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特開2024-124995分析装置、分析方法、分析プログラム及び水処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124995
(43)【公開日】2024-09-13
(54)【発明の名称】分析装置、分析方法、分析プログラム及び水処理システム
(51)【国際特許分類】
   B01D 65/10 20060101AFI20240906BHJP
   C02F 1/44 20230101ALI20240906BHJP
   C12Q 1/686 20180101ALI20240906BHJP
   C12M 1/00 20060101ALI20240906BHJP
【FI】
B01D65/10
C02F1/44 A
C12Q1/686 Z
C12M1/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023033036
(22)【出願日】2023-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松井 康弘
(72)【発明者】
【氏名】上口 純司
【テーマコード(参考)】
4B029
4B063
4D006
【Fターム(参考)】
4B029AA07
4B029FA01
4B029GB01
4B063QA01
4B063QA18
4B063QQ18
4B063QQ42
4B063QR08
4B063QR62
4B063QS25
4B063QX01
4D006GA03
4D006GA06
4D006GA07
4D006JA15Z
4D006JA19Z
4D006JA31Z
4D006JA55C
4D006JA55Z
4D006KA53
4D006KA55
4D006KA56
4D006KA57
4D006KA64
4D006KA67
4D006KA72
4D006KB22
4D006KB23
4D006KC03
4D006KC13
4D006KC14
4D006KC16
4D006KD11
4D006KD15
4D006KD17
4D006KD24
4D006KE15P
4D006KE16P
4D006KE30P
4D006LA03
4D006LA08
4D006MA21
4D006PA01
4D006PB02
4D006PB08
(57)【要約】
【課題】水処理システムにおける膜の微細な破断を迅速に検知すること。ウイルスを含む対象とする微生物を検知し、水質の安全を担保する。
【解決手段】分析装置は、分析部及び判定部を有する。分析部は、水を透過させる膜から取得された透過水に対してPCR分析を実施する。判定部は、前記分析部による分析結果を基に、前記膜が破断しているか否かを判定する。また、膜の性能や予兆を把握する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を透過させる膜から取得された透過水に対してPCR分析を実施する分析部と、
前記分析部による分析結果を基に、前記膜が破断しているか否かを判定する判定部と、
を有することを特徴とする分析装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記分析部による分析結果を基に、前記膜が破断する予兆が発生しているか否か、及び、前記膜が高性能であるか否かをさらに判定することを特徴とする請求項1に記載の分析装置。
【請求項3】
前記分析部は、前記PCR分析により、前記透過水の中に、ウイルスを含む微生物のうち、対象の微生物が存在することを検知する
ことを特徴とする請求項1に記載の分析装置。
【請求項4】
前記分析部は、一定の期間にわたって前記透過水に対してPCR分析を実施し、
前記判定部は、前記PCR分析の感度特性及び前記PCR分析の結果に応じて、前記期間において破断が発生したか否かを判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の分析装置。
【請求項5】
前記判定部は、前記分析部によるPCR分析によって検出された微生物の大きさに応じた大きさの破断が前記膜に生じていると判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の分析装置。
【請求項6】
前記分析部は、UF膜から取得された透過水に対してPCR分析を実施する
ことを特徴とする請求項1に記載の分析装置。
【請求項7】
前記分析部は、MF膜から取得された透過水に対してPCR分析を実施する
ことを特徴とする請求項1に記載の分析装置。
【請求項8】
前記分析部は、取得された後に濃縮された透過水に対してPCR分析を実施する
ことを特徴とする請求項1に記載の分析装置。
【請求項9】
分析部によって検出された微生物の種類に関する情報、及び前記微生物の種類に応じた破断の大きさに関する情報を出力する出力部をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の分析装置。
【請求項10】
コンピュータによって実行される分析方法であって、
水を透過させる膜から取得された透過水に対してPCR分析を実施する分析工程と、
前記分析工程による分析結果を基に、前記膜が破断しているか否かを判定する判定工程と、
を含むことを特徴とする分析方法。
【請求項11】
水を透過させる膜から取得された透過水に対してPCR分析を実施する分析ステップと、
前記分析ステップによる分析結果を基に、前記膜が破断しているか否かを判定する判定ステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする分析プログラム。
【請求項12】
コンテナと、分析装置と、を有する水処理システムであって、
前記コンテナは、
水を透過させる複数の膜を含む膜モジュールと、
前記膜モジュールへ水を通す配管と、
前記膜モジュールから水を集める配管と、
下水を処理するシステムに含まれる装置と連結する配管と、
を有し、
前記分析装置は、
前記膜の少なくともいずれかから取得された透過水に対してPCR分析を実施する分析部と、
前記分析部による分析結果を基に、前記膜が破断しているか否かを判定する判定部と、
前記判定部による判定結果を出力する出力部と、
を有することを特徴とする水処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分析装置、分析方法、分析プログラム及び水処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の水処理プラント(水処理システムの一例)において、空気圧により膜破断を検知する方法が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
例えば、空気圧による膜破断検知の方法は、膜内の一次側に水を入れ、二次側に空気を充填させ、二次側で空気を加圧し、水側に漏れる空気とそのときの圧力とをモニタリングすることで、膜破断を検知するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献3】特開2004-329980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の膜破断検知の方法には、水処理システムにおける膜の微細な破断を迅速に検知できない場合があるという問題がある。
【0006】
例えば、空気圧による破断検知手法では、ウイルスが通過可能な孔径の膜破断検知が不可能であり、ウイルスが通過可能な微細な破断が発生した後、すぐにその破断を検知することは難しい。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、水処理システムにおける膜の微細な破断を迅速に検知することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一側面にかかる分析装置は、水を透過させる膜から取得された透過水に対してPCR分析を実施する分析部と、前記分析部による分析結果を基に、前記膜が破断しているか否かを判定する判定部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
一実施形態によれば、水処理システムにおける膜の微細な破断を迅速に検知できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係る水処理システムの構成例を示す図である。
図2】UF膜装置の構成例を示す図である。
図3】UF膜装置及び周辺装置の構成例を示す図である。
図4】UF膜と分析装置の配置例を示す図である。
図5】RO膜装置の構成例を示す図である。
図6】RO膜と分析装置の配置例を示す図である。
図7】分析装置の構成例を示す図である。
図8】分析装置の処理の流れを示すフローチャートである。
図9】ハードウェア構成例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本願の開示する分析装置、分析方法、分析プログラム及び水処理システムの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、ここで説明する実施形態により本願の発明が限定されるものではない。また、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。また、各実施形態は、矛盾のない範囲内で適宜組み合わせることができる。
【0012】
下水や雨水等の排水に対する水処理は、一般的に、大きく一次処理、二次処理、及び、三次処理の3つの処理に分類される。
【0013】
一次処理では、排水に含まれる夾雑物のような大きな固形物の除去が行われる。二次処理では、一次処理で除去しきれなかった有機物を微生物(バクテリア)によって除去する。二次処理では、例えば活性汚泥処理、硝化脱窒反応処理等が行われる。三次処理では、二次処理で沈殿除去しきれなかった浮遊性固形物の除去が行われる。三次処理では、砂ろ過や膜ろ過処理によって浮遊性固形物の除去が行われる。
【0014】
図1は、実施形態に係る水処理システムの構成例を示す図である。図1に示す水処理システム1は、UF膜(限界ろ過膜:Ultrafiltration membrane)装置110、RO膜(逆浸透膜:Reverse Osmosis membrane)装置120、UV促進酸化処理装置130、水質センサ140_1、水質センサ140_2、水質センサ140_3、注入装置150、及び制御装置200を備える。なお、図1に示す水処理システムは一例であり、本実施形態に係る水処理システムが図1に示す構成要素以外の要素を備えていてもよい。
【0015】
水処理システム1は、下水や雨水等の排水を生活用水や飲用水に再生する。水処理システム1には、例えば、排水に対して活性汚泥処理、硝化脱窒反応処理等が施された処理水(すなわち、一次処理及び二次処理が施された処理水)が供給される。水処理システム1は、供給される処理水に対して膜処理等を施す。すなわち、水処理システム1は、主に上述した三次処理を行う。
【0016】
水処理システム1によって処理された処理水は、例えば塩素等によって消毒が行われ、生活用水や飲用水として使用される。
【0017】
活性汚泥処理、硝化脱窒反応処理等は、例えば下水処理施設にて実施される。水処理システム1は、例えば下水処理施設にて処理された排水に対して膜処理等を施す。
【0018】
UF膜装置110に供給される供給水を膜ろ過供給水とも記載する。RO膜装置120に供給される供給水を逆浸透膜供給水と記載する。UV促進酸化処理装置130に供給される供給水をUV供給水とも記載する。
【0019】
(UF膜装置110)
UF膜装置110は、供給水に対してろ過膜によって微生物や粒子状物質を除去する。UF膜装置110は、複数のUF膜を備える。UF膜装置110は、UF膜供給水に対してUF膜を用いて膜ろ過を行い、微生物や粒子状物質を除去する。UF膜装置110は、膜ろ過後の膜ろ過透過水(UF膜透過水)をRO膜装置120に供給する。
【0020】
図2を用いて、UF膜装置110の構成を説明する。図2は、UF膜装置の構成例を示す図である。
【0021】
図2に示すように、UF膜装置110は、内部にUF膜モジュール(UF膜エレメント群)112を収容するコンテナ111を有する。UF膜モジュール112は、複数のUF膜(UF膜エレメント)を含む。
【0022】
なお、図2では、1つのUF膜112_1を除き符号を省略している。図2におけるUF膜112_1を示す図形(円柱)と合同な図形は、いずれもUF膜を表している。
【0023】
図3を用いて、UF膜装置110の構成をさらに詳細に説明する。図3は、UF膜装置及び周辺装置の構成例を示す図である。
【0024】
図3に示すように、コンテナ111に収容されるUF膜モジュール112は、UF膜112_1、UF膜112_2、UF膜112_3、及びUF膜112_4を含む。コンテナ111に含まれるUF膜の数は、図示のものに限られない。
【0025】
コンテナ111は、UF膜モジュール112へUF膜供給水を通す流入配管113を有する。流入配管113は、ポンプ301と接続される。本実施形態におけるポンプは、供給水をUF膜等に供給するフィーダーポンプである。
【0026】
コンテナ111は、UF膜モジュール112へ空気洗浄用の圧縮空気を通す流入配管114を有する。流入配管114は、圧縮空気を供給するエアコンプレッサ302と接続される。
【0027】
コンテナ111は、UF膜モジュール112から膜ろ過後の水を集める透過配管115を有する。透過配管115は、膜ろ過後の水を、後続の処理装置(例えば、RO膜装置120)へ通す。
【0028】
ここで、UF膜を含むろ過膜は、閉塞を解消するために、定期的に洗浄が行われる。例えば、UF膜の洗浄としては、逆洗浄(ろ過水を使用した洗浄)、薬品(例えば、硫酸、クエン酸、次亜塩素酸ナトリウム)を使用した洗浄(Maintenance Cleaning:MC)、高濃度薬品を使用し長時間浸漬を行う薬品洗浄(Recovery Cleaning:RC)等が挙げられる。
【0029】
コンテナ111は、UF膜モジュール112へ薬品洗浄用の薬品を通す流入配管116を有する。流入配管116は、ポンプ303を介して薬品洗浄用の薬品を貯留する薬品タンク304と接続される。
【0030】
コンテナ111は、UF膜モジュール112へ逆洗用の水を通す流入配管117を有する。流入配管117は、ポンプ305を介して逆洗用の水を貯留する逆洗水タンク306と接続される。
【0031】
コンテナ111は、UF膜モジュール112からの排水を通す排水管118を有する。排水管118は、コンテナ111の外部の排水管307と接続される。
【0032】
透過配管401は、UF膜透過水の一部をサンプルとしてタンク402に透過させる。透過配管401によって取得されたサンプルは、膜破断の検知に利用される。膜破断の検知方法については後述する。
【0033】
また、コンテナ11は、コンテナ11と他の装置とを連結するための連結配管を有する。連結配管は、二次処理を行う装置、又はRO膜装置120とコンテナ11を接続する。また、これまで説明した流入配管113及び透過配管115を含む配管が、連結配管として機能してもよい。
【0034】
連結配管は、水処理システム1に対してコンテナ111を着脱可能にするための機構である。連結配管は、低圧用の継ぎ手を有する。継ぎ手は、例えばステンレス、ポリ塩化ビニール素材のねじ込み継ぎ手、及びフランジ等である。連結配管は、例えば0.49MPa以下程度の圧力に耐えられるものであればよい。
【0035】
分析装置500は、タンク402に貯留された透過水のサンプルを基に、UF膜モジュール112に含まれるUF膜の破断を検知する。
【0036】
図7を用いて、分析装置500の構成を説明する。図7は、分析装置の構成例を示す図である。図7に示すように、分析装置500は、通信部510、記憶部520及び制御部530を有する。なお、分析装置500が有する機能部は、図示したものに限らず、例えばディスプレイ及びスピーカ等の出力装置との間でデータを送受信するインタフェース等の機能部等を有していてもよい。
【0037】
通信部510は、他の装置との間の通信を制御する処理部であり、例えば通信インタフェース等により実現される。
【0038】
記憶部520は、各種データ、及び制御部530が実行する各種プログラム等を記憶する処理部である。記憶部520は、例えばメモリ及びハードディスク等により実現される。この記憶部520は、制御部530が各種処理を実行する際の過程で得られるデータ、及び各種処理を実行したことで得られる処理結果等、分析装置500が実行する処理で発生する各種データを記憶する。
【0039】
制御部530は、分析装置500全体を司る処理部である。制御部530は、例えばプロセッサ等により実現される。制御部530は、分析部531及び判定部532を有する。
【0040】
分析部531は、水を透過させる膜から取得された透過水に対してPCR(Polymerase Chain Reaction)分析を実施する。透過水に含まれる微生物の遺伝子核酸は、PCR法によって増幅される。さらに、増幅した核酸と蛍光核酸プローブとの再形成(ハイブリタイゼーション)が実行される。そして、分析部531は、発光を検出することによって、透過水に存在する微生物の種類を特定する。なお、分析部531は、ここで説明したPCRに関する一連の処理を行う既存のPCR装置に置き換えられてもよい。その場合、判定部532は、PCR装置によるPCR分析の結果を取得する。
【0041】
判定部532は、分析部531による分析結果を基に、膜が破断しているか否かを判定する。判定部532は、分析部531によって、あらかじめ選択された微生物が、透過水に存在することが特定された場合、当該微生物の種類に応じた大きさの破断が膜に生じていると判定する。
【0042】
例えば、UF膜への供給水に含まれる微生物が、PCR分析によりUF膜でも検出された場合、当該微生物はUF膜を通過したと考えられる。さらに、検出された微生物の大きさがUF膜の孔径より大きい場合、当該微生物は破断した箇所を通過したことが疑われる。このことを利用して、分析装置500は膜破断の検知を行う。
【0043】
なお、微生物は、原虫、細菌、及びウイルス等を含む。原虫は、例えばクリプトスポリジウム及びジアルジア等を含む。細菌は、大腸菌、ブドウ球菌、コレラ菌、結核菌、及びピロリ菌等を含む。ウイルスは、ノロウイルス、アデノウイルス、腸管系ウイルス、及びトウガラシ微斑ウイルス(Pepper Mild Mottle Virus:PMMoV)等を含む。
【0044】
なお、分析部531は、PCR分析により、透過水の中に、ウイルスを含む微生物のうち、対象の微生物が存在することを検知する。これにより、分析装置500は、破断検知だけでなく、膜ろ過(MF膜、UF膜、RO膜)における水質の安全の担保を実現できる。
【0045】
判定部532は、膜が破断しているか否かだけでなく、膜が破断する予兆が発生しているか否か、及び、膜が高性能であるか否かをさらに判定する。
【0046】
例えば、判定部532は、膜破断の判定を行った回数に対する、膜が破断していると判定した回数の割合が閾値以下であれば、当該膜を高性能と判定する。
【0047】
また、判定部532は、分析部531によって、あらかじめ選択された微生物が透過水に存在することが特定されなかった場合であっても、当該微生物よりさらに小さい特定の微生物が存在することが特定された場合、膜破断の予兆が生じていると判定する。
【0048】
図4は、UF膜と分析装置の配置例を示す図である。分析装置500は、UF膜装置110に含まれるUF膜(UF膜112_1、UF膜112_2、UF膜112_3、UF膜112_4)のそれぞれに対して設けられる。また、1つの分析装置500が、複数のUF膜について膜破断の検知を行ってもよい。また、分析装置500と同等の機能が制御装置200に備えられていてもよい。
【0049】
(RO膜装置120)
図1に戻り、RO膜装置120には、UF膜装置110による処理水が供給される。RO膜装置120は、供給水に対してイオンや塩類等の不純物を除去する。RO膜装置120は、RO膜を備える。
【0050】
図5は、RO膜装置の構成例を示す図である。図5に示すRO膜装置120は、ポンプ121_1及びポンプ121_2を有する。また、UF膜装置110は、RO膜124_1、RO膜124_1、RO膜124_1、を有する。
【0051】
RO膜124_1には、ポンプ121_1を用いてRO膜供給水が供給される。RO膜124_1は、RO膜供給水をRO膜透過水(RO膜ろ過水)とRO膜濃縮水とに分離する。RO膜124_1は、RO膜濃縮水をRO膜124_2に供給する。
【0052】
RO膜124_2は、RO膜濃縮水をRO膜透過水とRO膜濃縮水とに分離する。RO膜124_2は、RO膜濃縮水をRO膜124_3に供給する。
【0053】
RO膜124_3には、ポンプ121_2を用いてRO膜濃縮水がRO膜124_2から供給される。RO膜124_3は、RO膜を用いて、RO膜濃縮水をRO膜透過水と濃縮排水とに分離する。RO膜124_3は、濃縮排水をRO膜装置120の外に排水する。
【0054】
ここで、分析装置500による膜破断の検知の対象は、UF膜に限られず、RO膜等であってもよい。図6は、RO膜と分析装置の配置例を示す図である。分析装置500は、RO膜装置120に含まれるRO膜(RO膜124_1、RO膜124_2、RO膜124_3、RO膜124_4)のそれぞれに対して設けられる。また、1つの分析装置500が、複数のRO膜について膜破断の検知を行ってもよい。
【0055】
図1に戻り、RO膜装置120は、RO膜透過水をUV促進酸化処理装置130に供給する。
【0056】
(UV促進酸化処理装置130)
UV促進酸化処理装置130は、UV供給水に対してUV-AOP(Advanced Oxidation Process:紫外線を用いた促進酸化処理)を実施する。これにより、UV促進酸化処理装置130は、UV供給水に含まれる微量化学物質(例えばNDMA)を酸化分解する。
【0057】
(水質センサ140)
水質センサ140は、水処理システム1の各部の供給水又はろ過水(透過水)等の水質を測定する。図1の例では、水処理システム1は、水質センサ140_1、水質センサ140_2、及び140_3を備える。
【0058】
水質センサ140_1は、UF膜装置110の流入部の水質を測定する。水質センサ140_1は、UF膜供給水の水質を測定する。
【0059】
水質センサ140_1は、例えば、膜ろ過供給水の水温、pH値、ORP(Oxidation-Reduction Potential)、アンモニア性窒素含有量、窒素化合物含有量、濁度、紫外線吸光度、電気伝導率、及び、TOC(Total Organic Carbon)値の少なくとも1つを測定する。
【0060】
水質センサ140_2は、RO膜装置120の流入部(あるいは、UF膜装置110の流出部)の水質を測定する。水質センサ140_2は、RO膜供給水(あるいは、UF膜透過水)の水質を測定する。
【0061】
水質センサ140_3は、UV促進酸化処理装置130の流入部(あるいは、RO膜装置120の流出部)の水質を測定する。水質センサ140_3は、RO膜透過水の水質を測定する。
【0062】
なお、水処理システム1が備える水質センサ140は、図1の例に限定されない。例えばUV供給水の水質を測定する水質センサ140等、水処理システム1が図1に示していない水質センサ140を有していてもよい。
【0063】
水質センサ140_1は、測定結果を制御装置200に出力する。
【0064】
注入装置150は、制御装置200からの指示に従って、UF膜装置110の流入部に薬液を注入する。注入装置150は、例えば次亜塩素酸ナトリウムをUF膜装置110の流入部に注入する。また、注入装置150は、次亜塩素酸ナトリウム以外にも、例えば、硫酸アンモニウム又は塩化アンモニウム等の薬液をUF膜装置110の流入部に注入する。
【0065】
制御装置200は、水処理システム1の各部を制御する。制御装置200は、分析装置500からの要求に応じて制御を行ってもよい。
【0066】
図8を用いて、分析部531及び判定部532の処理の例を説明する。図8は、分析装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【0067】
図8の処理を説明する。図8に示すように、まず、分析部531は、規定の時刻になるまで待機する(ステップS101、No)。分析部531は、規定の時刻になった場合(ステップS101、Yes)、膜の透過水のサンプルに対してPCR分析を実施する(ステップS102)。
【0068】
例えば、膜の透過水のサンプルは、UF膜モジュール112から採水され、タンク402に貯留されている。タンク402は、最大で1日分の透過水を貯留することができる。
【0069】
ステップS101において、分析部531は、規定の時間が経過するまで待機してもよい。すなわち、分析部531は、一定の時間周期でステップS102以降の処理を実行する。
【0070】
そして、判定部532は、PCR分析の結果を基に、膜が破断しているか否かを判定する(ステップS103)。さらに、分析装置500は、通信部510(出力部に相当)を介して、判定結果を出力する(ステップS104)。例えば、通信部510は、水処理システム1の運転者が利用する端末装置等に判定結果を送信する。
【0071】
ステップS102以降の処理が実行される周期の時間は、例えば1時間から24時間までの範囲であってもよい。その場合、少なくとも1日1回は膜破断の検知を行うことが可能になる。また、例えば2.5時間周期で膜破断の検知を行ってもよい。
【0072】
ここで、カリフォルニア州水資源委員会(California State Water Resources Control Board)は、3~18時間の微生物計測を迅速計測と定義している。分析部531は、既知の迅速計測を用いてPCR分析を行うことで、遅くとも24時間以内には分析結果を得ることができる。その場合、水処理システム1の運転者が毎日の朝8時に業務を開始するタイミングで膜破断を検知する処理が開始されれば、当日の午後又は翌日には運転者は検知結果を確認し、必要に応じて対処を行うことができる。
【0073】
ステップS103において、判定部532は、PCR分析の結果に基づき、透過水に対象の微生物由来の核酸があるか否かを確認する。判定部532は、PCR分析の結果に、透過水に対象の微生物由来の核酸があることが示されている場合、膜が破断していると判定する。すなわち、判定部532は、分析部531によるPCR分析によって検出された対象の微生物の大きさに応じた大きさの破断が膜に生じていると判定する。
【0074】
対象の微生物は、検知したい破断のサイズ、及びUF膜の孔径に応じて事前に選定される。例えば、対象の微生物は、UF膜の孔径、及び孔径分布(例えば0.02μm~0.1μm)と、微生物の形状及び大きさ(例えば、ウイルスであれば直径20nm以上)、膜吸着特性に応じて決定される。
【0075】
また、ステップS103において、分析部531は、一定の期間(例えば1日)にわたって透過水に対してPCR分析を実施してもよい。その際、ステップS103において、判定部532は、PCR分析の感度特性及びPCR分析の結果に応じて、期間において破断が発生したか否かを判定する。
【0076】
これにより、例えば高感度なPCRと感度特性を活用し、膜透過水を長時間かけて貯水させ、同貯水時間内に貯留された対象微生物の有無を確認することで、当該時間内の膜破断の有無を判定できる。
【0077】
その結果、従来では検知できなかった微細な膜破断を検知でき、透過水の水質保証、及び膜の品質保証(健全性(破断がないこと))が高度に実現される。
【0078】
分析部531は、取得された後に濃縮された透過水に対してPCR分析を実施してもよい。これにより、PCR分析をさらに精度良く実施でき、その結果膜破断の検知制度が向上する。
【0079】
一例として、水処理システム1は、下記の手順で透過水の濃縮を行い、濃縮した透過水をサンプルとしてタンク402に貯留させる。分析装置500は、当該濃縮した透過水を対象に膜破断検知を行う。
【0080】
すなわち、水処理システム1は、透過水と溶液(例えば、塩化マグネシウム溶液)を混合し、混合溶液を得る。次に、水処理システム1は、混合溶液を陰電荷膜に供給する。陰電荷膜において、混合溶液中の陽イオンとウイルスが捕捉される。また、水処理システム1は、陰電荷膜において陽イオンとウイルスが除かれた後の液を排出する。
【0081】
続いて、水処理システム1は、酸性溶液(例えば、硫酸溶液)により陰電荷膜の酸洗浄を行う。これにより、陰電荷膜から陽イオンが引きはがされる。
【0082】
そして、水処理システム1は、アルカリ性溶液(例えば、水酸化ナトリウム溶液)を陰電荷膜に流すことにより、陰電荷膜に捕捉されたウイルスを引きはがす。これにより、水処理システム1は、アルカリ性溶液とともに濃縮されたウイルスの溶液を得ることができる。
【0083】
ステップS104において、分析装置500は、分析部531によって検出された微生物の種類に関する情報、及び微生物の種類に応じた破断の大きさに関する情報を出力してもよい。
【0084】
例えば、分析装置500は、膜破断が検出されたことを示す情報と、PCR分析で検出された微生物の大きさをセットで出力する。これにより、水処理システム1の運転者は、膜破断に対する緊急対応の要否等を容易に判断することができる。
【0085】
また、前述の通り、分析装置500による膜破断の検知の対象は、UF膜及びRO膜に限られない。例えば、分析装置500は、MF膜(精密ろ過膜:Micro Filtration membrane)又はNF膜(ナノろ過膜:Nano Filtration membrane)から取得された透過水を対象にPCR分析を行うことで、これらの膜の膜破断を検知してもよい。
【0086】
また、MF膜の孔径およびその孔径分布は1~10μmでるため、MF膜の膜破断を検知する場合は、対象の微生物としてウイルスよりも大きい細菌(直径1~10μm)及び原虫(3μm以上)が選定されてもよい。
【0087】
RO膜及びNF膜は、膜の孔径が定義できない。このため、RO膜及びNF膜については、分子レベル(一般的には300Da、Daは分子の質量数を表す)で排斥(分画)できるイオンの分子量が除去能力として定義される。RO膜及びNF膜は、ウイルスより直径の大きい微生物を完全に阻止できる分離能力を保有している。
【0088】
一方で、RO膜及びNF膜はエレメント化されるため、モジュールとしては、シール部(ブラインシール)、膜片の溶着部、供給水と透過水又は濃縮水を分離する止水パッキン及びOリングといった物理機械的な部品を含む。また、このよう部品の破断により、透過水に微生物が流出する場合がある。このため、分析装置500によれば、膜だけでなく他の部品の破断を検知することができる。
【0089】
[実施形態の効果]
分析装置500は、分析部531及び判定部532を有する。分析部531は、水を透過させる膜から取得された透過水に対してPCR分析を実施する。判定部532は、分析部531による分析結果を基に、膜が破断しているか否か、膜が破断する予兆が発生しているか否か、及び、膜が高性能であるか否かを判定する。
【0090】
本実施形態によれば、空気の加圧といった手順を実施することなく、水処理システム1における膜の微細な破断を迅速に検知できる。
【0091】
[システム]
上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0092】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られない。つまり、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【0093】
さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0094】
[ハードウェア]
次に、分析装置500のハードウェア構成例を説明する。図9は、ハードウェア構成例を説明する図である。図9に示すように、分析装置500は、通信装置500a、HDD(Hard Disk Drive)10b、メモリ500c、プロセッサ500dを有する。また、図9に示した各部は、バス等で相互に接続される。
【0095】
通信装置500aは、ネットワークインタフェースカード等であり、他のサーバとの通信を行う。HDD500bは、図7に示した機能を動作させるプログラムやDBを記憶する。
【0096】
プロセッサ500dは、図7に示した各処理部と同様の処理を実行するプログラムをHDD500b等から読み出してメモリ500cに展開することで、図7等で説明した各機能を実行するプロセスを動作させる。例えば、このプロセスは、分析装置500が有する各処理部と同様の機能を実行する。具体的には、プロセッサ500dは、分析部531及び判定部532等と同様の機能を有するプログラムをHDD500b等から読み出す。そして、プロセッサ500dは、分析部531及び判定部532と同様の処理を実行するプロセスを実行する。
【0097】
このように、分析装置500は、プログラムを読み出して実行することで推薦方法を実行する推薦装置として動作する。また、分析装置500は、媒体読取装置によって記録媒体から上記プログラムを読み出し、読み出された上記プログラムを実行することで上記した実施例と同様の機能を実現することもできる。なお、この他の実施例でいうプログラムは、分析装置500によって実行されることに限定されるものではない。例えば、他のコンピュータ又はサーバがプログラムを実行する場合や、これらが協働してプログラムを実行するような場合にも、本発明を同様に適用することができる。
【0098】
このプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することができる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disc)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することができる。
【0099】
[その他]
開示される技術特徴の組合せのいくつかの例を以下に記載する。
(1)
水を透過させる膜から取得された透過水に対してPCR分析を実施する分析部と、
前記分析部による分析結果を基に、前記膜が破断しているか否かを判定する判定部と、
を有することを特徴とする分析装置。
(2)
前記判定部は、前記分析部による分析結果を基に、前記膜が破断する予兆が発生しているか否か、及び、前記膜が高性能であるか否かをさらに判定することを特徴とする(1)に記載の分析装置。
(3)
前記分析部は、前記PCR分析により、前記透過水の中に、ウイルスを含む微生物のうち、対象の微生物が存在することを検知する
ことを特徴とする(1)又は(2)に記載の分析装置。
(4)
前記分析部は、一定の期間にわたって前記透過水に対してPCR分析を実施し、
前記判定部は、前記PCR分析の感度特性及び前記PCR分析の結果に応じて、前記期間において破断が発生したか否かを判定する
ことを特徴とする(1)~(3)のいずれか1つに記載の分析装置。
(5)
前記判定部は、前記分析部によるPCR分析によって検出された微生物の大きさに応じた大きさの破断が前記膜に生じていると判定する
ことを特徴とする(1)~(4)のいずれか1つに記載の分析装置。
(6)
前記分析部は、UF膜から取得された透過水に対してPCR分析を実施する
ことを特徴とする(1)~(5)のいずれか1つに記載の分析装置。
(7)
前記分析部は、MF膜から取得された透過水に対してPCR分析を実施する
ことを特徴とする(1)~(6)のいずれか1つに記載の分析装置。
(8)
前記分析部は、取得された後に濃縮された透過水に対してPCR分析を実施する
ことを特徴とする(1)~(7)のいずれか1つに記載の分析装置。
(9)
分析部によって検出された微生物の種類に関する情報、及び前記微生物の種類に応じた破断の大きさに関する情報を出力する出力部をさらに有することを特徴とする(1)~(8)のいずれか1つに記載の分析装置。
(10)
コンピュータによって実行される分析方法であって、
水を透過させる膜から取得された透過水に対してPCR分析を実施する分析工程と、
前記分析工程による分析結果を基に、前記膜が破断しているか否かを判定する判定工程と、
を含むことを特徴とする分析方法。
(11)
前記判定工程は、前記分析工程による分析結果を基に、前記膜が破断する予兆が発生しているか否か、及び、前記膜が高性能であるか否かをさらに判定することを特徴とする(10)に記載の分析方法。
(12)
前記分析工程は、前記PCR分析により、前記透過水の中に、ウイルスを含む微生物のうち、対象の微生物が存在することを検知する
ことを特徴とする(10)又は(11)に記載の分析方法。
(13)
前記分析工程は、一定の期間にわたって前記透過水に対してPCR分析を実施し、
前記判定工程は、前記PCR分析の感度特性及び前記PCR分析の結果に応じて、前記期間において破断が発生したか否かを判定する
ことを特徴とする(10)~(12)のいずれか1つに記載の分析方法。
(14)
前記判定工程は、前記分析工程によるPCR分析によって検出された微生物の大きさに応じた大きさの破断が前記膜に生じていると判定する
ことを特徴とする(10)~(13)のいずれか1つに記載の分析方法。
(15)
前記分析工程は、UF膜から取得された透過水に対してPCR分析を実施する
ことを特徴とする(10)~(14)のいずれか1つに記載の分析方法。
(16)
前記分析工程は、MF膜から取得された透過水に対してPCR分析を実施する
ことを特徴とする(10)~(15)のいずれか1つに記載の分析方法。
(17)
前記分析工程は、取得された後に濃縮された透過水に対してPCR分析を実施する
ことを特徴とする(10)~(16)のいずれか1つに記載の分析方法。
(18)
分析工程によって検出された微生物の種類に関する情報、及び前記微生物の種類に応じた破断の大きさに関する情報を出力する出力工程をさらに有することを特徴とする(10)~(17)のいずれか1つに記載の分析方法。
(19)
水を透過させる膜から取得された透過水に対してPCR分析を実施する分析ステップと、
前記分析ステップによる分析結果を基に、前記膜が破断しているか否かを判定する判定ステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする分析プログラム。
(20)
前記判定ステップは、前記分析ステップによる分析結果を基に、前記膜が破断する予兆が発生しているか否か、及び、前記膜が高性能であるか否かをさらに判定することを特徴とする(19)に記載の分析プログラム。
(21)
前記分析ステップは、前記PCR分析により、前記透過水の中に、ウイルスを含む微生物のうち、対象の微生物が存在することを検知する
ことを特徴とする(19)又は(20)に記載の分析プログラム。
(22)
前記分析ステップは、一定の期間にわたって前記透過水に対してPCR分析を実施し、
前記判定ステップは、前記PCR分析の感度特性及び前記PCR分析の結果に応じて、前記期間において破断が発生したか否かを判定する
ことを特徴とする(19)~(21)のいずれか1つに記載の分析プログラム。
(23)
前記判定ステップは、前記分析ステップによるPCR分析によって検出された微生物の大きさに応じた大きさの破断が前記膜に生じていると判定する
ことを特徴とする(19)~(22)のいずれか1つに記載の分析プログラム。
(24)
前記分析ステップは、UF膜から取得された透過水に対してPCR分析を実施する
ことを特徴とする(19)~(23)のいずれか1つに記載の分析プログラム。
(25)
前記分析ステップは、MF膜から取得された透過水に対してPCR分析を実施する
ことを特徴とする(19)~(24)のいずれか1つに記載の分析プログラム。
(26)
前記分析ステップは、取得された後に濃縮された透過水に対してPCR分析を実施する
ことを特徴とする(19)~(25)のいずれか1つに記載の分析プログラム。
(27)
分析ステップによって検出された微生物の種類に関する情報、及び前記微生物の種類に応じた破断の大きさに関する情報を出力する出力ステップをさらに有することを特徴とする(19)~(26)のいずれか1つに記載の分析プログラム。
(28)
コンテナと、分析装置と、を有する水処理システムであって、
前記コンテナは、
水を透過させる複数の膜を含む膜モジュールと、
前記膜モジュールへ水を通す配管と、
前記膜モジュールから水を集める配管と、
下水を処理するシステムに含まれる装置と連結する配管と、
を有し、
前記分析装置は、
前記膜の少なくともいずれかから取得された透過水に対してPCR分析を実施する分析部と、
前記分析部による分析結果を基に、前記膜が破断しているか否かを判定する判定部と、
前記判定部による判定結果を出力する出力部と、
を有することを特徴とする水処理システム。
(29)
前記判定部は、前記分析部による分析結果を基に、前記膜が破断する予兆が発生しているか否か、及び、前記膜が高性能であるか否かをさらに判定することを特徴とする(28)に記載の水処理システム。
(30)
前記分析部は、前記PCR分析により、前記透過水の中に、ウイルスを含む微生物のうち、対象の微生物が存在することを検知する
ことを特徴とする(28)又は(29)に記載の水処理システム。
(31)
前記分析部は、一定の期間にわたって前記透過水に対してPCR分析を実施し、
前記判定部は、前記PCR分析の感度特性及び前記PCR分析の結果に応じて、前記期間において破断が発生したか否かを判定する
ことを特徴とする(28)~(30)のいずれか1つに記載の水処理システム。
(32)
前記判定部は、前記分析部によるPCR分析によって検出された微生物の大きさに応じた大きさの破断が前記膜に生じていると判定する
ことを特徴とする(28)~(31)のいずれか1つに記載の水処理システム。
(33)
前記分析部は、UF膜から取得された透過水に対してPCR分析を実施する
ことを特徴とする(28)~(32)のいずれか1つに記載の水処理システム。
(34)
前記分析部は、MF膜から取得された透過水に対してPCR分析を実施する
ことを特徴とする(28)~(33)のいずれか1つに記載の水処理システム。
(35)
前記分析部は、取得された後に濃縮された透過水に対してPCR分析を実施する
ことを特徴とする(28)~(34)のいずれか1つに記載の水処理システム。
(36)
分析部によって検出された微生物の種類に関する情報、及び前記微生物の種類に応じた破断の大きさに関する情報を出力する出力部をさらに有することを特徴とする(28)~(35)のいずれか1つに記載の水処理システム。
【符号の説明】
【0100】
1 水処理システム
110 UF膜装置
111 コンテナ
112 UF膜モジュール
112_1、112_2、112_3、112_4 UF膜
113、114、116、117 流入配管
115、401 透過配管
118、307 排水管
120 RO膜装置
121_1、121_2、301、303、305 ポンプ
124_1、124_2、124_3 RO膜
130 UV促進酸化処理装置
140_1、140_2、140_3 水質センサ
150 注入装置
200 制御装置
302 エアコンプレッサ
304 薬品タンク
306 逆洗水タンク
402 タンク
500 分析装置
510 通信部
520 記憶部
530 制御部
531 分析部
532 判定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9