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特開2024-125346インフラストラクチャ設備およびネットワークシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125346
(43)【公開日】2024-09-18
(54)【発明の名称】インフラストラクチャ設備およびネットワークシステム
(51)【国際特許分類】
   H04W 74/0836 20240101AFI20240910BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20240910BHJP
   H04L 27/26 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
H04W74/0836
H04W16/28 130
H04L27/26 114
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024099541
(22)【出願日】2024-06-20
(62)【分割の表示】P 2023079367の分割
【原出願日】2019-09-24
(31)【優先権主張番号】P 2018247260
(32)【優先日】2018-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高田 智史
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 秀俊
(72)【発明者】
【氏名】岩井 敬
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ランダムアクセス処理を適切に行う送信装置及び受信装置並びに送信方法及び受信方法を提供する。
【解決手段】インフラストラクチャ設備である基地局は、Message Aにおけるプリアンブル部及びデータ部に関するリソース情報を生成して出力する制御情報生成部を含む。前記リソース情報は、第1のアンテナポート数がデータ部に適用された際に使用するグループAに含まれる第1プリアンブル番号と、第2アンテナポート数が前記データ部に適用された際に使用するグループBに含まれる第2プリアンブル番号を含む。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Message Aにおけるプリアンブル部及びデータ部に関するリソース情報を生成し出力する、制御情報生成部を含み、
前記リソース情報は、第1のアンテナポート数が前記データ部に適用された際に使用するグループAに含まれる第1プリアンブル番号と、第2アンテナポート数が前記データ部に適用された際に使用するグループBに含まれる第2プリアンブル番号を含む、
インフラストラクチャ設備。
【請求項2】
Message Aにおけるプリアンブル部及びデータ部に関するリソース情報を生成し出力する、制御情報生成部を含み、
前記リソース情報は、第1のアンテナポート数が前記データ部に適用された際に使用するグループAに含まれる第1プリアンブル番号と、第2アンテナポート数が前記データ部に適用された際に使用するグループBに含まれる第2プリアンブル番号を含む、
ネットワークシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、送信装置、受信装置、送信方法及び受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
5Gの標準化において、LTE/LTE-Advancedとは必ずしも後方互換性を持たない新しい無線アクセス技術(NR:New Radio access technology)が3GPPで議論されている。
【0003】
NRにおけるランダムアクセス手順として、4段階ランダムアクセス(4-step RACH(Random Access Channel)とも呼ぶ)の他に、2段階ランダムアクセス(2-step RACHとも呼ぶ)の導入が検討されている(例えば、非特許文献1及び非特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】R2-1809940, LG Electronics Inc. ,"Considerations on 2-Step CBRA procedure for NR-U SA", 3GPP TSG-RAN WG2 Meeting#AH-1807
【非特許文献2】3GPP TR 38.889 V1.0.0, "Study on NR-based Access to Unlicensed Spectrum (Release 16)", 2018-11
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、NRにおけるランダムアクセス方法については十分に検討されていない。
【0006】
本開示の非限定的な実施例は、ランダムアクセス処理を適切に行うことができる送信装置、受信装置、送信方法及び受信方法の提供に資する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施例に係る送信装置は、少なくともデータ部を含むランダムアクセス信号を送信する送信回路と、前記ランダムアクセス信号の送信に関するパラメータに基づいて、前記データ部の構成を制御する制御回路と、を具備する。
【0008】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム、または、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施例によれば、ランダムアクセス処理を適切に行うことができる。
【0010】
本開示の一実施例における更なる利点および効果は、明細書および図面から明らかにされる。かかる利点および/または効果は、いくつかの実施形態並びに明細書および図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つまたはそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】CBRAのランダムアクセス手順の一例を示す図
図2】CFRAのランダムアクセス手順の一例を示す図
図3】実施の形態1に係る端末の一部の構成を示すブロック図
図4】実施の形態1に係る基地局の一部の構成を示すブロック図
図5】実施の形態1に係る端末の構成を示すブロック図
図6】実施の形態1に係る基地局の構成を示すブロック図
図7】実施の形態1に係る端末及び基地局の動作例を示すシーケンス図
図8】実施の形態2に係る端末の構成を示すブロック図
図9】実施の形態2に係る基地局の構成を示すブロック図
図10】実施の形態2に係る端末及び基地局の動作例を示すシーケンス図
図11】実施の形態2に係るRACH設定テーブルの一例を示す図
図12】実施の形態2に係るRACH設定テーブルの一例を示す図
図13】実施の形態2に係るRACH設定テーブルの一例を示す図
図14】実施の形態2に係るRACH設定テーブルの一例を示す図
図15】実施の形態2に係るRACH設定テーブルの一例を示す図
図16】実施の形態3に係る端末の構成を示すブロック図
図17】実施の形態3に係る基地局の構成を示すブロック図
図18】実施の形態3に係る端末及び基地局の動作例を示すシーケンス図
図19A】実施の形態3に係る参照信号の配置例を示す図
図19B】実施の形態3に係る参照信号の配置例を示す図
図20】PUSCHにおけるDMRSの配置パターンの一例を示す図
図21】実施の形態4に係る端末の構成を示すブロック図
図22】実施の形態4に係る基地局の構成を示すブロック図
図23】実施の形態4に係る端末及び基地局の動作例を示すシーケンス図
図24】実施の形態4に係るRACH設定テーブルの一例を示す図
図25】実施の形態4に係るRACH設定テーブルの一例を示す図
図26】実施の形態4に係るRACH設定テーブルの一例を示す図
図27】他の実施の形態に係るRACH設定テーブルの一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
[ランダムアクセス手順]
ランダムアクセス手順には、例えば、CBRA(Contention Based Random Access)、及び、CFRA(Contention Free Random Access)の2つの手順(又は、種別。以下、「RACH type」と呼ぶ)がある。
【0014】
[CBRA]
図1(a)は、CBRAの4段階ランダムアクセス(4-step CBRAとも呼ぶ)の一例を示す。
【0015】
図1(a)に示すように、端末(UE(User Equipment)とも呼ぶ)は、1段階目の送信(MSG1)において、Preambleを基地局(例えば、gNBと呼ぶ)に送信する。基地局は、MSG1の受信及び復号後に、2段階目の送信(MSG2)において、Preambleに対する応答(例えば、RA responseとも呼ばれる)、及び、MSG3の上り送信タイミングを含むスケジューリング情報等を端末に通知する。端末は、MSG2の受信及び復号後に、3段階目の送信(MSG3)において、MSG2で指示されたスケジューリング情報を用いて、端末に関する情報(例えば、端末ID等)のConnection確立(又は、RRC(Radio Resourece Control)接続とも呼ばれる)に使用される情報等を基地局に通知する。最後に、基地局は、4段階目の送信(MSG4)において、Connection確立応答等を端末に通知する。
【0016】
図1(b)は、CBRAの2段階ランダムアクセス(2-step CBRAとも呼ぶ)の一例を示す。
【0017】
図1(b)に示すように、端末(UE)は、1段階目の送信(例えば、「msg A」と呼ぶ)において、Preamble part(例えば、図1(a)のPreamble又はMSG1に相当)、及び、Data part(例えば、図1(a)のMSG3に相当)を基地局(gNB)に送信する。端末は、msg AのPreamble part及びData partを同時に送信してもよく、連続した時間で送信してもよく、又は、規定された時間内(例えば1スロット内)で送信してもよい。
【0018】
次に、図1(b)に示すように、基地局は、msg Aの受信及び復号後に、2段階目の送信(以下、「msg B」と呼ぶ)において、上り送信タイミング及びConnection確立応答等(図1(a)のMSG2及びMSG4に相当)を端末に通知する。
【0019】
NRにおいて、図1(b)に示すような2段階ランダムアクセスを導入することにより、例えば、超高信頼低遅延(例えば、URLLC:Ultra Reliable and Low Latency Communications)向けのサービスにおけるランダムアクセスの遅延時間の低減効果が期待される。
【0020】
なお、2段階ランダムアクセスにおいて、端末が、msg Aの送信としてPreamble part及びData partを同時、連続した時間又は規定された時間内で送信する方法は、後述するCFRAにも適応可能である。
【0021】
[CFRA]
図2(a)は、CFRAの一例を示す。
【0022】
図2(a)に示すように、端末は、基地局からの下り制御情報(例えば、DCI:Downlink Control Information)によって、1段階目のPreambleの送信(MSG1)がトリガされる。端末は、基地局からのDCIに基づいて、MSG1を基地局に送信する。基地局は、MSG1の受信及び復号後に、2段階目の送信(MSG2)において、上り送信タイミング等の情報を端末に通知する。
【0023】
図2(b)は、CFRAの2段階ランダムアクセス(2-step CFRAと呼ぶこともある)の一例を示す。
【0024】
図2(b)に示すように、端末は、基地局からDCIによって1段階目の送信(msg A)がトリガされると、CBRAの場合(例えば、図1(b)を参照)と同様に、1段階目の送信(msg A)において、Preamble part及びData partを同時、連続した時間、又は規定された時間(例えば、1スロット)内で基地局に送信する。基地局は、msg Aの受信及び復号後に、2段階目の送信(msg B)において、上り送信タイミング等を端末に通知する。
【0025】
なお、上述した2段階ランダムアクセスの導入は、ライセンス帯域に限定されない。例えば、NRでは、LAA(License Assisted Access)と同様に、アンライセンス帯域でのPRACH(Physical Random Access Channel)の運用も想定されている。2段階ランダムアクセスをアンライセンス帯域に導入することにより、例えば、LBT(Listen Before Talk)の処理の低減効果が期待される。
【0026】
[PRACH]
PRACH(例えば、図1(a)又は図2(a)のMSG1)は、CP(Cyclic Prefix)と、Preambleと、GP(Guard Period)とから構成される。Preambleは、例えば、相関特性が良好な符号系列(例えば、Cyclic shifted Zadoff-Chu(CS-ZC)系列)等から生成される。また、CPはPreambleの一部をコピーした信号である。GPは無送信区間である。なお、Preambleは、CS-ZC系列に限定されず、相関特性が良好な符号系列であればよい。
【0027】
これらのPRACHに関する情報は、例えば、基地局のセル情報として端末に通知される。例えば、Preamble番号毎に異なるCS-ZC系列が一意に対応付けられる。CBRAでは、例えば、端末は、複数のPreamble番号(例えば、「Preamble番号群」と呼ぶ)の中から、ランダムに選択したPreamble番号に対応するCS-ZC系列をPreambleとして送信する。また、CFRAでは、例えば、端末は、基地局からDCIによって指示されたPreamble番号に対応するCS-ZC系列をPreambleとして送信する。
【0028】
例えば、複数の端末が同一の時間リソース及び周波数リソースを用いてPRACHを送信する場合でも、複数の端末がそれぞれ異なるPreamble番号を選択していれば、基地局は、CS-ZC系列の相関検出によって、複数のPreamble番号(換言すると、複数の端末のPreamble)を同時に検出できる。
【0029】
PRACHの時間リソース及び周波数リソースは、例えば、上位レイヤシグナリング(higher layer signaling、RRC signaling、又はhigher layer parameterと呼ぶこともある)を用いて端末に通知される。また、端末に対して、時間リソース及び周波数リソースが複数通知される場合がある。この場合、CBRAでは、端末は、規定された条件に基づいて、通知された複数のリソースの中からPRACHに用いるリソースを選択する。
【0030】
以上、ランダムアクセス手順について説明した。
【0031】
ところで、NRでは、2段階ランダムアクセスにおいて、msg Aに含まれるData partのフレームフォーマットの詳細に関しては十分に議論されていない。特に、msg AのData partの参照信号(例えば、データ復調用参照信号(DMRS(Demodulation Reference Signal)))の構成及び複数レイヤ送信については十分に議論されていない。
【0032】
そこで、以下では、端末が2段階ランダムアクセスにおいてPRACHを送信する場合のData partの構成(換言すると、フレームフォーマット)の設定方法について説明する。
【0033】
なお、以下の説明において、「2段階ランダムアクセス」とは、Preamble part(4段階ランダムアクセスのMSG1に相当)と、Data part(4段階ランダムアクセスのMSG3に相当)とが、同時に送信、連続する無線リソースで送信、又は、規定された時間内(例えばスロット内)の無線リソースで送信されるランダムアクセス手順を意味する。換言すると、2段階ランダムアクセスとは、Data partがPreamble partとともに送信されるランダムアクセス手順を意味する。又は、2段階ランダムアクセスとは、端末が、Preambleに対する応答(4段階ランダムアクセスのMSG2に相当)を受信する前にData partを送信、又は、Preambleに対する応答を待たずにData partを送信するランダムアクセス手順を意味する。
【0034】
(実施の形態1)
2段階ランダムアクセスのmsg AのData partにおける受信品質を向上させるために、例えば、Data partに送信ダイバーシチが適用される可能性がある。送信ダイバーシチには、例えば、SFBC(Space Frequency Block Coding)又はランダムプリコーディング等がある。
【0035】
また、Data partにおいてより多くの情報を送信するために、端末が、Data partのデータを複数のレイヤ(Layer又はランク)を用いて、MIMO(Multiple Input Multiple Output)送信する可能性がある。この場合、基地局がData partの信号を復号するには、複数のアンテナポート(Antenna portとも呼ばれる)毎に復調用参照信号(DMRS)が必要となる。各アンテナポートのDMRSは、例えば、直交したリソース(例えば、周波数、時間及び符号リソース)を用いて送信される必要がある。
【0036】
ここで、CBRAの2段階ランダムアクセスでは、基地局は、msg AのData partを復号しなければ、msg Aがどの端末から送信されたかを判断できない。端末の性能(例えば、UE capability)によっては、1本のアンテナ数しかサポートしていない端末が存在する。そのため、CBRAでは、基地局は、全ての端末に対して複数アンテナポートでの送信を指示できない。
【0037】
一方、CFRAの2段階ランダムアクセスでは、基地局は、端末にmsg Aの送信を指示する際、msg Aの送信に使用するPreamble番号を通知する。そのため、基地局は、Preamble検出処理において、検出したPreamble番号からmsg A(例えば、PRACH)を送信した端末を識別できる。そのため、CFRAでは、基地局は、端末毎に1つ又は複数のアンテナポートでの送信を指示できる。
【0038】
そこで、本実施の形態では、CBRA及びCFRA等のランダムアクセス手順の種別(RACH Type)に応じて、Data partのランク数(又は、ランクの値、Layer数とも呼ぶ)を設定する。
【0039】
[通信システムの概要]
本開示の一実施の形態に係る通信システムは、端末100及び基地局200を備える。以下の説明では、一例として、端末100(送信装置に相当)がPRACHを送信し、基地局200(受信装置に相当)がPRACHを受信する。
【0040】
図3は本開示の実施の形態に係る端末100の一部の構成を示すブロック図である。図3に示す端末100において、無線送信部111(例えば、送信回路に相当)は、少なくともデータ部(例えば、Data part)を含むランダムアクセス信号(例えば、PRACH)を送信する。rank決定部107(例えば、制御回路に相当)は、ランダムアクセス信号の送信に関するパラメータ(例えば、RACH type等)に基づいて、データ部の構成(例えば、rank数)を制御する。
【0041】
図4は本開示の実施の形態に係る基地局200の一部の構成を示すブロック図である。図4に示す基地局200において、無線受信部205(例えば、受信回路に相当)は、少なくともデータ部(例えば、Data part)を含むランダムアクセス信号(例えば、PRACH)を受信する。rank決定部208は、ランダムアクセス信号の送信に関するパラメータに基づいて、データ部の構成(例えば、rank数)を制御する。
【0042】
[端末の構成]
図5は、本実施の形態に係る端末100の構成を示すブロック図である。
【0043】
図5において、端末100は、アンテナ101と、無線受信部102と、復調・復号部103と、RACH type判定部104と、Preamble生成部105と、Preambleリソース割当部106と、rank決定部107と、Data生成部108と、参照信号生成部109と、Dataリソース割当部110と、無線送信部111と、を有する。
【0044】
無線受信部102は、アンテナ101を介して基地局200から受信した受信信号に対して、ダウンコンバート、A/D変換等の受信処理を施し、受信処理により得られた受信信号を復調・復号部103へ出力する。
【0045】
基地局200から受信した受信信号には、例えば、ランダムアクセスにおける信号(例えば、図1(b)又は図2(b)に示すmsg B)、上位レイヤシグナリング(higher layer signaling)又は下り制御情報(例えば、DCI)等が含まれてよい。
【0046】
復調・復号部103は、無線受信部102から入力される受信信号を復調及び復号する。復調・復号部103は、復号後の信号(例えば、下り制御情報)をRACH type判定部104に出力する。
【0047】
RACH type判定部104は、復調・復号部103から入力される下り制御情報に基づいて、ランダムアクセス手順の種別(RACH type)を判定する。
【0048】
例えば、RACH type判定部104は、下り制御情報によってランダムアクセス(PRACH)の送信が指示された場合、RACH typeを「CFRA」と判定する。例えば、RACH type判定部104は、下り制御情報において、NRにおけるDCI format1_0のCRC(Cyclic Redundancy Check)がC-RNTI(Cell-Radio Network Temporary Identifier)を用いてスクランブルされている場合、かつ、"Frequency domain resource assignment"フィールドが全て1の場合に、RACH typeをCFRAと判定してよい。
【0049】
また、例えば、RACH type判定部104は、下り制御情報によってランダムアクセスの送信が指示されていない場合、RACH typeを「CBRA」と判定する。例えば、RACH type判定部104は、端末100主導で2段階ランダムアクセスにおいてPRACH(換言すると、ランダムアクセス信号)を送信する場合に、RACH typeをCBRAと判定してよい。
【0050】
RACH type判定部104は、判定したRACH Type(例えば、CBRA及びCFRAの何れか一方)を示すRACH type情報をPreamble生成部105、rank決定部107及びData生成部108に出力する。
【0051】
Preamble生成部105は、RACH type判定部104から入力されるRACH type情報に示されるRACH typeがCBRAの場合、例えば、Preamble番号群の中から、ランダムに1つのPreamble番号を選択する。一方、Preamble生成部105は、RACH type情報に示されるRACH typeがCFRAの場合、例えば、下り制御情報によって通知されるPreamble番号を選択する。Preamble生成部105は、例えば、選択したPreamble番号に対応する系列番号及び巡回シフト量(CS量)を用いて、CS-ZC系列を生成し、生成したCS-ZC系列をPreamble part信号(又は、プリアンブル信号)としてPreambleリソース割当部106へ出力する。ここで、選択されるPreamble番号が異なれば、Preamble生成部105では、直交又は相関が小さい異なる符号系列(CS-ZC系列等)が生成される。
【0052】
Preambleリソース割当部106は、例えば、上位レイヤシグナリングによって通知された周波数リソースの少なくとも1つに、Preamble生成部105から入力されるPreamble part信号を割り当てる。また、Preambleリソース割当部106は、設定された送信タイミングに基づいて、Preamble part信号を、無線送信部111に出力する。
【0053】
rank決定部107は、RACH type判定部104から入力されるRACH type情報に示されるRACH Type(例えば、CBRA又はCFRA)に基づいて、Data partのランク(又はLayer数)を決定する。rank決定部107は、決定したランクを示すランク情報を、Data生成部108及びDataリソース割当部110に出力する。なお、rank決定部107におけるランク決定方法の一例については後述する。
【0054】
Data生成部108は、RACH type判定部104から入力されるRACH type情報及びrank決定部107から入力されるランク情報に基づいて、データ信号(Data part信号)を生成する。例えば、Data生成部108は、CBRAの場合、端末ID等のconnection確立に使用する情報等を含むデータ信号(例えば、4段階ランダムアクセスにおけるMSG3に相当)を生成する。また、例えば、Data生成部108は、CFRAの場合、BFR(Beam Failure Report)又はHandover完了メッセージ等を含むデータ信号を生成する。また、Data生成部108は、rank情報に示されるランクに基づいて送信ダイバーシチ又はプリコーディング等の制御を行う。そして、Data生成部108は、生成したデータ信号を符号化及び変調し、変調後の信号(データ系列)をDataリソース割当部110に出力する。
【0055】
参照信号生成部109は、例えば、データ復調用の参照信号(例えば、DMRS)を生成し、プリコーディング等の制御を行い、参照信号をDataリソース割当部110へ出力する。参照信号は、例えば、PN系列又はCS-ZC系列等から生成されてよい。なお、例えば、基地局200における受信処理において、Preambleをチャネル推定に使用できる場合、端末100は参照信号を生成しなくてよい。
【0056】
Dataリソース割当部110は、例えば、上位レイヤシグナリング又は下り制御情報によって指示される周波数リソースに、Data生成部108から入力されるData part信号を割り当てる。また、Dataリソース割当部110は、rank決定部107から入力されるランク情報に示されるランクに基づいてアンテナポート数を算出する。そして、Dataリソース割当部110は、算出したアンテナポート数のアンテナポートに該当する時間、周波数又は符号リソースに、参照信号生成部109から入力される参照信号を割り当てる。また、Dataリソース割当部110は、設定された送信タイミングに基づいて、Data part信号及び参照信号を、無線送信部111に出力する。
【0057】
無線送信部111は、Preambleリソース割当部106から入力されるPreamble part信号、及び、Dataリソース割当部110から入力されるData part信号及び参照信号に対してD/A変換、アップコンバート等の送信処理を行う。無線送信部111は、送信処理により得られた無線信号(例えば、2段階ランダムアクセスのPRACH(又はmsg A)(図1(b)又は図2(b)を参照)に相当)を、アンテナ101から基地局200へ送信する。
【0058】
[基地局の構成]
図6は、本実施の形態に係る基地局200の構成を示すブロック図である。
【0059】
図6において、基地局200は、制御情報生成部201と、符号化・変調部202と、無線送信部203と、アンテナ204と、無線受信部205と、Preamble検出部206と、RACH type判定部207と、rank決定部208と、チャネル推定部209と、Data復調・復号部210と、を有する。
【0060】
制御情報生成部201は、例えば、端末100がランダムアクセス送信に使用する制御情報を生成し、生成した制御情報を符号化・変調部202に出力する。制御情報には、例えば、上位レイヤシグナリング(例えば、NRにおけるRACH-Configuration (RACH-ConfigCommon, RACH-ConfigDedicatedなど)、及び、CFRAをトリガする際の下り制御情報(例えば、NRにおけるDCI format1_0等)が含まれてよい。
【0061】
また、下り制御情報には、例えば、2段階ランダムアクセスのmsg AのData partに使用するランク、参照信号のアンテナポート数、送信ダイバーシチ方法、プリコーディング方法、Preamble partにおけるpreamble番号、又は、Preamble partの割り当てリソース等を含んでもよい。
【0062】
なお、全ての制御情報が端末100に対して同時に通知されなくてよい。例えば、一部の制御情報はセル共通情報として、又は、準静的な通知情報、動的な通知情報(例えば、DCI等)として端末100に通知されてよい。また、一部の制御情報は、例えば、システム共通情報としてスペックで規定され、基地局200から端末100に通知されなくてもよい。
【0063】
符号化・変調部202は、制御情報生成部201から入力される制御情報を変調及び符号化し、変調後の信号を無線送信部203に出力する。
【0064】
無線送信部203は、符号化・変調部202から入力される信号に対してD/A変換、アップコンバート、増幅等の送信処理を施し、送信処理により得られた無線信号をアンテナ204から端末100へ送信する。
【0065】
無線受信部205は、例えば、基地局200のセル内において利用可能なPRACH送信リソースにおいて、アンテナ204を介して受信した端末100からのPRACH信号(例えば、2段階ランダムアクセスにおけるmsg A)に対してダウンコンバート、A/D変換等の受信処理を行う。無線受信部205は、受信処理により得られた信号をPreamble検出部206、チャネル推定部209及びData復調・復号部210に出力する。
【0066】
Preamble検出部206は、基地局200のセル内において利用可能なPreamble番号群の各Preamble番号に対応する系列番号及びCS番号を用いて、Preamble part信号を検出するためのレプリカ信号を生成する。Preamble検出部206は、生成したレプリカ信号と、無線受信部205から入力される信号(例えば、msg A)との相関処理を行い、PRACH preambleの検出、及び、タイミング推定を行う。Preamble検出部206は、例えば、検出したPreamble番号をRACH type判定部207及びチャネル推定部209に出力する。
【0067】
なお、Preamble検出部206における相関処理は、時間領域において相関処理を行うことにより、タイミング推定において使用される遅延プロファイルを算出する処理でもよく、周波数領域において相関処理(除算処理)を行ってから、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)を行うことにより遅延プロファイルを算出する処理でもよい。
【0068】
RACH type判定部207は、Preamble検出部206から入力されるPreamble番号に基づいて、端末100から受信したPRACH信号(ランダムアクセス信号)のRACH typeを判定する。
【0069】
例えば、RACH type判定部207は、検出されたPreamble番号が、下り制御情報によって端末100に通知したCFRA用のPreamble番号であるか否かを判定する。RACH type判定部207は、Preamble番号がCFRA用のPreamble番号である場合、受信されるPRACH信号のRACH typeが「CFRA」であると判定する。一方、RACH type判定部207は、Preamble番号がCFRA用のPreamble番号ではない場合、受信されるPRACH信号のRACH typeが「CBRA」であると判定する。RACH type判定部207は、判定したRACH Type(例えば、CBRA及びCFRAの何れか一方)を示すRACH type情報をrank決定部208に出力する。
【0070】
rank決定部208は、RACH type判定部207から入力されるRACH type情報に示されるRACH Type(例えば、CBRA又はCFRA)に基づいて、Data partのランク(又はLayer数)を決定する。rank決定部208は、決定したランクを示すランク情報を、チャネル推定部209及びData復調・復号部210に出力する。なお、rank決定部208におけるランク決定方法の一例については後述する。
【0071】
チャネル推定部209は、rank決定部208から入力されるランク情報に示されるランクに基づいて、アンテナポート数を算出する。チャネル推定部209は、算出したアンテナポート数の各アンテナポートに該当する時間、周波数又は符号リソースに割り当てられている参照信号に対して、レプリカの参照信号を用いた周波数領域での相関処理(例えば、除算処理)を行い、各アンテナポートのチャネル推定値を算出する。チャネル推定部209は、算出したチャネル推定値をData復調・復号部210へ出力する。
【0072】
Data復調・復号部210は、チャネル推定部209から入力されるチャネル推定値、及び、rank決定部208から入力されるランク情報に示されるランクに基づいて、無線受信部205から入力される受信信号に含まれるData part信号に対して、復調及び復号処理を行い、復号結果であるデータ(例えば、msg AのData part信号)を出力する。
【0073】
[端末100及び基地局200の動作]
以上の構成を有する端末100及び基地局200における動作例について説明する。
【0074】
図7は端末100(図5)及び基地局200(図6)の動作例を示すシーケンス図である。
【0075】
図7において、基地局200は、端末100がPRACH送信に使用する制御情報を含むセル情報を端末100へ通知(換言すると、報知)する(ST101)。例えば、セル情報には、NRにおけるRACH-Configuration (RACH-ConfigCommon, RACH-ConfigDedicated等)を含む上位レイヤシグナリングが含まれてよい。
【0076】
基地局200は、端末100のPRACH送信をトリガする場合(例えば、CFRAの場合)、下り制御情報(例えば、DCI)を端末100に送信する(ST102)。基地局200は、端末100のPRACH送信をトリガしない場合(例えば、CBRAの場合)、当該DCIの送信を行わなくてよい。
【0077】
端末100は、例えば、下り制御情報(DCI)の有無に基づいて、RACH type(CBRA又はCFRA)を判定する(ST103)。また、端末100は、判定したRACH typeに基づいて、ランクを決定する(ST104)。換言すると、端末100は、RACH typeに基づいて、Data part信号の構成(例えば参照信号のリソース数)を決定する。
【0078】
端末100は、RACH typeに基づいて、msg Aのpreamble part信号を生成し(ST105)、決定したランクに基づいて、msg AのData part信号(例えば、データ信号及び参照信号)を生成する(ST106)。
【0079】
端末100は、生成したPreamble part信号及びData part信号を含むPRACH信号(例えば、msg A)を基地局200へ送信する(ST107)。
【0080】
基地局200は、Preamble part信号を検出して、PRACH信号に使用されたPreamble番号を特定する(ST108)。また、基地局200は、特定したPreamble番号に基づいて、RACH type(例えば、CBRA又はCFRA)を判定し(ST109)、判定したRACH typeに基づいて、ランクを決定する(ST110)。
【0081】
そして、基地局200は、決定したランクに基づいてチャネル推定を行い、チャネル推定値を用いてData part信号を復号する(ST111)。
【0082】
[ランク決定方法]
次に、端末100のrank決定部107及び基地局200のrank決定部208におけるランクの決定方法の一例について説明する。
【0083】
以下、一例として、ランクの決定方法1-1及び1-2についてそれぞれ説明する。
【0084】
<決定方法1-1>
決定方法1-1では、端末100及び基地局200は、PRACH送信におけるRACH Type(例えば、CBRA又はCFRA)に応じて、msg AのData partの最大ランクを決定する。
【0085】
例えば、端末100及び基地局200は、PRACH送信におけるRACH typeがCBRAの場合、msg AのData partの最大ランクを「1」に決定する。
【0086】
一方、端末100及び基地局200は、PRACH送信におけるRACH typeがCFRAの場合、msg AのData partの最大ランクを「X」(ただし、Xは1以上の値)に決定する。
【0087】
RACH typeがCFRAの場合、例えば、端末100は、1~Xの値の中から、msg AのData partの送信に使用するランクを決定する。例えば、端末100がData partの送信に使用するランクの値は、CFRAをトリガするための下り制御情報(DCI)で通知されてもよい。又は、端末100がData partの送信に使用するランクの値は、PRACH送信の直前のPUSCH送信に適用したランクの値でもよい。
【0088】
なお、最大ランクXは、例えば、上位レイヤシグナリング等の準静的な通知情報によって基地局200から端末100へ通知されてもよく、DCI等の動的な制御情報によって基地局200から端末100へ通知されてもよく、スペック等によって規定されてもよい。
【0089】
このように、RACH typeがCBRAの場合にmsg AのData partのランクは1に固定される。上述したように、CBRAの2段階ランダムアクセスでは、基地局200がmsg AのData partを復号しないと、msg Aがどの端末100から送信されたかを判断できず、全ての端末に対して複数アンテナポートでの送信を指示できない。これに対して、RACH typeがCBRAの場合にランクが1に固定されることにより、例えば、複数アンテナポートの送信をサポートしていない端末100を含む全ての端末100に対してCBRAを適用できる。
【0090】
また、RACH typeがCFRAの場合にmsg AのData partのランクは、1~Xの中から選択される。上述したように、例えば、CFRAにおいて、端末100が使用するData partのランクは、1~Xの範囲において、下り制御情報、又は、PRACH送信の直前のPUSCH送信に適用したランクに基づいて選択される。これにより、端末100は、Data partのランクを動的に変更できる。例えば、端末100は、受信品質に応じて、ランクを動的に変更することにより、CFRAにおけるmsg Aでの送信データ量を適切に設定(例えば、増加又は減少)できる。
【0091】
また、決定方法1-1では、CBRAの場合のランクは1に固定されるので、例えば、CBRA及びCFRAの双方のランクがそれぞれ基地局200から端末100へ指示される方法と比較して、CBRAのランクを指示するための制御情報のシグナリング量を低減できる。
【0092】
なお、CFRAにおいて、端末100に送信させるデータ種別(又は、データ量)に対応付けられたトリガ種別を設けて、トリガ種別に応じてランクを一意に決定する方法でもよい。
【0093】
<決定方法1-2>
決定方法1-2では、PRACH Typeに依らず、msg AのData partにおける最大ランクを固定とする。
【0094】
例えば、端末100及び基地局200は、PRACH送信におけるRACH TypeがCBRA及びCFRAの何れの場合にも、msg AのData partの最大ランクを「1」に決定する。換言すると、RACH typeがCBRA及びCFRAの何れの場合にも、msg AのData partのランクは1に固定される。この場合、msg AのData partのランクを基地局200から端末100へ指示するためのシグナリング量を削減できる。また、PRACH信号のランクが固定されるので、PRACH送信の制御を簡易化できる。
【0095】
以上、本実施の形態に係るランクの決定方法について説明した。
【0096】
このように、本実施の形態では、端末100及び基地局200は、PRACH信号の送信に関するパラメータの一つであるRACH typeに基づいて、Data part信号の構成を制御する。例えば、端末100及び基地局200は、RACH typeに基づいて、Data partにおけるデータ信号を復調するための参照信号(DMRS)のリソース数(例えば、ランク又はアンテナポート数)を決定する。
【0097】
これにより、例えば、NRの2段階ランダムアクセスにおいて、msg Aに含まれるData partの参照信号(例えば、DMRS)の構成及び複数レイヤ送信を適切に制御できる。よって、例えば、端末100は、RACH typeに応じて、2段階ランダムアクセスのPRACH信号を効率的に送信できる。
【0098】
なお、本実施の形態では、一例として、RACH tyepに基づいて「最大ランク」を決定する方法について説明した。しかし、本実施の形態に係るランク決定方法では、最大ランクの代わりに、最大アンテナポート数、換言すると、時間、周波数又は符号によって直交する参照信号のリソース数を決定してもよい。アンテナポート数は、少なくともランク数分必要である。そのため、最大アンテナポート数を決定する方法は、最大ランクを決定する場合と同様の定義となる。
【0099】
また、ランクが1の場合でも、複数のアンテナポートを設定する場合がある。例えば、Data partに送信ダイバーシチ(例えば、SFBC等)を適用する場合である。
【0100】
(実施の形態2)
実施の形態1では、RACH typeに応じてmsg AのData partのランクを決定する方法について説明した。これに対して、本実施の形態では、msg Aのpreamble partの「preamble番号」又は「preambleの時間及び周波数リソース」に応じて、Data partのランクを決定する方法について説明する。
【0101】
[端末の構成]
図8は、本実施の形態に係る端末300の構成を示すブロック図である。なお、図8において、実施の形態1(図5)と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0102】
端末300において、RACH設定テーブル(RACH configuration table)301は、msg AのData partに使用されるランク(rank value)に応じて、Preamble番号がグループ化されたテーブルである。RACH設定テーブル301に含まれる情報は、例えば、準静的な通知情報(例えば、上位レイヤシグナリング)、又は、動的な通知情報(例えば、DCI等)によって基地局400から端末300へ通知されてもよい。または、RACH設定テーブル301に含まれる情報は、システム共通情報としてスペックで規定され、基地局400から端末300へ通知されなくてもよい。
【0103】
RACH設定テーブル301に含まれる情報は、例えば、Preamble番号選択部302及びrank決定部304にそれぞれ出力される。なお、RACH設定テーブル301の一例については後述する。
【0104】
Preamble番号選択部302は、PRACH送信に用いるPreamble番号を選択する。Preamble番号選択部302は、選択したPreamble番号を示すPreamble情報を、Preamble生成部303及びrank決定部304へ出力する。
【0105】
例えば、Preamble番号選択部302は、RACH typeがCBRAの場合、RACH設定テーブル301を参照して、端末300に関する情報に対応付けられたグループ(Preamble番号群)に含まれるPreamble番号の中から、1つのPreamble番号をランダムに選択する。端末300に関する情報は、例えば、Data partのランク、端末300と基地局400との間のパスロス、及び、Data partの情報量(例えば、ビット数)等の少なくとも一つでもよく、他の情報(例えば、msg A又はData partに関する情報)でもよい。
【0106】
一方、Preamble番号選択部302は、RACH typeがCFRAの場合、復調・復号部103から入力される下り制御情報によって通知されたPreamble番号を選択する。
【0107】
なお、Preamble番号選択部302におけるPreamble番号の選択方法の一例については後述する。
【0108】
Preamble生成部303は、Preamble番号選択部302から入力されるPreamble情報に示されるPreamble番号に対応する系列番号及びCS量を用いて、CS-ZC系列を生成し、生成したCS-ZC系列に対して、プリコーディング等の処理を行った信号をPreamble part信号としてPreambleリソース割当部106へ出力する。
【0109】
rank決定部304は、RACH設定テーブル301を参照して、Preamble番号選択部302から入力されるPreamble情報に示されるPreamble番号に対応するランクを決定(換言すると、判定)し、決定したランクを示すランク情報をData生成部108及びDataリソース割当部110へ出力する。なお、rank決定部304におけるランクの決定方法の一例については後述する。
【0110】
[基地局の構成]
図9は、本実施の形態に係る基地局400の構成を示すブロック図である。なお、図9において、実施の形態1(図6)と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0111】
基地局400において、RACH設定テーブル401は、端末300が保持するRACH設定テーブル301と同様、msg AのData partに使用されるランク(rank value)に応じて、Preamble番号がグループ化されたテーブルである。RACH設定テーブル401に含まれる情報は、例えば、rank決定部402に出力される。なお、RACH設定テーブル401の一例については後述する。
【0112】
rank決定部402は、端末300のrank決定部304と同様、RACH設定テーブル401を参照して、Preamble検出部206から入力されるPreamble番号に対応するランクを決定(換言すると、判定)する。rank決定部402は、決定したランクを示すランク情報をチャネル推定部209及びData復調・復号部210へ出力する。なお、rank決定部402におけるランクの決定方法の一例については後述する。
【0113】
[端末300及び基地局400の動作]
以上の構成を有する端末300及び基地局400における動作例について説明する。
【0114】
図10は端末300(図8)及び基地局400(図9)の動作例を示すシーケンス図である。なお、図10において、実施の形態1(例えば、図7を参照)と同様の動作には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0115】
図10において、端末300は、例えば、RACH設定テーブル301を参照して、端末300に関する情報(一例は後述する)に対応するPreamble番号群(グループ)の中から、1つのPreamble番号をランダムに選択する(ST201)。また、端末300は、RACH設定テーブル301を参照して、選択したPreamble番号に対応するランクを選択する(ST202)。
【0116】
一方、基地局400は、RACH設定テーブル401を参照して、PRACH信号に使用されたPreamble番号(換言すると、検出されたPreamble番号)に対応するランクを決定する(ST203)。
【0117】
[ランク決定方法]
次に、端末300及び基地局400におけるランクの決定方法の一例について説明する。
【0118】
以下、一例として、ランクの決定方法2-1、2-2及び2-3についてそれぞれ説明する。
【0119】
<決定方法2-1>
決定方法2-1に係るRACH設定テーブル301及び401は、例えば、図11に示すように、msg AのPreamble partのPreamble番号と、msg AのData partに適用するランクとを関連付けたテーブルである。
【0120】
端末300のPreamble番号選択部302は、例えば、CBRAの場合、以下の端末300に関する情報の少なくとも一つを用いて、msg AのData partのランクを選択する。
(1)受信品質(例えば、パスロス)
(2)msg AのData partのデータ量(例えば、ビット数)
(3)UE Capability(例えば、送信アンテナ数)
(4)PRACH送信の直前のPUSCH送信に適用したランク
【0121】
そして、Preamble番号選択部302は、例えば、図11に示すRACH設定テーブル301を参照して、選択したランクに対応するグループに含まれるPreamble番号の中から、1つのPreamble番号をランダムに選択する。
【0122】
例えば、Preamble番号選択部302は、選択したランクが1の場合、図11に示すグループAに含まれるPreamble番号0~2の中から1つのPreamble番号を選択する。同様に、例えば、Preamble番号選択部302は、選択したランクが2の場合、図11に示すグループBに含まれるPreamble番号3及び4の中から1つのPreamble番号を選択する。
【0123】
また、Preamble番号選択部302は、例えば、CFRAの場合、基地局400から通知されるDCIに含まれるPreamble番号を選択する。
【0124】
端末300のrank決定部304は、RACH設定テーブル301を参照して、Preamble番号選択部302において選択されたPreamble番号に対応するData partのランクを決定(又は判定)する。一例として、図11において、Preamble番号選択部302においてPreamble番号3が選択された場合、rank決定部304は、msg AのData partのランクを2に決定する。Preamble番号選択部302において選択されたPreamble番号が他の番号の場合についても同様である。
【0125】
なお、決定方法2-1では、Preamble番号選択部302においてPreamble番号を選択する際に、Data partのランクが選択されるので、rank決定部304は、Preamble番号選択部302において選択されたランクをそのまま使用してもよい。
【0126】
また、基地局400のrank決定部402は、RACH設定テーブル401を参照して、Preamble検出部206において検出されたPreamble番号に対応するData partのランクを決定(又は判定)する。一例として、図11において、Preamble検出部206においてPreamble番号3が検出された場合、rank決定部402は、msg AのData partのランクを2に決定する。Preamble検出部206において検出されたPreamble番号が他の番号の場合についても同様である。
【0127】
このように、決定方法2-1では、msg AのPreamble partのPreamble番号と、msg AのData partに適用するランクとが関連付けられる。これにより、端末300は、Preamble番号に応じてランクを決定できるので、基地局400から端末300へランクを通知するための制御情報が不要となり、シグナリング量を低減できる。
【0128】
また、決定方法2-1では、基地局400は、端末300において選択されたmsg AのData partのランクを、Preambleの検出時に認識できる。換言すると、基地局400は、msg AのData partの復号前に、Data partのランクを認識できる。そのため、決定方法2-1では、CFRAに加え、CBRAでも、msg AのData partに1以上のランクを適用可能となり、msg AのData partで送信可能な情報量を増加できる。
【0129】
なお、図11に示すテーブルは一例であり、図11に示すPreamble番号とランクとの関連付けに限定されない。
【0130】
<決定方法2-2>
決定方法2-2に係るRACH設定テーブル301及び401は、例えば、図12に示すように、msg AのPreamble partのPreamble番号と、msg AのData partに適用するランクと、下りチャネルから測定されたパスロス値とを関連付けたテーブルである。
【0131】
下りチャネルから測定されたパスロスは、例えば、同期信号(synchronization signal)を用いて測定されてよい。
【0132】
図12に示すように、パスロスが大きいグループほど、低いランクが設定される。
【0133】
なお、パスロスの判定基準(パスロス:大又は小を判定する基準。例えば、閾値など)は、例えば、スペックで規定されてもよく、上位レイヤシグナリング等の準静的な通知情報、又は、DCI等の動的な通知情報によって通知されてもよい。
【0134】
Preamble番号選択部302は、例えば、CBRAの場合、図12に示すRACH設定テーブル301を参照して、下りチャネルから測定されたパスロス値に対応するグループに含まれるPreamble番号の中から、1つのPreamble番号をランダムに選択する。例えば、Preamble番号選択部302は、パスロスが「大」の場合、図12に示すグループAに含まれるPreamble番号0~2の中から1つのPreamble番号を選択する。同様に、例えば、Preamble番号選択部302は、パスロスが「小」の場合、図12に示すグループBに含まれるPreamble番号3及び4の中から1つのPreamble番号を選択する。
【0135】
また、Preamble番号選択部302は、例えば、CFRAの場合、基地局400から通知されるDCIに含まれるPreamble番号を選択する。
【0136】
なお、端末300のrank決定部304及び基地局400のrank決定部402の動作は、決定方法2-1と同様であるので説明を省略する。
【0137】
このように、決定方法2-2では、msg AのPreamble partのPreamble番号と、msg AのData partに適用するランクと、パスロスとが関連付けられる。これにより、端末300は、パスロスに応じてランクを決定できるので、基地局400から端末300へランクを通知するための制御情報が不要となり、シグナリング量を低減できる。
【0138】
また、決定方法2-2では、端末300は、パスロスに応じたランクを容易に選択できるので、端末300の実装を簡易化できる。
【0139】
また、決定方法2-2では、決定方法2-1と同様、基地局400は、端末300において選択されたmsg AのData partのランクを、Preambleの検出時に認識できるので、CBRAでも、msg AのData partに1以上のランクを適用可能となり、msg AのData partで送信可能な情報量を増加できる。
【0140】
なお、決定方法2-2では、パスロスとランクとを関連付ける場合について説明した。しかし、ランクと対応付けるパラメータはパスロスに限定されず、例えば、ランクとの関係性が高いパラメータ(例えば、受信品質に関するパラメータ)であればよい。
【0141】
また、図12に示すテーブルは一例であり、図12に示すPreamble番号とランクとパスロスとの関連付けに限定されない。例えば、図12では、2種類のレベルのパスロス(大又は小)の場合を示すが、パスロスのレベルは3種類以上でもよい。換言すると、パスロスに対応するグループ数は3個以上でもよい。
【0142】
<決定方法2-3>
決定方法2-3に係るRACH設定テーブル301及び401は、例えば、図13に示すように、msg AのPreamble partのPreamble番号と、msg AのData partに適用するランクと、msg AのData partの情報量(例えば、ビット数)とを関連付けたテーブルである。
【0143】
図13に示すように、Data partの情報量が大きいグループほど、高いランクが設定される。
【0144】
なお、情報量の判定基準(情報量:大又は小を判定する基準。例えば、閾値など)は、例えば、スペックで規定されてもよく、上位レイヤシグナリング等の準静的な通知情報、又は、DCI等の動的な通知情報によって通知されてもよい。
【0145】
Preamble番号選択部302は、例えば、CBRAの場合、図13に示すRACH設定テーブル301を参照して、msg AのData partの情報量に対応するグループに含まれるPreamble番号の中から、1つのPreamble番号をランダムに選択する。例えば、Preamble番号選択部302は、情報量が「小」の場合、図13に示すグループAに含まれるPreamble番号0~2の中から1つのPreamble番号を選択する。同様に、例えば、Preamble番号選択部302は、情報量が「大」の場合、図13に示すグループBに含まれるPreamble番号3及び4の中から1つのPreamble番号を選択する。
【0146】
また、Preamble番号選択部302は、例えば、CFRAの場合、基地局400から通知されるDCIに含まれるPreamble番号を選択する。
【0147】
なお、端末300のrank決定部304及び基地局400のrank決定部402の動作は、決定方法2-1と同様であるので説明を省略する。
【0148】
このように、決定方法2-3では、msg AのPreamble partのPreamble番号と、msg AのData partに適用するランクと、msg AのData partの情報量とが関連付けられる。これにより、端末300は、Data partの情報量に応じてランクを決定できるので、基地局400から端末300へランクを通知するための制御情報が不要となり、シグナリング量を低減できる。
【0149】
また、決定方法2-3では、端末300は、例えば、msg AのData partの情報量が多い場合に、高いランクを用いてData partを送信できるので、msg AのData partのシンボル数を低減できる。
【0150】
また、決定方法2-3では、決定方法2-1と同様、基地局400は、端末300において選択されたmsg AのData partのランクを、Preambleの検出時に認識できるので、CBRAでも、msg AのData partに1以上のランクを適用可能となり、msg AのData partで送信可能な情報量を増加できる。
【0151】
また、図13に示すテーブルは一例であり、図13に示すPreamble番号とランクと情報量との関連付けに限定されない。例えば、図13では、2種類の情報量(大又は小)の場合を示すが、情報量の種類は3種類以上でもよい。換言すると、情報量に対応するグループ数は3個以上でもよい。
【0152】
以上、本実施の形態に係るランクの決定方法について説明した。
【0153】
このように、本実施の形態では、端末300及び基地局400は、PRACH信号の送信に関するパラメータの一つであるPreamble番号に基づいて、Data part信号の構成を制御する。例えば、端末100及び基地局200は、Preamble番号に基づいて、Data partにおけるデータ信号を復調するための参照信号(DMRS)のリソース数(例えば、ランク又はアンテナポート数)を決定する。
【0154】
これにより、例えば、NRの2段階ランダムアクセスにおいて、msg Aに含まれるData partの参照信号(例えば、DMRS)の構成及び複数レイヤ送信を適切に制御できる。よって、例えば、端末300は、Preamble番号に応じて、2段階ランダムアクセスのPRACH信号を効率的に送信できる。
【0155】
(実施の形態2のバリエーション1)
なお、本実施の形態において、図14に示すように、msg AのPreamble partのPreamble番号と、msg AのData partに適用するランクと、msg AのData partの情報量及びパスロスの組み合わせと、が関連付けられてもよい。図14では、一例として、情報量が「大」であり、かつ、パスロスが「小」であるケースに対してランク2のグループが関連付けられ、上記ケースと異なるケースに対してランク1のグループが関連付けられている。図14に示すRACH設定テーブル301及び401を用いることにより、端末300及び基地局400は、msg AのData partの情報量及びパスロスに応じてランクを選択できる。
【0156】
(実施の形態2のバリエーション2)
本実施の形態では、一例として、RACH設定テーブル301及び401がランク2までの値を含む場合(例えば、図11図12図13及び図14)について説明した。しかし、RACH設定テーブル301及び401には、ランク2より高いランクを含まれてもよい。例えば、図15に示すRACH設定テーブル301及び401では、ランク1、2及び4に関連付けられた3つのグループが設定されている。
【0157】
(実施の形態2のバリエーション3)
本実施の形態では、msg AのPreamble partのPreamble番号と、msg AのData partに適用するランクとを関連付けたRACH設定テーブル301及び401について説明した。しかし、RACH設定テーブル301及び401には、msg AのData partに適用するランクの代わりに、アンテナポート数を含まれてもよい。
【0158】
(実施の形態2のバリエーション4)
CFRAでは、端末300は、RACH設定テーブル301及び401において規定されたPreamble番号とmsg AのData partのランクとの関連付けを適用するのではなく、下り制御情報(DCI)で通知されたランクによって、ランクを上書きする方法でもよい。DCIで通知されたランクを適用することで、より柔軟にランクの制御が可能となる。例えば、RACH設定テーブル301及び401に含まれるランク2に対応するPreamble番号が一つの場合、複数の端末にランク2を割り当てることができない。これに対して、例えば、端末300は、DCIによって通知されたランクを優先して適用することで、ランク2をCFRAで使用できる端末数を増加できる。
【0159】
(実施の形態2のバリエーション5)
本実施の形態では、msg AのPreamble partのPreamble番号と、msg AのData partに適用するランクとを関連づけたRACH設定テーブル301及び401について説明した。しかし、RACH設定テーブル301及び401では、Preamble番号ではなく、PRACHの時間リソース及び周波数リソースの少なくとも一方と、Data partに適用するランクとが関連付けられてもよい。
【0160】
換言すると、端末100及び基地局200は、PRACH信号の送信に用いるリソース(例えば、上述したPreamble番号又はPRACHのリソース)に基づいて、Data partにおけるDMRSのリソース数(例えば、ランク又はアンテナポート数)を決定すればよい。
【0161】
例えば、PRACHの周波数リソースの数は、NRでは、上位レイヤシグナリングである「prach-FDM」という制御情報によって端末300へ指示され、1, 2, 4, 8の中から選択が可能である。また、PRACHを送信するリソースは、下り(downlink)のSynchronization signalのインデックスであるSSB(Synchronization Signal Block)インデックスと関連付けられている。
【0162】
また、上位レイヤシグナリングの設定値によっては、一つのSSBインデックスが複数のPRACHリソース (RACH Occasionとも呼ばれる)と関連付けられる場合がある。この場合、端末300は、複数のPRACHリソースの中から、一つのリソースをランダムに選択する。
【0163】
例えば、PRACHリソースが4つ(例えば、#0, 1, 2, 3)あり、各リソースとランク(例えば、1, 1, 1, 2)とが関連付けられている場合、端末300が選択したランクに応じて、PRACHリソースを選択してmsg Aを送信してもよい。例えば、上記例では、端末300がランク1を選択した場合、PRACHリソース#0, 1, 2からランダムに一つのリソースを選択し、msg Aを送信する。
【0164】
このように、Preamble番号と同様に、PRACHの時間・周波数リソースとData partに適用するランクを関連づけることで本実施の形態と同様な効果が得られる。
【0165】
(実施の形態3)
実施の形態1及び実施の形態2では、msg AのData partのランクを制御する方法について説明した。これに対して、本実施の形態では、msg Aの参照信号(例えば、DMRS)のリソース(例えば、シンボル数又はシンボル位置)を制御する方法について説明する。
【0166】
基地局がmsg AのData partを復調及び復号する際にはチャネル推定を行う。チャネル推定の方法には、例えば、msg AのData partに配置される参照信号を用いる方法、及び、msg AのPreamble partに配置されるPreambleを用いる方法が考えられる。
【0167】
Preambleは、1アンテナポートで送信される。そのため、Data partがMIMO又は 送信ダイバーシチ(例えば、SFBC等)等の複数アンテナポートで送信される場合には、基地局はPreambleをチャネル推定に用いることができないので、参照信号を用いたチャネル推定が必要になる。
【0168】
このように、例えば、Data partの送信に使用されるアンテナポート数によって、Preambleをチャネル推定に使用できるか否かが変わる。換言すると、Data partの送信に使用されるアンテナポート数と、Preamble partの送信に使用されるアンテナポート数とが同一であるか否かによって、Preambleをチャネル推定に使用できるか否かが変わる。または、Preamble partとData partとの間のプリコーディングが同一であるか否かによって、Preambleをチャネル推定に使用できるか否かが変わる。
【0169】
そこで、本実施の形態では、PreambleをData partの復調及び復号時のチャネル推定に適用できるか否かに応じて、参照信号のリソースの構成(例えば、シンボル数又はシンボル位置等)を制御する方法について説明する。
【0170】
[端末の構成]
図16は、本実施の形態に係る端末500の構成を示すブロック図である。なお、図16において、実施の形態1(図5)と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0171】
端末500において、Precoding決定部501は、復調・復号部103から入力される下り制御情報に基づいて、msg AのPreamble part及びData partのプリコーディング方法を決定する。Precoding決定部501は、決定したPreamble partおよびData partのプリコーディング方法を示すプリコーディング情報を、Preamble生成部105、Data生成部108、及び、参照信号生成部109へ出力する。
【0172】
Preamble生成部105、Data生成部108、及び、参照信号生成部109の各々は、Precoding決定部501から入力されるPrecoding情報に基づいて、信号(例えば、Preamble、データ信号又は参照信号)のプリコーディング処理を制御する。
【0173】
また、Precoding決定部501は、Preamble partとData partとの間のプリコーディングが同一であるか否かを示す情報を参照信号リソース割当制御部502へ出力する。
【0174】
なお、Precoding決定部501におけるPrecodingの決定方法の一例については後述する。
【0175】
参照信号リソース割当制御部502は、Precoding決定部501から入力される情報に示される、Preamble partとData partとの間のプリコーディングが同じか否かに応じて、参照信号のリソース(例えば、シンボル数及びシンボル位置の少なくとも一方)を制御する。参照信号リソース割当制御部502は、決定した参照信号のリソースを示す情報をDataリソース割当部110へ出力する。Dataリソース割当部110は、このリソースを示す情報に基づいて、参照信号をリソースに割り当てる。
【0176】
なお、参照信号リソース割当制御部502における参照信号のリソースを決定する方法の一例については後述する。
【0177】
[基地局の構成]
図17は、本実施の形態に係る基地局600の構成を示すブロック図である。なお、図17において、実施の形態1(図6)と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0178】
基地局600において、Precoding判定部601は、Preamble検出部206から入力されるPreamble番号、及び、制御情報生成部201から入力される制御情報(例えば、端末500がPRACH送信に使用する情報)に基づいて、msg AのPreamble partとData partとの間のプリコーディングが同一であるか否かを判定する。Precoding判定部601は、判定結果を参照信号リソース割当制御部602へ出力する。
【0179】
参照信号リソース割当制御部602は、Precoding判定部601から入力される情報に示される、Preamble partとData partとの間でプリコーディングが同じか否かに応じて、参照信号のリソース(例えば、シンボル数及びシンボル位置の少なくとも一方)を制御する。参照信号リソース割当制御部602は、決定した参照信号のリソースを示す情報をチャネル推定部209へ出力する。チャネル推定部209は、この情報に基づいて、参照信号が割り当てられたリソースを特定する。
【0180】
[端末500及び基地局600の動作]
以上の構成を有する端末500及び基地局600における動作例について説明する。
【0181】
図18は端末500(図16)及び基地局600(図17)の動作例を示すシーケンス図である。なお、図18において、実施の形態1(例えば、図7を参照)と同様の動作には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0182】
図18において、端末500は、例えば、上位レイヤシグナリング又は下り制御情報(DCI)に基づいて、msg AのPreamble part及びData partのプリコーディング方法を決定し、Preamble partとData partとの間のプリコーディングが同一であるか否かを判定する(ST301)。
【0183】
端末500は、Preamble partとData partとの間のプリコーディングが同一であるか否かに応じて、参照信号のリソース割当(例えば、シンボル数又はシンボル位置)を決定する(ST302)。
【0184】
一方、基地局600は、検出したPreamble番号、及び、上位レイヤシグナリング又は下り制御情報を用いて端末500に通知した情報に基づいて、Preamble partとData partとの間のプリコーディングが同一であるか否かを判定する(ST303)。そして、基地局600は、判定結果に基づいて、参照信号のリソース割当(例えば、シンボル数又はシンボル位置)を決定する(ST304)。
【0185】
次に、端末500及び基地局600におけるPrecodingの決定方法(又は判定方法)、及び、参照信号のリソース割当制御方法の一例について説明する。
【0186】
[Precodingの決定及び判定方法]
上述したように、Preamble partのアンテナポート数は1である。
【0187】
そこで、端末500のPrecoding決定部501は、例えば、msg AのData part送信に適用するアンテナポート数に応じて、Preamble partとData partとの間のプリコーディングが同一であるか否かを判定する。なお、アンテナポート数は、例えば、上位レイヤシグナリングによって通知されてよい。
【0188】
例えば、Data partのアンテナポート数が1の場合、Precoding決定部501は、Preamble part及びData partにおいて同一のプリコーディング方法(例えば、ランダムプリコーディング、又は、プリコーディング無し)を適用する。よって、Precoding決定部501は、Preamble partとData partとの間のプリコーディングが同一であると判定する。
【0189】
一方、Data partのアンテナポート数が1より多い場合、Precoding決定部501は、Preamble part及びData partにおいて異なるプリコーディング方法を適用する。例えば、Precoding決定部501は、Preamble partにはランダムプリコーディング又はプリコーディング無しを適用し、Data partにはSVDプリコーディング等を適用する。よって、Precoding決定部501は、Preamble partとData partとの間のプリコーディングが同一ではない(換言すると異なる)と判定する。
【0190】
基地局600のPrecoding判定部601は、Precoding決定部501と同様、端末500に通知したmsg AのData part送信に適用されるアンテナポート数に応じて、Preamble partとData partとの間のプリコーディングが同一であるか否かを判定する。
【0191】
なお、CFRAの場合、端末500は、上位レイヤシグナリングではなく、下り制御情報(例えば、DCI)によって通知されるアンテナポート数に基づいて、Preamble partとData partとの間のプリコーディングが同一であるか否かを判定してもよい。
【0192】
このように、端末500及び基地局600は、Data partのアンテナポート数に基づいて、Preamble partとData partとの間のプリコーディングが同一であるか否かを判定する。例えば、端末500及び基地局600は、Data partのアンテナポート数が1より多い場合、Preamble partとData partとの間のプリコーディングが異なると判定する。これにより、基地局600は、追加のシグナリング無しで、Preambleを、Data partの復調及び復号の際のチャネル推定に適用できるか否かを判断できるため、シグナリング量を低減できる。
【0193】
[参照信号のリソース割当制御]
端末500の参照信号リソース割当制御部502及び基地局600の参照信号リソース割当制御部602は、Preamble partとData partとの間のプリコーディングが同一であるか否かに応じて、参照信号の構成(例えば、シンボル数及びシンボル位置の少なくとも1つ)を変更する。
【0194】
<参照信号のシンボル数の決定方法>
例えば、端末500及び基地局600は、Preamble partとData partとの間のプリコーディングが同一である場合の参照信号のシンボル数を、Preamble partとData partとの間でプリコーディングが異なる場合の参照信号のシンボル数よりも少なく設定する。
【0195】
例えば、端末500及び基地局600は、Preamble partとData partとの間のプリコーディングが同一である場合、参照信号のシンボル数を「X-1」個に設定する。一方、端末500及び基地局600は、Preamble partとData partとの間のプリコーディングが異なる場合、参照信号のシンボル数を「X」個に設定する。
【0196】
このように、Preamble partとData partとの間のプリコーディングが同一であるか否かに応じて、参照信号のシンボル数を変更することにより、シンボル数を指示するための追加のシグナリングが不要となり、シグナリング量を低減できる。
【0197】
また、Preamble partとData partとの間のプリコーディングが同一である場合、つまり、基地局600がPreamble partをチャネル推定に使用できる場合、参照信号のシンボル数を低減して、データを割り当てられるリソースを増加することにより、スループットを向上できる。なお、基地局600がPreamble partをチャネル推定に使用する場合に、参照信号のシンボル数が低減しても、チャネル推定精度の劣化による性能劣化は小さい。
【0198】
なお、Xは、準静的な通知情報、動的な通知情報(DCI等)によって基地局600から端末500に通知されてもよく、システム共通情報としてスペックで規定され、基地局600から端末500に通知されなくてもよい。
【0199】
また、Preamble partとData partとの間のプリコーディングが同じであるか否かに応じて設定されるシンボル数の差(例えば、X-1とXとの差)は、1個に限らず、2個以上でもよい。
【0200】
<参照信号のシンボル配置の決定方法>
例えば、端末500及び基地局600は、Preamble partとData partとの間のプリコーディングが同一の場合の参照信号のシンボル位置を、Preamble partとData partとの間のプリコーディングが異なる場合の参照信号のシンボル位置よりも後に設定する。
【0201】
換言すると、Preamble partとData partとの間のプリコーディングが同一の場合の参照信号のシンボル位置は、Preamble partとData partとの間のプリコーディングが異なる場合の参照信号のシンボル位置よりも、Preamble partのシンボル位置から離れた位置に設定される。
【0202】
図19Aは、Preamble partとData partとの間のプリコーディングが同一の場合に参照信号(例えば、DMRS)が配置されるシンボル位置の一例を示す。また、図19Bは、Preamble partとData partとの間のプリコーディングが異なる場合に参照信号が配置されるシンボル位置の一例を示す。
【0203】
図19Aに示すように、Preamble partとData partとの間のプリコーディングが同一の場合、つまり、Preambleが、基地局600におけるデータ復調時のチャネル推定値として使用可能な場合、Data partの参照信号は、Preamble partのシンボル位置から離れた位置に配置される。これにより、基地局600におけるチャネル推定の時間補間精度を向上でき、チャネル推定精度の劣化を抑えることができる。
【0204】
また、図19Bに示すように、Preamble partとData partとの間のプリコーディングが異なる場合、つまり、Preambleが、基地局600におけるデータ復調時のチャネル推定値として使用不可の場合、Data partの参照信号は、例えば、データ部の先頭のシンボル位置に配置される。これにより、基地局600では、データの復調に要する時間を短縮できる。なお、Data partの参照信号のシンボル位置は、図19Bに示すようにData partの先頭に限らない。
【0205】
次に、一例として、NRにおいて規定されているPUSCH用参照信号(DMRS)の配置パターンテーブルを使用する方法について説明する。
【0206】
図20は、NRで規定されているPUSCHのDMRSの配置パターン(例えば、PUSCH mapping type B)の一部を示す。
【0207】
図20において、「Dmrs-AdditionalPosition」は、例えば、上位レイヤシグナリングによって通知される追加DMRSのシンボル数(図20では2個)である。また、図20に示すPUSCH mapping type Bでは、シンボル位置「l0」は0(つまり、PUSCHの先頭シンボル。換言すると、front-loaded位置)である。
【0208】
例えば、Preamble partとData partとの間のプリコーディングが異なる場合、参照信号のシンボル位置は、PUSCHの先頭シンボルの位置(front-loaded位置)に設定される。例えば、参照信号のシンボル位置には、図20の実線で囲む枠(例えば、Data partのDMRS数が1の場合)、又は、点線で囲む枠(Data partのDMRS数が2の場合)のように定義されている参照信号のシンボル位置の前半部分が適用されてよい。
【0209】
また、例えば、Preamble partとData partとの間のプリコーディングが同一である場合、参照信号のシンボル位置には、図20の一点鎖線で囲む枠(例えば、Data partのDMRS数が1の場合)又は二点鎖線で囲む枠(Data partのDMRS数が2の場合)のように、最初のDMRSシンボル(例えば、シンボル位置l0)をスキップして、次のシンボルの位置以降(換言すると後半部分)が適用されてよい。
【0210】
以上、参照信号のリソース割当制御方法について説明した。
【0211】
このように、本実施の形態では、端末500及び基地局600は、PRACH信号の送信に関するパラメータの一つであるプリコーディング方法に基づいて、Data partの参照信号の構成(例えば、シンボル位置又はシンボル数)を制御する。これにより、例えば、NRの2段階ランダムアクセスにおいて、msg Aに含まれるData partの参照信号(例えば、DMRS)の構成を適切に制御できる。よって、例えば、端末500は、プリコーディング方法に応じて、2段階ランダムアクセスのPRACH信号を効率的に送信できる。
【0212】
(実施の形態4)
実施の形態3では、msg AのData part送信に適用されるプリコーディング(又はアンテナポート数)に応じて、参照信号のリソース(例えば、シンボル数又はシンボル位置)を制御する方法について説明した。これに対して、本実施の形態では、msg Aのpreamble partのリソース(例えば、preamble番号又はpreambleの時間又は周波数リソース)に応じて、Data partの参照信号のリソースを制御する方法について説明する。
【0213】
[端末の構成]
図21は、本実施の形態に係る端末700の構成を示すブロック図である。なお、図21において、実施の形態1(図5)、実施の形態2(図8)又は実施の形態3(図16)と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0214】
端末700において、RACH設定テーブル701は、msg AのPreamble partとData partとの間でプリコーディングが同じであるか否か(以下、単に「プリコーディングの一致性」と呼ぶこともある)に応じて、Preamble番号がグループ化されたテーブルである。RACH設定テーブル701に含まれる情報は、例えば、準静的な通知情報(例えば、上位レイヤシグナリング)、又は、動的な通知情報(例えば、DCI等)によって基地局800(後述する)から端末700へ通知されてもよい。または、RACH設定テーブル701に含まれる情報は、システム共通情報としてスペックで規定され、基地局800から端末700へ通知されなくてもよい。
【0215】
RACH設定テーブル701に含まれる情報は、例えば、Preamble番号選択部702及びPrecoding決定部703にそれぞれ出力される。なお、RACH設定テーブル701の一例については後述する。
【0216】
Preamble番号選択部702は、PRACH送信に用いるPreamble番号を選択する。Preamble番号選択部702は、選択したPreamble番号を示すPreamble情報を、Preamble生成部303及びPrecoding決定部703へ出力する。
【0217】
例えば、Preamble番号選択部702は、RACH typeがCBRAの場合、RACH設定テーブル701を参照して、プリコーディングの一致性に対応付けられたグループ(Preamble番号群)に含まれるPreamble番号の中から、1つのPreamble番号をランダムに選択する。一方、Preamble番号選択部702は、RACH typeがCFRAの場合、復調・復号部103から入力される下り制御情報によって通知されたPreamble番号を選択する。なお、Preamble番号選択部702におけるPreamble番号の選択方法の一例については後述する。
【0218】
Precoding決定部703は、RACH設定テーブル701を参照して、Preamble番号選択部702から入力されるPreamble情報に示されるPreamble番号に基づいて、Preamble partとData partとの間のプリコーディングが同一であるか否か(プリコーディングの一致性)を判定する。また、Precoding決定部703は、Preamble及びData partに適用するプリコーディング方法を決定する。
【0219】
Precoding決定部703は、決定したプリコーディング方法を、Preamble生成部303、Data生成部108、及び、参照信号生成部109に出力する。また、Precoding決定部703は、Preamble partとData partとの間のプリコーディングが同じであるか否かを示す情報を参照信号リソース割当制御部502へ出力する。
【0220】
参照信号リソース割当制御部502は、実施の形態3と同様、Precoding決定部703から入力されるPreamble partとData partとの間のプリコーディングが同じであるか否かを示す情報に基づいて参照信号のリソースを決定する。なお、本実施の形態では、参照信号リソース割当制御部502は、Preamble番号選択部702から入力されるPreamble番号、及び、RACH 設定テーブル701に含まれる情報を用いて、参照信号のリソースを決定してもよい。
【0221】
[基地局の構成]
図22は、本実施の形態に係る基地局800の構成を示すブロック図である。なお、図22において、実施の形態1(図6)、実施の形態2(図9)又は実施の形態3(図17)と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0222】
基地局800において、RACH設定テーブル801は、端末700が保持するRACH設定テーブル701と同様、msg AのPreamble partとData partとの間でプリコーディングが同じであるか否か(換言すると、プリコーディングの一致性)に応じて、Preamble番号がグループ化されたテーブルである。RACH設定テーブル801に含まれる情報は、例えば、Precoding判定部802に出力される。なお、RACH設定テーブル801の一例については後述する。
【0223】
Precoding判定部802は、RACH設定テーブル801を参照して、Preamble検出部206から入力されるPreamble番号に基づいて、msg AのPreamble partとData partとの間でプリコーディングが同じであるか否かを判定する。Precoding判定部802は、判定結果を参照信号リソース割当制御部602へ出力する。
【0224】
参照信号リソース割当制御部602は、実施の形態3と同様、Precoding判定部802から入力されるPreamble partとData partとの間のプリコーディングが同じであるか否かを示す情報に基づいて参照信号のリソースを決定する。なお、本実施の形態では、参照信号リソース割当制御部602は、Preamble検出部206から入力されるPreamble番号、及び、RACH設定テーブル801に含まれる情報を用いて、参照信号のリソースを決定してもよい。
【0225】
[端末700及び基地局800の動作]
以上の構成を有する端末700及び基地局800における動作例について説明する。
【0226】
図23は端末700(図21)及び基地局800(図22)の動作例を示すシーケンス図である。なお、図23において、実施の形態1(例えば、図7を参照)、実施の形態2(例えば、図10を参照)又は実施の形態3(例えば、図18を参照)と同様の動作には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0227】
図23において、端末700は、msg AのPreamble番号を選択する(ST401)。例えば、端末700は、CBRAの場合、RACH設定テーブル701を参照して、msg AのPreamble part及びData partのプリコーディング方法に対応するPreamble番号のグループの中から、1つのPreamble番号をランダムに選択する。また、端末700は、CFRAの場合、下り制御情報(DCI)によって通知されたPreamble番号を選択する。
【0228】
端末700は、RACH設定テーブル701を参照して、選択したPreamble番号に基づいて、Preamble partとData partとの間で決定されたプリコーディングが同じか否かを判定する(ST402)。
【0229】
一方、基地局800は、RACH設定テーブル801を参照して、検出したPreamble番号に基づいて、Preamble partとData partとの間で決定されたプリコーディングが同じか否かを判定する(ST403)。
【0230】
次に、端末700及び基地局800におけるPrecodingの決定方法(又は判定方法)、及び、参照信号のリソース割当制御方法の一例について説明する。
【0231】
次に、RACH設定テーブル701及び801の構成例、及び、端末700及び基地局800の動作例について説明する。
【0232】
<動作例1>
図24は、動作例1におけるRACH設定テーブル701及び801の一例を示す。図24に示すように、RACH設定テーブル701及び801は、msg AのPreamble partのPreamble番号と、msg AのPreamble partとData partとの間のプリコーディングが同一か否か(以下、単に、プリコーディングの一致性と呼ぶこともある)と、を関連付けたテーブルである。
【0233】
端末700のPreamble番号選択部702は、例えば、CBRAの場合、以下の端末700に関する情報の少なくとも一つを用いて、msg AのPreamble partとData partとの間のプリコーディングを同一にするか否かを判断する。
(1)Data partのアンテナポート数
(2)Data partの所要品質とPreamble partの所要品質との差
(3)UE Capability(例えば、送信アンテナ数)
【0234】
なお、Data partの所要品質は、例えば、設定されるMCSから判断されてよい。また、Preamble partの所要品質は、例えば、Preamble formatから判断されてよい。また、msg AのPreamble partとData partとの間のプリコーディングを同一にするか否かを判断するためのパラメータは、上記情報に限らず、他の情報でもよい。
【0235】
Preamble番号選択部702は、例えば、図24に示すRACH設定テーブル701を参照して、msg AのPreamble partとData partとの間のプリコーディングが同じであるか否かに応じて、各グループに含まれるPreamble番号の中から、1つのPreamble番号をランダムに選択する。
【0236】
例えば、msg AのPreamble partとData partとの間のプリコーディングが同一の場合、Preamble番号選択部702は、図24に示すグループAに含まれるPreamble番号0及び1の中から1つのPreamble番号を選択する。また、例えば、msg AのPreamble partとData partとの間のプリコーディングが異なる場合、Preamble番号選択部702は、図24に示すグループBに含まれるPreamble番号2~4の中から1つのPreamble番号を選択する。
【0237】
一方、Preamble番号選択部702は、例えば、CFRAの場合、基地局800から通知されるDCIに含まれるPreamble番号を選択する。
【0238】
端末700のPrecoding決定部703は、RACH設定テーブル701を参照して、Preamble番号選択部702において選択されたPreamble番号から、msg AのPreamble partとData partとの間でプリコーディングが同一か否かを判定する。一例として、図24において、Preamble番号選択部702においてPreamble番号1が選択された場合、Precoding決定部703は、msg AのPreamble partとData partとの間でプリコーディングが同一であると判定する。Preamble番号選択部702において選択されたPreamble番号が他の番号の場合についても同様である。
【0239】
なお、動作例1では、Preamble番号選択部702においてmsg AのPreamble partとData partとの間でプリコーディングが同一であるか否かが判定されるので、Precoding決定部703は、Preamble番号選択部702における判定結果をそのまま適用してもよい。
【0240】
また、基地局800のPrecoding判定部802は、RACH設定テーブル801を参照して、Preamble検出部206において検出されたPreamble番号から、msg AのPreamble partとData partとの間でプリコーディングが同一か否かを判定する。一例として、図24において、Preamble検出部206においてPreamble番号1が検出された場合、Precoding判定部802は、msg AのPreamble partとData partとの間でプリコーディングが同一であると判定する。Preamble検出部206において検出されたPreamble番号が他の番号の場合についても同様である。
【0241】
また、端末700の参照信号リソース割当制御部502及び基地局800の参照信号リソース割当制御部602は、実施の形態3と同様、Preamble partとData partとの間のプリコーディングが同一であるか否かに応じて、参照信号のリソース(例えば、シンボル数及びシンボル位置の少なくとも1つ)を制御する。
【0242】
このように、動作例1では、msg AのPreamble partのPreamble番号と、Preamble partとData partのプリコーディングの一致性と、が関連付けられる。これにより、プリコーディングの一致性に関する情報を通知するための制御情報が不要となり、シグナリング量を低減できる。
【0243】
また、基地局800は、端末700において選択したPreamble part及びData partのプリコーディングの差異(換言すると、プリコーディングの一致性)を、Preamble(例えば、Preamble番号)を検出時に認識できる。そのため、CBRAにおいても、Preamble partとData partとの間のプリコーディングを端末700毎に変更可能となる。よって、動作例1によれば、例えば、端末700毎の受信品質、又は、UE capabilityに応じて、プリコーディング制御を最適化でき、Data partの受信性能を向上できる。
【0244】
また、msg AのPreamble partのPreamble番号と、Preamble partとData partとの間のプリコーディングの一致性とによって参照信号のリソース(例えば、DMRSのシンボル数及びDMRSシンボル位置)を変更することにより、実施の形態3と同様の効果を得られる。
【0245】
なお、図24に示すテーブルは一例であり、図24に示すPreamble番号とランクとの関連付けに限定されない。
【0246】
<動作例2>
図25は、動作例2におけるRACH設定テーブル701及び801の一例を示す。図25に示すように、RACH設定テーブル701及び801は、msg AのPreamble partのPreamble番号と、msg AのPreamble partとData partとの間のプリコーディングの一致性と、参照信号(例えば、DMRS)のシンボル数と、を関連付けたテーブルである。
【0247】
端末700のPreamble番号選択部702は、例えば、動作例1と同様、Preamble partとData partとの間のプリコーディングを同一にするか否かに応じて、Preamble番号のグループを特定する(換言すると、絞り込む)。例えば、図25において、Preamble partとData partとでプリコーディングが異なる場合、Preamble番号選択部702は、グループC及びDに絞りこむ。
【0248】
その後、Preamble番号選択部702は、例えば、以下の端末700に関する情報の少なくとも一つを用いて、DMRSのシンボル数を決定する。
(1)端末700の移動速度
(2)MCS
(3)ランク
【0249】
例えば、端末700の移動速度が速い場合(例えば、移動速度が閾値以上の場合)、参照信号のシンボル数を増加して、時間補間精度を向上させるために、Preamble番号選択部702は、DMRSのシンボル数を多く設定する。また、例えば、msg AのData partのMCSが高い場合(例えば、MCSが閾値以上の場合)、又は、msg AのData partのランクが高い場合(例えば、ランクが閾値以上の場合)、チャネル推定精度を向上させるために、Preamble番号選択部702は、DMRSのシンボル数を多く設定する。なお、DMRSのシンボル数を決定するためのパラメータは、移動速度、MCS及びランクに限らず、他のパラメータでもよい。
【0250】
例えば、図25において、Preamble partとData partとの間でプリコーディングが異なる場合、かつ、DMRSのシンボル数が多い場合(例えば、2個の場合)、Preamble番号選択部702は、グループDに含まれるPreamble番号の中から、ランダムに一つのPreamble番号を選択する。
【0251】
このように、動作例2では、動作例1と同様、msg AのPreamble partのPreamble番号と、Preamble partとData partとの間のプリコーディングの一致性と、が関連付けられる。これにより、プリコーディングが同一か否かを通知するための制御情報が不要となり、シグナリング量を低減できる。
【0252】
また、動作例2では、端末700の移動速度、MCS又はランクに応じて参照信号のシンボル数を設定できるので、CBRAにおいても、msg A Data partの受信性能を向上できる。
【0253】
なお、図25に示すテーブルは一例であり、図25に示すPreamble番号と、Preamble partとData partとのプリコーディングが同一であるか否かと、DMRSのシンボル数との関連付けに限定されない。例えば、図25では、3種類のDMRSシンボル数の場合を示すが、DMRSのシンボル数は2種類でもよく、4種類以上でもよい。また、Preamble番号のグループ数は5個以上でもよい。
【0254】
また、例えば、RACH設定テーブル701及び801は、図26に示すように、msg AのPreamble partのPreamble番号と、msg AのPreamble partとData partのプリコーディングの一致性と、DMRSのシンボル数と、端末700の移動速度(又は、MCS又はランク)とを関連付けたテーブルでもよい。なお、移動速度の判定基準(移動速度:早い又は遅いを判定する基準。例えば、閾値)は、例えば、スペックで規定されてもよく、上位レイヤシグナリング等の準静的な通知情報、又は、DCI等の動的な通知情報によって通知されてもよい。
【0255】
以上、動作例1及び動作例2について説明した。
【0256】
このように、本実施の形態では、端末700及び基地局800は、PRACH信号の送信に関するパラメータの一つであるPreamble partのリソース(例えば、Preamble番号)に基づいて、Data partの参照信号の構成(例えば、シンボル数)を制御する。これにより、例えば、NRの2段階ランダムアクセスにおいて、msg Aに含まれるData partの参照信号(例えば、DMRSのシンボル数)の構成を適切に制御できる。よって、例えば、端末700は、Preamble partのリソースに応じて、2段階ランダムアクセスのPRACH信号を効率的に送信できる。
【0257】
以上、本開示の各実施の形態について説明した。
【0258】
(他の実施の形態)
(1)上記実施の形態では、送信信号の一例としてPRACHについて説明した。しかし、送信信号はPRACHに限定されない。例えば、端末(送信装置に対応)が基地局(受信装置に対応)へ送信する他の信号でもよく、基地局(送信装置に対応)が端末(受信装置に対応)に対して送信する送信信号でもよい。
【0259】
(2)また、各実施の形態は組み合わせて適用してもよい。例えば、実施の形態1と実施の形態2とを組み合わせて、図27に示すように、RACH typeとpreamble番号と、msg AのData partのランク数とを関連付けた規定したテーブルを使用してもよい。この場合、CBRAでは最大ランク数を1とし、CFRAでは最大ランクを1より大きい値としてよい。
【0260】
(3)また、上記実施の形態では、参照信号の一例にDMRSを用いたが、参照信号はDMRSに限らない。例えば、参照信号は、SRS(Sounding Reference Signal)又はPT-RS(Phase Tracking Reference Signal)でもよい。
【0261】
以上、他の実施の形態について説明した。
【0262】
本開示はソフトウェア、ハードウェア、又は、ハードウェアと連携したソフトウェアで実現することが可能である。上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、部分的に又は全体的に、集積回路であるLSIとして実現され、上記実施の形態で説明した各プロセスは、部分的に又は全体的に、一つのLSI又はLSIの組み合わせによって制御されてもよい。LSIは個々のチップから構成されてもよいし、機能ブロックの一部または全てを含むように一つのチップから構成されてもよい。LSIはデータの入力と出力を備えてもよい。LSIは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路、汎用プロセッサ又は専用プロセッサで実現してもよい。また、LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。本開示は、デジタル処理又はアナログ処理として実現されてもよい。さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0263】
本開示は、通信機能を持つあらゆる種類の装置、デバイス、システム(通信装置と総称)において実施可能である。通信装置の、非限定的な例としては、電話機(携帯電話、スマートフォン等)、タブレット、パーソナル・コンピューター(PC)(ラップトップ、デスクトップ、ノートブック等)、カメラ(デジタル・スチル/ビデオ・カメラ等)、デジタル・プレーヤー(デジタル・オーディオ/ビデオ・プレーヤー等)、着用可能なデバイス(ウェアラブル・カメラ、スマートウオッチ、トラッキングデバイス等)、ゲーム・コンソール、デジタル・ブック・リーダー、テレヘルス・テレメディシン(遠隔ヘルスケア・メディシン処方)デバイス、通信機能付きの乗り物又は移動輸送機関(自動車、飛行機、船等)、及び上述の各種装置の組み合わせがあげられる。
【0264】
通信装置は、持ち運び可能又は移動可能なものに限定されず、持ち運びできない又は固定されている、あらゆる種類の装置、デバイス、システム、例えば、スマート・ホーム・デバイス(家電機器、照明機器、スマートメーター又は計測機器、コントロール・パネル等)、自動販売機、その他IoT(Internet of Things)ネットワーク上に存在し得るあらゆる「モノ(Things)」をも含む。
【0265】
通信には、セルラーシステム、無線LANシステム、通信衛星システム等によるデータ通信に加え、これらの組み合わせによるデータ通信も含まれる。
【0266】
また、通信装置には、本開示に記載される通信機能を実行する通信デバイスに接続又は連結される、コントローラやセンサー等のデバイスも含まれる。例えば、通信装置の通信機能を実行する通信デバイスが使用する制御信号やデータ信号を生成するような、コントローラやセンサーが含まれる。
【0267】
また、通信装置には、上記の非限定的な各種装置と通信を行う、あるいはこれら各種装置を制御する、インフラストラクチャ設備、例えば、基地局、アクセスポイント、その他あらゆる装置、デバイス、システムが含まれる。
【0268】
本開示の一実施例に係る送信装置は、少なくともデータ部を含むランダムアクセス信号を送信する送信回路と、前記ランダムアクセス信号の送信に関するパラメータに基づいて、前記データ部の構成を制御する制御回路と、を具備する。
【0269】
本開示の一実施例に係る送信装置において、前記制御回路は、ランダムアクセス手順のタイプに基づいて、前記データ部の信号を復調するための参照信号のリソースを制御する。
【0270】
本開示の一実施例に係る送信装置において、前記制御回路は、前記ランダムアクセス信号の送信に用いるリソースに基づいて、前記データ部の信号を復調するための参照信号のリソースを制御する。
【0271】
本開示の一実施例に係る送信装置において、前記制御回路は、前記ランダムアクセス信号に含まれるプリアンブル部の第1のプリコーディングと、前記データ部の第2のプリコーディングとが同一であるか否かに基づいて、前記データ部の信号を復調するための参照信号のリソースを制御する。
【0272】
本開示の一実施例に係る送信装置において、前記参照信号のリソースは、前記参照信号のシンボル数であり、前記第1のプリコーディングと前記第2のプリコーディングが同一である場合の前記シンボル数は、前記第1のプリコーディングと前記第2のプリコーディングが異なる場合の前記シンボル数よりも少ない。
【0273】
本開示の一実施例に係る送信装置において、前記参照信号のリソースは、前記参照信号のシンボル位置であり、前記第1のプリコーディングと前記第2のプリコーディングが同一である場合の前記シンボル位置は、前記第1のプリコーディングと前記第2のプリコーディングが異なる場合の前記シンボル位置よりも後である。
【0274】
本開示の一実施例に係る送信装置において、前記データ部の信号に使用されるアンテナポート数が1より多い場合、前記第1のプリコーディングと前記第2のプリコーディングとは異なる。
【0275】
本開示の一実施例に係る送信装置において、前記制御回路は、前記プリアンブル部のリソースに基づいて、前記第1のプリコーディングと前記第2のプリコーディングとが同一であるか否かを判定する。
【0276】
本開示の一実施例に係る受信装置は、少なくともデータ部を含むランダムアクセス信号を受信する受信回路と、前記ランダムアクセス信号の送信に関するパラメータに基づいて、前記データ部の構成を制御する制御回路と、を具備する。
【0277】
本開示の一実施例に係る送信方法は、少なくともデータ部を含むランダムアクセス信号を送信し、前記ランダムアクセス信号の送信に関するパラメータに基づいて、前記データ部の構成を制御する。
【0278】
本開示の一実施例に係る受信方法は、少なくともデータ部を含むランダムアクセス信号を受信し、前記ランダムアクセス信号の送信に関するパラメータに基づいて、前記データ部の構成を制御する。
【0279】
2018年12月28日出願の特願2018-247260の日本出願に含まれる明細書、図面および要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。
【産業上の利用可能性】
【0280】
本開示の一実施例は、移動通信システムに有用である。
【符号の説明】
【0281】
100,300,500,700 端末
101,204 アンテナ
102,205 無線受信部
103 復調・復号部
104,207 RACH type判定部
105,303 Preamble生成部
106 Preambleリソース割当部
107,208,304,402 rank決定部
108 Data生成部
109 参照信号生成部
110 Dataリソース割当部
111,203 無線送信部
200,400,600,800 基地局
201 制御情報生成部
202 符号化・変調部
206 Preamble検出部
209 チャネル推定部
210 Data復調・復号部
301,401,701,801 RACH設定テーブル
302,702 Preamble番号選択部
501,703 Precoding決定部
502,602 参照信号リソース割当制御部
601,802 Precoding判定部
図1
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