(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125299
(43)【公開日】2024-09-18
(54)【発明の名称】電子デバイス用のセンサアセンブリ
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0354 20130101AFI20240910BHJP
H03K 17/975 20060101ALI20240910BHJP
H01H 36/00 20060101ALI20240910BHJP
H04M 1/02 20060101ALI20240910BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
G06F3/0354 451
H03K17/975
H01H36/00 J
H04M1/02 C
G06F3/01 560
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024085616
(22)【出願日】2024-05-27
(62)【分割の表示】P 2021212982の分割
【原出願日】2017-07-24
(31)【優先権主張番号】62/381,525
(32)【優先日】2016-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/384,083
(32)【優先日】2016-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/424,300
(32)【優先日】2016-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/449,810
(32)【優先日】2017-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブラウニング, ルーシー エリザベス
(72)【発明者】
【氏名】ポープ, ベンジャミン ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ロイトホイサー, ポール ユー.
(72)【発明者】
【氏名】メイヤース, スコット エー.
(72)【発明者】
【氏名】ディン, リチャード ハン ミン
(72)【発明者】
【氏名】フオ, エドワード エス.
(57)【要約】 (修正有)
【課題】従来の機械式スイッチは、電子製品内の多くの用途において使用されている。しかしながら、機械スイッチのはサイズが比較的大きいため、非常に限られたスペースしかない製品内に統合することが困難である。
【解決手段】一部の実施形態によれば、センサアセンブリは、容量性センサ、圧電センサ、又はピエゾ抵抗センサなどの固体センサを含む。センサアセンブリは、コンパクトな外形を提供し、センサアセンブリを電子デバイスエンクロージャの小さな空間内へ統合するによく適している多くの特徴を含むことができる。センサアセンブリはまた、センサアセンブリの様々な部分の動きを分離して、感知イベントの正確な検出を可能にする特徴を含むことができる。一部の実施形態によれば、センサアセンブリは、触覚アクチュエータ、スピーカ、又はその両方に結合され、機械式ボタンの感触を模倣し、ユーザエクスペリエンスを向上させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子デバイスであって、
スピーカと、
触覚構成要素と、
前記電子デバイスのディスプレイを覆い、開口部を有するディスプレイカバーと、
前記電子デバイスに対する入力を受け入れるためのセンサアセンブリと、を有し、前記センサアセンブリは、
前記ディスプレイカバーの前記開口部内に配置され、かつ、前記入力を受け入れるように構成された外面を有するセンサカバーと、
前記入力を検出するように構成されたセンサとを含み、前記センサは、前記入力に応じて、前記触覚構成要素及び前記スピーカを作動する1つ以上の信号を生成する、電子デバイス。
【請求項2】
前記センサは、前記センサカバーが押下又はタッチされると、タッチ入力を検出するように構成されたタッチセンサであり、前記センサアセンブリは、
前記センサカバーと前記タッチセンサとの間に配置されており、指紋特徴を認識するように構成された指紋センサと、
前記センサカバーの周囲を取り囲み、かつ、前記ディスプレイカバー及び前記センサカバーと係合するトリムと、
前記センサカバーと前記トリムのレッジとの間に配置されており、前記入力に応じて、収縮し、復帰力を提供するように構成されたコンプライアント部材と、
前記ディスプレイカバーに対して前記センサアセンブリを支持するブラケットアセンブリと、を更に含む、請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項3】
前記トリムは、前記ディスプレイカバーの面取りされたエッジに対応する面取りされたエッジを有する、請求項2に記載の電子デバイス。
【請求項4】
前記タッチセンサは、距離によって分離された2つの導電層を含む容量性センサであり、前記入力は前記距離を減少させる、請求項2に記載の電子デバイス。
【請求項5】
前記触覚構成要素は、前記入力に応じて、前記電子デバイスを振動させるように構成されている、請求項2に記載の電子デバイス。
【請求項6】
前記スピーカは、前記入力に応じて音を生成するように構成されている、請求項5に記載の電子デバイス。
【請求項7】
前記センサアセンブリは、前記電子デバイスのユーザからのタッチ入力に応答するように構成されている、請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項8】
前記センサアセンブリは、前記センサカバーの周囲を取り囲み、かつ、前記ディスプレイカバー及び前記センサカバーと係合するトリムを含む、請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項9】
前記センサアセンブリは、前記ディスプレイカバーに対して前記センサアセンブリを支持するブラケットアセンブリを含む、請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項10】
前記センサアセンブリは、指紋特徴を認識するように構成された指紋センサを含む、請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項11】
前記センサは、前記センサカバーが押下又はタッチされると、タッチ入力を検出するように構成されたタッチセンサである、請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項12】
前記センサアセンブリは、前記入力に応じて、前記センサカバーを振動させるように構成された圧電アクチュエータを含む、請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項13】
入力を検出し、応答するためのセンサアセンブリであって、
前記入力を受け入れるための外面を有するセンサカバーと、
前記センサカバーの周囲を取り囲むトリムと、
前記センサカバーと前記トリムのレッジとの間に配置されており、前記入力に応じて、収縮し、復帰力を提供するように構成されたコンプライアント部材と、
前記入力を検出するように構成された容量性タッチセンサと、を含む、センサアセンブリ。
【請求項14】
前記容量性タッチセンサは、距離によって分離された2つの導電層を含み、前記入力は、前記距離を減少させ、前記導電層のうちの1つは、前記トリムに対して前記1つの導電層の位置を維持するスティフナに結合されており、
前記容量性タッチセンサは、前記入力に応じて、電子デバイスの触覚構成要素及びスピーカを作動する信号を生成するように構成されており、
前記センサアセンブリは、
前記センサカバーと前記容量性タッチセンサとの間に配置されており、指紋特徴を認識するように構成された指紋センサと、
前記電子デバイスの一部に対して前記センサアセンブリを支持するブラケットアセンブリと、を更に含む、請求項13に記載のセンサアセンブリ。
【請求項15】
前記トリムは面取りされた外部エッジを有する、請求項14に記載のセンサアセンブリ。
【請求項16】
前記トリムの周囲にわたって溝内に配置されたシールを更に含む、請求項14に記載のセンサアセンブリ。
【請求項17】
前記容量性タッチセンサは、第1の層及び第2の層を含み、前記第1の層は前記センサカバーに結合されており、前記第2の層は、前記トリムに対して前記第2の層の位置を維持するスティフナに結合されている、請求項13に記載のセンサアセンブリ。
【請求項18】
前記センサアセンブリは、指紋特徴を認識するように構成された指紋センサを含む、請求項13に記載のセンサアセンブリ。
【請求項19】
前記指紋センサは、前記容量性タッチセンサと前記センサカバーとの間に配置されている、請求項18に記載のセンサアセンブリ。
【請求項20】
前記トリムは、前記センサカバーの動きを、感知方向、及び前記感知方向と反対の方向に分離する、請求項13に記載のセンサアセンブリ。
【請求項21】
前記容量性タッチセンサは、前記入力に応じて、触覚構成要素及びスピーカを作動する信号を生成する、請求項13に記載のセンサアセンブリ。
【請求項22】
前記トリムの周囲にわたって溝内に配置されたシールを更に含む、請求項13に記載のセンサアセンブリ。
【請求項23】
電子デバイスであって、
前記電子デバイスのディスプレイを覆い、内部の面取りされたエッジを画定する開口部を有するディスプレイカバーと、
前記電子デバイスに対する入力を受け入れるためのセンサアセンブリと、を有し、前記センサアセンブリは、
前記開口部内に配置され、かつ、前記入力を受け入れるように構成された外面を有するセンサカバーと、
前記センサカバーと前記ディスプレイカバーとの間の前記開口部内に配置されたトリムであって、前記ディスプレイカバーの前記内部の面取りされたエッジと係合する外部の面取りされたエッジを有するトリムと、
前記入力を検出するように構成されたセンサとを含む、電子デバイス。
【請求項24】
前記センサは、タッチ入力を検出するように構成されたタッチセンサであり、前記電子デバイスは、
スピーカ及び触覚構成要素であって、前記タッチセンサは、前記入力に応じて前記スピーカ及び前記触覚構成要素を作動する1つ以上の信号を生成するように構成された、スピーカ及び触覚構成要素と、
前記センサカバーと前記タッチセンサとの間に配置されており、指紋特徴を認識するように構成された指紋センサと、
前記センサカバーと前記トリムのレッジとの間に配置されており、前記入力に応じて、復帰力を提供するように構成されたコンプライアント部材と、
前記ディスプレイカバーに対して前記センサアセンブリを支持するブラケットアセンブリと、を更に含む、請求項23に記載の電子デバイス。
【請求項25】
前記触覚構成要素は、前記入力に応じて前記電子デバイスを振動させるように構成されており、前記スピーカは、機械式スイッチの動き及び音をシミュレートするやり方で、前記入力に応じて音を生成するように構成されている、請求項24に記載の電子デバイス。
【請求項26】
前記触覚アクチュエータは、圧電アクチュエータである、請求項24に記載の電子デバイス。
【請求項27】
前記圧電アクチュエータは、前記入力に応じて前記センサアセンブリを振動させるように構成されている、請求項26に記載の電子デバイス。
【請求項28】
前記タッチセンサは、距離によって分離された2つの導電層を含む容量性センサであり、前記入力は前記距離を減少させ、前記センサカバーが前記入力に応じて曲がると、前記距離が更に減少する、請求項24に記載の電子デバイス。
【請求項29】
前記センサカバーの前記外面は、前記ディスプレイカバーの外面に対して凹んでいる、請求項24に記載の電子デバイス。
【請求項30】
前記センサアセンブリは、前記トリムの周囲にわたって溝内に配置されたシールを含む、請求項24に記載の電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
記載された実施形態は、民生用電子デバイスに適したセンサアセンブリに関する。一部の実施形態によれば、センサアセンブリは、容量性タッチセンサなどの固体センサを含む。
【背景技術】
【0002】
従来の機械式スイッチは、電子製品内の多くの用途において使用されている。例えば、多くのボタン及びキーボード設計には、比較的大きな動きに依存する機械ベースのアクチュエータが含まれており、電気回路を完成する。機械式スイッチの利点は、それらが低コストであることと、聴覚的及び触覚的応答をユーザに提供する能力を含む。しかしながら、機械式スイッチはサイズが比較的大きいため、非常に限られたスペースしかない製品内に統合することが困難である。これは、小さなエンクロージャ内に多数の電子構成要素を含む、最新の携帯電子製品内に統合する際に大きな障害となる場合がある。さらに、機械式スイッチは急速に摩耗する場合があるため、頻繁に交換する必要があり得る。そのために、電子デバイス用の改良されたセンサ及びアクチュエータ設計が必要とされている。
【発明の概要】
【0003】
本明細書は、電子デバイス用のセンサアセンブリに関する様々な実施形態を説明する。特定の実施形態では、センサアセンブリは、作動に必要なたわみが小さく、断面プロファイルが小さい固体センサを含む。
【0004】
更なる実施形態によって、電子デバイスを説明する。電子デバイスは、スピーカ及び触覚構成要素を含む。電子装置はまた、電子デバイスのディスプレイを覆うディスプレイカバーを含む。表示カバーは開口部を有する。電子デバイスは、電子デバイス用の入力を受け入れるためのセンサアセンブリを更に含む。センサアセンブリは、ディスプレイカバーの開口部内に配置され、入力を受け入れるように構成された外面を有するセンサカバーを含む。センサアセンブリはまた、入力を検出するように構成されたセンサを含む。センサは、入力に応じて、触覚構成要素及びスピーカを作動する1つ以上の信号を生成する。
【0005】
一実施形態によって、入力を検出し入力に応答するためのセンサアセンブリを説明する。センサアセンブリは、入力を受け入れるための外面を有するセンサカバーを含む。センサアセンブリはまた、外周を取り囲むトリムを含む。センサアセンブリは、センサカバーとトリムのレッジとの間に配置されたコンプライアント部材を更に含む。コンプライアント部材は、入力に応じて収縮し、復帰力を提供するように構成されている。センサアセンブリは、入力を検出するように構成された容量性タッチセンサを更に含む。
【0006】
別の実施形態によって、電子デバイスを説明する。電子デバイスは、電子デバイスのディスプレイを覆うディスプレイカバーを含む。ディスプレイカバーは、面取りされた内部エッジを画定する開口部を有する。電子デバイスはまた、電子デバイス用の入力を受け入れるためのセンサアセンブリを含む。センサアセンブリは、開口部内に配置され、入力を受け入れるように構成された外面を有するセンサカバーを含む。センサアセンブリはまた、センサカバーとディスプレイカバーとの間の開口部内に配置されたトリムを含む。トリムは、ディスプレイカバーの面取りされた内部エッジと係合する、面取りされた外部エッジを有する。センサアセンブリは、入力を検出するように構成されたセンサを更に含む。
【0007】
これら及び他の実施形態を、以下に詳述する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明によって容易に理解され、同様の参照番号は同様の構造要素を示す。
【0009】
【
図1A】本明細書に記載されたセンサアセンブリを含み得る民生用電子デバイスの斜視図を示す。
【
図1B】本明細書に記載されたセンサアセンブリを含み得る民生用電子デバイスの斜視図を示す。
【0010】
【
図2】一部の実施形態に係る、センサアセンブリを備える電子デバイスの一部の分解図を示す。
【0011】
【
図3A】
図1Aに示す電子デバイスのセンサアセンブリ部分の上面図を示す。
【
図3B】
図1Aに示す電子デバイスのセンサアセンブリ部分の上面図を示す。
【0012】
【
図4A】
図3Bに示す電子デバイスのセンサアセンブリ部分の断面図を示す。
【0013】
【
図4B】センサアセンブリ、触覚エンジン、及びスピーカを有する電子デバイスの上面図を示す。
【0014】
【
図5】一部の実施形態に係る、電子デバイスのセンサアセンブリ部分の断面図を示す。
【0015】
【
図6】一部の実施形態に係る、電子デバイス内のセンサアセンブリを組み立てるための工程を示すフローチャートを示す。
【0016】
【
図7A】一部の実施形態に係る、センサアセンブリの実装構成の断面図を示す。
【
図7B】一部の実施形態に係る、センサアセンブリの実装構成の断面図を示す。
【
図7C】一部の実施形態に係る、センサアセンブリの実装構成の断面図を示す。
【0017】
【
図8A】一部の実施形態に係る、センサアセンブリのシーリング構成の断面図を示す。
【
図8B】一部の実施形態に係る、センサアセンブリのシーリング構成の断面図を示す。
【
図8C】一部の実施形態に係る、センサアセンブリのシーリング構成の断面図を示す。
【
図8D】一部の実施形態に係る、センサアセンブリのシーリング構成の断面図を示す。
【
図8E】一部の実施形態に係る、センサアセンブリのシーリング構成の断面図を示す。
【0018】
【
図9A】一部の実施形態に係る、トリムレスセンサアセンブリ構成の断面図及び上面図を示す。
【
図9B】一部の実施形態に係る、トリムレスセンサアセンブリ構成の断面図及び上面図を示す。
【
図9C】一部の実施形態に係る、トリムレスセンサアセンブリ構成の断面図及び上面図を示す。
【0019】
【
図10A】一部の実施形態に係る、振動センサアセンブリ構成の断面図及び上面図を示す。
【
図10B】一部の実施形態に係る、振動センサアセンブリ構成の断面図及び上面図を示す。
【
図10C】一部の実施形態に係る、振動センサアセンブリ構成の断面図及び上面図を示す。
【
図10D】一部の実施形態に係る、振動センサアセンブリ構成の断面図及び上面図を示す。
【0020】
【
図11A】一部の実施形態に係る、異なる検出構成を有するセンサアセンブリの断面図を示す。
【
図11B】一部の実施形態に係る、異なる検出構成を有するセンサアセンブリの断面図を示す。
【
図11C】一部の実施形態に係る、異なる検出構成を有するセンサアセンブリの断面図を示す。
【0021】
【
図11D】一部の実施形態に係る、
図11Cのセンサアセンブリ構成の一部としてのブラケットの斜視図を示す。
【0022】
【
図12A】ボンディング作業前及びボンディング作業中のセンサアセンブリを備える電子デバイスの一部の断面図をそれぞれ示す。
【
図12B】ボンディング作業前及びボンディング作業中のセンサアセンブリを備える電子デバイスの一部の断面図をそれぞれ示す。
【0023】
【
図13A】一部の実施形態に係る、ボンディング作業中の接着剤オーバーフローの発生を防止するためのセンサアセンブリ構成を示す。
【
図13B】一部の実施形態に係る、ボンディング作業中の接着剤オーバーフローの発生を防止するためのセンサアセンブリ構成を示す。
【
図13C】一部の実施形態に係る、ボンディング作業中の接着剤オーバーフローの発生を防止するためのセンサアセンブリ構成を示す。
【
図13D】一部の実施形態に係る、ボンディング作業中の接着剤オーバーフローの発生を防止するためのセンサアセンブリ構成を示す。
【
図13E】一部の実施形態に係る、ボンディング作業中の接着剤オーバーフローの発生を防止するためのセンサアセンブリ構成を示す。
【
図13F】一部の実施形態に係る、ボンディング作業中の接着剤オーバーフローの発生を防止するためのセンサアセンブリ構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
ここで添付の図面に示す代表的な実施形態について詳細に説明する。以下の説明は、実施形態を1つの好ましい実施形態に限定することを意図するものではないことを理解されたい。それとは逆に、以下の説明は、添付の特許請求の範囲によって画定されるような、記載された実施形態の趣旨及び範囲内に含まれ得る代替形態、変更形態、及び均等物を網羅することを意図するものである。
【0025】
本明細書には、携帯電子デバイスなどの民生用製品によく適したセンサアセンブリの特徴が記載されている。一部の実施形態によれば、センサアセンブリは固体センサを含む。接触パッド間の物理的接触に依存する従来の機械式スイッチ及びボタンと比較して、固体センサは、電圧又は容量変化を利用して、オンモードとオフモードの間を切り替える。この態様により、機械式スイッチと比較して、固体センサは磨耗しにくい。加えて、固体センサは、機械式スイッチ及びボタンよりも一般的にコンパクトであるため、それらを、携帯電子機器用のものなどの小型フォームファクタエンクロージャ内に統合させるのによく適している。
【0026】
さらに、固体圧力センサの設計では、機械式スイッチ及びボタンと比較して、作動するために必要とする動き及び力を非常に小さくできる。センサアセンブリは最小限の又は少ない動き(例えば、10マイクロメートル以下、時には5マイクロメートル以下)を含むので、ユーザは、押圧時にセンサアセンブリ(例えば、ボタン)自体の動きを知覚しない可能性がある。したがって、センサアセンブリは、ユーザのタッチ入力に応じて触覚フィードバック(出力)をユーザに提供するように構成することができ、それによって、たとえセンサアセンブリがほとんど動かなくても、ボタンが押圧され作動されたというエクスペリエンスをユーザに与える。触覚フィードバックの例には、触覚(例えば、振動)フィードバックを含むことができる。一部の例では、ユーザへの信号は、音響又は音波フィードバックの形態である(すなわち、音を生じる)。一部の場合では、センサアセンブリは、触覚及び音響フィードバックの組み合わせを提供するように構成される。これらのフィードバック機能により、機械式スイッチ又はボタンを作動させるエクスペリエンスを模倣することができ、それによってユーザにとって心地良いエクスペリエンスを提供する。さらに、センサアセンブリは、ユーザの触覚入力(例えば、ユーザのタッチ)に応じて触覚フィードバックを提供することができ、電子デバイスとの魅力のある満足のいく感覚及びエクスペリエンスをユーザに与える。
【0027】
本明細書で説明されるセンサアセンブリは、電子デバイス内に統合される場合、センサアセンブリの性能を向上させる多くの特徴を含むことができる。例えば、センサカバー又はキャップを取り囲むトリムは、センサアセンブリの横方向の動きを防止し、センサアセンブリの一部の動きをタッチセンサに向かう方向又は離れる方向に分離することができる。
【0028】
本明細書で説明するセンサアセンブリは、Cupertino,Californiaに拠点を置くApple Inc.製のものなどの、コンピュータ、携帯電話、タブレットデバイス、ウェアラブル電子デバイス、及び電子デバイスアクセサリ、などの民生用製品内への統合によく適している。
【0029】
これら及び他の実施形態について、
図1A~
図13Fを参照して以下で検討する。しかしながら、当業者であれば、これらの図に関して本明細書に記載された詳細な説明は説明のみを目的とするものであり、限定するものとして解釈されるべきではないことを容易に理解するであろう。
【0030】
図1A及び
図1Bは、本明細書に記載されるものなどのセンサアセンブリを含み得る民生用製品を示す。
図1Aは携帯電話102を示し、
図1Bはタブレットコンピュータ104を示し、それらのそれぞれは、ユーザからの入力を感知するように構成されたセンサアセンブリ106を含む。センサアセンブリ106は、それぞれのデバイス102又は104内の1つ以上の電気回路を作動するように構成することができ、これにより、ボタンアセンブリ又はスイッチアセンブリと呼ぶことができる。例えば、センサアセンブリ106は、デバイス102及び104のディスプレイ108の態様をそれぞれアクティブ化するように構成してもよい。センサアセンブリ106は、デバイス102及び104のエンクロージャ110の外見を審美的に高めるように設計することができる。一部の場合では、センサアセンブリ106は、エンクロージャ110のディスプレイカバー112と一体化される。
【0031】
センサアセンブリ106は、入力(例えば、タッチ、押下、動き、光)を検出するために1つ以上のセンサを含むことができる。一部の場合では、センサは、1つ以上の容量性、圧電性、及びピエゾ抵抗性センサを含む。一部の場合では、センサアセンブリ106は、触覚又は音響フィードバックなどの出力をユーザに提供するように構成されており、入力に応じてセンサアセンブリ106が作動されたことを示す。一部の実施形態では、センサアセンブリ106は、異なるユーザの指紋を検出して識別できる指紋センサを含む。本明細書に記載のセンサアセンブリは、任意の好適な電子デバイス内に統合することができ、
図1A及び1Bに示すデバイス102及び104に限定されないことに留意されたい。例えば、センサアセンブリは、ラップトップコンピュータ又はウェアラブル電子デバイスに実装することができる。
【0032】
図2は、電子デバイス(例えば、携帯電話102)の一部の分解図を示し、センサアセンブリ106がディスプレイカバー112の開口部201内にフィットするためにどのように構成されているかを示している。ディスプレイカバー112は、下にあるディスプレイアセンブリを覆って保護する、透明又は部分的に透明な材料に相当することができる。ディスプレイカバー112は、ガラス(例えば、サファイア)、プラスチック、セラミック、及び/又は他の好適な材料で構成することができる。一部の場合では、ディスプレイカバー112は、締結機構208を使用して、携帯電話用のエンクロージャの別の部分(例えば、エンクロージャの金属部)と結合される。ブラケット211を使用して、センサアセンブリ106を、ファスナ211を介してカバー112に固定することができる。センサアセンブリ106は、電子デバイスの任意の好適な部分の開口部内に挿入することができ、ディスプレイカバーとの一体化に限定されないことに留意されたい。例えば、センサアセンブリ106を、電子デバイスの不透明なエンクロージャ壁の開口部内に挿入することができる。
【0033】
図示するように、センサアセンブリ106は、電子デバイス内への組み立てを容易にするために、予め組み立てられたモジュール形式にすることができる。センサアセンブリ106は、センサ部205及びケーブル部207を含む。センサ部205は、入力(例えば、タッチ、押下、動き、光)を検出するように構成されたセンサを含むことができる。一部の場合では、センサは、ユーザの指からのタッチ又はプッシュ入力を検出するように構成される。一部の例では、センサは、1つ以上の容量性、圧電性、及びピエゾ抵抗性センサを含む。一部の場合では、センサアセンブリ106は、ユーザの指紋を検出するように構成された指紋センサを含む。ケーブル部207は、電子デバイス内の他の電気構成要素に、センサ部205を電気的に接続する配線を含むことができる。一部の実施形態では、ケーブル部207は、1つ以上のフレキシブル(フレックス)ケーブルを含む。センサカバー202は、入力を受け入れるように構成された、外部又は外面を有する化粧カバーに相当する。一部の実施形態では、センサカバー202は、下にある指紋センサがユーザの指紋のパターンを検出できるように、少なくとも部分的に透明である。
【0034】
センサカバー202の周囲はトリム204によって取り囲まれ、トリム204は、センサカバー202を収容するためのアパーチャを有する剛性リング又はフレームに相当することができる。一部の場合では、接着剤又はポリマー層などの中間層が、センサカバー202とディスプレイカバー112との間に配置される。他の場合では、トリム204は、締り嵌めを提供するように、センサカバー202及びディスプレイカバー112に直接係合するように構成される。一部の実施形態では、トリム204は、もろ過ぎず、十分な剛性を提供できる金属材料で構成される。しかしながら、一部の場合では、トリムは、ポリマー又はセラミック材料などの他の剛性材料で構成される。以下で詳細に説明するように、トリム204は、ディスプレイカバー112内にいったん組み立てられると、センサアセンブリ106の動きを制限することができる。加えて、トリム116はユーザに見えるので、センサアセンブリ106の外観を向上させることができる。複数の機能を備えるため、トリム116は、ブラケット、ブレース、サポート、ワッシャー、リング、バンド又は他の好適な用語で呼ぶことができる。
【0035】
センサアセンブリ106は、組立及び分解を容易にするように構成することができる。例えば、センサアセンブリ106は、開口部201の上側から組み立てることができ、ブラケット210は、
図2に示すように、開口部201の下側から組み立てることができる。ブラケット210は、電子デバイスのエンクロージャに接地された金属で構成することができ、ブラケット210の非導電部212は、ブラケット210の導電部をセンサアセンブリ106から電気的に絶縁する。ケーブル部207はディスプレイカバー112の下に配置されるべきであるので、ケーブル部207は開口部201を通り抜けることができ、トリム204及びセンサカバー202は開口部201内にぴったりとフィットするように調節することができる。次いで、ファスナ211を使用して、センサアセンブリ106を支持するブラケット210をディスプレイカバー112に固定することができる。
図2の実施形態では、ファスナ211はねじであるが、クリップ、圧入ファスナ、溶接、又は他の好適なファスナを、代替的に又は追加的に含むことができる。一部の場合では、ファスナ211aは、開口部201及びセンサカバー202の中心に位置合わせされる。
【0036】
センサアセンブリ106の形状は、設計要件に応じて変化し得ることに留意されたい。特に、センサカバー202及びトリム204は、図示のような丸又は円形に限定されない。例えば、センサカバー202及びトリム204は、矩形、三角形、楕円形、又は任意の他の好適な形状を有することができる。
【0037】
図3A及び3Bは、センサアセンブリ106を有する電子デバイス102の一部の上面図を示す。
図3Bは、センサカバー202を有するセンサアセンブリ106を示し、
図3Aは、センサカバー202のないセンサアセンブリ106を示す。
図3Aは、センサ構成要素304がセンサカバー202の下に配置されることを示す。一部の実施形態では、センサ構成要素304は、指紋センサ又はタッチセンサである。センサ構成要素304を取り囲んでいるのはコンプライアント部材302であり、コンプライアント部材302は、シリコーン又は他のポリマーなどの柔軟な又は弾性の材料の1つ以上の層に相当する。一部の場合では、コンプライアント部材302は、別個の部品(この場合は、4つの円形セグメント形状の部品)を含み、矩形形状のセンサ構成要素304を収容する。しかしながら、コンプライアント部材302は、任意の好適な形状を有し、任意の好適な数の部品を含むことができることに留意されたい。
図3Bは、電子デバイス102内に完全に組み立てられたセンサアセンブリ106を示す。図示するように、センサカバー202はトリム204によって取り囲まれており、それらの両方が電子デバイス102のユーザに露出している。センサカバー202はまた、ユーザがセンサアセンブリ106に接触して作動させるための接触面を提供する。
【0038】
図4Aは、一部の実施形態に係る、電子デバイス102の一部の断面図(
図3BのA-A)を示し、センサデバイスアセンブリ106が電子デバイス102内でどのように組み立てられ得るかを示している。トリム204は、センサカバー202とディスプレイカバー112との間に配置され、ディスプレイカバー112は、エンクロージャ部110に結合される。図示するように、センサアセンブリ106は非常に薄い断面を有し、それによって構成要素414などの構成要素のための空間を形成する。ある特定の実施形態では、構成要素414は、ディスプレイアセンブリの一部としてのドライバである。トリム204は、センサカバー202の裏面を支持するレッジ404を含む。厚さtを有するコンプライアント部材302は、センサカバー202とトリム204のレッジ404との間に配置される。コンプライアント部材302は、熱活性フィルム、粘着剤、液体接着剤、又は他の好適な接着剤の層などの接着剤層(図示せず)によって、センサカバー202及びレッジ404に接着することができる。一部の実施形態では、コンプライアント部材302は、接着剤のオーバーフローを収容する穴又は溝を含む。
【0039】
挿入
図400は、センサアセンブリ106の積層部の詳細な断面図を示す。センサカバー202の下には、センサカバー202を通じてユーザの指紋を走査するように構成された指紋センサ304がある。一部の場合では、指紋センサ304は、コンデンサアレイを有するシリコンチップであり、ユーザの指紋画像をキャプチャし、それを記憶された指紋データと一致させることができるソフトウェアと通信している。指紋センサ304は、光学的に透明な接着剤、又は他の好適な接着剤とすることができる接着剤407によってセンサカバー202に結合することができる。
【0040】
指紋センサ304の下にはタッチセンサ402があり、タッチセンサ402は、
図4Aの実施形態では、第1の層402a及び第2の層402bを含む容量性タッチセンサである。コンデンサモジュール423は、タッチセンサ402に関連付けられている。一部の実施形態では、第1の層402a及び第2の層402bは、互いに対して容量結合された、導電性材料(例えば、銅)又は他の好適な材料(例えば、インジウムスズ酸化物(ITO))の層を含む平坦なフレキシブルな材料にそれぞれ相当する。第1の層402aは、第1の接着剤層408によって指紋センサ304に物理的に結合され、第2の層402bは、第2の接着剤層409(異なる又は同じタイプの接着剤であり得る)によってスティフナ405に物理的に結合される。第1の層402a及び第2の層402bは、電圧又は容量変化によって検出された距離dの変化などの、距離dを有するギャップ406によって離間されている。距離dは、タッチセンサ402の設計及び製造に応じて変化し得る。ギャップ406は、空気、又はコンプライアントゲルなどの他の非導電性材料により充填することができる。一部の実施形態では、空気は、ゲルよりも優れた感知能力を提供することが分かっている。
【0041】
ユーザがセンサカバー202の外面413にタッチすると、その力は、センサ402に向かう方向403(感知方向と呼ばれる)で第1の層402aに、及び押圧位置内に伝達される。これにより、次いで容量層402aと402bとの間の距離dに相応の減少を引き起こし、それによってタッチセンサ402における電圧又は容量の変化を引き起こす。タッチセンサ402は、電子デバイス102の1つ以上の電気回路を作動する信号を生成する。コンプライアント部材302は、センサカバー202を戻す抵抗力(感知方向403とは反対の)を提供するコンプライアント材料で構成されおり、そのため、第1の層402aも、非押圧位置に戻る。いったんセンサカバー202が非押圧位置に戻ると、コンプライアント部材302はその全厚tに戻る。コンプライアント部材302のための空間は非常に小さいので、厚さtは非常に薄くすべきである。一部の場合では、厚さは約500マイクロメートル以下であり、一部の場合では、約50~100マイクロメートルの範囲である。
【0042】
タッチセンサ402の作動を引き起こすのに十分な距離dの変化は、タッチセンサ402の設計に依存する。一般に、距離dの必要とされる変化は非常に小さくなる。一部の場合では、距離dの変化は、約2~3マイクロメートル(タッチセンサ402に対して約5~10nm/グラム力のコンプライアンスに対応する)である。トリム204のレッジ404は、感知方向403においてセンサカバー202の移動量を抑えるハードストップとして作用する。具体的には、レッジは、第1の層402aが第2の層402bに接触するのを防止するか、又はそうでなければ、第1の層402aが第2の層402bに近づき過ぎるのを防止する。一部の場合では、ユーザによって押圧されたときのセンサカバー202の材料のたわみはまた、距離dの変化に寄与し得る。しかしながら、この態様は、センサアセンブリ106の設計で考慮することができる。一部の実施形態では、センサカバー202の材料偏向作用を低減するために、センサカバー202は、ガラス(例えば、サファイア)、セラミック又は硬質ポリマーなどの剛性材料で構成される。一部の実施形態では、センサカバー202は、非押圧位置から押圧位置へ、検出方向403で約50マイクロメートル未満の距離だけ移動する。一部の場合では、センサカバー202は、非押圧位置から押圧位置へ、約10マイクロメートル未満の距離だけ移動する。特定の実施形態では、センサカバー202は、非押圧位置から押圧位置へ、約4マイクロメートルの距離だけ移動する。
【0043】
本明細書に記載の実施形態は、容量性センサに限定されないことに留意されたい。例えば、容量性タッチセンサ402の代わりに、又はそれに加えて、センサアセンブリ106は、圧電又はピエゾ抵抗センサを含むことができる。すなわち、任意の好適な固体センサを使用することができる。
【0044】
従来の機械式スイッチ及びボタンと比較して、センサアセンブリ106は、作動のためにアセンブリ自体に物理的な動きをほとんど必要としない。このことは、センサアセンブリ106が機械式スイッチ及びボタンと比較してはるかにコンパクトな断面(zスタック)を有することを可能にし、それによって構成要素414などの電子デバイス102内の他の構成要素に対してより多くの空間的余裕を提供する。さらに、センサアセンブリ106は、タッチセンサ402内の機械的接触に依存しなくてもよい。代わりに、センサ402は、固体センサを使用して達成できる、比較的小さな力の入力によってもたらされる、小さな電圧又は容量変化を利用することができる。一般に、容量性タッチ、圧電、及びピエゾ抵抗センサなどの固体センサは、半導体材料などの固体材料内に組み込まれた電気回路を含むことができる。固体センサの相対的に非機械的な態様により、従来の機械式スイッチ及びボタンと比較して、センサアセンブリ106を磨耗しにくくすることができる。さらに、センサアセンブリ106は、機械式スイッチ及びボタンと比較して、作動に必要な力を小さくできるので、これによって、電子デバイス102用のより容易な入力、及びより良いユーザエクスペリエンスを提供することができる。さらに、固体センサは、機械式スイッチと比較して感知方向403の必要な動きを少なくできるので、センサアセンブリ106の断面は、機械式スイッチアセンブリの断面よりも小さく(より薄く)することができる。
【0045】
他の設計上の考慮事項には、押圧位置と非押圧位置との間で移行する際に、センサカバー202の動きを分離する機能を含む。例えば、トリム204と、ディスプレイカバー112及びセンサカバー202との密接な係合により、センサアセンブリ106の検出方向403に対する横方向の動きを防止する。このように、トリム204は、センサカバー202及びディスプレイカバー112それぞれの開口部のサイズ及び形状に従ったサイズ及び形状を有する必要がある。さらに、スティフナ405は、タッチセンサ402の第2の層402bに対して強固な支持を提供する。スティフナ405は、一部の実施形態では溶接スポットである締結部材418を介してトリム204に結合される。これは、一部の場合では溶接が最も強い接合を提供し、センサアセンブリ106に設けられた限られた空間内で最も信頼できる剛性を提供することが分かったからである。上記の構造的特徴とブラケット210との組み合わせは、落下イベント時及び他の大きな力が印加される際に、センサアセンブリ106が内部空洞412内に侵入し、構成要素414と接触することを防止する。
【0046】
図4Aの実施形態では、トリム204は、ディスプレイカバー112の面取りされたエッジ411に対応する面取りされたエッジ410を有する。この面取りされた設計は、センサアセンブリ106がエンクロージャ110の内部空洞412内に侵入できないように、ハードストップを形成する。具体的には、ブラケット210及びファスナ211aは、センサアセンブリ106をディスプレイカバー112に支持し固定するが、トリム204及びディスプレイカバー112の整合した面取り形状は、センサアセンブリ106のずれ及びセンサアセンブリ106の内部空洞412への侵入を更に防止する。これらの面取りされた形状は、製造目的のための階段状の形状よりも有利であり得る。特に、階段状の形状は、面取りされた形状よりも研磨が難しい。さらに、角度付けられた幾何学形状は、階段状の形状と比較して、積層公差に関してより大きな柔軟性を可能にする。一部の実施形態では、面取りされたエッジ410及び411は、ディスプレイカバー112の外面425に対して約45度だけ、それぞれ面取りされる。一部の実施形態では、センサカバー202の外面413がディスプレイカバー112の外面425に対してわずかに凹むように(一部の場合、約100マイクロメートルだけ凹む)ように、センサアセンブリ106が設置される。センサカバー202のこの凹んだ構成は、センサアセンブリ106の不慮の作動(すなわち、偽のトリガ)を防止するのに役立ち得る。
【0047】
一部の実施形態では、センサアセンブリ106は、ユーザにフィードバックを提供するように構成される。例えば、センサアセンブリ106は、電子デバイス102に振動を引き起こす触覚アクチュエータ415(触覚構成要素と呼ぶことができる)に電気的に接続することができる。このタイプの触覚フィードバックは、時に、触覚フィードバックと呼ばれ、触覚アクチュエータ415は、触覚エンジンと呼ばれ得る。追加的に又は代替的に、センサアセンブリ106は、音響フィードバックをユーザに提供するスピーカ416に電気的に接続することができる。一部の場合では、触覚フィードバックと音響フィードバックの両方の組み合わせは、機械式ボタン又はスイッチの押下を模倣する、ユーザに対するエクスペリエンスを生成する。一実施形態では、センサアセンブリ106は、押圧されている機械式ボタンの音を模倣した、非常に静かで高ピッチかつ鮮明な音を、スピーカ416に生成させ、押圧されている機械式ボタンの感触を模倣する非常に短い振動を、触覚アクチュエータ415に生成させる。一部の場合では、触覚アクチュエータ415は、振動することができ、スピーカ416から音を付加することなく、音を生成することもできる。
【0048】
触覚アクチュエータ415及びスピーカ416は、電子デバイス102の任意の好適な部分に配置することができる。例えば、触覚アクチュエータ415は、センサアセンブリ106に対して電子デバイス102の遠位側(図示せず)に配置することができ、電子デバイス102の他の電子構成要素によって作動することができる。同様に、スピーカ416は、電子デバイス102の側壁(図示せず)上に配置することができ、ユーザに他の音(例えば、着信音及び警報)を提供するために使用することができる。すなわち、センサアセンブリ106は、他の目的のために既に電子デバイス102の構成要素である触覚アクチュエータ415及び/又はスピーカ416を作動することができる。他の実施形態では、触覚アクチュエータ415及び/又はスピーカ416は、センサアセンブリ106用の専用のフィードバック構成要素である。これらの設計では、触覚アクチュエータ415及び/又はスピーカ416をセンサアセンブリ106に隣接して配置することが有利であり得る。
【0049】
一部の実施形態では、1つ以上のシーリング機能が、外部環境からの防湿バリアを提供する。例えば、コンプライアント部材302に隣接するトリム204の内周にわたって配置されたシール420は、外部環境からの湿気が、センサカバー202とトリム204との間に入ること、及び指紋センサ304若しくはタッチセンサ402に接触すること、又は内部空洞412に入ることを、防止することができる。シール420がコンプライアント部材302に隣接して配置されるので、シール420の材料は、コンプライアント部材302の圧縮及び伸長と干渉するのを防止するのに十分に柔軟でなければならない。一部の場合では、シール420は、シリコーンベース接着剤などの、非常に柔軟なポリマー接着剤で構成される。
【0050】
シール421により、トリム204とディスプレイカバー112との間の内部空洞412に、湿気が浸入するのを防ぐことができる。一部の場合では、シール421は、トリム204の外周にある溝422内に配置されたOリングの形態である。シール421がOリングである場合、センサアセンブリ106内及びその周りに空間が非常に制限されているため、Oリングの直径を、従来製法のものよりも小さくする必要があり得る。特定の実施形態では、Oリングシール421の直径は、約0.5ミリメートル未満である。
【0051】
図4Bは、一部の実施形態に係る、触覚アクチュエータ415及びスピーカ416に関連するセンサアセンブリ106の位置を示す、デバイス102の一部の上面図を示す。図示するように、触覚アクチュエータ415及びスピーカ416は、エンクロージャ110内に収容された別個の電子構成要素とすることができる。一部の場合では、触覚アクチュエータ415及びスピーカ416は、センサアセンブリ106に近接して、かつ、センサアセンブリ106の下に部分的に配置される。一部の例では、触覚アクチュエータ415及びスピーカ416は、センサアセンブリ106によって専ら指示される以外の機能をそれぞれ果たす。例えば、触覚アクチュエータ415は、ディスプレイ417に接触するユーザからのタッチ入力、又はデバイス102(例えば、電話、テキストメッセージ、警報など)によって命令される他の好適な信号などの、ユーザからの他のタイプの入力に応じて、ユーザに(例えば、エンクロージャ112を振動させることによって)触覚フィードバックを提供することができる。一部の場合では、触覚アクチュエータ415は、振動すると音を発生し、それによって音響フィードバックもユーザに提供する。スピーカ416は、音を生成するように配置することができ、この音はエンクロージャ110内の1つ以上の開口部419を通じて導かれ。スピーカ416は、デバイス102によって指示された任意の好適な信号(例えば、ユーザ入力、電話コール、テキストメッセージ、アラームなど)に応じて、音427を生成することができる。このように、触覚アクチュエータ415及びスピーカ416は、複数の用途をそれぞれ有することができ、センサアセンブリ106のサービスにだけ専用のものではない。しかしながら、一部の実施形態では、触覚アクチュエータ415及びスピーカ416は、センサアセンブリ106からの信号に応答するために完全に専用とされている。
【0052】
デバイス102の触覚アクチュエータ415及びスピーカ416の位置は、設計上の必要性に応じて変化させることができ、
図4Bに描く位置に限定されないことに留意されたい。一部の設計では、触覚アクチュエータ415の振動及びスピーカ416のノイズをセンサアセンブリ106の押圧に、ユーザがより容易に関連付けることができるように、触覚アクチュエータ415及びスピーカ416をセンサアセンブリ106に近接して配置することが有利であり得る。しかしながら、一部の場合では、触覚アクチュエータ415及びスピーカ416を、デバイス102内の異なる位置に配置することが有利であり得る。例えば、一部の設計では、触覚アクチュエータ415及びスピーカ416の一方又は両方を、センサアセンブリ106の位置よりもデバイス102の反対側に配置することができる。さらに、触覚アクチュエータ415及びスピーカ416の数は、所望のユーザエクスペリエンス及び設計要件に応じて変化することができる。
【0053】
図5は、一部の実施形態に係る、センサアセンブリ506を含む電子デバイス500の一部の断面図を示す。センサアセンブリ506は、エンクロージャ部512の開口部内に組み立てられている。一部の実施形態では、エンクロージャ部512は、電子デバイス500のディスプレイアセンブリを覆うディスプレイカバーに相当する。センサアセンブリ506は、指紋センサ524及びタッチセンサ522を含む。指紋センサ524は、センサカバー502を通じて、ユーザの指紋特徴を認識するように構成される。タッチセンサ522は、センサカバー502の外面513にタッチしているユーザの指からなどの入力を検出するように構成される。タッチセンサ522は、タッチ入力を検出できる任意の好適な固体センサであってもよい。一部の実施形態では、タッチセンサ522は、1つ以上の容量性センサ、圧電性センサ、及びピエゾ抵抗性センサを含む。センサアセンブリ506の小さな断面は、電子構成要素514などの他の構成要素に対して、エンクロージャ512内により多くの空間を与える。
【0054】
トリム504は、センサカバー502の周囲を取り囲み、センサカバー502の動きを、押圧位置と非押圧位置との間で分離する。具体的には、トリム504は、センサカバー502の感知方向503への(タッチセンサ522に向かう)移動、及び感知方向503とは反対方向への(タッチセンサ522から離れる)移動を制限するように、センサカバー502の横方向の移動を防止する。適合部材508は、センサカバー502とトリム504のレッジ532との間に配置される。コンプライアント部材508は、単一部品又は複数の部品(例えば、
図3Aのコンプライアント部材302を参照)の形態であってもよい。ユーザがセンサカバー502の外面513に力を加えると、コンプライアンント部材508の厚さtがそれに応じて圧縮される。コンプライアンント部材508は、センサカバー502を押圧位置から非押圧位置に戻す復帰力を提供するように構成されている。
【0055】
センサカバー502は、タッチセンサ522の第1の層522aに結合され、スティフナ505は、タッチセンサ522の第2の層522aに結合される。スティフナ505は、トリム504を介してエンクロージャ部512に強固に結合され、それによってエンクロージャ部512に対して第2の層522bを固定状態に維持する。このように、センサカバー502が力に応じて感知方向503に押圧位置に移動すると、第1の層522aと第2の層522aとの間のギャップ506の距離dが減少し、それによってタッチセンサ502内に電圧又は容量の変化を引き起こす。一部の場合では、この電圧又は容量の変化により、タッチセンサ502に、1つ以上の構成要素を作動する信号を生成させる。コンプライアント部材508がセンサカバー502を非押圧位置に戻すと、ギャップ506は元の距離dに戻り、それによって電圧又は容量が元の電圧に戻る。一部の場合では、電圧又は容量の変化により、タッチセンサ502に、1つ以上の構成要素を非作動にする、及び/又は1つ以上の他の構成要素を作動する信号を生成させる。
【0056】
一部の実施形態では、センサアセンブリ506は、触覚アクチュエータ515及び/又はスピーカ516に電気的に接続される。この構成により、ユーザからのタッチイベントが、ユーザへの触覚及び/又は音響フィードバックに関連付けられることを可能にする。例えば、センサアセンブリ106は、スピーカ516にクリック音を生成させ、及び/又は触覚アクチュエータ515に機械式スイッチの押圧をシミュレーションする非常に短い振動を生成させることができる。触覚アクチュエータ515及びスピーカ516は、センサアセンブリ506自体の一部であってもよく、電子デバイス500の異なる領域に位置させてもよい。
【0057】
図6は、電子デバイス内にセンサアセンブリを組み立てるための工程を示すフローチャートを示す。602において、トリムが、センサアセンブリのセンサカバーの周囲にわたって配置される。センサカバーは、丸形、矩形、三角形、楕円形又は他の好適な形状を有することができ、トリムは対応する形状のアパーチャを有する。604において、1つ以上の防湿シールがトリムの周りに配置される。一実施形態では、防湿シールはOリング形状を有し、トリムの外周の溝内に配置される。防湿シールは、シリコーン又は他のポリマー材料などのコンプライアント材料で構成することができる。
【0058】
606において、センサアセンブリが、電子デバイス用のエンクロージャの開口部内に配置される。センサアセンブリは、電子デバイス用の透明なガラスディスプレイカバー、又はエンクロージャの不透明な金属若しくはプラスチック壁などの、エンクロージャの壁内に組み立てることができる。開口部は、その両者間のタイトフィットが達成されるように、トリムの外周の形状に対応する形状を有するべきである。一部の場合では、センサアセンブリは、開口部の上側から組み立てられ、他方、ブラケットは、開口部201の下側から組み立てられる。一部の場合では、これは、トリムとセンサカバーを開口部内にぴったりと調整する前に、開口部内にセンサアセンブリのケーブル部を曲げて通すことを含む。一部の場合では、センサカバーの上面は、エンクロージャの上面に対して凹んでいる。
【0059】
608において、センサアセンブリがエンクロージャに固定される。一部の実施形態では、ブラケットは、エンクロージャに対してセンサアセンブリの底部を支持する。ネジ又は溶接などのファスナを使用して、ブラケット及びセンサアセンブリをエンクロージャに固定することができる。一部の場合では、ファスナは、トリムとエンクロージャとの間の面取りされた境界面が互いにしっかりと係合するように締め付けられる。
【0060】
図7A~7Cは、一部の実施形態に係る、センサアセンブリの実装構成の断面図を示す。
図7Aは、電子デバイス700内に完全に組み立てられたセンサアセンブリ706を示す。センサアセンブリ706は、トリム704によって取り囲まれた周囲部を有するセンサカバー702を含む。トリム704は、センサカバー702とエンクロージャ部712との間に配置され、これらと係合する。一部の実施形態では、エンクロージャ部712は、電子デバイス700のディスプレイアセンブリを覆うディスプレイカバーに相当する。図示するように、トリム704は、エンクロージャ部712の対応する面取りされたエッジ708と係合する、面取りされたエッジ707を有する。一部の場合では、面取りされたエッジ707及び708の形状は、エンクロージャ712の外面713に対して、センサカバー702の外面711が凹むように選択される。
図7Aに示す面取りされたエッジの実装構成は、上述した
図4Aのものと同様である。
【0061】
図7Aの実装構成の利点の1つは、トリム704の面取りされたエッジ707が、センサカバー702をその全周囲にわたって固定することができ、それによってユーザがセンサアセンブリ706を内部空洞715に押し込めたり、又は電子部品714上に圧力をかけたりできることを防止することである。これは、電子部品714がシリコンチップなどの比較的脆弱な部品を含む場合に、特に重要であり得る。一部の実施形態では、電子構成要素714は、ディスプレイアセンブリの一部としてのドライバを含む。たとえ電子デバイス700が落下イベント又は他の高衝撃イベントを経験しても、センサアセンブリ706が、空洞715内に侵入したり、又は電子構成要素714上に著しい圧力をかけたりしないように、面取りされたエッジ707及び708は、センサアセンブリ706を完全に固定する。
図7Aの実装構成の別の利点は、面取りされたエッジ707及び708が、ユーザの指からの圧力を感知方向703に制限できることである。
【0062】
図7Bは、電子デバイス720内に組み立てられたセンサアセンブリ726を示す。トリムの代わりに、センサアセンブリ726は、バックプレート724によって支持される。バックプレート724は、センサカバー722及びエンクロージャ部732の両方に結合され、センサ726及び727の下方に配置される。一部の実施形態では、センサ726はタッチセンサの一部に相当し、センサ727は指紋センサの一部に相当する。バックプレート724は、接着剤によって、又はインサート成形工程からの係合によって、エンクロージャ部732及び/又はセンサカバー722に結合することができる。例えば、バックプレート724は、エンクロージャ部732上に成形されたプラスチック材料で構成することができる。一部の実施形態では、センサカバー722の外面731は、エンクロージャ部732の外面733に対して凹んでいる。
【0063】
図7Bの実装構成の利点の1つは、バックプレート724をユーザに見えないようにでき、バックプレート724が一部の用途において審美上の利点を提供できることである。さらに、この構成により、ユーザの指からの圧力を感知方向723に制限できる。さらに、その位置により、センサアセンブリ726が内部空洞735内に侵入したり、電子構成要素734に接触したりしないように、バックプレート724は、センサアセンブリ726に対して強力な支持を提供することができる。しかしながら、この構成は、トリムを含む実施形態よりも、センサアセンブリ726の上部においてさほど大きな支持を提供しないことがある。しかしながら、この要因は、電子デバイス720の特定の用途及び他の設計上の考慮事項によっては、重要ではない場合がある。
【0064】
図7Cは、電子デバイス720内に組み立てられたセンサアセンブリ746を示す。この実施形態では、エンクロージャ部752は、電子デバイス740のディスプレイアセンブリを覆うディスプレイカバーに相当する。特定の実施形態では、エンクロージャ部752の少なくとも一部は、下方にあるディスプレイがエンクロージャ部752を通して視認可能なように、少なくとも部分的に透明である。別個のセンサカバーの代わりに、エンクロージャ部752がセンサアセンブリ746を覆う。すなわち、エンクロージャ部752の一部が、センサカバーとして作用する。一部の実施形態では、センサアセンブリ746を覆う部分は、エンクロージャ部752内に凹部742を提供するように、局所的に薄くされる。凹部742は、ユーザがエンクロージャ部752にタッチする時、及びユーザがセンサアセンブリ746を位置特定できるようにガイドとして振る舞う時に、ユーザによって検出可能(一部の場合では、ユーザによって視覚的に検出可能)であってもよい。他の実施形態では、凹部742は、エンクロージャ部752の内面(すなわち、センサ747に隣接するエンクロージャ部752の背面)内に配置される。
【0065】
図7Cの実装構成の利点の1つは、エンクロージャ部752が、電子デバイス740のディスプレイ及びセンサアセンブリ746を覆う連続的な表面を提供することである。これにより、シールを使用することなく、液体又は他の薬剤からセンサアセンブリ746を良好に保護することができる。さらに、エンクロージャ部752の連続面は、一部の用途において審美的に魅力を発揮できる。しかしながら、この構成は、感知方向743におけるセンサアセンブリ746の動きを制限することがある。具体的には、エンクロージャ部752がセンサアセンブリ746を覆うので、センサアセンブリ746の感知方向743への移動は、エンクロージャ部752の材料のたわみに依存し、このたわみが、感知方向743への移動量を制限することがある。エンクロージャ部752の材料に依存するので、これによって、ユーザがセンサアセンブリ746を十分に押圧して作動させることがより困難になる場合があり得る。さらに、エンクロージャ部752の材料が十分にフレキシブルである場合、ユーザのタッチ入力が、センサアセンブリ746を内部空洞755内に侵入させるか、又は電子構成要素754に接触させる可能性がある。しかしながら、これらの要因は、電子デバイス740の特定の用途及び他の設計上の考慮事項によっては、重要ではない場合がある。
【0066】
図8A~8Eは、一部の実施形態に係る、センサアセンブリのシーリング構成の断面図を示す。
図8Aは、電子デバイス800のエンクロージャ部812の開口部内に配置されたセンサアセンブリ806を示す。簡略化のため、センサアセンブリ806及びトリム804は、単一のブロックとして図示されている。挿入
図802は、トリム804とエンクロージャ部812との間の、シール808が配置される境界面領域の詳細図を示す。シール821は、トリム804とエンクロージャ部812との間に、湿気が浸入するのを防止する。一部の場合では、シール821は、トリム804の外周にある溝810内に配置されたOリングの形態である。
図8Aに示す実施形態は、
図4Aのものと同様のシーリング構成を有する。
【0067】
図8Bは、電子デバイス820のエンクロージャ部832の開口部内に配置されたセンサアセンブリ826を示す。簡略化のため、センサアセンブリ826及びトリム824は、単一のブロックとして図示されている。挿入
図822は、トリム824とエンクロージャ部832との間の、接着剤828が配置される境界面領域の詳細図を示す。上述のシール810のように、接着剤828は、トリム824とエンクロージャ832との間に、湿気が入るのを防止する。接着剤828は、熱活性フィルム、感圧接着剤、液体接着剤、又は他の好適な接着材料のうちの1つ以上を含む、任意の適切な接着剤で構成することができる。一部の実施形態では、トリム834は、接着剤828を収容する溝830を含む。
【0068】
図8Cは、電子デバイス840のエンクロージャ部852の開口部内に配置されたセンサアセンブリ846を示す。簡略化のため、センサアセンブリ846及びトリム844は、単一のブロックとして図示されている。挿入
図842は、トリム844とエンクロージャ部852との間の、接着剤848が配置される境界面領域の詳細図を示す。シール848は、トリム844とエンクロージャ部852との間に、湿気が侵入するのを防止する。接着剤848は、熱活性フィルム、感圧接着剤、液体接着剤、又は他の好適な接着材料のうちの1つ以上を含む、任意の適切な接着剤で構成することができる。
図8Cの実施形態では、接着剤848は、トリム844とエンクロージャ部852との間の空間850内に配置される。空間850の大きさは、トリム844の面取り853と、エンクロージャ部852の面取り855とのオフセットに依存する。一実施形態では、トリム844の面取り853は、エンクロージャ部852の面取り855よりも大きい。
【0069】
図8Dは、電子デバイス860のエンクロージャ部872の開口部内に配置されたセンサアセンブリ866を示す。簡略化のため、センサアセンブリ866及びトリム864は、単一のブロックとして図示されている。挿入
図862は、トリム864とエンクロージャ部872との間の境界面領域の詳細図を示す。ガスケット868は、トリム864及びエンクロージャ部872の内面上に配置され、トリム864とエンクロージャ部872との間に湿気が浸入することを防止するように構成される。ガスケット868は、シリコーンなどの1つ以上のポリマー材料を含む任意の好適な材料で構成することができる。一部の場合では、ガスケット868は、接着剤によって、トリム864及び/又はエンクロージャ部872の内面に接着される。一部の実施形態では、ガスケット868は防水プラスチックで構成され、接着剤の積層を介して、トリム864及びエンクロージャ部872の内面に接着される。ガスケット868はエンクロージャの内部からアクセスできるので、この構成は、センサアセンブリ866を組み立てる前又は後に、ガスケット868を組み立てることを可能にする。
【0070】
図8Eは、電子デバイス880のエンクロージャ部892の開口部内に配置されたセンサアセンブリ886を示す。簡略化のため、センサアセンブリ886及びトリム884は、単一のブロックとして図示されている。挿入
図882は、トリム884とエンクロージャ部892との間の境界面領域の詳細図を示す。ポッティング888は、トリム884及びエンクロージャ部892の内面上に配置され、トリム884とエンクロージャ部892との間に湿気が浸入することを防止するように構成される。ポッティング888は、トリム864及び/又はエンクロージャ部872の内面に塗布される1つ以上の接着材料を含むことができる。ポッティング888は、ポッティング888の一部がトリム864及び/又はエンクロージャ部872の間を流れるように、十分に流動可能な状態で塗布すべきである。いったん乾燥され硬化すると、ポッティング888は十分なシーリングを提供する。ポッティング888は、センサアセンブリ886を組み立てる前又は後に適用することができる。
【0071】
図9A~9Cは、一部の実施形態に係る、トリムレスセンサアセンブリ構成を有する電子デバイス900の断面図及び上面図を示す。
図9A及び9Bは、センサアセンブリ906を有する電子デバイス900の一部の上面図を示す。
図9Aは、センサカバー902を備えるセンサアセンブリ906を示し、
図9Bは、センサカバー202を備えないセンサアセンブリ906を示す。
図9Cは、
図9AのB-Bにおける断面図を示す。
【0072】
図9Aは、センサカバー902がディスプレイカバー912に隣接しており、それらの間にトリムがないことを示す。
図9Bは、センサ構成要素904がセンサカバー902の下方に配置されていることを示す。一部の実施形態では、センサ構成要素904は、指紋センサ又はタッチセンサである。センサ構成要素904を取り囲んでいるのは、実装リング916であり、実装リング916は、圧縮性ガスケット932によって取り囲まれている。
【0073】
図9Cは、センサカバー902が、トリムなしでディスプレイカバー912に隣接しており、ディスプレイカバー912が、エンクロージャ部910に結合されていることを示す。実装リング916は、センサカバー902を支持し、センサカバー902とスティフナ905との間に配置される。センサアセンブリ906は、ファスナ911によって、ディスプレイカバー912に結合されている。一部の実施形態では、実装リング916は、センサカバー902の外面913における指の存在を容量的に感知する導電性材料(例えば、金属)で構成される。すなわち、実装リング916は、センサカバー902を通じて指の存在を容量的に検出するように構成されている。
【0074】
圧縮性ガスケット932は、センサカバー902とディスプレイカバー912のレッジ918との間に配置される。圧縮性ガスケット932は、1つ以上のポリマー又は接着剤を含む、任意の好適な圧縮性材料から作ることができる。一部の実施形態では、圧縮性ガスケット932は、圧縮性材料の層で構成される。圧縮性ガスケット932は、単一の部品の形態であってもよいし、複数の部品を有してもよい。一部の場合では、圧縮性ガスケット932は、丸形のセンサカバー902に対応する丸形リング形状を有する。ユーザがセンサカバー902の外面913にタッチすると、圧縮性ガスケット932の厚さが感知方向903において減少する。この力は、第1の容量層922aに伝達され、それによって、第1の容量層922aと第2の容量層922bとの間の距離が減少する。これは、次いで、タッチセンサ922の電圧又は容量の変化を引き起こす。次いで、タッチセンサ922は、電子デバイス900の1つ以上の電気回路を作動する信号を生成する。圧縮性ガスケット932は、センサカバー902をその非押圧位置に戻す抵抗力(感知方向903とは反対の)を提供するコンプライアントな材料により構成される。いったんセンサカバー902が非押圧位置に戻ると、圧縮性ガスケット932はその全厚に戻る。
【0075】
図10A~10Dは、一部の実施形態に係る、振動するように構成されたセンサアセンブリ1006の断面図及び上面図を示す。
図10Aは、センサアセンブリ1006を有する電子デバイス1000の一部の上面図を示す。
図10Bは、
図10AのC-Cにおける断面図を示す。
図10Cは、
図10BのD-Dにおける断面図を示す。
図10Dは、
図10BのE-Eにおける断面図を示す。
【0076】
図10Aは、圧電アクチュエータ1001がセンサアセンブリ1006に隣接して配置されていることを示す。圧電アクチュエータ1001は、ユーザがセンサカバー1002にタッチすることに応じて、センサアセンブリ1006を振動させるように構成されている。
図10Bは、センサカバー1002の周囲が、固定トリム1004によって取り囲まれた可動トリム1008によって取り囲まれていることを示す。可動トリム1008は、コンプライアントポリマー(例えば、シリコーン)などの圧縮性かつ柔軟な材料で構成することができる。固定トリム1004は、金属などの、相対的に硬質の材料で作製することができる。一部の実施形態では、固定トリム1004は金属リングに相当する。一部の場合では、固定トリム1004は、ディスプレイカバー1012の面取りされたエッジと係合する面取りされたエッジを有する。
【0077】
シール1011は、可動トリム1008と固定トリム1004との間に配置され、可動トリム1008と固定トリム1004との間に水又は他の液体が入るのを防止するように構成されている。一部の実施形態では、シール1011は、フレキシブルポリマーなどの圧縮性材料で構成される。シール1011の形状及びサイズは、センサアセンブリ1006内の空間制限に従う。一部の実施形態では、シール1011はOリング形状を有する。一部の実施形態では、可動トリム1008は溝1013を有し、固定トリム1004はシール1011を収容する溝1015を有する。センサ構成要素1014は、ユーザの指紋の特徴を検出する指紋センサ、及び/又はユーザのタッチを検出するタッチセンサなど、1つ以上のセンサの一部に相当することができる。
【0078】
ディスプレイカバー1012はカバーフレーム1015によって支持され、カバーフレーム1015はエンクロージャ部1010に結合される。一部の実施形態では、カバーフレーム1015は、ポリアミドで強化されたガラス繊維などのガラス繊維強化材料で構成される。フランジ1016は、ディスプレイカバー1012とカバーフレーム1015との間に配置され、ディスプレイカバー1012に対して特別な支持を提供する。一部の実施形態では、フランジ1016は、ステンレス鋼などの剛性金属で構成される。保持ポスト1017は、センサ構成要素1014の下方に配置される。ブラケット1019は、圧電アクチュエータ1001に結合された固定アクチュエータビーム1020を支持する。センサ構成要素1014がユーザからのタッチを検出すると、センサ構成要素1014は、圧電アクチュエータ1001を作動する信号を生成する。次いで、圧電アクチュエータ1001は、センサアセンブリ1006の一部を平面Zに沿って上下に移動させる(すなわち、振動させる)。例えば、圧電アクチュエータ1001は、ユーザが入力に応じてセンサカバー1002が振動するのを感じるように、センサアセンブリ1006を動かすように構成することができる。すなわち、センサアセンブリ1006は、ユーザが感じることができ、かつ、センサアセンブリ1006が作動されたことをユーザに知らせる、触覚フィードバック(出力)を提供することができる。
【0079】
図10Cの断面図は、保持ポスト1017が保持クリップ1025によってブラケット1019に固定できることを示す。ブラケット1019は、溶接1022を介して固定トリム1004に結合される。保持ポスト1017は、可動トリム1008に結合され、これを支持する。
図10Dの断面図は、固定アクチュエータビーム1020がブラケット1019によって固定して保持されることを示す。弾性であるが剛性の材料(例えば、金属)で構成され得る屈曲ドーム1021は、一端が溶接部1026を介してコネクタ1024に、他端が溶接部1030を介して固定アクチュエータビーム1020に結合される。コネクタ1024は、圧電アクチュエータ1001(図示せず)に結合される。センサ構成要素1014が入力を検出すると、センサ構成要素1014は、圧電アクチュエータ1001を作動する信号を生成する。これに応じて、圧電アクチュエータ1001は、コネクタ1024をプッシュ方向1029に押圧する。コネクタ1024は、固定アクチュエータビーム1020に沿ってスライドし、屈曲ドーム1021を屈曲させて、スティフナ1027を押し上げて解放する。次いで、スティフナ1027は、可動トリム1008を圧縮及び伸長させ、それによってセンサカバー1002を平面Zに沿って上下に移動させる(すなわち、振動させる)。
【0080】
図11A~11Cは、一部の実施形態に係る、異なる検出構成を有するセンサアセンブリの断面図を示す。
図11A~11Cの実施形態は、さほど局所化されていないベース(すなわち、センサカバーのちょうど真下ではない)での力入力の検出を可能にする構造を含む。
【0081】
図11Aは、センサアセンブリ1106を含む電子デバイス1100を示す。センサアセンブリ1106は、トリム1104によって取り囲まれ、かつ、ディスプレイカバー1112内の開口部内に配置されたセンサカバー1102を含む。ディスプレイカバー1112は、エンクロージャ部1110に結合されている。ブラケット1119は、センサアセンブリ1106をエンクロージャ部1110に固定する。指紋センサ1105は、センサカバー1102を介して、ユーザの指紋特徴を認識するように構成されている。センサアセンブリ1106は、アクティブ領域ベースの力感知構成を有する。具体的には、ユーザがセンサカバー1112上をタッチ又は押圧すると、その力はディスプレイカバー1112をたわませ、それによってディスプレイカバー1112と構成要素1114との間の距離1108を減少させる。これにより、ディスプレイカバー1112と構成要素1114との間に配置された力センサ1118(例えば、フレックス容量性センサ)が作動される。この構成により、センサカバー1102の周囲領域における感知が可能になる。
【0082】
図11Bは、センサアセンブリ1126を含む電子デバイス1120を示す。センサアセンブリ1126はセンサカバー1122を含み、センサカバー1122は、トリム1124によって取り囲まれ、かつ、ディスプレイカバー1132内の開口部内に配置されている。ディスプレイカバー1132は、エンクロージャ部1130(エンクロージャ部1130a及び1130bを含む)に結合される。ブラケット1139は、センサアセンブリ1126をエンクロージャ部1130a及び1130bに固定する。指紋センサ1125は、センサカバー1122を通じて、ユーザの指紋特徴を認識するように構成される。センサアセンブリ1126は、ディスプレイカバー対エンクロージャの感知構成を有する。具体的には、ユーザがセンサカバー1122上をタッチ又は押圧すると、その力はディスプレイカバー1132をたわませ、それによってブラケット1139とエンクロージャセクション1130aとの間の距離1128を減少させる。これにより、ブラケット1139とエンクロージャ部1130aとの間に配置された力センサ1129(例えば、フレックス容量性センサ)が作動される。
【0083】
図11Cは、センサアセンブリ1146を含む電子デバイス1140を示す。センサアセンブリ1146は、トリム1144によって取り囲まれ、かつ、ディスプレイカバー1152内の開口部内に配置されたセンサカバー1142を含む。ディスプレイカバー1152は、エンクロージャ部1150に結合される。ブラケット1159は、センサアセンブリ1146をエンクロージャ部1150に固定する。指紋センサ1145は、センサカバー1142を通じて、ユーザの指紋特徴を認識するように構成されている。センサアセンブリ1146は、外部モジュールベースの力感知構成を有する。具体的には、ユーザがセンサカバー1142上をタッチ又は押圧すると、その力はディスプレイカバー1132をたわませ、それによって感知アセンブリ1146とブラケット1159との間の距離1158を減少させる。一部の実施形態では、距離1158は、センサアセンブリ1146のスティフナ1148とブラケット1159との間にある。これにより、感知アセンブリ1146とブラケット1159との間に配置された力センサ1149(例えば、フレックス容量性センサ)が作動される。
【0084】
図11Dは、一部の実施形態に係る、
図11Cのセンサアセンブリ1146構成内に組み込まれたブラケット1159の斜視図を示す。ブラケット1159は、ディスプレイカバー1152の小さな相対的たわみからの信号を改善できるレリーフカット1155を含む。一部の実施形態では、ブラケット1159は、導電性部分1153(例えば、金属からなる)、及び導電性部分1153を電気的に絶縁する非導電性部分1157(例えば、プラスチック)を含むことができる。図示するように、非導電部1157は、ファスナ(図示せず)用の開口部1151を含むことができる。ブラケット1159は単一の部品として図示されている。しかしながら、他の実施形態では、複数の部品を有するブラケットが使用される。
【0085】
図12A及び12Bは、一部の実施形態による、ボンディング作業前及びボンディング作業中のセンサアセンブリ1206を備えた電子デバイスの一部の断面図をそれぞれ示す。
図12Aは、ボンディング作業の前のセンサアセンブリ1206を示し、ここで、コンプライアント部材1208は、センサカバー1202とトリム1204との間に配置されている。一部の実施形態では、コンプライアント部材1208は、シリコーン又は他のポリマーなどの柔軟な又は弾性の材料の1つ以上の層を含む。
図3のコンプライアント部材302を用いて上述したように、コンプライアント部材1208は、1つの部品であってもよく、又は別個の部品(例えば、矩形形状のセンサ構成要素を収容するための4つの円のセグメント形状部品)を含んでもよい。しかしながら、コンプライアント部材1208は、任意の好適な形状を有し、任意の好適な数の部品を含むことができることに留意されたい。コンプライアント部材1208をセンサカバー1202及びトリム1204に固定するために、コンプライアント部材1208とセンサカバー1202との間に接着剤層1209aが塗布され、コンプライアント部材1208とトリム1204のレッジ1218との間に接着剤層1209bが塗布される。接着剤層1209a及び1209bは、熱活性フィルム、感圧接着剤、液体接着剤、又は他の好適な接着材料の層などの、任意の1つ以上の好適な接着材料を含むことができる。
【0086】
図12Bは、ボンディング作業中のセンサアセンブリ1206を示し、ここで、トリム1204のレッジ1218に向かってセンサカバー1202に力が加えられる。図示するように、接着剤層1209a及び1209bが液体又は半液体の形態である場合、接着剤層1209a及び1209bは、コンプライアント部材1208の側面の周りに、オーバーフロー1212を引き起こす可能性がある。接着剤層1209a及び1209bが乾燥して硬化した後、オーバーフロー1212は、コンプライアント部材1208の材料よりも硬くなり、コンプライアント部材1208の柔軟性を低下させる可能性がある。
【0087】
図13A~13Fは、接着剤オーバーフロー1212の発生を防止するためのセンサアセンブリ構成を示す。
図13Aは、センサアセンブリ1306を有する電子デバイスの一部の上面図及び断面A-A図を示す。上面図は、センサカバー1302のないセンサアセンブリ1306を示し、それによってセンサ構成要素1305(例えば、指紋センサ)を露出させる。断面A-A図は、センサカバー1302とトリム1304のレッジ1307との間に配置されたコンプライアント部材1308を示す。接着剤層1309aの厚さt1及び接着剤層1309bの厚さt2はそれぞれ、オーバーフローの発生を排除又は低減するのに十分に薄く、コンプライアント部材1308をセンサカバー1302及びトリム1304に接着するのには十分に厚い。一部の実施形態では、接着剤層1309a及び1309bの合計厚さ(t1+t2)は、約20マイクロメートルである。
【0088】
図13Bは、センサアセンブリ1316を有する電子デバイスの一部の上面図及び断面B-B図を示す。上面図は、センサカバー1312を備えないセンサアセンブリ1316を示し、それによってセンサ構成要素1315(例えば、指紋センサ)を露出させる。断面B-B図は、センサカバー1312とトリム1314のレッジ1307との間に配置されたコンプライアント部材1318を示す。この実施形態では、接着剤層1319a及び1319bの合計厚さ(t3+t4)は、
図13Aを参照して上述した接着剤層1309a及び1309bの合計厚さ(t1+t2)よりも大きい。このより多い量の接着材料は、より薄い接着剤層と比較して、コンプライアント部材1318のセンサカバー1302及びトリム1304への接着強度を増大させることができる。一部の実施形態では、合計厚さ(t3+t4)は、約20マイクロメートルである。しかしながら、一部の場合では、これらの厚さt3及びt4がより大きくなると、
図2Bを参照して上述したように、コンプライアント部材1318のエッジの周りにわたってオーバーフローのリスクを増加させる可能性がある。
【0089】
図13Cは、センサアセンブリ1326を有する電子デバイスの一部の上面図及び断面C-C図を示す。上面図は、センサカバー1322を備えないセンサアセンブリ1326を示し、それによってセンサ構成要素1325(例えば、指紋センサ)を露出させる。断面C-C図は、トリム1328のセンサカバー1322とレッジ1327との間に位置するコンプライアント部材1324を示す。ボンディング作業中に力を加える前(例えば、
図2Bを参照)、接着剤層1329aは、コンプライアント部材1328よりも覆う表面積が小さく、接着剤層1329bよりも接着材料の量が少ない。この構成により、コンプライアント部材1328の上部エッジにおけるオーバーフローの量を排除又は低減することができる。具体的には、ボンディング作業中に力が加えられると、接着剤層1329a及び1329bの両方が、コンプライアント部材1328のエッジに向かって広がることになる。接着剤層1329aは量がより少ないので、接着剤層1329aがオーバーフローすることはなく、又はオーバーフローすることはほとんどない。この構成は、コンプライアント部材1328をトリム1324に適切に接着させるのに必要な接着材料の量と比較して、コンプライアント部材1328をセンサカバー1322に適切に接着させるのに必要な接着材料の量が少ない実施形態において、有用であり得る。
【0090】
図13Dは、センサアセンブリ1336を有する電子デバイスの一部の上面図及び断面D-D図を示す。上面図は、センサカバー1332のないセンサアセンブリを示し、それによってセンサ構成要素1335(例えば、指紋センサ)を露出させる。断面D-D図は、センサカバー1332とトリム1334のレッジ1337との間に配置されたコンプライアント部材1338を示す。この実施形態では、両方の接着剤層1339a及び1339bは、コンプライアント部材1338よりも覆う表面積が小さく、
図3A又は
図3Bの実施形態よりも、接着材料の量が少ない。この構成により、ボンディング作業中にいったん力が加えられると(
図2Bを参照)、コンプライアント部材1338の上部及び下部エッジにおけるオーバーフロー量を排除又は低減することができる。しかしながら、接着剤層1339a及び1339bが、コンプライアント部材1338をセンサカバー1332及びトリム1334と適切に接合するのに十分な量を有することを確実にするように注意すべきである。一部の場合では、これは製造プロセス中の公差を増加させることを意味し得る。
【0091】
図13Eは、センサアセンブリ1346を有する電子デバイスの一部の上面図及び断面E-E図を示す。上面図は、センサカバー1342を備えないセンサアセンブリ1346を示し、それによってセンサ構成要素1345(例えば、指紋センサ)を露出させる。断面E-E図は、センサカバー1342とトリム1344のレッジ1347との間に配置されたコンプライアント部材1348を示す。この実施形態では、接着剤層1349a及び1349bは交互に配置されている。特に、接着剤層1349aは、コンプライアント部材1348の第1の端部1341に近接して配置され、接着剤層1349bは、コンプライアント部材1348の第2の端部1343に近接して配置される。一部の場合では、接着剤層1349a及び1349bは、コンプライアント部材1348の中央部分1340においてオーバーラップしない。ボンディング作業中に力が加えられると、いかなるオーバーフローも、コンプライアント部材1348の反対側の端部(すなわち、第1の端部1341及び第2の端部1343)に向かうことになる。これにより、コンプライアント部材1348のエッジにおいて接着剤層1349a及び1349bのオーバーフローの何れかが結合することを防止する。接着剤層が交互に配列された構成であっても、ボンディング作業中に加えられる負荷が等しくなるように、注意すべきことに留意されたい。
【0092】
図13Fは、センサアセンブリ1356を有する電子デバイスの一部の上面図及び断面F-F図を示す。上面図は、センサカバー1352のないセンサアセンブリ1356を示し、それによってセンサ構成要素1355(例えば、指紋センサ)を露出させる。断面F-F図は、センサカバー1352とトリム1354のレッジ1357との間に配置されたコンプライアント部材1358を示す。この実施形態では、コンプライアント部材1358は、ボンディング作業中に接着剤層1259aが流入するための空間を提供する溝に対応する凹部1353を含み(例えば、
図12Bに示すように)、これによってコンプライアント部材1358の外縁にわたって接着材料のオーバーフローを防止する。さらに、この構成は、コンプライアント部材1358の表面における接着剤層1259aの均一な分布を向上させることができる。凹部1353は、任意の好適な形状を有することができ、
図13Fに示す細長い溝形状に限定されない。例えば、凹部は、円形、三角形、長方形、及び/又は山型とすることができる。一部の実施形態では、接着剤層1259bを収容するために、凹部は、コンプライアント部材1358の反対側上にある。一部の実施形態では、コンプライアント部材1358の2つの側面は、接着剤層1259a及び接着剤層1259bを収容するための凹部を含む。
【0093】
前述の説明は、説明の都合上、説明した実施形態の完全な理解をもたらすために特定の専門用語を使用している。しかしながら、記載した実施形態を実施するために、特定の詳細は必要でないことが、当業者には明らかであろう。したがって、本明細書に記載の特定の実施形態についての前述の記載は、例示及び説明のために提示されている。これらの記載は、実施形態全てを網羅すること、又は実施形態を開示された正確な形態に限定することを、意図するものではない。上記の教示を考慮すれば、多くの変更及び変形が可能であることが、当業者には明らかであろう。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子デバイスであって、
壁を備えるハウジングであって、前記ハウジングは第1開口と、第2開口と、内部体積と、を規定する、ハウジングと、
前記ハウジングによって支持されたプロセッサと、
前記内部体積の中に少なくとも部分的に配置され、前記第1開口を通じて音を導くために位置するスピーカと、
前記第2開口の中に位置し、前記プロセッサと通信するセンサアセンブリであって、
アクセス可能かつ移動可能な外面を規定するセンサカバーと、
前記外面の第1移動を検出可能であり、前記第1移動に応じて第1信号を提供可能な光検知センサであって、前記第1移動は略4マイクロメートルの第1距離を超え、前記光検知センサはさらに前記外面の第2移動を検知可能であり、前記第2移動に応じて第2信号を提供可能であり、前記第2移動は略4マイクロメートルの第2距離を超え、前記第2移動は前記第1移動とは異なる方向に存する、光検知センサと、を備えるセンサアセンブリと、
前記光検知センサと通信し、前記第1移動に基づく第1音と、前記第2移動に基づく第2音とを提供可能な音響構成要素と、を備え、
前記第1音は、機械構成要素を模倣する、
電子デバイス。
【請求項2】
前記第1音は、第1機械構成要素を模倣し、前記第2音は、第2機械構成要素を模倣する、
請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項3】
前記音響構成要素は、前記第1移動に応じてクリック音を生成する、
請求項2に記載の電子デバイス。
【請求項4】
前記壁は前記ハウジングの側壁である、
請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項5】
前記アクセス可能かつ移動可能な外面は、前記壁によって規定される外面からオフセットされる、
請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項6】
前記光検知センサは、前記センサカバーの上で押す入力を検知可能である、
請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項7】
前記光検知センサは、前記センサカバーの移動を検知可能である、
請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項8】
前記センサアセンブリは、予め組み立てられたモジュールを備える、
請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項9】
前記スピーカは前記センサアセンブリの近くに位置する、
請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項10】
携帯用電子デバイスであって、
スピーカを支持し、開口を規定するハウジングと、
前記ハウジングによって支持されたプロセッサと、
前記ハウジングによって支持され、前記プロセッサと通信するセンサアセンブリであって、前記センサアセンブリは、固体センサおよびセンサカバーを有し、前記センサアセンブリは前記開口の中に配置され、
ユーザによって適用される第1入力に従って、第1方向における前記センサカバーの第1移動は前記固体センサによって検知可能であり、
ユーザによって適用される第2入力に従って、前記第1方向とは異なる第2方向における前記センサカバーの第2移動は、前記固体センサによって検知可能であり、
前記センサアセンブリは、略4マイクロメートルの第1距離を超える前記第1移動の検知に対応する前記プロセッサへの第1信号と、略4マイクロメートルの第2距離を超える前記第2移動の検知距離に対応する前記プロセッサへの第2信号とを提供するように構成される、センサアセンブリと、
前記プロセッサと通信する音響構成要素であって、前記音響構成要素は、前記第1距離を超える前記第1移動を指示する前記第1信号に基づいて、音響フィードバックを提供可能である音響構成要素と、を備える、
携帯用電子デバイス。
【請求項11】
前記ハウジングは、金属を含む、
請求項10に記載の携帯用電子デバイス。
【請求項12】
前記スピーカは、第1スピーカであり、前記ハウジングは第2スピーカを支持する、
請求項10に記載の携帯用電子デバイス。
【請求項13】
前記ハウジングは不透明である、
請求項10に記載の携帯用電子デバイス。
【請求項14】
前記固体センサは、前記センサカバーの上で押す入力を検知可能である、
請求項10に記載の携帯用電子デバイス。
【請求項15】
ウェアラブル電子デバイスであって、
ハウジング開口および側壁開口を少なくとも部分的に規定する側壁を備えるハウジングと、
前記ハウジングによって支持されたプロセッサと、
前記ハウジングによって支持され、前記ハウジング開口を通じて音を導くために位置するスピーカと、
前記側壁開口において前記ハウジングによって支持され、前記プロセッサと通信する、予め組み立てられたセンサセンブリであって、
前記側壁開口の中に配置され、アクセス可能かつ移動可能な外面を有するセンサカバーと、
前記外面の第1移動および第2移動を検知可能であり、前記第1移動および前記第2移動に応じて第1信号および第2信号をそれぞれ提供可能な容量センサであって、前記第1移動は第1方向において存し、前記第2移動は前記第1方向とは異なる第2方向において存する容量センサと、を備えるセンサアセンブリと、
前記プロセッサと通信し、前記第1信号に基づく前記プロセッサからの指示に応じて音響フィードバックを提供可能な音響構成要素と、を備える、
ウェアラブル電子デバイス。
【請求項16】
前記音響構成要素は、クリック音を生成可能である、
請求項15に記載のウェアラブル電子デバイス。
【請求項17】
前記容量センサは、前記センサカバーの動きを検知可能である、
請求項15に記載のウェアラブル電子デバイス。
【請求項18】
前記音響構成要素は、前記センサアセンブリに近い、
請求項15に記載のウェアラブル電子デバイス。
【外国語明細書】