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  • 特開-天井シールド開閉連結デバイス 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125194
(43)【公開日】2024-09-13
(54)【発明の名称】天井シールド開閉連結デバイス
(51)【国際特許分類】
   B23Q 11/08 20060101AFI20240906BHJP
【FI】
B23Q11/08 Z
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024029884
(22)【出願日】2024-02-29
(31)【優先権主張番号】112107804
(32)【優先日】2023-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】399032961
【氏名又は名称】台灣引興股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】蔡忠坤
【テーマコード(参考)】
3C011
【Fターム(参考)】
3C011DD02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】構造が単純であり、使用しやすく、付加的な動力又は制御源を必要としない、天井シールド開閉連結デバイスを提供する。
【解決手段】天井シールド開閉連結デバイスが、中央処理機械の台上の一対の平行なレール上に設置されているとともに、中央処理機械の可動フレームに接続された可動端部、及び、固定端部を有する、後退可能なシールドのセットと、可動フレーム上に位置付けられているとともに、後退可能なシールドのセットの固定端部の方向に突出する突出端部、及び、突出端部に枢動可能に接続された揺動可能な係合板を有する、延伸アームと、バッフルであって、後退可能なシールドのセットの固定端部において最後のシールド板上に位置付けられているとともに、最後のシールド板からある高さまで上方に突出し、それにより、揺動可能な係合板が、バッフルに対して押圧して最後のシールド板を押して移動させることができる、バッフルとを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用のための中央処理機械上に設置された天井シールド開閉連結デバイスであって、
前記中央処理機械上の一対の平行なレール上に設置された後退可能なシールドのセットであって、複数のシールド板及び接続片を備え、各前記シールド板は、上部表面を備え、各前記シールド板は、前記接続片を通じて互いに接続されており、前記後退可能なシールドのセットは、可動端部及び固定端部を有し、前記可動端部は、前記中央処理機械の可動フレームに接続されており、前記可動フレームとともに可動である、後退可能なシールドのセットを備え、
前記天井シールド開閉連結デバイスは、
前記可動フレーム上に位置付けられた延伸アームであって、前記後退可能なシールドのセットの前記固定端部の方向に突出する突出端部、及び、前記突出端部に枢動可能に接続された揺動可能な係合板を備える、延伸アームと、
前記後退可能なシールドのセットの前記固定端部において前記シールド板のうちの最後のシールド板上に位置付けられたバッフルであって、前記最後のシールド板からある高さまで上方に突出しており、それにより、前記揺動可能な係合板は、前記バッフルに対して押圧して前記最後のシールド板を押して移動させることが可能である、バッフルと、
を更に備えることを特徴とする、天井シールド開閉連結デバイス。
【請求項2】
前記バッフルの突出する高さは、前記延伸アームの前記突出端部と前記シールド板の前記上部表面との間の距離以下であり、前記揺動可能な係合板は、通常の状況下では下垂状態にあり、それにより、前記揺動可能な係合板は、前記突出端部から前記シールド板の前記上部表面に向かって延在することを特徴とする、請求項1に記載の天井シールド開閉連結デバイス。
【請求項3】
前記バッフルは、前記シールド板から、前記揺動可能な係合板の最も低い縁部と前記シールド板の前記上部表面との間の距離よりも大きい高さまで上方に突出することを特徴とする、請求項2に記載の天井シールド開閉連結デバイス。
【請求項4】
前記揺動可能な係合板には、前記揺動可能な係合板の、前記後退可能なシールドのセットの前記固定端部に対向する側に配置されたノッチが設けられていることを特徴とする、請求項3に記載の天井シールド開閉連結デバイス。
【請求項5】
前記ノッチは、前記バッフルの上部縁部に対してスナップするように使用されることを特徴とする、請求項4に記載の天井シールド開閉連結デバイス。
【請求項6】
前記後退可能なシールドのセットが後退した後の前記延伸アームの突出する長さは、前記可動フレームから前記固定端部及び前記最後のシールド板までの距離であることを特徴とする、請求項1に記載の天井シールド開閉連結デバイス。
【請求項7】
前記揺動可能な係合板は、通常の状況下では下垂状態にあり、それにより、前記揺動可能な係合板は、前記突出端部から前記シールド板の前記上部表面に向かって延在することを特徴とする、請求項6に記載の天井シールド開閉連結デバイス。
【請求項8】
前記バッフルは、前記シールド板から、前記揺動可能な係合板の最も低い縁部と前記シールド板の前記上部表面との間の距離よりも大きい高さまで上方に突出することを特徴とする、請求項7に記載の天井シールド開閉連結デバイス。
【請求項9】
前記揺動可能な係合板には、前記揺動可能な係合板の、前記後退可能なシールドのセットの前記固定端部に対向する側に配置されたノッチが設けられていることを特徴とする、請求項8に記載の天井シールド開閉連結デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伸縮式シールドの移動機構に関し、特に、天井シールド開閉連結デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な中央処理機械の天井は、多くの場合に、ワークピースを機械から出入りさせるために吊るされる必要があるため、基本的な後退可能なシールド機能に加えて、広い面積が開放されることも必要である。しかし、通常、天井の後退可能なシールドのセットは、1つの固定端部及び1つの可動端部のみを有する。可動性の端部は、中央において可動性のフレームに接続されており、可動性のフレームとともに移動できる。後退可能なシールドのセットの固定端部は、ほとんどの場合に固定されており、移動しない。したがって、広い面積を開放するために固定端部を移動させる必要がある場合、通常は幾つかの方法が存在する。
【0003】
第1の方法は、固定端部を手動で押して離す最も単純なやり方である。別のやり方は、固定端部に付加的な動力機構を付加し、付加的な動力機構を使用して、固定端部を押して移動させて開放することである。
【0004】
また別の方法は、後退可能なシールドの固定端部に2つのセットの電磁石を付加し、2つのセットの電磁石の伝導又は非伝導を制御して、後退可能なシールドの固定端部の移動又は非移動を制御することである。例えば、特許文献1「A top protective suction device and solution for five-axis machining center」の件において開示されている。しかし、これらの方法は、不便であり、複雑である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】中国特許第113245897号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の主な目的は、構造が単純であり、使用しやすく、付加的な動力又は制御源を必要としない、天井シールド開閉連結デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の主な目的を達成するために、本発明の天井シールド開閉連結デバイスは、中央処理機械上の一対の平行なレール上に設置された後退可能なシールドのセットであって、複数のシールド板及び接続片を備え、各シールド板は、上部表面を備え、各シールド板は、接続片を通じて互いに接続されており、後退可能なシールドのセットは、可動端部及び固定端部を有し、可動端部は、中央処理機械の可動フレームに接続されており、可動フレームとともに可動である、後退可能なシールドのセットと、可動フレーム上に位置付けられた延伸アームであって、後退可能なシールドのセットの固定端部の方向に突出する突出端部、及び、突出端部に枢動可能に接続された揺動可能な係合板を備える、延伸アームと、後退可能なシールドのセットの固定端部において最後のシールド板上に位置付けられたバッフルであって、最後のシールド板からある高さまで上方に突出しており、それにより、揺動可能な係合板は、バッフルに対して押圧して最後のシールド板を押して移動させることができる、バッフルとを備える。
【0008】
上記の構造によって、本発明の天井シールド開閉連結デバイスの延伸アームは、揺動可能な係合板を使用してバッフルに対して押すことができ、それにより、可動フレームは、移動するときに、延伸アーム及び係合板を通じて後退可能なシールドのセットの固定端部において最後のシールド板に連結され、後退可能なシールドのセットの全体を駆動して移動させ、それによって、広い面積の開放という目的を達成する。
【0009】
好ましくは、係合板は、通常の状況下では下垂状態にあり、それにより、係合板は、突出端部からシールド板の上部表面に向かって延在する。
【0010】
好ましくは、シールド板から上方に突出するバッフルの高さは、係合板の最も低い縁部とシールド板の上部表面との間の距離よりも大きい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の部分的に拡大された三次元概略図である。
図2図1の線2-2に沿った断面図である。
図3】突出端部がバッフルを通過しないときの延伸アームの概略図である、図2と同様の図である。
図4図2と同様であり、バッフルに当接して保持された係合板の概略図である。
図5】本発明の後退可能なシールドのセットの全体的な移動の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本出願人は、第1に、本明細書において、以下で導入される実施形態、及び、特許出願の範囲における請求項を含め、方向に関連する用語が、図面における方向に基づくことを説明しておく。第2に、以下で導入される実施形態及び図面において、同じ構成要素の番号が、同じ又は同様の構成要素又は構造的特徴を表す。記載において示される方向は、説明を容易にするために図面の方向に基づいており、それらに限定されない。
【0013】
図1図4を参照すると、本発明の天井シールド開閉連結デバイスは、後退可能なシールドのセット10と、延伸アーム20と、バッフル30とを備える。
【0014】
後退可能なシールドのセット10は、中央処理機械の一対の平行なレール1上に設置されている。本件において言及される中央処理機械は、特別なモデル又はタイプの制限を有しない。天井シールドの使用を必要とする中央処理機械である限り、本件の構造を適用できる。本件の図面における例は、専ら説明を簡便にするためであり、本件を限定することを意図しない。後退可能なシールドのセット10は、複数のシールド板11及び接続片12を備える。各シールド板11は、上部表面13を有する。シールド板11は、接続片12を通じて互いに接続されている。各シールド板11は、中央処理機械の平行なレール1の対にまたがるその2つの端部を有する。後退可能なシールドのセット10は、可動端部14及び固定端部15を有する。可動端部14は、中央処理機械の可動フレーム2に接続されており、可動フレーム2とともに移動でき、それにより、後退可能なシールドのセット10は、拡張及び収縮できる。一般的な処理機械のスピンドルヘッドは、可動フレーム2と連動して移動し、そのため、本件は、可動フレーム2を使用して説明される。中央処理機械の構造及び形状は、本願の焦点ではないため、中央処理機械についてはここでは詳細には記載しない。
【0015】
延伸アーム20は、可動フレーム2上に位置付けられている。延伸アーム20は、後退可能なシールドのセット10の固定端部15の方向に向かって突出する突出端部21を有する。突出する長さは、後退可能なシールドのセット10が後退した後の、可動フレーム2から、固定端部15及び最後のシールド板11への距離である。延伸アーム20には、突出端部21において揺動可能な係合板22が設けられている。係合板22には、ノッチ23が設けられており、ノッチ23は、係合板22の、後退可能なシールドのセット10の固定端部15に対向する側に配置されている。係合板22は、通常の状況下では下垂状態にあるため、係合板22は、突出端部21からシールド板11の上部表面13に向かって延在する。
【0016】
バッフル30は、後退可能なシールドのセット10の固定端部15において最後のシールド板11上に位置付けられている。バッフル30は、シールド板11から、延伸アーム20の突出端部21とシールド板11の上部表面13との間の距離以下であるが、係合板22の最も低い縁部とシールド板11の上部表面13との間の距離よりも大きい高さまで上方に突出する。
【0017】
上記構造によると、本発明は、使用される場合、中央処理機械上のレール1上にも設置される。通常の動作中に、後退可能なシールドのセット10の可動端部14は、中央処理機械の可動フレーム2に接続されており、可動フレーム2とともに移動でき、それにより、後退可能なシールドのセット10は、拡張又は収縮できる。この時点で、延伸アーム20は、可動フレーム2とともに移動し、突出端部21は、図3又は図4に示されるように、バッフル30に近づくか又はバッフル30を通過する。突出端部21がバッフル30に近づくか又はバッフル30を通過するとき、係合板22は、バッフル30と接触又は接続することなく、自然な下垂状態にある。したがって、延伸アーム20はバッフル30に接続されないため、後退可能なシールドのセット10の固定端部15は、延伸アーム20の移動によって影響を受けない。
【0018】
広い面積を開放するために後退可能なシールドのセット10の固定端部15を移動させたい場合、可動フレーム2を、延伸アーム20がバッフル30をわずかに通過する位置まで移動させることができ、そのため、突出端部21は、バッフル30をわずかに通過する。しかし、係合板22は、バッフル30を通過するほど十分に長くないため、係合板22は、図4及び図5に示されるように、斜めに垂れ下がる。この時点で、係合板22のノッチ23は、バッフル30の上側縁部に対してくっつく。この状態において、可動フレーム2が移動して戻ると、すなわち、後退可能なシールドのセット10の固定端部15から離れるように移動すると、係合板22は、バッフル30を逆方向に押し、最後のシールド板11も駆動して移動させ、それによって、広い面積を開放するために後退可能なシールドのセット10を全体として移動させるという目的を達成する。後退可能なシールドのセット10がその元の位置に戻るべきである場合、可動フレーム2は、後退可能なシールドのセット10の固定端部15の方向に移動し、後退可能なシールドのセット10全体をその元の位置に押し戻すだけでよい。
【0019】
つまり、本発明における後退可能なシールドのセットは、付加的な動力デバイスを設置する必要がない。使用者は、中央処理機械上のプログラム設定を通じて可動フレームの移動距離を制御するだけでよく、次いで、延伸アーム、係合板及びバッフルのいずれかを通じて、接続関係を確立し、広い面積における後退可能なシールドのセットの開放という目的を達成できる。
図1
図2
図3
図4
図5
【外国語明細書】