(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125335
(43)【公開日】2024-09-18
(54)【発明の名称】システムおよびプリンタ
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20240910BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240910BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
G06F3/12 359
G06F3/12 307
H04N1/00 912
B41J29/38 201
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024098404
(22)【出願日】2024-06-19
(62)【分割の表示】P 2020164738の分割
【原出願日】2020-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 崇之
(57)【要約】 (修正有)
【課題】プリンタに入力された印刷ジョブが完了した際の報知を改善させる。
【解決手段】プリンタ2と情報処理装置3とを備える印刷システム1において、情報処理装置は、印刷の実行完了を示す完了通知の送信を指定した印刷ジョブをプリンタに送信する。プリンタは、情報処理装置から送信された印刷ジョブを受信し、受信した印刷ジョブに基づく印刷を完了させたときに、完了させた印刷ジョブの実行を、プリンタの操作パネル16への操作に基づかずに開始させた場合は、完了通知を情報処理装置に送信し、完了させた印刷ジョブの実行を、プリンタの操作パネルへの操作に基づいて開始させた場合は、完了通知を印刷ジョブの送信元である情報処理装置に送信しない。情報処理装置は、印刷ジョブをプリンタに送信した後、情報処理装置あての完了通知をプリンタから受信した場合に、印刷の実行完了を示す完了情報を、ユーザインターフェースに報知させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネル操作に基づく印刷ジョブの完了は報知しない
プリンタと、前記プリンタに印刷を行わせる印刷ジョブを送信する情報処理装置と、を
備えるシステムであって、
前記情報処理装置は、
印刷の実行完了を示す完了通知の送信を指定した印刷ジョブを、前記情報処理装置が
備える通信インタフェースを介して前記プリンタに送信し、
前記プリンタは、
前記情報処理装置から送信された前記印刷ジョブを受信し、受信した前記印刷ジョブ
に基づく印刷を完了させたときに、完了させた前記印刷ジョブの実行を、前記プリンタの
ユーザインタフェースへの操作に基づかずに開始させた場合は、前記完了通知を前記印刷
ジョブの送信元である前記情報処理装置に送信し、完了させた前記印刷ジョブの実行を、
前記プリンタのユーザインタフェースへの操作に基づいて開始させた場合は、前記完了通
知を前記印刷ジョブの送信元である前記情報処理装置に送信せず、
前記情報処理装置は、
前記印刷ジョブを前記プリンタに送信した後、前記通信インタフェースを介して、前
記情報処理装置あての前記完了通知を前記プリンタから受信した場合に、印刷の実行完了
を示す完了情報を、前記情報処理装置が備えるユーザインタフェースに報知させる、
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
パネル操作に基づく印刷ジョブの完了は報知しない
印刷ユニットと、
ユーザインタフェースと、
コンピュータと、
を備えるプリンタであって、
前記コンピュータは、
印刷の実行完了を示す完了通知の送信が指定された印刷ジョブを取得する取得処理と
、
前記取得処理にて取得した印刷ジョブに基づく印刷を、前記印刷ユニットに行わせる
印刷処理と、
を実行し、
さらに前記コンピュータは、
前記印刷処理によって前記印刷ジョブの実行を完了させたときに、完了させた前記印
刷ジョブの実行を、前記ユーザインタフェースへの操作に基づかずに開始させていた場合
は、前記完了通知を前記印刷ジョブの送信元の装置に送信し、完了させた前記印刷ジョブ
の実行を、前記ユーザインタフェースへの操作に基づいて開始させていた場合は、前記完
了通知を前記印刷ジョブの送信元の装置に送信しない完了通知処理を実行する、
ことを特徴とするプリンタ。
【請求項3】
印刷ジョブは蓄積印刷ジョブ
請求項2に記載するプリンタにおいて、
前記コンピュータは、
前記取得処理にて取得した前記印刷ジョブが所定の蓄積条件を満たす場合、受信した
前記印刷ジョブを前記プリンタのメモリに蓄積する蓄積処理と、
前記蓄積処理によって蓄積された前記印刷ジョブの印刷実行を指示するための特定操
作を、前記ユーザインタフェースを介して受け付ける受付処理と、
を実行し、
前記印刷処理では、前記受付処理にて前記特定操作を受け付けた場合、前記メモリに
記憶されている前記印刷ジョブに基づく印刷を、前記印刷ユニットに行わせ、
前記完了通知処理では、前記印刷処理によって前記印刷ジョブの実行を完了させたと
きに、完了させた前記印刷ジョブの実行を、前記ユーザインタフェースへの操作である前
記特定操作に基づかずに開始させていた場合は、前記完了通知を前記印刷ジョブの送信元
の装置に送信し、完了させた前記印刷ジョブの実行を、前記ユーザインタフェースへの操
作である前記特定操作に基づいて開始させていた場合は、前記完了通知を前記印刷ジョブ
の送信元の装置に送信しない、
ことを特徴とするプリンタ。
【請求項4】
印刷ジョブはダイレクト印刷やDL印刷
請求項2に記載するプリンタにおいて、
前記コンピュータは、
前記プリンタと通信可能に接続されるデバイスに記憶されている印刷ジョブの中から
実行対象の印刷ジョブの選択操作を、前記ユーザインタフェースを介して受け付ける選択
処理を実行し、選択対象の前記印刷ジョブには、前記完了通知の送信が指定された前記印
刷ジョブが含まれ、
さらに前記コンピュータは、
前記取得処理では、前記選択処理にて実行対象の印刷ジョブの選択操作を受け付けた
場合、選択された前記印刷ジョブを前記デバイスから読み出すことで、前記完了通知の送
信が指定された前記印刷ジョブを取得し、
前記完了通知処理では、前記印刷処理によって前記印刷ジョブの実行を完了させたと
きに、完了させた前記印刷ジョブの実行を、前記ユーザインタフェースへの操作である前
記選択操作に基づかずに開始させていた場合は、前記完了通知を前記印刷ジョブの送信元
の装置に送信し、完了させた前記印刷ジョブの実行を、前記ユーザインタフェースへの操
作である前記選択操作に基づいて開始させていた場合は、前記完了通知を前記印刷ジョブ
の送信元の装置に送信しない、
ことを特徴とするプリンタ。
【請求項5】
印刷ジョブに報知先の指定
請求項2から請求項4のいずれか1つに記載するプリンタにおいて、
前記コンピュータは、
前記取得処理では、前記完了通知の送信が指定され、さらに前記完了通知の宛先を示
す宛先情報が含まれる、前記印刷ジョブを取得し、
前記完了通知処理では、前記印刷処理によって前記印刷ジョブの実行を完了させたと
きに、完了させた前記印刷ジョブの実行を、前記ユーザインタフェースへの操作に基づか
ずに開始させていた場合は、前記印刷ジョブに含まれる前記宛先情報を用いて、前記完了
通知を前記印刷ジョブの送信元の装置に送信し、完了させた前記印刷ジョブの実行を、前
記ユーザインタフェースへの操作に基づいて開始させていた場合は、前記完了通知を前記
印刷ジョブの送信元の装置に送信しない、
ことを特徴とするプリンタ。
【請求項6】
印刷ジョブの管理と報知とが別モジュール
請求項2から請求項5のいずれか1つに記載するプリンタにおいて、
第1モジュールと、前記第1モジュールと異なる第2モジュールとを有し、
前記第1モジュールは、
前記印刷ジョブに基づく印刷を前記印刷ユニットに行わせ、
前記第2モジュールは、
前記印刷ジョブを取得してから前記第1モジュールによる前記印刷ユニットでの前記
印刷ジョブに基づく印刷の開始までの間に、前記ユーザインタフェースへの操作に基づい
て、前記第1モジュールが前記印刷ユニットでの前記印刷ジョブに基づく印刷を開始させ
たのか否かを示す開始情報を、前記プリンタのメモリに記憶し、
さらに前記第2モジュールは、
前記第1モジュールによる前記印刷ユニットでの前記印刷ジョブに基づく印刷の完了
を検知し、
さらに前記第2モジュールは、
前記第1モジュールによる前記印刷ユニットでの前記印刷ジョブに基づく印刷の完了
を検知したときに、前記メモリに記憶させた前記開始情報が、前記ユーザインタフェース
への操作に基づいて前記第1モジュールが前記印刷ユニットでの前記印刷ジョブに基づく
印刷を開始させたことを示していない場合は、前記完了通知を前記印刷ジョブの送信元の
装置に送信し、前記メモリに記憶させた前記開始情報が、前記ユーザインタフェースへの
操作に基づいて前記第1モジュールが前記印刷ユニットでの前記印刷ジョブに基づく印刷
を開始させたことを示していた場合は、前記完了通知を前記印刷ジョブの送信元の装置に
送信しない、
ことを特徴とするプリンタ。
【請求項7】
キャンセルも通知
請求項2から請求項6のいずれか1つに記載するプリンタにおいて、
前記コンピュータは、
前記印刷処理による前記印刷ジョブに基づく印刷の実行中、前記印刷ジョブをキャン
セルするキャンセル操作を、前記ユーザインタフェースを介して受け付けるキャンセル処
理を実行し、
さらに前記コンピュータは、
前記キャンセル操作に基づいて前記印刷ジョブをキャンセルしたときに、キャンセル
させた前記印刷ジョブの実行を、前記ユーザインタフェースへの操作に基づかずに開始さ
せていた場合は、印刷ジョブのキャンセルを示すキャンセル通知を、前記印刷ジョブの送
信元の装置に送信し、キャンセルさせた前記印刷ジョブの実行を、前記ユーザインタフェ
ースへの操作に基づいて開始させていた場合は、前記キャンセル通知を前記印刷ジョブの
送信元の装置に送信しないキャンセル通知処理を実行する、
ことを特徴とするプリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システムおよびプリンタに関する。さらに詳細には、プリンタに入力された
印刷ジョブに関する情報を、情報処理装置で報知する報知技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プリンタを有するシステムでは、印刷ジョブに関する情報を報知する技術が知られてい
る。例えば、特許文献1には、エラー情報を報知する技術として、1台のデジタル複合機
に少なくとも1台のホストPCが接続されている画像形成システムであって、デジタル複
合機にエラーが発生した場合、そのエラーを回復させるための情報をデジタル複合機から
ホストPCに送信する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
情報処理装置は、プリンタに印刷ジョブを送信した後、その印刷ジョブが完了したか否
かを知ることができない。そのため、利用者は自身の印刷ジョブが完了するタイミングが
分からず、例えばプリンタに移動した際に印刷ジョブが完了しておらず、完了するまで待
たされる、印刷物を取りに行くことを忘れてしまう、といった問題が生じる。引用文献1
のように、エラーが発生したときの報知については知られているが、エラーが発生してい
ないときの報知については改善の余地がある。
【0005】
本明細書は、プリンタに入力された印刷ジョブが完了した際の報知を改善させる技術を
開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題の解決を目的としてなされたシステムは、プリンタと、前記プリンタに印
刷を行わせる印刷ジョブを送信する情報処理装置と、を備えるシステムであって、前記情
報処理装置は、印刷の実行完了を示す完了通知の送信を指定した印刷ジョブを、前記情報
処理装置が備える通信インタフェースを介して前記プリンタに送信し、前記プリンタは、
前記情報処理装置から送信された前記印刷ジョブを受信し、受信した前記印刷ジョブに基
づく印刷を完了させたときに、完了させた前記印刷ジョブの実行を、前記プリンタのユー
ザインタフェースへの操作に基づかずに開始させた場合は、前記完了通知を前記印刷ジョ
ブの送信元である前記情報処理装置に送信し、完了させた前記印刷ジョブの実行を、前記
プリンタのユーザインタフェースへの操作に基づいて開始させた場合は、前記完了通知を
前記印刷ジョブの送信元である前記情報処理装置に送信せず、前記情報処理装置は、前記
印刷ジョブを前記プリンタに送信した後、前記通信インタフェースを介して、前記情報処
理装置あての前記完了通知を前記プリンタから受信した場合に、印刷の実行完了を示す完
了情報を、前記情報処理装置が備えるユーザインタフェースに報知させる、ことを特徴と
する。
【0007】
上記構成を有するシステムでは、プリンタが印刷を完了させた印刷ジョブが、プリンタ
のユーザインタフェースへの操作に基づいて開始された場合、ユーザがプリンタの前にい
ることが想定され、完了情報を情報処理装置に表示させる必要性が低い。そのため、その
ような印刷ジョブの完了通知はプリンタから情報処理装置に送信しない。一方、ユーザが
プリンタの前にいることが想定されないそれ以外の印刷ジョブの場合には、完了通知をプ
リンタから情報処理装置に送信する。このようなシステムによれば、完了情報の報知が必
要なケースで完了通知が情報処理装置に届くことになり、完了通知の無駄な通信や、完了
情報が頻繁に報知されてしまうことのユーザの煩わしさを軽減できる。
【0008】
上記装置の機能を実現するためのプリンタ、制御方法、コンピュータプログラム、およ
び当該コンピュータプログラムを格納するコンピュータにて読取可能な記憶媒体も、新規
で有用である。
【発明の効果】
【0009】
本明細書に開示される技術によれば、プリンタに入力された印刷ジョブが完了した際の
報知を改善させる技術が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】プリンタでの印刷および通知を実施するためのソフト構成を示す図である。
【
図3】データ解析処理の制御手順を示すフローチャートである。
【
図4】印刷ジョブ管理処理の制御手順の一部を示すフローチャートである。
【
図5】印刷ジョブ管理処理の制御手順の一部を示すフローチャートと、通知処理の制御手順を示すフローチャートである。
【
図6】印刷処理の制御手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本実施形態にかかる装置について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形
態は、例えば、プリンタと、当該プリンタに印刷を行わせる情報処理装置とを含む印刷シ
ステムを開示するものである。
【0012】
図1は、プリンタ2のハード構成を示す図である。プリンタ2は、情報処理装置3に通
信可能に接続され、印刷システム1を構築している。印刷システム1は「システム」の一
例である。
【0013】
プリンタ2は、通信機能と画像読取機能と印刷機能とを備える装置である。プリンタ2
は、例えば、情報処理装置3からプリンタ2あてに送信された印刷ジョブを受信し、受信
した印刷ジョブに基づく印刷を実行する。
【0014】
プリンタ2は、CPU11と、揮発性メモリ21と、不揮発性メモリ22とを含む制御
部10を備えている。CPU11は「コンピュータ」の一例である。揮発性メモリ21と
不揮発性メモリ22は「メモリ」の一例である。さらに、プリンタ2は、ネットワークイ
ンタフェース(以下、「ネットワークIF」とする)13と、USBインタフェース(以
下、「USB-IF」とする)14と、操作パネル16と、読取ユニット17と、印刷ユ
ニット18とを備え、これらが制御部10に電気的に接続されている。なお、
図1中の制
御部10は、プリンタ2の制御に利用されるハードウェアやソフトウェアを纏めた総称で
あって、実際にプリンタ2に存在する単一のハードウェアを表すとは限らない。
【0015】
CPU11は、メモリから読み出したプログラムに従って、また、ユーザの操作に基づ
いて、各種の処理を実行する。揮発性メモリ21、不揮発性メモリ22は、例えば、HD
D、フラッシュメモリであり、各種のプログラム、画像データや文書データなどのデータ
、各種設定を記憶する領域として利用される。CPU11が備えるバッファも、メモリの
一例である。
【0016】
メモリの一例は、コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体であってもよい。コン
ピュータが読み取り可能なストレージ媒体とは、non-transitoryな媒体で
ある。non-transitoryな媒体には、上記の例の他に、CD-ROM、DV
D-ROMなどの記録媒体も含まれる。また、non-transitoryな媒体は、
tangibleな媒体でもある。一方、インターネット上のサーバなどからダウンロー
ドされるプログラムを搬送する電気信号は、コンピュータが読み取り可能な媒体の一種で
あるコンピュータが読み取り可能な信号媒体であるが、non-transitoryな
コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体には含まれない。
【0017】
不揮発性メモリ22には、例えば、蓄積設定情報43が記憶されている。蓄積設定情報
43には、プリンタ2が取得した印刷ジョブを揮発性メモリ21に蓄積することを指示す
る「オン」、又は、プリンタが取得した印刷ジョブを揮発性メモリ21に蓄積しないこと
を指示する「オフ」が設定される。
【0018】
揮発性メモリ21には、例えば、蓄積設定情報43にオンが設定されている場合に、プ
リンタ2が取得した印刷ジョブが、印刷指示を受け付けるまで蓄積して記憶される。また
、揮発性メモリ21には、印刷完了後に通知を要することを示す蓄積情報42が記憶され
る。揮発性メモリ21に蓄積して記憶されたデータ印刷ジョブが蓄積して記憶されている
。
【0019】
ネットワークIF13は、情報処理装置3やクラウドサーバ8などの外部装置との通信
を行うためのハードウェアを含む。ネットワークIF13の通信方式は、無線でも有線で
もよく、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、USB、LANな
ど、どのような規格の方式でもよい。USB-IF14は、USBメモリ7などの外部装
置との通信を行うためのハードウェアを含む。ネットワークIF13とUSBインタフェ
ース14は「通信インタフェース」の一例である。
【0020】
操作パネル16は、情報を画面に表示するハードウェアと、ユーザによる入力操作を受
け付けるハードウェアと、を含む。操作パネル16は、表示用のディスプレイと、キーボ
ード、マウスなどとの組み合わせであっても良いし、表示機能と入力受付機能とを備える
タッチパネルであっても良い。操作パネル16は「ユーザインタフェース」の一例である
。
【0021】
読取ユニット17は、原稿を読み取るためのハードウェアを含む。印刷ユニット18は
、印刷データを用紙に印刷するためのハードウェアを含む。
【0022】
情報処理装置3は、通信機能と表示機能とを備えている。情報処理装置3は、例えば、
PC、タブレット、スマートフォンである。情報処理装置3は、プリンタドライバ31と
、ユーザインタフェース(以下「UI」とする)32と、通信インタフェース(以下「通
信IF」とする)33と、を備えている。
【0023】
UI32は、キーボードやマウスなどの操作デバイスと、液晶ディスプレイなどの表
示デバイスとを備える。操作デバイスと表示デバイスは別体でも一体でもよい。
【0024】
通信IF33は、プリンタ2などとの通信を行うためのハードウェアを含む。通信IF
33の通信方式は、無線でも有線でもよく、Wi-Fi(登録商標)、Bluetoot
h(登録商標)、USB、LANなど、どのような規格の方式でもよい。
【0025】
プリンタドライバ31は、プリンタ2に対応しており、プリンタ2に印刷ジョブを送信
するプログラムである。プリンタドライバ31は、例えば、印刷アプリ等にてプリンタ2
が指定された状態で印刷実行の指示または印刷設定の編集指示をUI32を用いて受け付
けた場合、プリンタ2のプロパティ設定の指示をUI32を用いて受け付けた場合、に起
動される。
【0026】
プリンタドライバ31は、プリンタ2での印刷に関する詳細な印刷パラメータをUI3
2に表示させ、UI32を用いて編集指示を受け付ける。例えば、プリンタドライバ31
は、給紙トレイや排紙トレイの選択、用紙種類や用紙サイズの選択、用紙サイズとしてユ
ーザ定義サイズの登録、カラー/モノクロ印刷の設定、解像度の設定をUI32を用いて
受け付ける。
【0027】
また、プリンタドライバ31は、印刷の実行完了を示す完了通知の送信の設定を受け付
ける。また、プリンタドライバ31は、蓄積指示の設定を印刷ジョブ毎に受け付ける。蓄
積指示は、印刷ジョブを所定の蓄積先に蓄積させ、プリンタ2に印刷指示が入力された場
合に蓄積した印刷ジョブに基づく印刷を行うことを指示するコマンドである。所定の蓄積
先は、プリンタ2のメモリでもよいし、サーバなどの外部装置のメモリであってもよい。
さらに、プリンタドライバ31は、本人認証用のパスワードの設定を受け付ける。
【0028】
プリンタドライバ31は、プリンタ2を用いて印刷を実行する印刷実行指示を受け付け
ると、印刷ジョブをプリンタ2に送信する。例えば、印刷ジョブは、ヘッダ情報と、印刷
対象となる印刷データが含まれる。例えば、ヘッダ情報のデータ形式はPJL(Printer
Job Languageの略)形式であり、印刷データのデータ形式はPDL(Page Description L
anguageの略)形式である。なお、印刷ジョブのデータ形式はこれに限定されない。
【0029】
図2は、本形態のプリンタ2での印刷および通知を実施するためのプリンタ2のソフト
構成を示す図である。プリンタ2の制御部10は、データ解析部51と、印刷ジョブ管理
部52と、通知部53と、印刷部54とを備える。印刷ジョブ管理部52と印刷部54は
「第1モジュール」の一例である。印刷ジョブ管理部52と通知部53は「第2モジュー
ル」の一例である。
【0030】
続いて、本形態のプリンタ2が行う処理について説明する。なお、以下の処理およびフ
ローチャートの各処理ステップは、基本的に、各プログラムに記述された命令に従ったC
PU11の処理を示す。すなわち、以下の説明における「判断」、「抽出」、「選択」、
「算出」、「決定」、「特定」、「取得」、「受付」、「制御」などの処理は、CPU1
1の処理を表している。CPU11による処理は、プリンタ2のOSのAPIを用いたハ
ードウェア制御も含む。本明細書では、OSの記載を省略して各プログラムの動作を説明
する。すなわち、以下の説明において、「プログラムBがハードウェアCを制御する」と
いう趣旨の記載は、「プログラムBがOSのAPIを用いてハードウェアCを制御する」
ことを指してもよい。また、プログラムに記述された命令に従ったCPU11の処理を、
省略した文言で記載することがある。例えば、「CPU11が行う」、「プログラムが行
う」のように記載することがある。
【0031】
なお、「取得」は要求を必須とはしない概念で用いる。すなわち、CPU11が要求す
ることなくデータを受信するという処理も、「CPU11がデータを取得する」という概
念に含まれる。また、本明細書中の「データ」とは、コンピュータに読取可能なビット列
で表される。そして、実質的な意味内容が同じでフォーマットが異なるデータは、同一の
データとして扱われるものとする。本明細書中の「情報」についても同様である。また、
「要求する」、「指示する」とは、要求していることを示す情報や、指示していることを
示す情報を相手に出力することを示す概念である。また、要求していることを示す情報や
指示していることを示す情報のことを、単に、「要求」、「指示」とも記載する。
【0032】
また、CPU11による、情報Aは事柄Bであることを示しているか否かを判断する処
理を、「情報Aから、事柄Bであるか否かを判断する」のように概念的に記載することが
ある。CPU11による、情報Aが事柄Bであることを示しているか、事柄Cであること
を示しているか、を判断する処理を、「情報Aから、事柄Bであるか事柄Cであるかを判
断する」のように概念的に記載することがある。
【0033】
プリンタ2は、電源が投入される間、データ解析部51と、印刷ジョブ管理部52と、
通知部53と、印刷部54が起動され、それぞれ、
図3に示すデータ解析処理、
図4およ
び
図5(A)に示す印刷ジョブ管理処理、
図5(B)に示す通知処理、
図6に示す印刷処
理を実行し、例えば、印刷ジョブに基づく印刷や、完了通知の送信を行う。以下、各処理
について説明する。なお、以下のデータ解析部51と印刷ジョブ管理部52と通知部53
と印刷部54による処理は、実質的にCPU11が行っている。
【0034】
まず、データ解析部51によるデータ解析処理について説明する。
図3は、データ解析
処理の制御手順を示すフローチャートである。データ解析部51は、まず、印刷ジョブを
取得したか否かを判断する(S11)。
【0035】
例えば、ネットワークIF13を介して情報処理装置3から送信された印刷ジョブを受
信した場合、データ解析部51は印刷ジョブを取得したと判断する(S11:YES)。
この場合、データ解析部51は、取得した印刷ジョブの解析を開始する(S13)。
【0036】
なお、データ解析部は、他の方法でも印刷ジョブを取得できる。例えば、プリンタ2は
、USB-IF14を介してUSBメモリ7と接続され、USBメモリ7に記憶されてい
る印刷ジョブを操作パネル16に表示させる。プリンタ2は、表示された印刷ジョブの中
から、操作パネル16を介して印刷対象となる印刷ジョブを選択する操作を受け付ける。
プリンタ2は、選択された印刷ジョブを実行する印刷指示を受けつけると、選択された印
刷ジョブをUSBメモリ17から読み出し、印刷ユニット18に印刷させる。このような
印刷方法を、以下「ダイレクト印刷」ともいう。
【0037】
また、例えば、プリンタ2は、ネットワークIF13を介してクラウドサーバ8と通信
可能に接続され、クラウドサーバ8に記憶されている印刷ジョブを操作パネル16に表示
させる。プリンタ2は、表示された印刷ジョブの中から、操作パネル16を介して印刷対
象となる印刷ジョブを選択する操作を受け付ける。プリンタ2は、選択された印刷ジョブ
を実行する印刷指示を操作パネル16を介して受け付けると、選択された印刷ジョブをク
ラウドサーバ8からダウンロードし、印刷ユニット18に印刷させる。このような印刷方
法を以下「ダウンロード印刷」ともいう。
【0038】
データ解析部51は、印刷ジョブの解析を開始すると、キャンセル指示を受け付けたか
否かを判断する(S15)。キャンセル指示は、例えば、操作パネル16に表示されるキ
ャンセルボタンが操作されることで受け付けられる。データ解析部51は、キャンセル指
示を受け付けていない場合(S15:NO)、S11にて取得した印刷ジョブのヘッダ情
報の解析が完了したか否かを判断する(S17)。データ解析部51は、キャンセル指示
を受け付けたか確認しながら、ヘッダ情報を解析する(S17:NO、S15)。
【0039】
例えば、データ解析部51は、ヘッダ情報を解析し、ヘッダ情報に含まれる、完了通知
の送信の指定や、完了通知の宛先を示す宛先情報や、パスワードや、蓄積指示や、印刷パ
ラメータを取得すると、ヘッダ情報の解析が完了したと判断する(S17:YES)。す
ると、データ解析部51は、解析されたヘッダ情報を印刷ジョブ管理部52へ通知する(
S19)。これにより、印刷ジョブ管理部52は、ヘッダ情報に含まれる各種情報に基づ
いて、印刷ジョブ管理ジョブを実行することが可能になる。
【0040】
その後、データ解析部51は、キャンセル指示を受け付けたか否かを判断する(S21
)。S21の処理はS15の処理と同様であるので説明を省略する。データ解析部51は
、キャンセル指示を受け付けていない(S21:NO)、1ページ分の描画データの作成
が完了したか否かを判断する(S23)。例えば、データ解析部51は、印刷ジョブに含
まれる印刷データのうち1ページ目のデータを解析し、ラスタ形式の描画データを作成す
る。データ解析部51は、キャンセル指示を受け付けたか否かを確認しながら、1ページ
分の描画データを作成する(S23:NO,S21)。
【0041】
データ解析部51は、1ページ分の描画データの作成が完了すると(S23:YES)
、1ページ分の描画データの作成が完了したことを印刷ジョブ管理部52へ通知する(S
25)。なお、S23の描画データは、1ページ分ではなくてもよい。例えば、プリンタ
2がインクジェットプリンタであれば、S23において、印刷可能なバンド分の描画デー
タの作成が完了したか否かを判断してもよい。その後、データ解析部51は、印刷ジョブ
に含まれる全ページ分について解析処理を終了したか否かを判断する(S27)。印刷ジ
ョブは、ジョブ終了を示すジョブ終了データが最後に付されている。データ解析部51は
、ジョブ終了データを検出するまで、S21~S27の処理を繰り返す(S27:NO)
。なお、データ解析部51は、ヘッダ情報にページ数を示す情報が含まれている場合には
、そのページ数を示す情報で全ページ分について解析を終了したか否かを判断してもよい
。
【0042】
データ解析部51は、印刷ジョブを解析して1ページ分の描画データを作成したときに
ジョブ最終データを検出すると、印刷ジョブに含まれる全ページ分について解析処理を終
了したと判断する(S27:YES)。この場合、データ解析部51は、印刷ジョブの全
ページについて解析処理が完了したことを印刷ジョブ管理部52に通知する(S29)。
その後、データ解析部51は、S11に戻り、次の印刷ジョブを受け付けるまで待機する
。
【0043】
データ解析部51は、S15、S21にて、キャンセル指示を受け付けると(S15:
YES、S21:YES)、印刷ジョブの読み捨てを開始する(S31)。つまり、デー
タ解析部51は、印刷ジョブを解析せず、取得した印刷ジョブをキャンセルする。データ
解析部51は、印刷ジョブに含まれる全ページ分について読み捨て処理が終了すると(S
33:YES)、S11の処理に戻る。
【0044】
このように、データ解析部51は、印刷制御や通知制御に必要な情報を印刷ジョブから
取得し、印刷ジョブ管理部52に渡していく。
【0045】
印刷ジョブ管理部52による印刷ジョブ管理処理について説明する。
図4は、印刷ジョ
ブ管理処理の制御手順の一部を示すフローチャートである。
図5(A)は、印刷ジョブ管
理処理の制御手順の一部を示すフローチャートである。
【0046】
印刷ジョブ管理部52は、
図3のS19にてデータ解析部51が通知したヘッダ情報を
受け取った場合(S41:YES)、印刷対象となる印刷データが有るか否かを判断する
(S43)。印刷ジョブ管理部52は、印刷データがないと判断する場合(S43:NO
)、S41の処理に戻り、次のヘッダ情報を待つ。例えば、プリンタ2に設定される印刷
パラメータを設定するジョブを取得した場合、そのジョブは印刷設定を変更するための印
刷パラメータを含むが、印刷画像の印刷データを含まない。そのようなジョブを取得した
場合、印刷ジョブ管理部52は印刷データがないと判断する。この場合、印刷ジョブ管理
部52は、パラメータの変更など、対応する処理を実行してS41の処理に戻る。
【0047】
一方、印刷ジョブ管理部52は、印刷データが有ると判断する場合(S43:YES)
、蓄積指示、又は、蓄積設定が有るか否かを判断する(S45)。印刷ジョブ管理部52
は、データ解析部51から通知されたヘッダ情報に蓄積指示が含まれていない場合、或い
は、不揮発性メモリ22の蓄積設定情報43にオフが設定されている場合、蓄積指示又は
蓄積設定がないと判断する(S45:NO)。この場合、印刷ジョブ管理部52は、S4
5の処理対象といている印刷ジョブが、ダウンロード印刷又はダイレクト印刷の印刷ジョ
ブであるか否かを判断する(S47)。
【0048】
ダウンロード印刷とダイレクト印刷の印刷ジョブは、情報処理装置等で作成され、完了
通知の送信を指定されている可能性がある。しかし、ダウンロード印刷とダイレクト印刷
はその印刷指示を入力したユーザがプリンタ2の前にいることが想定される。そこで、印
刷ジョブ管理部52は、ダウンロード印刷又はダイレクト印刷の印刷指示を受け付けた場
合(S47:YES)、直ぐに、印刷部54に印刷の準備を開始する指示を送信する(S
53)。
【0049】
これに対して、例えば、ネットワークIF13を介して受信された印刷ジョブは、受信
した印刷ジョブに蓄積指示が含まれず、蓄積設定情報43の設定がオフである場合、受信
した印刷ジョブは、操作パネル16を操作することなく自動で印刷される。このような印
刷ジョブを受信した場合(S47:NO)、ユーザがプリンタ2の前にいないことが想定
される。印刷ジョブ管理部52は、ヘッダ情報にて完了通知の送信を指定されているか否
かを判断する(S49)。
【0050】
印刷ジョブ管理部52は、印刷ジョブのヘッダ情報が完了通知の送信を指定する情報を
含んでいる場合(S49:YES)、取得した印刷ジョブに対する通知情報を揮発性メモ
リ21に記憶してから(S51)、S53の処理に進む。
【0051】
通知情報は、印刷完了時に通知を行うことを示す情報である。通知情報は、例えば、ヘ
ッダ情報に含まれていた宛先情報と、通知内容とを含む。宛先情報は、例えば、IPアド
レスやMacアドレスなど、情報処理装置を特定可能なアドレスである。通知内容は、例
えば、完了通知の送信の指定に対応して、印刷完了とする。
【0052】
これに対して、例えば、情報処理装置3から印刷ジョブを送信する際に、ユーザが完了
通知を送信する設定を入力しなかった場合、その印刷ジョブのヘッダ情報には、完了通知
の送信が指定されていない。この場合(S49:NO)、印刷ジョブ管理部52は、通知
情報を揮発性メモリ21に記憶せずに、S53の処理に進む。
【0053】
S53では、印刷ジョブ管理部52は、印刷部54に印刷準備の開始を指示する。それ
から、印刷ジョブ管理部52は、操作パネル16を介してキャンセル指示を受け付けたか
否かを判断する(S55)。印刷ジョブ管理部52は、キャンセル指示を受け付けていな
い場合(S55:NO)、1ページ分の描画データの作成が完了した通知を受け取ったか
否かを判断する(S57)。なお、S57の描画データは、1ページ分の描画データでな
くてもよく、印刷可能なバンド分の描画データであってもよい。
【0054】
印刷ジョブ管理部52は、
図3のS25にてデータ解析部51が出力した、1ページ分
の描画データの作成が完了した通知を受け取った場合(S57:YES)、印刷部54に
1ページデータ情報を送信した後(S61)、S63の処理に進む。1ページデータ情報
は、印刷ユニット18が印刷用紙1枚に対して印刷処理を行う際に使用される情報であり
、例えば、データ解析部51が作成した1ページ分の描画データや、印刷ジョブのヘッダ
情報に含まれる印刷パラメータを含む。なお、最終ページの1ページデータ情報には、最
終ページであることを示す情報が含まれる。
【0055】
なお、印刷ジョブ管理部52は、
図3のS25にてデータ解析部51が1ページ分の描
画データの作成が完了した通知を行わず、その通知を受け取っていない場合(S57:N
O)。この場合、印刷ジョブ管理部52は、S61の処理をスキップし、S63の処理に
進む。つまり、印刷ジョブ管理部52は、1ページデータ情報を印刷部54に送信しない
。
【0056】
印刷部54は、S61にて印刷ジョブ管理部52から送信された1ページデータ情報を
受信し、それに基づく印刷を完了すると、1ページデータ印刷完了通知を印刷ジョブ管理
部52に通知する。印刷ジョブ管理部52は、その通知を受け取らない場合(S63:N
O)、S55の処理に戻る。一方、印刷ジョブ管理部52は、その通知を受け取ると(S
63:YES)、S65の処理に進む。
【0057】
印刷部54は、印刷ジョブの全ページの印刷を完了すると、印刷ジョブ管理部52に全
ページデータの印刷が完了したことを通知する。印刷ジョブ管理部52は、その通知を受
け取らない場合(S65:NO)、S55の処理に戻る。
【0058】
一方、印刷ジョブ管理部52は、印刷部54から出力された全ページデータ印刷完了通
知を受け取った場合(S65:YES)、S75に進む。S75以降の処理については後
述する。
【0059】
印刷ジョブ管理部52は、データ解析部51から通知されたヘッダ情報に蓄積指示が含
まれている場合、或いは、不揮発性メモリ22の蓄積設定情報43にオンが設定され、プ
リンタ2に蓄積設定がされている場合には(S45:YES)、キャンセル指示を受け付
けたか否かを判断する(S67)。キャンセル指示を受け付けていない場合(S67:N
O)、印刷ジョブ管理部52は、S57と同様に、1ページ分の描画データの作成が完了
した通知を受け取ったか否かを判断する(S69)。なお、S69の描画データは、1ペ
ージ分の描画データでなくてもよく、印刷可能なバンド分の描画データであってもよい。
印刷ジョブ管理部52は、1ページ分の描画データの作成が完了した通知を受け取ってい
ない場合(S69:NO)、S67の処理に戻り、キャンセル指示の有無を確認しながら
通知を待つ。
【0060】
一方、印刷ジョブ管理部52は、1ページ分の描画データの作成が完了した通知を受け
取った場合(S69:YES)、S43にて取得した印刷データを揮発性メモリ21に記
憶する(S71)。
【0061】
その後、印刷ジョブ管理部52は、全ページ処理完了通知を受け取ったか否かを判断す
る(S73)。印刷ジョブ管理部52は、
図3のS29の処理が実行されておらず、全ペ
ージ印刷完了通知を受け取っていない場合(S73:NO)、S67の処理に戻り、次ペ
ージの印刷データを揮発性メモリ21に記憶させる(S67~S67)。
【0062】
印刷ジョブ管理部52は、
図3のS29の処理が実行され、データ解析部51から出力
された全ページ印刷完了通知を受け取っている場合(S73:YES)、S75の処理に
進む。S75以降の処理については後述する。
【0063】
印刷ジョブ管理部52は、データ解析部51からヘッダ情報の通知を受け取っていない
場合(S41:NO)、蓄積データの印刷指示を操作パネル16を介して受け付けたか否
かを判断する(S79)。蓄積データは、例えば、蓄積指示又は蓄積設定により、S71
で揮発性メモリ21に蓄積されている印刷ジョブの印刷データである。蓄積データの印刷
指示は、例えば、揮発性メモリ21に蓄積された印刷ジョブを操作パネル16に一覧表示
させ、印刷実行対象となる印刷ジョブの選択を操作パネルを介して受け付け、印刷実行ボ
タンを押下されることで、受け付ける。印刷ジョブ管理部52は、操作パネル16を介し
て蓄積データの印刷指示を受け付けていない場合(S79:NO)、S41の処理に戻る
。つまり、蓄積データは、印刷指示が入力されるまで、揮発性メモリ21に保持される。
【0064】
印刷ジョブ管理部52は、操作パネル16を介して蓄積データの印刷指示を受け付けた
場合(S79:YES)、通知情報を揮発性メモリ21に記憶せずに、S53の処理に進
み、印刷部54に印刷の準備をさせる。S53以降の処理は上述したので説明を省略する
。
【0065】
印刷ジョブ管理部52は、S67,S55にてキャンセル指示を受け付けた場合(S6
7:YES、S55:YES)、
図5(A)のS91に進む。印刷ジョブ管理部52は、
印刷や通知を行わないようにするため、キャンセル指示を通知部53と印刷部54に通知
する。
【0066】
そして、印刷ジョブ管理部52は、揮発性メモリ21に通知情報が記憶されているか否
かを判断する(S93)。印刷ジョブ管理部52は、揮発性メモリ21に通知情報が記憶
されている場合(S93:YES)、通知内容を印刷完了からキャンセルに変更する(S
95)。これにより、例えば、第三者が操作パネル16を介してキャンセル指示を入力し
た場合でも、キャンセルされた印刷ジョブを送信したユーザに印刷がキャンセルしたこと
を通知することが可能になる。
【0067】
通知内容を変更した印刷ジョブ管理部52は、
図4のS75の処理に進む。この場合、
印刷ジョブ管理部52は、データ解析処理と印刷処理とのキャンセル処理が終了してから
、
図4のS75の処理に進んでもよい。また、データ解析処理と印刷処理がそれぞれキャ
ンセルを示す通知を印刷ジョブ管理部52に送信し、印刷ジョブ管理部52は、その通知
を受信してから、
図4のS75の処理に進んでもよい。
【0068】
図4のS75において、印刷ジョブ管理部52は、S51にて通知情報が揮発性メモリ
21に記憶されていれば(S75:YES)、通知情報を通知部53に送信してから(S
77)、S41の処理に戻る。一方、印刷ジョブ管理部52は、S51にて通知情報が揮
発性メモリ21に記憶されていなければ(S75:NO)、通知情報を通知部53に送信
せずに、S41の処理に戻る。
【0069】
上述したように、印刷ジョブ管理部52は、例えば、情報処理装置3からプリンタ2を
指定する印刷ジョブを受信し、印刷ユニット18に印刷を行わせる場合のように、操作パ
ネル16の操作に基づかずに印刷ジョブを開始させる場合、実行対象の印刷ジョブが完了
通知の送信を指定されていれば、通知情報を通知部53に送信し、通知部53に通知を行
わせる。よって、プリンタ2は、完了通知を送信することで、プリンタ2から離れた場所
にいるユーザに印刷の完了を知らせ、ユーザがプリンタ2の前で印刷が終わるのを待ち続
けたり、印刷物を取りに行くのを忘れたりすることを回避できる。
【0070】
一方、印刷ジョブ管理部52は、例えば、ダイレクト印刷やダウンロード印刷のように
、操作パネル16の操作に基づいて印刷ジョブを開始させる場合、印刷ジョブ管理部52
は、通知情報を通知部53に送信せず、通知部53に通知させない。このような構成でも
、ダイレクト印刷やダウンロード印刷のように操作パネル16の操作に基づいて印刷ジョ
ブを開始する場合には、ユーザがプリンタ2の近くにいるので、通知部53が通知を行わ
なくても、ユーザが印刷物を取りに行くのを忘れるなどの不便が生じにくい。よって、ダ
イレクト印刷やダウンロード印刷のように、操作パネル16の操作に基づいて印刷ジョブ
を開始させる場合には、通知を行わないことで、無駄な通知を抑制できる。
【0071】
また、操作パネル16を操作して蓄積データを印刷する蓄積印刷では、完了通知が通知
されない。蓄積印刷も、ダイレクト印刷やダウンロード印刷と同様、ユーザが操作パネル
16を操作して印刷指示を入力するため、ユーザがプリンタ2の近くにいる。よって、蓄
積印刷時に完了通知を情報処理装置3などに送信しなくても、ユーザがプリンタ2の前で
印刷の完了を待ち続けたり、印刷物を取りに行くのを忘れたりする不便が生じにくい。ま
た、無駄な通知を抑制することもできる。さらに、蓄積印刷は、蓄積印刷を指示したユー
ザがパスワード等を入力して印刷指示を入力することで実行されるので、蓄積印刷のキャ
ンセルがユーザによって入力される可能性が高い。よって、蓄積印刷は、キャンセルすら
通知しないことで、無駄な通知が抑制される。
【0072】
また、プリンタ2は、印刷処理の実行中に印刷がキャンセルされた場合であっても、完
了通知と同様に、印刷がキャンセルされたことをユーザに知らせるので、ユーザに印刷の
やり直しを促すことができる。
【0073】
通知部53による通知処理について説明する。
図5(B)は、通知処理の制御手順を示
すフローチャートである。通知部53は、
図4のS77にて印刷ジョブ管理部52が送信
した通知情報を受信すると(S101:YES)、完了通知又はキャンセル通知を、通知
情報に含まれる宛先情報により指定された宛先に送信する(S103)。その後、通知部
53は、S101の処理に戻り、次の通知情報を待つ。
【0074】
印刷部54による印刷処理について説明する。
図6は、印刷処理の制御手順を示すフロ
ーチャートである。印刷部54は、
図4のS53にて印刷ジョブ管理部52が出力した印
刷準備開始指示を受け取った場合(S111:YES)、印刷準備を開始する(S113
)。
【0075】
印刷部54は、
図4のS61にて印刷ジョブ管理部52から送信された1ページデータ
情報を受信した場合(S115:YES)、印刷ユニット18に印刷を開始させる(S1
17)。印刷部54は、1ページ分の印刷が完了した場合(S119:YES)、印刷ジ
ョブ管理部52に1ページ分の印刷が完了したことを通知する(S121)。その後、印
刷部54は、印刷実行中の印刷ジョブの中に印刷されていない残データが有り(S123
:YES)、印刷ジョブ管理部から次の1ページデータ情報を受信した場合(S125:
YES)、S119の処理に戻り、次ページの印刷を行う。S119~S125の処理を
繰り返し、残データがなくなると(S123:NO)、印刷部54は、印刷ジョブ管理部
52に全ページデータ印刷完了を通知する(S127)。その後、印刷部54は、S11
1の処理に戻り、次の印刷ジョブの印刷に備える。印刷部54は、キャンセル指示を受け
付けた場合(S129:YES)、S111の処理に戻る。
【0076】
なお、
図3のS11に示す処理は「取得処理」、「選択処理」の一例である。
図4、図
5(B)に示す処理は「完了通知処理」の一例である。
図6に示す処理は「印刷処理」の
一例である。S69~S73の処理は「蓄積処理」の一例である。
図4のS79の処理は
「受付処理」の一例である。
図4のS53に示す「印刷準備開始指示」は「開始情報」の
一例である。
図4のS67、S55の処理は「キャンセル処理」の一例である。
図5(A
)、
図5(B)に示す処理は「キャンセル通知処理」の一例である。
【0077】
情報処理装置3は、プリンタ2から送信された完了通知を受信すると、印刷の完了を示
す完了情報をUI32に表示させる。情報処理装置3は、例えば、プリンタ2からのプッ
シュ通知に基づいて完了情報を表示してもよいし、プリンタ2からの通知を受信する常駐
アプリによって完了情報を表示してもよい。完了通知は、印刷ジョブが操作パネル16の
操作に基づかずに実行された場合に、情報処理装置3に送信される。そのため、ユーザは
、プリンタ2の近くにいなくても、印刷の完了を知ることができ、プリンタ2の前で待つ
待ち時間を短くできる。
【0078】
また、情報処理装置3からプリンタ2に送信した印刷ジョブが、操作パネル16の操作
を介して実行される場合には、完了通知がプリンタ2から情報処理装置3に送信されない
。そのため、ユーザがプリンタ2の近くにいて印刷の完了を知ることができる場合まで完
了通知が情報処理装置3に送信されることがなくなり、完了通知の無駄な通信を省くこと
ができる。また、ユーザがプリンタ2の前で印刷の完了を認識したにもかかわらず、情報
処理装置3に戻ってUI32を見たときに、完了表示がさらに表示されることを防ぐ。
【0079】
以上説明したように、本形態の印刷システム1は、プリンタ2が印刷を完了させた印刷
ジョブが、例えば、ダイレクト印刷、ダウンロード印刷、蓄積印刷のように、プリンタ2
の操作パネル16への操作に基づいて開始された場合、ユーザがプリンタ2の前にいるこ
とが想定され、完了情報を情報処理装置3に表示させる必要性が低い。そのため、そのよ
うな印刷ジョブの完了通知はプリンタ2から情報処理装置3に送信しない。一方、ユーザ
がプリンタ2の前にいることが想定されないそれ以外の印刷ジョブ(例えば、情報処理装
置3から送信された印刷ジョブをプリンタ2が蓄積せずに印刷するPCプリント)の場合
には、完了通知をプリンタ2から情報処理装置3に送信する。これにより、ユーザは、プ
リンタ2から離れた場所で印刷ジョブの完了を知ることができる。このような印刷システ
ム1によれば、完了情報の報知が必要なケースで完了通知が情報処理装置3に届くことに
なり、完了通知の無駄な通信や、完了情報が頻繁に報知されてしまうことのユーザの煩わ
しさを軽減できる。
【0080】
なお、本実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではない。した
がって本発明は当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能である。
例えば、プリンタ2は、通信機能と印刷機能を備えていれば、それ以外の画像読取機能な
どを備えなくてもよい。
【0081】
上記形態では、完了通知とキャンセル通知を情報処理装置3に送信したが、エラーで中
断した場合のエラー通知も、完了通知と同様の条件で通知してもよい。つまり、操作パネ
ルの操作に基づく印刷ジョブの実行中にエラーが発生した場合、完了通知の送信の指定が
あっても、エラー通知を印刷ジョブの送信元に送信せず、一方、操作パネルの操作に基づ
かない印刷ジョブの実行中にエラーが発生した場合、完了通知の送信の指定がある場合に
は、エラー通知を印刷ジョブの送信元に送信するようにしてもよい。これによれば、ユー
ザがプリンタ2のエラーによって印刷が中断されたことを知り、プリンタ2のエラーを解
消して印刷をやり直すことができる。
【0082】
上記形態では、印刷ジョブが蓄積指示を含む場合や、プリンタ2の蓄積設定がオンされ
ている場合に、印刷ジョブを揮発性メモリ21に蓄積したが、印刷指示や印刷設定がない
場合でも、印刷ジョブを揮発性メモリ21に蓄積してもよい。例えば、プリンタ2は、パ
スワードを設定した印刷ジョブを取得した場合に、その印刷ジョブを揮発性メモリ21に
蓄積してもよい。この場合、プリンタ2は、操作パネル16を介して入力されたパスワー
ドと印刷ジョブに設定されたパスワードとを照合して権限認証を行い、認証に成功した印
刷ジョブの印刷指示を受け付けて印刷を実行してもよい。また例えば、プリンタ2にログ
イン可能なユーザを不揮発性メモリ22に登録しておき、ユーザが操作パネル16を介し
てログイン操作してログインした場合に、情報処理装置3から取得した印刷ジョブを実行
するようにしてもよい。蓄積設定、蓄積指示、パスワード認証、ログイン操作は「所定の
蓄積条件」の一例である。
【0083】
上記形態では、印刷ジョブ管理部52と印刷部54により印刷制御用の第1モジュール
を構成し、印刷ジョブ管理部52と通知部53により完了通知制御用の第2モジュールを
構成した。これに対して、印刷制御と完了通知制御を1つのモジュールで構成してもよい
。但し、上記形態のように、完了通知の制御を、印刷の制御と別のモジュールによって行
うことで、完了通知の制御が印刷の制御に与える影響を抑えることができる。例えば、プ
リンタ2が通信障害等で通信不能になっている場合に、通信のタイムアウトを待つことな
く次の印刷ジョブに基づく印刷を印刷ユニット18に開始させることができる。
【0084】
上記形態では、
図5(B)のS103にて、印刷ジョブのヘッダ情報に含まれる宛先情
報により、完了通知の宛先を指定したが、印刷ジョブが宛先情報を設定せず、プリンタ2
側に宛先情報をユーザ毎に記憶させてもよい。但し、印刷ジョブに宛先情報を含ませ、プ
リンタ2は、印刷ジョブに含まれる宛先情報に基づいて完了通知を送信することで、本体
側に宛先情報を用意する必要がなく、必要な宛先に完了通知を送信できる。
【0085】
例えば、
図5(A)に示す処理を省略し、キャンセル指示を受け付けた場合に、完了通
知に代えてキャンセル通知を、宛先情報により指定された宛先に送信しないようにしても
よい。但し、
図5(A)の処理を行うことで、キャンセル通知の場合も完了通知と同様に
、情報処理装置3に送信されることとなる。すなわち、キャンセル通知の場合も完了通知
と同様に、キャンセルされた印刷ジョブが、プリンタ2の操作パネル16への操作に基づ
いて開始された場合、ユーザがプリンタ2の前にいることが想定され、キャンセル情報を
情報処理装置3に表示させる必要性が低い。そのため、そのような印刷ジョブのキャンセ
ル通知は情報処理装置3に送信せず、ユーザがプリンタ2の前にいることが想定されない
それ以外の印刷ジョブの場合にキャンセル通知を情報処理装置3に送信する。これにより
、キャンセル情報の報知が必要なケースでキャンセル通知が届くことになり、キャンセル
通知の無駄な通信を軽減できる。
【0086】
上記形態では、印刷ジョブの送信元である情報処理装置3に完了通知を送信して、完了
情報を表示させた。これに対して、印刷ジョブを送信した情報処理装置3と別の情報処理
装置に完了通知を送信して、完了情報を表示させてもよい。例えば、印刷ジョブはPCか
ら受信し、完了通知は指定されたアドレスに送信し、そのアドレスを有するスマートフォ
ンなどの装置に完了情報を表示させてもよい。このように、完了通知の通知先を印刷ジョ
ブの送信元に限定しないことで、ユーザは、印刷ジョブの送信元から離れた場所にいても
完了情報を確認し、印刷物を取りに行くことができる。
【0087】
また、実施の形態に開示されている任意のフローチャートにおいて、任意の複数のステ
ップにおける複数の処理は、処理内容に矛盾が生じない範囲で、任意に実行順序を変更で
きる、または並列に実行できる。
【0088】
また、実施の形態に開示されている処理は、単一のCPU、複数のCPU、ASICな
どのハードウェア、またはそれらの組み合わせで実行されてもよい。また、実施の形態に
開示されている処理は、その処理を実行するためのプログラムを記録した記録媒体、また
は方法等の種々の態様で実現することができる。
【符号の説明】
【0089】
1 印刷システム
2 プリンタ
3 情報処理装置
11 CPU
16 操作パネル
18 印刷ユニット
32 UI
33 通信インタフェース
【手続補正書】
【提出日】2024-07-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリンタと、前記プリンタに印刷を行わせる印刷ジョブを送信する情報処理装置と、を備えるシステムであって、
前記情報処理装置は、
印刷の実行完了を示す完了通知の送信を指定した印刷ジョブを、前記情報処理装置が備える通信インタフェースを介して前記プリンタに送信することが可能であり、
前記プリンタは、
前記情報処理装置から送信された前記印刷ジョブを受信し、受信した前記印刷ジョブに基づく印刷を実行することが可能であり、
また、前記プリンタは、
前記情報処理装置から受信した前記印刷ジョブが所定の蓄積条件を満たす場合、受信した前記印刷ジョブを前記プリンタのメモリに蓄積し、蓄積された前記印刷ジョブの印刷実行を指示するための特定操作を、前記プリンタが備えるユーザインタフェースを介して受け付けることが可能であり、
さらに、前記プリンタは、
前記印刷処理によって前記印刷ジョブに基づく印刷の実行を完了させたときに、前記所定の蓄積条件を満たした前記印刷ジョブに基づく印刷の実行を完了させた場合は、前記完了通知を前記印刷ジョブの送信元の装置に送信せず、前記所定の蓄積条件を満たしていない前記印刷ジョブに基づく印刷の実行を完了させた場合は、前記完了通知を前記印刷ジョブの送信元の装置に送信することが可能であり、
前記情報処理装置は、
前記印刷ジョブを前記プリンタに送信した後、前記通信インタフェースを介して、前記情報処理装置あての前記完了通知を前記プリンタから受信した場合に、印刷の実行完了を示す完了情報を、前記情報処理装置が備えるユーザインタフェースに報知させることが可能である、
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
印刷ユニットと、
ユーザインタフェースと、
コンピュータと、
を備えるプリンタであって、
前記コンピュータは、
印刷の実行完了を示す完了通知の送信が指定された印刷ジョブを取得する取得処理と、
前記取得処理にて取得した印刷ジョブに基づく印刷を、前記印刷ユニットに行わせる印刷処理と、
を実行可能であり、
さらに前記コンピュータは、
前記取得処理にて取得した前記印刷ジョブが所定の蓄積条件を満たす場合、受信した前記印刷ジョブを前記プリンタのメモリに蓄積する蓄積処理と、
前記蓄積処理によって蓄積された前記印刷ジョブの印刷実行を指示するための特定操作を、前記ユーザインタフェースを介して受け付ける受付処理と、
を実行可能であり、
前記印刷処理によって前記印刷ジョブに基づく印刷の実行を完了させたときに、前記所定の蓄積条件を満たした前記印刷ジョブに基づく印刷の実行を完了させた場合は、前記完了通知を前記印刷ジョブの送信元の装置に送信せず、前記所定の蓄積条件を満たしていない前記印刷ジョブに基づく印刷の実行を完了させた場合は、前記完了通知を前記印刷ジョブの送信元の装置に送信する完了通知処理を実行可能である、
ことを特徴とするプリンタ。
【請求項3】
請求項2に記載するプリンタにおいて、
前記コンピュータは、
前記プリンタと通信可能に接続されるデバイスに記憶されている印刷ジョブの中から実行対象の印刷ジョブの選択操作を、前記ユーザインタフェースを介して受け付ける選択処理を実行可能であり、選択対象の前記印刷ジョブには、前記完了通知の送信が指定された前記印刷ジョブが含まれ、
さらに前記コンピュータは、
前記取得処理では、前記選択処理にて実行対象の印刷ジョブの選択操作を受け付けた場合、選択された前記印刷ジョブを前記デバイスから読み出すことで、前記完了通知の送信が指定された前記印刷ジョブを取得することが可能であり、
前記完了通知処理では、前記印刷処理によって前記印刷ジョブに基づく印刷の実行を完了させたときに、前記所定の蓄積条件を満たしていない前記印刷ジョブに基づく印刷の実行を完了させた場合であって、さらに、完了させた前記印刷ジョブに基づく印刷の実行を、前記ユーザインタフェースへの操作である前記選択操作に基づかずに開始させていた場合は、前記完了通知を前記印刷ジョブの送信元の装置に送信し、前記所定の蓄積条件を満たした前記印刷ジョブに基づく印刷の実行を完了させた場合、または、完了させた前記印刷ジョブに基づく印刷の実行を、前記ユーザインタフェースへの操作である前記選択操作に基づいて開始させていた場合は、前記完了通知を前記印刷ジョブの送信元の装置に送信しないことが可能である、
ことを特徴とするプリンタ。
【請求項4】
請求項2に記載するプリンタにおいて、
第1モジュールと、前記第1モジュールと異なる第2モジュールとを有し、
前記第1モジュールは、
前記印刷ジョブに基づく印刷を前記印刷ユニットに行わせることが可能であり、
前記第2モジュールは、
前記印刷ジョブを取得してから前記第1モジュールによる前記印刷ユニットでの前記印刷ジョブに基づく印刷の開始までの間に、前記第1モジュールが前記印刷ユニットでの、前記所定の蓄積条件を満たした前記印刷ジョブに基づく印刷を開始させたか否かを示す開始情報を、前記プリンタのメモリに記憶することが可能であり、
さらに前記第2モジュールは、
前記第1モジュールによる前記印刷ユニットでの前記印刷ジョブに基づく印刷の完了を検知することが可能であり、
さらに前記第2モジュールは、
前記第1モジュールによる前記印刷ユニットでの前記印刷ジョブに基づく印刷の完了を検知したときに、前記メモリに記憶させた前記開始情報が、前記第1モジュールが前記印刷ユニットでの、前記所定の蓄積条件を満たした前記印刷ジョブに基づく印刷を開始させたことを示していない場合は、前記完了通知を前記印刷ジョブの送信元の装置に送信し、前記メモリに記憶させた前記開始情報が、前記第1モジュールが前記印刷ユニットでの、前記所定の蓄積条件を満たした前記印刷ジョブに基づく印刷を開始させたことを示していた場合は、前記完了通知を前記印刷ジョブの送信元の装置に送信しないことが可能である、
ことを特徴とするプリンタ。
【請求項5】
請求項3に記載するプリンタにおいて、
第1モジュールと、前記第1モジュールと異なる第2モジュールとを有し、
前記第1モジュールは、
前記印刷ジョブに基づく印刷を前記印刷ユニットに行わせることが可能であり、
前記第2モジュールは、
前記印刷ジョブを取得してから前記第1モジュールによる前記印刷ユニットでの前記印刷ジョブに基づく印刷の開始までの間に、前記第1モジュールが前記印刷ユニットでの、前記所定の蓄積条件を満たした前記印刷ジョブに基づく印刷を開始させたか否か、あるいは、前記ユーザインタフェースへの前記選択操作に基づいて、前記第1モジュールが前記印刷ユニットでの前記印刷ジョブに基づく印刷を開始させたか否かを示す開始情報を、前記プリンタのメモリに記憶することが可能であり、
さらに前記第2モジュールは、
前記第1モジュールによる前記印刷ユニットでの前記印刷ジョブに基づく印刷の完了を検知することが可能であり、
さらに前記第2モジュールは、
前記第1モジュールによる前記印刷ユニットでの前記印刷ジョブに基づく印刷の完了を検知したときに、前記メモリに記憶させた前記開始情報が、前記第1モジュールが前記印刷ユニットでの、前記所定の蓄積条件を満たした前記印刷ジョブに基づく印刷を開始させたことを示していない場合であって、さらに、前記ユーザインタフェースへの前記選択操作に基づいて前記第1モジュールが前記印刷ユニットでの前記印刷ジョブに基づく印刷を開始させたことを示していない場合は、前記完了通知を前記印刷ジョブの送信元の装置に送信し、前記メモリに記憶させた前記開始情報が、前記第1モジュールが前記印刷ユニットでの、前記所定の蓄積条件を満たした前記印刷ジョブに基づく印刷を開始させたことを示していた場合、または、前記ユーザインタフェースへの前記特定操作または前記選択操作に基づいて前記第1モジュールが前記印刷ユニットでの前記印刷ジョブに基づく印刷を開始させたことを示していた場合は、前記完了通知を前記印刷ジョブの送信元の装置に送信しないことが可能である、
ことを特徴とするプリンタ。
【請求項6】
請求項2に記載するプリンタにおいて、
前記コンピュータは、
前記印刷処理による前記印刷ジョブに基づく印刷の実行中、前記印刷ジョブをキャンセルするキャンセル操作を、前記ユーザインタフェースを介して受け付けるキャンセル処理を実行可能であり、
さらに前記コンピュータは、
前記キャンセル操作に基づいて前記印刷ジョブをキャンセルしたときに、キャンセルさせた前記印刷ジョブに基づく印刷の実行を、前記所定の蓄積条件を満たした印刷ジョブに基づかずに開始させていた場合は、印刷ジョブのキャンセルを示すキャンセル通知を、前記印刷ジョブの送信元の装置に送信し、キャンセルさせた前記印刷ジョブに基づく印刷の実行を、前記所定の蓄積条件を満たした印刷ジョブに基づいて開始させていた場合は、前記キャンセル通知を前記印刷ジョブの送信元の装置に送信しないキャンセル通知処理を実行可能である、
ことを特徴とするプリンタ。
【請求項7】
請求項3に記載するプリンタにおいて、
前記コンピュータは、
前記印刷処理による前記印刷ジョブに基づく印刷の実行中、前記印刷ジョブをキャンセルするキャンセル操作を、前記ユーザインタフェースを介して受け付けるキャンセル処理を実行可能であり、
さらに前記コンピュータは、
前記キャンセル操作に基づいて前記印刷ジョブをキャンセルしたときに、キャンセルさせた前記印刷ジョブに基づく印刷の実行を、前記所定の蓄積条件を満たした印刷ジョブに基づかずに開始させていた場合であって、さらに、前記ユーザインタフェースへの前記選択操作に基づかずに開始させていた場合は、印刷ジョブのキャンセルを示すキャンセル通知を、前記印刷ジョブの送信元の装置に送信し、キャンセルさせた前記印刷ジョブに基づく印刷の実行を、前記所定の蓄積条件を満たした印刷ジョブに基づいて開始させていた場合、または、前記ユーザインタフェースへの前記選択操作に基づいて開始させていた場合は、前記キャンセル通知を前記印刷ジョブの送信元の装置に送信しないキャンセル通知処理を実行可能である、
ことを特徴とするプリンタ。
【請求項8】
請求項2から請求項7のいずれか1つに記載するプリンタにおいて、
前記コンピュータは、
前記取得処理では、前記完了通知の送信が指定され、さらに前記完了通知の宛先を示す宛先情報が含まれる、前記印刷ジョブを取得することが可能であり、
前記完了通知処理では、前記印刷処理によって前記印刷ジョブに基づく印刷の実行を完了させたときに、前記印刷ジョブに含まれる前記宛先情報を用いて、前記完了通知を前記印刷ジョブの送信元の装置に送信し、前記完了通知を前記印刷ジョブの送信元の装置に送信しないことが可能である、
ことを特徴とするプリンタ。