(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125300
(43)【公開日】2024-09-18
(54)【発明の名称】一体型洗濯用洗剤物品
(51)【国際特許分類】
C11D 17/04 20060101AFI20240910BHJP
C11D 1/22 20060101ALI20240910BHJP
C11D 1/14 20060101ALI20240910BHJP
C11D 3/40 20060101ALI20240910BHJP
C11D 3/37 20060101ALI20240910BHJP
D06L 1/12 20060101ALI20240910BHJP
B65D 65/46 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
C11D17/04
C11D1/22
C11D1/14
C11D3/40
C11D3/37
D06L1/12
B65D65/46
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024086863
(22)【出願日】2024-05-29
(62)【分割の表示】P 2022142839の分割
【原出願日】2018-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】タン、ホンシン
(72)【発明者】
【氏名】シヴィク、マーク・ロバート
(72)【発明者】
【氏名】デノーム、フランク・ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ホウ、ナ
(72)【発明者】
【氏名】マオ、ミン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】外観に悪影響を与えることなく、処理された布地に染みがほとんどつかずに、布地色相剤を自由に組み込むことができるシート状洗濯用洗剤物品の提供。
【解決手段】2枚以上の非繊維性シートと、非繊維性シートの間に配置された少なくとも1つの布地色相染料とを含む一体型洗濯用洗剤構造体であって、前記構造体が水溶性であり、非繊維性シートの各々が、少なくとも1つのフィルム形成剤及び第1の界面活性剤を含み、非繊維性シートの各々が、0.1mm~10mmの厚さと、少なくとも5:1の長さ対厚さのアスペクト比と、少なくとも5:1の幅対厚さのアスペクト比とを有し、非繊維性シートの各々が、各非繊維性シートの総重量に対して20重量%~90重量%のC6~C20直鎖アルキルベンゼンスルホネート、C6~C20直鎖又は分枝鎖アルキルサルフェート、及びこれらの組み合わせから選択される第1の界面活性剤を含む、一体型洗濯用洗剤構造体。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2枚以上の非繊維性シートと、前記2枚以上の非繊維性シートの間に配置された少なくとも1つの布地色相剤とを含む一体型洗濯用洗剤構造体であって、前記一体型洗濯用洗剤構造体が水溶性であり、前記2枚以上の非繊維性シートの各々が、少なくとも1つのフィルム形成剤及び第1の界面活性剤を含む、一体型洗濯用洗剤構造体。
【請求項2】
前記2枚以上の非繊維性シートのそれぞれが、0.1mm~10mmの範囲の厚さと、少なくとも5:1の長さ対厚さのアスペクト比と、少なくとも5:1の幅対厚さのアスペクト比とを有する、請求項1に記載の一体型洗濯用洗剤構造体。
【請求項3】
前記布地色相剤が、(a)前記2枚以上の非繊維性シートの間に配置された水溶性繊維構造体、(b)前記2枚以上の非繊維性シートの間に配置された水溶性非繊維性シート構造体、(c)前記2枚以上の非繊維性シートの間に配置された水溶性ペースト状構造体、(d)前記2枚以上の非繊維性シートの間に配置された離散水溶性粒子、又は(e)これらの組み合わせ中に存在する、請求項1又は2に記載の一体型洗濯用洗剤構造体。
【請求項4】
前記布地色相剤が、前記2枚以上の非繊維性シートの間に配置された水溶性繊維構造体中に存在し、前記水溶性繊維構造体が、それぞれが前記各繊維要素の総乾燥重量に対して0.01%~30%、好ましくは0.05%~20%、より好ましくは0.1%~15%、最も好ましくは0.5%~10%の布地色相剤を含む複数の繊維要素を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の一体型洗濯用洗剤構造体。
【請求項5】
前記繊維要素のそれぞれが、10%~約90%、好ましくは20%~80%、より好ましくは30%~70%のフィラメント形成材料を更に含み、好ましくは、前記フィラメント形成材料が、ポリビニルアルコール、デンプン、セルロース系ポリマー、ポリエチレンオキシド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項3に記載の一体型洗濯用洗剤構造体。
【請求項6】
前記少なくとも1つの布地色相剤が、染料、染料-粘土複合体、有機顔料、無機顔料、蛍光増白剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、好ましくは、前記布地色相剤が、布地色相染料であり、より好ましくは、直接染料、塩基性染料、反応染料、溶剤染料、分散染料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の一体型洗濯用洗剤構造体。
【請求項7】
前記布地色相剤が、以下の化学構造を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の一体型洗濯用洗剤構造体:
(a)
【化1】
(式中、添え字x及びyの値は、独立して、1~10から選択される)又は
(b)
【化2】
(式中、R1及びR2は、独立して、H、アルキル、アルコキシ、アルキレンオキシ、アルキルキャップされたアルキレンオキシ、ウレア、及びアミドからなる群から選択され、R3は、置換アリール基であり、Xはスルホンアミド部分並びに任意にアルキル及び/又はアリール部分を含む置換基であり、ここで、置換基は、少なくとも4つのアルキレンオキシ部分の平均モル分布を含む少なくとも1つのアルキレンオキシ鎖から構成される)。
【請求項8】
前記布地色相剤が蛍光増白剤であり、好ましくは、前記蛍光増白剤が、ジアミノスチルベン、ジスチリルビフェニル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、より好ましくは、前記蛍光増白剤が、(1)4,4’-ビス{[4-アニリノ-6-モルホリノ-s-トリアジン-2-イル]-アミノ}-2,2’-スチルベンジスルホン酸二ナトリウム、(2)4,4’’-ビス[(4,6-ジ-アニリノ-s-トリアジン-2-イル)-アミノ]-2,2’-スチルベンジスルホン酸二ナトリウム、(3)4,4’-ビス{[4-アニリノ-6-[ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ-s-トリアジン-2-イル]-アミノ}-2,2’-スチルベンジスルホン酸二ナトリウム、(4)2,2’-([1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジイルジ-2,1-エタンジイル)ビス-ベンゼンスルホン酸二ナトリウム、及び(5)これらの組み合わせからなる群から選択され、最も好ましくは、前記蛍光増白剤が、2,2’-([1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジイルジ-2,1-エタンジイル)ビス-ベンゼンスルホン酸二ナトリウムである、請求項1~5のいずれか一項に記載の一体型洗濯用洗剤構造体。
【請求項9】
前記2枚以上の非繊維性シートのそれぞれが、(1)前記各非繊維性シートの総重量に対して、5%~90%、好ましくは20%~90%、より好ましくは30%~90%、最も好ましくは50%~90%の前記第1の界面活性剤と、(2)前記各非繊維性シートの総重量に対して、1%~70%、好ましくは2%~60%、より好ましくは5%~50%、最も好ましくは10%~40%の前記少なくとも1つのフィルム形成剤とを含み、好ましくは、前記第1の界面活性剤が、前記2枚以上の非繊維性シートのそれぞれにおいて主界面活性剤として存在する、請求項1~8のいずれか一項に記載の一体型洗濯用洗剤構造体。
【請求項10】
前記2枚以上の非繊維性シート中の前記第1の界面活性剤が、7.5以下の親水性指数(HI)を特徴とし、好ましくは前記第1の界面活性剤が、C6~C20直鎖アルキルベンゼンスルホネート(LAS)、C6~C20直鎖又は分枝鎖アルキルサルフェート(AS)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、より好ましくは、前記第1の界面活性剤が、非アルコキシル化C6~C18直鎖又は分枝鎖AS界面活性剤、最も好ましくは非アルコキシル化C12~C14直鎖又は分枝鎖AS界面活性剤である、請求項1~9のいずれか一項に記載の一体型洗濯用洗剤構造体。
【請求項11】
前記2枚以上の非繊維性シートのそれぞれにおける前記少なくとも1つのフィルム形成剤が、水溶性ポリマーであり、前記水溶液ポリマーが、好ましくは、ポリビニルアルコール、ポリアルキレングリコール、デンプン又は変性デンプン、セルロース又は変性セルロース、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、より好ましくは、前記水溶性ポリマーが、ポリビニルアルコール、ポリアルキレングリコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~10のいずれか一項に記載の一体型洗濯用洗剤構造体。
【請求項12】
前記2枚以上の非繊維性シートのそれぞれにおける前記少なくとも1つのフィルム形成剤が、(1)10,000~140,000ダルトン、好ましくは15,000~120,000ダルトンの範囲の重量平均分子量、及び/又は(2)40%~100%、好ましくは50%~95%、より好ましくは70%~92%の範囲の加水分解度を特徴とするポリビニルアルコールである、請求項1~11のいずれか一項に記載の一体型洗濯用洗剤物品。
【請求項13】
布地を前処理及び/又は洗浄するための、請求項1~15のいずれか一項に記載の一体型洗濯用洗剤物品の使用であって、好ましくは、前記前処理及び/又は洗浄が、前処理及び/又は洗浄を必要とする前記布地の一部分を濡らし、前記一体型洗濯用洗剤物品の少なくとも一部を前記布地の濡らした部分と直接接触させることによって実施される、使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水溶性である一体型洗濯用洗剤物品に関する。
【背景技術】
【0002】
完全に又は実質的に水溶性であるシート状洗濯用洗剤物品は、当該技術分野において既知である。これらは、粉末及び液体の両洗濯用洗剤よりも取り扱いが容易である。使用中に容易にこぼれ得る、又は周囲空気から水分を吸収して塊を形成(すなわち、固化)し得る粉末洗濯用洗剤とは対照的に、これらの洗濯用洗剤シートは、こぼれたり固化したりするリスクを著しく低下させる統合型又は一体型の物品を有する。液体洗濯用洗剤とは異なり、これらの洗濯用洗剤シートはほとんど又は全く水を含有しない。その結果、当該シートは極度に濃縮されており、漏出のリスクがほとんど又は全くなく、輸送及び取り扱いがはるかに容易である。更に、出荷及び保管中に化学的及び物理的に安定であり、物理的及び環境的な専有面積が著しく小さい。近年、これらのシート状洗濯用洗剤物品は、主なフィルム形成剤としてポリビニルアルコール(PVA)を使用することによって界面活性剤含量を増加させること及び回転ドラム乾燥プロセスを使用することによって加工効率を向上させることなどの様々な側面で著しい進歩を遂げてきた。したがって、当該物品は、ますます多く市販されるようになり、消費者の間で人気が出てきている。
【0003】
処理された布地の審美的外観を改善するために、従来の粉末及び液体の洗濯用洗剤洗濯用洗剤組成物に色合い剤又は色相剤を組み込むことも知られている。このような布地色相剤は、処理された布地に、わずかに着色された色相又は色合い、例えば、緑色、青色又は紫色の色相を付与し、これにより、このような処理された布地の見かけの白色度を効果的に増大させることができ、当該布地を、このような色相を有さない布地よりも消費者の目にとって審美的により好ましいものにする。
【0004】
しかしながら、新規のシート状洗濯用洗剤物品に布地色相剤を組み込むことは、特定の固有の審美的及び技術的課題を提示し得る。例えば、ほとんどの現在市販されているシート状洗濯用洗剤製品には、全体にわたって均一に布地色相剤が組み込まれており、得られる製品に、組み込まれた布地色相剤の特徴である緑色、青色、又は紫色が付与されることが避けられない。組み込まれた布地色相剤の量が特定のレベルに達した場合、製品の色は、消費者の嗜好に対して、特に、濃い色の洗剤製品をより多くの化学物質を含有していると知覚し、ひいてはより不自然である又は色がきつすぎて不快であると知覚し得るアジアの消費者にとっては、製品の色が濃くなりすぎる可能性がある。更に、布地色相剤は、処理された布地の望ましくない染み(「斑点」とも呼ばれる)を生じさせることがあるため、シート状洗濯用洗剤製品に組み込まれるこのような布地色相剤の総量を制限し、慎重に管理することも必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、処理された布地の審美的外観を効果的に改善するのに十分な量であるが、シート状洗濯用洗剤製品の全体的な外観に上述のような悪影響を与えることなく、及び/又は処理された布地に染み/斑点がほとんど又は全くつかずに、布地色相剤を自由に組み込むことができるシート状洗濯用洗剤物品が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、2枚以上の界面活性剤含有非繊維性シートの間に挟まれた少なくとも1つの布地色相剤を含有する、水溶性の一体型洗濯用洗剤物品を提供する。このような一体型洗濯用洗剤物品は、製品全体の外観に対して悪影響をほとんど又は全く与えることなく、より多くの布地色相剤を組み込むことを可能にする。更に、布地色相剤が界面活性剤含有非繊維性シートの間に挟まれているとき、布地色相剤がそのように挟まれていないときと比較して、驚くべきことに、そして、予想外に、布地の染み又は斑点が低減される。
【0007】
一態様では、本発明は、2枚以上の非繊維性シートと、このような2枚以上の非繊維性シートの間に配置された少なくとも1つの布地色相剤とを含む一体型洗濯用洗剤構造体であって、このような一体型洗濯用洗剤構造体が水溶性であり、当該2枚以上の非繊維性シートの各々が、少なくとも1つのフィルム形成剤及び第1の界面活性剤を含む、一体型洗濯用洗剤構造体に関する。好ましくは、このような非繊維性シートのそれぞれは、約0.1mm~約10mmの範囲の厚さと、少なくとも約5:1の長さ対厚さのアスペクト比と、少なくとも約5:1の幅対厚さのアスペクト比とを有する。
【0008】
布地色相剤は、2枚以上の界面活性剤含有非繊維性シートの間に位置する限り、任意の形態又は構造で存在し得る。例えば、布地色相剤は、2枚以上の非繊維性シートの1つ以上の内面に直接塗布してもよい。別の例では、これは、(a)このような2枚以上の非繊維性シートの間に配置された水溶性繊維構造体、(b)このような2枚以上の非繊維性シートの間に配置された水溶性非繊維性シート構造体、(c)このような2枚以上の非繊維性シートの間に配置された水溶性ペースト状構造体、(d)このような2枚以上の非繊維性シートの間に配置された離散水溶性粒子、又は(e)これらの組み合わせ中に存在し得る。
【0009】
必須ではないが好ましくは、布地色相剤は、上述の2枚以上の非繊維性シートの間に配置された水溶性繊維構造体中に存在するが、このような水溶性繊維構造体は、それぞれがこのような各繊維要素の総乾燥重量の約0.01%~約30%、好ましくは約0.05%~約20%、より好ましくは約0.1%~約15%、最も好ましくは約0.5%~約10%の布地色相剤を含む複数の繊維要素を含む。繊維要素のそれぞれは、約10%~約90%、好ましくは約20%~約80%、より好ましくは約30%~約70%のフィラメント形成材料を更に含んでいてもよい。例示的なフィラメント形成材料は、ポリビニルアルコール、デンプン、セルロース系ポリマー、ポリエチレンオキシド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。
【0010】
本発明の布地色相剤は、染料、染料-粘土複合体、有機顔料、無機顔料、蛍光増白剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。好ましくは、布地色相剤は、布地色相染料である。例示的な布地色相染料としては、直接染料、塩基性染料、反応染料、溶剤染料、分散染料、及びこれらの組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0011】
本発明の特に好ましい実施形態では、布地色相剤は、以下の化学構造を有する:
(a)
【0012】
【化1】
(式中、添え字x及びyの値は、独立して、1~10から選択される)又は
(b)
【0013】
【化2】
(式中、R1及びR2は、独立して、H、アルキル、アルコキシ、アルキレンオキシ、アルキルキャップされたアルキレンオキシ、ウレア、及びアミドからなる群から選択され、R3は、置換アリール基であり、Xはスルホンアミド部分並びに任意にアルキル及び/又はアリール部分を含む置換基であり、ここで、置換基は、少なくとも4つのアルキレンオキシ部分の平均モル分布を含む少なくとも1つのアルキレンオキシ鎖から構成される)。
【0014】
あるいは、布地色相剤は、蛍光増白剤であってもよい。例示的な蛍光増白剤としては、ジアミノスチルベン、ジスチリルビフェニル、及びこれらの組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。好ましくは、蛍光増白剤は、(1)4,4’-ビス{[4-アニリノ-6-モルホリノ-s-トリアジン-2-イル]-アミノ}-2,2’-スチルベンジスルホン酸二ナトリウム;(2)4,4’’-ビス[(4,6-ジ-アニリノ-s-トリアジン-2-イル)-アミノ]-2,2’-スチルベンジスルホン酸二ナトリウム、(3)4,4’-ビス{[4-アニリノ-6-[ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ-s-トリアジン-2-イル]-アミノ}-2,2’-スチルベンジスルホン酸二ナトリウム、(4)2,2’-([1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジイルジ-2,1-エタンジイル)ビス-ベンゼンスルホン酸二ナトリウム、及び(5)これらの組み合わせからなる群から選択される。より好ましくは、蛍光増白剤は、2,2’-([1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジイルジ-2,1-エタンジイル)ビス-ベンゼンスルホン酸二ナトリウムである。
【0015】
好ましくは、上述の2枚以上の非繊維性シートのそれぞれは、(1)このような各非繊維性シートの総重量に対して、約5重量%~約90重量%、好ましくは約20%~約90%、より好ましくは約30%~約90%、最も好ましくは約50%~約90%の上述の第1の界面活性剤と、(2)このような各非繊維性シートの総重量に対して、約1%~約70%、好ましくは約2%~約60%、より好ましくは約5%~約50%、最も好ましくは約10%~約40%の上述の少なくとも1つのフィルム形成剤とを含有する。より好ましくは、第1の界面活性剤は、2枚以上の非繊維性シートのそれぞれにおいて主界面活性剤として存在する。
【0016】
上述の2枚以上の非繊維性シート中の第1の界面活性剤は、好ましくは、7.5以下の親水性指数(HI)を特徴とする。本発明を実施するための例示的な第1の界面活性剤としては、C6~C20直鎖アルキルベンゼンスルホネート(LAS)、C6~C20直鎖又は分枝鎖アルキルサルフェート(AS)、及びこれらの組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。好ましくは、第1の界面活性剤は、非アルコキシル化C6~C18直鎖又は分枝鎖AS界面活性剤、より好ましくは非アルコキシル化C12~C14直鎖又は分枝鎖AS界面活性剤である。
【0017】
2枚以上の非繊維性シート中の少なくとも1つのフィルム形成剤は、好ましくは水溶性ポリマーである。本発明で使用することができる例示的な水溶性ポリマーとしては、ポリビニルアルコール、ポリアルキレングリコール、デンプン又は変性デンプン、セルロース又は変性セルロース、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されず、より好ましくは、当該水溶性ポリマーは、ポリビニルアルコール、ポリアルキレングリコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。好ましくは、2枚以上の非繊維性シートのそれぞれにおける少なくとも1つのフィルム形成剤は、(1)10,000~140,000ダルトン、好ましくは約15,000~約120,000ダルトンの範囲の重量平均分子量、及び/又は(2)約40%~約100%、好ましくは約50%~約95%、より好ましくは約70%~約92%の範囲の加水分解度を特徴とするポリビニルアルコールである。
【0018】
本発明の別の態様は、布地を前処理及び/又は洗浄するための上述の一体型洗濯用洗剤物品の使用に関する。好ましくは、前処理及び/又は洗浄は、前処理及び/又は洗浄を必要としている布地の部分を濡らし、次いで、布地のこのような濡らした部分を一体型洗濯用洗剤物品の少なくとも一部と直接接触させることによって行われる。
【0019】
本発明のこれらの及びその他の態様は、以下の発明を実施するための形態を読むことにより、更に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施形態による、2枚の界面活性剤含有非繊維性シートの間に挟まれた布地色相剤を含む、一体型洗濯用洗剤物品の概略断面図である。
【
図2】本発明の一実施形態による、2枚の界面活性剤含有非繊維性シートの間に挟まれた繊維構造体を含む、一体型洗濯用洗剤物品であって、繊維構造体が、それぞれが布地色相剤を含有する複数の繊維要素によって形成された、一体型洗濯用洗剤物品の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の種々の実施形態の特徴及び利点は、本発明の幅広い表現を与えるように意図される特定の実施形態の例を含む、以下の記述から明らかになるであろう。様々な修正がこの記述及び本発明の実施から当業者には明白となるであろう。本発明の範囲は、開示される特定の形態に限定されることを意図せず、また本発明は、「特許請求の範囲」により定義されるような本発明の趣旨及び範囲に当てはまる全ての変形形態、等価物、及び代替物を網羅する。
【0022】
本明細書で開示する寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限られるとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、このような寸法はそれぞれ、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図されている。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0023】
本明細書で使用するとき、請求項において使用される「a」及び「an」などの冠詞は、特許請求される又は記載されるものの1つ以上を意味すると理解される。用語「備える(comprise)」、「備える(comprises)」、「備えている(comprising)」、「含有する(contain)」、「含有する(contains)」、「含有している(containing)」、「含む(include)」、「含む(includes)」、「含んでいる(including)」は全て、非限定的であることを意味する。
【0024】
本明細書で使用するとき、用語「一体型」とは、一緒に組み合わされて視覚的に密着した構造的統合型物品を形成する、複数の区別される部品を含む構造を指す。
【0025】
本明細書で使用するとき、用語「非繊維状」は、繊維要素を含まないか又は実質的に含まない構造を指す。用語「繊維要素」及び「フィラメント」は、その平均断面直径を大幅に超える長さ、すなわち、少なくとも10:1の長さ対直径のアスペクト比を有する細長い粒子を指すために本明細書で互換的に使用され、好ましくは、このような細長い粒子は、1mm以下の平均断面直径を有する。
【0026】
本明細書で使用するとき、用語「シート」は、厚さ、長さ、及び幅を有し、長さ対厚さのアスペクト比及び幅対厚さのアスペクト比は、両方とも、少なくとも約5:1であり、長さ対幅のアスペクト比は、少なくとも約1:1である、三次元形状を指す。好ましくは、長さ対厚さのアスペクト比及び幅対厚さのアスペクト比は、両方とも少なくとも約10:1であり、長さ対幅のアスペクト比は、少なくとも約1.2:1である。より好ましくは、長さ対厚さのアスペクト比及び幅対厚さのアスペクト比は、両方とも少なくとも約15:1であり、長さ対幅のアスペクト比は、少なくとも約1.5:1である。最も好ましくは、長さ対厚さのアスペクト比及び幅対厚さのアスペクト比は、両方とも少なくとも約20:1であり、長さ対幅のアスペクト比は、少なくとも約1.618:1である。
【0027】
本明細書で使用するとき、用語「離散」は、ヒトの肉眼の下、又は走査型電子顕微鏡(SEM)(scanning electron microscope)及び透過型電子顕微鏡(TEM)(transmission electron microscope)などの電子撮像装置の下で、互いに構造的に区別される粒子を指す。好ましくは、本発明の離散粒子は、ヒトの肉眼で互いに構造的に区別される。
【0028】
本明細書で使用するとき、用語「粒子」は、粉末、顆粒、カプセル、マイクロカプセル、及び/又は小球などの微量の固形物を指す。本発明の粒子は、球体、ロッド、プレート、チューブ、正方形、矩形、ディスク、星形、又は規則的若しくは不規則な形状のフレークであってよいが、非繊維性である。本発明の粒子は、本明細書に記載の中央粒径試験に従って測定したとき、2000μm以下の中央粒径を有し得る。好ましくは、本発明の粒子は、本明細書に記載の中央粒径試験に従って測定したとき、約1μm~約2000μm、より好ましくは約10μm~約1800μm、更により好ましくは約50μm~約1700μm、更により好ましくは約100μm~約1500μm、更により好ましくは約250μm~約1000μm、最も好ましくは約300μm~約800μmの範囲の中央粒径を有する。
【0029】
本明細書で使用するとき、用語「水溶性」は、十分に撹拌しながら20℃かつ大気圧下で、少なくとも約25グラム、好ましくは少なくとも約50グラム、より好ましくは少なくとも約100グラム、最も好ましくは少なくとも約150グラムのサンプル材料を1リットル(1L)の脱イオン水中に入れたときに、目に見える固形分が残ることも目に見える分離相を形成することもなく水に完全に溶解又は分散する、そのような材料の能力を指す。
【0030】
本明細書で使用するとき、界面活性剤の「親水性指数」又は「HI」は、以下の等式によって計算される:
【0031】
【数1】
(式中、M
hは界面活性剤中の全ての親水性基の分子量であり、M
Tは界面活性剤の合計分子量である)。M
h及びM
Tは両方とも重量平均分子量を指す。例えば、約11.8の平均アルキル鎖長を有する直鎖状アルキルベンゼンスルホネートは、約4.97のHI値を有する。別の例では、C
12~C
14アルキルサルフェートは、約6.98のHI値を有する。更に別の例では、平均エトキシル化度が約1であるC
12~C
14アルキルエトキシル化サルフェートは、約8.78のHI値を有し、平均エトキシル化度が約3であるC
12~C
14アルキルエトキシル化サルフェートは、約11.57のHI値を有する。更に別の例では、平均エトキシル化度が約7であるC
14~C
15アルキルエトキシル化アルコールは、約12.73のHI値を有し、平均エトキシル化度が約9であるC
12~C
14アルキルエトキシル化アルコールは、約14.72のHI値を有する。
【0032】
本明細書で使用するとき、用語「主界面活性剤」は、物品中の全ての界面活性剤の総重量に対して50%以上の量でそのような物品中に存在する界面活性剤を指す。
【0033】
本明細書で使用するとき、用語「から本質的になる」は、組成物が、明示的に開示される成分の利益又は機能を妨げる成分を含有しないことを意味する。更に、用語「実質的に含まない(substantially free of)」又は「実質的に含まない(substantially free from)」は、指定の材料が0重量%~約5重量%、好ましくは0重量%~3重量%の量で存在することを意味する。用語「本質的に含まない」は、指定の材料が、0重量%~約1重量%、好ましくは0重量%~約0.5重量%、より好ましくは0重量%~約0.1重量%の量で存在し、最も好ましくは、分析的に検出可能な濃度で存在しないことを意味する。
【0034】
本明細書で使用するとき、全ての濃度及び比は、特に明記しない限り、重量に基づくものである。本明細書における全ての温度は、特に断らない限り、摂氏(℃)を単位とする。本明細書における全ての条件は、特に明記しない限り、20℃及び大気圧下である。特に明記しない限り、ポリマーの分子量は全て、重量平均数分子量により決定される。
【0035】
非繊維性シート
本発明の一体型洗濯用洗剤物品において布地色相剤を保持又は含有するために使用される非繊維性シートは、水溶性である。換言すれば、これは、従来の洗濯用洗剤シートの一部が含有するような、あらゆる非水溶性基材を含有しない。
【0036】
そのような非繊維性シートのそれぞれは、少なくとも1種のフィルム形成剤及び第1の界面活性剤を含有する。第1の界面活性剤は、(離散粒子に含有されている第2の界面活性剤と比較して)相対的に低い親水性を有し、7.5以下の親水性指数(HI)を特徴とする。このような第1の界面活性剤は、以下で論じる第2の界面活性剤と比較して、希釈されている間に粘稠なゲル様の六角の相を形成する可能性が低い。したがって、非繊維性シートの形成においてこのような第1の界面活性剤を使用することによって、本発明は、洗浄中のゲル形成を効果的に低減することができ、これによって、得られる一体型洗濯用洗剤構造体が迅速に溶解し、溶解できない残渣がほとんど又は全くなくなる。
【0037】
非繊維性シートは、その厚さ、その長さ、及びその幅が、(1)少なくとも約5:1の長さ対厚さのアスペクト比、(2)少なくとも約5:1の幅対厚さのアスペクト比、及び(3)少なくとも約1:1の長さ対幅のアスペクト比を特徴とする限り、任意の形状又は寸法を有し得る。一体型洗濯用洗剤物品についての次のサイズ及び/又は形状に関連するパラメータは全て、非繊維性シートのそれぞれにも当てはまる。
【0038】
このような非繊維性シートのそれぞれは、十分に高い、例えば、このような非繊維性シートの総重量に対して少なくとも約30%、好ましくは少なくとも約40%、より好ましくは少なくとも約50%、より好ましくは少なくとも約60%、最も好ましくは少なくとも約70%の総界面活性剤含量を特徴とする。
【0039】
好ましくは、上述の第1の界面活性剤は、非繊維性シートのそれぞれにおける主界面活性剤であり、すなわち、このようなシート中の全ての界面活性剤の総重量に対して約50%以上の量で存在する。第1の界面活性剤は、約7.5以下、好ましくは約4~7.5、より好ましくは4.5~7のHIを特徴とする。
【0040】
本発明において第1の界面活性剤として使用するのに好適な界面活性剤としては、非アルコキシル化C6~C20直鎖状又は分枝鎖状アルキルサルフェート(AS)、C6~C20直鎖状アルキルベンゼンスルホネート(LAS)、及びこれらの組み合わせが挙げられる。本発明の非繊維性シートにおいて第1の界面活性剤として使用するのに特に好ましい種類の界面活性剤は、非アルコキシル化C6~C18ASであり、これは以後「ミッドカットAS(mid-cut AS)」と称されるが、それは、それぞれ約6個~約18個の炭素原子を含有する分枝鎖状又は直鎖状の非アルコキシル化アルキル基を有する。本発明の特に好ましい実施形態では、ミッドカットASは、非繊維性シートにおいて主界面活性剤として存在し、すなわち、当該シート中の全ての界面活性剤の総重量に対して少なくとも約50%の量で存在するが、LASなどの別の界面活性剤が補助界面活性剤として存在する。
【0041】
本発明のミッドカットASは、R-O-SO3
-M+の一般式を有し、式中、Rは、分枝鎖状又は直鎖状の非アルコキシル化C6~C18アルキル基であり、Mは、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニウムのカチオンである。好ましくは、AS界面活性剤のR基は、約8個~約16個の炭素原子、より好ましくは約10個~約14個の炭素原子、最も好ましくは約12個~約14個の炭素原子を含有する。Rは、置換又は非置換であってよく、好ましくは非置換である。Rは、いかなるアルコキシル化も実質的に含まない。Mは、好ましくはナトリウム、カリウム、又はマグネシウムのカチオンであり、より好ましくは、Mはナトリウムカチオンである。
【0042】
本発明で使用されるミッドカットAS界面活性剤の量は、このような2以上の非繊維状シートのそれぞれの総重量に対して、約5%~約90%、好ましくは約10%~約80%、より好ましくは約20%~約75%、最も好ましくは約30%~約70%の範囲であってよい。このようなミッドカットAS界面活性剤は、好ましくは、シートのそれぞれの界面活性剤系において主界界面活性剤として機能する。換言すれば、ミッドカットAS界面活性剤は、非繊維性シートのそれぞれにおける全ての界面活性剤の総重量に対して50%を超える量で存在する。
【0043】
好ましくは、シートの界面活性剤系は、約50重量%超、好ましくは約60重量%超、より好ましくは70重量%超又は80重量%、最も好ましくは90重量%超、又は更には100重量%(即ち、実質的に純粋)の、例えば、C6、C8、C10、C12、C14、C16、及びC18のAS界面活性剤を含む、偶数の炭素原子を有する直鎖状のAS界面活性剤を含む、ミッドカットAS界面活性剤の混合物を含有してよい。
【0044】
より好ましくは、シートの界面活性剤系は、C6~C14AS界面活性剤がミッドカットAS界面活性剤の混合物の総重量に対して約85%~約100%の範囲の量で存在する、ミッドカットAS界面活性剤の混合物を含有する。この混合物は、「C6~C14リッチAS混合物」と称される場合もある。より好ましくは、そのようなC6~C14リッチAS混合物は、約90重量%~約100重量%、又は92重量%~約98重量%、又は約94重量%~約96重量%、又は100重量%(すなわち、純粋)の、C6~C14のASを含有する。
【0045】
本発明の特に好ましい実施形態では、界面活性剤系は、約30重量%~約100重量%、又は約50重量%~約99重量%、好ましくは約60重量%~約95重量%、より好ましくは約65重量%~約90重量%、最も好ましくは約70重量%~約80重量%のC12~C14のAS(これらは「C12~C14リッチAS混合物」と称される場合もある)を含む、ミッドカットAS界面活性剤の混合物を含有する。好ましくは、そのようなC12~C14リッチAS混合物は、大部分がC12のASを含有する。本発明の最も好ましい実施形態では、界面活性剤系は、C12及び/又はC14のAS界面活性剤、例えば、100%のC12AS、又は約70重量%~約80重量%のC12AS及び20重量%~約30重量%のC14ASからなるミッドカットAS界面活性剤の混合物を含有し、他のAS界面活性剤はほとんど又は全くその中に含まれない。
【0046】
本発明の最も好ましい実施形態では、非繊維性シートのそれぞれは、このような非繊維性シートの総重量に対して、約10重量%~約70重量%、好ましくは約20重量%~約60重量%の純粋なC12AS又はC12~C14リッチAS混合物を含有し、ただし、当該C12~C14リッチAS混合物は、このような混合物の総重量に対して、約70重量%~約80重量%のC12AS及び20重量%~約30重量%のC14ASを含有する。
【0047】
本発明の実施に特に好適な市販のミッドカットAS混合物は、Cognis(Monheim,Germany)からの、Texapon(登録商標)V95Gである。
【0048】
本発明の非繊維性シートにおいて第1の界面活性剤として使用するための別の好ましい種類の界面活性剤は、C6~C20直鎖状アルキルベンゼンスルホネート(LAS)であり、これは、単独又は上述のミッドカットASと組み合わせてのいずれかで当該シート中に存在し得る。LASは、主界面活性剤として又はミッドカットASのための補助界面活性剤としてのいずれかで、非繊維性シート中に存在し得る。本発明の特に好ましい実施形態では、LASは、非繊維性シート中にミッドカットASのための補助界面活性剤として、例えば、約1:15~約1:2、好ましくは約1:10~約1:3、より好ましくは約1:8~約1:4の範囲の重量比で存在する。
【0049】
LAS界面活性剤は、当該技術分野において周知であり、市販の直鎖状アルキルベンゼンをスルホン化することによって容易に入手することができる。本発明で使用することができる例示的なC6~C20直鎖状アルキルベンゼンスルホネートとしては、C6~C20直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、又はアンモニウム塩、また好ましくは、C11~C18若しくはC11~C14直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸のナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、及び/又はアンモニウム塩が挙げられる。より好ましいものは、C12直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸のナトリウム塩又はカリウム塩であり、最も好ましいものは、C12直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸のナトリウム塩、すなわち、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムである。存在する場合、非繊維性シート中のLASの量は、非繊維性シートのそれぞれの総重量に対して、約1%~約90%、好ましくは約2%~約70%、より好ましくは約5%~約40%の範囲であってよい。本発明の最も好ましい実施形態では、非繊維性シートのそれぞれは、このような各非繊維性シートの総重量に対して約5重量%~約20重量%のC12直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸のナトリウム塩、カリウム塩、又はマグネシウム塩を含有する。
【0050】
本発明の非繊維性シートは、それぞれ、他のアニオン性界面活性剤(すなわち、AS及びLAS以外)、非イオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの追加の界面活性剤を含んでいてよい。
【0051】
本発明の非繊維性シート内に含めるのに好適な他のアニオン性界面活性剤としては、C6~C20直鎖状又は分枝鎖状アルキルスルホネート、C6~C20直鎖状又は分枝鎖状アルキルカルボキシレート、C6~C20直鎖状又は分枝鎖状アルキルホスフェート、C6~C20直鎖状又は分枝鎖状アルキルホスホネート、C6~C20アルキルN-メチルグルコースアミド、C6~C20メチルエステルスルホネート(MES)(methyl ester sulfonates)、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0052】
好適な非イオン性界面活性剤としては、アルコキシル化脂肪族アルコールが挙げられる。非イオン性界面活性剤は、式R(OC2H4)nOHのエトキシル化アルコール及びエトキシル化アルキルフェノールから選択され得、式中、Rは、約8個~約15個の炭素原子を含有する脂肪族炭化水素基、及びアルキル基が約8個~約12個の炭素原子を含有するアルキルフェニル基からなる群から選択され、nの平均値は、約5~約15である。本明細書で有用な非イオン性界面活性剤の非限定的な例としては、C8~C18アルキルエトキシレート、例えば、Shell製のNEODOL(登録商標)非イオン性界面活性剤;アルコキシレート単位がエチレンオキシ単位、プロピレンオキシ単位、又はこれらの混合物であり得る、C6~C12アルキルフェノールアルコキシレート、C12~C18アルコール、及びエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックポリマーとのC6~C12アルキルフェノール縮合物、例えば、BASF製のPluronic(登録商標)、C14~C22中鎖分枝状アルコール(BA)(branched alcohols);C14~C22中鎖分枝状アルキルアルコキシレート(BAEx、ただし、xは1~30である);アルキル多糖類;具体的にはアルキルポリグリコシド;ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、並びにエーテルキャップ化ポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤が挙げられる。好適な非イオン性洗浄性界面活性剤としてはまた、アルキルポリグルコシド及びアルキルアルコキシル化アルコールも挙げられる。好適な非イオン性界面活性剤としてはまた、商標名Lutensol(登録商標)としてBASFから販売されているものも挙げられる。
【0053】
カチオン性界面活性剤の非限定的な例としては、四級アンモニウム界面活性剤が挙げられ、これは26個以下の炭素原子を有し得、アルコキシレート四級アンモニウム(AQA)界面活性剤;ジメチルヒドロキシエチル四級アンモニウム;ジメチルヒドロキシエチルラウリルアンモニウムクロリド;ポリアミンカチオン性界面活性剤;カチオン性エステル界面活性剤;及びアミノ界面活性剤、例えば、アミドプロピルジメチルアミン(APA)が挙げられる。好適なカチオン性洗浄性界面活性剤としてはまた、アルキルピリジニウム化合物、アルキル四級アンモニウム化合物、アルキル四級ホスホニウム化合物、アルキル三級スルホニウム化合物、及びこれらの混合物も挙げられる。
【0054】
好適なカチオン性洗浄性界面活性剤は、以下の一般式を有する、四級アンモニウム化合物であり、
(R)(R1)(R2)(R3)N+X-
式中、Rは、直鎖状又は分枝鎖状、置換又は非置換のC6~18アルキル又はアルケニル部分であり、R1及びR2は、独立して、メチル又はエチル部分から選択され、R3は、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル又はヒドロキシエチル部分であり、Xは、電荷的中性を提供するアニオンであり、好適なアニオンとしては、ハライド、例えばクロリド、サルフェート、及びスルホネートが挙げられる。好適なカチオン性洗浄性界面活性剤は、モノ-C6~18アルキルモノ-ヒドロキシエチルジメチル四級アンモニウムクロリドである。非常に好適なカチオン性洗浄性界面活性剤は、モノ-C8~10アルキルモノ-ヒドロキシエチルジメチル四級アンモニウムクロリド、モノ-C10~12アルキルモノ-ヒドロキシエチルジメチル四級アンモニウムクロリド、及びモノ-C10アルキルモノ-ヒドロキシエチルジメチル四級アンモニウムクロリドである。
【0055】
双性イオン性界面活性剤の好適な例としては、複素環式二級及び三級アミンの誘導体を含む、二級及び三級アミンの誘導体;四級アンモニウム、四級ホスホニウム、又は三級スルホニウム化合物の誘導体;アルキルジメチルベタイン、ココジメチルアミドプロピルベタイン、並びにスルホ及びヒドロキシベタインを含むベタイン;C8~C18(好ましくはC12~C18)アミンオキシド;N-アルキル-N,N-ジメチルアミノ-1-プロパンスルホネート(アルキル基はC8~C18であってよい)が挙げられる。
【0056】
好適な両性界面活性剤としては、二級若しくは三級アミンの脂肪族誘導体、又は脂肪族基が直鎖状若しくは分枝鎖状であってよく、脂肪族置換基のうちの1つが少なくとも約8個の炭素原子若しくは約8個~約18個の炭素原子を含有し、脂肪族置換基のうちの少なくとも1つがアニオン性水可溶化基、例えば、カルボキシ、スルホネート、サルフェートを含有する、複素環式二級及び三級アミンの脂肪族誘導体が挙げられる。好適な両性界面活性剤としては、サルコシネート、グリコシネート、タウリネート、及びこれらの混合物も挙げられる。
【0057】
本発明の特に好ましいが必須ではない実施形態では、非繊維性シートは、アニオン性界面活性剤のみ、例えば、単一のアニオン性界面活性剤又は2つ以上の異なるアニオン性界面活性剤の組み合わせのいずれかを含有する界面活性剤系を有してよい。あるいは、非繊維性シートは、例えば、1つ以上のアニオン性界面活性剤と1つ以上の非イオン性界面活性剤との組み合わせ、又は1つ以上のアニオン性界面活性剤と1つ以上の双性イオン性界面活性剤との組み合わせ、又は1つ以上のアニオン性界面活性剤と1つ以上の両性界面活性剤との組み合わせ、又は1つ以上のアニオン性界面活性剤と1つ以上のカチオン性界面活性剤との組み合わせ、又は全ての上記の種類の界面活性剤(すなわち、アニオン性、非イオン性、両性、及びカチオン性)の組み合わせを含有する複合界面活性剤系を含んでいてもよい。
【0058】
具体的には、非繊維性シートのそれぞれは、7.5よりも高い親水性指数(HI)を特徴とする(上述の第1の界面活性剤と比較して)相対的に高い親水性を有する界面活性剤、すなわち、以下に記載される第2の界面活性剤を少量含んでいてよい。非繊維性シートのそれぞれにおけるこのような第2の界面活性剤の量は、その加工安定性及びフィルム溶解に影響を与えないように十分に少なく、例えば、このような各非繊維性シートの総重量に対して、0%~15%、好ましくは0%~10%、より好ましくは0%~5%、最も好ましくは0%~1%である。本発明の好ましい一実施形態では、非繊維性シートのそれぞれは、本発明の第2の界面活性剤に好ましい選択であるアルキルアルコキシル化サルフェートを実質的に含まない、より好ましくは本質的に含まない。アルキルアルコキシル化サルフェートは、水に溶解すると、特定の濃度範囲、例えば30~60重量%で高度に粘稠な六角の相を経ることがあり、その結果、ゲル状物質が生じる。したがって、非繊維性シートに相当量組み込まれた場合、アルキルアルコキシル化サルフェートは、このような非繊維性シートの水への溶解を著しく減速させ得、更に悪いことには、後に未溶解の固形分が残る。それに対応して、本発明では、このような界面活性剤の大部分を、このような物品の両側の非繊維性シートではなく、一体型洗濯用洗剤物品の中央の布地色相剤含有構造体に配合し、このことは、このような界面活性剤によるゲル形成を最小化するのに役立つことに加えて、本発明の一体型洗濯用洗剤物品中の他の成分の溶解に対するこのようなゲル形成の影響を低減する。
【0059】
上記の界面活性剤に加えて、非繊維性シートのそれぞれは、少なくとも1種のフィルム形成剤を含有する。かかる少なくとも1種のフィルム形成剤は、合成又は天然のいずれかの由来である水溶性ポリマーから選択することができ、化学的及び/又は物理的に改質されてもよい。
【0060】
本発明の実施に好適な水溶性ポリマーの例としては、ポリビニルアルコール、ポリアルキレングリコール(ポリアルキレンオキシド又はポリオキシアルキレンとも称される)、多糖類(デンプン又は変性デンプン、セルロース又は変性セルロース、プルラン、キサンタンガム、グアーガム、及びカラギーナンなど)、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、及びタンパク質/ポリペプチド、又はこれらの加水分解物(コラーゲン及びゼラチンなど)が挙げられる。好ましくは、本発明で使用されるフィルム形成剤は、ポリビニルアルコール、ポリアルキレングリコール、デンプン又は変性デンプン、セルロース又は変性セルロース、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。本発明の特に好ましい実施形態では、非繊維性シートのそれぞれが、ポリビニルアルコールを含有する。
【0061】
ポリビニルアルコール(PVA)の実施において、PVAは、未修飾であっても修飾されていてもよく、例えばカルボキシル化若しくはスルホン化されていてもよく、又はビニルアルコール若しくはビニルエステルモノマーと1つ以上のその他のモノマーとのコポリマーであってもよい。好ましくは、PVAは、部分的に又は完全に、アルコール化又は加水分解されている。例えば、PVAは、約40%~100%、好ましくは約50%~約95%、より好ましくは約70%~約92%がアルコール化又は加水分解されていてよい。加水分解度は、PVAが水中に溶解し始める温度に影響することが既知であり、例えば、88%の加水分解は、冷水(すなわち、室温)中で可溶性のPVAフィルムに対応し、92%の加水分解は、温水中で可溶性のPVAフィルムに対応する。PVAの重量平均分子量は、10,000~140,000ダルトン、好ましくは15,000~120,000ダルトンの範囲であり得る。好ましいPVAの例は、エトキシル化PVAである。PVAのより好ましい例は、Sekisui Specialty Chemicals America,LLC(Dallas,Texas)から商標名CELVOL(登録商標)で市販されている。PVAの別のより好ましい例は、Nippon Ghoseiから市販されている、所謂Gポリマーである。
【0062】
ポリアルキレングリコール、好ましくはポリエチレングリコール(PEG)の実施において、これらは、約200~約100,000ダルトン、好ましくは約500~約20,000ダルトン、より好ましくは約1000~15,000ダルトン、最も好ましくは2000~8000ダルトンの重量平均分子量を有するポリ(エチレングリコール)ホモポリマー及びポリ(エチレングリコール)コポリマーから選択され得る。好適なポリ(エチレングリコール)コポリマーは、好ましくは、少なくとも約50重量%のPEGを含有し、ポリ(ラクチド-ブロック-エチレングリコール)、ポリ(グリコリド-ブロック-エチレングリコール)、ポリ(ラクチド-コ-カプロラクトン)-ブロック-ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレングリコール-コ-乳酸)、ポリ(エチレングリコール-コ-グリコール酸)、ポリ(エチレングリコール-コ-ポリ(乳酸-コ-グリコール酸)、ポリ(エチレングリコール-コ-プロピレングリコール)、ポリ(エチレンオキシド-ブロック-プロピレンオキシド-ブロック-エチレンオキシド)、ポリ(プロピレンオキシド-ブロック-エチレングリコール-ブロック-プロピレングリコール)、及びポリ(エチレングリコール-コ-カプロラクトン)からなる群から選択されてよい。代表的なポリ(エチレングリコール)ホモポリマーは、CARBOWAX(商標)の商標名にて、Sigma-Aldrich又はDowから、又はPluriol(登録商標)の商標名にて、BASFから市販されている。例示的なポリ(エチレングリコール)コポリマーは、Pluronic(登録商標)F127、Pluronic(登録商標)F108、Pluronic(登録商標)F68、及びPluronic(登録商標)P105の商標名でBASFから市販されており、これらは、プロピレンオキシド(PO)ブロック及びエチレンオキシド(EO)ブロックを含有する。本発明の実施に特に好ましいPEGは、約4000~約8000ダルトンの重量平均分子量を有するポリ(エチレングリコール)ホモポリマーである。
【0063】
フィルム形成剤は、本発明の非繊維性シート中に、このような各非繊維性シートの総重量に対して、約1%~約70%、好ましくは約2%~約60%、より好ましくは約5%~約50%、最も好ましくは約10%~約40%存在し得る。本発明の特に好ましい実施形態では、非繊維性シートの各々は、PVA及びPEGの両方を、好ましくは約20:1~約1:2の比、より好ましくは約15:1~約1:1、最も好ましくは約10:1~約2:1の範囲の重量比で含有する。例えば、そのような各非繊維性シートの総重量に対して、PVAは、約10%~約40%、好ましくは15%~約30%の範囲の量で存在してよく、PEGは、約2%~約20%、好ましくは5%~10%の範囲の量で存在してよい。
【0064】
フィルム形成剤に加えて、非繊維性シートは、フィルム形成剤の特性を変化させるために可塑剤及び固形物などの好適な添加剤も含んでいてよい。好適な可塑剤は、例えば、ジペンタエリスリトールなどのペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、グリセリン、及びグリセロール又はエチレングリコールなどのグリコールである。可塑剤は、概して、最大約30重量%、例えば、約0.1~約20重量%、好ましくは約0.5~約15重量%、より好ましくは約1~約5重量%の量で使用される。また、ゼオライト、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、二酸化ケイ素、ステアリン酸亜鉛、又はコロイドシリカなどの固形物も、概して、約0.5~約5重量%の範囲の量で使用され得る。
【0065】
本発明の2枚以上の非繊維性シートは、洗浄性能を支援若しくは増強するために、又は非繊維性シートの審美性を変化させるために、任意に、1つ以上の他の補助洗剤成分を含んでいてもよい。そのような補助洗剤成分の代表的な例としては、以下が挙げられる:(1)炭酸塩(重炭酸塩及びセスキ炭酸塩を含む)、硫酸塩、リン酸塩(トリポリリン酸塩、ピロリン酸塩、及びガラス質ポリマーメタリン酸塩によって例示される)、ホスホン酸塩、フィチン酸、ケイ酸塩、ゼオライト、クエン酸塩、ポリカルボン酸塩及びその塩(例えば、メリト酸、コハク酸、オキシジコハク酸、ポリマレイン酸、ベンゼン1,3,5-トリカルボン酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、及びこれらの可溶性塩)、エーテルヒドロキシポリカルボン酸塩、無水マレイン酸とエチレン又はビニルメチルエーテルとのコポリマー、1,3,5-トリヒドロキシベンゼン-2,4,6-トリスルホン酸、3,3-ジカルボキシ-4-オキサ-1,6-ヘキサン二酸、ポリ酢酸(例えば、エチレンジアミン四酢酸及びニトリロ三酢酸)及びその塩、脂肪酸(例えば、C12~C18モノカルボン酸)などの無機及び/又は有機ビルダー;(2)アミノカルボキシレート、アミノホスホネート、多官能的に置換された芳香族キレート剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される、鉄及び/又はマンガンキレート剤などのキレート剤;(3)水溶性エトキシル化アミン(特に、エトキシル化テトラエチレンペンタミン)などの粘土汚れ除去/再付着防止剤;(4)ポリマーポリカルボキシレート及びポリエチレングリコール、アクリル酸/マレイン酸系コポリマー及びそれらの水溶性塩、ヒドロキシプロピルアクリレート、マレイン酸/アクリル酸/ビニルアルコールターポリマー、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリアスパルテート及びポリグルタメートなどの、ポリマー分散剤;(5)スチルベン、ピラゾリン、クマリン、カルボン酸、メチンシアニン、ジベンゾチフェン-5,5-ジオキシド、アゾール、5員及び6員環複素環などの誘導体が挙げられるがこれらに限定されない、蛍光増白剤;(6)モノカルボン酸脂肪酸及びその可溶性塩、高分子量炭化水素(例えば、パラフィン、ハロパラフィン、脂肪酸エステル、一価アルコールの脂肪酸エステル、脂肪族C18~C40ケトンなど)、N-アルキル化アミノトリアジン、プロピレンオキシド、モノステアリルホスフェート、シリコーン又はその誘導体、二級アルコール(例えば、2-アルキルアルカノール)、及びそのようなアルコールとシリコーン油との混合物などの抑泡剤;(7)C10~C16アルカノールアミド、C10~C14モノエタノール及びジエタノールアミド、高起泡性界面活性剤(例えば、アミンオキシド、ベタイン、及びスルタイン)、並びに可溶性マグネシウム塩(例えば、MgCl2、MgSO4など)などの起泡促進剤;(8)スメクタイト粘土、アミン柔軟剤、及びカチオン性柔軟剤などの布地柔軟剤;(9)ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN-オキシドポリマー、N-ビニルピロリドンとN-ビニルイミダゾールとのコポリマー、マンガンフタロシアニン、ペルオキシダーゼ、並びにこれらの混合物などの移染防止剤;(10)プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、及びペルオキシダーゼ、並びにこれらの混合物などの酵素;(11)カルシウムイオン及び/又はマグネシウムイオンの水溶性供給源、ホウ酸又はホウ酸塩(酸化ホウ素、ホウ砂、及びその他のアルカリ金属ホウ酸塩など)を含む酵素安定剤;(12)過炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム過酸化水素化物、ピロリン酸ナトリウム過酸化水素化物、尿素過酸化水素化物、及び過酸化ナトリウム)、過硫酸塩、過ホウ酸塩、マグネシウムモノペルオキシフタレート六水和物、メタクロロ過安息香酸のマグネシウム塩、4-ノニルアミノ-4-オキソペルオキシ酪酸及びジペルオキシドデカン二酸、6-ノニルアミノ-6-オキソペルオキシカプロン酸、及び光活性化漂白剤(例えば、スルホン化亜鉛及び/又はアルミニウムフタロシアニン)などの漂白剤;(13)ノナノイルオキシベンゼンスルホネート(NOBS)(nonanoyloxybenzene sulfonate)、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)(tetraacetyl ethylene diamine)、(6-オクタンアミドカプロイル)オキシベンゼンスルホネート、(6-ノナンアミドカプロイル)オキシベンゼンスルホネート、(6-デカンアミドカプロイル)オキシベンゼンスルホネート、及びこれらの混合物を含むアミド由来の漂白活性化剤、ベンゾオキサジン型活性化剤、アシルラクタム活性化剤(特にアシルカプロラクタム及びアシルバレロラクタム)などの漂白活性化剤;並びに(14)キャリア、ヒドロトロープ、加工助剤、染料又は顔料(特に色相染料)、香料(純香料及び香料マイクロカプセルの両方を含む)、及び固体充填剤が挙げられるがこれらに限定されない、任意のその他の既知の洗剤補助成分。
【0066】
本発明の非繊維性シートは、キャスティング、成形、加圧成形、押出成形/押出成形-コーティング、カレンダーロール加工、溶液堆積、スカイビング、及び積層などの任意の好適なフィルム形成方法によって作製することができる。特定の一実施形態では、まず、水に溶解又は分散している原材料を含有するスラリーを準備し、次いで、例えば、そのようなスラリーを浅い成形型に流し込むか又は加熱された回転可能なシリンダ上に当該スラリーをコーティングすることのいずれかにより、当該スラリーをシート状形態に成形することによって、当該シートを形成することができる。成形工程と同時又はその後のいずれかでシート状形態の乾燥を実施して、水を除去し、水分含量がほとんど又は全くない(例えば、水が3重量%未満)完成したシートを形成することができる。
【0067】
上記非繊維性シートを作製するのに好ましいが非限定的なプロセスは、以下に記載するように、シリンダシート生産システムを使用することによる。シリンダシート製造システムは、加熱された回転可能なシリンダが上に設置された基部ブラケットを含む。加熱された回転可能なシリンダは、基部ブラケットに設置された電動駆動装置により駆動され、所定の回転速度で作動することができる。この加熱された回転可能なシリンダは、好ましくは、その外側表面上が付着防止コーティングでコーティングされている。
【0068】
本明細書で上述した全て又はいくつかの原材料(例えば、界面活性剤、フィルム形成剤、及び補助洗剤成分)を含有する、予備形成されたスラリーを、加熱された回転可能なシリンダ上に加えるための、基部ブラケット上の供給機構もまた提供される。供給機構は、基部ブラケット上に設置され、少なくとも1つの(好ましくは2つの)供給ホッパ(複数可)が上に設置された供給ラック、供給の動的観測のための撮像装置、及び供給ホッパの位置及び傾斜角度を調節するための調節装置を含む。
【0069】
また、急速な熱損失を防止するために、基部ブラケット上に設置された加熱シールドも存在する。さもなければ、スラリーは、加熱された回転可能なシリンダ上で、急速に固結し得てしまう恐れがある。加熱シールドはまた、加熱された回転可能なシリンダにより必要とされるエネルギーを効果的に節約することができ、それにより、エネルギー消費を低減し、かつコスト削減を提供することができる。加熱シールドは、モジュール式組立構造体、又は統合型構造体であり、基部ブラケットから自由に取り外すことができる。また、熱蒸気を吸引するために、加熱シールド上に吸引装置が設置されて、形成される洗濯用洗剤シート上に水凝縮物が落下することを防止する。加熱された回転可能なシリンダにより既に形成された洗濯用洗剤シートをすくい上げるための供給開始機構も、基部ブラケット上に設置されている。
【0070】
非繊維性シートの製造プロセスは、以下のとおりである。最初に、基部ブラケット上の付着防止コーティングを有する加熱された回転可能なシリンダは、電動駆動装置により駆動される。次に、調節装置は、供給ホッパと加熱された回転可能なシリンダの外側表面との間の距離が予め設定された値に到達するように、供給機構を調節する。一方、供給ホッパは、加熱された回転可能なシリンダ上に非繊維性シートを作製するための、全て又はいくつかの原材料を含有する予備形成されたスラリーを添加する。加熱シールドの吸引装置は、加熱された回転可能なシリンダにより生成された熱蒸気を吸引する。
【0071】
次に、供給開始機構が乾燥したシートをすくい上げ、次いで、これを、加熱された回転可能なシリンダの下流のスライス/切断装置によって、所望のサイズにスライス又は切断することができる。任意に、加熱された回転可能なシリンダの下流のエンボス加工装置によって、各シートに線、パターン、ロゴなどを更にエンボス加工する。
【0072】
布地色相剤
本発明で使用される布地色相剤は、布地の知覚される白色度を改善するために、洗濯用洗剤組成物に配合されて、洗浄液から布地上に沈着することができる任意の着色剤であってもよい。布地色相剤は、青色又は紫色であってよく、好ましくは、このような布地色相剤は、約550nm~約650nm又は約570nm~約630nmのピーク吸収波長を有する。ある具体的な実施形態では、布地色相剤は複数の着色剤を組み合わせたものであってよいが、それらは一体となって、ポリエステル上で約550nm~約650nm、又は約570nm~約630nmのピーク吸収波長を有する単一の着色剤として人間の目に視覚効果を及ぼすものである。これは、例えば赤色の着色剤と青緑色の着色剤とを混合して青色又は紫色の色合いを生じさせることにより提供され得る。
【0073】
布地色相剤は、染料、染料-粘土複合体、有機顔料、無機顔料、蛍光増白剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。
【0074】
染料は、典型的には、界面活性剤を含有する水性媒体に可溶性である有色有機分子である(典型的には水性媒体に可溶性ではない顔料と対照的に)。染料としては、低分子染料及びポリマー染料が挙げられ得る。
【0075】
好適な低分子染料は、直接染料、塩基性染料、反応性染料、溶剤染料、分散染料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。より好ましくは、好適な低分子染料としては、カラーインデックス(C.I.)分類において、ダイレクトブルー、ダイレクトバイオレット、アシッドブルー、アシッドバイオレット、ベーシックブルー、ベーシックバイオレット、及びこれらの混合物に該当する染料からなる群から選択され得る。好適な染料の例は、バイオレットDD、ダイレクトバイオレット7、ダイレクトバイオレット9、ダイレクトバイオレット11、ダイレクトバイオレット26、ダイレクトバイオレット31、ダイレクトバイオレット35、ダイレクトバイオレット40、ダイレクトバイオレット41、ダイレクトバイオレット51、ダイレクトバイオレット66、ダイレクトバイオレット99、アシッドバイオレット50、アシッドブルー9、アシッドバイオレット17、アシッドブルー29、ソルベントバイオレット13、ディスパースバイオレット27、ディスパースバイオレット26、ディスパースバイオレット28、ディスパースバイオレット63、ディスパースバイオレット77、ベーシックブルー16、ベーシックブルー65、ベーシックブルー66、ベーシックブルー67、ベーシックブルー71、ベーシックブルー159、ベーシックバイオレット19、ベーシックバイオレット35、ベーシックバイオレット38、ベーシックバイオレット48;ベーシックブルー3、ベーシックブルー75、ベーシックブルー95、ベーシックブルー122、ベーシックブルー124、ベーシックブルー141、リアクティブブルー19、リアクティブブルー163、リアクティブブルー182、リアクティブブルー96、チアゾリウム染料、Liquitint(登録商標)Violet CT(Milliken,Spartanburg,USA)、及びAzo-CM-Cellulose(Megazyme,Bray,Republic of Ireland)である。他の好適な色相剤は、スルホン化亜鉛フタロシアニンとダイレクトバイオレット99との複合体などの色相染料-光漂白剤複合体である。特に好適な色相剤は、アシッドレッド52とアシッドブルー80との組み合わせ、又はダイレクトバイオレット9とソルベントバイオレット13との組み合わせである。
【0076】
本発明の特に好ましい実施形態では、布地色相剤は以下の構造を有する:
【0077】
【化3】
(式中、添え字x及びyの値は、独立して、1~10から選択される)。この布地色相剤は、Milliken Chemical(South Carolina,USA)から商標名Liquitint Violet 200として市販されている。
【0078】
本発明の別の好ましい実施形態では、布地色相剤は以下の構造を有する:
【0079】
【化4】
(式中、R
1及びR
2は、独立して、H、アルキル、アルコキシ、アルキレンオキシ、アルキルキャップされたアルキレンオキシ、ウレア、及びアミドからなる群から選択され、R
3は、置換アリール基であり、Xはスルホンアミド部分並びに任意にアルキル及び/又はアリール部分を含む置換基であり、ここで、置換基は、少なくとも4つのアルキレンオキシ部分の平均モル分布を含む少なくとも1つのアルキレンオキシ鎖から構成される)。
【0080】
蛍光増白剤は、単独又は上記の染料と組み合わせてのいずれかで、布地色相効果を達成するために使用することができる化合物の別の群である。好適な蛍光増白剤としては、ジアミノスチルベン、ジスチリルビフェニル、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、このような蛍光染料は、4,4’-ビス{[4-アニリノ-6-モルホリノ-s-トリアジン-2-イル]-アミノ}-2,2’-スチルベンジスルホン酸二ナトリウム(「蛍光増白剤260」とも呼ばれる)、4,4’’-ビス[(4,6-ジ-アニリノ-s-トリアジン-2-イル)-アミノ]-2,2’-スチルベンジスルホン酸二ナトリウム、4,4’-ビス{[4-アニリノ-6-[ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ-s-トリアジン-2-イル]アミノ}-2,2’-スチルベンジスルホン酸二ナトリウム、2,2’-([1,1’-ビフェニル]-4,4’ジイルジビニレン)ビス(ベンゼンスルホン酸)二ナトリウム(「蛍光増白剤351」とも呼ばれる)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。本発明の一体型洗濯用洗剤物品に組み込まれる特に好ましい蛍光増白剤は、蛍光増白剤351である。蛍光増白剤は、3~30μm、又は3μm~20μm、又は3~10μmの範囲の重量平均粒径を有する微粉化された粒子形態であってよい。蛍光増白剤は、アルファ又はベータ結晶形態であってもよい。
【0081】
布地色相剤は、例えば、ダスティング、散布、噴霧、コーティング、又は当該技術分野において周知の他の直接堆積技術によって、2枚以上の非繊維性シートの1つ以上の内面に直接塗布してよい。本明細書で使用するとき、用語「内面」は、2枚以上の非繊維性シートが本発明の一体型洗濯用洗剤物品に組み立てられたときに、外部環境に曝露されない表面を指す。
【0082】
あるいは、布地色相剤をまず構造体に組み込んでもよく、次いで、これを2枚以上の非繊維性シートの間に配置する。例えば、布地色相剤を、(a)水溶性繊維構造体、(b)水溶性非繊維性シート構造体、(c)水溶性ペースト状構造体、(d)離散水溶性粒子、又は(e)これらの組み合わせに組み込んでよく、次いで、2枚以上のシートの間に配置する。
【0083】
本発明の特に好ましい実施形態では、布地色相剤は、上述の2枚以上の非繊維性シートの間に配置された水溶性繊維構造体中に存在する。水溶性繊維構造体は、それぞれがこのような各繊維要素の総乾燥重量の約0.01%~約30%、好ましくは約0.05%~約20%、より好ましくは約0.1%~約15%、最も好ましくは約0.5%~約10%の布地色相剤を含む複数の繊維要素を含み得る。繊維要素のそれぞれは、約10%~約90%、好ましくは約20%~約80%、より好ましくは約30%~約70%のフィラメント形成材料を更に含んでいてよく、好ましくは、当該フィラメント材料は、ポリビニルアルコール、デンプン、セルロース系ポリマー(例えば、カルボキシメチルセルロース)、ポリエチレンオキシド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。フィラメント形成材料は、約50,000g/モル~約3,000,000g/モルの重量平均分子量を有し得る。この範囲では、フィラメント形成材料は、繊維作製プロセスにおいて繊維の細長化(attenuation)が阻害されるほど弾性ではないように、伸長レオロジーを提供し得ると考えられる。繊維要素は、可塑剤、例えばグリセリン及び/又はpH調整剤、例えばクエン酸を更に含んでいてよい。
【0084】
布地色相剤に加えて、繊維要素のそれぞれは、第2の界面活性剤、構造化剤、ビルダー、ポリマー分散剤、酵素、酵素安定剤、漂白系、増白剤、キレート剤、抑泡剤、コンディショニング剤、保湿剤、香料、香料マイクロカプセル、充填剤又はキャリア、アルカリ性系、pH制御系、緩衝剤、アルカノールアミン、防蚊剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される1つ以上の活性剤を更に含み得る。本発明の特定の好ましい一実施形態では、繊維要素のそれぞれは、非繊維性シートについて上述した界面活性剤から選択することができるが、好ましくは、第1の界面活性剤とは異なる第2の界面活性剤を更に含む。繊維要素は、互いに適合性又は不適合である、上述の2つ以上の異なる活性剤を含み得る。
【0085】
概して、繊維要素又はフィラメントは、その平均断面直径を大幅に超える長さ、すなわち、少なくとも10:1の長さ対直径のアスペクト比を有する細長い粒子である。本発明の繊維要素又はフィラメントは、好ましくは、本明細書に記載の直径試験方法に従って測定したとき、約1mm以下、及び/又は約300μm以下、及び/又は約75μm以下、及び/又は約50μm以下、及び/又は約25μm以下、及び/又は約10μm以下、及び/又は約5μm以下、及び/又は約1μm以下の平均断面直径を有する。より好ましくは、繊維要素又はフィラメントは、約1cm~約20cm、好ましくは約2cm~約15cm、より好ましくは約3cm~約10cm、最も好ましくは約5cm~約8cmの範囲の長さを有する。繊維要素の直径及び長さを使用して、その中に存在する布地色相剤及び/若しくは活性剤の溶解及び/若しくは放出速度、並びに/又は繊維要素の物理的構造の喪失及び/若しくは変化速度を制御することができる。
【0086】
布地色相剤はまた、離散水溶性粒子の中に又は上に組み込まれてもよく、これは、次に、上述の非繊維性シートの間に挟まれる。本発明で使用するのに好適な離散粒子は、非繊維性である限り、球体、ロッド、プレート、チューブ、正方形、矩形、ディスク、星形、規則的又は不規則な形状のフレーク、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される任意の形状であってよい。当該粒子は、本明細書に記載の中央粒径試験に従って測定したとき、2000μm以下の中央粒径を有し得る。好ましくは、そのような離散粒子は、本明細書に記載の中央粒径試験に従って測定したとき、約1μm~約2000μm、好ましくは約10μm~約1800μm、より好ましくは約50μm~約1700μm、更により好ましくは約100μm~約1500μm、更により好ましくは約250μm~約1000μm、最も好ましくは約300μm~約800μmの範囲の中央粒径を有する。そのような離散粒子の嵩密度は、500g/L~1000g/L、好ましくは600g/L~900g/L、より好ましくは700g/L~800g/Lの範囲であってよい。
【0087】
布地色相剤に加えて、離散粒子のそれぞれは、水溶性繊維構造体について上述した1つ以上の活性剤を更に含んでいてもよい。更に、本発明の離散粒子は、任意に、洗浄性能を支援若しくは増強するために又はその審美性を変化させるために、1つ以上の他の補助洗剤成分を含んでいてもよい。このような補助洗剤成分の例示的な例としては、(1)アルコキシル化ポリアルキレンイミン及びポリアルキレングリコールなどのレオロジー変性剤;(2)炭酸塩(重炭酸塩及びセスキ炭酸塩を含む)、硫酸塩、リン酸塩(トリポリリン酸塩、ピロリン酸塩、及びガラス質メタリン酸塩多量体によって例示される)、ホスホン酸塩、フィチン酸、ケイ酸塩、ゼオライト、クエン酸塩、ポリカルボン酸塩及びその塩(例えば、メリト酸、コハク酸、オキシジコハク酸、ポリマレイン酸、ベンゼン1,3,5-トリカルボン酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、及びこれらの可溶性塩)、エーテルヒドロキシポリカルボン酸塩、無水マレイン酸とエチレン又はビニルメチルエーテルとのコポリマー、1,3,5-トリヒドロキシベンゼン-2,4,6-トリスルホン酸、3,3-ジカルボキシ-4-オキサ-1,6-ヘキサンジオエート、ポリ酢酸(例えば、エチレンジアミン四酢酸及びニトリロ三酢酸)及びその塩、脂肪酸(例えば、C12~C18モノカルボン酸)などの無機及び/又は有機ビルダー;(3)アミノカルボキシレート、アミノホスホネート、多官能置換された芳香族キレート剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される、鉄及び/又はマンガンキレート剤などのキレート剤;(4)水溶性エトキシル化アミン(特に、エトキシル化テトラエチレンペンタミン)などの粘土汚れ除去/再付着防止剤;(5)ポリマーカルボキシレート、アクリル酸/マレイン酸系コポリマー及びこれらの水溶性塩、ヒドロキシプロピルアクリレート、マレイン酸/アクリル酸/ビニルアルコールターポリマー、ポリアスパルテート、並びにポリグルタメートなどのポリマー分散剤;(6)モノカルボン酸脂肪酸及びその可溶性塩、高分子量炭化水素(例えば、パラフィン、ハロパラフィン、脂肪酸エステル、一価アルコールの脂肪酸エステル、脂肪族C18~C40ケトンなど)、N-アルキル化アミノトリアジン、プロピレンオキシド、モノステアリルホスフェート、シリコーン又はその誘導体、二級アルコール(例えば、2-アルキルアルカノール)、及びそのようなアルコールとシリコーン油との混合物などの抑泡剤;(7)C10~C16アルカノールアミド、C10~C14モノエタノール及びジエタノールアミド、高起泡性界面活性剤(例えば、アミンオキシド、ベタイン、及びスルタイン)、並びに可溶性マグネシウム塩(例えば、MgCl2、MgSO4など)などの起泡促進剤;(8)スメクタイト粘土、アミン柔軟剤、及びカチオン性柔軟剤などの布地柔軟剤;(9)ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN-オキシドポリマー、N-ビニルピロリドンとN-ビニルイミダゾールとのコポリマー、マンガンフタロシアニン、ペルオキシダーゼ、並びにこれらの混合物などの移染防止剤;(10)プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、及びペルオキシダーゼ、並びにこれらの混合物などの酵素;(11)カルシウムイオン及び/又はマグネシウムイオンの水溶性供給源、ホウ酸又はホウ酸塩(酸化ホウ素、ホウ砂、及びその他のアルカリ金属ホウ酸塩など)を含む酵素安定剤;(12)過炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム過酸化水素化物、ピロリン酸ナトリウム過酸化水素化物、尿素過酸化水素化物、及び過酸化ナトリウム)、過硫酸塩、過ホウ酸塩、マグネシウムモノペルオキシフタレート六水和物、メタクロロ過安息香酸のマグネシウム塩、4-ノニルアミノ-4-オキソペルオキシ酪酸及びジペルオキシドデカン二酸、6-ノニルアミノ-6-オキソペルオキシカプロン酸、及び光活性化漂白剤(例えば、スルホン化亜鉛及び/又はアルミニウムフタロシアニン)などの漂白剤;(13)ノナノイルオキシベンゼンスルホネート(NOBS)(nonanoyloxybenzene sulfonate)、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)(tetraacetyl ethylene diamine)、(6-オクタンアミドカプロイル)オキシベンゼンスルホネート、(6-ノナンアミドカプロイル)オキシベンゼンスルホネート、(6-デカンアミドカプロイル)オキシベンゼンスルホネート、及びこれらの混合物を含むアミド由来の漂白活性化剤、ベンゾオキサジン型活性化剤、アシルラクタム活性化剤(特にアシルカプロラクタム及びアシルバレロラクタム)などの漂白活性化剤;並びに(14)キャリア、ヒドロトロープ、加工助剤、香料(純香料及び香料マイクロカプセルの両方を含む)、及び固体充填剤が挙げられるがこれらに限定されない任意の他の既知の洗剤補助成分、が挙げられる。
【0088】
一体型洗濯用洗剤物品
本発明の一体型洗濯用洗剤物品は、2枚以上の上述の非繊維性シートの間に挟まれた上述の布地色相剤を含有する。
図1は、2枚の界面活性剤含有非繊維性シート12及び14の間に挟まれた布地色相剤15を含有する、一体型洗濯用洗剤物品10の概略断面図である。布地色相剤15は、上述のような任意の形態で存在し得る。
【0089】
いかなる理論にも束縛されるものではないが、このような、すなわち、両側が界面活性剤含有非繊維性シートであり、中央が布地色相剤であるサンドイッチ構造は、洗浄サイクル中に布地色相剤の洗浄液への溶解を(阻害するのではなく)改善する機能を有し、それによって、布地色相剤が比較的大量に提供されたときに典型的にみられる布地の染み又は斑点の問題を低減又は排除すると考えられる。更に、このようなサンドイッチ構造により、比較的大量の布地色相剤を比較的「目に見えない」ように仕上げた製品に組み込むことが可能になり、それにより、このような布地色相剤が製品外観全体に対して有し得るあらゆる悪影響が最小限に抑えられる。
【0090】
好ましくは、布地色相剤をまず水溶性繊維構造体に組み込み、これを次に、2枚の非繊維性界面活性剤含有シートの間に配置する。このような水溶性繊維構造体は、更に、布地色相剤の溶解を更に改善する機能を有し、一方、非繊維性界面活性剤含有シートは、改善された構造的一体性及び仕上げた製品のより良好な消費者知覚を提供する。
図2は、2枚の非繊維性界面活性剤含有シート22及び24の間に挟まれた複数の繊維要素27で作製された水溶性繊維構造体を含む、一体型洗濯用洗剤物品20の概略断面図である。繊維要素27のそれぞれは、上述のような布地色相剤(図示せず)を含有する。
【0091】
本発明の一体型洗濯用洗剤物品は、任意の形状又はサイズを有していてよく、好ましくは、(1)約0.1mm~約10mmの範囲の厚さと、(2)少なくとも約5:1の長さ対厚さのアスペクト比と、(3)少なくとも約5:1の幅対厚さのアスペクト比とを有する積層物品である。更に、一体型洗濯用洗剤物品は、少なくとも約1:1の長さ対幅のアスペクト比を有することが好ましい。好ましくは、長さ対厚さのアスペクト比及び幅対厚さのアスペクト比は、両方とも少なくとも約10:1であり、長さ対幅のアスペクト比は、少なくとも約1.2:1である。より好ましくは、長さ対厚さのアスペクト比及び幅対厚さのアスペクト比は、両方とも少なくとも約15:1であり、長さ対幅のアスペクト比は、少なくとも約1.5:1である。最も好ましくは、長さ対厚さのアスペクト比及び幅対厚さのアスペクト比は、両方とも少なくとも約20:1であり、長さ対幅のアスペクト比は、少なくとも約1.618:1である。本発明の一体型洗濯用洗剤物品の厚さは、好ましくは約0.2mm~約5mm、より好ましくは約0.3mm~約4mm、最も好ましくは約0.5mm~約2mmである。そのような物品の幅は、約2cm~約1メートル、好ましくは約5cm~約50cm、より好ましくは約10cm~約40cmの範囲であり得る。そのような物品の長さは、約2cm~約50メートル、好ましくは約5cm~約1メートル、より好ましくは約10cm~約80cmの範囲であり得る。
【0092】
本発明の好ましいが必須ではない実施形態では、本発明の一体型洗濯用洗剤物品は、黄金比の長方形形状を有し(すなわち、約1.618:1の長さ対幅のアスペクト比を有する)、約10~15cmの幅及び約0.5mm~約2mmの厚さを特徴とする。そのような黄金比の長方形形状は、消費者にとって審美的に感じがよく快適なものであるので、そのような形状の複数の物品を積み重ね、同様の黄金比の長方形形状を特徴とする容器に、販売用にまとめて包装してもよい。
【0093】
本発明の代替的な実施形態では、一体型洗濯用洗剤物品は、細長い形状(すなわち、約10~50:1の長さ対幅のアスペクト比を有する)を有し、約10~15cmの幅及び約0.5mm~約2mmの厚さを特徴とする。そのような細長い形状により、包装、保管、出荷、及び陳列を容易にするために、そのような物品を巻いたり折り畳んだりしてコンパクトなユニットにすることが可能になる。
【0094】
好ましくは、本発明の一体型洗濯用洗剤物品は、それを消費者にとって審美的に感じのよいものにする、特定の属性を有する。例えば、物品は、比較的滑らかな表面(両側の上述の非繊維性界面活性剤含有シートによって提供される)を有し得、それによって、消費者が触れたときに心地よい感触を与える。更に、そのような物品は、その表面上に知覚可能な細孔をほとんど又は全く有し得ないことが望ましい。また、本発明の一体型洗濯用洗剤物品は、その構造的一体性を失うことなく実質的な機械力に耐える強度であるが、同時に、容易に包装及び保管できるように十分に可撓性であることも望ましい。
【0095】
好ましくは、一体型洗濯用洗剤物品は、20℃、大気圧下で、全く撹拌せずに、15秒以内、より好ましくは10秒以内、より好ましくは5秒以内に、1リットルの脱イオン水に完全に、すなわち、溶液中に目に見える残渣を残さずに溶解することができる。
【0096】
まず、界面活性剤含有非繊維性シート及び布地色相要素(そのままか又は上述のように構造体に組み込まれているかのいずれか)を別々に形成し、次いで、これらをまとめて一体型物品に組み立てることによって、一体型洗濯用洗剤物品を形成することができる。
【0097】
例えば、第1の形成された非繊維性シートを平坦な表面、例えばコンベヤベルト上に配置してよく、一方、布地色相剤を含有する予め形成された繊維性/非繊維性/ペースト状/粒子状構造体を、第1の形成された非繊維性シートの第1の平面上に堆積させてよい。続いて、第2の形成された非繊維性シートを繊維性/非繊維性/ペースト状/粒子状構造体の上部に配置して、第1の非繊維性シートと第2の非繊維性シートとの間に配置された繊維性/非繊維性/ペースト状/粒子状構造体を有するサンドイッチ構造体を形成する。
【0098】
あるいは、非繊維性シート及び布地色相剤を同時に形成し、まとめて一体型物品に組み立てることによって、一体型洗濯用洗剤物品を形成することもできる。このような実施形態では、布地色相剤は、乾燥粉末又はそれを含有する水溶液のいずれかの形態で、シートが形成されるときに1枚以上の非繊維性シート上に直接配置してよく、このような非繊維性シートのうちの2枚以上を直ちに連続ローラに供給し、圧力及び/又は加熱下でまとめてシールして、本発明の一体型洗濯用洗剤物品を形成する。
【0099】
本発明の一体型洗濯用洗剤物品は、必要に応じて、任意の数の追加の層(繊維性又は非繊維性)を更に含んでいてもよく、このような追加の層は、布地色相剤を含有していても含有していなくてもよい。
【0100】
このように形成された一体型洗濯用洗剤物品は、その構造的一体性を強化するために、その周辺部に沿って、又は物品全体にわたって、又はそのような物品の特定の部分若しくは領域で断続的に、加熱プレス又はヒートシールすることによって更に加工してもよい。また更に、一体型洗濯用洗剤物品は、その審美的見栄え及びユーザの使いやすさを改善するために、異なる形状に切断しても、エンボス加工しても、穿孔しても、異なる色若しくはグラフィックパターンを印刷しても、折り畳んでも、巻いても、又は別の方法で包装してもよい。
【0101】
それに対応して、上述した一体型洗濯用洗剤物品は、布地を前処理及び/又は洗浄するために、特に布地から染み及び/又は臭いを除去するために容易に使用することができる。好ましくは、上述した本発明の一体型洗濯用洗剤物品は、洗浄前に布地を前処理するために使用され、これは、頑固な染み、例えば、襟汚れ、食品グリース、草の染み、粘土、又は除去するのが困難なその他の汚れ又は垢を除去するのに特に有効である。前処理及び/又は洗浄のために使用する場合、まず、前処理及び/又は洗浄を必要とする布地の部分を濡らし、次いで、そのような一体型洗濯用洗剤物品又はその小片を、布地の濡らした部分と直接接触させてよい。
【0102】
本発明はまた、本発明による物品を使用する洗濯方法であって、本発明による少なくとも1つの物品を、洗浄される洗濯物と一緒に洗濯機に入れる工程と、洗浄又はクリーニング操作を行う工程とを含む、洗濯方法を包含する。
【0103】
任意の好適な洗濯機が使用され得る。当業者は、関連の洗浄作業に好適な洗濯機を認識するであろう。本発明の一体型洗濯用洗剤物品は、布地添加剤、布地柔軟剤、すすぎ助剤などの他の組成物と併用され得る。
【0104】
洗浄温度は、30℃以下であってよい。洗浄プロセスは、5~20分の持続時間を有する少なくとも1回の洗浄サイクルを含み得る。自動洗濯機は回転ドラムを含んでいてよく、少なくとも1回の洗浄サイクル中、ドラムは、15~40rpm、好ましくは20~35rpmの回転速度を有する。
【0105】
測定方法
本発明の一体型洗濯用洗剤物品又はその構成要素の特性を決定するための様々な技術が当該技術分野において既知である。しかしながら、本明細書において説明されかつ特許請求される発明を完全に理解し得るには、以下のアッセイを用いる必要がある。
【0106】
試験1:直径試験方法
走査型電子顕微鏡(SEM)(Scanning Electron Microscope)又は光学顕微鏡、及び画像解析ソフトウェアを使用して、離散繊維要素又は繊維構造体内の繊維要素の直径を求める。繊維要素を測定のために適切に拡大するように、200~10,000倍の倍率を選択する。SEMを使用する場合には、電子ビーム中での繊維要素の帯電及び振動を避けるために、試料を金又はパラジウム化合物でスパッタリングする。SEM又は光学顕微鏡を用いて得られた画像(モニタースクリーン上)から繊維要素の直径を測定するにはマニュアルの手順を用いる。マウス及びカーソルツールを使用して、ランダムに選択された繊維要素の縁部を探し、その後、その幅(すなわち、その点における繊維要素の方向に対して垂直な)にわたって繊維要素の他方の縁部まで測定する。目盛り付きの較正された画像解析ツールにより、μm単位で実際の読取値を取得するための目盛りが提供される。繊維構造体内の繊維要素については、SEM又は光学顕微鏡を用いて、繊維構造体の試料全体からいくつかの繊維要素をランダムに選択する。繊維構造体の少なくとも2つの部分を切り取り、この方法で試験する。統計解析のために、このような測定を全部で少なくとも100回実施し、次いで、全てのデータを記録する。記録したデータを用いて、繊維要素の直径の平均値(平均)、繊維要素の直径の標準偏差、及び繊維要素の直径の中央値を計算する。
【0107】
別の有用な統計値として、特定の上限よりも小さい繊維要素の集合の量を算出する。この統計値を決定するために、繊維要素の直径の結果のいくつが上限よりも小さいかをカウントするようにソフトウェアをプログラムし、そのカウント(データの合計数で除し、100%を掛ける)を、上限よりも小さいパーセント(例えば直径が1μmよりも小さいパーセント又はサブミクロン%)として、パーセントで記録する。本発明者らは、個々の円形繊維要素に関し測定された直径(μmで)をdiとして表す。
【0108】
繊維要素が非円形断面を有する場合、繊維要素の直径の測定値は、水力直径として求められ、水力直径と等しいものと設定される。水力直径とは繊維要素の断面積を4倍して、繊維要素の断面の周囲長さ(中空の繊維要素の場合は外周囲長さ)で除したものである。数-平均直径、あるいは平均直径は、以下のとおりに計算する:
【0109】
【0110】
試験2:中央粒径試験方法
上述したように、離散粒子の中央粒径を決定するためには、この試験方法を使用する必要がある。
【0111】
1989年5月26日に承認されたASTM D 502-89、「Standard Test Method for Particle Size of Soaps and Other Detergents」を分析に用いられる篩のサイズについての更なる規格とともに用いて、シード物質の中央粒径を測定するために中央粒径試験を実施する。第7項の「Procedure using machine-sieving method」に従って、米国標準(ASTM E11)篩♯8(2360um)、♯12(1700um)、♯16(1180um)、♯20(850um)、♯30(600um)、♯40(425um)、♯50(300um)、♯70(212um)、♯100(150um)を含む、入れ子状の清浄な乾燥した篩が必要である。規定された機械篩い法が、上記の入れ子状の篩とともに使用される。シード物質をサンプルとして用いる。好適な篩振盪機は、W.S.Tyler Company(Mentor,Ohio,U.S.A.)から入手することができる。
【0112】
各篩のμmのサイズの開口部を対数横軸に対してプロットし、累積質量パーセント(Q
3)を線形縦軸に対してプロットする片対数プロット上に、データをプロットする。上記データ表現の例は、ISO 92761:1998、「Representation of results of particle size analysis-Part 1:Graphical Representation」の
図A.4に記載されている。この発明の目的のために、シード物質の中央粒径(D
50)は、累積質量パーセントが50パーセントに等しい点における横座標値として定義され、以下の等式を使用する50%値の真上(a50)及び真下(b50)のデータ点間の直線補間によって計算される:
D
50=10^[Log(D
a50)-(Log(D
a50)-Log(D
b50))
*(Q
a50-50%)/(Q
a50-Q
b50)]
(式中、Q
a50及びQ
b50は、それぞれ50パーセンタイル値の真上及び真下のデータの累積質量パーセンタイル値であり、D
a50及びD
b50は、これらデータに対応するμmの篩サイズ値である)。
【0113】
50パーセンタイル値が最も細かい篩サイズ(150um)よりも小さいか又は最も粗い篩サイズ(2360um)よりも大きい場合、中央値が2つの測定された篩サイズ間に入るまで、1.5以下の等比級数に従って入れ子に追加の篩を加える必要がある。
【0114】
シード物質の分布スパンとは、中央値の前後のシードサイズ分布の全幅の尺度である。これは、以下に従って計算される:
スパン=(D84/D50+D50/D16)/2
(式中、D50は中央粒径であり、D84及びD16は、それぞれ累積質量パーセントの維持プロット上の16パーセンタイル値及び84パーセンタイル値における粒径である)。
【0115】
D16値が、最も細かい篩サイズ(150um)よりも小さい場合、スパンは以下に従って計算する。
Span=(D84/D50)。
【0116】
D84値が、最も粗い篩サイズ(2360um)よりも大きい場合、スパンは以下に従って計算する。
Span=(D50/D16)。
【0117】
D16値が最も細かい篩サイズ(150um)よりも小さく、かつD84値が最も粗い篩サイズ(2360um)よりも大きい場合、分布スパンは最大値5.7とする。
【実施例0118】
実施例1:非繊維性シートの配合
【0119】
【表1】
*約1の平均エトキシル化度を有する
**約48000ダルトンの重量平均分子量(Mw)を有する。
***約4000ダルトンの重量平均分子量(Mw)を有する。
****香料、キレート剤などを含む。
【0120】
実施例2:布地色相剤含有構造体
【0121】
【0122】
実施例3:本発明の一体型洗濯用洗剤物品による、布地の染み/斑点の低減を示す比較試験
実施例1に記載の2枚の非繊維性界面活性剤含有シートS5を含有し、それらの間に実施例2に記載の布地色相剤含有繊維構造体Aが挟まれている、本発明の一体型洗濯用洗剤物品を提供する。非繊維性シートS5のそれぞれは、約5.5cmの長さ、約5.5cmの幅、及び約0.95mmの厚さ、並びに約1.5グラムの重量を有するので、当該非繊維性シートの総重量は約3グラムである。繊維構造体Aは、非繊維性シートS5と同じ長さ及び幅を有するが、約1.2mmの厚さ及び約0.5グラムの重量を有する。繊維構造体Aを非繊維性シートS5の間に配置し、次いで、圧力及び加熱下でまとめてシールして、本発明の本発明の一体型洗濯用洗剤物品を形成する。
【0123】
同じ2枚の非繊維性シートS5及び同じ布地色相剤含有繊維構造体Aを含有する比較用の洗濯用洗剤物品も提供するが、これらはまとめてシールせず、互いに分離したままである。
【0124】
本発明の洗濯用洗剤物品及び比較用の洗濯用洗剤物品の両方を、以下の試験条件及び手順下で布地を処理するために使用する。
【0125】
試験条件
●使用した洗濯機:Electrolux W565H;
●洗浄サイクル:
○主洗浄-10分間;
○1回目の回転-約800rpmで1分35秒間;
○1回目のすすぎ:4分間;
○2回目の回転-約1000rpmで1分10秒間;
○2回目のすすぎ:4分間;
○3回目の回転-約1000rpmで1分10秒間;
●給水:北京市水道水;
●水位:主洗浄及びすすぎの両方について約13L;
●布地負荷のサイズ及び種類:
○それぞれ50cm×50cmの布地サイズを有し、及び約1.7kgの総重量を有する、13枚の白色バラスト布地片;
○綿60%及び50/50比のポリエステルと綿との混紡40%を含有。
【0126】
試験手順:
1.各試験前に4分間のすすぎサイクルを2回使用して洗濯機をすすぎ洗いする。
2.本発明の又は比較用の試験サンプルを、洗濯機の洗浄槽の底部に置く。
3.1片の綿バラスト布地を、本発明又は比較用の試験サンプルの上部に平らに置く。
4.他のバラスト布地を洗浄槽に緩く入れる。
5.洗濯機のドアを閉じ、洗浄サイクルを開始する。
6.1回の洗浄サイクルが終了した後、ドアを開け、バラストを取り出す。
7.約22℃の乾燥室内でバラストを一晩自然乾燥させる。
8.乾燥した布地バラストを、斑点評価のために次の朝に回収する。
9.一眼レフカメラ(10cm×10cmのフレームサイズまでズーム)を使用して、同じ光源下及び同じ距離で、白色布地片上のあらゆる染み/斑点領域の写真を撮影する。
10.画像分析ツールを使用して斑点強度を定量化し、これについて、処理された布地上の斑点領域を撮影された布地写真の全フレーム面積で除した割合(%)として計算する。
【0127】
試験結果は以下のとおりである。
【0128】
【表3】
*本発明の物品によって処理された合計52枚の布地片(すなわち、試験1回当たり13枚の布地片で4回の反復試験)のうち合計10枚の染み/斑点の付いた布地片が存在する。各布地片上の染み/斑点領域の画像を、10cm×10cmのフレームサイズまでズームした一眼レフカメラによってとらえ、次いで画像を分析して斑点強度を計算する。
**比較用の物品によって処理された合計52枚の布地片(すなわち、試験1回当たり13枚の布地片で4回の反復試験)のうち合計11枚の染み/斑点の付いた布地片が存在する。各布地片上の染み/斑点領域の画像を、10cm×10cmのフレームサイズまでズームした一眼レフカメラによってとらえ、次いで画像を分析して斑点強度を計算する。
【0129】
本発明の洗濯用洗剤物品及び比較用の洗濯用洗剤物品からは、同様の数の染み/斑点の付いた布地片が生じるが、比較用の洗濯用洗剤物品で処理された布地片上の斑点は、本発明の本発明の洗濯用洗剤物品で処理されたものよりもはるかに深刻である。
【0130】
本明細書で開示する寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限られるとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、このような寸法はそれぞれ、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図されている。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0131】
相互参照される又は関連する全ての特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本願に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとは見なされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのような発明全てを教示、示唆又は開示するとは見なされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照することによって組み込まれた文書内の同じ用語の意味又は定義と矛盾する場合、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0132】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図されている。