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特開2024-125280再生式熱交換器を有する供給原料ガス反応器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125280
(43)【公開日】2024-09-18
(54)【発明の名称】再生式熱交換器を有する供給原料ガス反応器
(51)【国際特許分類】
   B01J 19/00 20060101AFI20240910BHJP
   C01B 3/24 20060101ALI20240910BHJP
   F28D 7/16 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
B01J19/00 301D
C01B3/24
F28D7/16 A
B01J19/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024031904
(22)【出願日】2024-03-04
(31)【優先権主張番号】63/449,383
(32)【優先日】2023-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】521251545
【氏名又は名称】エコナ パワー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】ブレンダン ゴードン ケード
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー スコット コールマン
(57)【要約】
【課題】再生式熱交換器を有する供給原料ガス反応器を提供する。
【解決手段】供給原料ガス反応器は、反応チャンバ及び第1再生式熱交換器を備える。供給原料ガスは、第1再生式熱交換器を介して、反応チャンバに流入される。供給原料ガスは、反応チャンバ内において分解され、反応生成物を生産する。反応生成物は、反応チャンバから流出される。供給原料ガス反応器もまた、第2再生式熱交換器を含んでもよく、反応生成物は、第2再生式熱交換器を介して、反応チャンバから流出されてもよい。反応生成物からの熱は、反応生成物が、第2再生式熱交換器を通って流れるときに、第2再生式熱交換器内に保存されてもよく、後に、第2再生式熱交換器を介して反応チャンバに流入する供給原料ガスに伝達する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給原料ガス反応器を作動する方法であって、前記供給原料ガス反応器は、
反応チャンバと、
第1再生式熱交換器と、を備え、
前記方法は、
前記第1再生式熱交換器を介して、前記反応チャンバに供給原料ガスを流入するステップと、
前記反応チャンバ内の前記供給原料ガスを分解し、1又はそれ以上の反応生成物を生成するステップと、
前記1又はそれ以上の反応生成物を前記反応チャンバから流出させるステップと、を含む供給原料ガス反応器を作動する方法。
【請求項2】
前記供給原料ガス反応器は、更に第2再生式熱交換器を備え、前記1又はそれ以上の反応生成物を前記反応チャンバから流出させるステップは、前記第2再生式熱交換器を介して、前記1又はそれ以上の反応生成物を前記反応チャンバから流出させるステップを含み、前記1又はそれ以上の反応生成物からの熱は、前記1又はそれ以上の反応生成物が前記第2再生式熱交換器を通って流れるときに、前記第2再生式熱交換器内に保存される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1又はそれ以上の反応生成物を前記反応チャンバから流出させるステップの後に、
更なる供給原料を前記第2再生式熱交換器を介して前記反応チャンバに流入するステップであって、前記第2再生式熱交換器内に保存された熱が、前記更なる供給原料が前記第2再生式熱交換器を通って流れるときに、前記更なる供給原料に伝達されるステップと、
前記反応チャンバ内の前記更なる供給原料を分解し、1又はそれ以上の更なる反応生成物を生産するステップと、
前記1又はそれ以上の更なる反応生成物を前記第1再生式熱交換器を介して前記反応チャンバから流出させるステップであって、前記1又はそれ以上の更なる反応生成物からの熱は、前記1又はそれ以上の更なる反応生成物が前記第1再生式熱交換器を通って流れるときに、前記第1再生式熱交換器内に保存されるステップと、を更に備える請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記供給原料ガス反応器は、前記第2再生式熱交換器に隣接する入口を更に備え、
前記反応チャンバに前記供給原料ガスを流入するステップは、前記供給原料ガスを、前記入口を介し、その後、前記第2再生式熱交換器を介して、前記反応チャンバに流入するステップを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第2再生式熱交換器を能動的に加熱するステップを更に含み、請求項2~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記第2再生式熱交換器を能動的に加熱するステップは、前記更なる供給原料ガスを前記第2再生式熱交換器を介して、前記反応チャンバに流入するときのみに、前記第2再生式熱交換器を能動的に加熱するステップを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第2再生式熱交換器の軸方向熱伝導率が前記第2再生式熱交換器の半径方向熱伝導率よりも低い、請求項2~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記1又はそれ以上の反応生成物を前記反応チャンバから流出させるステップは、前記1又はそれ以上の反応生成物を前記第1再生式熱交換器を介して、前記反応チャンバから流出させるステップを含み、前記1又はそれ以上の反応生成物からの熱は、前記1又はそれ以上の反応生成物が前記第1再生式熱交換器を通って流れるときに、前記第1再生式熱交換器内に保存される、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1再生式熱交換器を能動的に加熱するステップを更に含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1再生式熱交換器を能動的に加熱するステップは、前記供給原料ガスを前記第1再生式熱交換器を介して、前記反応チャンバに流入するときのみ、前記第1再生式熱交換器を能動的に加熱するステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記供給原料ガスを分解することは、高温流体を前記反応チャンバに注入して、前記供給原料ガスと混合し、前記高温流体からの熱が前記供給原料ガスに伝達され、前記供給原料ガスを分解するステップを含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記高温流体を注入することは、
可燃性ガス混合物を燃焼し、1又はそれ以上の高温燃焼生成物を生成するステップと、
前記1又はそれ以上の高温燃焼生成物を前記反応チャンバに注入するステップと、含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記供給原料ガスは、1又はそれ以上の第1化合物を含み、
前記高温流体は、前記供給原料ガスの分解の間に1又はそれ以上の第2化合物が、前記1又はそれ以上の第1化合物と化学反応して前記1又はそれ以上の反応生成物を生成するように選択された前記1又はそれ以上の第2化合物を含む、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記供給原料ガス反応器は、前記第1再生式熱交換器に隣接する入口を更に備え、
前記反応チャンバに前記供給原料ガスを流入するステップは、前記供給原料ガスを前記第1再生式熱交換器に隣接する入口を介し、その後、前記第1再生式熱交換器を介して前記反応チャンバに流入するステップを含む、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記第1再生式熱交換器の軸方向熱伝導率は、前記第1再生式熱交換器の半径方向熱伝導率よりも低い、請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
システムであって、
反応チャンバと、第1再生式熱交換器と、を備える供給原料ガス反応器と、
流体が前記反応チャンバに出入りして流れることを許容するバルブ及び1又はそれ以上のコンプレッサと、
制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
供給原料ガスを前記第1再生式熱交換器を介して、前記反応チャンバに流し、
高温流体を前記反応チャンバに注入し、前記供給原料ガスを分解し且つ1又はそれ以上の反応生成物を生成し、
前記1又はそれ以上の反応生成物を前記反応チャンバから流出させる、
ように前記バルブ及び前記1又はそれ以上のコンプレッサを制御するように構成されている、システム。
【請求項17】
前記供給原料ガス反応器は、第2再生式熱交換器を更に備え、
前記制御装置は、前記1又はそれ以上の反応生成物を、前記第2再生式熱交換器を介して前記反応チャンバから流出させるように、前記バルブ及び前記1又はそれ以上のコンプレッサを制御するように更に構成され、前記1又はそれ以上の反応生成物からの熱は、前記1又はそれ以上の反応生成物が前記第2再生式熱交換器を通って流れるときに、前記第2再生式熱交換器内に保存される、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記制御装置は、前記1又はそれ以上の反応生成物を前記反応チャンバから流出させた後、
更なる供給原料が、前記第2再生式熱交換器を介して、前記反応チャンバに流入され、前記第2再生式熱交換器内に保存される熱が、前記更なる供給原料が前記第2再生式熱交換器を通って流れるときに、前記更なる供給原料に伝達され、
更なる高温流体が、前記更なる供給原料を分解し且つ1又はそれ以上の更なる反応生成物を生成するように前記反応チャンバに流入され、
前記1又はそれ以上の更なる反応生成物が、前記第1再生式熱交換器を介して、前記反応チャンバから流出され、前記1又はそれ以上の更なる反応生成物からの熱が、前記1又はそれ以上の更なる反応生成物が前記第1再生式熱交換器を通って流れるときに、第1再生式熱交換器内に保存される、
ように前記バルブ及び前記1又はそれ以上のコンプレッサを制御するように更に構成されている、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記第2再生式熱交換器の軸方向熱伝導率は、前記第2再生式熱交換器の半径方向熱伝導率よりも低い、請求項17又は18に記載のシステム。
【請求項20】
前記第1再生式熱交換器の軸方向熱伝導率は、前記第1再生式熱交換器の半径方向熱伝導率よりも低い、請求項16~19のいずれか1項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、熱分解に関し、特に再生式熱交換器を有する供給原料ガス反応器に関する。
【背景技術】
【0002】
熱分解は、炭化水素などの供給原料ガスを酸素なしでその構成要素(炭化水素の場合は炭素及び水素)に分解する方法である。分解は、供給原料ガスの元素の化学結合が破壊される点まで、供給原料ガスの温度を十分に上昇させることによって引き起こされる。
【0003】
そのような分解は、例えば、供給原料ガスを高温流体と熱接触させることによって達成されてもよい。例えば、可燃性燃料を燃焼させた結果として形成される燃焼生成物ガスが、供給原料ガスと混合されてもよい。十分に高い温度において、供給原料ガスとの高温流体の混合及び高温流体から供給原料ガスへの熱エネルギーの伝達は、供給原料ガスを破壊及び分解するのに十分である。
【0004】
分解がより効率的に行われるためには、供給原料が燃焼生成物との混合前に予熱されることが好ましい。供給原料を予熱することは、供給原料の分解を引き起こすために必要とされる燃焼生成物の最低温度を下げる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2020/118417
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、供給原料の予熱には、いくつかの課題がある。例えば、供給原料が通って流れるバルブは、予熱された供給原料の比較的高い温度に耐えることができない可能性がある。加えて、過度の予熱は、予熱器内において自然発生的に起こる予期しない反応をもたらす可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1態様によると、供給原料ガス反応器を動作させる方法が提供され、供給原料ガス反応器は、反応チャンバ及び第1再生式熱交換器を備え、方法は、第1再生式熱交換器を介して反応チャンバに供給原料ガスを流すステップと、反応チャンバ内で供給原料ガスを分解し1又はそれ以上の反応生成物を生成するステップと、1又はそれ以上の反応生成物を反応チャンバから流出させるステップと、を含む。
【0008】
供給原料ガス反応器は、第2再生式熱交換器を更に備えてもよい。1又はそれ以上の反応生成物を反応チャンバから流出させるステップは、1又はそれ以上の反応生成物を反応チャンバから第2再生式熱交換器を介して流出させるステップを含んでもよく、1又はそれ以上の反応生成物からの熱は、1又はそれ以上の反応生成物が第2再生式熱交換器を通って流れるときに、第2再生式熱交換器内に保存される。
【0009】
請求の範囲の方法は、1又はそれ以上の反応生成物を反応チャンバから流出させるステップの後に、第2再生式熱交換器を介して反応チャンバに更なる供給原料を流すステップであって、第2再生式熱交換器内に保存された熱が、更なる供給原料が第2再生式熱交換器を通って流れるときに、更なる供給原料に伝達されるステップと、反応チャンバ内で更なる供給原料を分解し1又はそれ以上の更なる反応生成物を生産するステップと、1又はそれ以上の更なる反応生成物を反応チャンバから第1再生式熱交換器を介して流出させるステップであって、1又はそれ以上の更なる反応生成物からの熱が、1又はそれ以上の更なる反応生成物が第1再生式熱交換器を通って流れるときに、第1再生式熱交換器内に保存されるステップと、を更に含む。
【0010】
供給原料ガス反応器は、第2再生式熱交換器に隣接する入口を更に備えても良い。反応チャンバに供給原料ガスを流入するステップは、供給原料ガスを反応チャンバに入口を介し、その後、第2再生式熱交換器を介して流すステップを含んでもよい。
【0011】
方法は、第2再生式熱交換器を能動的に加熱するステップを更に含んでもよい。
【0012】
第2再生式熱交換器を能動的に加熱するステップは、更なる反応チャンバに供給原料ガスを第2再生式熱交換器を介して流入するときのみ、能動的に第2再生式熱交換器を加熱するステップを含んでもよい。
【0013】
第2再生式熱交換器の軸方向熱伝導率は、第2再生式熱交換器の半径方向熱伝導率より低くてもよい。
【0014】
1又はそれ以上の反応生成物を反応チャンバから流出させるステップは、1又はそれ以上の反応生成物を反応チャンバから第1再生式熱交換器を介して流出させるステップであって、1又はそれ以上の反応生成物からの熱が、1又はそれ以上の反応生成物が第1再生式熱交換器を通って流れるときに、第1再生式熱交換器内で保存されるステップを含んでもよい。
【0015】
方法は、第1再生式熱交換器を能動的に加熱するステップを更に含んでもよい。
【0016】
第1再生式熱交換器を能動的に加熱するステップは、更なる供給原料ガスを反応チャンバに第1再生式熱交換器を介して流入するときのみ、能動的に第1再生式熱交換器を加熱するステップを含んでもよい。
【0017】
供給原料ガスを分解することは、高温流体を反応チャンバに注入して、供給原料ガスと混合すし、高温流体からの熱が供給原料ガスに伝達され供給原料ガスを分解するステップを含んでもよい。
【0018】
高温流体を注入すること、可燃性ガス混合物を燃焼し1又はそれ以上の高温燃焼生成物を生成するステップと、1又はそれ以上の高温燃焼生成物を反応チャンバに入れるステップと、を含んでもよい。
【0019】
供給原料ガスは、1又はそれ以上の第1化合物を含んでもよい。高温流体は、供給原料ガスの分解の間に、1又はそれ以上の第2化合物が1又はそれ以上の第1化合物と化学反応し1又はそれ以上の反応生成物を生成するように選択された1又はそれ以上の第2化合物を含んでもよい。
【0020】
供給原料ガス反応器は、第1再生式熱交換器と隣接する入口を更に備えてもよい。反応チャンバに供給原料ガスを流入するステップは、供給原料ガスを反応チャンバに、第1再生式熱交換器に隣接する入口を介し、その後、第1再生式熱交換器を介して流入するステップを含んでもよい。
【0021】
第1再生式熱交換器の軸方向の熱伝導率は、第1再生式熱交換器の半径方向の熱伝導率より低くてもよい。
【0022】
本開示の更なる態様によると、反応チャンバ、第1再生式熱交換器、バルブ、及び流体を反応チャンバの中及び外に流すことを許容する1又はそれ以上のコンプレッサを備える供給原料ガス反応器と、供給原料ガスを反応チャンバに、第1再生式熱交換器を介して流し、供給原料ガスを分解し、1又はそれ以上の反応生成物を生産するために、高温流体を反応チャンバに注入し、1又はそれ以上の反応生成物を反応チャンバから流出させるための、バルブ及び1又はそれ以上のコンプレッサを制御するように構成されるコントローラと、を備えるシステムが提供される。
【0023】
この概要は、必ずしも全態様の全ての範囲を説明していない。他の態様、特徴及び利点は、特定の実施形態の以下の説明を検討すれば当業者にとって明白になるであろう。
【0024】
本開示の実施形態は、添付の図面と共に詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、本開示の一実施形態に係る第1反応サイクルを受ける供給原料ガス反応器の概略図である。
図2図2は、本開示の一実施形態に係る第2反応サイクルを受ける図1の供給原料ガス反応器の概略図である。
図3図3は、本開示の一実施形態に係る再生式熱交換器を示す。
図4図4は、本開示の一実施形態に係る図1の供給原料ガス反応器の一部の拡大図である。
図5図5は、本開示の一実施形態に係る供給原料ガス反応器内の再生式熱交換器にわたる温度勾配の概略図である。
図6A図6Aは、本開示の一実施形態に係る能動加熱を受ける再生式熱交換器を有する供給原料ガス反応器の概略図である。
図6B図6Bは、本開示の一実施形態に係る図6Aの供給原料ガス反応器の端から見た図である。
図7図7は、本開示の一実施形態に係る供給原料ガス反応器を作動する方法のフロー図である。
図8A図8Aは、本開示の一実施形態に係る二重バルブ(図8A)の概略図である。
図8B図8Bは、本開示の一実施形態に係る三方バルブ(図8B)の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本開示は、新規の供給原料ガス反応器及び新規の供給原料ガス反応器を作動する方法を提供しようとするものである。本開示の種々の実施形態を以下に説明するが、本開示はこれらの実施形態に限定されるものではなく、これらの実施形態の変形は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される本開示の範囲内に十分に収まり得る。
【0027】
本開示の実施形態によると、天然ガスや炭化水素ガス(メタン等)などの供給原料ガスの熱分解を実行する方法が説明される。そのような熱分解の方法及びそのような熱分解に使用され得る供給原料ガス反応器の例は、PCT公開番号WO2020/118417にさらに詳細に記載されており、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0028】
本開示の実施形態によると、供給原料ガス反応器を使用する、供給原料分解又は熱分解のプロセスが説明される。供給原料ガス反応器は、反応チャンバ及び第1再生式熱交換器を含む。例えば、第1再生式熱交換器は、第1再生式熱交換器は、反応チャンバの第1端部に配置することができる。いくつかの実施形態によれば、反応器は、少なくとも1つの付加的な再生式熱交換器を含む。例えば、第2再生式熱交換器は、反応チャンバの第1端部とは反対の第2端部に配置することができる。
【0029】
供給原料ガスは、第1再生式熱交換器を介して、反応チャンバ内に流される。例えば、コンピュータプロセッサ等の電気回路を備えるコントローラは、適当なバルブ及び1又はそれ以上のコンプレッサを制御し、供給原料を反応チャンバ内へ圧力をかけて流すことを許容するように構成されてもよい。所定の体積の供給原料ガスが反応チャンバを満たすと、バルブは閉められ、反応チャンバ内部に供給原料ガスを封入する。
【0030】
供給原料ガスは、その後、反応チャンバ内で分解され、1又はそれ以上の反応生成物を生成する。例えば、いくつかの実施形態によると、供給原料の分解を引き起こすために、可燃性ガス混合物が、反応チャンバに接続された1又はそれ以上の燃焼チャンバ内に流される。燃焼チャンバへの可燃性ガス混合物の充填は、反応チャンバへの供給原料の充填と同時に起こってもよい。可燃性ガス混合物は、その後、燃焼され(例えば、各燃焼チャンバ内の点火器を制御することによって)、高温燃焼生成物を生成する。燃焼の結果として形成される高温燃焼生成物は、圧力下で反応チャンバ内へ流れ、供給原料ガスと混合する。
【0031】
供給原料ガスの分解に決定的な温度及び圧力に達すると、供給原料ガスは、その構成成分に分解する。分解の生成物(すなわち、反応生成物)は、その後、出口バルブを制御することによって、反応チャンバから流出される。複数の再生式熱交換器(例えば、反応チャンバの第1端部における第1再生式熱交換器及び反応チャンバの第2端部における第2再生式熱交換器を有する反応チャンバ)を有する反応チャンバの実施形態に関しては、反応生成物は、反応チャンバから、第2再生式熱交換器を介して(又は、より一般的には、反応チャンバに入るときに供給原料が通って流れなかった再生式熱交換器を介して)流出される。結果として、反応生成物からの熱は、反応生成物が第2再生式熱交換器を通って流れるときに、第2再生式熱交換器内に保存される。
【0032】
反応チャンバから反応生成物が排出されると、反応チャンバに供給原料を再充填してもよい。このとき、反応チャンバへの供給原料の流れる方向は、反転されてもよく、供給原料は、第2再生式熱交換器を介して反応チャンバに入ってもよい。結果として、第2再生式熱交換器内に保存された熱は、新しい供給原料に伝達され、分解の前に新しい供給原料を効率的に予熱することができる。
【0033】
既に述べたように、予熱された供給原料は、その後、例えば、供給原料と、可燃性ガス混合物の燃焼から発生する高温燃焼生成物との混合によって、分解が起こる。この分解から生じる反応生成物は、その後、第1再生式熱交換器を介して、反応チャンバから流出する。結果として、反応生成物からの熱は、反応生成物が第1再生式熱交換器を通って流れるとき、第1再生式熱交換器内に保存される。
【0034】
このプロセスは、その後の反応サイクルごとに、反応チャンバに出入りする供給原料および反応生成物の流れ方向が反転されながら、任意の更なる回数だけ繰り返してもよい。
【0035】
1又はそれ以上の再生式熱交換器の使用は、反応生成物の熱エネルギーが有利に保存され、その後の反応サイクルにおいて、供給原料を予熱するために使用され、それによって、供給原料を分解するために使用される燃焼生成物(又は他の高温流体)の温度及び圧力要件を低下することを許容する(これは、供給原料の他の予熱がない場合に特に有利である)。加えて、バルブは、予熱された供給原料又は高温反応生成物の比較的高い温度にさらされる必要がないので、供給原料及び反応生成物が反応チャンバに出入りして流れることを許容する外部バルブにもたらされるリスクが軽減される。
【0036】
図面を参照すると、本開示の実施形態がより詳細に説明される。
【0037】
最初に、図1を参照すると、供給原料ガス(「供給原料」)を分解するための供給原料ガス反応器100(「反応器」)の実施形態が示される。反応器100は、いくつかの個別の燃焼チャンバ12と流体的に接続された中央反応チャンバ10を備える。4つの燃焼チャンバ12は、図1において示されるが、反応器100は、単一の燃焼チャンバを含む任意の適切な数の燃焼チャンバを備えることができる。各燃焼チャンバ12は、反応チャンバ10の側壁を通って延びるインジェクターノズル16を介して反応チャンバ10に接続される。各インジェクターノズル16の端部における複数の通路(図示せず)は、燃焼チャンバ12内部で形成される燃焼生成物が、複数の異なる方向に沿って反応チャンバ10に注入されることを許容する。各燃焼チャンバ12に隣接して設けられるバルブ14は、各燃焼チャンバ12への事前に混合された可燃性ガス混合物の流れを許容するように制御され得る。代替的には、バルブ14は、各燃焼チャンバ12への酸化剤(純酸素又は空気等)及び燃料(例えば、供給原料と同一の構成物を有するもの)の流れを制御してもよく、酸化剤及び燃料は、各燃焼チャンバ12内部で混合する。
【0038】
反応チャンバ10の第1端部には、供給原料が入口/出口22を介して反応チャンバ10に流れることを許容し、反応生成物が入口/出口22を介して反応チャンバ10から流出することを許容するためのバルブ24を備える第1マニホールドブロックが設けられる。同様に、反応チャンバ10の反対端部には、反応生成物が入口/出口26を介して反応チャンバ10から流出することを許容し、供給原料が入口/出口26を介して反応チャンバ10に流れることを許容するためのバルブ28を備える第2マニホールドブロックが設けられる。
【0039】
反応チャンバ10の各端部には、再生式熱交換器が設けられる。特に、第1再生式熱交換器18は、第1マニホールドブロックに隣接する反応チャンバ10の端部に設けられ、第2再生式熱交換器20は、第2マニホールドブロックに隣接する反応チャンバ10の端部に設けられる。
【0040】
図1には示されていないが、1又はそれ以上のコントローラ(マイクロコントローラ又は電気回路を備える任意の他の適切なコントローラ)が、バルブ24、28及び選択的に1又はそれ以上のコンプレッサを制御することによって、反応チャンバ10への供給原料の流れ、並びに反応チャンバ10からの反応生成物の流れを起こすように構成されてもよい。加えて、1又はそれ以上のコントローラは、バルブ14及び選択的に1又はそれ以上のコンプレッサを制御することによって、燃焼チャンバ12への可燃性ガス混合物の流れを起こすように構成される。
【0041】
図3及び図4を参照すると、より詳細に再生式熱交換器18が示される。図面において示される実施形態によると、再生式熱交換器18、20は、軸方向より半径方向に大きな熱伝導率の係数を有する材料の円筒型ブロックを一般的に備える(軸方向は反応チャンバ10の長手方向の軸によって画定される方向である)。いくつかの実施形態によると、この熱伝導率の特性又はプロファイルは、非伝導性材料によって分離されている各対の隣接するプレート(すなわち、非伝導性セパレータ)を有する、伝導性材料で作られる重ね板によって達成され得る。いくつかの実施形態によると、隣接する伝導性プレート間の表面接触は、非伝導性セパレータを必要とせずに、軸方向熱伝導率を減少させるのに十分である。図3において、再生式熱交換器18は、再生式熱交換器18内部に形成され、再生式熱交換器18の一方から再生式熱交換器18の他方に軸方向に延びる多数の導管19を含む。導管19は、再生式熱交換器18を通した供給原料/反応生成物の流れを許容する。高温反応生成物が熱交換器18の導管19を通って流れるとき、熱エネルギーが、熱交換器18に伝達され且つ内部に保存される。逆に言えば、供給原料が熱交換器18の導管19を通って流れるときに、保存された熱エネルギーが供給原料に伝達される。
【0042】
より一般的には、使用される再生式熱交換器は、任意の種々の適切な形態及び/又は形状を取ってもよい。再生式熱交換器の典型的な性質は、比較的大きい表面積、比較的高い熱容量、及び比較的低い圧力降下を含む。いくつかの実施形態によると、再生式熱交換器は、約1000m2/m3の特定の表面積及び約500J/kg-Kの熱容量を有してもよい。いくつかの実施形態によると、再生式熱交換器は、インコネル(登録商標)又は、反応チャンバ10の内径と同じ外径を有して作られる(供給原料/反応生成物が再生熱交換器を通って流れ、その周囲を流れないようにするため)、別の高温強度、高い熱容量材料(セラミック等)を含む。さらに、再生熱交換器は、例えば、粒子床、積層金網の使用、およびKAYS, W.M., AND A.L. LONDON, COMPACT HEAT EXCHANGERS, MCGRAW HILL TEXTで論じられた任意の適切な技術を含む、任意の数の適切な技術を使用して設計および製造することができる。
【0043】
図1をもう一度参照すると、供給原料ガス反応器100を使用する第1反応サイクルが説明される。天然ガスや炭化水素(メタン等)等の供給原料は、入口/出口22を介して、圧力下で反応チャンバ10へ供給される。供給原料が反応チャンバ10に流れるとき、供給原料は再生式熱交換器18を通って流れる。反応チャンバ10が供給原料で満たされると、バルブ24は、閉じられる(バルブ28も同様)。同時に、天然ガス及び酸化剤の混合物等の可燃性ガス混合物が、バルブ14を介して、圧力下で各燃焼チャンバ12へ供給される。燃焼チャンバ12が可燃性ガス混合物で満たされると、バルブ14は閉じられる。代替的には、燃料及び酸化剤は、各燃焼チャンバ12に別々に供給されてもよい。
【0044】
各燃焼チャンバ12内の可燃性ガス混合物は、その後、燃焼され(例えば、コンピュータコントローラの制御下の点火器を用いて)、高温燃焼生成物の生成につながる。燃焼生成物は、インジェクターノズル16を介して、各インジェクターノズル16の端部に設けられる通路を通って反応チャンバ10内へ圧力下で流れる。各インジェクターノズル16からの燃焼生成物の注入は、燃焼生成物の供給原料との混合を生じる。参照によりその全体が本明細書に組み込まれる2022年11月28日に出願された係属中の米国特許公開第2023/0184428号に記載されているように、径方向で反対側のインジェクターノズル16の反対側の配向は、高温燃焼生成物の供給原料との改善された混合を生じる。
【0045】
燃焼生成物の反応チャンバ10への流入の結果、熱エネルギーが燃焼生成物から供給原料まで伝達される。エネルギーは、また、反応チャンバ10内部で増加した圧力の結果として、供給原料の動的圧縮を介して燃焼生成物から供給原料にも伝達される。ある時点を過ぎると、供給原料の温度の上昇は、供給原料の分解又は熱分解を促進させるのに十分である。メタンの場合、例えば、分解は以下の形式を取る。
【0046】
【化1】
【0047】
供給原料の分解に続いて、バルブ28が、開かれ、反応生成物が、入口/出口バルブ26を介して反応チャンバ10から排出される。反応チャンバ10内部のガスの圧力の対応する低下は、熱分解反応を急冷するガスの温度の低下をもたらす。反応生成物が反応チャンバ10から流出するとき、反応生成物は、再生式熱交換器20を通って流れ、熱エネルギーを保存する再生式熱交換器20に熱エネルギーを伝達する。
【0048】
ここで図2(第2の連続した反応サイクル中の同じ供給原料ガス反応器100を示す)を参照すると、供給原料は、入口/出口バルブ26を介して、反応チャンバ10内に圧力下で供給される。供給原料が反応チャンバ10に流入するとき、供給原料は、第2再生式熱交換器20を通って流れる。第1反応サイクルから再生式熱交換器20内部に保存された熱エネルギーは、供給原料に伝達され、これによって、反応チャンバ10内部で供給原料と燃焼生成物とが混合する前に供給原料を予熱する。反応チャンバ10が予熱された供給原料で満たされると、バルブ24及び28は閉じられる。
【0049】
第1反応サイクルと同様に、同時に、可燃性ガス混合物(又は別個の燃料及び酸化剤)は、バルブ14を介して、各燃焼チャンバ12内へ圧力下で供給される。各燃焼チャンバ12内部の可燃性混合物は、その後、燃焼され、高温燃焼生成物の生成をもたらす。燃焼生成物は、インジェクターノズル16を介し、各インジェクターノズル16の端部に設けられる通路を通って、反応チャンバ10内へ圧力下で流入する。各インジェクターノズル16からの燃焼生成物の注入は、供給原料と燃焼生成物との混合をもたらす。
【0050】
反応チャンバ10への燃焼生成物の流入の結果として、熱エネルギーは、燃焼生成物から予熱された供給原料に伝達される。エネルギーはまた、反応チャンバ10内部で増加する圧力の結果として供給原料の動的圧縮を介して、燃焼生成物から予熱された供給原料にも伝達される。ある時点を過ぎると、供給原料の温度の増加は、供給原料の分解又は熱分解を促進させるのに十分である。
【0051】
供給原料の分解に続いて、バルブ24は、開かれ、反応チャンバ10内部の反応生成物が入口/出口22を介して反応チャンバ10から抽出されながら、熱分解反応が急冷(上述したように)をもたらす。反応生成物が反応チャンバ10から流出するとき、反応生成物は、再生式熱交換器18を通って流れ、熱エネルギーを保存する再生式熱交換器18に熱エネルギーを伝達する。
【0052】
プロセスは、その後、図1において示されるように、再度繰り返されてもよい。その後の反応サイクルごとに、反応チャンバ10に出入りする供給原料及び反応生成物の流れを反転させることにより、所与の反応サイクルにおいて生成される反応生成物からの熱エネルギーは、供給原料を予熱するため、再生式熱交換器内に一時的に保存され、その後の反応サイクルにおいて反応チャンバ10に入る供給原料に伝達されてもよい。換言すると、所与の反応サイクルにおいて、反応器100を出るガスからの熱は、その後の反応サイクルにおいて、反応器100に入るガスを加熱するために使用される。この方法における供給原料の予熱は、上述したように、いくつかの利点を有する。
【0053】
例えば、供給原料の温度は、燃焼生成物と混合される前に既に上昇しているので、供給原料を分解するために必要とされる燃焼の熱を下げることができる。さらに、熱分解プロセス中に経験される高温は、反応チャンバ10内部に含まれ、一方で、反応チャンバ10の上流及び下流のより低い供給原料及び反応生成物の温度は、環境への熱損失の低減を許容し得る。
【0054】
いくつかの実施形態によると、反応チャンバ10に入る供給原料は、例えば、約1000Kで、入ってもよい。供給原料が再生式熱交換器18を通過して流れるとき、供給原料が以前の反応サイクルから再生式熱交換器18内部に保存された熱を吸収するので、供給原料の温度は1300Kまで上昇することができる。
【0055】
加えて、反応器100の外側で供給原料を予熱する必要がない可能性があるので、バルブ24及び28並びに関連する入口/出口22及び26は、より単純に且つよりロバストに設計されてもよく、従って、そのような構成要素は、反応器100に出入りして流れる、既に予熱された供給原料及び高温反応生成物の高い温度から保護される。
【0056】
いくつかの実施形態によると、流れの切替は、ポペットバルブなどの2つのバルブ(一例が図8Aにおいて示される)を使用して達成されてもよく、各バルブは、供給原料供給又は生成物流れのどちらかに接続される。代替的に、三方フローバルブ(一例が図8Bにおいて示される)が、流れの切り替えを可能するために必要とされる関連する配管を減らすように使用され得る。例えば、図8Bにおいて見得るように、三方フローバルブは、導管84が、導管86及び導管88に流体的に交互に接続されることを許容する可動部品82を含む。
【0057】
複数の連続した反応サイクルの後、再生式熱交換器18、20は、再生式熱交換器の最も高温の部分が反応チャンバ10の内部と面して、軸方向に温度勾配を示すことになる。各反応サイクル中、勾配に沿う、各点の再生式熱交換器の温度は、再生式熱交換器が、これを通って流れる生成ガスからの熱を吸収するときに上昇し、再生式熱交換器が、これを通って流れる供給原料に熱を放出するときに低下する。図5は、各反応サイクルの終わりにおけるこの勾配変化の近似を示す。線23は、第1反応サイクルの終わりにおけるシフトされた勾配を示す。線25は、後続の反応サイクルの終わりにおけるシフトされた勾配を示す。
【0058】
いくつかの実施形態によると、再生式熱交換器18、20の1又は両方は、外部加熱源を用いて能動的に加熱されてもよい。この付加的な熱エネルギーは、入ってくる供給原料を更に予熱するために使用されてもよく、それによって、供給原料の予熱要件を低下させるとともに、さらに、寄生熱損失を減らす。
【0059】
いくつかの実施形態によると、再生式熱交換器18、20は、電気ヒータを使用して能動的に加熱され、それによって、各再生式熱交換器18、20の温度を、例えば、少なくとも1300Kまで昇温する。例えば、そのような電気ヒータは、再生式熱交換器の内側で巻き付けられてもよい。再生式熱交換器18、20を能動的に加熱する他の適切な手段が使用されてもよい。例えば、以下の能動加熱の形態のいずれかが使用されてもよく、例えば、抵抗/誘導加熱、マイクロ波加熱、外部流体の循環を利用した加熱、磁気加熱、燃焼生成ガスを利用した加熱、核放射線、摩擦、及び音響加熱などである。いくつかの実施形態によると、再生式熱交換器18、20の能動加熱は、供給原料が再生式熱交換器を通って流れるときにのみ起こることが必要である。例えば、図1を参照すると、再生式熱交換器18の能動加熱は、供給原料が、再生式熱交換器18を通って流れているときにのみ起こってもよく、再生式熱交換器18の能動加熱は、供給原料の再生式熱交換器18を通る流れが止まったときに、中断されてもよい。同様に、再生式熱交換器20の能動加熱は、供給原料が再生式熱交換器20を通って流れるときに起こってもよく、再生式熱交換器20の能動加熱は、供給原料の再生式熱交換器20を通る流れが止まったときに中断されてもよい。
【0060】
図6A及び図6Bは、再生式熱交換器18、20の能動加熱を用いる供給原料ガス反応器の側面図及び端面図を示す。見受けられるように、誘導コイル15が各再生式熱交換器18、20の周りに巻き付けられ、再生式熱交換器18、20に能動加熱を提供する。図6A及び図6Bにおいて示される供給原料ガス反応器の構成要素は、図1の供給原料ガス反応器100の対応する構成要素と同一の参照番号を用いてラベル付けされている。
【0061】
図7を参照すると、1又はそれ以上の再生式熱交換器を用いる供給原料ガス反応器を作動する一般的な方法700が示される。
【0062】
ブロック702において、供給原料は、第1再生式熱交換器を介して、反応チャンバに流入させられる。
【0063】
ブロック702において、供給原料は、分解される。供給原料の分解は、例えば、1又はそれ以上の燃焼チャンバに可燃性ガス混合を充填するステップ、可燃性ガス混合を点火するステップ及び結果として生じた高温燃焼生成物を反応チャンバに流入させ供給原料と混合するステップによって、引き起こされてもよい。
【0064】
ブロック706において、供給原料ガスが分解された結果として生成された反応生成物が、第2再生式熱交換器を介して反応チャンバから流出される。結果として、反応生成物からの熱エネルギーは、反応生成物が第2再生式熱交換器を通って流れるときに、第2再生式熱交換器内に保存される。
【0065】
ブロック708において、供給原料は、第2再生式熱交換器を介して、反応チャンバに流入される。先の反応サイクルから第2再生式熱交換器内に保存された熱は、供給原料が第2再生式熱交換器を通って流れるときに供給原料に伝達される。
【0066】
ブロック710において、例えば、上述したように、供給原料は分解される。
【0067】
ブロック712において、供給原料ガスが分解された結果として生成された反応生成物は、第1再生式熱交換器を介して、反応チャンバから流出する。結果として、反応生成物からの熱エネルギーは、反応生成物が第1再生式熱交換器を通って流れるときに第1再生式熱交換器内に保存される。
【0068】
プロセスはその後ブロック702に戻り、更なる供給原料が、第1再生式熱交換器を介して、反応チャンバに流入される。先の反応サイクルから第1再生式熱交換器内に保存された熱は、供給原料が第1再生式熱交換器を通って流れるときに、供給原料に伝達される。
【0069】
いくつかの実施形態によると、供給原料ガス反応器は、単一再生式熱交換器のみを用いて作動されてもよい。そのような実施形態によると、反応器は、供給原料及び反応生成物が反応器の同じ側の反応チャンバに出入りして流れるように設計されてもよい。従って、供給原料及び反応生成物は、単一再生式熱交換器を介して、反応チャンバにそれぞれ、出入りして流されてもよい。反応生成物が反応器から流出するとき、反応生成物からの熱は、再生式熱交換器に伝達されてもよく、この熱は、その後、次の反応サイクルにおいて再生式熱交換器を介して反応チャンバに入る供給原料を予熱するために使用されてもよい。
【0070】
特許請求の範囲および/または明細書において、「a」又は「an」という単語は、「備える」または「含む」という用語と組み合わせて使用される場合、「1つ」を意味する場合もあるが、内容が明確に別段の定めをしない限り、「1つ以上」、「少なくとも1つ」、および「1またはそれ以上」の意味とも一致している。同様に、「別の」という語は、内容が明確に別段の指示をしない限り、少なくとも第2又は第3以上を意味する場合があります。
【0071】
本明細書において使用される、「結合される」、「結合する」又は「接続される」という用語は、これらの用語が用いられる文脈に応じて、複数の異なる意味を有し得る。例えば、本明細書で使用されるように、「結合される」、「結合する」又は「接続される」という用語は、特定の文脈に応じて、2つの要素又は装置が互いに直接接続される或いは機械的要素を介し1又はそれ以上の中間要素又は装置を通って互いに接続されることを示し得る。項目のリストと関連して用いられる場合の、本明細書における「及び/又は」という用語は、そのリスト構成する項目のいずれか1又はそれ以上を意味する。
【0072】
本明細書で使用されるように、ある数値の「約」もしくは「おおよそ」、またはある数値と「実質的に」等しいという言及は、その数値の+/-10%以内であることを意味する。
【0073】
「X、Y、およびZのうちの少なくとも1つ」、「X、Y、またはZのうちの少なくとも1つ」、「X、Y、およびZのうちの少なくとも1つ以上」、「X、Y、および/またはZのうちの少なくとも1つ以上」、または「X、Y、および/またはZのうちの少なくとも1つ」のような言語の使用は、単一の項目(例えば、Xだけ、またはYだけ、またはZだけ)、および複数の項目(例えば、{XおよびY}、{XおよびZ}、{YおよびZ}、または{X、Y、およびZ})の両方を含むことを意図している。「のうちの少なくとも1つ」及び類似の表現は、各項目が存在する可能性はあるが、各項目が存在しなければならないという要件を伝えることを意図していない。
【0074】
本開示を特定の実施形態に関連して説明してきたが、本開示はこれらの実施形態に限定されるものではなく、これらの実施形態の変更、修正、および変形が、本開示の範囲から逸脱することなく当業者によって実施され得ることを理解されたい。
【0075】
さらに、本明細書で論じる任意の態様または実施形態の任意の部分を、本明細書で論じる他の態様または実施形態の任意の部分と実施または組み合わせることができることが企図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
【外国語明細書】