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特開2024-125221電圧レギュレータのオーバーシュート検出
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125221
(43)【公開日】2024-09-13
(54)【発明の名称】電圧レギュレータのオーバーシュート検出
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/155 20060101AFI20240906BHJP
【FI】
H02M3/155 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024032143
(22)【出願日】2024-03-04
(31)【優先権主張番号】63/488,342
(32)【優先日】2023-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518364964
【氏名又は名称】ルネサス エレクトロニクス アメリカ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】RENESAS ELECTRONICS AMERICA INC.
【住所又は居所原語表記】1001 Murphy Ranch Road, Milpitas, California 95035, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・スチュアート・クライン
【テーマコード(参考)】
5H730
【Fターム(参考)】
5H730AA20
5H730AS05
5H730BB13
5H730BB57
5H730DD04
5H730EE13
5H730EE59
5H730FD01
5H730FG05
5H730FG12
5H730XX03
5H730XX12
5H730XX23
5H730XX32
5H730XX43
(57)【要約】      (修正有)
【課題】電圧レギュレータ回路におけるオーバーシュート検出に関する。
【解決手段】電圧レギュレータ100のフィードバック回路は、第1の比較器104と、第2の比較器106と、論理回路108とを含む。第1の比較器104は、電圧調整目標信号とフィードバック電圧信号との比較に基づいてオーバーシュート信号を生成するように構成される。第2の比較器106は、電流検知増幅電圧VCSAと基準電圧REFとの比較に基づいて順方向電流信号を生成するように構成される。論理回路108は、オーバーシュート信号および順方向電流信号に基づいて遮断信号を生成するように構成される。インダクタLの第2の端部と基準接地との間に接続されたトランジスタLFETのゲート信号LGATEは、遮断信号に少なくとも部分的に基づいて生成され、真の値を有する遮断信号に少なくとも部分的に基づいてトランジスタLFETを開かせるように構成される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源入力と、
基準接地と、
第1の端部および第2の端部を含むインダクタであって、前記第2の端部が負荷に接続される、インダクタと、
電源入力と前記インダクタの前記第1の端部との間に配置された第1のトランジスタと、
前記基準接地と前記インダクタの前記第1の端部との間に配置された第2のトランジスタと、
前記インダクタの前記第2の端部と前記基準接地との間に配置されたコンデンサと、
前記第2のトランジスタのゲート信号を出力するように構成されたフィードバック回路であって、前記第2のトランジスタのゲートを制御して前記第2のトランジスタを開閉するように構成されたフィードバック回路と、
を含む電圧レギュレータ回路を含み、
前記フィードバック回路は、
第1の比較器であって、前記第1の比較器は、電圧調整目標信号とフィードバック電圧信号との比較に基づいてオーバーシュート信号を生成するように構成され、前記フィードバック電圧信号は、前記インダクタの前記第2の端部で測定された出力電圧と、前記インダクタの前記第2の端部で測定された負荷電流に対応する電流検知増幅電圧とに少なくとも部分的に基づいて決定される、第1の比較器と、
第2の比較器であって、前記第2の比較器は、前記電流検知増幅電圧と基準電圧との比較に基づいて順方向電流信号を生成するように構成された第2の比較器と、
論理回路であって、前記論理回路は、前記オーバーシュート信号と前記順方向電流信号とに基づいて遮断信号を生成するように構成され、前記ゲート信号は、前記遮断信号に少なくとも部分的に基づいて生成され、前記ゲート信号は、真の値を有する前記遮断信号に少なくとも部分的に基づいて前記第2のトランジスタを開かせるように構成される、論理回路と、
を含む、半導体装置。
【請求項2】
前記ゲート信号は、前記遮断信号とパルス幅変調信号とに少なくとも部分的に基づいて生成される、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第2のトランジスタは、開いているときにダイオードとして機能するように構成され、前記インダクタの両端間の電圧差は、前記ダイオードの両端間の電圧差と前記コンデンサの両端間の電圧差との組み合わせに等しい、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記論理回路は、両方の信号が真の値を有する前記オーバーシュート信号および前記順方向電流信号に基づいて、真の値を有する前記遮断信号を生成するように構成される、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1の比較器は、前記電圧調整目標信号が前記フィードバック電圧信号よりも小さいことに基づいて、真の値を有する前記オーバーシュート信号を生成するように構成される、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第2の比較器は、前記電流検知増幅電圧が前記基準電圧よりも大きいことに基づいて、真の値を有する前記順方向電流信号を生成するように構成される、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記インダクタは、前記第2のトランジスタが閉じているときには第1の速度で、前記第2のトランジスタが開いているときには第2の速度で、前記コンデンサにエネルギーを放出するように構成され、前記第2の速度は、前記第1の速度よりも速い、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項8】
負荷線電流に対応する電流検知増幅電圧信号を取得すること、
電流検知増幅電圧信号と基準値との比較に基づいて、前記負荷線電流がインダクタの第1の端部からコンデンサに順方向に流れていることを判定すること、
電圧調整目標信号を取得すること、
負荷線の出力電圧に基づいてフィードバック信号を取得すること、
前記電圧調整目標信号と前記フィードバック信号との比較に基づいて、電圧オーバーシュートが進行中であることを判定すること、
前記負荷線電流が順方向に流れているとの判定と、前記電圧オーバーシュートが進行中であることの判定とに基づいて、前記インダクタの第2の端部と基準接地との間に配置されたトランジスタを開くことであって、前記トランジスタを開くことは、前記インダクタの両端間の電圧差を増大させて、トランジスタに蓄積されたエネルギーの前記コンデンサへの散逸速度を増大させることである、トランジスタを開くこと、
を含む電圧調整方法。
【請求項9】
電流検知増幅電圧信号を再取得すること、
前記再取得された電流検知増幅電圧信号と前記基準値との比較に基づいて、前記負荷線電流が停止していること、または、前記負荷線電流が前記コンデンサから前記インダクタの前記第1の端部へ逆方向に流れていることを判定すること、
前記負荷線電流が前記コンデンサから前記インダクタの前記第1の端部へ逆方向に流れているとの判定に基づいて、前記インダクタの第2の端部と基準接地との間に配置されたトランジスタを閉じること、
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
フィードバック信号を再取得すること、
電圧調整目標信号と前記再取得されたフィードバック信号との比較に基づいて、電圧オーバーシュートがもはや進行中ではないことを判定すること、
電圧オーバーシュートもはや進行中でないという判定に基づいて、インダクタの第2の端部と基準接地との間に配置されたトランジスタを閉じること、
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記電流検知増幅電圧信号と前記基準値との前記比較に基づいて、前記負荷線電流がインダクタの第1の端部からコンデンサに順方向に流れていることを判定することは、前記電流検知増幅電圧信号が前記基準値よりも大きいことを決定することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記電圧調整目標信号と前記フィードバック信号との前記比較に基づいて、前記電圧オーバーシュートが進行中であると判定することは、前記電圧調整目標信号が前記フィードバック信号よりも小さいと決定することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記負荷線電流が前記順方向に流れているとの前記判定および前記電圧オーバーシュートが進行中であるとの前記判定に基づいて、前記インダクタの前記第2の端部と前記基準接地との間に配置された前記トランジスタを開くことは、前記電流検知増幅電圧信号が前記基準値よりも大きく、前記電圧調整目標信号が前記フィードバック信号よりも小さいと判定することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
第1の比較器であって、前記第1の比較器は、電圧調整目標信号とフィードバック電圧信号との比較に基づいて、オーバーシュート信号を生成するように構成され、前記フィードバック電圧信号は、電圧レギュレータのインダクタの第1の端部で測定された出力電圧と、前記インダクタの前記第1の端部で測定された負荷電流に対応する電流検知増幅電圧とに少なくとも部分的に基づいて決定される、第1の比較器と、
第2の比較器であって、前記第2の比較器は、電流検知増幅電圧と基準電圧との比較に基づいて、順方向電流信号を生成するように構成される第2の比較器と、
論理回路であって、前記論理回路は、オーバーシュート信号および順方向電流信号に基づいて、遮断信号を生成するように構成され、前記インダクタの第2の端部と基準接地との間に接続されたトランジスタのゲート信号は、遮断信号に少なくとも部分的に基づいて生成され、ゲート信号は、真の値を有する遮断信号に少なくとも部分的に基づいてトランジスタを開かせるように構成される、論理回路と、
を含む、電圧レギュレータのフィードバック回路。
【請求項15】
前記ゲート信号は、前記遮断信号と、コントローラから得られるパルス幅変調信号とに少なくとも部分的に基づいて生成される、請求項14に記載の電圧レギュレータのフィードバック回路。
【請求項16】
前記トランジスタは、開いているときにダイオードとして機能するように構成され、前記インダクタの両端の電圧差は、前記ダイオードの両端間の電圧差と、前記インダクタの前記第1の端部に接続されたコンデンサの両端間の電圧差との組み合わせに等しい、請求項14に記載の電圧レギュレータのフィードバック回路。
【請求項17】
前記論理回路は、両方の信号が真の値を有する前記オーバーシュート信号および前記順方向電流信号に基づいて、真の値を有する前記遮断信号を生成するように構成される、請求項14に記載の電圧レギュレータのフィードバック回路。
【請求項18】
前記第1の比較器は、前記電圧調整目標信号が前記フィードバック電圧信号よりも小さいことに基づいて、真の値を有する前記オーバーシュート信号を生成するように構成される、請求項14に記載の電圧レギュレータのフィードバック回路。
【請求項19】
前記第2の比較器は、前記電流検知増幅電圧が前記基準電圧よりも大きいことに基づいて、真の値を有する前記順方向電流信号を生成するように構成される、請求項14に記載の電圧レギュレータのフィードバック回路。
【請求項20】
前記インダクタは、第2のトランジスタが閉じているときの第1の速度、および前記第2のトランジスタが開いているときの第2の速度で、前記インダクタの前記第1の端部に接続されたコンデンサにエネルギーを放出するように構成され、前記第2の速度は、前記第1の速度よりも速い、請求項14に記載の電圧レギュレータのフィードバック回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2023年3月3日に出願された米国特許出願第63/488,342号(35U.S.C.119(e)):発明の名称「度ループ制御による電圧レギュレータの高速オーバーシュートの検出方法」に基づく優先権の利益を主張するものであり、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に半導体装置に関する。より具体的には、本開示は、電圧レギュレータ回路におけるオーバーシュート検出に関する。
【背景技術】
【0003】
電圧レギュレータ回路は、1つまたは複数の負荷による使用のために、電源から調整された一定の出力電圧を生成するための仲介として働く。そのような電圧レギュレータ回路は、バック、ブースト、および低ドロップアウト(LDO)レギュレータ構成要素などの線形または他の電圧レギュレータ構成要素を利用し得る。場合によっては、負荷の電力要件が急速に減少するとき、例えばインダクタ内の電圧レギュレータ回路にすでに存在する過剰電力は、例えば、出力コンデンサに分路し、その後、出力コンデンサを接地に排出することによって、消散される必要があり得る。
【発明の概要】
【0004】
一実施形態では、電圧レギュレータ回路を含む半導体装置が開示される。電圧レギュレータ回路は、電力入力と、基準接地と、第1の端部および第2の端部を含むインダクタであって、第2の端部が負荷に接続されるインダクタと、電力入力とインダクタの第1の端部との間に配置される第1のトランジスタと、基準接地とインダクタの第1の端部との間に配置される第2のトランジスタと、インダクタの第2の端部と基準接地との間に配置されるコンデンサと、第2のトランジスタのためのゲート信号を出力するように構成されるフィードバック回路とを含む。ゲート信号は、第2のトランジスタのゲートを制御して、第2のトランジスタを開閉するように構成される。フィードバック回路は、第1の比較器を含む。第1の比較器は、電圧調整目標信号とフィードバック電圧信号との比較に基づいてオーバーシュート信号を生成するように構成される。フィードバック電圧信号は、インダクタの第2の端部で測定された出力電圧と、インダクタの第2の端部で測定された負荷電流に対応する電流検知増幅電圧とに少なくとも部分的に基づいて決定される。フィードバック回路は、第2の比較器を含む。第2の比較器は、電流検知増幅電圧と基準電圧との比較に基づいて順方向電流信号を生成するように構成される。フィードバック回路は、論理回路を含む。論理回路は、オーバーシュート信号および順方向電流信号に基づいて、遮断信号を生成するように構成される。ゲート信号は、遮断信号に少なくとも部分的に基づいて生成される。ゲート信号は、真の値を有する遮断信号に少なくとも部分的に基づいて、第2のトランジスタを開かせるように構成される。
【0005】
一実施形態では、電圧調整方法が開示される。本方法は、負荷線電流に対応する電流検知増幅電圧信号を取得することと、電流検知増幅電圧信号と基準値との比較に基づいて、負荷線電流がインダクタの第1の端部からコンデンサに順方向に流れていると判定することと、電圧調整目標信号を取得することと、負荷線の出力電圧に基づいてフィードバック信号を取得することと、電圧調整目標信号とフィードバック信号との比較に基づいて、電圧オーバーシュートが進行中であると判定することと、負荷線電流が順方向に流れていると判定することと、電圧オーバーシュートが進行中であると判定することとに基づいて、インダクタの第2の端部と基準接地との間に配置されたトランジスタを開くこととを判定することとを含む。トランジスタの開口部は、インダクタの両端間の電圧差を増加させて、トランジスタに蓄積されたエネルギーのコンデンサへの消散速度を増加させる。
【0006】
一実施形態では、電圧レギュレータのフィードバック回路が開示される。電圧レギュレータのフィードバック回路は、第1の比較器を含む。第1の比較器は、電圧調整目標信号とフィードバック電圧信号との比較に基づいてオーバーシュート信号を生成するように構成される。フィードバック電圧信号は、電圧レギュレータのインダクタの第1の端部で測定された出力電圧と、インダクタの第1の端部で測定された負荷電流に対応する電流検知増幅電圧とに少なくとも部分的に基づいて決定される。電圧レギュレータのフィードバック回路は、第2の比較器を含む。第2の比較器は、電流検知増幅電圧と基準電圧との比較に基づいて順方向電流信号を生成するように構成される。電圧レギュレータのフィードバック回路は、論理回路を含む。論理回路は、オーバーシュート信号および順方向電流信号に基づいて、遮断信号を生成するように構成される。インダクタの第2の端部と基準接地との間に接続されたトランジスタのゲート信号は、遮断信号に少なくとも部分的に基づいて生成される。ゲート信号は、真の値を有する遮断信号に少なくとも部分的に基づいて、トランジスタを開かせるように構成される。
【0007】
前述の概要は、例示に過ぎず、決して限定することを意図するものではない。上述の例示的な態様、実施形態、および特徴に加えて、さらなる態様、実施形態、および特徴が、図面および以下の詳細な説明を参照することによって明らかになるであろう。図面中では、同じ参考番号は、同一のまたは機能的に同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一実施形態による電圧レギュレータを実装する例示的なシステムを示す図である。
図2図2は、一実施形態による図1のシステムの例示的な電圧レギュレータ回路を示す回路図である。
図3図3は、一実施形態によるオーバーシュートシナリオ中の図2の電圧レギュレータ回路における流れ方向を示す回路図である。
図4図4は、一実施形態による、オーバーシュートシナリオがピークに達し、電流が方向を逆転した後の図2の電圧レギュレータ回路における流れ方向を示す回路図である。
図5図5は、一実施形態による、負荷によって引き出される電流が急速に低減されるときのオーバーシュートシナリオの一例を示す信号図である。
図6図6は、一実施形態による、ダイオード遮断中の図2の電圧レギュレータ回路におけるインダクタの両端間の電圧差を示す回路図である。
図7図7は、一実施形態による、図2の電圧レギュレータ回路のトリガ論理回路を利用するオーバーシュートシナリオの例を示す信号図である。
図8図8は、一実施形態による、DAC入力への分圧器を利用する、図1のシステムの例示的な電圧レギュレータ回路を示す回路図である。
図9図9は、一実施形態による、図2の電圧レギュレータ回路を使用して、オーバーシュートシナリオ中に電圧調整を実施する例示的なプロセスを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、一実施形態による例示的な電圧レギュレータ100を含むシステム10を示す図である。システム10は、コントローラ12と、電圧レギュレータ100と、負荷200とを含む。
【0010】
コントローラ12は例えば、プロセッサ、マイクロコントローラ、中央処理装置(CPU)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または電圧レギュレータ100による負荷200へのエネルギーの供給を監視および管理するように構成された任意の他の回路を含む。
【0011】
電圧レギュレータ100は、電圧入力VINとして、負荷電流ILOADに対応する電流検知増幅信号VCSA、コントローラ12からの電圧基準信号VREF、コントローラ12からのパルス幅変調信号PWM、および基準接地信号VSSを入力とする。電圧レギュレータ100は例えば、マイクロプロセッサなどの負荷200による使用のために、調整された電圧出力VOUTを出力する。VOUTはまた、フィードバックのための入力として利用されてもよい。入力および出力として示されているが、VIN、VCSA、VREF、PWM、VSS、およびVOUTのいずれも、代替的に、外部入力または出力への接続なしで電圧レギュレータ100によって使用するために、電圧レギュレータ100の内部に完全に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、追加のまたは代替の入力および出力も利用され得る。
【0012】
図2を参照すると、一実施形態による電圧レギュレータ100の例示的な回路構成が示されている。VINは、上側電界効果トランジスタUFETと呼ばれるハイサイド電界効果トランジスタ(FET)を介して、インダクタLに供給され、このインダクタLは、負荷200(図1)で使用するための調整された出力電圧VOUTを生成するために利用される。
【0013】
負荷200は例えば、プロセッサ、マイクロコントローラ、中央処理装置(CPU)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、バッテリ、または調整された電圧入力を利用するか、またはそうでなければ必要とする任意の他の回路を備え得る。ILOADと呼ばれる、負荷200に供給される電流は、負荷200の電力要求に応じて、必要に応じて急速に増減することができる。
【0014】
LOADが急速に低下すると、例えば、プロセッサのような負荷200は、もはや同量の電力を必要とせず、電圧レギュレータ100は、インダクタLを通る電流が例えば、0Aのような基準値まで、低減されたILOAD値まで、または任意の他の所定の値まで十分に低減されるまで、インダクタLにおける過剰なエネルギーをコンデンサCに一時的に放出するよう構成されている。負荷200の電力要件の低下に起因してコンデンサCを充電することは、時折、オーバーシュートと呼ばれることがある。図3に、コンデンサCが充電VCAPを持つ場合のオーバーシュート時の電流の流れを示す。次に、図4に示すように、コンデンサCの充電VCAPは、低電界効果トランジスタLFETとラベル付けされたローサイドFETを通って、インダクタLを通る電流の流れを逆にすることによって基準接地VSSに排出される。
【0015】
インダクタLへの電流負荷および負荷200によって引き出される電流ILOADに応じて、ILOADの急速な低減は、インダクタLに蓄積されたエネルギーを放出することを管理するために、コンデンサCへの充電VCAPにおける著しい電圧オーバーシュートをもたらし得る。このような大きな電位オーバーシュートを管理するための回路を設計することは、大型コンデンサCの使用を伴い得、これは、半導体装置への回路に関して大きなフットプリントを占める。
【0016】
図5は、例示的なオーバーシュートシナリオの例示的な信号図を示す。図5に示すように、LFET用のゲート信号LGATEは、例えばVINからインダクタLに電源を供給するためのHFETの開閉と協働して、インダクタLを通る電流Iを調整するためにLFETを開閉する。Iは、出力電圧が約VOUTに維持されている間に、負荷200によって引き込まれる電流ILOADに基づく波形として示されている。コンデンサCへの充電VCAPは、ほぼVOUTまで充電され、負荷200に基づいてVOUTの周りで変動し、LFETが活性であり、電流IがインダクタLを通ってILOADに流れるかどうかを示す。例えば、1.0V、1.08V、1Aおよび7Aなどの特定の値が説明の目的のために使用されるが、任意の他の値が代替的に利用されてもよい。
【0017】
時刻tにおいて、例示的なシナリオでは、ILOADがHFETおよびLFETの動作に基づいて、インダクタLおよびコンデンサCが維持している1.0VのVOUTで7Aの電流を引き出している。
【0018】
時間tにおいて、例えば、負荷200が電力をもはや必要としないか、または電力要求が著しく低減されたため、ILOADは著しく減少し、LGATE信号は現在、ハイであり、LFETを閉じ、コンデンサCへの充電VCAPは、インダクタLに蓄積されたエネルギーを放出するために増大する。放出の一部として、LFETは、閉じた状態で、低インピーダンス、例えば、約0の実効Rdsonを有し、例えば、閉じたLFETの低インピーダンスにより、インダクタLのLFETサイドの電圧を0Vにすることが効果的になり、一方、インダクタLのコンデンサCサイドは、約VOUTの初期充電VCAP、すなわち、コンデンサC上にすでに蓄積された電荷を有する。インダクタLの両端の電圧差は例えば、tとt間のIの傾斜Sによって見られるように、例えば、インダクタLにエネルギーが蓄積される
を決定する。
【0019】
図5を引き続き参照すると、ILOADが急速に降下すると、インダクタLを通る電流Iは、図3に示されるように、電圧VOUTでコンデンサCに流れ始め、コンデンサCに蓄積される電荷VCAPを増加させる。コンデンサCは、Iが新しいILOAD値が例えば、例示的な図では、時刻tに1Aに降下するまで充電されるが、他の実施形態では、負荷200が取り除かれるかまたはターンオフされる場合、0Aが使用され得、その後、コンデンサCは、もはや充電を継続しない。例えば、時刻tにおいて、コンデンサCへの充電VCAPは、約1.08V、またはVOUT+0.08V、0.08Vのオーバーシュートであり得る。IがILOADを通り過ぎて降下すると、例えばILOADとの電流平衡に達すると、図4に示されるように、電流の流れは、逆向きになり、コンデンサCからインダクタLを通って、LFETを通って基準接地VSSに流れ、コンデンサCからのオーバーシュートを放出する。一実施形態では、ILOADが1A未満である(しかし0に達しない)など、比較的低しきい値未満になるまで低減し続けることができ、放出は、LFETがターンオフされるまで継続することができる。コンデンサCは、UFET&LFETがVCAPの目標電圧VCAPに戻るまで、ILOADとIの両方に電流を供給することができる。このようにして、ILOADが急激に低減されたときにインダクタL上に存在する電荷によって引き起こされるオーバーシュートは、コンデンサCのVOUTへの放出を通して、電圧レギュレータ100によって制御される。いくつかの実施形態では、コンデンサCへの電荷VCAPが所定の量、例えば、10%または別の値だけVOUTを上回ると決定されるとき、LGATEは、インダクタLからコンデンサCに印加される電荷の量を低減するために、LFETを開くように制御され得る。
【0020】
一実施形態では、インダクタLに蓄積された電流IがコンデンサCに充電する速度を改善して、オーバーシュートを低減することができる。例えば、LFETは、インダクタLの両端間の電圧差を調整することによって電流Iへのダイオード遮断として作用するように開かれ得る。図6を参照すると、例えば、LFETが開いているとき、LFETは、基準接地VSSとインダクタLとの間の電圧差VFETを有するダイオードとして作用する。コンデンサCは、インダクタLの他端と基準接地VSSとの間に、VCAPの最初の充電である電圧差VOUTを有する。コンデンサCがVOUTを超えて充電することにつれて、インダクタLの両端の電圧も変化し、VCAP-VFETに相当するLの両端の電圧も変化し、したがって、VCAPが増大することにつれて、インダクタLの両端の電圧も増大する。LFETとコンデンサCとの間の電圧差は、共に、VOUT-VFETのインダクタLにわたる電圧差を画定し、これは、インダクタLへの電流がコンデンサCに充電される速度をより少なくするために利用され得、それによって、コンデンサCに充電される電圧VCAPの量は、図5において上記で説明された例示的なシナリオと比較して、IがILOADと交差する時間まで低減され、ここで、LFETが低インピーダンス、例えば、約0のRdsonで閉じられたままにされ、いくつかの実施形態では、コンデンサCへの電圧VCAPが、例えば、VOUTまたは別の値よりも10%高いなどの所定の量を超える場合にのみ、開かれる。一実施形態では、例えば、開LFETのダイオード遮断作用を利用して、インダクタLに蓄積されたエネルギーの一部を消散させ、コンデンサCに放出されるエネルギーの量、したがって、コンデンサCへの電圧オーバーシュートの量を低減することができる。
【0021】
例えば、図5および図7を参照すると、図5の実施形態と比較して、オーバーシュートの早い時期にLFETによってダイオード遮断を開始するように構成されたトリガ論理回路102またはパーセントベースのオーバーシュートトリガの使用によって、ILOADの急激な変化に応じてLFETが開かれる時期を決定することができる。トリガ論理回路102は、比較器104および106と、ANDゲートとして構成された論理回路108とを含む。
【0022】
比較器104は、VOUT(またはVCAP)およびVCSAに基づいて、例えば分圧器によってスケーリングされたフィードバック信号を受信し、フィードバック信号を、本明細書では、DAC信号とも呼ばれるデジタルアナログ変換器(DAC)入力110から受信された電圧調整目標信号と比較する。例えば、例示的なシナリオでは、目標VOUT、例えば、1Vに対応してもよい。比較器104は、オーバーシュートが発生しているか否か、例えば、DAC信号<フィードバック信号=オーバーシュートを判定し、対応するオーバーシュート信号を論理回路108に出力するように構成される。例えば、DAC信号がフィードバック信号よりも小さいとき、比較器104は、論理真に対応する値でオーバーシュート信号を出力する。DAC信号がフィードバック信号以上である場合、比較器104は、論理真に対応する値でオーバーシュート信号を出力する。
【0023】
比較器106は、本明細書では、負荷線電流とも呼ばれ、インダクタLから負荷200およびコンデンサCに向かって出力される電流に対応する増幅電流感知信号VCSAと、基準信号REF、例えば0Aとを比較して、VCSA>REFのときに負荷線電流が順方向に、例えばコンデンサCに向かって放出しているかどうかを判定し、順方向電流信号を論理回路108に出力する。例えば、VCSA>REFであるとき、順方向電流信号は、論理真に対応する値で比較器106によって出力されてもよく、例えば、コンデンサCに流れる電流は、正である。VCSAが≦REFであるとき、順方向電流信号は、論理偽に対応する値で比較器106によって出力されてもよく、例えば、電流は、コンデンサCへの流れを停止しているか、または逆転してコンデンサCから流れ始めている。
【0024】
論理回路108は、オーバーシュートおよび順方向電流信号に基づいてダイオード遮断信号を出力する。オーバーシュート電流信号および順方向電流信号の両方が論理真値に対応する場合、論理回路108は、ダイオード遮断信号の論理真値を出力する。そうでない場合、論理回路108は、ダイオード遮断信号の論理偽値を出力する。これらの信号のいずれも、デジタルバイナリ形式であってもよく、または適切なバイナリ出力に対応する電圧または他の信号特性、例えば、真または偽に対応する電圧値でアナログ値として出力されてもよいことが理解される。
【0025】
ダイオード遮断信号は、電圧レギュレータの通常動作中にLFETの開閉を制御するPWM信号と共に、論理回路112に供給される。いくつかの実施形態では、論理回路112がNORゲート機能を備えてもよいが、他のタイプの論理回路が代替的に利用されてもよい。論理回路112は、LFETの起動を制御するためのLGATEを出力する。
【0026】
図7に示されるように、例えば、時刻tと時刻tとの間で、ダイオード遮断信号は、ロー、例えば、0Vまたは2進0に設定され、LGATE信号は、オン状態、例えば、1.5Vとオフ状態、例えば、0Vとの間で遷移し、LFETを開閉し、IをILOADとほぼ同じ値、例えば、この実施形態では、7Aに維持する。VCAPはまた、図5と同様であるが、例えば、約0.955Vのように、1Vの目標VOUTにほぼ維持されるが、VCAPは、例えば、ILOADに対するIの振動と同様に、図7に示されるものよりも長い期間にわたって、VOUTを用いて、小さな正と負の差の間で振動する。
【0027】
時刻tにおいて、ILOADは、7Aから1Aに劇的に低下する。LGATEは、依然として高く、LFETは、閉じられており、例えば、低インピーダンスであり、電位差がほとんどないか、または全くない。
【0028】
時刻tから時刻tまでに見られるように、Iは、傾斜S、例えば、LGATEが高くLFETが閉じられているときにIが通常低下するのと同じまたは同様の傾斜で低下し始める。例えば、傾斜Sは、
に対応し、ここで、
は、最初はVOUTである。また、VCAPは、インダクタLからの余分なエネルギーが負荷200に流れる代わりにコンデンサCに放出されるにつれて、急速に増大する。
【0029】
時刻tにおいて、トリガ論理回路102は、例えば、VOUT、VCSA、およびDAC110からのフィードバックに基づいて、進行中の順方向電流およびオーバーシュートがあると判定する。例えば、比較器106は、VREFよりも大きいVCSAに基づいて、コンデンサCへの負荷線電流が順方向に流れていると判定し、順方向電流をハイに設定してもよい。同様に、比較器104は、フィードバック信号が、オーバーシュートが進行中であることを示すDAC信号よりも大きいと判定し得、オーバーシュート信号をハイに設定し得る。言い換えれば、VOUTのフィードバック(図7では、VCAPと表示)が図7の時刻tに示すようにDAC信号(図7では、VCAPと表示)よりも大きい場合、ダイオード遮断信号は、ハイになることができる。
【0030】
順方向電流信号およびオーバーシュート信号の両方がハイであるので、論理回路108は、例えば、図7の0Vから1.5Vに遷移するダイオード遮断信号によって示されるように、時刻tにおけるダイオード遮断信号に対してハイの値を出力する。LGATEは、すでにハイに設定されており、例えば、ダイオード遮断信号がローであった時刻tと時刻tとの間にPWM信号がローであったので、論理回路112に、論理回路112がハイLGATE信号を出力する0.0入力を与え、ダイオード遮断信号がハイに移行すると、論理回路112は、例えば、1.0入力、およびLFETを開くことに起因して、ローLGATE信号を出力する。例えば、図7に示すように、ダイオード遮断信号が0Vから1.5Vに遷移すると、LGATE信号は、1.5Vから0Vに遷移し、LFETが上述のようにダイオードとして動作するように、ターンオフし、LFETを開く。言い換えると、ダイオード遮断信号がハイになると、時刻tにおいてLGATE信号がローになることによって示されるように、LFETは、強制的にターンオフされるか、または強制的に開かれる。
【0031】
時刻tから時刻tまで、LFETがターンオフされた状態で、Iは、例えば、VOUTだけではなく、インダクタLの両端の電位差がVOUT-VFETのため、より急傾斜のSでより速く減少し始める。例えば、傾斜Sは、
に対応し、ここで、
はVOUT-VFETである。VCAPは、コンデンサCへの順方向電流がILOADに低下することにより、VCAPが安定した時刻tまで立ち上がり続ける。図7に示すように、本実施形態では、LFETでのダイオード遮断の早期活性化により、VCAPは、図5の例示的なシナリオと比較してはるかに少ない量だけVOUTをオーバーシュートする。例えば、図7に示されるように、VCAPは、約0.02VだけVOUTオーバーシュートし、一方、図5では、VCAPが約0.08VだけVOUTをオーバーシュートし、オーバーシュートを著しく低減する。
【0032】
図8を参照すると、電圧レギュレータ100の実施形態では、DAC入力110は、抵抗分割器、例えば、抵抗器114と、抵抗器116を介した基準接地VSSへの接続とを含むことができる。抵抗分割器は、スケーリングされたフィードバック信号と比較するために、DAC信号のスケーリングされたバージョンを提供する。
【0033】
図9を参照して、オーバーシュートシナリオを処理するために電圧レギュレータ100を使用するプロセスが、ここで説明される。図9のプロセスは、ステップ900~920を含み、システム10での使用に適しているが、より一般的には、電圧調整のための他のタイプのシステムに適用可能である。
【0034】
ステップ900において、電圧レギュレータ100は、例えば、負荷線の測定された電流に基づいて、VCSAを取得する。
【0035】
ステップ902において、電圧レギュレータ100は、VCSA>REFであるかどうかを判定し、VCSA>REFである場合、電圧レギュレータ100は、ステップ904において、順方向電流信号をハイに設定する。VCSA≧REFの場合、ステップ904において、電圧レギュレータは、順方向電流信号をローに設定する。
【0036】
ステップ906において、電圧レギュレータ100は、フィードバック信号およびDAC信号を取得する。
【0037】
ステップ908において、電圧レギュレータ100は、DAC信号>フィードバック信号であるかどうかを判定する。DAC信号<フィードバック信号の場合、電圧レギュレータ100は、ステップ910において、オーバーシュート信号をハイに設定する。DAC信号≧フィードバック信号である場合、電圧レギュレータ100は、ステップ904において、オーバーシュート信号をローに設定する。
【0038】
ステップ900~904および906~908は、直列、並列、または任意の他の順序で実行され得る。
【0039】
ステップ912において、電圧レギュレータ100は、順方向電流信号およびオーバーシュート信号の両方がハイであるかどうかを判定する。順方向電流信号およびオーバーシュート信号の両方がハイである場合、電圧レギュレータ100は、ステップ914において、ダイオード遮断信号をハイに設定する。順方向電流信号およびオーバーシュート信号のいずれかがハイでない場合、電圧レギュレータ100は、ステップ914において、ダイオード遮断信号をローに設定する。
【0040】
ステップ916において、電圧レギュレータ100は、コントローラ12からPWM信号を取得する。ステップ916は、ステップ900~914のいずれかと直列に、または並列に、または任意の他の順序で実行され得る。
【0041】
ステップ918において、電圧レギュレータ100は、ダイオード遮断信号およびPWM信号のうちの少なくとも1つがハイであるかどうかを判定する。ダイオード遮断信号およびPWM信号のうちの少なくとも1つがハイである場合、電圧レギュレータ100は、ステップ920においてLGATE信号をローに設定し、LFETを開いてインダクタLのダイオード遮断を開始する。ダイオード遮断信号およびPWM信号のいずれもハイでない場合、電圧レギュレータ100は、ステップ920においてLGATE信号をハイに設定し、LFETを閉じる。次いで、処理は、任意の順序で、または並行して、ステップ900、906、および916に戻り、オーバーシュートシナリオまたはオーバーシュートシナリオの終わりについて電圧レギュレータ100を監視し続け、それに応じてLFETを開くまたは閉じるようにLGATEを設定する。
【0042】
図9のフローチャートと併せて説明される特定の処理動作および他のシステム機能は、例示のためだけに提示され、決して本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。代替の実施形態は、他のタイプの処理動作を使用することができる。例えば、プロセスステップの順序付けは、他の実施形態において変更されてもよく、または特定のステップは、連続的ではなく、互いに少なくとも部分的に同時に実行されてもよい。また、プロセスステップのうちの1つまたは複数は、周期的に繰り返されてもよく、またはプロセスの複数のインスタンスは、開示された実施形態を実施するために、互いに並行して実行されてもよい。
【0043】
図9のプロセスに関連して説明したような機能は、少なくとも部分的にはメモリに記憶され、コンピュータまたはサーバなどの処理装置のプロセッサによって実行される1つまたは複数のソフトウェアプログラムの形態で実装され得る。本明細書で説明するように、その中に具現化された1つまたは複数のソフトウェアプログラムの実行可能プログラムコードを有するメモリまたは他の記憶装置は、本明細書でより一般的に「プロセッサ可読記憶媒体」と呼ばれるものの一例である
また、上記実施の形態で説明した電圧レギュレータ回路は、負荷電流ILOADが急激に低下したときに、インダクタLの電流Iが低下する速度を早期に上昇させるトリガとなるメカニズムを提供する。電流Iが減少する速度のより早い上昇をトリガすることによって、オーバーシュートシナリオ中にインダクタLによってコンデンサCに印加される電圧の大きさが減少し、オーバーシュートがより小さくなり、オーバーシュートシナリオを処理するためにコンデンサCをより小さく使用する可能性が生じる。必要とされるコンデンサのサイズを縮小することは、より良好かつより効率的な回路設計を可能にし、電圧レギュレータを実装する半導体装置へのコンデンサのための回路フットプリントを低減する。また、オーバーシュート量を低減することにより、負荷電流の急激な変化による半導体装置の潜在的な損傷を緩和または抑制することができる。
【0044】
図中のフローチャートおよびブロック図は、本発明の様々な実施形態による、システム、方法、およびコンピュータプログラム製品の可能な実装形態のアーキテクチャ、機能、および動作を示す。この点に関して、フローチャートまたはブロック図中の各ブロックは、指定された論理機能を実装するための1つまたは複数の実行可能命令を含む、モジュール、セグメント、または命令の一部を表し得る。いくつかの代替的な実装形態では、ブロックに記載された機能が図に記載された順序から外れて発生し得る。例えば、連続して示される2つのブロックは、実際には実質的に同時に実装されてもよく、またはブロックが含まれる機能に応じて、逆の順序で実装されてもよい。ブロック図および/またはフローチャートの各ブロック、ならびにブロック図および/またはフローチャートのブロックの組合せは、指定された機能もしくは行為を実行するか、または専用ハードウェアとコンピュータ命令との組合せを実行する専用ハードウェアベースのシステムによって実装され得ることにも留意されたい。
【0045】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、本発明を限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数形も含むことが意図される。用語「含む(comprises)」および/または「含む(comprising)」は、本明細書で使用される場合、述べられた特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を指定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらのグループの存在または追加を排除しないことがさらに理解されよう。
【0046】
以下の特許請求の範囲において、全ての手段または、段階プラス機能要素の対応する構造、材料、作用、および等価物は、具体的に特許請求される他の特許請求要素と組み合わされて、機能を実行するための任意の構造、材料、または作用を含むことが意図される。本発明の開示された実施形態は、例示および説明の目的のために提示されているが、網羅的であること、または開示された形態の本発明に限定されることは意図されていない。本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく、多くの修正および変形が当業者には明らかであろう。実施形態は、本発明の原理および実用的な用途を最もよく説明し、当業者が、企図される特定の使用に適した様々な修正を伴う様々な実施形態について本発明を理解することを可能にするために選択され、説明されたものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【外国語明細書】