(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124936
(43)【公開日】2024-09-13
(54)【発明の名称】車椅子席指定券発券システム、車椅子席指定券発券方法、および車椅子席指定券発券プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/40 20240101AFI20240906BHJP
G07B 1/00 20060101ALI20240906BHJP
【FI】
G06Q50/30
G07B1/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023032931
(22)【出願日】2023-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】深瀬 公啓
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC43
5L050CC43
(57)【要約】
【課題】車椅子席のある列車の情報を一覧で表示させることにより、車椅子席を利用したいと望むユーザの指定券を発券するまでの手間を低減すること。
【解決手段】実施形態に係る車椅子席指定券発券システムであって、サーバと、サーバに接続された自動発売機と、を備え、サーバは、運行する列車のデータベースを記憶する列車データベースと、ユーザが車椅子席の指定券の購入を希望することを示す車椅子席購入希望情報を含む入力情報を受信する受信制御部と、車椅子席購入希望情報に基づいて列車データベースに記憶された列車のうち車椅子席のある列車の列車情報を取得する列車情報取得部と、列車情報を自動発売機に送信する送信制御部と、を備え、自動発売機は、列車情報を表示する表示制御部と、表示された列車情報に応じて、車椅子席指定券発券要求を取得する発券要求取得部と、車椅子席指定券発券要求に対応する車椅子席の指定券を発券する発券制御部と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバと、
前記サーバに接続された自動発売機と、
を備え、前記サーバは、
運行する列車のデータベースを記憶する列車データベースと、
ユーザが車椅子席の指定券の購入を希望することを示す車椅子席購入希望情報を含む入力情報を受信する受信制御部と、
前記車椅子席購入希望情報に基づいて前記列車データベースに記憶された列車のうち車椅子席のある列車の列車情報を取得する列車情報取得部と、
前記列車情報を前記自動発売機に送信する送信制御部と、
を備え、前記自動発売機は、
前記列車情報を表示する表示制御部と、
前記表示された列車情報に応じて、車椅子席指定券発券要求を取得する発券要求取得部と、
前記車椅子席指定券発券要求に対応する車椅子席の指定券を発券する発券制御部と、
を備える、車椅子席指定券発券システム。
【請求項2】
前記入力情報は、前記ユーザが購入を希望する日時についての情報を含み、
前記列車情報取得部は、前記車椅子席のある列車を検索し、前記車椅子席のある列車から前記ユーザが購入を希望する日時に最も近い列車から順に所定の数の列車情報を取得する、請求項1に記載の車椅子席指定券発券システム。
【請求項3】
前記車椅子席指定券発券要求が介護席発券要求を含む場合、前記発券制御部は、前記ユーザが希望する車椅子席に対応する介護席の指定券を発券する、請求項1に記載の車椅子席指定券発券システム。
【請求項4】
前記列車情報は、車椅子席のある列車の一覧情報を含み、前記表示制御部は、車椅子席のある列車の一覧を表示する、請求項1に記載の車椅子席指定券発券システム。
【請求項5】
前記列車情報は、車椅子席の配置された場所および空席情報を含む車椅子席詳細情報をさらに含み、前記表示制御部は、前記列車情報に含まれる列車それぞれに対応する車椅子席詳細情報を表示する、請求項1に記載の車椅子席指定券発券システム。
【請求項6】
運行する列車のデータベースを記憶する列車データベースと、
ユーザが車椅子席の指定券の購入を希望することを示す車椅子席購入希望情報を含む入力情報を受信する受信制御部と、
前記車椅子席購入希望情報に基づいて前記列車データベースに記憶された列車のうち車椅子席のある列車の列車情報を取得する列車情報取得部と、
前記列車情報を送信する送信制御部と、
前記列車情報を送信することに応じて発券情報を受信する受信制御部と、
を備える、サーバ。
【請求項7】
サーバが備えるプロセッサが実行する車椅子席指定券発券方法であって、
運行する列車のデータベースを列車データベースに記憶することと、
ユーザが車椅子席の指定券の購入を希望することを示す車椅子席購入希望情報を含む入力情報を受信することと、
前記車椅子席購入希望情報に基づいて前記列車データベースに記憶された列車のうち車椅子席のある列車の列車情報を取得することと、
前記列車情報を送信することと、
前記列車情報を送信することに応じて発券情報を受信することと、
を備える、車椅子席指定券発券方法。
【請求項8】
サーバのプロセッサによって実行させるための命令を備える車椅子席指定券発券プログラムであって、前記命令は、
運行する列車のデータベースを列車データベースに記憶することと、
ユーザが車椅子席の指定券の購入を希望することを示す車椅子席購入希望情報を含む入力情報を受信することと、
前記車椅子席購入希望情報に基づいて前記列車データベースに記憶された列車のうち車椅子席のある列車の列車情報を取得することと、
前記列車情報を送信することと、
前記列車情報を送信することに応じて発券情報を受信することと、
を備える、車椅子席指定券発券プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、車椅子席指定券発券システム、車椅子席指定券発券方法、および車椅子席指定券発券プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車椅子席を利用する旅客が自動発売機等で車椅子席の指定券を購入する際、旅客は、車椅子席を利用することが可能な列車を、時刻表等を用いて事前に調べておく必要がある。
【0003】
また、特許文献1に開示されるように、自動発売機またはWeb上で車椅子席の指定券を購入する際、一般席の中に車椅子席があることが表示されるのみである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、車椅子席を利用したいと望む旅客において、購入したい列車を事前に調べるのは手間であるという問題がある。さらに、購入したい列車を事前に調べて購入する際、目的の列車の車椅子席を表示させるまでに時間が掛かるという問題もある。
【0006】
この発明は、上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、車椅子席のある列車の情報を一覧で表示させることにより、車椅子席を利用したいと望むユーザの指定券を発券するまでの手間を低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態に係るサーバを備える車椅子席指定券発券システムであって、サーバと、前記サーバに接続された自動発売機と、を備え、前記サーバは、運行する列車のデータベースを記憶する列車データベースと、ユーザが車椅子席の指定券の購入を希望することを示す車椅子席購入希望情報を含む入力情報を受信する受信制御部と、前記車椅子席購入希望情報に基づいて前記列車データベースに記憶された列車のうち車椅子席のある列車の列車情報を取得する列車情報取得部と、前記列車情報を前記自動発売機に送信する送信制御部と、を備え、前記自動発売機は、前記列車情報を表示する表示制御部と、前記表示された列車情報に応じて、車椅子席指定券発券要求を取得する発券要求取得部と、前記車椅子席指定券発券要求に対応する車椅子席の指定券を発券する発券制御部と、を備えるようにしたものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る車椅子席指定券発券システムの一例を示した概念図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る上位サーバおよび自動発売機のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、本実施形態における上位サーバおよび自動発売機のソフトウェア構成を、
図2に示したハードウェア構成に関連付けて示すブロック図である。
【
図4】
図4は、
図1に示される車椅子席指定券発券システムにおける車椅子席指定券の発券手順の一例を示すシーケンス図である。
【
図5】
図5は、自動発売機の出力部のディスプレイに表示される画面の一例を示した図である。
【
図6】
図6は、自動発売機の出力部のディスプレイに表示される画面の一例を示した図である。
【
図7】
図7は、自動発売機の出力部のディスプレイに表示される車椅子席のある列車情報の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら車椅子席指定券発券システム、車椅子席指定券発券方法、および車椅子席指定券発券プログラムについて詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、同一の番号を付した部分については同様の動作を行うものとして、重ねての説明を省略する。例えば、複数の同一または類似の要素が存在する場合に、各要素を区別せずに説明するために共通の符号を用いることがあるし、各要素を区別して説明するために当該共通の符号に加えて枝番号を用いることもある。
【0010】
[実施形態]
(構成)
図1は、実施形態に係る車椅子席指定券発券システムの一例を示した概念図である。
車椅子席指定券発券システムは、車椅子を利用する旅客(ユーザ)が車椅子席の指定券を購入する際に使用するシステムである。車椅子席指定券発券システムは、例えば、鉄道等の交通機関において、列車等に乗車する際に必要となる指定券を発券するシステムの一部のシステムであって良い。なお、車椅子席指定券発券システムは、指定券に加えて乗車券を発券することも可能であるのは勿論である。
【0011】
図1に示すように、車椅子席指定券発券システムは、上位サーバ1、自動発売機2等を有する。
【0012】
上位サーバ1は、鉄道事業者が管理する所定の場所に設置されるサーバである。上位サーバ1は、列車の指定券の発券状況を管理するサーバであり、例えば、列車の座席番号、予約の有無等を記憶する。さらに、上位サーバ1は、各列車に車椅子席があるかどうかの情報、当該車椅子席の予約の有無等を記憶していて良い。また、上位サーバ1は、列車のダイヤグラム等も記憶して良い。上位サーバ1は、自動発売機2からの各種要求に応じて記憶された情報を提供することが可能である。例えば、自動発売機2から車椅子席の指定券の購入を希望する情報を受信した場合、上位サーバ1は、希望した列車を含む車椅子席のある列車の情報、予約の有無、等の情報を自動発売機2に送信する。さらに、自動発売機2から所定の列車に対する問合せ(一般の旅客からの問合せ)を受信した場合、上位サーバ1は、所定の列車の座席の予約の有無等の情報を含む情報を自動発売機2に送信しても良い。
【0013】
自動発売機2は、駅構内の所定の場所に設置される。
図1では、簡単化のため1つのみを示しているが、駅構内には複数の自動発売機2が設置されていて良い。自動発売機2は、車椅子席の指定券等を購入することが可能である。なお、自動発売機2は、通常の指定券、乗車券、回数券等を購入可能であっても良い。また、自動発売機2は、ユーザが直接操作する自動発売機2に限られず、駅の係員が操作する自動発売機2であっても良い。
【0014】
ここで、ユーザは、一般の旅客であって良いし、車椅子を利用する旅客であっても良い。本実施形態において、特に言及しない限り、ユーザは、車椅子を利用する旅客であるとする。また、ユーザは、ユーザ端末を有していて良い。ユーザ端末は、ユーザが所持する据え置き型のコンピュータ、携帯端末、等を含む。携帯端末は、スマートフォン、タブレット型端末、スマートウォッチ等のウェアラブル端末等、ユーザが携帯可能な任意の端末であって良い。
【0015】
図2は、実施形態に係る上位サーバ1および自動発売機2のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
上位サーバ1は、制御部11、プログラム記憶部12、データ記憶部13、通信インタフェース14、および入出力インタフェース15を備える。制御部11、プログラム記憶部12、データ記憶部13、通信インタフェース14、および入出力インタフェース15は、バスを介して互いに通信可能に接続されている。
【0016】
上位サーバ1は、PC(Personal Computer)などのコンピュータによって各種動作を実現することが可能である。
【0017】
制御部11は、上位サーバ1を制御する。制御部11は、中央処理ユニット(CPU:Central Processing Unit)等のハードウェアプロセッサを備える。
【0018】
プログラム記憶部12は、例えば、記憶媒体としてSSD(Solid State Drive)等の随時書き込みおよび読み出しが可能な不揮発性メモリと、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリとを組み合わせて構成したもので、OS(Operating System)等のミドルウェアに加えて、一実施形態に係る各種制御処理を実行するために必要なアプリケーション・プログラムを格納する。なお、以後OSと各アプリケーション・プログラムとをまとめてプログラムと称する。
【0019】
データ記憶部13は、例えば、記憶媒体として、SSD等の随時書き込みおよび読み出しが可能な不揮発性メモリと、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリと組み合わせたものあってよい。
【0020】
通信インタフェース14は、1つ以上の有線または無線の通信モジュールを含む。例えば、通信インタフェース14は、直接またはネットワークを介して自動発売機2と有線または無線接続する通信モジュールを含む。また、通信インタフェース14は、ユーザが所持するユーザ端末と無線接続する通信モジュールを含んで良い。通信インタフェース14は、制御部11の制御の下、自動発売機2またはユーザ端末との間で通信を行い、各種情報を送受信することができるものであれば一般的な通信インタフェースでよい。
【0021】
入出力インタフェース15は、入力部151および出力部152等と接続される。入出力インタフェース15は、制御部11と、入力部151および出力部152との間で情報の送受信を可能にするインタフェースである。入出力インタフェース15は、通信インタフェース14と一体であっても良い。例えば、入出力インタフェース15は、制御部11と、入力部151または出力部152とは、近距離無線技術等を使用して無線接続されており、当該近距離無線技術を用いて情報の送受信を行ってもよい。
【0022】
入力部151は、例えば、上位サーバ1を管理する管理者(鉄道事業者)が上位サーバ1に対して各種情報を入力するためのキーボードやポインティングデバイス等を含む。また、入力部151は、プログラム記憶部12またはデータ記憶部13に格納するべきデータを、USBメモリ等のメモリ媒体から読み出すためのリーダや、そのようなデータをディスク媒体から読み出すためのディスク装置を含んでも良い。
【0023】
出力部152は、上位サーバ1から管理者に提示するべき出力データを表示するディスプレイや、それを印刷するプリンタ等を含む。
【0024】
自動発売機2は、制御部21、プログラム記憶部22、データ記憶部23、通信インタフェース24、および入出力インタフェース25を備える。制御部21、プログラム記憶部22、データ記憶部23、通信インタフェース24、および入出力インタフェース25は、バスを介して互いに通信可能に接続されている。
【0025】
自動発売機2は、PCなどのコンピュータによって各種動作を実現することが可能である。
【0026】
制御部21は、自動発売機2を制御する。制御部21は、中央処理ユニット(CPU)等のハードウェアプロセッサを備える。
【0027】
プログラム記憶部22は、例えば、記憶媒体としてSSD等の随時書き込みおよび読み出しが可能な不揮発性メモリと、ROM等の不揮発性メモリとを組み合わせて構成したもので、プログラムを格納する。
【0028】
データ記憶部23は、例えば、記憶媒体として、SSD等の随時書き込みおよび読み出しが可能な不揮発性メモリと、RAM等の揮発性メモリと組み合わせたものあってよい。
【0029】
通信インタフェース24は、1つ以上の有線または無線の通信モジュールを含む。例えば、通信インタフェース24は、直接またはネットワークを介して上位サーバ1と有線または無線接続する通信モジュールを含む。通信インタフェース24は、制御部21の制御の下、上位サーバ1との間で通信を行い、各種情報を送受信することができるものであれば一般的な通信インタフェースでよい。
【0030】
入出力インタフェース25は、入力部251、出力部252、および発券部253等と接続される。入出力インタフェース25は、制御部21と、入力部251、出力部252、および発券部253との間で情報の送受信を可能にするインタフェースである。入出力インタフェース25は、通信インタフェース24と一体であっても良い。例えば、入出力インタフェース25は、制御部21と、入力部251、出力部252、または発券部253の少なくとも1つとは、近距離無線技術等を使用して無線接続されており、当該近距離無線技術を用いて情報の送受信を行ってもよい。
【0031】
入力部251は、例えば、ユーザまたは駅係員が自動発売機2に対して各種情報を入力するためのキーボードやポインティングデバイス等を含む。また、入力部251は、プログラム記憶部22またはデータ記憶部23に格納するべきデータを、USBメモリ等のメモリ媒体から読み出すためのリーダや、そのようなデータをディスク媒体から読み出すためのディスク装置を含んでも良い。
【0032】
出力部252は、例えば液晶、有機EL等を使用した表示デバイスを含む。表示デバイスは、上位サーバ1から受信した各種情報等をユーザまたは駅係員に対して表示する。
【0033】
発券部253は、例えば、指定券等を印刷するためのプリンタを含む。プリンタは、ユーザまたは駅係員からの入力情報、上位サーバ1から受信した各種情報に基づいて指定券を発券する。
【0034】
図3は、本実施形態における上位サーバ1および自動発売機2のソフトウェア構成を、
図2に示したハードウェア構成に関連付けて示すブロック図である。
上位サーバ1のデータ記憶部13は、列車データベース131を備える。列車データベース131は、各列車の車椅子席の予約の有無、予約された車椅子席に関連する車椅子席情報を記憶する。また、列車データベース131は、各列車の座席の予約の有無、予約された座席に関連する情報等を含む座席情報も記憶していて良い。また、列車データベース131は、予約された指定券についての発券情報を各座席に紐付けて記憶していて良い。例えば、発券情報は、指定券ID、当該指定券IDに関連付けられた列車情報、乗車年月日、発着駅、到着時間、料金、座席番号等を含む。
【0035】
上位サーバ1の制御部11は、受信制御部111と、列車情報取得部112と、送信制御部113と、を備える。
【0036】
受信制御部111は、自動発売機2から送信された入力情報を受信する。ここで、入力情報は、自動発売機2の入力部251にユーザまたは係員が入力した情報である。なお、入力情報の詳細は後述する。
【0037】
列車情報取得部112は、入力情報に基づいて、後述する列車データベース131に記憶されたデータベースからユーザが購入を希望する時間帯の列車を検索し、当該列車の列車情報を取得する。ここで、列車情報は、ユーザが希望する乗車駅からの出発時刻、到着駅への到着時刻、列車番号、列車の終着駅、等を含む。
【0038】
送信制御部113は、列車情報取得部112から列車情報を受信すると、当該列車情報を自動発売機2に送信する。
【0039】
列車データベース131は、列車番号、列車のダイヤグラム、列車の運行情報、運休情報、等の列車に関係する各データを記憶するデータベースである。列車データベース131は、上位サーバ1の管理者である鉄道事業者が管理・運営する列車に限られず、他の鉄道事業者の列車についての情報を記憶していても良い。すなわち、列車データベース131は、自動発売機2で列車の指定券を購入可能な列車についての情報を含んでいれば良い。
【0040】
自動発売機2の制御部21は、入力情報取得部211と、車椅子席指定券購入希望判定部212と、送受信制御部213と、表示制御部214と、発券要求取得部215と、発券制御部216と、を備える。
【0041】
自動発売機2の入力情報取得部211は、入力情報を取得する。ここで、入力情報は、ユーザまたは係員が入力部251に入力した情報である。例えば、入力情報は、出発駅、到着駅、出発日時、何名での利用、片道または往復か等の情報を含む。また、入力情報は、車椅子席指定券を利用するかどうかの情報を含んで良い。入力情報取得部211は、入力情報を後述する取得情報記憶部231に記憶させて良い。
【0042】
車椅子席指定券購入希望判定部212は、入力情報に車椅子席指定券の購入希望情報が含まれているかどうかを判定する。車椅子席指定券を購入するボタンを押下した情報を含む場合、車椅子席指定券購入希望判定部212は、ユーザが車椅子席指定券の購入を希望していると判定する。この場合、車椅子席指定券購入希望判定部212は、ユーザが車椅子席指定券の購入を希望していることを示すフラグを生成し、入力情報に含める。
【0043】
送受信制御部213は、通信インタフェース24を通じて、入力情報を上位サーバ1に送信する。例えば、送受信制御部213は、車椅子席指定券購入希望判定部212で生成されたフラグを含む入力情報を上位サーバ1に送信する。また、送受信制御部213は、通信インタフェース24を通じて、列車情報を受信する。送受信制御部213は、当該列車情報を後述する券情報記憶部232に記憶させる。
【0044】
さらに、送受信制御部213は、通信インタフェース24を通じて、発券情報を上位サーバ1に送信する。ここで、発券情報は、ユーザに発券した指定券の情報を含む。上位サーバ1は、発券情報に基づいて列車データベース131に記憶されたデータベースの情報を更新する。
【0045】
表示制御部214は、券情報記憶部232に記憶された列車情報を取得し、当該列車情報を出力部252のディスプレイ等に表示するように制御する。
【0046】
発券要求取得部215は、ユーザまたは係員が入力部251に入力した発券要求を取得する。ここで、発券要求は、利用する日時、予約を希望する列車、乗車駅、下車駅、指定する座席情報等を含む。ユーザが車椅子席の指定券の購入を希望する場合、発券要求は、車椅子席指定券発券要求であって良い。また、ユーザが介護席の指定券も同時に購入する場合、車椅子席指定券発券要求である発券要求は、介護席発券要求を含んで良い。ここで、介護席発券要求は、車椅子席に対応する介護席の指定券を発券する要求である。
【0047】
発券制御部216は、発券部253を介して、指定券を発券する。発券制御部216は、発券要求および券情報記憶部232に記憶された列車情報に基づいて指定券を発券する。発券要求が車椅子席指定券発券要求であった場合、発券制御部216は、該当する列車の車椅子席の指定券を発券する。なお、発券される指定券は、磁気媒体であっても良いし、2次元コードが印刷された媒体であっても良い。ここで、発券制御部216は、発券要求に車椅子席に加えて介護席の発券要求を含む場合、指定された車椅子席に対応する介護席の指定券を発券して良い。
【0048】
自動発売機2のデータ記憶部23は、取得情報記憶部231と、券情報記憶部232と、を備える。取得情報記憶部231は、入力情報取得部211により取得された入力情報を記憶するために用いられる記憶部である。券情報記憶部232は、ユーザが購入を希望する列車情報および発券情報を記憶するために用いられる記憶部である。
【0049】
(動作)
図4は、
図1に示される車椅子席指定券発券システムにおける車椅子席指定券の発券手順の一例を示すシーケンス図である。
上位サーバ1の制御部11および自動発売機2の制御部21がそれぞれプログラム記憶部12およびプログラム記憶部22に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、このシーケンスの動作が実現される。
【0050】
最初に、ユーザが列車の車椅子席の指定券の購入を希望しており、ユーザまたは係員が自動発売機2の入力部251に入力を開始することにより、このシーケンスは開始する。
【0051】
ステップST101で、自動発売機2の入力情報取得部211は、入力情報を取得する。入力情報は、上述したように、出発駅、到着駅、出発日時、何名での利用、片道または往復か等の情報を含む。また、入力情報は、車椅子席指定券を利用するかどうかの情報を含んで良い。入力情報取得部211は、入力情報を取得情報記憶部231に記憶させる。
【0052】
入力情報取得部211は、入力情報を随時取得して良い。すなわち、入力部251がユーザまたは係員による入力を受信する毎に、入力情報取得部211は、入力情報を取得して良い。
【0053】
図5および
図6は、自動発売機2の出力部252のディスプレイに表示される画面の一例を示した図である。
図5に示すように、指定券を購入する際、一般席であるか車椅子席であるかを選択するボタンを設けても良い。或いは、
図6に示すように、オプションとして車椅子席指定券を購入するかどうかを決定するようにしても良い。また
図6に示すように、ユーザは、車椅子席指定券と共に介護席も利用するかどうかを決定するようにしても良い。
【0054】
ステップST102で、車椅子席指定券購入希望判定部212は、入力情報に車椅子席指定券の購入希望情報が含まれているかどうかを判定する。車椅子席指定券購入希望判定部212は、取得情報記憶部231に記憶された入力情報を取得する。例えば、車椅子席指定券購入希望判定部212は、取得情報記憶部231に記憶された入力情報が更新される度に入力情報を取得しても良い。そして、入力情報が
図5に示すような車椅子席指定券を購入するボタンを押下した情報を含む場合、車椅子席指定券購入希望判定部212は、ユーザが車椅子席指定券の購入を希望していると判定する。この場合、車椅子席指定券購入希望判定部212は、ユーザが車椅子席指定券の購入を希望していることを示すフラグ(車椅子席購入希望情報)を生成し、入力情報に含める。そして、車椅子席指定券購入希望判定部212は、入力情報を送受信制御部213に出力する。
【0055】
ステップST103で、送受信制御部213は、通信インタフェース24を通じて、入力情報を上位サーバ1に送信する。例えば、送受信制御部213は、ステップST102で生成された車椅子席購入希望情報を含む入力情報を上位サーバ1に送信する。入力情報が、
図6に示すような「列車を検索する」というボタンが押下された情報を含む場合、送受信制御部213は、入力情報を送信する。或いは、送受信制御部213は、車椅子席指定券購入希望判定部212から入力情報を受信する度に入力情報を上位サーバ1に送信しても良い。
【0056】
ステップST104で、上位サーバ1の列車情報取得部112は、列車情報を取得する。受信制御部111は、自動発売機2から「列車を検索する」というボタンが押下された情報を含む入力情報を受信すると、当該入力情報を列車情報取得部112に出力する。列車情報取得部112は、入力情報に基づいて、列車データベース131に記憶されたデータベースからユーザが購入を希望する時間帯の列車を検索し、当該列車の列車情報を取得する。上述したように、列車情報は、ユーザが希望する乗車駅からの出発時刻、到着駅への到着時刻、列車番号、列車の終着駅、等を含む。列車情報取得部112は、入力情報に含まれるユーザが購入を希望する日時に最も近い列車から順に所定の数の列車情報を取得する。列車情報取得部112は、取得した列車情報を送信制御部113に出力する。
【0057】
また、入力情報に車椅子席購入希望情報が含まれる場合、列車情報取得部112は、希望する時間帯の列車情報を取得する前に車椅子席のある列車情報をデータベースから取得して良い。そして、列車情報取得部112は、入力情報に含まれるユーザが購入を希望する日時に最も近い車椅子席のある列車から順に所定の数の列車情報を取得する。例えば、列車情報は、列車の一覧情報を含む。一覧情報は、例えば、自動発売機2の出力部252のディスプレイに列車情報を一覧で表示するための情報であって良い。また、フラグに基づいて最初に車椅子席のある列車を抽出し、抽出した列車を検索対象とすることにより、上位サーバ1の処理を低減することができる。
【0058】
また、通常、車椅子席は、一般の座席よりも少ない座席が指定されている。そのため、列車情報取得部112は、列車情報に車椅子席詳細情報を含むようにしても良い。ここで、車椅子席詳細情報は、例えば、列車の何両目に車椅子席が配置されているかの情報、車椅子席の空き情報等を含んで良い。
【0059】
例えば、一般の指定券を購入する場合、ユーザが希望する列車を選択した後、列車情報取得部112は、該当する列車の詳細な座席情報を取得する。しかしながら、車椅子席指定券の購入を希望する場合、列車情報取得部112は、列車を指定せずとも検索された列車全ての車椅子席詳細情報を取得する。これにより、車椅子席の指定券の購入を希望するユーザまたは係員は、列車を指定してから座席を指定せずに、一回の操作で希望する日時に該当する列車の車椅子席についての詳細な情報を取得することが可能となり、ユーザまたは係員の手間を軽減することができる。
【0060】
ステップST105で、送信制御部113は、通信インタフェース14を通じて、列車情報を自動発売機2に送信する。送信制御部113は、列車情報取得部112から列車情報を受信すると、当該列車情報を自動発売機2に送信する。
【0061】
ステップST106で、表示制御部214は、列車情報を表示する。送受信制御部213は、通信インタフェース24を通じて、列車情報を受信すると、当該列車情報を券情報記憶部232に記憶させる。そして、表示制御部214は、券情報記憶部232に記憶された列車情報を取得し、当該列車情報を出力部252のディスプレイ等に表示するように制御する。
【0062】
図7は、自動発売機2の出力部252のディスプレイに表示される車椅子席のある列車情報の一例を示した図である。
図7に示すように、列車情報に一覧情報が含まれているため、表示制御部214は、車椅子席のある列車が一覧できるように出力部252のディスプレイに表示する。また、上述したように、列車情報に車椅子席詳細情報を含む場合、表示制御部214は、該当する列車の車椅子席についての配置場所、空席情報等の情報を表示するようにして良い。
【0063】
ステップST107で、発券要求取得部215は、発券要求を取得する。例えば、ユーザまたは係員は、出力部252のディスプレイに表示された情報に応じて、購入を希望する列車、および当該列車の座席を選択する。発券要求は、上述したように、利用する日時、予約を希望する列車、乗車駅、下車駅、指定する座席情報等を含む。ユーザが車椅子席の指定券の購入を希望する場合、発券要求は、車椅子席指定券発券要求であって良い。また、ユーザが介護席の指定券も同時に購入する場合、車椅子席指定券発券要求である発券要求は、介護席発券要求を含んで良い。そして、発券要求取得部215は、ユーザまたは係員が入力部251に入力した発券要求を取得することになる。発券要求取得部215は、発券要求を発券制御部216に出力する。
【0064】
なお、ステップST107で、発券要求取得部215が発券要求を受信した際、自動発売機2は、当該発券要求を上位サーバ1に送信し、発券要求に応じた発券許可を上位サーバ1から受信してよい。発券要求取得部215は、発券許可を受信した後に、当該発券要求を発券制御部216に出力して良い。
【0065】
ステップST108で、発券制御部216は、指定券を発券する。発券制御部216は、発券部253を介して、発券要求および券情報記憶部232に記憶された列車情報に基づいて指定券を発券する。発券要求が車椅子席指定券発券要求であった場合、発券制御部216は、該当する列車の車椅子席の指定券を発券する。例えば、発券制御部216は、発券要求に基づいて運賃を計算し、ユーザによる運賃の決済が実施された後、発券を実施する。ここで、決済方法および発券方法は、一般的な方法で実施されれば良いため、ここでの詳細な説明は省略する。また、発券要求が介護席発券要求を含む場合、発券制御部216は、ユーザが希望する車椅子席に対応する介護席の指定券も発券する。発券制御部216は、発券された指定券の情報を含む発券情報を券情報記憶部232に記憶させて良い。
【0066】
ステップST109で、送受信制御部213は、通信インタフェース24を通じて、発券情報を上位サーバ1に送信する。上位サーバ1は、発券情報に基づいて列車データベース131に記憶されたデータベースの情報を更新することになる。なお、ステップST109の発券情報は、ステップST108と同時に実施しても良い。すなわち、ユーザに対して指定券を発券すると同時に発券情報を送信して良い。
【0067】
(実施形態の作用効果)
以上説明した実施形態によれば、自動発売機2は、車椅子席のある列車の情報を一覧で表示させることができる。これにより、車椅子席を利用したいと望むユーザは、車椅子席の指定券を発券する際の手間を削減することが可能となる。
【0068】
また、以上で説明した実施形態では、車椅子を利用するユーザが列車の指定券を購入する場合の例を示したが、列車の指定券に限られない。例えば、本実施形態は、バスの座席、飛行機の座席、船の座席等の指定券にも適用することが可能である。
【0069】
[他の実施形態]
また、本実施形態では、自動発売機2を用いて説明したが、自動発売機2は、ユーザが利用するユーザ端末に置き換えることが可能である。すなわち、本実施形態は、上位サーバ1を管理する鉄道事業者が提供する所定のWebページ上で車椅子席指定券を購入する場合にも適用可能である。この場合、発券される車椅子席指定券は、QRコード(登録商標)を含む2次元コードで表示されるような一般的なデジタルチケットであって良い。そして、上位サーバ1がユーザ端末からの発券要求を受信することに応じて、ユーザ端末にメール等を用いて車椅子指定席券(QRコード)を含む発券情報を送信すれば良い。
【0070】
要するに、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施しても良く、その場合、組み合わせた効果が得られる。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。
【符号の説明】
【0071】
1…上位サーバ
2…自動発売機
11…制御部
111…受信制御部
112…列車情報取得部
113…送信制御部
12…プログラム記憶部
13…データ記憶部
131…列車データベース
14…通信インタフェース
15…入出力インタフェース
151…入力部
152…出力部
21…制御部
211…入力情報取得部
212…車椅子席指定券購入希望判定部
213…送受信制御部
214…表示制御部
215…発券要求取得部
216…発券制御部
22…プログラム記憶部
23…データ記憶部
231…取得情報記憶部
232…券情報記憶部
24…通信インタフェース
25…入出力インタフェース
251…入力部
252…出力部
253…発券部