(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125239
(43)【公開日】2024-09-13
(54)【発明の名称】繊維、及び繊維の製造方法
(51)【国際特許分類】
D01F 1/10 20060101AFI20240906BHJP
【FI】
D01F1/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024109895
(22)【出願日】2024-07-08
(62)【分割の表示】P 2023146917の分割
【原出願日】2023-09-11
(31)【優先権主張番号】P 2022147626
(32)【優先日】2022-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2023134384
(32)【優先日】2023-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】595162633
【氏名又は名称】株式会社ヤギ
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】仲田 幸司
(57)【要約】
【課題】本発明は、新たに、溶岩パウダー練り込み繊維を提供する事を目的とする。
【解決手段】超微細化富士山溶岩パウダーが練り込まれている、繊維。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超微細化富士山溶岩パウダーが練り込まれている、繊維であり、
前記超微細化富士山溶岩パウダーは、平均粒子径が0.1μm~0.5μmであり、
前記繊維は、レーヨン、ポリエステル、及びナイロンから成る群から選ばれる少なくとも一種の繊維である、繊維。
【請求項2】
繊維の製造方法であり、
繊維に、超微細化富士山溶岩パウダーを練り込む工程を含み、
前記超微細化富士山溶岩パウダーは、平均粒子径が0.1μm~0.5μmであり、
前記繊維は、レーヨン、ポリエステル、及びナイロンから成る群から選ばれる少なくとも一種の繊維である、製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維、及び繊維の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、繊維に練り込む溶岩パウダーとして、平均粒子径が1.0μm未満でも、具体的ば数値範囲を表す溶岩パウダーを繊維に練り込む技術は無かった(特許文献1~3)。
【0003】
例えば、特許文献2は、天然繊維もしくは化学繊維の母体を、溶岩を粉砕して得た多数
の溶岩パウダーおよび/または火山灰を配合した染料で染色することを特徴とする溶岩染め繊維の製造方法を開示する。従来、繊維に、溶岩パウダーを、染色させていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-2384号公報
【特許文献2】特開2009-191417号
【特許文献3】実願2010-4058号(登録実用新案第3163801号公報)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、新たに、溶岩パウダー練り込み繊維を提供する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
従来、粒子径が1.0μm未満の溶岩パウダーの中でも、この値より細かい粒子、つまり、超微細化されている粒子を調製したり、繊維に練り込む態様で使用したりする事は非常に困難であった。
【0007】
本発明者は、鋭意検討した結果、溶岩パウダー練り込み繊維を製造する際に、繊維に、超微細化富士山溶岩パウダーを練り込む事に依り、繊維は、良好に、遠赤外線放射機能を発揮する事が出来るという技術を開発した。
【0008】
本発明の繊維は、超微細化富士山溶岩パウダーが練り込まれており、その超微細化富士山溶岩パウダーは、特に、平均粒子径が0.1μm~0.5μmであり、また、その繊維は、レーヨン、ポリエステル、ナイロン等である事を特徴とする。
【0009】
本発明の繊維の製造方法は、繊維に超微細化富士山溶岩パウダーを練り込む工程を含み、その超微細化富士山溶岩パウダーは、平均粒子径が0.1μm~0.5μmであり、また、その繊維は、レーヨン、ポリエステル、ナイロン等である事を特徴とする。
【0010】
繊維は、良好に、マイナスイオン発生効果を発揮する超微細化富士山溶岩パウダーが練り込まれている繊維である。
【0011】
本発明は、次の繊維、及び繊維の製造方法を包含する。
【0012】
項1.
超微細化富士山溶岩パウダーが練り込まれている、繊維。
【0013】
項2.
前記超微細化富士山溶岩パウダーは、平均粒子径が0.1μm~5μmである、前記項1に記
載の繊維。
【0014】
項3.
前記繊維は、レーヨン、ポリエステル、及びナイロンから成る群から選ばれる少なくとも一種の繊維である、前記項1に記載の繊維。
【0015】
項4.
前記超微細化富士山溶岩パウダーは、平均粒子径が0.1μm~5μmであり、前記繊維は、レーヨン、ポリエステル、及びナイロンから成る群から選ばれる少なくとも一種の繊維である、前記項1に記載の繊維。
【0016】
項5.
繊維に、超微細化富士山溶岩パウダーを練り込む工程を含む、繊維の製造方法。
【0017】
項6.
前記超微細化富士山溶岩パウダーは、平均粒子径が0.1μm~5μmである、前記項5に記
載の繊維の製造方法。
【0018】
項7.
前記繊維は、レーヨン、ポリエステル、及びナイロンから成る群から選ばれる少なくとも一種の繊維である、前記項5に記載の繊維の製造方法。
【0019】
項8.
前記超微細化富士山溶岩パウダーは、平均粒子径が0.1μm~5μmであり、前記繊維は、レーヨン、ポリエステル、及びナイロンから成る群から選ばれる少なくとも一種の繊維である、請求項5に記載の繊維の製造方法。
【0020】
超微細化富士山溶岩パウダーは、平均粒子径は、好ましくは、0.1μm~0.5μm(0.3μm程度)である。超微細化富士山溶岩パウダーは、平均粒子径を前記範囲に調整する事に依り、良好に、繊維に練り込みする事が出来る。超微細化富士山溶岩パウダーは、平均粒子径を前記範囲に調整する事に依り、超微細化富士山溶岩パウダーが練り込まれた繊維は、良好に、遠赤外線放射機能を発揮する。超微細化富士山溶岩パウダーは、平均粒子径を前記範囲に調整する事に依り、良好に、マイナスイオン発生効果を発揮する。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、新たに、溶岩パウダー練り込み繊維を提供する事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、本発明の超微細化富士山溶岩パウダー練り込み繊維に使用する富士山溶岩石の粗粒子のスラリーを説明する図である。#1初期スラリーでは、富士山溶岩を、平均粒子径は23.7μm程度に、メジアン径は14.8μm程度に、モード径は12.4μm程度に、パウダー化する事が出来た。
【
図2】
図2は、本発明の超微細化富士山溶岩パウダー練り込み繊維に使用する富士山溶岩石の粗粒子のスラリーを説明する図である。#1粗粉砕20分間では、富士山溶岩を、平均粒子径は0.75μm程度に、メジアン径は0.43μm程度に、モード径は0.36μm程度に、超微細化する事が出来た。
【
図3】
図3は、本発明の超微細化富士山溶岩パウダー練り込み繊維に使用する富士山溶岩石の粗粒子のスラリーを説明する図である。#1粗粉砕1時間では、富士山溶岩を、平均粒子径は0.35μm程度に、メジアン径は0.21μm程度に、モード径は0.18μm程度に、超微細化する事が出来た。
【
図4】
図4は、本発明の超微細化富士山溶岩パウダー練り込み繊維に使用する富士山溶岩石の粗粒子のスラリーを説明する図である。#1粗粉砕1.5時間では、富士山溶岩を、平均粒子径は0.29μm程度に、メジアン径は0.18μm程度に、モード径は0.16μm程度に、超微細化する事が出来た。
【
図5】
図5は、本発明の超微細化富士山溶岩パウダー練り込み繊維に使用する富士山溶岩石のナノメートルサイズの微粒子を説明する図である。#2微粉砕30分間では、富士山溶岩を、平均粒子径は0.14μm程度に、メジアン径は0.12μm程度に、モード径は0.12μm程度に、超微細化する事が出来た。
【
図6】
図6は、本発明の超微細化富士山溶岩パウダー練り込み繊維に使用する富士山溶岩石のナノメートルサイズの微粒子を説明する図である。#2微粉砕1時間では、富士山溶岩を、平均粒子径は0.13μm程度に、メジアン径は0.12μm程度に、モード径は0.12μm程度に、超微細化する事が出来た。
【
図7】
図7は、本発明の超微細化富士山溶岩パウダー練り込み繊維に使用する富士山溶岩石のナノメートルサイズの微粒子を説明する図である。#2微粉砕1.5時間では、富士山溶岩を、平均粒子径は0.09μm程度に、メジアン径は0.09μm程度に、モード径は0.08μm程度に、超微細化する事が出来た。
【
図8】
図8は、本発明の超微細化富士山溶岩パウダー練り込み繊維に使用する富士山溶岩石のナノメートルサイズの微粒子を説明する図である。#2微粉砕2時間では、富士山溶岩を、平均粒子径は0.09μm程度に、メジアン径は0.08μm程度に、モード径は0.08μm程度に、超微細化する事が出来た。
【
図9】
図9は、本発明の超微細化富士山溶岩パウダー練り込み繊維に使用する富士山溶岩石のナノメートルサイズの微粒子を説明する図である。#2微粉砕3時間では、富士山溶岩を、平均粒子径は0.09μm程度に、メジアン径は0.08μm程度に、モード径は0.08μm程度に、超微細化する事が出来た。
【
図10】
図10は、本発明の超微細化富士山溶岩パウダー練り込み繊維に使用する富士山溶岩石を説明する図である。富士山溶岩石(試料)の遠赤外線放射エネルギーのグラフは、黒体の放射能を示すグラフに近接しており、遠赤外線放射エネルギーが高い事を示している。
【
図11】
図11は、本発明の超微細化富士山溶岩パウダー練り込み繊維に使用する富士山溶岩石を説明する図である。富士山溶岩石(試料)の遠赤外線放射率のグラフは、黒体の放射強度に比べて、高い比率を表しており、遠赤外線放射エネルギーが高い事を示している。
【
図12】
図12は、本発明の超微細化富士山溶岩パウダー練り込み繊維に使用する富士山溶岩石を説明する図である。富士山溶岩石をパウダー状として、蛍光X線に依る簡易定量(EP法)をした成分分析結果を表す。
【
図13】
図13は、本発明の超微細化富士山溶岩パウダー練り込み繊維に使用する富士山溶岩石を説明する図である。富士山溶岩石は、マイナスイオンの発生について、富士山溶岩石のプレートを部屋に放置した時、マイナスイオンの量の増加が観測された。
【
図14】
図14は、本発明の超微細化富士山溶岩パウダー練り込み繊維から調製した生地を説明する図である。生地の遠赤外線分光放射率を測定した。本発明の超微細化富士山溶岩パウダー(平均粒子径0.3μm)練り込み繊維から調製した生地は、その積分分光放射率が、比較品の生地(富士山溶岩パウダー:平均粒子径0.6μm)に比べて、優位に2.35%上回った。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本発明を詳細に説明する。
【0024】
本発明を表す実施の形態は、発明の趣旨がより良く理解出来る説明であり、特に指定のない限り、発明内容を限定するものではない。
【0025】
本明細書において、「含む」及び「含有」は、「含む(comprise)」、「実質的にのみからなる(consist essentially of)」、及び「のみからなる(consist of)」の何れも包含する概念である。
【0026】
本明細書において、数値範囲を「A~B」で示す場合、「A以上B以下」を意味する。
【0027】
本明細書において、一般に、部、%等の表示を使用する。
【0028】
本明細書において、特に断りがない限り、質量部又は質量%(wt%)を表す。
【0029】
[1]超微細化富士山溶岩パウダー練り込み繊維の製造方法
本発明の繊維の製造方法を、超微細化富士山溶岩パウダー練り込み繊維の製造方法等と記す。本発明の繊維の製造方法は、繊維に、超微細化富士山溶岩パウダーを練り込む工程を含む、超微細化富士山溶岩パウダー練り込み繊維の製造方法である。
【0030】
従来、溶岩パウダーを、繊維に、染色させていた。
【0031】
本発明は、溶岩パウダー練り込み繊維を製造する際に、繊維に、超微細化富士山溶岩パウダーを練り込む事を特徴とする。
【0032】
超微細化富士山溶岩パウダーは、好ましくは、平均粒子径が0.1μm~5μmであり、好ましくは、平均粒子径が0.1μm~0.5μm(0.3μm程度)、或は0.1μm~0.3μm程度である。
【0033】
繊維に練り込む超微細化富士山溶岩パウダーの平均粒子径を前記範囲に調整する事に依り、良好に、繊維に練り込む事が出来る。繊維に練り込む超微細化富士山溶岩パウダーの平均粒子径を前記範囲に調整する事に依り、超微細化富士山溶岩パウダー練り込み繊維は、良好に、超微細化富士山溶岩パウダーが有する遠赤外線放射機能を、発揮する事が出来る。繊維に練り込む超微細化富士山溶岩パウダーの平均粒子径を前記範囲に調整する事に依り、超微細化富士山溶岩パウダーは、良好にマイナスイオン発生効果を発揮する事が出来る。
【0034】
繊維は、好ましくは、レーヨン、ポリエステル、及びナイロンから成る群から選ばれる少なくとも一種の繊維である。
【0035】
本発明の繊維の製造方法では、繊維に、超微細化富士山溶岩パウダーを練り込む事に依り、得られる繊維は、良好に、遠赤外線放射機能を発揮する事が出来る。この繊維を用いた繊維製品は、良好に、防寒機能を高める事が期待出来る。
【0036】
本発明の繊維の製造方法では、繊維に、超微細化富士山溶岩パウダーを練り込む事に依り、良好に、マイナスイオン発生効果を発揮する超微細化富士山溶岩パウダーが練り込まれている繊維を得る事が出来る。
【0037】
本発明の繊維の製造方法は、この様に、良好に、遠赤外線放射機能とマイナスイオン発生効果とを同時に発揮する超微細化富士山溶岩パウダーを練り込まれている繊維を製造する事が出来る。
【0038】
[1-1]超微細化富士山溶岩パウダー
本発明の超微細化富士山溶岩パウダー練り込み繊維は、繊維に、超微細化富士山溶岩パウダーが練り込まれている。
【0039】
超微細化富士山溶岩パウダーは、好ましくは、平均粒子径が0.1μm~5μmである。
【0040】
超微細化パウダーの調製
超微細化パウダーの調製は、好ましくは、(1)溶岩石を採取する採取工程、(2)前記採取した溶岩石を粉砕する粉砕工程、(3)溶岩パウダーを超微微細化する超微細化工程
、及び(4)分散剤を混合する分散剤混合工程を含む。
【0041】
(1)採取工程
採取工程で、富士山周辺の富士山溶岩石の採取を行う。
【0042】
富士山周辺の富士山溶岩石は、ミネラル成分の元素として、Na、Mg、Si、P、K、Ca、Cr、Mn、Fe、Co、Cu等の多様な元素を豊富に含む。富士山溶岩石の主要なミネラルを構成する元素はケイ素である。
【0043】
富士山溶岩
本発明の繊維に練り込まれる超微細化富士山溶岩パウダーを構成する富士山溶岩は、好ましくは、静岡県御殿場市を産地とする、富士山溶岩石であり、好ましくは、富士山溶岩石を切削仕上げしたものである。
【0044】
富士山溶岩は、好ましくは、主に、二酸化ケイ素(SiO2)を含み、二酸化ケイ素を55質量%(mass%)以上含む、粉末である。富士山溶岩は、好ましくは、シリカ(結晶質、非晶質を包含した二酸化ケイ素)、二酸化ケイ素、石英(Crystalline silica、Quartz)、結晶質二酸化ケイ素-石英(Crystalline silicon dioxide - quartz)、無水ケイ酸(Silicic anhydride)等を含む混合物である。
【0045】
富士山溶岩は、好ましくは、無色、白色、或は黒色、紫色、緑色の変色結晶である(国際化学物質安全性カード日本語版、ICSC(J)、1997)。
【0046】
富士山溶岩は、好ましくは、融点が1,610℃であり、沸点が2,230℃である(国際化学物質安全性カード、ICSC、1997)。富士山溶岩は、好ましくは、蒸気圧が10mmHg(1,732℃
)(換算値)、1,333Pa(1,732℃)(Hazardous Substances Data Bank、HSDB、2005)である。
【0047】
富士山溶岩は、好ましくは、比重(密度)が2.5g/cm3である(国際化学物質安全性カ
ード、ICSC、1997)。
【0048】
富士山溶岩石を、微粉末化する前段階に、好ましくは、破断、及び細断する。破断、及び細断工程は、好ましくは、破砕機による破砕したり、板状、ブロック状等に順次細断した上で、破砕機に掛けて破砕したりする。
【0049】
(2)粉砕工程
粉砕工程では、富士山溶岩石の粒径を10マイクロオーダーまで粉末化し溶岩パウダーを作製する。
【0050】
溶岩石の粉末化は、好ましくは、後の工程での処理に適する程度の粒径まで微細化(微粒子化)する。溶岩石の粉末化は、、次の超微微細化(超微粒子化)処理において、粉砕装置に掛ける際に好適な粒径は、好ましくは、14μm程度の微粒子となるまで微粉砕する
。
【0051】
粉末化は、各種の粉砕装置を用いて行う。粉末化は、溶岩石を、好ましくは、杵と臼を用いたり、円盤間に掛けてすり潰したり、遠心衝撃装置を用いたりして、行う。
【0052】
粉末化した溶岩石の微粉末を、好ましくは、篩いに掛けて分級する。篩い掛けの方法は、各種の篩機を用いて行う。篩い掛けは、好ましくは、特定の篩目のメッシュで分級する。微粉末化し、粒径が10マイクロオーダーの粒径に微粒子化した溶岩パウダーを調整する。
【0053】
富士山溶岩の好ましい粉砕工程
超微細化富士山溶岩パウダーは、富士山溶岩石を粉砕する事に依り調製する。
【0054】
粉砕は、好ましくは、先ず、富士山溶岩石を粗く粉砕し(粗粉砕)、次いで、粗粉砕した溶岩石を微細に粉砕(微粉砕)する、二段階粉砕法を採る。粉砕は、好ましくは、乾式粉砕、或は湿式粉砕で行う。
【0055】
粗粉砕の粉砕機は、好ましくは、ビーズミル、ハンマーミル、ロールクラッシャー等を用いる。微粉砕の粉砕機は、は、好ましくは、ビーズミル、ボールミル、塔式摩砕機等を用いる。
【0056】
仕込みは、富士山溶岩石(対象物)を精製水(溶媒)に懸濁する(濃度20質量%程度)
。仕込みは、好ましくは、分散剤(花王ケミカル、レオドール等)を使用する。
【0057】
富士山溶岩石の粉砕は、好ましくは、二段階処理(二段階粉砕法)であり、第一段階処理は、溶岩石を、ビーズ(例、大きいビーズ、φ0.3mmビーズ)を用いて、粗粉砕を行う
(アシザワ・ファインテック株式会社、スターミルLMZシリーズ、ビーズミル、LMZ2セラ
ミック仕様)。
【0058】
第一段階処理は、好ましくは、湿式粉砕であり、溶岩石を精製水に懸濁し、好ましくは、分散剤(花王ケミカル、レオドール等)を使用する。
【0059】
第一段階処理は、次の第二段階処理のスクリーン(例えば、目開き0.03mm程度)に粗粒子が詰まらない程度まで、粉砕(初期スラリーの調製)を行う。第一段階処理の粉砕は、好ましくは、20℃~50℃程度(より好ましくは、40℃程度)の温度範囲に調整し、好ましくは、30分間~3時間程度(より好ましくは、1時間~2時間程度)の時間範囲で、粗粉砕
を行う。
【0060】
第一段階処理に依り、良好に、富士山溶岩石の粗粒子のスラリー(精製水、分散剤)を調製する事が出来る。
【0061】
採取された富士山溶岩石を、必要に応じて、不純物を除去する為に、溶岩石の洗浄したり、殺菌したりしても良い。
【0062】
洗浄処理では、富士山溶岩石に付着、及び含有している不純物を除去する。例えば、採取した溶岩石の表面に、高圧の流水を噴射して、表面の不純物を洗い落としたり、採取した溶岩石を、弱酸性漂白剤等の洗浄剤を用いて、浸け置き洗いしたりする。
【0063】
殺菌処理では、採取された富士山溶岩石に付着、及び含有している不純物を死滅させる。富士山溶岩石を、例えば、熱水処理に依り殺菌する。
【0064】
(3)超微微細化工程
超微粒子化工程では、粉末化した富士山溶岩パウダーを、平均粒子径が0.1μm~5μm程度まで超微微細化(超微粒子化)する。
【0065】
超微微細化は、好ましくは、精製水(溶媒)を、富士山溶岩パウダー(溶質)の分量に応じて、適量混合して、富士山溶岩パウダーのスラリーを調整し、適当な運転時間、及び温度で、粉砕装置に掛ける事に依り、超微細化する。富士山溶岩石の粉末コロイドを作製する。
【0066】
(1)採取工程、(2)粉砕工程、及び(3)超微微細化工程を、纏めて、(5)富士山溶岩コロイド工程と言う。採取した富士山溶岩石から、精製水を溶媒とした超微細化富士山溶岩パウダーのコロイドを得ることが出来る。
【0067】
超微細化パウダーの好ましい調製工程
富士山溶岩石の粉砕は、好ましくは、二段階処理(二段階粉砕法)であり、第二段階処理は、第一段階処理で得られた富士山溶岩石の粗粒子のスラリーを、ビーズ(例、小さいビーズ、φ0.1mmビーズ)を用いて、粗粒子の微粉砕を行う(アシザワ・ファインテック
株式会社、スターミルLMZシリーズ、ビーズミル、LMZ2セラミック仕様)。第一段階処理
で得られた溶岩石の粗粒子のスラリーに、精製水(溶媒)を添加して、濃度を調整する。微粉砕は、粗粒子を、好ましくは、ナノメートル(nm)サイズまで粉砕を行う。
【0068】
第二段階処理は、好ましくは、湿式粉砕であり、溶岩石の粗粒子のスラリーを精製水に懸濁し、好ましくは、分散剤(花王ケミカル、レオドール等)を使用する。
【0069】
第二段階処理の粉砕は、好ましくは、20℃~50℃程度(より好ましくは、30℃程度)の温度範囲に調整し、好ましくは、30分間~5時間程度(より好ましくは、1時間~3時間程
度)の時間範囲で、微粉砕を行う。
【0070】
第二段階処理に依り、良好に、微粒子のスラリー(精製水、分散剤)を調製し、ナノメートル(nm)サイズの微粒子を調製する事が出来る。
【0071】
(4)分散剤混合工程
分散剤混合工程では、超微細化富士山溶岩パウダーの溶岩コロイドへ、分散剤を添加し、富士山溶岩コロイド中の超微細化富士山溶岩パウダー(溶質)が再凝固する事を防止し、溶質の均質化を促進させる。
【0072】
分散剤は、特に限定されない。分散剤は、分散媒(精製水)中で、超微細化富士山溶岩パウダー(分散質、コロイド粒子)を、細かく均一に、浮遊、又は懸濁させたり、分散質を凝固させずに安定化させるという機能を持つ薬剤である。
【0073】
分散剤は、溶岩コロイドの再凝固を防止し、分散性を維持するものである。分散剤、好ましくは、登録商標「レオドール」(花王株式会社、TW-L120)等を用いる。
【0074】
超微細化パウダーの粒子径
超微細化富士山溶岩パウダーの粒子径は、繊維(レーヨン、ポリエステル、ナイロン等の母体)に練り込み可能な大きさであれば、特に制限されない。
【0075】
超微細化富士山溶岩パウダーは、平均粒子径(粒子径分布の算術平均径)は、好ましくは、0.1μm~5μmであり、より好ましくは、0.1μm~3μmであり、更に好ましくは、0.1
μm~2μmであり、特に好ましくは、0.1μm~1μm(0.7μm程度)であり、最も好ましく
は、0.1μm~0.5μm(0.3μm程度)、或は0.1μm~0.3μm程度である。
【0076】
繊維に練り込むパウダーとして、特に、平均粒子径が0.1μm~0.5μm(0.3μm程度)、或は0.1μm~0.3μm程度の超微細化富士山溶岩パウダーを調製する事は、従来、技術的に困難であったし、その様な超微細化富士山溶岩パウダーを繊維に練り込む事も、従来、技術的に困難であった。
【0077】
本発明は、超微細化富士山溶岩パウダーの平均粒子径を前記範囲に調整する事に依り、良好に、繊維に練り込みする事が出来る。本発明は、超微細化富士山溶岩パウダーの平均粒子径を前記範囲に調整する事に依り、超微細化富士山溶岩パウダーが練り込まれた繊維は、良好に遠赤外線放射機能を発揮する事が出来る。本発明は、超微細化富士山溶岩パウダーの平均粒子径を前記範囲に調整する事に依り、超微細化富士山溶岩パウダーは、良好にマイナスイオン発生効果を発揮する事が出来る。超微細化富士山溶岩パウダーの中でも、平均粒子径が0.1μm~0.5μm(0.3μm程度)、或は0.1μm~0.3μm程度の超微細化富士山溶岩パウダーが練り込まれた繊維は、良好に遠赤外線放射機能を発揮する事が出来る。
【0078】
超微細化富士山溶岩パウダーは、メジアン径(d50、粉体をある粒子径から2つに分けた時、大きい側と小さい側が等量となる径)は、好ましくは、0.1μm~3μmであり、より好ましくは、0.1μm~1.8μmであり、更に好ましくは、0.1μm~1.2μmであり、特に好ましくは、0.1μm~0.5μm或は0.6μm(0.4μm程度)であり、最も好ましくは、0.1μm~0.3
μm(0.2μm程度、0.1μm程度)である。
【0079】
繊維に練り込むパウダーとして、特に、メジアン径が、0.1μm~0.5μm或は0.6μm(0.4μm程度)、0.1μm~0.3μm(0.2μm程度、0.1μm程度)の超微細化富士山溶岩パウダーを調製する事は、従来、技術的に困難であったし、その様な超微細化富士山溶岩パウダーを繊維に練り込む事も、従来、技術的に困難であった。
【0080】
本発明は、超微細化富士山溶岩パウダーのメジアン径を前記範囲に調整する事に依り、良好に、繊維に練り込みする事が出来る。本発明は、超微細化富士山溶岩パウダーのメジアン径を前記範囲に調整する事に依り、超微細化富士山溶岩パウダーが練り込まれた繊維は、良好に遠赤外線放射機能を発揮する事が出来る。本発明は、超微細化富士山溶岩パウダーのメジアン径を前記範囲に調整する事に依り、超微細化富士山溶岩パウダーは、良好にマイナスイオン発生効果を発揮する事が出来る。超微細化富士山溶岩パウダーの中でも、メジアン径が0.1μm~0.5μm或は0.6μm(0.4μm程度)、0.1μm~0.3μm(0.2μm程度、0.1μm程度)の超微細化富士山溶岩パウダーが練り込まれた繊維は、良好に遠赤外線放射機能を発揮する事が出来る。
【0081】
超微細化富士山溶岩パウダーは、モード径(出現比率が最も大きい粒子径チャンネル、分布の極大値)は、好ましくは、0.1μm~3μmであり、より好ましくは、0.1μm~1.8μmであり、更に好ましくは、0.1μm~1.2μmであり、特に好ましくは、0.1μm~0.5μm或は0.6μm(0.4μm程度)であり、最も好ましくは、0.1μm~0.3μm(0.2μm程度、0.1μm程度)である。
【0082】
繊維に練り込むパウダーとして、特に、モード径が、0.1μm~0.5μm或は0.6μm(0.4
μm程度)、0.1μm~0.3μm(0.2μm程度、0.1μm程度)の超微細化富士山溶岩パウダー
を調製する事は、従来、技術的に困難であったし、その様な超微細化富士山溶岩パウダーを繊維に練り込む事も、従来、技術的に困難であった。
【0083】
本発明は、超微細化富士山溶岩パウダーのモード径を前記範囲に調整する事に依り、良好に、繊維に練り込みする事が出来る。本発明は、超微細化富士山溶岩パウダーのモード径を前記範囲に調整する事に依り、超微細化富士山溶岩パウダーが練り込まれた繊維は、
良好に遠赤外線放射機能を発揮する事が出来る。本発明は、超微細化富士山溶岩パウダーのモード径を前記範囲に調整する事に依り、超微細化富士山溶岩パウダーは、良好にマイナスイオン発生効果を発揮する事が出来る。超微細化富士山溶岩パウダーの中でも、モード径が0.1μm~0.5μm或は0.6μm(0.4μm程度)、0.1μm~0.3μm(0.2μm程度、0.1μm程度)の超微細化富士山溶岩パウダーが練り込まれた繊維は、良好に遠赤外線放射機能を発揮する事が出来る。
【0084】
超微細化富士山溶岩パウダーの粒子径は、例えば、堀場製作所社製、粒子径分布測定装置LA-950を用いて、測定する。粒子径分布測定装置LA-950は、レーザ回折/散乱式の測定方式を採用し、レーザ光を使って微粒子の大きさを測定し、最小0.01μm(10nm)~最大3,000μm(3mm)を測定する。
【0085】
[1-2]繊維
本発明の超微細化富士山溶岩パウダー練り込み繊維は、繊維(繊維の母体)に、超微細化富士山溶岩パウダーが練り込まれている。
【0086】
繊維は、好ましくは、レーヨン、ポリエステル、及びナイロンから成る群から選ばれる少なくとも一種の繊維である。
【0087】
繊維
繊維は、天然繊維、及び化学繊維である。
【0088】
天然繊維は、好ましくは、植物から取れる天然繊維の植物繊維(綿等)、及び動物から採取される動物繊維(獣毛、絹、羽毛等)を用いる。
【0089】
植物繊維は、好ましくは、綿、カポック等の植物(主にアオイ科)の種子を利用する種子毛繊維、亜麻、苧麻(ラミー)等の植物の靭皮部を利用する靭皮繊維、マニラ麻、サイザル麻等の植物(主にバショウ科)の葉脈を利用する葉脈繊維、ココヤシの果実内から採取される果実繊維、イグサ(藺草)の繊維等を用いる。
【0090】
動物繊維は、好ましくは、哺乳類の体毛である獣毛を用い、例えば、羊毛(ウール)、山羊毛(カシミア、モヘヤ)、ラマ毛(ラマ毛、ビキューナ毛、アルパカ毛)、ラクダ毛(キャメル)、兎毛(アンゴラ)、馬毛等を用いる。動物繊維は、好ましくは、カイコガ科の昆虫が作る繭から取る繊維である絹(シルク)を用いる。動物繊維は、好ましくは、羽毛、蜘蛛糸(クモ)等を用いる。
【0091】
化学繊維は、好ましくは、有機質繊維を用いる。
【0092】
有機質繊維は、好ましくは、合成繊維、半合成繊維、及び再生繊維を用いる。
【0093】
有機質の合成繊維は、低分子の製造原料に、合成に依り造られた高分子の組成の化学繊維であり、好ましくは、ポリエステル系合成繊維(ポリエステル)、ポリアミド系合成繊維(ナイロン)等を用いる。
【0094】
有機質の半合成繊維は、天然高分子化合物を原料に、他の物質との化合に依り多少の化学変化を加えて紡糸した物であり、好ましくは、セルロース系半合成繊維(アセテート繊維)、タンパク質系半合成繊維(プロミックス、ミルク繊維)等を用いる。
【0095】
有機質の再生繊維は、天然高分子化合物を原料に、それを溶解してから紡糸した物であり、好ましくは、セルロース系再生繊維(レーヨン(ビスコースレーヨン)、キュプラ(
銅アンモニアレーヨン、銅シルク)、ポリノジック等)を用いる。
【0096】
繊維は、好ましくは、レーヨン、ポリエステル、ナイロン等であり、より好ましくは、レーヨンである。レーヨン繊維は、好ましくは、ビスコースレーヨン繊維(再生セルロース繊維)等である。ポリエステル繊維は、好ましくは、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)繊維、ポリブチレンテレフタレート(PBT)繊維、ポリエチレンナフタレート(PEN)繊維、ポリブチレンナフタレート(PBN)
繊維等である。ナイロン繊維は、好ましくは、ナイロン6繊維、ナイロン66繊維等である。
【0097】
繊維は、これらの繊維を一種単独で用いても良く、或は二種以上を混合(ブレンド)して用いても良い。
【0098】
[1-3]繊維に、超微細化富士山溶岩パウダーを練り込む工程
本発明の超微細化富士山溶岩パウダー練り込み繊維は、繊維(繊維の母体)に、超微細化富士山溶岩パウダーが練り込まれている。
【0099】
繊維に、超微細化富士山溶岩パウダーを練り込む方法は、好ましくは、超微細化富士山溶岩パウダーを混合、分散させた繊維原液(好ましくは、ビスコースレーヨン原液等)を、紡糸する事に依り、超微細化富士山溶岩パウダー練り込み繊維を製造する。
【0100】
繊維原液(好ましくは、ビスコースレーヨン原液等)は、特に限定されない。繊維原液は、好ましくは、セルロース等の繊維を含む溶液を調製する。
【0101】
繊維原液は、好ましくは、ビスコースレーヨン原液である。
【0102】
パルプ、コットンリンター等のセルロース(8質量%~10質量%)を、水酸化ナトリウム
等のアルカリを5質量%~7質量%、二硫化炭素を2.5質量%~4質量%含む溶液に溶かしてビスコースにし、酸の中で紡糸して(湿式紡糸)製造する。
【0103】
超微細化富士山溶岩パウダーは、水に分散させて5質量%~25質量%の水分散液とし、こ
れを繊維原液(好ましくは、ビスコース原液)に添加する。水分散液における超微細化富士山溶岩パウダーの含有量を、前記範囲に調整する事に依り、分散液は流動性を有し、良好に、繊維原液(好ましくは、ビスコース原液)に、連続的に、超微細化富士山溶岩パウダーを添加、混合する事が出来る。ビスコース原液の場合、ビスコース再生時に、良好に、再生途中の糸条を形成し、繊維化する事が出来る。
【0104】
超微細化富士山溶岩パウダーの添加量は、繊維原液(好ましくは、ビスコース原液)中の繊維(好ましくは、セルロース)に対して、好ましくは、1質量%~50質量%であり、よ
り好ましくは、5質量%~40質量%であり、更に好ましくは、10質量%~30質量%であり、特
に好ましくは、15質量%~25質量%である。
【0105】
超微細化富士山溶岩パウダーの繊維原液への添加量を前記範囲に調整する事に依り、超微細化富士山溶岩パウダーの特性は、繊維(好ましくは、レーヨン繊維)に埋没されず、良好に、発揮する。超微細化富士山溶岩パウダーの繊維原液への添加量を前記範囲に調整する事に依り、良好に、紡糸を行う事が出来、超微細化富士山溶岩パウダーは、良好に、得られた繊維(好ましくは、レーヨン繊維)に保持され、繊維(好ましくは、レーヨン繊維)の強度、伸度等の性能を維持する事が出来る。
【0106】
超微細化富士山溶岩パウダー練り込みレーヨン繊維の製造例
超微細化富士山溶岩パウダーを、水に分散させ、超微細化富士山溶岩パウダーの水分散液(濃度:20質量%程度)を得る。
【0107】
先ず、セルロースを8.7質量%、水酸化ナトリウムを6質量%、及び二硫化炭素を3.2質量%含むビスコース原液を作製する。
【0108】
次いで、超微細化富士山溶岩パウダーの水分散液を、インジェクションポンプを用いて、セルロース分に対し、超微細化富士山溶岩パウダーの割合が10質量%と成る様に、定量
的、且つ連続的に添加して、ビスコース原液と超微細化富士山溶岩パウダーとを均一に混合する。
【0109】
次いで、ビスコース原液と超微細化富士山溶岩パウダー原液との混合液を、2浴緊張紡糸法に依り、繊維化する。例えば、ノズル径0.09mm、孔数4,000の紡糸口金を用い、紡糸
速度50m/分で紡糸して、単繊維繊度が5.6dtex程度であり、超微細化富士山溶岩パウダーの含有量が10質量%程度である、超微細化富士山溶岩パウダー練り込みレーヨン長繊維束
を作製する。
【0110】
凝固、再生浴は、例えば、硫酸100g/L、硫酸亜鉛15g/L、硫酸ナトリウム350g/Lの組成を有するミューラー浴(50℃程度)を用いる。
【0111】
次いで、超微細化富士山溶岩パウダー練り込みレーヨン繊維の長繊維束を、5mm程度に
切断して、順次、熱水処理、水流化処理、水洗処理を施して精練する。精練後、圧縮ローラーを用いて、余分な水分を繊維から落とし、60℃程度の温度範囲で、7時間程度の時間
範囲で、乾燥して、超微細化富士山溶岩パウダー練り込みレーヨン繊維を得る。
【0112】
超微細化富士山溶岩パウダー練り込みレーヨン繊維を、例えば、衣類、寝装、寝具、カーペット、マット、シーツ等の用いる。
【0113】
繊維製品中の超微細化富士山溶岩パウダーの練り込み量
繊維製品中の超微細化富士山溶岩パウダーの練り込み量(含有量)は、繊維(レーヨン等)に対して、好ましくは、1質量%~50質量%であり、より好ましくは、2質量%~40質量%であり、更に好ましくは、5質量%~20質量%であり、特に好ましくは、8質量%~15質量%である。
【0114】
超微細化富士山溶岩パウダーは、繊維製品中の練り込み量(含有量)を前記範囲に調整する事に依り、繊維に、良好に、超微細化富士山溶岩パウダーが練り込まれており、良好に、遠赤外線放射機能を発揮する事が出来る。この繊維を用いた繊維製品は、良好に、防寒機能を高める事が出来る。
【0115】
本発明の繊維は、繊維に、超微細化富士山溶岩パウダーが練り込まれており、良好に、マイナスイオン発生効果を発揮する超微細化富士山溶岩パウダーが練り込まれている繊維である。
【0116】
[2]超微細化富士山溶岩パウダー練り込み繊維
本発明の繊維を、超微細化富士山溶岩パウダー練り込み繊維と記す。
【0117】
本発明の超微細化富士山溶岩パウダー練り込み繊維は、繊維に、超微細化富士山溶岩パウダーが練り込まれている、超微細化富士山溶岩パウダー練り込み繊維である。
【0118】
本発明の超微細化富士山溶岩パウダー練り込み繊維は、前記[1]超微細化富士山溶岩
パウダー練り込み繊維の製造方法に依り製造する事が出来る。
【0119】
本発明の超微細化富士山溶岩パウダー練り込み繊維の詳細は、前記[1]超微細化富士
山溶岩パウダー練り込み繊維の製造方法の項目で説明を採用する。
【0120】
超微細化富士山溶岩パウダーは、平均粒子径(粒子径分布の算術平均径)は、好ましくは、0.1μm~5μmであり、より好ましくは、0.1μm~3μmであり、更に好ましくは、0.1
μm~2μmであり、特に好ましくは、0.1μm~1μm(0.7μm程度)であり、最も好ましく
は、0.1μm~0.5μm(0.3
μm程度)、或は0.1μm~0.3μm程度である。
【0121】
繊維は、好ましくは、レーヨン、ポリエステル、及びナイロンから成る群から選ばれる少なくとも一種の繊維である。
【0122】
超微細化富士山溶岩パウダーは、平均粒子径を前記範囲に調整する事に依り、良好に、繊維(好ましくは、レーヨン)に練り込まれている。
【0123】
本発明の超微細化富士山溶岩パウダー練り込み繊維は、繊維に、超微細化富士山溶岩パウダーが練り込まれており、良好に、遠赤外線放射機能を発揮する事が出来る。この繊維を用いた繊維製品は、良好に、防寒機能を高める事が出来る。
【0124】
本発明の繊維は、繊維に、超微細化富士山溶岩パウダーが練り込まれており、良好に、マイナスイオン発生効果を発揮する超微細化富士山溶岩パウダーが練り込まれている繊維である。
【0125】
本発明の繊維は、この様に、良好に、遠赤外線放射機能とマイナスイオン発生効果とを同時に発揮する超微細化富士山溶岩パウダーが練り込まれている繊維である。
【0126】
[3]繊維製品
本発明の超微細化富士山溶岩パウダー練り込み繊維は、好ましくは、レーヨン繊維である。
【0127】
超微細化富士山溶岩パウダー練り込みレーヨン繊維では、レーヨン繊維に特有の多孔質構造の内部に、超微細化富士山溶岩パウダーが担持された状態に成る。超微細化富士山溶岩パウダーは、レーヨン繊維内に強固に捉えられていて、容易に脱落し難く成る。
【0128】
レーヨン繊維は、一般的な合成繊維と異なり、ビスコースに含まれていたセルロースが本来の繊維状態に再生する事に依って形成される。超微細化富士山溶岩パウダーは、レーヨン繊維の微細な多孔質構造に埋められてしまう事がない。レーヨン繊維の製造過程では、超微細化富士山溶岩パウダーが有する遠赤外線放射機能が失われる事がない。
【0129】
超微細化富士山溶岩パウダーを混合、分散させたビスコース原液を紡糸して、レーヨン繊維に、超微細化富士山溶岩パウダーを練り込むと、紡糸工程において、超微細化富士山溶岩パウダーは、酸、アルカリ等により処理されつつ、レーヨン繊維に練り込まれる。得られる超微細化富士山溶岩パウダー練り込みレーヨン繊維は、良好に、超微細化富士山溶岩パウダーが有する遠赤外線放射機能を発揮する。
【0130】
超微細化富士山溶岩パウダー練り込みレーヨン繊維を用いた繊維製品は、良好に、防寒機能を高める事が出来る。
【0131】
超微細化富士山溶岩パウダー練り込み繊維(好ましくは、レーヨン繊維)を用いた繊維製品の形態は、特に限定されない。
【0132】
繊維製品の形態は、好ましくは、編み物(ニット)、織物(テキスタイル、ファブリック)、不織布等であり、繊維製品は、繊維産業に有用である。
【0133】
繊維製品(好ましくは、レーヨン繊維製品)の形態は、好ましくは、好ましく、衣類、寝装(寝巻等)、寝具(シーツ、枕カバー、枕、毛布、布団等)、カーペット、マット等の製品に用いる。
【0134】
本発明の超微細化富士山溶岩パウダー練り込み繊維(好ましくは、レーヨン繊維)を、衣類、寝装、寝具等に用いると、遠赤外線放射性を与える事が出来、衣類、寝装、寝具等の防寒機能を高める事が出来る。
【0135】
本発明の超微細化富士山溶岩パウダー練り込み繊維(好ましくは、レーヨン繊維)を、衣類、寝装、寝具等に用いると、衣類、寝装、寝具等の繊維製品に依り、マイナスイオン発生効果を発揮する超微細化富士山溶岩パウダー練り込み繊維を得る事が出来る。
【実施例0136】
以下に、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明する。
【0137】
本発明は、以下の具体的な実施例に限定されない。
【0138】
[1]実施例1
超微細化富士山溶岩パウダーの作製(図1~図9)
富士山溶岩は、静岡県御殿場市を産地とする富士山溶岩石を用い、この富士山溶岩石を切削仕上げしたものを用いた。
【0139】
富士山溶岩の粉砕は、先ず、溶岩石を粗く粉砕し(粗砕)、次いで、粗砕した溶岩石を微細に粉砕(微粉砕)する、二段階粉砕法を採用した。
【0140】
粉砕は、湿式粉砕を採用し、粉砕機は、粗砕及び微粉砕は、ビーズミルを用いた。
【0141】
仕込みは、富士山溶岩石(対象物)を精製水(溶媒)に懸濁した(濃度20質量%)。仕
込みは、必要に応じて、分散剤(花王ケミカル、レオドール等)を使用した。
【0142】
富士山溶岩石の粉砕は、二段階処理(二段階粉砕法)を採用した。
【0143】
超微細化富士山溶岩パウダーの粒子径は、堀場製作所社製(HORIBA)、粒子径分布測定装置LA-950(Laser Scattering Particle Size Distribution Analyzer LA-950)を用い
て、レーザ回折/散乱式の測定方式(Horiba LA950 for Windows [Wet] Ver5.00)を採用し、測定した。
【0144】
第一段階処理(図1~図4)
第一段階処理は、湿式粉砕を行い、富士山溶岩石を精製水に懸濁し、必要に応じて、分散剤(花王ケミカル、レオドール等)を使用した。
【0145】
第一段階処理は、溶岩石を、粉砕装置、ビーズ(大きいビーズ、φ0.3mmビーズ)を用
いて(アシザワ・ファインテック株式会社、スターミルLMZシリーズ、ビーズミル、LMZ2
セラミック仕様)、粗粉砕(攪拌粉砕)を行った。
【0146】
粉砕装置のタンク内部に、ビーズ状の粉砕媒体を充填した。粉砕装置では、攪拌部材を連続的に回転駆動しながら、富士山溶岩石(被粉砕物)のパウダーのスラリーを投入口から連続的に粉砕室に導入した。スラリーは、粉砕室内の精製水(粉砕媒体)と共に攪拌部材の攪拌羽から強い攪拌作用を掛け、スラリー内の富士山溶岩石を粉砕、及び分散させた。
【0147】
先ず、富士山溶岩石のパウダー2kgと精製水8kgとを混合したスラリーを、粗粒子がスクリーンに目詰まりしない程度まで粉砕を行った。粉砕工程を前段階及び後段階の2段階とに分け、前段階の粉砕媒体をφ0.3mmのビーズとして、スラリーと混合して粉砕装置へ投
入し、運転を開始した。
【0148】
第一段階処理は、次の第二段階処理のスクリーン(目開き0.03mm)に粗粒子が詰まらない程度まで、粉砕(初期スラリーの調製)を行った。第一段階処理の粉砕は、20℃~50℃(40℃程度)の温度範囲に調整し、30分間~3時間程度(1時間~2時間程度)の時間範囲
で、粗粉砕を行った。
【0149】
60分間(#1粗粉砕1時間、
図3)の運転経過の時点で粒度変化が収束した。第二段階へ進め為に、十分な粉砕をするため90分間(#1粗粉砕1.5時間、
図4)まで運転を継続した。
【0150】
第一段階処理に依り、良好に、富士山溶岩石の粗粒子のスラリーを調製する事が出来た(
図1~
図4)。
【0151】
粒度の測定は、堀場製作所社製、粒子径分布測定装置LA-950を用いて、室温21.8℃、湿度40%の下で、行った。
【0152】
#1初期スラリー(
図1)では、富士山溶岩を、平均粒子径は23.7μm程度に、メジアン径は14.8μm程度に、モード径は12.4μm程度に、パウダー化する事が出来た。
【0153】
#1粗粉砕20分間(
図2)では、富士山溶岩を、平均粒子径は0.75μm程度に、メジアン径は0.43μm程度に、モード径は0.36μm程度に、超微細化する事が出来た。
【0154】
#1粗粉砕1時間(
図3)では、富士山溶岩を、平均粒子径は0.35μm程度に、メジアン径
は0.21μm程度に、モード径は0.18μm程度に、超微細化する事が出来た。
【0155】
#1粗粉砕1.5時間(
図4)では、富士山溶岩を、平均粒子径は0.29μm程度に、メジアン
径は0.18μm程度に、モード径は0.16μm程度に、超微細化する事が出来た。
【0156】
第二段階処理(図5~図9)
第二段階処理は、湿式粉砕を行い、富士山溶岩石の粗粒子のスラリーを精製水に懸濁し、必要に応じて、分散剤(花王ケミカル、レオドール等)を使用した。
【0157】
第二段階処理は、第一段階処理で得られた富士山溶岩石の粗粒子のスラリーを、粉砕装置、ビーズ(小さいビーズ、φ0.1mmビーズ)を用いて(アシザワ・ファインテック株式
会社、スターミルLMZシリーズ、ビーズミル、LMZ2セラミック仕様)、粗粒子の微粉砕を
行った。
【0158】
次いで、粉砕媒体として、φ0.1mmのビーズへ交換し、粒径を超微細化(ナノメートル
サイズ)まで粉砕した。
【0159】
分散剤、レオドール(花王株式会社、TW-L120)を100g添加した。
【0160】
富士山溶岩石は、90分間(#2微粉砕1.5時間、
図7)の経過時点で、粒度が86.9nmと成り、コロイドを形成する為に十分に、超微細化粒子に、粉砕することが出来た。
【0161】
分散剤添加後も、粒度は継続して超微細化され、180分間(#2微粉砕3時間、
図9)の運
転経過の時点で、粒度が82nmと成り、粒度変化が収束した。
【0162】
得られたスラリーから、超微細化化された溶岩石を溶質とするコロイド水溶液(溶岩コロイド)を調製する事が出来た。
【0163】
第一段階処理で得られた溶岩石の粗粒子のスラリーに、精製水(溶媒)を添加して、濃度を調整した。微粉砕は、粗粒子を、ナノメートル(nm)サイズまで粉砕を行った。第二段階処理の粉砕は、20℃~50℃程度(30℃程度)の温度範囲に調整し、30分間~5時間程
度(1時間~3時間程度)の時間範囲で、微粉砕を行った。
【0164】
第二段階処理に依り、良好に、微粒子のスラリー(精製水、分散剤)を調製し、富士山溶岩石のナノメートル(nm)サイズの微粒子を調製する事が出来た(
図5~
図9)。
【0165】
粒度の測定は、堀場製作所社製、粒子径分布測定装置LA-950を用いて、室温21.8℃、湿度40%の下で、行った。
【0166】
#2微粉砕30分間(
図5)では、富士山溶岩を、平均粒子径は0.14μm程度に、メジアン径は0.12μm程度に、モード径は0.12μm程度に、超微細化する事が出来た。
【0167】
#2微粉砕1時間(
図6)では、富士山溶岩を、平均粒子径は0.13μm程度に、メジアン径
は0.12μm程度に、モード径は0.12μm程度に、超微細化する事が出来た。
【0168】
#2微粉砕1.5時間(
図7)では、富士山溶岩を、平均粒子径は0.09μm程度に、メジアン
径は0.09μm程度に、モード径は0.08μm程度に、超微細化する事が出来た。
【0169】
#2微粉砕2時間(
図8)では、富士山溶岩を、平均粒子径は0.09μm程度に、メジアン径
は0.08μm程度に、モード径は0.08μm程度に、超微細化する事が出来た。
【0170】
#2微粉砕3時間(
図9)では、富士山溶岩を、平均粒子径は0.09μm程度に、メジアン径
は0.08μm程度に、モード径は0.08μm程度に、超微細化する事が出来た。
【0171】
富士山溶岩石を粉砕する事に依り、平均粒子径(粒子径分布の算術平均径)は、0.1μm~1μm(0.7μm程度)程度に、0.1μm~0.5μm(0.3μm程度)程度に、超微細化された、超微細化富士山溶岩パウダーを調製する事が出来た。
【0172】
富士山溶岩石を粉砕する事に依り、メジアン径(d50)は、0.1μm~0.6μm(0.4μm程
度)程度に、0.1μm~0.3μm(0.2μm程度、0.1μm程度)程度に、超微細化された、超微細化富士山溶岩パウダーを調製する事が出来た。
【0173】
富士山溶岩石を粉砕する事に依り、モード径(分布の極大値)は、0.1μm~0.6μm(0.4μm程度)程度に、0.1μm~0.3μm(0.2μm程度、0.1μm程度)程度に、超微細化された、超微細化富士山溶岩パウダーを調製する事が出来た。いる。
【0174】
本発明の超微細化富士山溶岩パウダー練り込み繊維に使用する富士山溶岩パウダーは、
超微細化されており、超微細化富士山溶岩パウダーは、良好に、繊維に練り込みする事が出来ると評価出来る。
【0175】
[2]実施例2(図10~図11)
富士山溶岩石の遠赤外線放射率のFTIR測定
放射率、及び放射強度の測定、測定温度:45℃
1.測定試料:富士山溶岩石(玄武岩)
2.測定温度:45℃
3.測定機種:遠赤外線放射率測定装置、日本電子製、JIR-E500
4.測定条件:分解能 1/16cm
積算回数 200回
検知器 MCT(HgCdTe)赤外線検出器
5.遠赤外線の平均放射率の測定結果
平均放射率の計算方法:波長範囲(1)4μm~24μm(ミクロン)、(2)6μm~14μm(ミクロン)について、放射率を積分して平均値を計算した。
【0176】
遠赤外線の特性:赤外線は、波長0.75μm~4.0μm(ミクロン)の近赤外線と、波長4.0μm~1,000μmの(ミクロン)遠赤外線とに、波長に依り区分される。遠赤外線は、近赤
外線に比ベ、浸透力が強く、生体内部にまで到達し、加温する。物体は、外部から種々の形でエネルギーを受け、これをまた種々の形で外部に放射している。この内、遠赤外線を多く放射するものが遠赤外線放射体である。
【0177】
遠赤外線の測定:フーリエ変換型赤外線分光光度計(FTIR)で測定する。黒体と試料とを同一温度に保ち、波長4.0μm~1,000μmの両者の放射スペクトルを測定し、試料の放射度と黒体の放射度との比を放射率と言う。
【0178】
山型の2本の曲線グラフ(
図10)の説明:試料の放射強度の状態を示すグラフである。
横軸目盛は、測定波長数(単位:μm(ミクロン、マイクロメートル))で、24μmまでの範囲を示す。縦軸目盛は、放射エネルギーの強さであり、1cm
2当たりのW数(放射輝度)
で示す。2本の曲線の内、「黒体」(上側の曲線)は、黒体(入射する光を100%吸収し、
エネルギー放射能力が最大の物体)の放射エネルギーを示すものである。「試料」(赤色の曲線)は、試料の放射能を示すグラフであり、黒体のグラフと近接している程、放射能の高い事を示す。
【0179】
1本の横線曲線グラフ(
図11)の説明:黒体の放射強度を100とした場合の「試料」の放射強度の比率(放射率)を示すグラフであり、横軸は、放射強度グラフと同じく、測定波長数を示す。縦軸目盛りは、放射率を示し、%表示である。
【0180】
富士山溶岩石の波長範囲(1)4μm~24μmの平均放射率は、88.48%であった。
【0181】
富士山溶岩石の波長範囲(2)6μm~14μmの平均放射率は、88.75%であった。
【0182】
富士山溶岩石(試料)の遠赤外線放射エネルギーのグラフは、黒体の放射能を示すグラフに近接しており、遠赤外線放射エネルギーが高い事を示している(
図10)。
【0183】
富士山溶岩石(試料)の遠赤外線放射率のグラフは、黒体の放射強度と比べると、高い比率を表しており、遠赤外線放射エネルギーが高い事を示している(
図11)。
【0184】
超微細化富士山溶岩パウダーの平均粒子径を、特に、0.1μm~0.5μm(0.3μm程度)、或は0.1μm~0.3μm程度の範囲に調整する事に依り、超微細化富士山溶岩パウダーは、良
好に遠赤外線放射機能を発揮する事が出来た。
【0185】
本発明の超微細化富士山溶岩パウダー練り込み繊維に使用する富士山溶岩は、良好に、遠赤外線放射機能を発揮する事が出来ると評価出来る。
【0186】
[3]実施例3(図12)
富士山溶岩石の成分分析
試験試料:富士山溶岩石
試験機器:蛍光X線に依る簡易定量(EP法)
試験結果:富士山溶岩石をパウダー状として、蛍光X線による簡易定量(EP法)をした結果を表す(
図12)。
【0187】
富士山周辺の溶岩石には、ミネラル成分の元素としてNa、Mg、Si、P、K、Ca、Cr、Mn、Fe、Co、Cu等の元素が含有されている。富士山溶岩石の主要なミネラルを構成する元素はケイ素である。
【0188】
[4]実施例4(図13)
富士山溶岩石のマイナスイオン測定試験
試料:富士山溶岩石
測定機器:(株)エコ・ホリスティック製、イオンカウンターEB-12A
測定環境:天候 雨、室温 21℃、湿度 57%
測定結果:表1及び
図13
【0189】
【0190】
測定時:室内マイナスイオン数平均43個/cc
富士山溶岩石は、マイナスイオンの発生について、富士山溶岩石のプレートを部屋に放置した時、マイナスイオンの量の増加が観測された(
図13)。
【0191】
超微細化富士山溶岩パウダーの平均粒子径を、特に、0.1μm~0.5μm(0.3μm程度)、
或は0.1μm~0.3μm程度の範囲に調整する事に依り、超微細化富士山溶岩パウダーは、良好にマイナスイオン発生効果を発揮する事が出来た。
【0192】
衣類、タオル、マスク等の繊維製品に、超微細化富士山溶岩パウダーを練り込む事に依り、これら繊維製品は、マイナスイオンを発生させる事が出来る超微細化富士山溶岩パウダーが練り込まれた繊維製品と成る。これら繊維製品に超微細化富士山溶岩パウダーが練り込まれている事で、マイナスイオンを発生させる事に依り、疲労回復、精神安定等の様々な健康増進効果が期待出来る。
【0193】
[5]実施例5
超微細化富士山溶岩パウダー練り込み繊維(レーヨン繊維)の作製
超微細化富士山溶岩パウダーの濃度が20質量%と成る様に、水に分散させ、超微細化富
士山溶岩パウダーの水分散液を作製した。
【0194】
先ず、セルロースを8.7質量%、水酸化ナトリウムを6質量%、及び二硫化炭素を3.2質量%含むビスコース原液を作製した。
【0195】
次いで、超微細化富士山溶岩パウダーの水分散液を、インジェクションポンプを用いて、セルロース分に対する超微細化富士山溶岩パウダーの割合が10質量%と成る様に、定量
的、且つ連続的に添加して、ビスコース原液と超微細化富士山溶岩パウダーとを均一に混合した。
【0196】
次いで、得られたビスコース原液と超微細化富士山溶岩パウダーとの混合液を、2浴緊張紡糸法に依り、繊維化した。この時、ノズル径0.09mm、孔数4,000の紡糸口金を用い、
紡糸速度50m/分で紡糸して、単繊維繊度が5.6dtexであり、超微細化富士山溶岩パウダーの含有量が10質量%である、超微細化富士山溶岩パウダー練り込みレーヨン長繊維束を作
製した。
【0197】
凝固、再生浴は、硫酸100g/L、硫酸亜鉛15g/L、硫酸ナトリウム350g/Lの組成を有するミューラー浴(50℃)を用いた。
【0198】
次いで、得られた超微細化富士山溶岩パウダー練り込みレーヨン長繊維束を、5mmに切
断して、順次、熱水処理、水流化処理、水洗処理を施して精練した。精練後、圧縮ローラーで余分な水分を繊維から落とした後、60℃で7時間乾燥して、超微細化富士山溶岩パウ
ダー練り込みレーヨン繊維を作製した。
【0199】
本発明の超微細化富士山溶岩パウダー練り込み繊維(レーヨン繊維)は、繊維に、良好に、超微細化富士山溶岩パウダーが練り込まれていた。超微細化富士山溶岩パウダー練り込み繊維は、超微細化富士山溶岩パウダーの平均粒子径を、特に、0.1μm~0.5μm(0.3
μm程度)、或は0.1μm~0.3μm程度の範囲に調整する事に依り、良好に、繊維に超微細
化富士山溶岩パウダーを練り込みする事が出来た。
【0200】
本発明の超微細化富士山溶岩パウダー練り込み繊維は、良好に、超微細化富士山溶岩パウダーが有する遠赤外線放射機能を発揮すると評価出来た。超微細化富士山溶岩パウダー練り込み繊維は、超微細化富士山溶岩パウダーの平均粒子径を、特に、0.1μm~0.5μm(0.3μm程度)、或は0.1μm~0.3μm程度の範囲に調整する事に依り、超微細化富士山溶岩パウダーが練り込まれた繊維は、良好に遠赤外線放射機能を発揮する事が出来た。
【0201】
本発明の超微細化富士山溶岩パウダー練り込み繊維は、良好に、マイナスイオン発生効果を発揮すると評価出来た。超微細化富士山溶岩パウダー練り込み繊維は、超微細化富士
山溶岩パウダーの平均粒子径を、特に、0.1μm~0.5μm(0.3μm程度)、或は0.1μm~0.3μm程度の範囲に調整する事に依り、超微細化富士山溶岩パウダーは、良好にマイナスイオン発生効果を発揮すると評価出来た。
【0202】
本発明の超微細化富士山溶岩パウダー練り込み繊維(レーヨン繊維)を用いて、繊維製品を作製すると、良好に、防寒機能を高めると評価出来る。
【0203】
[6]実施例6
繊維製品の作製
単繊維繊度が5.6dtex、繊維長が5mmの超微細化富士山溶岩パウダー練り込みレーヨン繊維40質量%と、パルプ60質量%とを混合して、湿式抄紙し、目付70g/m2の超微細化富士山
溶岩パウダー練り込みレーヨン繊維を含む超微細化富士山溶岩パウダーレーヨン繊維製品(不織布)を得た。
【0204】
[7]実施例7(図14)
生地の作製
繊維に、富士山溶岩パウダー練り込み。生地を調製した。
本発明の生地:繊維に、平均粒子径が0.3μmの超微細化富士山溶岩パウダーを練り込み、生地を調製した(30%/RB1.7dtex×38mm(T)70%)。
比較品の生地:繊維に、平均粒子径が0.6μmの富士山溶岩パウダーを練り込み、生地を調製した(30%/RB1.7dtex×38mm(T)70%)。
【0205】
生地の遠赤外線分光放射率(分光放射率)を測定した。
試験方法:遠赤外線分光放射率(%)
FT-IR法(旧遠赤外線協会法)準用
積分測定波長域 5~20μm
測定温度 40℃
測定面 表面
【0206】
測定結果を
図14に示す。以下の表2では、比較品の生地の遠赤外線分光放射率と比べて
、本発明の生地の遠赤外線分光放射率の増減率を表した。
本発明の生地の分光放射率の増減率=
[(本発明の生地の分光放射率)-(比較品の生地の分光放射率)]
/(比較品の生地の分光放射率)×100
【0207】
【0208】
本発明の超微細化富士山溶岩パウダー(平均粒子径0.3μm)練り込み繊維から調製した生地は、その積分分光放射率が、比較品の生地(富士山溶岩パウダー:平均粒子径0.6μm)に比べて、優位に2.35%上回った。
【0209】
本発明の生地では、超微細化富士山溶岩パウダーの平均粒子径を調整し、平均粒子径:0.1μm~0.5μm程度(0.3μm程度)の範囲で、良好に、繊維に練り込まれた。本発明の生
地は、繊維に、平均粒子径:0.1μm~0.5μm程度(0.3μm程度)の範囲の超微細化富士山溶岩パウダーが練り込まれており、良好に、遠赤外線放射機能を発揮した。
【0210】
[8]産業上の利用可能性
本発明の超微細化富士山溶岩パウダー練り込みレーヨン繊維は、良好に、超微細化富士山溶岩パウダーが有する遠赤外線放射機能を発揮する。本発明の超微細化富士山溶岩パウダー練り込み繊維は、良好に、マイナスイオン発生効果を発揮する超微細化富士山溶岩パウダーが練り込まれた繊維である。
【0211】
本発明の超微細化富士山溶岩パウダー練り込みレーヨン繊維を用いた繊維製品は、良好に、防寒機能を高める事が出来る。