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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125177
(43)【公開日】2024-09-13
(54)【発明の名称】流量検知装置
(51)【国際特許分類】
   G01F 1/42 20060101AFI20240906BHJP
【FI】
G01F1/42 A
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024017392
(22)【出願日】2024-02-07
(31)【優先権主張番号】18/178,300
(32)【優先日】2023-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500575824
【氏名又は名称】ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Honeywell International Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100138759
【弁理士】
【氏名又は名称】大房 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ジェイミー スペルドリッチ
(72)【発明者】
【氏名】リチャード ソレンソン
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム フーバー
【テーマコード(参考)】
2F030
【Fターム(参考)】
2F030CA04
2F030CC15
2F030CE04
2F030CF01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】流量検知装置の感度及び性能を改善するための様々な方法、装置、及びシステムを提供する。
【解決手段】流量検知装置は、入口ポート及び出口ポートを画定するハウジングと、ハウジング内に少なくとも部分的に配置されたセンシングエレメントと、入口ポートと出口ポートとを接続するハウジング内に画定された主流路であって、主流路が、流動媒体の少なくとも一部がセンシングエレメントと流体接触するようにセンシングエレメントに近接して配置されている主流路と、入口ポート内に位置し、流動媒体を層流パターンで方向付けるように構成された層流構造とを含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流量検知装置であって、
入口ポート及び出口ポートを画定するハウジングと、
前記ハウジング内に少なくとも部分的に配置されたセンシングエレメントと、
前記入口ポートと前記出口ポートとを接続する前記ハウジング内に画定された主流路であって、前記主流路が、前記流動媒体の少なくとも一部が前記センシングエレメントと流体接触するように前記センシングエレメントに近接して配置されている主流路と、
前記入口ポート内に位置し、流動媒体を層流パターンで方向付けるように構成された層流構造と
を備える流量検知装置。
【請求項2】
前記センシングエレメントが、プリント回路基板アセンブリ(PCBA)と電気的に接続される、請求項1に記載の流量検知装置。
【請求項3】
前記PCBAと前記センシングエレメントがワイヤボンドを介して接続され、前記ワイヤボンドが封止材で覆われている、請求項2に記載の流量検知装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の例示的な実施形態は、概して流量検知装置に関し、より詳細には、流動媒体の流量を測定するための方法、装置、及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
流量センサは、流動媒体(例えば、移動する液体又はガス状物質)の流量及び/又は量を測定するために使用することができ、様々な用途に実装することができる。そのような流量検知装置は、技術的課題及び制限に悩まされている。加えられる努力、工夫、及び革新を通じて、これらの識別された多くの問題は、本開示の実施形態に含まれる解決策を開発することによって解決され、それらの多くの実施例が本明細書で詳細に記載される。
【発明の概要】
【0003】
本明細書に記載の様々な実施形態は、例えば流量検知装置などの装置の感度及び性能を改善するための方法、装置、及びシステムに関する。
【0004】
本開示の様々な例によれば、流量検知装置が提供される。流量検知装置は、入口ポート及び出口ポートを画定するハウジングと、ハウジング内に少なくとも部分的に配置されたセンシングエレメントと、入口ポートと出口ポートとを接続するハウジング内に画定された主流路であって、主流路が、流動媒体の少なくとも一部がセンシングエレメントと流体接触するようにセンシングエレメントに近接して配置されている主流路と、入口ポート内に位置し、流動媒体を層流パターンで方向付けるように構成された層流構造とを備えることができる。
【0005】
いくつかの実施形態では、センシングエレメントは、プリント回路基板アセンブリ(PCBA)と電気的に接続される。
【0006】
いくつかの実施形態では、PCBAとセンシングエレメントはワイヤボンドを介して接続され、ワイヤボンドは封止材で覆われている。
【0007】
いくつかの実施形態では、主流路は、入口ポートと接続する位置からセンシングエレメントに接触する位置までテーパ状の断面を有する。
【0008】
いくつかの実施形態では、追加の層流構造が出口ポートに位置され、流動媒体を層流パターンで方向付けるように構成される。
【0009】
いくつかの実施形態では、流量検知装置は、入口ポートと出口ポートとを接続するハウジング内に画定されたバイパス流路を更に含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、ハウジングは、第1の部分及び第2の部分を更に含み、第1の部分及び第2の部分は、主流路を画定し、入口ポート及び出口ポートは、第1の部分によって画定される。
【0011】
いくつかの実施形態では、層流構造は、流動媒体を層流パターンで方向付けるために入口ポートと主流路との間に延在する複数のフィンを更に含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、複数のフィンの各々は、コアアウト構造を有する。
【0013】
いくつかの実施形態では、複数のフィンは、入口ポートの周りに等間隔に配置される。
【0014】
いくつかの実施形態では、複数のフィンの延在方向は、主流路に対して90°の角度をなす。
【0015】
いくつかの実施形態では、層流構造は、コントローラコンポーネントと電子的に通信しているセンシングエレメントから流量指示を受信するように構成されたコントローラコンポーネントを更に含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、流量検知システムが提供される。流量検知システムは、入口ポート及び出口ポートを画定するハウジングと、ハウジング内に少なくとも部分的に配置されたセンシングエレメントと、入口ポートと出口ポートとを接続するハウジング内に画定された主流路であって、主流路は、流動媒体の少なくとも一部がセンシングエレメントと流体接触するようにセンシングエレメントに近接して配置されており、主流路は、入口ポートと接続する位置からセンシングエレメントに接触する位置までテーパ状の断面を有する主流路とを備えることができる。
【0017】
いくつかの実施形態では、テーパ状の断面は長方形状の形態をとり、主流路の外壁の壁角度は、入口ポートと接続する位置からセンシングエレメントに接触する位置まで減少する。
【0018】
いくつかの実施形態では、主流路のテーパ状の断面の面積は、入口ポートと接続する位置からセンシングエレメントに接触する位置まで減少する。
【0019】
いくつかの実施形態では、流量検知システムは、入口ポート内に位置し、流動媒体を層流パターンで方向付けるように構成された層流構造を更に備える。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図示の実施形態の説明は、添付の図面と併せて読むことができる。特に記載がない限り、図の簡略化及び明確化のために、図面に示される要素は必ずしも縮尺どおりに描かれていないことが理解されよう。例えば、特に記載のない限り、要素のうちのいくつかの寸法は、他の要素に対して誇張されている場合がある。本開示の教示を組み込む実施形態は、本明細書に提示される図に関連して示され、説明される。
図1】本開示の様々な実施形態による例示的な流量検知装置を示す概略図である。
図2】本開示の様々な実施形態による、流量検知装置内の流動媒体の圧力分布の斜視図を示す概略図である。
図3】本開示の様々な実施形態による、流量検知装置内の流動媒体の流速の大きさの分布の斜視図を示す概略図である。
図4】本開示の様々な実施形態による例示的な流量検知装置の分解図を示す概略図である。
図5】本開示の様々な実施形態による例示的な流量検知装置の上面図を示す概略図である。
図6】本開示の様々な実施形態による、チャネル長対壁角度の例示的な曲線を示す概略図である。
図7】本開示の様々な実施形態による、レイノルズ数対チャネル長の例示的な曲線を示す概略図である。及び、
図8】本開示の様々な実施形態による例示的なコントローラコンポーネントを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本開示のいくつかの実施形態について添付図面を参照しながら以下により詳細に説明するが、本開示の全てではなくいくつかの実施形態を示すものである。実際に、本開示は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載される実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が適用可能な法的要件を満たすように提供される。同様の数字は、全体を通して同様の要素を指す。
【0022】
図に示す構成要素は、本明細書に記載される本開示の様々な実施形態では存在しても存在しなくてもよい構成要素を表し、そのため、実施形態は、本開示の範囲から逸脱することなく、図面に示されるものよりも少ない又は多くの構成要素を含んでもよい。いくつかの構成要素は、基礎となる構成要素の可視性のために、1つ又は複数の図から省略されるか、又は破線で示され得る。
【0023】
「例示的な実施形態では」、「いくつかの実施形態」、「様々な実施形態」などの語句は、一般に、語句に続く特定の特徴、構造、又は特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれてもよく、本開示の2つ以上の実施形態(重要なことに、そのような語句は、必ずしも同じ実施形態を指すとは限らない)に含まれてもよいことを意味する。
【0024】
本明細書で使用するとき、用語「例」又は「例示的な」は、「一例、事例、又は実例としての役割を果たすこと」を意味する。「例示的な」として本明細書に記載される任意の実装形態は、必ずしも他の実装形態よりも好ましい又は有利であると解釈されなくてよい。
【0025】
本明細書が、ある構成要素又は特徴が、「含まれてもよい」、「含むことできる」、「含み得る」、「含むべきである」、「含むであろう」、「好ましくは含む」、「場合により含む」、「典型的には含む」、「任意選択的に含む」、「例えば含む」、「多くの場合含む」又は「含むかもしれない」(又は他のそのような言語)、あるいはある特性を有することを提示する場合、その特定の部品又は特徴は、含まれることを必要としないか又はその特性を有することを必要としない。そのような構成要素又は特徴は、いくつかの実施形態に任意選択的に含まれてもよく、又は除外されてもよい。
【0026】
本開示における「電子的に結合されている」又は「と電子的に通信している」という用語は、有線手段(例えば、これらに限定されないが、導電性ワイヤ又はトレース)及び/又は無線手段(例えば、これらに限定されないが、無線ネットワーク、電磁場)を介して接続されている2つ以上の電気要素(例えば、これらに限定されないが、例示的な処理回路、通信モジュール、入力/出力モジュールメモリ、湿度検知コンポーネント、冷却要素、ガス検出コンポーネント)及び/又は電気回路を指し、データ及び/又は情報(例えば、電子表示、信号)は、電子的に結合されている電気要素及び/又は電気回路に送信され、及び/又は電気要素及び/又は電気回路から受信され得る。
【0027】
「流量検知装置」という用語は、流動媒体又は媒体の流量(線形流速、非線形流速、質量流量、及び/又は体積流量を含むが、これらに限定されない)を検出、測定、及び/又は識別することができる装置を指すことができる。本開示において、「流動媒体」という用語は、物質(例えば、これらに限定されないが、液体物質及び/又はガス状物質、例えば空気)を指す。
【0028】
「流路」という用語は、流動媒体が流れ、横断し、又は搬送され得る通路を指し得る。本明細書で更に詳細に説明するように、本開示の例示的な流路は、複数のチャネルによって画定/形成され、及び/又は複数のチャネルを含むことができる。本開示の様々な例において、例示的な流路の例示的な断面の例示的な寸法は、高さがミクロン~数百ミクロン、幅が数十ミクロン~数百ミクロンであってもよい。例えば、例示的な流路の例示的な断面の高さは、100ミクロン~800ミクロンの範囲、好ましくは230ミクロン~300ミクロンの範囲であってもよい。例えば、例示的な流路の例示的な断面の幅は、50ミクロン~2000ミクロンの範囲、好ましくは700ミクロン~1400ミクロンの範囲であってもよい。本開示の様々な例において、例示的な流路は、長さが100ミクロンを超えてもよい。
【0029】
「層流」という用語は、混合がほとんど又は全くない、流路内の平滑経路をたどる流動媒体の粒子(すなわち、高い運動量の拡散及び低い運動量の対流)によって特徴付けられ得る。対照的に、「乱流」という用語は、不規則な変動又は混合を受ける流動媒体の粒子によって特徴付けられ得る。「流れの渦」という用語は、流体と、流体が乱流状態にあるときに生成される逆流によって特徴付けられ得る。
【0030】
流量検知装置は、医療及び産業用途を含む様々な用途で利用することができる。例えば、流量検知装置は、マイクロピペット、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)用途、薬物送達、呼吸器、人工呼吸器、麻酔器、暖房、換気、及び空調(HVAC)機器、ガス分析装置、漏れ検出器などに利用され得る。例えば、流量検知装置を薬物送達システムに実装して、それに関連する流動媒体の流量を検出、測定、及び/又は識別することができる。
【0031】
いくつかの例では、流量検知装置は、主流路及び/又は主流路から分岐するバイパス経路を含むことができ、流動媒体の一部は、バイパス経路及び/又はバイパスチャネルに流れる。そのような例では、流動媒体の流量は、主流路を通って流れる流動媒体の一部の判定された流量に基づいて判定され得る。流量検知用途は、産業、商業、医療、及び自動車産業を含むことができるが、これらに限定されない。例えば、流量検知装置を医療用途で使用して、患者の呼吸を監視及び/又は制御することができる。
【0032】
特に、いくつかの例では、医療用人工呼吸器(例えば、持続的気道陽圧(CPAP)又は可変気道陽圧(VPAP)の機械)のサイズ及び重量を低減するために、超小型流量検知装置に依存している。いくつかの例では、超小型流量検知装置は、8mm×5mmの寸法であってもよい。しかしながら、流量検知装置のサイズを縮小すると、いくつかの例では、流量検知装置が、主流路又は一次流路内の流れの渦及び/又は乱流の影響(例えば、より短い流路による流速及び圧力の不均一性)による誤測定の影響を受けやすくなる可能性があり、したがって、そのようなセンサの精度は、そのような要因によって悪影響を受ける可能性がある。追加的又は代替的に、例示的な流量検知装置の性能は、いくつかの例では、不十分な直線性、圧力変化、流動媒体の流れの渦及び/又は乱流、低感度、及び/又はそれらの複雑なガイド構造に起因する質量ノイズによって悪影響を受ける可能性がある。
【0033】
本明細書で開示されるシステム、装置、及び技術を使用して、低流量用途、高流量用途、及びそれらの組み合わせの両方で使用するように構成された例示的な流量検知装置が提供される。例示的な流量検知装置は、いくつかの実施形態では、超小型流量検知装置の流量をより高い精度で測定することができる。いくつかの実施形態では、例示的な流量検知装置は、流動媒体の流量測定の精度を高めるために、スプライン形状の流路(例えば、主流路及びバイパス路)を有するように構成されてもよい。
【0034】
したがって、本開示のいくつかの例は、流量検知装置の性能、感度、精度を改善し、及び/又はノイズを低減することができ、及び/又はいくつかの例では、マイクロ流量検知装置における流量の測定を可能にすることができる。別の例では、本明細書に記載の技術及び装置は、例えば呼吸器と組み合わせて、高流量及び低圧力降下の用途に使用することができ、従来の装置と比較して改善された性能を示す。
【0035】
流量の測定に関連する課題及び制限に対処するために、本開示の様々な例を提供することができる。例えば、本開示の様々な例は、例示的な流量検知装置、方法、コンピュータプログラム製品、及びシステムを提供することができる。
【0036】
ここで図1を参照すると、本開示の様々な実施形態による例示的な流量検知装置100の斜視図を示す概略図が提供される。図1に示すように、流量検知装置100は、ハウジング101と、センシングエレメント102と、ハウジング101によって画定された主流路108とを含む。
【0037】
図1に示すように、流量検知装置の例示的なハウジング101は、プラスチック、生分解性材料、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、環状オレフィンコポリマ、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、液晶ポリマ(LCP)、ポリエーテルイミド(PEI)、エポキシ、ペルフルオロアルコキシ(PFA)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、それらの組み合わせなどであり得るか、それらを含み得る。
【0038】
様々な実施形態では、例示的な流量検知装置100のハウジング101は、入口ポート106及び出口ポート107を含み、入口ポート106と出口ポート107とを流体接続する流路に沿って流動媒体を搬送するように構成される。いくつかの実施形態では、入口ポート106はオリフィス151を含むことができ、出口ポート107はオリフィス152を含むことができ、流動媒体の圧力降下を生成する。
【0039】
いくつかの実施形態では、図示するように、流路は、流量検知装置100のハウジング101内に画定された主流路108を含むことができる。例えば、主流路108は、流量検知装置100内の流動媒体が主流路108を通って流れるように、入口ポート106と出口ポート107とを流体接続する少なくとも1つの内部チャネルを含む。したがって、流動媒体に関連する1つ又は複数の測定値(例えば、流量)は、主流路108内の流動媒体の少なくとも一部を測定することによって得ることができる。そのような例では、流動媒体の流量は、主流路108を通って流れる流動媒体の一部の流量に少なくとも部分的に基づいて測定又は他の方法で判定されてもよい。更に示すように、主流路108は、少なくとも部分的にセンシングエレメント102に近接して位置する。
【0040】
様々な例において、入口ポート106及び出口ポート107は、流動媒体を搬送するために外部パイプと接続されてもよい。例えば、入口ポート106は、流入管と接続されて、流動媒体が流量検知装置100に流入することを可能にすることができる。例えば、出口ポート107は、流出管と接続されて、流動媒体が流量検知装置100から流出することを可能にすることができる。
【0041】
様々な例において、センシングエレメント102(例えば、流量センシングエレメント、検知ダイ、トランスデューサなど)は、主流路108を通る流動媒体の流量を検出/測定するように構成される。いくつかの実施形態では、センシングエレメント102は、センシングエレメント102と通信するためのプリント回路基板アセンブリ(PCBA)又はアナログデジタル変換器などのコントローラコンポーネント103と電気的に接続され、通信することができる。例示的なPCBAは、エポキシ、セラミック、アルミナ、LCP、それらの組み合わせなどであり得るか、又はそれらを含み得る。例えば、ワイヤボンド、バンプボンドなどを利用して、例示的なセンシングエレメント102をPCBAに電気的に接続することができる。例示的なPCBAは、厚膜印刷セラミック基板、積層体及び又は他の材料を含むことができる。追加的及び/又は代替的に、例示的なPCBAは、リモートプロセッサなどと通信する回路及び/又は電子部品に係合するための1つ又は複数の導電パッドを含むことができる。
【0042】
いくつかの実施形態では、流路は、流量検知装置100のハウジング101内に画定されたバイパス流路109を更に含むことができる。図1に示すように、バイパス流路109は、流量検知装置100内の流動媒体の少なくとも一部がバイパス流路109を通って流れるように、入口ポート106と出口ポート107とを流体接続する少なくとも1つの内部チャネルを含むことができる。更に示すように、バイパス流路109及び主流路108は、離間した又はスプライン形状の構成で画定及び位置されてもよく、互いに近接してもよく、及び/又はハウジング101の両側にあってもよい。したがって、いくつかの例では、動作中、流量検知装置100内の流動媒体の一部は、主流路108及びバイパス流路109を通って流れる。
【0043】
様々な例において、成人の呼吸の典型的な流量は約60リットル/分であり、いくつかの例では、そのような高い流量は、流路内の流れの渦及び/又は乱流を増加させる可能性がある。その結果、流動媒体の流量の測定精度が低下する。精度に対処するために、様々な実施形態では、バイパス流路109は、流動媒体のサンプルのみがセンシングエレメントに直接流れ、主流路内の流動媒体の流量が減少するように、流動媒体の一部を迂回させるか、そうでなければバイパス流路を通って流れるように構成されてもよい。例えば、バイパス流路109は、流動媒体の少なくとも20%、好ましくは少なくとも35%、より好ましくは少なくとも50%がバイパス流路を通って流れるように構成され得る。流量検知装置100を通る流動媒体の流量は、主流路108内の流動媒体の流量に基づいて計算することができる。代替的又は追加的に、流量検知装置100を通る流動媒体の流量は、主流路バイパス流路109内の流動媒体の流量に基づいて計算されてもよい。
【0044】
上記の説明は例示的な流量検知装置100を提供するが、本開示の範囲は上記の記載に限定されないことに留意されたい。いくつかの例では、本開示による例示的な流量検知装置100は、他の形態であり得る。いくつかの例では、例示的な流量検知装置100は、1つ又は複数の追加的要素及び/又は代替的要素を含んでもよく、及び/又は図1に示すものとは異なる構造/位置であってもよい。
【0045】
ここで図2を参照すると、本開示の様々な実施形態による、流量検知装置100内の流動媒体の重なり合った圧力分布測定値を有する流量検知装置100の斜視図を示す概略図が提供される。
【0046】
図2に示すように、主流路108及びバイパス流路109内の流動媒体の圧力は、異なるライニングパターンによって表される。特に、より多くのライニングを有するパターンは、流動媒体のより高い圧力を表す。例えば、入口ポートにおける流動媒体の圧力は、より多くのライニングを有するパターンによって表され、出口ポートにおける流動媒体の圧力は、より少ないライニングを有するパターンによって表される。より多くのライニングを有するパターンは、より少ないライニングを有するパターンよりも高い圧力を表す。流動媒体の圧力は、入口ポート106から出口ポート107まで主流路108内で減少する。同様に、流動媒体の圧力も、入口ポート106から出口ポート107までのバイパス流路109内で減少する。
【0047】
図2に更に示すように、主流路108は、センシングエレメント102に隣接して配置されたチャネル110を含むことができる。図示されているように、流動媒体の少なくとも一部がセンシングエレメント102と流体接触するように、センシングエレメント102の少なくとも表面は、主流路108の一部を形成することができる。様々な例において、図2に示すように、様々な低圧力降下の仕様及び要件を満たすために、主流路108は、入口ポート106と接続する位置からセンシングエレメント102に接触する位置までテーパ状の断面を有することができる。
【0048】
様々な実施形態では、主流路108の断面は、長方形の形状をとることができる。いくつかの例では、主流路108は均一な幅wを有することができる。
【0049】
いくつかの実施形態では、主流路108は、パイプ形状の形態をとることができる。いくつかの実施形態では、主流路108の断面形状は、台形、円形、楕円形などであってもよい。いくつかの実施形態では、主流路108の断面形状は、平滑曲線又はポリラインを含むことができる。いくつかの実施形態では、バイパス流路109の断面形状は、台形、円形、楕円形などであってもよい。いくつかの実施形態では、バイパス流路109の断面形状は、平滑曲線又はポリラインを含むことができる。
【0050】
いくつかの実施形態では、バイパス流路109は、流路から遮断又は省略されてもよい。例えば、バイパス流路109は、接着材料又は他の干渉材料によって遮断されてもよい。いくつかの実施形態では、流量検知装置100は、バイパス流路109を含まなくてもよい。
【0051】
図2に示すように、層流構造200は、入口ポート106及び出口ポート107に位置し、流動媒体が層流パターンで流れるように方向付けるように構成されてもよい。例えば、層流構造200は、入口ポートに位置する複数のフィン201を含むことができ、流動媒体が層流パターンで流れるように方向付けるように構成される。層流構造200はまた、出口ポートに位置し、流動媒体が層流パターンで流れるように更に方向付けるように構成されてもよい。例えば、複数のフィン201は、入口ポートと主流路との間に延在して、流動媒体を層流パターンで方向付けることができる。例えば、複数のフィン201は、入口ポート106の円筒壁202上に配置されることができる。
【0052】
ここで図3を参照すると、本開示の様々な実施形態による、流量検知装置100内の流動媒体の重なり合った流速の大きさ分布測定値を有する流量検知装置100の斜視図を示す概略図が提供される。
【0053】
図3に示すように、主流路108及びバイパス流路109内の流動媒体の流速の大きさは、異なるライニングパターンによって表される。特に、より多くのライニングを有するパターンは、流動媒体のより高い流速を表す。例えば、入口ポートに近い流動媒体の流速の大きさは、より多くのライニングを有するパターンによって表され、センシングエレメント102に近い流動媒体の流速の大きさは、より少ないライニングを有するパターンによって表される。より多くのライニングを有するパターンは、より少ないライニングを有するパターンよりも大きな流速を表す。流動媒体の流速の大きさは、主流路108内で入口ポート106からセンシングエレメント102まで徐々に増加し得る。
【0054】
図3は、流量検知装置100の層流構造200の斜視図を更に提供する。層流構造200は、入口ポート106及び出口ポート107に位置し、流動媒体が層流パターンで流れるように方向付けるように構成されてもよい。例えば、層流構造200の複数のフィン201は、入口ポート106と主流路108との間に延在して、流動媒体を層流パターンで方向付けることができる。例えば、層流構造200の複数のフィン201は、流動媒体を層流パターンで更に方向付けるために、外側にかつ主流路108内に延在することができる。
【0055】
様々な実施形態では、複数のフィンの各々は、コアアウト構造を有する。例えば、コアアウト構造は、フィンの壁によって囲まれた空の空隙を含むことができる。いくつかの例では、空の空隙は、ハウジング101のプラスチック材料の体積を減少させ、ハウジング101は成形がより容易になり得る。
【0056】
様々な実施形態では、複数のフィン201は、入口ポート106及び出口ポート107の周りに半径方向に等間隔に配置されてもよい。例えば、複数のフィン201は、入口ポート106の円筒壁202上に配置されてもよく、したがって、それらは流路108内に外向きに延在する。すなわち、入口ポート106に入る流動媒体は、流入する流動媒体の経路内にあり、平面状であり、流体の流れの方向に配置された複数のフィン201に遭遇する。例えば、複数のフィン201は、入口ポート106の円筒壁202の周りに少なくとも2つのフィンを含むことができる。例えば、複数のフィン201は、図示のように入口ポート106の円筒壁202の周りに等間隔に配置された6つのフィンを含むことができ、したがって、流動媒体は、入口ポート106の円筒壁202に向かう流れの渦、乱流、又は旋回ではなく、複数のフィン201の延在方向に沿って方向付けられる。フィンは、いくつかの例では、任意の流れの渦及び/又は乱流を静めるか、さもなければ低減し、複数のフィン201の延在方向に方向付けられた定常流及び層流を生成するように機能する。同様に、複数のフィンはまた、流動媒体を更に層流化するために、出口ポート107の円筒壁上に配置されてもよい。
【0057】
様々な実施形態では、複数のフィン201のうちの少なくとも1つのフィンは、流路108内に延在し、流路108に対して垂直であるように位置される。例えば、流動媒体が入口ポート106から主流路108に流れるとき、層流構造200は、入口ポート106における90°の流れの曲がりを通じて流れ制御を支援することができる。例えば、流動媒体が主流路108から出口ポート107に流れるとき、層流構造200は、出口ポート107における90°の流れの曲がりを通じて流れ制御を更に支援することができる。
【0058】
ここで図4を参照すると、図1の例示的な流量検知装置100の分解図を示す概略図が提供されている。図4に示すように、流量検知装置100は、ハウジング101と、センシングエレメント102と、ハウジング101によって画定された主流路108とを含む。
【0059】
いくつかの実施形態では、ハウジング101は、第1の部分104及び第2の部分105を含むことができる。例えば、第1の部分104及び第2の部分105は、主流路108及びバイパス流路109を画定するために、接着層111によって互いに接着されてもよい。更に示すように、主流路108は、主流路内の流動媒体の流量がセンシングエレメント102によって測定され得るように、少なくとも部分的にセンシングエレメント102に近接して位置する。いくつかの実施形態では、センシングエレメント102は、PCBAと電気的に接続され、それと通信するように構成されてもよい。
【0060】
ここで図5を参照すると、図1の例示的な流量検知装置100の上面図を示す概略図が提供される。図5に示すように、主流路108及びバイパス流路109は、ハウジング101によって画定され、流量検知装置100のハウジング101の両側に位置する。
【0061】
図5に更に示すように、主流路108は、センシングエレメント102に隣接して配置されたチャネル110を含むことができる。図示されているように、流動媒体の少なくとも一部がセンシングエレメント102と流体接触するように、センシングエレメント102の少なくとも表面は、主流路108の一部を形成することができる。例えば、主流路108の断面は、主流路108の外壁510に垂直な平面内に位置してもよい。
【0062】
様々な例において、図5に示すように、様々な低圧力降下の仕様及び要件を満たすために、主流路108は、入口ポート106と接続する位置からセンシングエレメント102に接触する位置までテーパ状の断面を有することができる。例えば、位置501における主流路108の断面の面積は、位置502における主流路108の断面の面積よりも大きく、位置502は、主流路108内の流動媒体の方向に沿って位置501よりも入口ポート106から更に離れている。例えば、位置502における主流路108の断面の面積は、位置503における主流路108の断面の面積よりも大きく、位置503は、主流路108内の流動媒体の方向に沿って位置502よりも入口ポート106から更に離れている。例えば、位置503における主流路108の断面の面積は、位置504における主流路108の断面の面積よりも大きく、位置504は、主流路108内の流動媒体の方向に沿って位置503よりも入口ポート106から更に離れている。例えば、位置504における主流路108の断面の面積は、位置505における主流路108の断面の面積よりも大きく、位置505は、主流路108内の流動媒体の方向に沿って位置503よりも入口ポート106から更に離れている。例えば、主流路108の断面の面積は、主流路108の開始位置からセンシングエレメント102と接触する主流路の位置まで徐々に減少してもよい。
【0063】
様々な例において、図5に示すように、主流路108の外壁510は、入口ポート106における流動媒体の90°の流れの曲がりの後の流動媒体のための主ガイドである。壁角度αは、90°の流れの曲がりの後の流動媒体の流れ方向zと外壁510の垂直線との間に形成される。いくつかの例では、壁角度αは、流動媒体がセンシングエレメント102に案内され得るように、90°の流れの曲がり部における90°からセンシングエレメント102の近くの0°まで徐々に減少してもよい。例えば、位置501では、壁角度αは90°である。例えば、位置502では、壁角度αは30°である。例えば、位置503では、壁角度αは20°である。例えば、位置504では、壁角度αは10°である。例えば、位置505では、壁角度は0°である。
【0064】
様々な例において、主流路108の断面は、長方形の形状の形態をとることができる。いくつかの例では、主流路108の断面の長方形の形状は、幅w及びチャネル長lを有することができる。いくつかの例では、主流路の幅wは変化せず、流路のチャネル長lは、90度の流れの曲がり部からセンシングエレメント102まで減少する。例えば、位置501における流路のチャネル長はlであり、位置502における流路のチャネル長はl2,であり、位置503における流路のチャネル長はlであり、位置504における流路のチャネル長はl4,であり、位置505における流路のチャネル長はlである。例えば、位置502では、壁角度αは30°である。例えば、位置503では、壁角度αは20°である。例えば、位置504では、壁角度αは10°である。例えば、位置505において、壁角度は0°であり、ここでl>l>l>l>lである。
【0065】
様々な例において、レイノルズ数Reは、以下の表(T.1)に示すように、流路108の形状及び流動媒体の速度に基づいて計算することができる。
【0066】
【表1】

[1]角度は、感知ダイにおける外壁の角度を基準とする。
[2]Dh=水力直径=4XArea/P
非常に狭いチャネルの場合、Dh=2Xhである。
【0067】
T.1に示すように、主流路108のレイノルズ数Rは、壁角度が90°から30°まで変化するとき、安定したままであり、低い範囲にある。例えば、壁角度が90°から30°に変化するとき、Reは約65である。流動媒体の速度は、流動媒体が主流路108を通って方向を変えるときに乱流が低減され得るように、低速範囲内に留まる(例えば、流動媒体の速度はほぼ1950である)。
【0068】
更に、主流路108のレイノルズ数Reは、壁角度が30°未満に更に減少するにつれて増加する。流動媒体の速度は、低速範囲と比較して増加してもよい。
【0069】
様々な例において、主流路108のレイノルズ数Reは、外壁510の壁角度αが増加するにつれて減少してもよい。例えば、レイノルズ数Reは、90°の流れの曲がり部からより離れた流れほど高くなる。いくつかの例では、流路のチャネル長及び主流路108の断面の面積は、90°の流れの曲がり部から離れるほど減少する。
【0070】
T.1の上記の説明は例示的な流路を提供しているが、本開示の範囲は上記の説明に限定されないことに留意されたい。いくつかの例では、例示的な流路のレイノルズ数は、本開示による他の傾向で変化してもよい。いくつかの例では、レイノルズ数Reは、90°の流れの曲がり部からより離れた流れについて実質的に同じであり得る。いくつかの例では、レイノルズ数Reは、90°の流れの曲がり部からより離れた流れに対してより低くてもよい。
【0071】
ここで図6を参照すると、本開示の様々な実施形態によるチャネル長対壁角度の例示的な曲線を示す概略図が提供される。チャネル長及び対応する壁角度の測定値に従って、フィッティング平滑曲線もプロットされる。図6に示すように、チャネル長は、壁角度が減少するにつれて減少する。
【0072】
ここで図7を参照すると、本開示の様々な実施形態による、レイノルズ数対チャネル長の例示的な曲線を示す概略図が提供される。フィッティング平滑曲線もまた、計算されたレイノルズ数及び対応する壁角度に従ってプロットされる。いくつかの例では、レイノルズ数が低い流路は、流動媒体の流れを安定させるのに役立ち得る。図7に示すように、レイノルズ数Reは、主流路108を通して150よりも十分に低く維持される。例えば、流動媒体の流れは、90°の流れの曲がりの後も依然として層流である。本明細書及びいくつかの例における開示を考慮すると、Re数をより低くすることは、乱流を低減し、90°の曲がり部を通る方向の流れの制御を維持するのを助けることができ、制御を改善することは、より低いノイズ及び測定の再現性を有する信号の改善をもたらすことができる。
【0073】
ここで図8を参照すると、本開示の様々な実施形態による例示的な装置の例示的なコントローラコンポーネント103を示す例示的な概略図が提供される。特に、例示的なコントローラコンポーネント103は、処理回路803、入力/出力モジュール805、メモリ回路807、及び通信モジュール809を含む。追加的及び代替的に、コントローラコンポーネント103は、流量検知装置(例えば、図1に関連して上述した流量検知装置100などであるが、これに限定されない)に電気的に結合され、かつ/又は流量検知装置と電子的に通信する。様々な実施形態では、流量検知装置の少なくとも1つのセンシングエレメント102、処理回路803、入力/出力モジュール805、メモリ回路807、及び通信モジュール809は、それらが有線又は無線接続を介して相互に情報及びデータを送信及び/又は交換できるように電子的に結合されてもよい。
【0074】
センシングエレメント102は、センシングエレメント(例えば、例示的な流量検知装置のバイパス構成要素内の流動媒体)を取り囲む位置又は環境に関連する特性を測定又は検出する装置/デバイスであってもよく、又はそれを含んでもよく、特性の記録を更に示し、記録し、及び/又は出力してもよい。例えば、センシングエレメント102は、例えば熱伝達によって引き起こされ得る空気流量を検出及び/又は測定するためのトランスデューサを含むことができる。いくつかの実施形態では、センシングエレメント102は、微小電気機械システム(MEMS)流量検知ダイを含んでもよい。MEMS流量検知ダイは、空気流を検出及び/又は測定するための小型化された機械的構成要素及び電気機械的構成要素を含むことができ、これらの構成要素は、半導体材料のブロック(ダイなど)上に機能回路を形成するように(微細加工プロセスなどによって)製造することができる。センシングエレメント102は、流量検知装置のバイパス構成要素内のガス状物質又は液体などのガス状物質の流量を示す第1の制御信号を送信するように構成されてもよい。
【0075】
本明細書で使用される場合、「処理回路」という用語は、1つ又は複数の出力信号を生成するために1つ又は複数の入力信号に対して処理機能及び/又はソフトウェア命令を実行するように構成され得る1つ又は複数の回路を指す。本開示の様々な実施形態では、処理回路803は、例えば、ガス状物質の熱伝導率を計算するために、センシングエレメント102から受信される信号に対して処理機能及び/又はソフトウェア命令を実行してもよい。
【0076】
いくつかの実施形態では、処理回路803は、例えば、付随するデジタル信号プロセッサを有する1つ又は複数のマイクロプロセッサと、デジタル信号プロセッサを伴わない1つ又は複数のプロセッサと、1つ又は複数のコプロセッサと、1つ又は複数のマルチコアプロセッサと、1つ又は複数のコントローラと、処理回路と、1つ又は複数のコンピュータ、及び様々な他の処理素子(ASIC若しくはFPGAなどの集積回路、又はそれらの特定の組み合わせを含む)とを備える様々なデバイスとして実装され得る。いくつかの実施形態では、処理回路803は、1つ又は複数のプロセッサを含み得る。例示的な一実施形態では、処理回路803は、メモリ回路807に記憶された命令、又は処理回路803によってアクセス可能な命令を遂行するように構成される。処理回路803によって遂行されると、これらの命令は、コントローラコンポーネント103が本明細書に記載の1つ又は複数の機能を遂行することを可能にすることができる。ハードウェア、ファームウェア/ソフトウェア方法、又はそれらの組み合わせによって構成されるかどうかにかかわらず、処理回路803は、対応して構成されるときに、本発明の実施形態による動作を遂行することが可能なエンティティを含むことができる。したがって、例えば、処理回路803がASIC、FPGAなどとして実装されるときに、処理回路803は、本明細書に記載の1つ又は複数の動作を実装するために特別に構成されるハードウェアを含むことができる。これらの例では、ASICは、信号を処理するためにカスタマイズされ得る集積回路である。いくつかの例では、ASICは、処理信号の特定の用途のために完全にカスタマイズ又は半カスタマイズされてもよい。いくつかの例では、ASICは、回路再構成を可能にするプログラマブルASICであってもよい。いくつかの実施形態では、処理回路803の他の適切な形態が実装されてもよい。代替的に、別の例として、処理回路803が(メモリ回路807に記憶され得るものなどの)命令のアクチュエータとして実装される場合、命令は、図8を参照して説明したものなどの、本明細書に記載の1つ又は複数のアルゴリズム及び動作を遂行するように処理回路803を特に構成することができる。
【0077】
再び図8を参照すると、処理回路803は、入力/出力モジュール805、メモリ回路807、及び/又は通信モジュール809に電子的に結合されてもよい。
【0078】
メモリ回路807は、非一時的であってもよく、例えば、1つ又は複数の揮発性及び/又は不揮発性メモリを含んでもよい。メモリ回路807は、情報及びデータ(処理機能及び/又はソフトウェア命令など)を記憶するように構成されてもよい。メモリ回路807は、処理回路803と共に、コントローラコンポーネント103に、例えば、流量検知装置を通る流動媒体の流量を判定することを含む、本開示の例示的な実施形態による様々な処理機能及び/又はソフトウェア命令を実行させることができる。いくつかの実施形態では、メモリ回路807は、例えば、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、又はそれらの特定の組み合わせを含むことができる。図8では単一のメモリとして示すが、メモリ回路807は複数のメモリ構成要素を含んでもよい。様々な実施形態では、メモリ回路807は、例えば、ハードディスクドライブ、ランダムアクセスメモリ、キャッシュメモリ、フラッシュメモリ、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク読み出し専用メモリ(DVD-ROM)、光ディスク、情報を記憶するように構成された回路、又はそれらの特定の組み合わせを含むことができる。メモリ回路807は、コントローラコンポーネント103が本開示の実施形態による様々な機能を遂行することができるように、情報、データ、アプリケーションプログラム、命令などを記憶するように構成されることができる。例えば、少なくともいくつかの実施形態では、メモリ回路807は、処理回路803による処理のために入力データをキャッシュするように構成される。追加的又は代替的に、少なくともいくつかの実施形態では、メモリ回路807は、処理回路803による遂行のためのプログラム命令を記憶するように構成される。メモリ回路807は、静的及び/又は動的情報の形態で情報を記憶することができる。機能が遂行されると、記憶された情報は、コントローラコンポーネント103によって記憶及び/又は使用され得る。
【0079】
通信モジュール809は、例えば、ハードウェア、又はネットワークとの間でデータを受信及び/又は送信するように構成されたハードウェア及びソフトウェアの組み合わせのいずれかで具現化されたデバイス又は回路、並びに/あるいはコントローラコンポーネント103及び/又はセンシングエレメント102と通信する任意の他のデバイス、回路、又はモジュールを含むことができる。これに関して、通信モジュール809は、例えば、有線及び無線通信ネットワークとの通信を可能にするためのネットワークインターフェースを含むことができる。いくつかの実施形態では、通信モジュール809は、別の構成要素又は装置との間でデータを受信及び/又は送信するように構成された、回路、ハードウェア、コンピュータプログラム製品、又はそれらの組み合わせに含まれる任意の装置として実装されてもよい。コンピュータプログラム製品は、コンピュータ可読媒体(例えば、メモリ回路807)に記憶され、コントローラコンポーネント103(例えば、処理回路803)によって遂行されるコンピュータ可読プログラム命令を含む。いくつかの実施形態では、通信モジュール809(本明細書で説明する他の構成要素と同様)は、少なくとも部分的に処理回路803として実装されてもよく、又は処理回路803によって制御されてもよい。この点に関して、通信モジュール809は、例えば、バスを介して処理回路803と通信することができる。通信モジュール809は、例えば、アンテナ、送信機、受信機、トランシーバ、ネットワークインターフェースカード及び/又はサポートハードウェア及び/又はファームウェア/ソフトウェアを含んでもよく、別の装置との通信を確立するために使用される。通信モジュール809は、装置間の通信に使用することができる任意のプロトコルを使用することによって、メモリ回路807によって記憶され得る任意のデータを受信及び/又は送信するように構成されることができる。通信モジュール809は、追加的又は代替的に、例えばバスを介して、入力/出力モジュール805、メモリ回路807、及び/又はコントローラコンポーネント103の任意の他の構成要素と通信することができる。
【0080】
いくつかの実施形態では、コントローラコンポーネント103は、入力/出力モジュール805を含むことができる。入力/出力モジュール805は、処理回路803と通信して、ユーザによって入力された命令を受信し、及び/又は聴覚、視覚、機械的、若しくは他の出力をユーザに提供することができる。したがって、入力/出力モジュール805は、キーボード、マウス、ディスプレイ、タッチスクリーンディスプレイ、及び/又は他の入出力機構などのサポートデバイスを含むことができる。代替的に、入力/出力モジュール805の少なくともいくつかの態様は、コントローラコンポーネント103と通信するためにユーザによって使用されるデバイス上に実装されてもよい。入力/出力モジュール805は、例えばバスを介して、メモリ回路807、通信モジュール809、及び/又は任意の他の構成要素と通信することができる。コントローラコンポーネント103には、1つ又は複数の入力/出力モジュール及び/又は他の構成要素が含まれてもよい。
【0081】
いくつかの例では、センシングエレメント102は、流量指示を生成し、流量指示を処理回路803に送信することができる。したがって、センシングエレメント102及びコントローラコンポーネント103は、装置の流路内の流動媒体に関連する流量を示す測定値を生成するように動作することができる。
【0082】
図8では、構成要素102、803、805、807、及び809を機能的制限に関して説明することができるが、特定の実装態様は特定のハードウェアの使用を必然的に含むと考えられる。これらの構成要素102、803、805、807、及び809のいくつかは、追加的又は代替的に、1つ又は複数の同様の又は共通のハードウェアを含むことも考えられる。例えば、センシングエレメント102は、追加的又は代替的に、センシングエレメント102が様々な信号を検出及び処理することができるように、処理回路を含むことができる。様々な例では、コントローラコンポーネント103は、センシングエレメント102内の流動媒体の流量を示す測定値を生成するように動作することができる。
【0083】
上記の説明は例示的なコントローラコンポーネント103を提供しているが、本開示の範囲は上記の説明に限定されないことに留意されたい。いくつかの例では、例示的なコントローラコンポーネントは、1つ又は複数の追加の及び/又は代替の要素を含んでもよく、及び/又は図8に示すものとは異なる構造/位置であってもよい。
【0084】
本明細書に記載される本開示の多くの修正例及び他の実施形態は、前述の説明及び関連する図面に提示される教示の利益を有する、本開示に関係がある当業者に着想されるであろう。したがって、本開示は、開示される特定の実施形態に限定されるものではないこと、並びに修正及び他の実施形態は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されることを理解されたい。更に、前述の説明及び関連する図面は、要素及び/又は機能の特定の例示的な組み合わせの文脈における例示的な実施形態を説明しているが、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、要素及び/又は機能の異なる組み合わせが代替的な実施形態によって提供されてもよいことを理解されたい。この点に関して、例えば、上に明記したものとは異なる要素及び/又は機能の組み合わせも、添付の特許請求の範囲の一部に記載され得るものとして企図される。特定の用語が本明細書で用いられているが、これらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用され、限定の目的では使用されない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【外国語明細書】