(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125152
(43)【公開日】2024-09-13
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
H04W 4/24 20240101AFI20240906BHJP
H04W 28/084 20230101ALI20240906BHJP
H04W 4/02 20180101ALI20240906BHJP
H04W 28/16 20090101ALI20240906BHJP
H04L 43/0876 20220101ALI20240906BHJP
H04L 41/40 20220101ALI20240906BHJP
H04L 12/14 20240101ALI20240906BHJP
【FI】
H04W4/24
H04W28/084
H04W4/02
H04W28/16
H04L43/0876
H04L41/40
H04L12/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023164693
(22)【出願日】2023-09-27
(62)【分割の表示】P 2023033006の分割
【原出願日】2023-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】大塚 裕太
【テーマコード(参考)】
5K030
5K067
【Fターム(参考)】
5K030HB08
5K030JL01
5K030MB02
5K067AA29
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE16
5K067FF03
5K067FF04
5K067FF16
(57)【要約】
【課題】スライスネットワークの使用に対して適切な対価を設定する。
【解決手段】情報処理装置1は、対象エリアにおいて使用可能な無線通信ネットワークの混雑状況を特定する特定部132と、特定部132が特定した混雑状況に基づいて、無線通信ネットワークを仮想的に分割したネットワークであるスライスネットワークの使用に対する対価の額を決定する決定部133と、決定部133が決定した対価の額を出力する出力部134と、を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象エリアにおいて使用可能な無線通信ネットワークの混雑状況を特定する特定部と、
前記特定部が特定した前記混雑状況に基づいて、前記無線通信ネットワークを仮想的に分割したネットワークであるスライスネットワークの使用に対する対価の額を決定する決定部と、
前記決定部が決定した前記対価の額を出力する出力部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記対象エリアを示すエリア情報を取得する取得部をさらに有し、
前記特定部は、前記エリア情報が示す対象エリアにおける前記混雑状況を特定し、
前記決定部は、前記特定部が特定した前記対象エリアにおける前記混雑状況に基づいて、前記スライスネットワークの使用に対する対価の額を決定し、
前記出力部は、前記決定部が決定した前記対価の額を、前記エリア情報の取得元に出力する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記取得部は、前記エリア情報と、当該エリア情報においてスライスネットワークに求める通信品質を示す通信品質情報とを取得し、
前記決定部は、前記通信品質情報が示す通信品質を満たす前記スライスネットワークの使用に対する対価の額を決定する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記決定部は、前記特定部が特定した前記対象エリアにおける前記混雑状況に基づいて、前記無線通信ネットワークに適用可能な複数のスライスネットワークそれぞれの使用に対する対価の額を決定し、
前記出力部は、前記決定部が決定した前記複数のスライスネットワークそれぞれの使用に対する対価の額を、前記エリア情報の取得元に出力する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記特定部は、複数の対象エリアそれぞれにおいて使用可能な複数の無線通信ネットワークそれぞれの前記混雑状況を特定し、
前記決定部は、前記特定部が特定した前記複数の無線通信ネットワークそれぞれの前記混雑状況に基づいて、前記複数の無線通信ネットワークそれぞれに適用可能な複数のスライスネットワークそれぞれの使用に対する対価の額を決定し、
前記出力部は、前記決定部が前記複数のスライスネットワークそれぞれに対して決定した対価の額と、前記スライスネットワークに対応する対象エリアを示す情報とを関連付けて出力する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記出力部は、前記複数の対象エリアを示す地図情報であって、前記複数の対象エリアのそれぞれに対して前記決定部が決定した対価の額を示す情報を関連付けた地図情報を出力する、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記特定部は、前記対象エリアにおいて使用可能な無線通信ネットワークに対応する前記混雑状況と、前記対象エリアの周辺に存在する複数の周辺エリアそれぞれにおいて使用可能な無線通信ネットワークに対応する前記混雑状況とを特定し、
前記決定部は、前記複数の周辺エリアそれぞれに対応するスライスネットワークのうち、前記対象エリアに対応するスライスネットワークに比べて通信品質が高いスライスネットワークを特定し、特定したスライスネットワークの使用に対する対価の額を決定し、
前記出力部は、前記決定部が決定した、特定したスライスネットワークの前記対価の額と、特定したスライスネットワークに対応する周辺エリアを示すエリア情報とを関連付けて出力する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記無線通信ネットワークには、使用周波数帯が異なる複数のスライスネットワークが割り当てられており、
前記決定部は、ミリ波に対応する使用周波数帯に対応するスライスネットワークの対価の額を、ミリ波に対応する使用周波数帯よりも低い使用周波数帯に対応するスライスネットワークの対価の額よりも低い額に決定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータが実行する、
対象エリアにおいて使用可能な無線通信ネットワークの混雑状況を特定するステップと、
特定した前記混雑状況に基づいて、前記無線通信ネットワークを仮想的に分割したネットワークであるスライスネットワークの使用に対する対価の額を決定するステップと、
決定した前記対価の額を出力するステップと、
を有する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ネットワークを仮想的に分割する技術であるネットワークスライシングが知られている。例えば、特許文献1には、無線通信ネットワークを仮想的に分割したネットワークである複数のスライスネットワークそれぞれの帯域情報や混雑度合を示す品質情報を取得し、優先度の高いユーザを品質が保証されるスライスネットワークに振り分けるシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、一つのエリアにおける無線通信ネットワークは、通信容量が有限であることから、特定のスライスネットワークの品質を保証する場合、特定のスライスネットワークを使用可能な端末の台数が限定される。これに対し、エリアにおける無線通信ネットワークの混雑状況により、品質が保証されたスライスネットワークの需要が変化することから、スライスネットワークの使用に対して適切な対価を設定することが求められる。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、スライスネットワークの使用に対して適切な対価を設定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る情報処理装置は、対象エリアにおいて使用可能な無線通信ネットワークの混雑状況を特定する特定部と、前記特定部が特定した前記混雑状況に基づいて、前記無線通信ネットワークを仮想的に分割したネットワークであるスライスネットワークの使用に対する対価の額を決定する決定部と、前記決定部が決定した前記対価の額を出力する出力部と、を有する。
【0007】
前記情報処理装置は、前記対象エリアを示すエリア情報を取得する取得部をさらに有し、前記特定部は、前記エリア情報が示す対象エリアにおける前記混雑状況を特定し、前記決定部は、前記特定部が特定した前記対象エリアにおける前記混雑状況に基づいて、前記スライスネットワークの使用に対する対価の額を決定し、前記出力部は、前記決定部が決定した前記対価の額を、前記エリア情報の取得元に出力してもよい。
【0008】
前記取得部は、前記エリア情報と、当該エリア情報においてスライスネットワークに求める通信品質を示す通信品質情報とを取得し、前記決定部は、前記通信品質情報が示す通信品質を満たす前記スライスネットワークの使用に対する対価の額を決定してもよい。
【0009】
前記決定部は、前記特定部が特定した前記対象エリアにおける前記混雑状況に基づいて、前記無線通信ネットワークに適用可能な複数のスライスネットワークそれぞれの使用に対する対価の額を決定し、前記出力部は、前記決定部が決定した前記複数のスライスネットワークそれぞれの使用に対する対価の額を、前記エリア情報の取得元に出力してもよい。
【0010】
前記特定部は、複数の対象エリアそれぞれにおいて使用可能な複数の無線通信ネットワークそれぞれの前記混雑状況を特定し、前記決定部は、前記特定部が特定した前記複数の無線通信ネットワークそれぞれの前記混雑状況に基づいて、前記複数の無線通信ネットワークそれぞれに適用可能な複数のスライスネットワークそれぞれの使用に対する対価の額を決定し、前記出力部は、前記決定部が前記複数のスライスネットワークそれぞれに対して決定した対価の額と、前記スライスネットワークに対応する対象エリアを示す情報とを関連付けて出力してもよい。
【0011】
前記出力部は、前記複数の対象エリアを示す地図情報であって、前記複数の対象エリアのそれぞれに対して前記決定部が決定した対価の額を示す情報を関連付けた地図情報を出力してもよい。
【0012】
前記特定部は、前記対象エリアにおいて使用可能な無線通信ネットワークに対応する前記混雑状況と、前記対象エリアの周辺に存在する複数の周辺エリアそれぞれにおいて使用可能な無線通信ネットワークに対応する前記混雑状況とを特定し、前記決定部は、前記複数の周辺エリアそれぞれに対応するスライスネットワークのうち、前記対象エリアに対応するスライスネットワークに比べて通信品質が高いスライスネットワークを特定し、特定したスライスネットワークの使用に対する対価の額を決定し、前記出力部は、前記決定部が決定した、特定したスライスネットワークの前記対価の額と、特定したスライスネットワークに対応する周辺エリアを示すエリア情報とを関連付けて出力してもよい。
【0013】
前記無線通信ネットワークには、使用周波数帯が異なる複数のスライスネットワークが割り当てられており、前記決定部は、ミリ波に対応する使用周波数帯に対応するスライスネットワークの対価の額を、ミリ波に対応する使用周波数帯よりも低い使用周波数帯に対応するスライスネットワークの対価の額よりも低い額に決定してもよい。
【0014】
本発明の第2の態様に係る情報処理方法は、コンピュータが実行する、対象エリアにおいて使用可能な無線通信ネットワークの混雑状況を特定するステップと、特定した前記混雑状況に基づいて、前記無線通信ネットワークを仮想的に分割したネットワークであるスライスネットワークの使用に対する対価の額を決定するステップと、決定した前記対価の額を出力するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、スライスネットワークの使用に対して適切な対価を設定することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図4】第1の実施の形態に係る受付画面の一例を示す図である。
【
図5】第1の実施の形態に係る情報処理装置に係る処理の流れを示すフローチャートである。
【
図6】第2の実施の形態に係る受付画面の一例を示す図である。
【
図7】第3の実施の形態に係る受付画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<第1の実施の形態>
[情報処理装置1の概要]
図1は、情報処理装置1の概要を説明する図である。情報処理装置1は、無線通信ネットワークを仮想的に分割したネットワークであって、所定の通信品質が保証されたスライスネットワークの使用に対する対価の額を決定するコンピュータである。
【0018】
情報処理装置1は、例えば、無線通信ネットワークのユーザからスライスネットワークの利用を受け付けるための外部プラットフォームサーバ2と接続されている。外部プラットフォームサーバ2は、このようなユーザのユーザ端末に対して、スライスネットワークを適用するサービスを提供するサーバである。以下の説明において、外部プラットフォームサーバ2を、外部PFサーバ2という。
【0019】
ユーザ端末のユーザは、例えば放送局等の業務を行い、突発的な事件等が発生した場合にユーザ端末を用いて映像を撮影し、無線通信ネットワークを用いて自社のサーバ等に映像データをアップロードするものとする。無線通信ネットワークは、例えば、第5世代通信(5G)専用の通信設備と5Gの基地局とにより無線通信を行う方式(5G SA方式)の携帯電話ネットワークである。
【0020】
まず、情報処理装置1は、外部PFサーバ2から、ユーザが使用するユーザ端末(不図示)が位置するエリアを示すエリア情報を取得する(
図1における(1))。情報処理装置1は、取得したエリア情報が示すエリアを、スライスネットワークの対価の額を算出するエリアである対象エリアとする。対象エリアは、無線通信ネットワークを利用可能なエリアであるものとする。
【0021】
情報処理装置1は、対象エリアにおいてユーザが使用可能な無線通信ネットワークの混雑状況を特定する(
図1における(2))。情報処理装置1は、特定した混雑状況に基づいて、当該無線通信ネットワークを仮想的に分割したスライスネットワークの使用に対する対価の額を決定する(
図1における(3))。
【0022】
情報処理装置1は、決定した対価の額を示す価格情報を外部PFサーバ2に送信することにより(
図1における(4))、スライスネットワークの使用に対する対価の額をユーザに通知する。その後、情報処理装置1は、外部PFサーバ2から、ユーザがスライスネットワークの使用を申し込んだことを示す申込情報を受信すると、当該ユーザのユーザ端末の通信にスライスネットワークを適用する(
図1における(5))。
【0023】
このようにすることで、情報処理装置1は、対象エリアにおける無線通信ネットワークの混雑状況により変化するスライスネットワークの需要に対応して、当該スライスネットワークの適切な対価を設定することができる。
【0024】
[情報処理装置1の機能構成]
続いて、情報処理装置1の機能構成について説明する。
図2は、情報処理装置1の機能構成を示す図である。情報処理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを有する。
【0025】
通信部11は、外部PFサーバ2や、無線通信ネットワークを管理する通信装置等の外部装置とデータを送受信するための通信インターフェースである。
記憶部12は、各種のデータを記憶する記憶媒体であり、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及びハードディスク等を有する。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを記憶する。記憶部12は、制御部13を、取得部131、特定部132、決定部133、出力部134及び適用部135として機能させるプログラムを記憶する。
【0026】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、取得部131、特定部132、決定部133、出力部134及び適用部135として機能する。
【0027】
取得部131は、外部PFサーバ2から、対象エリアを示すエリア情報を取得する。例えば、外部PFサーバ2は、スライスネットワークの使用を検討するユーザのユーザ端末から、ユーザ端末が接続されている携帯電話ネットワークの基地局がカバーするセルのセルIDを取得するとともに、スライスネットワークの対価の額の問合せを受け付ける。
【0028】
例えば、地域を予め定められた大きさの正方形に区切った複数のエリア(メッシュ)であって、エリアを識別するためのエリアIDが付された複数のエリアが設けられている。外部PFサーバ2は、取得したセルIDが示すセルに対応する1つのエリアを、対象エリアとする。外部PFサーバ2は、エリア情報としての、対象エリアのエリアIDを含み、スライスネットワークの対価の額の取得を要求する対価取得要求を情報処理装置1に送信する。情報処理装置1の取得部131は、外部PFサーバ2から対価取得要求を取得することにより、対価取得要求に含まれるエリア情報を取得する。
【0029】
なお、外部PFサーバ2は、ユーザ端末から取得したセルIDに基づいて対象エリアを特定したが、これに限らない。外部PFサーバ2は、ユーザ端末から、ユーザ端末の位置を示す端末位置情報を取得し、複数のエリアのうち、当該端末位置情報が示す位置を含むエリアを対象エリアとしてもよい。また、対象エリアは、地域を予め定められた大きさの正方形に区切った複数のエリアのいずれかであるものとしたが、これに限らず、セルIDが示すセルを対象エリアとしてもよい。
【0030】
また、取得部131は、エリア情報と、当該エリア情報においてスライスネットワークに求める通信品質を示す通信品質情報とを取得してもよい。この場合、例えば、外部PFサーバは、対象エリアにおいてユーザ端末に適用可能な一以上のスライスネットワークそれぞれの通信品質をユーザ端末に提示し、ユーザ端末から、ユーザがスライスネットワークに求める通信品質の選択を受け付ける。通信品質は、例えばスループットであるが、これに限らず、通信遅延時間、パケットエラー率、パケットの到達間隔のゆらぎ等であってもよい。外部PFサーバ2は、選択された通信品質を示す通信品質情報を含む対価取得要求を情報処理装置1に送信する。取得部131は、外部PFサーバ2から取得した対価取得要求に含まれる通信品質情報を取得する。
【0031】
特定部132は、取得部131が取得したエリア情報が示す対象エリアにおいて使用可能な無線通信ネットワークの混雑状況を特定する。例えば、特定部132は、対象エリアにおいて使用可能な無線通信ネットワークを提供するとともに、スライスネットワークを提供する通信装置(不図示)に対し、対象エリアにおける無線通信ネットワークの混雑状況の照会を行う。そして、特定部132は、通信装置から、混雑状況を示す混雑状況情報を取得することにより、当該無線通信ネットワークの混雑状況を特定する。混雑状況情報は、例えば、無線通信ネットワークの無線リソースの総量と、当該無線リソースの使用量と、当該無線リソースの総量に対する当該使用量の割合を示す使用割合とを関連付けた情報である。
【0032】
決定部133は、特定部132が特定した混雑状況に基づいて、対象エリアにおいて使用可能な無線通信ネットワークを仮想的に分割したネットワークであって、所定の通信品質が保証されたネットワークであるスライスネットワークの使用に対する対価の額を決定する。
【0033】
決定部133は、無線ネットワークに適用可能なスライスネットワークの数が複数である場合には、取得部131が取得したエリア情報が示す対象エリアにおいて使用可能な無線通信ネットワークの混雑状況に基づいて、当該無線ネットワークに適用可能な複数のスライスネットワークそれぞれの使用に対する対価の額を決定する。
【0034】
例えば、記憶部12には、複数のエリアそれぞれにおける、無線通信ネットワークの混雑状況と、対価の額とを関連付けた価格テーブルが記憶されている。
図3は、価格テーブルの一例を示す情報である。
図3に示すように、価格テーブルは、エリアを示すエリアIDと、エリアにおいて使用可能なスライスネットワークの通信品質と、無線リソースの総量に対する使用量の使用割合の範囲と、対価の額とを関連付けた情報である。ここで、対価の額は、例えば、通信サービスを利用することで付与されたり、ユーザが購入することで付与されたりするポイントであるが、これに限らず、電子マネーや法定通貨の額であってもよい。
【0035】
図3に示すように、価格テーブルでは、一つのエリアIDに対し、複数のスライスネットワークそれぞれの通信品質が関連付けられており、複数の通信品質のそれぞれに対して対価の額が関連付けられていることが確認できる。また、価格テーブルでは、無線通信ネットワークが混雑すればするほど、対価の額が高くなるように対価の額が設定されている。また、価格テーブルでは、スライスネットワークが保証する通信品質が高ければ高いほど、対価の額が高くなるように対価の額が設定されている。
【0036】
決定部133は、価格テーブルを参照し、取得部131が取得した対価取得要求に含まれる対象エリアを示すエリアIDと、特定部132が特定した無線通信ネットワークの混雑状況を示す無線リソースの総量に対する使用量の使用割合を含む使用割合の範囲とに関連付けられている、複数のスライスネットワークそれぞれ対価の額を特定する。
【0037】
また、決定部133は、取得部131がエリア情報とともに通信品質情報を取得した場合には、当該通信品質情報が示す通信品質を満たすスライスネットワークの使用に対する対価の額を決定する。例えば、通信品質情報が示す通信品質が20Mbpsである場合、決定部133は、20Mbpsに対応するスライスネットワークの使用に対する対価の額を決定するだけでなく、40Mbpsに対応するスライスネットワークの使用に対する対価の額を決定してもよい。また、決定部133は、取得部131がエリア情報とともに通信品質情報を取得した場合に、当該エリア情報が示すエリアにおいて、通信品質情報が示す通信品質を満たすスライスネットワークがユーザ端末に適用できない場合、当該通信品質よりも低い通信品質に対応するスライスネットワークの使用に対する対価の額を決定してもよい。
【0038】
なお、決定部133は、価格テーブルを参照することにより、対象エリアに対応するスライスネットワークの使用に対する対価の額を決定したが、これに限らない。例えば、記憶部12に、対象エリアにおける無線通信ネットワークの混雑状況に基づいて対価の額を算出する式を記憶させておき、当該式を用いて、対価の額を算出してもよい。
【0039】
また、決定部133は、スライスネットワークの他のユーザ端末に対する適用状況にさらに基づいて、スライスネットワークの対価の額を決定してもよい。この場合、特定部132は、対象エリアにおいて使用可能な無線通信ネットワークを提供するとともに、スライスネットワークを提供する通信装置にアクセスし、複数のスライスネットワークそれぞれの、他のユーザ端末に対する適用状況を特定する。例えば、特定部132は、複数のスライスネットワークそれぞれについて、スライスネットワークを適用可能な端末の上限数と、スライスネットワークを現在適用している端末の数である適用数とに基づく、スライスネットワークの使用率を、スライスネットワークの適用状況として特定する。決定部133は、特定部132が特定したスライスネットワークの使用率が高ければ高いほど対価の額が高くなるように、スライスネットワークの対価の額を決定する。このようにすることで、情報処理装置1は、スライスネットワークの需要に合わせて適切に対価の額を決定することができる。
【0040】
出力部134は、決定部133が決定した対価の額を、エリア情報の取得元である、外部PFサーバ2に出力する。出力部134は、決定部133が複数のスライスネットワークそれぞれの使用に対する対価の額を決定した場合、当該複数のスライスネットワークそれぞれの使用に対する対価の額を示す対価情報を、外部PFサーバ2に出力する。外部PFサーバ2は、スライスネットワークの対価の額の問合せを行ったユーザ端末に、スライスネットワークの対価を示す対価情報を含み、スライスネットワークの適用を受け付ける受付画面を表示させる。
【0041】
図4は、第1の実施の形態に係る受付画面の一例を示す図である。
図4に示す例では、受付画面に通信品質の選択を受け付ける選択受付領域Aが設けられているとともに、選択受付領域Aにおいて選択された通信品質に対応するスライスネットワークの使用に対する対価の額と、選択された通信品質を満たすスライスネットワークの使用に対する対価の額と、これらのスライスネットワークの適用を受け付ける2つの適用ボタンとが表示されていることが確認できる。
【0042】
なお、取得部131が取得した通信品質情報が示す通信品質を満たすスライスネットワークがユーザ端末に適用できず、決定部133が、当該通信品質よりも低い通信品質に対応するスライスネットワークの使用に対する対価の額を決定した場合、出力部134は、通信品質情報が示す通信品質を満たすスライスネットワークがユーザ端末に適用できないことを示す情報を受付画面に示してもよい。
【0043】
適用部135は、外部PFサーバ2を介して、スライスネットワークの対価の額の問合せを行ったユーザ端末から、スライスネットワークの適用を受け付ける。例えば、スライスネットワークの適用を受け付ける受付画面において適用ボタンが選択されたことに応じて、ユーザ端末は、ユーザ端末を識別するための端末IDと、適用するスライスネットワークの通信品質を示す通信品質情報とを含む、スライスネットワークの適用要求を外部PFサーバ2に送信する。
【0044】
外部PFサーバ2は、スライスネットワークの適用要求を受信すると、当該スライスネットワークの適用要求を情報処理装置1に送信する。適用部135は、スライスネットワークの適用要求を受信すると、適用要求に含まれている端末IDに対応するユーザ端末の通信に、適用要求に含まれている通信品質情報が示す通信品質に対応するスライスネットワークを適用する。例えば、適用部135は、対象エリアにおいてスライスネットワークを提供する通信装置に対し、ユーザ端末の通信に、適用要求に含まれている通信品質情報が示す通信品質に対応するスライスネットワークを適用する指示を行うことにより、当該ユーザ端末の通信に、スライスネットワークを適用する。
【0045】
[動作フロー]
続いて、情報処理装置1に係る処理の流れについて説明する。
図5は、第1の実施の形態に係る情報処理装置1に係る処理の流れを示すフローチャートである。
【0046】
まず、取得部131は、外部PFサーバ2からエリア情報を取得する(S1)。
続いて、特定部132は、取得されたエリア情報が示す対象エリアにおいて使用可能な無線通信ネットワークの混雑状況を特定する(S2)。
【0047】
続いて、決定部133は、特定された混雑状況に基づいて、対象エリアにおいて使用可能なスライスネットワークの使用に対する対価の額を決定する(S3)。
続いて、出力部134は、決定した対価の額を示す対価情報を外部PFサーバ2に出力する(S4)。
【0048】
続いて、適用部135は、対価情報を外部PFサーバ2に出力してから所定時間内に、外部PFサーバ2を介してユーザ端末からスライスネットワークの適用要求を受け付けたか否かを判定する(S5)。適用部135は、スライスネットワークの適用要求を受け付けたと判定すると(S5のYES)、S6に処理を移し、当該適用要求を行ったユーザ端末の通信にスライスネットワークを適用する。適用部135は、スライスネットワークの適用要求を受け付けていないと判定すると(S5のNO)、本フローチャートに係る処理を終了する。
【0049】
なお、本フローチャートでは、適用部135は、スライスネットワークの適用要求を受け付けていないと判定すると本フローチャートに係る処理を終了したが、これに限らない。例えば、適用部135は、スライスネットワークの適用要求を受け付けていないと判定すると、S2に処理を移してもよい。そして、特定部132は、対象エリアにおいて使用可能な無線通信ネットワークの混雑状況を再び特定させるようにしてもよい。この場合、特定部132は、無線通信ネットワークの混雑状況を前回特定してから所定時間経過した後に、無線通信ネットワークの混雑状況を再び特定してもよい。このようにすることで、情報処理装置1は、無線通信ネットワークの最新の混雑状況に基づいて更新した対価の額を出力することができる。
【0050】
[変形例1]
なお、本実施の形態において、価格テーブルでは、スライスネットワークが保証する通信品質が高ければ高いほど、対価の額が高くなるように対価の額が設定されることとしたが、これに限らない。例えば、ミリ波に対応する使用周波数帯を用いたスライスネットワークは、当該使用周波数帯よりも低い使用周波数帯に対応するスライスネットワークよりも専有する帯域幅が広く混雑の影響を受けにくい傾向にあるものの、通信可能なエリアが限定されるという欠点がある。
【0051】
このため、価格テーブルにおいて、通信品質に対し、当該通信品質に対応するスライスネットワークが、ミリ波に対応する使用周波数帯を使用するか否かを示すミリ波使用フラグを関連付けておいてもよい。そして、当該価格テーブルにおいて、ミリ波に対応する使用周波数帯に対応するスライスネットワークの対価の額を、当該使用周波数帯よりも低い使用周波数帯に対応するスライスネットワークの対価の額よりも低い額に設定してもよい。
【0052】
この場合、取得部131は、外部PFサーバ2を介してユーザ端末から、スライスネットワークの対価の額の問合せを受け付ける場合に、当該ユーザ端末がミリ波を用いた通信が可能であるかを示すミリ波対応情報を取得する。そして、決定部133は、スライスネットワークの対価の額の問い合わせを行ったユーザ端末がミリ波を用いた通信が可能である場合、価格テーブルを参照し、ミリ波に対応する使用周波数帯を使用するスライスネットワークに対応する対価の額を特定する。具体的には、決定部133は、価格テーブルを参照し、ミリ波の使用周波数帯に対応するスライスネットワークの対価の額を、ミリ波の使用周波数帯よりも低い使用周波数帯に対応するスライスネットワークの対価の額よりも低い額に決定する。
【0053】
出力部134は、ミリ波に対応する使用周波数帯に対応するスライスネットワークの対価の額を決定した場合、スライスネットワークの適用を受け付ける受付画面に、ミリ波に対応する使用周波数帯を用いたスライスネットワークを適用する場合は、高い通信品質が保証されるものの、対応エリアが限定されることを示す情報を表示させるようにしてもよい。このようにすることで、対応エリアに留まるユーザが、ミリ波に対応する使用周波数帯を使用する確率を高めることができる。
【0054】
[変形例2]
また、本実施の形態において、外部PFサーバ2は、放送局等の業務を行い、突発的な事件等が発生した場合にユーザ端末を用いて映像を撮影し、無線通信ネットワークを用いて自社のサーバ等に映像データをアップロードするユーザのユーザ端末から、スライスネットワークの使用に対する対価の額の問い合わせを受け付けることとしたが、これに限らない。外部PFサーバ2は、例えば、自身が撮影した映像を遠隔で操作する操作用端末に送信し、操作用端末からの指示を受けながら移動等の各種動作を行うロボットやドローンから、スライスネットワークの使用に対する対価の額の問い合わせを受け付けてもよい。そして、外部PFサーバ2は、ロボットやドローンに対価の額を提示し、スライスネットワークの適用要求を受け付けるようにしてもよい。
【0055】
[情報処理装置1による効果]
以上説明したように、本実施の形態に係る情報処理装置1は、対象エリアにおいて使用可能な無線通信ネットワークの混雑状況を特定し、特定した混雑状況に基づいて、無線通信ネットワークを仮想的に分割したネットワークであって、所定の通信品質が保証されたネットワークであるスライスネットワークの使用に対する対価の額を決定し、決定した対価の額を出力する。このようにすることで、情報処理装置1は、スライスネットワークの使用に対して適切な対価を設定することができる。
【0056】
<第2の実施の形態>
続いて、第2の実施の形態について説明する。スライスネットワークの使用を検討するユーザの中には、自身の現在位置に対応する対象エリアにおいて提示されたスライスネットワークの使用に対する対価の額よりも低い対価の額でスライスネットワークを使用することを希望するユーザも存在する。これに対し、第2の実施の形態に係る情報処理装置1は、複数の対象エリアを示すエリア情報を取得し、複数の対象エリアそれぞれにおいて使用可能な複数の無線通信ネットワークそれぞれにおいて適用可能なスライスネットワークの使用に対する対価の額を決定して出力する点で第1の実施の形態と異なる。以下に、第2の実施の形態に係る情報処理装置1について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ部分については適宜説明を省略する。
【0057】
第2の実施の形態において、取得部131は、外部PFサーバ2から複数の対象エリアを示すエリア情報を取得する。例えば、外部PFサーバ2は、スライスネットワークの使用を検討するユーザのユーザ端末から、スライスネットワークの対価の額の問合せを受け付ける。
【0058】
外部PFサーバ2は、取得したセルIDに対応するエリアを対象エリアにするとともに、当該エリアの周辺のエリアについても対象エリアにする。外部PFサーバ2は、複数の対象エリアのエリアIDを示すエリア情報と、ユーザ端末が現在位置するエリアを示す所在エリア情報と、ユーザにより選択された通信品質を示す通信品質情報とを含み、スライスネットワークの対価の額の取得を要求する対価取得要求を情報処理装置1に送信する。情報処理装置1の取得部131は、外部PFサーバ2から、対価取得要求を取得することにより、対価取得要求に含まれるエリア情報を取得する。ここで、複数の対象エリアのうちのいずれかのエリアが、ユーザ端末が現在位置するエリアであるものとする。
【0059】
特定部132は、対価取得要求に含まれる複数の対象エリアを示すエリア情報に基づいて、複数の対象エリアそれぞれにおいて使用可能な複数の無線通信ネットワークそれぞれの混雑状況を特定する。
【0060】
決定部133は、特定部132が特定した複数の無線通信ネットワークそれぞれの混雑状況に基づいて、当該複数の無線通信ネットワークそれぞれに適用可能な複数のスライスネットワークそれぞれの使用に対する対価の額を決定する。例えば、決定部133は、価格テーブルを参照し、複数の対象エリアのそれぞれに対応するスライスネットワークの対価の額であって、対価取得要求に含まれる通信品質情報が示す通信品質と、特定部132が特定した混雑状況とに対応する対価の額を決定する。
【0061】
出力部134は、決定部133が複数のスライスネットワークそれぞれに対して決定した対価の額と、スライスネットワークに対応する対象エリアを示す情報とを関連付けて出力する。例えば、出力部134は、複数の対象エリアを示す地図情報であって、複数の対象エリアのそれぞれに対して決定部133が決定した対価の額を示す情報を関連付けた地図情報を出力する。出力部134は、対価取得要求に含まれる所在エリア情報が示すユーザ端末が位置するエリアを示す位置アイコンを含むとともに、複数の対象エリアそれぞれを、対価の額に対応して色付けしたヒートマップを地図情報として出力する。
【0062】
外部PFサーバ2は、情報処理装置1から地図情報を取得すると、当該地図情報を含むスライスネットワークの適用を受け付ける受付画面を表示させる。
図6は、第2の実施の形態に係る受付画面の一例を示す図である。
図6に示すように、受付画面には、出力部134が出力した地図情報Maが含まれていることが確認できる。また、地図情報Maには、対価取得要求に含まれる所在エリア情報が示すユーザ端末が位置するエリアを示す位置アイコンPが含まれているとともに、複数の対象エリアそれぞれが対価の額に対応して色付けされていることが確認できる。
【0063】
このようにすることで、第2の実施の形態に係る情報処理装置1は、ユーザ端末の所在位置に対応する複数の対象エリアそれぞれにおける、スライスネットワークの使用に対する対価の額をユーザに確認させることができる。これにより、ユーザは、地図情報を確認しながら、自身の現在位置のエリアにおけるスライスネットワークの使用に対する対価の額よりも低い対価の額でスライスネットワークを使用可能なエリアに移動して、スライスネットワークを使用することができる。
【0064】
<第3の実施の形態>
続いて、第3の実施の形態について説明する。ユーザが位置するエリアにおいて無線通信ネットワークが混雑しており、スライスネットワークが他のユーザに適用されている場合には、複数のスライスネットワークのうち、相対的に良い通信品質のスライスネットワークの適用を受けられないことがある。これに対し、第3の実施の形態に係る情報処理装置1は、対象エリアの周辺に存在する複数の周辺エリアのうち、対象エリアに対応するスライスネットワークの通信品質よりも高い通信品質を有するスライスネットワークを適用可能な周辺エリアを示す情報を出力する点で第1の実施の形態と異なる。
【0065】
第3の実施の形態において、情報処理装置1の取得部131は、外部PFサーバ2から、一つのエリアのエリアIDをエリア情報として含む対価取得要求を取得する。
特定部132は、対象エリアにおいて使用可能な無線通信ネットワークに対応する混雑状況と、対象エリアの周辺に存在する複数の周辺エリアそれぞれにおいて使用可能な無線通信ネットワークに対応する混雑状況とを特定する。例えば、特定部132は、対価取得要求に含まれるエリアIDのエリアを対象エリアとし、対象エリアから所定範囲内に位置する他の複数のエリアを複数の周辺エリアとする。特定部132は、複数の周辺エリアそれぞれにおいて使用可能な無線通信ネットワークに対応する混雑状況を特定する。
【0066】
決定部133は、複数の周辺エリアそれぞれに対応するスライスネットワークのうち、対象エリアに対応するスライスネットワークに比べて通信品質が高いスライスネットワークを特定し、特定したスライスネットワークの使用に対する対価の額を決定する。ここで、対象エリアに対応するスライスネットワークは、ユーザにより選択された通信品質に対応するスライスネットワークでもよいし、対象エリアにおいてユーザ端末に適用可能な複数のスライスネットワークのうち、最も通信品質が良いスライスネットワークであってもよい。また、周辺エリアに対して特定されるスライスネットワークは、対象エリアに対応するスライスネットワークよりも高い複数の通信品質のうち、最も低い通信品質、最も高い通信品質、又はユーザにより選択される通信品質である。
【0067】
出力部134は、決定部133が決定した、特定したスライスネットワークの対価の額と、特定したスライスネットワークに対応する周辺エリアを示すエリア情報とを関連付けて出力する。例えば、出力部134は、対象エリアと、複数の周辺エリアとを示す地図情報であって、複数の周辺エリアのそれぞれに対して決定部133が決定した対価の額を示す情報を関連付けた地図情報を出力する。出力部134は、対象エリア、すなわち、ユーザ端末が位置するエリアを示す位置アイコンPを含むとともに、複数の周辺エリアそれぞれを、決定した対価の額に対応して色付けしたヒートマップを地図情報として出力する。
【0068】
外部PFサーバ2は、情報処理装置1から地図情報を取得すると、当該地図情報を含むスライスネットワークの適用を受け付ける受付画面を表示させる。
図7は、第3の実施の形態に係る受付画面の一例を示す図である。
図7に示すように、受付画面には、出力部134が出力した地図情報Mbが含まれていることが確認できる。また、地図情報Mbには、対価取得要求に含まれるエリア情報が示す対象エリア(ユーザ端末が位置するエリア)を示す位置アイコンPが含まれていることが確認できる。また、地図情報Mbには、ユーザが選択した通信品質よりも高品質のスライスネットワークを適用可能な周辺エリアそれぞれが、当該スライスネットワークに対して決定された対価の額で色付けされていることが確認できる。
【0069】
このようにすることで、第3の実施の形態に係る情報処理装置1は、ユーザ端末が所在する対象エリアの周辺のエリアのうち、対象エリアのスライスネットワークよりも高い通信品質を有するスライスネットワークが提供可能な周辺エリアをユーザに確認させることができる。これにより、ユーザは、対象エリアにおけるスライスネットワークよりも高い通信品質のスライスネットワークの適用を受けられる周辺エリアに移動して、高い通信品質のスライスネットワークを使用することができる。
【0070】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0071】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0072】
1 情報処理装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 取得部
132 特定部
133 決定部
134 出力部
135 適用部
2 外部PFサーバ