(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125247
(43)【公開日】2024-09-17
(54)【発明の名称】エアブロー装置
(51)【国際特許分類】
B08B 5/00 20060101AFI20240909BHJP
B23Q 11/00 20060101ALI20240909BHJP
【FI】
B08B5/00 A
B23Q11/00 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023046024
(22)【出願日】2023-03-04
(71)【出願人】
【識別番号】523102922
【氏名又は名称】竹村 真治
(72)【発明者】
【氏名】竹村 真治
【テーマコード(参考)】
3B116
【Fターム(参考)】
3B116AA46
3B116AB53
3B116BB32
3B116BB62
3B116BB72
3B116BB73
3B116CD22
(57)【要約】
【課題】圧縮空気の無駄等の問題を解消可能なエアブロー装置を提供すること。
【解決手段】エアブロー装置100は、エンクロージャー10と、エアブロー用流量増幅器30と、遠心分離器6とを備えている。エンクロージャー10は、投入口19が開口するエアブロー室14と、エアブロー室14の下方で異物が回収される異物回収室15と、異物回収室15に回収された異物を外部に排出するための排出口16を開閉する蓋9と、排気口8とが設けられている。エアブロー用流量増幅器30は、空気の加圧源1に開閉弁2を介して接続されたエアブロー用ノズル3を備え、エアブロー用ノズル3がエアブロー室14に噴出する圧縮空気、および投入口19から流入する外気を混合してエアブロー室14に気流を発生させる。遠心分離器6は、エンクロージャー10の内部においてエアブロー室14と異物回収室15との間で気流に含まれる異物を遠心分離し、異物回収室15に選択的に留める。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入口が開口するエアブロー室、前記エアブロー室の下方で異物が回収される異物回収室、前記異物回収室に回収された異物を外部に排出するための排出口を開閉する蓋、および排気口が設けられたエンクロージャーと、空気の加圧源に開閉弁を介して接続されたエアブロー用ノズルを備え、前記エアブロー用ノズルが前記エアブロー室に噴出する圧縮空気、および前記投入口から流入する外気を混合して前記エアブロー室に気流を発生させるエアブロー用流量増幅器と、前記エンクロージャーの内部において前記エアブロー室と前記異物回収室との間で前記気流に含まれる異物を選択的に前記異物回収室に回収させ、前記異物が除外された空気を前記排気口から排出する遠心分離器とを有することを特徴とするエアブロー装置。
【請求項2】
前記エアブロー用ノズルは、前記投入口の周りに沿うように配置されていることを特徴とする請求項1に記載のエアブロー装置。
【請求項3】
前記エアブロー室と前記遠心分離器との間には、前記エアブロー室から落下した前記エアブロー対象物を受け止める網が配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のエアブロー装置。
【請求項4】
前記エンクロージャーでは、前記エアブロー室から前記異物回収室までがパイプおよび配管継手によって構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のエアブロー装置。
【請求項5】
前記エンクロージャーの少なくとも一部が透明または半透明であることを特徴とする請求項1または2に記載のエアブロー装置。
【請求項6】
前記加圧源に前記開閉弁を介して接続された吸引用ノズルを備え、前記吸引用ノズルが噴出する圧縮空気、および前記遠心分離器から排出された空気を混合して吸引用排出口に向けて噴出する吸引用流量増幅器を備えることを特徴とする請求項1または2に記載のエアブロー装置。
【請求項7】
前記投入口の周りに配置され、前記エアブロー室に前記気流を発生させる際に前記投入口を狭めるように膨らまされるシール部材が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のエアブロー装置。
【請求項8】
前記投入口の前方に配置されたフードが設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のエアブロー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、エアブロー時に飛散する異物の回収を目的としたエアブロー装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、各種の部品をエア洗浄するために例えばエア噴射ガンから当該部品に向けて噴射されたエアを回収するエアブロー装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示のエアブロー装置には、次のような欠点があった。
(1)圧縮空気を無駄に使用している
(2)コンパクトでない
(3)装置が複雑で高価である
(4)作業性が悪い
(5)エアブロー対象物から飛散した異物の回収についてはふれられていない。
【0005】
本発明の課題は、以上の欠点を解消するエアブロー装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明を適用したエアブロー装置は、投入口が開口するエアブロー室、前記エアブロー室の下方で異物が回収される異物回収室、前記異物回収室に回収された異物を外部に排出するための排出口を開閉する蓋、および排気口が設けられたエンクロージャーと、空気の加圧源に開閉弁を介して接続されたエアブロー用ノズルを備え、前記エアブロー用ノズルが前記エアブロー室に噴出する圧縮空気、および前記投入口から流入する外気を混合して前記エアブロー室に気流を発生させるエアブロー用流量増幅器と、前記エンクロージャーの内部において前記エアブロー室と前記異物回収室との間で前記気流に含まれる異物を選択的に前記異物回収室に回収させ、前記異物が除外された空気を前記排気口から排出する遠心分離器と、を有することを特徴とする。
【0007】
本発明に係るエアブロー装置では、エアブロー用ノズルからエアブロー室に圧縮空気を噴出させると、エアブロー室に発生した負圧部分によって外気がエアブロー室に流入するエアブロー用流量増幅器が設けられているため、投入口からエアブロー室に投入したエアブロー対象物に大流量のエアを吹き付けることができる。従って、小型かつ簡素な構成でありながら、圧縮空気を無駄にすることなく、エアブロー対象物に付着していた異物を効率よく脱離することができる。また、投入口から外気がエアブロー室に吸引されるため、異物が外部に漏れ出ることを抑制することができる。さらに、エアブロー対象物から脱離した異物を含むエアは遠心分離器に到達するので、異物が除外された空気を排気口から排出することができるとともに、異物を異物回収室に効率よく回収することができる。従って、エンクロージャーの蓋の開閉によって異物を排除することができるので、作業性に優れている。
【0008】
本発明において、前記エアブロー用ノズルは、前記投入口の周りに沿うように配置されている態様を採用することができる。かかる態様によれば、投入口から外気がエアブロー室に効率よく吸引されるため、異物が外部に漏れ出ることを抑制することができる。
【0009】
本発明において、前記エアブロー室と前記遠心分離器との間には、前記エアブロー室から落下した前記エアブロー対象物を受け止める網が配置されている態様を採用することができる。かかる態様によれば、エアブロー対象物を誤って落下させてしまった場合でも、エアブロー対象物が遠心分離器に到達しないので、エアブロー対象物の回収が容易である。
【0010】
本発明において、前記エンクロージャーでは、前記エアブロー室から前記異物回収室までがパイプおよび配管継手によって構成されている態様を採用することができる。かかる態様によれば、エンクロージャーの製作費用を低減することができる。
【0011】
本発明において、前記エンクロージャーの少なくとも一部が透明または半透明である態様を採用することができる。かかる態様によれば、エンクロージャーの内部の様子を容易に観察することができる。
【0012】
本発明において、前記加圧源に前記開閉弁を介して接続された吸引用ノズルを備え、前記吸引用ノズルが噴出する圧縮空気、および前記遠心分離器から排出された空気を混合して前記排気口に向けて噴出する吸引用流量増幅器を備える態様を採用することができる。かかる態様によれば、遠心分離器から排気される空気を吸い込んで排気口から排出できるので、エアブロー室から遠心分離器に向かう空気の流量を増大させることができる。
【0013】
本発明において、前記投入口の周りに配置され、前記エアブロー室に前記気流を発生させる際に前記投入口を狭めるように膨らまされるシール部材が設けられている態様を採用することができる。かかる態様によれば、作業者がエアブロー対象物を手に持ってエアブロー室に投入した際、作業者と腕との隙間を狭めることができるので、異物が外部に漏れ出ることを抑制することができる。
【0014】
本発明において、前記投入口の前方に配置されたフードが設けられている態様を採用することができる。かかる態様によれば、大型のエアブロー対象物に対してもエアーガンを使ってエアブローする際、異物を捕集することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るエアブロー装置では、エアブロー用ノズルからエアブロー室に圧縮空気を噴出させると、エアブロー室に発生した負圧部分によって外気がエアブロー室に流入するエアブロー用流量増幅器が設けられているため、投入口からエアブロー室に投入したエアブロー対象物に大流量のエアを吹き付けることができる。従って、小型かつ簡素な構成でありながら、圧縮空気を無駄にすることなく、エアブロー対象物に付着していた異物を効率よく脱離することができる。また、投入口から外気がエアブロー室に吸引されるため、異物が外部に漏れ出ることを抑制することができる。さらに、エアブロー対象物から脱離した異物を含むエアは遠心分離器に到達するので、異物が除外された空気を排気口から排出することができるとともに、異物を異物回収室に効率よく回収することができる。従って、エンクロージャーの蓋の開閉によって異物を排除することができるので、作業性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施形態1に係るエアブロー装置の斜視図。
【
図2】
図1に示すエアブロー装置の縦断面を示す説明図。
【
図3】
図1に示すエアブロー装置の遠心分離器入口部分の横断面を示す説明図。
【
図4】
図1に示すエアブロー装置において吸引用ノズルを遠心分離器上部に追加した実施形態2の斜視図。
【
図5】
図4に示すエアブロー装置の縦断面を示す説明図。
【
図6】
図4に示すエアブロー装置の遠心分離器入口部分の横断面を示す説明図。
【
図7】
図1に示すエアブロー装置においてシールを設けた実施形態3の斜視図。
【
図8】
図7に示すエアブロー装置の縦断面を示す説明図。
【
図10】
図1に示すエアブロー装置においてセンサを設けた実施形態4の斜視図。
【
図11】
図1に示すエアブロー装置においてフードを設けた実施形態5の斜視図。
【
図12】
図1に示すエアブロー装置において折りたたまれたフードを示す実施形態5の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
【0018】
[実施形態1]
(全体構成)
図1は、本発明の実施形態1に係るエアブロー装置の斜視図である。
図2は、
図1に示すエアブロー装置の縦断面を示す説明図である。
図3は、
図1に示すエアブロー装置の遠心分離器入口部分の横断面を示す説明図である。
【0019】
図1、
図2および
図3において、本形態のエアブロー装置100は、概ね、エンクロージャー10と、エアブロー用流量増幅器30と、遠心分離器6とを備えており、エアブロー対象物に付着していた切りくず、洗浄液、切削油等の異物をエアブローによってエアブロー対象物から脱離させた後、異物を回収する。
【0020】
本形態において、エンクロージャー10は、投入口19が開口するエアブロー室14と、エアブロー室14の下方で異物が回収される異物回収室15と、異物回収室15に回収された異物を外部に排出するための排出口16を開閉する蓋9と、排気口8とが設けられている。
図11に示すように投入口19は、異物回収室15と同軸状でもよい。
本形態において、エンクロージャー10は、異物回収室15の下端が、異物を外部に排出するための排出口16として開口している。蓋9は、エンクロージャー10を支持するベースを兼ねており、接地用の板部と、異物回収室15の下端が嵌まる筒部とを有する。従って、エンクロージャー10を外部の台などに固定しない場合、蓋9には、転倒防止の脚が設けられることがある。なお、異物回収室15の側面に排出口16が設けられている場合もあり、いずれの形態においても、蓋9は排出口16を開閉可能である。
【0021】
エアブロー用流量増幅器30は、空気の加圧源1に開閉弁2を介して接続されたエアブロー用ノズル3を備え、エアブロー用ノズル3がエアブロー室14に噴出する圧縮空気、および投入口19から流入する外気を混合してエアブロー室14に気流を発生させる。本形態において、エアブロー用ノズル3は、投入口19の外周に沿うように配置されている。具体的には、投入口19の外周に沿って複数あるいは全周のノズル口が配置されている。本形態では、開閉弁2として、足踏み式のものが用いられているが、手で操作するものや、後述するように、センサで制御するものであってもよい。
【0022】
遠心分離器6は、エンクロージャー10の内部においてエアブロー室14と異物回収室15との間で気流に含まれる異物を遠心分離し、異物回収室15に異物を選択的に留める。遠心分離器6は、異物が除外された空気を排気口8から排出する。本形態において、エンクロージャー10の一部は遠心分離器6のケースを兼ねている。
【0023】
エアブロー室14と異物回収室15との間には、エアブロー室14から落下したエアブロー対象物を受け止める網7が配置されている。従って、エアブロー対象物を誤って落下させてしまった場合でも、エアブロー対象物が遠心分離器6に到達しないので、エアブロー対象物の回収が容易である。また、網7は、大きなごみを捕集し、遠心分離器6に詰まるのを防ぐ。
【0024】
エンクロージャー10において、エアブロー室14から異物回収室15までがパイプおよび配管継手によって構成されている。本形態において、排気口8も、パイプによって構成されている。本形態において、パイプおよび配管継手は、例えば、一般に市販されている硬質ポリ塩化ビニル製のパイプおよび配管継手である。ここで、エンクロージャー10には、透明あるいは半透明のパイプや配管継手を用いれば、エンクロージャー10の内部を容易に観察することができる。
【0025】
(作用・効果)
本発明を使用するときは、開閉弁2を操作し、エアブロー用流量増幅器30のエアブロー用ノズル3が加圧空気を噴出すると、エアブロー室14の内部に負圧部が生じ、大気圧の吸い込み口からその負圧部に空気が流入し、供給した圧縮空気とともに流出し、エアブローの流量が増幅される。本形態において、大気圧の吸い込み口は、エアブロー対象物を作業者が手にもって入れる投入口19であるため、エアブロー対象物を持つ手の周りから異物が吸引されることで、異物がエンクロージャー10の外に漏れるのを防ぐ。また、エアブロー対象物の異物で手が汚れるのを防ぐ。エアブローが強すぎて、エアブロー対象物が飛ばないように、流量を調整する。なお、投入口19の全周にエアブロー用ノズル3がなくても、エアブロー対象物は手で360°程度回転でき、、両手持ちでも360°程度回転できるので、異物は除去できる。
【0026】
エアブローした空気とエアブロー対象物から飛散した異物は、エアブロー室14の湾曲した内面に沿って遠心分離器6へ向かう。
【0027】
遠心分離器6から入った空気とエアブロー対象物に付着していた切りくず等や、付着していた洗浄液・切削油等から生じたミストは、エンクロージャー10のうち、遠心分離器6のケースを兼ねている部分の内周面に沿って旋回することで遠心分離され、浄化された空気が排気口8から排出される。排気口8には、廃棄物のミストをさらに捕集するフィルタや排気音を下げるサイレンサを追加してもよい。
【0028】
工場内には、工場全体のオイルミストを吸引・除去し、清浄な空気を排出するオイルミスト捕集装置が設置されている。また、工作機械ごとにオイルミスト捕集装置が設置されている。しかしながら、オイルミストの発生原因になるエアブローの手作業の現場に適当な捕集装置が設置されていない場合が多いので、このエアブロー装置は有益である。廃棄物は、再生利用の面からも回収することに意味がある。異物を回収した後は、蓋9と異物回収室15とを引き離して、異物を排出する。
【0029】
エンクロージャー10および蓋9には、透明や半透明の硬質ポリ塩化ビニル製パイプと配管継手を用いたため、以下の利点がある。
・耐薬品性が高い
・構造材として強度、剛性がある
・硬度が低い
・材料として入手しやすく安価である
・加工、連結がしやすい
・流体について考慮されている
・透明または半透明のものがあり内部を透視できる
・美観を保ちやすい
【0030】
より具体的には、エアブロー対象物は、たとえば、切削加工後の切削油除去の目的や、測定前に切削油とともに付着した異物を除去する目的で洗浄剤を用いて洗浄するため、耐薬品性が必要であり、硬質ポリ塩化ビニルは材質として適している。また、ポリ塩化ビニルは硬度が低いので、エアブロー対象物を傷つけにくい。また、内面を流路とした場合、形状・内面の滑らかさと断面形状と断面寸法の変化が少ないから流体の受ける抵抗が少ない。
【0031】
エアブローの必要な時は、例えば切削加工が終わった製品を脱脂洗浄して、洗浄剤を除去するために使う。また、測定時に異物の付着を除去するために必要になる。よって、エアブロー装置は加工機ごと、測定器ごとに設置するなど、必要台数が多い。よって安価であることが大切になるが、材料として安価である、円筒形状は、そのまま遠心分離器のケースに使えるので安く作れる。加工・接続がしやすいので加工・組立費が安価になる。
【0032】
エンクロージャーの全体または一部を透明または半透明にすることにより、エアブロー対象物とノズルとの位置関係がわかり、作業性が良い。廃棄物の排出時期が透視でわかるので作業性が良い。
【0033】
本形態において、蓋9がはめ込み式であるため、接続しやすい。また、エアブロー装置100は、軽量・コンパクトであるため、レイアウト変更時などに移動しやすい。
[実施形態2]
【0034】
図4は、
図1に示すエアブロー装置において吸引用ノズルを遠心分離器上部に追加した実施形態2の斜視図である。
図5は、
図4に示すエアブロー装置の縦断面を示す説明図である。
図6は、エアブロー装置の遠心分離器入口部分の横断面を示す説明図である。本実施形態2、および後述する実施形態3,4の基本的な構成は、実施形態1と同様である。それ故、共通する部分には、実施形態1と同様な符号を付して、説明を省略する。
【0035】
図4,
図5,および
図6において、廃棄物の吸引が弱い場合は、吸引用流量増幅器50を構成する吸引用ノズル5を設ける。かかる吸引用ノズル5は、加圧源1に開閉弁2を介して接続されており、流量増幅器50では、吸引用ノズル5が噴出する圧縮空気、および遠心分離器6の排気口13から排出された空気を混合して排気口8に向けて噴出する。かかる態様によれば、遠心分離器6から排気される空気を吸い込んで排気口8から排出できるので、エアブロー室14から遠心分離器6に向かう空気の流量を増大させることができる。その他の構成は実施形態1と同様である。
【0036】
[実施形態3]
図7は、
図1に示すエアブロー装置においてシールを設けた実施形態3の斜視図である。
図8は、
図7に示すエアブロー装置の縦断面を示す説明図である。
図9は、
図7に示すシールを萎ませた状態の斜視図である。
【0037】
図7,
図8,および
図9において、大型のエアブロー対象物のために、手の周りから異物が外部に漏れる場合は、エアブロー室14に気流を発生させる際に投入口19を狭めるように膨らまされるシール部材11が設けられている。かかる態様によれば、作業者がエアブロー対象物を手に持ってエアブロー室14に投入した際、作業者と腕との隙間を狭めることができるので、異物が外部に漏れ出ることを抑制することができる。
【0038】
[実施形態4]
図10は、
図1に示すエアブロー装置においてセンサを設けた実施形態4の斜視図である。
図10に示すように、作業性を向上するためには、センサ12を設けて開閉弁2を自動で開閉する。より具体的には、透過式光電タイプのセンサ12の光軸が手やエアブロー対象物で遮られると、開閉弁2が制御される。センサ12を使わない場合は、圧縮空気の供給だけで機能し、電気を使わない。切削加工の現場などでは、オイルミストが油滴になるなどの理由で漏電に気を使うので、電気を使わないことはリスクを下げることになる。また、足踏み式の開閉弁2は、位置を足で探ることで作業性が落ちる。手で操作する開閉弁2は、エアブロー対象物を両手で持っている場合やエアブロー対象物を持ち、反対の手で工具を持っているバリ取り時などは操作できない。そのような場合に透過式光電センサ12で開閉弁2を開閉すると、作業性が向上する。
【0039】
[実施形態5]
図11は、
図1に示すエアブロー装置においてフードを設けた実施形態5の斜視図である。
図12は、
図11に示すエアブロー装置においてフードを折り曲げた状態を示す実施形態5の斜視図である。投入口19に入らない大型のエアブロー対象物は、
図11に示すように、フードに覆われた投入口19手前で手持ちのエアーガンによりエアブローする。その際、開閉弁2を操作し、エアブロー用流量増幅器30のエアブロー用ノズル3が加圧空気を噴出することで、浄化された空気が排気口8から排出される。フードは不使用時、取り外したり
図12に示すように折りたたむことで装置がコンパクトになる。よって、フードを使わない通常サイズのエアブロー対象物に対して、エアブロー室14は無駄な空間が少ない状態で効果的にエアブローでき、圧縮エアを無駄にせず、使用頻度の低い大型のエアブロー対象物に対してはフードで対応でき、大型のエアブロー対象物に対しても異物の回収ができ、フードを使わないときはコンパクトで通常作業の邪魔にならない。
【0040】
[他の実施形態]
本発明は、以上のような構造である。実施するための形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、実施の形態の技術同士を組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0041】
100 エアブロー装置
1 空気の加圧源
2 開閉弁
3 エアブロー用ノズル
5 吸引用ノズル
6 遠心分離器
7 網
8 排気口
9 蓋
10 エンクロージャー
11 シール部材
12 センサ
13 排気口
14 エアブロー室
15 異物回収室
16 排出口
17 フード
19 投入口
30 エアブロー用流量増幅器