(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125278
(43)【公開日】2024-09-18
(54)【発明の名称】デュアルモード音響砕石トランスデューサ
(51)【国際特許分類】
A61B 17/22 20060101AFI20240910BHJP
【FI】
A61B17/22 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024028636
(22)【出願日】2024-02-28
(31)【優先権主張番号】63/487,900
(32)【優先日】2023-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500498763
【氏名又は名称】ジャイラス エーシーエムアイ インク ディー/ビー/エー オリンパス サージカル テクノロジーズ アメリカ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ エー. ベイカー
(72)【発明者】
【氏名】アーサー ジェイ. ベルテルソン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】患者内に位置する標的に音響エネルギーを送達することができる、音響砕石術システムを提供する。
【解決手段】音響トランスデューサは、第1の振動器および第2の振動器を含む。システムは、音響トランスデューサに結合された衝撃部材を含んでもよく、衝撃部材は、第1の振動器および第2の振動器の各々よりも低い周波数で動作可能である。システムは、音響トランスデューサおよび衝撃部材に結合されたコントローラ回路をさらに含んでもよく、コントローラ回路は、第1の振動器または第2の振動器のうちの少なくとも1つに、第1の振動器または第2の振動器のうちの選択された少なくとも1つによる標的のアブレーションを制御するための作動制御信号を選択的に提供するように構成された、音響作動制御出力を含む。第1の振動器および/または第2の振動器は、衝撃部材ありまたはなしで動作するように選択され得る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者内に位置する標的に音響エネルギーを送達するための音響砕石術のためのシステムであって、前記システムは、
音響トランスデューサであって、第1の振動器および第2の振動器を含む、音響トランスデューサと、
前記音響トランスデューサに結合されたコントローラ回路であって、前記コントローラ回路は、
前記第1の振動器または前記第2の振動器のうちの少なくとも1つに、前記第1の振動器または前記第2の振動器のうちの選択された前記少なくとも1つによる前記標的のアブレーションを制御するための作動制御信号を、
選択的に提供するように構成された音響作動制御出力
を含む、コントローラ回路と、
を備えるシステム。
【請求項2】
前記音響トランスデューサに結合された衝撃部材であって、前記衝撃部材は、前記第1の振動器および前記第2の振動器の各々よりも低い周波数で動作可能である、衝撃部材
を備え、前記コントローラ回路は、
標的組成または他の標的特性のうちの少なくとも1つの指標を提供する標的特性信号を受信するように構成された標的特性信号入力であって、前記作動制御信号は、受信した前記標的特性信号に少なくとも部分的に基づき、前記第1の振動器または前記第2の振動器のうちの選択された前記少なくとも1つは、前記衝撃部材ありまたはなしの一方で動作するように選択される、標的特性信号入力
を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記作動制御信号が、前記第1の振動器に第1の超音波信号を放出させ、前記第2の振動器に第2の超音波信号を放出させる電子信号であり、前記第2の振動器が、前記第1の振動器よりも大きい周波数で振動するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
患者の身体に少なくとも部分的に挿入可能な長尺部材の遠位部分と、
音波導波路または音響プローブのうちの少なくとも1つと、
をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1の振動器および前記第2の振動器が圧電材料を含み、前記第1の振動器または前記第2の振動器の一方が縦波を放射するように構成され、前記第1の振動器または前記第2の振動器の他方が横波を放射するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記衝撃部材がソレノイドハンマーを含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項7】
前記衝撃部材がばねまたは自由質量のうちの少なくとも1つを含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項8】
コントローラ回路に結合された分光計であって、
前記標的の組成または特性を分析するように構成された、分光計
を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記コントローラ回路が、前記分光計からの情報に基づいて、前記標的の組成の変化に反応して前記制御信号を調整するように構成されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記標的が減少またはアブレーションされる際に粒子の数を計測するように構成された前記コントローラ回路に結合された粒子計数器
をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記コントローラ回路が、前記粒子計数器によって計測された粒子の数に基づいて前記制御信号を調整するように構成されている、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1の振動器および前記第2の振動器が、少なくとも部分的に分離可能であり、チューブおよび機械的接続によって互いに接続可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記機械的接続が、ねじ接続、空気圧接続、またはオーバーセンターラッチのうちの少なくとも1つを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記コントローラ回路が、前記第1の振動器が常に起動状態にある動作モードを含み、前記機械的接続を介して前記第1の振動器に接続されたときに前記第2の振動器が起動される、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記チューブが前記第1の振動器に対して固定され、前記第2の振動器に対して移動可能であり、前記第1の振動器および前記第2の振動器が前記機械的接続を介して互いに接続されたときに前記チューブが前記第2の振動器内に後退し、その状態で、前記チューブが前記第1の振動器と前記第2の振動器との間のシールを維持する、請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
患者内に位置する標的の音響砕石術のための方法であって、前記方法は、
前記標的の標的組成または他の標的特性を決定するステップと、
前記標的の決定された前記標的特性に基づいてドライバ制御信号を生成するステップと、
第1の振動器または前記第2の振動器のうちの少なくとも1つに前記ドライバ制御信号を送るステップと、
前記第1の振動器または前記第2の振動器のうちの少なくとも1つに結合された衝撃部材に、前記第1の振動器または前記第2の振動器のうちの少なくとも1つからの振動を使用してエネルギーを前記標的に送達させるステップと、
を含む方法。
【請求項17】
前記標的組成または他の標的特性を決定するために分光計を使用して前記標的からの標的信号を分析するステップと、
前記標的の標的組成の変化に反応して前記ドライバ制御信号を調整するステップと、
を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
粒子計数器を使用して前記標的によって生成された粒子の数を計測するステップと、
前記粒子計数器によって計測された粒子の数に基づいて前記ドライバ制御信号を調整するステップと、
を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
第1の振動器と、
前記第1の振動器から少なくとも部分的に分離可能な第2の振動器と、
前記第1の振動器または前記第2の振動器のうちの少なくとも1つに結合された衝撃部材と、
前記衝撃部材または前記第1の振動器または前記第2の振動器のうちの少なくとも1つに結合された音波導波路と、
前記第1の振動器を前記第2の振動器に部分的に接続し、その間のシールを維持するチューブと、
前記第1の振動器を前記第2の振動器に係合させるように構成された接続部材と、
を備える音響トランスデューサ。
【請求項20】
前記第1の振動器が常に起動されている動作状態を含むように構成され、前記接続部材を介して前記第1の振動器に接続されると前記第2の振動器が選択的に起動される、請求項19に記載の音響トランスデューサ。
【請求項21】
前記チューブが前記第1の振動器に対して固定され、前記第2の振動器に対して摺動可能であり、前記第1の振動器および前記第2の振動器が前記接続部材を介して互いに接続されたときに前記チューブが前記第2の振動器内に後退し、前記チューブが前記第1の振動器と前記第2の振動器との間のシールを維持する、請求項19に記載の音響トランスデューサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、砕石トランスデューサに関し、具体的には、標的の観察または検出された特性に基づいて異なる周波数および/またはモードで振動するようにそれぞれ構成された複数の振動デバイスを含むトランスデューサを使用する砕石術に関する。
【背景技術】
【0002】
砕石術は、身体から自然に通過させるには大きすぎる(または通過させることができない)、腎臓結石などの標的を破壊するために使用される処置である。砕石術は、結石を破壊するためにレーザまたは音波を使用することができる。音響衝撃波砕石術は、大きな結石を破壊するために、トランスデューサに接続された砕石機、音波導波路、または音響プローブから放射された音響衝撃波を使用することができ、その後、これらの石を身体(例えば、尿路)から通過させることができ、または音響トランスデューサを導入するために使用されるスコープのチャネルを介して除去することができる。
【0003】
衝撃波砕石術は、非侵襲的であっても侵襲的であってもよい。侵襲的処置の間、プローブまたは内視鏡などのスコープを患者の体内に挿入することができる。音波は、スコープの端部に位置する衝撃部材に、石に衝撃を与えさせ、石を粉々にさせることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書には、音響砕石術に使用するためのシステムおよび方法が開示される。患者の体内に位置する標的(腎臓結石または胆石など)に音響エネルギーを送達するためのシステムは、第1の振動器および第2の振動器を有する音響トランスデューサを備えることができる。第1および第2の振動器は、印加された電気入力信号に反応してなど、特定の周波数およびモードで、振動器を運動、発振などさせるための圧電材料(または圧電スタック)をそれぞれ含むことができる。第1の振動器および第2の振動器は、超音波領域内の周波数でそれぞれ振動することができ、超音波領域内の異なる周波数で振動することができる。例えば、第1の振動器は20キロヘルツ(kHz)の周波数で振動することができ、第2の振動器は100kHzの周波数で振動することができる。このように、第2の振動器は、第1の振動器よりも大きい周波数で振動することができる。
【0006】
システムはまた、第1の振動器および第2の振動器の各々よりも低い周波数で動作可能なソレノイドハンマーまたは空気圧アクチュエータなどの衝撃部材も含むことができる。例えば、衝撃部材は、20ヘルツ(Hz)などの超音波未満の周波数で動作することができる。一例では、衝撃部材は、第1の振動器および第2の振動器とは独立して動作することができ、第1の振動器および/または第2の振動器と連動して動作するか、またはこれらによって駆動されることも可能である。
【0007】
システムは、音響トランスデューサおよび/または衝撃部材に結合されたコントローラ回路を含むことができる。コントローラ回路は、第1の振動器および/または第2の振動器に超音波信号を放出させるための作動制御信号を第1の振動器および/または第2の振動器に選択的にそれぞれ提供するように構成された音響作動制御出力を含むことができる。例えば、作動制御信号は、第1の超音波信号を第1の振動器から放出させ、第2の超音波信号を第2の振動器から放出させることができる。第1の振動器および/または第2の振動器から放出された超音波信号は、選択された第1の振動器および/または第2の振動器による標的のアブレーションを制御するために使用することができる。第1の振動器および/または第2の振動器は、衝撃部材がありまたはなしで動作するように選択することができ、個別にまたは互いに同時に動作するように選択することができる。別の言い方をすれば、第1の振動器は、それ自体で動作するように選択することができ、第2の振動器は、それ自体で動作するように選択することができ、第1および第2の振動器は、同時に一緒に動作するように選択することができ、こうしてトランスデューサを異なるモードで動作させることができる。
【0008】
コントローラ回路は、標的特性信号を受信するように構成された標的特性信号入力を含むことができる。標的特性信号は、標的組成(例えば、標的を構成する1つまたは複数の物質)、またはサイズ(例えば、長さまたは幅)もしくは位置(例えば、患者の解剖学的構造のどこに標的が位置しているか)などの別の標的特性のうちの少なくとも1つの指標を提供することができる。標的の組成または特性は、コントローラ回路に結合された分光計による標的のスペクトル分析または他の分析を使用して決定することができる。分光計を使用するレーザ制御の詳細は、米国特許出願第16/947.485号明細書に見出すことができ、その内容はその全体が組み込まれる。作動制御信号は、少なくとも部分的に、受信した標的特性信号に基づくことができる。作動制御信号は、標的の状態の何らかの変化に反応して、医師ユーザまたはコントローラ回路のいずれかによって調整することができる。例えば、作動制御信号は、標的の組成の変化(例えば、石の異なる層が異なる物質で構成される状況で)に反応して調整することができる。加えて、または代わりに、作動制御信号は、標的が減少またはアブレーションされる際にコントローラ回路に結合された粒子計数器によって計測された粒子の数に基づいて調整することができる。
【0009】
一例では、第1の振動器および第2の振動器は、少なくとも部分的に分離可能とすることができる。あるいは、別の言い方をすれば、トランスデューサは、振動器が発生器または音波導波路に電気的に結合された単一の中実部品とすることができ、またはトランスデューサは、1つのピースに1つの振動器があり、別のピースに第2の振動器がある、2つ以上のピースに分離することができる。トランスデューサが2つ以上のピースに分離された例では、第1の振動器および第2の振動器は、チューブおよび機械的接続などによって互いに接続可能とすることができる。機械的接続は、ねじ接続、空気圧接続、またはオーバーセンターラッチのうちの少なくとも1つを含むことができる。チューブは、第1の振動器と第2の振動器との間のシールを維持することができ、標的が減少またはアブレーションされる際に標的のピースを除去するために使用することができる。
【0010】
本明細書に記載されるシステムのような二重作用の使用は、標的をより良好かつ効率的に断片化する能力をもたらし、外科的合併症を減らしながら手術時間を削減または短縮し、より良好な患者の転帰をもたらすことができる。
【0011】
必ずしも縮尺通りではない図面において、同様の番号は、異なる図で同様の構成要素を説明することができる。異なる接尾文字を有する同様の番号は、同様の構成要素の異なる事例を表し得る。図面は、限定ではなく例として、本明細書で論じられる様々な実施形態を示す。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】二重振動スタック構成を有する音響砕石トランスデューサの一例を示す図である。
【0013】
【
図2】音響トランスデューサの分離可能な二重振動スタック構成の一例を示す図である。
【0014】
【
図3】患者内に位置する標的の音響砕石術のための方法の例示的なフローチャートである。
【0015】
【
図4】1つ以上の実施形態が実装され得る機械の一例を示すブロック図である。
【0016】
【
図5】例示的なコンピュータベースの臨床意思決定支援システム(CDSS)の概略図の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
音響または衝撃波砕石術は、身体から自然に通過させるには大きすぎる腎臓結石(「結石」とも呼ばれる)などの1つ以上の標的を破壊するために、トランスデューサに接続された砕石器、音波導波路、または音響プローブから放射された超音波または他の音波を使用する。超音波または他の音波などの波は、断片化されたピースが身体(例えば、尿路)を自然に通過してそこから出ることを可能にするためなど、標的を破壊または断片かするために使用することができ、あるいは音響トランスデューサが含まれるかまたは導入されるスコープおよびチューブシステムを介して除去することができる。
【0018】
石などの標的は、異なる組成を有するか、または異なる物質で構成することができる。石の組成は、一般に、石の硬度レベル(例えば、石がどのくらい硬いか)を決定する。石の硬度レベルは、石を断片かまたは破壊するために必要とされる音響周波数を決定する。例えば、シュウ酸カルシウムから形成された石などのより硬い石は、石を破壊するためにより多くの力、したがって低周波の波を必要とする。一方、尿酸から形成された石などのより柔らかい石は、石を破壊するためにより少ない力、したがって高周波の波を必要とする。しばしば、石は、石が異なる物質から構成されるように、異質または不均一な組成を有することができる。例えば、腎臓結石は、シュウ酸カルシウムから形成された外側部分シェルを有することができ、尿酸から形成された内側部分を有することができる。したがって、石の外側部分は内側部分よりも硬くすることができ、またはその逆も同様である。あるいは、石全体が、硬い物質と柔らかい物質との混合物であってもよい。そのような場合、より効率的に石を断片化するために、石の異なる部分に対して異なる周波数の波を使用することができる。より硬い外側シェルを破壊するために低周波の波を使用することができ、より柔らかい内側部分を破壊するために高周波の波を使用することができる。
【0019】
超音波または他の音響砕石術は、二重作用または他の多重作用振動の恩恵を受けることができる。これは、異なる周波数で動作することができる音響トランスデューサ内の別個の振動スタックまたは部材(または振動器)を使用することを含むことができる。これは、より大きな断片化能力をもたらすことができ、ひいては、より低い手術時間およびより良好な患者の転帰をもたらすことができる。本発明者らは、例えば、石の組成または石の変化する組成などによって、石がどのように崩壊または分解するか(例えば、断片化の量)に基づいて、トランスデューサによって放射された音波を処置中に確立または調整する必要性を特定した。
【0020】
図1は、二重振動スタック構成を有する音響砕石トランスデューサ100の一例を示す。
図1では、トランスデューサは、第1の振動部分(振動スタックまたは振動部材;以下、第1の振動器102)と、第2の振動部分、スタック、または部材(以下、第2の振動器104)とを含むことができる。例えば、第1の振動器102および/または第2の振動器104は、音響砕石トランスデューサ100の本体を形成するハウジング内など、音響砕石トランスデューサ100の内側部分に配置することができる。一例では、音響砕石トランスデューサ100は、音響砕石トランスデューサ100の近位端に配置された衝撃部材アセンブリ108(例えば、ソレノイド、発射体、空気圧アクチュエータ、ばね、または発射体によって衝撃を受けた自由質量を含むことができるようなアセンブリ)を含むことができる。例えば、衝撃部材アセンブリ108は、音響砕石トランスデューサ100のハンドルに含まれるか、またはその一部分を形成することができる。音響砕石トランスデューサ100はまた、音波導波路または音響プローブ、もしくは音響砕石トランスデューサ100の遠位端に配置または取り付けられた、ソレノイド、ばね、空気圧アクチュエータ、自由質量、リング、スリーブなどの任意の適切な要素を含むことができる。衝撃部材アセンブリ108が音響砕石トランスデューサ100の近位端に配置されている一例では、質量および発射体タイプの衝撃部材は、標的112と接触するために第1の振動器102および/または第2の振動器104からの超音波信号によって提供されるエネルギーに追加することができる、音響プローブ110に伝達される音響エネルギーを生成するために衝撃部材アセンブリ108を通って移動させることができる。別の例示的な実施形態(例えば、衝撃部材がソレノイドである)では、衝撃部材アセンブリ108は、音響プローブ110に近接して、音響砕石トランスデューサ100の遠位端に配置することができる。一例では、超音波信号などの音響信号は、(それ自体が電気信号によって駆動される)第1の振動器102および/または第2の振動器104によって放出することができ、衝撃部材アセンブリ108および/または音響プローブ110に送信することができる。音響砕石トランスデューサ100は、任意選択的に、第1の振動器102を第2の振動器104から分離する中央部分または中央ブロック106を含むことができる。第2の振動器104は、音響砕石トランスデューサ100の近位端に、またはそこに向かって配置することができ、第1の振動器102は、音響砕石トランスデューサ100の遠位端に、またはそこに向かって配置することができる。
【0021】
一例では、第1の振動器102は、20kHzなどの第1の超音波周波数でなど、第1の周波数で動作するように構成可能とすることができ、第2の振動器104は、100kHzなどの実質的に異なるかまたはより高い周波数で動作するように構成可能とすることができる。したがって、第2の振動器104は、第1の振動器102よりも高いかまたは大きい周波数で振動するように構成することができる。
【0022】
第1の振動器102および/または第2の振動器104は、衝撃部材を断片化すべき石などの標的と接触させるため、または標的にエネルギーを伝達させるために、音響または超音波信号などを介して衝撃部材アセンブリ108にエネルギーを伝達することができる。あるいは、衝撃部材アセンブリ108は、第1および/または第2の振動器とは異なる別個のアクチュエータによって駆動することができる。したがって、音響砕石トランスデューサ100は、任意選択的に、衝撃部材が標的に衝撃を与えて標的を破壊または断片化させることができるように、患者の体内に少なくとも部分的に挿入可能な長尺部材を含むことができる。衝撃部材アセンブリ108は、ソレノイドハンマーまたはソレノイドドライバを含むことができる。衝撃部材アセンブリ108は、ばねおよび自由質量のうちの少なくとも1つを含むことができる。一例では、衝撃部材アセンブリ108は、サージカルスチールまたはアルミニウムなどの金属から形成することができるような、円筒形状のロッドまたはチューブを含むことができる。
【0023】
衝撃部材は、標的を断片化するために第1の振動器102および/または第2の振動器104、および/または別個の異なるアクチュエータによって駆動することができるように、任意の適切なまたは望ましい形状とすることができ、任意の適切なまたは望ましい材料から作製することができる。このような例では、衝撃部材の周波数は、超音波未満(例えば、20ヘルツ以下)であってもよく、第1の振動器102および/または第2の振動器104の超音波振動の影響であってもよい。別の言い方をすれば、第1の振動器102および/または第2の振動器104からの振動は、超音波未満の周波数での衝撃部材の運動を引き起こすことができる。
【0024】
別の例では、衝撃部材は、超音波未満の音響周波数で動作可能とすることができるが、第1の振動器102および/または第2の振動器104のいずれかとは独立して信号によって駆動することができる。例えば、衝撃部材は、第1の振動器102および/または第2の振動器104とは異なる別個のアクチュエータからの信号によって駆動することができる。
【0025】
第1の振動器102および/または第2の振動器104は、圧電材料、または圧電材料のスタック(または任意の同様の材料)を含むことができ、異なるタイプの振動のモードまたは波を生成することができる。例えば、第1の振動器102は縦波を放射するように構成することができ、第2の振動器104は横波を放射するように構成することができる。あるいは、第1の振動器102は横波を放射するように構成することができ、第2の振動器104は縦波を放射するように構成することができる。別の例では、第1の振動器102および第2の振動器104の各々は、標的の位置、標的の1つ以上の特性(例えば、組成、組成プロファイル、サイズ、形状など)などの要因に基づくユーザ選択またはコントローラ回路による決定に基づくことができるように、縦波または横波のいずれかを選択的に放射することが可能であり得る。
【0026】
第1の振動器102および第2の振動器104は、任意の電気エネルギー源によって電気的に制御することができ、互いに独立して、または同時に動作することができる。あるいは、別の言い方をすれば、第1の振動器102はそれ自体で動作可能とすることができ、第2の振動器104はそれ自体で動作可能とすることができ、第1の振動器102および第2の振動器104は同時に動作可能とすることができる。振動器を互いに独立して使用し、振動器を通して異なるタイプの波を伝達する能力により、医師が音響砕石トランスデューサ100の動作モード(例えば、縦モードおよび横モード)を変更する柔軟性を可能にし、これは、様々な砕石シナリオにおいて有用であり得る。例えば、(腎臓内の腎臓結石の位置、または腎臓結石の組成もしくは硬度レベルなどに起因して)より少ない圧迫(音響砕石トランスデューサ100から離れる方に標的を押すこと)が望ましいと判断されたとき、高周波で動作する、および/または横波を放射する、単一の振動器が望ましい場合がある。腎臓結石が非常に硬い場合など、他の場合には、石をより容易に、より迅速に断片化することを可能にするなどのために、第1の振動器102からの周波数と第2の振動器104からの周波数とを重ね合わせることができるように、第1の振動器102および第2の振動器104からのエネルギーを同時に放射することが望ましい場合がある。
【0027】
図2は、音響トランスデューサの分離可能な二重振動スタック構成の一例を示す図である。
図2は、第1の振動器202が第2の振動器204から少なくとも部分的に分離可能である音響トランスデューサ200の断面図を示す。このような例では、第1の振動器202および第2の振動器204は、上記で論じられた音響砕石トランスデューサ100内の中央ブロック106と同様に、中央部分などで分離され得るように構成することができる。第1の振動器202は第1の分離部分210を含むことができ、第2の振動器204は第2の分離部分212を含むことができる(まとめて「分離部分」)。分離部分は、第1の分離部分210および第2の分離部分212が結合を形成するために互いに嵌合するような形状とすることができる。例えば、分離部分の一方は、延伸または隆起部分を含むことができ、分離部分の他方は、延伸部分が空洞に嵌合するような方法で分離部分を(方向矢印によって示されるように)力によって互いにまとめることができるように、空洞を含むことができる。
【0028】
一例では、分離部分をまとめる力は、機械力とすることができる。機械力は、機械的接続を介して実施することができる。機械的接続は、分離部分を一緒に嵌合することができ、第1の振動器202および/または第2の振動器204へのエネルギー伝達を維持することができる、ねじ留め、ねじり、または他の方法でまとめることができる2つ以上のねじ部材、空気圧接続(1つ以上の空気圧アクチュエータなど)、オーバーセンターラッチもしくはレバー、またはこれらの組み合わせを含むことができる。音波導波路214(例えば、超音波導波路またはプローブ)は、音響トランスデューサ200に接続することができる。1つ以上の電気信号は、振動モード(例えば、縦モードまたは横モード)で超音波周波数などの周波数で振動するように、第1の振動器202および/または第2の振動器204を駆動することができる。第1の振動器202および/または第2の振動器204からの超音波信号は、標的224にエネルギーを伝達するために、音波導波路214に伝達することができる。
図2に示される音響トランスデューサ200の例では、第1の振動器202は常にアクティブまたは「オン」状態にあり得、別の言い方をすれば、第1の振動器202は常に「オン」であり得る。第2の振動器204は、分離展が機械的接続を介してまとめられたときに第2の振動器204が第1の振動器202に接続されると、起動することができる。したがって、いくつかの例では、第2の振動器204は、機械的接続を介して第1の振動器202に接続されたときにのみ起動または「オン」することができる。これにより、第1の振動器202に送信された作動制御信号および第2の振動器204に送信された作動制御信号を重ね合わせることができる、二重作用砕石術を可能にすることができる。
図1について上述されたように、第2の振動器204は、第1の振動器202とは異なる(例えば、より高い)周波数で振動するように構成することができる。したがって、第1の振動器202に送信された作動制御信号は、第2の振動器204に送信された作動制御信号よりも低い周波数とすることができる。
【0029】
一例では、音響砕石トランスデューサ100または音響トランスデューサ200のいずれかは、振動器を接続する、チューブ206などのチューブを含むことができる。チューブ206(例えば、浮遊管腔チューブ)は、第1の振動器202および第2の振動器204が互いに分離されているときであっても、第1の振動器202と第2の振動器204とを接続することができる。このような例では、チューブ206は、流体(例えば、水、生理食塩水など)が処置中にチューブ206を通って(矢印で示されるように)流れることができるように、第1の振動器202と第2の振動器204との間のシールを維持することができる。さらに、チューブ206は、チューブ206を通って患者の身体から標的の断片化されたピースを吸い出すように音響トランスデューサ200が真空ポンプまたは真空源に接続されているときなどに、腎臓結石などの標的の断片化されたピースを通過させることができる。チューブ206は、第1の振動器202に対して固定することができ、第2の振動器204に対して移動可能(例えば、摺動可能)とすることができる。例えば、チューブ206は、第1の振動器202および第2の振動器204が機械的接続を介して互いに接続されたときに第2の振動器204内に後退することができ、この状態で、チューブ206は、第1の振動器202と第2の振動器204との間のシールを維持する。
【0030】
一例では、音響砕石トランスデューサ100または音響トランスデューサ200のいずれかは、制御ユニット216などの制御ユニットを含むシステムの一部として含むことができる。制御ユニット216は、以下の
図4に記載される機械などのコンピュータまたは他の同様の機械を含むかまたはその一部とすることができ、コントローラ回路218、分光計220、および/または粒子計数器222を含むことができる。制御ユニット216は、必要に応じて、
図4に記載および/または説明されるものなど、より多くのまたは少ない構成要素を含むことができる。コントローラ回路218は、標的に関連する指標を提供する、標的特性信号を受信するように構成された標的特性信号入力を含むことができる。指標は、物質組成などの標的の組成、標的のサイズ、または任意の他の同様の標的特性を含むことができる。コントローラ回路218は、少なくとも部分的に受信した標的特性信号に基づいて、作動制御信号を放出するように構成することができる。
【0031】
コントローラ回路218は、標的の組成などの標的特性を決定するために標的特性信号に対してスペクトル分析を実行することができるように、制御ユニット216の一部として含むことができるかまたは制御ユニット216に結合もしくは接続することができる分光計220に結合することができる。コントローラ回路218は、第1の振動器202または第2の振動器204に作動制御またはドライバ制御信号を選択的に供給するように構成された音響作動制御出力をさらに含むことができる。一例では、作動制御信号は、振動器を駆動し、振動器に音響または超音波信号を放出させることができる任意の電気信号とすることができ、これを集束させて衝撃部材に送信することができる。第1の振動器202に送信された作動制御信号は、第1の振動器202および第2の振動器204が振動するように構成されている周波数などの1つ以上の要因に基づくことができるなど、第2の振動器204に送信された作動制御信号とは異なり得る。作動制御信号はまた、振動器に送信された波のタイプ(例えば、縦または横)を制御することもできる。制御ユニット216はまた、粒子計数器222を含むかまたはこれに結合することができる。粒子計数器222は、標的が断片化される際に標的によって生成された粒子の数を計測するように構成することができる。粒子計数器222は、制御ユニット216内に配置することができ、またはハンドルもしくはハンドピースなどの音響トランスデューサ200の何らかの他の部分に物理的に配置することができる部分を含むことができ、そこで、チューブ206を通って患者の身体から除去されている粒子の数を計測することができる。
【0032】
制御ユニット216および/またはコントローラ回路218は、コントローラ回路218が粒子計数器によって計測された粒子の数、標的特性、および/または標的組成に基づいて作動制御信号を調整することを可能にする人工知能(AI)または機械学習(ML)システムに結合することができる。加えて、または代わりに、作動制御信号は、標的組成、標的特性、または粒子計数器によって計測された粒子の数の決定された変化によって調整することができる。例えば、システムは、腎臓結石がシュウ酸カルシウムで形成されていると判定することができ、低周波の波を第1の振動器202から放射させるように作動制御信号を調整することができる。そしてシステムは、石の組成が尿酸に変化したと判定することができ、高周波の波を第2の振動器204から放射させるように作動制御信号を調整することができる。同様に、システムは、標的が同じ速度で断片化または分解していないと判定することができ(例えば、粒子計数器222によって計測されている粒子の数が遅くなるため)、相応に作動制御信号を調整することができる。
【0033】
図3は、患者内に位置する標的の音響砕石術のための方法300のフローチャートの一例である。方法300は、方法300を実行するために利用することができる一連の動作またはステップを含むことができる。302において、標的の組成または特性を決定することができる。組成は、スペクトル分析によって、または医師による目視検査によって決定された物質組成とすることができる。例えば、これは、腎臓結石などの標的が尿酸またはシュウ酸カルシウムでできているか否かを判定することを含むことができる。標的の組成は、硬度レベル、厚さなどのような標的の他の特性を決定するのを助けることができる。304において、標的の決定された組成または特性に基づいてドライバ制御信号を生成することができ、306において、音響砕石トランスデューサに含まれる第1の振動器または第2の振動器のうちの少なくとも1つにドライバ制御信号を送ることができる。308において、第1および/または第2の振動器に結合された衝撃部材は、第1および/または第2の振動器からの振動を使用して、標的にエネルギーを送達することができる。310において、標的特性を決定するために、分光計を使用して、標的からの標的信号(例えば、標的から反射された光)を分析することができる。例えば、分光計は、標的の組成を決定することができ、次いで、標的の硬度レベルを決定することができる。312において、標的特性の変化を決定することができる。314において、標的特性の変化に反応して、ドライバ制御信号を調整することができる。標的の組成の変化などの標的特性の変化は、分光計による分析によって、または粒子計数器によって決定される標的から断片化されている粒子の数の変化によって決定することができる。例えば、標的の硬度が増加した場合には、ドライバ制御信号を増加させることができる。あるいは、標的の硬度が減少した場合、ドライバ制御信号を低下または低減することができる。同様に、衝撃部材から押し出されるなど、アブレーション中に標的の位置が変化した場合、放射されている波のタイプを(例えば、縦波から横波に)調整することができる。
【0034】
一例では、標的に対するスペクトル分析は、連続的に、繰り返して、所定の間隔で、周期的になど、実行することができる。したがって、スペクトル分析は、標的に関して変化が生じたか否かを判定するために石または標的を監視するために、結石アブレーションなどの医療処置全体にわたって更新することができる。変化に反応して、ドライバ制御信号を相応に調整することができる。調整は、フットスイッチもしくはフットペダルを押下すること、または何らかの作動部材を係合すること、例えばタッチスクリーングラフィカルユーザインターフェース(GUI)または任意の同様の起動モードを通じてトランスデューサまたはトランスデューサに接続されたハンドピースのボタンを押すことまたはスイッチを反転させることなどによって、トランスデューサのユーザによって行うことができる。加えて、または代わりに、調整は、
図2について上述されたコントローラ回路218など、ユーザの介入を必要とせず、コントローラによって行うことができる。このような例では、コントローラ回路は、ドライバ制御信号に対する調整を自動的に行わせることができ、または変更が行われることをユーザに提案し、ユーザに変更を受け入れまたは拒否させることができる。
【0035】
図4は、1つ以上の実施形態が実装され得る機械の一例を示すブロック図である。いくつかの例では、機械400は、スタンドアロンデバイスとして動作することができ、または他の機械に接続(例えば、ネットワーク接続)することができる。例えば、機械400は、制御ユニット216、コントローラ回路218、粒子計数器222、および/または分光計220のいずれかまたは全てをもたらすために、これらの構成要素を含むか、結合されるか、または接続されることが可能である(あるいは制御ユニット216に含まれるかまたは結合された任意の他の構成要素が、それらの上述の動作のうちの1つ以上を実行する)。ネットワーク展開では、機械400は、サーバ-クライアントネットワーク環境におけるサーバマシン、クライアントマシン、または両方として動作することができる。一例では、機械400は、ピアツーピア(P2P)(または他の離散)ネットワーク環境におけるピアマシンとして機能することができる。機械400は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC,セットトップボックス(STB)、携帯情報端末(PDA)、携帯電話、ウェブアプライアンス、ネットワークルータ、スイッチもしくはブリッジ、またはその機械が実行すべき動作を指定する命令を(順次または他の方法で)実行することができる任意の機械とすることができる。さらに、1つの機械のみが示されているが、「機械」という用語はまた、クラウドコンピューティング、サービスとしてのソフトウェア(software as a service;SaaS)、他のコンピュータクラスタ構成など、本明細書で論じられる方法論のうちのいずれか1つ以上を実行するための命令セット(または複数の命令セット)を個別にまたは共同で実行する機械の任意の集合を含むと解釈されるべきである。
【0036】
本明細書に記載される例は、論理またはいくつかの構成要素、または機構を含むことができるか、またはこれらによって動作することができる。回路セットは、ハードウェア(例えば、単純な回路、ゲート、論理など)を含む有形のエンティティに実装された回路の集合である。回路セットメンバシップは、経時的に柔軟であり得、ハードウェアのばらつきの基礎となり得る。回路セットは、単独でまたは組み合わせて、動作しているときに指定された動作を実行することができる部材を含む。一例では、回路セットのハードウェアは、特定の動作を実行するように不変に設計することができる(例えば、ハードワイヤード)。一例では、回路セットのハードウェアは、特定の動作の命令を符号化するように物理的に修正された(例えば、不変質量粒子の磁気的、電気的に移動可能な配置)コンピュータ可読媒体を含む、可変に接続された物理的構成要素(例えば、実行ユニット、トランジスタ、単純な回路など)を含むことができる。物理的構成要素を接続する際に、ハードウェア構成要素の基礎となる電気的特性が、例えば絶縁体から導体に、またはその逆に変更される。命令は、組み込みハードウェア(例えば、実行ユニットまたはローディング機構)が、動作中に特定の動作の一部を実行するために、可変接続を介してハードウェア内に回路セットの部材を作製することを可能にする。したがって、コンピュータ可読媒体は、デバイスが動作しているときに回路セット部材の他の構成要素に通信可能に接続される。一例では、物理的構成要素のいずれも、2つ以上の回路セットの2つ以上の部材で使用することができる。例えば、動作中、実行ユニットは、ある時点で第1の回路セットの第1の回路で使用することができ、異なる時点で第1の回路セットの第2の回路によって、または第2の回路セットの第3の回路によって再使用することができる。
【0037】
機械(例えば、コンピュータシステム)400は、ハードウェアプロセッサ402(例えば、中央処理装置(CPU)、グラフィック処理装置(GPU)、ハードウェアプロセッサコア、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはこれらの任意の組み合わせ)、メインメモリ404、およびスタティックメモリ406を含むことができ、これらの一部または全部は、相互接続(例えば、バス)430を介して互いに通信することができる。機械400は、ディスプレイユニット410、英数字入力デバイス412(例えば、キーボード)、およびユーザインターフェース(UI)ナビゲーションデバイス414(例えば、マウス)をさらに含むことができる。一例では、ディスプレイユニット410、入力デバイス412、およびUIナビゲーションデバイス414は、タッチスクリーンディスプレイとすることができる。機械400は、記憶デバイス(例えば、ドライブユニット)408、信号発生デバイス418(例えば、スピーカ)、ネットワークインターフェースデバイス420、および全地球測位システム(GPS)センサ、コンパス、加速度計、または他のセンサなどの1つ以上のセンサ416を追加で含むことができる。機械400は、1つ以上の周辺デバイス(例えば、プリンタ、カードリーダなど)と通信またはこれらを制御するために、シリアル(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB))、パラレル、または有線もしくは無線(例えば、赤外線(IR)、近距離通信(NFC)など)接続などの出力コントローラ428を含むことができる。
【0038】
記憶デバイス408は、本明細書に記載される技術または機能のいずれか1つ以上を具現化するかまたはこれらによって使用されるデータ構造または命令424の1つ以上のセット(例えば、ソフトウェア)が記憶された、機械可読媒体422を含むことができる。命令424はまた、機械400による実行中に、完全にまたは少なくとも部分的に、メインメモリ404内、スタティックメモリ406内、またはハードウェアプロセッサ402内に常駐することもできる。一例では、ハードウェアプロセッサ402、メインメモリ404、スタティックメモリ406、または記憶デバイス408の1つまたはいずれかの組み合わせは、機械可読媒体を構成することができる。
【0039】
機械可読媒体422は単一の媒体として示されているが、「機械可読媒体」という用語は、1つ以上の命令424を記憶するように構成された、単一の媒体または複数の媒体(例えば、集中型もしくは分散型データベース、および/または関連するキャッシュならびにサーバ)を含むことができる。
【0040】
「機械可読媒体」という用語は、機械400による実行のために命令を記憶、符号化、または搬送することができ、本開示の技術のいずれか1つ以上を機械400に実行させる、またはこのような命令によって使用されるかもしくは関連付けられたデータ構造を記憶、符号化、または搬送することができる、任意の媒体を含むことができる。非限定的な機械可読媒体の例は、ソリッドステートメモリ、ならびに光学および磁気媒体を含むことができる。一例では、質量機械可読媒体は、不変の(例えば、静止)質量を有する複数の粒子を有する機械可読媒体を含む。したがって、質量機械可読媒体は、一時的な伝搬信号ではない。質量機械可読媒体の具体的な例は、半導体メモリデバイス(例えば、電気的プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM))およびフラッシュメモリデバイスなどの不揮発性メモリ、内蔵ハードディスクおよびリムーバブルディスクなどの磁気ディスク、ならびにCD-ROMおよびDVDROMディスクを含むことができる。
【0041】
命令424は、いくつかの転送プロトコル(例えば、フレームリレー、インターネットプロトコル(IP)、伝送制御プロトコル(TCP)、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)など)のいずれか1つを利用するネットワークインターフェースデバイス420を介して、伝送媒体を使用する通信ネットワーク426を通じて、さらに送信または受信することができる。例示的な通信ネットワークは、とりわけ、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、パケットデータネットワーク(例えば、インターネット)、携帯電話ネットワーク(例えば、セルラーネットワーク)、基本電話(POTS)ネットワーク、および無線データネットワーク(例えば、Wi-Fi(登録商標)として知られる米国電気電子学会(IEEE)802.11規格ファミリー、IEEE802.16規格ファミリー)、IEEE802.15.4規格ファミリー、ピアツーピア(P2P)ネットワークを含むことができる。一例では、ネットワークインターフェースデバイス420は、通信ネットワーク426に接続するために、1つ以上の物理ジャック(例えば、イーサネット、同軸、または電話ジャック)、または1つ以上のアンテナを含むことができる。一例では、ネットワークインターフェースデバイス420は、単入力多出力(SIMO)、多入力多出力(MIMO)、または多入力単出力(MISO)技術のうちの少なくとも1つを使用して無線通信するために、複数のアンテナを含むことができる。「伝送媒体」という用語は、機械400によって実行するための命令を記憶、符号化、または搬送することができる任意の無形媒体を含み、このようなソフトウェアの通信を容易にするためのデジタルもしくはアナログ通信信号または他の無形媒体を含むと解釈されるべきである。
【0042】
図5は、標的からの信号の分光分析に基づいて、標的に関するサイズ、組成、硬度、密度、または同様の特性もしくは情報など、標的に関する情報または特性を決定するように構成された例示的なコンピュータベースの臨床意思決定支援システム(CDSS)500の概略図を示す。CDSS500は、患者の処置に固有の、トランスデューサのタイプ、トランスデューサに接続された構成要素、患者の体内の標的の位置などのようなパラメータが人工知能(AI)モデル504への入力特徴として提供される入力インターフェース502と、トランスデューサ(例えば、第1の振動器、第2の振動器、または両方の振動器を同時に使用すべきか否か)が標的を減少またはアブレーションするための標的特性および最適な設定、アブレーション制御信号の周波数または振幅、放射される波のタイプ(例えば、縦または横)などの決定を生成するためにパラメータがAIモデルに提供される推論演算を実行するプロセッサと、決定された標的特性および設定をユーザ、例えば臨床医に伝達することができる出力インターフェース508とを含むことができる。
【0043】
入力インターフェース502は、CDSS500と、入力特徴のうちの少なくともいくつかを生成する1つ以上の医療デバイスとの間の直接データリンクを含むことができる。例えば、入力インターフェース502は、分光計220からの情報、粒子計数器222からの情報、および/または治療および/または診断医療処置中に標的からCDSS500に直接返された信号に関する情報を送信することができる。一例では、処置中に使用されるトランスデューサ、振動源などに関する情報をデータベース506に記憶することができる。加えて、または代わりに、入力インターフェース502は、ユーザとCDSS500との間の対話を容易にする古典的なユーザインターフェースとすることができる。例えば、入力インターフェース502は、トランスデューサ、振動源、スコープ、光学部品、遮断または許可すべき信号などに関する情報をユーザが手動で入力することができるユーザインターフェースを容易にすることができる。加えて、または代わりに、入力インターフェース502は、1つ以上の入力特徴を抽出することができる、電子患者記録または処置中に使用されている構成要素へのアクセスをCDSS500に提供することができる。これらの場合のいずれにおいても、入力インターフェース502は、入力特徴にアクセスするためにCDSS500が使用される時点で、またはその前に、特定の患者、医療処置のタイプ、スコープのタイプ、トランスデューサのタイプ、トランスデューサもしくはその構成要素の特徴などのうちの1つ以上に関連して、以下の入力特徴のうちの1つ以上を収集するように構成することができる。
【0044】
入力特徴の一例は、医療処置中に使用されるトランスデューサのタイプを含むことができる。
【0045】
入力特徴の一例は、患者の体内の標的の位置を含むことができる。
【0046】
入力特徴の一例は、トランスデューサに接続された構成要素のタイプを含むことができる。
【0047】
入力特徴の一例は、標的から分光計510で受信した帰還信号512の信号情報を含むことができる。
【0048】
入力特徴の一例は、分光計510から受信した標的のスペクトル分析を含むことができる。
【0049】
上記の入力特徴のうちの1つ以上に基づいて、プロセッサは、標的のサイズ、標的の組成、硬度、密度、または任意の同様の特性などの標的の決定された特性を生成するために、AIモデル504を使用して推論演算を実行する。例えば、入力インターフェース502は、AIモデル504を通じて出力層にこれらの入力特徴を伝搬するAIモデル504の入力層に、上記で挙げられた入力特徴のうちの1つ以上を送達することができる。AIモデル504は、コンピュータシステムに、データの分析で見出されたパターンに基づいて推論を行うことによって、明示的にプログラムされることなく、タスクを実行する能力を提供することができる。AIモデル504は、既存のデータから学習して新しいデータに関する予測を行うことができるアルゴリズム(例えば、機械学習アルゴリズム)の研究および構築を探索する。このようなアルゴリズムは、出力または評価として表されるデータ駆動予測または決定を行うために、例示的な訓練データからAIモデルを構築することによって動作する。
【0050】
機械学習(ML)のための2つのモードの例は、教師ありMLおよび教師なしMLを含むことができる。教師ありMLは、入力と出力との間の関係を学習するために、事前知識(例えば、入力を出力または結果に相関させる例)を使用する。教師ありMLの目的は、対応する出力を生成するための入力が与えられるとMLモデルが同じ関係を実装することができるように、何らかの訓練データが与えられると訓練の入力と出力との間の関係に最もよく近似する機能を学習することである。教師なしMLは、分類もラベル付けもされていない情報を使用し、アルゴリズムが案内なしにその情報に対して作用することを可能にするMLアルゴリズムの訓練である。教師なしMLは、データ内の構造を自動的に識別することができるので、探査分析において有用である。
【0051】
教師ありMLのタスクは、分類問題および回帰問題を含むことができる。分類問題は、カテゴリ分類問題とも呼ばれ、いくつかのカテゴリ値(例えば、この物体はリンゴかオレンジか?)のうちの1つにアイテムを分類することを目的とする。回帰アルゴリズムは、(例えば、何らかの入力の値にスコアを提供することによって)いくつかのアイテムを定量化することを目的とする。教師ありMLアルゴリズムのいくつかの例は、ロジスティック回帰(LR)、ナイーブベイズ、ランダムフォレスト(RF)、ニューラルネットワーク(NN)、ディープニューラルネットワーク(DNN)、行列因数分解、およびサポートベクターマシン(SVM)である。
【0052】
教師なしMLのいくつかの可能性のあるタスクは、クラスタリング、表現学習、および密度推定を含む。教師なしMLアルゴリズムのいくつかの例は、K平均クラスタリング、主成分分析、およびオートエンコーダである。
【0053】
別のタイプのMLは、データを交換することなく、ローカルデータを保持する複数の分散型デバイスにわたってアルゴリズムを訓練する連合学習(協調学習としても知られる)である。このアプローチは、全てのローカルデータセットが1つのサーバにアップロードされる従来の集中型機械学習技術、ならびにローカルデータサンプルが同一に分散されると仮定することが多いより古典的な分散型アプローチとは対照的である。連合学習は、データを共有することなく複数の行為者が共通の堅牢な機械学習モデルを構築することを可能にし、こうしてデータプライバシー、データセキュリティ、データアクセス権、および異種データへのアクセスなどの重大な問題に対処することを可能にする。
【0054】
いくつかの例では、AIモデル504は、プロセッサによる推論演算の実行の前に連続的または定期的に訓練することができる。次いで、推論演算中に、AIモデル504に提供された患者固有の入力特徴は、入力層から1つ以上の隠れ層を通り、最終的に、標的に関する情報に対応する出力層まで伝搬することができる。例えば、標的からの信号の分光分析を評価するとき、システムは、標的の1つ以上の特性を決定することができる。推論演算の間、および/またはその後、標的に関する情報は、出力インターフェース508(例えば、ユーザインターフェース(UI))を介してユーザに伝達することができ、および/またはプロセッサに接続されたトランスデューサに所望の動作を自動的に実行させることができる。例えば、標的の組成に基づいて、システムは、トランスデューサに、振動器の一方または両方を起動させ、振動信号の周波数および/または振幅を選択または調整させ、放射される波のタイプを選択または調整させるなどすることができる。動作は、AIモデルによる分析に基づいて自動的に実行することができ、またはユーザが必要に応じて受け入れ、拒否、または調整することができる推奨設定としてユーザに提示することができる。
【0055】
付記および実施例
実施例1は、患者内に位置する標的に音響エネルギーを送達するための音響砕石術のためのシステムであって、システムは、音響トランスデューサであって、第1の振動器および第2の振動器を含む音響トランスデューサと、音響トランスデューサに結合されたコントローラ回路であって、コントローラ回路は、第1の振動器または第2の振動器のうちの少なくとも1つに、第1の振動器または第2の振動器のうちの選択された少なくとも1つによる標的のアブレーションを制御するための作動制御信号を選択的に提供するように構成された音響作動制御出力を含む、コントローラ回路と、を備えるシステムである。
【0056】
実施例2では、実施例1の主題は、音響トランスデューサに結合された衝撃部材であって、衝撃部材は、第1の振動器および第2の振動器の各々よりも低い周波数で動作可能である、衝撃部材を任意選択的に含み、コントローラ回路は、標的組成または他の標的特性のうちの少なくとも1つの指標を提供する標的特性信号を受信するように構成された標的特性信号入力であって、作動制御信号は、受信した標的特性信号に少なくとも部分的に基づき、第1の振動器または第2の振動器のうちの選択された少なくとも1つは、衝撃部材ありまたはなしの一方で動作するように選択される、標的特性信号入力を含む。
【0057】
実施例3では、実施例1~2のいずれか1つ以上の主題は、作動制御信号が、第1の振動器に第1の超音波信号を放出させ、第2の振動器に第2の超音波信号を放出させる電子信号であり、第2の振動器が、第1の振動器よりも大きい周波数で振動するように構成されていることを任意選択的に含む。
【0058】
実施例4では、実施例1~3のいずれか1つ以上の主題は、患者の身体に少なくとも部分的に挿入可能な長尺部材の遠位部分と、音波導波路または音響プローブのうちの少なくとも1つとを任意選択的に含む。
【0059】
実施例5では、実施例1~4のいずれか1つ以上の主題は、第1の振動器および第2の振動器が圧電材料を含み、第1の振動器または第2の振動器の一方が縦波を放射するように構成され、第1の振動器または第2の振動器の他方が横波を放射するように構成されていることを任意選択的に含む。
【0060】
実施例6では、実施例2~5のいずれか1つ以上の主題は、衝撃部材がソレノイドハンマーを含むことを任意選択的に含む。
【0061】
実施例7では、実施例2~6のいずれか1つ以上の主題は、衝撃部材がばねまたは自由質量のうちの少なくとも1つを含むことを任意選択的に含む。
【0062】
実施例8では、実施例1~7のいずれか1つ以上の主題は、コントローラ回路に結合された分光計であって、標的の組成または特性を分析するように構成された分光計を任意選択的に含む。
【0063】
実施例9では、実施例8の主題は、コントローラ回路が、分光計からの情報に基づいて、標的の組成の変化に反応して制御信号を調整するように構成されていることを任意選択的に含む。
【0064】
実施例10では、実施例1~9のいずれか1つ以上の主題は、標的が減少またはアブレーションされる際に粒子の数を計測するように構成されたコントローラ回路に結合された粒子計数器を任意選択的に含む。
【0065】
実施例11では、実施例10の主題は、コントローラ回路が、粒子計数器によって計測された粒子の数に基づいて制御信号を調整するように構成されていることを任意選択的に含む。
【0066】
実施例12では、実施例1~11のいずれか1つ以上の主題は、第1の振動器および第2の振動器が、少なくとも部分的に分離可能であり、チューブおよび機械的接続によって互いに接続可能であることを任意選択的に含む。
【0067】
実施例13では、実施例12の主題は、機械的接続が、ねじ接続、空気圧接続、またはオーバーセンターラッチのうちの少なくとも1つを含むことを任意選択的に含む。
【0068】
実施例14では、実施例12~13のいずれか1つ以上の主題は、コントローラ回路が、第1の振動器が常に起動状態にある動作モードを含み、機械的接続を介して第1の振動器に接続されたときに第2の振動器が起動されることを、任意選択的に含む。
【0069】
実施例15では、実施例12~14のいずれか1つ以上の主題は、チューブが第1の振動器に対して固定され、第2の振動器に対して移動可能であり、第1の振動器および第2の振動器が機械的接続を介して互いに接続されたときにチューブが第2の振動器内に後退し、その状態で、チューブが第1の振動器と第2の振動器との間のシールを維持することを任意選択的に含む。
【0070】
実施例16は、患者内に位置する標的の音響砕石術のための方法であって、方法は、標的の標的組成または他の標的特性を決定するステップと、標的の決定された標的特性に基づいてドライバ制御信号を生成するステップと、第1の振動器または第2の振動器のうちの少なくとも1つにドライバ制御信号を送るステップと、第1の振動器または第2の振動器のうちの少なくとも1つに結合された衝撃部材に、第1の振動器または第2の振動器のうちの少なくとも1つからの振動を使用してエネルギーを標的に送達させるステップと、を含む方法である。
【0071】
実施例17では、実施例16の主題は、標的組成または他の標的特性を決定するために分光計を使用して標的からの標的信号を分析するステップと、標的の標的組成の変化に反応してドライバ制御信号を調整するステップと、を任意選択的に含む。
【0072】
実施例18では、実施例16~17のいずれか1つ以上の主題は、粒子計数器を使用して標的によって生成された粒子の数を計測するステップと、粒子計数器によって計測された粒子の数に基づいてドライバ制御信号を調整するステップと、を任意選択的に含む。
【0073】
実施例19は、第1の振動器と、第1の振動器から少なくとも部分的に分離可能な第2の振動器と、第1の振動器または第2の振動器のうちの少なくとも1つに結合された衝撃部材と、衝撃部材または第1の振動器または第2の振動器のうちの少なくとも1つに結合された音波導波路と、第1の振動器を第2の振動器に部分的に接続し、その間のシールを維持するチューブと、第1の振動器を第2の振動器に係合させるように構成された接続部材と、を備える音響トランスデューサである。
【0074】
実施例20では、実施例19の主題は、第1の振動器が常に起動されている動作状態を含むように構成され、接続部材を介して第1の振動器に接続されると第2の振動器が選択的に起動されることを任意選択的に含む。
【0075】
実施例21では、実施例19~20のいずれか1つ以上の主題は、チューブが第1の振動器に対して固定され、第2の振動器に対して摺動可能であり、第1の振動器および第2の振動器が接続部材を介して互いに接続されたときにチューブが第2の振動器内に後退し、チューブが第1の振動器と第2の振動器との間のシールを維持することを任意選択的に含む。
【0076】
上記の詳細な説明は、詳細な説明の一部を形成する添付の図面への参照を含む。図面は、実例として、実践することができる特定の実施形態を示す。これらの実施形態は、本明細書では「例」とも呼ばれる。このような例は、図示または記載されたものに加えて要素を含むことができる。しかしながら、本発明者らは、図示または記載されたこれらの要素のみが提供される例も企図する。また、本発明者らは、特定の例(またはその1つ以上の態様)に関して、もしくは本明細書に図示または記載された他の例(またはその1つ以上の態様)に関して、図示または記載されたこれらの要素(またはその1つ以上の態様)の任意の組み合わせまたは配列を使用する例も企図する。
【0077】
本明細書で言及される全ての刊行物、特許、および特許文献は、個別に組み込まれるかのように、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本明細書と参照によりそのように組み込まれたこれらの文献との間に矛盾した使用がある場合、組み込まれた参考文献における使用は、本明細書の使用を補足すると見なされるべきであり、矛盾した不一致については、本明細書の使用が優先される。
【0078】
本明細書では、「a」または「an」という用語は、特許文献で一般的であるように、「少なくとも1つの(at least one)」または「1つ以上の(one or more)」の任意の他の事例または用法とは無関係に、1つまたは2つ以上を含むように使用される。本明細書では、「または」という用語は、別途指示されない限り、「AまたはB」が「BではなくA」、「AではなくB」、および「AおよびB」を含むように、非排他的な「または」を指すために使用される。添付の特許請求の範囲では、「含む(including)」および「ここで(in which)」という用語は、「備える(comprising)」および「ここで(wherein)」というそれぞれの用語の平易な英語の同義語として使用される。また、以下の特許請求の範囲において、「含む(including)」および「備える(comprising)」という用語はオープンエンドであり、すなわち、特許請求の範囲においてこのような用語の後に列挙されるものに加えて要素を含むシステム、デバイス、物品、またはプロセスは、依然として特許請求の範囲内にあると見なされる。また、以下の特許請求の範囲において、「第1の」、「第2の」、および「第3の」などの用語は、単にラベルとして使用され、それらの対象に数値的な要件を課すことを意図するものではない。
【0079】
上記の説明は、限定的ではなく、例示的であることを意図している。例えば、上記の例(またはその1つ以上の態様)は、互いに組み合わせて使用することができる。上記の説明を検討すると、当業者などによって、他の実施形態を使用することができる。要約書は、読者が技術的開示の性質を迅速に確認できるようにするためのものであり、請求項の範囲または意味を解釈または限定するために使用されるものではないという理解で提示される。また、上記の詳細な説明では、本開示を合理化するために、様々な特徴をまとめることができる。これは、特許請求されていない開示された特徴が任意の請求項に必須であると意図するものとして解釈されるべきではない。むしろ、本発明の主題は、特定の開示された実施形態の全てに存在する必要はない。したがって、以下の特許請求の範囲は、各請求項を別個の実施形態として独立させて、詳細な説明に組み込まれる。実施形態の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照して、このような特許請求の範囲が権利を与えられる同等物の全範囲と共に決定されるべきである。
【外国語明細書】