向DXへの移動を規制されるが、車両前後方向DYへのステップ12の移動に連動して、引き続き車両前後方向DYにおいて前方に移動する。
【0085】
ステップ12が第1格納位置に位置すると、サブステップ40は、第2格納位置に位置する(図11参照)。
<作用>
本実施形態の作用を説明する。
【0086】
参考例のサブステップは、例えば、平面視で、ステップの展開時における車体とステップとの間の隙間をカバーするために使用される。サブステップは、車両幅方向において車体よりも外方に設けられて、サブステップが車体に固定される。この場合、サブステップが車体から外方に飛び出る。サブステップにおいて車両幅方向における車体から外方に飛び出る部分が大きいと、サブステップが障害物に当たる虞がある。
【0087】
サブステップにおける飛び出る部分を小さくするために、車両幅方向においてサブステップを小型化すると、ステップの展開時にステップをより内方に延ばす必要が生じる。ステップを内方に延ばすことによってステップは大型化する。車体の下には車両用のバッテリ等の構造物が配置される場合があるため、ステップの格納時に、大型化したステップが車体の下の構造物と干渉する虞がある。
【0088】
本実施形態の車両用ステップ装置10では、サブステップ40は、ステップ12が第1展開位置に位置すると第2展開位置に移動し、ステップ12が第1格納位置に位置すると第2格納位置に移動する。サブステップ40が第2格納位置に位置すると、サブステップ40は、車体2のロッカー3の下に格納される。したがって、サブステップが車体に固定される場合に比べて、サブステップ40においてステップ12の格納時における飛び出る部分を小さくできる。サブステップ40は、第2格納位置から第2展開位置に移動するため、展開時のサブステップ40は、格納時のサブステップ40よりも車両幅方向DXにおいて外方に位置できる。展開時にサブステップ40をより外方に配置できるため、サブステップが車体に固定される場合に比べて、車両幅方向DXにおけるステップ12の大型化を抑制できる。
【0089】
車両用ステップ装置では、車両上下方向において、地面からステップまでの距離を所定距離以上としたい場合がある。ステップの格納時、サブステップがロッカーフランジの下に位置すると、ステップがサブステップの下に位置するため、地面とステップとの間の距離が小さくなる場合がある。
【0090】
本実施形態の車両用ステップ装置10では、ステップ12の格納時に、車両上下方向DZにおいて、サブステップ40がロッカーフランジ5と重ならない。このため、車両用ステップ装置10は、サブステップがロッカーフランジの下に位置する構造に比べて、ステップ12を高い位置に配置できる。したがって、車両用ステップ装置10は、地面からステップ12までの距離を大きくできる。
【0091】
<効果>
本実施形態の効果を説明する。
(1-1)車両用ステップ装置10において、ステップ12に取り付けられ、第2展開位置と第2格納位置との間を移動するサブステップ40を備える。サブステップ40は、ステップ12が第1展開位置に位置する時に第2展開位置に移動することによって、ステップ12と車体2との間にサブステップ40の少なくとも一部が位置するように配置される。サブステップ40は、ステップ12が第1格納位置に位置する時に第2格納位置に位置する。
【0092】
この構成によれば、サブステップ40が、第2展開位置と第2格納位置との間を移動するため、サブステップ40において、格納時における車体2から外方に飛び出る部分の大きさを、展開時における車体2から外方に飛び出る部分の大きさよりも小さくできる。車両用ステップ装置10は、サブステップが車体に固定される場合に比べて、格納時に車体2からのサブステップ40の飛び出る部分を小さくしつつ、展開時に車体2からのサブステップ40の飛び出る部分を大きくできる。
【0093】
(1-2)サブステップ40は、ステップ12の第1展開位置と第1格納位置との間の移動に連動して、第2展開位置と第2格納位置との間を移動する。この構成によれば、ステップ12の展開時に、ステップ12に連動してサブステップ40を展開できる。また、ステップ12の格納時に、サブステップ40を格納できるため、ステップ12の格納時における車体2からのサブステップ40の飛び出る部分を小さくできる。また、ステップ12の移動に伴ってサブステップ40も移動するため、ステップ12の移動に伴って、格納時にサブステップ40によって覆われている車体2の部分が、ステップ12の展開時に露出する。ステップ12の格納時にサブステップ40によって覆われている車体2の部分は、例えば、車両1の整備時にジャッキが配置されるスペースである。サブステップ40がステップ12とともに移動することによって、ステップ12の展開時に車体2においてジャッキの配置スペースを確保できる。
【0094】
(1-3)サブステップ40は、ステップ12とともに移動するようにステップ12に取り付けられる。サブステップ40は、当接部4によって車両幅方向DXにおける移動を規制される。この構成によれば、ステップ12の格納時または展開時においてサブステップ40を適切な位置に配置できる。
【0095】
(1-4)サブステップ40は、位置決部55を有する。位置決部55は、ロッカーフランジ5に当接することによってサブステップ40の格納時におけるサブステップ40の位置決めを行う。また、位置決部55は、当接部4に当接することによってサブステップ40の展開時におけるサブステップ40の位置決めを行う。この構成によれば、ロッカーフランジ5のみによってサブステップ40を位置決めする場合に比べて車両幅方向DXにおける外方で、サブステップ40を格納および展開できる。
【0096】
(1-5)当接部4は、車両幅方向DXにおいて、ロッカーフランジ5と、車体2のロッカー3の車両外方面3Aとの間に位置する。この構成によれば、当接部4を車体2のロッカー3に配置できる。
【0097】
(1-6)サブステップ40の格納時、車両幅方向DXにおいて、サブステップ40の内方端部40Yは、ロッカーフランジ5の外方面5Aよりも車両幅方向DXの外方に位置する。この構成によれば、車両上下方向DZにおいてサブステップ40がロッカーフランジ5の下方に位置しない。サブステップ40は、車両幅方向DXにおいて、ロッカーフランジ5よりも外方に位置できる。したがって、車両用ステップ装置10は、サブステップ40がロッカーフランジ5の下に位置する場合に比べて、ステップ12をロッカー3に近づけることができるため、ステップ12の地上高を確保できる。
【0098】
(1-7)サブステップ40は、第1突起部51を有し、ステップ12は、第2突起部52を有する。車両幅方向DXにおいて、第1突起部51は、第2突起部52よりも車両幅方向DXにおける外方に位置する。第1突起部51は、ステップ12の展開時に第2突起部52に当接し、または、ステップ12の展開時にサブステップ40が車両幅方向DXの内方に移動する場合に、第2突起部52に当接可能である。この構成によれば、サブステップ40の展開時において、第1突起部51が第2突起部52に当接することによって、車両幅方向DXにおける内方へのサブステップ40の移動を抑制できる。したがって、展開時にサブステップ40が誤って格納してしまうことを防止できる。
【0099】
<第2実施形態>
図14および図15を参照して、第2実施形態に係る車両用ステップ装置10について説明する。なお、本実施形態では、第1実施形態の構成と実質的に変更のない構成については、第1実施形態の構成と同一の符号をつけて説明する。
【0100】
図14および図15に示されるように、本実施形態では、サブステップ40が、複数の位置決部55を含む。位置決部55は、例えば、第1位置決部60Aと、車両幅方向DXにおいて第1位置決部60Aよりも外方に設けられる第2位置決部60Bとを含む。
【0101】
第1位置決部60Aおよび第2位置決部60Bは、本体部41から車両上下方向DZの上方に延びる板状部材である。第1位置決部60Aおよび第2位置決部60Bの板状部材は、車両前後方向DYに延びる。第1位置決部60Aおよび第2位置決部60Bは、本体部41と一体に形成される。本実施形態の取付部42は、第1実施形態の取付部42と同様に形成される。
【0102】
本実施形態において、ロッカーフランジ5は、車両幅方向DXにおいて、第1位置決部60Aと第2位置決部60Bとの間に位置する。第1位置決部60Aは、ロッカーフランジ5に当接することによってサブステップ40の展開時におけるサブステップ40の位置決めを行う(図14参照)。第2位置決部60Bは、ロッカーフランジ5に当接することによってサブステップ40の格納時におけるサブステップ40の位置決めを行う(図15参照)。
【0103】
サブステップ40が第2格納位置から第2展開位置に移動する場合、第1位置決部60Aがロッカーフランジ5に当接することによって、サブステップ40の車両幅方向DXにおける外方への移動が規制される。サブステップ40の展開後においては、第1位置決部60Aは、ロッカーフランジ5に当接していなくてもよい。
【0104】
サブステップ40が第2展開位置から第2格納位置に移動する場合、第2位置決部60Bがロッカーフランジ5に当接することによって、サブステップ40の車両幅方向DXにおける内方への移動が規制される。サブステップ40の格納後においては、第2位置決部60Bは、ロッカーフランジ5に当接していなくてもよい。
【0105】
本実施形態における第2格納位置から第2展開位置へのサブステップ40の移動について説明する。ステップ12が展開される場合、サブステップ40が第2格納位置から外方に移動すると、第1位置決部60Aがロッカーフランジ5に当接することによって、サブステップ40の外方への移動が規制される。サブステップ40の外方への移動が規制された後のサブステップ40の移動は、第1実施形態のサブステップ40の移動と同じであるため、その説明を省略する。
【0106】
本実施形態における第2展開位置から第2格納位置へのサブステップ40の移動について説明する。ステップ12が格納される場合、サブステップ40が第2格納位置から内方に移動すると、第2位置決部60Bがロッカーフランジ5に当接することによって、サブステップ40の内方への移動が規制される。サブステップ40の内方への移動が規制された後のサブステップ40の移動は、第1実施形態のサブステップ40の移動と同じであるため、その説明を省略する。
【0107】
<作用>
本実施形態の作用を説明する。
本実施形態の車両用ステップ装置10では、位置決部55が、第1位置決部60Aと、第2位置決部60Bを有する。第1位置決部60Aおよび第2位置決部60Bは、車両幅方向DXにおいて、ロッカーフランジ5が間に位置するように配置される。第1位置決部60Aは、ロッカーフランジ5に当接することによって、展開時にサブステップ40を第2展開位置に位置決めできる。また、第2位置決部60Bは、ロッカーフランジ5に当接することによって、格納時にサブステップ40を第2格納位置に位置決めできる。
【0108】
<効果>
本実施形態の効果を説明する。
(2)位置決部55は、第1位置決部60Aと、第2位置決部60Bとを含む。第1位置決部60Aおよび第2位置決部60Bは、車両幅方向DXにおいて、ロッカーフランジ5を挟むように配置される。第1位置決部60Aは、ロッカーフランジ5に当接することによってサブステップ40の展開時におけるサブステップ40の位置決めを行う。また、第2位置決部60Bは、ロッカーフランジ5に当接することによってサブステップ40の格納時におけるサブステップ40の位置決めを行う。この構成によれば、車両1のロッカーフランジ5を使用して、ステップ12の展開時および格納時におけるサブステップ40の位置を決めることができる。
【0109】
<第3実施形態>
図16から図19を参照して、第3実施形態に係る車両用ステップ装置10について説明する。なお、本実施形態では、第1実施形態の構成と実質的に変更のない構成については、第1実施形態の構成と同一の符号をつけて説明する。
【0110】
本実施形態の車両用ステップ装置10は、サブステップ40を回転可能に支持するサブステップ回転軸70を備える。サブステップ回転軸70は、アーム11の中間部22に配置される。
【0111】
本実施形態では、サブステップ40は、サブステップ回転軸70を介して、アーム11に取り付けられる。本実施形態の取付部42は、車両幅方向DXにおいて本体部41の内方に設けられる。取付部42は、例えば、本体部41に設けられる取付孔71を有する。取付孔71には、サブステップ回転軸70が取り付けられる。取付部42は、アーム11に対して中心軸心C3を中心に回転する。中心軸心C3は、中心軸心C1と平行に延びる。
【0112】
本実施形態における第2格納位置から第2展開位置へのサブステップ40の移動について説明する。ステップ12が展開される場合、アーム11は、ベース14に対して中心軸心C1を中心に回転する。取付部42は、アーム11の回転に連動して、アーム11に対して中心軸心C3を中心に回転する。アーム11の先端部20が、第1展開位置に対応する第1位置まで移動すると、サブステップ40は、第2展開位置に配置される(図16参照)。
【0113】
本実施形態における第2展開位置から第2格納位置へのサブステップ40の移動について説明する。ステップ12が格納される場合、アーム11は、ベース14に対して中心軸心C1を中心に回転する。取付部42は、アーム11の回転に連動して、アーム11に対して中心軸心C3を中心に回転する。アーム11の先端部20が、第1格納位置に対応する第2位置まで移動すると、サブステップ40は、第2格納位置に配置される(図18参照)。
【0114】
<作用>
本実施形態の作用を説明する。
本実施形態の車両用ステップ装置10は、サブステップ40がアーム11と連動して回転する。アーム11の先端部20が第1位置に位置する場合に、サブステップ40は、第2展開位置に位置決めされる。また、アーム11の先端部20が第2位置に位置する場合に、サブステップ40は、第2格納位置に位置決めされる。
【0115】
<効果>
本実施形態の効果を説明する。
(3)サブステップ40は、中心軸心C3を中心に回転するサブステップ回転軸70を介して、アーム11に取り付けられる。この構成によれば、アーム11の回転に連動して、サブステップ40が移動できる。
【0116】
<変更例>
上記各実施形態は、上記構成の例に限定されない。上記各実施形態は、以下のように変更され得る。なお、以下の変更例では、上記実施形態の構成と実質的に変更のない構成については、上記実施形態の構成と同一の符号をつけて説明する。
【0117】
・各実施形態において、アーム11は、車体2に取り付けられてもよい。アーム11は、例えば、車体2の下端面に取り付けられる。アーム11は、ロッカー3に直接取り付けられてもよい。本変更例では、ベース14は、車両用ステップ装置10から省略されてもよい。
【0118】
・サブステップ40の第2展開位置と第2格納位置との間の移動は、各実施形態の例に限定されない。車両用ステップ装置10は、ベース14に対してサブステップ40を移動させる追加駆動部を含んでもよい。追加駆動部は、駆動部15のモータとは異なるモータを含む。本変更例のサブステップ40は、追加駆動部によって、第2展開位置と第2格納位置との間を移動してもよい。
【0119】
・第1突起部51が第2突起部52よりも車両幅方向DXにおける外方に位置すれば、第1突起部51および第2突起部52の位置は、各実施形態の例に限定されない。第1突起部51は、本体部41の下面に設けられ、第2突起部52は、ステップ本体部23の上面23Aに設けられてもよい。
【0120】
・ステップ12が展開する場合に、第1突起部51が第2突起部52に当接することによって、サブステップ40が第2格納位置から第2展開位置に移動してもよい。本変更例では、ステップ12が展開する場合に第1突起部51が第2突起部52に当接することによって、サブステップ40が、ステップ12に連動して車両幅方向DXにおいて外方に移動できる。
【0121】
・第3突起部53が第4突起部54よりも車両幅方向DXにおける内方に位置すれば、第3突起部53および第4突起部54の位置は、各実施形態の例に限定されない。第3突起部53は、本体部41の下面に設けられ、第4突起部54は、ステップ本体部23の上面23Aに設けられてもよい。
【0122】
・ステップ12が格納する場合に、第3突起部53が第4突起部54に当接することによって、サブステップ40が第2展開位置から第2格納位置に移動してもよい。本変更例では、ステップ12が格納する場合に第3突起部53が第4突起部54に当接することによって、サブステップ40が、ステップ12に連動して車両幅方向DXにおいて内方に移動できる。
【0123】
・位置決部55がサブステップ40の格納時にロッカーフランジ5に当接でき、サブステップ40の展開時に当接部4に当接できれば、車両前後方向DYにおける位置決部55の寸法は、車両前後方向DYにおける本体部41の寸法よりも小さくてもよい。
【0124】
・第1実施形態において、車両幅方向DXにおいて、ロッカーフランジ5と当接部4との間に追加当接部が設けられてもよい。追加当接部は、例えば、ロッカー3に設けられる。本変更例の位置決部55は、車両幅方向DXにおいて、当接部4と追加当接部との間に位置する。位置決部55は、追加位置決部に当接することによってサブステップ40の格納時におけるサブステップ40の位置決めを行い、当接部4に当接することによってサブステップ40の展開時におけるサブステップ40の位置決めを行う。追加当接部は、例えば、当接部4と同様に、ピン等によって構成されてもよい。
【0125】
・第2実施形態において、車両1に第1実施形態の当接部4が設けられ、当接部4が、車両幅方向DXにおいて、第1位置決部60Aと第2位置決部60Bとの間に位置してもよい。本変形例の第1位置決部60Aは、当接部4に当接することによってサブステップ40の展開時におけるサブステップ40の位置決めを行う。本変更例の第2位置決部60Bは、当接部4に当接することによってサブステップ40の格納時におけるサブステップ40の位置決めを行う。
【0126】
図20に示されるように、取付部42の取付支持部44は、第1溝部80Aと、車両上下方向DZにおいて第1溝部80Aと対向する第2溝部80Bとを有してもよい。ステップ12は、ステップ12の側面に設けられる第1レール部81Aと、ステップ12の側面に設けられる第2レール部81Bとを有してもよい。本変更例では、第1レール部81Aが第1溝部80Aに嵌り、第2レール部81Bが第2溝部80Bに嵌ることによって、サブステップ40がステップ12に取り付けられる。本変更例において、取付支持部44から第1溝部80Aおよび第2溝部80Bのいずれか1つが省略されてもよい。
【0127】
図20に示されるように、第1実施形態において、第3突起部53が省略され、第1突起部51が第3突起部53を兼ねるように構成されてもよい。本変更例では、第1突起部51が第4突起部54に当接することによって、ステップ12が第1格納位置に位置する場合に、サブステップ40が第2格納位置から外方に移動することが抑制される。
【0128】
図21に示されるように、各実施形態において、サブステップ40は、本体部41から上方に延びる壁部90を有してもよい。壁部90は、乗降時に、乗車者の足がサブステップ40よりも内方に入ることを抑制する。
【0129】
図22から図24に示されるように、ステップ本体部23の上面23Aが、車両幅方向DXにおいて内方よりも外方の方が上方に位置するように、ステップ12が構成されてもよい。図22から図24では、サブステップ40の図示が省略されている。本変更例では、車両用ステップ装置10から、サブステップ40が省略されてもよい。図22の例では、車両幅方向DXにおける外方側が内方側よりも上方に位置するように、ステップ本体部23の上面23Aにおける外方側の一部が傾いて設けられる。図23の例では、車両幅方向DXにおける外方側が内方側よりも上に位置するように、ステップ本体部23の上面23Aの全体が傾いて設けられる。図24の例では、ステップ本体部23の上面23Aに、車両幅方向DXに並ぶ複数の凸部23Bが設けられる。複数の凸部23Bは、車両幅方向DXにおける外方側に位置するほど、上面23Aからの突出量が高くなるように配置される。搭乗者がステップ12を踏むと、搭乗者の体重によって車両1が外方に傾く場合がある。車両1が外方に傾くと、ステップ12も外方に傾くため、搭乗者の重心が外方に移動してステップ12を踏む搭乗者のバランスが崩れ易い。本変更例では、内方から外方に向かうほど高く位置するように上面23Aが傾くため、車両1が傾いても、搭乗者の重心が外方に移動し難い。したがって、本変更例では、搭乗者がステップ12を踏む場合に、上面23Aが傾かない場合に比べて、搭乗者のバランスが維持され易い。
【0130】
図25および図26に示されるように、ステップ本体部23の上面23Aに、車両前後方向DYに並ぶ複数の凸部23Cが形成されてもよい。本変形例のステップ本体部23は、車両幅方向DXにおける外方に、平面部91が設けられる。複数の凸部23Cは、平面部91に形成される。複数の凸部23Cの数は、車両前後方向DYにおけるステップ12の寸法に基づいて、任意に設定できる。本変更例のステップ本体部23は、ステップ本体部23をアルミ押出成形で成型後、プレス成形によって凸部23Cが、平面部91の上面23Aに打ち出される。複数の凸部23Cは、例えば、滑り止めである。複数の凸部23Cが車両前後方向DYに並ぶことによって、搭乗者がステップ12を踏む場合に、搭乗者が車両前後方向DYに滑ることを抑制できる。
【符号の説明】
【0131】
DX…車両幅方向、DZ…車両上下方向、1…車両、2…車体、3…ロッカー、3A…車両外方面、4…当接部、5…ロッカーフランジ、5A…外方面、10…車両用ステップ装置、11…アーム、12…ステップ、14…ベース、40…サブステップ、40Y…内方端部、51…第1突起部、52…第2突起部、55…位置決部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26