(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125131
(43)【公開日】2024-09-13
(54)【発明の名称】すべて大吉となるおみくじ制作装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240906BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023044756
(22)【出願日】2023-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】503161877
【氏名又は名称】廣川 州伸
(72)【発明者】
【氏名】廣川 州伸
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC19
5L050CC19
(57)【要約】
【課題】従来のおみくじの「運勢」では、例えば大吉、吉、中吉、小吉、凶というように序列が付けられ、「大吉」を引き当てれば喜ぶものの、「凶」が出ると気持ちが沈んでしまった。そこで、おみくじを引く楽しさは残しながら顧客の気持ちを傷つけずに、効果的な販売促進につなげるシステムを提供する。
【解決手段】顧客が楽しんで読み、前向きな気持ちになれるよう、すべてのおみくじの運勢は「大吉」のみとして制作。それぞれの「大吉」に異なる形容詞をつけ、そこに短い「助言」の文章を添えることで効果的な販売促進につながるような、顧客の満足と感動を生むおみくじを自動的に制作するための方法とシステムを発案し、実際の店舗などで使える装置とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
どの「おみくじ」であっても運勢を示す言葉としては同じ「大吉」と記してあるおみくじ制作装置。
【請求項2】
請求項1にある個々の「おみくじ」の大吉という言葉に、あらかじめメモリに収納された「形容詞」を紐づけることで、同じ大吉という運勢でありながら多様な意味を持つ新しい言葉に変換する仕組みを持つおみくじ制作装置。
【請求項3】
請求項1~2で述べた運勢を表す言葉に、あらかじめメモリに収納された人生を支援する「助言」の文章を紐づけるおみくじ制作装置。
【請求項4】
請求項1~3で制作されたおみくじを、自動的に、かつ大量に制作して箱やメモリに収納するおみくじ制作装置。
【請求項5】
請求項1~4で制作されたおみくじの中から、指定された「当たりくじ」を特定することができるおみくじ制作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲食店や観光施設などで販売促進用に使われるおみくじ、およびその制作装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のおみくじは、神社仏閣で販売されるものや、飲食店や観光施設などで販売促進用に制作されるおみくじを含めて、主に「運勢」と「助言」をテーマとして構成されていた。
【0003】
従来のおみくじの「運勢」では、例えば大吉、吉、中吉、小吉、凶というように序列が付けられ、「大吉」を引き当てた顧客は喜ぶものの「凶」が出ると顧客の気持ちは沈んでしまう。そのため神社仏閣などでは、境内の樹木に「凶」のおみくじを結び付け、沈んだ気持ちを引きずらない工夫などをしていた。
【0004】
また神社仏閣のおみくじでは「助言」として和歌や俳句、漢詩やことわざなどを用いて仕事、恋愛、人間関係などについて記術し、人生の糧となるように制作されていた。そのため本来は神社仏閣で配布されるおみくじを、飲食店や観光施設などで販売促進用に流用することも行われていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述のように従来使われていたおみくじでは「運勢」の部分に序列があり、「大吉」が出て喜ぶこともあれば「凶」を引き当てることもあり、その序列が顧客の競争心をあおることにつながってストレスにもなっていた。
【0006】
そのため、おみくじを引く楽しさ、わくわくする気持ちは残しながら、顧客の気持ちを傷つけずに、ビジネスを活性化させる販売促進につながるような、新しいおみくじの開発が待たれていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、飲食店や観光施設などで活用されるおみくじについて、引き当てた顧客がネガティブな気持ちにならず、楽しんで読み、人生に対して少しでも前向きな気持ちになれるよう、すべてのおみくじについて運勢は「大吉」として制作する販売促進用おみくじ制作装置である。
【0008】
また本発明のおみくじ(以下「大吉くじ」と呼ぶ。)では、顧客があらかじめ「運勢は大吉の一通りしか出ない」と知っているため、すべての「大吉」に異なる形容詞をつけ、そこに短い助言の文章を添える構成とすることで顧客の興味関心を喚起し、販売促進につなげるものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の大吉くじの運勢が、すべて同じ大吉であるため、引き当てた顧客は「凶」を引いたときのようなネガティブな感情は喚起されずにすむ。
【0010】
また、それぞれの大吉くじの運勢として記されている「大吉」のすべてには、例えば「ラッキーな」とか「素敵な」などの多様な「形容詞」が付けられているため、どんな形容詞がつくのかという興味がわき、大吉くじを引く動機付けとなる。
【0011】
さらに、大吉くじの運勢にまつわる形容詞の説明とともに、仕事や恋愛などについてのポジティブな「助言」が短い文章で表記されているため、興味をもって読むことができる。
【0012】
この大吉くじを提供する側は、箱やメモリに収納されている大吉くじの記述を事前に知ることができるため、例えば「ラッキーな大吉くじを引き当てた人には大当たりとして粗品を差し上げます」などのような販売促進の手法をとることもできるため、顧客拡大と定着が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】 販売促進で活用される大吉くじの全体構成図である。
【
図2】 大吉くじの「形容詞」「助言」の事例を示す図である。
【
図3】 顧客が実際に引き当てる大吉くじ内容を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の大吉くじは
図1のように販売促進に活用することを目的に制作されるもので、飲食店や観光施設などに置かれたパソコン画面にあるボックスやリアルな箱から、顧客が操作して引き当てる形態をとる。
【0015】
また
図2のようにして制作された大吉くじは、リアルなおみくじとして
図3のような形態を持ち、リアルに活用する場合は帯状の用紙を折りたたんで封印したものを箱などに収納する形態をとり、パソコンやタブレット、スマホなどの電子端末で展開する場合は、画像として処理する形態となる。
【0016】
大吉くじを収納するボックスには、大量の、それぞれ内容の異なる大吉くじが収まっている。それを手作りで制作するには、多大な時間と労力が必要となる。しかし本発明のおみくじ制作装置なら、例えば「大吉」の形容詞が
図2にあるようなメモリ▲1▼に百種類が収納され、また短い助言の文章がメモリ▲2▼に百種類収納されている場合、その組み合わせとして1万通りの大吉くじを自動的に制作して出力できるため、販売促進ツールとしての利便性が格段に高まる。
【実施例0017】
本発明のおみくじ制作装置を使えば、スーパーやコンビニ、商業施設などで顧客の利用を促進するため、たとえば「一回千円以上の購入で1回大吉くじが1回引ける」というように、大吉くじ抽選キャンペーンをはることができる。その結果、おみくじでありながら顧客の誰も傷つくことはなく、逆にゲン担ぎになり、顧客の再来を促すことにつながる。
【0018】
また、大吉くじで販売促進キャンペーンをはるとき、主催者側では形容詞も助言の文章も事前にわかっているため、そのうち5通りを「大当り」とするなどして抽選やくじ引きとして活用することができる。
神社仏閣で販売されるおみくじは、武士の世の始まりといわれる鎌倉時代に始まったとされるように「競争原理」に基づいて制作されてきた。そのため、運勢においても「大吉」から「凶」に至るまでの序列があり、競争意識を鼓舞する目的があった。
しかし、昭和、平成から令和の時代に移行するなかで、ビジネスの世界では三方よしという考え方が拡がり、「競争」ではなく、みんなが得をする「共創」というビジネスモデルが普及している。古来から庶民に親しまれてきた「おみくじ」も、競争モデルを踏襲するだけでは、顧客満足を得られなくなった。
本発明の制作装置から生まれる大吉くじは、顧客に序列をつけて競争心をあおるタイプではなく、みんなが「大吉」となって喜ぶとともに、「大吉」に紐づけられた多様な形容詞によって違いを楽しみ認め合うシステムである。
顧客同士で運勢の序列を競うのではなく、みんなが幸せを感じることができる。それゆえ大吉くじは、飲食店や観光施設のみならず、顧客サービスに関わるあらゆる産業に応用可能であり、令和における新たな販売促進ツールとしての拡大が期待できる。
さらに、大吉くじのシステム構成は主として文字データを創作して入力することで成り立つシンプルな仕組みであるため、アプリケーションのプログラムを組むことも安易である。そのため、様々な施設で販売促進ツールとして活発な活用が期待できる。
以上に述べたように、おみくじ制作装置により、顧客は精神的な負荷を感じることなく大吉くじを楽しめるため、販売促進に活用できる。この共創モデルは、持続可能な社会を実現したい企業にもメリットは大きく、会社のブランド価値向上に寄与することが期待できる。