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特開2024-125112建築物における保険料算出システム、保険料算出プログラム及び保険料算出方法
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  • 特開-建築物における保険料算出システム、保険料算出プログラム及び保険料算出方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125112
(43)【公開日】2024-09-13
(54)【発明の名称】建築物における保険料算出システム、保険料算出プログラム及び保険料算出方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/08 20120101AFI20240906BHJP
【FI】
G06Q40/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023033231
(22)【出願日】2023-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】517116773
【氏名又は名称】株式会社DiO
(74)【代理人】
【識別番号】100195431
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 史樹
(72)【発明者】
【氏名】一筆 芳巳
【テーマコード(参考)】
5L040
5L055
【Fターム(参考)】
5L040BB61
5L055BB61
(57)【要約】
【課題】文化財等の建築物における保険料算出システムを提供する。
【解決手段】サーバが、
フォトグラメトリによって作成された三次元モデルを記憶する記憶部220と、
前記記憶部220に記憶されている前記三次元モデルから意匠図を作成する図面作成部230と、
前記図面作成部230によって作成された前記意匠図に基づいて、前記三次元モデルの対象物の所有者が支払うべき保険料を算出する保険料算出部240と、を含み、
前記保険料算出部240は、前記意匠図に基づいて、保険料率を決定する保険料率決定部243を有する保険料算出システム100を提供する。
【選択図】図4

【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元モデルの対象物である文化財を含む建築物の所有者が支払うべき保険料を算出するため、端末と通信可能なサーバとを含む保険料算出システムであって、
前記サーバが、
フォトグラメトリによって作成された前記三次元モデルを記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されている前記三次元モデルから前記建築物の意匠図を作成する図面作成部と、
前記図面作成部によって作成された前記意匠図に基づいて、前記建築物の前記保険料を算出する保険料算出部と、を含み、
前記保険料算出部は、前記意匠図に基づいて、前記保険料の保険料率を決定する保険料率決定部を有する保険料算出システム。
【請求項2】
前記意匠図には前記建築物の寸法が表示される請求項1記載の保険料算出システム。
【請求項3】
前記保険料算出部は、前記意匠図に基づいて前記建築物の面積を算出する面積算出部と、
前記建築物の築年数及び文化的価値から構造単価を決定する構造単価決定部と、を含む請求項1記載の保険料算出システム。
【請求項4】
三次元モデルの対象物の所有者が支払うべき保険料を算出するため、端末と通信可能なサーバとを含む保険料算出方法であって、
フォトグラメトリによって文化財を含む建築物の前記三次元モデルを作成する三次元モデル作成工程と、
前記サーバが、記憶部に前記三次元モデルを記憶する記憶工程と、
前記サーバが、前記記憶工程で記憶された前記三次元モデルから意匠図を作成する図面作成工程と、
前記サーバが、前記意匠図に基づいて、前記保険料を算出する保険料算出工程と、を含み、
前記保険料算出工程では、前記意匠図に基づいて、前記保険料の保険料率を決定する保険料率決定工程を有する保険料算出方法。
【請求項5】
前記保険料算出工程では、前記意匠図に基づいて前記建築物の面積を算出する面積算出工程と、
前記建築物の築年数及び文化的価値から構造単価を決定する構造単価決定工程と、を含む請求項4記載の保険料算出方法。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物における保険料算出システム、保険料算出プログラム及び保険料算出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
文化財保護法の施行から60年近くが経ち、社寺や宝物等の「希少で価値の高いもの」こそが文化財であるという認識から、文化財と呼ばれるものの裾野は大きく広がった。
【0003】
1975年の文化財保護法改正による伝統的建造物群保存地区制度の導入、1996年の登録文化財制度の導入など、人々の文化財に対する認識の広がりと共に制度は変革を遂げてきた。
【0004】
しかし、その文化財としての裾野の広がりに伴って新たな問題が生まれてきた。それは、修理、修繕需要の増加により、費用が増大し、歴史的建造物が「自治体や国の予算編成の都合による修理待ち」や「所有者の金銭的その他の事情による取り壊し」という事態に陥るという問題である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017-227565号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
重伝建地区において考えると、完全に火災を予防することは不可能であるが、ひとたび発生すると巨額の損害が予想される。
【0007】
しかし、それに対処する額の貯蓄を各所有者や自治体がそれぞれ備えるのはほぼ不可能である。
【0008】
そこで、保険を利用することにより、多数の者で損害を分担することで、事故発生の時期、大小にかかわらず対処するという方法が考えられる。
【0009】
伝統的建造物を補助する自治体にとっても、臨時で予算を組む必要がある時に基金など特別な財源がない場合に特に有効であり、保険を利用することにより、出費の波を平準化することができる。
【0010】
しかし、上記問題に対して保険を利用する場合であっても、文化財等の古い建築物には図面がなく、保険料の算定が容易ではないという問題があった。
【0011】
また、図面があった場合であっても、度重なる改修によって現物と図面が異なり、保険料の算定が容易ではないという問題があった。
【0012】
具体的には、一般的に損害保険料は、建物の評価額を決定し、料率を計算することで、その積として求められる。評価額は、建設当時の価格が不明な場合、面積に構造単価をかける「新築費単価法」によって算出される。
【0013】
保険料率は、簡便に算定するための表が存在し、用途、構造、所在地(県単位)、割引の4要素によって決定される。
【0014】
そして、構造を特定するためには図面が必要になるが、文化財等の古い建築物においては図面が存在しないことも少なくない。
【0015】
また、度重なる改修によって現物と図面が異なるという場合も存在する。
【0016】
また、文化財等の建築物が火事や地震等によって焼失又は倒壊するおそれがあるものの、図面がない場合や現物と図面が異なるような場合は、保険料を算出するのが困難であるという問題がある。
【0017】
また、建築物の価値を評価して保険料率を算出するが、契約者と保険会社の双方が納得いく保険料率の算出が困難な場合もある。
【0018】
本発明の主な目的は、文化財等の建築物における保険料算出システムを提供することである。
【0019】
本発明の他の目的は、文化財等の建築物における保険料算出プログラムを提供することである。
【0020】
本発明の他の目的は、文化財等の建築物における保険料算出方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の第1の局面に係る保険料算出システムは、三次元モデルの対象物である文化財を含む建築物の所有者が支払うべき保険料を算出するため、端末と通信可能なサーバとを含む保険料算出システムであって、
前記サーバが、
フォトグラメトリによって作成された前記三次元モデルを記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されている前記三次元モデルから前記建築物の意匠図を作成する図面作成部と、
前記図面作成部によって作成された前記意匠図に基づいて、前記建築物の前記保険料を算出する保険料算出部と、を含み、
前記保険料算出部は、前記意匠図に基づいて、前記保険料の保険料率を決定する保険料率決定部を有する保険料算出システムである。
【0022】
フォトグラメトリから建築図面である意匠図を作成し、その意匠図に基づいて保険料を算出することにより、文化財等の建築物に図面がない場合や現物と図面が異なる場合であっても、その建築物の保険料を算出することができる。
【0023】
「文化財」とは、文化財保護法によって保護される国宝、重要文化財、史跡、名勝又は天然記念物だけでなく、人類の文化的活動によって生み出された有形又は無形の文化的所産のことをいう。
【0024】
本発明の第2の局面に係る保険料算出システムは、第1の局面に係る保険料算出システムであって、前記意匠図には前記建築物の寸法が表示される保険料算出システムである。
【0025】
前記建築物の三次元モデルの空間座標の距離((x1,y1,z1)と(x2,y2,z2)との距離)からの実際の距離(寸法に記載された数字)を算出することができる。
【0026】
本発明の第3の局面に係る保険料算出システムは、第1の局面に係る保険料算出システムであって、
前記保険料算出部は、前記意匠図に基づいて前記建築物の面積を算出する面積算出部と、
前記建築物の築年数及び文化的価値から構造単価を決定する構造単価決定部と、を含む保険料算出システムである。
【0027】
面積算出部が前記建築物の面積を算出することにより、また、構造単価決定部が構造単価を決定することにより、保険料を算出し易くなる。
【0028】
本発明の第4の局面に係る保険料算出方法は、三次元モデルの対象物の所有者が支払うべき保険料を算出するため、端末と通信可能なサーバとを含む保険料算出方法であって、
フォトグラメトリによって文化財を含む建築物の前記三次元モデルを作成する三次元モデル作成工程と、
前記サーバが、記憶部に前記三次元モデルを記憶する記憶工程と、
前記サーバが、前記記憶工程で記憶された前記三次元モデルから意匠図を作成する図面作成工程と、
前記サーバが、前記意匠図に基づいて、前記保険料を算出する保険料算出工程と、を含み、
前記保険料算出工程では、前記意匠図に基づいて、前記保険料の保険料率を決定する保険料率決定工程を有する保険料算出方法である。
【0029】
これにより、第1の局面と同様の効果を奏する。
【0030】
本発明の第5の局面に係る保険料算出方法は、第4の局面に係る保険料算出方法であって、
前記保険料算出工程では、前記意匠図に基づいて前記建築物の面積を算出する面積算出工程と、
前記建築物の築年数及び文化的価値から構造単価を決定する構造単価決定工程と、を含む保険料算出方法である。
【0031】
これにより、第3の局面と同様の効果を奏する。
【0032】
本発明の第6の局面に係る保険料算出プログラムは、三次元モデルの対象物である文化財を含む建築物の所有者が支払うべき保険料を算出するための保険料算出プログラムであって、
フォトグラメトリによって作成された前記三次元モデルを記憶する記憶処理と、
前記記憶処理に記憶されている前記三次元モデルから前記建築物の意匠図を作成する図面作成処理と、
前記図面作成処理によって作成された前記意匠図に基づいて、前記建築物の前記保険料を算出する保険料算出処理と、を実行し、
前記保険料算出処理は、前記意匠図に基づいて、前記保険料の保険料率を決定する保険料率決定処理を実行する保険料算出プログラムである。
【0033】
これにより、第1の局面と第4の局面と同様の効果を奏する。
【0034】
本発明の第7の局面に係る保険料算出プログラムは、第6の局面に係る保険料算出プログラムであって、
前記保険料算出処理は、前記意匠図に基づいて前記建築物の面積を算出する面積算出処理と、
前記建築物の築年数及び文化的価値から構造単価を決定する構造単価決定処理と、を実行する保険料算出プログラムである。
【0035】
これにより、第3の局面と第5の局面と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明に係る一実施形態におけるフォトグラメトリでの建築物Sの3Dモデルの作成を表す概念図。
図2】同実施形態におけるフォトグラメトリでの建築物Sの3Dモデルの作成を表す概念図。
図3】本発明に係る一実施形態における保険料算出システムの概念図。
図4】本発明に係る一実施形態における保険料算出システムの図面作成部によって作成された意匠図を表す概念図。
図5】本発明に係る一実施形態における保険料算出システムのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の実施形態に関して図面を参照しながら説明する。
【0038】
(フォトグラメトリ)
本実施形態では、3DCGを製作するにあたり、フォトグラメトリを使用している。
【0039】
「フォトグラメトリ」とは、写真からリアルな3DCGを生成する技術である。
【0040】
具体的には、フォトグラメトリとは、対象物(本実施形態では建築物)を様々な角度から撮影した複数の写真を合成する技術である。
【0041】
生成したい3DCGをどの程度リアルで精緻なモデルにしたいかによって、必要な写真点数は異なってくる。必要な写真点数は、数十枚から数百枚に及ぶ。
【0042】
フォトグラメトリの製作工程は、1撮影、2アライメント、3メッシュ生成、4簡素化、5Unwrap、6テクスチャ生成、という流れになる。
【0043】
撮影は、撮っていない箇所は再現ができないため、対象物である建築物を様々な角度から撮影する。
【0044】
撮影は、撮り漏らしがあるとアライメントの失敗やメッシュ生成の破綻に繋がるため、注意が必要である。
【0045】
図1及び図2は、撮影機器Pによる撮影箇所を表した例である。図1及び図2からわかるように、撮影は、原則として水平移動及び垂直移動で撮影される。
【0046】
本実施形態では、撮影機器Pは、3Dレーザースキャナ、ハンディスキャナ、ドローンを使用している。
【0047】
レーザースキャンを使用すればより正確なメッシュが得られる。
【0048】
また、ドローンを使用することにより、対象物の屋根など撮影可能である。また、長いポールなどを使用して高所から撮影することも可能である。
【0049】
「アライメント」とは、オブジェクト(要素)の各ポイントを基準にして、要素を配置することである。
【0050】
本実施形態では、アライメントは、建築物Sの各ポイントを基準にして、建築物Sを配置することである。
【0051】
アライメントが成功するように、撮影機器Pによる撮影で撮り漏らしがないようにする必要がある。
【0052】
「メッシュ生成」は、通常の精細でメッシュ化する。画像の縮小を行うことにより品質に影響なく処理時間の短縮を図ることができる。
【0053】
簡素化では、対象物に応じてポリゴン数を調整する。「ポリゴン」とは、3Dグラフィックにおいて、立体的な物体の曲面を表現する際に用いられる多角形(平面)のことである。
【0054】
設定でテクスチャ解像度と枚数等を設定し、その後Unwrapを選択する。
【0055】
「テクスチャ」とは元来、物の表面の質感・手触りなどを指す概念である。3Dコンピュータグラフィックス(CG)においては、物体の表面の質感を表現するために、3Dオブジェクトの表面に貼り付ける模様や画像を「テクスチャ」、このようにテクスチャを貼り付ける手法のことを「テクスチャマッピング」と呼ぶ。
【0056】
「テクスチャマッピング」により、3Dオブジェクトの質感はリアルなものになる。例えば、同じオブジェクトでも、金属のテクスチャを貼り付ければ金属片に見え、木目のテクスチャを貼り付ければ木片に見える。テクスチャマッピングにより、光沢のあるテーブルやガラスへの映り込みを表現することもできる。
【0057】
メッシュデータは、ポリゴンとテクスチャで構成される。
【0058】
このフォトグラメトリで作成した3DCG(3Dモデル、三次元モデル)をメタバース等に使用することができる。
【0059】
また、このフォトグラメトリで作成した建築物S等の3Dモデルは、空間座標(X,Y,Z)が設けられており、座標の位置によって実際の距離が判断可能である。
【0060】
なお、フォトグラメトリは、点群データによって構成されてもよい。点群データは、メッシュデータと比べ、それぞれが独立した点の情報だけで構成されており、センサーから取得できる生データに近いので、多くの場合精度に優れているという特徴がある。
【0061】
点群データのデータ形式としては、頂点ごとの空間座標(X,Y,Z)と色(R(赤),G(緑),B(青))の6パラメータが基本の構成要素で、それに加え、スカラー情報と呼ばれる反射率や法線ベクトルなどの情報を含むこともある。
【0062】
図3に示すように、本実施形態に係る保険料算出システム100は、サーバであるクラウドサーバ200と、
クラウドサーバ200にアクセスすることが可能な端末である第1端末300と、を含む。
【0063】
クラウドサーバ200は、クラウド上に構築されたサーバであり、インターネットを通じてサーバ機能を利用することができるものである。なお、本実施形態では、サーバとしてクラウドサーバ200を用いているが、通常のサーバであってもよい。
【0064】
図3に示すように、クラウドサーバ200は、第1端末300と通信可能な通信部210と、
フォトグラメトリで作成した対象物である文化財等の建築物Sの3Dモデル(三次元モデル)を記憶する記憶部220と、
記憶部220に記憶されている建築物S等の3Dモデルから意匠図を作成する図面作成部230と、
図面作成部230によって作成された意匠図に基づいて保険料を算出する保険料算出部240と、を含む。
【0065】
通信部210は、第1端末300と通信する。通信方法は、有線、無線いずれであってもよい。第1端末300は、複数あってもよい。
【0066】
記憶部220は、フォトグラメトリで作成された建築物S等の3Dモデルが記憶されている。
【0067】
図面作成部230は、記憶部220に記憶されている建築物S等の3Dモデルから意匠図を作成する。
【0068】
図4は、左側がフォトグラメトリで作成された建築物Sの3Dモデルであり、右側がその3Dモデルから図面作成部230が作成した意匠図dである。
【0069】
図4に示すように、図面作成部230は、フォトグラメトリで作成された3Dモデルから意匠図(本実施形態では、建築物Sの意匠図d)を作成する。
【0070】
フォトグラメトリで作成された3Dモデルには空間座標が設けられており、空間座標の距離が実際の距離に対応している。
【0071】
そして、図4の寸法Mに示すように、3Dモデルの空間座標の距離から実際の距離が算出され、意匠図d上に寸法として表示される。算出された距離は、算出する際に補正が行われる場合がある。
【0072】
また、撮影機器Pのレンズの歪曲収差(ディストーション)が発生する場合は、補正される場合がある。
【0073】
図4の倍率mに示すように、意匠図d上の実際の距離((x1,y1,z1)と(x2,y2,z2)との距離)と実際の距離(寸法Mに表示される距離)との倍率(本実施形態では1/200)が表示される。
【0074】
保険料算出部240は、図面作成部230で作成された意匠図d等の意匠図に基づいて、保険料を算出する。
【0075】
保険料算出部240は、意匠図d等の意匠図に表示される寸法Mから建築物Sの面積を算出する面積算出部241と、
予め設定により定められた基準に戻づいて構造単価を決定する構造単価決定部242と、
意匠図d等の意匠図に基づき建築物Sの大きさ、形状等から保険料率を決定する保険料率決定部243と、を含む。
【0076】
一般的に、損害保険料は、建築物Sの評価額を決定し、保険料率を計算することで、「評価額×保険料率」で求める。そして、「評価額」は、「建築物Sの面積×構造単価」で求める。
【0077】
「建築物Sの面積」は、図面作成部230で作成された建築物Sの意匠図d(平面図)に記載されている寸法Mに基づいて算出される。
【0078】
具体的には、図面作成部230は、建築物Sの3Dモデルの空間座標の距離((x1,y1,z1)と(x2,y2,z2)との距離)からの実際の距離(寸法Mに記載された数字)を算出し、寸法Mとして意匠図dに表示する。
【0079】
算出された距離は、補正される場合がある。
【0080】
面積算出部241は、建築物Sの平面図等の意匠図dに表示されている寸法Mから建築物Sの面積を算出する。
【0081】
構造単価決定部242では、建築物Sの築年数、文化的価値等から構造単価が決定される。
【0082】
保険料率決定部243では、建築物Sの意匠図d等の意匠図に基づいて保険料率が決定される。
【0083】
具体的には、保険利用率決定部243では、建築物Sの意匠図d等の意匠図から判断される建築物Sの大きさ、形状等に基づいて、保険料率が決定される。
【0084】
保険料算出部240は、面積算出部241によって算出された建築物Sの面積と、構造単価決定部242によって決定された建築物Sの構造単価との積により、評価額を算出する。
【0085】
そして、保険料算出部240は、前記評価額と、保険料率決定部243によって決定された建築物Sの保険料率との積により、建築物Sの所有者が支払うべき保険料を算出する。
【0086】
(第1端末300)
端末である第1端末300は、クラウドサーバ200にアクセスするため、インターネットにアクセスするための通信機能である第1通信部310と、
クラウドサーバ200の記憶部220に保存されているデータを保存することが可能な第1記憶部320と、
クラウドサーバ200にアクセスして作業内容又は記憶されているデータを表示する第1表示部330と、を含む。
【0087】
第1端末300の例としては、パソコン、タブレットが挙げられる。
【0088】
第1通信部310は、インターネットをするための通信を行うところである。第1通信部310により、第1端末300は、クラウドサーバ200にアクセスすることができる。
【0089】
なお、第1通信部310では、Wi-Fi(無線LAN)又は有線LAN等でインターネットにアクセスすることも含む。
【0090】
(フローチャート)
まず、フォトグラメトリにより文化財等の建築物Sの3Dモデル(三次元モデル)を作成する(ステップS11、三次元モデル作成工程)。
【0091】
フォトグラメトリで作成された3Dモデルは、メタバース等で利用される。
【0092】
次に、図面作成部230が建築物Sの3Dモデルから意匠図dを作成する(ステップS12、図面作成工程)。
【0093】
図面作成部230は、建築物Sの3Dモデルの空間座標の距離((x1,y1,z1)と(x2,y2,z2)との距離)からの実際の距離(寸法Mに記載された数字)を算出し、寸法Mとして意匠図dに表示する。
【0094】
次に、保険料算出部240の面積算出部241は、建築物Sの平面図等の意匠図dに表示されている寸法Mから建築物Sの面積を算出する(ステップS13、面積算出工程)。
【0095】
構造単価決定部242では、建築物Sの築年数、文化的価値等から構造単価が決定される(ステップS14、構造単価決定工程)。
【0096】
次に、保険料算出部240の保険料率決定部243では、建築物Sの意匠図d等の意匠図から判断される建築物Sの大きさ、形状等に基づいて、保険料率が決定される(ステップS15、保険料率決定工程)。
【0097】
保険料算出部240は、面積算出部241によって算出された建築物Sの面積と、構造単価決定部242によって決定された建築物Sの構造単価との積により、評価額を算出する(ステップS16、保険料算出工程)。
【0098】
保険料算出部240は、前記評価額と、保険料率決定部243によって決定された建築物Sの保険料率との積により、保険料を算出する(ステップS17、保険料算出工程)。
【0099】
本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の改良、修正、又は変形を加えた態様でも実施できる。
【符号の説明】
【0100】
100…保険料算出システム
200…クラウドサーバ(サーバ)
210…通信部
220…記憶部
230…図面作成部
240…保険料算出部
241…面積算出部
242…構造単価決定部
243…保険料率決定部
300…第1端末(端末)
310…第1通信部
320…第1記憶部
330…第1表示部(表示部)



図1
図2
図3
図4
図5