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特開2024-125207ラッチ式サイクル毎電流制限インジケータを有する電圧レギュレータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125207
(43)【公開日】2024-09-13
(54)【発明の名称】ラッチ式サイクル毎電流制限インジケータを有する電圧レギュレータ
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/155 20060101AFI20240906BHJP
【FI】
H02M3/155 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024030937
(22)【出願日】2024-03-01
(31)【優先権主張番号】63/488,457
(32)【優先日】2023-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518364964
【氏名又は名称】ルネサス エレクトロニクス アメリカ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】RENESAS ELECTRONICS AMERICA INC.
【住所又は居所原語表記】1001 Murphy Ranch Road, Milpitas, California 95035, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ジェイソン・ヒューストン
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・リー・アレン
【テーマコード(参考)】
5H730
【Fターム(参考)】
5H730AA14
5H730AS01
5H730AS05
5H730BB13
5H730BB57
5H730DD04
5H730EE59
5H730FD01
5H730FD31
5H730FG05
5H730FG07
5H730XX03
5H730XX15
5H730XX23
5H730XX35
5H730XX50
(57)【要約】
【課題】 サイクル毎電流制限イベントインジケータのためのシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】
回路は、電圧レギュレータにおける複数のクロックサイクルにわたる複数の過電流イベントの発生を示す複数の信号を受信することができる。さらに、回路は、複数のクロックサイクルにわたる複数の過電流イベントの発生を示すラッチ信号を生成する。ラッチ信号は、複数のクロックサイクルにわたって高電圧でラッチされたままにすることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電圧レギュレータにおける複数のクロックサイクルにわたる複数の過電流イベントの発生を示す複数の信号を受信するステップと、
前記複数のクロックサイクルにわたる前記複数の過電流イベントの発生を示すラッチ信号を生成するステップと、
を含む方法であって、
前記ラッチ信号は、前記複数のクロックサイクルにわたって高電圧でラッチされたままである、
方法。
【請求項2】
前記クロックサイクルの数は、前記ラッチ信号の立ち下がりエッジを遅延させるためのプログラム可能な遅延に基づいている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記電圧レギュレータは、単相電圧レギュレータである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記電圧レギュレータは、多相電圧レギュレータである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ラッチ信号に基づいて、前記電圧レギュレータの出力電圧が調節電圧に達するまでの持続時間を決定するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記複数のクロックサイクルのうちの第1のクロックサイクルにおいて、前記複数の信号のうちの第1の信号を受信するステップであって、前記第1の信号は、前記電圧レギュレータにおける過電流イベントの存在を示す、ステップと、
前記第1のクロックサイクルにおいて前記過電流イベントの存在を示す前記第1の信号を受信したことに応答して、前記ラッチ信号を高電圧でラッチするステップと、
前記複数のクロックサイクルのうちの第2のクロックサイクルにおいて、前記複数の信号のうちの第2の信号を受信するステップであって、前記第2の信号は、前記電圧レギュレータにおける前記過電流イベントがないことを示す、ステップと、
前記第2のクロックサイクルにおいて前記過電流イベントがないことを示す前記第2の信号を受信したことに応答して、前記ラッチ信号を高電圧に維持するステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記複数のクロックサイクルのうちの第1のクロックサイクルにおいて、前記複数の信号のうちの第1の信号を受信するステップであって、前記第1の信号は、前記電圧レギュレータにおける過電流イベントの存在を示す、ステップと、
前記第1のクロックサイクルにおいて前記過電流イベントの存在を示す前記第1の信号を受信したことに応答して、前記ラッチ信号を高電圧でラッチするステップと、
前記複数のクロックサイクルのうちの第2のクロックサイクルにおいて、前記複数の信号のうちの第2の信号を受信するステップであって、前記第2の信号は、前記電圧レギュレータにおける前記過電流イベントがないことを示す、ステップと、
前記第2のクロックサイクルにおいて前記過電流イベントがないことを示す前記第2の信号を受信したことに応答して、前記ラッチ信号を高電圧に維持するステップと、
前記複数のクロックサイクルのうちの第3のクロックサイクルにおいて、前記複数の信号のうちの第3の信号を受信するステップであって、前記第3の信号は、前記電圧レギュレータにおける別の過電流イベントの存在を示す、ステップと、
前記第3のクロックサイクルにおいて前記別の過電流イベントの存在を示す前記第3の信号を受信したことに応答して、前記ラッチ信号を高電圧に維持するステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1つのフリップフロップと、ラッチ回路と、を備える半導体装置であって、
前記ラッチ回路は、
電圧レギュレータにおける複数のクロックサイクルにわたる複数の過電流イベントの発生を示す複数の信号を受信し、
前記複数のクロックサイクルにわたる前記複数の過電流イベントの発生を示すラッチ信号を生成するように構成され、
前記ラッチ信号は、前記複数のクロックサイクルにわたって高電圧でラッチされたままであり、前記クロックサイクルの数は、前記少なくとも1つのフリップフロップのうちのフリップフロップの数に基づいている、
半導体装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つのフリップフロップは、少なくとも1つのD型フリップフロップを含み、
前記ラッチ回路は、SRラッチである、
請求項8に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記電圧レギュレータは、単相電圧レギュレータである、請求項8に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記電圧レギュレータは、多相電圧レギュレータである、請求項8に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記電圧レギュレータの出力電圧が調節電圧に達するまでの持続時間は、前記ラッチ信号によって示される、請求項8に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記ラッチ回路は、前記複数のクロックサイクルのうちの第1のクロックサイクルにおいて、前記複数の信号のうちの第1の信号を受信するようにさらに構成され、
前記第1の信号は、前記電圧レギュレータにおける過電流イベントの存在を示し、
前記ラッチ回路は、
前記第1のクロックサイクルにおいて前記過電流イベントの存在を示す前記第1の信号を受信したことに応答して、前記ラッチ信号を高電圧でラッチし、
前記複数のクロックサイクルのうちの第2のクロックサイクルにおいて、前記複数の信号のうちの第2の信号を受信するようにさらに構成され、
前記第2の信号は、前記電圧レギュレータにおける前記過電流イベントがないことを示し、
前記ラッチ回路は、前記第2のクロックサイクルにおいて前記過電流イベントがないことを示す前記第2の信号を受信したことに応答して、前記ラッチ信号を高電圧に維持するようにさらに構成される、
請求項8に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記ラッチ回路は、前記複数のクロックサイクルのうちの第1のクロックサイクルにおいて、前記複数の信号のうちの第1の信号を受信するようにさらに構成され、
前記第1の信号は、前記電圧レギュレータにおける過電流イベントの存在を示し、
前記ラッチ回路は、
前記第1のクロックサイクルにおいて前記過電流イベントの存在を示す前記第1の信号を受信したことに応答して、前記ラッチ信号を高電圧でラッチし、
前記複数のクロックサイクルのうちの第2のクロックサイクルにおいて、前記複数の信号のうちの第2の信号を受信するようにさらに構成され、
前記第2の信号は、前記電圧レギュレータにおける前記過電流イベントがないことを示し、
前記ラッチ回路は、
前記第2のクロックサイクルにおいて前記過電流イベントがないことを示す前記第2の信号を受信したことに応答して、前記ラッチ信号を高電圧に維持し、
前記複数のクロックサイクルのうちの第3のクロックサイクルにおいて、前記複数の信号のうちの第3の信号を受信するようにさらに構成され、
前記第3の信号は、前記電圧レギュレータにおける別の過電流イベントの存在を示し、
前記ラッチ回路は、前記第3のクロックサイクルにおいて前記別の過電流イベントの存在を示す前記第3の信号を受信したことに応答して、前記ラッチ信号を高電圧に維持するようにさらに構成される、
請求項8に記載の半導体装置。
【請求項15】
電圧レギュレータにおける過電流イベントの発生を検出するように構成されたコントローラと、回路と、を備えるシステムであって、
前記回路は、
前記電圧レギュレータにおける複数のクロックサイクルにわたる複数の過電流イベントの発生を示す複数の信号を前記コントローラから受信し、
前記複数のクロックサイクルにわたる複数の過電流イベントの発生を示すラッチ信号を生成するように構成され、
前記ラッチ信号は、前記複数のクロックサイクルにわたって高電圧でラッチされたままである、
システム。
【請求項16】
前記クロックサイクルの数は、前記ラッチ信号の立ち下がりエッジを遅延させるためのプログラム可能な遅延に基づいている、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記電圧レギュレータは、単相電圧レギュレータである、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記電圧レギュレータは、多相電圧レギュレータである、請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
前記回路は、前記複数のクロックサイクルのうちの第1のクロックサイクルにおいて、前記複数の信号のうちの第1の信号を受信するようにさらに構成され、
前記第1の信号は、前記電圧レギュレータにおける過電流イベントの存在を示し、
前記回路は、
前記第1のクロックサイクルにおいて前記過電流イベントの存在を示す前記第1の信号を受信したことに応答して、前記ラッチ信号を高電圧でラッチし、
前記複数のクロックサイクルのうちの第2のクロックサイクルにおいて、前記複数の信号のうちの第2の信号を受信するようにさらに構成され、
前記第2の信号は、前記電圧レギュレータにおける前記過電流イベントがないことを示し、
前記回路は、前記第2のクロックサイクルにおいて前記過電流イベントがないことを示す前記第2の信号を受信したことに応答して、前記ラッチ信号を高電圧に維持するようにさらに構成される、
請求項15に記載のシステム。
【請求項20】
前記回路は、前記複数のクロックサイクルのうちの第1のクロックサイクルにおいて、前記複数の信号のうちの第1の信号を受信するようにさらに構成され、
前記第1の信号は、前記電圧レギュレータにおける過電流イベントの存在を示し、
前記回路は、
前記第1のクロックサイクルにおいて前記過電流イベントの存在を示す前記第1の信号を受信したことに応答して、前記ラッチ信号を高電圧でラッチし、
前記複数のクロックサイクルのうちの第2のクロックサイクルにおいて、前記複数の信号のうちの第2の信号を受信するようにさらに構成され、
前記第2の信号は、前記電圧レギュレータにおける前記過電流イベントがないことを示し、
前記回路は、
前記第2のクロックサイクルにおいて前記過電流イベントがないことを示す前記第2の信号を受信したことに応答して、前記ラッチ信号を高電圧に維持し、
前記複数のクロックサイクルのうちの第3のクロックサイクルにおいて、前記複数の信号のうちの第3の信号を受信するようにさらに構成され、
前記第3の信号は、前記電圧レギュレータにおける別の過電流イベントの存在を示し、
前記回路は、前記第3のクロックサイクルにおいて前記別の過電流イベントの存在を示す前記第3の信号を受信したことに応答して、前記ラッチ信号を高電圧に維持する、
請求項15に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2023年3月3日に出願された「Voltage Regulator with Latched Cycle-by-Cycle Indicator」と題する米国特許出願第63/488,457号の優先権を主張する。その全文は、参照により本出願に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、電圧レギュレータのための方法およびシステムに関する。より詳細には、電圧レギュレータは、ラッチ式サイクル毎電流制限インジケータを含む。
【背景技術】
【0003】
バックコンバータやブーストコンバータなどの電圧レギュレータまたは電圧コンバータは、入力電圧を、電圧レベルが異なる出力電圧に変換するために使用され得る。バックコンバータや降圧コンバータは、入力電圧をより低い電圧に変換することができる。ブーストコンバータや昇圧コンバータは、入力電圧をより高い電圧に変換することができる。バック/ブーストコンバータは、入力電圧を昇圧または降圧することができる。電圧コンバータは、PWM(パルス幅変調)制御信号によってオンおよびオフされる複数のスイッチを含むことができる。PWM制御信号のデューティサイクルは、電圧コンバータの出力電圧を決定することができる。
【発明の概要】
【0004】
一実施形態において、一般に、サイクル毎電流制限イベントインジケータを実現することができる方法が提供される。該方法は、電圧レギュレータにおける複数のクロックサイクルにわたる複数の過電流イベントの発生を示す複数の信号を受信するステップを含むことができる。さらに、該方法は、複数のクロックサイクルにわたる複数の過電流イベントの発生を示すラッチ信号を生成するステップを含むことができる。ラッチ信号は、複数のクロックサイクルにわたって高電圧でラッチされたままにすることができる。
【0005】
一実施形態において、一般に、サイクル毎電流制限イベントインジケータを実現することができる半導体装置が提供される。半導体装置は、少なくとも1つのフリップフロップを含むことができる。さらに、半導体装置は、電圧レギュレータにおける複数のクロックサイクルにわたる複数の過電流イベントの発生を示す複数の信号を受信するように構成されたラッチ回路を含むことができる。さらに、ラッチ回路は、複数のクロックサイクルにわたる複数の過電流イベントの発生を示すラッチ信号を生成するように構成され得る。ラッチ信号は、複数のクロックサイクルにわたって高電圧でラッチされたままにすることができる。クロックサイクルの数は、少なくとも1つのフリップフロップのうちのフリップフロップの数に基づいている。
【0006】
一実施形態において、一般に、サイクル毎電流制限イベントインジケータを実現することができるシステムが提供される。該システムは、電圧レギュレータにおける過電流イベントの発生を検出するように構成されたコントローラを含むことができる。さらに、該システムは、電圧レギュレータにおける複数のクロックサイクルにわたる複数の過電流イベントの発生を示す複数の信号をコントローラから受信するように構成された回路を含むことができる。さらに、回路は、複数のクロックサイクルにわたる複数の過電流イベントの発生を示すラッチ信号を生成するように構成され得る。ラッチ信号は、複数のクロックサイクルにわたって高電圧でラッチされたままとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
以下、添付の図を参照して本発明の様々な実施形態のさらなる特徴、構造、および動作を詳細に説明する。図において、同様の参照符号は同一または機能的に同様の要素を示す。
図1】一実施形態における、サイクル毎電流制限のための電流感知を伴う電圧調節を実現することができる例示的なシステムを示す図である。
図2】別の実施形態における、サイクル毎電流制限イベントインジケータを実現することができる例示的な多相電圧レギュレータシステムを示す図である。
図3】一実施形態における、図1の例示的なシステムの追加詳細を示す図である。
図4】一実施形態における、図3の例示的な回路の追加詳細を示す図である。
図5】別の実施形態における、サイクル毎電流制限イベントインジケータの実装例から生じる一連の信号波形を示す図である。
図6】別の実施形態における、サイクル毎電流制限イベントインジケータの実装例から生じる別の一連の信号波形を示す図である。
図7】一実施形態における、サイクル毎電流制限のための電流感知を伴う電圧調節を実現することができるプロセスを示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の説明では、本願の様々な実施形態の理解を促すために、特定の構造、構成要素、材料、寸法、処理ステップ、および技術などを含む多数の具体的な詳細が記載されている。しかしながら、当業者であれば、本願の様々な実施形態が、これらの具体的な詳細なしに実現され得ることを理解するであろう。場合によっては、本願を不明瞭にしないために、既知の構造または処理ステップの詳細に関する説明を省略する。
【0009】
図1は、一実施形態における、ラッチ式サイクル毎電流制限イベントインジケータを実現することができるシステムを示す図である。図1に示すシステム100は、電圧調節システムまたは電圧コンバータによって実現され得る。図1に示す実施形態において、システム100は、単相電圧レギュレータによって実現され得る。システム100は、コントローラ101と、ドライバIC(集積回路)102と、電力段103と、インダクタ104と、負荷106と、を含むことができる。
【0010】
コントローラ101は、例えば、プロセッサ、マイクロコントローラ、CPU(中央処理装置)、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、または電力段103を制御および動作するように構成された任意の他の回路を含むことができる。例示的な実施形態ではCPUとして説明されているが、コントローラ101は、これらの実施形態においてCPUに限定されるものではなく、ドライバIC102を制御および動作するように構成された他の任意の回路を備えてもよい。コントローラ101は、電力段103のスイッチHSおよびLSを選択的にオンおよびオフするためにドライバIC102を制御するためのPWM(パルス幅変調)またはPFM(パルス周波数変調)信号などの制御信号を生成するように構成され得る。後述するように、コントローラ101は、サイクル毎(CBC)電流イベントを示す信号を出力するように構成された回路105を含むことができる。ここで、CBC電流イベントは、2つ以上の連続するPWMまたはクロックサイクルにわたって発生する過電流イベントであり得る。
【0011】
ドライバIC102は、コントローラ101からのPWM信号を受信するように構成され得る。ドライバIC102は、受信したPWM信号を使用して駆動信号110を生成することができる。ドライバIC102は、駆動信号110を介して電力段103内のスイッチを駆動することができる。駆動信号110は、電力段103のハイサイド(HS)スイッチおよびローサイド(LS)スイッチをオンまたはオフすることができるゲート電圧をもつ電圧信号であり得る。一実施形態において、HSスイッチおよびLSスイッチは、MOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)などのFET(電界効果トランジスタ)であり得る。他の実施形態において、HSスイッチおよびLSスイッチは、ダイオードまたはIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)であり得る。ドライバIC102は、HSスイッチを駆動するように構成されたドライバと、電力段103内のLSスイッチを駆動するように構成された別のドライバと、を含むことができる。ドライバIC102は、HSスイッチおよびLSスイッチを駆動するために、ゲート電圧または駆動信号110を供給するように構成され得る。HSスイッチは、LSスイッチがオフにされる間にオンにされるように構成され得、その逆もまた同様である。HSスイッチがオンにされ、LSスイッチがオフにされると、HSスイッチとLSスイッチとの間のスイッチノードVswにおける電圧は、スイッチノードVswにおける電圧がVinと等価になるように、Vinまで引き上げられることができる。HSがオフにされ、LSがオンにされると、スイッチノードにおける電圧は、接地に引き下げられることができる。これにより、Vswは、ゼロと等価になる。
【0012】
電力段103は、ドライバIC102から駆動信号110を受信するように構成され得る。HSスイッチおよびLSスイッチをオンおよびオフして出力電圧Voutを生成することができる。出力電圧Voutは、インダクタ104を介して、例えば負荷106に出力することができる。Voutは、フィードバック信号112としてコントローラ101にフィードバックされ、コントローラ101にフィードバック情報を提供することができる。インダクタ104をわたる電流は、インダクタ電流Iであり得る。Iは、コントローラ101にフィードバックできる感知電流Isenseであり得る。
【0013】
電圧調節システムにおいて、過電流イベントが発生する場合がある。過電流イベントは、インダクタ電流Iが所定の電流制限値ILimitを上回るイベントであり得る。コントローラ101は、ピーク電流制限を実行して、インダクタ電流IがILimitを超え始めると、インダクタ電流Iを電流制限値ILimitで調整できる電流ループを実装することができる。一態様において、負荷106が要求する電流は、負荷106が実行している動作に応じて変化し得る。例えば、負荷106がコンピューティングデバイスのマイクロプロセッサである場合、コンピューティングデバイスがビデオゲームを実行しているときはマイクロプロセッサがより多くの電流を消費し、コンピューティングデバイスがウェブワードプロセッシングアプリケーションを実行しているときはマイクロプロセッサがより少ない電流を消費することができる。負荷電流の変化により、インダクタ電流Iが変化し、インダクタ電流Iが電流制限値ILimitを超える場合がある。電力段103のスイッチングにより、インダクタ電流Iは、インダクタ電流Iが電流制限値ILimitを超えるような電流を負荷106が引き込んでいる期間、電流制限値の上下に変動する場合がある。インダクタ電流Iが電流制限値を超えるたびに、コントローラ101は、過電流イベントを1つカウントすることができる。インダクタ電流Iが電流制限値ILimitを超える原因となる電流を負荷106が時間内にN回引き込んでいる場合、コントローラ101は、同様に時間内にN回をカウントする。後述するように、コントローラ101内の回路105は、コントローラ101が過電流イベントを複数回カウントしなくても、1つまたは複数の過電流イベントを示す信号を出力することができる。複数の過電流イベントを示す単一の信号を出力するために回路105を使用することで、コントローラ101が複数のカウントを実行するための消費電力および処理時間を低減することができる。
【0014】
図2は、別の実施形態における、ラッチ式サイクル毎電流制限イベントインジケータを実現することができるシステムを示す図である。図2の説明は、図1に示す構成要素を参照することができる。図2に示すシステム200は、電圧調整システムまたは電圧コンバータによって実現され得る。図2に示す実施形態において、システム200は、多相電圧レギュレータによって実現され得る。システム200は、コントローラ101と、複数のドライバ集積回路(IC)102a~102n(以下、「102」)と、複数の電力段103a~103n(以下、「103」)と、複数のインダクタ104a~104n(以下、「104」)と、負荷106と、を含むことができる。さらに、コントローラ101内の回路105は、複数の電力段103のうちの少なくとも1つで発生しているCBC電流イベントを示す信号を出力するように構成され得る。例えば、過電流イベントが電力段103aでは発生せず、電力段103bで発生している場合、回路105は、CBC電流イベントが複数の電力段103のうちの少なくとも1つで発生していることを示す信号を出力することができる。回路105を使用して複数の過電流イベントを示す単一の信号を出力することで、コントローラ101は、各電力段について個々の過電流イベントをカウントする必要がなくなり、消費電力と処理時間を低減することができる。
【0015】
図3は、一実施形態における、図1の例示的なシステムの追加詳細を示す図である。図3の説明は、図1および図2に示す構成要素を参照することができる。図3に示す実施形態において、コントローラ101は、誤差増幅器202と、コンパレータ204および206と、ORゲート208と、クロック生成器210と、SRラッチ212と、回路105と、を含むことができる。誤差増幅器回路202は、出力電圧Voutをフィードバック信号112として受信するように構成され得る。また、誤差増幅器202は、所定の基準電圧Vrefを受信することができる。誤差増幅器202は、フィードバック信号112によって示されるVoutとVrefとを比較して誤差の差異を生成し、誤差の差異に基づいて制御電圧Vcを生成することができる。コンパレータ204は、非反転(+)入力としてインダクタ電流Iを感知する感知電流Isenseを受信し、反転(-)入力として電流信号ILimitを受信することができる。コンパレータ204は、CBC信号を生成するように構成され得る。コンパレータ206は、誤差増幅器202からのVcを反転(-)入力として受信し、感知電流Isenseを非反転入力として受信するように構成され得る。ORゲート208は、コンパレータ204および206の出力を受信することができる。ORゲート208は、SRラッチ212のために、コンパレータ204および206に基づいて、信号209を生成することができる。
【0016】
SRラッチ212は、信号209などのORゲート208の出力をリセットピンRで受信することができる。また、SRラッチ212は、クロック生成器210によって生成されたクロック信号ClkをセットピンSで受信することができる。SRラッチ212は、SRラッチ212のセットピンおよびリセットピンにおける入力電圧に基づいて、PWM信号を生成するように構成され得る。PWM信号は、ドライバIC102に出力され得る。ドライバ102は、電力段103を駆動するために駆動信号110を生成することができる。例えば、リセットピンRに入力された電圧によってPWM信号をLOWにすることができ、セットピンSに入力された電圧によってPWM信号をHIGHにすることができる。SRラッチ212がORゲート208から出力されたCBC信号とクロック信号210からのクロック信号Clkとを交互に且つサイクル毎に連続して受信すると、SRラッチ212は、高い信号と低い信号を交互に出力してPWM信号を生成することができる。なお、フィードバック信号112がVoutから誤差増幅器202にループバックし、コンパレータ206およびORゲート208を通ってSRラッチ214に到達する経路は、Voutを調節するためにコントローラ101によって実行され得る電圧制御ループであることに留意されたい。また、インダクタ電流Iが感知されてコンパレータ204に供給され、ORゲート208を通ってSRラッチ214に到達する経路は、Iを調節するためにコントローラ101によって実行され得る電流制御ループである。
【0017】
回路105は、SRラッチ214と、少なくとも1つのD型フリップフロップ216と、を含むことができる。SRラッチ214は、セットピンSでコンパレータ204からCBC信号を受信するように構成され得る。SRラッチ214は、リセットピンRでクロック信号Clkを受信するように構成され得る。ピンQでのSRラッチ214の出力は、D型フリップフロップ216のDピンに出力され得る。D型フリップフロップ216は、クロック入力でクロック信号Clkを受信するように構成され得る。
【0018】
一実施形態において、コントローラ101がインダクタ電流Iを電流制限ILimitで連続する複数のクロックサイクルまたはPWMサイクルを行う間、調節が行われる。コンパレータ204の出力(例えば、CBC信号)は、連続する複数のクロックサイクルの持続時間中、インダクタ電流Iが電流制限ILimitを上回ったり下回ったりして変動しているため、複数回HIGHとLOWとを切り替えることができる。HIGHやLOWなどのCBC信号の値は、この変動動作を反映することができる。SRラッチ214は、コンパレータ204がCBC信号を高電圧として出力するとき、CBCラッチ信号217を高電圧として出力するように構成され得る。D型フリップフロップ216は、CBCラッチ信号217が低電圧に低下するのをサイクル数だけ遅延させるように構成され得る。これにより、回路105は、2つ以上のクロックサイクルの過電流イベントを検出することができる。図3に示す実施形態において、回路105は、D型フリップフロップ216の1つのコピーを含む。これにより、コンパレータ204からのCBC信号がi番目のクロックサイクルでHIGHであり、次のクロックサイクル(例えば、i+1)でLOWであるとき、CBCラッチ信号217は、i番目のクロックサイクルと次のクロックサイクル(例えば、i+1)の両方でHIGHのままであることができる。D型フリップフロップの1つのコピーを使用して、CBCラッチ信号217が低電圧に低下するのをさらに1クロックサイクルだけ遅延させた結果、クロックサイクルi+2で過電流イベントが発生すると、コンパレータ204は、CBC信号をHIGHとして出力することができ、CBCラッチ信号217もHIGHを維持することができる。したがって、クロックサイクルiからi+2の間、コンパレータ204は、HIGH-LOW-HIGHのシーケンスを出力することができ、CBCラッチ信号217は、クロックサイクルiからi+2の間HIGHのまま維持されるので、CBCラッチ信号217は、3つのクロックサイクルにわたって2つの過電流イベントを含むCBCイベントを示すことができる。クロックサイクルi+2において過電流イベントが発生しない場合、コンパレータ204は、CBC信号をLOWとして出力することができ、CBCラッチ信号217も同様にLOWに低下して、2つのクロックサイクル後のCBCイベントの終了を示すことができる。回路105内のD型フリップフロップ216の数は任意のものであり得る(図4参照)。CBCラッチ信号217を出力し、D型フリップフロップ216を使用してCBCラッチ信号217の立ち下がりエッジを遅延させた結果、コンパレータ204の出力が複数回HIGHとLOWの間を切り替えても単一のインジケータを出力することができる。これは、切り替え毎にCBCインジケータを出力する可能性のある従来のシステムと比較して、より効率のよいシステムを実現することができる。多相電圧レギュレータでは、すべてのCBC切り替えを示すことがより複雑になるため、2つ以上の相のCBC電流イベントの開始と終了を示すために単一の信号を使用することは、比較的効率的であり、過負荷情報の報告を単純化することができる。
【0019】
図4は、一実施形態における、図3の例示的な回路の追加詳細を示す図である。図4に示す実施形態において、回路105は、2つ以上のD型フリップフロップ216a~216n(以下、「216」)を含むことができる。D型フリップフロップ216の数は、CBCラッチ信号217を高電圧に保持するクロックサイクルの数を決定することができる。D型フリップフロップ216が追加される毎に、回路105は、CBC信号が1サイクル余分に終了するかどうかを確認する必要がある。例えば、回路105が3つのD型フリップフロップ216a、216b、216cを備える場合、回路105は、少なくとも3つのクロックサイクルの間、CBCラッチ信号217を高電圧で出力することができる。例えば、コンパレータ204からのCBC信号がi番目のクロックサイクルでHIGHであり、次の3つのクロックサイクル(例えば、i+1、i+2、i+3)でLOWである場合、CBCラッチ信号217は、クロックサイクルiからi+3までHIGHのままであることができる。D型フリップフロップの1つのコピーを使用して、CBCラッチ信号217が低電圧に低下するのをさらに1クロックサイクル余分に遅延させた結果、クロックサイクルi+4で過電流イベントが発生すると、コンパレータ204は、CBC信号をHIGHとして出力することができ、CBCラッチ信号217もHIGHを維持することができる。したがって、クロックサイクルiからi+4まで、コンパレータ204は、HIGH-LOW-LOW-LOW-HIGHのシーケンスを出力することができ、CBCラッチ信号217は、クロックサイクルiからi+4までHIGHを維持することができる。これにより、CBCラッチ信号217は、5つのクロックサイクルにわたって2つの過電流イベントを含むCBCイベントを示すことができる。クロックサイクルi+4で過電流イベントが発生しない場合、コンパレータ204は、CBC信号をLOWとして出力することができ、CBCラッチ信号217も同様にLOWに低下することができる。これは、4つのクロックサイクルの後のCBCイベントの終了を示している。回路105がK個のD型フリップフロップを含む場合、CBCラッチ信号217は、少なくともK個のクロックサイクルの間、HIGHを維持し続けることができる。
【0020】
図5は、別の実施形態における、サイクル毎電流制限イベントインジケータの実装例から生じる一連の信号波形を示す図である。図5の説明は、図1図4に示す構成要素を参照してもよい。例示的な実施形態において、信号波形502は、単一のCBC電流イベントを示すCBCラッチ信号217を表している。信号波形504は、コンパレータ204によって生成されたCBC信号を表している。信号波形510は、負荷106によって引き出される負荷電流を表しており、信号波形508は、インダクタ電流Iを表している。約550マイクロ秒に、負荷106がより大きな電流を要求するため、コントローラ101のインダクタ電流Iが増加する。増加したインダクタ電流Iは、負荷106による増加した要求を供給することができるため、インダクタ電流(例えば、信号波形508)も増加する。負荷電流の増加に応答して、インダクタ電流は、550マイクロ秒~590マイクロ秒の範囲(例えば、負荷電流が減少するまで550マイクロ秒から開始する)で、約7アンペアなどの電流制限に制限され得る。550マイクロ秒~590マイクロ秒の範囲の信号波形504によって示されるような電流制限スパイクは、コンパレータ204からのCBC信号がオンとオフを切り替えることに対応する。信号波形504、例えばCBC信号は、インダクタ電流Iが電流制限ILimitによって制限されているときに、コンパレータ204がオンとオフを切り替えることで生成される。信号波形502に示すCBCラッチ信号217は、CBC信号が生成された時間(例えば、約551マイクロ秒~552マイクロ秒の信号波形504の最初のスパイク)から開始して、CBC信号(例えば、信号波形508)が切り替えを停止した時間で終了する単一のCBC電流イベントを示す。インダクタ電流波形508が制限されなくなると、CBC信号の切り替えが終了し、CBCラッチ信号217の信号波形502は、その立ち下がりエッジによってCBC電流イベントの終了を示すことができる。信号波形502によって示されるCBC電流イベントは、回路105に含まれるD型フリップフロップ216の量に起因して、最後の高いCBC信号(例えば、信号波形504の最後のスパイク)とCBCラッチ信号217の立ち下がりエッジとの間にわずかな遅延を有する。さらに追加されたD型フリップフロップは、CBCラッチ信号217の信号波形502の立ち下がりエッジの遅延を増加させる可能性がある。
【0021】
図6は、別の実施形態における、サイクル毎電流制限イベントインジケータの実装例から生じる別の一連の信号波形を示す図である。図6の説明は、図1図5に示す構成要素を参照してもよい。図6に示す実施形態において、信号波形602は、CBCラッチ信号217を表す。信号波形604は、インダクタ電流Iを表し、信号波形606は、基準電圧Vrefを表し(図3参照)、信号波形608は、出力電圧Voutを表す。図6の実施形態が示すように、CBCラッチ信号217は、動的な出力電圧の変化中に過電流状態によって遅延された後、出力電圧Voutが所望の調節電圧(例えば、1V)に達する持続時間を示すことができる。負荷106は、より高い電力を必要とする場合があり、信号波形606で示すように、電圧レベルを0.3Vから1.0Vにステップアップさせることができる。負荷106が要求する1.0Vレベルに達するように出力電圧を上昇させるために、インダクタ電流Iは、信号波形604で示すように7Aなどの電流制限で動作することができる。出力電圧Voutが要求されている1.0Vの電圧に達すると、インダクタ電流Iは減少し、電流制限値を下回る。信号波形602で示されるようなCBCラッチ信号217を使用することで、出力電圧Voutが所望の電圧レベルに達するまでの時間を、CBCラッチ信号217の立ち上がりエッジと立ち下がりエッジとの差で示すことができる。また、CBC信号217の立ち下がりエッジの時間は、出力電圧Voutが所望の電圧レベルに達する時間とすることができる。
【0022】
図7は、別の実施形態における、スイッチング周波数レギュレータおよび最小オン時間オーバーライド機能を実現する別のプロセスを示すフロー図である。図7の説明は、図1図6に示す構成要素を参照してもよい。プロセス700は、1つまたは複数のブロック701および703によって示される1つまたは複数の操作、動作、または機能を含むことができる。個別のブロックとして図に示されているが、所望の用途に応じて、様々なブロックを追加のブロックに分割したり、より少ない数のブロックに組み合わせたり、省略したり、異なる順序で実行されたり、並行して実行されたりすることができる。
【0023】
プロセス700は、電圧レギュレータシステムによって実現され得る。例えば、電圧レギュレータシステム100のコントローラ101は、プロセス700を実行することができる。プロセス700は、ブロック701で開始することができる。ブロック701では、コントローラは、電圧レギュレータにおける複数のクロックサイクルにわたる複数の過電流イベントの発生を示す複数の信号を受信することができる。プロセス700は、ブロック701からブロック703に続くことができる。ブロック703では、コントローラは、複数のクロックサイクルにわたる複数の過電流イベントの発生を示すラッチ信号を生成する。ラッチ信号は、複数のクロックサイクルにわたって高電圧でラッチされたままにすることができる。
【0024】
別の実施形態において、クロックサイクルの数は、ラッチ信号の立ち下がりエッジを遅延させるためのプログラム可能な遅延に基づくことができる。別の実施形態において、電圧レギュレータは、単相電圧レギュレータであり得る。別の実施形態において、電圧レギュレータは、多相電圧レギュレータであり得る。
【0025】
別の実施形態において、コントローラは、ラッチ信号に基づいて、電圧レギュレータの出力電圧が調節電圧に達するまでの持続時間を決定することができる。別の実施形態において、コントローラは、複数のクロックサイクルのうちの第1のクロックサイクルにおいて、複数の信号のうちの第1の信号を受信することができる。第1の信号は、電圧レギュレータにおける過電流イベントの存在を示す。さらに、コントローラは、第1のクロックサイクルにおいて過電流イベントの存在を示す第1の信号を受信したことに応答して、ラッチ信号を高電圧でラッチすることができる。さらに、コントローラは、複数のクロックサイクルのうちの第2のクロックサイクルにおいて、複数の信号のうちの第2の信号を受信することができる。第2の信号は、電圧レギュレータにおける過電流イベントがないことを示す。さらに、コントローラは、第2のクロックサイクルにおいて過電流イベントがないことを示す第2の信号を受信したことに応答して、ラッチ信号を高電圧に維持することができる。
【0026】
別の実施形態において、コントローラは、複数のクロックサイクルのうちの第1のクロックサイクルにおいて、複数の信号のうちの第1の信号を受信することができる。第1の信号は、電圧レギュレータにおける過電流イベントの存在を示す。さらに、コントローラは、第1のクロックサイクルにおいて過電流イベントの存在を示す第1の信号を受信したことに応答して、ラッチ信号を高電圧でラッチすることができる。さらに、コントローラは、複数のクロックサイクルのうちの第2のクロックサイクルにおいて、複数の信号のうちの第2の信号を受信することができる。第2の信号は、電圧レギュレータにおける過電流イベントがないことを示す。さらに、コントローラは、第2のクロックサイクルにおいて過電流イベントがないことを示す第2の信号を受信したことに応答して、ラッチ信号を高電圧に維持することができる。さらに、コントローラは、複数のクロックサイクルのうちの第3のクロックサイクルにおいて、複数の信号のうちの第3の信号を受信することができる。第3の信号は、電圧レギュレータにおける別の過電流イベントの存在を示す。さらに、コントローラは、第3のクロックサイクルにおいて過電流イベントの存在を示す第3の信号を受信したことに応答して、ラッチ信号を高電圧に維持することができる。
【0027】
図におけるフローチャートおよびブロック図は、本発明の様々な実施形態によるシステム、方法、およびコンピュータプログラム製品の可能な実装のアーキテクチャ、機能性、および動作を示している。これに関して、フローチャートまたはブロック図における各ブロックは、指定された論理機能を実現するための1つまたは複数の実行可能命令を含む命令のモジュール、セグメント、またはその一部を表すことができる。いくつかの代替的な実装例において、ブロックに示された機能は、図に示す順序からはずれて発生してもよい。例えば、連続して示されている2つのブロックは、実際には、実質的に同時に実現されてもよく、関係する機能に応じて、場合によっては逆の順序で実現されてもよい。また、ブロック図および/またはフローチャートの各ブロック、ならびにそれらのブロックの組み合わせは、指定された機能または動作を実行する、または特別な目的のハードウェアおよびコンピュータ命令の組み合わせを実行する、特別な目的のハードウェアベースのシステムよって実現され得ることに留意されたい。
【0028】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためにのみ使用されており、本発明を限定することを意図していない。本明細書で使用される単数を表す用語は、特に明示されない限り、その複数を含むことも意図している。また、本明細書で使用される「備える」という用語は、記載されている特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を画定するが、1つまたは複数の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらの群の存在または追加を排除しないことに留意されたい。
【0029】
添付の特許請求の範囲に記載のすべての手段またはステップと機能要素の対応する構造、材料、操作、およびそれらの等価物は、具体的に記載されている他の要素と組み合わせて機能を実現するための任意の構造、材料、または操作を包含することを意図している。本発明の開示されている実施形態の説明は、例示および説明のために提供されているが、網羅的であること、あるいは開示された形態に限定されることを意図していない。当業者には、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、多くの修正および変形を適用することができることが明らかであろう。上述した実施形態は、本発明の原理および実用化を最適に説明するために、また、検討される特定の用途に適するように種々の修正を伴う様々な実施形態について本発明を当業者が理解できるように、選択および説明されたものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【外国語明細書】