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特開2024-125028電解装置用のカソード電極、及び電解装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125028
(43)【公開日】2024-09-13
(54)【発明の名称】電解装置用のカソード電極、及び電解装置
(51)【国際特許分類】
   C25B 11/077 20210101AFI20240906BHJP
   C25B 1/27 20210101ALI20240906BHJP
   C25B 11/04 20210101ALI20240906BHJP
   C25B 11/052 20210101ALI20240906BHJP
   C01C 1/04 20060101ALI20240906BHJP
   B01J 23/745 20060101ALI20240906BHJP
   B01J 23/78 20060101ALI20240906BHJP
   B01J 23/83 20060101ALI20240906BHJP
【FI】
C25B11/077
C25B1/27
C25B11/04
C25B11/052
C01C1/04 Z
B01J23/745 M
B01J23/78 M
B01J23/83 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023033086
(22)【出願日】2023-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】000003609
【氏名又は名称】株式会社豊田中央研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宇山 健
(72)【発明者】
【氏名】森川 健志
【テーマコード(参考)】
4G169
4K011
4K021
【Fターム(参考)】
4G169AA02
4G169AA12
4G169BA08B
4G169BB04A
4G169BB04B
4G169BB06B
4G169BC02B
4G169BC04B
4G169BC09B
4G169BC12B
4G169BC13B
4G169BC42B
4G169BC67A
4G169BC67B
4G169CB82
4G169DA06
4G169EA01X
4G169EA01Y
4G169EA02X
4G169EA02Y
4G169EA04Y
4G169EA06
4G169EB18X
4G169EB18Y
4G169EC27
4G169EC30
4G169FA01
4G169FB30
4K011AA11
4K011AA50
4K011BA08
4K011DA01
4K011DA11
4K021AB25
4K021BA02
4K021BA04
4K021BB01
4K021DB31
4K021DB36
4K021DB38
4K021DB40
(57)【要約】
【課題】硝酸イオン、亜硝酸イオンからアンモニアへの還元反応を促進させることができる電解装置用のカソード電極を提供する。
【解決手段】硝酸イオン及び亜硝酸イオンのうちの少なくともいずれか一方を還元してアンモニアを生成する電解装置用のカソード電極であって、粒径が0.1μmを超えるバルク状のコバルト含有酸化物を含む電極触媒を有することを特徴とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
硝酸イオン及び亜硝酸イオンのうちの少なくともいずれか一方を還元する電解装置用のカソード電極であって、
粒径が0.1μmを超えるバルク状のコバルト含有酸化物を含む電極触媒を有することを特徴とする電解装置用のカソード電極。
【請求項2】
前記コバルト含有酸化物のCo-K吸収端の広域X線吸収微細構造(EXAFS:extended x-ray absorption fine structure)スペクトルをフーリエ変換して得られる動径構造関数において、Co-Co結合距離が2.7Å以下であることを特徴とする請求項1に記載の電解装置用のカソード電極。
【請求項3】
前記硝酸イオン及び前記亜硝酸イオンのうちの少なくともいずれか一方を還元するために、-0.2V(vs.標準電極電位)で3時間の定電位電解を行う前と後の前記コバルト含有酸化物のCo-K吸収端のX線吸収端近傍構造(XANES:x-ray absorption near edge structure)スペクトルにおいて、前記定電位電解を行う前と後のCo-K吸収端エネルギーの変化量が1eV未満であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電解装置用のカソード電極。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の電解装置用のカソード電極と、前記カソード電極と電気的に接続されるアノード電極とを備えることを特徴とする電解装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電解装置用のカソード電極、及び電解装置に関する。
【背景技術】
【0002】
アンモニアは、窒素系の肥料、食品、医薬品等の原料、合成樹脂や繊維の製造において幅広く利用され、世界全体の需要は、現在、年間で1.7億トンを超えている。また、アンモニアは貴金属フリー(非白金)の燃料電池であるアニオン型燃料電池の燃料や炭素フリーの燃料としても大いに注目されている。
【0003】
一見、アンモニアは炭素を含まないクリーンな燃料であるように考えられる。しかし、現在の工業的なアンモニア合成は、空気中の窒素と水素を触媒存在下で、高温高圧(400~500°、100~300気圧)で反応させるハーバーボッシュ法が使用され、その水素は天然ガス由来のものである。従って、石油が枯渇する将来においては、ハーバーボッシュ法に代わるアンモニア合成の開発が求められている。
【0004】
そこで、近年では、金属触媒を含む電極を使用して、硝酸イオンや亜硝酸イオンを含む溶液を電解処理することにより、アンモニアを合成する試みがなされている(例えば、非特許文献1~3)。なお、廃水処理に関する技術であるが、特許文献1には、光触媒を使用して、硝酸イオンや亜硝酸イオンを還元する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009-214033号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】E.H.Sargent et al., J. Am. Chem. Soc., 2022, 142, 5702-5708
【非特許文献2】”High-Efficiency Electrochemical Nitrate Reduction to Ammonia on a Co3O4 nanoarray Catalyst with Cobalt Vacancies.”Z.Deng et al., ACS Appl. Mater. Interfaces, 2022, 14, 46595-46602
【非特許文献3】”Electrocatalytic Reduction of Nitrate to Ammonia on Low-Cost Ultrathin CoOx Nanosheets” J. Wang et al., ACS Catalysis, 2021, 11, 15135-15140
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の技術では、硝酸イオン、亜硝酸イオンからアンモニアへの変換率が低い。
【0008】
そこで、本発明の目的は、硝酸イオン、亜硝酸イオンからアンモニアへの還元反応を促進させることができる電解装置用のカソード電極及び電解装置を提供することにある。なお、生成するアンモニアは水中に溶け込むとアンモニウムイオン(NH )として存在するため、アンモニウムイオンの生成とアンモニアの生成とは同じ意味である。後述する実施例では、アンモニウムイオンを定量し、電極の性能を評価している。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、硝酸イオン及び亜硝酸イオンのうちの少なくともいずれか一方を還元してアンモニアを生成する電解装置用のカソード電極であって、粒径が0.1μmを超えるバルク状のコバルト含有酸化物を含む電極触媒を有することを特徴とする。
【0010】
また、前記電解装置用のカソード電極において、前記コバルト含有酸化物のCo-K吸収端の広域X線吸収微細構造(EXAFS:extended x-ray absorption fine structure)スペクトルをフーリエ変換して得られる動径構造関数において、Co-Co結合距離が2.7Å以下であることが好ましい。
【0011】
また、前記電解装置用のカソード電極において、前記硝酸イオン及び前記亜硝酸イオンのうちの少なくともいずれか一方を還元するために、-0.2V(vs.標準電極電位)で3時間の定電位電解を行う前と後の前記コバルト含有酸化物のCo-K吸収端のX線吸収端近傍構造(XANES:x-ray absorption near edge structure)スペクトルにおいて、前記定電位電解を行う前と後のCo-K吸収端エネルギーの変化量が1eV未満であることが好ましい。
【0012】
また、本発明の電解装置は、上記電解装置用のカソード電極と、前記カソード電極と電気的に接続されるアノード電極とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、硝酸イオン、亜硝酸イオンからアンモニアへの還元反応を促進させることができる電解装置用のカソード電極、及び電解装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施形態に係る電解装置の一例を示す概略構成図である。
図2】実施例1~8の定電位電解を行う前のコバルト含有酸化物におけるX線吸収分光測定により得られたX線吸収微細構造スペクトルを示す。
図3図2の実施例1~8における広域X線吸収微細構造スペクトルをフーリエ変換して得られる動径構造関数を示す。
図4】実施例1~8の定電位電解を行った後のコバルト含有酸化物におけるX線吸収分光測定により得られたX線吸収微細構造スペクトルを示す。
図5】実施例1~8の硝酸イオンの還元反応試験において、-0.2Vで3時間の定電位電解を行った際のカソード電極の電流密度の推移を示す。
図6】実施例1~8の硝酸イオンの還元反応試験において、-0.2Vの定電位電解1時間後、2時間後、3時間後のアンモニウムイオン生成及び亜硝酸イオン生成のファラデー効率を示す。
図7】実施例1~8のアンモニウムイオン生成及び亜硝酸イオン生成の反応速度の3時間平均をコバルト含有酸化物のCo-Co結合距離(dCo-Co)に対してプロットした結果を示す。
図8】比較例1~2の硝酸イオンの還元反応試験において、-0.2Vで1時間の定電位電解を行った際のカソード電極の電流密度の推移を示す。
図9】比較例1~2の硝酸イオンの還元反応試験において、-0.2Vの定電位電解1時間後のアンモニウムイオン生成及び亜硝酸イオン生成のファラデー効率を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本実施形態に係る電解装置の一例について説明する。
【0016】
図1は、本実施形態に係る電解装置の一例を示す概略構成図である。図1に示す電解装置1は、カソード電極10と、カソード電極10と電気的に接続されたアノード電極12、収容容器14、隔膜16、電解液22を備えている。収容容器14は、収容容器14に設置された隔膜16により、カソード室18とアノード室20に分離されている。アノード室20及びカソード室18には電解液22が収容されている。そして、カソード電極10は、カソード室18内の電解液22に浸漬され、アノード電極12は、アノード室20内の電解液22に浸漬されている。
【0017】
電解液22は、硝酸イオン及び亜硝酸イオンのうちの少なくともいずれか一方を含む溶液である。電解液22には、硝酸イオンや亜硝酸イオン以外に、水酸化物イオン、炭酸水素イオン、炭酸イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、ホウ酸イオン、四ホウ酸イオン、水素イオン、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、ルビジウムイオン、及びセシウムイオン等が含まれていてもよい。
【0018】
電解液22中の硝酸イオン及び亜硝酸イオンの濃度は、例えば、0.01mol/L~3mol/Lの範囲であることが好ましく、0.1mol/L~1.0mol/Lの範囲であることがより好ましい。なお、電解液22は、少なくともカソード室18内に収容さる電解液として使用されればよい。アノード室20内に収容される電解液は、硝酸イオン、亜硝酸イオン、その他の上記例示したイオン等を含まなくてもよく、例えば、水等でもよい。
【0019】
隔膜16としては、例えば、陽イオン交換膜、陰イオン交換膜、バイポーラーメンブレン、多孔性ガラス膜等が挙げられる。カソード電極10での還元反応を効率的に進行させる等の点で、隔膜16を設けることが好ましいが、隔膜16を設けなくてもよい。
【0020】
収容容器14としては、例えば、金属製、プラスチック製、ガラス製等の密閉容器、およびガスを流通する機構を有する反応容器等を用いることができる。
【0021】
図1に示す電解装置1では、カソード電極10とアノード電極12との間を電気的に接続し、適切なバイアス電圧を印加した状態とすることで、アノード電極12においては、酸化反応が生起されるとともに、電位が得られる。カソード電極10においては、酸化反応を生起するアノード電極12から電位を得ることによって、電解液22中の硝酸イオンや亜硝酸イオンを還元してアンモニアを生成する還元反応が進行する。バイアス電圧を印加する手段は、特に限定されるものではなく、化学的電池(一次電池、二次電池等を含む)、定電圧源、太陽電池等が挙げられる。
【0022】
以下、カソード電極10及びアノード電極12について詳述する。
【0023】
カソード電極10は、硝酸イオンや亜硝酸イオンを還元して、アンモニアを生成するために利用される電極である。カソード電極10は、例えば、導電性基板と、導電性基板上に形成された触媒層とを有する。触媒層は、粒径が0.1μmを超えるバルク状のコバルト含有酸化物を含む電極触媒を有する。このように、粒径が0.1μmを超えるバルク状のコバルト含有酸化物をカソード電極10の電極触媒として利用することで、カソード電極10において、硝酸イオン、亜硝酸イオンを還元して、アンモニアを生成する還元反応を促進させることができる。バルク状とは、薄膜を除く趣旨であり、例えば、球状、円柱状、角柱状等の形状をした粒子(粉体)である。コバルト含有酸化物の粒径は、例えば、0.2μm~5.0μmの範囲が好ましく、0.5μm~2μmの範囲がより好ましい。なお、コバルト含有酸化物の粒径の測定方法は後述する実施例に記載する。
【0024】
コバルト含有酸化物の局所構造については、吸収微細X線構造(XAFS:x-ray absorption fine structure)スペクトルの評価を行うことにより特定することができる。XAFSスペクトルは、X線吸収端近傍構造(XANES:x-ray absorption near edge structure)スペクトルと広域X線吸収微細構造(EXAFS:extended x-ray absorption fine structure)とに分類される。XANESスペクトルは、試料のCo-K吸収端近傍50eV程度の狭い領域に現れる。一方、EXAFSスペクトルは、XANESスペクトルよりも高エネルギー側である約100eV程度から1keV程度の広い範囲にわたって現れる。XAFSスペクトル(すなわち、EXAFSスペクトル及びXANESスペクトル)の測定方法は後述する実施例に記載する。
【0025】
本実施形態では、コバルト含有酸化物のCo-K吸収端のEXAFSスペクトルをフーリエ変換して得られる動径構造関数において、Co-Co結合距離が2.7Å以下であることが好ましい。還元反応が進行するには、反応場となるコバルト含有酸化物のCo-Coに硝酸イオンや亜硝酸イオンが吸着する必要があると考えられる。そして、Co-Co結合距離が2.7Å以下であると、2.7Åより大きい場合と比較して、硝酸イオンや亜硝酸イオンの吸着量が高くなり、その結果、アンモニア生成の選択性やファラデー効率が向上する場合がある。
【0026】
また、本実施形態では、硝酸イオン及び亜硝酸イオンのうちの少なくともいずれか一方を還元するために、-0.2V(vs.標準電極電位)で3時間の定電位電解を行う前と後のコバルト含有酸化物のCo-K吸収端のXANESスペクトルにおいて、上記定電位電解を行う前と後のCo-K吸収端エネルギーの変化量が1eV未満であることが好ましい。本開示において、XANESスペクトルにおける上記Co-K吸収端エネルギーは、スペクトルにおける規格化吸光度が0.5の時の値を言う。
【0027】
本実施形態のように、Co-K吸収端エネルギーの変化量が1eV未満である場合、1eV以上である場合と比較して、還元反応中におけるコバルト含有酸化物の局所構造の変化が抑えられているため、触媒の劣化を抑制できる場合がある。
【0028】
前述したCo-Co結合距離やCo-K吸収端エネルギーの変化量は、コバルト含有酸化物の結晶構造やコバルト含有酸化物に含有する元素によって調整することができる。
【0029】
コバルト含有酸化物は、硝酸イオン、亜硝酸イオンからアンモニアへの還元反応をより促進させる点で、CoO多面体を基本骨格とする結晶構造を有することが好ましい。例えば、コバルト含有酸化物は、例えば、前述したCo-Co結合距離又は前述したCo-K吸収端エネルギーの変化量が上記範囲を満たし易い点で、CoO多面体がエッジを共有する結晶構造を有することが好ましい。
【0030】
コバルト含有酸化物は、コバルト(Co)以外に、他の金属元素を含んでいてもよく、例えば、リチウム(Li)やナトリウム(Na)等のアルカリ金属、カルシウム(Ca)やストロンチウム(Sr)やバリウム(Ba)等のアルカリ土類金属、ランタン(La)、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、カドミウム(Cd)、スズ(Sn)、パラジウム(Pd)、鉛(Pd)、鉄(Fe)、タンタル(Ta)等が挙げられる。これらの中では、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、ランタン(La)が好ましい。好適なコバルト含有酸化物としては、CoO、Co、LiCoO、NaCoO、CaCo、SrCo15、BaCoO、LaCoO等が挙げられる。
【0031】
カソード電極10に使用される導電性基板は、カーボンペーパー、金属多孔質体、金属メッシュ等が挙げられる。
【0032】
導電性基板上に形成される触媒層は、前述の電極触媒の他に、例えば、導電材、結着材等を含むことが好ましい。導電材としては、例えば、カーボンブラック、活性炭、カーボンナノチューブ等が挙げられる。結着材としては、ナフィオン(登録商標)(デュポン社製)、フレミオン(旭硝子(株)製)等のカチオン交換樹脂、ネオセプタやセレミオン、サステニオン等のアニオン交換樹脂等が挙げられる。
【0033】
アノード電極12は、酸化反応によって物質を酸化するために利用される電極である。アノード電極12としては、白金、金、カーボン、水銀、フッ素含有酸化錫(FTO)、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、半導体の基板上に酸化イリジウム(IrOx:x=1~2)を修飾させた電極、ニッケル又はニッケルと鉄を含有する複合材料等を用いることができる。半導体の基板は、酸化タングステン(WO)、バナジン酸ビスマス(BiVO)、酸化鉄(Fe)、シリコン(Si)、酸窒化タンタル(TaON)等が挙げられる。
【0034】
[本願発明の構成]
構成1:
硝酸イオン及び亜硝酸イオンのうちの少なくともいずれか一方を還元する電解装置用のカソード電極であって、
粒径が0.1μmを超えるバルク状のコバルト含有酸化物を含む電極触媒を有することを特徴とする電解装置用のカソード電極。
構成2:
前記コバルト含有酸化物のCo-K吸収端の広域X線吸収微細構造(EXAFS:extended x-ray absorption fine structure)スペクトルをフーリエ変換して得られる動径構造関数において、Co-Co結合距離が2.7Å以下であることを特徴とする構成1に記載の電解装置用のカソード電極。
構成3:
前記硝酸イオン及び前記亜硝酸イオンのうちの少なくともいずれか一方を還元するために、-0.2V(vs.標準電極電位)で3時間の定電位電解を行う前と後の前記コバルト含有酸化物のCo-K吸収端のX線吸収端近傍構造(XANES:x-ray absorption near edge structure)スペクトルにおいて、前記定電位電解を行う前と後のCo-K吸収端エネルギーの変化量が1eV未満であることを特徴とする構成1又は2に記載の電解装置用のカソード電極。
構成4:
構成1~3のいずれか1つに記載の電解装置用のカソード電極と、前記カソード電極と電気的に接続されるアノード電極とを備えることを特徴とする電解装置。
【実施例0035】
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0036】
<コバルト含有酸化物A>
酢酸コバルトを蒸留水に溶かし1M溶液を作製し、それをマントルヒーターで100℃まで熱した。その後、ゲル化剤としてリンゴ酸を入れ、200℃に保持し、原料ゲルを得た。これを、900℃で6時間、空気中で加熱後、950℃で2時間、Ar雰囲気下で加熱した。このようにして、組成式CoOで示されるコバルト含有酸化物Aを得た。
【0037】
<コバルト含有酸化物B>
酢酸コバルトを蒸留水に溶かし1M溶液を作製し、それをマントルヒーターで100℃まで熱した。その後、ゲル化剤としてリンゴ酸を入れ、200℃に保持し、原料ゲルを得た。これを、900℃で6時間、空気中で加熱した。このようにして、組成式Coで示されるコバルト含有酸化物Bを得た。
【0038】
<コバルト含有酸化物C>
酢酸コバルトと酢酸リチウムを原料としたこと以外は、コバルト含有酸化物Bと同様の条件として、組成式LiCoOで示されるコバルト含有酸化物Cを得た。
【0039】
<コバルト含有酸化物D>
酢酸コバルトと酢酸ナトリウムを原料としたこと以外は、コバルト含有酸化物Bと同様の条件として、組成式NaCoO(x<1.0)で示されるコバルト含有酸化物Dを得た。
【0040】
<コバルト含有酸化物E>
酢酸コバルトと酢酸カルシウムを原料としたこと以外は、コバルト含有酸化物Bと同様の条件として、組成式CaCoで示されるコバルト含有酸化物Eを得た。
【0041】
<コバルト含有酸化物F>
酢酸コバルトと酢酸ストロンチウムを原料としたこと以外は、コバルト含有酸化物Bと同様の条件として、組成式SrCo15で示されるコバルト含有酸化物Fを得た。
【0042】
<コバルト含有酸化物G>
酢酸コバルトと酢酸バリウムを原料としたこと以外は、コバルト含有酸化物Bと同様の条件として、組成式BaCoOで示されるコバルト含有酸化物Gを得た。
【0043】
<コバルト含有酸化物H>
酢酸コバルトと硝酸ランタンを原料としたこと、ゲル化剤としてクエン酸を用いたこと以外は、コバルトH含有酸化物Bと同様の条件として、組成式LaCoOで示されるコバルト含有酸化物を得た。
【0044】
<比較酸化物A>
水酸化リチウム一水和物と二酸化マンガンの混合物を、酸素雰囲気で、900℃で12時間、700℃で24時間、600℃で24時間、500℃で48時間熱処理することにより、組成式LiMn2O4で示される比較酸化物Aを得た。
【0045】
<比較酸化物B>
酢酸ストロンチウム、酢酸鉄、酢酸モリブデンを原料として原料ゲルを作製したこと、原料ゲルの熱処理条件を600℃で12時間(空気中)、800で2時間(Ar/H2=99:1vol%)にしたこと以外は、コバルト含有酸化物Bと同様の条件として、組成式SrFeMoOで示される比較酸化物Bを得た。
【0046】
合成後のコバルト含有酸化物A~Hの粒径を走査型電子顕微鏡(日立ハイテク製SU3500)により測定した。具体的には、コバルト含有酸化物をカーボンテープに固定し、Ptコートした試料を、走査型電子顕微鏡(加速電圧を15kVに設定)により観察した。観察した試料の中から、ランダムに10個の粒子を選択し、10個の粒子それぞれの長径を測定し、それらの長径の平均値を粒径として算出した。その結果、粒径は、コバルト含有酸化物A(CoO)で1.8μm、コバルト含有酸化物B(Co)で1.5μm、コバルト含有酸化物C(LiCoO)で0.5μm、コバルト含有酸化物D(NaCoO)で9.1μm、コバルト含有酸化物E(CaCo)で1.3μm、コバルト含有酸化物F(SrCo15)で1.6μm、コバルト含有酸化物G(BaCoO)で1.1μm、コバルト含有酸化物H(LaCO)で0.8μmとなった。いずれも0.1μmを超えるバルク状であった。
【0047】
<実施例1>
(電解装置の作製)
コバルト含有酸化物A、導電材としてカーボンブラック、及び結着材として5質量%ナフィオン溶液を、分散溶媒としてのアセトンに添加して、触媒インクを作製した。この触媒インクを、カーボンペーパー(Avcard、電極面積1.7cm)に、コバルト含有酸化物Aの担持量が2mgになるように塗布乾燥し、カソード電極を作製した。
【0048】
隔膜としてKイオン交換したNafionを設置した市販のH型セル(イーシーフロンティア社、VB9)に電解液を投入し、作用極、対極、及び参照極をH型セル内の電解液に浸漬させ、電解装置を作製した。作用極として上記カソード電極を使用し、対極としてPtワイヤー使用し、参照極として銀/塩化銀電極を使用した。電解液には、1MのKOHと0.1MのKNOの混合溶液(pH=14)を使用した。
【0049】
(硝酸イオンの還元反応試験)
電気化学測定システム(北斗電工株式会社、HZ-Pro S12)に作用極、対極及び参照極を接続し、-0.2V(vs.標準水素電極電位)で数時間の定電位電解を行った。電解後、電解装置内の電解液を分取し、ヘッドスペースガスクロマトグラフィー質量分析により、電解液中のアンモニウムイオンの定量を行い、イオンクロマトグラフィー分析により、電解液中の亜硝酸イオンの定量を行った。
【0050】
(X線吸収分光測定)
上記硝酸イオンの還元反応試験における定電位電解前と後のコバルト含有酸化物Aの局所構造をX線吸収分光(XAS:x-ray absoroption spectroscopy)測定により調べた。測定は、財団法人高輝度光科学センターの大型放射光施設SPring-8のビームラインBL33XUを用い、備え付けの透過法測定ユニットを使用して、X線吸収微細構造(XAFS)スペクトルの測定を行った。測定に使用した試料は、(1)定電位電解を行う前のコバルト含有酸化物の試料、(2)定電位電解を行った後のコバルト含有酸化物の試料の2つを準備した。(1)定電位電解を行う前のコバルト含有酸化物の試料は、合成直後のコバルト含有酸化物Aと窒化ホウ素を混合し、加圧成形したペレットを使用した。(2)定電位電解を行った後のコバルト含有酸化物の試料は、上記硝酸イオンの還元反応試験において、-0.2V(vs.標準水素電極電位)で3時間の定電位電解を行った後の電解装置から取り出したカソード電極を細かく粉砕した粉体と窒化ホウ素を混合し、加圧成形したペレットを使用した。
【0051】
<実施例2~8>
実施例2はコバルト含有酸化物B、実施例3はコバルト含有酸化物C、実施例4はコバルト含有酸化物D、実施例5はコバルト含有酸化物E、実施例6はコバルト含有酸化物F、実施例7はコバルト含有酸化物G、実施例8はコバルト含有酸化物Hを使用して、実施例1と同様に電解装置を作製し、硝酸イオンの還元反応試験及びX線吸収分光測定を行った。
【0052】
<比較例1~2>
比較例1はコバルト含有酸化物に代えて比較酸化物Aを使用し、比較例2はコバルト含有酸化物に代えて比較酸化物Bを使用して、実施例1と同様に電解装置を作製し、硝酸イオンの還元反応試験を行った。
【0053】
図2に、実施例1~8の定電位電解を行う前(合成直後)のコバルト含有酸化物におけるX線吸収分光測定により得られたX線吸収微細構造(XAFS)スペクトルを示す。図2に示すXAFSスペクトルは、前述したように、X線吸収端近傍構造(XANES)スペクトルと広域X線吸収微細構造(EXAFS)スペクトルとに分けられる。XANESスペクトルは、Co-K吸収端エネルギー(図2の横軸:Photon energy)が7660eV~7740eVの範囲のスペクトルであり、広域X線吸収微細構造(EXAFS)スペクトルは、Co-K吸収端エネルギーが7740eV~8500eVの範囲のスペクトルである。
【0054】
図2に示すように、実施例1~8の定電位電解を行う前のコバルト含有酸化物のXAFSスペクトルにおいては、いずれも約7750eVで急峻な立ち上がりを示した。これは、コバルト含有酸化物がX線のエネルギーを吸収して、電子が1s軌道から4p軌道に遷移したことに起因している。また、実施例1~8の定電位電解を行う前のコバルト含有酸化物のXANESスペクトルにおいて、規格化吸光度(図2の縦軸:Normalized adsorption)が0.5でのCo-K吸収端エネルギー(Eedge)は、実施例1のコバルト含有酸化物A(CoO)で7715.6eV、実施例2のコバルト含有酸化物B(Co)で7717.3eV、実施例3のコバルト含有酸化物C(LiCoO)で7719.6eV、実施例4のコバルト含有酸化物D(NaCoO)で7719.5eV、実施例5のコバルト含有酸化物E(CaCo)で7719.7eV、実施例6のコバルト含有酸化物F(SrCo15)で7720.4eV、実施例7のコバルト含有酸化物G(BaCoO)で7720.8eV、実施例8のコバルト含有酸化物H(LaCoO)で7719.9eVとなった。
【0055】
図3に、図2の実施例1~8における広域X線吸収微細構造(EXAFS)スペクトルをフーリエ変換して得られる動径構造関数(スペクトル)を示す。図3に示す動径構造関数において、Co-Co結合距離は、実施例1のコバルト含有酸化物A(CoO)で2.64(1)Å、実施例2のコバルト含有酸化物B(Co)で2.49(1)Å、実施例3のコバルト含有酸化物C(LiCoO)で2.48(1)Å、実施例4のコバルト含有酸化物D(NaCoO)で2.49(1)Å、実施例5のコバルト含有酸化物E(CaCo)で2.18(2)Å、実施例6のコバルト含有酸化物F(SrCo15)で2.09(1)Å、実施例7のコバルト含有酸化物G(BaCoO)で1.99(1)Å、実施例8のコバルト含有酸化物H(LaCoO)で3.21(1)Åとなった。
【0056】
図4に、実施例1~8の定電位電解を行った後のコバルト含有酸化物におけるX線吸収分光測定により得られたX線吸収微細構造(XAFS)スペクトルを示す。実施例1~8の定電位電解を行った後のコバルト含有酸化物のXAFSスペクトルにおいて、規格化吸光度(図4の縦軸:Normalized adsorption)が0.5でのCo-K吸収端エネルギー(Eedge)は、実施例1のコバルト含有酸化物A(CoO)で7715.8eV、実施例2のコバルト含有酸化物B(Co)で7716.8eV、実施例3のコバルト含有酸化物C(LiCoO)で7718.9eV、実施例4のコバルト含有酸化物D(NaCoO)で7718.3eV、実施例5のコバルト含有酸化物E(CaCo)で7716.3eV、実施例6のコバルト含有酸化物F(SrCo15)で7717.0eV、実施例7のコバルト含有酸化物G(BaCoO)で7716.7eV、実施例8のコバルト含有酸化物H(LaCoO)で7718.9eVとなった。
【0057】
実施例1のコバルト含有酸化物A(CoO)、実施例2のコバルト含有酸化物B(Co)、実施例3のコバルト含有酸化物C(LiCoO)では、定電位電解を行う前と後のCo-K吸収端エネルギーの変化量が、1eV未満であった。一方、実施例4のコバルト含有酸化物D(NaCoO)、実施例5のコバルト含有酸化物E(CaCo)、実施例6のコバルト含有酸化物F(SrCo15)、実施例7のコバルト含有酸化物G(BaCoO)、実施例8のコバルト含有酸化物H(LaCoO)では、定電位電解を行う前と後のCo-K吸収端エネルギーの変化量が、1.0~4.1eVとなった。この結果から、実施例4~8のコバルト含有酸化物は、実施例1~3のコバルト含有酸化物に比べて、-0.2V(vs.標準水素電極電位)で3時間の定電位電解によりCoが還元され、コバルト含有酸化物の局所構造が変化していると考えられる。
【0058】
表1に、実施例1~8のコバルト含有酸化物A~Hの粒径、定電位電解を行う前のCo-K吸収端エネルギー(表では合成直後のEedge)及びCo-Co結合距離(表では合成直後のdCo-Co)、定電位電解を行った後のCo-K吸収端エネルギー(表では硝酸還元後のEedge)、定電位電解を行う前と後のCo-K吸収端エネルギーの変化量(表ではΔEedge)をまとめた。
【0059】
【表1】
【0060】
また、表2に、実施例1~8及び比較例1~2の硝酸イオン還元反応試験における、アンモニウムイオン(NH )生成の反応速度及びファラデー効率、亜硝酸イオン(NO )生成の反応速度及びファラデー効率をまとめた。
【0061】
【表2】
【0062】
図5に、実施例1~8の硝酸イオンの還元反応試験において、-0.2V(vs.標準水素電極電位)で3時間の定電位電解を行った際のカソード電極の電流密度(jele(mA・cm-2))の推移を示す。コバルト含有酸化物A(CoO)を使用した実施例1、コバルト含有酸化物B(Co)を使用した実施例2、コバルト含有酸化物C(LiCoO)を使用した実施例3は、-0.2V(vs.標準水素電極電位)で3時間の定電位電解の間、比較的安定な電流密度(-20mA・cm-2)であった。コバルト含有酸化物D(NaCoO)を使用した実施例4、コバルト含有酸化物E(CaCo)を使用した実施例5、コバルト含有酸化物F(SrCo15)を使用した実施例6、コバルト含有酸化物G(BaCoO)を使用した実施例7は、実施例1~3と比べて、電流密度が徐々に低下した。また、コバルト含有酸化物H(LaCoO)を使用した実施例8は、比較的安定な電流密度であったが、実施例1~3と比べて低い電流密度であった。
【0063】
図6に、実施例1~8の硝酸イオンの還元反応試験において、-0.2V(vs.標準水素電極電位)の定電位電解1時間後、2時間後、3時間後のアンモニウムイオン(NH )生成及び亜硝酸イオン(NO )生成のファラデー効率を示す。実施例1~8はいずれも、アンモニウムイオン(NH )生成において高いファラデー効率を示した。また、表5に示すように、実施例1~8はいずれも、アンモニウムイオン(NH )生成において高い反応速度を示した。-0.2Vの定電位電解3時間後の、アンモニウムイオン(NH )生成のファラデー効率の維持率及び反応速度の維持率に関しては、コバルト含有酸化物A(CoO)を使用した実施例1、コバルト含有酸化物B(Co)を使用した実施例2、コバルト含有酸化物C(LiCoO)を使用した実施例3が、実施例4~8と比べて、好ましい結果となった。この結果から、定電位電解を行う前と後のCo-K吸収端エネルギーの変化量(ΔEedge)が1eV未満であるコバルト含有化合物を使用することで、触媒の劣化を抑制(すなわち、触媒の耐久性を向上)することができると言える。
【0064】
図7に、実施例1~8のアンモニウムイオン(NH )生成及び亜硝酸イオン(NO )生成の反応速度の3時間平均をコバルト含有酸化物のCo-Co結合距離(dCo-Co)に対してプロットした結果を示す。図7の上段の図に示すように、アンモニウムイオン(NH )生成の反応速度は、コバルト含有酸化物のCo-Co結合距離(dCo-Co)が短くなるほど増加した。また、図7の下段の図に示すように、亜硝酸イオン(NO )生成の反応速度に関しては、コバルト含有酸化物のCo-Co結合距離(dCo-Co)が約2.0Åより大きくなるにしたがって減少し、コバルト含有酸化物のCo-Co結合距離(dCo-Co)が2.4~2.7Åでは0となり、コバルト含有酸化物のCo-Co結合距離(dCo-Co)が2.7Å以降では増加し、3.2Åで最大となった。この結果から、コバルト含有酸化物のCo-Co結合距離(dCo-Co)が2.7Å以下の方が、2.7Åを超える場合より、硝酸イオンからアンモニウムイオン生成の還元反応がより促進されると言える。
【0065】
図8に、比較例1~2の硝酸イオンの還元反応試験において、-0.2V(vs.標準水素電極電位)で1時間の定電位電解を行った際のカソード電極の電流密度(jele(mA・cm-2))の推移を示す。また、図9に、比較例1~2の硝酸イオンの還元反応試験において、-0.2V(vs.標準水素電極電位)の定電位電解1時間後のアンモニウムイオン(NH )生成及び亜硝酸イオン(NO )生成のファラデー効率を示す。比較酸化物A(LiMn)を使用した比較例1では、硝酸イオンからアンモニウムイオンが生成されるより、亜硝酸イオンが選択的に生成された。また、比較酸化物B(SrFeMoO)を使用した比較例2では、硝酸イオンからアンモニウムイオンが選択的に生成されるものの、アンモニウムイオン生成のファラデー効率は実施例より低かった。
【0066】
これらの結果から、粒径が0.1μmを超えるバルク状のコバルト含有酸化物を含む電極触媒を含むカソード電極を使用することにより、硝酸イオンからアンモニアへの還元反応を促進することができると言える。
【符号の説明】
【0067】
1 電解装置、10 カソード電極、12 アノード電極、14 収容容器、16 隔膜、18 カソード室、20 アノード室、22 電解液。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9