(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125343
(43)【公開日】2024-09-18
(54)【発明の名称】高収率貯蔵材料
(51)【国際特許分類】
H01G 11/48 20130101AFI20240910BHJP
H01G 11/86 20130101ALI20240910BHJP
C08G 61/12 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
H01G11/48
H01G11/86
C08G61/12
【審査請求】有
【請求項の数】27
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024098920
(22)【出願日】2024-06-19
(62)【分割の表示】P 2021523814の分割
【原出願日】2019-10-28
(31)【優先権主張番号】62/752,264
(32)【優先日】2018-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514259875
【氏名又は名称】ポリジュール・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】PolyJoule,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(72)【発明者】
【氏名】パスター,イーライ
(72)【発明者】
【氏名】キャンティーンワラ,タイズーン
(72)【発明者】
【氏名】スピア,イライザ
(72)【発明者】
【氏名】ジュウ,ジョングオ
(72)【発明者】
【氏名】スウェイガー,ティモシー マニング
(57)【要約】 (修正有)
【課題】固体粒子を連続基材フィルムに製造するための高収率貯蔵材料および製造方法を提供する。
【解決手段】電極100において、水素結合可能な部分を含む強度が高くて可撓性を有する導電性ポリマーフィルム25が集電体と電気化学的に接続され、このポリマーフィルムのエネルギー密度が50kJ/kg以上である。導電性ポリマーは、電子供与性の芳香族モノマーを酸化剤の存在下で重合することによって形成される。導電性ポリマーは、電子供与性の芳香族モノマーを、酸化剤、溶媒および/またはヒドロキシル基を含む添加剤などの水素結合可能な添加剤の存在下で、重合することによって形成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集電体、および
水素結合可能な部分を有する導電性ポリマーを含むポリマーフィルムを含む第1の電極
を含んで成り、
該前記ポリマーフィルムが、該集電体と電気化学的に接続されており、
該ポリマーフィルムが、50kJ/kg以上であるエネルギー密度を有する、デバイス。
【請求項2】
前記ポリマーフィルムが微量の溶媒を含む、請求項1記載のデバイス。
【請求項3】
前記デバイスが電解質を含む、請求項1または2記載のデバイス。
【請求項4】
前記第1の電極および第2の電極が、電解質と接触している、請求項3記載のデバイス。
【請求項5】
前記電解液が、N‐エチル‐N‐(2‐メトキシエチル)‐N,N‐ジメチルアンモニウムテトラフルオロボレート、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、エチレンカーボネート溶液、ジメチルカーボネート溶液、プロピレンカーボネート溶液、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、および/またはアセトニトリルを含む、請求項3~4のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項6】
前記デバイスがセパレータを含む、請求項1~5のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項7】
前記第1の電極および/または第2の電極が、導電性炭素材料を含む、請求項1~6のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項8】
前記導電性ポリマーが、ピロール、チオフェン、アニリン、ベンゼン、それらの混合物、および/またはそれらの誘導体を含む、請求項1~7のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項9】
前記導電性ポリマーがチオフェンを含む、請求項1~8のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項10】
水素結合可能な部分を含む導電性ポリマーを含む組成物であって、
該導電性ポリマーは、50kJ/kg以上のエネルギー密度を有し、かつ
該組成物が、高粘度スラリー、スラリーと顆粒状粒子とからなる半固形物、または顆粒状粒子である、組成物。
【請求項11】
微量の溶媒を含む、請求項10記載の組成物。
【請求項12】
前記導電性ポリマーが、電子供与性の芳香族モノマーを含む、請求項10または11記載の組成物。
【請求項13】
前記電子供与性芳香族モノマーが、ピロール、チオフェン、アニリン、ベンゼン、それらの混合物、および/またはそれらの誘導体を含む、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記電子供与性芳香族モノマーがチオフェンを含む、請求項12に記載の組成物。
【請求項15】
前記電子供与性芳香族モノマーの少なくとも一部が、少なくとも部分的に塩素化されている、請求項12に記載の組成物。
【請求項16】
前記塩素化された電子供与性芳香族モノマーの塩素含有量が、0.001重量%~20重量%である、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
酸化剤および溶媒を混合して、固形の酸化剤‐溶媒複合体を形成する工程、ならびに
該固形の酸化剤‐溶媒複合体の存在下で、電子供与性芳香族モノマーを重合して、導電性ポリマーを形成する工程
を含み、
該酸化剤が鉄または鉄誘導体を含み、該溶媒がアセトニトリル、カーボネート、ベンゼン、水、ジクロロメタン、クロロホルム、それらの混合物、およびそれらの誘導体からなる群から選択される、導電性ポリマーを製造する方法。
【請求項18】
前記導電性ポリマーが、ピロール、チオフェン、アニリン、ベンゼン、それらの混合物、および/またはそれらの誘導体を含む、請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記導電性ポリマーがチオフェンを含む、請求項17記載の方法。
【請求項20】
前記導電性ポリマーが、水素結合可能な芳香族添加剤を含む、請求項17~19のいずれか1項記載の方法。
【請求項21】
前記水素結合可能な芳香族添加剤が、フェノール、チオフェノール、カテコール、о‐クレゾール、m‐クレゾール、p‐クレゾール、2,4‐ジ‐tert‐ブチルフェノール、ビスフェノールA、2,2'-ビフェノール、4‐ペンタデシルフェノール、2‐エトキシフェノール、2‐アセトアミドフェノール、4‐ヒドロキシジフェニルアミン、4‐フェニルフェノール、没食子酸、タンニン酸、1‐ナフトール、2‐ナフトール、ポリ(4‐ビニルフェノール)、および/またはそれらの混合物を含む、請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記重合工程が200℃以下の温度で行われる、請求項17~21のいずれか1項記載の方法。
【請求項23】
電子供与性芳香族モノマーを、酸化剤、溶媒、および水素結合可能な芳香族添加剤の存在下で重合して、導電性ポリマーを形成する工程を含み、
該酸化剤が鉄または鉄誘導体を含み、該溶媒が、アセトニトリル、カーボネート、ベンゼン、水、ジクロロメタン、クロロホルム、それらの混合物、およびそれらの誘導体からなる群から選択される、導電性ポリマーを製造する方法。
【請求項24】
前記導電性ポリマーが、ピロール、チオフェン、アニリン、ベンゼン、それらの混合物、および/またはそれらの誘導体からなる、請求項23記載の方法。
【請求項25】
前記導電性ポリマーがチオフェンを含む、請求項23記載の方法
【請求項26】
前記重合工程が200℃以下の温度で行われる、請求項23~25のいずれか1項記載の方法。
【請求項27】
前記水素結合可能な芳香族添加剤が、フェノール、チオフェノール、カテコール、о‐クレゾール、m‐クレゾール、p‐クレゾール、2,4‐ジ‐tert‐ブチルフェノール、ビスフェノールA、2,2'‐ビフェノール、4‐ペンタデシルフェノール、2‐エトキシフェノール、2‐アセトアミドフェノール、4‐ヒドロキシジフェニルアミン、4‐フェニルフェノール、没食子酸、タンニン酸、1‐ナフトール、2‐ナフトール、ポリ(4‐ビニルフェノール)、および/またはそれらの混合物を含む、請求項23~26のいずれか1項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、高収率貯蔵材料および関連する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
固体粒子を連続基材フィルムに製造する方法は、粒子サイズおよび/またはサイズの分布だけでなく、固体粒子の機械的、熱的、化学的、電気的、および物理的特性に依存して異なる。固体粒子が水溶液または非水溶液に可溶である場合は、他の結合材料と混合したり、他の結合材料なしで混合したり、凝縮させたりして、電極や集電体などの連続基材フィルムに形成することができる。非水溶性材料を連続基材フィルムに形成する方法は、概して圧縮、接着処理、または極端な繰り返し処理のいずれかに限定され、このような方法は概して、結果として得られる材料の化学的、機械的、または電気的特性を制限する。したがって、改善された組成物および製造方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、概して、高収率貯蔵材料および関連する方法に関する。本発明の主題は、いくつかの場合、相互に関連する製品、特定の問題に対する別の解決策、および/または、1つ以上のシステムおよび/または物品の複数の異なる使用を含む。
【0004】
いくつかの実施形態では、デバイスが記載されており、デバイスは、集電体と、水素結合可能な部分を有する導電性ポリマーを含むポリマーフィルムを含む第1の電極とを備え、ポリマーフィルムは、集電体と電気化学的に接続しており(または電気化学的に通じており;in electrochemical communication with)、ポリマーフィルムは、50kJ/kg以上のエネルギー密度を有している。
【0005】
いくらかの実施形態では、組成物が記載されており、この組成物は、水素結合可能な部分を含む導電性ポリマーを含み、この導電性ポリマーは、50kJ/kg以上のエネルギー密度を有し、上記組成物が高粘度スラリー、スラリーと顆粒状粒子とからなる半固形物、または顆粒状粒子である。
【0006】
いくつかの実施形態では、導電性ポリマーを製造する方法が記載されており、この方法は、酸化剤と溶媒を混合して固形の酸化剤‐溶媒複合体を形成する工程と、固形の酸化剤‐溶媒複合体の存在下で電子供与性芳香族モノマーを重合して導電性ポリマーを形成する工程とを含み、酸化剤は鉄または鉄誘導体を含み、溶媒は、アセトニトリル、カーボネート、ベンゼン、水、ジクロロメタン、クロロホルム、それらの混合物、およびそれらの誘導体からなる群から選択されるものである。
【0007】
本発明の他の態様、実施形態、および特徴は、添付の図面と併せて考慮すると、以下の詳細な説明から明らかになる。添付の図は模式的なものであり、縮尺通りに描くことを意図していない。わかりやすくするために、すべての図にすべての構成要素がラベル付けされているわけではなく、また、当業者が本発明を理解するために図示が必要でない場合には、本発明の各実施形態のすべての構成要素が示されている。参照により本明細書に援用されているすべての特許出願および特許は、その全体が参照により援用されている。矛盾が生じた場合は、定義を含めて本明細書が優先される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の非限定的な実施形態について、添付の図を参照して例示的に説明するが、これらの図は概略的なものであり、縮尺通りに描かれることを意図したものではない。図では、図示された各同一またはほぼ同一の構成要素は、典型的には1つの数字で表されている。わかりやすくするために、すべての図にすべての構成要素がラベル付けされているわけではなく、また、当業者が本発明を理解するために図示が必要でない場合には、本発明の各実施形態のすべての構成要素が示されているわけではない。
【
図1】いくつかの実施形態において、電極として配置されたポリマーフィルムの模式図を示す。
【
図2】いくらかの実施形態による、エネルギー貯蔵デバイスの概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
概して高収率貯蔵材料のための組成物および方法が提供される。例えば、いくつかの実施形態では、概して水素結合可能な部分を含む、強度が高くて可撓性を有する導電性ポリマーが記載されている。導電性ポリマーは、酸化剤、溶媒、および/または水素結合可能な添加剤(ヒドロキシル基を含む添加剤など)の存在下で、電子供与性の芳香族モノマーを重合することによって形成されてもよい。結果として得られる導電性ポリマーは、いくつかの態様において、水素結合可能な添加剤を含まない導電性ポリマーを含む従来の材料と比較して、同じまたは改善された電気化学的特性(例えば、導電率)を有し、および/または、より強度が高くてより可撓性を有する可能性がある。理論に拘束されることを望むものではないが、本明細書中に記載の組成物の改善された特性は、少なくとも部分的には、水素結合可能な部分がポリマー鎖に組み込まれることに起因し、これにより、例えば、ポリマー間の接着性が向上する可能性がある。その結果、いくつかの場合、本明細書中に記載されている強度が高くて可撓性を有する導電性ポリマーは、エネルギー貯蔵デバイスの層(例えば、電極として使用するためのフィルム)として好適である可能性がある。
【0010】
炭素系電極は、多くの場合、活性炭粉末の処理によって合成され、これは従来、活性炭粉末をバインダー、溶媒、および/または他の添加物と混合することを含む。一方、導電性ポリマー電極は、概してフィルム状にするのが難しい。導電性ポリマーフィルムを形成する1つの方法としては、粉末状の導電性ポリマーをバインダーおよび後で蒸発される溶媒と混合する、炭素系電極と同様の製造方法がある。得られる材料は、通常、プレス、加熱および/または乾燥によって処理される。
【0011】
いくつかの場合、望ましい導電性ポリマーは不溶性であり、粉末からフィルムへの変換では、フィルムが機械的に破れやすいなど、フィルムの品質が低下することがある。例えば、ポリチオフェンなどの非置換の導電性ポリマーは、化学的酸化重合によって作製されると、通常は粉末として分離される。ポリチオフェンなどの粉末から作製されたフィルムは、粒子間の接着力の欠乏により、脆くて弱い可能性がある。
【0012】
本発明者らは、導電性モノマーの重合工程中に水素結合可能な部分を組み込むことによって、結果として得られる導電性ポリマーの製造性、化学的特性、および/または機械的特性を向上させることができることを発見した。例えば、理論に拘束されることを望むものではないが、少量の水素結合可能な部分(例えば、ヒドロキシル基)をポリマー鎖に導入すると、ポリマー粒子間の接着性が大幅に向上し、より強度が高くて、より可撓性を有するポリマーフィルムを形成することができ、例えば、エネルギー貯蔵デバイスの電極として使用することができる。
【0013】
図1は、電極として配置された例示的なポリマーフィルムを示す模式図である。
図1に示すように、ポリマーフィルム25は、電極100として配置されている。例えば、少なくとも小さなモルパーセントの水素結合可能な部分の存在下で重合して得られるポリマーは、いくつかの実施形態では、その非ヒドロキシル化誘導体と比較して同様の電気化学的特性を有するが、非常に強度が高くて可撓性を有するポリマーフィルムを形成することができる。いくらかの実施形態では、少なくとも小さなモルパーセントの水素結合可能な部分の存在は、水素結合可能な部分を含まない誘導体と比較して、電気化学的特性を向上させることが可能である。水素結合可能な部分をポリマー鎖に組み込むことで、いくつかの実施形態では、個々のモノマー間、および/または全体的な粒子間の結合相互作用が増大する。いくつかの実施形態では、上記ポリマーフィルムは、顕著な電気化学的特性を有してもよく、コンデンサなどのエネルギー貯蔵デバイスの電極として使用するのに好適である可能性がある。
【0014】
本明細書中に記載のいくらかの組成物は、導電性ポリマーを含むポリマーフィルムに関するものである。いくらかの実施形態によれば、導電性ポリマーは、電子供与性芳香族モノマーを含んでいてもよい。例えば、いくらかの実施形態では、導電性ポリマーは、繰り返し鎖状に電子供与性芳香族モノマーを含んでいてもよい。一部の実施形態では、電子供与性芳香族モノマーの少なくとも一部が塩素化されている。例えば、いくらかの実施形態では、塩素化された電子供与性芳香族モノマーの塩素含有量は、0.001重量%以上20重量%以下の範囲である。いくらかの実施形態によれば、導電性ポリマーは、ピロール、チオフェン、アニリン、ベンゼン、および/またはそれらの誘導体(例えば、塩素化誘導体)を含んでいてもよい。
【0015】
いくらかの実施形態によれば、導電性ポリマーは、水素結合可能な部分を含んでいる。本明細書中で使用される「水素結合」という用語は、当技術分野における通常の意味を与えられており、一般的に、水素(H)原子と、より電気陰性の原子(例えば、窒素(N)、酸素(O)、フッ素(F)、および/またはそのH原子に隣接して孤立電子対を有する別の原子など)との間の部分的な静電引力を意味する。本明細書中で使用される「水素結合可能な」という用語は、当技術分野における通常の意味を与えられており、一般的に、他の原子と水素結合を形成することができる基を含む部分(例えば、官能基、分子の一部)を指す。
【0016】
いくらかの実施形態では、導電性ポリマーは、電子供与性芳香族モノマーと水素結合可能な芳香族添加剤との重合による、水素結合可能な部分を含んでいてもよい。導電性ポリマーの合成(例えば、重合)に関する方法は、以下に、より詳細に説明される。
【0017】
いくつかの実施形態では、水素結合可能な芳香族添加剤は、ヒドロキシル基を含んでいてもよい。例えば、いくらかの実施形態では、水素結合可能な芳香族添加剤は、フェノール、チオフェノール、カテコール、о‐クレゾール、m‐クレゾール、p‐クレゾール、2,4‐ジ‐tert‐ブチルフェノール、ビスフェノールAなどのフェノール化合物を含んでもよい。2,2'-ビフェノール、4‐ペンタデシルフェノール、2‐エトキシフェノール、2‐アセトアミドフェノール、4‐ヒドロキシジフェニルアミン、4‐フェニルフェノール、没食子酸、タンニン酸、1‐ナフトール、2‐ナフトール、ポリ(4‐ビニルフェノール)、および/またはそれらの混合物を含んでもよい。
【0018】
いくらかの実施形態は、導電性ポリマーを合成する方法に関するものである。導電性ポリマーは、様々な好適な方法のいずれかによって合成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、この方法は、電子供与性芳香族モノマーを、酸化剤、溶媒、および水素結合可能な芳香族添加剤の存在下で重合させて、導電性ポリマーを形成する工程を含む。
【0019】
また、いくつかの実施形態では、上記方法は、まず、酸化剤と溶媒を混合して、固形の酸化剤‐溶媒複合体を形成する工程を含む。このようないくつかの実施形態によれば、上記方法は、次に、電子供与性芳香族モノマーを、固形の酸化剤‐溶媒複合体の存在下で重合させて、導電性ポリマーを形成する工程を含む。いくつかの実施形態では、導電性ポリマーは、水素結合可能な部分を含む。
【0020】
いくつかの実施形態によると、上記重合工程は、様々な好適な温度のいずれかで行われる。例えば、いくらかの実施形態では、重合工程は、200℃以下、150℃以下、120℃以下、100℃以下、50℃以下、20℃以下、10℃以下、1℃以下、0℃以下、-10℃以下、-20℃以下、または-30℃以下の温度で行われてもよい。いくつかの実施形態では、上記重合工程は、-40℃以上、-30℃以上、-20℃以上、-10℃以上、0℃以上、10℃以上、20℃以上、50℃以上、100℃以上、120℃以上、または150℃以上の温度で行われてもよい。上記の範囲の組み合わせも可能である(例えば、上記重合工程は、0℃~100℃の温度で行われてもよく、上記重合工程は、-40℃~150℃の温度で行われてもよい)。
【0021】
いくらかの実施形態によれば、導電性ポリマー中の電子供与性芳香族モノマーの水素結合可能な芳香族添加剤に対するモル比(電子供与性芳香族モノマー:水素結合可能な芳香族添加剤)は、様々な好適な量のいずれであってもよい。例えば、いくらかの実施形態によれば、導電性ポリマー中の電子供与性芳香族モノマーの水素結合可能な芳香族添加剤に対するモル比は、100:1以上であってもよい。いくつかの実施形態では、導電性ポリマー中の電子供与性芳香族モノマーの水素結合可能な芳香族添加剤に対するモル比は、100:2以上、100:5以上、100:10以上、100:15以上、100:20以上、100:25以上、100:30以上、100:50以上、100:75以上であってもよい。いくらかの実施形態によれば、導電性ポリマー中の電子供与性芳香族モノマーの水素結合可能な芳香族添加剤に対するモル比は、100:100以下、100:75以下、100:50以下、100:30以下、100:25以下、100:20以下、100:15以下、100:10以下、100:5以下、または100:2以下であってもよい。
【0022】
いくらかの実施形態によれば、導電性ポリマー中の電子供与性芳香族モノマーの水素結合可能な芳香族添加剤に対するモル比は、1:100以上であってもよい。いくつかの実施形態では、導電性ポリマー中の電子供与性芳香族モノマーの水素結合可能な芳香族添加剤に対するモル比は、2:100以上、5:100以上、10:100以上、15:100以上、20:100以上、25:100以上、30:100以上、50:100以上、75:100以上であってもよい。いくらかの実施形態では、導電性ポリマー中の電子供与性芳香族モノマーの水素結合可能な芳香族添加剤に対するモル比は、100:100以下、75:100以下、50:100以下、30:100以下、25:100以下、20:100以下、15:100以下、10:100以下、5:100以下、または2:100以下であってもよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、電子供与性芳香族モノマーの水素結合可能な芳香族添加剤に対するモル比は、100:1~1:100であってもよい。上記電子供与性芳香族モノマーの水素結合可能な芳香族添加剤に対するモル比は、元素分析、多核核磁気共鳴、および/または他の分光学的方法によって計算されてもよい。
【0024】
いくつかの実施形態において、本明細書中に記載の合成方法は、様々な好適な収率のいずれかで導電性ポリマーを提供することができる。例えば、いくらかの実施形態では、導電性ポリマーの収率は、40%以上であってもよい。いくつかの実施形態によれば、導電性ポリマーの収率は、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、または90%以上であってもよい。いくらかの実施形態では、導電性ポリマーの収率は、100%以下、90%以下、80%以下、70%以下、60%以下、または50%以下であってもよい。また、上記の範囲の組み合わせも可能である(例えば、導電性ポリマーの収率が40%~100%であってもよいし、導電性ポリマーの収率が50%~80%であってもよい)。導電性ポリマーの収率は、合成時に使用される前駆体材料(例えば、電子供与性芳香族モノマーおよび/または水素結合可能な芳香族添加剤)の量によって決定されてもよい。
【0025】
いくらかの実施形態では、上記酸化剤は、電子供与性芳香族モノマーを水素結合可能な芳香族添加剤と結合させる酸化カップリング試薬である。例えば、理論に拘束されることを望まないが、水素結合可能な芳香族添加剤は、C‐C結合および/またはC‐O結合の形成により電子供与性芳香族モノマーと結合してもよい。いくらかの実施形態によれば、上記酸化剤は、鉄または鉄誘導体からなる。例えば、いくらかの実施形態では、上記酸化剤は、鉄(III)塩である。いくつかの実施形態では、上記酸化剤は、塩化鉄(III)、塩化鉄(III)水和物、および/または鉄(III)p‐トルエンスルホン酸六水和物である。いくらかの実施形態によれば、上記酸化剤は、電子供与性モノマーに対して過剰に反応混合物に添加してもよい。例えば、いくらかの実施形態では、電子供与性モノマーに関して、1当量~25当量の酸化剤が反応混合物に添加される。他のいくつかの実施形態では、電子供与性モノマーに対して、1当量未満の酸化剤が反応混合物に添加される。例えば、いくつかの態様では、電子供与性モノマーに関して、少なくとも0.005および1当量未満の範囲の酸化剤が反応混合物に添加される。
【0026】
いくらかの実施形態では、導電性ポリマーの合成時に使用される溶媒は、アセトニトリル、カーボネート、芳香族(例えば、ベンゼン、メシチレン、ピリジン、トルエン、キシレンなど)、水、ジクロロメタン、クロロホルム、それらの混合物、および/またはそれらの誘導体(例えば、塩素化誘導体、フッ素化誘導体など)であってもよい。いくつかの実施形態では、導電性ポリマーは、(例えば、ポリマーの形成後、ポリマーの乾燥後に)微量の溶媒を含む。
【0027】
非限定的な実施形態では、導電性ポリマーを含む組成物は、少量の(例えば、チオフェンに対して、1モル%~10モル%)のフェノールおよび(チオフェンに対して)0.005~25(例えば、2~10)当量の塩化鉄(III)の存在下でチオフェンを重合することによって合成されてもよい。別の非限定的な実施形態では、チオフェンは、少量の(例えば、チオフェンに対して1モル%~10モル%)のカテコールおよび(チオフェンに対して)2~10当量の塩化鉄(III)の存在下で重合されてもよい。
【0028】
いくつかの実施形態では、導電性ポリマーを合成した後、導電性ポリマーは、高粘度スラリー、スラリーと顆粒状粒子とからなる半固形物、または顆粒状粒子の形態である(例えば、コンデンサなどのエネルギー貯蔵デバイスの電極として配置される前)。いくらかの実施形態では、導電性ポリマーは、様々な好適な粘度のいずれかを有する。導電性ポリマーの粘度は、例えば、粘度計を用いて測定することができる。
【0029】
いくつかの実施形態では、導電性ポリマーの合成に続いて、導電性ポリマーを後加工してフィルムにしてもよい。例えば、いくらかの実施形態では、顆粒状粒子を含む導電性ポリマーは、ロール加工および/またはプレス加工してフィルムにしてもよい。いくらかの実施形態では、スラリーまたはスラリーと顆粒状粒子とからなる半固形物を含む導電性ポリマーを、導電性基材(例えば、アルミニウム箔)に塗布し、乾燥させてもよい。
【0030】
いくらかの実施形態によれば、導電性ポリマーは、エネルギー貯蔵デバイス(例えば、コンデンサ)の電極として使用するために、フィルムに後加工してもよい。いくつかの実施形態では、電極は、集電体と電気化学的に接続してもよい。いくつかの実施形態では、導電性ポリマーフィルムは、水素結合可能な芳香族部分を有する導電性ポリマーを含んでいてもよい。水素結合可能な芳香族部分を有する導電性ポリマーに加えて、導電性ポリマーフィルムは、いくつかの場合、1つ以上の酸化剤(例えば、微量)、および/または1つ以上の溶媒(例えば、微量)を含んでもよい。いくつかの態様では、導電性ポリマーフィルムは、結晶性ポリマー(例えば、固体構造)を含んでもよい。
【0031】
いくつかの実施形態によれば、導電性ポリマーフィルムは、非晶質ポリマーを含んでもよい。いくらかの実施形態では、ポリマー層は、電極(例えば、第2の電極)および/または集電体と電気化学的に接続されていてもよい。
【0032】
いくつかの実施形態によれば、ポリマーフィルムは、集電体と電気化学的に接続しているエネルギー貯蔵デバイス(例えば、コンデンサ)の電極として配置されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ポリマー層25は、
図1に示すように、電極100として配置される。電極100は、いくつかの実施形態では、集電体と電気化学的に接続していてもよい。いくらかの実施形態では、ポリマー層は、電極全体に実質的に均一に分散されていてもよい。例えば、いくつかの場合、電極は、電極活性材料(例えば、活性炭粉末)を電気活性ポリマーと混合することによって製造されてもよい。
【0033】
いくらかの実施形態では、本明細書中に記載の導電性ポリマーを含むポリマーフィルムは、水素結合可能な芳香族添加剤を含まない電子供与性芳香族モノマー(例えば、チオフェン)を含む理論上のポリマーフィルムよりも強度が高くて可撓性を有する。例えば、いくつかの実施形態によれば、導電性ポリマーを含むポリマーフィルムは、以下にさらに詳細に説明するように、比較的硬く、および/または、比較的高いヤング率を有してもよい。
【0034】
いくらかの実施形態によれば、導電性ポリマーを含むポリマーフィルムは、比較的高いヤング率を有してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、上記組成物は、1GPa以上、5GPa以上、10GPa以上、20GPa以上、30GPa以上、40GPa以上、または50GPa以上のヤング率を有してもよい。いくらかの実施形態では、上記組成物は、60GPa以下、50GPa以下、40GPa以下、30GPa以下、20GPa以下、10GPa以下、または5GPa以下のヤング率を有してもよい。上記の記載された範囲の組み合わせも可能である(例えば、上記組成物は、1GPa~60GPaのヤング率を有してもよく、上記組成物は、20GPa~40GPaのヤング率を有してもよい)。
【0035】
いくつかの実施形態では、エネルギー貯蔵デバイスについて説明する。いくらかの実施形態によると、上記デバイスは、集電体と、水素結合可能な部分を有する導電性ポリマーを含むポリマーフィルムを含む電極とを含んでもよい。いくらかの実施形態では、上記ポリマーフィルムは、集電体と電気化学的に接続していてもよい。いくらかの実施形態では、上記デバイスは、スーパーキャパシタ、スーパーコンデンサ、ファラデーキャパシタ(faradaic capacitor)、および/またはウルトラキャパシタとしても知られる電気化学的二重層コンデンサであってもよい。典型的には、上記デバイスは、2つの電気活性材料(例えば、電極と電解質)間の界面での電荷分離によって形成される電界にエネルギー(例えば、電気エネルギー)を貯蔵してもよい。上記エネルギー貯蔵デバイスの一般的な実施形態は、第1の電極と、第1の電極と電気化学的に接続する第2の電極と、第1の電極と第2の電極の間に配置されたセパレータ材料とを含むことができる。いくらかの実施形態によれば、第2の電極は、第1の電極から実質的に分離されている。いくつかの実施形態では、第2の電極および/または第1の電極は、導電性炭素材料を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、第1の電極はカソードであり、第2の電極はアノードである。いくつかの他の実施形態では、第1の電極はアノードであり、第2の電極はカソードである。いくらかの態様では、上記デバイスは、両方の電極と接触してアニオンとカチオンに解離することができる電解質または他の移動相を含む。上記デバイスの構成要素は、電解質が第1の電極と第2の電極の間に配置されるように組み立てられてもよい。いくつかの実施形態では、上記デバイスの構成要素は、電解質が電極およびセパレータ材料のバルク全体に分配されるように組み立てられてもよい。
【0036】
図2は、本明細書中に記載のデバイスの例示的な実施形態を示す。図に描かれているいくらかの層は互いに直接配置されているが、いくらかの実施形態では、描かれている層の間に他の中間層が存在してもよいと解されるべきである。したがって、本明細書では、ある層が別の層上に「配置されている(disposed on)」、「付着している(deposited on)」、または「上にある(on)」と呼ばれる場合、その層上に直接配置されているか、付着しているか、または上にあるかのいずれかであり、または介在する層も存在してもよい。これに対し、他の層に「直接配置されている(directly disposed on)」、「接触している(in contact with)」、「直接付着している(directly deposited on)」、または「直接上にある(directly on)」層は、介在する層が存在しないことを示している。
図2に示す実施形態では、デバイス10(例えば、エネルギー貯蔵デバイス)は、第1の電極20を含み、この第1の電極20は、基材24と接触している第1の導電性材料22を含む。いくらかの実施形態では、第1の導電性材料22および基材24は、同じ組成(例えば、導電性ポリマー)であってもよい。第2の電極30は、いくらかの実施形態では、基材34と接触する第2の導電性材料32からなる。第2の導電性材料32および基材34は、同じ組成(例えば、導電性ポリマー)であってもよい。いくらかの実施形態によれば、第1の電極20および第2の電極30は、(例えば、セパレータ材料を介して)互いに電気化学的に接続するようにデバイス内に配置されてもよい。セパレータ材料40は、電極20および第2の電極30に隣接して(例えば、直接隣接して)配置することができる。本明細書では、第1の構成要素が別の構成要素に「隣接」していると称される場合、第1の構成要素に直接隣接(例えば、接触)していてもよいし、1つ以上の介在する構成要素も存在していてもよい。別の構成要素に「直接隣接」している構成要素は、介在する構成要素が存在しないことを意味する。第2の導電性材料32は、第1の導電性材料22と接触しているセパレータ材40の表面と対向するセパレータ材40の表面と接触していてもよい。電解質が第1の電極20および第2の電極30の両方に接触するように、第1の電極20と第2の電極30の間に(例えば、セパレータ材を介して)電解質を配置してもよい。構成要素の向きを変化させた他の実施形態があると解されるべきである。いくつかの実施形態では、デバイス構成要素の1つ以上を薄膜として形成してもよい。例えば、いくらかの実施形態によれば、基材24および第1の導電性材料22を含む第1の電極20は、薄膜であってもよく、および/または、基材34および第2の導電性材料32からなる第2の電極30は、薄膜であってもよい。
【0037】
いくつかの実施形態では、デバイスは、通常の動作中に充電および/または放電されてもよい。いくらかの実施形態によると、エネルギー貯蔵デバイスは、エネルギーを貯蔵するために(例えば、デバイスのエネルギー密度として)、充電および/または放電されなければならない場合がある。したがって、いくらかの実施形態では、デバイスは、0V~6.5Vの電位窓で充電および/または放電することができる。いくつかの実施形態によれば、電位窓(potential window)は、エネルギー貯蔵デバイス内の構成要素の組成に依存して変化してもよい。
【0038】
いくつかの実施形態によれば、本明細書中に記載の導電性ポリマーは、水素結合可能な芳香族添加剤を含まない電子供与性芳香族モノマー(例えば、ポリチオフェン)の理論的ポリマーと実質的に同じおよび/または改善された電気化学的特性(例えば、導電率)を有してもよい。上記導電性ポリマーのフィルムは、ポリマーが様々な好適なエネルギー密度のいずれかを有するように、電極として(例えば、集電体と電気的に接続する)デバイス(例えば、コンデンサ)に配置されてもよい。いくらかの実施形態によれば、上記導電性ポリマーフィルムは、50kJ/kg以上のエネルギー密度を有する。いくつかの態様では、例えば、上記導電性ポリマーフィルムは、50kJ/kg~2000kJ/kgのエネルギー密度を有してもよい。いくらかの実施形態では、上記導電性ポリマーフィルムは、50kJ/kg以上、100kJ/kg以上、200kJ/kg以上、300kJ/kg以上、400kJ/kg以上、500kJ/kg以上、600kJ/kg以上、700kJ/kg以上、800kJ/kg以上のエネルギー密度を有してもよい。900kJ/kg以上、1000kJ/kg以上、1100kJ/kg以上、1200kJ/kg以上、1300kJ/kg以上、1400kJ/kg以上、1500kJ/kg以上、1600kJ/kg以上、1700kJ/kg以上、1800kJ/kg以上、または1900kJ/kg以上のエネルギー密度を有してもよい。いくつかの実施形態では、上記導電性ポリマーフィルムは、エネルギー密度が、2000kJ/kg以下、1900kJ/kg以下、1800kJ/kg以下、1700kJ/kg以下、1600kJ/kg以下、1500kJ/kg以下、1400kJ/kg以下、1300kJ/kg以下、1200kJ/kg以下、1000kJ/kg以下、900kJ/kg以下、800kJ/kg以下、700kJ/kg以下、600kJ/kg以下、500kJ/kg以下、400kJ/kg以下、300kJ/kg以下、200kJ/kg以下、または100kJ/kg以下のエネルギー密度を有してもよい。上記の範囲の組み合わせも可能である(例えば、上記導電性ポリマーを含むデバイスは、50kJ/kg~1000kJ/kgのエネルギー密度を有し、導電性ポリマーフィルムを含むデバイスは、500kJ/kg~2000kJ/kgのエネルギー密度を有する)。いくつかの実施形態によれば、導電性ポリマーフィルムを含むデバイスのエネルギー密度は、デバイスの質量エネルギー密度であってもよい。上記導電性ポリマーフィルムを含むデバイスのエネルギー密度は、いくつかの実施形態では、ポリマーフィルムの全質量で割った貯蔵された合計エネルギーに基づいて計算されてもよい。
【0039】
いくらかの実施形態によれば、上記デバイスは、第1の電極と、第1の電極から(例えば、1つ以上の層によって)分離された第2の電極とを含んでもよい。
【0040】
別の電極と電気化学的に接続している電極を含む、本明細書中に記載の電極は、電極の性能、安定性、および/または他の特性を向上させることができる追加の構成要素を含んでもよい。例えば、上記電極は、付加的な導電性材料(例えば、導電性粉末)を含んでもよく、粉末粒子を共に結合する材料をさらに含んでもよい。他の添加剤または変性剤の例としては、金属塩、金属酸化物、ポリジメチルシロキサン、ポリスチレン、ポリプロピレン、シリコーンオイル、ミネラルオイル、パラフィン、セルロース系ポリマー、ポリブタジエン、ポリネオプロペン、天然ゴム、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、スチレンブタジエンゴム、ポリビニリデンジフルオリド、または他のポリマーが挙げられる。
【0041】
上記デバイスは、第1および第2の電極と電気化学的に接続するように配置された(例えば、第1の電極および第2の電極が共通の電解質と接触している)電解質をさらに含むことができる。電解質は、2つの電極間で正または負の荷電イオンまたはその両方を輸送することができる様々な材料のいずれかであることができ、電極と化学的に適合することが望ましい。
【0042】
いくつかの場合、電解質は、高い電荷安定化をサポートすることができるように選択される。
【0043】
いくつかの実施形態では、電解質は液体電解質である。一組の実施形態では、電解質は、イオン液体である。いくらかの実施形態では、例えば、電解質は、イオン液体1-エチル-3-メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレートである。電解質の他の例としては、エチレンカーボネート溶液、ジメチルカーボネート溶液、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、アセトニトリル、および/またはプロピレンカーボネート溶液が挙げられ、以下の式:
[(R)4N+][X-]
(式中、Xは、(PF6)-、(BF4)-、(SO3Ra)-、(RaSO2‐N‐SO2Ra)-、または(CF3)2CHO-であり、Rはアルキルであり、Raは、アルキル、アリール、フッ素化アルキル、またはフッ素化アリールである。)
を有する少なくとも1つの塩が挙げられる。いくらかの実施形態では、液体電解質は、N‐エチル‐N‐(2‐メトキシエチル)‐N,N‐ジメチルアンモニウムテトラフルオロボレートを含む。
【0044】
いくらかの実施形態によれば、電解質は、セパレータを含んでいてもよい。
【0045】
セパレータ材料は、第1および第2の電極を物理的に分離することができる一方で、流体および/または荷電種(例えば、電解液)が1つの電極から別の電極に移動することができる任意の材料であってもよい。また、セパレータ材料は、デバイスの性能(デバイスの充電/放電など)を妨げないように、デバイスの他の構成要素に対して化学的に不活性なものを選択してもよい。いくつかの場合、セパレータ材料は、紙であるか、または紙
含む。いくつかの場合、セパレータ材料は、ポリマーであるか、またはポリマーを含む。例えば、上記ポリマーは、ポリプロピレン、ポリエチレン、セルロース、ポリアリールエーテル、またはフルオロポリマーを含んでもよい。
【0046】
1つの実施形態では、第1および第2の電極は、実質的に平面的なセパレータ材料の対向する表面に配置されてもよく、セパレータ材料の厚さが電極間の距離を決定する。
【0047】
本明細書中では、用語「アルキル」は、直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基、シクロアルキル(脂環式)基、アルキル置換シクロアルキル基、およびシクロアルキル置換アルキル基を含む、飽和脂肪族基のラジカルを指す。いくつかの実施形態では、直鎖または分岐鎖のアルキルは、その骨格に30個以下の炭素原子を有してもよく、いくつかの場合、20個以下の炭素原子を有してもよい。いくつかの実施形態では、直鎖または分岐鎖アルキルは、その骨格に12個以下の炭素原子(例えば、直鎖の場合はC1-C12、分岐鎖の場合はC3-C12)を有してもよく、いくつかの場合、6個以下、または4個以下であってもよい。同様に、シクロアルキルの中には、その環構造に3~10個の炭素原子を有するものや、5個、6個または7個の炭素を有するものがある。アルキル基の例としては、これらに限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、イソブチル、tert‐ブチル、シクロブチル、ヘキシル、シクロヘキシルなどが挙げられる。
【0048】
用語「ヘテロアルキル」は、1つ以上の炭素原子がヘテロ原子で置換された本明細書中に記載のアルキル基を指す。好適なヘテロ原子としては、酸素、硫黄、窒素、リンなどが挙げられる。ヘテロアルキル基の例としては、これらに限定されないが、アルコキシ、アミノ、チオエステルなどが挙げられる。
【0049】
「アリール」という用語は、任意に置換された、単環(例えば、フェニル)、多環(例えば、ビフェニル)、または少なくとも1つが芳香環である縮合多環(例えば、1,2,3,4‐テトラヒドロナフチル、ナフチル、アントリル、またはフェナントリル)を有する芳香族炭素環式基を意味する。すなわち、少なくとも1つの環は、共役π電子系を有してもよく、他の、隣接する環は、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリールおよび/またはヘテロシクリル(heterocyclyl)であってもよい。アリール基は、本明細書中に記載されているように、任意に置換されていてもよい。「炭素環式アリール基」は、芳香環上の環原子が炭素原子であるアリール基を指す。炭素環式アリール基には、単環式の炭素環式アリール基と、ナフチル基などの多環式または縮合化合物(例えば、2つ以上の隣接する環原子が2つの隣接する環に共通している)が含まれる。
【0050】
用語「ヘテロアリール」とは、少なくとも1つのヘテロ原子を環原子として含むアリール基を指す。
【0051】
「ヘテロシクリル」という用語は、少なくとも1つのヘテロ原子を環原子として含み、いくつかの場合1~3個のヘテロ原子を環原子として含み、環原子の残りが炭素原子である環状基を指す。好適なヘテロ原子としては、酸素、硫黄、窒素、リンなどが挙げられる。いくつかの場合、複素環は3員環~10員環構造であってもよく、いくつかの場合、その環構造が1~4個のヘテロ原子を含む3員環~7員環であってもよい。用語「複素環」は、ヘテロアリール基(例えば、芳香族複素環)、飽和複素環(例えば、シクロヘテロアルキル)基、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。複素環は、飽和分子であってもよいし、1つ以上の二重結合を含んでいてもよい。いくつかの場合、複素環は、ピロール、ピリジンなどの芳香族複素環である。いくつかの場合、複素環は、多環式基を形成するために、別の環に結合または縮合していてもよい。
【0052】
いくつかの場合、複素環はマクロ環の一部であってもよい。また、複素環はスピロ環に縮合していてもよい。いくつかの場合、複素環は、環内の窒素原子または炭素原子を介して化合物に結合していてもよい。
【0053】
複素環としては、例えば、チオフェン、ベンゾチオフェン、チアンスレン、フラン、テトラヒドロフラン、ピラン、イソベンゾフラン、クロメン、キサンテン、フェノキサチイン、ピロール。ジヒドロピロール、ピロリジン、イミダゾール、ピラゾール、ピラジン、イソチアゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドール、インドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、トリアゾール、テトラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、フェナントリジン。アクリジン、ピリミジン、フェナントロリン、フェナジン、フェナルサジン、フェノチアジン、フラザン、フェノキサジン、ピロリジン、オキソラン、チオラン、オキサゾール、オキサジン、ピペリジン、ホモピペリジン(ヘキサメチレンイミン)、ピペラジン(例えば、N‐メチルピペラジン)、モルホリン、ラクトン、アゼチジノンやピロリジノンなどのラクタム、スルタム、スルトン、これらの他の飽和および/または不飽和の誘導体などが挙げられる。複素環は、本明細書中に記載されているような置換基で1つ以上の位置で任意に置換されていてもよい。いくつかの場合、複素環は、ヘテロ原子環原子(例えば、窒素)を介して化合物に結合していてもよい。いくつかの場合、複素環は、炭素環原子を介して化合物に結合していてもよい。いくつかの場合、複素環は、ピリジン、イミダゾール、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、アクリジン、アクリジン‐9‐アミン、ビピリジン、ナフチリジン、キノリン、ベンゾキノリン、ベンゾイソキノリン、フェナントリジン‐1,9‐ジアミンなどである。
【0054】
本明細書中では、用語「ハロ」は、‐F、‐Cl、‐Br、または‐Iを指す。
【0055】
「カルボキシル基」、「カルボニル基」、および「アシル基」という用語は、当技術分野で認識されており、一般式:
(式中、WはH、OH、О‐アルキル、О‐アルケニル、またはそれらの塩である。)
で表すことができるような部分を含むことができる。WがО‐アルキルの場合,上記式は「エステル」を表す。WがOHである場合、上記式は「カルボン酸」を表す。「カルボキシレート(carboxylate)」とは、アニオン性のカルボキシル基を意味する。一般的に、上記式の酸素原子が硫黄で置換されている場合、上記式は「チオカルボニル」基を表す。WがS‐アルキルの場合、式は「チオエステル」を表す。WがSHである場合、式は「チオカルボン酸」を表す。一方、Wがアルキルまたはアリールである場合、上記式は「ケトン」基を表す(例えば、アルキルカルボニル、アリールカルボニルなど)を表す。Wが水素の場合、上記式は「アルデヒド」基を表す。
【0056】
上記の基のいずれも、任意に置換されていてもよい。本明細書中では、「置換された」という用語は、有機化合物のすべての許容される置換基を含むことが意図されており、「許容される」とは、当業者に知られている原子価の化学的規則の文脈において許容されることである。また、「置換されている」とは、置換により安定した化合物、例えば、転位、環化、脱離などの変換を自発的に受けない化合物が含まれることも理解される。いくつかの場合、「置換されている」とは、一般的に、本明細書中に記載されているように、水素を置換基で置き換えることを指すことがある。しかし、本明細書中で使用される「置換された」とは、例えば、「置換された」官能基が置換によって異なる官能基になるような、分子を識別するための重要な官能基の置換および/または変更を包含しない。例えば、「置換されたフェニル基」は、依然としてフェニル部分を含んでいなければならず、この定義では、置換によって、例えばピリジン環になるように変更することはできない。広い態様では、許容される置換基には、有機化合物の非環式および環式、分枝および非分枝、炭素環式および複素環式、芳香族および非芳香族の置換基が含まれる。例示的な置換基としては、例えば、本明細書中に記載されているものが挙げられる。許容される置換基は、好適な有機化合物に対して、1つ以上であっても、同じまたは異なるものであってもよい。本発明の目的のために、窒素などのヘテロ原子は、水素置換基および/またはヘテロ原子の価数を満たす本明細書中に記載の有機化合物の任意の許容される置換基を有してもよい。
【0057】
置換基の例としては、これらに限定されるものではないが、ハロゲン、アジド、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシル、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、イミノ、アミド、ホスホネート、ホスフィネートなどが挙げられる。カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、アルキルチオ、スルホニル、スルホンアミド、ケトン、アルデヒド、エステル、ヘテロシクリル、芳香族またはヘテロ芳香族部分、-CF3、-CN、アリール、アリールオキシ、パーハロアルコキシ、アラルコキシ、ヘテロアリール。ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアラルコキシ、アジド、アミノ、ハライド、アルキルチオ、オキソ、アシルアルキル、カルボキシエステル、カルボキサミド、アシルオキシ、アミノアルキル、アルキルアミノアリール、アルキルアミノアルキル、アルコシアリール、アリールアミノ。アラルキルアミノ、アルキルスルホニル、カルボキサミドアルキルアリール、カルボキサミドアリール、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、アルキルアミノアルキルカルボキシ、アミノカルボキサミドアルキル、シアノ、アルコキシアルキル、ペルハロアルキル、アリールアルキルオキシアルキルなどが挙げられる。
【実施例0058】
実施例1
以下の実施例には、導電性ポリマーの合成について記載する。アセトニトリル中の無水塩化鉄(III)の冷却した溶液(~0℃)にチオフェンを加えた。得られた暗色の溶液を0℃以下で15分間撹拌したところ、暗緑色の固体が分離した。これらのポリマー固体をろ過して回収し、ろ液が淡い色になるまで水で洗浄した。この部分的に脱ドープされた固体をメタノールで洗浄し、続いてアセトンで洗浄してオリゴマーを除去した。暗褐色のポリマーは絹のように見え、50℃で真空乾燥させ、45~99%の収率を得た。
【0059】
実施例2
以下の実施例には、別の導電性ポリマーの合成について記載する。チオフェンとフェノールの混合物を、アセトニトリル中の無水塩化鉄(III)の冷却した溶液(~0℃)に加えた。得られた暗色の溶液を0℃以下で15分間撹拌したところ、暗緑色の固体が分離した。これらのポリマー固体をろ過して回収し、ろ液が淡い色になるまで水で洗浄した。この部分的に脱ドープされた固体をメタノールで洗浄し、続いてアセトンで洗浄してフェノールのオリゴマーとホモポリマーを除去した。暗褐色のポリマーは絹のように見え、50℃で真空乾燥させ、50~80%の収率が得られた。
【0060】
実施例3
以下の実施例には、ポリマー、活性炭、導電性添加剤、および/またはこれらの成分の何らかの組み合わせを「活性材料」として含む自立型フィルムの作製について記載する。活性材料をポリテトラフルオロエチレンおよび水と混合した。得られた生地を圧延機で200μmの厚さのフィルムに圧延し、必要に応じて水とイソプロピルアルコールを滴下してフィルムの可撓性および均一性(または一貫性:consistency)を調整した。このフィルムを真空下で乾燥させ、スーパーキャパシタの電極として使用するのに適した形状やサイズにカットした。
【0061】
実施例4
以下の実施例には、ポリマー、活性炭、導電性添加剤、またはこれらの成分の何らかの組み合わせを「活性材料」として含むスラリーコーティングフィルムの作製について記載する。活性材料をポリアクリル酸および水と混合した。得られた混合物(スラリー)をドクターブレードでアルミホイルにコーティングし、真空下で乾燥させた。コーティングとアルミホイル基材は、スーパーキャパシタデバイスの複合電極(例えばコーティング)と集電体(例えばアルミホイル)として使用するために、望ましい形状とサイズに切断した。
【0062】
本発明のいくつかの実施形態が本明細書中に記載および例示してきたが、当業者は、容易に機能を実行および/または結果を得るおよび/または1つ以上のための他の手段および/または構造の多様性を想定する利点は、本明細書中に記載され、そしてそのような変形および/または修正の各々は、本発明の範囲内であるとみなされる。より一般的に、当業者は、本明細書中に記載の全てのパラメータ、寸法、材料、および構成が例示的であることを意味することを理解するであろうし、実際のパラメータ、寸法、材料、および/または構成は、特定の用途に依存することそのため、本発明の教示は/使用される。当業者が認識し、または日常的な実験のみを用いて確認することができるであろう、本明細書中に記載の本発明のいくらかの実施形態に対する多くの等価物。これは、前述の実施形態は、添付の特許請求の範囲およびその均等物の範囲内で、本発明は、具体的に記載および請求以外の方法で実施することができる、ほんの一例として、それによって提示されることが理解されるべきことである。本発明は、本明細書中に記載の個々の特徴、システム、物品、材料、および/または方法を対象とする。また、任意の組み合わせそのような特徴、システム、物品、材料、および/または方法が互いに矛盾しない場合、2つ以上のそのような特徴、システム、物品、材料、および/または方法の、本発明の範囲に含まれる。
【0063】
明細書中および特許請求の範囲において使用されるように、不定冠詞「a」および「an」は、明確に示されない限り、「少なくとも1つ」を意味すると解されるべきである。
【0064】
明細書中および特許請求の範囲において使用されるように、句「および/または」は、結合した要素、即ち、ある場合には結合して存在し、他方で分離して存在する要素の「いずれかまたは両方」を意味すると解されるべきである。明確に示されない限り、具体的に識別されたそれらの要素に関連するかまたは関連しないかを、「および/または」の文節によって具体的に識別された要素以外に、他の要素が任意に存在してもよい。従って、非限定的な例として、「Aおよび/またはB」は、「~を含む」などのオープンエンドの語と合わせて使用される場合、1つの実施形態において、BなしのA(任意にB以外の要素を含む);別の実施形態において、AなしのB(任意にA以外の要素を含む);更に別の実施形態において、AおよびBの両方(任意に他の要素を含む);などを意味する。
【0065】
明細書中および特許請求の範囲において使用されるように、「または」は、上記定義した「および/または」と同じ意味を有すると解されるべきである。例えば、1つのリスト中の項目を分離する場合、「または」または「および/または」は包括的である、即ち、
多くの要素または要素のリストの、1つより多いも含む少なくとも1つ、任意に、リストに挙げられていない更なる項目を含むと解釈されるべきである。明確に示されている項目のみ、例えば、「~の内の1つのみ」または「~の内の正確に1つ」、或いは特許請求の範囲において使用される場合の「~から成る」は、多くの要素または要素のリストの内の正確に1つを含むことを意味する。一般的に、本明細書中で用いられる用語「または」は、「どちらか」、「~の内の1つ」、「~の内の1つのみ」または「~の内の正確に1つ」などの排他性を有する用語が先行する場合、排他的選択肢(即ち、「一方、または両方でない他方」)を示すものとして解釈されるのみである。特許請求の範囲において使用される場合の「本質的に~から成る」は、特許法の分野で使用されるようなその通常の意味を有する。
【0066】
明細書中および特許請求の範囲において使用されるように、1つ以上の要素の1つのリストに関する語句「少なくとも1つ」は、要素のリスト中の1つ以上の要素から選択される少なくとも1つの要素を意味すると解されるべきであるが、要素のリスト内に具体的に挙げられたそれぞれの要素の少なくとも1つを必ずしも含んでおらず、かつ要素のリスト中の要素どうしの組み合わせを必ずしも除外しない。この定義はまた、語句「少なくとも1つ」が、具体的に識別されたそれらの要素に関連するかまたは関連しないかを意味する要素のリスト内で具体的に識別された要素以外に、要素が任意に存在してもよいことを可能にする。従って、非限定的な例として、「AおよびBの少なくとも1つ」(同等に、「AまたはBの少なくとも1つ」、或いは同等に、「Aおよび/またはBの少なくとも1つ」)は、1つの実施形態において、任意に1つより多いことを含む少なくとも1つ、Bが存在しないA(任意にB以外の要素を含む);別の実施形態において、任意に1つより多いことを含む少なくとも1つ、Aが存在しないB(任意にA以外の要素を含む);更に別の実施形態において、任意に1つより多いことを含む少なくとも1つ、Aおよび任意に1つより多いことを含む少なくとも1つ、B(任意に他の要素を含む);などを意味することができる。
【0067】
明細書中と同様に特許請求の範囲において、このような「~を含有する(comprising)」、「~を含む(including)」、「~を有する(carrying)」、「~を有する(having)」、「~を含有する(containing)」、「~を含む(involving)」、「~を含む(holding)」などのすべての移行句は、オープンエンドである、即ち、それらに限定されないことを含むことを意味すると解される。移行句「~から成る」および「本質的に~から成る」だけは、「United States Patent Office Manual of Patent Examining Procedures,Section 2111.03」に記載されているように、それぞれクローズまたはセミクローズな移行句である。