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特開2024-125225インゴットヘッドの形状を制御する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125225
(43)【公開日】2024-09-13
(54)【発明の名称】インゴットヘッドの形状を制御する方法
(51)【国際特許分類】
   B22D 11/10 20060101AFI20240906BHJP
   B22D 11/049 20060101ALI20240906BHJP
【FI】
B22D11/10 D
B22D11/049
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024066155
(22)【出願日】2024-04-16
(62)【分割の表示】P 2022556665の分割
【原出願日】2021-03-25
(31)【優先権主張番号】63/000,058
(32)【優先日】2020-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】506110243
【氏名又は名称】ノベリス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】NOVELIS INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100221501
【弁理士】
【氏名又は名称】式見 真行
(72)【発明者】
【氏名】ウィルソン,フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】マッカラム,ジョン ロバート バスター
(72)【発明者】
【氏名】シンデン,アーロン デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】オプデンドリース,ブレント
(72)【発明者】
【氏名】ハイマス,ジェイソン デル
(72)【発明者】
【氏名】ビショフ,トッド エフ
【テーマコード(参考)】
4E004
【Fターム(参考)】
4E004MC30
4E004NC08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】形成中にインゴットヘッドの形状を制御する、インゴット形成の方法及びシステムを提供する。
【解決手段】鋳造の終わりに、インゴットヘッドを形成する前に、チルバー118または他の冷却構造をインゴット金型102に下げて、インゴットヘッドを形成するための減少した鋳造フットプリントを画定することができる。補足の溶融金属を縮小した鋳造フットプリントに供給し得、チルバーをインゴット106の中心に向かって横方向に移動させて、鋳造フットプリントをさらに縮小することができる。追加の溶融金属が縮小した金型フットプリントを充填するため、インゴットは、インゴットヘッドの高さをさらに増加させるために、チルバーに対して下げられ得る。インゴットヘッドの所望の形状が形成されるまで、追加の溶融金属を追加することができる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
初期鋳造フットプリントを画定する金型に溶融金属を供給し、前記金型に対して可動底部を下げてインゴットの高さを増加させることによって前記インゴットのベースを形成することと、
少なくとも1つの冷却構造を初期位置から垂直方向に移動させて前記溶融金属と接触させることと、
前記少なくとも1つの冷却構造によって少なくとも部分的に境界付けられる減少した鋳造フットプリントを生成するために、前記少なくとも1つの冷却構造を前記溶融金属の上面に沿って水平方向に移動させることであって、前記減少した鋳造フットプリントは前記初期鋳造フットプリントよりも小さい、前記移動させることと、
前記インゴットのヘッドに狭い形状を形成するために、補足の溶融金属を前記減少した鋳造フットプリントに供給することと、
を含む、インゴット形成の方法。
【請求項2】
前記冷却構造がチルバーを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記チルバーが三角形の断面を有する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記溶融金属がアルミニウム合金を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記インゴットの前記ヘッドに対して前記少なくとも1つの冷却構造の第1の位置に隣接する前記溶融金属の第1の領域を凝固させることと、
前記溶融金属の前記上面に沿って前記水平方向に前記少なくとも1つの冷却構造を前記インゴットの前記ヘッドに対して第2の位置に移動させることと、
前記インゴットの前記ヘッドに対して前記少なくとも1つの冷却構造の前記第2の位置に隣接する前記溶融金属の第2の領域を凝固させることと、
をさらに含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記溶融金属を凝固させること、及び、
前記溶融金属を前記凝固させることの後に、
前記溶融金属の前記上面に沿って前記水平方向に前記少なくとも1つの冷却構造を移動させること、
前記可動底部を下げること、または、
前記少なくとも1つの冷却構造を前記垂直方向に上げること、
のうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの冷却構造の前記移動を、少なくとも1つのサーボモータによって行う、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記水平方向に対して前記少なくとも1つの冷却構造の角度を変更することをさらに含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの冷却構造の前記角度を前記変更することが、前記水平方向に前記少なくとも1つの冷却構造を前記移動させることと同時に行われる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの冷却構造が前記水平方向に対して角度を有し、前記少なくとも1つの冷却構造が前記水平方向に移動している間、前記水平方向に対する前記角度が固定されたままである、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの冷却構造を通して冷却剤をルーティングすることをさらに含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つの冷却構造を前記水平方向に移動させることが、前記可動底部を前記下げることと同時に行われる、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つの冷却構造を前記初期位置から前記垂直方向に移動させて前記溶融金属と接触させることは、前記少なくとも1つの冷却構造を前記金型と隣接し、前記溶融金属と接触する下降位置に下げることを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
溶融金属を受け入れるための金型であって、初期鋳造フットプリントを画定する前記金型と、
前記金型に対して垂直方向に移動可能な可動底部と、
溶融金属を前記金型に供給するために配置されたノズルと、
少なくとも1つの冷却アセンブリと、を含み、
前記少なくとも1つの冷却アセンブリは、
少なくとも1つの冷却構造、及び、
前記少なくとも1つの冷却構造と結合され、少なくとも部分的に前記少なくとも1つの冷却構造によって境界付けられ、かつ前記初期鋳造フットプリントよりも小さい、減少した鋳造フットプリントを画定するために、前記冷却構造を前記金型に対して横方向に移動させるよう動作可能であるアクチュエータを含む、インゴット形成のためのシステム。
【請求項15】
前記少なくとも1つの冷却アセンブリは、チルバーアセンブリである、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記少なくとも1つの冷却構造がチルバーを含む、請求項14または15のいずれかに記載のシステム。
【請求項17】
前記チルバーが三角形の断面を有する、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記少なくとも1つの冷却構造が前記横方向に対してある角度をなして位置付けされる、請求項14~17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
前記少なくとも1つの冷却構造の前記角度が調節可能である、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記アクチュエータが、サーボモータ及びボールねじを備える、請求項14~19のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項21】
前記少なくとも1つの冷却構造が少なくとも2つの冷却構造を含み、
前記アクチュエータが前記少なくとも2つの冷却構造を前記横方向に動かすように動作可能である、請求項14~20のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項22】
前記少なくとも1つの冷却構造は、初期位置から前記金型内の下降位置まで前記垂直方向にさらに移動可能である、請求項14~21のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項23】
チルバーアセンブリであって、
垂直方向に移動して溶融金属表面と係合するように構成されたチルバーと、
冷却剤が冷却剤導管を通って運ばれるときに、前記チルバーから熱を散逸させるために、前記チルバーに隣接して配置された前記冷却剤導管と、
角度調整ベースであって、前記角度調整ベースは前記チルバーに機械的に結合され、水平方向に対して複数の所定の角度の間で前記チルバーを選択的に配向するように構成される、前記角度調整ベースと、
を含む、前記チルバーアセンブリ。
【請求項24】
前記角度調整ベースは、前記チルバーを固定角度で固定するためにロック可能である、請求項23に記載のチルバーアセンブリ。
【請求項25】
前記角度調整ベースは、前記チルバーの角度を固定するための留め具と係合する、または前記留め具を受けるように配置された、1つまたは複数の開口部を有する、請求項23または24のいずれかに記載のチルバーアセンブリ。
【請求項26】
前記チルバーが前記溶融金属表面と接触して、金型内で水平方向に移動するように構成される、請求項23~25のいずれか一項に記載のチルバーアセンブリ。
【請求項27】
前記チルバーが三角形の断面を有する、請求項23~26のいずれか一項に記載のチルバーアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2020年3月26日に出願された「METHOD OF CONTROLLING THE SHAPE OF AN INGOT HEAD」と題された米国仮出願第63/000,058号の利益及び優先権を主張するものであり、その内容は、参照により、その全体があらゆる目的のために本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、金属鋳造に関し、より具体的には、半連続鋳造におけるインゴットヘッドの形状を制御することに関する。
【背景技術】
【0003】
半連続鋳造(直接冷却鋳造)とは、可動底部を備えた型内で溶融金属を鋳造するプロセスである。半連続鋳造は、冷却を使用して、金属サンプの外側から内側に流れる溶融金属を固化させる。追加の溶融金属で金型を満たす際に可動底部を下げることにより、インゴットが長くなる。
【0004】
インゴットを形成するとき、鋳造プロセスの終わりに達すると、溶融金属の流れが停止し、インゴットヘッドが冷却されて固体になる。溶融金属の流れが停止すると(例えば、溶融金属がサンプ内で固化すると)、インゴットヘッドに収縮キャビティが形成され得る。収縮キャビティは常に一貫した形状を形成するとは限らず、材料の大部分が不均一な速度で冷却するために変化することが多く、インゴットヘッドの内部応力が変化する原因となる。
【0005】
収縮キャビティが形成されると、結果として大きな内部応力が発生する可能性があり、インゴットヘッドに亀裂が生じて開き、インゴットの端が無駄で使用できない材料になる可能性がある。この現象は、圧延機などの金属加工中に特に顕著になり、このような亀裂や開口部は、材料の大幅な損失につながり得る。
【発明の概要】
【0006】
実施形態という用語及び同様の用語は広義には、本開示の主題及び以下の特許請求の範囲のすべてを指すものとする。これらの用語を含む記述は、本明細書に記載された主題を限定するものでもなく、以下の特許請求の範囲の意味または範囲を限定するものでもないと理解されるべきである。本明細書で網羅される本開示の実施形態は、この発明の概要ではなく、以下の特許請求の範囲によって定義される。この発明の概要は、開示の様々な態様の大まかな概要であり、以下の発明を実施するための形態のセクションでさらに説明される概念のいくつかを紹介する。この概要は、特許請求された主題の主要なまたは必須の特徴を特定することは意図されておらず、特許請求された主題の範囲を決定するために独立して使用されることも意図されていない。主題は、本開示の明細書全体、あらゆる図面、及び各請求項の適切な部分を参照することによって理解されるべきである。
【0007】
本明細書の特定の例は、インゴットヘッドの形状を制御するシステム及び/または方法に関する。鋳造中に形成されるインゴットの形状は、最初は金型によって境界付けられる鋳造フットプリントによって画定され得るが、鋳造の終わり近くのインゴットのヘッドは、金型ではなく、これに限定されないがチルバーアセンブリなどの冷却アセンブリによって境界付けられる縮小された鋳造フットプリントによって画定され得る。冷却アセンブリは、例えば、収縮キャビティに関連する問題を回避するか、さもなければインゴットのその後の処理に有益となり得るインゴットヘッド形状(例えば、先細り形状)を得るために、漸進的に横方向の動きを与える位置から、鋳造フットプリントをさらに減らすことができる位置に金型に沿って下げることができる、1つまたは複数の構成要素(例えば、チルバーなどの冷却構造)を含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、インゴットを形成するための方法が提供される。この方法は、溶融金属を金型に供給してインゴットのベースを形成することを含むことができる。インゴットが形成されると、チルバーなどの冷却構造(冷却構造物)をインゴット内の溶融金属に向かって移動させる。冷却構造が溶融金属に接触した後、冷却構造を横方向に移動させることができ、それにより追加の溶融金属が冷却構造によって境界付けられる。次に、追加の溶融金属を冷却構造によって境界付けられた領域に追加して、インゴットヘッドを形成することができる。
【0009】
いくつかの実施形態では、インゴットを形成するためのシステムが提供される。このシステムは、金型、可動底部、ノズル、及び冷却アセンブリを含むことができる。金型は、溶融金属を受け入れるのに適しており、インゴットの鋳造フットプリントを画定し得る。可動底部は、垂直方向に移動可能であり得る。ノズルは金型の上に配置することができ、溶融金属を金型に供給するのに適している。冷却アセンブリは、冷却構造及びアクチュエータを有し得る。アクチュエータは、冷却構造を横方向に作動させて、冷却構造によって境界付けられたより小さな鋳造フットプリントを作成することができる。
【0010】
いくつかの実施形態では、チルバーアセンブリが提供される。チルバーアセンブリは、チルバー、冷却剤導管、及び角度調整ベースを含むことができる。チルバーは、垂直方向に移動可能であり、溶融金属表面と係合するのに適し得る。冷却剤導管は、冷却剤が導管を通って流れるときに、チルバーから熱を散逸し得る。角度調整ベースは、チルバーを所定の角度の間に向けることができる。
【0011】
他の目的及び利点は、以下の非限定的実施例の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【0012】
本明細書は、以下の添付の図を参照しており、異なる図中での同様の参照番号の使用は、同様のまたは類似の構成要素を例示することを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】様々な実施形態による、インゴットヘッドを成形するためのシステムの断面側面図である。
【0014】
図2A】様々な実施形態による、金型に対して第1の位置に要素を有するチルバーアセンブリの斜視図である。
【0015】
図2B】様々な実施形態による、金型に対して第2の位置に要素を有する図2Aのチルバーアセンブリの斜視図である。
【0016】
図3A】様々な実施形態による、インゴットヘッドを成形するプロセスの例の間のシステムの要素の異なる状態をそれぞれ示す側面図である。
図3B】様々な実施形態による、インゴットヘッドを成形するプロセスの例の間のシステムの要素の異なる状態をそれぞれ示す側面図である。
図3C】様々な実施形態による、インゴットヘッドを成形するプロセスの例の間のシステムの要素の異なる状態をそれぞれ示す側面図である。
図3D】様々な実施形態による、インゴットヘッドを成形するプロセスの例の間のシステムの要素の異なる状態をそれぞれ示す側面図である。
図3E】様々な実施形態による、インゴットヘッドを成形するプロセスの例の間のシステムの要素の異なる状態をそれぞれ示す側面図である。
【0017】
図4A】様々な実施形態による、チルバーアセンブリの例の端面図である。
【0018】
図4B】様々な実施形態による、角度を付けられた方向に配置された要素を有するチルバーアセンブリの端面図である。
【0019】
図5】様々な実施形態による、インゴットを加工するプロセスを示すフローチャートである。
【0020】
図6】様々な実施形態による、図1のシステムと共に使用するための例示的なコンピュータシステムを示す簡略化されたブロック図である。
【0021】
図7】様々な実施形態による、輪郭のある型内の矩形のチルバーの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下の実施例は、本発明をさらに説明するのに役立つが、同時に、そのいかなる限定も構成するものではない。反対に、その様々な実施形態、改変、及び等価物が用いられ得、これらは、本明細書の説明を読んだ後に、本開示の趣旨から逸脱することなく、それら自体を当業者に提案し得るものであることを明確に理解されたい。
【0023】
本開示の特定の態様は、金属などの任意のタイプの材料での使用に適し得るが、本開示の特定の態様は、アルミニウムまたはアルミニウム合金での使用に特に適し得る。
【0024】
金属加工中にインゴットヘッドの形状(例えば、鋳造後のインゴットの最上部)を制御するためのシステム及び/または方法が実施され得る。インゴットの鋳造が終わりに近づくと、冷却構造(チルバーなど)を下げてインゴットの上部と接触させることができる。チルバーが横方向に内側に移動するときに、溶融金属を供給し続けてインゴットのヘッドを形成することができる。金型に対するチルバーの配置により、溶融金属が流入される鋳造フットプリントが減少し、ヘッドが形成される際の溶融金属の冷却量が減少し得る。鋳造フットプリントが減少するため、溶融金属の冷却量が減少し、収縮キャビティによって引き起こされる可能性のある内部応力が軽減され得る。この用途で提供される例は、チルバーの使用を含むが、二次金型壁などの他の適切な冷却構造を代替的または追加的に使用して、鋳造の終わりに向かって鋳造物のフットプリントを減らすことができる。
【0025】
図1は、実施形態による、インゴットヘッドの形状を制御するためのシステム100を示している。システム100は、金型102、可動底部104、溶融金属源112、及び金属レベルセンサ113を含む。システム100はまた、図1のチルバーアセンブリ150の形態である冷却アセンブリを含む。
【0026】
金型102は、溶融金属110を1つまたは複数の金型開口部に受け入れることができる。溶融金属110は、溶融金属110が冷却されて固化するときに、金型102によって封じ込められ、形状に形成され得る。様々な実施形態において、金型102は、4つの側壁を備えた矩形であり得るが、他の形状及び/または数の側壁が利用され得る。いくつかの実施形態では、2つの対向する側壁は垂直であり得、かつ2つの対向する側壁は異形であり得る(例えば、図2A及び2Bの破線201Aによって近似されるような)。金型102の輪郭のある側壁は、金型によって生成されたインゴット106に寸法安定性を提供し得る。例えば、輪郭のある側壁は、インゴット106の反対側の縁に初期湾曲を与え得るが、溶融金属110を継続的に冷却及び固化することによって収縮し、インゴット106の事前に湾曲した縁を矩形プロファイル寄りに少なくとも部分的に平らにすることができ、それはインゴット106のその後の処理に役立ち得る。金型102は、溶融金属110を受け入れるための解放頂部を含み得る。代替の実施形態では、金型102は、溶融金属110を鋳造するのに適した任意のタイプ及び形状であり得る。反対側の端部では、金型102は、インゴット106の固化した金属が排出され、可動底部104によって下げられ得る開放底部を含むことができる。開放底部は、少なくとも部分的にタング109によって境界付けられ得、これは、金型102内のゼロの金属レベルの基準として利用され得る。例えば、タング109の上で測定されたポイントは正の値で表され、タング109の下で測定されたポイントは負の値で表され得る。金型102及び/または可動底部104の側壁は、インゴット106のサイズ及び形状の初期鋳造フットプリントを画定することができる。
【0027】
金型102は、半連続鋳造中にインゴット106を形成するための可動底部104に関連付けられ得る。いくつかの実施形態では、可動底部104は、伸縮式油圧テーブルに取り付けられた始動ヘッドであり得る。
【0028】
金型102は、溶融金属110の冷却を促進し得る。例えば、金型102は水冷することができる。金型102はまた、1つまたは複数の空気、グリコール、または任意の適切な冷却媒体を使用する冷却システムを含むことができる。
【0029】
溶融金属源112は、溶融金属110を金型102に提供することができる。この目的のために、溶融金属源112は、金型102に隣接して配置することができる。溶融金属源112は、溶融金属110を金型102に分配するための適切な構造を含むことができる。例えば、溶融金属源112は、樋114及び/または供給管を含むか、またはそれらに関連付けられ得る。溶融金属源112の樋114、供給管、または他の構造は、溶融金属110が分配され得る1つまたは複数の開口部を含み得る。様々な実施形態では、溶融金属源112は、金型102の上に配置され、1つまたは複数の開口部から金型102に(例えば、金型102によって画定される解放空間に)溶融金属110を堆積させることができる。溶融金属源112は、溶融金属110を収容及び分配するのに適した任意のサイズ及び形状であり得る。図1に示されるように、樋114は、溶融金属110を収容するためのU字型チャネルを備えた矩形を有し得、一般に円筒形である供給管に接続され得るが、他の形状及び/またはプロファイルを利用することができる。実施形態では、溶融金属源112は、弁、停止、制御ピン、漏斗、または他の方法によって溶融金属110の流れを調節し得る。
【0030】
金属レベルセンサ113は、金型102内の金属レベルを検出することができる。金属レベルセンサ113は、溶融または固化した金属のレベルを検出することが可能であり得る。金属レベルセンサ113の非限定的なオプションは、フロート及びトランスデューサ、レーザーセンサ、または金型に対する溶融金属のレベルを収容または検出するための所望の特性を有する別のタイプの固定または可動流体レベルセンサを含み得る。金属レベルセンサ113は、溶融金属源112にフィードバックを提供して、溶融金属110の流れを調整することができる。
【0031】
動作中、溶融金属110が冷却して固化するときにインゴット106が形成され得る。例えば、溶融金属110を金型102に堆積させる前に、可動底部104を持ち上げて金型102に接触させることができる。溶融金属110が金型102内に堆積され、冷却し始め、凝固金属115を形成する。固化金属115が金型102内に形成され始めると、可動底部104を徐々に下降させることができる。凝固金属115は、溶融金属110の周りにケーシングを形成する(溶融金属サンプと呼ばれることもある)。溶融金属110を金型102の上部に追加するに従って、可動底部104を下降させ続け、凝固金属115を連続的に長くすることができる。したがって、可動底部104が下降するにつれて、インゴット106の高さは増加する。溶融金属110が経時的に冷却されると、インゴット106の凝固金属115と供給された溶融金属110との間の境界を示す凝固界面108が中心に向かって内側に移動する。溶融金属110は、横方向116に沿ってインゴット106の上部全体に広がることができる。
【0032】
インゴット106は、溶融温度に加熱することができる任意の金属または金属の組み合わせから形成することができる。非限定的な例では、インゴット106で使用される金属は、アルミニウムまたはアルミニウム合金を含む。追加的または代替的に、インゴット106を形成するために使用される金属は、鉄、マグネシウム、または金属と金属合金の組み合わせを含むこともできる。
【0033】
前述のように、システム100は、1つまたは複数のチルバーアセンブリ150を含む。図1に示されるチルバーアセンブリ150は、可動式であり、チルバー118などの冷却構造、及び垂直アクチュエータ120を含む。チルバー118は、チルバー118を通って流れる水または他の好適な冷却剤によって冷却することができる。チルバー118は、金型102のプロファイルに一致するように成形することができる。金型102のプロファイルに一致して、チルバー118は、真っ直ぐ、曲がった、湾曲した、または角度の付いたプロファイルを有することができる。成形されたチルバー118のいくつかの例は、図4に関して以下で論じられるような三角形の断面を有する、及び/または図7に関して以下で論じられるような湾曲したプロファイルを有するなど、他の図に関して以下でより詳細に論じられる。垂直アクチュエータ120は、上昇位置及び下降位置を含む、垂直方向117に沿った好適な垂直位置の間にチルバーアセンブリ150を配置する。例えば、上昇位置にあるチルバー118は、インゴット106が形成されている間、金型102の上に(例えば、金型102によって境界付けられた領域の垂直平面内に)配置され得る。インゴット106が鋳造の完了に近づくと、垂直アクチュエータ120は、チルバー118を下降位置に下げて金型102内に配置し、インゴット106の固化端(例えば、鋳造のその時点でのインゴット106の上部)に近接させることができる。実施形態では、垂直アクチュエータ120は空気圧シリンダであり得るが、他の任意の好適な位置決めアクチュエータが利用され得る。
【0034】
チルバー118は、下降位置にあるときにインゴット106の端部を狭めて拘束するように構成することができる。以下でより詳細に説明するように、下降位置では、チルバー118は、金型の内壁の内側に配置され、したがって、金型開口部のサイズを縮小する。例えば、インゴットの初期鋳造フットプリントは金型102によって画定されるが、チルバー118が下降位置にあるとき、インゴットの減少した鋳造フットプリントは、少なくとも部分的にチルバー118によって画定される。低減された鋳造フットプリントは、金型102によって画定される初期の鋳造フットプリントよりも小さい。
【0035】
使用中、チルバー118はまた、最初の位置とその後のより狭い位置との間で(本明細書の後続の図に関して説明される構造によってなど)横方向116に移動可能であり得る。チルバー118が横方向内側に移動するにつれて、チルバー118によって画定される減少した鋳造フットプリントは、次第に小さくなり、金型102によって画定される初期の鋳造フットプリントよりも小さくなり得る。いくつかの実施形態では、チルバー118が横方向に移動する速度は可変であり得る。実施形態では、チルバー118は、金型102の内壁の内側ですでに下降位置にあり得、したがって、チルバー118の最初の動きは、横方向となるであろう。実施形態では、チルバー118は、インゴット106の本体を鋳造する間に溶融物内にあり、インゴット106のヘッドが形成され始めてインゴット106のヘッドの形状を制御するときに内側に移動するスキムバーであり得る。
【0036】
いくつかの例では、チルバー118は、冷却剤ジェット119を含み得るか、冷却剤ジェット119と結合され得るか、またはそうでなければ冷却剤ジェット119を装備し得る。本明細書での議論は、主に冷却剤を水と呼んでいるが、他の好適な形態の冷却剤を利用することができる。チルバー118が方向116において横方向内側に移動するとき、冷却剤ジェット119を使用して、インゴット106のヘッドのシェルによる冷却を支援することができる。実施形態では、冷却剤ジェット119は、水または他の冷却剤を、可変流量で、連続的な流れで、またはスプリンクラータイプのジェットとして不連続に分散させるように構成され得る。いくつかの実施形態では、チルバーアセンブリ150は、冷却剤ジェット119を含まない。
【0037】
図2A及び2Bは、いくつかの実施形態による、チルバーアセンブリ150の斜視図を示す。図2A及び2Bのチルバーアセンブリ150は、図1のチルバーアセンブリと同じであり得るが、そうである必要はない。図1に関してすでに議論された、いくつかの構成要素に加えて、図2に示されるようなチルバーアセンブリ150は、フレーム201、クロスバー203、横方向アクチュエータ210、ガイドレール212、及び支持ブラケット216を含む様々な他の構成要素を含むが、他の構成要素または構成要素の組み合わせが追加的または代替的に利用され得る。
【0038】
フレーム201は、チルバーアセンブリ150の要素を互いに対して支持及び/または配向することができる任意の適切な構造に対応することができる。フレーム201は、金型102の上面の上または上面に沿って配置され得る。フレーム201は、金型102の一部に対応し得るか、または金型102に結合された、または金型102に対して配置された別個の構成要素に対応し得る。フレーム201は、金型102の輪郭と一致し得る。例えば、フレーム201は、図2A及び図2Bにおいて実線で直線のエッジで示されているが、フレーム201は、代替的に、図2A及び図2Bに例として破線201Aによって示されるような、1つまたは複数の湾曲したエッジを含み得る。
【0039】
クロスバー203は、チルバー118、及び/または横方向アクチュエータ210を支持するか、そうでなければそれらと結合され得る。クロスバー203は、任意で、チルバー118用の水、グリセロール、オイルなどの冷却剤を収容し得る。ガイドレール212は、フレーム201全体にわたって構造的支持を提供し得る。
【0040】
図2A及び2Bは、垂直アクチュエータ120を支持するクロスバー203(例えば、クロスバー203の上に垂直アクチュエータ120を備えている)を示しているが、他の構成を使用することができる。いくつかの実施形態では、クロスバー203は、垂直アクチュエータ120によって少なくとも部分的に支持され得る。例えば、垂直アクチュエータ120は、例えば、クロスバー203が金型102の中心に向かって内側に移動するとき、垂直アクチュエータ120が静止したままであるか、またはフレーム201に対して所定の位置に留まるように、フレーム201に対して嵌合または取り付けられ得る。
【0041】
実施形態では、横方向アクチュエータ210は、サーボモータ214及びボールねじ208を含むか、そうでなければ利用することができる。そのような構成では、ボールねじ208を回すと、チルバーアセンブリ150の反対側の部分が、横方向116に沿って互いに向かって、または互いに離れるように等しい量だけ移動し得る。例えば、両側のボールねじ208を反対方向にねじ込み(例えば、中心からそらすか、または切り替える)、ボールねじ208を回すことで、チルバー118が横方向116に沿って同期して動くようになり得る。ボールねじ208は、例えば、サーボモータ214によって駆動されるシャフト、ドライバ、または他の構造によって回転させることができる。追加的または代替的に、横方向の動きを与えることができる任意の他の好適なタイプのアクチュエータを使用することができる。横方向アクチュエータ210は、ボールねじ208の代わりに代替構造を利用して、上記のようにチルバー118の同期運動を引き起こすことができる。
【0042】
支持ブラケット216は、ねじ、ボルトなどの留め具などによって、チルバー118をボールねじ208に固定し得る。モーターによって横方向116に作動される可動アームなど、横方向の動きを与えるための代替アクチュエータが使用される実施形態では、支持ブラケット216が、同様にチルバー118を横方向アクチュエータ210に固定し得る。
【0043】
図2Aは、初期位置にあるチルバーアセンブリ150を示し、図2Bは、チルバー118が横方向116に沿って(例えば、金型102の中心に向かって内側に)移動した後の第2の位置にあるチルバーアセンブリ150を示している。図2A~2Bにおいて、ボールねじ208はねじ山があるが、ねじ山のないガイドレール、位置決めプレート、またはその他の使用など、チルバー118の横方向位置を変更することができる任意の構造を利用することができる。
【0044】
実施形態では、横方向アクチュエータ210は、金属レベルセンサ113であり得るセンサからの入力に少なくとも部分的に基づいて動作することができる。センサは、溶融金属110の充填レベルを検出することができ得る。例えば、所望の溶融金属レベルに到達した(または固化または凍結した)というセンサからの表示に応答して、横方向アクチュエータ210を作動させて、チルバー118を横方向116に沿って別の位置、例えば金型102の中心に向かって内向きに移動させ、鋳造フットプリントのサイズをさらに縮小させる、及び/またはそうでなければインゴット106のヘッドの形状を変更させることができる。
【0045】
図3A~3Eは、インゴット106の形状(例えば、インゴット106のヘッドの形状)を制御する例示的なプロセス全体を通して、異なる段階でのシステム100の選択された要素を示す。
【0046】
図3Aでは、インゴット106は鋳造プロセスの終わりに近づき、インゴット106は所望の長さに達し、インゴットヘッドの形成の準備ができている。チルバー118は、金型102の上方に上昇している初期位置にある。溶融金属源112は、インゴット106のベースを形成するための第1の量の溶融金属の供給を終了し、金属レベルはタング109より上にある。
【0047】
図3Bでは、チルバー118は、下降位置に下げられ、インゴット106の上面と接触するか、またはその上、かつ金型102内にあり、鋳造される残りのインゴットのために減少した鋳造フットプリントを形成している。いくつかの実施形態では、チルバー118は、チルバーの端部が溶融金属の表面より下になるように下げることができる。例えば、チルバー118は、アクチュエータ(例えば、垂直アクチュエータ120、例えば、図1、2A、2B)によって、タング109の上の位置の下降位置にまで下げられている(例えば、垂直方向302に沿って)。チルバー118が下降位置に下げられると、溶融金属源112は、チルバー118によって画定される低減された型フットプリントに補足の溶融金属300を供給し始めることができる。補助溶融金属300が減少した金型フットプリントに沿って広がるにつれて、チルバー118は、補助溶融金属300の固化または凍結を徐々に引き起こして、インゴット106のヘッドを狭め得る。
【0048】
図3Cでは、チルバー118は、金型102の中心に向かって横方向内側に移動している。例えば、補足溶融金属300がインゴット106のヘッドの減少した鋳造フットプリントを満たす所望のレベルに上昇した後、チルバー118は、横方向アクチュエータ210(例えば、図2A及び2B)または他の適切な装置の影響下でそれらの初期位置から示される狭い位置への方向304に沿って作動され得る。チルバー118が動くとき、金型102は静止したままである。したがって、鋳造フットプリントの境界は、金型102ではなく、チルバー118によって拘束された領域に変更される。鋳造フットプリントの境界を定める際に、インゴット106の側壁を分離し、インゴットヘッドの角度付けが始まる場所にレッジ(出っ張り)350を形成することができる。レッジ350は、いくつかの実施形態では、チルバー118の横方向の厚さに対応し得る。いくつかの実施形態では、レッジ350は、インゴット106上に存在しなくてもよい。インゴット106を下降させ、及び/またはチルバー118を上方に上昇させて、インゴット106の上方及び/またはインゴット106の上部に沿って、補足の溶融金属300を受け入れるためのさらなる空間を画定することができる。チルバー118によって画定される鋳造フットプリントが減少するため、インゴット106のヘッドの形状は、チルバー118が下降位置に下げられ、金型102の中で横方向内側に移動する前に鋳造されたインゴット106の残りの部分よりも狭い。図3Cのインゴット106を横切る点線は、チルバー118が方向304に沿ってより狭い位置に横方向内向きに移動する前のインゴット106の幅または深さまたは他の対応する寸法を示す。例えば、図3Cのインゴット106のヘッド340は、上昇位置(例えば、実線で示されている)よりも広い下降位置(例えば、図3Cのインゴット106を横切る点線)を有する。
【0049】
追加の補足溶融金属300は、金型102に流入され続け、インゴット106のヘッド340の高さを増加させ得る。チルバー118がさらに横方向内側に(例えば、方向304に沿って)移動するとき、チルバー118は、インゴットヘッド340の鋳造フットプリントをさらに低減し続けることができる。
【0050】
冷却剤ジェット119は、チルバー118が横方向内側に移動するときに作動させることができる。冷却剤ジェット119を作動させることにより、インゴット106の中心から離れる方向に向けられた水流370を提供することができる。冷却剤ジェット119が水流370をインゴットの中心から形成インゴット106のヘッドに分散させると、追加の熱がインゴット106の形成シェルから抽出される。水流370の分散は、冷却し、形成シェルの破損を防ぎ得る。水流370によって引き起こされる熱抽出は、ブリードアウト、フリーズバック、及びシェルが冷えるときに起こり得る他の問題など、形成インゴットにとって望ましくない欠陥をさらに防止または軽減し得る。いくつかの実施形態では、水流370は、シェルの表面に接触する不必要な水の跳ね返りを回避するように向けることができる。
【0051】
図3Dは、チルバー118が方向304に沿って移動し続け、鋳造フットプリントを低減することによってインゴットヘッド340の形状を制御するときの、チルバー118の進行における次の段階を示している。冷却剤ジェット119は、チルバー118と共に横方向内側に移動し得る。いくつかの実施形態では、インゴットヘッド340は、台形の断面を有するか、そうでなければ、必要に応じて先細りにされ得る。同時に、インゴット106は、可動底部104(例えば、図1)を下げるか、またはチルバー118を上げるか、または他の方法によって、チルバー118に対して下に移動し続けることができる。インゴットヘッド340は、チルバー118が鋳造フットプリントを減少させ続けるに従って、先が細くなり続け得る。冷却剤ジェット119は、水流370の角度を変更して、チルバー118の位置の変化を調整することができる。
【0052】
図3Eは、実施形態による、システム100の最終位置を示す。チルバー118は、横方向304に移動し続け、補助溶融金属300がチルバー118によって囲まれた低減された鋳造フットプリントに供給されるときに、それらが最終位置に到達するまで補助溶融金属300を冷却し得る。いくつかの実施形態では、冷却剤ジェット119は、チルバー118が横方向内側への移動を停止した後も、形成シェルに水を流し続けることができる。いくつかの実施形態では、冷却剤ジェット119は、チルバー118が横方向内側への移動を停止する前、後、または停止したときに流水を停止することができる。チルバー118の動きによって形成される鋳造フットプリントの減少は、インゴット106が完全に固化するときに、初期鋳造フットプリントよりも少ない量の溶融金属を冷却させることを可能にする。溶融金属の冷却量が少ないと、内部応力の量が減少し、収縮キャビティの形成が妨げられるか、関連する問題が軽減され得る。さらに、インゴットのヘッドの先細り形状(例えば、図3A~3Eの実施形態に示されるものなど)は、初期鋳造フットプリントに対していかなる削減もない他の方法の半連続鋳造で起こり得たであろう材料の損失を低減することによって費用便益を提供し得る。鋳造フットプリントの低減によって製造されたインゴットヘッド340と共にインゴット106を利用することは、例えば、インゴットの圧延などの下流の金属加工システムでの効率を改善し得る。
【0053】
図4A~4Bは、実施形態による、チルバー118のための角度調整ベース404を特徴とするチルバーアセンブリ150の例を示す。図4A及び4Bのチルバーアセンブリ150は、図1または2A及び2Bのチルバーアセンブリと同じであり得るが、そうである必要はない。図4A~4Bに示されるようなチルバーアセンブリ150は、角度調整ベース404、調整制御406、留め具410、及び冷却剤導管408を含み、これらは、水、グリセロール、油、または他の好適な冷却剤などの冷却剤を運ぶのに適し得る。
【0054】
実施形態によれば、チルバー118は、角度調整ベース404によって様々な位置で角度を付けることができる。チルバー118は、下向きの配向にて様々な位置で角度を付けることができ、これは、溶融金属110との接触面積の量を変化させ得る。例えば、チルバー118は、垂直(例えば、チルバー118の底部領域が溶融金属110に接触するような)から水平(例えば、チルバー118の面全体が溶融金属110接触するような)まで、またはその間の他の角度または他の範囲の中で移動可能であり得る角度の範囲を有し得る。チルバー118は、調整制御406によって角度を付けられた位置に固定することができる。代替的に、調整制御406は、チルバー118の所望の角度を得るためのスロット、開口部、ノッチ、または任意の他の構造であり得る。
【0055】
留め具410は、調整制御406と相互作用して、チルバー118を図4Aの角度のある位置に固定する。実施形態では、チルバー118をそのような角度の付いた位置で横方向に動かすことが望ましい場合がある。代替的に、留め具410は、固定ネジ、制御ピン、開口部、スロット、またはチルバー118を所定の位置にロックするための他の任意の特徴部であり得る。他の実施形態では、角度調整ベース404は、チルバー118の接触角度が、鋳造中、常に横方向に移動するときに調整されるように、動的調整機構であり得る。動的調整機構は、コンピュータ、ガイドスロット、回転アクチュエータなどによって制御される可動ピンによって達成され得る。
【0056】
冷却剤導管408は、図4Aの図に見ることができる。冷却剤導管408は、チルバー118に隣接して外部のパイプとして描かれているが、冷却剤導管408は、冷却剤をチルバー118の後部、内部、またはそれに沿って、チルバー118から熱を散逸させるのに適した他の形態をとることができる。チルバー118から熱を散逸させることは、新しい冷却剤が冷却剤導管408を通して供給されるので、一定の冷却速度(または他の進行中の制御可能な冷却速度)を可能にし得る。いくつかの実施形態では、冷却剤導管408は、例えば、チルバー、フローチャンバー、またはその他の内部の中空領域であり得る。
【0057】
図4Aは、チルバー118の端面図であり、垂直方向に示している。このような方向では、チルバー118の角度は、溶融金属110などの溶融金属に直立面で接触することができる。
【0058】
図4Bは、実施形態による、固定された固定角度でのチルバー118の端面図である。例えば、ほぼ垂直方向にある図4Aのチルバー118と比較して、図4Bのチルバー118は角度付けされた配向にある。そのような配向は、チルバー118が溶融金属と接触する表面積の量を増加させることができ、かつ/または所望のインゴットヘッド形状を得るのを容易にし得る。角度調整ベース404は、チルバー118の異なる向きの角度の両極端の間の移動を容易にし得る。例えば、図4Aの留め具410は、図4Bとは異なる調整制御406に係合していることが示されている。3つの有限または離散位置が図4A及び4Bに示されているが、任意の数及び/または配置を使用して、好適なセットまたは範囲の向きを提供することができ、離散位置に限定されるのではなく、任意の配向を選択して端点間で固定することができる配置を含むことができる。
【0059】
図4A及び4Bでは、チルバー118は平らな平面の矩形の形状として実線で示されているが、いくつかの実施形態では、チルバー118は、破線420によって示されるように、例えば、三角形の形状を有することができる。三角形の形状は、408’で破線で図示されるような、導管408を含めるのに適した内部容積を提供することができる。追加的または代替的に、三角形の形状は、チルバー118の表面に初期傾斜を提供し、例えば、所望の角度方向に到達するように調整の量を減らすことができる。
【0060】
三角形の形状は、追加的または代替的に、好適な成形角度を導入し、三角形の形状なしの場合に導入される可能性のあるギャップを低減または排除することができる。例えば、図7を参照すると、最初に矩形の断面を有するチルバー720が、型壁740の輪郭に一致するように湾曲したプロファイルに曲げられ、続いて曲げられた矩形のバーを回転させてインゴットヘッドを成形するための角度を導入する場合、金型内の溶融金属レベル710に対して曲線750の異なる部分が、異なる高さで配置され、溶融金属レベル710とチルバー720との間にギャップ730をもたらす。そのようなギャップ730は、例えば、回転することなく曲げられた形態で適切な成形角度を提供し得る三角形の形状を使用することによって低減及び/または排除され得る。三角形の形状には、曲がりに対応するために90度にロックされていない角度が組み込まれている場合があり、その結果、三角形の下端が溶融金属の表面に静止する。いくつかの実施形態では、チルバー118は、インゴットヘッドの形状を制御するための曲面または任意の他の適切な面などの他の非平面形状を有することができる。
【0061】
図5は、実施形態によるプロセス500のフローチャートである。動作502において、上記のインゴット106などのインゴットのベースが形成される。インゴット106のベースの形成は、溶融金属110などの溶融金属を金型102などの型に供給することによって少なくとも部分的に達成することができる。形成はさらに、インゴットの高さを増加させるために、可動底部104などの可動底部を下げることによって少なくとも部分的に達成され得る。例えば、可動底部は、溶融金属の供給と同時に下げることができる。可動底部は、所望のインゴット本体の高さに達するまで下げ続けることができる。
【0062】
動作504において、チルバー118などの少なくとも1つの冷却構造は、垂直方向の上昇位置から溶融金属に向かって下降位置に下げられる。このような下降により、チルバーが金型内に移動し、溶融金属と接触し得る。チルバーは、垂直アクチュエータ120などのアクチュエータによって下げることができる。チルバーは、例えば、チルバーと接触する溶融金属の固化または凍結を容易にするために、そこを通ってまたは一緒に流れる冷却剤によって冷却され得る。例えば、チルバーは、冷却剤導管408と結合されるか、または冷却剤導管408を含み得る。実施形態では、チルバーは、角度付けされ(例えば、溶融金属と接触する表面積を増加させるために)、かつ/または図4Bに関して論じられるように角度調整が可能であり得る。
【0063】
動作506において、チルバー118などのチルバーは、金型の中心に向かって内側に横方向(横方向116または304など)に移動する。例えば、チルバー118は、溶融金属の上面に沿って移動し得る。チルバー118の横方向の動きは、インゴットヘッド340の減少した鋳造フットプリントなど、部分的にチルバーによって境界付けられた減少した鋳造フットプリントをもたらし得る。チルバーは、横方向アクチュエータ210などの横方向アクチュエータによって水平方向に移動することができる。
【0064】
動作508において、補足溶融金属300などの補足溶融金属は、少なくとも部分的にチルバーによって境界付けられた減少した鋳造フットプリントに供給される。補足の溶融金属は、所望のピークに達するまで供給され得る。補足溶融金属の関連するレベルは、金属レベルセンサ113などの金属レベルセンサによって測定することができる。
【0065】
動作510において、インゴットヘッド340のように、インゴットのヘッドのより細い部分が形成される。インゴットヘッドの細まった形状は、チルバーを水平方向に内側に移動させ、追加の溶融金属を追加して鋳造フットプリントを埋めることにより、鋳造フットプリントを減少させた結果である。細まった形状は、図3Eのインゴットヘッド340で示されるような、台形の断面を有した先細りであり得る。初期鋳造フットプリントで形成されたインゴットと比較して、鋳造フットプリントが減少したこと、例えば、溶融金属が固化するときに収縮する内部応力が減少したことにより、細まった形状の溶融金属の冷却が少なくなる。細まった形状は、インゴットのヘッドの収縮キャビティを減少させるまたは防止し得る。細まった形状は、圧延機などの金属加工に特に適し得る。
【0066】
図6は、図1に示されるインゴット106の形状を制御するためのシステム100と共に使用するための例示的なコンピュータシステム600を示す簡略化されたブロック図である。いくつかの実施形態では、コンピュータシステム600は、プロセス500のステップの1つ、いくつか、またはすべてを行う。しかしながら、コンピュータシステム600は、追加の及び/または代替のステップを行い得る。様々な実施形態では、コンピュータシステム600は、デジタル的に実装され、従来のコンピュータ構成要素を使用してプログラム可能であるコントローラ610を含む。コントローラ610は、特定の例(例えば、図1に示されるような機器を含む)に接続して使用され、そのような例のプロセスを行い得る。コントローラ610は、メモリ618内の有形のコンピュータ可読媒体(または他の媒体の中でも特にポータブル媒体、サーバ、またはクラウド内の他の場所)に格納されたコードを実行して、コントローラ610に受信及びデータを処理させ、アクションを実行し、及び/または図1に示されるような機器の構成要素を制御する、プロセッサ612を含む。コントローラ610は、データを処理し、産業機器を制御するなどのアクションを実行するための一連の命令であるコードを実行することができる任意のデバイスであり得る。非限定的な例として、コントローラ610は、デジタル的に実装された及び/またはプログラム可能なPIDコントローラ、プログラム可能な論理コントローラ、マイクロプロセッサ、サーバ、デスクトップまたはラップトップパーソナルコンピュータ、ラップトップパーソナルコンピュータ、ハンドヘルドコンピューティングデバイス、及びモバイルデバイスの形態をとることができる。
【0067】
プロセッサ612の例には、任意の所望の処理回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジック、ステートマシン、または他の好適な回路が挙げられる。プロセッサ612は、1つのプロセッサまたは任意の数のプロセッサを含み得る。プロセッサ612は、バス614を介してメモリ618に格納されたコードにアクセスすることができる。メモリ618は、コードを具体的に具体化するように構成された任意の非一時的なコンピュータ可読媒体であり得、電子、磁気、または光学デバイスを含むことができる。メモリ618の例には、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、フロッピーディスク、コンパクトディスク、デジタルビデオデバイス、磁気ディスク、ASIC、構成されたプロセッサ、または他の記憶装置が挙げられる。
【0068】
命令は、実行可能コードとしてメモリ618またはプロセッサ612に格納することができる。命令は、任意の適切なコンピュータプログラミング言語で書かれたコードからコンパイラ及び/またはインタプリタによって生成されたプロセッサ固有の命令を含むことができる。命令は、一連の設定値、チルバーの様々な角度、チルバーを移動するための増分ステップ、及び/または他のプログラムされた操作を含むアプリケーションの形態をとることができ、このプログラムされた操作は、プロセッサ612によって行われるとコントローラ610に図1のシステムの要素を作動、移動、及び/または他の方法で制御することによって、インゴットヘッド340の形状を制御させる。
【0069】
図6に示されるコントローラ610は、入出力(I/O)インターフェース616を含み、このインターフェースを通して溶融金属源112、垂直アクチュエータ120、横方向アクチュエータ210、または任意の関連するセンサまたはその他の構成要素などの構成要素を含む、コントローラ610の外部のデバイスおよびシステムに通信することができる。入出力(I/O)インターフェース616はまた、必要に応じて、他の外部ソースから入力データを受信することができる。そのようなソースに、制御パネル、他のヒューマン/マシンインターフェース、コンピュータ、サーバまたは例えば、コントローラ610に命令及びパラメータを送信してその性能及び動作を制御すること、本開示の特定の実施例のプロセスに関連する、アプリケーション内でインゴットヘッド340の形状を制御させる命令をコントローラ610に実行させるためのアプリケーションのプログラミングを格納及び促進することができるその他の機器、及びコントローラ610がその機能を実行する際に必要とするまたは有用な他のデータソースを含むことができる。そのようなデータは、ネットワーク、ハードワイヤー、ワイヤレス、バス、またはその他の所望のものを介して、入力/出力(I/O)インターフェース616に通信することができる。
【0070】
本開示の特定の実施形態が記載されているが、様々な修正、変更、代替構造、及び同等物もまた、本開示の範囲内に含まれる。本開示の実施形態は、具体的な特定の環境内での動作に限定されず、複数の環境内で自由に動作することができる。さらに、本開示の方法の実施形態は、特定の一連の操作及びステップを使用して説明されてきたが、本開示の範囲は、説明された一連の操作及びステップに限定されないことは当業者には明らかであろう。
【0071】
従って、明細書及び図面は、限定する意味ではなくて例示的なものとみなされる。しかしながら、追加、減少、削除、及び種々の修正や変更が、より広い趣旨および範囲を逸脱することなくそれになされ得ることが明らかであろう。
【0072】
本明細書に開示されているすべての範囲には、それらに含まれるあらゆるサブレンジが包含されると理解されたい。例えば、記述された範囲「1~10」は、最小値「1」及び最大値「10」の間の(及び端点を含む)あらゆる部分範囲、つまり、最小値1以上(例えば、1~6.1)から始まり、最大値10以下(例えば、5.5~10)で終わるすべての部分範囲を含むと考えられるべきである。
【0073】
特許請求された主題は、他の方法で具現化され得、異なる要素またはステップを含み得、他の既存のまたは将来の技術と併せて使用され得る。この説明は、個々のステップの順序または要素の配置が明示的に記述されている場合を除き、多様なステップまたは要素の中のまたはそれらの間の特定の順序または配置を意味するとして解釈されるべきではない。本明細書で使用される場合、「a」、「an」、及び「the」の意味は、別段文脈により明確に指示されない限り、単数形及び複数形の言及を含む。
【0074】
以下の実施例は、本発明をさらに説明するのに役立つが、しかしながら同時に、そのいかなる限定も構成しない。それとは逆に、その様々な実施形態、改変、及び均等物に頼ることができ、これらは、本明細書の説明を読んだ後に、本発明の趣旨から逸脱することなく当業者にそれら自体を示唆し得ることを明確に理解されたい。以下の実施例に記載される試験中、別段記述されない限り、従来の手順に従った。
【0075】
実施例1
インゴットヘッドの形状を制御する能力を評価するために、三角形の断面を持つ銅製チルバーを使用した。三角形の断面により、使用している金型プロファイルに一致するようにチルバーを曲げることができる。観察を容易にするために、チルバーを金型の片側に配置し、金型の反対側に第2のチルバーは配置しなかった。チルバーは、厚さ3/32インチの銅管で形成されていた。チルバーを、中心がタングから約37mm上に、両端が約5mm下になるように初期配置した。この位置で、チルバーの下端は溶融金属の表面に約35mm沈められ、一方、チルバーの上部は溶融金属の表面の上に突き出て立っていた。
【0076】
鋳造速度は60mm/分で行った。インゴットが1000mmの深さに達すると、銅製チルバーの動きを開始した。チルバーは33mm下降し、その後、インゴットのヘッドを形作るために横方向内側に動かした。実質的に水平なレッジ(出っ張り)が最初にインゴットに観察され、これは、チルバーが最初に垂直に導入されたインゴットの高さに対応する。金型からの水がレッジを横切って流れ始めてから15秒後に、レッジから離れたインゴットヘッドの角度がすぐに明らかとなった。インゴットのヘッドが鋳造され、チルバーが横方向に内側に移動する間、インゴット本体の鋳造速度が維持された。鋳造を1087mmの深さで停止した。得られたインゴットから、インゴットのヘッドに角度付けすることができたことは明らかであった。完成したインゴットのヘッドの角度は水平から約64°であった。
【0077】
第2の試験では、三角形の断面のチルバーを使用した同じセットアップを使用した。鋳造速度を30mm/分に低下させた。インゴットが1000mmの深さに達すると、銅製チルバーの動きを開始した。チルバーを33mm下降させた。第1の鋳造と比較して、チルバーを下降させチルバーが横方向に内側に移動するまでの時間遅延が減少した。実質的に水平なレッジが最初にインゴットに観察され、これは、チルバーが最初に垂直に導入されたインゴットの高さに対応する。インゴットのヘッドが鋳造され、チルバーが横方向に内側に移動する間、インゴット本体の鋳造速度が維持された。鋳造を1189mmの深さで停止した。得られたインゴットから、インゴットのヘッドに角度付けすることができたことは明らかであった。完成したインゴットのヘッドの角度は水平から約53°であった。
【0078】
実例
いくつかの態様では、デバイス、システム、または方法は、以下の実例の1つまたは複数に従って、またはそれらの要素のいくつかの組み合わせに従って提供される。いくつかの態様では、これらの実施例の1つまたは複数で説明されるデバイスまたはシステムの機能は、他の実施例の1つで説明される方法内で利用することができ、またはその逆も可能である。
【0079】
以下で使用されている場合、一連の実例へのいずれかの参照は、選択的に、それらの各実施例を参照するものとして理解されたい(例えば、「実例1~4」は「実例1、2、3、または4」として理解されたい)。
【0080】
実例1は、インゴット形成の方法であって、前記方法は、初期鋳造フットプリントを画定する金型に溶融金属を供給し、前記金型に対して可動底部を下げてインゴットの高さを増加させることによって前記インゴットのベースを形成することと、少なくとも1つの冷却構造を初期位置から垂直方向に移動させて前記溶融金属と接触させることと、前記少なくとも1つの冷却構造によって少なくとも部分的に境界付けられる減少した鋳造フットプリントを生成するために、前記少なくとも1つの冷却構造を前記溶融金属の上面に沿って水平方向に移動させることであって、前記減少した鋳造フットプリントは前記初期鋳造フットプリントよりも小さい、前記移動させることと、前記インゴットのヘッドに狭い形状を形成するために補足の溶融金属を前記減少した鋳造フットプリントに供給することと、を含む。
【0081】
実例2は、前記冷却構造がチルバーを含む、先行または後続の実例のいずれかの方法である。
【0082】
実例3は、前記チルバーが三角形の断面を有する、先行または後続の実例のいずれかの方法である。
【0083】
実例4は、前記溶融金属が、アルミニウム合金を含む、先行または後続の実例のいずれかの方法である。
【0084】
実例5は、前記インゴットの前記ヘッドに対して前記少なくとも1つの冷却構造の第1の位置に隣接する前記溶融金属の第1の領域を凝固させることと、前記溶融金属の前記上面に沿って前記水平方向に前記少なくとも1つの冷却構造を前記インゴットの前記ヘッドに対して第2の位置に移動させることと、前記インゴットの前記ヘッドに対して前記少なくとも1つの冷却構造の前記第2の位置に隣接する前記溶融金属の第2の領域を凝固させることと、をさらに含む、先行または後続の実例のいずれかの方法である。
【0085】
実例6は、前記溶融金属を凝固させること、及び、前記溶融金属を前記凝固させることに続いて、前記溶融金属の前記上面に沿って前記水平方向に前記少なくとも1つの冷却構造を移動させること、前記可動底部を下げること、または、前記少なくとも1つの冷却構造を前記垂直方向に上げること、のうちの少なくとも1つをさらに含む、先行または後続の実例のいずれかの方法である。
【0086】
実例7は、前記少なくとも1つの冷却構造の前記移動を、少なくとも1つのサーボモータによって行う、先行または後続の実例のいずれかの方法である。
【0087】
実例8は、前記水平方向に対して前記少なくとも1つの冷却構造の角度を変更することをさらに含む、先行または後続の実例のいずれかの方法である。
【0088】
実例9は、前記少なくとも1つの冷却構造の前記角度を前記変更することが、前記水平方向に前記少なくとも1つの冷却構造を前記移動させることと同時に行われる、先行または後続の実例のいずれかの方法である。
【0089】
実例10は、前記少なくとも1つの冷却構造が前記水平方向に対して角度を有し、前記少なくとも1つの冷却構造が前記水平方向に移動している間、前記水平方向に対する前記角度が固定されたままである、先行または後続の実例のいずれかの方法である。
【0090】
実例11は、前記少なくとも1つの冷却構造を通して冷却剤をルーティングすることをさらに含む、先行または後続の実例のいずれかの方法である。
【0091】
実例12は、前記少なくとも1つの冷却構造を前記水平方向に移動させることが、前記可動底部を前記下げることと同時に行われる、先行または後続の実例のいずれかの方法である。
【0092】
実例13は、前記少なくとも1つの冷却構造を前記初期位置から前記垂直方向に移動させて前記溶融金属と接触させることは、前記少なくとも1つの冷却構造を前記金型と隣接し、前記溶融金属と接触する下降位置に下げることを含む、先行または後続の実例のいずれかの方法である。
【0093】
実例14は、インゴット形成のためのシステムであって、前記システムは、溶融金属を受け入れるための金型であって、初期鋳造フットプリントを画定する前記金型と、前記金型に対して垂直方向に移動可能な可動底部と、溶融金属を前記金型に供給するために配置されたノズルと、少なくとも1つの冷却アセンブリと、を含み、前記少なくとも1つの冷却アセンブリは、
少なくとも1つの冷却構造、及び、前記少なくとも1つの冷却構造と結合され、少なくとも部分的に前記少なくとも1つの冷却構造によって境界付けられ、かつ前記初期鋳造フットプリントよりも小さい、減少した鋳造フットプリントを画定するために、前記冷却構造を前記金型に対して横方向に移動させるよう動作可能であるアクチュエータを含む、前記システムである。
【0094】
実例15は、前記少なくとも1つの冷却アセンブリは、チルバーアセンブリである、先行または後続の実例のいずれかのシステムである。
【0095】
実例16は、前記少なくとも1つの冷却構造がチルバーを含む、先行または後続の実例のいずれかのシステムである。
【0096】
実例17は、前記チルバーが三角形断面図を有する、先行または後続の実例のいずれかのシステムである。
【0097】
実例18は、前記少なくとも1つの冷却構造が前記横方向に対してある角度をなして位置付けされる、先行または後続の実例のいずれかのシステムである。
【0098】
実例19は、前記少なくとも1つの冷却構造の前記角度が調節可能である、先行または後続の実例のいずれかのシステムである。
【0099】
実例20は、前記アクチュエータが、サーボモータ及びボールねじを備える、先行または後続の実例のいずれかのシステムである。
【0100】
実例21は、前記少なくとも1つの冷却構造が少なくとも2つの冷却構造を含み、前記アクチュエータが前記少なくとも2つの冷却構造を前記横方向に動かすように動作可能である、先行または後続の実例のいずれかのシステムである。
【0101】
実例22は、前記少なくとも1つの冷却構造は、初期位置から前記金型内の下降位置まで前記垂直方向にさらに移動可能である、先行または後続の実例のいずれかのシステムである。
【0102】
実例23は、チルバーアセンブリであって、垂直方向に移動して溶融金属表面と係合するように構成されたチルバーと、冷却剤が冷却剤導管を通って運ばれるときに、前記チルバーから熱を散逸させるために、前記チルバーに隣接して配置された前記冷却剤導管と、角度調整ベースであって、前記角度調整ベースは前記チルバーに機械的に結合され、水平方向に対して複数の所定の角度の間で前記チルバーを選択的に配向するように構成される、前記角度調整ベースと、を含む、前記チルバーアセンブリである。
【0103】
実例24は、前記角度調整ベースは、前記チルバーを固定角度で固定するためにロック可能である、先行または後続の実例のいずれかのアセンブリである。
【0104】
実例25は、前記角度調整ベースは、前記チルバーの角度を固定するための留め具と係合する、または前記留め具を受けるように配置された、1つまたは複数の開口部を有する、先行または後続の実例のいずれかのアセンブリである。
【0105】
実例26は、前記チルバーが前記溶融金属表面と接触して、金型内で水平方向に移動するように構成される、先行または後続の実例のいずれかのアセンブリである。
【0106】
実例27は、前記チルバーが三角形の断面を有する、先行または後続の実例のいずれかのアセンブリである。
【0107】
上で引用されているすべての特許、出版物、及び要約は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。例示された実施形態を含む実施形態の前述の説明は、例示及び説明の目的のためにのみ提示されており、網羅的であること、または開示された正確な形態に限定することを意図するものではない。多数の修正、適合、及びそれらの使用は、当業者には明らかであろう。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4A
図4B
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-04-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融金属を受け入れるための金型であって、初期鋳造フットプリントを画定する前記金型と、
前記金型に対して垂直方向に移動可能な可動底部と、
溶融金属を前記金型に供給するために配置されたノズルと、
少なくとも1つの冷却アセンブリと、を含み、
前記少なくとも1つの冷却アセンブリは、
金型によって画定される初期鋳造フットプリント内に配置可能である少なくとも1つの冷却構造、及び、
前記少なくとも1つの冷却構造によって少なくとも部分的に境界付けられ、かつ前記初期鋳造フットプリントよりも小さい、減少した鋳造フットプリントを画定するために、前記少なくとも1つの冷却構造と結合され、前記少なくとも1つの冷却構造を前記溶融金属の上面に沿って横方向に金型の面の間でかつ初期鋳造フットプリント内で移動させるよう動作可能であるアクチュエータを含む、インゴット形成のためのシステム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの冷却アセンブリは、チルバーアセンブリである、請求項に記載のシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの冷却構造がチルバーを含む、請求項またはのいずれかに記載のシステム。
【請求項4】
前記チルバーが三角形の断面を有する、請求項に記載のシステム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの冷却構造が前記横方向に対してある角度をなして位置付けされる、請求項のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つの冷却構造の前記角度が調節可能である、請求項に記載のシステム。
【請求項7】
前記アクチュエータが、サーボモータ及びボールねじを備える、請求項のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記少なくとも1つの冷却構造が少なくとも2つの冷却構造を含み、
前記アクチュエータが前記少なくとも2つの冷却構造を前記横方向に動かすように動作可能である、請求項のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記少なくとも1つの冷却構造は、初期位置から下降位置ま垂直方向にさらに移動可能であり、冷却構造は、金型の初期鋳造フットプリント内にあり溶融金属の上面に沿っている、請求項のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記少なくとも1つの冷却構造は、チルバーアセンブリを含み、
チルバーアセンブリが、
垂直方向に移動して溶融金属表面と係合するように構成されているチルバーと、
冷却剤が冷却剤導管を通って運ばれるときに、前記チルバーから熱を散逸させるために、前記チルバーに隣接して配置された前記冷却剤導管と、
角度調整ベースであって、前記角度調整ベースは前記チルバーに機械的に結合され、水平方向に対して複数の所定の角度の間で前記チルバーを選択的に配向するように構成されている、前記角度調整ベースと、
を含む、請求項に記載のシステム。
【請求項11】
前記角度調整ベースは、前記チルバーを固定角度で固定するためにロック可能である、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記角度調整ベースは、前記チルバーの角度を固定するための留め具と係合する、または前記留め具を受けるように配置された、1つまたは複数の開口部を有する、請求項10または11のいずれかに記載のシステム。
【請求項13】
前記チルバーが前記溶融金属表面と接触して、金型の初期鋳造フットプリント内で水平方向に移動するように構成されている、請求項1012のいずれか一項に記載のシステム。
【外国語明細書】