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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024012504
(43)【公開日】2024-01-30
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20240123BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20240123BHJP
   G09G 3/3233 20160101ALI20240123BHJP
   H10K 77/10 20230101ALI20240123BHJP
   H10K 59/123 20230101ALI20240123BHJP
   H10K 59/131 20230101ALI20240123BHJP
   H10K 59/80 20230101ALI20240123BHJP
   H10K 59/121 20230101ALI20240123BHJP
   H10K 59/35 20230101ALI20240123BHJP
【FI】
G09F9/30 338
G09F9/30 365
G09G3/20 624B
G09G3/20 680G
G09G3/20 611H
G09G3/20 642A
G09G3/20 642K
G09G3/3233
H10K77/10
H10K59/123
H10K59/131
H10K59/80
H10K59/121
H10K59/35 553
【審査請求】有
【請求項の数】24
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023188555
(22)【出願日】2023-11-02
(62)【分割の表示】P 2021167632の分割
【原出願日】2020-07-10
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-01-16
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】横野 示寛
(57)【要約】
【課題】高精細化を図りつつ輝度ムラを低減する。
【解決手段】表示装置の第1駆動回路、第2駆動回路及び第3駆動回路の各々は、書込みトランジスタ、駆動トランジスタ、第1トランジスタ及び第2トランジスタを有し、第1トランジスタのソース領域又はドレイン領域は、第1発光素子、第2発光素子及び第3発光素子のうちの対応する発光素子のアノード電極に接続され、第2トランジスタは、給電線とアノード電極との間に接続され、第2駆動回路は、第1駆動回路と第3駆動回路との間に配置され、第2駆動回路は、第1駆動回路及び第3駆動回路と隣接し、第1駆動回路、第2駆動回路及び第3駆動回路に対して、半導体基板のウェル領域に電圧を供給するウェルタップが1つだけ設けられ、ウェルタップは、第1駆動回路の駆動トランジスタのゲート電極と第3駆動回路の駆動トランジスタのゲート電極との間に配置される。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、
前記半導体基板上に設けられた第1駆動回路と、
前記半導体基板上に設けられた第2駆動回路と、
前記半導体基板上に設けられた第3駆動回路と、
前記第1駆動回路によって駆動される第1発光素子と、
前記第2駆動回路によって駆動される第2発光素子と、
前記第3駆動回路によって駆動される第3発光素子と、
を備え、
前記第1駆動回路、前記第2駆動回路及び前記第3駆動回路の各々は、書込みトランジスタ、駆動トランジスタ、第1トランジスタ及び第2トランジスタを有し、
前記第1トランジスタのソース領域又はドレイン領域は、前記第1発光素子、前記第2発光素子及び前記第3発光素子のうちの対応する発光素子のアノード電極に接続され、
前記第2トランジスタは、給電線と前記アノード電極との間に接続され、
前記第2駆動回路は、前記第1駆動回路と前記第3駆動回路との間に配置され、
前記第2駆動回路は、前記第1駆動回路及び前記第3駆動回路と隣接し、
前記第1駆動回路、前記第2駆動回路及び前記第3駆動回路に対して、前記半導体基板のウェル領域に電圧を供給するウェルタップが1つだけ設けられ、
前記ウェルタップは、前記第1駆動回路の駆動トランジスタのゲート電極と前記第3駆動回路の駆動トランジスタのゲート電極との間に配置される、
表示装置。
【請求項2】
前記第2駆動回路の前記駆動トランジスタの前記ゲート電極は、前記第1駆動回路の前記駆動トランジスタの前記ゲート電極と前記第3駆動回路の前記駆動トランジスタの前記ゲート電極と前記ウェルタップとの配列方向から外れた位置に配置される、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
制御線は、前記第2トランジスタのゲート電極に第1コンタクト部を介して接続され、前記第1コンタクト部は前記第2トランジスタのチャネル長方向と平行な中心線からずれて配置されている、
請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
制御線は、前記半導体基板の基板厚方向において前記第2トランジスタのゲート電極に重なっている、
請求項1~3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記書込みトランジスタ、前記駆動トランジスタ、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタは、同じ導電型のトランジスタである、
請求項1~4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
走査線は、前記書込みトランジスタのゲート電極に第2コンタクト部を介して接続され、前記第2コンタクト部は前記書込みトランジスタのチャネル長方向と平行な中心線からずれて配置される、
請求項1~5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
走査線は、前記半導体基板の基板厚方向において前記書込みトランジスタのゲート電極に重なっている、
請求項1~6のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1トランジスタは、初期化トランジスタである、
請求項1~7のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第2トランジスタは、発光制御トランジスタである、
請求項1~8のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項10】
半導体基板と、
前記半導体基板上に設けられた第1駆動回路と、
前記半導体基板上に設けられた第2駆動回路と、
前記半導体基板上に設けられた第3駆動回路と、
前記第1駆動回路によって駆動される第1発光素子と、
前記第2駆動回路によって駆動される第2発光素子と、
前記第3駆動回路によって駆動される第3発光素子と、
を備え、
前記第1駆動回路、前記第2駆動回路及び前記第3駆動回路の各々は、第1トランジスタ、第2トランジスタ、第3トランジスタ、及び第4トランジスタを有し、
前記第1トランジスタは、信号線と前記第2トランジスタのゲート電極との間に接続され、
前記第3トランジスタのソース領域又はドレイン領域は、前記第1発光素子、前記第2発光素子及び前記第3発光素子のうちの対応する発光素子のアノード電極に接続され、
前記第2トランジスタ及び前記第4トランジスタは、給電線と前記アノード電極との間に接続され、
前記第2駆動回路は、前記第1駆動回路と前記第3駆動回路との間に配置され、
前記第2駆動回路は、前記第1駆動回路及び前記第3駆動回路と隣接し、
前記第1駆動回路、前記第2駆動回路及び前記第3駆動回路に対して、前記半導体基板のウェル領域に電圧を供給するウェルタップが1つだけ設けられ、
前記ウェルタップは、前記第1駆動回路の第2トランジスタのゲート電極と前記第3駆動回路の第2トランジスタのゲート電極との間に配置されている、
表示装置。
【請求項11】
前記第2駆動回路の前記第2トランジスタの前記ゲート電極は、前記第1駆動回路の前記第2トランジスタの前記ゲート電極と前記第3駆動回路の前記第2トランジスタの前記ゲート電極と前記ウェルタップとの配列方向から外れた位置に配置される、
請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
制御線は、前記第4トランジスタのゲート電極に第1コンタクト部を介して接続され、前記第1コンタクト部は前記第4トランジスタのチャネル長方向と平行な中心線からずれて配置されている、
請求項10又は11に記載の表示装置。
【請求項13】
制御線は、前記半導体基板の基板厚方向において前記第4トランジスタのゲート電極に重なっている、
請求項10~12のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項14】
前記第1トランジスタ、前記第2トランジスタ、前記第3トランジスタ及び前記第4トランジスタは、同じ導電型のトランジスタである、
請求項10~13のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項15】
走査線は、前記第1トランジスタのゲート電極に第2コンタクト部を介して接続され、前記第2コンタクト部は前記第1トランジスタのチャネル長方向と平行な中心線からずれて配置される、
請求項10~14のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項16】
走査線は、前記半導体基板の基板厚方向において前記第1トランジスタのゲート電極に重なっている、
請求項10~15のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項17】
前記第1トランジスタは、書込みトランジスタである、
請求項10~16のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項18】
前記第2トランジスタは、駆動トランジスタである、
請求項10~17のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項19】
前記第3トランジスタは、初期化トランジスタである、
請求項10~18のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項20】
前記第4トランジスタは、発光制御トランジスタである、
請求項10~19のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項21】
前記第1駆動回路、前記第2駆動回路、及び前記第3駆動回路は、ストライプ状配列されている、
請求項1~20のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項22】
前記第1駆動回路は、赤色画素に対応する前記第1発光素子に接続されており、
前記第2駆動回路は、緑色画素に対応する前記第2発光素子に接続されており、
前記第3駆動回路は、青色画素に対応する前記第3発光素子に接続されている、
請求項1~21のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項23】
前記第1発光素子、前記第2発光素子及び前記第3発光素子は、ストライプ状配列、モザイク状配列、正方配列またはデルタ配列で配置されている、
請求項1~22のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項24】
前記第1発光素子、前記第2発光素子及び前記第3発光素子は、有機エレクトロルミネッセンス素子を含んで構成される、
請求項1~23のいずれか1項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
トランジスタを含む駆動回路がマトリクス状に配置された駆動回路アレイ基板と、その上部にアレイ状に配置された発光素子とを備えた表示装置が知られている。例えば、シリコン基板に駆動回路を形成し、その上部に、有機発光層を含む発光素子を配置した小型高精細な自発光ディスプレイは、マイクロOLED(M-OLED:Micro Organic Light Emitting Diode)ディスプレイと呼ばれている。
【0003】
マイクロOLEDディスプレイは、高輝度、高精細および小容積といった特長を有する。このため、デジタルカメラ用の電子ビューファインダや、ヘッドマウントディスプレイ用の光学エンジンなどへの応用が進んでいる。発光素子を駆動するための回路として、トランジスタと容量部から構成された駆動回路が周知である(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-187672号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
表示装置の高精細化が進むほど、発光素子を駆動するための駆動回路に用いられるトランジスタのサイズも小さくする必要がある。しかしながら、トランジスタのサイズが小さくなるほど、トランジスタの閾値もばらつく。このため、定性的には、表示装置の高精細化が進むほど輝度ムラの程度が悪化する。
【0006】
従って、本開示の目的は、高精細化を図りつつ輝度ムラを低減することができる表示装置、係る表示装置を備えた電子機器、係る表示装置などに用いられる駆動回路アレイ基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための本開示に係る駆動回路アレイ基板は、
半導体基板にアレイ状に配置されている駆動回路を含んでおり、
隣接する複数の駆動回路から成る駆動回路群において、ウェルタップは、駆動回路群に含まれる複数の駆動回路のうち一部の駆動回路に設けられている、
駆動回路アレイ基板である。
【0008】
上記の目的を達成するための本開示に係る表示装置は、
半導体基板にアレイ状に配置されている駆動回路を含んでいる駆動回路アレイ基板と、
駆動回路の上部にアレイ状に配置されており、駆動回路によって駆動される発光素子と、
を備えており、
隣接する複数の駆動回路から成る駆動回路群において、ウェルタップは、駆動回路群に含まれる複数の駆動回路のうち一部の駆動回路に設けられている、
表示装置である。
【0009】
上記の目的を達成するための本開示に係る電子機器は、
半導体基板にアレイ状に配置されている駆動回路を含んでいる駆動回路アレイ基板と、
駆動回路の上部にアレイ状に配置されており、駆動回路によって駆動される発光素子と、
を備えており、
隣接する複数の駆動回路から成る駆動回路群において、ウェルタップは、駆動回路群に含まれる複数の駆動回路のうち一部の駆動回路に設けられている、
表示装置を備えた電子機器である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、第1の実施形態に係る表示装置の概念図である。
図2図2は、第(n,m)番目の画素(表示素子)の模式的な回路図である。
図3図3は、表示装置における画素(表示素子)を含む部分の模式的な一部断面図である。
図4図4Aおよび図4Bは、駆動回路の回路図と実際の回路配置との関係を説明するための図である。図4Aは回路図を示す。図4Bは基本的な素子配置を説明するための平面図である。
図5図5は、参考例の駆動回路アレイ基板における回路配置を説明するための基板等の模式的な一部平面図である。
図6図6は、参考例の駆動回路アレイ基板における各種制御線の配置を説明するための基板等の模式的な一部平面図である。
図7図7は、第1の実施形態に係る駆動回路アレイ基板における回路配置を説明するための基板等の模式的な一部平面図である。
図8図8Aおよび図8Bは、第1の実施形態に係る駆動回路アレイ基板における駆動回路群の配置関係を説明するための模式的な平面図である。
図9図9Aおよび図9Bは、図8Bに引き続き、第1の実施形態に係る駆動回路アレイ基板における駆動回路群の配置関係を説明するための模式的な平面図である。
図10図10Aおよび図10Bは、図9Bに引き続き、第1の実施形態に係る駆動回路アレイ基板における駆動回路群の配置関係を説明するための模式的な平面図である。
図11図11Aおよび図11Bは、図10Bに引き続き、第1の実施形態に係る駆動回路アレイ基板における駆動回路群の配置関係を説明するための模式的な平面図である。
図12図12は、第1の実施形態に係る駆動回路アレイ基板における各種制御線の配置を説明するための基板等の模式的な一部平面図である。
図13図13は、図12に引き続き、第1の実施形態に係る駆動回路アレイ基板における各種制御線の配置を説明するための基板等の模式的な一部平面図である。
図14図14は、図13に引き続き、第1の実施形態に係る駆動回路アレイ基板における各種制御線の配置を説明するための基板等の模式的な一部平面図である。
図15図15は、駆動回路と発光素子との配置関係の例を説明するための図である。図15Aは駆動回路の回路配置を示す模式的な一部平面図である。図15Bは発光素子の配置を示す模式的な一部平面図である。
図16図16Aおよび図16Bは、図15Bに引き続き、発光素子の配置を示す模式的な一部平面図である。
図17図17は、第1の変形例に係る駆動回路アレイ基板における回路配置を説明するための基板等の模式的な一部平面図である。
図18図18Aおよび図18Bは、第1の変形例に係る駆動回路アレイ基板における駆動回路群の配置関係を説明するための模式的な平面図である。
図19図19Aおよび図19Bは、図18Bに引き続き、第1の変形例に係る駆動回路アレイ基板における駆動回路群の配置関係を説明するための模式的な平面図である。
図20図20は、第2の変形例に係る駆動回路アレイ基板における回路配置を説明するための基板等の模式的な一部平面図である。
図21図21は、駆動回路と発光素子との配置関係の例を説明するための図である。図21Aは駆動回路の回路配置を示す模式的な一部平面図である。図21Bは発光素子の配置を示す模式的な一部平面図である。
図22図22Aおよび図22Bは、図21Bに引き続き、発光素子の配置を示す模式的な一部平面図である。
図23図23は、図22Bに引き続き、発光素子の配置を示す模式的な一部平面図である。
図24図24は、レンズ交換式一眼レフレックスタイプのデジタルスチルカメラの外観図であり、図24Aにその正面図を示し、図24Bにその背面図を示す。
図25図25は、ヘッドマウントディスプレイの外観図である。
図26図26は、シースルーヘッドマウントディスプレイの外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、実施形態に基づいて本開示を説明する。本開示は実施形態に限定されるものではなく、実施形態における種々の数値や材料は例示である。以下の説明において、同一要素または同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。尚、説明は、以下の順序で行う。
1.本開示に係る、駆動回路アレイ基板、表示装置および電子機器、全般に関する説明
2.第1の実施形態
3.第1の変形例
4.第2の変形例
5.電子機器の説明
6.その他
【0012】
[本開示に係る、駆動回路アレイ基板、表示装置および電子機器、全般に関する説明]
以下の説明において、本開示に係る駆動回路アレイ基板、本開示に係る表示装置に用いられる駆動回路アレイ基板および本開示に係る電子機器が備える表示装置に用いられる駆動回路アレイ基板を、単に、[本開示の駆動回路アレイ基板]と呼ぶ場合がある。また、本開示に係る表示装置および本開示に係る電子機器に用いられる表示装置を、単に、[本開示の表示装置]と呼ぶ場合がある。
【0013】
上述したように、本開示の駆動回路アレイ基板は、
半導体基板にアレイ状に配置されている駆動回路を含んでおり、
隣接する複数の駆動回路から成る駆動回路群において、ウェルタップは、駆動回路群に含まれる複数の駆動回路のうち一部の駆動回路に設けられている。
【0014】
駆動回路群に含まれる駆動回路のすべてにウェルタップを設ける構成に対して、一部の駆動回路にウェルタップを設ける構成にあっては、ウェルタップの占める領域の割合を小さくすることができる。このため、トランジスタ等を配置する領域をその分拡大することができる。
【0015】
本開示の駆動回路アレイ基板にあっては、駆動回路群に含まれる複数の駆動回路において、所定の駆動回路を構成するトランジスタは、他の駆動回路のトランジスタに対してサイズが拡大されている構成とすることができる。この場合において、所定の駆動回路を構成するトランジスタのうち電流供給用トランジスタのサイズが拡大されている構成とすることができる。
【0016】
上述した各種の好ましい構成を含む本開示の駆動回路アレイ基板にあっては、駆動回路群に含まれる複数の駆動回路において、ウェルタップは所定の駆動回路に設けられている構成とすることができる。
【0017】
上述した各種の好ましい構成を含む本開示の駆動回路アレイ基板にあっては、
駆動回路群は、第1駆動回路、第2駆動回路および第3駆動回路を含んでおり、
第2駆動回路は、第1駆動回路と第3駆動回路とに挟まれるように配置されており、
ウェルタップは、第2駆動回路に設けられており、
第2駆動回路を構成するトランジスタは、第1駆動回路および第3駆動回路のトランジスタに対してサイズが拡大されている構成とすることができる。
【0018】
この場合にあっては、駆動回路群において、第3駆動回路は、第1駆動回路を上下および左右に反転した回路配置を有する構成とすることができる。
【0019】
あるいは又、この場合において、駆動回路の長手方向に並んで隣接する一対の駆動回路群が繰り返し単位となるように配置されている構成とすることができる。一対の駆動回路群のうち一方の駆動回路群に属する第1駆動回路と第3駆動回路は、それぞれ、他方の駆動回路群に属する第1駆動回路と第3駆動回路を上下に反転した回路配置を有する構成とすることができる。また、一対の駆動回路群のうち一方の駆動回路群に属する第2駆動回路は、他方の駆動回路群に属する第2駆動回路を左右に反転した回路配置または上下および左右に反転した回路配置を有する構成とすることができる。
【0020】
あるいは又、この場合において、駆動回路群は、更に、第4駆動回路を含む構成とすることができる。
【0021】
上述した各種の好ましい構成を含む本開示の駆動回路アレイ基板において、各駆動回路の配列は特に限定するものではなく、例えば、ストライプ状配列、モザイク状配列またはデルタ配列とすることができる。回路形成プロセスの容易化などの観点からは、各駆動回路はストライプ状配列されていることが好ましい。
【0022】
上述したように、本開示の表示装置は、
半導体基板にアレイ状に配置されている駆動回路を含んでいる駆動回路アレイ基板と、
駆動回路の上部にアレイ状に配置されており、駆動回路によって駆動される発光素子と、
を備えており、
隣接する複数の駆動回路から成る駆動回路群において、ウェルタップは、駆動回路群に含まれる複数の駆動回路のうち一部の駆動回路に設けられている。
【0023】
本開示の表示装置にあっては、
駆動回路群は、第1駆動回路、第2駆動回路および第3駆動回路を含んでおり、
第2駆動回路は、第1駆動回路と第3駆動回路とに挟まれるように配置されており、
ウェルタップは、第2駆動回路に設けられており、
第2駆動回路を構成するトランジスタは、第1駆動回路および第3駆動回路のトランジスタに対してサイズが拡大されており、
第1駆動回路と第3駆動回路とは、それぞれ、赤色画素に対応する発光素子と青色画素に対応する発光素子に接続されており、
第2駆動回路は、緑色画素に対応する発光素子に接続されている構成とすることができる。
【0024】
第2駆動回路を構成するトランジスタのうち電流供給用トランジスタのサイズが拡大されている構成とすることによって、緑色画素に対応する発光素子に電流を流すトランジスタの閾値のばらつきが低減する。緑色は視感度が高いので、輝度ムラをより効果的に低減することができる。
【0025】
上述した好ましい構成の本開示の表示装置において、駆動回路群は、更に、白色画素に対応する発光素子に接続されている第4駆動回路を含んでいる構成とすることができる。
【0026】
上述した各種の好ましい構成を含む本開示の表示装置において、各発光素子は、ストライプ状配列、モザイク状配列、正方配列またはデルタ配列で配置されている構成とすることができる。
【0027】
上述した各種の好ましい構成を含む本開示の表示装置にあっては、例えば、流れる電流値に応じて発光輝度が変化する電流駆動型の発光素子を用いることができる。電流駆動型の発光素子として、有機エレクトロルミネッセンス素子、LED素子、半導体レーザ素子などを挙げることができる。これらの素子は、周知の材料や方法を用いて構成することができる。平面型の表示装置を構成する観点からは、中でも、発光素子は有機エレクトロルミネッセンス素子から成る構成とすることが好ましい。
【0028】
有機エレクトロルミネッセンス素子は、アノード電極とカソード電極との間に複数の材料層が積層されて成る有機層が配されることによって形成される。有機層は、アノード電極とカソード電極との間に電圧が印加されることによって発光する。有機層は、例えば、アノード電極側から、正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層、および、電子注入層を順に積層した構造で構成することができる。有機層を構成する正孔輸送材料、正孔輸送材料、電子輸送材料、有機発光材料は特に限定するものではなく、周知の材料を用いることができる。
【0029】
有機エレクトロルミネッセンス素子は、例えば、白色を発光するように形成されている構成とすることができる。この構成は、有機層を共通層として形成することができるといった利点を有する。白色を発光する有機層は、複数の有機発光層を電荷発生層または中間電極を介して接続した、いわゆるタンデム型構造で構成されていてもよい。例えば、赤色発光、緑色発光、青色発光の有機発光層を積層することによって、あるいは又、黄色発光、青色発光の有機発光層を積層することによって、白色で発光する発光素子を構成することができる。カラー表示を行う場合には、表示すべき色に応じたカラーフィルタを各発光素子に対応して適宜配置すればよい。カラーフィルタは、例えば、顔料または染料を含ませた樹脂材料などを用いて形成することができる。
【0030】
あるいは又、有機エレクトロルミネッセンス素子は、赤色光、緑色光または青色光のいずれかを発光するように形成されている構成とすることもできる。この構成は有機層の形成プロセスが複雑となるものの、発光効率の点で優れているといった利点を有する。尚、この場合においても、色純度の向上などのため、表示すべき色に応じたカラーフィルタを配置してもよい。
【0031】
表示装置は、モノクロ画像を表示する構成であってもよいし、カラー画像を表示する構成であってもよい。表示装置の画素(ピクセル)の値として、U-XGA(1600,1200)、HD-TV(1920,1080)、Q-XGA(2048,1536)の他、(3840,2160)、(7680,4320)等、画像用解像度の幾つかを例示することができるが、これらの値に限定するものではない。
【0032】
本開示の電子機器は、上述した各種の好ましい構成を含む本開示の表示装置を備えた構成とすることができる。電子機器として、直視型や投射型の表示装置の他、画像表示機能を備えた各種の電子機器を例示することができる。
【0033】
以下、本開示の駆動回路アレイ基板、本開示の表示装置および本開示の電子機器を、単に、[本開示]と呼ぶ場合がある。
【0034】
本開示に用いられる半導体基板として、例えばシリコンから成る半導体基板の他、石英などの基板上にシリコン単結晶層などの半導体材料層が形成された基板を用いることができる。
【0035】
駆動回路に用いられるトランジスタの導電型は特に限定するものではない。例えば、pチャネル型トランジスタから成る構成であってもよいし、nチャネル型トランジスタから成る構成であってもよい。例えばシリコン単結晶層にウェル領域を設け、ウェル領域内にトランジスタを形成するといった構成とすればよい。
【0036】
本開示に用いられる各種の配線や電極を構成する材料は、本開示の実施に支障がない限り、特に限定するものではない。例えば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、AlCuやAlSi等のアルミニウム合金、タングステン(W)、タングステンシリサイド(WSi)などのタングステン合金といった金属材料を用いることができる。
【0037】
本開示に用いられる絶縁層や絶縁膜などを構成する材料は、本開示の実施に支障がない限り、特に限定するものではない。例えば、シリコン酸化物(SiOx)、シリコン窒化物(SiNx)、もしくはシリコン酸窒化物(SiOxy)などの無機絶縁材料や、ポリイミド系樹脂、アクリル系樹脂、もしくはノボラック系樹脂などの有機絶縁材料を用いることができる。
【0038】
配線や電極の他、絶縁層や絶縁膜などの成膜方法は特に限定するものではなく、本開示の実施に支障がない限り、周知の成膜方法を用いて成膜することができる。これらのパターニング方法についても同様である。
【0039】
本明細書における各種の条件は、厳密に成立する場合の他、実質的に成立する場合にも満たされる。設計上あるいは製造上生ずる種々のばらつきの存在は許容される。また、以下の説明で用いる各図面は模式的なものであり、実際の寸法やその割合を示すものではない。
【0040】
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、本開示に係る、駆動回路アレイ基板、表示装置および電子機器に関する。
【0041】
図1は、第1の実施形態に係る表示装置の概念図である。
【0042】
第1の実施形態に係る表示装置は、アクティブマトリクス方式の表示装置である。表示装置1は、マトリクス状に配置されている画素10、画素10を制御するための水平駆動回路11、垂直駆動回路12、初期化回路13および発光制御回路14といった各種回路を備えている。符号SCLは画素10を走査するための走査線であり、符号DTLは画素10に各種の電圧を供給するための信号線である。また、符号DSは画素10の発光/非発光を制御する制御線であり、符号AZは画素10の初期化のための制御線である。
【0043】
画素10は、走査線SCL、データ線DTL、制御線AZおよび制御線DSに接続された状態で、例えば行方向(図においてX方向)にM個、列方向(図においてY方向)にN個、合計M×N個が、マトリクス状に配置されている。2次元マトリクス状に配列された画素10によって、画像を表示する表示領域が構成される。
【0044】
走査線SCL、制御線AZおよび制御線DSの本数は、それぞれM本である。第m行目(但し、m=1,2・・・,M)の画素10は、第m番目の走査線SCLm、制御線AZmおよび制御線DSmに接続されており、1つの画素行を構成する。また、データ線DTLの本数はN本である。第n列目(但し、n=1,2・・・,N)の画素10は、第n番目のデータ線DTLnに接続されている。尚、図1では記載を省略しているが、表示装置1は、全ての画素10に共通に接続される共通給電線などを備えている。
【0045】
画素10、水平駆動回路11、垂直駆動回路12、初期化回路13および発光制御回路14は、基板に一体として構成されている。即ち、表示装置1は、ドライバ回路一体型の表示装置である。
【0046】
垂直駆動回路12には、例えば図示せぬ装置から、表示すべき画像に応じた階調を表すデジタル信号が供給される。垂直駆動回路12は、階調値に応じたアナログ信号を生成し、映像信号としてデータ線DTLに供給する。生成するアナログ信号の最大値は垂直駆動回路12に供給される電源電圧と略同等であって、振れ幅は数ボルト程度といった信号である。
【0047】
初期化回路13は、制御線AZに制御信号を供給する。この制御信号によって、画素10に含まれる発光素子の電位が初期化される。そして、水平駆動回路11は、走査線SCLに走査信号を供給する。この走査信号によって、画素10は例えば行単位で線順次走査される。走査された画素10には、データ線DTLからのアナログ信号が書き込まれる。
【0048】
発光制御回路14は、制御線DSに制御信号を供給する。この制御信号によって、画素の発光/非発光が制御される。
【0049】
発光装置1はカラー表示が可能な発光装置である。図1において、赤色表示、緑色表示、青色表示に対応する発光素子をそれぞれ符号R,G,Bで示した。後述する図15Bなどにおいても同様である。行方向に並ぶ3つの画素10から成る群が1つのカラー画素を構成する。従って、N’=N/3とすれば、表示領域には、行方向にN’個、列方向にM個、合計N’×M個のカラー画素が配列される。
【0050】
上述したように、水平駆動回路11の走査信号によって、画素10は行単位で線順次走査される。第m行、第n列目に位置する画素10を、以下、第(n,m)番目の画素10と呼ぶ。
【0051】
表示装置1にあっては、第m行目に配列されたN個の画素10が同時に駆動される。換言すれば、行方向に沿って配されたN個の画素10にあっては、その発光/非発光のタイミングは、それらが属する行単位で制御される。表示装置1の表示フレームレートをFR(回/秒)と表せば、表示装置1を行単位で線順次走査するときの1行当たりの走査期間(いわゆる水平走査期間)は、(1/FR)×(1/M)秒未満である。
【0052】
以上、表示装置1の概要について説明した。次いで、画素10の基本的な構成について説明する。
【0053】
図2は、第(n,m)番目の画素(表示素子)の模式的な回路図である。
【0054】
図2に示すように、画素10は、電流駆動型の発光素子ELP、及び、発光素子ELPを駆動するための駆動回路DLを備えている。
【0055】
後で図3ないし図14を参照して詳しく説明するが、駆動回路DLは、半導体基板にアレイ状に配置されている。半導体基板は共通ウェル領域を有しており、駆動回路DLは、共通ウェル領域に配置されている。そして、隣接する複数の駆動回路DLから成る駆動回路群において、ウェルタップは、駆動回路群に含まれる複数の駆動回路のうち一部の駆動回路に設けられている。
【0056】
図2に示すように、駆動回路DLは、4つのトランジスタと2つの容量部を含んでいる。符号TRWは映像信号を書き込むための書込みトランジスタを示し、符号TRDRVは発光素子ELPに電流を流す駆動トランジスタを示す。また、符号TRAZは発光素子ELPのアノード電圧を初期化するための初期化トランジスタを示し、符号TRDSは、駆動トランジスタTRDRVと駆動電圧VCCが供給される給電線との間に配置された発光制御トランジスタTRを示す。これらは、pチャネル型トランジスタから構成されている。
【0057】
発光制御トランジスタTRDSにあっては、一方のソース/ドレイン領域が、駆動電圧VCCが供給される給電線と、容量部CSubの一方の電極に接続されている。また、他方のソース/ドレイン領域が、駆動トランジスタTDRVの一方のソース/ドレイン領域と、容量部CSubの他方の電極に接続されている。発光制御トランジスタTRDSの導通状態/非導通状態は、ゲート電極に接続された制御線DSmに供給される制御信号によって制御される。
【0058】
駆動トランジスタTDRVのゲート電極と一方のソース/ドレイン領域との間には容量部CSが接続されている。また、駆動トランジスタTDRVの他方のソース/ドレイン領域は発光素子ELPのアノード電極に接続されている。発光素子ELPのカソード電極は、電圧VCat(例えば接地電位)が供給される給電線に接続されている。発光素子ELPは有機エレクトロルミネッセンス素子から成る。
【0059】
書込みトランジスタTRWにあっては、一方のソース/ドレイン領域が、データ線DTLnに接続されている。また、他方のソース/ドレイン領域が、駆動トランジスタTDRVのゲート電極に接続されている。書込みトランジスタTRWの導通状態/非導通状態は、ゲート電極に接続された走査線SCLmに供給される走査信号によって制御される。
【0060】
初期化トランジスタTRAZにあっては、一方のソース/ドレイン領域が、所定の電圧VSS(例えば接地電位)が供給される給電線に接続されている。また、他方のソース/ドレイン領域が、発光部ELPのアノード電極に接続されている。初期化トランジスタTRAZの導通状態/非導通状態は、ゲート電極に接続された制御線AZmに供給される制御信号によって制御される。
【0061】
駆動回路DLの基本的な動作について説明する。発光制御トランジスタTRDSが非導通状態とされた状態で、初期化トランジスタTRAZが導通状態とされ、発光素子ELPのアノード電圧が初期化される。次いで、書込みトランジスタTRWが導通状態とされ、データ線DTLから信号電圧が駆動トランジスタTRDRVのゲート電極に印加される。容量部CSは、信号電圧に応じた電圧を保持する。容量部CSによって、駆動トランジスタTRDRVのVgs(ゲート電極とソース領域との間の電位差)が保持される。
【0062】
次いで、書込みトランジスタTRWが非導通状態とされ、発光制御トランジスタTRDSが導通状態とされる。駆動トランジスタTRDRVには、容量部CSに保持されたVgsに応じて、以下の式(1)に示す電流が流れる。
尚、駆動トランジスタTRDRVについて、
μ :実効的な移動度
L :チャネル長
W :チャネル幅
gs :ゲート電極とソース領域との間の電位差
th :閾値電圧
ox :(ゲート絶縁層の比誘電率)×(真空の誘電率)/(ゲート絶縁層の厚さ)
k≡(1/2)・(W/L)・Cox
とする。
【0063】
ds=k・μ・(Vgs-Vth2 (1)
【0064】
このドレイン電流Idsが発光素子ELPを流れることで、発光素子ELPは発光する。更には、このドレイン電流Idsの値の大小によって、発光素子の発光状態(輝度)が制御される。
【0065】
以上、画素10の基本的な構成について説明した。次いで、表示装置1を構成する各種構成要素の立体的な配置関係について説明する。
【0066】
図3は、表示装置における画素(表示素子)を含む部分の模式的な一部断面図である。
【0067】
まず、駆動回路アレイ基板20について説明する。符号21は例えばシリコンから成るp型の基板を示す。そして、基板21にn型の共通ウェル領域22が形成されている。駆動回路DLの各種トランジスタは、共通ウェル領域22に配置されている。尚、図示の都合上、図3にあっては、駆動トランジスタTRDRVのみが表されている。符号23はトランジスタを区画する素子分離領域を示し、符号24A,24Bは、駆動トランジスタトランジスタTRWの一対のソース/ドレイン領域を示す。一対のソース/ドレイン領域24A,24Bで挟まれた部分がチャネル領域を形成する。
【0068】
チャネル領域上にはゲート絶縁膜25が形成されており、その上に、ゲート電極26が形成されている。ゲート絶縁膜25は、例えば、シリコン酸化物(SiOx)やシリコン窒化物(SiNx)などを用いて形成することができる。ゲート電極26上を含む全面には層間絶縁膜27が形成されている。層間絶縁膜27は、例えば、シリコン酸化物(SiOx)、シリコン窒化物(SiNx)、またはシリコン酸窒化物(SiOxy)などを用いて形成することができる。ソース/ドレイン電極28A,28Bは、層間絶縁膜27に設けられた開口を介してトランジスタのソース/ドレイン領域に接続されている。ソース/ドレイン電極28A,28B上を含む全面には平坦化膜31が形成されている。平坦化膜31は各種材料層が積層されて構成されており、各種の配線や電極なども含むが、図においては省略されている。
【0069】
平坦化膜31上には、発光素子ELPのアノード電極32が形成されている。アノード電極32は、平坦化膜31に設けられた開口を介して、駆動トランジスタTRDRVの他方のソース/ドレイン電極28Bに接続されている。符号33は、それぞれ隣接するアノード電極32を区画する隔壁を示す。
【0070】
アノード電極32上や隔壁33上を含む全面には、複数の材料層が積層されて成る有機層40と、透明導電材料から成るカソード電極51が形成されている。アノード電極32と有機層40とカソード電極51とが積層されることで、発光素子ELPが形成される。表示装置1において、発光素子ELPが構成されている部分を符号FPで表す。
【0071】
カソード電極51上には保護膜52が形成されている。保護膜52は、例えば、ポリイミド系樹脂、アクリル系樹脂、もしくはノボラック系樹脂などの有機絶縁膜、またはシリコン酸化物(SiOx)、シリコン窒化物(SiNx)、もしくはシリコン酸窒化物(SiOxy)などの無機絶縁膜を用いて形成することができる。保護膜52上には、表示すべき色に応じたカラーフィルタ61と、透明基板62とが順次積層されている。有機層40において発光した光は、カラーフィルタ61と透明基板62とを透過して、外部に出射する。
【0072】
以上、表示装置1を構成する各種構成要素の立体的な配置関係について説明した。引き続き、駆動回路アレイ基板における駆動回路の回路配置について説明する。
【0073】
図4Aおよび図4Bは、駆動回路の回路図と実際の回路配置との関係を説明するための図である。図4Aは回路図を示す。図4Bは基本的な素子配置を説明するための平面図である。
【0074】
図4Bは、駆動回路DLに含まれるトランジスタの基本的な配置を示す。駆動回路DLに含まれるトランジスタは、共通ウェル領域における所定の区画内に形成されている。斜線を付した部分は、各トランジスタのチャネル領域上に位置するゲート電極を示す。符号WTPは、ウェル領域に電圧を供給するためのウェルタップを示す。
【0075】
ここで、本開示の理解を助けるため、参考例の駆動回路アレイ基板における回路配置などについて説明する。
【0076】
図5は、参考例の駆動回路アレイ基板における回路配置を説明するための基板等の模式的な一部平面図である。図6は、参考例の駆動回路アレイ基板における各種制御線の配置を説明するための基板等の模式的な一部平面図である。
【0077】
図5に示すように、参考例の駆動回路アレイ基板920にあっては、図4Bに示す配置の駆動回路DLがアレイ状に配置されている。各駆動回路は同一の配置関係を有しており、全ての駆動回路DLの領域には、ウェルタップWTPが設けられている。
【0078】
発明者は、一部の駆動回路についてウェルタップWTPを省略したとしてもウェル領域の電位を保てること、および、ウェルタップWTPが占める領域を削減することによって、駆動回路のトランジスタのサイズ拡大を図れることに注目した。
【0079】
図7は、第1の実施形態に係る駆動回路アレイ基板における回路配置を説明するための基板等の模式的な一部平面図である。
【0080】
図7に示すように、駆動回路アレイ基板20にあっては、隣接する複数の駆動回路から成る駆動回路群において、ウェルタップWTPは、駆動回路群に含まれる複数の駆動回路のうち一部の駆動回路に設けられている。
【0081】
そして、駆動回路群に含まれる複数の駆動回路において、所定の駆動回路を構成するトランジスタは、他の駆動回路のトランジスタに対してサイズが拡大されている。また、駆動回路群に含まれる複数の駆動回路において、ウェルタップは所定の駆動回路に設けられている。尚、各駆動回路は列方向に延びるストライプ状配列とされている。
【0082】
以下説明するように、駆動回路アレイ基板20において、駆動回路群は、第1駆動回路、第2駆動回路および第3駆動回路を含んでおり、
第2駆動回路は、第1駆動回路と第3駆動回路とに挟まれるように配置されており、
ウェルタップは、第2駆動回路に設けられており、
第2駆動回路を構成するトランジスタは、第1駆動回路および第3駆動回路のトランジスタに対してサイズが拡大されている。
【0083】
即ち、第1駆動回路DL_1A、第2駆動回路DL_2Aおよび第3駆動回路DL_3Aから成る、符号TypeAで示す駆動回路群において、ウェルタップWTPは、第2駆動回路DL_2Aにのみ設けられている。また、第1駆動回路DL_1B、第2駆動回路DL_2Bおよび第3駆動回路DL_3Bから成る、符号TypeBで示す駆動回路群において、ウェルタップWTPは、第2駆動回路DL_2Bにのみ設けられている。
【0084】
駆動回路アレイ基板20にあっては、駆動回路群において、第3駆動回路は、第1駆動回路を上下および左右に反転した回路配置を有する。即ち、第3駆動回路DL_3Aは、第1駆動回路DL_1Aを上下および左右に反転した回路配置を有する。また、第3駆動回路DL_3Bは、第1駆動回路DL_1Bを上下および左右に反転した回路配置を有する。
【0085】
そして、駆動回路の長手方向(図においてY方向)に並んで隣接する一対の駆動回路群(TypeAの駆動回路群とTypeBの駆動回路群)が繰り返し単位となるように配置されている。
【0086】
一対の駆動回路群のうち一方の駆動回路群に属する第1駆動回路と第3駆動回路は、それぞれ、他方の駆動回路群に属する第1駆動回路と第3駆動回路を上下に反転した回路配置を有する。即ち、TypeBの駆動回路群の第1駆動回路DL_1Bと第3駆動回路DL_3Bは、それぞれ、TypeAの駆動回路群に属する第1駆動回路DL_1Aと第3駆動回路DL_3Aを上下に反転した回路配置を有する。
【0087】
また、一対の駆動回路群のうち一方の駆動回路群に属する第2駆動回路は、他方の駆動回路群に属する第2駆動回路を上下および左右に反転した回路配置を有する。即ち、TypeBの駆動回路群の第2駆動回路DL_2Bは、TypeAの駆動回路群に属する第2駆動回路DL_2Aを上下および左右に反転した回路配置を有する。
【0088】
駆動回路DL_1Aと駆動回路DL_1BにおいてウェルタップWTPが省略された領域には、第2駆動回路DL_2Aにおいてサイズが拡大された駆動トランジスタが配置されている。同様に、駆動回路DL_3Bと駆動回路DL_3AにおいてウェルタップWTPが省略された領域には、第2駆動回路DL_2Bにおいてサイズが拡大された駆動トランジスタが配置されている。このように、所定の駆動回路を構成するトランジスタのうち電流供給用トランジスタのサイズが拡大されている。
【0089】
トランジスタの閾値電圧のばらつきσVthに関する一般式を、以下の式(2)に示す。
【0090】
σVth=(q/3ε01/2・(TINV・(Vth+V0)/(L・W))1/2 (2)
尚、
q :電荷素量
ε0 :真空の誘電率
INV :酸化膜厚
th :閾値電圧
0 :-VFB-2Φ
(VFBはフラットバンド電位、Φはフェルミ準位と真正フェルミ準位との差)
L :チャネル長
W :チャネル幅
とする。
【0091】
上記の式(2)から明らかなように、トランジスタのサイズを拡大してチャネル長Lやチャネル幅Wを拡大することによって、閾値電圧のばらつきを低減することができる。
【0092】
図1に示す表示装置1において、第1駆動回路DL_1A,1Bと第3駆動回路DL_3A,3Bとは、それぞれ、赤色画素に対応する発光素子と青色画素に対応する発光素子に接続されており、第2駆動回路DL_2A,2Bは、緑色画素に対応する発光素子に接続されている。緑色は、赤色および青色に対して相対的に視感度が高い。従って、緑色の発光素子に電流を供給する第2駆動回路DL_2A,2Bに含まれる駆動トランジスタTRDRVのサイズを拡大することによって、輝度ムラをより効果的に低減することができる。
【0093】
引き続き、参考例の駆動回路の配置から第1の実施形態の駆動回路の配置に至るまでの変遷について、図8ないし図11を参照して説明する。
【0094】
図8Aに示すように、参考例の一対の駆動画素群のうち上側の駆動画素群の右側に位置する第3駆動回路DL_3Aを基準として考える。図8Bに示すように、上側の駆動画素群の第1駆動回路DL_1Aを、第3駆動回路DL_3Aを上下および左右に反転させた回路配置とする。また、下側の駆動画素群の第1駆動回路DL_1Bと第3駆動回路DL_3Bとを、それぞれ、上側の駆動画素群の回路を上下方向に反転させた回路配置とする。図8Bに示す例では、上側および下側の駆動画素群における第1駆動回路DL_1A,1BのウェルタップWTPが隣り合う。
【0095】
次いで、図9Aに示すように、各駆動回路のウェルタップWTPを省略する。これによって、第2駆動回路を設けるべき領域に余地が生ずる。ウェルタップWTPの省略によって生じた余地を符号Roomで示す。その後、図9Bに示すように、第1駆動回路DL_1A,1Bに対して第3駆動回路DL_3A,3Bを列方向に所定量ずらす。
【0096】
そして、図10Aに示すように、第1駆動回路DL_1A,1Bと第3駆動回路DL_3A,3Bとの間に、ウェルタップWTPを有し、かつ、駆動トランジスタのサイズを拡大した第2駆動回路DL_2Aを配置する。これによって、図10Bに示すように、符号TypeAで示す駆動回路群が形成される。
【0097】
図11は、符号TypeAで示す駆動回路群の上または下に位置する駆動回路群を説明するための図である。図11Aに示す例では、上側および下側の駆動画素群における第3駆動回路DL_3B,3AのウェルタップWTPが隣り合った状態で省略されている。図11Bに示すように、第1駆動回路DL_1B,1Aと第3駆動回路DL_3B,3Aとの間に、ウェルタップWTPを有し、かつ、駆動トランジスタのサイズを拡大した第2駆動回路DL_2Bを配置する。図11Bに示す例では、符号TypeBで示す駆動回路群が形成されている。
【0098】
駆動回路アレイ基板20において、各駆動回路の平面配置は同一ではない。従って、参考例の駆動回路アレイ基板920に対して、制御線等の配置は複雑なものとなる。図12ないし図15に、制御線などの配置の様子を示す。図12は走査線SCL、図13は制御線AZ、図14は制御線DSの配置を示す。尚、信号線DTLについては図示を省略した。
【0099】
以上、駆動回路アレイ基板における駆動回路の回路配置について説明した。
【0100】
尚、発光素子の平面配置は、駆動回路の平面配置と一致していてもよいし、異なっていてもよい。アノード電極と駆動回路との間の配線の引き回し次第で、発光素子は任意の平面配置とすることができる。各発光素子は、例えば、ストライプ状配列、モザイク状配列、正方配列またはデルタ配列で配置することができる。
【0101】
図15は、駆動回路と発光素子との配置関係の例を説明するための図である。図15Aは駆動回路の回路配置を示す模式的な一部平面図である。図15Bは発光素子の配置を示す模式的な一部平面図である。図16Aおよび図16Bは、図15Bに引き続き、発光素子の配置を示す模式的な一部平面図である。
【0102】
図15Aに示すように、駆動回路群において各駆動回路は列方向にピッチがずれている。図15Bは、表示素子がピッチずれの無いストライプ状配列で配置されている例を示す。図16Aは、表示素子がモザイク状配列で配置されている例を示す。図16Bは、表示素子がデルタ配列で配置されている例を示す。
【0103】
以上、第1の実施形態について説明したが、発光素子ELPの発光を制御する駆動回路の構成は特に限定するものではない。従って、上述した駆動回路や回路配置は一例に過ぎない。本実施形態に係る表示装置にあっては種々の構成を取り得る。
【0104】
[第1の変形例]
第1の実施形態においては、種々の変形が可能である。以下、第1の変形例について説明する。
【0105】
図17は、第1の変形例に係る駆動回路アレイ基板における回路配置を説明するための基板等の模式的な一部平面図である。
【0106】
第1の実施形態において、図7を参照して、一対の駆動回路群のうち一方の駆動回路群に属する第2駆動回路は、他方の駆動回路群に属する第2駆動回路を上下および左右に反転した回路配置を有することを説明した。これに対し、第1の変形例にあっては、一対の駆動回路群のうち一方の駆動回路群に属する第2駆動回路は、他方の駆動回路群に属する第2駆動回路を左右に反転した回路配置を有する。
【0107】
引き続き、参考例の駆動回路の配置から第1の変形例の駆動回路の配置に至るまでの変遷について、図18ないし図19を参照して説明する。
【0108】
図18Aは、上述した図8A図8Bおよび図9Aに示す過程を行った後の状態を示す。各駆動回路のウェルタップWTPの省略によって生じた余地を符号Roomで示す。
す。
【0109】
そして、図18Bに示すように、第1駆動回路DL_1A,1Bと第3駆動回路DL_3A,3Bとの間に、ウェルタップWTPを有し、かつ、駆動トランジスタのサイズを拡大した第2駆動回路DL_2Aを配置する。図に示す例では、符号TypeAで示す駆動回路群が形成されている。
【0110】
図19は、符号TypeAで示す駆動回路群の上または下に位置する駆動回路群について説明する図である。図19Aに示す例では、上側および下側の駆動画素群における第3駆動回路DL_3B,3AのウェルタップWTPが隣り合った状態で省略される。図19Bに示すように、第1駆動回路DL_1B,1Aと第3駆動回路DL_3B,3Aとの間に、ウェルタップWTPを有し、かつ、駆動トランジスタのサイズを拡大した第2駆動回路DL_2Bを配置する。図に示す例では、符号TypeBで示す駆動回路群が形成されている。
【0111】
上述したように、第1の変形例では、第1駆動回路に対して第3駆動回路を列方向に所定量ずらすといったことを必要としない。第2駆動回路のみ列方向に所定量ずれるといった構成となる。
【0112】
[第2の変形例]
第2の変形例において、表示装置は更に白色画素を含んでいる。そして、駆動回路群は、更に、白色画素に対応する発光素子に接続されている第4駆動回路を含んでいる。
【0113】
図20は、第2の変形例に係る駆動回路アレイ基板における回路配置を説明するための基板等の模式的な一部平面図である。
【0114】
図20は、図7に示す駆動回路群を基本として、更に第4駆動回路を加えた例を示す。符号DL_4Aは、TypeAの駆動回路群に加えられた第4駆動回路を示し、符号DL_4Bは、TypeBの駆動回路群に加えられた第4駆動回路を示す。第4駆動回路DL_4A,DL_4Bは共にウェルタップWTPを有しており、また、第4駆動回路DL_4Bは第4駆動回路DL_4Aを上下方向に反転したといった回路配置を有する例を示す。
【0115】
第2の変形例はこれに限るものではない。例えば、図17に示す駆動回路群を基本として、更に第4駆動回路を加えるといった構成とすることができる。また、第4駆動回路においてもウェルタップを省略するといった構成とすることもできる。ウェルタップを省略した領域を利用して、更に駆動回路のトランジスタのサイズの拡大を図ることもできる。
【0116】
第2の変形例においても、発光素子の平面配置は、駆動回路の平面配置と一致していてもよいし、異なっていてもよい。アノード電極と駆動回路との間の配線の引き回し次第で、発光素子は任意の平面配置とすることができる。各発光素子は、例えば、ストライプ状配列、モザイク状配列、正方配列またはデルタ配列で配置することができる。
【0117】
図21ないし図23を参照して、駆動回路と発光素子との配置関係の例を説明する。
【0118】
図21Aに示すように、駆動回路群において第2駆動回路と第3駆動回路とは列方向にピッチがずれている。図21Bは、表示素子がピッチずれの無いストライプ状配列で配置されている例を示す。図22Aは、表示素子がモザイク状配列で配置されている例を示す。図22Bは、表示素子は正方配列で配置されている例を示す。図23は、表示素子はデルタ配列で配置されている例を示す。
【0119】
[電子機器の説明]
以上説明した本開示に係る表示装置は、電子機器に入力された映像信号、若しくは、電子機器内で生成した映像信号を、画像若しくは映像として表示するあらゆる分野の電子機器の表示部(表示装置)として用いることができる。一例として、例えば、テレビジョンセット、デジタルスチルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話機等の携帯端末装置、ビデオカメラ、ヘッドマウントディスプレイ(頭部装着型ディスプレイ)等の表示部として用いることができる。
【0120】
本開示の表示装置は、封止された構成のモジュール形状のものをも含む。尚、表示モジュールには、外部から画素アレイ部への信号等を入出力するための回路部やフレキシブルプリントサーキット(FPC)などが設けられていてもよい。以下に、本開示の表示装置を用いる電子機器の具体例として、デジタルスチルカメラ、及び、ヘッドマウントディスプレイを例示する。但し、ここで例示する具体例は一例に過ぎず、これに限られるものではない。
【0121】
(具体例1)
図24は、レンズ交換式一眼レフレックスタイプのデジタルスチルカメラの外観図であり、図24Aにその正面図を示し、図24Bにその背面図を示す。レンズ交換式一眼レフレックスタイプのデジタルスチルカメラは、例えば、カメラ本体部(カメラボディ)411の正面右側に交換式の撮影レンズユニット(交換レンズ)412を有し、正面左側に撮影者が把持するためのグリップ部413を有している。
【0122】
そして、カメラ本体部411の背面略中央にはモニタ414が設けられている。モニタ414の上部には、ビューファインダ(接眼窓)415が設けられている。撮影者は、ビューファインダ415を覗くことによって、撮影レンズユニット412から導かれた被写体の光像を視認して構図決定を行うことが可能である。
【0123】
上記の構成のレンズ交換式一眼レフレックスタイプのデジタルスチルカメラにおいて、そのビューファインダ415として本開示の表示装置を用いることができる。すなわち、本例に係るレンズ交換式一眼レフレックスタイプのデジタルスチルカメラは、そのビューファインダ415として本開示の表示装置を用いることによって作製される。
【0124】
(具体例2)
図25は、ヘッドマウントディスプレイの外観図である。ヘッドマウントディスプレイは、例えば、眼鏡形の表示部511の両側に、使用者の頭部に装着するための耳掛け部512を有している。このヘッドマウントディスプレイにおいて、その表示部511として本開示の表示装置を用いることができる。すなわち、本例に係るヘッドマウントディスプレイは、その表示部511として本開示の表示装置を用いることによって作製される。
【0125】
(具体例3)
図26は、シースルーヘッドマウントディスプレイの外観図である。シースルーヘッドマウントディスプレイ611は、本体部612、アーム613および鏡筒614で構成される。
【0126】
本体部612は、アーム613および眼鏡600と接続される。具体的には、本体部612の長辺方向の端部はアーム613と結合され、本体部612の側面の一側は接続部材を介して眼鏡600と連結される。なお、本体部612は、直接的に人体の頭部に装着されてもよい。
【0127】
本体部612は、シースルーヘッドマウントディスプレイ611の動作を制御するための制御基板や、表示部を内蔵する。アーム613は、本体部612と鏡筒614とを接続させ、鏡筒614を支える。具体的には、アーム613は、本体部612の端部および鏡筒614の端部とそれぞれ結合され、鏡筒614を固定する。また、アーム613は、本体部612から鏡筒614に提供される画像に係るデータを通信するための信号線を内蔵する。
【0128】
鏡筒614は、本体部612からアーム613を経由して提供される画像光を、接眼レンズを通じて、シースルーヘッドマウントディスプレイ611を装着するユーザの目に向かって投射する。このシースルーヘッドマウントディスプレイ611において、本体部612の表示部に、本開示の表示装置を用いることができる。
【0129】
[その他]
なお、本開示の技術は以下のような構成も取ることができる。
【0130】
[A1]
半導体基板にアレイ状に配置されている駆動回路を含んでおり、
隣接する複数の駆動回路から成る駆動回路群において、ウェルタップは、駆動回路群に含まれる複数の駆動回路のうち一部の駆動回路に設けられている、
駆動回路アレイ基板。
[A2]
駆動回路群に含まれる複数の駆動回路において、所定の駆動回路を構成するトランジスタは、他の駆動回路のトランジスタに対してサイズが拡大されている、
上記[A1]に記載の駆動回路アレイ基板。
[A3]
所定の駆動回路を構成するトランジスタのうち電流供給用トランジスタのサイズが拡大されている、
上記[A2]に記載の駆動回路アレイ基板。
[A4]
駆動回路群に含まれる複数の駆動回路において、ウェルタップは所定の駆動回路に設けられている、
上記[A2]または[A3]に記載の駆動回路アレイ基板。
[A5]
駆動回路群は、第1駆動回路、第2駆動回路および第3駆動回路を含んでおり、
第2駆動回路は、第1駆動回路と第3駆動回路とに挟まれるように配置されており、
ウェルタップは、第2駆動回路に設けられており、
第2駆動回路を構成するトランジスタは、第1駆動回路および第3駆動回路のトランジスタに対してサイズが拡大されている、
上記[A2]ないし[A4]のいずれかに記載の駆動回路アレイ基板。
[A6]
駆動回路群において、第3駆動回路は、第1駆動回路を上下および左右に反転した回路配置を有する、
上記[A5]に記載の駆動回路アレイ基板。
[A7]
駆動回路の長手方向に並んで隣接する一対の駆動回路群が繰り返し単位となるように配置されている、
上記[A5]または[A6]記載の駆動回路アレイ基板。
[A8]
一対の駆動回路群のうち一方の駆動回路群に属する第1駆動回路と第3駆動回路は、それぞれ、他方の駆動回路群に属する第1駆動回路と第3駆動回路を上下に反転した回路配置を有する、
上記[A7]に記載の駆動回路アレイ基板。
[A9]
一対の駆動回路群のうち一方の駆動回路群に属する第2駆動回路は、他方の駆動回路群に属する第2駆動回路を左右に反転した回路配置または上下および左右に反転した回路配置を有する、
上記[A8]に記載の駆動回路アレイ基板。
[A10]
駆動回路群は、更に、第4駆動回路を含む、
上記[A5]ないし[A9]のいずれかに記載の駆動回路アレイ基板。
[A11]
各駆動回路は、ストライプ状配列されている、
上記[A5]ないし[A10]のいずれかに記載の駆動回路アレイ基板。
【0131】
[B1]
半導体基板にアレイ状に配置されている駆動回路を含んでいる駆動回路アレイ基板と、
駆動回路の上部にアレイ状に配置されており、駆動回路によって駆動される発光素子と、
を備えており、
隣接する複数の駆動回路から成る駆動回路群において、ウェルタップは、駆動回路群に含まれる複数の駆動回路のうち一部の駆動回路に設けられている、
表示装置。
[B2]
駆動回路群に含まれる複数の駆動回路において、所定の駆動回路を構成するトランジスタのうち電流供給用トランジスタのサイズが拡大されている、
上記[B1]に記載の表示装置。
[B3]
駆動回路群に含まれる複数の駆動回路において、所定の駆動回路を構成するトランジスタのうち電流供給用トランジスタのサイズが拡大されている、
上記[B2]に記載の表示装置。
[B4]
駆動回路群に含まれる複数の駆動回路において、ウェルタップは所定の駆動回路に設けられている、
上記[B2]または[B3]に記載の表示装置。
[B5]
駆動回路群は、第1駆動回路、第2駆動回路および第3駆動回路を含んでおり、
第2駆動回路は、第1駆動回路と第3駆動回路とに挟まれるように配置されており、
ウェルタップは、第2駆動回路に設けられており、
第2駆動回路を構成するトランジスタは、第1駆動回路および第3駆動回路のトランジスタに対してサイズが拡大されており、
第1駆動回路と第3駆動回路とは、それぞれ、赤色画素に対応する発光素子と青色画素に対応する発光素子に接続されており、
第2駆動回路は、緑色画素に対応する発光素子に接続されている、
上記[B2]ないし[B4]のいずれかに記載の表示装置。
[B6]
駆動回路群は、更に、白色画素に対応する発光素子に接続されている第4駆動回路を含んでいる、
上記[B5]に記載の表示装置。
[B7]
各発光素子は、ストライプ状配列、モザイク状配列、正方配列またはデルタ配列で配置されている、
上記[B1]ないし[B6]のいずれかに記載の表示装置。
[B8]
発光素子は有機エレクトロルミネッセンス素子から成る、
上記[B1]ないし[B7]のいずれかに記載の表示装置。
【0132】
[C1]
半導体基板にアレイ状に配置されている駆動回路を含んでいる駆動回路アレイ基板と、
駆動回路の上部にアレイ状に配置されており、駆動回路によって駆動される発光素子と、
を備えており、
隣接する複数の駆動回路から成る駆動回路群において、ウェルタップは、駆動回路群に含まれる複数の駆動回路のうち一部の駆動回路に設けられている、
表示装置を備えた電子機器。
[C2]
駆動回路群に含まれる複数の駆動回路において、所定の駆動回路を構成するトランジスタのうち電流供給用トランジスタのサイズが拡大されている、
上記[C1]記載の電子機器。
[C3]
駆動回路群に含まれる複数の駆動回路において、所定の駆動回路を構成するトランジスタのうち電流供給用トランジスタのサイズが拡大されている、
上記[C2]記載の電子機器。
[C4]
駆動回路群に含まれる複数の駆動回路において、ウェルタップは所定の駆動回路に設けられている、
上記[C2]または[C3]記載の電子機器。
[C5]
駆動回路群は、第1駆動回路、第2駆動回路および第3駆動回路を含んでおり、
第2駆動回路は、第1駆動回路と第3駆動回路とに挟まれるように配置されており、
ウェルタップは、第2駆動回路に設けられており、
第2駆動回路を構成するトランジスタは、第1駆動回路および第3駆動回路のトランジスタに対してサイズが拡大されており、
第1駆動回路と第3駆動回路とは、それぞれ、赤色画素に対応する発光素子と青色画素に対応する発光素子に接続されており、
第2駆動回路は、緑色画素に対応する発光素子に接続されている、
上記[C2]ないし[C4]のいずれか記載の電子機器。
[C6]
駆動回路群は、更に、白色画素に対応する発光素子に接続されている第4駆動回路を含んでいる、
上記[C5]記載の電子機器。
[C7]
各発光素子は、ストライプ状配列、モザイク状配列、正方配列またはデルタ配列で配置されている、
上記[C1]ないし[C6]のいずれか記載の電子機器。
[C8]
発光素子は有機エレクトロルミネッセンス素子から成る、
上記[C1]ないし[C7]のいずれか記載の電子機器。
【符号の説明】
【0133】
1・・・表示装置、11・・・水平駆動回路、12・・・垂直駆動回路、13・・・初期化回路、14・・・発光制御回路、20,920・・・駆動回路アレイ基板、21・・・基板、22・・・共通ウェル領域、23・・・素子分離領域、24A,24B・・・ソース/ドレイン領域、25・・・ゲート絶縁膜、26・・・ゲート電極、27・・・層間絶縁膜、28A,28B・・・ソース/ドレイン電極、31・・・平坦化膜、32・・・アノード電極、33・・・隔壁、40・・・有機層、51・・・カソード電極、52・・・保護膜、61・・・カラーフィルタ、62・・・透明基板、411・・・カメラ本体部、412・・・撮影レンズユニット、413・・・グリップ部、414・・・モニタ、415・・・ビューファインダ、511・・・眼鏡形の表示部、512・・・耳掛け部、600・・・眼鏡、611・・・シースルーヘッドマウントディスプレイ、612・・・本体部、613・・・アーム、614・・・鏡筒
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
【手続補正書】
【提出日】2023-11-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、
前記半導体基板上に設けられた第1駆動回路と、
前記半導体基板上に設けられた第2駆動回路と、
前記半導体基板上に設けられた第3駆動回路と、
前記第1駆動回路によって駆動される第1発光素子と、
前記第2駆動回路によって駆動される第2発光素子と、
前記第3駆動回路によって駆動される第3発光素子と、
を備え、
前記第1駆動回路、前記第2駆動回路及び前記第3駆動回路の各々は、書込みトランジスタ、駆動トランジスタ、第1トランジスタ及び第2トランジスタを有し、
前記第1トランジスタのソース領域又はドレイン領域は、前記第1発光素子、前記第2発光素子及び前記第3発光素子のうちの対応する発光素子のアノード電極に接続され、
前記第2トランジスタは、給電線と前記アノード電極との間に接続され、
前記第2駆動回路は、前記第1駆動回路と前記第3駆動回路との間に配置され、
前記第2駆動回路は、前記第1駆動回路及び前記第3駆動回路と隣接し、
前記第1駆動回路、前記第2駆動回路及び前記第3駆動回路に対して、前記半導体基板のウェル領域に電圧を供給するウェルタップが1つだけ設けられ、
前記ウェルタップは、前記第1駆動回路の駆動トランジスタのゲート電極と前記第3駆動回路の駆動トランジスタのゲート電極との間に配置される、
表示装置。
【請求項2】
前記第2駆動回路の前記駆動トランジスタの前記ゲート電極は、前記第1駆動回路の前記駆動トランジスタの前記ゲート電極と前記第3駆動回路の前記駆動トランジスタの前記ゲート電極と前記ウェルタップとの配列方向から外れた位置に配置される、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
制御線は、前記第2トランジスタのゲート電極に第1コンタクト部を介して接続され、前記第1コンタクト部は前記第2トランジスタのチャネル長方向と平行な中心線からずれて配置されている、
請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記制御線は、前記半導体基板の基板厚方向において前記第2トランジスタのゲート電極に重なっている、
請求項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記書込みトランジスタ、前記駆動トランジスタ、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタは、同じ導電型のトランジスタである、
請求項1~4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
走査線は、前記書込みトランジスタのゲート電極に第2コンタクト部を介して接続され、前記第2コンタクト部は前記書込みトランジスタのチャネル長方向と平行な中心線からずれて配置される、
請求項1~5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
走査線は、前記半導体基板の基板厚方向において前記書込みトランジスタのゲート電極に重なっている、
請求項1~6のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1トランジスタは、初期化トランジスタである、
請求項1~7のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第2トランジスタは、発光制御トランジスタである、
請求項1~8のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項10】
半導体基板と、
前記半導体基板上に設けられた第1駆動回路と、
前記半導体基板上に設けられた第2駆動回路と、
前記半導体基板上に設けられた第3駆動回路と、
前記第1駆動回路によって駆動される第1発光素子と、
前記第2駆動回路によって駆動される第2発光素子と、
前記第3駆動回路によって駆動される第3発光素子と、
を備え、
前記第1駆動回路、前記第2駆動回路及び前記第3駆動回路の各々は、第1トランジスタ、第2トランジスタ、第3トランジスタ、及び第4トランジスタを有し、
前記第1トランジスタは、信号線と前記第2トランジスタのゲート電極との間に接続され、
前記第3トランジスタのソース領域又はドレイン領域は、前記第1発光素子、前記第2発光素子及び前記第3発光素子のうちの対応する発光素子のアノード電極に接続され、
前記第2トランジスタ及び前記第4トランジスタは、給電線と前記アノード電極との間に接続され、
前記第2駆動回路は、前記第1駆動回路と前記第3駆動回路との間に配置され、
前記第2駆動回路は、前記第1駆動回路及び前記第3駆動回路と隣接し、
前記第1駆動回路、前記第2駆動回路及び前記第3駆動回路に対して、前記半導体基板のウェル領域に電圧を供給するウェルタップが1つだけ設けられ、
前記ウェルタップは、前記第1駆動回路の第2トランジスタのゲート電極と前記第3駆動回路の第2トランジスタのゲート電極との間に配置されている、
表示装置。
【請求項11】
前記第2駆動回路の前記第2トランジスタの前記ゲート電極は、前記第1駆動回路の前記第2トランジスタの前記ゲート電極と前記第3駆動回路の前記第2トランジスタの前記ゲート電極と前記ウェルタップとの配列方向から外れた位置に配置される、
請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
制御線は、前記第4トランジスタのゲート電極に第1コンタクト部を介して接続され、前記第1コンタクト部は前記第4トランジスタのチャネル長方向と平行な中心線からずれて配置されている、
請求項10又は11に記載の表示装置。
【請求項13】
前記制御線は、前記半導体基板の基板厚方向において前記第4トランジスタのゲート電極に重なっている、
請求項12に記載の表示装置。
【請求項14】
前記第1トランジスタ、前記第2トランジスタ、前記第3トランジスタ及び前記第4トランジスタは、同じ導電型のトランジスタである、
請求項10~13のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項15】
走査線は、前記第1トランジスタのゲート電極に第2コンタクト部を介して接続され、前記第2コンタクト部は前記第1トランジスタのチャネル長方向と平行な中心線からずれて配置される、
請求項10~14のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項16】
走査線は、前記半導体基板の基板厚方向において前記第1トランジスタのゲート電極に重なっている、
請求項10~15のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項17】
前記第1トランジスタは、書込みトランジスタである、
請求項10~16のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項18】
前記第2トランジスタは、駆動トランジスタである、
請求項10~17のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項19】
前記第3トランジスタは、初期化トランジスタである、
請求項10~18のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項20】
前記第4トランジスタは、発光制御トランジスタである、
請求項10~19のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項21】
前記第1駆動回路、前記第2駆動回路、及び前記第3駆動回路は、ストライプ状配列されている、
請求項1~20のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項22】
前記第1駆動回路は、赤色画素に対応する前記第1発光素子に接続されており、
前記第2駆動回路は、緑色画素に対応する前記第2発光素子に接続されており、
前記第3駆動回路は、青色画素に対応する前記第3発光素子に接続されている、
請求項1~21のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項23】
前記第1発光素子、前記第2発光素子及び前記第3発光素子は、ストライプ状配列、モザイク状配列またはデルタ配列で配置されている、
請求項1~22のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項24】
前記第1発光素子、前記第2発光素子及び前記第3発光素子は、有機エレクトロルミネッセンス素子を含んで構成される、
請求項1~23のいずれか1項に記載の表示装置。