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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125145
(43)【公開日】2024-09-13
(54)【発明の名称】羽根アセンブリ及びファン機器
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/32 20060101AFI20240906BHJP
   F04D 29/00 20060101ALI20240906BHJP
   F04D 29/66 20060101ALI20240906BHJP
   F04D 29/52 20060101ALI20240906BHJP
【FI】
F04D29/32 G
F04D29/00 C
F04D29/66 M
F04D29/52 C
F04D29/66 N
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023132588
(22)【出願日】2023-08-16
(31)【優先権主張番号】202320383094.X
(32)【優先日】2023-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】516285032
【氏名又は名称】広東美的環境電器制造有限公司
【氏名又は名称原語表記】GD MIDEA ENVIRONMENT APPLIANCES MFG CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.28 East District Hesui Industrial Park,Dongfu Road,Dongfeng Zhongshan,Guangdong 528425,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【弁理士】
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】曾 俊▲鋒▼
(72)【発明者】
【氏名】崔 世▲強▼
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA13
3H130AB26
3H130AB52
3H130AB63
3H130AC25
3H130BA16A
3H130BA16C
3H130CA21
3H130CA27
3H130CB14
3H130EA06C
3H130EA07Z
3H130EA08C
3H130EB02A
3H130EB05C
(57)【要約】
【課題】羽根アセンブリ及びファン機器を提供する。
【解決手段】本願の羽根アセンブリは、周方向に設けられた複数の第1のブレードが設けられる主羽根と、補助羽根であって、主羽根と同軸に隣接して設けられ、且つ補助羽根には、周方向に設けられた複数の第2のブレードが設けられ、補助羽根の吸気方向は軸方向であり、補助羽根の排気方向は径方向であり、第1のブレード及び第2のブレードのねじり方向が異なる補助羽根と、補助羽根の主羽根から離れた側に設けられるモータと、を含み、主羽根の最大外径は補助羽根の外径より大きい。本願の技術的手段では、主羽根の最大外径を大きく、補助羽根の外径を小さくように限定することで、モータの駆動で共に回動するとき、補助羽根が主羽根の流れ場に与える影響を低減し、流れ効率を確保し、且つ騒音を低減することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周方向に設けられた複数の第1のブレードが設けられる主羽根と、
補助羽根であって、前記主羽根と同軸に隣接して設けられ、且つ前記補助羽根には、周方向に設けられた複数の第2のブレードが設けられ、前記補助羽根の吸気方向は軸方向であり、前記補助羽根の排気方向は径方向であり、前記第1のブレード及び前記第2のブレードのねじり方向が異なる補助羽根と、
前記補助羽根の前記主羽根から離れた側に設けられるモータと、を含み、
前記主羽根の最大外径は前記補助羽根の外径より大きい、羽根アセンブリ。
【請求項2】
前記補助羽根は前記主羽根の吸気側に設けられる、請求項1に記載の羽根アセンブリ。
【請求項3】
前記主羽根のハブ直径は前記補助羽根の最大直径より大きい、請求項1に記載の羽根アセンブリ。
【請求項4】
前記主羽根の透明性は10%より大きい、請求項1に記載の羽根アセンブリ。
【請求項5】
モータ軸であって、前記モータに設けられ、前記主羽根が前記モータのモータ軸と伝動接続され、前記補助羽根が前記モータ軸と伝動接続されるモータ軸をさらに含む、請求項1に記載の羽根アセンブリ。
【請求項6】
前記主羽根の前記補助羽根に向かう側に設けられる第1のダンパー、及び/又は
前記主羽根の前記補助羽根から離れた側に設けられる第2のダンパーをさらに含む、請求項1に記載の羽根アセンブリ。
【請求項7】
モータブラケットと、
前記モータブラケットに設けられた請求項1~6のいずれか一項に記載の羽根アセンブリと、を含む、ファン機器。
【請求項8】
取り外し可能な第1のメッシュカバー及び第2のメッシュカバーであって、前記第1のメッシュカバー及び前記第2のメッシュカバーは接続して収容キャビティを形成し、前記羽根アセンブリは前記収容キャビティ内に設けられる第1のメッシュカバー及び第2のメッシュカバーをさらに含み、
前記第1のメッシュカバーは前記羽根アセンブリにおける主羽根の排気側に設けられ、前記第2のメッシュカバーの外周壁に消音孔が設けられる、請求項7に記載のファン機器。
【請求項9】
前記消音孔は、前記第2のメッシュカバーの周方向に沿って前記第2のメッシュカバーに配列される、請求項8に記載のファン機器。
【請求項10】
前記消音孔のサイズは、前記羽根アセンブリの軸方向に沿って、前記第1のメッシュカバーから前記第2のメッシュカバーまで徐々に大きくなるか、又は徐々に小さくなる、請求項8に記載のファン機器。
【請求項11】
前記第2のメッシュカバーは前記羽根アセンブリのモータに近接して設けられ、前記第1のメッシュカバーに第1の透明エリアが設けられ、前記羽根アセンブリ内に第2の透明エリアが設けられる、請求項8に記載のファン機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願はファンの技術分野に関し、具体的に言えば、羽根アセンブリ及びファン機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、関連技術では、ファンのモータは、動作中に騒音を発生し、ユーザが静かな環境を望む場合、ファンの動作がユーザにとって煩わしい気分を与え、ユーザの体験を低下させる。
【発明の概要】
【0003】
本願は、従来技術又は関連技術に存在する技術的問題の1つを少なくとも解決することを目的とする。
【0004】
これに鑑み、本願の第1の態様の実施例は羽根アセンブリを提供する。
【0005】
本願の第2の態様の実施例はファン機器を提供する。
【0006】
上記目的を実現するために、本願の第1の態様の実施例により提供される羽根アセンブリは、周方向に設けられた複数の第1のブレードが設けられる主羽根と、補助羽根であって、主羽根と同軸に隣接して設けられ、且つ補助羽根には、周方向に設けられた複数の第2のブレードが設けられ、第1のブレード及び第2のブレードのねじり方向が異なる補助羽根と、補助羽根の主羽根から離れた側に設けられるモータと、を含み、主羽根の最大外径は補助羽根の外径より大きい。
【0007】
本願により提供される羽根アセンブリは、主にモータ及び同軸に設けられた2つの羽根を含み、その1つは主羽根であり、回動時に前側に排気して正常な送風を保証し、もう1つは補助羽根であり、主羽根が正常に回動して送風を行うプロセスにおいて、第1のブレードと第2のブレードとのねじり方向が異なり、且つ補助羽根の吸気方向が排気方向と垂直であるため、同方向に回動するプロセスにおいて、補助羽根の排気方向が吸気方向に垂直となり、分散した径方向排気に属し、主羽根の流れ衝撃を低減させ、騒音を低減することができる。また、主羽根は常に前側に送風し、補助羽根は回動する時に負圧を発生させてモータの空気を流動させ、後側のモータに対して一定の放熱効果を果たす。すなわち、主羽根、補助羽根及びモータは軸方向に沿って順に配列しており、主羽根が回動時に前側に送風し、補助羽根は、回動時に負圧によりモータ周囲の空気の流れを制御してモータ近傍の放熱を速め、モータの温度上昇を低減させる。なお、主羽根に複数の第1のブレードが設けられ、複数の第1のブレードを周方向に沿って設けることで、主羽根が回動するとき、第1のブレードにより前側に継続的に送風する。同様に、補助羽根にとっては、補助羽根に複数の第2のブレードが設けられ、第2のブレードのねじり方向は第1のブレードのねじり方向と異なり、補助羽根及び主羽根が共に回動するとき、補助羽根が径方向の気流を発生させて吸気量を増加させると共に風速を高め、気流を補助羽根により分割してから主羽根により排気することで、排気がより細かく柔らかくなるようにし、ユーザの快適性を向上させる。
【0008】
なお、本願において、主羽根の最大外径を大きく、補助羽根の外径を小さくように限定することで、モータの駆動で共に回動するとき、主に送風する主羽根の回動がユーザの放熱送風のニーズをより満たし、サイズの小さい補助羽根は、補助羽根が主羽根の流れ場に与える影響を低減し、流れ効率を確保し、且つ騒音を低減することができる。
【0009】
上記技術的手段では、補助羽根は主羽根の吸気側に設けられる。
【0010】
当該技術的手段では、補助羽根を主羽根の吸気側に設けることで、主羽根が回動するとき、空気は補助羽根の一側から主羽根へ流れ、この場合、第1のブレードと第2のブレードとのねじり方向が異なるため、逆のねじれ方向を採用することで、主羽根の流れ衝撃を効果的に低減することができ、それにより補助羽根と主羽根とが共に回動する時、第2のブレードの送風方向と第1のブレードの送風方向とが異なり、補助羽根は径方向の気流を発生させて吸気量を増加させると共に風速を高め、気流を補助羽根により分割してから主羽根により排気することで、排気がより細かく柔らかくなるようにし、ユーザの快適性を向上させる。
【0011】
一般的には、主羽根の送風方向が前向きであり、吸気側はすなわち主羽根の後側であり、補助羽根を主羽根の後側に設けることで、回動した後、補助羽根の回動に伴い、補助羽根は主羽根に補充吸気を提供し、吸気量を増加させると共に風速を向上させることができる。
【0012】
上記技術的手段では、主羽根のハブ直径は補助羽根の最大直径より大きい。
【0013】
当該技術的手段では、補助羽根の直径を主羽根のハブ直径より小さいように限定することで、補助羽根が主羽根の流れ場に与える影響をさらに低減させることができ、流れ場の影響による騒音上昇を低減させてユーザの体験を向上させることができる。
【0014】
また、第1のブレードの数は第2のブレードの数より小さく、且つ第1のブレードの数と第2のブレードの数とは互いに素であり、第1のブレード及び第2のブレードの数を限定し、すなわち、第1のブレードの数が小さく且つ2種類のブレードの数は互いに素であることで、基本周波数の重なりを効果的に低減して、騒音の発生を回避することができる。
【0015】
上記技術的手段では、主羽根の透明性は10%より大きい。
【0016】
当該技術的手段では、主羽根の透明性を限定して半透明又は全透明にすることで、ユーザに視認窓を提供してファン内部の動作状況を直観的に観察することを容易にし、その後のメンテナンスや交換を容易にする。
【0017】
上記技術的手段では、モータ軸であって、前記モータに設けられ、前記主羽根が前記モータのモータ軸と伝動接続され、前記補助羽根が前記モータ軸と伝動接続されるモータ軸をさらに含む。
【0018】
当該技術的手段では、モータにモータ軸を設け、主羽根及び補助羽根を共にモータ軸と伝動接続することで、モータ軸が回動するとき、主羽根及び補助羽根を動かして同方向に回動させ、それにより、1つのモータを利用するだけで前側への送風の風量と兼ね合うことができ、羽根アセンブリ全体を軽量化すると共に部品点数を削減することができる。
【0019】
上記技術的手段では、モータ軸に扁平軸部が設けられ、主羽根は扁平軸部を介してモータ軸との伝動接続を実現する。
【0020】
当該技術的手段では、モータ軸に扁平軸部を設けることで、主羽根は当該部分との係合により伝動接続を実現でき、具体的には、モータ軸上の扁平軸部の断面はD型、X型、さらには任意の非真円型であってもよく、主羽根の中心には対応する形状の孔が設けられ、主羽根を扁平軸部に挿入することで、モータ軸が回動するとき、主羽根を動かして共に回動させる。
【0021】
上記技術的手段では、モータ軸には、径方向に沿って外へ突出する位置決め軸が設けられ、補助羽根には、位置決め軸と一致している位置決め溝が設けられ、位置決め軸と位置決め溝との係合により補助羽根の周方向の位置決めを実現する。
【0022】
当該技術的手段では、モータ軸に径方向に沿って延びている位置決め軸を設けることで、補助羽根に取り付け位置決めを提供し、補助羽根に位置決め溝を設け、補助羽根をモータ軸に取り付けるとき、位置決め溝と位置決め軸との係合により取り付けを完了させることができ、回動するとき、位置決め軸は補助羽根を動かして共に回動させることができる。当然のことながら、モータ軸上の位置決め軸は径方向に沿って延びているため、位置決め溝は補助羽根の中央に位置し、径方向に沿って延びて形成され、係合するとき、補助羽根の位置決め溝はモータ軸上の位置決め軸に位置合わせることができ、周方向のずれがあれば、補助羽根を回動することで、位置決め軸と位置決め溝とを合わせてから、取り付け及び合わせを行ってもよい。
【0023】
さらに、位置決め軸の数は2つ、又はそれ以上であってもよく、複数の位置決め軸は周方向に沿って均一に配置しており、それにより、補助羽根に加えられる周方向力をより均一にすることを容易にする。
【0024】
上記技術的手段では、さらに第1のネジ部材が設けられるロック部材を含み、モータ軸の端部に雄ネジが設けられ、雄ネジと第1のネジ部材との係合によりロック部材の締め付けを実現する。
【0025】
当該技術的手段では、ロック部材を設けることで、ネジ接続によってモータ軸における主羽根と補助羽根とに対して軸方向固定の効果を果たし、回動中に軸方向ぶれが発生し、騒音を発生する可能性を低減させる。具体的には、ロック部材に第1のネジ部材が設けられ、モータ軸の端部に雄ネジが設けられ、雄ネジはモータ軸のモータから突出する一端に設けられ、補助羽根と主羽根とを順次取り付けた後、ロック部材の取り付けにより、主羽根と補助羽根との位置を制限することができる。
【0026】
上記技術的手段では、主羽根の補助羽根に向かう側に設けられる第1のダンパーと、主羽根の補助羽根から離れた側に設けられる第2のダンパーと、をさらに含む。
【0027】
当該技術的手段では、主羽根の軸方向の両側にそれぞれ1つのダンパーを設けることで、2つの羽根により発生した振動を吸収しやすく、機械全体の振動及び騒音を低減することに有利である。具体的には、主羽根と補助羽根との間に第1のダンパーを設け、主羽根とロック部材との間に第2のダンパーを設けることで、軸方向に発生する可能な振動騒音を抑制することを容易にする。
【0028】
さらに、第1のダンパー及び第2のダンパーの材質は、ゴム又はその他の緩衝特性を有する材質であってもよく、具体的な形態は、シールリング又はガスケットなどであってもよい。
【0029】
本願の第2の態様の実施例により提供されるファン機器は、モータブラケットと、モータブラケットに設けられる上記第1の態様のいずれかに記載の羽根アセンブリと、を含む。
【0030】
本願により提供されるファン機器は、モータブラケット及び羽根アセンブリを含み、モータブラケットは羽根アセンブリを支持する役割を果たすことができる。
【0031】
さらに、モータブラケットに放熱孔が設けられ、補助羽根から吹き出された風がモータに直接当たることで、モータ周囲の空気を効果的に放熱する。
【0032】
ファン機器が羽根アセンブリを含むため、上記第1の態様の実施例のいずれかの羽根アセンブリの有益な効果を有し、ここでは説明を省略する。
【0033】
ファン機器は、床置きファン、タワーファン、循環ファンなどの機器を含むがそれらに限定されない。
【0034】
上記技術的手段では、取り外し可能な第1のメッシュカバー及び第2のメッシュカバーであって、第1のメッシュカバー及び第2のメッシュカバーは接続して収容キャビティを形成し、羽根アセンブリは収容キャビティ内に設けられる第1のメッシュカバー及び第2のメッシュカバーをさらに含み、前記第1のメッシュカバーは前記羽根アセンブリにおける主羽根の排気側に設けられ、第2のメッシュカバーの外周壁に消音孔が設けられる。
【0035】
当該技術的手段では、第1のメッシュカバー及び第2のメッシュカバーを設けることで、取り外し可能な2つのメッシュカバーを接続した後、羽根アセンブリを収容する収容キャビティを形成し、また、第1のメッシュカバー及び第2のメッシュカバーはさらに主羽根及び補助羽根に一定の防護作用を果たし、使用の安全性を向上させる。また、第1のメッシュカバー及び第2のメッシュカバーは透かし彫りであるため、正常な吸気と送風とを保証することができる。
【0036】
なお、後側に位置する第2のメッシュカバーに消音孔を設けることで、補助羽根が回動するとき、内壁に衝突した際に発生する騒音を効果的に低減することができる。
【0037】
さらに、消音孔の開孔サイズは軸方向に沿って前から後の方向に徐々に増大し、消音孔が周方向に均一に分布し、吸音騒音低減効果をさらに高めることができる。
【0038】
さらに、前側に位置する第1のメッシュカバーに対して透明化設定を行うことで、ユーザによる内部構造の動作時の視認性を向上させる。また、取り付けるときの組み立て位置決めにも有利であり、取り付け効率を向上させる。
【0039】
上記技術的手段では、一端にモータブラケットが設けられる床置きブラケットをさらに含む。
【0040】
当該技術的手段では、モータブラケットを床置きブラケットの一端に設けることで、羽根アセンブリを床置きブラケットに設けるようにし、ファン機器全体が床置きファンの形態となり、排気の高さはユーザの使用習慣により適合する。
【0041】
上記技術的手段では、消音孔は、前記第2のメッシュカバーの周方向に沿って前記第2のメッシュカバーに配列される。
【0042】
当該技術的手段では、第2のメッシュカバーの周方向に沿って消音孔を配列することで、回動中に吸音騒音低減効果をさらに高めることができる。
【0043】
上記技術的手段では、消音孔のサイズは、前記羽根アセンブリの軸方向に沿って、前記第1のメッシュカバーから前記第2のメッシュカバーまで徐々に大きくなるか、又は徐々に小さくなる。
【0044】
当該技術的手段では、消音孔の開孔サイズは軸方向に沿って前から後の方向に単調に変化することで、吸音騒音低減効果をさらに高めることができる。
【0045】
上記技術的手段では、前記第2のメッシュカバーは前記羽根アセンブリのモータに近接して設けられ、前記第1のメッシュカバーに第1の透明エリアが設けられ、前記羽根アセンブリ内に第2の透明エリアが設けられる。
【0046】
当該技術的手段では、第2のメッシュカバーは構造全体の後側に設けられ、第1のメッシュカバーは前側に設けられ、第1のメッシュカバーに第1の透明エリアを設け、羽根アセンブリ内に第2の透明エリアを設けることで、ユーザが内部構造を観察しやすく、当然のことながら、内部ブレードに多くの塵埃が存在する場合、ユーザは透明なエリアからタイムリーに観察することができ、タイムリーに交換しやすい。
【0047】
さらに、第1の透明エリアは第1のメッシュカバーの内側に設けられ、第1のブレードの中央部に第2の透明エリアが設けられ、両者は相互に一致して透視効果を達成する。
【0048】
本願の付加的な態様及び利点は、以下の説明から明らかになり、又は本願の実践によって了解される。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1】本願の一実施例に係る羽根アセンブリの構造概略図を示す。
図2】本願の一実施例に係るモータの構造概略図を示す。
図3】本願の一実施例に係るファン機器の構造概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0050】
本願の実施例の上記目的、特徴及び利点をより明確に理解するために、以下に図面及び具体的な実施形態を参照して本願の実施例をさらに詳細に説明する。なお、衝突しない場合に、本願の実施例及び実施例における特徴は互いに組み合わせることができる。
【0051】
以下の説明において多くの具体的な詳細を説明して本願を十分に理解する。しかしながら、本願の実施例はさらに説明した方式と異なる他の方式で実施することができるので、本願の保護範囲は以下に開示された具体的な実施例に限定されるものではない。
【0052】
以下に、図1乃至図3を参照しながら、本願に係るいくつかの実施例について説明する。
【0053】
図1に示すように、本実施例により提供される羽根アセンブリ100は、主にモータ106及び同軸に設けられた2つの羽根を含み、その1つは主羽根102であり、回動時に前側に排気して正常な送風を保証し、もう1つは補助羽根104であり、主羽根102が正常に回動して送風を行うプロセスにおいて、第1のブレード1022と第2のブレード1042とのねじり方向が異なり、且つ補助羽根の吸気方向が排気方向と垂直であるため、同方向に回動するプロセスにおいて、補助羽根の排気方向が吸気方向に垂直となり、分散した径方向排気に属し、主羽根の流れ衝撃を低減させ、騒音を低減することができる。また、主羽根102は常に前側に送風し、補助羽根104は回動する時に負圧を発生させてモータの空気を流動させ、後側のモータ106に対して一定の放熱効果を果たす。すなわち、主羽根102、補助羽根104及びモータ106は軸方向に沿って順に配列しており、主羽根102が回動時に前側に送風し、補助羽根104は、回動時に負圧によりモータ周囲の空気の流れを制御してモータ106近傍の放熱を速め、モータ106の温度上昇を低減させる。
【0054】
なお、本願では、主羽根及び補助羽根は共にモータのモータ軸に接続され、モータ軸に第1のダンパー及び/又は第2のダンパーを設けることで、発生する可能な機首の震え現象を大きく緩和することができ、騒音をさらに低減し、機械全体の動作をより安定的且つバランスになるようにすることができる。
【0055】
なお、主羽根102に複数の第1のブレード1022が設けられ、複数の第1のブレード1022を周方向に沿って設けることで、主羽根102が回動するとき、第1のブレード1022により前側に継続的に送風する。同様に、補助羽根104にとっては、補助羽根104に複数の第2のブレード1042が設けられ、第2のブレード1042のねじり方向は第1のブレード1022のねじり方向と異なり、補助羽根104及び主羽根102が共に回動するとき、第2のブレード1042の送風方向は第1のブレード1022の送風方向と垂直であり、それにより、主羽根102が前側に通常の送風を行っているプロセスに、補助羽根104は後側のモータ106に対して良好な放熱効果を奏することができる。
【0056】
本願において、主羽根の最大外径を大きく、補助羽根の外径を小さくように限定することで、モータの駆動で共に回動するとき、主に送風する主羽根の回動がユーザの放熱送風のニーズをより満たし、サイズの小さい補助羽根は、補助羽根が主羽根の流れ場に与える影響を低減し、流れ効率を確保し、且つ騒音を低減することができる。
【0057】
1つの具体的な実施例では、補助羽根104は主羽根102の吸気側に設けられる。主羽根102が回動するとき、空気は補助羽根104の一側から主羽根102へ流れ、この場合、第1のブレード1022と第2のブレード1042とのねじり方向が異なるため、逆のねじれ方向を採用することで、主羽根の流れ衝撃を効果的に低減することができ、それにより補助羽根と主羽根とが共に回動する時、第2のブレードの送風方向と第1のブレードの送風方向とが異なり、補助羽根は径方向の気流を発生させて吸気量を増加させると共に風速を高め、気流を補助羽根により分割してから主羽根により排気することで、排気がより細かく柔らかくなるようにし、ユーザの快適性を向上させる。
【0058】
一般的には、主羽根102の送風方向が前向きであり、吸気側はすなわち主羽根102の後側であり、補助羽根104を主羽根102の後側に設けることで、回動した後、補助羽根104の回動に伴い、補助羽根は主羽根に補充吸気を提供し、吸気量を増加させると共に風速を向上させることができる。
【0059】
さらに、主羽根のハブ直径は補助羽根の最大直径より大きい。これにより、補助羽根が主羽根の流れ場に与える影響をさらに低減させることができ、流れ場の影響による騒音上昇を低減させてユーザの体験を向上させることができる。
【0060】
1つの具体的な実施例に提供される羽根アセンブリ100は、主にモータ106及び同軸に設けられた2つの羽根を含み、その1つは主羽根102であり、回動時に前側に排気して正常な送風を保証し、もう1つは補助羽根104であり、主羽根102が正常に回動して送風を行うプロセスにおいて、第1のブレード1022と第2のブレード1042とのねじり方向が異なるため、同方向に回動するプロセスにおいて、主羽根102の送風方向と補助羽根104の送風方向とが異なり、主羽根102は常に前側に送風し、補助羽根104は回動する時に負圧を発生させてモータの空気を流動させ、後側のモータ106に対して一定の放熱効果を果たす。すなわち、主羽根102、補助羽根104及びモータ106は軸方向に沿って順に配列しており、主羽根102が回動時に前側に送風し、補助羽根104は、回動時に発生した空気がモータを流れ、モータ106近傍の放熱を速め、モータ106の温度上昇を低減させる。
【0061】
モータ106にとっては、モータ106にモータ軸1062を設け、且つ主羽根102及び補助羽根104を共にモータ軸1062と伝動接続することで、モータ軸1062が回動するとき、主羽根102及び補助羽根104を動かして同方向に回動させ、それにより、1つのモータ106を利用するだけで前側への送風の風量と兼ね合うことができ、羽根アセンブリ100全体の重さを低減すると共に部品点数を削減することができる。
【0062】
さらに、図2に示すように、モータ軸1062に扁平軸部1063を設けることで、主羽根102は当該部分との係合により伝動接続を実現でき、具体的には、モータ軸1062上の扁平軸部1063の断面はD型、X型、さらには任意の非真円型であってもよく、主羽根102の中心には対応する形状の孔が設けられ、主羽根102を扁平軸部1063に挿入することで、モータ軸1062が回動するとき、主羽根102を動かして共に回動させる。
【0063】
あるいは、モータ軸1062に径方向に沿って延びている位置決め軸1064を設けることで、補助羽根104に取り付け位置決めを提供し、補助羽根104に位置決め溝を設け、補助羽根104をモータ軸1062に取り付けるとき、位置決め溝と位置決め軸1064との係合により取り付けを完了させることができ、回動するとき、位置決め軸1064は補助羽根104を動かして共に回動させることができる。当然のことながら、モータ軸1062上の位置決め軸1064は径方向に沿って延びているため、位置決め溝は補助羽根104の中央に位置し、径方向に沿って延びて形成され、係合するとき、補助羽根104の位置決め溝はモータ軸1062上の位置決め軸1064に位置合わせることができ、周方向のずれがあれば、補助羽根104を回動することで、位置決め軸1064と位置決め溝とを合わせてから、取り付け及び合わせを行ってもよい。
【0064】
さらに、位置決め軸1064の数は2つ、又はそれ以上であってもよく、複数の位置決め軸1064は周方向に沿って均一に配置しており、それにより、補助羽根104に加えられた周方向力をより均一にする。
【0065】
当然のことながら、別の実施例では、モータ軸1062に扁平軸部1063及び位置決め軸1064を同時に設けることで、主羽根102及び補助羽根104に対する接続及び固定を実現する。
【0066】
いずれかの実施例に基づいて、ロック部材108を設けることで、ネジ接続によってモータ軸1062における主羽根102と補助羽根104とに対して軸方向固定の効果を果たし、回動中に軸方向ぶれが発生し、騒音を発生する可能性を低減させる。具体的には、ロック部材108に第1のネジ部材が設けられ、モータ軸1062の端部に雄ネジが設けられ、雄ネジはモータ軸1062のモータ106から突出する一端に設けられ、補助羽根104と主羽根102とを順次取り付けた後、ロック部材108の取り付けにより、主羽根102と補助羽根104との位置を制限することができる。
【0067】
さらに、一実施例では、第1のダンパー110が設けられる。
【0068】
別の実施例では、第2のダンパー112が設けられる。
【0069】
別の実施例では、第1のダンパー110及び第2のダンパー112を同時に設け、主羽根102の軸方向の両側にそれぞれ1つのダンパーを設けることで、2つの羽根により発生した振動を吸収しやすく、機械全体の振動及び騒音を低減することに有利である。具体的には、主羽根102と補助羽根104との間に第1のダンパー110を設け、主羽根102とロック部材108との間に第2のダンパー112を設けることで、軸方向に発生する可能な振動騒音を抑制することを容易にする。
【0070】
さらに、第1のダンパー110及び第2のダンパー112の材質は、ゴム又はその他の緩衝特性を有する材質であってもよく、具体的な形態は、シールリング又はガスケットなどであってもよい。
【0071】
上記いずれかの実施例に基づいて、主羽根の透明性を、10%を超えるように限定して半透明又は全透明にすることで、ユーザに視認窓を提供してファン内部の動作状況を直観的に観察することを容易にし、その後のメンテナンスや交換を容易にする。
【0072】
図3に示すように、本実施例により提供されるファン機器200は、モータ106ブラケット及び羽根アセンブリ100を含み、モータ106ブラケットは羽根アセンブリ100を支持する役割を果たすことができる。
【0073】
さらに、モータ106ブラケットに放熱孔が設けられ、補助羽根104が発生した風がモータ106を流れることで、モータ106周囲の空気を効果的に放熱する。
【0074】
ファン機器200が羽根アセンブリ100を含むため、上記第1の態様の実施例のいずれかの羽根アセンブリ100の有益な効果を有し、ここでは説明を省略する。
【0075】
ファン機器200は、床置きファン、タワーファン、循環ファンなどの機器を含むがそれらに限定されない。
【0076】
さらに、図3に示すように、取り外し可能な第1のメッシュカバー204及び第2のメッシュカバー206であって、第1のメッシュカバー204及び第2のメッシュカバー206は接続して収容キャビティを形成し、羽根アセンブリ100は収容キャビティ内に設けられる第1のメッシュカバー204及び第2のメッシュカバー206をさらに含む。第1のメッシュカバー204及び第2のメッシュカバー206を設けることで、取り外し可能な2つのメッシュカバーを接続した後、羽根アセンブリ100を収容する収容キャビティを形成し、また、第1のメッシュカバー204及び第2のメッシュカバー206はさらに主羽根102及び補助羽根104に一定の防護作用を果たし、使用の安全性を向上させる。また、第1のメッシュカバー204及び第2のメッシュカバー206は透かし彫りであるため、正常な吸気と送風とを保証することができる。
【0077】
前記第1のメッシュカバーは前記羽根アセンブリにおける主羽根の排気側に設けられ、前記第1のメッシュカバーの中環部の透明性が10%より大きく、前側に位置する第1のメッシュカバーに対して透明化設定を行うことで、ユーザによる内部構造の動作時の視認性を向上させる。また、取り付けるときの組み立て位置決めにも有利であり、取り付け効率を向上させる。
【0078】
当然のことながら、ドーナッツ状の第1のメッシュカバー及び主羽根を採用することで、比較的新規な外観を形成することができ、製品の識別度を高めるのに有利である。
【0079】
さらに、一端にモータ106ブラケットが設けられる床置きブラケット208をさらに含む。モータ106ブラケットを床置きブラケット208の一端に設けることで、羽根アセンブリ100を床置きブラケット208に設けるようにし、ファン機器200全体が床置きファンの形態となり、排気の高さはユーザの使用習慣により適合する。
【0080】
さらに、消音孔210は、第2のメッシュカバーの周方向に沿って第2のメッシュカバーに配列される。
【0081】
さらに、消音孔210のサイズは、羽根アセンブリの軸方向に沿って、第1のメッシュカバーから第2のメッシュカバーまで徐々に大きくなるか、又は徐々に小さくなる。
【0082】
さらに、第2のメッシュカバーは構造全体の後側に設けられ、第1のメッシュカバーは前側に設けられ、第1のメッシュカバーに第1の透明エリアを設け、羽根アセンブリ内に第2の透明エリアを設けることで、ユーザが内部構造を観察しやすく、当然のことながら、内部ブレードに多くの塵埃が存在する場合、ユーザは透明なエリアからタイムリーに観察することができ、タイムリーに交換しやすい。
【0083】
さらに、第1の透明エリアは第1のメッシュカバーの内側に設けられ、第1のブレードの中央部に第2の透明エリアが設けられ、両者は相互に一致して透視効果を達成する。
【0084】
1つの具体的な実施例では、ファンモータ106の放熱構造を提供し、主羽根102は、製品ファンの主機能として、フロントメッシュカバーから風を吹き出してユーザを涼しくし、補助羽根104は、主羽根102の後方に取り付けられ、モータ106の放熱に用いられる。主羽根102とナットとの間、及び主羽根102と補助羽根104との間には、2つの羽根によって生じる振動を吸収するための防振ワッシャーがそれぞれ1つ設けられ、機械全体の振動及び騒音を低減するのに有利である。主羽根102は、中央のD形孔によりモータ軸1062上のD形扁平軸と位置決めされ、補助羽根104は、中央のスロット構造によりモータ軸1062上の軸ピンと位置決めされ、最後に、主羽根102、補助羽根104、2つの防振ワッシャーが羽根ナットによりモータ軸1062にロックされ、羽根ナットとモータ軸1062とはネジ構造により締結される。
【0085】
さらに、モータ106はネジを介してモータブラケット202に固定され、モータブラケット202はネジを介してモータ保護カバーに固定され、モータ保護カバーはネジを介して機械全体のヘッドアセンブリに固定される。またモータ保護カバーにリアメッシュカバーを固定するようにネジが設計され、リアメッシュカバーにフロントメッシュカバーを固定するようにネジ、フック構造が設計される。
【0086】
本願により提供される羽根アセンブリ及びファン機器によれば、主羽根の最大外径を大きく、補助羽根の外径を小さくように限定することで、補助羽根が主羽根の流れ場に与える影響を低減し、流れ効率を確保し、且つ騒音を低減することができる。
【0087】
本願では、「第1」、「第2」及び「第3」という用語は、説明の目的でのみ使用され、相対的な重要性を示したり暗示したりすると理解すべきではなく、「複数」という用語、特に明記しない限り、2つ以上を意味する。用語「取り付け」、「連結」、「接続」及び「固定」などは、広い意味で理解されるべきであり、例えば、「接続」は、固定接続、取り外し可能な接続、又は一体接続であってもよく、「連結」は、直接連結又は仲介者を介して間接的に連結されてもよい。当業者にとって、本願における上記の用語の特定の意味は、特定の状況に応じて理解することができる。
【0088】
本願の説明において、なお、用語「上」、「下」、「左」、「右」、「前」及び「後」などで示される向き又は位置関係は、図面に示す向き又は位置関係に基づくものであり、本願を説明し、説明を簡略化するためのものであり、装置又はユニットは特定の方向を持たなければならず、特定の向きで構築及び操作されなければならないように示したり暗示したりするのではなく、したがって本願の限定として理解することはできない。
【0089】
本明細書の説明において、「一実施例」、「いくつかの実施例」、「具体的な実施例」などの用語の説明は、当該実施例や例を組み合わせて説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性が、本願の少なくとも1つの実施例や例に含まれることを意味する。本明細書では、上記の用語に対する概略的な説明は、必ずしも同じ実施例や例を指すとは限らない。また、説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性は、いずれか1つ又は複数の実施例や例において適切な方式で組み合わせることができる。
【0090】
以上は本願の好適な実施例に過ぎず、本願を限定するものではなく、当業者にとって、本願は、各種の変更及び変化が可能である。本願の精神と原則内で、いかなる修正、均等置換、改進などは、いずれも本願の保護範囲内に含まれるべきである。
【0091】
なお、図1乃至図3における符号と部品名との間の対応関係は以下のとおりである。
【符号の説明】
【0092】
100 羽根アセンブリ
102 主羽根
1022 第1のブレード
104 補助羽根
1042 第2のブレード
106 モータ
1062 モータ軸
1063 扁平軸部
1064 位置決め軸
108 ロック部材
110 第1のダンパー
112 第2のダンパー
200 ファン機器
202 モータブラケット
204 第1のメッシュカバー
206 第2のメッシュカバー
208 床置きブラケット
210 消音孔
図1
図2
図3
【外国語明細書】