(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125201
(43)【公開日】2024-09-13
(54)【発明の名称】パワーコンバータにおける感知電流スケーリング
(51)【国際特許分類】
H02M 3/155 20060101AFI20240906BHJP
【FI】
H02M3/155 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024030769
(22)【出願日】2024-02-29
(31)【優先権主張番号】63/488,350
(32)【優先日】2023-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518364964
【氏名又は名称】ルネサス エレクトロニクス アメリカ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】RENESAS ELECTRONICS AMERICA INC.
【住所又は居所原語表記】1001 Murphy Ranch Road, Milpitas, California 95035, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤショヴァルダン・ラオ・ポトラパリ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・スチュアート・クライン
【テーマコード(参考)】
5H730
【Fターム(参考)】
5H730AS05
5H730BB13
5H730BB57
5H730DD04
5H730EE13
5H730EE59
5H730FD01
5H730FD51
5H730FD61
5H730FG05
5H730FG12
(57)【要約】
【課題】 パワーコンバータのためのシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】
DAC(デジタル・アナログコンバータ)は、電力変換システムの最大電流値のデジタル表現を受信するように構成され得る。さらに、DACは、最大電流値のデジタル表現をアナログ電流信号に変換するように構成され得る。ADC(アナログ・デジタルコンバータ)は、アナログ電流信号に基づいて、最大電流値の関数として電力変換システムの感知電流を表すデジタル信号を生成するように構成され得る。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
DAC(デジタル・アナログコンバータ)と、ADC(アナログ・デジタルコンバータ)と、を備える半導体装置であって、
前記DACは、
電力変換システムの最大電流値のデジタル表現を受信し、
前記最大電流値のデジタル表現をアナログ電流信号に変換するように構成され、
前記ADCは、前記アナログ電流信号に基づいて、前記最大電流値の関数として前記電力変換システムの感知電流を表すデジタル信号を生成するように構成される、
半導体装置。
【請求項2】
電流・電圧コンバータをさらに備え、
前記電流・電圧コンバータは、
前記アナログ電流信号を前記ADCの基準電圧に変換し、
前記感知電流を電流感知電圧に変換するように構成され、
前記ADCは、前記電流感知電圧を前記基準電圧で除算して前記デジタル信号を生成するように構成される、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
電流・電圧コンバータと、増幅器と、をさらに備え、
前記電流・電圧コンバータは、
前記アナログ電流信号を電圧信号に変換し、
前記感知電流を電流感知電圧に変換するように構成され、
前記増幅器は、
前記電圧信号および前記電流感知電圧を受信し、
前記電圧信号に基づいて前記電流感知電圧をスケーリングし、
スケーリングされた前記電流感知電圧を入力電圧として前記ADCに供給するように構成され、
前記ADCは、スケーリングされた前記電流感知電圧を前記ADCの内部基準電圧で除算して前記デジタル信号を生成するように構成される、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記DACおよび前記増幅器は、可変利得増幅器を実装する、請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記最大電流値は、調整可能である、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記電力変換システムは、単一相電力変換システムである、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記電力変換システムは、多相電力変換システムである、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項8】
少なくとも1つの電力段と、前記電力段を制御するように構成されたコントローラと、回路と、を備えるシステムであって、
前記回路は、DAC(デジタル・アナログコンバータ)と、ADC(アナログ・デジタルコンバータ)と、を含み、
前記DACは、
前記システムの最大電流値のデジタル表現を受信し、
前記最大電流値のデジタル表現をアナログ電流信号に変換するように構成され、
前記ADCは、前記アナログ電流信号に基づいて、前記最大電流値の関数として前記電力段の出力に接続されたインダクタの感知電流を表すデジタル信号を生成するように構成され、
前記コントローラは、前記デジタル信号をホストプロセッサに報告するように構成される、
システム。
【請求項9】
前記回路は、電流・電圧コンバータをさらに備え、
前記電流・電圧コンバータは、
前記アナログ電流信号を前記ADCの基準電圧に変換し、
前記感知電流を電流感知電圧に変換するように構成され、
前記ADCは、前記電流感知電圧を前記基準電圧で除算して前記デジタル信号を生成するように構成される、
請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記回路は、電流・電圧コンバータと、増幅器と、をさらに備え、
前記電流・電圧コンバータは、
前記アナログ電流信号を電圧信号に変換し、
前記感知電流を電流感知電圧に変換するように構成され、
前記増幅器は、
前記電圧信号および前記電流感知電圧を受信し、
前記電圧信号に基づいて前記電流感知電圧をスケーリングし、
スケーリングされた前記電流感知電圧を入力電圧として前記ADCに供給するように構成され、
前記ADCは、スケーリングされた前記電流感知電圧を前記ADCの内部基準電圧で除算して前記デジタル信号を生成するように構成される、
請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記DACおよび前記増幅器は、可変利得増幅器を実装する、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記最大電流値は、調整可能である、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つの電力段は、1つの電力段を含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項14】
前記少なくとも1つの電力段は、2つ以上の電力段を含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項15】
電力変換システムの最大電流値のデジタル表現を受信するステップと、
前記最大電流値のデジタル表現をアナログ電流信号に変換するステップと、
前記アナログ電流信号に基づいて、前記最大電流値の関数として前記電力変換システムの感知電流を表すデジタル信号を生成するステップと、
を含む、方法。
【請求項16】
前記アナログ電流信号をADC(アナログ・デジタルコンバータ)の基準電圧に変換するステップと、
前記感知電流を電流感知電圧に変換するステップと、
前記電流感知電圧を前記基準電圧で除算して前記デジタル信号を生成するように、前記ADCを動作させるステップと、
をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記アナログ電流信号を電圧信号に変換するステップと、
前記感知電流を電流感知電圧に変換するステップと、
前記電圧信号および前記電流感知電圧を受信するステップと、
前記電圧信号に基づいて前記電流感知電圧をスケーリングするステップと、
スケーリングされた前記電流感知電圧を入力電圧としてADCに供給するステップと、
スケーリングされた前記電流感知電圧を前記ADCの内部基準電圧で除算して前記デジタル信号を生成するように、ADC動作を実行するステップと、
をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記電流感知電圧をスケーリングするステップは、可変利得増幅器を実装するように、増幅器と組み合わせてDAC(デジタル・アナログコンバータ)を動作させるステップを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記最大電流値は、調整可能である、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記デジタル信号は、DACコードである、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2023年3月3日に出願された「SCALING SENSED CURRENT AS A FRACTION OF SYSTEM MAXIMUM WITHOUT DIGITAL DIVISION」と題する米国特許出願第63/488,350号の優先権を主張する。その全文は、参照により本出願に組み込まれる。
【0002】
本明細書に明示されない限り、本項に記載される資料は、本願の特許請求の範囲に対する先行技術ではなく、本項の記載によって先行技術であることを認めるものではない。本開示は、一般に、パワーコンバータにおける監視電流を報告するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
バックコンバータやブーストコンバータなどのパワーコンバータや電圧コンバータは、入力電圧を、電圧レベルが異なる出力電圧に変換するために使用され得る。バックコンバータや降圧コンバータは、入力電圧をより低い電圧に変換することができる。ブーストコンバータや昇圧コンバータは、入力電圧をより高い電圧に変換することができる。バック/ブーストコンバータは、入力電圧を昇圧または降圧することができる。電圧コンバータは、PWM(パルス幅変調)制御信号によってオンおよびオフされる複数のスイッチを含むことができる。PWM制御信号のデューティサイクルは、電圧コンバータの出力電圧を決定することができる。電圧コンバータが負荷に接続されると、負荷は特定量の電流を引き込むことで特定量の電力を要求することができ、電圧コンバータは電圧変換を実行して負荷が要求する電力を供給できる出力電圧を生成することができる。負荷によって引き出される電流は、感知されてパワーコンバータのコントローラにフィードバックされ得る。また、コントローラはその感知電流をプロセッサに報告し、ホストプロセッサは負荷の性能を最適化するなど様々なアプリケーションを実行することができる。
【発明の概要】
【0004】
一実施形態において、一般に、電力変換システム内の半導体装置が提供される。半導体装置は、DAC(デジタル・アナログコンバータ)と、ADC(アナログ・デジタルコンバータ)と、を含むことができる。DACは、電力変換システムの最大電流値のデジタル表現を受信するように構成され得る。さらに、DACは、最大電流値のデジタル表現をアナログ電流信号に変換するように構成され得る。ADCは、アナログ電流信号に基づいて、最大電流値の関数として電力変換システムの感知電流を表すデジタル信号を生成するように構成され得る。
【0005】
一実施形態において、一般に、電力変換システムであるシステムが提供される。該システムは、少なくとも1つの電力段と、電力段を制御するように構成されたコントローラと、回路と、を含むことができる。回路は、システムの最大電流値のデジタル表現を受信するように構成されたDAC(デジタル・アナログコンバータ)を含むことができる。さらに、DACは、最大電流値のデジタル表現をアナログ電流信号に変換するように構成され得る。さらに、回路は、アナログ電流信号に基づいて、最大電流値の関数として電力段の出力に接続されたインダクタの感知電流を表すデジタル信号を生成するように構成されたADC(アナログ・デジタルコンバータ)を含むことができる。さらに、コントローラは、デジタル信号をホストプロセッサに報告するように構成され得る。
【0006】
一実施形態において、一般に、電力変換システムを動作させるための方法が提供される。該方法は、電力変換システムの最大電流値のデジタル表現を受信するステップを含むことができる。さらに、該方法は、最大電流値のデジタル表現をアナログ電流信号に変換するステップを含むことができる。さらに、該方法は、アナログ電流信号に基づいて、最大電流値の関数として電力変換システムの感知電流を表すデジタル信号を生成するステップを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
上記の要約は例示であり、いかなる意味においても限定することを意図していない。上述した態様、実施形態、および特徴に加えて、さらなる態様、実施形態、および特徴が、添付の図を参照して、且つ以下の詳細な説明から明らかになるであろう。図において、同様の参照符号は、同一または機能的に同様の要素を示す。
【
図1A】一実施形態においてパワーコンバータにおける感知電流スケーリングを実装することができるシステムの実施例を示す図である。
【
図1B】一実施形態においてパワーコンバータにおける感知電流スケーリングを実装することができるシステムの別の実施例を示す図である。
【
図2】一実施形態においてパワーコンバータにおける感知電流スケーリングに従った例示的な回路を示す図である。
【
図3】一実施形態においてパワーコンバータにおける感知電流スケーリングに従った別の例示的な回路を示す図である。
【
図4】一実施形態においてパワーコンバータにおける感知電流スケーリングを実装するプロセスを示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の説明では、本願の様々な実施形態の理解を促すために、特定の構造、構成要素、材料、寸法、処理ステップ、および技術などを含む多数の具体的な詳細が記載されている。しかしながら、当業者であれば、本願の様々な実施形態が、これらの具体的な詳細なしに実装され得ることを理解するであろう。場合によっては、本願を不明瞭にしないために、既知の構造または処理ステップの詳細に関する説明を省略する。
【0009】
パワーコンバータは、電力を負荷に供給するための出力電圧を生成するためにスイッチング可能な、FET(電界効果トランジスタ)などのパワーデバイスを含むことができる。パワーコンバータのコントローラは、PWM(パルス幅変調)信号を生成するように構成された変調器を含むことができる。また、パワーコンバータは、PWM信号を受信し、PWM信号を使用して電圧信号を生成することができるドライバ回路を含むことができる。ドライバ回路は、電圧信号をパワーデバイスのゲート端子に印加してパワーデバイスを駆動して、パワーデバイスをオンやオフにすることができる。一態様において、パワーコンバータに供給される入力電圧は、負荷が要求する電力の電圧よりも高い電圧をもつことができる。バックコンバータであり得るパワーコンバータは、入力電圧を降圧して、負荷が要求する電圧レベルを有する出力電圧を生成することができる。
【0010】
一態様において、パワーコンバータは、レベルが異なる電力を要求する異なる負荷に接続され得る。重負荷は、比較的大きな電力または大きな負荷電流を要求することができ、軽負荷は、比較的小さな電力または小さな負荷電流を要求することができる。パワーコンバータは、重負荷および軽負荷に対応するために、異なる電力レベルまたは異なる負荷電流を供給するように設計および構成され得る。パワーデバイスのスイッチングを制御して、パワーコンバータが異なる電力量を異なる負荷に供給することができる。一態様において、パワーコンバータが軽負荷のために設計および構成されている場合、パワーコンバータは、重負荷を供給できない場合がある。パワーコンバータが重負荷のために設計および構成されている場合、軽負荷のために低電圧を生成する特定の方法でパワーデバイスを制御することができるので、パワーコンバータは、重負荷および軽負荷の両方を供給することができる。
【0011】
例えば、パワーコンバータは、複数の相を含むことができる。ここで、相とは、電力段(例えば、インダクタに接続されたパワーFET)である。複数の電力段は、異なる電力レベル、および重負荷のための高電力を比較的効率よく供給するように並列に接続され得る。パワーコンバータのコントローラは、電力変換を可能な限り効率よくするために、負荷に基づいてアクティブ相の数を管理することができる。例えば、コントローラは、電力を重負荷に供給するためにより多くの相をアクティブ化することができ、電力を軽負荷に供給するためにより少ない数の相、または1つの相だけをアクティブ化することができる。一態様において、重負荷および軽負荷の両方を供給することができるパワーコンバータは、より大きい電力容量とより高い電圧をもつなど、より大きい電力能力をもつパワーデバイスまたはパワーFETを含むことができる。したがって、軽負荷に電力を供給する場合、そのような電力コンバータの効率は最適でない可能性がある。これは、より大きい電力能力をもつパワーデバイスは、電力供給およびスイッチングに比較的多くの静止電流を必要とする可能性があるからである。
【0012】
後述するように、電力変換システムは、PMIC(パワーマネジメント集積回路)に集積された電力段と、PMICの外部にある外部電力段と、を含むことができる。コントローラは、PMIC内の電力段をスイッチングして電力を軽負荷に供給することで、電力変換システムを低電力モードで動作させることができる。また、コントローラは、外部電力段をスイッチングして電力を重負荷に供給することで、電力変換システムを高電力モードで動作させることができる。また、コントローラは、低電力モードの開始と終了が電力変換システムの動作を妨げないようにシームレスに高電力モードと低電力モードとの間をスイッチングし、高電力モードと低電力モードとの間を除去し、PMIC内の電力段を過剰な電力消費または破壊から保護することができる。一部の実施例において、低電力モードのためにPMICに集積された電力段は、ベビーフェーズとも呼ばれる場合がある。
【0013】
図1Aは、一実施形態においてパワーコンバータにおける感知電流スケーリングを実装することができるシステムの実施例を示す。非限定的な例によれば、
図1Aに示すシステム100は、パワーコンバータシステムであり得る。本明細書において、ブロック、モジュール、回路、およびシステムなどの用語は、様々なハードウェア、ファームウェア、およびソフトウェア要素、またはそれらの組み合わせを意味する場合がある。
【0014】
システム100は、ホストコンピュータ104と、コントローラ124と、複数の格納先または記憶場所120(例えば、アドレス)と、ドライバ回路(またはドライバ)130と、電力段132と、圧感知回路142、電流感知回路146、および温度センサ148などの他の構成要素と、を少なくとも含むことができる。記憶場所120は、例えば、命令や構成データを格納し、ホストコンピュータ104との通信のためのステータスを保持する機器構成レジスタ、制御レジスタ、およびステータスレジスタを含むことができる。コントローラ124は、例えば、様々なアナログおよびデジタル回路要素などのハードウェアを含むマイクロコントローラを実装する1つまたは複数の半導体装置を含むことができる。コントローラ124は、例えば、プロセッサ、CPU(中央処理装置)、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、または電力段132の様々な側面を制御および動作するように構成された任意の他の回路を含むことができる。コントローラ124は、システム100の様々な側面を制御するように構成され得る。ホストコンピュータ104は、コントローラ124に制御を提供し、コントローラ124からステータスを受信するように構成され得る。
図1Aに示す実施形態において、電力段132およびコントローラ124は、異なる半導体チップ上に位置することができる。
【0015】
図1Bは、一実施形態においてパワーコンバータにおける感知電流スケーリングを実装することができるシステムの別の実施例を示す。
図1Bに示すシステム180は、非限定的な例によれば、パワーコンバータシステムであり得る。本明細書において、ブロック、モジュール、回路、およびシステムなどの用語は、様々なハードウェア、ファームウェア、およびソフトウェア要素、またはそれらの組み合わせを意味する場合がある。システム180は、ホストコンピュータ104と、PMIC(パワーマネジメント集積回路)102と、を少なくとも含むことができる。PMIC102は、コントローラ124と、記憶場所120(例えば、アドレス)と、ドライバ130と、電力段132と、電圧感知回路142、電流感知回路146、および温度センサ148などの他の構成要素と、を少なくとも含むことができる。
図1Bに示す実施形態において、電力段132およびコントローラ124は、PMIC102など、同じ半導体チップに集積されることができる。
【0016】
図1Aおよび
図1Bに示すコントローラ124は、記憶場所120内に埋め込まれるか、または記憶場所120によってアクセス可能であるか、あるいはホストコンピュータ104から少なくとも部分的にダウンロード可能なファームウェア、ソフトウェア、および構成データを含む場合がある命令を実行するように構成され得る。さらに、コントローラ124は、電力段132内のスイッチをオンまたはオフするための制御信号126(例えば、PWM信号)を生成し、その制御信号126をドライバ回路130に送信するように構成され得る。ドライバ回路130は、制御信号を受信し、制御信号を、電力段132内のスイッチを駆動するためのゲート電圧であり得る駆動信号に変換することができる。さらに、コントローラ124は、システム100の動作に関連する様々なパラメータを監視し、監視されたパラメータに基づいて、負荷156などの1つまたは複数の負荷に異なる電力レベルを供給するために、システム100を高電力モードで動作させるか低電力モードで動作させるかを決定するように構成され得る。
【0017】
電力段132は、少なくとも1対のスイッチQ1、Q2を含むことができる。スイッチQ1、Q2は、例えば、MOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)であり得る。スイッチQ1は、入力電圧Vin1とスイッチノードSWとの間に直列に配置されたN型(例えば、N型チャネル)MOSFETであり得る。一実施形態において、入力電圧Vin1は、バッテリパックまたは電源から供給される直流(DC)電圧であり得る。スイッチQ2は、スイッチノードSWと接地との間に直列に配置されたP型(例えば、P型チャネル)MOSFETであり得る。ドライバ回路130は、制御信号126を使用して駆動信号134を生成し、駆動信号134を使用してスイッチQ1を駆動し、駆動信号136を生成し、駆動信号136を使用してスイッチQ2を駆動することができる。ドライバ回路130は、コントローラ124から供給されたPWM制御信号に従って、駆動信号134、136をスイッチQ1、Q2のゲート端子に交互に印加することができる。駆動信号134、136を使用してスイッチQ1、Q2を駆動した結果、出力電圧Vout_PHをスイッチノードSWから出力することができる。インダクタンスL1をもつインダクタ140は、スイッチノードSWとシステム100の出力144との間に接続され得る。出力144からの出力電圧Voutは、電力を負荷156に供給することができる。負荷156は、例えば、CPU(中央処理装置)、MPU(マルチプロセッサユニット)、コンピュータ、または動作するのに電力を必要とする他の電子要素であり得る。
【0018】
温度センサ148は、PMIC102の周囲温度を感知するように構成され得る。PMIC102の周囲温度が、所定の温度閾値を上回る(例えば、ダイ温度が85℃、185°Fを上回る)など比較的高い場合、温度センサ148は、(例えば、アナログまたはデジタル信号として)フラグをコントローラ124に出力することができる。フラグの受信に応答して、コントローラ124は、PMIC102が過剰な熱にさらされている可能性があると判定し、PMIC102および/またはシステム100の他の構成要素を損傷しないように、PMIC102を一時停止または無効にすることができる。他の温度閾値が課されてもよく、閾値は、システム100の様々な動作条件および環境条件に基づいて調整されてもよい。
【0019】
電圧感知回路142は、出力144から出力電圧Voutのフィードバックを受信するように構成され得る。電圧感知回路142は、フィードバックVoutをコントローラ124に供給することができ、Voutが少なくとも1つの所定の電圧閾値よりも大きいか、小さいか、または等しいかを示すフラグ(例えば、アナログまたはデジタル信号として)をコントローラ124に出力することができる。コントローラ124は、電圧感知回路142からのフラグを使用して、システム100の様々な側面を動作させることができる。
【0020】
電流感知回路146は、システム100またはシステム180の出力144に接続されたインダクタ140など、システム100内のインダクタにわたるインダクタ電流ILのフィードバックを受信するように構成される。電流感知回路146は、感知したインダクタ電流が少なくとも1つの所定のインダクタ電流閾値よりも大きいか、小さいか、または等しいかを示すフラグ(例えば、アナログまたはデジタル信号)をコントローラ124に出力することができる。コントローラ124は、電流感知回路146からのフラグを使用して、システム100の様々な側面を動作させることができる。一実施形態において、電流感知回路146は、誘導ピックアップセンサ接続のような非損失接続を使用してシステム100内のインダクタに接続され得る。
【0021】
ホストコンピュータ104は、ROM(読み出し専用メモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、PLD(プログラマブルロジックデバイス)、フラッシュドライブ、メモリカード/メモリスティック、およびソリッドステート記憶デバイスなどの非一時的なコンピュータ可読媒体114に格納されたコンピュータ命令112(例えば、コンピュータ実装コード)を読み出しおよび実行するように構成されたプロセッサ110を有するマイクロコントローラまたはマイクロコンピュータを含むことができる。これらは、コンピュータ命令112の改訂および/または更新を容易にするために、再書き込み可能、取り外し可能、または交換可能であり得る。ホストコンピュータ104は、双方向バス116を介してコントローラ124と通信することができる。
【0022】
また、一態様において、電流感知回路146は、感知したインダクタ電流ILをコントローラ124に供給することができる。コントローラ124は、双方向バス116を介して、感知したインダクタ電流ILをホストプロセッサ104に報告するように構成され得る。電流感知回路146からの感知したインダクタ電流ILは、交流(AC)信号などのアナログ信号であり得る。コントローラ124は、感知したインダクタ電流ILをデジタル信号152に変換し、デジタル信号152をデジタル信号(例えば、直流(DC)信号)としてホストプロセッサ104に報告するように構成され得る。なお、ホストプロセッサ104がデジタルコンピューティングデバイスであるため、アナログ電流信号の代わりに、電流のデジタル表現を符号化するデジタル信号、またはアンペア単位の負荷である数値(またはデジタル値)(例えば、Imax=255アンペアである場合、8ビットADCでは、ADCの出力はアンペア単位の負荷を表す数値となる)が、コントローラ124からホストプロセッサ104に提供されていることに留意されたい。感知したインダクタ電流ILを符号化するデジタル信号152は、システムが選択した最大電流値の関数であり得る。最大電流値は、システム(例えば、システム100またはシステム180)に対して固定されるパラメータであり得、この最大電流値は、プログラム可能であり得る。
【0023】
最大電流値の関数であるデジタル信号を生成するために、従来の電力変換システムのコントローラは、感知したインダクタ電流ILを最大電流値Imaxで除算するデジタル論理除算を実行することができる。デジタル論理除算から得られるデジタル信号は、16進数で表すことができる(例えば、最大負荷は16進数でFFとして報告できる)。しかしながら、デジタル論理除算は、比較的大きなシリコン面積を使用し、比較的遅く、消費電力を増加させる可能性がある。後述するように、システム100および/またはシステム180は、回路150を含むことができる。
図1Aに示す実施形態において、回路150は、コントローラ124とホストプロセッサ104との間に接続され得る。
図1Bに示す実施形態において、回路150は、PMIC102に集積され得、コントローラ124とホストプロセッサ104との間に接続され得る。1つまたは複数の実施形態において、回路150は、コントローラ124の一部であり得る。回路150は、ADC(アナログ・デジタルコンバータ)を使用して、デジタル論理除算を実行することなく、感知したインダクタ電流ILをデジタル信号152に変換するように構成され得る。回路150は、感知したインダクタ電流ILまたは最大電流値Imaxのいずれかをスケーリングすることで、変換を実行することができる。回路150の出力は、デジタル信号152であり得る。回路150を使用して、感知したインダクタ電流ILをデジタル信号152に変換することで、コントローラ124は、デジタル論理除算を実行する必要がない。デジタル論理除算を実行することなく、デジタル論理除算に必要な構成要素を省略することができるため、シリコン面積を節約することができる。また、回路150のADCを使用した直接変換により、感知したインダクタ電流ILからデジタル信号152への変換を比較的高速に行うことができ、従来のシステムと比較して消費電力が比較的少ない。
【0024】
図2は、一実施形態においてパワーコンバータにおける感知電流スケーリングに従った例示的な回路を示す図である。
図2の説明は、
図1に示す構成要素を参照することができる。
図2に示す実施形態において、回路150は、ADC202と、DAC(デジタル・アナログコンバータ)204と、を含むことができる。ADC202は、アナログ信号をデジタル信号に変換するように構成され得る。
図2に示す例示的な実施形態において、ADC202は、ADC202に供給される入力信号が、変化する電流レベルを有する電流信号であり得る電流入力ADCであり得る。ADC202は、アナログ・デジタル変換を実行する前に、入力電流信号を等価電圧信号に変換するための少なくとも1つの電流・電圧コンバータ206を含むことができる。電流・電圧コンバータ206の各々は、センス抵抗器によって実装され得る。センス抵抗器にわたる電圧は、電流信号の等価電圧であり得る。別の実施形態において、ADC202は、電圧入力ADCであり得、電流・電圧コンバータ206は、ADC202の外側で、DAC204の出力とADC202の入力との間に接続されて、ADCがアナログ・デジタル変換を実行する前に電流信号を電圧信号に変換することができる。DAC204は、デジタル値を表すデジタル信号を、デジタル値を符号化するアナログ信号に変換するように構成され得る。DAC204に入力されるデジタル信号は、バイナリコードまたは別のデジタル表現の形態であり得る。DAC204は、DAC204の出力が、変化する電流レベルを有するアナログ電流信号である電流出力DACであり得る。
【0025】
図2に示す実施形態において、回路150内のDAC204は、システム100またはシステム180の最大電流値のデジタル表現であるデジタル信号Imaxを受信することができる。一実施形態において、デジタル信号Imaxは、双方向バス116を介してホストプロセッサ104によって回路150に供給され得る。DAC204は、Imaxをアナログ信号Irefに変換することができる。ここで、Irefは、ADC202に供給される基準電流であり得る。ADC202は、電流感知回路146および/またはコントローラ124から基準電流Irefおよび感知したインダクタ電流ILを受信することができる。回路150がコントローラ124の外部にある場合、感知したインダクタ電流ILをコントローラ124から受信することができる。回路150がコントローラ124の一部である場合、感知したインダクタ電流ILを電流感知回路146から受信することができる。電流・電圧コンバータ206は、Irefを基準電圧Vrefに変換し、感知したインダクタ電流ILを電流感知電圧Vcsに変換することができる。基準電圧Vrefおよび電流感知電圧Vcsは、アナログ電圧信号であり得る。
【0026】
基準電圧Vrefは、ADC202内の直列に接続された複数の抵抗器208(「直列抵抗器208」)に供給され得る。直列抵抗器208は、基準電圧Vrefを複数の離散電圧に分割することができる。離散電圧の各々は、ADC202内の複数のコンパレータ210のうちの1つのコンパレータに供給され得る。電流感知電圧Vcsは、各離散電圧と比較されるように、コンパレータ210のうちの各コンパレータに供給され得る。コンパレータ210の出力は、ADC202内のデコーダ212に供給され得る。コンパレータ210は、低電圧(例えば、0Vまたは論理ゼロを表す低電圧)または高電圧(例えば、論理1を表す高電圧)のような2進出力を生成することができる。コンパレータ210の出力のうち、コンパレータ210の1つは、電流感知電圧Vcsと離散電圧の1つとの一致を示す信号を出力することができる。デコーダ212は、コンパレータ210の出力を受信し、コンパレータ210の出力の組み合わせに対応するデジタル信号152であり得る出力を生成することができる。
【0027】
例えば、デコーダ212は、2進入力を受けて10進出力を生成する2進・10進デコーダであり得る。ここで、デコーダ212への入力ビットの異なる組み合わせは、特定の10進出力に対応することができる。Vrefが1.28ボルト(V)である例を使用して、ADC202が8ビットADCである場合、直列抵抗器208は、1.28Vを0V~1.28Vの範囲の256個の離散電圧に分割することができる。この256個の離散電圧は、コンパレータ210のうちの256個のコンパレータに供給され得る。また、電流感知電圧Vcsは、256個の離散電圧と比較されるように256個のコンパレータに供給され得る。電流感知電圧Vcsが0.32Vである場合、Vcs=0.32Vを比較するコンパレータ210のうちの1つのコンパレータは、例えば、2進のものを表す非ゼロ電圧のような高いバイナリ信号を出力することができる。コンパレータ210のうちの残りのコンパレータは、0Vのような低いバイナリ信号を出力することができる。一実施形態において、インバータは、コンパレータ210の出力に接続され得る。これにより、コンパレータは、一致したときに0Vを出力することができる。対応するインバータは、0Vを、2進のものを表す高電圧に変換することができ、コンパレータ210のうちの残りのコンパレータは、高電圧を出力することができ、対応するインバータは、高電圧を0Vに変換することができる。デコーダ212は、コンパレータ210からの出力を1000000などの2進値として受信することができる。この2進値は、10進値の「64」に対応することができる。
【0028】
回路150は、10進値「64」を表すDACコードであり得るデジタル信号152をホストプロセッサ104に出力することができる。ホストプロセッサ104が16進値を必要とする場合、回路150は、デコーダ212からの出力を16進値に変換し、16進値をデジタル信号152として出力するためのデジタル・16進値コンバータなどのデジタル回路を含むことができる。例えば、デジタル・16進値コンバータは、10進値「64」を16進値「40」に変換することができる。10進値「64」は0.32/1.28に相当するため、VcsをVrefで除算することによってVrefを効果的にスケーリングすることができる。したがって、10進値「64」を表すDACコードの出力は、最大電流値Imax(例えば、デジタル値152=IL/Imax)の関数であり得る。ILをImaxで除算するために回路150のADC202およびDAC204を使用することで、デジタル論理除算を実行するためのデジタル論理回路がシステム100またはシステム180において不要になる可能性があり、シリコン面積を節約することができる。また、回路150を使用する直接変換は、ILからデジタル信号152への比較的高速な変換を提供することができ、デジタル論理除算を実行するためにデジタル論理回路を使用する場合と比較して、比較的少ない電力を消費する。さらに、
図2に示す実施形態では、ADC202は、最大電流Imaxが変化しても回路150の他の部分を変更する必要がないように、外部基準電圧Irefを使用して動作することができる。
【0029】
図3は、一実施形態においてパワーコンバータにおける感知電流スケーリングに従った別の例示的な回路を示す図である。
図3の説明は、
図1および
図2に示す構成要素を参照することができる。
図3に示す実施形態において、回路150は、ADC302と、DAC304と、増幅器307と、を含むことができる。ADC302は、アナログ信号をデジタル信号に変換するように構成され得る。
図3に示す例示的な実施形態において、ADC302は、ADC302に供給されている入力信号がアナログ電圧信号であり得る電圧入力ADCであり得る。さらに、ADC302は、ADC302内で内部生成される内部基準電圧Vrefを有する単一入力ADCであり得る。ADC302の内部基準電圧は、固定され得る。DAC304は、デジタル値を表すデジタル信号を、デジタル値を符号化するアナログ信号に変換するように構成され得る。DAC304に入力されるデジタル信号は、バイナリコードまたは別のデジタル表現の形態であり得る。DAC304は、DAC304の出力が、電流レベルが変化するアナログ電流信号である電流出力DACであり得る。電流・電圧コンバータ306は、入力電流信号を等価電圧信号に変換するように構成され得る。電流・電圧コンバータ306の各々は、センス抵抗器によって実装され得る。また、センス抵抗器をわたる電圧は、電流信号の等価電圧であり得る。
【0030】
増幅器307は、非反転入力端子(「+」正入力端子)で第1の入力アナログ電圧信号を受信することができ、反転入力端子(「-」負入力端子)で第2の入力アナログ電圧信号を受信することができる差動増幅器であり得る。増幅器307は、第1の入力と第2の入力との差を増幅および/または出力することができる。この差は、第1の入力から第2の入力を差し引いたものに相当する。第1の入力が第2の入力より小さい場合、増幅器307は、負の電圧を出力することができる。第1の入力が第2の入力よりも大きい場合、増幅器307は、正の電圧を出力することができる。
【0031】
図3に示す実施形態において、回路150のDAC304は、システム100またはシステム180の最大電流値のデジタル表現であるデジタル信号Imaxを受信することができる。一実施形態において、デジタル信号Imaxは、双方向バス116を介してホストプロセッサ104によって回路150に供給され得る。DAC304は、変換Imaxをアナログ信号Imに変換することができる。これは、電流レベルが変化する電流信号であり得る。DAC304は、Imを電流・電圧コンバータ306に出力することができる。また、感知したインダクタ電流ILは、電流・電圧コンバータ306に供給され得る。電流・電圧コンバータ306は、アナログ信号Imを、電圧レベルが変化するアナログ電圧信号Vmに変換することができ、感知したインダクタ電流ILを、電圧レベルが変化するアナログ電圧信号Vcsに変換することができる。Vcsは、増幅器307の非反転入力に印加され、Vmは、増幅器307の反転入力に印加され得る。
【0032】
例えば、DAC304と増幅器307との組み合わせは、可変利得増幅器を実装することができる。可変利得コントローラは、入力電圧のスケーリングされたバージョンである出力を生成することができ、スケーリング係数は、可変利得に基づくことができる。DAC304と増幅器307との組み合わせにより、Imaxを可変とすることができるので、Imaxを表すDACコードを利得とすることができ、Imaxを可変利得として印加することができる。増幅器307への入力は、感知したインダクタ電流ILである。そのため、ILから変換された電圧Vcsは、スケーリングされる入力電圧であり得る。
図3に示す実施形態において、DAC304と増幅器307との組み合わせの出力は、DxVcsであり得る。ここで、D=(DACコードの総数)/(DACコードの総数-DACコード)であり、DACコードは、Imaxのデジタル表現である。したがって、変数Dは、スケーリング係数であり得、スケーリングされた電圧DxVcsは、ADC302に供給され得る。また、スケーリング係数Dは、1以上である。回路150のADC302、DAC304、および増幅器307を使用してILをImaxで除算することで、システム100またはシステム180では、デジタル論理除算を実行するためのデジタル論理回路が不要になる可能性があり、シリコン面積を節約することができる。さらに、
図3に示す実施形態において、DAC304を使用してImaxを変更できるようにしながら、ADC302のような固定された内部基準電圧をもつADCを回路150の実装に使用することができる。
【0033】
図4は、一実施形態において感知電流スケーリングを実現するプロセス400を示すフロー図である。該プロセスは、
図4に示す1つまたは複数のブロック402、404、および/または406によって示される1つまたは複数の操作、動作、または機能を含むことができる。個別のブロックとして図に示されているが、所望の用途に応じて、様々なブロックを追加のブロックに分割したり、より少ない数のブロックに組み合わせたり、省略したり、異なる順序で実行されたり、並行して実行されたりすることができる。
【0034】
プロセス400は、本明細書に記載のシステム100またはシステム180の回路150など、電力変換システム内の回路によって実行され得る。プロセス400は、ブロック402で開始することができる。ブロック402では、回路は、電力変換システムの最大電流値のデジタル表現を受信することができる。プロセス400は、ブロック402からブロック404に進むことができる。ブロック404では、回路は、最大電流値のデジタル表現をアナログ電流信号に変換することができる。一実施形態において、最大電流値は、調整可能であり得る。プロセス400は、ブロック404からブロック406に進むことができる。ブロック406では、回路は、アナログ電流信号に基づいて、最大電流値の関数として電力変換システムの感知電流を表すデジタル信号を生成することができる。一実施形態において、デジタル信号は、DACコードであり得る。
【0035】
一実施形態において、回路は、アナログ電流信号をADC(アナログ・デジタルコンバータ)の基準電圧に変換し、感知電流を電流感知電圧に変換し、ADCを動作させて電流感知電圧を基準電圧で除算し、デジタル信号を生成することができる。
【0036】
一実施形態において、回路は、アナログ電流信号を電圧信号に変換し、感知電流を電流感知電圧に変換することができる。さらに、回路は、電圧信号および電流感知電圧を受信することができる。回路は、電圧信号に基づいて電流感知電圧をスケーリングし、スケーリングされた電流感知電圧を入力電圧としてADCに供給することができる。回路は、ADCを動作させてスケーリングされた電流感知電圧をADCの内部基準電圧で除算し、デジタル信号を生成することができる。一実施形態において、電流感知電圧をスケーリングすることは、可変利得増幅器を実装するために増幅器と組み合わせてDAC(デジタル・アナログコンバータ)を動作させることを含むことができる。
【0037】
図におけるフローチャートおよびブロック図は、本発明の様々な実施形態によるシステム、方法、およびコンピュータプログラム製品の可能な実装のアーキテクチャ、機能性、および動作を示している。これに関して、フローチャートまたはブロック図における各ブロックは、指定された論理機能を実現するための1つまたは複数の実行可能命令を含む命令のモジュール、セグメント、またはその一部を表すことができる。いくつかの代替的な実装例において、ブロックに示された機能は、図に示す順序からはずれて発生してもよい。例えば、連続して示されている2つのブロックは、実際には、実質的に同時に実現されてもよく、関係する機能に応じて、場合によっては逆の順序で実現されてもよい。また、ブロック図および/またはフローチャートの各ブロック、ならびにそれらのブロックの組み合わせは、指定された機能または動作を実行する、または特別な目的のハードウェアおよびコンピュータ命令の組み合わせを実行する、特別な目的のハードウェアベースのシステムよって実現され得ることに留意されたい。
【0038】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためにのみ使用されており、本発明を限定することを意図していない。本明細書で使用される単数を表す用語は、特に明示されない限り、その複数を含むことも意図している。また、本明細書で使用される「含む」や「備える」という用語は、記載されている特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を画定するが、1つまたは複数の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらの群の存在または追加を排除しないことに留意されたい。
【0039】
添付の特許請求の範囲に記載のすべての手段またはステップと機能要素の対応する構造、材料、操作、およびそれらの等価物は、具体的に記載されている他の要素と組み合わせて機能を実現するための任意の構造、材料、または操作を包含することを意図している。本発明の開示されている実施形態の説明は、例示および説明のために提供されているが、網羅的であること、あるいは開示された形態に限定されることを意図していない。当業者には、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、多くの修正および変形を適用することができることが明らかであろう。上述した実施形態は、本発明の原理および実用化を最適に説明するために、また、検討される特定の用途に適するように種々の修正を伴う様々な実施形態について本発明を当業者が理解できるように、選択および説明されたものである。
【外国語明細書】