(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125046
(43)【公開日】2024-09-13
(54)【発明の名称】画像形成装置、画像形成装置リセット方法および画像形成装置リセットプログラム
(51)【国際特許分類】
G03G 21/00 20060101AFI20240906BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240906BHJP
B65H 7/14 20060101ALI20240906BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20240906BHJP
【FI】
G03G21/00 510
B41J29/38 202
B41J29/38 601
B41J29/38 701
B65H7/14
G03G15/00 403
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023033114
(22)【出願日】2023-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108523
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 雅博
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 俊行
【テーマコード(参考)】
2C061
2H072
2H270
3F048
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AS02
2C061BB15
2C061CQ24
2C061CQ26
2C061CQ36
2C061HJ10
2C061HK07
2C061HN04
2C061HN05
2C061HN21
2H072AA09
2H072AA16
2H072AA22
2H072AB03
2H072CA01
2H072JA02
2H270LA71
2H270LC04
2H270LC05
2H270LD03
2H270MA24
2H270MA34
2H270MB07
2H270PA14
2H270PC06
2H270ZC03
2H270ZC04
2H270ZC08
3F048AA01
3F048AB01
3F048BA06
3F048BB03
3F048CA02
3F048DA06
3F048DC14
(57)【要約】
【課題】 記録媒体の媒体種類に応じた画像形成条件で画像を形成する。
【解決手段】 画像形成装置は、記録媒体の媒体種類に応じた画像形成条件に従って記録媒体に画像を形成する画像形成部と、記録媒体の媒体種類に関する情報を第1情報として検出する検出部51と、記録媒体の媒体種類に関する情報を第2情報として受け付ける操作受付部53と、所定条件の成立に応じて画像形成条件を定める少なくとも1つの設定値をデフォルト値に設定するリセット動作を実行するリセット部65と、リセット部65によるリセット動作が実行されても、操作受付部53で受け付けた所定の記録媒体に関する第2情報をリセットしないように制御する規制部67と、を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体の媒体種類に応じた画像形成条件に従って記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、
記録媒体の媒体種類に関する情報を第1情報として検出する検出手段と、
記録媒体の媒体種類に関する情報を第2情報として受け付ける種類取得手段と、
所定条件の成立に応じて前記画像形成条件を定める少なくとも1つの設定値をデフォルト値に設定するリセット動作を実行するリセット手段と、
前記リセット手段によるリセット動作が実行されても、前記種類取得手段で受け付けた所定の記録媒体に関する第2情報をリセットしないように制御する規制手段と、を備えた画像形成装置。
【請求項2】
前記規制手段は、前記媒体種類が設定される設定値として前記第2情報として受け付けられかつ所定の媒体種類が設定されている場合に前記リセット動作を実行させない、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1情報を用いて前記画像形成条件を決定する第1動作モードと前記第2情報を用いて前記画像形成条件を決定する第2動作モードとのいずれか一方を示す動作モードを設定するモード設定手段を、さらに備え、
前記動作モードが設定される設定値のデフォルト値は、前記第1動作モードを示す設定値であり、
前記規制手段は、前記動作モードが設定される設定値として前記第2動作モードが設定されておりかつ前記媒体種類が設定される設定値として前記第2情報として受け付けられかつ前記所定の媒体種類が設定されている場合は前記動作モードが設定される設定値に対して前記リセット動作を実行させない、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
記録媒体を収納するトレイと、
前記トレイに収納される記録媒体の媒体種類を設定する媒体設定手段と、をさらに備え、
前記媒体種類が設定される設定値のデフォルト値は、媒体種類が不明であることを示す設定値であり、
前記規制手段は、前記媒体種類が設定される設定値として前記第2情報として受け付けられかつ前記所定の媒体種類が設定されている場合は前記媒体種類が設定される設定値に対して前記リセット動作を実行させない、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
記録媒体を収納するトレイと、
前記第1情報を用いて前記画像形成条件を決定する第1動作モードと前記第2情報を用いて前記画像形成条件を決定する第2動作モードとのいずれか一方を示す動作モードを示すモード設定値を設定するモード設定手段と、
前記トレイそれぞれに収納される記録媒体の媒体種類を示す設定値を設定する媒体設定手段と、をさらに備え、
前記動作モードが設定される設定値のデフォルト値は、前記第1動作モードを示す設定値であり、
媒体種類が設定される設定値のデフォルト値は、媒体種類が不明であることを示す設定値であり、
前記規制手段は、前記媒体種類が設定される設定値として前記第2情報として受け付けられかつ前記所定の媒体種類が設定されている場合は、前記動作モードが設定される設定値および前記媒体種類が設定される設定値に対して前記リセット動作を実行させない、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記媒体種類が設定される設定値として前記第2情報として受け付けられかつ前記所定の媒体種類が設定されている場合に規制フラグを設定するフラグ設定手段を、さらに備え、
前記規制手段は、前記規制フラグが設定されている場合に前記リセット動作を実行させず、前記規制フラグが設定されていない場合に前記リセット動作を実行させる、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項7】
記録媒体を収納する複数のトレイと、
前記第1情報を用いて前記画像形成条件を決定する第1動作モードと前記第2情報を用いて前記画像形成条件を決定する第2動作モードとのいずれか一方を示す動作モードを前記複数のトレイごとに設定するモード設定手段を、さらに備え、
前記動作モードが設定される設定値のデフォルト値は、前記第1動作モードを示す設定値であり、
前記リセット手段は、前記複数のトレイごとに前記動作モードが設定される設定値をデフォルト値に設定し、
前記規制手段は、前記複数のトレイのうち、前記媒体種類が設定される設定値として前記第2情報として受け付けられかつ前記第2情報として受け付けられかつ前記所定の媒体種類が設定されている特定トレイに対応する前記動作モードが設定される設定値に対して前記リセット動作を実行させない、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項8】
記録媒体を収納する複数のトレイと、
前記複数のトレイそれぞれ収納される記録媒体の媒体種類を設定する媒体設定手段と、をさらに備え、
前記媒体種類が設定される設定値のデフォルト値は、媒体種類が不明であることを示す設定値であり、
前記規制手段は、前記複数のトレイのうち前記第2情報として受け付けられかつ前記媒体種類が設定される設定値として前記第2情報として受け付けられかつ前記所定の媒体種類が設定されている特定トレイに対応する前記媒体種類が設定される設定値に対して前記リセット動作を実行させない、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項9】
記録媒体を収納する複数のトレイと、
前記第1情報を用いて前記画像形成条件を決定する第1動作モードと前記第2情報を用いて前記画像形成条件を決定する第2動作モードとのいずれか一方を示す動作モードを前記複数のトレイごとに設定するモード設定手段と、
前記複数のトレイそれぞれ収納される記録媒体の媒体種類を設定する媒体設定手段と、をさらに備え、
前記動作モードが設定される設定値のデフォルト値は、前記第1動作モードを示す設定値であり、
前記媒体種類が設定される設定値のデフォルト値は、媒体種類が不明であることを示す設定値であり、
前記規制手段は、前記複数のトレイのうち、前記媒体種類が設定される設定値として前記第2情報として受け付けられかつ前記所定の媒体種類が設定されている特定トレイに対応する前記動作モードが設定される設定値および前記媒体種類が設定される設定値に対して前記リセット動作を実行させない、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項10】
記録媒体を収納する複数のトレイと、
前記複数のトレイそれぞれに対応して前記媒体種類が設定される設定値として前記第2情報として受け付けられかつ前記所定の媒体種類が設定されている場合に規制フラグを設定するフラグ設定手段と、をさらに備え、
前記規制手段は、前記複数のトレイのうち前記規制フラグが設定されている規制トレイに対して、前記リセット動作を実行させず、前記複数のトレイのうち前記規制フラグが設定されていない非規制トレイに対して前記リセット動作を実行させる、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記リセット手段が前記リセット動作を開始する前記所定条件は、前記リセット動作を最後に実行してからの経過時間に関する条件と、ユーザーにより入力される操作が最後に受け付けられてからの経過時間に関する条件とを含む、請求項1~10のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記リセット手段は、前記所定条件が成立する時点で前記画像形成手段が画像を形成している場合には、前記画像形成手段による画像形成動作が終了した後に、前記リセット動作を開始する、請求項1~10のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項13】
発光部と受光部を有する光学センサーを、さらに備え、
前記検出手段は、前記光学センサーの出力値に基づいて、前記第1情報を検出する、請求項1~10のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記第1情報および前記第2情報は、物性値または前記物性値に基づいて決定された記録媒体の種類のいずれかであり、
前記物性値は、光の透過率、光の反射率、剛度、厚み、坪量、サイズ、目方向、色、水分含有率、平滑度、電気抵抗、摩擦係数および構成要素を示す情報を含む、
構成要素を示す情報は、パルプ材、コート剤、蛍光剤、填料を含む、請求項1~10のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項15】
記録媒体の媒体種類に応じた画像形成条件に従って記録媒体に画像を形成する画像形成ステップと、
記録媒体の媒体種類に関する情報を第1情報として検出する検出ステップと、
記録媒体の媒体種類に関する情報を第2情報として受け付ける種類取得ステップと、
所定条件の成立に応じて前記画像形成条件を定める少なくとも1つの設定値をデフォルト値に設定するリセット動作を実行するリセットステップと、
前記リセットステップにおいてリセット動作が実行されても、前記種類取得ステップにおいて受け付けた所定の記録媒体に関する第2情報をリセットしないように制御する規制ステップと、を画像形成装置に実行させる画像形成装置リセット方法。
【請求項16】
記録媒体の媒体種類に応じた画像形成条件に従って記録媒体に画像を形成する画像形成ステップと、
記録媒体の媒体種類に関する情報を第1情報として検出する検出ステップと、
記録媒体の媒体種類に関する情報を第2情報として受け付ける種類取得ステップと、
所定条件の成立に応じて前記画像形成条件を定める少なくとも1つの設定値をデフォルト値に設定するリセット動作を実行するリセットステップと、
前記リセットステップにおいてリセット動作が実行されても、前記種類取得ステップにおいて受け付けた所定の記録媒体に関する第2情報をリセットしないように制御する規制ステップと、を画像形成装置を制御するコンピューターに実行させる画像形成装置リセットプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置、画像形成装置リセット方法および画像形成装置リセットプログラムに関し、特に、媒体種類の異なる記録媒体に画像を形成可能な画像形成装置、その画像形成装置で実行される画像形成装置リセット方法、および、その画像形成装置を制御するコンピューターにその画像形成装置リセット方法を実行させる画像形成装置リセットプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
MFP(Multi Function Peripheral)等の画像形成装置においては、用紙に形成される画像の画質は、その用紙の坪量に影響される。このため、MFPは、画像を形成する用紙の坪量によって、画像形成条件を異ならせる場合がある。このため、用紙の搬送途中で、その用紙の種類を検出する機能を備えた画像形成装置が知られている。
【0003】
例えば、特開2007-62963号公報には、画像形成装置において印字される用紙の種類を選択制御するための制御装置であって、外部から指定された用紙の種類を受け付ける用紙種類受付手段と、前記画像形成装置に用意された複数の給紙段から、前記指定された用紙が収納されている第1給紙段を選択する給紙段選択手段と、前記第1給紙段から画像形成のために搬送される用紙の種類を1枚ごとに検出する用紙種類検出手段と、前記用紙種類検出手段で検出された用紙種類の情報と前記用紙種類受付手段で受け付けられた用紙種類の情報とを比較して、それらが異なる場合に印字を停止させる印字停止手段と、を備えた画像形成装置の用紙選択制御装置が記載されている。特開2007-62963号公報に記載の画像形成装置によれば、外部から指定された用紙の種類と、画像形成される用紙の種類とが異なることが検出される。このため、ユーザーにより指定された第1給紙段に収納されている用紙の種類が単一でないことを検出することができる。
【0004】
用紙を搬送途中で用紙の種類を検出する精度を確保するために、用紙を搬送する搬送速度を、用紙に画像形成する場合における搬送速度よりも遅くする必要がある。このため、搬送途中の用紙の種類を判別することなく用紙に画像を形成するために、用紙が収納される給紙トレイにそれに収納される用紙の種類が関連付けられる場合がある。この場合には、搬送途中で用紙の種類を判別する必要がないので、画像形成する場合における搬送速度で用紙を搬送することができ、画像形成する時間をできるだけ短くすることができる。
【0005】
一方で、給紙トレイに収納される用紙の種類は変更される場合がある。このため、給紙トレイに関連付けられた用紙の種類を所定のタイミングでリセットし、画像形成前の用紙の搬送途中の用紙の種類を判別するのが望ましい。所定のタイミングは、例えば、給紙トレイが開閉された時などである。
【0006】
しかしながら、特定の用紙の種類の用紙については、搬送途中で用紙の種類を検出する精度にばらつきがあり、誤検出される確率の高い場合がある。このような特定の用紙の種類の用紙が収納された給紙トレイに関連付けられた用紙の種類をリセット後にその用紙を搬送途中で用紙の種類が誤検出されると、正しい画像形成条件で画像を形成することができない場合があるといった問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この発明は上述した問題点を解決するためになされたもので、この発明の目的の一つは、記録媒体の媒体種類に応じた画像形成条件で画像を形成することが可能な画像形成装置を提供することである。
【0009】
この発明の他の目的は、画像形成装置に記録媒体の媒体種類に応じた画像形成条件で画像を形成させることが可能な画像形成装置リセット方法を提供することである。
【0010】
この発明のさらに他の目的は、画像形成装置に記録媒体の媒体種類に応じた画像形成条件で画像を形成させることが可能な画像形成装置リセットプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した目的を達成するために、この発明のある局面によれば、画像形成装置は、記録媒体の媒体種類に応じた画像形成条件に従って記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、記録媒体の媒体種類に関する情報を第1情報として検出する検出手段と、記録媒体の媒体種類に関する情報を第2情報として受け付ける種類取得手段と、所定条件の成立に応じて画像形成条件を定める少なくとも1つの設定値をデフォルト値に設定するリセット動作を実行するリセット手段と、リセット手段によるリセット動作が実行されても、種類取得手段で受け付けた所定の記録媒体に関する第2情報をリセットしないように制御する規制手段と、を備える。
【0012】
この発明の他の局面によれば、画像形成装置リセット方法は、記録媒体の媒体種類に応じた画像形成条件に従って記録媒体に画像を形成する画像形成ステップと、記録媒体の媒体種類に関する情報を第1情報として検出する検出ステップと、記録媒体の媒体種類に関する情報を第2情報として受け付ける種類取得ステップと、所定条件の成立に応じて画像形成条件を定める少なくとも1つの設定値をデフォルト値に設定するリセット動作を実行するリセットステップと、リセットステップにおいてリセット動作が実行されても、種類取得ステップにおいて受け付けた所定の記録媒体に関する第2情報をリセットしないように制御する規制ステップと、を画像形成装置に実行させる。
【0013】
この発明の他の局面によれば、画像形成装置リセットプログラムは、記録媒体の媒体種類に応じた画像形成条件に従って記録媒体に画像を形成する画像形成ステップと、記録媒体の媒体種類に関する情報を第1情報として検出する検出ステップと、記録媒体の媒体種類に関する情報を第2情報として受け付ける種類取得ステップと、所定条件の成立に応じて画像形成条件を定める少なくとも1つの設定値をデフォルト値に設定するリセット動作を実行するリセットステップと、リセットステップにおいてリセット動作が実行されても、前記種類取得ステップにおいて受け付けた所定の記録媒体に関する第2情報をリセットしないように制御する規制ステップと、を画像形成装置を制御するコンピューターに実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本実施の形態におけるMFPの外観を示す斜視図である。
【
図2】本実施の形態におけるMFPのハードウェア構成の概要を示すブロック図である。
【
図3】本実施の形態におけるMFPが備える画像形成部および給紙部の一部の内部構成を示す模式的側面図である。
【
図5】本実施の形態におけるMFPが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。
【
図8】2次転写電圧テーブルの一例を示す図である。
【
図10】用紙搬送速度テーブルの一例を示す図である。
【
図11】オートリセット処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図12】画像形成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図13】リセット処理が実行される前後における設定値の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態における画像形成装置について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。また、以下の説明においては、画像形成装置の一例としてMFPを説明する。さらに、以下に説明するMFPは、画像を形成する対象となる記録媒体として、媒体種類の異なる複数種類の記録媒体のいずれにも画像を形成することが可能である。
【0016】
媒体種類は、記録媒体に関する情報であり、坪量、画像形成の有無、および材質を含む。本実施の形態においては、媒体種類は、坪量により定まる第1媒体種類と、画像形成の有無により定まる第2媒体種類と、材質により定まる第3媒体種類とを含む。第1媒体種類は、坪量の異なる、「薄紙」、「普通紙」、または「厚紙」を含む。第2媒体種類は、画像が形成された記録媒体を示す「裏紙」と、画像が形成されていない「画像形成無」と、を含む。第3媒体種類は、材質が紙の「用紙」と、材質がPET(Poly Ethylene Terephthalate)等のポリエチレンの「OHP」と、を含む。以下、第2媒体種類が「画像形成無」かつ第3媒体種類が「用紙」かつ、第1媒体種類が「薄紙」、「普通紙」、「厚紙1」、「厚紙1」より坪量の大きい「厚紙2」、「厚紙2」より坪量の大きい「厚紙3」または「厚紙3」より坪量の大きい「厚紙4」の記録媒体の媒体種類を、それぞれ「薄紙」、「普通紙」、「厚紙1」、「厚紙2」、「厚紙3」、「厚紙4」という。また、第2媒体種類が「画像形成有」、第3媒体種類が「用紙」、第1媒体種類が「薄紙」、「普通紙」、「厚紙1」、「厚紙2」、「厚紙3」、「厚紙4」の記録媒体の媒体種類を、「薄紙+」、「普通紙+」、「厚紙1+」、「厚紙2+」、「厚紙3+」、「厚紙4+」という。媒体種類が「裏紙」の記録媒体は、第2媒体種類が「画像形成有」、第3媒体種類が「用紙」であるが、第1媒体種類が「薄紙」、「普通紙」、「厚紙」の3種類の記録媒体を含む。また、第3媒体種類が「OHP」の媒体種類を、単に、「OHP」という。
【0017】
図1は、本実施の形態におけるMFPの外観を示す斜視図である。
図2は、本実施の形態におけるMFPのハードウェア構成の概要を示すブロック図である。
図1および
図2を参照して、MFP100は、画像形成装置の一例であり、メイン回路110と、原稿を読み取るための原稿読取部130と、原稿を原稿読取部130に搬送するための自動原稿搬送装置120と、画像データに基づいて記録媒体に画像を形成するための画像形成部140と、画像形成部140に記録媒体を供給するための給紙部150と、ユーザーインターフェースとしての操作パネル160とを含む。
【0018】
自動原稿搬送装置120は、原稿トレイ125上にセットされた複数枚の原稿を1枚ずつ自動的に原稿読取部130の原稿読み取り位置まで搬送し、原稿読取部130により原稿に形成された画像が読み取られた原稿を原稿排紙トレイ127上に排出する。自動原稿搬送装置120は、原稿トレイ125に載置される原稿を検出する原稿検出センサーを備える。
【0019】
原稿読取部130は、原稿を読み取るための矩形状の読取面を有する。読取面は、例えばプラテンガラスにより形成される。自動原稿搬送装置120は、読取面の1つの辺に平行な軸を中心に回転可能にMFP100の本体に接続され、開閉可能である。自動原稿搬送装置120の下方に、原稿読取部130が配置されており、自動原稿搬送装置120が回転して開いた開状態で、原稿読取部130の読取面が露出する。このため、ユーザーは、原稿読取部130の読取面に原稿を載置可能である。自動原稿搬送装置120は、原稿読取部130の読み取り面が露出する開状態と、読み取り面を覆う閉状態とに状態を変化可能である。自動原稿搬送装置120は、自動原稿搬送装置120の開状態を検出する状態検出センサーを備える。
【0020】
原稿読取部130は、光を照射する光源と、光を受光する光電変換素子とを含み、読取面に載置された原稿に形成されている画像を走査する。読取領域に原稿が載置されている場合、光源から照射された光は原稿で反射し、反射した光が光電変換素子で結像する。光電変換素子は、原稿で反射した光を受光すると、受光した光を電気信号に変換した画像データを生成する。原稿読取部130は、画像データをメイン回路110が備えるCPU111に出力する。
【0021】
給紙部150は、後述する第1~第3の給紙トレイおよび手差しトレイに収納された記録媒体を画像形成部140に搬送する。給紙部150は、画像形成部140に搬送される記録媒体に関する情報を媒体情報として検出する。本実施の形態においては、媒体情報は、記録媒体の坪量である。給紙部150において媒体情報を検出するための構成および動作の詳細は後述する。
【0022】
画像形成部140は、CPU111により制御され、周知の電子写真方式により画像を形成するものである。本実施の形態では、画像形成部140は、CPU111から入力される画像データと給紙部150において検出された媒体情報に基づくCPU111からの指令信号とに基づいて、給紙部150により搬送される記録媒体に画像を形成する。画像が形成された記録媒体は排紙トレイ158に排出される。CPU111が画像形成部140に出力する画像データは、原稿読取部130から入力される画像データの他、外部から受信されるプリントデータ等の画像データを含む。
【0023】
メイン回路110は、MFP100の全体を制御するCPU(中央演算処理装置)111と、通信インターフェース(I/F)部112と、ROM(Read Only Memory)113と、RAM(Random Access Memory)114と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)115と、ファクシミリ部116と、外部記憶装置118と、を含む。CPU111は、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150および操作パネル160と接続され、MFP100の全体を制御する。
【0024】
ROM113は、CPU111が実行するプログラム、またはそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAM114は、CPU111がプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。また、RAM114は、原稿読取部130から連続的に送られてくる画像データを一時的に記憶する。
【0025】
操作パネル160は、MFP100の上部に設けられる。操作パネル160は、表示部161と操作部163とを含む。表示部161は、例えば、液晶表示装置(LCD)であり、ユーザーに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。なお、LCDに代えて、画像を表示する装置であれば、例えば、有機EL(electroluminescence)ディスプレイを用いることができる。
【0026】
操作部163は、タッチパネル165と、ハードキー部167とを含む。タッチパネル165は、静電容量方式である。なお、タッチパネル165は、静電容量方式に限らず、例えば、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式等の他の方式を用いることができる。
【0027】
タッチパネル165は、その検出面が表示部161の上面または下面に表示部161に重畳して設けられる。ここでは、タッチパネル165の検出面のサイズと、表示部161の表示面のサイズとを同じにしている。このため、表示面の座標系と検出面の座標系は同じである。タッチパネル165は、ユーザーが、表示部161の表示面を指示する位置を検出面で検出し、検出した位置の座標をCPU111に出力する。表示面の座標系と検出面の座標系は同じなので、タッチパネル165が出力する座標を、表示面の座標に置き換えることができる。
【0028】
ハードキー部167は、複数のハードキーを含む。ハードキーは、例えば接点スイッチである。タッチパネル165は、表示部161の表示面中でユーザーにより指示された位置を検出する。ユーザーがMFP100を操作する場合は直立した姿勢となる場合が多いので、表示部161の表示面、タッチパネル165の操作面およびハードキー部167は、上方を向いて配置される。ユーザーが表示部161の表示面を容易に視認することができ、ユーザーが指で操作部163を容易に指示することができるようにするためである。
【0029】
通信I/F部112は、ネットワークにMFP100を接続するためのインターフェースである。通信I/F部112は、TCP(Transmission Control Protocol)またはFTP(File Transfer Protocol)等の通信プロトコルで、ネットワークに接続された他のコンピューターまたはデータ処理装置と通信する。通信I/F部112が接続されるネットワークは、ローカルエリアネットワーク(LAN)であり、接続形態は有線または無線を問わない。また、ネットワークは、LANに限らず、ワイドエリアネットワーク(WAN)、公衆交換電話網(PSTN)、インターネット等であってもよい。
【0030】
ファクシミリ部116は、公衆交換電話網(PSTN)に接続され、PSTNにファクシミリデータを送信する、またはPSTNからファクシミリデータを受信する。ファクシミリ部116は、受信したファクシミリデータを、HDD115に記憶するとともに、画像形成部140でプリント可能なプリントデータに変換して、画像形成部140に出力する。これにより、画像形成部140は、ファクシミリ部116により受信されたファクシミリデータの画像を記録媒体に形成する。また、ファクシミリ部116は、HDD115に記憶されたデータをファクシミリデータに変換して、PSTNに接続されたファクシミリ装置に送信する。
【0031】
外部記憶装置118は、CPU111により制御され、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)118A、または半導体メモリが装着される。本実施の形態においては、CPU111は、ROM113に記憶されたプログラムを実行する例を説明するが、CPU111は、外部記憶装置118を制御して、CD-ROM118AからCPU111が実行するためのプログラムを読出し、読み出したプログラムをRAM114に記憶し、実行するようにしてもよい。
【0032】
なお、CPU111が実行するためのプログラムを記憶する記録媒体としては、CD-ROM118Aに限られず、フレキシブルディスク、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)などの半導体メモリ等の媒体でもよい。さらに、CPU111がネットワークに接続されたコンピューターからプログラムをダウンロードしてHDD115に記憶する、または、ネットワークに接続されたコンピューターがプログラムをHDD115に書込みするようにして、HDD115に記憶されたプログラムをRAM114にロードしてCPU111で実行するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU111により直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0033】
図3は、本実施の形態におけるMFPが備える画像形成部および給紙部の一部の内部構成を示す模式的側面図である。
図3を参照して、MFP100の内部には、太い点線で示される主搬送経路41が基本的に上下方向に伸びるように形成されている。主搬送経路41は、給紙部150から搬送される記録媒体を、画像形成部140を通して排紙トレイ158へ導くための経路である。本例の主搬送経路41においては、画像形成部140よりも上方に位置する上端部13の反対側の下端部30が給紙部150から記録媒体を受ける搬入口を構成する。また、主搬送経路41の上端部13が、画像形成後の記録媒体を排紙トレイ158に排出する排出口を構成する。主搬送経路41の上端部13には、排紙ローラー15が設けられている。主搬送経路41は、下端部30で、後述する給紙部150の複数の副搬送経路SP1,SP2,SP3に接続される。記録媒体の搬送方向は、給紙部150から排紙トレイ158に向かう方向である。
【0034】
給紙部150は、3つの給紙トレイ151,152,153および手差しトレイ154を含む。3つの給紙トレイ151,152,153は、この順で上方から下方に向かって並ぶように積層配置されている。手差しトレイ154は、MFP100の側壁101に設けられ、画像形成部140よりも下方に位置する。
図3に太い一点鎖線で示すように、給紙部150においては、3つの給紙トレイ151,152,153のうち上段に位置する給紙トレイ151から主搬送経路41の下端部30へ伸びるように副搬送経路SP1が形成されている。また、手差しトレイ154から主搬送経路41の下端部30へ伸びるように副搬送経路SP2が形成されている。さらに、3つの給紙トレイ151,152,153のうち中段および下段に位置する給紙トレイ152,153それぞれから主搬送経路41の下端部30に伸びる2つの搬送経路152a,153aが形成されている。2つの搬送経路152a,153aそれぞれの主搬送経路41の下端部30から所定の長さの部分は、2つの搬送経路152a,153aで共用される副搬送経路SP3である。
【0035】
副搬送経路SP1には、給紙トレイ151に収納された記録媒体を主搬送経路41へ供給するための給紙ローラー151rが設けられている。副搬送経路SP2には、手差しトレイ154に収納された記録媒体を主搬送経路41へ供給するための給紙ローラー154rが設けられている。搬送経路152aには、給紙トレイ152に収納された記録媒体を副搬送経路SP3を通して主搬送経路41へ供給するための給紙ローラー152rが設けられている。さらに、搬送経路153aには、給紙トレイ153に収納された記録媒体を副搬送経路SP3を通して主搬送経路41へ供給するための給紙ローラー153rが設けられている。
【0036】
MFP100においては、記録媒体への画像形成時に、3つの給紙トレイ151,152,153および手差しトレイ154のうちから画像形成されるべき記録媒体が収納されたカセットが対象カセットとして選択される。3つの給紙トレイ151,152,153および手差しトレイ154のうち対象カセットとして選択されたカセットに対応する給紙ローラーが動作することにより、対象カセットとして選択されたカセットから副搬送経路SP1,SP2,SP3のいずれかを通して主搬送経路41に画像形成されるべき記録媒体が供給される。
【0037】
画像形成部140は、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックそれぞれの画像形成ユニット141Y,141M,141C,141Kを備える。画像形成ユニット141Y,141M,141C,141Kの少なくとも1つが駆動されることにより、画像が形成される。画像形成ユニット141Y,141M,141C,141Kのすべてが駆動されると、フルカラーの画像を形成する。画像形成ユニット141Y,141M,141C,141Kには、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの印字用データがそれぞれ入力される。画像形成ユニット141Y,141M,141C,141Kは、取扱うトナーの色彩が異なるのみなので、ここでは、イエローの画像を形成するための画像形成ユニット141Yについて説明する。
【0038】
画像形成ユニット141Yは、イエローの印字用データが入力される露光ヘッドと、感光体ドラム(像担持体)と、帯電チャージャと、現像器と、転写ローラー143Yとを備える。露光ヘッドは、受取った印字用データ(電気信号)に応じてレーザ光を発光する。発光されたレーザ光は露光ヘッドが備えるポリゴンミラーにより1次元走査され、感光体ドラムを露光する。感光体ドラムを1次元走査する方向は、主走査方向である。感光体ドラムは、帯電チャージャによって帯電された後、露光ヘッドが発光するレーザ光が照射される。これにより、感光体ドラムに静電潜像が形成される。続いて、現像器により、静電潜像上にトナーが載せられてトナー像が形成される。感光体ドラム上に形成されたトナー像は、中間転写ベルト147上に、転写ローラー143Yにより転写される。
【0039】
一方、中間転写ベルト147は、駆動ローラー145とローラー145Aとにより弛まないように懸架されている。駆動ローラー145が図中で反時計回りに回転すると、中間転写ベルト147が所定の速度で図中反時計回りに回転する。中間転写ベルト147の回転に伴って、ローラー145Aが、反時計回りに回転する。
【0040】
これにより、画像形成ユニット141Y,141M,141C,141Kが、順に中間転写ベルト147上にトナー像を転写する。画像形成ユニット141Y,141M,141C,141Kそれぞれが、中間転写ベルト147上にトナー像を転写するタイミングは、中間転写ベルト147に付された基準マークを検出することにより、調整される。これにより、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックのトナー像が中間転写ベルト147上に重畳される。
【0041】
上記の主搬送経路41には、下端部30から上端部13にかけて、タイミングローラー45、転写ローラー47および定着ローラー49がこの順で間隔をおいて配置されている。給紙部150から主搬送経路41へ供給された記録媒体はタイミングローラー45へ送られる。
【0042】
タイミングローラー45は、中間転写ベルト147に形成されたトナー像が転写ローラー47に到達するタイミングで記録媒体が転写ローラー47に到達するように、主搬送経路41における記録媒体の搬送状態を調整する。タイミングローラー45により搬送される記録媒体は、転写ローラー47により中間転写ベルト147に押し当てられ、転写ローラー47を帯電させることにより、中間転写ベルト147上に重畳して形成されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像が記録媒体に転写される。転写ローラー47の帯電量は、記録媒体の坪量に適した値となるように、転写ローラー47に印加される電圧がCPU111によって制御される。
【0043】
トナー像が転写された記録媒体は、定着ローラー49に搬送され、定着ローラー49により加熱される。これにより、トナーが溶かされて記録媒体に定着する。その後、画像形成後の記録媒体は、排紙ローラー15によって主搬送経路41の上端部13から排紙トレイ158上に排出される。定着ローラー49の温度およびローラー間隔は、記録媒体の坪量に適した値となるように、CPU111によって制御される。
【0044】
給紙ローラー151r~154rおよびタイミングローラー45それぞれは、1つのモーターMの駆動力がギアを介して伝達されるように構成されている。また、転写ローラー47、定着ローラー49および排紙ローラー15それぞれは、モーターMとは別のモーターの駆動力がギアを介して伝達される。モーターMとタイミングローラー45との間の動力伝達経路にクラッチが設けられており、また、モーターMと給紙ローラー151r~154rそれぞれとの間の動力伝達経路にクラッチが設けられている。タイミングローラー45および給紙ローラー151r~154rそれぞれは、それに対応するクラッチが切れた状態および繋がった状態に切り換えられることにより、モーターMの駆動力の伝達が切り換えられる。
【0045】
本実施の形態におけるMFP100には、主搬送経路41内に検出領域を有する検出装置159が設けられている。検出装置159は、投光部159a,159bおよび受光部159cを含み、主搬送経路41の下端部30とタイミングローラー45との間の位置で投光部159a,159bおよび受光部159cが主搬送経路41を挟んで互いに対向するように配置されている。
【0046】
図4は、検出装置の詳細な構成を説明する図である。検出装置159は、投光部159a,159bと受光部159cとを含む光学センサーである。投光部159a,159bは、例えば発光ダイオード等の発光素子、発光素子の駆動回路、および光学系を含み、その光軸に沿って光を出射する。本実施の形態においては、投光部159aは、近赤外LED(Light Emitting Diode)を含む。投光部159bは、青色LEDを含む。投光部159a,159bの光軸に沿う主搬送経路41内の領域が検出領域となる。
【0047】
受光部159cは、フォトダイオード等の受光素子を含み、受光素子が受ける光の受光量に対応する信号を出力する。検出装置159の検出領域は、投光部159a,159bと受光部159cとの間の領域である。記録媒体Sが主搬送経路41を移動して検出領域を横切る間、移動中の記録媒体Sの一部に投光部159a,159bから射出される光が照射される。このとき、記録媒体Sに照射された光の一部は記録媒体Sを透過し、記録媒体Sに照射された光の残りは記録媒体Sに吸収されるかまたは記録媒体Sから反射される。受光部159cは、記録媒体Sを透過した光を受光し、その受光量に応じた信号をCPU111に出力する。
【0048】
図5は、本実施の形態におけるMFPが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。
図5に示す機能は、MFP100が備えるCPU111が、ROM113、HDD115またはCD-ROM118Aに記憶された画像形成制御プログラムを実行することにより、CPU111で実現される機能である。
【0049】
ここでは、給紙トレイ151に、媒体種類が「普通紙」の記録媒体が格納されており、給紙トレイ152に、媒体種類が「普通紙+」の記録媒体が格納されており、給紙トレイ153に、媒体種類が「厚紙1」の記録媒体が格納されており、手差しトレイ154に、記録媒体が格納されていない場合を例に説明する。
【0050】
図5を参照して、CPU111は、検出部51と、操作受付部53と、設定部57と、フラグ設定部55と、を含む。検出部51は、検出装置159を制御し、主搬送経路41を搬送される記録媒体Sの媒体種類を検出する。検出部51は、検出された媒体種類を設定部57に出力する。
【0051】
検出部51は、検出装置159を制御して、給紙部150から主搬送経路41に供給された記録媒体Sが検出装置159の検出領域を移動する間に、記録媒体Sの透過率TRを決定する。具体的には、検出部51は、検出装置159の受光部159cの出力信号を取得し、出力信号から受光量を算出し、投光部159a,159bが出射した光の光量に対する受光部159cが受光した光の光量の割合を透過率TRとして算出する。検出部51は、算出された透過率TRに基づいて、記録媒体Sの媒体種類を決定する。検出部51は、変換情報を用いて透過率TRに対する坪量を決定する。変換情報は、坪量と透過率との対応を定める情報である。変換情報は、予め実験等することにより生成され、HDD115に記憶されている。また、検出部51は、HDD115に記憶された対応テーブルを参照して、透過率TRに基づき決定された坪量に対する媒体種類を、決定する。
【0052】
操作受付部53は、操作部163を制御して、ユーザーが操作部163に入力する操作を受け付ける。操作受付部53は、操作部163が受け付けた操作を設定部57に出力する。操作受付部53は、表示部161に給紙トレイ設定画面が表示されている状態で、給紙トレイ151~153、手差しトレイ154のいずれかに対して、そのトレイに対応する設定値を受け付ける。設定値は、記録媒体のサイズを示す用紙サイズ、記録媒体の媒体種類、動作モードを含む。動作モードは、第1動作モードと、第2動作モードと、を含む、第1動作モードは、記録媒体の媒体種類を検出装置159の出力に基づき決定する検知モードである。第2動作モードは、記録媒体の媒体種類を検出装置159の出力に基づかないで決定する設定モードである。
【0053】
図6は、対応テーブルの一例を示す図である。対応テーブルは、複数の媒体種類それぞれに対して、その媒体種類の記録媒体の坪量の範囲が実験等により求められることにより生成される。
図6を参照して、対応テーブルは、媒体種類と、その媒体種類の記録媒体の坪量の範囲とを関連付ける。
【0054】
図7は、給紙トレイ設定画面の一例を示す図である。給紙トレイ設定画面200は、給紙トレイ151~153、手差しトレイ154のいずれかのトレイを選択する領域201と、用紙サイズの文字列が表されたタブ203と、媒体種類の文字列が表されたタブ204と、動作モード設定領域205と、設定領域207と、を含む。ここでは、給紙トレイ151~153、手差しトレイ154に、「トレイ1」、「トレイ2」、「トレイ3」、「手差しトレイ」の名称がそれぞれ付されている。
【0055】
領域201に、トレイ2の文字が表されており、給紙トレイ152が選択された状態が示される。領域201において、プルダウンメニューが表示され、他の給紙トレイ151、153および手差しトレイ154が選択可能である。
【0056】
タブ203,204は、排他的に選択可能である。ここでは、タブ204が選択された状態を、タブ204にハッチングが付されることにより示される。タブ204が選択された状態で、設定領域207に媒体種類を設定する画面が表示される。媒体種類を設定する画面は、複数の媒体種類をそれぞれ示す複数のボタンが選択可能に表示される。ここでは、媒体種類「普通紙+」を選択するボタンが選択された状態がボタンにハッチングが付されることにより示される。
【0057】
動作モード設定領域205は、検知モードと、設定モードとのいずれかに動作モードを設定する領域である。ここでは、検知モードに設定されている状態が、ONの文字が表示されることにより示される。設定モードが設定される状態においては、OFFの文字が表示される。動作モードの詳細は、後述するが、画像形成条件を決定する際に用いられる媒体種類を決定する処理に、検出装置159の出力を用いる検知モードと、検出装置159の出力を用いない設定モードと、を含む。
【0058】
ここで、MFP100が画像形成部140および給紙部150に画像を形成させるために用いる画像形成条件と、媒体種類との関係について説明する。画像形成条件は、媒体種類に影響を受ける条件として、2次転写電圧、定着温度および用紙搬送速度を含む。2次転写電圧は、転写ローラー47に印加される電圧である。定着温度は、定着ローラー49の温度である。用紙搬送速度は、記録媒体が搬送される速度である。なお、用紙搬送速度は、画像形成ユニット141Y.M.C.Kそれぞれが、中間転写ベルト147にトナー像を転写する速度に等しい。
【0059】
図8は、2次転写電圧テーブルの一例を示す図である。
図8を参照して、2次転写電圧テーブルは、媒体種類ごとに2次転写電圧を定める。区分は、2次転写電圧が等しい媒体種類の集合を示す。媒体種類「薄紙」が区分1に分類され、媒体種類「普通紙」が区分2に分類され、媒体種類「普通紙+」が区分3に分類され、媒体種類「厚紙1」および「厚紙+」が区分4に分類され、媒体種類「厚紙2」、「厚紙3」および「厚紙4」が区分5に分類される。なお、
図8に示す2次転写電圧テーブルにおいて、媒体種類「薄紙+」、「厚紙2+」、「厚紙3+」、「厚紙4+」に対する2次転写電圧が定められていないが、必要に応じて定めることができる。
【0060】
図9は、定着温度テーブルの一例を示す図である。
図9を参照して、定着温度テーブルは、媒体種類ごとに定着温度を定める。区分は、定着温度が等しい媒体種類の集合を示す。媒体種類「薄紙」が区分1に分類され、媒体種類「普通紙」が区分2に分類され、媒体種類「普通紙+」、「厚紙1」、「厚紙1+」および「厚紙2」が区分4に分類され、媒体種類「厚紙3」および「厚紙4」が区分4に分類される。なお、
図9に示す定着温度テーブルにおいて、媒体種類「薄紙+」、「厚紙2+」、「厚紙3+」、「厚紙4+」に対する定着温度が定められていないが、必要に応じて定めることができる。
【0061】
図10は、用紙搬送速度テーブルの一例を示す図である。
図10を参照して、用紙搬送速度テーブルは、媒体種類ごとに用紙搬送速度を定める。区分は、用紙搬送速度が等しい媒体種類の集合を示す。媒体種類「薄紙」、「普通紙」および「普通紙+」が区分1に分類され、媒体種類「厚紙1」、「厚紙1+」、「厚紙2」、「厚紙3」および「厚紙4」が区分2に分類される。なお、
図10に示す用紙搬送速度テーブルにおいて、媒体種類「薄紙+」、「厚紙2+」、「厚紙3+」、「厚紙4+」に対する用紙搬送速度が定められていないが、必要に応じて定めることができる。
【0062】
MFP100は、媒体種類に対応する2次転写電圧、定着温度および用紙搬送速度を決定するために、2次転写電圧テーブル、定着温度テーブルおよび用紙搬送速度テーブルをHDD115に予め記憶している。MFP100は、媒体種類が決定される場合、2次転写電圧テーブル、定着温度テーブルおよび用紙搬送速度テーブルを参照して、その媒体種類に対応する2次転写電圧、定着温度および用紙搬送速度を決定する。そして、MFP100は、2次転写電圧、定着温度および用紙搬送速度を含む画像形成条件に従って、画像形成部140および給紙部150に画像を形成させる。
【0063】
一方、MFP100は、動作モードが検知モードの場合、媒体種類は検出装置159の検出領域を記録媒体の一部が通過した後に決定される。このため、MFP100は、動作モードが検知モードの場合、検出装置159による検出精度を確保するために、予め定められた検出速度で用紙を搬送する。検出速度は、複数の媒体種類ごとに定められた複数の用紙搬送速度のうち最も遅い用紙搬送速度以下である。ここでは、媒体種類「薄紙」に対して定められた用紙搬送速度165mm/s以下である。用紙搬送速度以外の画像形成条件については、検出装置159の出力に基づき媒体種類が決定された後に決定され、その画像形成条件に従って、画像が形成される。なお、複数枚の記録媒体が連続して画像形成される場合、2枚目以降の記録媒体が搬送される前に、媒体種類が決定されているので、2枚目以降の記録媒体はその媒体種類に対応する用紙搬送速度で搬送される。
【0064】
図5に戻って、設定部57は、画像形成部140が記録媒体Sに画像を形成するための設定値を設定する。設定部57は、モード設定部61と、媒体設定部63と、リセット部65と、規制部67と、フラグ設定部69と、を含む。
【0065】
媒体設定部63は、操作受付部53により媒体種類を設定する操作が受け付けられる場合、給紙トレイ151~153、手差しトレイ154のうちユーザーにより指定されたトレイに対応してユーザーにより指定された媒体種類を設定する。例えば、給紙トレイを識別するためのトレイ識別情報に、媒体種類と動作モードと規制フラグとを関連付けるトレイレコードを含むトレイテーブルをHDD115に記憶しておき、操作受付部53により媒体種類を設定する操作が受け付けられることに応じて、そのトレイテーブルを更新する。ユーザーにより指定されたトレイのトレイ識別情報を含むトレイレコードの媒体種類が操作受付部53により受け付けられた操作に対応する媒体種類に更新される。
【0066】
モード設定部61は、操作受付部53により動作モードを設定する操作が受け付けられる場合、給紙トレイ151~153、手差しトレイ154のうちユーザーにより指定されたトレイに対応してユーザーにより指定された動作モードを設定する。例えば、モード設定部61は、HDD115に記憶されたトレイテーブルを、操作受付部53により動作モードを設定する操作が受け付けられることに応じて、そのトレイテーブルを更新する。ユーザーにより指定されたトレイのトレイ識別情報を含むトレイレコードの動作モードが操作受付部53により受け付けられた操作で特定される動作モードに更新される。
【0067】
フラグ設定部55は、給紙トレイ151~153、手差しトレイ154のうち媒体設定部63により媒体種類が設定されたトレイに規制フラグを設定する。フラグ設定部55は、HDD115に記憶されたトレイテーブルを、媒体設定部63により媒体種類が設定されることに応じて、そのトレイテーブルを更新する。媒体設定部63により媒体種類が特定の媒体種類が設定されたトレイのトレイ識別情報を含むトレイレコードの規制フラグがONに設定され、媒体設定部63により特定の媒体種類でない媒体種類が設定されたトレイのトレイ識別情報を含むトレイレコードの規制フラグがOFFに設定される。
【0068】
リセット部65は、所定条件が成立する場合、画像形成部140が記録媒体に画像を形成するために用いる複数の設定値の少なくとも一部をリセットする。画像形成部140が記録媒体に画像を形成するために用いる複数の設定値それぞれは、デフォルト値が予め定められている。リセット部65は、複数の設定値の少なくとも一部をデフォルト値に設定する。
【0069】
所定条件は、リセット部65により最後にリセットされてから第1所定時間が経過する第1条件、および、ユーザーによる操作が最後に受け付けられてから第2所定時間が経過する第2条件と、を含む。第1所定時間および第2所定時間は同じであってもよいし、異なってもよい。第1条件と第2条件とのいずれかが成立する場合に、所定の条件が成立する。また、所定条件は、ユーザーが操作部163に入力する予め定められた操作が検出される条件としてもよい。媒体種類が設定される設定値のデフォルト値は、記録媒体の媒体種類が不明であることを示す設定値「不明」である。動作モードのデフォルト値は、検知モードを示す設定値である。
【0070】
規制部67は、フラグ設定部69により規制フラグがONに設定されているトレイに関して、リセット部65によるリセット処理を禁止する。複数の設定値のうち、トレイテーブルにより給紙トレイ151~153、手差しトレイ154にそれぞれ対応して用紙サイズ、媒体種類、動作モードおよび規制フラグがある。リセット部65は、給紙トレイ151~153、手差しトレイ154のうち規制部67によりリセット処理が禁止されていないトレイに対する用紙サイズ、媒体種類および動作モードをリセットするが、規制部67によりリセット処理が禁止されるトレイに対する用紙サイズ、媒体種類および動作モードをリセットしない。
【0071】
図11は、オートリセット処理の流れの一例を示すフローチャートである。オートリセット処理は、MFP100が備えるCPU111が、ROM113、HDD115またはCD-ROM118Aに記憶された画像形成装置リセットプログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。
【0072】
図11を参照して、MFP100が備えるCPU111は、媒体種類を受け付けたか否かを判断する(ステップS01)。媒体種類が受け付けられたならば処理はステップS02に進むが、そうでなければ処理はステップS04に進む。CPU111は、表示部161に給紙トレイ設定画面を表示し、給紙トレイ151~153、手差しトレイ154のいずれかを指定する操作、媒体種類を指定する操作が操作部163に入力される場合に、媒体種類を受け付ける操作を受け付ける。
【0073】
ステップS02においては、ステップS01において受け付けられた媒体種類に対応するトレイが特定され、処理はステップS03に進む。給紙トレイ設定画面でユーザーにより給紙トレイ151~153、手差しトレイ154のうちから指定されたトレイが特定される。
【0074】
ステップS03においては、ステップS02において特定されたトレイにステップS01において受け付けられた媒体種類が設定され、処理はステップS04に進む。具体的には、HDD115に記憶されているトレイテーブルに含まれる複数のトレイレコードのうち、ステップS02において特定されたトレイのトレイ識別情報を含むトレイテーブルの媒体種類にステップS01において受け付けられた媒体種類を示す設定値が設定される。
【0075】
ステップS04においては、所定条件が成立したか否かが判断される。所定条件が成立したならば処理はステップS05に進むが、そうでなければ処理はステップS01に戻る。所定条件は、後述するステップS07~ステップS10に示す処理が最後に実行されてから第1所定時間が経過する第1条件、および、ユーザーによる操作が最後に受け付けられてから第2所定時間が経過する第2条件と、を含む。第1所定時間および第2所定時間は同じであってもよいし、異なってもよい。
【0076】
ステップS05においては、給紙トレイ151~153、手差しトレイ154のうちから処理対象となるトレイが選択され、処理はステップS06に進む。ステップS06においては、媒体種類が所定値か否かが判断される。HDD115に記憶されているトレイテーブルに含まれる複数のトレイレコードのうち、ステップS05において処理対象に選択されたトレイのトレイ識別情報を含むトレイテーブルにおいて設定されている媒体種類が参照される。媒体種類が所定値ならば処理はステップS07に進むが、そうでなければ処理はステップS08に進む。所定値は、検出装置159の出力値から媒体種類を決定する精度が所定の精度以下の媒体種類として、予め定められた値である。本実施の形態においては、所定値は、第2媒体種類が「裏紙」を示す媒体種類であり、「普通紙+」または「厚紙+」が定められている。
【0077】
ステップS07においては、規制フラグがONに設定され、処理はステップS08に進む。HDD115に記憶されているトレイテーブルに含まれる複数のトレイレコードのうち、ステップS05において処理対象に選択されたトレイのトレイ識別情報を含むトレイテーブルにおいて設定されている規制フラグがONに書き換えられる。
【0078】
ステップS08おいては、規制フラグがOFFに設定され、処理はステップS09に進む。HDD115に記憶されているトレイテーブルに含まれる複数のトレイレコードのうち、ステップS05において処理対象に選択されたトレイのトレイ識別情報を含むトレイテーブルにおいて設定されている規制フラグがOFFに書き換えられる。
【0079】
ステップS09においては、規制フラグにより処理が分岐する。規制フラグがONならば処理はステップS10に進むが、そうでなければ処理はステップS11に進む。ステップS10においては、動作モードが設定モードに設定され、処理はステップS13に進む。HDD115に記憶されているトレイテーブルに含まれる複数のトレイレコードのうち、ステップS05において処理対象に選択されたトレイのトレイ識別情報を含むトレイテーブルにおいて設定されている動作モードが設定モードに設定される。
【0080】
規制フラグがONの場合、動作モードが設定モードに設定されるので、媒体種類が設定される設定値に所定値が設定される場合は、記録媒体が検出装置159の検出領域を通過する際に、媒体種類が設定される設定値が、検出装置159の出力に基づき決定される媒体種類で更新されることがない。そのため、その記録媒体が次に画像形成される際に、媒体種類が設定される設定値として設定されている所定値に対応する画像形成条件で記録媒体に画像が形成させることができる。
【0081】
また、規制フラグがONの場合、媒体種類が設定される設定値がデフォルト値に変更されない。したがって、媒体種類として設定される設定値に、第2媒体種類である裏紙が設定されている場合に、媒体種類がデフォルト値である「不明」に変更されない。このため、その記録媒体が画像形成される際に、媒体種類の第2媒体種類である裏紙に対応する画像形成条件で記録媒体に画像を形成することができる。
【0082】
ステップS11においては、動作モードがデフォルト値に設定され、処理はステップS10に進む。HDD115に記憶されているトレイテーブルに含まれる複数のトレイレコードのうち、ステップS05において処理対象に選択されたトレイのトレイ識別情報を含むトレイテーブルにおいて設定されている動作モードがデフォルト値である検知モードに設定される。
【0083】
ステップS12においては、媒体種類がデフォルト値に設定され、処理はステップS13に進む。HDD115に記憶されているトレイテーブルに含まれる複数のトレイレコードのうち、ステップS05において処理対象に選択されたトレイのトレイ識別情報を含むトレイテーブルにおいて設定されている媒体種類がデフォルト値である媒体種類が不明であることを示す設定値に設定される。
【0084】
なお、ステップS11およびステップS12は、MFP100が画像形成動作中には実行されない。処理がステップS11に進む時点で、MFP100による画像形成動作が実行中の場合は、その画像形成動作が終了した後に、ステップS11およびステップS12が実行される。また、ステップS11およびステップS12が実行される順番は逆であってもよい。
【0085】
ステップS13においては、ステップS05において給紙トレイ151~153、手差しトレイ154のうちから処理対象に選択されていないトレイが存在するか否かが判断される。未選択のトレイが存在するならば処理はステップS05に戻るが、そうでなければ処理はステップS01に戻る。
【0086】
図12は、画像形成処理の流れの一例を示すフローチャートである。画像形成処理は、MFP100が備えるCPU111が、ROM113、HDD115またはCD-ROM118Aに記憶された画像形成制御プログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。
図12を参照して、MFP100が備えるCPU111は、画像形成指示を受け付けたか否かを判断する(ステップS21)。ユーザーが操作部163に、画像の形成を指示する操作、例えばスタートボタンを押下する操作を入力する場合に、画像形成指示を受け付ける。画像形成指示が受け付けられるまで待機状態となり(ステップS21でNO)、画像形成指示を受け付けたならば(ステップS21でYES)、処理はステップS22に進む。
【0087】
ステップS22においては、トレイが決定され、処理はステップS23に進む。画像形成条件の一つとして、給紙トレイ151~153、手差しトレイ154のうちユーザーにより指定されたトレイが決定される。なお、ユーザーが用紙サイズを指定する場合に、給紙トレイ151~153、手差しトレイ154のうちから、ユーザーにより指定された用紙サイズの記録媒体を収容するトレイが決定されてもよい。ステップS23においては、動作モードが決定され、処理はステップS24に進む。HDD115に記憶されているトレイテーブルに含まれる複数のトレイレコードのうち、ステップS22において決定されたトレイのトレイ識別情報を含むトレイテーブルにおいて設定されている動作モードが決定される。
【0088】
ステップS24においては、CPU111は、ステップS23において決定された動作モードによって処理を分岐する。動作モードが検知モードならば処理はステップS25に進むが、設定モードならば処理はステップS27に進む。
【0089】
ステップS25においては、ステップS22において決定されたトレイに収納されている用紙が検出速度で搬送され、処理はステップS26に進む。検出速度は、用紙を搬送する速度であって、検出装置159が用紙の種類を検出するための用紙搬送速度として予め定められた速度である。ステップS26においては、検出装置159の出力に基づいて媒体種類が決定され、処理はステップS28に進む。
【0090】
ステップS27においては、媒体種類が取得され、処理はステップS28に進む。HDD115に記憶されているトレイテーブルに含まれる複数のトレイレコードのうち、ステップS22において決定されたトレイのトレイ識別情報を含むトレイテーブルにおいて設定されている媒体種類が決定される。
【0091】
ステップS28においては、画像形成条件が決定され、処理はステップS29に進む。処理がステップS26から進む場合には、画像形成条件のうち記録媒体を搬送する用紙搬送速度を除き、ステップS26において検出された媒体種類に対応する画像形成条件が決定される。用紙搬送速度は、ステップS25において記録媒体が搬送される検出速度が設定される。一方、処理がステップS27から進む場合は、ステップS27において取得された媒体種類に対応する画像形成条件が決定される。媒体種類に基づき決定される画像形成条件は、2次転写電圧、定着温度、用紙搬送速度を含む。
【0092】
ステップS29においては、ステップS28において決定された画像形成条件で、1枚目の記録媒体に画像が形成され、処理はステップS30に進む。ステップS30においては、画像形成の対象となる記録媒体の2枚目以降が存在するか否かが判断される。2枚目以降の記録媒体が存在するならば処理はステップS31に進むが、存在しなければ処理は終了する。
【0093】
ステップS31においては、2枚目以降の記録媒体に、その記録媒体の媒体種類に対応する画像形成条件で画像が形成され、処理はステップS32に進む。ステップS32においては、画像形成が終了したか否かが判断される。画像形成の対象となるすべての記録媒体に画像が形成されると、画像形成が終了したと判断される。画像形成が終了したならば処理を終了するが、そうでなければ処理はステップS31に戻る。
【0094】
<実施例>
リセット処理の具体例について説明する。
図13は、リセット処理が実行される前後における設定値の一例を示す図である。ここでは、給紙トレイ151~153のトレイ識別情報「トレイ1」、「トレイ2」および「トレイ3」それぞれに対して、リセット処理が実行される前後に設定される媒体種類、動作モードが示される。
【0095】
トレイ識別情報「トレイ1」の給紙トレイ151において、リセット動作が実行される前の段階において、媒体種類「普通紙」が設定され、動作モードに「検知モード」が設定される。この状態においてリセット処理が実行された後においては、媒体種類にデフォルト値である記録媒体の種類が不明であることを示す設定値「不明」が設定され、動作モードにデフォルト値である「検知モード」が設定される。
【0096】
トレイ識別情報「トレイ2」の給紙トレイ152において、リセット動作が実行される前の段階において、媒体種類「普通紙+」が設定され、動作モードに「設定モード」が設定される。この状態においてリセット処理が実行された後においては、媒体種類「普通紙+」が設定され、動作モードに「設定モード」が設定される。給紙トレイ152に、裏紙であることを示す媒体種類「普通紙+」が設定されているので、媒体種類がデフォルト値に変更されない。第2媒体種類が裏紙の記録媒体について、検出装置159の出力から決定される媒体種類の検出精度が低い。このため、記録媒体の媒体種類として設定される設定値に、第2媒体種類が「裏紙」であることを示す媒体種類「普通紙+」が設定されている場合に、媒体種類がデフォルト値である「不明」に変更されない。このため、媒体種類「普通紙+」に対応する画像形成条件で記録媒体に画像を形成することができる。
【0097】
また、給紙トレイ152に、第2媒体種類が「裏紙」であることを示す媒体種類「普通紙+」が設定されているので、動作モードがデフォルト値に変更されない。このため、第2媒体種類が「裏紙」であることを示す媒体種類「普通紙+」の記録媒体が検出装置159の検出領域を通過する際に、検出装置159の出力に基づき決定される媒体種類で媒体種類「普通紙+」が更新されることがない。そのため、次に画像形成する際に、媒体種類「普通紙+」に対応する画像形成条件で記録媒体に画像を形成することができる。
【0098】
トレイ識別情報「トレイ3」の給紙トレイ153において、リセット動作が実行される前の段階において、媒体種類「厚紙1」が設定され、動作モードに「設定モード」が設定される。この状態においてリセット処理が実行された後においては、媒体種類にデフォルト値である記録媒体の種類が不明であることを示す設定値「不明」が設定され、動作モードにデフォルト値である「検知モード」が設定される。
【0099】
<変形例>
本実施の形態における記録媒体の媒体種類の検出は、記録媒体を光が透過する透過率である物性値を検知し、それに対応する媒体種類を特定しているが、この形態に限定されない。他にも、物性値として、光の反射率、剛度、厚み、坪量、サイズ、目方向、色、水分含有率、平滑度、電気抵抗、摩擦係数および記録媒体の構成要素を用いることができる。構成要素は、パルプ材、コート剤、蛍光剤、填料を含む。
【0100】
また、対応テーブルを使用することなく、検出装置149から出力される透過率TRに基づいて、媒体種類が決定されてもよい。この場合、透過率TRと媒体種類とを関連付けたテーブルが用いられる。また、記録媒体から取得された透過率TR等の物性値から直接的に画像形成条件(搬送速度、転写電圧、定着温度)が決定されてもよい。
【0101】
本実施の形態におけるトレイテーブルが、トレイ識別情報に、媒体種類と動作モードと規制フラグとを関連付けるトレイレコードを含む場合を例に説明したが、トレイテーブルを用いる必要はない。給紙トレイ151~153、手差しトレイ154それぞれに、媒体種類と動作モードと規制フラグとが関連付けられればよい。例えば、媒体種類と動作モードと規制フラグそれぞれに対応するテーブルが用いられてもよい。また、規制フラグは、必ずしも用いる必要はない。媒体種類が所定値の場合に、動作モードおよび媒体種類がデフォルト値にリセットされないようにすればよい。
【0102】
<実施の形態の総括>
(項1) 記録媒体の媒体種類に応じた画像形成条件に従って記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、
記録媒体の媒体種類を第1情報として検出する検出手段と、
記録媒体の媒体種類を第2情報として受け付ける種類取得手段と、
所定条件の成立に応じて前記画像形成条件を定める少なくとも1つの設定値をデフォルト値に設定するリセット動作を実行するリセット手段と、
前記リセット手段によるリセット動作が実行されても、前記種類取得手段で受け付けた所定の記録媒体に関する第2情報をリセットしないように制御する規制手段と、を備えた画像形成装置。
【0103】
この局面に従えば、リセット動作が実行されても、受け付けた所定の記録媒体に関する第2情報がリセットしないように制御される第1情報として検出される記録媒体の媒体種類を検出する精度が低い記録媒体の媒体種類を、所定の媒体種類とすれば、所定の媒体種類の記録媒体に適した画像形成条件で画像が形成される。このため、記録媒体の媒体種類に応じた画像形成条件で画像を形成することが可能な画像形成装置を提供することができる。
【0104】
(項2)前記媒体種類が設定される設定値として前記第2情報として受け付けられかつ所定の媒体種類が設定されている場合に前記リセット動作を実行させない規制手段と、を備えた項1に記載の画像形成装置。
【0105】
この局面に従えば、媒体種類が設定される設定値として第2情報として受け付けられかつ所定の媒体種類が設定されている場合にリセット動作が実行されない。第1情報として検出される記録媒体の媒体種類を検出する精度が低い記録媒体の媒体種類を、所定の媒体種類とすれば、所定の媒体種類の記録媒体に適した画像形成条件で画像が形成される。このため、記録媒体の媒体種類に応じた画像形成条件で画像を形成することが可能な画像形成装置を提供することができる。
【0106】
(項3) 前記第1情報を用いて前記画像形成条件を決定する第1動作モードと前記第2情報を用いて前記画像形成条件を決定する第2動作モードとのいずれか一方を示す動作モードを設定するモード設定手段を、さらに備え、
前記動作モードが設定される設定値のデフォルト値は、前記第1動作モードを示す設定値であり、
前記規制手段は、前記動作モードが設定される設定値として前記第2動作モードが設定されておりかつ前記媒体種類が設定される設定値として前記第2情報として受け付けられかつ前記所定の媒体種類が設定されている場合は前記動作モードが設定される設定値に対して前記リセット動作を実行させない、項2に記載の画像形成装置。
【0107】
この局面に従えば、動作モードが設定される設定値として第2動作モードが設定されておりかつ媒体種類が設定される設定値として前記第2情報として受け付けられかつ前記所定の媒体種類が設定されている場合は動作モードに対するリセット動作が実行されない、このため、記録媒体の媒体種類として所定の媒体種類が設定されている場合には、第2情報を用いて画像形成条件が決定され、第1情報を用いて前記画像形成条件が決定されないので、その記録媒体の媒体種類が第1情報で更新されることがない。このため、第1情報として検出される記録媒体の媒体種類を検出する精度が低い記録媒体の媒体種類が第1情報で更新されないようにできる。
【0108】
(項4) 記録媒体を収納するトレイと、
前記トレイに収納される記録媒体の媒体種類を設定する媒体設定手段と、をさらに備え、
前記媒体種類が設定される設定値のデフォルト値は、媒体種類が不明であることを示す設定値であり、
前記規制手段は、前記媒体種類が設定される設定値として前記第2情報として受け付けられかつ前記所定の媒体種類が設定されている場合は前記媒体種類が設定される設定値に対して前記リセット動作を実行させない、項2または3に記載の画像形成装置。
【0109】
この局面に従えば、媒体種類が設定される設定値として第2情報として受け付けられかつ所定の媒体種類が設定されている場合は媒体種類が設定される設定値に対してリセット動作が実行されない。このため、記録媒体の媒体種類として所定の媒体種類が設定されている場合には、その記録媒体の媒体種類がデフォルト値にリセットされることがない。このため、第1情報として検出される記録媒体の媒体種類を検出する精度が低い記録媒体の媒体種類がデフォルト値に変更されないようにできる。
【0110】
(項5) 記録媒体を収納するトレイと、
前記第1情報を用いて前記画像形成条件を決定する第1動作モードと前記第2情報を用いて前記画像形成条件を決定する第2動作モードとのいずれか一方を示す動作モードを示すモード設定値を設定するモード設定手段と、
前記トレイそれぞれに収納される記録媒体の媒体種類を示す設定値を設定する媒体設定手段と、をさらに備え、
前記動作モードが設定される設定値のデフォルト値は、前記第1動作モードを示す設定値であり、
媒体種類が設定される設定値のデフォルト値は、媒体種類が不明であることを示す設定値であり、
前記規制手段は、前記媒体種類が設定される設定値として前記第2情報として受け付けられかつ前記所定の媒体種類が設定されている場合は、前記動作モードが設定される設定値および前記媒体種類が設定される設定値に対して前記リセット動作を実行させない、項2~4のいずれかに記載の画像形成装置。
【0111】
この局面に従えば、記録媒体の媒体種類として所定の媒体種類が設定されている場合には、第2情報を用いて画像形成条件が決定され、第1情報を用いて前記画像形成条件が決定されないので、その記録媒体の媒体種類が第1情報で更新されることがない。また、記録媒体の媒体種類として所定の媒体種類が設定されている場合には、その記録媒体の媒体種類がデフォルト値にリセットされることがない。このため、第1情報として検出される記録媒体の媒体種類を検出する精度が低い記録媒体の媒体種類が第1情報およびデフォルト値に変更されないようにできる。
【0112】
(項6) 前記媒体種類が設定される設定値として前記第2情報として受け付けられかつ前記所定の媒体種類が設定されている場合に規制フラグを設定するフラグ設定手段を、さらに備え、
前記規制手段は、前記規制フラグが設定されている場合に前記リセット動作を実行させず、前記規制フラグが設定されていない場合に前記リセット動作を実行させる、項2~5のいずれかに記載の画像形成装置。
【0113】
この局面に従えば、媒体種類が設定される設定値として第2情報として受け付けられかつ所定の媒体種類が設定されている場合に規制フラグが設定され、規制フラグが設定されている場合にリセット動作が実行されず、規制フラグが設定されていない場合にリセット動作が実行される。このため、リセット動作を実行するか否かを容易に判断できる。
【0114】
(項7) 記録媒体を収納する複数のトレイと、
前記第1情報を用いて前記画像形成条件を決定する第1動作モードと前記第2情報を用いて前記画像形成条件を決定する第2動作モードとのいずれか一方を示す動作モードを前記複数のトレイごとに設定するモード設定手段を、さらに備え、
前記動作モードが設定される設定値のデフォルト値は、前記第1動作モードを示す設定値であり、
前記リセット手段は、前記複数のトレイごとに前記動作モードが設定される設定値をデフォルト値に設定し、
前記規制手段は、前記複数のトレイのうち、前記媒体種類が設定される設定値として前記第2情報として受け付けられかつ前記第2情報として受け付けられかつ前記所定の媒体種類が設定されている特定トレイに対応する前記動作モードが設定される設定値に対して前記リセット動作を実行させない、項2に記載の画像形成装置。
【0115】
この局面に従えば、複数のトレイのうち、記録媒体の媒体種類として所定の媒体種類の記録媒体を収容する特定トレイに対応する動作モードがデフォルト値にリセットされない。このため、特定トレイに収容されている記録媒体の媒体種類が第1情報で更新されないようにできる。
【0116】
(項8) 記録媒体を収納する複数のトレイと、
前記複数のトレイそれぞれ収納される記録媒体の媒体種類を設定する媒体設定手段と、をさらに備え、
前記媒体種類が設定される設定値のデフォルト値は、媒体種類が不明であることを示す設定値であり、
前記規制手段は、前記複数のトレイのうち前記第2情報として受け付けられかつ前記媒体種類が設定される設定値として前記第2情報として受け付けられかつ前記所定の媒体種類が設定されている特定トレイに対応する前記媒体種類が設定される設定値に対して前記リセット動作を実行させない、項2または7に記載の画像形成装置。
【0117】
この局面に従えば、複数のトレイのうち、記録媒体の媒体種類として所定の媒体種類の記録媒体を収容する特定トレイに対応する媒体種類がデフォルト値に変更されないようにできる。
【0118】
(項9) 記録媒体を収納する複数のトレイと、
前記第1情報を用いて前記画像形成条件を決定する第1動作モードと前記第2情報を用いて前記画像形成条件を決定する第2動作モードとのいずれか一方を示す動作モードを前記複数のトレイごとに設定するモード設定手段と、
前記複数のトレイそれぞれ収納される記録媒体の媒体種類を設定する媒体設定手段と、をさらに備え、
前記動作モードが設定される設定値のデフォルト値は、前記第1動作モードを示す設定値であり、
前記媒体種類が設定される設定値のデフォルト値は、媒体種類が不明であることを示す設定値であり、
前記規制手段は、前記複数のトレイのうち、前記媒体種類が設定される設定値として前記第2情報として受け付けられかつ前記所定の媒体種類が設定されている特定トレイに対応する前記動作モードが設定される設定値および前記媒体種類が設定される設定値に対して前記リセット動作を実行させない、項2、7および8のいずれかに記載の画像形成装置。
【0119】
この局面に従えば、複数のトレイのうち、記録媒体の媒体種類として所定の媒体種類の記録媒体を収容する特定トレイに対応する動作モードおよび媒体種類がデフォルト値にリセットされない。このため、特定トレイに収容されている記録媒体の媒体種類が第1情報およびデフォルト値に変更されないようにできる。
【0120】
(項10) 記録媒体を収納する複数のトレイと、
前記複数のトレイそれぞれに対応して前記媒体種類が設定される設定値として前記第2情報として受け付けられかつ前記所定の媒体種類が設定されている場合に規制フラグを設定するフラグ設定手段と、をさらに備え、
前記規制手段は、前記複数のトレイのうち前記規制フラグが設定されている規制トレイに対して、前記リセット動作を実行させず、前記複数のトレイのうち前記規制フラグが設定されていない非規制トレイに対して前記リセット動作を実行させる、項2、7~9のいずれかに記載の画像形成装置。
【0121】
この局面に従えば、複数のトレイのうち規制フラグが設定されている規制トレイに対してリセット動作が実行されず、複数のトレイのうち規制フラグが設定されていない非規制トレイに対してリセット動作が実行される。このため、複数のトレイごとに、リセット動作を実行するか否かを容易に判断できる。
【0122】
(項11) 前記リセット手段が前記リセット動作を開始する前記所定条件は、前記リセット動作を最後に実行してからの経過時間に関する条件と、ユーザーにより入力される操作が最後に受け付けられてからの経過時間に関する条件とを含む、項1~10のいずれかに記載の画像形成装置。
【0123】
(項12) 前記リセット手段は、前記所定条件が成立する時点で前記画像形成手段が画像を形成している場合には、前記画像形成手段による画像形成動作が終了した後に、前記リセット動作を開始する、項1~11のいずれかに記載の画像形成装置。
【0124】
この局面に従えば、画像形成動作中に設定値が変更されないので、画像形成動作を正常に実行させることができる。
【0125】
(項13) 発光部と受光部を有する光学センサーを、さらに備え、
前記検出手段は、前記光学センサーの出力値に基づいて、前記第1情報を検出する、項1~12のいずれかに記載の画像形成装置。
【0126】
(項14) 前記第1情報および前記第2情報は、物性値または前記物性値に基づいて決定された記録媒体の種類のいずれかであり、
前記物性値は、光の透過率、光の反射率、剛度、厚み、坪量、サイズ、目方向、色、水分含有率、平滑度、電気抵抗、摩擦係数および構成要素を示す情報を含む、
構成要素を示す情報は、パルプ材、コート剤、蛍光剤、填料を含む、項1~13のいずれかに記載の画像形成装置。
【0127】
(項15) 記録媒体の媒体種類に応じた画像形成条件に従って記録媒体に画像を形成する画像形成ステップと、
記録媒体の媒体種類に関する情報を第1情報として検出する検出ステップと、
記録媒体の媒体種類に関する情報を第2情報として受け付ける種類取得ステップと、
所定条件の成立に応じて前記画像形成条件を定める少なくとも1つの設定値をデフォルト値に設定するリセット動作を実行するリセットステップと、
前記リセットステップにおいてリセット動作が実行されても、前記種類取得ステップにおいて受け付けた所定の記録媒体に関する第2情報をリセットしないように制御する規制ステップと、を画像形成装置に実行させる画像形成装置リセット方法。
【0128】
この局面に従えば、画像形成装置に記録媒体の媒体種類に応じた画像形成条件で画像を形成させることが可能な画像形成装置リセット方法を提供することができる。
【0129】
(項16) 記録媒体の媒体種類に応じた画像形成条件に従って記録媒体に画像を形成する画像形成ステップと、
記録媒体の媒体種類に関する情報を第1情報として検出する検出ステップと、
記録媒体の媒体種類に関する情報を第2情報として受け付ける種類取得ステップと、
所定条件の成立に応じて前記画像形成条件を定める少なくとも1つの設定値をデフォルト値に設定するリセット動作を実行するリセットステップと、
前記リセットステップにおいてリセット動作が実行されても、前記種類取得ステップにおいて受け付けた所定の記録媒体に関する第2情報をリセットしないように制御する規制ステップと、を画像形成装置を制御するコンピューターに実行させる画像形成装置リセットプログラム。
【0130】
この局面に従えば、画像形成装置に記録媒体の媒体種類に応じた画像形成条件で画像を形成させることが可能な画像形成装置リセットプログラムを提供することができる。
【0131】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0132】
100 MFP、111 CPU、112 通信I/F部、113 ROM、114 RAM、115 HDD、116 ファクシミリ部、118 外部記憶装置、118A CD-ROM、130 原稿読取部、140 画像形成部、150 給紙部、151~153 給紙トレイ、154 手差しトレイ、152a 搬送経路、159 検出装置、159a 投光部、159b 投光部、159c 受光部、160 操作パネル、161 表示部、163 操作部、41 主搬送経路、45 タイミングローラー、47 転写ローラー、49 定着ローラー、51 検出部、53 操作受付部、55 フラグ設定部、57 設定部、61 モード設定部、63 媒体設定部、65 リセット部、67 規制部、69 フラグ設定部、200 給紙トレイ設定画面。