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▶ 浅野 淳子の特許一覧

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  • 特開-足指トレーニング器具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125134
(43)【公開日】2024-09-13
(54)【発明の名称】足指トレーニング器具
(51)【国際特許分類】
   A63B 23/10 20060101AFI20240906BHJP
【FI】
A63B23/10
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023046027
(22)【出願日】2023-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】501222552
【氏名又は名称】浅野 淳子
(72)【発明者】
【氏名】浅野 淳子
(57)【要約】
【課題】普段の生活では、あまり動かす事のない固まった足の骨間筋を動かすことを目的とするのに、好適な足指トレーニング器具を提供する。
【解決手段】所定間隔で複数形成された足指を通す穴(3)と、前記穴の周囲に接続する、ゴム又は熱可塑性エラストマーなどの弾性に富む素材で形成された、二箇所以上の手で把持される把持部(2a)(2b)とを、設けた所の足指トレーニング器具本体(1)を構成する。足指よりやや小さい穴を広げて足指を通すことなどで、足指が加圧される。さらに、把持部(2a)(2b)を好みに応じた方向や強度で引くと、足指が開き、無理なく骨間筋を動かすトレーニングを行うことが可能になる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定間隔で複数形成された足指を通す穴と、前記穴の周囲に接続する、ゴム又は熱可塑性エラストマーなどの弾性に富む素材で形成された、二箇所以上の手で把持される把持部とを、設けたことを特徴とする足指トレーニング器具。
【請求項2】
前記穴に指を覆う筒を設けたことを特徴とする請求項1の足指トレーニング器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、足指を加圧しながら動かすことで、足指の運動機能の改善や予防をし、リンパの流れを良好にして健康を増進するのに好適に使用される足指トレーニングに関する。
【背景技術】
【0002】
運動不足になりがちな近年、体を支える足指が着目され、足指の筋力を高める器具や、足指と足指の間を広げる器具が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の器具は、足指に装着して足指の間に指間パッド部を介在させ、歩行時や運動時に良い姿勢を保ち、リンパとツボを刺激するという足指間パッドである。
【0004】
また、例えば、特許文献2に記載の健康器具は、指と指との間に膨張する挿入体を挿入し、挿入体を膨張させて指と指との間隔を拡げて、指の筋肉を伸張し、血行を向上させて健康を促進できるというものである。
【0005】
また、例えば特許文献3に記載の足指トレーニング器具は、手で把持される把持部と、可撓性を有し、複数の足指間にそれぞれ挟持される複数の櫛歯部を有する櫛状部と、可撓性を有し、前記把持部と前記櫛状部とを接続する紐状の接続部を有するトレーニング器具である。把持部を手で把持するとともに櫛状部の複数の櫛歯部の間に足指を入れて挟持し、この足指により挟持した複数の櫛歯部を足指や足脚のその他の部位等を使って引っ張ることで、足指や足脚のその他の様々な部位を自在に鍛えることが可能となるトレーニング器具である。
【0006】
また、例えば特許文献4に記載の器具は、伸縮性のある平面の布に縫製を加えずに指を挿入するための切り込みを入れて作られた、3本の指以上が挿入できるもので指を圧迫し指圧効果を得ることができる、指マッサージサポータである。
【0007】
また、例えば特許文献5に記載の器具は、弾性と伸縮性を有する素材からなる2つの帯状部材を並行に重ね合わせて形成された本体の両端部にリング状に形成された把手を設けると共に、該本体に、長手方向に適宜間隔をおいて、前記並行に重ね合わされた2つの帯状部材を互いに短幅方向に縫い合わせることにより手足を挿入し得る複数個の区切り部を形成せしめてなることを特徴とする健康器具である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2017-144212号公報
【特許文献2】特許第3377759号
【特許文献3】特許第6437681号
【特許文献4】特開2000-083990号公報
【特許文献5】実用新案登録第3126992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1の足指パッドは長時間装着する可能性が高いが、足の指の骨は、長時間広がったまま固定されると骨の靭帯が傷付いてしまう危険性がある。また、特許文献2の健康器具は、挿入体に空気を送って挿入体を膨張させる必要がありコストがかかる。また、特許文献3のトレーニング器具は、把持部が一か所なので、足指と足指の間を広げる運動はしにくい。
【0010】
また、特許文献4の指マッサージサポータは、長時間装着するので、骨の靭帯が傷付いてしまう危険性がある。手で把持される把持部を設けていない構造なので、自動的に動きにくい第3足指~第5足指を多動的に同時に動かしにくい。
【0011】
特許文献5の健康器具は、本体の両端部に設けられた把手を持ってストレッチ運動をするか、或いは本体の長手方向に適宜間隔をおいて形成された区切り部に手足等を差し込んでストレッチ運動をするので、把持部(2)と、足指を入れる穴(3)とを併せ持つ構造とは違うので、5本の足指を同時に圧迫しながらの運動は出来ない。
【0012】
そこで、本発明の目的は、普段の生活では、あまり動かす事のない固まった足の骨間筋を動かし、リンパや血液の流れを改善し、同時に筋肉を鍛える足指トレーニング器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
所定間隔で複数形成された足指を通す穴(3)と、前記穴の周囲に接続する、ゴム又は熱可塑性エラストマーなどの弾性に富む素材で形成された、二箇所以上の、手で把持される把持部(2a)(2b)とを、設けた所の足指トレーニング器具(1)を構成する。
【0014】
また、前記穴は、把持部と同一素材により一体成形されたものであることが望ましい。これにより、低コストで簡単に製造することが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
足指を通す穴が弾力性に富むゴム又は、熱可塑性エラストマーなどで形成されている事により、足指よりやや小さい穴を広げて足指を通すことで、足指が加圧される。さらに、把持部を好みに応じた方向や強度で引くと、無理なく骨間筋を動かすトレーニングを行うことが可能になる。
【0016】
筋肉の収縮と弛緩の動きは、リンパにも作用してリンパの流れがよくなる(筋肉のポンプ作用)。
又、穴(3)を通した足指は加圧されるので「圧迫しながらの運動」も可能にする。「加圧しながらの運動」は筋肉の収縮作用と、圧迫作用の相乗効果でリンパの流れは一段とよくなる。例えば、リンパ浮腫と診断されている方は、弾性包帯や、弾性着衣を着用し圧力を加えた状態で関節を動かす治療をしている。
リンパの流れを良くすると、体の老廃物除去、免疫力向上、むくみ改善など、健康増進に役立つ。本発明では、素材の弾性度合いを調節することで、痛みを感じない程度に足指を加圧する事が出来る。
【0017】
また、前記穴は、把持部と同一素材により一体成形されたもので低廉なトレーニング器具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施の形態1におけるトレーニング器具の使用状態を示す説明図である。
図2】本発明の実施の形態1におけるトレーニング器具の平面図である。
図3図2のトレーニング器具を用いた足指を鍛えるトレーニング方法についての説明図である。
図4】本発明の実施の形態2におけるトレーニング器具の使用状態を示す平面図である。
図5】本発明の実施の形態2におけるトレーニング器具の断面図である
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を示す。各図において、同一の符号を付した部位等については、同一の又はこれに相当する部位を表す。明細書全文に表れている構成要素の形態は、あくまで例示であって、本発明は明細書内の記載のみに限定されるものではない。また、図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
【0020】
図1は、本発明の実施の形態1における足指トレーニング器具本体(1)の使用状態を示す説明図である。図2は、本発明の実施の形態1における足指トレーニング器具本体(1)の平面図である。図3は、図2の足指トレーニング器具本体(1)を用いた足指を鍛えるトレーニング方法についての説明図である。
【0021】
図2に示すように、本発明の実施の形態1における足指トレーニング器具本体(1)は、所定間隔で複数形成された直径7mmの穴(3a)と、直径10mmの穴(3b)と、前記穴の周囲に接続する、手で把持される把持部(2a)と(2b)とを有する。足指トレーニング器具本体(1)は、弾性を有する熱可塑性エラストマーで一体成形されている。サイズは、約180cm×15cm、厚さは約0.5cmである。
【0022】
図2に示すように、足指トレーニング器具本体(1)の左端に足指の太さよりやや小さい直径7mmの円形の穴(3)を等間隔で5個設ける。次に足指トレーニング器具本体(1)の右端に足指の太さよりやや小さい直径10mmの円形の穴(3)を等間隔で5個設ける。必要ならば穴の周囲に穴の補強素材(4a)と、左右両端の補強素材(4b)を設ける。補強部材は、足指トレーニング器具本体(1)と同じ素材とする。
【0023】
次に、本実施形態1における足指トレーニング器具本体(1)を用いた使用方法について、図1図3を参照して説明する。
【0024】
(1)つぼを押しながら、足指の筋肉を鍛える
椅子に座った状態で、図1に示すように右足指の第1足指、~第5足指を、5個等間隔並んだ穴(3)に、足指の付け根まで入れる。図2に示す左端に5個等間隔並んだ穴(3a)と、右端に5個等間隔並んだ穴(3b)とは、直径が異なるので、足指の太さに適したサイズを選ぶ。
弾力のある少し窮屈な穴(3)に通した足指は適度に加圧される。太い第1足指は、細い第5足指より強い圧を受けるが、太いので体に係る負担は少ない。
【0025】
前記の状態で、右足を床から浮かせて踵を前につき出し、片手で足指トレーニング器具本体(1)の把持部(2b)の適当な一か所を束ねて把持し後方へ引っ張りながら、右足指を曲げ伸ばしすると、足指の間に張り巡らされている、指間リンパが加圧される。さらに、右足指の間にある八風(5)と呼ばれるつぼを刺激するので、簡単に足が温まる。また、足指を握ったり、開いたりするので、同時に足指の筋肉も鍛えられる。左足も前記運動を同様に行う。
【0026】
(2)足指を開いて中足骨を動かす
椅子に座った状態で、右足の第1足指、~第5足指を、それぞれ穴(3)に、第一関節の所まで通す。左右の手で、それぞれに把持部(2a)を持ち左右に開くと右足の中足骨が左右に開く。この状態で、左右の手を互い違いに上下に動かすと、第1足指、~第5足指が上下に連動し、中足骨が上下に動く。前記の中足骨の動きにより固まっている骨間筋がマッサージされ、リンパの流れもよくなる。左足も前記運動を同様に行う
【0027】
(3)その他の使用法
図3に示すように、床の上に把持部(2b)を長く伸ばし、立ったまま、あるいは、椅子に座った状態で、足指で把持部(2b)を手繰り寄せる。
前記運動は、足指屈筋群の訓練方法として「タオルギャザー」と紹介され、タオルや、新聞紙で行われることが多い。しかし、タオルや新聞紙は滑りやすく、手繰り寄せると嵩張る。把持部(2b)の素材は、床や足との摩擦が生じるので滑りにくい。また、薄いので足の下に手繰り寄せても嵩張らない。足指トレーニング器具本体(1)は、安全に、快適に前記「タオルギャザー」を行う事が出来る。
【0028】
以下、本発明の実施の形態2を、図4図5に基づいて説明する。実施の形態1と重複するものについては、一部の説明を省略し、実施の形態1と同じ部分、又は相当する部分には、同じ符号を付す。図5に示すように、筒状の穴(3)を5個連結し、両側に把持部(2a)を設ける。
【0029】
(1)足指を開いて中足骨を動かす
椅子に座った状態で、図4に示すように右足の第1足指、~第5足指を、各筒状の穴(3)に入れ、左右の手で、それぞれに把持部2aを持ち左右に開く。足指が開いた状態で、左右の手を互い違いに上下に動かすと、第1足指、~第5足指が上下に連動し、中足骨が動く。前記の中足骨の動きにより固まっている骨間筋がマッサージされる。
【符号の説明】
【0030】
1 足指トレーニング器具本体
2a 左右に広げて使う把持部
2b 後ろに引いて使う把持部
3 穴
3a 直径7mmの穴
3b 直径10mmの穴
4a 穴の補強部材
4b 端の補強部材
5 八風(つぼ)
図1
図2
図3
図4
図5