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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125080
(43)【公開日】2024-09-13
(54)【発明の名称】搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 35/06 20060101AFI20240906BHJP
【FI】
B65G35/06 B
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023033173
(22)【出願日】2023-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】小川 教喜
(72)【発明者】
【氏名】野本 浩亮
(72)【発明者】
【氏名】小松 彩絵子
(57)【要約】
【課題】連結された台車において、台車と台車が通る経路との間に発生する隙間を低減する機構を有した搬送装置を実現する。
【解決手段】搬送経路(6)に沿って搬送される搬送装置(1)であって、複数のメイン台車(2)と、メイン台車の間に位置し、メイン台車に対して移動可能に接続された、複数のサブ台車(3)とを備え、メイン台車とサブ台車とは交互に配置され、サブ台車は、搬送経路が屈曲する箇所において、サブ台車から搬送経路の進行方向に対して垂直に引き出されるステップ(7)を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送経路に沿って被搬送物を搬送する搬送装置であって、
複数のメイン台車と、
前記メイン台車の間に位置し、前記メイン台車に対して移動可能に接続された、複数のサブ台車と、を備え、
前記複数のメイン台車と前記複数のサブ台車とを交互に配置し、
前記サブ台車は、前記搬送経路が屈曲する箇所において、前記サブ台車から前記搬送経路の進行方向に対して垂直に引き出されるステップを備えた、搬送装置。
【請求項2】
前記ステップは、前記搬送経路に沿って設けられたガイドレールに係合し、前記サブ台車の中心の軌跡と前記ガイドレールとの経路差によってサブ台車から引き出される、請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記ガイドレールは、前記搬送経路が屈曲する箇所に設けられており、かつ、前記搬送経路が直線である少なくとも一部の箇所には設けられていない、請求項2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記ステップは、前記ステップと前記メイン台車との間に、可動するカバー部を備える、請求項1に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記カバー部の少なくとも一部は、前記搬送経路が直線である箇所において、前記ステップに収容される、請求項4に記載の搬送装置。
【請求項6】
前記カバー部は、前記メイン台車の外縁を移動する可動機構を有し、
前記カバー部は、前記メイン台車によって保持される、請求項4に記載の搬送装置。
【請求項7】
前記サブ台車は、前記搬送経路の進行方向に対し一対の凹部を有する形状である、請求項1から6のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項8】
前記メイン台車は、前記搬送経路の進行方向の前後に弧状の外形を有し、かつ、前記搬送経路の進行方向に平行な縁を有した略円形である、請求項1から6のいずれか1項に記載の搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
被搬送物(例えば、乗用車)を搭載した台車を連ね、該台車を所定の搬送経路に沿って移動させる搬送装置を用いた、作業者の移動負荷を低減する生産ラインが工場に構築されている。作業者は、該台車に組み立てる部品を積み込み、台車が所定の搬送経路を移動する時間内に、台車の上で1つの被搬送物の組み立てを完了させる。そのため、作業者は部品搬送のための工場内での平面移動が少なく、効率よく作業を行うことができる。
【0003】
特許文献1には、被搬送物を搭載した第1台車体と、第1台車体同士を接続する第2台車体とによって構成された搬送装置が開示されている。ここで、第1台車体は、搬送経路の転回部において、互いに干渉することのないよう、その外縁は、前部及び後部において円弧状に形成されている。第2台車体は、第1台車体間を埋める形状に構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-078984号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
被搬送物を搭載する第1台車体は搬送経路に沿って移動する。しかし、第1台車体同士を接続する第2台車体は、隣接する第1台車体との位置関係に従って移動するものであり、搬送経路の転回部において、搬送装置と足場との間に隙間ができてしまう。
【0006】
本発明の一態様は、連結された台車において、台車とともに移動する、台車と足場との隙間を低減する機構を有する搬送装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る搬送装置は、搬送経路に沿って被搬送物を搬送する搬送装置であって、複数のメイン台車と、前記メイン台車の間に位置し、前記メイン台車に対して移動可能に接続された、複数のサブ台車と、を備え、前記複数のメイン台車と前記複数のサブ台車とを交互に配置し、前記サブ台車は、前記搬送経路が屈曲する箇所において、前記サブ台車から前記搬送経路の進行方向に対して垂直に引き出されるステップを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、台車と足場との隙間を低減した搬送装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】搬送装置の概要を示す斜視図である。
図2】搬送経路が屈曲または転回している場合における、その前後を含めた搬送装置の上面図である。
図3】一組のメイン台車とサブ台車との関係を記載した上面図である。
図4】カバー部が収容されている状況における、ステップとカバー部とを示す上面図である。
図5】カバー部が展開されている状況における、ステップとカバー部とを示す上面図である。
図6】カバー部が収容されている状況から、展開されている状況に遷移する図である。
図7】実施形態2に係るメイン台車の搬送経路の進行方向から見た断面図である。
図8】ステップおよびカバー部を収容したときにおける、実施形態2に係るサブ台車の搬送経路の進行方向から見た断面図である。
図9】ステップおよびカバー部を展開したときにおける、実施形態2に係るサブ台車の搬送経路の進行方向から見た断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0011】
(搬送装置1の基本構成)
図1は、搬送装置1の概要を示す斜視図である。搬送装置1は、複数のメイン台車2と複数のサブ台車3とによって構成されており、メイン台車2とサブ台車3とは交互に配置される。メイン台車2には、被搬送物4が載せられており、被搬送物4に対して、作業者5は、メイン台車2およびサブ台車3に搭乗して作業する。作業者5は、メイン台車2およびサブ台車3に被搬送物4に組み付ける部品を積み込み、メイン台車2およびサブ台車3が所定の搬送経路6を移動する時間内に、メイン台車2の上で1つの被搬送物の組み立てを完了させる。なお、固定された足場9を搬送経路6の側方に設けてもよい。足場9のフロア高さは、搬送装置1のフロア高さとほぼ同等である。
【0012】
メイン台車2は、床に設けられたガイドレールである搬送経路6に案内されており、搬送経路6に沿って走行する。メイン台車2は、搬送経路6の進行方向の前後に弧状の外径を有し、かつ、搬送経路6の進行方向に平行な縁を有する。つまり、メイン台車2は、円形に対し、搬送経路6の進行方向に平行な縁を有した略円形である。サブ台車3は、搬送経路6の進行方向に対し、一対の凹部を有する形状であり、例えばI型の形状をしている。具体的には、サブ台車3における凹部は、メイン台車2の縁にフィットするような形状をしている。
【0013】
搬送経路6のうち経路が直線である箇所においては、メイン台車2の搬送経路6の進行方向に平行な縁と、サブ台車3の縁とは同一の直線状に並ぶ。すなわち、メイン台車2における該縁は、搬送経路6のうち経路が直線である箇所で、メイン台車2がサブ台車3における縁からはみ出ることになる。そのため、メイン台車2がはみ出ることを防ぐために、メイン台車2の外形における縁は円形から切り落とされている。その結果、搬送経路6の進行方向が直線である箇所においては、搬送装置1と足場9とは平行に並び、大きな隙間はない。
【0014】
本実施形態では、メイン台車2の駆動方式は、フリクション方式である。ただし、駆動方式はこれに限定されず、チェーン駆動など他の方式であってもよい。また、メイン台車2自身が自走機能を有していてもよい。なお、サブ台車3は、駆動機構を有さず、メイン台車2に追従して動作する。
【0015】
(メイン台車2)
図2は、搬送経路6が屈曲または転回している場合における、その前後を含めた搬送装置1の上面図である。なお、搬送経路6はメイン台車2の中心が通る軌跡でもある。
【0016】
メイン台車2間は、一定の距離を取るような機構が設けられている。例えば、メイン台車2の中心同士を、両端にベアリングなどによる回転軸を有したロッド21で結合するなどの機構が設けられている。該ロッド21を介して、走行部によるメイン台車2が走行する力は伝達される。また、ロッド21は、両端に回転軸を有するために、ロッド21によって接続された2台のメイン台車2同士は、互いの中心に対し、回転(移動)することができる。
【0017】
メイン台車2は、搬送経路6上を走行する複数の走行車輪23が備わっている。該走行車輪23は、ロッド21を介して伝達された力によって回転し、メイン台車2を搬送経路6に沿って走行させる。なお、図2における符号24は走行車輪23が通る経路である。走行車輪23は、車輪を固定する部位が回転し、搬送経路6に平行になる方向に合うように回転方向が変化する。
【0018】
メイン台車2の外周部には、後述するカバー部8をガイドするためのガイドレールである展開ガイドレール22(図3参照)が備わっている。展開ガイドレール22の機能に関しては後述する。
【0019】
(サブ台車3)
サブ台車3は、ロッド21の中央に対して固定されている。そのため、サブ台車3は、メイン台車2の中心間の中央に位置し、メイン台車2に対して移動可能(回転可能)に接続される。サブ台車3は、ロッド21によってメイン台車2によって支えられている。すなわち、サブ台車3は、床面を走行する走行車輪を有さなくてもよい。
【0020】
サブ台車3は、搬送経路6の進行方向(を通る鉛直面)に対して垂直に引き出されるステップ7を有する。ステップ7は、サブ台車3に対して移動可能(スライド可能)に取り付けられている。ステップ7は、ステップ7に対して作業者5が乗っても良い構造強度を有している。サブ台車3の下方に、ステップ7が展開可能に収容されている。
【0021】
(ステップ7)
ステップ7の上面は、サブ台車3の上面より低く、サブ台車3の下方に展開可能に収容されている。図3は、一組のメイン台車2とサブ台車3との関係を記載した上面図である。ステップ7は、一組のカバー部8を展開可能に収容している。
【0022】
ステップ7は、複数のローラによる引出ガイドローラ73を備える。引出ガイドローラ73は、床に敷設された搬送経路6に沿って略平行に設けられた引出ガイドレール71(ガイドレール)を挟み込み、引出ガイドレール71に沿って転動する。そのため、ステップ7は、搬送経路6に沿って設けられた引出ガイドレール71に係合し、サブ台車3の中心の軌跡と引出ガイドレール71との経路差によってサブ台車3から引き出される。ステップ7がサブ台車3から引き出されるのは、搬送経路6上の必要な箇所、特に搬送経路が屈曲する箇所である。ここで、経路差とは、サブ台車3の中心の軌跡が、直線区間では搬送経路6と一致するのに対し、屈曲区間では搬送経路6に対して小回りしているため、サブ台車3が引出ガイドレール71から離れることを指す。
【0023】
なお、引出ガイドレール71は、搬送経路6が屈曲する箇所に設けられており、かつ、搬送経路6が直線である少なくとも一部の箇所には設けられていなくてもよい。なお、本実施形態では、引出ガイドレール71は、搬送経路6の全区間に対応するように設けられているものとする。
【0024】
カバー部8におけるピン81が、ステップ7における湾曲したスロット72にはまり込んでおり、スロット72に沿って摺動する。スロット72は、弓なりに反った曲線をなしている。ピン81は、ピンに限定されず、軸受けまたはローラであってもよい。
【0025】
カバー部8における展開ガイドローラ82(可動機構)が、展開ガイドレール22を挟み込み、展開ガイドレール22に沿って転動または摺動する。すなわち、展開ガイドローラ82は、展開ガイドレール22に沿って、メイン台車2の外縁を移動する。
【0026】
カバー部8の位置は、ピン81の位置と展開ガイドローラ82の位置によって定まる。つまり、カバー部8は、ステップ7とメイン台車2との位置関係によって位置決めされる。つまり、カバー部8は、ステップ7とメイン台車2との間で可動する。また、カバー部8は展開ガイドローラ82によって展開ガイドレール22に拘束されているため、カバー部8は、メイン台車2によって保持されている。
【0027】
(カバー部8の収容と展開)
カバー部8の上面は、ステップ7の上面より低く、ステップ7の下方に展開可能に収容されている。
【0028】
図4は、カバー部8が収容されている状況における、ステップ7とカバー部8とを示す上面図である。図5は、カバー部8が展開されている状況における、ステップ7とカバー部8とを示す上面図である。図6は、カバー部8が収容されている状況から、展開されている状況に遷移する図である。
【0029】
図4では、ピン81がスロット72の中央端に位置する。対して、図5では、ピン81がスロット72の両端に位置する。また、図4および図5における、展開ガイドローラ82の展開ガイドレール22に対する位置は異なっている。
【0030】
図6に示すように、引出ガイドレール71を挟み込む引出ガイドローラ73を含むステップ7が、サブ台車3に対して、搬送経路6の進行方向に対して垂直の方向に移動する。この間、ステップ7のメイン台車2に対する位置の変化によって、カバー部8は、スロット72に対するピン81の位置、および展開ガイドレール22に対する展開ガイドローラ82の位置が変化する。その結果、図6のようにカバー部8の位置は、随時変化し、カバー部8がステップ7に収容されている状態から、ステップ7から展開された状態へと遷移する(図6参照)。
【0031】
したがって、搬送経路6が屈曲または転回している部分においては、ステップ7とカバー部8が、サブ台車3から引き出される。これによって、足場9と搬送装置1との間の隙間を、低減することができる。具体的には、ステップ7およびカバー部8がない場合では、メイン台車2およびサブ台車3と足場9との間には、搬送経路が屈曲している場合には大きな隙間が生じる。しかしながら、ステップ7およびカバー部8を有する搬送装置1では、ステップ7およびカバー部8と足場9との間の隙間は、上述した例よりも小さくすることができる(図3参照)。
【0032】
また、搬送経路6が直線である箇所においては、引出ガイドレール71がサブ台車3の端部から外側に離れないために、ステップ7およびカバー部8がサブ台車3に収容されている。
【0033】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0034】
実施形態1では、搬送装置1と足場9とのフロアレベルが同等であったが、実施形態2では異なっており、足場9のフロアレベルが搬送装置1よりも低い。また、足場9は、搬送装置1の下側まで突出している。
【0035】
図7は、実施形態2に係るメイン台車2の搬送経路の進行方向から見た断面図である。メイン台車2は、補助車輪25を備え、該補助車輪25は引出ガイドレール71上を転動する。なお、引出ガイドレール71は床面ではなく足場9上に敷設される。すなわち、メイン台車2およびメイン台車2が搬送している被搬送物4の荷重を、足場9が支えることになる。
【0036】
図8は、ステップ7およびカバー部8を収容したときにおける、実施形態2に係るサブ台車3の搬送経路の進行方向から見た断面図である。図9は、ステップ7およびカバー部8を展開したときにおける、実施形態2に係るサブ台車3の搬送経路の進行方向から見た断面図である。
【0037】
サブ台車3もメイン台車2と同様に、引出ガイドローラ73が引出ガイドレール71上を転動する。そのため、サブ台車3の荷重を、足場9が支えることができる。これは、図8および9に示すように、ステップ7およびカバー部8の展開状況によらずに、足場9は荷重を支えることができる。
【0038】
実施形態2では、搬送装置1と足場9とのフロアレベルが異なるために、隙間が生じる部分が、実施形態1とは異なり搬送装置1の上面と足場9の上面との隙間ではなく、搬送装置1の側面と足場9の上面との隙間になる。そのため、搬送装置1におけるステップ7およびカバー部8における側面に関して、足場9の上面近傍までカバーすることによって、隙間を小さくすることができる。
【0039】
このように、足場9のフロアレベルに係らず、ステップ7及びカバー部8を含む搬送装置1の上面が占める領域は、隙間の拡大を回避するために、搬送装置1の移動によっても一定であることが好ましい。直線区間ではメイン台車2はサブ台車3の幅に切りそろえられているため、搬送装置1の上面が占める領域は搬送装置1の移動によっても一定である。対して、転回部の外側部分においては、サブ台車3の経路内側方向への移動に伴う空間をステップ7及びカバー部8がカバーする。
【0040】
〔変形例〕
(メイン台車が円形)
実施形態1および2では、メイン台車2は、円形に対し、搬送経路6の進行方向の前後に弧状の外形を有し、かつ搬送経路6の進行方向に平行な縁を有した略円形であったがこの形状に限定されない。例えば、完全な円形であってもよいし、多角形であってもよい。
【0041】
実施形態1および2では、メイン台車2の形状が完全な円形ではなかった。本変形例のように完全な円形であった場合、展開ガイドローラ82が、常に展開ガイドレール22を挟み込むことができるため、滑らかにカバー部8を展開することができる。
【0042】
(引出ガイドレールの敷設区間)
実施形態1および2では、引出ガイドレール71は、搬送経路6に対し、略平行に2本設けられるものとしたが、この限りではない。引出ガイドレール71は、搬送経路6が少なくとも屈曲する箇所に設けられていてもよい。
【0043】
(ステップ7の展開方法)
実施形態1および2では、ステップ7は引出ガイドレール71に連動して自動的に引き出せるように構成したが、これに限定されない。引出ガイドレール71を設けず、モータなどの動力によってステップ7を引き出すように構成することができる。またカバー部8も同様に、モータなどの動力によってステップ7から引き出すように構成することができる。この場合、搬送経路の位置情報に基づいて、最も隙間が少なくなるタイミングでステップ7およびカバー部8を引き出すように制御するとよい。
【0044】
〔まとめ〕
上記の課題を解決するために、本発明の態様1に係る搬送装置は、搬送経路に沿って被搬送物を搬送する搬送装置であって、複数のメイン台車と、前記メイン台車の間に位置し、前記メイン台車に対して移動可能に接続された、複数のサブ台車と、を備え、前記複数のメイン台車と前記複数のサブ台車とを交互に配置し、前記サブ台車は、前記搬送経路が屈曲する箇所において、前記サブ台車から前記搬送経路の進行方向に対して垂直に引き出されるステップを備える。
【0045】
上記の構成によれば、ステップがサブ台車から引き出されることによって、搬送装置が通る経路での最も大きな隙間を低減することができる。
【0046】
本発明の態様2に係る搬送装置は、上記態様1において、前記ステップは、前記搬送経路に沿って設けられたガイドレールに係合し、前記サブ台車の中心の軌跡と前記ガイドレールとの経路差によってサブ台車から引き出されてもよい。
【0047】
上記の構成によれば、ガイドレールによってステップがサブ台車から移動し、ステップが移動したことによって、搬送装置が通る経路における隙間を低減する。
【0048】
本発明の態様3に係る搬送装置は、上記態様2において、前記ガイドレールは、前記搬送経路が屈曲する箇所に設けられており、かつ、前記搬送経路が直線である少なくとも一部の箇所には設けられなくてもよい。
【0049】
上記の構成によれば、屈曲する箇所において生じる搬送装置と搬送装置が通る経路における隙間を低減することができる。
【0050】
本発明の態様4に係る搬送装置は、上記態様1から3のいずれかにおいて、前記ステップは、前記ステップと前記メイン台車との間に、可動するカバー部を備えてもよい。
【0051】
上記の構成によれば、ステップだけでは塞ぎきれなかった、搬送装置と搬送装置が通る経路における隙間をカバー部によってさらに低減することができる。
【0052】
本発明の態様5に係る搬送装置は、上記態様4において、前記カバー部の少なくとも一部は、前記搬送経路が直線である箇所において、前記ステップに収容されてもよい。
【0053】
上記の構成によれば、カバー部がステップに収容されるため、容易にステップをサブ台車に収容することができる。そのため、搬送経路が直線の箇所においては、搬送装置が干渉することを防ぐことができる。
【0054】
本発明の態様6に係る搬送装置は、上記態様4または5において、前記カバー部は、前記メイン台車の外縁を移動する可動機構を有し、前記カバー部は、前記メイン台車によって保持されてもよい。
【0055】
上記の構成によれば、カバー部はメイン台車に対して移動可能に接続されることができる。
【0056】
本発明の態様7に係る搬送装置は、上記態様1から6のいずれかにおいて、前記サブ台車は、前記搬送経路の進行方向に対し一対の凹部を有する形状であってもよい。
【0057】
上記の構成によれば、サブ台車はメイン台車に対し隙間なく接することができる。そのため、メイン台車およびサブ台車の間に隙間が無く挟み込みを防止することができる。
【0058】
本発明の態様8に係る搬送装置は、上記態様1から7のいずれかにおいて、前記メイン台車は、前記搬送経路の進行方向の前後に弧状の外形を有し、かつ、前記搬送経路の進行方向に平行な縁を有した略円形であってもよい。
【0059】
上記の構成によれば、搬送経路が直線の区間において、メイン台車がサブ台車よりも突出することを防ぐことができる。そのため、搬送経路が直線の区間において、搬送装置と搬送装置が通る経路との間に隙間を生じなくすることができる。
【0060】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0061】
1 搬送装置
2 メイン台車
3 サブ台車
4 被搬送物
5 作業者
6 搬送経路
7 ステップ
8 カバー部
9 足場
21 ロッド
22 展開ガイドレール
23 走行車輪
71 引出ガイドレール(ガイドレール)
72 スロット
73 引出ガイドローラ
81 ピン
82 展開ガイドローラ(可動機構)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9