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特開2024-125000補助ハンドル、これを備えた電動把持工具、補助ハンドルを用いた電動把持工具の制御方法および制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125000
(43)【公開日】2024-09-13
(54)【発明の名称】補助ハンドル、これを備えた電動把持工具、補助ハンドルを用いた電動把持工具の制御方法および制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   B25F 5/02 20060101AFI20240906BHJP
   B25F 5/00 20060101ALI20240906BHJP
【FI】
B25F5/02
B25F5/00 C
B25F5/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023033043
(22)【出願日】2023-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129012
【弁理士】
【氏名又は名称】元山 雅史
(72)【発明者】
【氏名】岡▲崎▼ 亮志
(72)【発明者】
【氏名】安田 英史
(72)【発明者】
【氏名】五島 真也
【テーマコード(参考)】
3C064
【Fターム(参考)】
3C064AA01
3C064AA06
3C064AA08
3C064AB01
3C064AB02
3C064AC02
3C064BA20
3C064BB62
3C064BB89
3C064CA41
3C064CA53
3C064CA80
3C064CB17
3C064CB24
3C064CB27
3C064CB63
3C064CB67
3C064CB69
3C064CB71
3C064EA03
3C064EA05
3C064EA06
(57)【要約】
【課題】本体部に補助ハンドルが装着された状態での作業時において、作業者の安全性をさらに向上させることが可能な補助ハンドルを提供する。
【解決手段】補助ハンドル20は、先端工具30を駆動させて所定の作業を行う電動把持工具10の本体部11に対して取り付けられた状態で使用され、導通部23、回転体21b、静電容量センサ29b、フォトセンサ29a、通信部27を備えている。静電容量センサ29bは、導通部23への使用者の接触の有無を検出する。フォトセンサ29aは、回転体21bへの使用者による回動操作の有無を検出する。通信部27は、静電容量センサ29bにおける検出結果と、フォトセンサ29aにおける検出結果とを、本体部11に対して送信する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端工具を駆動させて所定の作業を行う電動把持工具の本体部に対して取り付けられた状態で使用される補助ハンドルであって、
使用者による接触が入力される把持入力部と、
前記使用者による所定操作が入力される操作入力部と、
前記把持入力部への前記使用者の接触の有無を検出する把持検出部と、
前記操作入力部への前記使用者による所定操作の有無を検出する操作検出部と、
前記把持検出部における検出結果と、前記操作検出部における検出結果とを前記本体部へ送信する通信部と、
を備えている補助ハンドル。
【請求項2】
前記把持入力部が設けられており、作業者が把持する把持部を、さらに備え、
前記所定操作は、前記把持部を回動させる操作を含む、
請求項1に記載の補助ハンドル。
【請求項3】
レバー操作が入力されるレバー部を、さらに備え、
前記所定操作は、前記レバー部のレバー操作を含む、
請求項1に記載の補助ハンドル。
【請求項4】
ボタン操作が入力されるボタン操作部を、さらに備え、
前記所定操作は、前記ボタン操作部を押す操作を含む、
請求項1に記載の補助ハンドル。
【請求項5】
前記把持検出部における検出結果と、前記操作検出部における検出結果とに基づいて、前記本体部の駆動部の動作を許可するか否かを判定する制御部を、さらに備えている、
請求項1または2に記載の補助ハンドル。
【請求項6】
前記所定操作に伴って所定の突出位置へ突出する突出部を、さらに備えている、
請求項1または2に記載の補助ハンドル。
【請求項7】
前記使用者による前記所定操作の入力が終了すると、前記突出位置から初期位置へ戻すように前記突出部に対して付勢力を付与する付勢部材を、さらに備えている、
請求項6に記載の補助ハンドル。
【請求項8】
前記操作入力部として、溝部と、前記所定操作が入力されると前記溝部に沿って移動するピンと、をさらに備えている、
請求項1または2に記載の補助ハンドル。
【請求項9】
前記溝部は、左右対称のV字形状を有している、
請求項8に記載の補助ハンドル。
【請求項10】
前記本体部に対して、左右両側の側面に対して着脱可能である、
請求項1または2に記載の補助ハンドル。
【請求項11】
前記制御部は、前記把持検出部および前記操作検出部のいずれか1つにおける検出結果を無効にして、前記駆動部の駆動を許可するか否かを判定するモードを有している、
請求項5に記載の補助ハンドル。
【請求項12】
前記把持検出部、前記操作検出部および前記通信部に対して電力を供給する電源部を、さらに備えている、
請求項1または2に記載の補助ハンドル。
【請求項13】
前記電源部は、前記本体部に設けられた電源に電気的に接続された接続端子を含む、
請求項12に記載の補助ハンドル。
【請求項14】
前記電源部は、前記本体部に設けられた電源から非接触で給電される非接触受電部を含む、
請求項12に記載の補助ハンドル。
【請求項15】
前記操作検出部は、前記突出部の突出した状態を検出するフォトセンサ、磁気センサ、接触センサ、静電容量センサ、圧電素子のいずれか1つである、
請求項6に記載の補助ハンドル。
【請求項16】
前記把持検出部は、静電容量センサ、圧電素子のいずれか1つである、
請求項1または2に記載の補助ハンドル。
【請求項17】
請求項1または2に記載の補助ハンドルと、
前記補助ハンドルが取り付けられ、前記先端工具を駆動する駆動部を有する本体部と、
を備えた電動把持工具。
【請求項18】
請求項1または2に記載の補助ハンドルを用いた電動把持工具の制御方法であって、
前記補助ハンドルの前記把持検出部が、前記把持入力部への前記使用者の接触の有無を検出するステップと、
前記補助ハンドルの前記操作検出部が、前記操作入力部への前記使用者による所定操作の有無を検出するステップと、
前記補助ハンドルの前記通信部が、前記把持検出部における検出結果と、前記操作検出部における検出結果とを、前記本体部へ送信するステップと、
を備えている電動把持工具の制御方法。
【請求項19】
請求項18に記載の電動把持工具の制御方法をコンピュータに実行させる電動把持工具の制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、電動ドライバ、グラインダ、ジグソー、チェーンソー等の電力によって先端工具を駆動させて各種作業を行う電動把持工具に装着される補助ハンドル、これを備えた電動把持工具、補助ハンドルを用いた電動把持工具の制御方法および制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
作業現場や工場において、ドリルやドライバなどの先端工具をモータによって回転駆動して所望の作業を行う作業工具が広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。
このような作業工具の中には、使用者が安定した状態で作業工具を使用できるように、本体部に補助ハンドルが装着された作業工具がある。
例えば、特許文献1には、補助ハンドル仕様時における利便性を向上させるために、ギヤを収容するギヤケースから前方に突出し、先端工具が取り付けられた状態でモータの回転力により回転する出力軸と、補助ハンドルが装着された状態で補助ハンドルに設けられている慣性センサの検出信号を受信する受信装置と、慣性センサの検出信号に基づいて出力軸の回転を制御する制御信号を出力するコントローラと、を備えた電動工具について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-151692号公報
【特許文献2】特開2012-096299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の電動工具では、以下に示すような問題点を有している。
すなわち、上記公報に開示された電動工具では、ハンドル部と作業者の手との距離データに基づいてハンドル部が作業者に握られたか否かを判定することで、作業者がハンドル部に触っているものと推定された際に、出力軸の回転を許可しているため、作業者がハンドル部をしっかりと握っているか否かまで判断することは困難であった。このため、作業者がしっかりハンドル部を握っていない状態のまま作業を行っているにもかかわらず、出力軸の回転を許可してしまい、電動工具が大きな反力を受けた際に作業者の安全性が十分な担保されていないおそれがある。
【0005】
本発明の課題は、本体部に補助ハンドルが装着された状態での作業時において、作業者の安全性をさらに向上させることが可能な補助ハンドル、これを備えた電動把持工具、補助ハンドルを用いた電動把持工具の制御方法、制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明に係る補助ハンドルは、先端工具を駆動させて所定の作業を行う電動把持工具の本体部に対して取り付けられた状態で使用される補助ハンドルであって、把持入力部と、操作入力部と、把持検出部と、操作検出部と、通信部と、を備えている。把持入力部は、使用者による接触が入力される。操作入力部は、使用者による所定操作が入力される。把持検出部は、把持入力部への使用者の接触の有無を検出する。操作検出部は、操作入力部への使用者による所定操作の有無を検出する。通信部は、把持検出部における検出結果と、操作検出部における検出結果とを、本体部へ送信する。
【0007】
ここでは、電動把持工具の本体部に対して装着された状態で使用される補助ハンドルにおいて、本体部のトリガスイッチが操作された際に駆動部の駆動を許可するか否かを、補助ハンドルへの使用者の接触とともに、作業ハンドルへの所定操作を条件として検出し、本体部へ送信する。
ここで、操作ハンドルへの所定操作には、例えば、補助ハンドルの把持部分の回動操作、補助ハンドルに設けられたレバー操作、補助ハンドルに設けられたボタン操作等が含まれる。
【0008】
これにより、本体部側の制御部は、把持検出および操作検出の結果を受信して、補助ハンドルを使用者が触っていることに加えて、補助ハンドルに対して所定操作を行っていることを条件に、駆動部の駆動を許可することで、作業者が補助ハンドルをしっかり握っていると推定される状態を確認した上で、駆動部の駆動を許可することができる。
この結果、本体部に補助ハンドルが装着された状態での作業時において、作業者の安全性をさらに向上させることができる。
なお、本体部側の駆動部の駆動を許可するか否かの判定は、例えば、補助ハンドル側の制御部において仮の判定を行い、許可信号を本体部へ送信して、本体部側の制御部において、最終的な駆動許可の可否判定を行う構成であってもよい。
【0009】
第2の発明に係る補助ハンドルは、第1の発明に係る補助ハンドルであって、把持入力部が設けられており、作業者が把持する把持部を、さらに備え、所定操作は、把持部を回動させる操作を含む。
これにより、使用者が補助ハンドルに触っただけでなく、補助ハンドルの把持部分を回動操作したことを検出した場合に、駆動部の駆動を許可することで、作業者が補助ハンドルをしっかり握っていると推定される状態を確認した上で、駆動部の駆動を許可することができる。
【0010】
第3の発明に係る補助ハンドルは、第1の発明に係る補助ハンドルであって、レバー操作が入力されるレバー部を、さらに備え、所定操作は、レバー部のレバー操作を含む。
これにより、使用者が補助ハンドルに触っただけでなく、補助ハンドルのレバー部分を押す操作したことを検出した場合に、駆動部の駆動を許可することで、作業者が補助ハンドルをしっかり握っていると推定される状態を確認した上で、駆動部の駆動を許可することができる。
【0011】
第4の発明に係る補助ハンドルは、第1の発明に係る補助ハンドルであって、ボタン操作が入力されるボタン操作部を、さらに備え、所定操作は、ボタン操作部を押す操作を含む。
これにより、使用者が補助ハンドルに触っただけでなく、補助ハンドルのボタン部分を押す操作したことを検出した場合に、駆動部の駆動を許可することで、作業者が補助ハンドルをしっかり握っていると推定される状態を確認した上で、駆動部の駆動を許可することができる。
【0012】
第5の発明に係る補助ハンドルは、第1または第2の発明に係る補助ハンドルであって、把持検出部における検出結果と、操作検出部における検出結果とに基づいて、本体部の駆動部の動作を許可するか否かを判定する制御部を、さらに備えている。
これにより、補助ハンドル側において、本体部側に設けられた駆動部の駆動を許可するか否かを、把持検出および操作検出の結果に基づいての判定することができる。
【0013】
第6の発明に係る補助ハンドルは、第1または第2の発明に係る補助ハンドルであって、所定操作に伴って所定の突出位置へ突出する突出部を、さらに備えている。
これにより、所定操作によって突出部が突出したことを検出することで、操作検出部が、所定操作が行われたことを容易に検出することができる。
なお、操作検出部における突出部の検出は、突出部が、非突出状態から突出状態へ移行したことを検出するだけでなく、突出状態から非突出状態へ移行したことを検出する場合も含まれる。
【0014】
第7の発明に係る補助ハンドルは、第6の発明に係る補助ハンドルであって、使用者による補助ハンドルへの所定操作の入力が終了すると、突出位置から初期位置へ戻すように突出部に対して付勢力を付与する付勢部材を、さらに有している。
これにより、補助ハンドルへの所定操作が行われ、使用者が所定操作を終えると、本体部側へ突出した突出部を、付勢部材の付勢力によって初期位置へ戻すことで、所定操作を繰り返し実施することができる。
【0015】
第8の発明に係る補助ハンドルは、第1または第2の発明に係る補助ハンドルであって、操作入力部として、溝部と、所定操作が入力されると溝部に沿って移動するピンを、さらに備えている。
これにより、補助ハンドルへの所定操作の入力に連動して、ピンが溝部の傾斜面を上るように移動することで、例えば、突出部を本体部側へ突出させることができる。
【0016】
第9の発明に係る補助ハンドルは、第8の発明に係る補助ハンドルであって、溝部は、左右対称のV字形状を有している。
これにより、補助ハンドルへの所定操作が、例えば、把持部分の回動操作である場合において、補助ハンドルが本体部の左右のどちら側へ装着されても、溝部の形状が左右対称のV字状であるため、どちら側への回動操作にも対応可能な構成とすることができる。
【0017】
第10の発明に係る補助ハンドルは、第1または第2の発明に係る補助ハンドルであって、本体部に対して、左右両側の側面に対して着脱可能である。
これにより、使用者の利き手に応じて補助ハンドルを装着する側を変更することで、利き手が異なる使用者にも使いやすい補助ハンドルを備えた電動把持工具を提供することができる。
【0018】
第11の発明に係る補助ハンドルは、第5の発明に係る補助ハンドルであって、制御部は、把持検出部および操作検出部のいずれか1つにおける検出結果を無効にして、駆動部の駆動を許可するか否かを判定するモードを有している。
これにより、例えば、使用者が手袋を装着して作業を行う場合等では、把持検出部における把持部分への接触を検出することが困難になるため、状況に応じて、把持検出および操作検出の2つの条件を緩和して、電動把持工具を使用することができる。
【0019】
第12の発明に係る補助ハンドルは、第1または第2の発明に係る補助ハンドルであって、把持検出部、操作検出部および通信部に対して電力を供給する電源部を、さらに備えている。
これにより、補助ハンドルに設けられた電源部から電力供給を受けて、補助ハンドルの把持検出部、操作検出部および通信部を動作させることができる。
【0020】
第13の発明に係る補助ハンドルは、第12の発明に係る補助ハンドルであって、電源部は、本体部に設けられた電源に電気的に接続された接続端子を含む。
これにより、補助ハンドル側には接続端子のみが設けられた簡素な構成であっても、本体部側に設けられた電源から電力供給を受けることができる。
【0021】
第14の発明に係る補助ハンドルは、第12の発明に係る補助ハンドルであって、電源部は、本体部に設けられた電源から非接触で給電される非接触受電部を含む。
これにより、本端部側に設けられた非接触給電を行う電源から非接触で電力供給を受けることができる。
【0022】
第15の発明に係る補助ハンドルは、第6の発明に係る補助ハンドルであって、操作検出部は、突出部の突出した状態を検出するフォトセンサ、磁気センサ、接触センサ、静電容量センサ、圧電素子のいずれか1つである。
これにより、フォトンセンサ、磁気センサ、接触センサ、静電容量センサ、圧電素子のいずれかを用いて、突出部の突出状態(非突出状態から突出状態への移行、突出状態から非突出状態への移行)を検出することで、所定操作が行われたことを容易に検出することができる。
【0023】
第16の発明に係る補助ハンドルは、第1または第2の発明に係る補助ハンドルであって、把持検出部は、静電容量センサ、圧電素子のいずれか1つである。
これにより、静電容量センサあるいは圧電素子を用いて、補助ハンドルの把持部分を使用者が触ったことを容易に検出することができる。
【0024】
第17の発明に係る電動把持工具は、第1または第2の発明に係る補助ハンドルと、補助ハンドルが取り付けられ、先端工具を駆動する駆動部を有する本体部と、を備えている。
これにより、本体部に補助ハンドルが装着された状態での作業時において、作業者の安全性をさらに向上させることが可能な電動把持工具を提供することができる。
【0025】
第18の発明に係る電動把持工具の制御方法は、第1または第2の発明に係る補助ハンドルを用いた電動把持工具の制御方法であって、補助ハンドルの把持検出部が把持入力部への使用者の接触の有無を検出するステップと、補助ハンドルの操作検出部が操作入力部への使用者による所定操作の有無を検出するステップと、補助ハンドルの通信部が把持検出部における検出結果と操作検出部における検出結果とを、本体部へ送信するステップと、を備えている。
ここでは、電動把持工具の本体部に対して装着された状態で使用される補助ハンドルにおいて、本体部のトリガスイッチが操作された際に駆動部の駆動を許可するか否かを、補助ハンドルへの使用者の接触とともに、作業ハンドルへの所定操作を条件として検出し、本体部へ送信する。
【0026】
ここで、操作ハンドルへの所定操作には、例えば、補助ハンドルの把持部分の回動操作、補助ハンドルに設けられたレバー操作、補助ハンドルに設けられたボタン操作等が含まれる。
これにより、本体部側の制御部は、把持検出および操作検出の結果を受信して、補助ハンドルを使用者が触っていることに加えて、補助ハンドルに対して所定操作を行っていることを条件に、駆動部の駆動を許可することで、作業者が補助ハンドルをしっかり握っていると推定される状態を確認した上で、駆動部の駆動を許可することができる。
【0027】
この結果、本体部に補助ハンドルが装着された状態での作業時において、作業者の安全性をさらに向上させることができる。
なお、本体部側の駆動部の駆動を許可するか否かの判定は、例えば、補助ハンドル側の制御部において仮の判定を行い、許可信号を本体部へ送信して、本体部側の制御部において、最終的な駆動許可の可否判定を行う構成であってもよい。
【0028】
第19の発明に係る電動把持工具の制御プログラムは、第15の発明に係る電動把持工具の制御方法を、コンピュータに実行させる。
これにより、本体部側の制御部は、把持検出および操作検出の結果を受信して、補助ハンドルを使用者が触っていることに加えて、補助ハンドルに対して所定操作を行っていることを条件に、駆動部の駆動を許可することで、作業者が補助ハンドルをしっかり握っていると推定される状態を確認した上で、駆動部の駆動を許可することができる。
この結果、本体部に補助ハンドルが装着された状態での作業時において、作業者の安全性をさらに向上させることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係る電動把持工具によれば、電動把持工具の作業者の安全性をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の一実施形態に係る電動把持工具の全体構成を示す斜視図。
図2図1の電動把持工具の本体部に補助ハンドルが装着される状態を示す斜視図。
図3図1の電動把持工具の制御ブロック図。
図4図2の補助ハンドルの構成を示す斜視図。
図5】(a)は、図4の補助ハンドルの正面図。(b)は(a)のA-A線断面図。
図6】(a)は、図4の補助ハンドルの側面図。(b)は(a)のB-B線断面図。
図7図4の補助ハンドルを構成する各部品を示す分解斜視図。
図8図3の電動把持工具と通信を行う管理者端末において管理される作業者ごとの安全操作状況、作業時間、作業継続可否等の情報を含むテーブルを示す図。
図9図1の電動把持工具の制御方法による処理の流れを示すフローチャート。
図10図1の電動把持工具の制御方法による処理の流れを示すフローチャート。
図11】本発明の他の実施形態に係る補助ハンドルを含む電動把持工具の構成を示す図。
図12図11の補助ハンドルと本体部側の被装着部の構成を示す斜視図。
図13図11の補助ハンドルを構成する各部品を示す分解斜視図。
図14】本発明のさらに他の実施形態に係る補助ハンドルを含む電動把持工具の構成を示す図。
図15図14の補助ハンドルと本体部側の被装着部の構成を示す斜視図。
図16図14の補助ハンドルを構成する各部品を示す分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
(実施形態1)
本発明の一実施形態に係る補助ハンドル20およびこれを備えた電動把持工具10について、図1図10を用いて説明すれば以下の通りである。
なお、本実施形態では、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
また、出願人は、当業者が本発明を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0032】
(1)電動把持工具10の構成
本実施形態に係る電動把持工具10は、図1に示すように、バッテリ18から電力を供給されるブラシレスモータ(駆動部17)によって、先端部分に装着されたドライバ、ドリル等の先端工具30を回転駆動させることで、ネジ締め、ネジ緩め、穴開け等の各種作業に使用される。
電動把持工具10は、図1および図2に示すように、本体部11と、本体部11に着脱可能な状態で取り付けられる補助ハンドル20とを備えている。
【0033】
(2)本体部11の構成
本体部11は、図1および図2に示すように、下部に着脱可能に装着されるバッテリ18から電力が供給されて駆動される駆動部17を備えており、先端部分に着脱可能な状態で装着された各種先端工具30を交換しながら各種作業を行う。
【0034】
本体部11は、図1および図2に示すように、表示部11aと、先端部分に先端工具30が装着され駆動部(モータ)17(図3参照)によって回転駆動される回転部12と、作業時に使用者の左手で把持されるメインハンドル13と、操作量に応じて駆動部17(図3参照)を駆動する操作部(トリガスイッチ)14と、補助ハンドル20が装着される被接続部15と、バッテリ18と、を備えている。また、本体部11は、図3に示すように、内部に、制御部16と、駆動部17と、通信部19と、を備えている。
【0035】
表示部11aは、本体部11の側面に設けられ、例えば、LED(Light Emitting Diode)等の光源が内蔵されており、後述する駆動部17の動作許可判定の結果に応じて、異なる色の光を点灯させる。例えば、駆動部17の動作が許可された場合には、緑色の光を点灯させ、動作が許可されなかった場合には、赤色の光を点灯させる。
回転部12は、図1に示すように、本体部11における先端工具30が装着される先端に設けられている。そして、回転部12が駆動部17(図3参照)によって回転駆動されることで、装着された先端工具30に応じた各種作業が行われる。
【0036】
メインハンドル13は、図1に示すように、本体部11における先端工具30とは反対側の後部に設けられた使用者の持ち手部分であって、図1に示す電動把持工具10では、作業時に使用者の左手によって把持される。
操作部(トリガスイッチ)14は、図1に示すように、メインハンドル13の上部付近に設けられており、作業時には、メインハンドル13を把持した使用者の左手の人差し指によって操作される。そして、操作部14は、図3に示すように、操作量に応じた操作信号を制御部16へ送信する。これにより、制御部16は、操作部14の操作量に応じた回転数になるように、駆動部17を駆動する。
【0037】
被接続部15は、図2に示すように、本体部11の右側面に設けられており、補助ハンドル20が装着される。そして、被接続部15は、取付け部15aを有している。
取付け部15aは、本体部11の内部に設けられており、補助ハンドル20の装着側に設けられた固定部25(図2等参照)が挿入孔15bを介して挿入された状態で固定部25を保持する。
【0038】
なお、固定部25の取付け部15aにおける保持は、例えば、固定部25の円筒状の表面にネジが切られており、取付け部15a側に設けられたネジに螺合することで行われてもよい。
制御部16は、図3に示すように、表示部11a、操作部14、駆動部17、通信部19と接続されている。そして、制御部16は、操作部14から受信した操作量信号に基づいて、駆動部17の回転数を制御する。また、制御部16は、補助ハンドル20側における検出結果(回動検出および把持検出)に応じて、駆動部17の動作を許可するか否かを判定する。
【0039】
なお、制御部16による、補助ハンドル20側の回動検出および把持検出の結果に基づく駆動部17の動作可否判定処理については、後段にて詳述する。
駆動部17は、図3に示すように、電力によって駆動されるモータであって、先端工具30(回転部12)に対して回転駆動力を付与する。また、駆動部17は、制御部16によって回転制御される。
【0040】
バッテリ18は、本体部11の後端下部に着脱可能な状態で取り付けられており、図3に示す表示部11a、制御部16、駆動部17、通信部19に対して電力を供給する。また、バッテリ18は、後述する補助ハンドル20に設けられた接続端子20aを介して、補助ハンドル20に設けられたフォトセンサ29aおよび静電容量センサ29bに対して電力を供給する。
【0041】
通信部19は、図3に示すように、制御部16と接続されており、補助ハンドル20に設けられた通信部27、作業者スマホ40に設けられた通信部42、管理者端末50に設けられた通信部52と通信を行う。特に、通信部19は、補助ハンドル20に設けられたフォトセンサ29aおよび静電容量センサ29bにおける検出結果を、通信部27を介して受信する。
【0042】
通信部19と通信を行う作業者スマホ40は、個々の作業者が所有しているスマートフォン等の通信端末であって、表示部41および通信部42を備えている。
同様に、通信部19と通信を行う管理者端末50は、例えば、複数の作業者を管理する管理会社に設置されたPC(Personal Computer)であって、表示部51と通信部52と記憶部53とを備えている。
【0043】
(3)補助ハンドル20の構成
補助ハンドル20は、例えば、駆動部17が高トルクの回転駆動力を出力する作業を実施する際等において、安定した状態で作業を実施することができるように、使用者の右手によって把持される。そして、補助ハンドル20は、図2に示すように、本体部11の右側面に設けられた被接続部15に対して、着脱可能な状態で取り付けられる。
【0044】
なお、補助ハンドル20は、図1に示す本体部11の右側の側面ではなく、本体部11の左側の側面、あるいは上部、下部等の他の部位に装着される構成であってもよい。
補助ハンドル20は、図4に示すように、把持部21と、接続部22と、導通部23と、固定部25とを備えている。また、補助ハンドル20は、内部に、接続端子20aと、図5(a)および図5(b)に示す駆動方向変換機構24と、ガイド部26と、通信部27と、フォトセンサ29aおよび静電容量センサ29bと、図6(a)および図6(b)に示す溝部21gと、を備えている。
【0045】
把持部21は、図1および図2に示すように、補助ハンドル20における使用者の右手によって把持される部分であって、本体部11の右側面に対して略垂直方向に延伸するように配置されている。そして、把持部21は、図7に示すように、把持本体部21aと、回転体(操作入力部)21bと、絶縁筒21cと、固定蓋21dとを有している。
把持本体部21aは、図7に示すように、略円盤状の接続部22に対して接続された略筒状の部材であって、把持部21を構成する部材のうち、最も内径側に配置されている。把持本体部21aの内周側には、後述する駆動方向変換機構24が配置されている。把持本体部21aの外周側には、後述する導通部23、導通接続線23a、回転体21b、絶縁筒21c、通信部27および静電容量センサ29b等が配置されている。把持本体部21aは、図7に示すように、外周面と内周面とを連通させる貫通溝21aaを有している。
【0046】
貫通溝21aaは、把持本体部21aの端部に外周面に沿って設けられた貫通穴であって、後述する導通接続線23aの先端部が挿入された状態で取り付けられている。貫通溝21aaは、回転体21bへの回動操作に伴って導通接続線23aが移動する範囲に合わせて設けられている。
回転体(操作入力部)21bは、使用者による補助ハンドル20の把持部21への所定操作(回動操作)が入力される略筒状の部材であって、把持本体部21aに対して相対回転可能な状態で取り付けられている。回転体21bは、図7に示すように、後述する導通部23が装着される係合部21baと、回転体21bの外周面から内周面へ貫通するように設けられた貫通穴21bbとを有している。
【0047】
ここで、本実施形態の電動把持工具10において、補助ハンドル20に対して入力される所定操作は、把持部21に含まれる回転体21bを、先端工具30によって作業が行われる側へ回動させる回動操作である。
係合部21baは、図7に示すように、導通部23の形状に合わせて形成された凹部であって、導通部23を把持部21の表面に露出させる。
【0048】
貫通穴21bbは、図7に示すように、係合部21baの端部に設けられており、後述する導通接続線23aの先端部が挿入された状態で取り付けられる。
絶縁筒21cは、図7に示すように、回転体21bの外周を覆うように取り付けられる略円筒状の部材であって、回転体21bと一体化した状態で把持本体部21aに対して相対回転可能な状態で取り付けられている。絶縁筒21cは、回転体と同様に、後述する導通部23が装着される係合部21caを有している。
【0049】
係合部21caは、導通部23の形状に合わせて形成された貫通穴であって、回転体21bの係合部21baに取り付けられた導通部23を、把持部21の表面に露出させる。
固定蓋21dは、図7に示すように、把持本体部21aの外周側に、回転体21bと絶縁筒21cとが装着された状態で、本体部11への装着側とは反対側の端部を閉じる略円盤状の部材であって、固定ネジによって、把持本体部21aに対して固定される。
【0050】
固定ネジは、固定蓋21dを固定するための締結部材であって、把持本体部21aに設けられたネジ穴に螺合することで、固定蓋21dを固定する。
さらに、回転体21bは、図6(b)に示すように、略円筒状の内部に、後述するガイドピン24gが係合する溝部21gを有している。
溝部21gは、図6(b)に示すように、略円筒状の回転体21bの内部に設けられた略左右対称のV字状の溝であって、後述するガイドピン24gが係合している。溝部21gは、V字の下端部が本体部11への装着側とは反対側(図6(b)の左側)を向くように設けられている。そして、使用者が把持部21を把持して絶縁筒21cとともに回転体21bを回動すると、溝部21gが回転体21bの周方向において移動することで、溝部21gに係合しているガイドピン24gがV字の傾斜面に沿って移動する。これにより、ガイドピン24gを、本体部11側へ移動させることができる。
【0051】
すなわち、回転体21bへの回動操作が入力されていない初期状態では、ガイドピン24gは、V字状の溝部21gの底部分に係合している。そして、回転体21bへの回動操作が入力されると、V字状の溝部21gが回転することで、V字の溝部21gの傾斜面に沿ってガイドピン24gが本体部11側へ押し出されるように移動する。
これにより、ガイドピン24gは、上述したように、筒部材24bおよび突出部24aと一体化しているため、ガイドピン24gの移動に伴って、突出部24a等も本体部11側へ移動することができる。
【0052】
ここで、溝部21gは、左右対称のV字状になっているため、例えば、使用者が回転体21bを手前側へ回転させた場合でも、突出部24aを本体部11側へ移動させる方向にガイドピン24gを移動させることができる。
接続部22は、図2に示すように、本体部11の被接続部15に対して接続される略円盤状の部材であって、その中心部分から、略円柱状の固定部25が突出するように設けられている。
【0053】
導通部(把持入力部)23は、図7に示すように、使用者による補助ハンドル20の把持部21への把持(接触)が入力される導電性を有する部材であって、回転体21bの外周面に設けられた係合部21baに取り付けられている。すなわち、導通部23は、把持部21の表面に露出した状態で取り付けられており、補助ハンドル20の把持部21が使用者によって把持された際に右手で握られる。導通部23は、導通部23と電気的に接続された導通接続線23aを有している。
【0054】
導通接続線23aは、図7に示すように、導通部23および駆動方向変換機構24(突出部24a)、静電容量センサ29bと電気的に接続されており、使用者が把持部21を握ったことを検出(把持検出)するために設けられている。また、導通接続線23aは、使用者による回転体21bに対する回動操作が入力されると、上述した把持本体部21aの貫通溝21aaの範囲内において移動する。
【0055】
駆動方向変換機構24は、補助ハンドル20の回転体21bに対する回動操作を、本体部11に対して突出部24aを本体部11側へ移動させる直進移動に変換する機構であって、図7に示すように、把持本体部21aの内周面側に配置されている。すなわち、駆動方向変換機構24は、補助ハンドル20の回転体21bに対する回動操作の力を、回動方向に交差(直交)する方向に変換して、突出部24aを本体部11側へ直進移動させる。
【0056】
駆動方向変換機構24は、図7に示すように、突出部24aと、筒部材24bと、付勢部材24cと、固定部24dと、固定部24eと、固定部24fと、ガイドピン(ピン)24gとを有している。
突出部24aは、回転体21bへの回動操作が入力されると、駆動方向変換機構24によって、本体部11側へ移動する導電性を有する棒状の部材であって、回動操作が入力される前の初期状態では、把持本体部21aの内周面側に配置されている。そして、突出部24aは、初期状態において、後述する固定部24fの中心部分から突出しており、回動操作の入力に伴って、本体部11側へ移動する。
【0057】
このとき、突出部24aは、図5(b)に示す初期状態において、本体部11とは反対側の端部が、後述するフォトセンサ29aの発光部と受光部との間を塞ぐ状態にある。そして、回転体21bへの回動操作が入力されると、突出部24aが本体部11側へ移動するため、突出部24aの本体部11とは反対側の端部が、フォトセンサ29aの発光部と受光部との間から退避する。
【0058】
これにより、フォトセンサ29aの受光部における受光量が初期状態よりも増加するため、フォトセンサ29aにおいて突出部24aが突出状態から非突出状態へ移行した状態、すなわち回動操作が入力された状態を検出することができる。
筒部材24bは、図7に示すように、突出部24aを内包する筒状の部材であって、その外周面側に、付勢部材24cが取り付けられている。
【0059】
付勢部材24cは、例えば、コイルばねであって、図7に示すように、本体部11側の第1端がガイド部26に当接し、その反対側の第2端が後述する固定部24eに当接するように配置されている。付勢部材24cは、図7に示すように、筒部材24bの外周面側に沿って配置されている。付勢部材24cは、補助ハンドル20の把持部21の回転体21bへの回動操作が終わると、突出部24aを初期位置へ戻すための付勢力を付与する。付勢部材24cは、回転体21bに対する回動操作が入力されていない状態では、初期状態の長さであり、回動操作が入力された状態では、回転体21bの軸方向(本体部11への取付方向)において収縮する。これにより、回転体21bへの回動操作が終了すると、付勢力によって突出部24aを初期位置へと戻すことができる。
【0060】
固定部24dは、図7に示すように、略円筒状の部材であって、後述するガイドピン24gが外周面から突出するように取り付けられている。固定部24dは、軸方向における前後に配置された固定部24e,24fが筒部材24bの外周面に固定されることにより、筒部材24bに対して相対移動しないように固定される。
固定部24e,24fは、図7に示すように、ガイドピン24gが取り付けられる固定部24dを軸方向において挟み込むように配置されている。固定部24eは、付勢部材24cの一端に当接するように配置されており、回転体21bへの回動操作が行われると、付勢部材24cを収縮させる。固定部24e,24fは、ネジによって筒部材24bの外周面に固定される。
【0061】
ガイドピン(ピン)24gは、上述した略円筒状の固定部24dの外周面に取り付けられており、回転体21bに設けられた溝部21gに係合した状態で配置されている。ガイドピン24gは、回転体21bへの回動操作が入力されると、略V字状の溝部21gの傾斜面に沿って移動する。
これにより、ガイドピン24gが軸方向において本体部11側へ移動することにより、ガイドピン24gと一体化された固定部24d、筒部材24bおよび突出部24aが本体部11側へ移動する。よって、回転体21bへの回動操作を、突出部24aが本体部11側へ突出する直進動作へ変換することができる。
【0062】
固定部25は、図4および図5(b)に示すように、接続部22の端面から本体部11側へ突出するように設けられており、図7に示すように、端部にフランジ部分が形成された略円柱状の形状を有している。固定部25は、その中心部分に、突出部24aが挿入される軸穴を有している。
ガイド部26は、図5(b)に示すように、接続部22の内部において、固定部25のフランジ部分の端面に当接した状態で設けられており、図7に示すように、略円柱状の形状を有している。ガイド部26は、図5(b)に示すように、付勢部材24cの本体部11側の端部が当接するように設けられている。ガイド部26は、図5(b)および図7に示すように、突出部24aが挿入される固定部25の軸穴に連続する軸穴を有している。
【0063】
フォトセンサ(回動検出部)29aは、光を照射する発光部と照射された光を受光する受光部とを有しており、把持部21に設けられた回転体21bを使用者が回動操作したことを検出するために設けられている。フォトセンサ29aは、図5に示すように、補助ハンドル20が本体部11に対して装着される側とは反対側の端部に設けられている。フォトセンサ29aは、図5(b)に示すように、初期状態において突出している突出部24aが、発光部と受光部との間に位置するように配置されている。そして、フォトセンサ29aは、使用者の回動操作によって突出部24aが本体部11側へ移動すると、発光部と受光部との間から突出部24aの端部が退避することで、発光部から照射された光の受光量が受光部において増加することを検出して、回動操作の入力を検出する。
【0064】
なお、フォトセンサ29aにおいて、使用者による補助ハンドル20の把持部21の回動操作が行われたことの検出処理については、後段にて詳述する。
静電容量センサ(把持検出部)29bは、後述する補助ハンドル20側の使用者によって把持される把持部21の表面に露出するように設けられた導通部(把持入力部)23に使用者が触れた(把持した)ことを検出するために設けられている。静電容量センサ29bは、図7に示すように、導通部23および導通接続線23aの下に設けられている。静電容量センサ29bは、補助ハンドル20の把持部21の表面に露出するように設けられた導通部23と、導通接続線23aを介して電気的に接続されている。
なお、静電容量センサ29bにおいて、使用者による補助ハンドル20の把持部21を把持したことの検出処理については、後段にて詳述する。
【0065】
<補助ハンドル20に対する把持操作および回動操作の検出>
本実施形態の電動把持工具10では、補助ハンドル20に対する把持操作および回動操作を検出して、制御部16が、駆動部17の動作を許可するか否かを判定する。
【0066】
ここで、把持操作および回動操作の検出について、説明すれば以下の通りである。
補助ハンドル20の把持部21への把持操作の検出は、使用者が上述した導通部23に触れたことにより静電容量が変化したことを、導通接続線23aを介して、静電容量センサ29bが検出することで行われる。
これにより、静電容量センサ29bが静電容量の変化を検出して、使用者が補助ハンドル20の把持部21へ触れている状態を容易に検出することができる。
【0067】
補助ハンドル20の把持部21の回動操作の検出は、上述した駆動方向変換機構24によって、回転体21bへの回動操作を突出部24aの直進動作に変換することによって突出部24aが本体部11側に移動したことを、補助ハンドル20内のフォトセンサ29aが検出することで行われる(図5(b)参照)。
フォトセンサ29aは、上述したように発光部と受光部とを有しており、発光部から照射された光が突出部24aによって遮られている初期状態から、突出部24aが退避して光が遮られていない状態への移行を受光部における受光量の変化によって検出することで、回動操作の入力を検出する。
【0068】
これにより、使用者が補助ハンドル20の把持部21に対して所定操作(回動操作)を入力している状態であるか否かを容易に検出することができる。
本実施形態の電動把持工具10では、本体部11側の制御部16が、補助ハンドル20に設けられた静電容量センサ29bおよびフォトセンサ29aにおける検出結果を受信して、補助ハンドル20への把持操作および回動操作の両方の入力を検出した場合に、操作部14を操作した際の駆動部17の動作を許可する。
【0069】
これにより、補助ハンドル20が装着された状態で電動把持工具10を使用する際に、補助ハンドル20の把持部21を触れているだけでなく、所定操作(回動操作)も同時に行っていることを条件に駆動部17の動作を許可することができる。
よって、使用者が補助ハンドル20の把持部21を触っており、かつ所定操作(回動操作)を行っていることを条件に、駆動部17の動作が許可されるため、使用者がしっかりと補助ハンドル20を握っている状態での作業が促進され、使用者の安全性をさらに向上させることができる。
【0070】
また、例えば、使用者が導通部23にインピーダンスが大きいシート等を貼り付けて、静電容量センサ29bが使用者が導通部23に触れていると誤判定している状態で使用しようとしても、所定操作(回動操作)の入力が検出されないと、駆動部17の動作が許可されない。このため、使用者が確実に補助ハンドル20の把持部21を握ったと推定される状態になるまで使用できないため、電動把持工具10の使用者の安全性をさらに向上させることができる。
【0071】
なお、制御部16は、静電容量センサ29bによる把持検出およびフォトセンサ29aによる操作検出のいずれか1つにおける検出結果を無効にして、駆動部17の駆動を許可するか否かを判定するモードを有していてもよい。
この場合には、例えば、使用者が手袋を装着して作業を行う場合等では、使用者が把持部21(導通部23)を握っても静電容量が変化しないため、静電容量センサ29bにおける把持部21への接触を検出することが困難になる。このため、状況に応じて、把持検出および操作検出の2つの条件を緩和して、使い勝手の良い電動把持工具10を提供することができる。
【0072】
また、本実施形態の電動把持工具10では、補助ハンドル20が、本体部11側のバッテリ18と電気的に接続される接続端子20aを有している。
これにより、補助ハンドル20には、通信部27、フォトセンサ29aおよび静電容量センサ29bを駆動するための電源が不要となり、接続端子20aを介して、本体部11側に設けられたバッテリ18からの電力供給を受けることができる。このため、補助ハンドル20側に電源部が不要となり、補助ハンドル20の構成を簡素化することができる。
【0073】
ここで、本実施形態の電動把持工具10の使用を開始する際には、本体部11の通信部19と、補助ハンドル20の通信部27と、作業者スマホ40の通信部42と、管理者端末50の通信部52との間においてマッチング処理が行われる。
このとき、管理者端末50には、図8に示すように、作業者ごとの氏名(A,B,C)、個別ID(Identification)が付された作業者スマホID、工具ID、補助ハンドルID、安全操作状況、作業時間、作業継続可否についての情報が、記憶部53に蓄積されていく。
【0074】
例えば、作業者Aは、作業者スマホIDがXxxxx1のスマートフォンを持って、工具IDがXxx11の工具を使用し、補助ハンドルIDがXxx111の補助ハンドル20を本体部11に装着して、安全操作状況が「〇」で、作業を4h行ったという記録(ログ)が管理者端末50の記憶部53に保存される。この場合、作業者Aの作業継続可否は、「可」と判定される。
【0075】
次に、作業者Bは、作業者スマホIDがXxxxx2のスマートフォンを持って、工具IDがXxx22の工具を使用し、補助ハンドルIDがXxx222の補助ハンドル20を本体部11に装着して、安全操作状況が「〇」で、作業を12h行ったという記録(ログ)が管理者端末50の記憶部53に保存される。この場合、作業者Bの作業継続可否は、作業時間が長いために「不可」と判定される。
【0076】
さらに、作業者Cは、作業者スマホIDがXxxxx3のスマートフォンを持って、工具IDがXxx33の工具を使用し、補助ハンドルIDがXxx333の補助ハンドル20を本体部11に装着して、安全操作状況が「×」で、作業を2h行ったという記録(ログ)が管理者端末50の記憶部53に保存される。この場合、作業者Cの作業継続可否は、安全操作状況が「×」であり、正しい使用がなされていないために「不可」と判定される。
【0077】
なお、電動把持工具10の本体部11から送信された作業状況に基づいて、管理者端末50は、作業の可否の判定結果を示す信号を、本体部11と作業者スマホ40に送信する。
これにより、管理者端末50から作業「否」とする信号を受信した電動把持工具10は動作許可されないように制御することができる。
一方、作業「否」とする信号を受信した作業者スマホ40では、安全作業を促すメッセ時等を表示するように、表示部41が制御される。
なお、作業「否」とする信号は、作業者の作業時間または安全操作状況に応じて、送信される。
【0078】
<電動把持工具10における駆動部17の動作許可判定>
本実施形態の電動把持工具10は、以上のような構成を備えており、補助ハンドル20が装着された状態で作業を行う際に、補助ハンドル20の把持の有無および所定操作(回動操作)の有無を検出して制御を行う。このような動作制御の処理の流れについて、図9および図10に示すフローチャートを用いて説明すれば以下の通りである。
【0079】
すなわち、本実施形態の電動把持工具10では、図9に示すように、まず、ステップS11において、作業者スマホ40、本体部11および補助ハンドル20の間においてペアリングが行われる。なお、ペアリングが完了すると、例えば、作業者スマホ40の通信部42から、管理者端末50に対して、ペアリングされた結果が送信される。
次に、ステップS12では、ペアリングが完了したか否かが判定される。ここで、ペアリングが完了したと判定されると、ステップS13へ進み、完了していないと判定されると、再びステップS11へ戻る。
【0080】
次に、ステップS13では、ステップS12においてペアリングが完了したと判定されたため、図10に示すフローチャートのステップS21へ進む。
ステップS21では、図10に示すように、本体部11側に設けられた制御部16が、静電容量センサ29bにおいて、補助ハンドル20の把持部21(導通部23)に触れていること(把持状態)を検出したか否かを判定する。
【0081】
ここで、把持状態を検出した場合には、ステップS22へ進み、検出していない場合には、ステップS25へ進む。
次に、ステップS22では、ステップS21において補助ハンドル20の把持部21の把持状態が検出されたため、制御部16が、フォトセンサ29aにおいて、補助ハンドル20の把持部21(回転体21b)への回動操作が検出されたか否かを判定する。
【0082】
ここで、回動操作を検出した場合には、ステップS23へ進み、検出していない場合には、ステップS25へ進む。
次に、ステップS23では、ステップS21,S22において、把持状態および回動操作が検出されたため、制御部16は、操作部14の操作が行われたか否かを判定する。
ここで、操作部14が操作された場合には、ステップS24へ進み、操作部14が操作されていない場合にはステップS25へ進む。
【0083】
次に、ステップS24では、ステップS21,S22において、把持状態および回動操作が検出され、かつ、ステップS23において操作部14が行われたと判定されたため、通信部27から本体部11側の通信部19へ、把持状態および回動操作の検出結果を送信する。
一方、ステップS25では、ステップS21において把持状態が検出されなかった、あるいは、ステップS22において回動操作が検出されなかった、あるいは、ステップS23において操作部14への操作がなかったと判定されたため、通信部27から動作不許可状態であることを示す信号を本体部11へ送信して処理を終了する。
【0084】
次に、ステップS14では、図10に示すフローチャートのステップS25またはステップS26の処理が完了する。
次に、ステップS15では、図10に示すフローチャートにおいて、把持状態および回動操作が検出され、かつ操作部14への操作が行われたことが検出されたため、本体部11の制御部16が、作業者の作業が安全であるか否かを判定する。
【0085】
ここで、制御部16が、補助ハンドル20から把持状態および回動操作、操作部14の操作の検出結果を示す信号を受信して、作業者の作業が安全であると判定すると、ステップS16へ進む。一方、制御部16が、補助ハンドル20から動作不許可信号を受信すると、ステップS18へ進む。
次に、ステップS16では、ステップS15において、本体部11の制御部16が、作業者の作業が安全であると判定したため、駆動部17の動作許可と判定され、駆動部17の動作が可能となって作業を行うことができる。
【0086】
次に、ステップS17では、動作許可判定を受けて、制御部16が、制御部16が、動作許可状態であることを示す表示(例えば、緑色の光の点灯等)を行うように、表示部11aを制御して処理を終了する。
一方、ステップS18では、ステップS15において、作業者の作業が安全に行われていないと判定されたため、本体部11の通信部19から、作業者が所有する作業者スマホ40に対して、表示部41において安全注意表示を行うように指示する信号を送信して、ステップS13以降の処理を繰り返し実施する。
【0087】
<主な特徴>
本実施形態の電動把持工具10は、図3に示すように、補助ハンドル20は、先端工具30を駆動させて所定の作業を行う電動把持工具10の本体部11に対して取り付けられた状態で使用され、導通部23、回転体21b、静電容量センサ29b、フォトセンサ29a、通信部27を備えている。静電容量センサ29bは、使用者による補助ハンドル20への接触が入力される。フォトセンサ29aは、使用者による補助ハンドル20への所定操作が入力される。静電容量センサ29bは、導通部23への使用者の接触の有無を検出する。フォトセンサ29aは、回転体21bへの使用者による回動操作の有無を検出する。通信部27は、静電容量センサ29bにおける検出結果と、フォトセンサ29aにおける検出結果とを、本体部11へ送信する。
【0088】
これにより、本体部11側の制御部16は、把持検出および操作検出の結果を受信して、補助ハンドル20を使用者が触っていることに加えて、補助ハンドル20に対して所定操作(回動操作)を行っていることを条件に、駆動部17の駆動を許可することで、作業者が補助ハンドル20をしっかり握っていると推定される状態を確認した上で、駆動部17の駆動を許可することができる。
この結果、本体部11に補助ハンドル20が装着された状態での作業時において、作業者の安全性をさらに向上させることができる。
【0089】
(実施形態2)
本発明の他の実施形態に係る電動把持工具110について、図11図13を用いて説明すれば以下の通りである。
【0090】
本実施形態の電動把持工具110は、図11に示すように、補助ハンドル120に設けられたレバー(操作入力部)121baを押す操作を所定操作として検出する点において、回転体21bへの回動操作を所定操作として検出する上記実施形態1の構成とは異なっている。
なお、本実施形態の構成において、上記実施形態1で説明した構成と同じ機能、形状を持つ構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0091】
本実施形態の電動把持工具110は、図11に示すように、レバー121baを有する把持部121を含む補助ハンドル120が、本体部11の側面に対して着脱可能な状態で取り付けられる。
補助ハンドル120は、図12に示すように、把持部121の外周面から突出するように設けられたレバー121baを有している。
【0092】
レバー121baは、使用者によって把持部121が握られた際に把持部121の内径側へ押し込まれることで、上記実施形態1で説明した駆動方向変換機構24によって駆動方向が変換されて、突出部24aが本体部11側へ突出する。
レバー121baは、図13に示すように、円筒部121bに設けられており、絶縁筒121cに設けられた貫通溝を介して突出するように設けられている。
【0093】
これにより、制御部16は、補助ハンドル120を使用者が触っていることに加えて、補助ハンドル120に対して所定操作(レバー操作)を行っていることを条件に、駆動部17の駆動を許可することで、作業者が補助ハンドル120をしっかり握っていると推定される状態を確認した上で、駆動部17の駆動を許可することができる。
この結果、本体部11に補助ハンドル120が装着された状態での作業時において、作業者の安全性をさらに向上させることができる。
【0094】
(実施形態3)
本発明のさらに他の実施形態に係る電動把持工具210について、図14図16を用いて説明すれば以下の通りである。
本実施形態の電動把持工具210は、図14に示すように、補助ハンドル220に設けられたボタン(操作入力部)221baを押す操作を所定操作として検出する点において、回転体21bへの回動操作を所定操作として検出する上記実施形態1の構成とは異なっている。
【0095】
なお、本実施形態の構成において、上記実施形態1で説明した構成と同じ機能、形状を持つ構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
本実施形態の電動把持工具210は、図14に示すように、ボタン221baを有する把持部221を含む補助ハンドル220が、本体部11の側面に対して着脱可能な状態で取り付けられる。
【0096】
補助ハンドル220は、図15に示すように、把持部221の外周面から突出するように設けられたボタン221baを有している。
ボタン221baは、使用者によって把持部221が握られた際に把持部221の内径側へ押し込まれることで、上記実施形態1で説明した駆動方向変換機構24によって駆動方向が変換されて、突出部24aが本体部11側へ突出する。
【0097】
ボタン221baは、図16に示すように、円筒部221bに設けられており、絶縁筒221cに設けられた貫通穴を介して突出するように設けられている。
これにより、制御部16は、単に、補助ハンドル220を使用者が触っていることに加えて、補助ハンドル220に対して所定操作(ボタン操作)を行っていることを条件に、駆動部17の駆動を許可することで、作業者が補助ハンドル220をしっかり握っていると推定される状態を確認した上で、駆動部17の駆動を許可することができる。
この結果、本体部11に補助ハンドル220が装着された状態での作業時において、作業者の安全性をさらに向上させることができる。
【0098】
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0099】
(A)
上記実施形態では、電動把持工具およびその制御方法として、本発明を実現した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、上述した電動把持工具の制御方法をコンピュータに実行させる制御プログラムとして本発明を実現してもよい。
【0100】
この制御プログラムは、電動把持工具に搭載されたメモリ(記憶部)に保存されており、CPUがメモリに保存された制御プログラムを読み込んで、ハードウェアに各ステップを実行させることで、上記と同様の効果を得ることができる。
また、本発明は、電動把持工具の制御プログラムを保存した記録媒体として実現されてもよい。
【0101】
(B)
上記実施形態では、補助ハンドル20に設けられたフォトセンサ29aおよび静電容量センサ29bにおける検出結果を、通信部27を介して本体部11側へ送信し、本体部11側の制御部16が、駆動部17の動作可否判定を行う例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0102】
例えば、補助ハンドル側に設けられた制御部が、把持検出部および操作検出部における検出結果に基づいて、本体部側の駆動部の動作可否判定を行う構成であってもよい。
この場合には、補助ハンドル側の制御部が、動作可否判定結果を示す信号を、本体部側へ送信することで、本体部側の制御部は、信号に応じて、駆動部の動作可否を制御することができる。
【0103】
(C)
上記実施形態では、把持検出部として、静電容量センサ29bを用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、把持検出部として、圧電素子等の他の手段を用いた構成であってもよい。
この場合でも、圧電素子等を用いて補助ハンドルの把持部分を使用者が握ったことを検出することで、上記と同様の効果を得ることができる。
【0104】
(D)
上記実施形態では、操作検出部として、フォトセンサ29aを用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、操作検出部として、圧電素子、磁気センサ、接触センサ、静電容量センサ等の他の手段を用いた構成であってもよい。
この場合でも、圧電素子、磁気センサ、接触センサ、静電容量センサ等を用いて、使用者による補助ハンドルへの所定操作に伴って移動する突出部を検出することで、上記と同様の効果を得ることができる。
【0105】
(E)
上記実施形態では、補助ハンドル20が、本体部11に設けられたバッテリ18から電力供給を受けるために接続端子20aを有している例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、補助ハンドルが、内部の通信部、把持検出部、操作検出部を駆動させるための二次電池等を備えた構成であってもよい。
【0106】
(F)
上記実施形態では、補助ハンドル20が、本体部11に設けられたバッテリ18から電力供給を受けるために、接触式の接続端子20aを有している例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、補助ハンドルが、内部の通信部、把持検出部、操作検出部を駆動させるための電力を、本体部からの非接触給電によって受電する構成であってもよい。
【0107】
(G)
上記実施形態では、表示部11aが、LED等の光の色を変化させることで、使用の可否状態を表示する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、表示部として、使用の可否状態を表示する液晶表示パネル等が設けられた構成であってもよい。
【0108】
(H)
上記実施形態では、使用者の右手で補助ハンドル20、左手でメインハンドル13が把持される電動把持工具10を例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、使用者の左手で補助ハンドル、右手でメインハンドルが把持されるように、補助ハンドルが本体部の反対側の側面に装着された電動把持工具であってもよい。
【0109】
(I)
上記実施形態では、電動把持工具10の駆動部(モータ)17を駆動するための操作部として、引き量(操作量)に応じて駆動部(モータ)17の出力トルクを調整するトリガスイッチを用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、トリガスイッチの代わりに、ON/OFFスイッチ等の他のスイッチを用いてもよい。
【0110】
(J)
上記実施形態では、電力によって駆動されるモータを搭載した電動把持工具10を例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、電力の代わりに、エアによって駆動部を動作させる作業工具に対して本発明を適用してもよい。
【0111】
(K)
上記実施形態では、本発明に係る作業工具として、電動ドライバ等の電動把持工具10に対して本発明を適用した例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0112】
例えば、電動ドライバ以外にも、グラインダ、ジグソー、チェーンソー等の各種作業を行う作業工具に対して、本発明が適用されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明の補助ハンドルは、本体部に補助ハンドルが装着された状態での作業時において、作業者の安全性をさらに向上させることができるという効果を奏することから、各種作業工具に対して広く適用可能である。
【符号の説明】
【0114】
10 電動把持工具
11 本体部
11a 表示部
12 回転部
13 メインハンドル
14 操作部(トリガスイッチ)
15 被接続部
15a 取付け部
15b 挿入孔
16 制御部
17 駆動部
18 バッテリ(電源部)
19 通信部
20 補助ハンドル
20a 接続端子
21 把持部
21a 把持本体部
21aa 貫通溝
21b 回転体(操作入力部)
21ba 係合部
21bb 貫通穴
21c 絶縁筒
21ca 係合部
21d 固定蓋
21g 溝部
22 接続部
23 導通部(把持入力部)
23a 導通接続線
24 駆動方向変換機構
24a 突出部
24b 筒部材
24c 付勢部材
24d 固定部
24e 固定部
24f 固定部
24g ガイドピン(ピン)
25 固定部
26 ガイド部
27 通信部
29a フォトセンサ(操作検出部)
29b 静電容量センサ(把持検出部)
30 先端工具
40 作業者スマホ
41 表示部
42 通信部
50 管理者端末
51 表示部
52 通信部
53 記憶部
110 電動把持工具
120 補助ハンドル
121 把持部
121b 円筒部
121ba レバー(操作入力部)
121c 絶縁筒
210 電動把持工具
220 補助ハンドル
221 把持部
221b 円筒部
221ba ボタン(操作入力部)
221c 絶縁筒
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16