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特開2024-125273ケミカルリサイクル法によるポリエステル廃棄物からの再生ポリエステルの製造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125273
(43)【公開日】2024-09-18
(54)【発明の名称】ケミカルリサイクル法によるポリエステル廃棄物からの再生ポリエステルの製造
(51)【国際特許分類】
   C08J 11/24 20060101AFI20240910BHJP
   B29B 17/04 20060101ALI20240910BHJP
   B29B 9/06 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
C08J11/24
B29B17/04 ZAB
B29B9/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024024186
(22)【出願日】2024-02-21
(31)【優先権主張番号】102023000003012
(32)【優先日】2023-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
(71)【出願人】
【識別番号】524067082
【氏名又は名称】プラスタ・レイ・ソチエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータ
【氏名又は名称原語表記】Plasta Rei S.r.l.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100221501
【弁理士】
【氏名又は名称】式見 真行
(74)【代理人】
【識別番号】100197583
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 健
(72)【発明者】
【氏名】アッブルツェージ,ジュゼッペ
(72)【発明者】
【氏名】マッツァレッラ,ファビオ
(72)【発明者】
【氏名】ボルゴメオ,ルカ
(72)【発明者】
【氏名】ボルゴメオ,フランチェスコ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】未使用のプラスチック材料と同等の化学的‐物理的‐機械的特徴を有する精製品を得る方法に関する。
【解決手段】(a)PETの汚れたポストコンシューマプラスチックの前処理工程によって、色および形態の区別なく得られる、解糖工程に適したフレーク状原料を提供する工程、(b)解糖による化学的解重合によって、中間体であるBHETをベースとする「解糖生成物(GP)」と少量の低分子量オリゴマーとの混合物を得る工程、(c)イオン交換樹脂と吸着剤を用いて、汚染物質と色を除去し、次いで、プラスチックから分離した顔料を回収し、次いで、蒸発および濃縮反応により、PET製造の中間体である純粋なBHETモノマーを得ることにより、GPを精製する工程、(d)ポリエステルを得るための純粋な中間モノマーの重縮合反応、および固相結晶化を目的とした後続のペレットの造粒を含むか、またはそれらから成るポリマー材料の製造方法に関する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)解糖工程に適したフレークの形態のポリエチレンテレフタレートの原料を提供する工程、
(b)解糖による化学的解重合によって、中間体であるビス‐2‐ヒドロキシエチルテレフタレート(BHET)をベースとする解糖生成物と少量の低分子量オリゴマーとの混合物を得る工程、
(c)イオン交換樹脂と吸着剤を用いて汚染物質と色を除去し、純粋なBHETモノマーを得る工程
を含むか、またはそれらから成り、
前記原料は、好ましくは、ポリエステルテレフタレート、特に、ポリエチレンテレフタレート(PET)の汚れたポストコンシューマプラスチックの前処理工程によって、色および形態の区別なく得られる、ポリマー材料を製造する方法。
【請求項2】
工程(a)~(c)、および
更に(d)工程(c)からの純粋なBHETモノマーを重縮合により反応させて、ポリエチレンテレフタレートを得て、次いで、生成したポリエチレンテレフタレートを固相で結晶化させる工程
を含むか、またはそれらから成る、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ポリエチレンテレフタレート(PET)の原料が、廃棄物の回収または工業生産廃棄物から入手可能な形態および種類の、ポストコンシューマの淡色「水色」の不透明ボトル、ガス用または金属用またはポリオレフィン用のバリアポリマーと結合したPETの層を有するポストコンシューマの多層物品、印刷されたPET層、織物などのPET繊維またはフィルム、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステルテレフタレート、を含むか、またはそれらから成る、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記工程(a)が以下の工程:
(a1)乾燥、他の化学組成の材料の分離、金属含有量の分離、およびプラスチック材料フレークを提供する粉砕の一連の工程による、受入材料の機械的‐物理的前処理
を含むか、またはその工程から成る、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記工程(b)が、以下の工程:
(b1)モノエチレングリコールと前処理工程(A)から得られるフレークとの混合物から構成されるペーストを、解重合反応のために作製する工程、
(b2)過剰のモノエチレングリコールの存在下で解糖反応を行い、ビス‐2‐ヒドロキシエチルテレフタレート(BHET)および少量の低分子量オリゴマーを得る工程
を含むか、またはそれらから成る、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記工程(b1)が以下の条件下:
8:1~2:1、好ましくは3:1~4:1で構成されるMEG:PETのモル比、
100℃~200℃、好ましくは140℃~160℃で構成される温度
で実施され、および/または
前記工程(b2)は、解糖触媒、好ましくは炭酸ナトリウム、塩化亜鉛および酢酸亜鉛から選択される解糖触媒の存在下、以下の条件:
8:1~2:1、好ましくは3:1~4:1で構成されるMEG:PETのモル比、
0.2~1.5重量%、好ましくは約0.5~1重量%の触媒比率、
160℃~260℃、好ましくは180℃~250℃で構成される温度、
2~8時間、好ましくは4~8時間で構成される反応時間
で実施され、
この方法が、工程(b2)からの生成物の機械的濾過工程を任意に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記工程(c)が以下の工程:
(c1)金属カチオン、アニオンおよび顔料または着色料などの化学タイプの不純物を除去し、精製された、透明で、ほとんど無色のBHETモノマーを得るために、カチオン交換樹脂、アニオン交換樹脂および必要に応じて脱色吸着剤を用いて、解糖生成物を精製および脱色する工程、
(c2)工程(c1)からの樹脂を溶媒で洗浄し、次いで、溶媒を蒸留することにより、脱色工程中に廃棄された顔料または着色料を回収する工程、
(c3)後続の重縮合工程を促進するために、過剰のグリコールを除去するのに適した蒸発および濃縮による解糖生成物の精製
を含むか、またはそれらから成る、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記工程(c1)が以下の条件下:
10:1~1:1、好ましくは2:1~1:1で構成される解糖生成物/樹脂の体積比、
50℃~180℃、好ましくは70℃~120℃で構成される温度、
1~4時間、好ましくは1~2時間で構成される滞留時間
で実施され、および/または
前記工程(c2)が以下の条件下:
1:10~1:2、好ましくは1:5~1:7で構成される樹脂/溶媒の体積比、
1~4時間、好ましくは1~2時間で構成される洗浄時間、
40℃~80℃、好ましくは40℃~60℃で構成される蒸留温度、
1000~100mBar、好ましくは1000~500mBarで構成される圧力、
10分~1時間、好ましくは10分~30分で構成される蒸留時間
で実施され、および/または
前記工程(c3)は、以下の条件下:
100℃~250℃、好ましくは110℃~140℃で構成される温度、
25~500mBar、好ましくは25~200mBarで構成される圧力、
1時間~9時間、好ましくは3時間~8時間で構成される滞留時間
で実施され、
任意に、得られた純粋なBHETは、120℃~180℃で構成される温度で、溶融状態で貯蔵される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記工程(d)が以下の工程:
(d1)ポリエチレンテレフタレート(PET)を得るための、ルイス酸触媒および1つの酸安定剤の存在下、真空下で、工程(c3)からのBHETの重縮合重合反応、
(d2)非晶質相のPETをペレット化し、非晶質PETを固相結晶化して、結晶性ペレットを得る工程
を含むか、またはそれらから成る、請求項2~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記工程(d1)が、約0.025重量%~0.035重量%、または約0.030重量%の触媒、および0.0025重量%~0.0035重量%、または約0.0030重量%の安定剤の存在下で実施され、触媒が好ましくは酸化アンチモン(Sb)であるか、または酸化チタン(TiO)であり、安定剤が好ましくはリン酸(HPO)である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記工程(d1)が、以下の条件下:
250℃~295℃、好ましくは280℃~295℃の温度、
30~1mBar、好ましくは0.00133Bar(=1mmHg)の残留圧力、
約1時間~9時間、好ましくは2時間~4時間で構成される反応時間
のエチレングリコールの蒸留によって実施され、
反応が、0.60~0.74の固有粘度(IV)(ISO 1628‐5またはASTM D 4603規格に従って測定)および約20000~30000の重量平均分子量で終了するとみなされる、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
前記工程(d2)において、非晶質PETのペレット化が水中切断システムによって達成され、結晶化反応が窒素流下で行われて、非晶質PETをそのガラス転移温度(Tg)を超えて、190℃~240℃で構成される第1の温度まで、次いで、170℃~220℃で構成される第2の温度まで、12時間~48時間、好ましくは24時間~36時間で構成される総反応時間の間、反応が行われ、重量平均分子量が33000を超え、その結果、固有粘度値が0.7~0.9(ISO 1628‐5規格に従って測定)、結晶化率が40%以上になった時点で、反応が終了するとみなされる、請求項9~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
以下の操作ユニット:
(i)互いに接続管によって接続され、2つの蒸留および凝縮システムに接続され、それらの内の一方は蒸留塔、コンデンサおよびコレクタから成り、他方はコンデンサおよびコレクタのみから成る、解糖工程(b)用に構成された、2つまたは3つの撹拌反応器および1つの振動管状反応器(OPFR)、
(ii)イオン交換樹脂と脱色吸着剤によって精製および脱色するためのカラムシステム、
(iii)反応器から出た溶融材料を造粒するために構成された水ペレット化システム、および生成物の混合および配合操作のための二軸押出機
を含むか、またはこれらから成る、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法の研究およびスケールアップのためのパイロットプラント。
【請求項14】
前記操作ユニット(i)が以下の装置:
(i1)第1の撹拌反応器(CSTR A)および第2の撹拌反応器(CSTR B)、

(i2)振動管状反応器(OPFR)、好ましくは以下の最高使用温度および圧力:
シェル300℃/14bar、ジャケット350℃/10bar
のために構成された振動管状反応器、
(i3)エチレングリコールから水を分離するように構成された蒸留塔(CDI)
から成り、
前記反応器(CSTR A、CSTR B)は、好ましくは高粘性液体用の撹拌機を備え、好ましくは以下の最高使用温度および圧力:
シェル300℃/14bar、ジャケット350℃/10bar、
のために構成され、
前記蒸留塔(CDI)は、好ましくは、操作時190℃、設計時210℃の最高使用温度、および-1/1barの間の最高使用圧力、3.5barの内部最高圧力を有し、および/または
前記操作ユニット(ii)は、以下の装置:
(ii1)反応工程で未溶解の不純物を保持するための、100メッシュの濾過メッシュを有するメカニカルフィルタ(M)、
(ii2)反応器を出て装置(ii3)に入る解糖生成物を冷却するための熱交換器(S)のシステム、
(ii3)樹脂系によって、金属、アニオンおよび色をそれぞれ除去するための、第1のカチオン樹脂(CC)カラム、第2のアニオン樹脂(CA)カラムおよび脱色剤(CD)で充填された第3のカラムから成る連続して配置された複数のカラム、および/または
前記操作ユニット(iii)は、以下の装置:
(iii1)二軸スクリュー押出機(E)、
(iii2)押出機から下方に使用可能な、または溶融生成物の造粒のために撹拌反応器から直接出る独立した方法で使用可能な、溶融生成物の造粒のためのタンクおよびカッター(T)
を含むか、またはそれらで構成され、
前記装置(i1)~(i3)は、第1の操作条件において、工程(b1)、(b2)、(c3)を実施することができ、第2の操作条件において、工程(d1)を実施することができるように構成され、
前記装置(ii1)~(ii3)は、工程(c1)および(c2)の精製および脱色を実施できるように構成され、
前記装置(iii1)~(iii2)は、工程(d2)のペレット化工程を実施できるように構成されている、請求項13に記載のパイロットプラント。
【請求項15】
工業プラントが、以下の操作ユニット:
(A)解糖処理に適した工程(a)によるプラスチック材料のフレークを得るように構成されたポリエステルテレフタレートの廃プラスチック材料の連続前処理プラント、
(B)フレーク状の原料の少なくとも1つの充填反応器と、工程(b)による解糖反応工程のために構成された1つ以上の振動管状反応器(OPFR)、
(C)精製工程(c)のために構成された、イオン交換樹脂および吸着剤を充填したカラムのシステムであって、前記カラムのシステムは、好ましくは、樹脂自体の再生システムおよび受入材料の冷却システムを備える、カラムのシステム、
(D)蒸発および濃縮反応のための一連の2つのCSTR反応器、および溶媒の回収のための脱去カラム、
(E)任意に、解糖工程(b)から得られた精製BHET中間体の1つ以上の供給タンク、
(F)工程(d)によるBHETの重縮合反応のためにブロックに分割された複数のOPFR反応器、
(G)ポリエチレンテレフタレートのペレットの押し出しおよび製造のための造粒システム、および未使用のPETの純度、化学的-物理的および機械的特性を有するポリエチレンテレフタレートを得るための仕上げおよび結晶化システム
を含むか、またはそれらから成る、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法を実施するための工業プラント。
【請求項16】
前記操作ユニットAが、以下の装置:
(A1)任意に、ポリエステルベール梱包物を開梱機に搬送するように構成された金属チェーンコンベヤ、
(A2)任意に、スクリュー刃によって開封される充填ボトルのスチール包装ラインを手動で切断するように構成された開梱機、
(A3)材料を操作ユニット下方へ搬送するコンベアであって、好ましくは、ボトルをよりよく分離するように構成された二軸積込機であるコンベア、
(A4)穴の大きさの違いに基づいて、砂、石、金属、キャップなどの不純物を分離するように構成されたロール選別システム、
(A5)非磁性金属フラクションを分離するために構成された渦電流分離器、
(A6)材料を後続工程に搬送するように構成されているコンベア、好ましくはベルトコンベア、
(A7)摩擦によってラベルを除去するように構成されたラベル除去システム、
(A8)材料を操作ユニット下方へ搬送するコンベアであって、好ましくは、水平回収ベルトとコンベアベルトとから成り、ラベル除去セットからボトルを一緒に回収し、材料をそれぞれ後続工程に搬送するように構成されているコンベア、
(A9)ラベルと砂、土およびその他の不純物とを除去するように構成された、ラベルを水中で除去するための予備洗浄装置、
(A10)磁性金属を除去するために構成された、「空気圧入れ替え」を備えた「金属検出器」、
(A11)材料フレークを操作ユニット下方へ搬送するように構成されたコンベア、好ましくはベルトコンベア、
(A12)材料を小さなサイズに切断するように構成された粉砕システム、
(A13)材料フレークを操作ユニット下方へ搬送するように構成されたコンベアであって、好ましくは水平および斜めの搬送スクリューから成るコンベア、
(A14)異なる細かく切断された材料をポリエステルから重力分離するように構成された、少なくとも1つの浮遊流域、
(A15)浮遊流域から材料を搬出するように構成されたコンベア、好ましくは搬出スクリュー、
(A16)浮遊流域から出る水分を減少させるように構成された脱洗浄機、
(A17)湿分を減少させ、温風によって材料フレークを乾燥するように構成された乾燥システム、好ましくは熱チューブシステム、
(A18)任意に、少量のラベルと材料フレークからの埃とを更に分離するように構成されたラベル除去用のジグザグ送風機、
(A19)非磁性金属フラクションを更に分離するように構成された第2の渦電流分離器、
(A20)波長によって異なる色のフレークを分離し、赤外線によって異なる種類のプラスチックを他のプラスチックから分離するように構成された色分離器、
(A21)任意に、ポリエステルフレークを一時的に貯蔵するように構成された1つ以上の容器
を含むか、またはそれらから成る、請求項15に記載の工業プラント。
【請求項17】
前記操作ユニットBが以下:
(B1)加圧下および真空中で作動可能であり、解糖混合物を作製するように構成された少なくとも1つの充填反応器、
(B2)負圧条件下で作動するように構成され、移送ポンプを備える、管状反応器、好ましくは10~100m(mt)の長さを有し、好ましくは撹拌および加熱バレルから成るスキッドに取り付けられ、好ましくはCE304またはCE316鋼製である管状反応器を含む少なくとも1つのOPFR(Oscillating Plug Flow Reactor)反応器
を含むか、またはそれらから成り、および/または
前記操作ユニットCが以下:
(C1)約6bar、200℃の耐性を有する、反応工程で未溶解の不純物を保持するための、内部に1000ミクロンの濾過メッシュを有するメカニカルフィルタ、
(C2)前記(C3)カラムへの受入材料の冷却システム、
(C3)連続して配置され、タイプ別に、好ましくは95℃に等しい最高使用温度を有する3つの2カラム群に分割された、金属、アニオンおよび色をそれぞれ除去するための樹脂系を有する複数のカラムであって、好ましくは、樹脂自体の再生のための配管系に接続され、樹脂脱色剤の洗浄およびその結果としての沈殿物としての着色顔料の回収に使用される純粋なアセトンのための蒸留塔を含む複数のカラム
を含むか、またはそれらから成り、および/または
前記操作ユニットDが以下:
(D1)真空システムを用いて10bar以下の圧力および350℃以下の温度のために構成された、解糖生成物からのエチレングリコール溶媒の第1の蒸発工程のための蒸発反応器、
(D2)エチレングリコール溶媒の最終除去工程のため、および80%~99%の純度のBHETを得るための濃縮反応器であって、好ましくは、真空システムで10bar以下の圧力および350℃以下の温度のために構成されたCSTR反応器である、濃縮反応器、
(D3)工程でリサイクルされる純粋なエチレングリコールの凝縮および回収のための脱去カラム
を含むか、またはそれらから成り、および/または
操作ユニットFは、以下:
(F1)負圧条件下で作動するように設計され、移送ポンプを備えた、複数の管状OPFR反応器、好ましくは9つのOPFR反応器
を含むか、またはそれらから成る、請求項15または16に記載の工業プラント。
【請求項18】
前記操作ユニットGが以下:
(G1)任意に、ペレット化システムを開始する前に、劣化した材料から切削ヘッドをパージするために使用可能な、偏向バルブ、
(G2)溶融ポリマーが、一連の穴を有するマトリックスを通って流れ、回転ブレードによって顆粒状に切断され、遠心乾燥機の切断チャンバを通って流れる工程水の流れに接触して固化されるように構成された、可動支持体を備えた浸漬式ペレット化ユニット
(G3)カートリッジを温めて、マトリックスノズルでの材料の凍結を防止する断熱を保証する「ダイプレート」ユニット、
(G4)切断されたペレットを工程水によって搬送するために構成された切断チャンバ、
(G5)任意に、ペレタイザー全体が搭載される小型車輪付き支持フレーム、
(G6)切断された顆粒が工程水ポンプを経由して搬送され、工程水から分離され、最大残留ペレット湿度が約0.05~0.5%に到達する、遠心式乾燥機を含む水および乾燥処理システム、
(G7)任意に、必要な工程水のために構成される水タンク、
(G8)任意に、浸漬式ペレタイザーの制御ユニットの実際の流速を表示する、工程水ポンプとペレット化の間の工程水の流量計、
(G9)遠心式乾燥機/デシケーター、
(G10)残留湿度の目標値に到達するために、造粒物からの材料の流れに対して逆流を発生させる、水蒸気を抽出するように構成された排出ファン、
(G11)任意に、オペレータによる制御と機械の監視に必要なすべての電気要素が電気盤に設置されている、PLCを備えた電気システム、
(G12)ペレットの膠着を防ぐために、連続的な移動下で、ペレットを初期にはまだ非晶質に維持する、振動コンベヤーを備えた固体‐温結晶化システム
を含むか、またはそれらから成る、請求項15~17のいずれか1項に記載の工業プラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、解糖反応による廃ポリエステルのケミカルリサイクル法および精製方法に関する。
【0002】
より詳細には、本発明は、ケミカルリサイクル技術によって再生されたポリエチレンテレフタレートから成るポリマー材料を、解糖とそれに続く重合によって作製し、未使用のプラスチック材料と同等の化学的‐物理的‐機械的特徴(高固有粘度と高分子量)を有する精製物を得る方法に関する。
【0003】
解糖工程により製造された中間体は、最終反応工程が同じであるため、従来のPET製造プラントで容易に再重合することができる。
【背景技術】
【0004】
ポリエチレンテレフタレート(PET)は、最も一般的に使用されているプラスチックの1つであり、1988年にプラスチック工業会(the Society of the Plastics Industry)によって提案されたプラスチック容器の自主的コード化システム(the Voluntary Plastic Container Coding System)に従って記号「1」で識別される。特に使い捨て飲料用ボトルや繊維の生産に使用されている。
【0005】
PETは主に2つの工業的方法から製造されるポリエステルであり、1つ目は二酸であるテレフタル酸(TPA)およびモノエチレングリコール(MEG)ジオールと中間体であるビス‐2‐ヒドロキシエチルテレフタレートモノマー(BHET)とから製造される。出発原料の2つの官能基価により、縮合により、機械的特性を決定する最終分子量のポリマー鎖を形成することができる。
【0006】
プラスチック製品、特にPETやポリエステルの寿命の管理は、埋立地に蓄積し、すでに憂慮すべき数のプラスチック汚染を増加させている廃棄物の発生を回避するために、基本的に重要である。
【0007】
しかし同時に、プラスチックポリマー市場では、食品分野(ボトルだけでなく、結合材料を使った容器の製造)、自動車分野、医薬品分野など、あらゆる分野で使用できるような品質特性を有する他のポリエステルの需要が継続的に高まっており、また、そのような材料をリサイクルし、益々性能を向上させるニーズも高まっている。
【0008】
そのような意味で、プラスチック廃棄物は、新しいプラスチック原料を生産するための循環型回収システムに挿入されたり、リサイクルが不可能な場合にエネルギーを生成するために挿入されたりすれば、実際に資源となることが可能である。
【0009】
現在までのところ、プラスチックの寿命の終わりを管理するために可能なシナリオは、メカニカルリサイクル、ケミカルリサイクル、エネルギー回収である。
【0010】
一般的にリサイクルは、「廃棄物の最終処分(End Of Waste)」という目的を達成するのに最適な方法である。つまり、特定の処理を施された廃棄物が、新しい製品として認められるような定性的特徴を有し、廃棄物でなくなる瞬間である。
【0011】
しかしながら、現在のプラスチック廃棄物のリサイクル技術は、基本的にメカニカルリサイクルに基づいている。このような方法では、廃棄物は回収され、「均質な」ポリマーファミリーに選別された後、押出成形され、次いで、ポリマー構造を変更することなく再利用される。
【0012】
しかしながら、回収される様々な廃棄物は、様々な起源の添加物を含む顆粒となり、最初のものと定性的に類似した製品を得ることは不可能である。また、再加工温度による劣化作用も、ポリマーの特性を低下させる。そのため、機械的にリサイクルされたプラスチックは、最終的に、最初に回収された製品とは異なる製品、つまり「価値」の低い製品に使用されることが多い。
【0013】
代わりにケミカルリサイクルは、高い品質が要求される用途(食品接触など)にも再利用できる新しいポリマーを生成できる可能性があるため、魅力的な解決策となる。実際、ケミカルリサイクルでは、新しい原料を製造し、ポストコンシューマ(post-consumer)ポリマーの化学構造を化学的に変性させ、精製された製品を得ることを可能とする。
【0014】
ポリエステルとPETの主なケミカルリサイクル技術は、加溶媒分解(解糖、メタノリシス、加水分解)と熱分解による化学的解重合法、次いで解重合法および変換法に基づいている。前者では、化学反応によってポリマーを分解する、塩基性モノマーと中間体モノマーに戻し、その中間体を再利用して新しい未使用ポリマーを得る。もう一方では、高温およびガス化を用いて、炭化水素留分を生成する方法である。
【0015】
加溶媒分解(ソルボリシス;solvolysis)による解重合法に関しては、高純度の最終中間体およびポリエステルを製造することができ、廃棄物を可能な限り抑制し、生態学的に持続可能で経済的な方法で操作できる方法を提供する必要性が依然として存在する。
【発明の概要】
【0016】
このような状況において、高い技術水準でリサイクルされるポリマー材料を提供することが本発明の技術的課題であり、これにより:ポリエチレンテレフタレート系プラスチック材料を、原産地、サプライチェーン、および投入されるプラスチック廃棄物の純度の程度に関係なくリサイクルすることにより、環境中のプラスチック量を削減すること;化石資源の使用を削減し、CO排出量を削減することにより、益々厳しくなる環境ニーズに対応すること;他のケミカルリサイクル技術に対して競争力のある方法および未使用原料に対してより低い製品コストで、メカニカルリサイクルの限界を克服すること;などのいくつかの共同目標を達成することができる。
【0017】
上記の技術的課題および目的は、添付の請求項の1つ以上に記載された技術的特徴を含む方法によって実質的に達成され、その定義は本記載の不可欠な部分を形成するものである。
【0018】
従って、本発明の目的は、
(a)解糖工程に適したフレークの形態のポリエチレンテレフタレートの原料を提供する工程、
(b)好ましくはOPFR反応器によって、解糖による化学的解重合によって、工程(a)からの原料を反応させて、中間体であるビス‐2‐ヒドロキシエチルテレフタレート(BHET)をベースとする解糖生成物と少量の低分子量オリゴマーとの混合物を得る工程、
(c)イオン交換樹脂と吸着剤を用いて汚染物質と色を除去し、純粋なBHETモノマーを得る工程、
(d)任意に、工程(c)からの純粋なBHETモノマーを重縮合により反応させて、ポリエチレンテレフタレートを得て、次いで、生成したポリエチレンテレフタレートを固相で結晶化させる工程
を含むか、またはそれらから成り、
前記原料は、好ましくは、ポリエステルテレフタレート、特に、ポリエチレンテレフタレート(PET)の汚れたポストコンシューマプラスチックの前処理工程によって、色および形態の区別なく得られる、ポリマー材料を製造する方法である。
【0019】
本発明の更なる目的は、
(i)互いに接続管によって接続され、2つの蒸留および凝縮システムに接続され、それらの内の一方は蒸留塔、コンデンサおよびコレクタから成り、他方はコンデンサおよびコレクタのみから成る、解糖工程(b)および/または重合工程(d)のために構成された、2つまたは3つの撹拌反応器および1つの振動管状反応器(Oscillating Plug Flow Reactor;OPFR)であって、前記反応器は、好ましくはジアテル油熱制御ユニットによって加熱され、前記蒸留塔は、コンデンサ、蒸留物回収システムおよび真空ポンプを備える、2つまたは3つの撹拌反応器および1つの振動管状反応器、
(ii)イオン交換樹脂と脱色吸着剤によって精製および脱色するためのカラムシステムであって、好ましくは、樹脂自体の再生システムおよび投入材料の冷却システムを備え、前記システムは、精製工程(c)のために構成される、カラムシステム、
(iii)反応器から出た溶融材料を造粒するために構成された水ペレット化システム、および生成物の混合および配合操作のための二軸押出機
を含むか、またはこれらから成る、上記のような方法の研究およびスケールアップのためのパイロットプラントである。
【0020】
本発明の更なる目的は、工業プラントが、
(A)解糖処理に適した工程(a)によるプラスチック材料のフレークを得るように構成されたポリエステルテレフタレートの廃プラスチック材料の連続前処理プラント、
(B)フレーク状の原料の少なくとも1つの充填反応器と、工程(b)による解糖反応工程のために構成された1つ以上の振動管状反応器(OPFR)、
(C)精製工程(c)のために構成された、イオン交換樹脂および吸着剤を充填したカラムのシステムであって、前記カラムのシステムは、好ましくは、樹脂自体の再生システムおよび受入材料の冷却システムを備える、カラムのシステム、
(D)蒸発および濃縮反応のための一連の2つのCSTR反応器、および溶媒の回収のための脱去カラム、
(E)任意に、解糖工程(b)から得られた精製BHET中間体の1つ以上の供給タンク、
(F)工程(d)によるBHETの重縮合反応のためにブロックに分割された複数のOPFR反応器、
(G)ポリエチレンテレフタレートのペレットの押し出しおよび製造のための造粒システム、および未使用のPETの純度、化学的-物理的および機械的特性を有するポリエチレンテレフタレートを得るための仕上げおよび結晶化システム
を含むか、またはそれらから成る、上記の方法を実施するための工業プラントである。
【0021】
本発明は、ケミカルリサイクルによって前述の機械的方法の限界を克服できるという事実に着想を得ており、その理由としては:
より高い回収率(メカニカルリサイクルの収率は約30~40%であるのに対し、ケミカルリサイクルの収率は約80%である)が可能であり、
解糖は、既知の再現可能な化学反応に基づいており、比較的温和で管理しやすい反応条件を利用するため、完全に再現可能な方法であり、
使用される原料、即ち、プラスチック廃棄物は入手が容易であり、非常に単純で過度に強制されない化学的‐物理的前処理で管理可能であり、
ポリエステルテレフタレートや主にPET(飲料ボトル、その他の容器、繊維、織物、またはその他の物体)の様々な種類の汚れたポストコンシューマプラスチック廃棄物に、色、形、大きさの区別なく適用可能であり、
従来の未使用のPET製造方法のエステル化工程を省略し、純粋な出発BHETモノマー中間体から元のポリマーに戻すことができるからである。これにより、解重合に使用されるグリコールの90%以上が回収され、その後のサイクルで再利用されるため、未使用の原料の大幅な節約とエネルギーの節約が可能となり、
未使用ポリマーと同じ特徴を有するポリマーを、メカニカルリサイクルにおいて発生する分解工程による固有粘度や分子量などの特徴の損失なしに、理想的な無限サイクル数で、高品質レベルで得ることが可能となり、
解糖は、加水分解やメタノリシスなどのポリエステルやPETの他の従来のケミカルリサイクル法に比べ、よく知られた比較的単純な化学的方法である。
【0022】
従って、蒸留により回収可能なグリコールを使用し、BHETモノマー中間体の製造に導くことで、重合工程に直接移行することにより工程を回避することが可能となるため、エネルギーおよび廃棄物の観点から、より速く、より効率的で、より安価である解糖が好ましい。
【0023】
本発明の更なる特徴および利点は、本発明の好ましいが排他的でない実施形態の示唆的かつ従って非限定的な説明からより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明に従ったパイロットプラントの部分的な例示的斜視図である。
図2A】2つの異なる操作条件における本発明に従ったパイロットプラントの簡略ブロック図である。
図2B】2つの異なる操作条件における本発明に従ったパイロットプラントの簡略ブロック図である。
図2C】第2の実施形態におけるパイロットプラントの簡略化されたブロック図である
図2D図2Cの実施形態の第3のCSTR反応器の図である。
図3】本発明に従ったパイロットプラントの操作造粒およびペレット化ユニットの例示的な図である。
図4】本発明の方法の前処理操作のブロック図である。
図5図4の操作に使用可能な操作ユニットのブロック図である。
図6】本発明に従った方法を実施するための工業プラントのブロック図である。
図7】本発明に従ったOPFR反応器の側面図(左)、正面図(中央)および透視図(右)である。
図8図6のプラントのメカニカルフィルタの断面側面図である。
図9】本発明の方法の解糖生成物の精製操作のブロック図である。
図10】濃縮反応器の斜視図である。
図11】脱去カラムの斜視図である。
図12】本発明の方法の重縮合生成物のペレット化/結晶化操作のブロック図である。
図13】本発明に従った方法を実施するための工業プラントのペレット化/結晶化ユニットのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
従って、本発明の第1の目的は、
(a)解糖工程に適したフレークの形態のポリエチレンテレフタレートの原料を提供する工程、
(b)解糖による化学的解重合によって、工程(a)からの原料を反応させて、中間体であるビス‐2‐ヒドロキシエチルテレフタレート(BHET)をベースとする解糖生成物と少量の低分子量オリゴマーとの混合物を得る工程、
(c)イオン交換樹脂と吸着剤を用いて汚染物質と色を除去し、純粋なBHETモノマーを得る工程、
(d)任意に、工程(c)からの純粋なBHETモノマーを重縮合により反応させて、ポリエチレンテレフタレートを得て、次いで、生成したポリエチレンテレフタレートを固相で結晶化させる工程
を含むか、またはそれらから成り、
前記原料は、好ましくは、ポリエステルテレフタレート、特に、ポリエチレンテレフタレート(PET)の汚れたポストコンシューマプラスチックの前処理工程によって、色および形態の区別なく得られる、ポリマー材料を製造する方法である。
【0026】
ポリエチレンテレフタレート(PET)の原料は、廃棄物の回収または工業生産廃棄物から入手可能な形態および種類の、ポストコンシューマの淡色「水色」の不透明ボトル、ガス用または金属用またはポリオレフィン用のバリアポリマーと結合したPETの層を有するポストコンシューマの多層物品、印刷されたPET層、織物などのPET繊維またはフィルム、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステルテレフタレート、を含むか、またはそれらから成ってもよい。
【0027】
いくらかの好ましい実施形態において、工程(a)は以下の工程:
(a1)乾燥、他の化学組成の材料の分離、金属含有量の分離、およびプラスチック材料フレークを提供する粉砕の一連の工程による、受入材料の機械的‐物理的前処理
を含むか、またはその工程から成る
【0028】
より詳細には、ポリエステルテレフタレート系原料、特にポストコンシューマPET、好ましくは圧縮ベール梱包物(compressed bale)の形態で保管されているPETは、鉄とプラスチックを含むワイヤーを除去するために「アンパッカー(unpacker)」で搬送される。これらの材料から分離されたポリエステルテレフタレート系の原料は、ベルトコンベアによって、粗い材料を除去するための「トロンメル(trommel)」タイプの回転篩に搬送される。次に材料は、粗金属除去システム、特に「渦電流」金属探知機を通過し、ラベル除去および予備洗浄セクションに搬送され、そこから更に強磁性金属除去システム(例えば磁気金属探知機)で搬送される。
【0029】
こうして処理された材料は、ベルトコンベアによって1つ以上の切断ミルに送られ、それを通ってフレークに細かく切断され、オーガー(auger)によって水または塩水または弱アルカリ性の浮選タンクに運ばれ、そこでより重いポリエステルフラクションがより軽いプラスチック不純物のフラクションから密度によって分離される。分離されたポリエステルフラクションは、あらゆる痕跡の水分を除去するための乾燥および脱塩工程、微細な金属不純物を更に除去するための微細な異物分離機および「渦電流」金属検出機に送られる。最後に、好ましくは、こうして得られた材料は、好ましくは任意の色の着色フレークを無色透明フレークから分離するように、光学波長リーダーを通して色別に分離される。
【0030】
いくらかの好ましい実施形態において、工程(b)は、以下の工程:
(b1)モノエチレングリコールと前処理工程(A)から得られるフレークとの混合物から構成されるペーストを、解重合反応のために作製する工程、
(b2)解糖反応を行い、ビス‐2‐ヒドロキシエチルテレフタレート(BHET)および少量の低分子量オリゴマーを得る工程
を含むか、またはそれらから成る。
【0031】
工程(b1)において、好ましくは、工程(a)の前処理材料および過剰のエチレングリコール(モノエチレングリコール、MEG)を撹拌反応器中に充填し、このような混合物を加熱して、後続の解重合用の試薬ペーストを得る。
【0032】
好ましくは、このような作製は、以下の条件下:
8:1~2:1、好ましくは3:1~4:1のMEG:PETのモル比、
100℃~200℃、好ましくは140℃~160℃の温度
で実施される。
【0033】
工程(b2)は、過剰のMEG(前述のMEG:PETのモル比が8:1~2:1または約4:1)の存在下、および好ましくは炭酸ナトリウム、塩化亜鉛または酢酸亜鉛から選択される解糖触媒の存在下、好ましくは連続窒素流で、ポリエステルPETをトランスエステル化してBHET回収物を得ることを含む。
【0034】
好ましくは、反応はOscillating Plug Flow Reactor(OPFR)と呼ばれる管状反応器中で実施され、生成物の品質の点でも、時間とエネルギー消費に関する工程の持続可能性の点でも、高い性能を可能にする。
【0035】
工程(b2)の反応は、以下の図:
によって説明することができる。
【0036】
好ましくは、反応は以下の条件下:
8:1~2:1、好ましくは3:1~4:1のMEG:PETのモル比、
0.2~1.5重量%、好ましくは約0.5~1重量%の触媒比率
160℃~260℃、好ましくは180℃~250℃で構成される温度、
2~8時間、好ましくは4~8時間で構成される反応時間
で実施される。
【0037】
従って、工程(b2)の反応は、エチレングリコール、BHETモノマー中間体および低分子量オリゴマーの混合物の形成を伴う重合反応の逆転により、ポリエステルの分解をもたらす。
【0038】
次いで、変換生成物をメッシュフィルタで機械的に濾過し、未反応の物理的不純物を除去する。
【0039】
いくらかの好ましい実施形態において、工程(c)は以下の工程:
(c1)金属カチオン、アニオンおよび顔料または着色料などの化学的不純物を除去し、精製された、透明で、ほとんど無色のBHETモノマーを得るために、出発原料の機能(無色または着色フレーク)として、イオン交換樹脂および吸着剤を用いて、解糖生成物を精製および脱色する工程、
(c2)脱色工程中に除去された顔料または着色料を回収する工程、
(c3)後続の重縮合工程を促進するために、過剰のグリコールを除去するのに適した蒸発および濃縮による解糖生成物の精製
を含むか、またはそれらから成る。
【0040】
工程(c1)では、使用される樹脂は、それぞれ、プラスチックの金属イオン、アニオン、および顔料/着色料を除去するための、カチオン交換、アニオン交換、および脱色吸着剤タイプのものである。樹脂は加熱されたカラム内に充填され、その充填されたカラム内では汚染物質の吸着に必要な時間、流体の解糖生成物が通過する。
【0041】
一旦使い果たされると、樹脂は、エチレングリコールおよび/またはソーダ、塩酸および/または硫酸の溶液、またはアセトンの溶液などの他の洗浄溶液による向流熱水洗浄(counter-current hot wash)によって再生される。
【0042】
実施形態において、樹脂は:
NaまたはHイオン形態のスルホン酸官能基で架橋されたポリスチレンのカチオン性マトリックス樹脂、
OHまたはClイオン形態の第4級アンモニウム官能基を有するスチレンマトリックスを有するアニオン性樹脂、
官能基を有しない吸着性樹脂
から選択される。
【0043】
好ましくは、工程(c1)は以下の条件下:
10:1~1:1、好ましくは2:1~1:1の解糖生成物/樹脂の体積比、
50℃~180℃、好ましくは70℃~120℃の温度、
1~4時間、好ましくは1~2時間の滞留時間
で実施される。
【0044】
工程(c2)において、吸着樹脂によって除去された顔料/着色料は、溶媒洗浄および蒸留によって回収される。排出された樹脂を適切な溶媒で洗浄することにより、そこに吸着した色を除去し、溶液とする。着色された溶液は蒸留塔に送られ、そこで溶媒が顔料から分離され、顔料はこうして回収され再利用可能となる。
【0045】
好ましくは、工程(c2)は以下の条件下:
樹脂/溶媒比1:10~1:2、好ましくは1:5~1:7、
1~4時間、好ましくは1~2時間の洗浄時間
40℃/から80℃/、好ましくは40℃/から60℃の蒸留温度、
1000~100mBar、好ましくは1000~500mBarの圧力、
10分~1時間、好ましくは10分~30分の蒸留時間
で実施される。
【0046】
工程(c3)において、生成物は、それぞれ蒸発反応器と濃縮反応器という連続した2つの反応器において、温度が上昇し、真空度が低下するのに供され、エチレングリコールの90%以上が除去される。エチレングリコールは、脱去カラムを通して蒸留および凝縮された後、任意で1つ以上の貯蔵タンクに送られ、上記工程自体で再利用できるようになる。BHETおよびオリゴマーの回収率は80~99%である。
【0047】
好ましくは、工程(c3)は、以下の条件下:
100℃~250℃、好ましくは110℃~140℃の温度、
25~500mBar、好ましくは25~200mBarの圧力、
1時間~9時間、好ましくは3時間~8時間の滞留時間
で実施される。
【0048】
精製されたBHETは、120℃~180℃の温度で、重縮合部に供給される1つ以上のタンクに溶融状態で貯蔵することができる。
【0049】
いくらかの実施形態では、工程(a)、(b)および(c3)の方法で得られるBHETは、以下の表1に示す特徴を有する。
【0050】
いくらかの好ましい実施形態において、工程(d)は、以下の工程:
(d1)ポリエチレンテレフタレート(PET)を得るための、ルイス酸触媒および1つの酸安定剤の存在下、真空下で、工程(c3)からのBHETの重縮合重合反応であって、前記工程(d1)が蒸留によるエチレングリコールの回収を含む、重縮合重合反応、
(d2)非晶質相のPETをペレット化し、非晶質PETを固相結晶化して、結晶性ペレットを得る工程
を含むか、またはそれらから成る。
【0051】
工程(d1)は、好ましくは、約0.025重量%~0.035重量%、または約0.030重量%の触媒、および0.0025重量%~0.0035重量%、または約0.0030重量%の安定剤の存在下で実施される。
【0052】
触媒は好ましくは酸化アンチモン(Sb)であるが、酸化チタン(TiO)でもよく、安定剤は好ましくはリン酸(HPO)である。
【0053】
使用できる他の触媒は、例えば、亜鉛、マグネシウム、マンガンまたはコバルトの金属酢酸塩またはカルボン酸塩、あるいは酸化物または硫化物などの第4族の元素を有する化合物である。
【0054】
他の使用可能な安定剤は、例えばトリフェニルホスファイトおよびトリフェニルホスフェートのようなリン酸エステルである。
【0055】
重縮合工程のセクションは、1~3個またはそれ以上のOPFR反応器のブロックに分割された上記のOPFR反応器から成る。溶融中間体は好ましくはタンクから供給される。反応は真空下で行われ、収率、製品の品質、消費量の面で工程の高い効率を確保するため、各反応器で残留圧力が異なり、上昇し、温度が異なり、上昇する。
【0056】
更に、反応工程中に発生する蒸気中に含まれるエチレングリコールは、約80℃の熱勾配(下部で180℃、上部で100℃)を有する脱去カラムに搬送された後に回収され:エチレングリコールは、工程で再利用できる程度の純度で下部で回収され、揮発性物質は上部に残る。
【0057】
好ましくは、工程(d1)は以下の条件下:
250℃~295℃、好ましくは280℃~295℃の温度、
30~1mBar、好ましくは0.00133Bar(=1mmHg)の残留圧力、
約1時間~9時間、好ましくは2時間~4時間の反応時間
でエチレングリコール蒸留を行う。
【0058】
反応は、0.60~0.74の固有粘度(IV)(ISO 1628‐5またはASTM D 4603規格に従って測定)および約20000~30000の分子量MW(重量平均分子量)で終了するとみなされる。
【0059】
特定の反応形態による工程(d1)の反応図を以下に示す:
【0060】
工程(d2)において、非晶質PETのペレット化は、水中切断システムを利用する造粒プラントで実施される。溶融ポリマーは高圧ポンプによってダイの穴から押し出され、その出口で高速水流に浸されたチャンバ内で、一連の回転ブレードによって切断される。ペレットの大きさは約3mm×3mmである。
【0061】
このペレットは、結晶化/仕上げプラントで、非晶質PETをガラス転移温度(Tg)以上にするための窒素流結晶化反応を受ける。材料は、190℃~240℃の温度で高温窒素により加熱された第1のホッパーに搬送され、そこから材料は空気輸送により、170℃~220℃のより低い温度で第2の加熱工程に送られる。
【0062】
加熱されたポリマーは延伸と配向処理を受け、ポリマー鎖は平行に再配列され、密に充填される。従って、結晶化工程は核形成と球晶化から成る。
【0063】
好ましくは、結晶化工程は以下の条件下:
160℃~250℃、好ましくは200℃~240℃の温度、
12~48時間、好ましくは24~36時間の反応時間
で実施される。
【0064】
上記反応は、0.7~0.9の固有粘度値(ISO 1628‐5またはASTM D 4603規格に従って測定)および40%以上の結晶化度をもたらす分子量(重量平均分子量、MW)>33000で終了すると考えられる。
【0065】
従って、いくらかの実施形態では、前述の方法で得られるポリマー材料は、以下の表2に示す特徴を有する。
【0066】
本発明の第2の目的は、以下の操作ユニット:
(i)互いに接続管によって接続され、2つの蒸留および凝縮システムに接続され、それらの内の一方は蒸留塔、コンデンサおよびコレクタから成り、他方はコンデンサおよびコレクタのみから成る、解糖工程(b)および/または重合工程(d)のために構成された、2つの撹拌反応器および1つの振動管状反応器(OPFR)であって、前記反応器は、好ましくはジアテル油熱制御ユニットによって加熱され、前記蒸留塔は、コンデンサ、蒸留物回収システムおよび真空ポンプを備える、2つの撹拌反応器および1つの振動管状反応器、
(ii)イオン交換樹脂と脱色吸着剤によって精製および脱色するためのカラムシステムであって、好ましくは、樹脂自体の再生システムおよび投入材料の冷却システムを備え、前記システムは、精製工程(c)のために構成される、カラムシステム、
(iii)反応器から出た溶融材料を造粒するために構成された水ペレット化システム、および生成物の混合および配合操作のための二軸押出機
を含むか、またはそれらから成る、上記のような方法の研究およびスケールアップのためのパイロット工業プラントである。
【0067】
いくらかの実施形態では、操作ユニット(i)および(ii)(反応器、カラム、精製システム)はコンピュータ化されたシステム(PLC)によって管理され、操作ユニット(iii)の押出およびペレット化システムは特定のコンピュータ化されたシステムによって管理される。
【0068】
反応器は、加熱され断熱された管によって、互いに接続され、精製および造粒システムに接続される。
【0069】
好ましい実施形態では、操作ユニット(i)は、以下の装置:
(i1)好ましくは89リットルの幾何学的容積を有するAISI 316/304鋼製で、ジアテル油用のジャケットを備える、第1の撹拌反応器(CSTR A)および第2の撹拌反応器(CSTR B)であって、好ましくは、反応器CSTR AおよびCSTR Bは、モーターおよびインバーターを備えた高粘性液体用の撹拌機を備え、原料、窒素、蒸気出口、留出油戻り口、底弁およびその間の接続管を備えた入口ノズルを備え、好ましくは以下の最高操作温度および圧力:シェル300℃/14bar、ジャケット350℃/10barに対応するように構成される、第1の撹拌反応器(CSTR A)および第2の撹拌反応器(CSTR B)、
(i2)カムシャフトモーターを備えた移動システムに接続され、ジアテル油用のジャケットを備える、好ましくはAISI 316/304鋼製の、振動式管状反応器(OPFR)であって、好ましくは約12リットルの幾何学的容積を有し、好ましくは以下の最高操作温度および圧力:シェル300℃/14bar、ジャケット350℃/10barに対応するように構成される、OPFR反応器、
(i3)エチレングリコールから水を分離するために構成され、コンデンサおよび蒸留物回収システムを備え、反応器内にその再始動ポンプを有する蒸留塔CDIであって、好ましくは、以下の最高操作温度:操作時190℃、設計時210℃、および以下の最高使用圧力:-1/1barの間、最高内圧3.5barを有する、蒸留塔(CDI)
を含むか、またはそれらから成る。
【0070】
図1は、特定の実施形態による装置(i1)~(i3)の図である。
【0071】
他の実施形態では、操作ユニット(i)は、以下の装置:
(i1)好ましくは89リットルの幾何学的容積を有するAISI 316/304鋼製で、ジアテル油用のジャケットを備える、第1の撹拌反応器(CSTR A)および第2の撹拌反応器(CSTR B)であって、好ましくは、反応器CSTR AおよびCSTR Bは、モーターおよびインバーターを備えた高粘性液体用の撹拌機を備え、原料、窒素、蒸気出口、蒸留液戻り口、フット弁およびその間の接続管を備えた入口ノズルを備え、好ましくは以下の最高操作温度および圧力:シェル300℃/14bar、ジャケット350℃/10barに対応するように構成される、第1の撹拌反応器(CSTR A)および第2の撹拌反応器(CSTR B)、
(i2)カムシャフトモーターを備えた移動システムに接続され、ジアテル油用のジャケットを備える、好ましくはAISI 316/304鋼製の、振動式管状反応器(OPFR)であって、好ましくは約12リットルの幾何学的容積を有し、好ましくは以下の最高操作温度および圧力:シェル300℃/14bar、ジャケット350℃/10barに対応するように構成される、OPFR反応器、
(i3)好ましくは、350~500リットルの幾何学的容積を有するAISI 316/304鋼製で、ジアテル油用のジャケットを備える、第3の撹拌反応器(CSTR C)であって、好ましくは、モーターおよびインバーターを備えた非粘性液体用の撹拌機を備え、用のノズルを備える原料入口、窒素、蒸気出口、コンデンサおよび蒸留物回収システム、底弁、並びにOPFR反応器、CSTR B反応器および操作ユニット(ii)との接続管を備え、好ましくは以下の最高操作温度および圧力:シェル 250℃/10bar、ジャケット 250℃/9barに対応するように構成される、CSTR C反応器、
(i4)エチレングリコールから水を分離するために構成され、コンデンサおよび蒸留物回収システムを備え、反応器内にその再始動ポンプを有する蒸留塔CDIであって、好ましくは、以下の最高操作温度:操作時190℃、設計時210℃、および以下の最高使用圧力:-1/1barの間、内部最高圧力3.5barを有する、蒸留塔CDI
を含むか、またはそれらから構成される。
【0072】
図2Cは、前記第2の実施形態に係るパイロットプラントの斜視図であり、図2Dは、前記第3のCSTR反応器の斜視図である。
【0073】
前記操作ユニット(ii)は、以下の装置:
(ii1)反応工程で未溶解の不純物を保持するための、100メッシュの濾過メッシュを有するメカニカルフィルタMであって、好ましくは直径6インチの316ステンレス鋼管で作られ、高さは約1.5mである、メカニカルフィルタM、
(ii2)反応器を出て装置(ii3)に入る解糖生成物を冷却するための熱交換器Sのシステムであって、好ましくはALFA LAVAL製ブレージングプレート式熱交換器型番CB30‐18HおよびALFA LAVAL製ブレージングプレート式熱交換器型番CBH18‐23から成る、熱交換器Sのシステム、
(ii3)好ましくはグラスファイバー、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデンまたはTeflon(登録商標)などの処理される製品に対して耐性のある内部材料から形成された樹脂系によって、金属、アニオンおよび色をそれぞれ除去するための、第1のカチオン樹脂カラムCC、第2のアニオン樹脂カラムCAおよび脱色剤で充填された第3のカラムCDから成る連続して配置された複数のカラム
を含むか、またはそれらから成る。カラムは、好ましくは、約150mmの内径、約1.5mの高さ、95℃の最高使用温度を有し、付属の温度制御およびメンテナンスシステム、および樹脂自体を再生するための管を備える。
【0074】
パイロットプラントの精製工程の(ii1)~(ii3)の装置の例示的な図を図2Aに示す。
【0075】
操作ユニット(iii)は、以下の装置:
(iii1)好ましくは直径16mmのスクリューを有し、コンピュータ化されたシステムで管理される3つの供給システムを備える、二軸スクリュー押出機E、
(iii2)押出機から下方に使用可能な、または溶融生成物の造粒のために撹拌反応器から直接出る独立した方法で使用可能な、溶融生成物の造粒のためのタンクおよびカッターT
を含むか、またはそれらから成る。
【0076】
装置(iii1)~(iii2)から成る押出およびペレット化システムの例示的な図を図3に示す。
【0077】
好ましい実施形態によれば、図2Aおよび図2Bに示すように、装置(i1)~(i3)によって、第1の操作状態(図2A)では、工程(b1)、(b2)、(c3)の反応を実施することができ、第2の操作状態(図2B)では工程(d1)を実施することができる。
【0078】
工程(b1)および(b2)は以下のように実施される:原料(ポリエステルのフレーク、エチレングリコールおよび触媒、充填(load)RM)は、エチレングリコールへのフレークの溶解を促進するために約150~170℃に加熱された第1の撹拌反応器CSTR Aに充填される。大部分(または塊;mass)が完全に溶融すると、ペーストはOPFR管状反応器に移送され、そこで解糖反応が起こる(工程(b2)。反応した大部分は、蒸留物の蒸留塔C(カラム‐コンデンサ‐回収システム)に接続された第2の撹拌反応器CSTR Bに回収され、PETのBHETへの完全変換のためのグリコールの過剰を常に確保する。完全に類似した方法において、他の実施形態では、原料を第2の撹拌反応器CSTR Bに充填し、反応した大部分を蒸留塔Cに接続される第1の撹拌反応器CSTR Aに回収することができる(例えば図1参照)。このように2つの反応器は交換可能である。
【0079】
工程(c3)は以下のように実施される:精製された生成物が操作ユニット(ii)(下記参照)のシステムから搬送される第2の撹拌反応器CSTR Bにおいて、過剰のエチレングリコールが蒸留により除去され、コンデンサおよび蒸留物回収システムに接続された脱去カラムを通して回収される。
【0080】
工程(d1)は以下のように実施される:2つの撹拌反応器のうちの1つにおける工程(c3)で得られた生成物は、触媒および安定剤と共に添加され、反応温度にされ、管状反応器に移送される。
【0081】
反応中、真空の作用により、エチレングリコールと揮発性不純物はカラムによって系から除去され、凝縮して凝縮液コレクタに回収される。
【0082】
工程(c1)と(c2)の精製と脱色は、装置(ii1)~(ii3)によって行われる。
【0083】
加熱カラム内に充填された樹脂においては、熱交換器によって樹脂の使用温度まで冷却された流体解糖生成物が、汚染物質の吸着に必要な時間だけ通過する。一旦使い切ると、樹脂は、エチレングリコールおよび/またはソーダ、塩酸および/または硫酸の溶液、またはアセトンの溶液のような他の洗浄溶液による向流熱水洗浄によって再生される。
【0084】
カチオン性樹脂の好ましい例は、NaまたはHイオン形態のスルホン酸官能基で架橋されたポリスチレンマトリックスのカチオン性樹脂である。
【0085】
アニオン性樹脂の好ましい例は、Clイオン形態の第4級アンモニウム官能基を有するスチレンマトリックスを有するアニオン性樹脂である。
【0086】
吸着性樹脂の好ましい例は、官能基を有しないスチレンマトリックスを有する吸着性樹脂である。
【0087】
図2Bに示すように、工程(d2)のペレット化工程は、装置(iii1)~(iii2)によって実施される。
【0088】
工程(d2)は以下のように実施される:重縮合反応が完了すると、溶融ポリマーは、約260~270℃に維持された管と2~4mmの間で可変の直径を有する出口ダイ(装置E)を通して、窒素圧力により造粒工程に移送される。
【0089】
ポリマーの出口は、溶融生成物のガラス化を避けるため、ポリエステルのTgより高い温度に加熱された水中のタンク‐カッターシステム(装置T)で行われる。冷却されたポリマーフィラメントが形成され、水中の金属製ガイドアームのシステムを通って切断ポイントに運ばれ、そこで約3mm×3mmの寸法のペレットが製造される。
【0090】
パイロットプラントでの結晶化工程では、ロータリーエバポレータRが使用され、真空下または窒素流中で顆粒を240℃以下の一定の温度に加熱する。
【0091】
従って、前述のパイロットプラントで得られるポリマー材料は、表2に示す特徴を有する。
【0092】
別の実施形態では、図2Cおよび2Dに示すように、相(b1)、(b2)、(c3)の反応は、装置(i1)~(i4)を用いて、第2の操作条件(図2Bに示すように)相(d1)で実施することができる。
【0093】
段階(b1)および(b2)は以下のように実施される:原料(ポリエステルフレーク、エチレングリコールおよび触媒、充填RM)は、エチレングリコール中へのフレークの溶解を促進するために、約150~170℃に加熱された第3の撹拌反応器CSTR Cに充填される。大部分が完全に溶融すると、ペーストはOPFR管状反応器に移送され、そこで解糖反応が行われる(相b2)。反応した大部分は、蒸留物コンデンサ‐コレクタシステムに接続された同じCSTR撹拌反応器Cに回収され、PETのBHETへの完全変換のための過剰グリコールが常に保証される。
【0094】
工程(c3)は以下のように実施される:操作ユニットシステム(ii)からの精製生成物が搬送されるCSTR撹拌反応器Bにおいて(下記参照)、過剰のエチレングリコールが蒸留により除去され、コンデンサおよび蒸留物回収システムに接続された精留塔を通して回収される。
【0095】
工程(d1)は以下のように実施される:CSTR撹拌反応器Bに見られる相(c3)から得られた生成物は、CSTR C反応器からの精製された生成物が搬送され、触媒および安定剤と共に添加され、反応温度にされ、管状反応器に移送される。
【0096】
反応中、真空の作用により、エチレングリコールと揮発性不純物はカラムを通して系外に除去され、凝縮して凝縮液コレクタに回収される。
【0097】
相(c1)と相(c2)の精製と脱色は、装置(ii1)~(ii3)を用いて行われる。
【0098】
第3のCSTR反応器Cから排出される解糖生成物は、交換器によって樹脂が使用される温度まで冷却され、汚染物質の吸着に必要な時間、加熱カラム内に充填された樹脂を通過する。一旦使い切られると、樹脂は、エチレングリコールおよび/または例えばソーダ溶液、塩酸および/または硫酸、またはアセトンなどの他の洗浄液による高温向流洗浄によって再生される。
【0099】
図2Cに示すように、段階(d2)の造粒段階は、装置(iii1)~(iii2)を用いて行われる。
【0100】
工程(d2)は以下のように実施される:重縮合反応が完了すると、溶融ポリマーは、約260~270℃に維持されたパイプと直径が2~4mmの間で変化する出口ダイ(装置E)を介して、窒素圧力により造粒段階に移送される。
【0101】
ポリマーの出口は、溶融物のガラス化を避けるため、ポリエステルのTgより高い温度に加熱された水中のタンク・カッター・システム(装置T)で行われる。冷却されたポリマーフィラメントが形成され、水中の金属製ガイドアームのシステムを通って切断ポイントに運ばれ、そこで約3mm×3mmの寸法のペレットが製造される。
【0102】
パイロットプラントでの結晶化段階には、ロータリーエバポレータRが使用され、真空下または窒素流中で顆粒を240℃以下の一定の温度に加熱する。
【0103】
工程(c1)、(c2)および(d2)は、第1の実施形態に関連して前述したように実施される。
【0104】
従って、前述のパイロットプラントで得られるポリマー材料は、表2に示す特性を有する。
【0105】
本発明の更に別の目的は、以下の操作ユニット:
(A)解糖処理に適した工程(a)によるプラスチック材料のフレークを得るように構成されたポリエステルテレフタレートの廃プラスチック材料の連続前処理プラント、
(B)フレーク状の原料の少なくとも1つの充填反応器と、工程(b)による解糖反応工程のために構成された1つ以上の振動管状反応器(Oscillating Plug Flow Reactor、OPFR)、
(C)精製工程(c)のために構成された、イオン交換樹脂および吸着剤を充填したカラムを備える機械的濾過システムであって、好ましくは、樹脂自体の再生システムおよび受入材料の冷却システムを備える、機械的濾過システム、
(D)蒸発および濃縮反応のための一連の2つのCSTR反応器、および溶媒の回収のための脱去カラム、
(E)任意に、解糖工程(b)から得られた精製BHET中間体の1つ以上の供給タンク、
(F)工程(d)によるBHETの重縮合反応のためにブロックに分割された複数のOPFR反応器、
(G)ポリエチレンテレフタレートのペレットの押し出しおよび製造のための造粒システム、および未使用のPETの純度、化学的-物理的および機械的特性を有するポリエチレンテレフタレートを得るための仕上げおよび結晶化システム
を含むか、またはそれらから成る、上記方法を実施するための工業プラントである。
【0106】
特定の実施形態では、操作ユニットAは、以下に記載される装置:
(A1)任意に、ポリエステルベール梱包物を開梱機に搬送するように構成された金属チェーンコンベヤ、
(A2)任意に、スクリュー刃によって開封される充填ボトルのスチール包装ラインを手動で切断するように構成された開梱機、
(A3)材料を操作ユニット下方へ搬送するコンベアであって、好ましくは、ボトルをよりよく分離するように構成された二軸積込機であるコンベア、
(A4)穴の大きさの違いに基づいて、砂、石、金属、キャップなどの不純物を分離するように構成されたロール選別システム、
(A5)非磁性金属フラクションを分離するために構成された渦電流分離器、
(A6)材料を後続工程に搬送するように構成されているコンベア、好ましくはベルトコンベア、
(A7)摩擦によってラベルを除去するように構成されたラベル除去システム、
(A8)材料を操作ユニット下方へ搬送するコンベアであって、好ましくは、水平回収ベルトとコンベアベルトとから成り、ラベル除去セットからボトルを一緒に回収し、材料をそれぞれ後続工程に搬送するように構成されているコンベア、
(A9)ラベルと砂、土およびその他の不純物とを除去するように構成された、ラベルを水中で除去するための予備洗浄装置、
(A10)磁性金属を除去するために構成された、「空気圧入れ替え」を備えた「金属検出器」、
(A11)材料フレークを操作ユニット下方へ搬送するように構成されたコンベア、好ましくはベルトコンベア、
(A12)材料を小さなサイズに切断するように構成された粉砕システム、
(A13)材料フレークを操作ユニット下方へ搬送するように構成されたコンベアであって、好ましくは水平および斜めの搬送スクリューから成るコンベア、
(A14)異なる細かく切断された材料をポリエステルから重力分離するように構成された、少なくとも1つの浮遊流域、
(A15)浮遊流域から材料を搬出するように構成されたコンベア、好ましくは搬出スクリュー、
(A16)浮遊流域から出る水分を減少させるように構成された脱洗浄機、
(A17)湿分を減少させ、温風によって材料フレークを乾燥するように構成された乾燥システム、好ましくは熱チューブシステム、
(A18)任意に、少量のラベルと材料フレークからの埃とを更に分離するように構成されたラベル除去用のジグザグ送風機、
(A19)非磁性金属フラクションを更に分離するように構成された第2の「渦電流」分離器、
(A20)波長によって異なる色のフレークを分離し、赤外線によって異なる種類のプラスチックを他のプラスチックから分離するように構成された色分離器、
(A21)任意に、ポリエステルフレークを一時的に貯蔵するように構成された1つ以上の容器
を含むか、またはそれらから成る。
【0107】
操作ユニット(A1)~(A21)を用いて実施可能な操作の概要図を図4に、操作ユニット(A1)~(A21)のブロック図を図5に示す。
【0108】
本発明の工程(A)によるフレークの前処理および作製は、装置(A1)~(A21)によって実施される。
【0109】
操作ユニット(B)~(F)を含む工業プラントのブロック図を図6に示す。
【0110】
特定の実施形態において、反応器Bは、異なる構造および動作原理を有する2つの異なるタイプであり、以下:
(B1)加圧下および真空中で作動可能であり、解糖混合物を作製するように構成された少なくとも1つの充填反応器、好ましくは50mの容量を有し、205℃までの処理に適している少なくとも1つのCE316鋼製反応器、
(B2)負圧条件下で作動するように構成され、移送ポンプを備える、管状反応器を含む少なくとも1つのOPFR(Oscillating Plug Flow Reactor)反応器、好ましくは10~100m(mt)の長さを有し、好ましくは撹拌および加熱バレルから成るスキッドに取り付けられ、好ましくはCE304またはCE316鋼製である上記反応器
を含むか、またはそれらから成る。
【0111】
OPFR反応器の図を図7に示す。
【0112】
工程(b1)および(b2)の反応は、操作ユニットBの反応器によって実施される。
【0113】
特定の実施形態では、前記操作ユニットCが以下:
(C1)約6bar、200℃の耐性を有する、反応工程で未溶解の不純物を保持するための、内部に100~1000ミクロンの濾過メッシュを有するメカニカルフィルタ、好ましくはジャケット付きバスケットタイプで、直径約220mm、高さ約850mmを有するAISI 316ステンレス鋼製であるメカニカルフィルタ、
(C2)(C3)カラムへの受入材料の冷却システム、好ましくは樹脂への受入生成物を冷却するためのLAVAL ALFAブレージングプレート式交換器に供給される反応器(B)から出る解糖生成物を充填するための緩衝反応器から成る冷却システム、
(C3)連続して配置され、タイプ別に、好ましくは95℃に等しい最高使用温度を有する3つの2カラム群に分割された、金属、アニオンおよび色をそれぞれ除去するための樹脂系を有する複数のカラム
を含むか、またはそれらから成る。カラムは、好ましくは熱水で被覆され、ファイバーグラス、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデンまたはテフロンなどの、処理される製品に対して耐性のある内部材料で作られ、約0.5mの直径および約2.5mの高さを有する。カラム(C3)は、好ましくは、樹脂脱色剤の洗浄およびその結果としての沈殿物としての着色顔料の回収に使用される純粋なアセトン用の蒸留塔を含む、樹脂自体の再生のための配管系に接続される。
【0114】
装置(C1)~(C3)から成る操作ユニットの図を図9に、濾過ユニット(C2)の断面側面図を図8に示す。
【0115】
本発明の方法の工程(c1)~(c2)の精製および脱色は、操作ユニット(C1)~(C3)によって行われる。
【0116】
特定の実施形態において、操作ユニットDは、以下:
(D1)真空システムを用いて10bar以下の圧力および350℃以下の温度のために構成された、解糖生成物からのエチレングリコール溶媒の第1の蒸発工程のための蒸発反応器であって、好ましくは、25mおよび13mの容量を有するCE316およびCE304鋼製のCSTR反応器である、蒸発反応器、
(D2)真空システムで10bar以下の圧力および350℃以下の温度のために構成された、エチレングリコール溶媒の最終除去工程のため、および80%~99%の純度のBHETを得るための濃縮反応器であって、好ましくは、25mおよび13mの容量を有するCE316およびCE304鋼製のCSTR反応器である、濃縮反応器、
(D3)工程中でリサイクルされる純粋なエチレングリコールの濃縮および回収のための脱去カラム
を含むか、またはそれらから成る。
【0117】
反応器D1またはD2およびカラムD3の図をそれぞれ図10および図11に示す。
【0118】
本発明の方法の工程(c3)の蒸発および濃縮工程は、操作ユニット(D1)~(D3)によって実施される。
【0119】
特定の実施形態では、操作ユニットFは、操作ユニットC2と同じタイプであり、本発明の特定の実施形態では、以下:
(F1)負圧条件下で作動するように設計され、移送ポンプを備えた、複数の管状OPFR(Oscillating Plug Flow Reactor)反応器、好ましくは3~9個の、好ましくは10~100mの長さを有し、好ましくは撹拌および加熱バレルから成るスキッドに取り付けられ、好ましくはCE304またはCE316鋼製である、OPFR反応器
を含むか、またはそれらから成る。
【0120】
本発明の方法の工程(d1)の反応は、操作ユニット(F1)によって実施される。
【0121】
操作ユニットGは、工程(d1)で製造されるポリエステルペレットを製造するための水中押出およびペレット化システム、ならびに最終製品の結晶化および仕上げシステムから成る。特定の実施形態では、操作ユニットGは、以下:
(G1)任意に、ペレット化システムを開始する前に、劣化した材料から切削ヘッドをパージするために使用される、偏向バルブであって、好ましくは溶融材料の流れを逸脱位置(または排除位置;deviation position)から製造(マトリックス)位置へ短時間で偏向させるために使用される、AV65ポリマー製の偏向バルブ、
(G2)可動支持体を備えた浸漬式ペレット化ユニットであって、好ましくは、切断チャンバを閉じた後、ペレタイザーのモーターを全自動で始動させ、前記ユニットG2において、溶融ポリマーは、一連の穴を有するマトリックスを通って流れ、ポリマーが穴から出ると、回転ブレードによって顆粒状に切断され、次いで、遠心乾燥機の切断チャンバを通過する工程水の流れによって洗い流されると固化される、浸漬式ペレット化ユニット、
(G3)マトリックスノズルでの材料の凍結を防止する断熱を確保するための「ダイプレート」ユニットであって、マトリックスは、ヒーターカートリッジによって加熱され、構成要素の温度は、好ましくは、支持体の本体に配置された温度センサーによって監視され、好ましくは、上記ダイは、ペレタイザーハウジングが移動ユニットに搭載される場合、自由にアクセス可能であり、従って、容易に洗浄することができる、ダイプレートユニット、
(G4)切断されたペレットを工程水によって搬送するために構成された切断チャンバであって、このような操作は、ステンレス製ペレタイザーのハウジングの自動油圧閉鎖式安全ロックによって行われ、好ましくは、硬化鋼工具ブレードを備えた2つのステンレス鋼ナイフホルダーが存在し、サーボモーターによるナイフの調節は、好ましくは自動的に制御され、これにより操作中にナイフを自動的に再研磨して、安定したペレット品質を確保することが可能となり、好ましくは、ペレット化ブレードの電子モニターは、ブレードの現在の摩耗を示し、安全なペレット化工程を確保するために必要なブレード交換を操作スタッフに知らせ、ブレードシャフトの速度範囲は、好ましくは周波数変換器によって制御され、操作パネル上で選択される、切断チャンバ、
(G5)任意に、上流の構成要素の熱膨張を補正するために、ペレタイザー全体が搭載される小型車輪付き支持フレームであって、更に、ペレタイザーは、押出機の清掃とメンテナンスのために直感的に移動させることができる、支持フレーム、
(G6)切断された顆粒が工程水ポンプを経由して搬送され、工程水から分離される、遠心式乾燥機を含む水および乾燥処理システムであって、好ましくは、水分離器/遠心乾燥機は、材料特性に応じて約0.05~0.5%の最大残留ペレット水分を提供する、水および乾燥処理システム、
(G7)任意に、溝付き篩フィルタを備えたブレード篩を含む、必要な工程水のために構成される水タンクであって、水が好ましくはフランジ付き電気抵抗器によって加熱され、そのレベルは好ましくは電磁弁とフロートスイッチによって制御される、水タンク、
(G8)任意に、浸漬式ペレタイザーの制御ユニットの実際の流速を表示する、工程水ポンプとペレット化の間の工程水の流量計、
(G9)遠心式乾燥機/乾燥機であって、好ましくは、清掃が容易な大きなドア、メンテナンス用の小さなドア、および物理的にアクセス可能な3つのフィルタを有し、乾燥機のドアとメンテナンス用ドアは、好ましくは、操作中に開かないように安全スイッチによって保護される、遠心式乾燥機/乾燥機、
(G10)残留湿度の目標値に到達するために、造粒物からの材料の流れに対して逆流を発生させる、水蒸気を抽出するように構成された排出ファン、
(G11)任意に、オペレータによる制御と機械の監視に必要なすべての電気要素が電気盤に設置されている、PLCを備えた電気システムであって、PLCはペレット化ラインの制御を行い、操作パネルはペレット化ユニットに直接設置された回転アーム上に設置され、設定値の調整には、温度、速度、パラメータ、および時間などの、操作パネルで設定されたすべての設定値(一部任意)が含まれ、更に、供給圧力およびペレタイザーの速度などの実際の値もすべてパネル自体に表示される、電気システム
(G12)ペレットの膠着(conglutination)を防ぐために、連続的な移動下で、ペレットを初期にはまだ非晶質に維持する、好ましくは2つの不平衡モーター(各0.3kW)によって駆動される、振動コンベヤーを備えた固体‐温結晶化システムであって、ペレットの比熱と低い充填密度により、高濃度の熱エネルギーが発生し、ペレットは半結晶状態に変化する、固体‐温結晶化システム
を含むか、またはそれらから成る。
【0122】
操作ユニット(G1)~(G12)で実施される操作の例示的な図を図12に、操作ユニット(G1)~(G12)の例示的な図を図13に示す。
【0123】
工程(d2)のペレット化および結晶化は、操作ユニット(G1)~(G12)によって実施される。
【0124】
図に示す具体的実施例
図1
操作1~6では、以下の操作パラメータを使用する:
OPFR反応器を、ピストン速度113mm/分、圧力3bar FVで操作する。
【0125】
図5
左上のブロックからスタートする矢印によって示される順番で:
金属チェーンコンベヤ:ポストコンシューマプラスチックベール輸送システム
金属チェーンコンベヤ:ポストコンシューマプラスチックの開梱
トロンメル(ローラシステム):粗大不純物の分離
金属チェーンコンベヤ:ポストコンシューマプラスチックの開梱
過電流選別機:非磁性金属フラクションの分離
ラベル剥離セット:摩擦によるラベル剥離
予備洗浄機:水中でのラベル剥離、および不純物除去
金属探知機:磁性金属の除去
破砕機:材料の小さなサイズへの切断
浮遊:重力によるポリエステルからの余分なプラスチックの分離
洗浄乾燥機:水分の低減、およびフレークの乾燥
ジグザクブロワ:フレークからのラベルおよび埃の分離
過電流選別機:非磁性金属フラクションの分離。
色分離器:プラスチックの種類と色によるフレークの分離
サイロ:ポリエステルフレークの一時保管
【0126】
図13
左上のブロックからスタートする矢印によって示される順番で:
重縮合非晶質溶融PET:IV最大0.75、結晶化度約20%
ペレット化ユニット:溶融ポリマーは一連の穴を通って流れ、水中で回転ブレードによって顆粒に切断される。
水ポンプ:ペレットは水上輸送により乾燥工程に運ばれる。
遠心乾燥機:ペレットから工程水を除去し、残留湿度約0.05~0.5%を確保。
予備結晶化システム:IV 0.75、結晶化度約30%。
結晶化システム:IV 0.8~0.9、結晶化度約45~50%、振動コンベアにより、まだ非晶質のペレットを連続的に移動させ、ペレットの膠着を防ぐ。高濃度の熱エネルギーが発生し、ペレットは半結晶状態に変化する。
【0127】
本発明の方法とその実施のためのプラントの利点は、以上のことから明らかである。
【0128】
実際、PETの解糖はそれ自体既知の工程であるが、本発明の方法は、製造されたPETの最終的な特徴を改善し、使用された材料または使用された廃プラスチック材料に含まれる材料(着色顔料を含む)の回収を可能にするという点で優れている。
【0129】
従って、その技術革新は、本発明の精製技術により、色、形態、種類の区別なく使用することを目的として、過剰な前処理を避け、廃棄物を実質的にその全体として回収することを可能にする工程であるという事実において明らかである。
【0130】
このようにして得られたポリエステルPETは、未使用の生産材料と同一の新しい純粋な原料であり、単一の工業プラント内で複数の工程を経て製造され、そのままあるいは他のプラスチック成分と混合して販売することができる。
【0131】
当業者には、本発明の保護範囲から逸脱することなく、特定の用途に適合させるために必要なすべての変更を加えることができるであろう、本発明のいくつかの特定の実施形態のみを記載しただけであることは明らかである。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【外国語明細書】