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特開2024-125373パン撮り可能なカメラ付き内視鏡及び関連する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125373
(43)【公開日】2024-09-18
(54)【発明の名称】パン撮り可能なカメラ付き内視鏡及び関連する方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20240910BHJP
   A61B 1/06 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
A61B1/00 711
A61B1/06 531
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024103508
(22)【出願日】2024-06-27
(62)【分割の表示】P 2021215290の分割
【原出願日】2016-08-31
(31)【優先権主張番号】62/212,871
(32)【優先日】2015-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/306,288
(32)【優先日】2016-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.ケブラー
3.KEVLAR
(71)【出願人】
【識別番号】594010009
【氏名又は名称】デカ・プロダクツ・リミテッド・パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】110003579
【氏名又は名称】弁理士法人山崎国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100118647
【弁理士】
【氏名又は名称】赤松 利昭
(74)【代理人】
【識別番号】100123892
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 忠雄
(74)【代理人】
【識別番号】100169993
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 千裕
(74)【代理人】
【識別番号】100173978
【弁理士】
【氏名又は名称】朴 志恩
(72)【発明者】
【氏名】ハガティ、アンドリュー・エム
(72)【発明者】
【氏名】グラント、ケビン・エル
(72)【発明者】
【氏名】ヴォンドラス、ピーター・ケー
(72)【発明者】
【氏名】モロー、ティモシー・ディー
(72)【発明者】
【氏名】デマース、ジェイソン・エー
(72)【発明者】
【氏名】デイビス、ダニエル・ビー
(57)【要約】      (修正有)
【課題】遠位ハンドル・ハウジングに対して回転可能な近位ハンドル・ハウジングを有する内視鏡を提供する。
【解決手段】挿入シャフト14と近位ハンドル部分16と遠位ハンドル部分30を備えるハンドル・アセンブリであって、遠位ハンドル部分は挿入シャフトに固く結合され、遠位ハンドル部分は近位ハンドル部分に関して挿入シャフトの長手軸に沿って回転するようになされた、ハンドル・アセンブリと、プリント回路基板であって、
遠位ハンドル部分に位置する基部と、その遠位端にイメージ・センサを有する、基部からの第1の延長部と、
その遠位端になくとも1つのLEDを有する、基部からの第2の延長部とを備える、プリント回路基板とを備え、第1の延長部と第2の延長部は、挿入シャフトの内腔を通って互いに近接して延在する内視鏡10。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿入シャフトと;
近位ハンドル部分と遠位ハンドル部分を備えるハンドル・アセンブリであって、前記遠位ハンドル部分は前記挿入シャフトに固く結合され、前記遠位ハンドル部分は前記近位ハンドル部分に関して前記挿入シャフトの長手軸に沿って回転するようになされた、ハンドル・アセンブリと;
プリント回路基板であって、
遠位ハンドル部分に位置する基部と、
その遠位端にイメージ・センサを有する、前記基部からの第1の延長部と、
その遠位端になくとも1つのLEDを有する、前記基部からの第2の延長部とを備える、プリント回路基板とを備え;
前記第1の延長部と前記第2の延長部は、前記挿入シャフトの内腔を通って互いに近接して延在する;
内視鏡。
【請求項2】
前記第1の延長部と前記第2の延長部は、前記挿入シャフトの遠位端まで延在する、
請求項1に記載の内視鏡。
【請求項3】
前記挿入シャフトの前記内腔は、液体をその遠位端まで搬送するようになされた、
請求項1に記載の内視鏡。
【請求項4】
前記第1の延長部と前記第2の延長部は、耐水性コーティングまたは膜でコーティングされた、
請求項1に記載の内視鏡。
【請求項5】
前記プリント回路基板は、耐水性コーティングまたは膜でコーティングされた、
請求項1に記載の内視鏡。
【請求項6】
前記イメージ・センサは、CCDまたはCMOSサンサを備えた、
請求項1に記載の内視鏡。
【請求項7】
前記イメージ・センサに搭載されたレンズ・アセンブリをさらに備えた、
請求項1に記載の内視鏡。
【請求項8】
前記第1の延長部および前記第2の延長部の少なくとも一方は剛である、
請求項1に記載の内視鏡。
【請求項9】
前記第1の延長部および前記第2の延長部の少なくとも一方はフレキシブルである、
請求項1に記載の内視鏡。
【請求項10】
前記遠位ハンドル部分にバルクヘッドをさらに備えて、前記挿入シャフトの前記液体を搬送する内腔から比較的乾燥した領域を分離する、
請求項3に記載の内視鏡。
【請求項11】
前記第1の延長部および前記第2の延長部は前記バルクヘッドを通過する、
請求項10に記載の内視鏡。
【請求項12】
挿入シャフトと;
近位ハンドル部分であって、少なくとも1つの磁石を含む近位ハンドル部分と、遠位ハンドル部分であって、前記遠位ハンドル部分は前記挿入シャフトに固く結合され、前記遠位ハンドル部分は前記近位ハンドル部分に関して前記挿入シャフトの長手軸に沿って回転するようになされた遠位ハンドル部分とを備えるハンドル・アセンブリと;
プリント回路基板であって、
遠位ハンドル部分に位置する基部であって、前記基部は前記少なくとも1つの磁石の相対位置を検出するようになされたホール効果センサを含む、基部と、
その遠位端にイメージ・センサを有する、前記基部からの第1の延長部と、
その遠位端になくとも1つのLEDを有する、前記基部からの第2の延長部とを備える、プリント回路基板とを備え;
前記第1の延長部と前記第2の延長部の少なくとも1つはコネクタで前記基部に結合され、前記第1の延長部と前記第2の延長部は前記挿入シャフトの内腔を通って互いに近接して延在する;
内視鏡。
【請求項13】
前記第1の延長部および前記第2の延長部は前記挿入シャフトの遠位端まで延在する、
請求項12に記載の内視鏡。
【請求項14】
前記挿入シャフトの前記内腔は、前記遠位端まで液体を搬送するようになされた、
請求項12に記載の内視鏡。
【請求項15】
前記第1の延長部および前記第2の延長部は耐水性コーティングまたは膜でコーティングされた、
請求項12に記載の内視鏡。
【請求項16】
前記近位ハンドル部分は前記遠位ハンドル部分の反対側に位置する2つの磁石を含む、
請求項12に記載の内視鏡。
【請求項17】
前記ホール効果センサは単一の3軸位置センサである、
請求項12に記載の内視鏡。
【請求項18】
前記第1の延長部および前記第2の延長部の少なくとも1つは、コネクタで前記基部に結合された、
請求項1に記載の内視鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
これは、米国仮出願番号62/306,288号(2016年3月10日出願、発明の名称「パン撮り可能なカメラ付き内視鏡及び関連する方法」)(代理人整理番号:R44)及び米国仮出願番号62/212,871号(2015年9月1日出願、発明の名称「パン撮り可能なカメラ付き内視鏡及び関連する方法」)(代理人整理番号:Q57)の優先権を主張する特許出願であって、これらの米国仮出願は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
技術分野
本開示は、比較的アクセスしにくい空間を観察し、その空間で作業する、また、ある態様では、内視鏡もしくは関節鏡等を用いて体内における狭い身体構造上の空間において手術する内視鏡器具に関する。
【背景技術】
【0003】
医学の分野での内視鏡器具の使用は、離れた場所の観察と、アクセスしにくい空間での手術を可能にし、確立されてきている。このような器具は、自動車産業、航空機産業、配管工事産業、エレクトロニックス産業及び多くの他の産業でも有用である。医学や獣医学診療の分野では、内視鏡検査や関節鏡検査は、切開を最小あるいは無くしたいときや、近くの組織を乱すことを避けたいときに、解剖領域を観察や処置するのによく用いられる。
たとえば整形外科では、少なくとも1つの小さな皮膚の切開を通して関節に導入された少なくとも1つの関節鏡器具を用いて、膝や肩などの関節の状態が分かる。このような器具は、種々の関節内の組織を修復するのにも用いられる。これらの解剖学的領域を観察し修復する標準的な観血手術技術は、かなり余分に時間も掛かり、より大きなリスクや患者への外傷を伴い、より長期の回復期間を伴う。さらに、観血手術に伴う麻酔はより複雑で、リスクがあり、費用が掛かる。より進んだ観察の分野では、内視鏡は、器具のハンドル端でユーザがコントロールできる能動的柔軟遠位部を備え得る。このことは、器具の先端が内視鏡の遠位部を曲げることが必要な動きの範囲を提供できない限られた空間に位置しているときには、有効な選択肢ではない。医学的用途では、そのような一つの例は、関節内の手術を含むであろう。一般的に、剛直な挿入シャフト付きの器具は、能動的柔軟遠位部付きの器具の使用が非現実的なときに、好まれるであろう。曲がらないシャフトは、改善された視野や画像の再生、追加の機能のための器具用の拡張された空間、及び、より大きな耐久性を提供できる。しかし、剛直な内視鏡や関節鏡は、限られた視野を有し、視野を拡張するために何回も再配置や回転がなされなければならない。ある内視鏡や関節鏡は、視野を変えるのに部品を交換するため、物理的に患者から取り外されなければならない。
カニューレ・システムは、この方法を容易にするが、手順の複雑さと切開の大きさを増大する。このような制限は、手術者の効率を低減し、手術時間を増加させ、医原性損傷のリスクを増大する。医学や他の用途において、内視鏡が能動的柔軟遠位部の使用なしで増大したもしくは可変な視野を有するようになることは有利である。また、内視鏡のシャフトの全体としての直径を小さくするために、1本の導管に機能を組み込むことも有利である。さらに、現状の器具は、繰り返しの使用、洗浄及び/または消毒により機能や光学的品質が劣化する傾向がある。内視鏡の製造組立費用が、再利用しないことを正当化するほど低い内視鏡設計もまた有利である。繰り返しの洗浄や消毒やパッキングし直しの費用が要らなくなり、また、使い捨て機器の無菌性、品質や信頼性を標準化するのはより簡単である。
【発明の開示】
【0004】
内視鏡は、近位のハンドルと、カメラ・アセンブリが回転可能なハウジング内に装着される遠位の挿入端を有するシャフトとを備えてもよい。回転可能なハウジングは、挿入端の長軸に対して概ね垂直な軸の周りを回転するように構成されると共に、回転可能なハウジングは、挿入端の内視鏡の最遠位要素である。カメラ・アセンブリは、CMOSまたはCCDデバイスとすることができるイメージ・センサに隣接するレンズを含むことができる。プル・ワイヤは、ハンドルからシャフトの挿入端まで延在してもよく、プル・ワイヤは、回転可能なハウジングの一部の周りに巻き付けられ、内視鏡シャフト内のプル・ワイヤの前後運動の際にハウジングを回転させるように構成される。ハウジングは、挿入端部の長軸に沿った領域と、挿入端部の長軸に少なくとも垂直な領域とを含む視野をカメラ・アセンブリに与える動作範囲を有することができる。場合によっては、これは、挿入端部の長軸に対して約0度から約120度の範囲、または約35度から約115度の範囲を含むことができる。ハウジングは、イメージ・センサまたはカメラ・アセンブリ(たとえば、レンズ+イメージ・センサ)を収容するように構成された一方または両方のシェルの切り欠きが設けられた2つの半シェルから構成される回転楕円体シェルであってもよい。光源は、カメラ・アセンブリが指し示す視野を照らすことができるように、回転可能なハウジングに装着してもよい。
【0005】
別の態様では、内視鏡は、近位ハンドルと、遠位挿入端部を有するシャフトとを備え、カメラ・アセンブリは、挿入端部の長軸に対して概ね垂直な軸の周りを回転するように構成される。光源は、シャフトの挿入端に配置され、挿入端の長軸に対して概ね垂直な方向に光を投射するように配向されてもよい。カメラ・アセンブリの視野の回転範囲は、光源によって照射される領域を含むことができ、あるいは、光源によって照射される領域を除外することができる。この場合、イメージ・センサまたはカメラに設けられた光源による照明は、間接的、反射的または周囲光である。光源は、1つまたは複数のLEDを備えることができる。
【0006】
別の態様では、内視鏡はプリント回路基板(PCB)を含み、これは内視鏡のハンドル内にある基部と、内視鏡のシャフトを通じてハンドルにおけるPCBの基部から延伸するように構成されたPCBの1つ以上の細長い延長部とを含み、シャフトの遠位挿入端で終端する。PCBの基部は、剛性基板に嵌合または挟持された可撓性基板の複合体であってもよく、少なくとも1つのフレキシブル基板延長部または少なくとも1つの延長部が剛性基板延長部を含み、または少なくとも2つの延長部は、フレキシブル基板延長部及び剛性基板延長部を含む。フレキシブル基板延長部の近位脚部は、剛性基板延長部の近位端部に対して約90度の角度をなしてもよく、フレキシブル基板延長部の遠位脚部は、剛性基板延長部に平行に湾曲してもよい。次いで、フレキシブル基板延長部の近位脚部を折り曲げて、フレキシブル基板延長部の遠位脚部を剛性基板延長部に隣接する整列状態にすることができる。剛性基板延長部及びフレキシブル基板延長部の両方は、内視鏡のシャフトの内腔を通って延伸することができる。延長部が内視鏡シャフトの流体搬送管腔を通って延伸することができるように、PCB及びその延長部は、耐水性コーティングまたは膜でコーティングしてもよい。フレキシブル基板延長部は、内視鏡シャフトの遠位挿入端部内の回転可能イメージ・センサ(CMOSまたはCCDなど)に接続することができ、剛性基板延長部は、シャフトの挿入端部で1つ以上の固定光源に接続することができる。フレキシブル基板延長部は、所定の回転範囲内でイメージ・センサの自由回転を可能とするのに充分な弛みを有するように構成される。
【0007】
別の態様では、内視鏡は、内視鏡のシャフトの遠位端に配置されたイメージ・センサからの信号を処理するための電子処理基板を収容するように構成された近位ハンドル・ハウジングを備えることができる。遠位ハンドル・ハウジングは、遠位ハンドル部分に対して固定された位置に電子処理基板を保持するように構成される。1つ以上の磁石が、近位ハンドル・ハウジングの内壁に取り付けられ、前記磁石は、電子処理基板上のホール効果センサの隣に配置される。したがって、近位ハンドル・ハウジングは、遠位ハンドル・ハウジングに対して回転可能であり、ホール効果センサは、遠位ハンドル・ハウジングに対して近位ハンドル・ハウジングの相対回転を表す信号を電子プロセッサに提供するように構成される。電子プロセッサは、イメージ・センサによって生成された画像を表示するユーザ・インタフェースに接続されてもよく、遠位ハンドル・ハウジングに対する近位ハンドル・ハウジングの相対回転の変化によって画像の回転方向を変更することができる。
【0008】
別の態様では、内視鏡は、内視鏡のシャフトの遠位端に配置されたイメージ・センサからの信号を処理するための電子処理基板を囲むハンドルを含む。ハンドル上のボタンは、ホール効果センサが配置されている電子処理基板の一部分の上または近傍に配置された磁石を囲む部材を含む。このように、ボタンの押下げ、解除、または動作は、ホール効果センサによって生成された信号を変更するのに充分な程度に、ホール効果センサの近傍の磁場を変化させる。ボタンは、ユーザによるボタンの移動または解除に基づいて、電子処理基板に接続された電子コントローラに、イメージ・センサによって生成された画像の記録を開始させるか、イメージ・センサによって生成されたイメージの記録を停止させるか、イメージ・センサによって生成された画像を撮影するように構成することができる。ボタンは、ユーザによるボタンの動作または解除に基づいて、電子処理基板に接続された電子制御装置に、内視鏡のシャフトの遠位挿入端に位置する光源をオン、オフ、または調整するように構成することもできる。ボタンの移動または解除は、ボタンの短いまたはより長い持続時間の押下げ、ボタンの2回以上の押下げ及び解除の所定の一連の動作、または2つ以上の可変持続時間を有する2回の押し上げの間のボタンの解除を含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
これらの及び他の態様は、図面を参照し、以下の本開示の種々の実施形態の詳細な説明
より、より明らかになるであろう。
図1図1は、内視鏡の2つの構成部品のハンドル設計の図解である。
図2図2は、図1の図解の追加的機構を示す。
図3A図3Aは、内視鏡の例示の側面図を示す。
図3B図3Bは、他の内視鏡の例示の斜視図を示す。
図4図4は、内視鏡のハンドル近位部分の例の分解図を示す。
図5図5は、内視鏡のハンドル近位部分の別の例の分解図を示す。
図6図6は、内視鏡のハンドル近位部分の代替例の分解図を示す。
図7A図7Aは、内視鏡のハンドル遠位部分の例の上面斜視図を示す。
図7B図7Bは、ハンドルの一部が除去された例示の内視鏡の側面図を示す。
図7C図7Cは、内視鏡の例示のハンドル遠位部分の一部の詳細図を示す。
図8図8は、内視鏡のハンドル遠位部分と回転検知アセンブリの例の分解組立図を示す。
図9A図9Aは、例示の内視鏡の部分組立図を示す。
図9B図9Bは、例示の回転検知構成を含む内視鏡のハンドルの一部切り欠き図を示す。
図10A図10Aは、有用構成要素がハンドルから内視鏡の導管へ通ることができるようにする通り抜け流体バリアの図解である。
図10B図10Bは、可撓構成要素を有する通り抜けバリアの代表的図解を示す。
図11A図11Aは、通り抜け流体バリアとして役立つ内側鞘マウントの例の分解組立図である。
図11B図11Bは、バルクヘッドまたは通り抜け流体バリアの例示の実施形態を示す図である。
図11C図11Cは、バルクヘッドまたは通り抜け流体バリアの別の例示の実施形態を示す図である。
図11D図11Dは、いくつかの有用構成要素がそれを通って延伸する通り抜けバリアの実施形態を示す。
図12図12は、旋回制御アセンブリの例の分解組立図である。
図13図13は、シール部材の例の斜視図である。
図14図14は、組み立て位置にある内側鞘マウント、旋回制御構造若しくはアセンブリ及びシール部材を有する例示的内視鏡の部分組立図である。
図15図15は、通り抜けバリア、旋回制御構造、及び保護材料またはハウジングに入れられたプリント回路基板を備えた例示的な内視鏡の他の部分組立図を示す。
図16図16は、外側鞘マウントの斜視図である。
図16A図16Aは、内視鏡の鞘及びマウントの斜視図を示す。
図16B図16Bは、図16Aの外側鞘及びマウントの後方斜視図である。
図17図17は、内側鞘マウント、内側鞘及び外側鞘が組み立て位置にある内視鏡の拡大部分図である。
図17A図17Aは、内視鏡の外側鞘に挿入するための例示のトロカールまたはオブチュレータを示す。
図18図18は、内側鞘から分離されたカメラ・アセンブリ・マウントの例を示す。
図19図19は、内側鞘の一部分としてのカメラ・アセンブリ・マウントの別の例を示す。
図20図20は、図19の線20-20で見た図19の例示のカメラ・アセンブリ・マウントと内側鞘の断面図を示す。
図21図21は、カメラ・アセンブリ、外側鞘の一部分及びカメラ・アセンブリ・マウントの一部分の例を示す。
図22図22は、カメラ・アセンブリ、外側鞘の一部分及びカメラ・アセンブリ・マウントの一部分の別の例を示す。
図23図23は、カメラ・アセンブリ、外側鞘の一部分及びカメラ・アセンブリ・マウントの一部分の別の例を示す。
図23.1】図23.1はカメラ・アセンブリが保護ガード、シールドまたは先端構造を伴わずにシャフトの先端に取り付けられた内視鏡シャフトの遠位端の斜視図を示す。
図23.2】図23.2は、プル・ワイヤを備えた回転可能なカメラ・ハウジングを内視鏡シャフトの露出した端部のLED(周囲鞘が除去されている)と共に示す。
図23.3】図23.3は、カメラ・アセンブリ用の回転楕円体回転可能なハウジングの半分を示す。
図23.4】図23.4は、カメラ・アセンブリ用の回転楕円体回転可能なハウジングの半分を示す。
図23.5】図23.5は、カメラ・アセンブリ用のハウジングの回転を可能にするピボット及び軸受要素を示す。
図23.6】図23.6は、カメラ・アセンブリ用のハウジングの回転を可能にするピボット及び軸受要素を示す。
図24図24は、カメラ・アセンブリの斜視図を示す。
図25図25は、カメラ・アセンブリと、明確にするためにカメラ・アセンブリ・マウントの壁を取り除いたカメラ・アセンブリ・マウントの側面図を示す。
図26図26は、別の例示のカメラ・アセンブリと、明確にするためにカメラ・アセンブリ・マウントの壁を取り除いたカメラ・アセンブリ・マウントの側面図を示す。
図27図27は、別の例示のカメラ・アセンブリと、明確にするためにカメラ・アセンブリ・マウントの壁を取り除いたカメラ・アセンブリ・マウントの側面図を示す。
図28図28は、別のカメラ・アセンブリのある可能な回転位置を示す。
図29図29は、別のカメラ・アセンブリのある可能な回転位置を示す。
図30図30は、別のカメラ・アセンブリのある可能な回転位置を示す。
図31図31は、別のカメラ・アセンブリのある可能な回転位置を示す。
図32図32は、別のカメラ・アセンブリのある可能な回転位置を示す。
図33図33は、例示のカメラ・アセンブリを示す。
図33.1】図33.1は、カメラ・アセンブリとLEDとそれらのそれぞれの電力及び通信PCB延長部との間の関係を示す。
図33.2】図33.2は、内視鏡シャフト用の延長部品を有する内視鏡用PCBのフォームファクタを示す。
図33.3】図33.3は、図33.2のPCBを示し、1つの可撓性延長部がPCBの別の延長部の上に折り畳まれている。
図33.4】図33.4は、PCB延長部が内視鏡シャフト(鞘は除去されている)にどのように配置されるかを示す。
図33.5】図33.5は、通り抜け流体バリアまたはバルクヘッド及びPCBを示す部分的に組み立てられた内視鏡を示す。
図33.6】図33.6は、内視鏡PCBと内視鏡ハンドルの他の内部構成要素との間の関係を示す。
図33.7】図33.7は、内視鏡シャフトの内側鞘内に位置する流体輸送管腔及びPCB延長部を示す。
図33.8】図33.8は、内視鏡のハンドル内の内部流体経路を示す図である。
図34図34は、光ファイバ束と電子フレキシブルケーブルが接続された例示のカメラ・アセンブリを示す。
図35図35は、例示のカメラ・アセンブリとカメラ・アセンブリ・マウントの上面図を示す。
図36図36は、カメラ・アセンブリと柔軟な光ファイバ束またはリボンの斜視図を示す。
図37図37は、頑丈なカメラ・ハウジングと発光機構を有するカメラ・アセンブリの斜視図を示す。
図38図38は、図37のカメラ・アセンブリの側面図を示す。
図39図39は、柔軟な光ファイバ束またはリボンの例を示す。
図40図40は、図39の柔軟な光ファイバ・リボンの側面図を示す。
図41図41は、光投射要素の例の斜視図を示す。
図42図42は、光投射要素の別の例の斜視図を示す。
図43図43は、光投射要素の別の例の斜視図を示す。
図44図44は、図43に示す光投射要素の底面斜視図を示す。
図45図45は、図43の線43-43で見た図43及び図44に示す光投射要素の断面図を示す。
図46図46は、図43の線44-44で見た図43及び図44に示す光投射要素の断面図を示す。
図47図47は、図43の線45-45で見た図43及び図44に示す光投射要素の断面図を示す。
図48図48は、図43の光投射要素が取り付けられるカメラ・アセンブリの上面斜視図を示す。
図49図49は、図24の線61-61で見た例示のカメラ・アセンブリの断面図を示す。
図50図50は、図34の線62-62で見た例示のカメラ・アセンブリの断面図を示す。
図51図51は、図34の線62-62で見た例示のレンズ・アセンブリの断面図を示す。
図52図52は、例示のセンサ及び多数の例示の照明源に加えて、内視鏡の遠位先端のカメラ・アセンブリを示す。
図53図53は、内視鏡シャフト内に突出するための延長部を含む例示のプリント回路基板の上面図を示す。
図54図54は、突出部分を含む例示のプリント回路基板の側面図である。
図55図55は、受信されたセンサ・データに基づいて、プロセッサを用いて内視鏡の少なくとも1つの可変光源を制御するために使用され得る多くの例示のステップを詳述する例示のフローチャートを示す。
図56図56は、例示のカメラ・アセンブリ、例示のセンサ、及びそれに取り付けられたいくつかの光源の例を有するプリント回路基板の突出部分の側面図を示す。
図57図57は、図56に示されるプリント回路基板の例示の突出部分を含む例示の内視鏡の遠位先端の上面図を示す。
図58図58は、図57の線72-72で見た内視鏡の遠位先端の断面図を示す。
図58.1】図58.1は、内視鏡シャフトの遠位端の斜視図であって、光源がシャフト上に配置され、カメラ・アセンブリの視野から概ね離れた方向に光を投影する。
図59図59は、例示的の内視鏡及び例示の較正器を示す。
図60図60は、内視鏡の可変照明源の照明パラメータ値を較正するために使用され得る多くの例示のステップを含むフローチャートを示す。
図61図61は、組み立てられた位置でのハンドル・プリント基板、電力/HDMI(登録商標)ケーブル、照明ファイバ及び洗浄ラインを有する内視鏡の部分組立図を示す。
図62図62は、例示の画像処理システムのブロック図である。
図63図63は、回転検知アセンブリからの入力を用いてどのように画像を正しい位置に戻すかを説明する例示の図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本書で用いられる用語「内視鏡」と「関節鏡」は、同じ意味で用いられ、最も広い解釈が与えられて、それぞれの用語は、目視検査、診断及び/または処置あるいは修理の目的で、それでなければアクセスしにくい空間へ挿入される細長い部分を有する道具を意味する。医学や獣医学診療の分野では、そのような空間は、体腔または組織腔、関節腔、組織平面あるいは他の身体構造を含む。その道具は、多くの非医療用途(たとえば、工業)で用いられてもよく、その用途では、内視鏡の挿入部分の直径は最小とされ、あるいは、内視鏡が作動する空間が制限され能動的柔軟遠位部分の使用を許容できない。
【0011】
内視鏡10の2つのコンポーネントのハンドル設計を図1に示す。例示的内視鏡10は、ハンドル近位部分16とハンドル遠位部分30を含む。ハンドル近位部分16はハウジングであってもよい。図示されるように、ハンドル遠位部分30は、ハンドル近位部分16内に少なくとも部分的に延在する。ハンドル遠位部分30とハンドル近位部分16は相対的に回転してもよい。いくつかの実施形態では、ユーザは、指でハンドル近位部分16を握りながらハンドル遠位部分30を回転する。内視鏡10は、回転検知アセンブリ、流体導管、照明、画像装置またはカメラ・アセンブリ、画像装置用旋回制御などのような、しかしこれらに限定されることはない、多くの機構を有してもよい。
【0012】
内視鏡10の付加的な機構が図2に示される。内視鏡10は、ハンドル近位部分16とハンドル遠位部分30を含む。この例では、挿入シャフトまたは部分14の少なくとも一部は、ハンドル遠位部分30に固定され、ハンドル遠位部分30と共に動く。ハンドル遠位部分30は、ハンドル突起またはフィン36を含み、ハンドル近位部分16に対してハンドル遠位部分30を回転させ易くするためにユーザが押す表面を提供する。いくつかの実施形態では、ハンドル遠位部分がユーザの指の1つを用いて回転されている間、ユーザの手がハンドル近位部分16を動かないように握る。
【0013】
いくつかの実施形態では、ハンドル近位部分16とハンドル遠位部分30の1つまたは両方が、内視鏡10の他のコンポーネントのハウジングとして機能し、または、支持構造を提供する。図2に示される内視鏡10は、回転検知アセンブリ150を含む。回転検知アセンブリ150は、ハンドル近位部分16に対するハンドル遠位部分30の回転を監視する。いくつかの実施形態では、回転検知アセンブリ150は、ハンドル近位部分16に関して静止したコンポーネントとハンドル遠位部分30に関して静止したコンポーネントを含む。たとえば、回転検知アセンブリ150は、ポテンショメータとキー付きシャフトを含む。ポテンショメータは、たとえばハンドル近位部分16の内部ハウジングを備える支持部材に取り付けられる。あるいは、ハンドル遠位部分30が、回転検知アセンブリ150の少なくとも1つのコンポーネント(たとえば、図8の回転センサ・ホルダ)を取り付ける支持部材を備えてもよい。いずれの場合でも、回転検知アセンブリの回転コンポーネントまたは並進運動コンポーネントは、ハンドル近位部分16に対するハンドル遠位部分30の回転の度合いに比例して動くようになされる。
【0014】
内視鏡(または、たとえば関節鏡)10の例示の実施形態を図3Aに示す。内視鏡10は、種々の内視鏡治療、とりわけ関節鏡検査、で用いられる。図示のように、内視鏡10は、ハンドル12と挿入部分またはシャフト14を含み、シャフト14は、挿入部分14は、1つ以上の作動部材、電気/通信ケーブル、照明または光伝達ケーブル及び/または流体経路が置かれる細長い中空シャフトを備える。図示のように、一実施形態では、ハンドル12は、おおよそ円筒形で、丸みのある形状である。挿入部分14は、おおよそ円筒形形状で、長手軸方向に延びている。一実施形態では、挿入部分14は、剛直で、比較的まっすぐでもよい。他の実施形態では、挿入部分14は、曲線を描くように曲げられても、あるいは、その全長の少なくとも一部で角度を持って曲げられてもよい。さらに別の実施形態では、挿入部分14は、半剛直な展性のある材料を備え、曲げられて所望の形状に維持されてもよい。挿入部分14の直径は、ハンドル12の直径よりかなり小さい。いくつかの実施形態では、ハンドル12の直径は、おおよそ5.5mm以下である。内視鏡10の挿入部分14は、ハンドル12の長さと概ね同じ長さである。代替の実施形態では、ハンドル12と挿入部分14の長さと形状は、かなり異なってもよい。
【0015】
挿入部分14の少なくとも一部は、ハンドル12から取り外せるのが良い。そのような実施形態では、挿入部分14または挿入部分14の取り外し部は、摩擦嵌め、スナップ嵌め、ねじ結合、 バヨネット・マウント等を含むが、これらには限定されない種々の手段のいずれかによりハンドル12に結合される。いくつかの実施形態では、挿入部分14は使い捨てコンポーネントであり、ハンドル12は再利用可能なコンポーネントであってもよい。挿入部分14が使い捨てである実施形態では、挿入部分14は使用後に廃棄される。他の実施形態では、挿入部分14は、使用後にオートクレーブ処理、浸漬溶液あるいは他の適切な消毒処理により消毒する。好適な実施形態では、ハンドル12と挿入部分14の両方が使い捨てであり、使用後に廃棄され、消毒処理と機器の必要性と費用を未然に防止できる(エチレンオキサイド、放射線等によるたとえば製造、組み立てあるいは装置のパッキング中の使用前消毒は別として)。加えて、内視鏡10のハンドル12と挿入部分14を使い捨てにすることにより、繰り返しの使用や洗浄の結果生ずる機能や信頼性の劣化がない。内視鏡10全体を使い捨てにすることは別の利点を有し、そのうちのいくつかを以下に説明する。
【0016】
好ましくは、使い捨て内視鏡10は、特に使用された道具の消毒がその機能を劣化させるような場合に、その再利用を防止する手段を備えている。たとえば、内視鏡10は、内視鏡10が操作性と画像の表示のために接続されなければならないベース・ユニット内のプロセッサで認識される識別コードを記憶するメモリ・チップを含む。接続には、ベース・ユニットのコントローラと内視鏡10のメモリ・チップ間の有線の通信、あるいは、たとえば内視鏡10に取り付けられるRFID装置を用いた無線の通信が含まれる。(たとえば、BluetoothやWiFiなどの他のタイプの無線の通信も使用できる。)一実施形態では、ベース・ユニットは、最初の使用において、内視鏡10のメモリ装置をエンコードするようにプログラムされ、内視鏡10が後でベース・ユニットに再接続されたときにはいつでも、内視鏡10が以前に使われたことを示すコードを読んで確認するようにプログラムされてもよい。「使用された」内視鏡10であるとの確認により、コントローラは、内視鏡10とベース・ユニット間の電子的通信及び画像通信を防止するようにプログラムされる。そのコードと通信は、システムのセキュリティを強化するために暗号化されてもよい。あるいは、内視鏡10は、内視鏡10を使用後に使用不可能な状態にする無効化機構をそのソフトウェアに含んでもよい。
【0017】
図3Aに示すように、内視鏡10のハンドル12は、いくつかの異なる機構を含む。ハンドル12は、ハンドル近位部分16を含む。ハンドル近位部分16は、図3Aに図示されるように、比較的滑らかである。ハンドル近位部分16は、1つ以上の窪んだ部分を備えてもよい。ハンドル近位部分16は、いくつかの人間工学的特性を含むように輪郭を付けられる。いくつかの実施形態では、ハンドル近位部分16の少なくとも一部は、滑らかな表面を有しておらず、ギザギザのある、うねのある、粗くされた、ハチの巣状等の構造、及び/または、操作中に内視鏡10をつかみ易くするゴム引きした、または、弾性的な表面層を含んでもよい。例示の実施形態では、ハンドル近位部分16には、いくつかの指溝18が形成される。いくつかの実施形態では、ハンドル近位部分16は、柔らかい手触りを有し、あるいは握るのに快適な材料(たとえば、ゴムや他の弾性材)で作られる。いくつかの実施形態では、ピストルの握りのような機構(不図示)が、ハンドル近位部分16の一部として含まれる。
【0018】
図3Aに示すように、ハンドル近位部分16は2つ分かれる部分に分けられる。図3Aのハンドル近位部分16は、上ハンドル部分20と下ハンドル部分22を含む。ハンドル近位部分16の上ハンドル部分20と下ハンドル部分22は、2つの分かれる部分として製造され、接着剤、ねじ、スナップ嵌め等の適切な手段で一体に結合される。図示されるように、上ハンドル部分20は滑らかで、下ハンドル部分22とは異なった形状に輪郭を付けられる。このことは、ユーザが、手触りにより素早く簡単に内視鏡10の方向を判断するのを助ける。いくつかの実施形態では、上ハンドル部分20と下ハンドル部分22は、異なった手触りを有する表面素材(たとえば、金属とプラスチック、金属と弾性体、滑らかとザラザラした、など)を備えてもよい。
【0019】
内視鏡10のハンドル12はまた、ハンドル遠位部分30を含む。図3Aに示すように、ハンドル遠位部分30は、ハンドル近位部分16から挿入部分14にむけて延在する。
ハンドル遠位部分30は、その直径がハンドル近位部分16より小さい。図示されるように、ハンドル遠位部分30は、その長さがハンドル近位部分16より長いが、別の実施形態では、ハンドル遠位部分30とハンドル近位部分16の相対的寸法は異なっている。
【0020】
ハンドル遠位部分30の少なくとも一部に、図3Aに示すように摘み用ざらつきがあってもよい。図3Aに示す例示の実施形態では、摘み用ざらつきは、一連のらせん状のうね32である。別の実施形態では、らせん状ではないうね、こぶ、突起、溝、ハチの巣状のあるいは他の形状のギザギザや凹凸等の他の摘み用ざらつきを用いる。図示されるように、例示の実施形態のらせん状のうね32は、ハンドル遠位部分30の外周のほとんどを取り囲む。ハンドル遠位部分30の摘み用ざらつきを含むいくつかの実施形態では、摘み用ざらつきは、ハンドル遠位部分30の連続する部分としては形成されない。そのような実施形態では、摘み用ざらつきに貼り付けた「外皮」またはスリーブでもよい。摘み用ざらつきの外皮は、接着剤、スナップ嵌め、種々の留め具、オーバーモールド等のいかなる適切な手段(これらには限定されない)で、ハンドル遠位部分30に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、摘み用ざらつきの外皮は、ハンドル遠位部分30とは異なる素材で作られてもよい。たとえば、摘み用ざらつきの外皮は、よりやわらかく、弾性的な、あるいはゴムのような素材で、ハンドル遠位部分30の素材より握ったときに快適で滑りにくい。
【0021】
図3Aの例示の実施形態では、ハンドル遠位部分30は、ハンドル遠位部分30の頂部から隆起した高くなったハンドル部34を含む。この例では、高くなったハンドル部34は、ハンドル遠位部分30の他の部分から鋭く隆起してはいない。むしろ、高くなったハンドル部34は、ハンドル遠位部分30の他の部分から緩やかに曲がり上がるように構成されている。この例では、らせん状のうね32は、高くなったハンドル部34の頂部にまで延びてはいない。高くなったハンドル部34の更なる機構をさらに詳細に以下に説明する。
【0022】
一態様では、ハンドル・フィンまたはパドル36が、ハンドル遠位部分30の底部から隆起してもよい。この例では、ハンドル・フィン36は、内視鏡10の内部または従属位置に向けてハンドル遠位部分30の他の部分から緩やかに曲がり離れるように構成されている。らせん状のうね32は、ハンドル・フィン36の底部にまで延在してもよく、しなくてもよい。他の実施形態では、高くなったハンドル部34がハンドル遠位部分30の別の側から隆起するようになされ、ハンドル・フィン36がハンドル遠位部分30の頂部から隆起するように構成される。ハンドル・フィン36は、医師にはすでになじみ深い内視鏡の種々のケーブルや洗浄液などの入口位置に対応して配置される。このことは、そのような入口が、回転し易くするために押す表面として、また方向目印としてよく用いられるので、好ましい。ハンドル・フィン36の更なる機構をさらに詳細に以下に説明する。
【0023】
内視鏡(または、たとえば関節鏡)10の別の実施形態を図3Bに示す。図示されているように、内視鏡10は、ハンドル12と、1つ以上の作動部材、電気/通信ワイヤ、照明または光伝送ケーブル、及び/または流体チャネルが内部に配置され得る細長い中空シャフトを含む挿入部分またはシャフト14を含む。シャフト14の少なくとも一部は、ハンドル12から取り外し可能であってもよい。 例示の実施形態では、内視鏡のシャフト14は、取り付け構造15に取り付けられた外側鞘またはカニューレ318を備え、これは、カニューレのハンドル12への取り付け及びカニューレの取り外しを容易にするために、摩擦嵌め、スナップ嵌め、ねじ結合、差し込みマウントを含む手段のいずれかによるが、これらに限定されるものではない。
【0024】
図3Bに示すように、内視鏡10のハンドル12はハンドル近位部分16を含み、これはシャフトの遠位端のセンサによって検出された画像データを制御または処理するためにプリント回路基板(PCB)を(他の構成要素の間で)取り囲み、及び/またはシャフトの端部における光源(たとえば、LED)に電力を供給する。また、シャフト14内の流体搬送管腔に接続するための流体導管を収容してもよい。ハンドル近位部分16は、2つの別個の部品に分割されてもよい。図3Bにおけるハンドル近位部分16は、ハンドル第1ハーフシェル21及びハンドル第2ハーフシェル23を含む。ハンドル近位部分16のハンドル第1ハーフシェル21及びハンドル第2ハーフシェル23は、2つの別個の部品として製造し、たとえば、接着剤、ねじ、スナップ嵌めなどの任意の適切な手段によって、対称的にしてもよい。たとえば、ハンドル第1ハーフシェル21は、任意の超音波溶接技術を用いてハンドル第2ハーフシェル23に超音波溶接してもよい。付加的に、代替的に、または選択的に、ハンドハーフシェル21、23は、当該技術分野で知られている射出成形技術を用いて製造してもよい。
【0025】
内視鏡10のハンドル12はまた、ハンドル遠位部分30を含むことができる。図2に示すように、図3Bに示すように、ハンドル遠位部分30は、ハンドル近位部分16からシャフト14に向かって延伸している。ハンドル遠位部分30の底部から突出するものは、ハンドル・フィンまたはパドル36であってもよい。ハンドル遠位部分30はまた、ピボット制御構造100のフィンガー・コンタクト98を収容する大きさの凹部35を含む(たとえば、 図14)。 ピボット制御構造100の例も以下に説明され、ピボット可能なセンサ・ハウジングをシャフト14の遠位端で回転させるために使用される。
【0026】
図3Bにまた示されているのは、ディスプレイまたはカメラ制御ボタン37である。これはシャフト14の遠位端においてイメージ・センサによって生成された画像を取り込むために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、ユーザは、たとえば、シャフト14の遠位端におけるイメージ・センサの視野のディスプレイに表示された画像のビデオ録画をオンまたはオフにするために、所定のパターンまたはシーケンスを使用してボタン37を押すことができ、シャフト14の遠位端におけるイメージ・センサの視野のディスプレイ上に示された画像のスナップショットを記録し、光素子(たとえばLED)の輝度を変更するか、あるいはセンサまたは表示されたイメージの他の特性(たとえば、ホワイト・バランス、彩度、デジタル倍率など)を調整する。内視鏡PCBのオンボード処理パワーの量及びコストの節減のために、内視鏡PCB自体のものではなく、内視鏡に接続されたグラフィカル・ユーザ・インターフェースに関連するプロセッサによって制御されたセンサ特性及びLED照明を有することが好ましい。
【0027】
ボタン37は、内視鏡ハンドル遠位部分30内の主PCB上に配置された電気的機械スイッチを操作することができる。PCB電子部品の最大の耐湿性を保証するために、ボタン37の動きを検出するように磁気または光学センサ・アセンブリを使用することが好ましい。 図2に示すように、一実施形態では、内視鏡PCB518上のホール効果センサは、ボタン37に接続されたシャフト38の位置の下及び近傍に配置することができる(ハンドル12内のいくつかの構成要素の相対位置を示す)。ボタン37はバネ荷重を受けていてもよく、プリント回路板518に最も近いシャフト38の端部は埋設された磁石を含むように作成されてもよい。ボタンシャフト38がPCBベースのホール効果センサに接近または離隔されると、センサは、ボタンシャフト38の位置及びその位置におけるその持続時間に対応する適切な信号を生成することができる。
【0028】
図4及び図5は、図3Aに示すハンドル近位部分16の上ハンドル部分20と下ハンドル部分22の例示の実施形態を示す。上ハンドル部分20と下ハンドル部分22は、結合を解かれた、または分解した、図で示される。ハンドル近位部分16は、組み立てられると貝のような構造を形成する。下ハンドル部分22は、下ハンドル部分22の上面46からある距離で下部分内面42の周囲を包むレッジ40を含む。図示のように、下ハンドル部分22の上面46に実質的に直交する角度で配置された曲面のまたはU字型切り込み44が下ハンドル部分22にある。2つのペグ突起47が、下ハンドル部分22の後ろ側の近くに含まれる。ペグ突起47は、わずかにレッジ40の上方まで延在し、レッジ40の上面におおよそ直交する角度になされる。
【0029】
図4及び図5に図示されるように、上ハンドル部分20の一部は、ハンドル近位部分16が組み立てられたときに下ハンドル部分22に重なるような寸法となされる。重なり部分48は、図4及び図5に示すように上ハンドル部分外表面50から入り込まれる。重なり部分48の高さは、下ハンドル部分22のレッジ40の頂部と下ハンドル部分22の上面46の間の距離と概ね同じか、わずかに大きくなるように、選定される。このような実施形態では、完全に組み立てられると、上ハンドル部分20の底面52(組み立てられたときの方向による)は、下ハンドル部分22のレッジ40の頂部に接する。このような実施形態ではさらに、上ハンドル部分外表面50と下ハンドル部分外表面54は、互いに同一面となり、その2つの間にほとんどギャップのない概ね連続した表面を形成する。いくつかの実施形態では、上ハンドル部分外表面50と下ハンドル部分外表面54の間に小さなギャップがあってもよい(図3に示される小さなギャップ)。
【0030】
図示されるように、上ハンドル部分20は、下ハンドル部分22のペグ突起47に対応するように形作られ配置されたペグ切り込み59を含む。上ハンドル部分20は、上ハンドル部分20の根元または近位部分に曲面切り込み58を含む。図示されるように、曲面切り込み58は、上ハンドル部分20の底面52(組み立てられたときの方向による)に実質的に直交する角度で上ハンドル部分20中に窪む。ハンドル近位部分16が組み立てられると、下ハンドル部分22の曲がったまたはU字型切り込み44と上ハンドル部分20の曲面切り込み58は実質的に円形のまたは卵形のハンドル空隙または開口60を一緒に形成し、ハンドル空隙または開口60については以下にさらに説明する。本書で用いる用語「切り込み」、「切欠き」などの使用は、材料が切ることにより物理的に取り除かれたこと、または、材料が取り除かれるプロセスを意味するものと解釈されるべきではないことが理解されよう。いくつかの実施形態では、曲がったまたはU字型切り込み44と曲面切り込み58は、物理的に材料を取り除くことなく製造中に形成される。
【0031】
図4に示すように、下ハンドル部分22は、シャフト支持部材63を含む。図4のシャフト支持部材63は、曲がったまたは半円部を有し、半円部は図5の歯付き突起62の位置に概ね対応する。シャフト支持部材63はまた、支柱を含む。支柱は、支柱の両側の半円部に概ね90°で離れる、半円部の中点から直交方向に突き出る。シャフト支持部分65は、シャフト支持部材63の支柱の頂部からハンドル近位部分16の遠位端に向けて直交方向に突き出る。シャフト支持部分65は、センサ・ギア・シャフト120(図8参照)の一部が取り付けられる窪みを含む。シャフト支持部材63の支柱は、ハンドル近位部分16が完全に組み立てられたとき、概ね半円部の半径の長さである。シャフト支持部材63、歯付き突起62及び歯付き突起64を以下にさらに説明する。
【0032】
図5に示すように、下ハンドル部分22は、その代わりにまたはオプションとして、曲がった歯付き突起62を含んでもよい。曲がった歯付き突起62は、上ハンドル部分20に含まれる類似の歯付き突起64と合わせられる。歯付き突起62と歯付き突起64は、ハンドル近位部分16が完全に組み立てられると、互いに整列し、環状のまたは内側リング・ギアを形成するように配置される。
【0033】
図4及び図5に図示されるように、曲がったまたはU字型切り込み44の反対側の下ハンドル部分22の面と曲面切り込み58の反対側のハンドル遠位部分20の面は、半円開口または空隙70を含む。曲がったまたはU字型の経路72は、図4及び図5に示すように各半円空隙70の弧全体に沿って半円空隙70の縁にへこむ。
【0034】
図6は、図3Bに示すハンドル近位部分16のハンドル第1ハーフシェル21及びハンドル第2ハーフシェル23の例示の実施形態を示す。ハンドル第1ハーフシェル21及びハンドル第2ハーフシェル23は、非結合または分解図で示されている。ハンドル近位部分16は、組み立てられたときにシェル状構造を形成する。第1または第2ハンドル・ハーフシェル21、23のうちの一方は、組み立てを容易にするために第1及び第2ハンドル・ハーフシェル21、23の他方に協働する壁延長部43に嵌合する大きさのスロット41を含むことができる。図4及び図5と同様に、図6における例示の実施形態は、湾曲した切欠き58を含む。これらの切欠き58は、近位ハンドル部分16が組み立てられたときに、近位ハンドル部分16の内部容積の中に入ることを可能にする。
【0035】
ハンドル遠位部分30、シャフト14、及びシャフトの遠位端のセンサまたはカメラに対してハンドル近位部分16の回転方向を追跡することができることは有用である。一実施形態では、これは、ホール効果センサと関連する磁石との間の相互作用によって達成することができる。ホールセンサは、ハンドル近位部分16上に配置されてもよく、磁石はハンドル近位部分16内の内部構成要素上に配置されてもよく、または1つ以上の磁石が、ハンドル近位部分16内に、ハンドル近位部分16内のPCBに取り付けられている。
いくつかの実施形態では、1つ以上の磁石51をハンドル12の一部に埋設するか、または取り付けることができる。図6に示される例示の実施形態において、近位ハンドル部分16は、互いに概ね対向して位置する2つの磁石51を含む。他の実施形態では、異なる数の磁石51を使用することができる。図示のように、この場合、第1及び第2のハンドル・ハーフシェル21、23の各々は、各ハーフ部分の内壁に挿入された磁石51を含む。例示の実施形態では、磁石51は、磁石51を近位のハンドル部分16の適所に保持する保持構造53に連結される。磁石は選択的に任意の適切な希土類または遷移金属、またはそれらの合金で構成することができる。
【0036】
図3Aの例示のハンドル遠位部分30の例は、図7Aにハンドル12の残りの部分から隔絶されて示されている。図7Aは、ハンドル遠位部分30を実質的上面からの斜視図で示す。図示されるように、上記に詳述したらせん状のうね32と前面の高くなったハンドル部34が、ハンドル遠位部分30に見える。ハンドル遠位部分30の中央鉛直面を下がるシームにより図示されるように、ハンドル遠位部分30は2つ以上の分かれる部分(例示の実施形態では、30aと30b)で構成され、それらは、たとえばスナップ嵌め、接着剤及び/またはねじのような適切な手段または適切な手段の組合せにより一体になされる。
【0037】
図7Aのハンドル遠位部分30は、さらに図3Aには示されない部分を含む。内視鏡10が、図3Aのように、組み立てられると、ハンドル遠位部分30の一部は、ハンドル近位部分16内に収容される。たとえば、収容されたハンドル電子部分80は、外側ハンドル遠位部分82(これは、図3A図7Aの両方で見える)から近位に突き出る。収容されたハンドル電子部分80を以下にさらに説明する。
【0038】
収容されたハンドル電子部分80と外側ハンドル遠位部分82の間には、小径わたり84がある。図示されるように、小径わたり84は、小径わたり84の外表面にへこむ丸まった溝86を含んでもよい。いくつかの実施形態では、完全に組み立てられると、ハンドル遠位部分30の小径わたり84は、ハンドル近位部分16の半円開口70内に配置される。小径わたり84の丸まった溝86と半円開口70の曲がったまたはU字型の経路72は、互いに整列される。このことにより、ハンドル遠位部分30とハンドル近位部分16は、内視鏡10が使われると相対的に回転できる。オプションとして、ボールベアリング(不図示)や他のタイプのベアリングが、ハンドル遠位部分30の小径わたり84の丸まった溝86及びハンドル近位部分16の半円開口70のU字型の経路72に沿って通る。
好適な実施形態では、ハンドル遠位部分30の小径わたり84の丸まった溝86にOリング(不図示)が置かれる。Oリング(不図示)は、ハンドル近位部分16とハンドル遠位部分30の間のダイナミックシールとして機能する。そのような実施形態では、ハンドル近位部分16とハンドル遠位部分30は、ハンドル近位部分16の内部を液体からシールしながら、互いに相対的に回転する。
【0039】
ハンドル・フィンまたはパドル36または他の隆起物は、ハンドル近位部分16とハンドル遠位部分30が相対的に回転すると、ユーザ用の方向目印としての機能を果たす。方向は、目視または手触りにより確認される。いくつかの実施形態では、ハンドル・フィン/パドル36上の摘み用ざらつきは、ハンドル遠位部分30のその他の部分のらせん状のうね32と異なって、手触りによる方向確認を容易にできるようにする。
【0040】
図7Aに示すように、高くなったハンドル部34は、ボタン90を含む。いくつかの実施形態では、高くなったハンドル部34は、複数のボタン90を含み、あるいは全くボタンを含まない。ボタン90は、ハンドル遠位部分30のどこに、または、ハンドル12上のどこに、置かれてもよい。いくつかの実施形態では、高くなったハンドル部34は1つのボタン90を含み、1つ以上の追加のボタン90はハンドル12のどこかに置かれる。
いくつかの実施形態においては、ボタン90は機械的起動スイッチとすることができ、これは押下げ可能部材を含み、これが押下げられたときに回路が完成されるか破断される。
このボタン90は、ハンドル遠位部分30内のホール効果センサの近傍でボタンの一部へ磁石を埋設することにより、磁気またはホール効果に基づくスイッチを含む。他の形式のボタンまたはスイッチを使用してもよい。ボタン90には複数の機能が割り当てられ、これらはユーザの種々の操作により起動される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのボタン90は、外部ハンドル部分82に関してシールされ、液体の浸入を抑止する。
【0041】
ボタン90は、撮像ボタンであってもよい。そのような実施形態では、ボタン90を押下げることにより、写真が内視鏡10により生成された表示画像の記録となる。いくつかの実施形態では、ユーザは、ボタン90をダブルタップし、ボタン90の長押し、またはボタン90を押し続けることにより、ディスプレイ機器が内視鏡10へ接続されて、ビデオの記録を始めさせる。ビデオの記録を止めるには、ユーザは、ボタン90をダブルタップし、ボタン90を長押し、またはボタン90を解除する。いくつかの実施形態では、ビデオの記録を止めるのに、ユーザは、ボタン90を押す及び解除するだけでよい。いくつかの実施形態では、内視鏡10がビデオを記録している間にユーザがボタン90を1回押すことにより、ビデオの記録を中断することなく静止画像が記録される。他の構成においては、ボタン90の迅速な押し上げ及び解除が静止画の録画を起動するようにして、一方、より長い押下げ及び解除、または押したままにすることがビデオ区画の録画を起動するようにしてもよい。
【0042】
高くなったハンドル部34はさらに、スライドボタン窪み92を含んでもよい。図7Aに示すように、スライドボタン窪み92は、スライドボタンまたは指先接触98(図14参照)を、横方向への動きは拘束しながら、前後へ動けるように配置される。スライドボタンは、いくつかの実施形態での旋回制御または旋回制御構造100(たとえば、図14参照)の一部であってもよい。いくつかの実施形態では、図7Aに示される例示の実施形態を含めて、スライドボタン窪み92はわずかに曲がって、スライドボタン窪み92がその中にあるハンドルのその部分の形状と適合する。
【0043】
図7Aに示すように、スライドボタン窪み92は、スライドボタンの対応する要素と係合できるいくつかの突起または窪み94を含み、ユーザがスライドボタンを前後に動かしたときに一連の不連続で明確な止まりを提供する。いくつかの実施形態は突起94を含まない。いくつかの実施形態では、ユーザが対話する旋回制御構造100(図12参照)の一部は、高くなったハンドル部34のスライドボタン窪み92に置かれた旋回制御構造ノッチ96(図14参照)を通って突き出る。図7Aの例示の実施形態では、旋回制御構造100のそのような部分は、指先接触98を含む。図示されるように、指先接触98は、人間工学的理由により、傾斜した輪郭を有する。旋回制御構造100をさらに以下に説明する。
【0044】
図7B及び図7Cは、ピボット制御構造100のフィンガー・コンタクト98を収容するために使用され得る窪み35の代替実施形態を示す。ハンドル近位部分16及びハンドル遠位部分30の一部は、明瞭化のために除去されている。図7Cは、図7Bの領域7Cの詳細図を示す。図7Cに最もよく示されているように、いくつかの実施形態では、窪み35は、図7Aに示すスライドボタン窪み96と同様のピボット制御構造を段階的に移動させるための隆起部94を含む。あるいは、窪み35は、概ね滑らかであってもよく、ピボット制御構造100の移動経路を収容するように湾曲していてもよい。
【0045】
遠位ハンドル部分30の内部は、窪み35の下に位置する棚95を含むことができる。
棚95は、その輪郭が窪み35の輪郭を模した表面を有してもよい。棚95は、ユーザがピボット制御構造100を前後に動かすときに、一連の個別の正の停止体を与えるために、1つ以上のリッジまたは戻り止め94を含むことができる。これらのリッジ94は、ピボット制御構造100から延伸する1つ以上のアーム97と相互作用することができる。
アーム97は、滑らかで隆起部またはリブ94がない棚95の部分の上を自由に移動することができる。アーム97の1つがリッジ94に遭遇すると、リッジはアーム97のそれぞれのアームに当接し、リッジ94によって与えられる機械的干渉に打ち勝つのに充分な力が加えられるまでピボット制御構造100のさらなる変位を妨げる。すなわち、リッジ94は、指の接触部98がドエル位置から作動するのを妨げる力バリアを形成することができる。実施形態に応じて、隆起部94は、棚95の面に沿って対になって配置されてもよい。一対の隆起部94の各リブまたはリッジ94は、ピボット制御構造100のアーム97の幅だけ離れて配置されてもよい。
【0046】
図8は、付属の挿入部分14を取り除いた例示のハンドル遠位部分30のより詳細な図解を示す。例示の回転検知アセンブリ150も図8に示される。図示されるように、ハンドル遠位部分30は、2つの分かれる部分30a、30bとして製造される。例示の実施形態では、ハンドル遠位部分30の2つの分かれる部分30a、30bはいくつかのねじ穴102を含み、ねじ穴102はねじ切りされている。ねじ(不図示)または他の適切な留め具を用いてハンドル遠位部分30の2つの分かれる部分30a、30bを一体に連結する。いくつかの実施形態では、2つの分かれる部分30a、30bは、スナップ嵌め、超音波溶接、接着剤等で一体に連結される。
【0047】
いくつかの実施形態では、ハンドル遠位部分30の2つの分かれる部分30a、30bの1つはペグ状の突起104を含み、ペグ状の突起104は2つの分かれる部分30a、30bの他方の相補的ペグ受け入れ空洞106に収まる。このことは、2つの分かれる部分30a、30bを整列及び/または一体に連結するのを補助する。図8に示す実施形態を含め、いくつかの実施形態では、外側ハンドル遠位部分82は本質的に中空である。いくつかの実施形態では、外側ハンドル遠位部分82の中空部は、流体に対してシールされない。図8に示す例示の実施形態では、ドレーン通路108が、たとえばハンドル・フィン36に含まれる。ドレーン通路108は、外側ハンドル遠位部分82の中空部に入った液体が容易に排出されるようにする。別の実施形態では、追加の及び/または異なるドレーン配置が含まれてもよい。
【0048】
ハンドル遠位部分30は、図8に示すような回転センサ・ホルダ110を含んでもよい。回転センサ・ホルダ110は、内視鏡10が完全に組み立てられると、回転検知アセンブリ150を保持する。図示されるように、回転検知アセンブリ150は、前進ギア112を含む。前進ギア112は、前進ギア・シャフト114回りに配置される。図8に示すように、分配ギア116も前進ギア・シャフト114に置かれ、前進ギア112の回転により分配ギア116もまた回転する。分配ギア116は、センサ・ギア・シャフト120に配置されたセンサ・シャフト・ギア118とかみ合う。前進ギア112が回転すると、センサ・シャフト・ギア118とセンサ・ギア・シャフト120も回転する。ギア・アセンブリの使用により、付属のポテンショメータ122をハンドル遠位部分30の中央の回転軸から芯のずれた位置に置くことができ、他の内部構造(たとえば、洗浄液導管、光ファイバ束、電子フレキシブルケーブル、あるいは他の電子コンポーネント)を中央に置くことができるという利点がある。
【0049】
図8の例示の実施形態のように、センサ・ギア・シャフト120は、キー溝を付けたすなわちキー付き部(たとえば、D字型の)を含んでもよい。キー付き部は、1つまたは複数のポテンショメータ122と動作可能に係合する。図8に示す例示の実施形態には、2つの回転ポテンショメータ122がある。ポテンショメータ122は、図96を参照して説明するように、取り付け要素またはハンドルのプリント基板の一部に取り付けられ、そうでなければ接続される。各ポテンショメータ122は、センサ・ギア・シャフト120の対応するキー付き部がかみ合うキー付き空隙(たとえばD字型)を含む。センサ・ギア・シャフト120が回転すると、ポテンショメータ122の電気抵抗が比例して変化する。抵抗値はセンサ・ギア・シャフト120の回転量に応じて予測通りに変化するので、計測したポテンショメータ122の抵抗値は、ハンドル近位部分16とハンドル遠位部分30(及び延長線上で挿入部分14)の間に生ずる回転量を求めるのに使われる。
【0050】
いくつかの実施形態では、各ポテンショメータ122のハウジングは、収容されたハンドル電子部分80(またはハンドル遠位部分30に付属する他の要素)の要素に取り付けられ、よって、ポテンショメータ122のシャフトまたは回転ハブがハンドル近位部分16に接続されているのに、ハンドル遠位部分30(及び延長線上で挿入部分14)に対して固定される。他の実施形態では、ポテンショメータ122のハウジングは、そのシャフトまたは回転ハブがハンドル遠位部分30の要素またはハンドル電子部分80に接続されているのに、ハンドル近位部分16に対して固定される。
【0051】
図8の例示の実施形態は、一緒に重ねられた2つのポテンショメータ122を含み、互いに回転軸がオフセットされている。別の実施形態では、ポテンショメータ122は互いに離れるが、共通の回転軸を共有する(たとえば、双方のポテンショメータ122のワイパーが、共通シャフトにより動かされる)。この配置により、両ポテンショメータ122から電気抵抗値を受け取るコントローラは、360度の回転中、所望の精度でセンサ・シャフト(及び、結局は内視鏡の遠位端でのコンポーネント)の回転角度を算定でき、よって、内視鏡の遠位シャフト(たとえば、カメラ)のコンポーネントの回転の計測における計算の「盲点」をなくすことに役立つ。1つのポテンショメータ122のワイパーの位置によって、その動きの範囲の末端で、生ずる盲点は、動きの範囲の末端にはない第2のポテンショメータ122のワイパーのために補われる。別の実施形態では、3つ以上のオフセットされたポテンショメータ122を用いてもよい。ポテンショメータ122間の回転オフセットは、計算の単純化のために180度であってもよいが、回転オフセットが1つのポテンショメータ122によって生じた盲点が別のポテンショメータ122の機能範囲によって重複する限りは、他の角度オフセットを用いて同じ結果を達成してもよい。別の実施形態では、前進ギア112、分配ギア116及びセンサ・シャフト・ギア118の間のギア比は、回転の計測に所望される精度、ポテンショメータ122の感度及びその他のファクタに応じて変化する。別の実施形態では、回転検知アセンブリ150は、少なくとも1つのギア・アセンブリではなくベルトを用いてもよい。たとえば、分配ギア116とセンサ・シャフト・ギア118をベルトにより置き換えられる。当該分野で公知の他の回転を伝える配置もまた用いることができる。いくつかの実施形態では、前進ギア・シャフト114は、直接ポテンショメータ122に動作可能に係合するキー付機構(たとえば、D字型部)を含んでもよい。ポテンショメータ122以外の回転センサも用いることができる。別の実施形態は、回転エンコーダ、回転可変差動変圧器または他のエンコード装置などの回転センサを含んでもよい。回転エンコーダを用いる実施形態では、エンコーダは、グレイ・エンコーダ、磁気式エンコーダ(たとえば、図9B参照)、光学式エンコーダなどでよい。
【0052】
一実施形態では、センサ・ギア・シャフト120は、シャフト支持部材63のシャフト・ベアリング部分にまで延在してはない。むしろ、回転検知アセンブリ150は、回転センサ・ホルダ110に支持される。他の利点の中でも、この配置では、ハンドル近位部分16に対してハンドル遠位部分30が回転角度を制限されずに回転できる。さらに、当業者ならば分かるように、そのことにより、回転検知アセンブリ150のコンポーネントがオフセットされた位置に置かれるようにできる。このことは、組み立て中の利点を提供する。たとえば、洗浄ライン434(図96参照)、電力ケーブル432(図96参照)等の経路を単純化することができる。
【0053】
他の実施形態では、シャフト支持部材63とポテンショメータ122は、シャフトに直接接続される。遠位端にキー溝を付けたまたはキー付のシャフトは、シャフト支持部材63のシャフト・ベアリング部分から延び、ポテンショメータ122の対応するキー溝を付けたまたはキー付の(たとえばD字型)空隙を通って延在する。シャフト支持部材63はハンドル近位部分16に関して固定されるので、ハンドル近位部分16に対するハンドル遠位部分30の回転は、ポテンショメータ122によって測定される電気抵抗を変化させる。上述のように、電気抵抗は、1つのハンドルの他のハンドルに対する回転により変化するので、電気抵抗の測定はハンドル遠位部分(そして、結局は、内視鏡またはたとえば図21に示すカメラ・アセンブリ350の遠位端)による回転量を決めるのに用いられる。
【0054】
他の実施形態では、回転検知アセンブリ150は、収容されたハンドル電子部分80(図7A参照)に配置されたレンジ・ファインダを含む。ハンドル近位部分16(図4参照)の内部壁は、ハンドル近位部分16の内部壁の360度のほとんどまたは全てを包み込む暑さを変えられるまたは高さを変えられる隆起した表面を含み、円周経路に沿って所定の方法で厚さまたは高さを変える。ハンドル近位部分16とハンドル遠位部分30が相対的に回転すると、レンジ・ファインダは、コントローラにレンジ・ファインダで読まれた変化する表面(その厚さが変わっても高さが変わっても)までの距離に応じて変化する信号を提供する。その信号は、レンジ・ファインダで計測された所定の基本位置に対する厚さ/高さまたは距離に相関してもよく、表面は、所定の厚さまたは高さを有し、ハンドル近位部分16に対するハンドル遠位部分30所定の角度の回転に相関する。この距離は、その前の距離と比較され、それにより生じた回転の量を決める。レンジ・ファインダは、いかなるタイプのレンジ・ファインダ(たとえば、機械的位置センサ、音響的レンジ・ファインダ、レーザ式または他の光学的レンジ・ファインダ等)であってもよい。
【0055】
さらに別の実施形態では、光学マウスのようなセンサ配置を用いる。そのセンサは、収容されたハンドル電子部分80とハンドル近位部分16の一つに取り付けられ、収容されたハンドル電子部分80またはハンドル近位部分16の他方の動きを追うようになされる。そのような実施形態では、センサにより感知される動きの量と方向を用いて、生じた回転変位の量と方向を決める。いくつかの実施形態では、センサによりたどられた表面は、基準グリッド、いくつかのユニークな指標、パターン、マーク、あるいは他の区別するための機構を有し、それらは、スタートするにあたっての回転方向の決定をセンサが出来るようにする。当業者に公知のいろいろな他の回転検知アセンブリ150を、種々な実施形態で用いることができる。
【0056】
図8に示すように、ハンドル遠位部分30の回転センサ・ホルダ110は、ハンドル遠位部分30の2つの分かれる部分30a、30bが一体に連結されるときに回転検知アセンブリ150が2つの分かれる部分30a、30bの間で前進ギア・シャフト澪124に挟まれるように、形作られる。回転センサ・ホルダ110のそれぞれの側部は、前進ギア・シャフト溝124とセンサ・ギア・シャフト溝126を含む。組み立てられると、前進ギア・シャフト溝124とセンサ・ギア・シャフト溝126はそれぞれ、前進ギア・シャフト114とセンサ・ギア・シャフト120の支持面として役立つ。回転センサ・ホルダ110のそれぞれの側部はまた、ホルダ空隙128を含む。ホルダ空隙128は、ハンドル遠位部分30が完全に組み立てられたときに分配ギア116、センサ・シャフト・ギア118及び ポテンショメータ122が回転センサ・ホルダ110内にフィットするような大きさと形状にされる。
【0057】
図9Aは、内視鏡10のハンドル12の部分組立図を示す。下ハンドル部分22とハンドル近位部分16だけが図9Aに示される。図示されるように、ハンドル近位部分16の下ハンドル部分22の一部は、切り取られている。さらに、図9Aに示す実施形態では、ハンドル遠位部分30は、2つの分かれる部分30a、30b(図8参照)から組み立てられている。ハンドル遠位部分30の両半分の1つ(30b)は、見やすくするために図9Aでは除かれている。(図9Aに示される実施形態においては、ハンドル遠位部分30が2つの個別の部品30a及び30b(たとえば、図8参照)から組み立てられている。
ハンドル遠位部分30の両半分の1つ(30a)は、見やすくするために図9Aでは除かれている。)収容されたハンドル電子部分80は、ハンドル近位部分16の中に置かれる。外側ハンドル遠位部分82は、ハンドル近位部分16を超えて延在し、環境にさらされる。
【0058】
上述のように、回転検知アセンブリ150は、回転センサ・ホルダ110内に配置される。図示されるように、回転検知アセンブリ150の前進ギア112は、歯付き突起62と歯付き突起64(図5に最もよく示される)から形成される円環ギアとかみ合う。そのような実施形態では、ハンドル12が完全に組み立てられると、ハンドル近位部分16に関するハンドル遠位部分30の回転は、歯付き突起62と歯付き突起64で形成される円環ギアとかみ合うので、前進ギア112を回転させる。そしてこの回転は、回転検知アセンブリ150の他の部分により変換され、回転が回転検知アセンブリ150により計測されるようにする。好適な実施形態では、全体的ギア比は、おおよそ1:1である。
【0059】
あるいは、ギア要素ではなく、図4に示されるのと同様に、ハンドル近位部分16は、シャフト支持部材63のシャフト支持部分65に装着されるキー付きシャフトまたは部分的キー付きシャフトを備えてもよい。シャフトのキー付き部は、少なくとも1つのポテンショメータ122のハブと結合するように配置され、ポテンショメータ122は回転センサ・ホルダ110内に保持される。よって、ハンドル遠位部分30がハンドル近位部分16に対して回転すると、少なくとも1つのポテンショメータ122のワイパーは、ハンドル遠位部分30と近位部分16の相対的位置を、回転方向を決めるのに役立つ電気抵抗値に変換することができる。
【0060】
図9Bを参照すると、回転感知アセンブリ150を含む内視鏡10のハンドル12の別の実施形態が示されている。ハンドルの第1のハーフシェル21のみが図9Bに示されて、ハンドル12の内部を見えるようにしてある。さらに、ハンドルの第1のハーフシェル21の一部が切り取られている。
【0061】
図9Bに示されているのは、シャフトの遠位端のイメージ・センサからの画像データを処理するため、及び選択的に内視鏡シャフトの遠位端における光源(たとえばLED)に電力を供給するための電子構成要素を含むプリント回路基板(PCB)用の筐体431である。エンクロージャ431は、PCBが耐水材料で覆われていてもよく、または付加的に収容されていてもよいため、任意の構造である。耐水性材料は、PCB上に実装された個々の電子部品を被覆して保護するために、たとえばパリレン、または他の化学気相堆積ポリマーのような任意の適切なポッティング材料であってもよい。ハンドル第1ハーフシェル21に含まれる磁石51も示されている。エンクロージャ431内のプリント回路基板は、ホール効果センサまたはセンサアレイなどの1つまたは複数の磁気位置センサ430gを含むことができる。図6に示すように、いくつかの実施形態では、ハンドル第1ハーフシェル21及びハンドル第2ハーフシェル23のそれぞれは、磁石51または複数の磁石51を含むことができる。一実施形態では、2つの磁石51は、ハンドル16の各半分において互いに対向して配置される。ハンドル近位部分16がハンドル遠位部分30に対して回転されると、磁石51は、筐体431及び密閉されたプリント回路基板に対して移動する。プリント回路基板上の磁気センサ430gは、磁石がプリント回路基板に対して動くときの磁場強度及び位置の変化によって磁石51の相対位置を検出することができる。一実施形態では、単一の3軸位置センサが磁石51を感知するために使用される。1つまたは複数のセンサからのデータは、コントローラまたはプロセッサに送信され、センサデータをハンドル遠位部30に対するハンドル近位部16の回転位置に(及び光センサまたはカメラの位置に対して内視鏡シャフトの遠位端)に配置される。したがって、カメラの視野の表示画像は、内視鏡シャフトの遠位端でカメラを実際に動かすことなく、任意の所望の向きに回転させることができる。
【0062】
ここで図10Aを参照すると、一実施形態において内視鏡10の挿入部分14は導管157を含み、導管157を通じて操作または機能が実行される。工業的または医学的用途において、この導管157を用いて挿入部分14の末端で対象物を操作する道具(たとえば把持器具、鉗子、クランプ、ワイヤバスケット、拡張器、ナイフ、はさみ、磁気ピックアップ等の道具)を通す。流体(気体または液体)もまた、外部源へ/から、挿入部分14が置かれる空間から/へ通される。医学的用途では、そのような導管157を用いて体腔にガスを吹き込み、体腔からガスを抜き、空間を液体で洗浄し、または、空間から液体及び/または浮遊する微粒子を吸引する。導管157は、オプションとして、光伝達コンポーネント、情報伝達コンポーネント、電力伝達コンポーネント及び機械的制御コンポーネントなどの有用コンポーネントを支え、挿入部分14内の空間を節約するとともに、挿入部分14の全体的直径を減少させるのを補助する。光伝達コンポーネントは、たとえば、光ファイバ束、リボン、光導体、光投射要素及び/または同様なものを含む。情報伝達コンポーネントは、たとえば、挿入部分14の末端の画像装置またはイメージ・センサをハンドル12内にまたは内視鏡10外部に位置する画像処理ユニットに接続する電気ケーブル束またはリボンを含む。そのようなケーブルはまた、イメージ・センサへ電力を供給する。機械的制御コンポーネントは、たとえば、プッシュ・ロッド、プル・ワイヤ等を含み、挿入部分14の端部近くの要素の動きを制御する。これには、たとえば、ハンドル12から延在する機械的制御コンポーネントの使用により能動的に曲げられる挿入部分14の能動的柔軟遠位部を含む。また、たとえば、ハンドル12から延在する機械的制御コンポーネントの使用により能動的に曲げられる挿入部分14の端部の回転カメラまたはカメラ・マウントを含む。
【0063】
一実施形態では、挿入シャフトまたは部分14内の流体搬送導管157は、たとえば光ファイバ束、通信ケーブル及び機械的アクチュエータのような、内視鏡10の有用コンポーネントを取り囲むように構成される。さらなる実施形態では、導管157は、挿入シャフト14の遠位端で、カメラ・アセンブリ350(たとえば図21参照)と流体的に連通する。カメラ・アセンブリ350は、通信ケーブルと接続するカメラ・センサまたは画像装置を含む。この場合、カメラ・センサと通信ケーブルの接続、及び、付属レンズ・アセンブリの内部コンポーネントは、導管157内の液体圧にさらされることに対して、シールされる。カメラ・アセンブリ350、レンズ・アセンブリ、通信ケーブル、機械的アクチュエータ(たとえばプル・ワイヤ)及び光ファイバ・ケーブルまたはその束が「濡れた」導管にさらされるようにすることは、内視鏡10の少なくとも一部分が使い捨て機器、すなわち医療処置での使用の後の使い捨て、となされるならば、実現可能である。よって、導管内部のコンポーネントを充分に消毒する技術的な課題は、未然に防止される。
【0064】
内視鏡10のいくつかのコンポーネント、特にハンドル部分12内に置かれる電子コンポーネントは、好ましくは乾燥状態に保たれる。挿入部分14の導管157とハンドル12の内部の間のバルクヘッドまたはバリア要素159は、ハンドル12から挿入部分14の導管157(図10Aに分割ライン155により示され、通り抜けコンポーネントとして参照される)へのコンポーネントの通過を可能とし、一方、導管157からハンドル12の内部空間への液体の浸入を抑止する。バリア159は、上記に説明した有用コンポーネントなどの通り抜けコンポーネント155がハンドル12から挿入部分14の導管157へ通り抜ける通路(穴、スリット等)を備える。通路は、通り抜けコンポーネント155の外表面の周囲に比較的きついフィットを提供するように形成される。いくつかの実施形態では、エラストマ・ガスケット、Oリングまたは他の類似の要素でさらに挿入部分14の導管157からハンドル12の内部空間へ液体が浸入するのを抑止するのを補助する。バリア159は、ハンドル12と挿入部分14の近位端の間の結合領域を分割する壁を備える。結合領域は、導管157が導管157に外部液体との接続を提供する導管ポートに接続するエリアの近くにある。バリア159は、代替としてブロックを備え、そのブロックを通じて、経路選定チャネルは、ブロックの第1の側部で導管157と通じているユーティリティ穴を、ブロックの第1の側部の反対側の第2の側部の、または、ブロックの第3の側部(いくつかの実施形態では、ブロックの第1の側部におおよそ直交している)の少なくとも1つの機構(たとえば導管ポート)に接続する。ハンドル12からのケーブル、リボン、ワイヤ、プッシュ・ロッドまたは他のコンポーネントの通路は、ブロックの第1の側部の反対側の第2の側部に形成されてもよく、ブロックのユーティリティ穴と整列されてもよい。導管157は、道具のハンドル12に接続されまたは取り付けられる鞘(図17の内側鞘312のような)から形成されてもよい。いくつかの実施形態では、ハンドル12と挿入部分14の鞘の間の通り抜けバリア159は鞘マウントを備え、鞘マウントは、ハンドル12の近位で端緒の近くで挿入部分14の鞘を支持し、鞘をハンドル12に取り付けまたは接続する働きをする。いくつかの実施形態では、挿入部分14は、内部に鞘が位置するカニューレを備える。カニューレは、切断機構を介してハンドル12に取り付けられ、ハンドル12と鞘を含む内視鏡10が現場から撤去される一方、カニューレを元の位置に留まらせることができる。
【0065】
ここで図10Bを参照すると、いくつかの実施形態では、バリア159は、可撓性またはエラストマー性の部材153を含むことができる。1つ以上の通過部品155は、障壁159の可撓性部材153を通って挿入部14の導管157まで延在することができる。
いくつかの実施形態では、可撓性部材153内の通過部品155の入口点及び出口点の一方または両方が、シーリング部材または薬剤151でシールされてもよい。シーリング部材または薬剤151は、導管157とハンドル12との間の流体の流れを防止することができる。シーリング部材または薬剤151はまた、可撓性部材153の入口及び/または出口点に対して移動することが防止されるように、通過部品155を保持してもよい。たとえば、接着剤、エポキシ、または他の接着剤のような、任意の適切なシーリング部材または薬剤151を使用することができる。他の実施形態では、通り抜け構成要素は、可撓性部材153に溶媒結合、熱結合などされてもよい。さらに他の実施形態では、可撓性部材153は、通過構成要素155と可撓性部材153との間にシールが形成されるように、製造中に通過構成要素155の周りの定位置に形成されてもよい。
【0066】
通過部品155が移動すると(たとえば、カメラ・アセンブリの回転のためにプル・ワイヤを作動させると)、可撓性部材153は、通過部品155が固定されるので、シーリング部材または薬剤151により可撓性部材153に接触する。したがって、導管157からのハンドルへの流体の進入または漏出は、通過構成要素155を前後に移動させながら、実質的にまたは完全に抑制することができる。固定位置に留まり且つ変位しない通過構成要素155は、可撓性部材153を必ずしも通過する必要はない。その代わりに、これらの構成要素は、可撓性部材153に連結されていてもいなくてもよい障壁159の剛性部分を通過することができる。可撓性部材153は、たとえば、エラストマー部材、可撓性膜、脆弱壁、蛇腹状配列、ダイアフラムなどから構成することができる。
【0067】
図10Aに関連して説明されたバリア159が、図11Aに示され、内側鞘マウント160と称することもできる。図示されるように、内側鞘マウント160は、遠位部分161aと近位部分161bを含み、それらは図11Aでは互いに分離されて内側鞘マウント160の内部を見せている。図示されるように、遠位部分161aは、遠位部分161aの両側にノッチ162を含む。図11Aの例示的実施形態で図示されるように、遠位部分161aの内部面164(組み立てられたとき)の一部分は、窪んでいる。洗浄または吸引経路選定チャネル166は、また内側鞘マウント160の遠位部分161a内に奥まって置かれる。図示されるように、洗浄経路選定チャネル166は窪んだ面164内に位置する。洗浄経路選定チャネル166は、第1端でユティリティ穴168と連通する。例示の実施形態では、ユティリティ穴168は、実質的に遠位部分161aの中央の近く、窪んだ面164内に位置する(しかし、他の実施形態では、ユティリティ穴168は中央にはならない)。
【0068】
内側鞘マウント160の近位部分161bはまた、遠位部分161a内にへこんだノッチ162と同様に、左右の側部にノッチ170を含む。ノッチ170は近位部分161b中に延在してもよい。内側鞘マウント160のノッチ162とノッチ170は、ハンドル遠位部分30の突起を受け入れる大きさになされ、ハンドル遠位部分30の突起は、内視鏡10が完全に組み立てられたときに内側鞘マウント160を所定の位置に保つのに役立つ。
【0069】
近位部分161bはまた、内部面(組み立てられたとき)の隆起部172を含んでもよい。図示されるように、隆起部172は、遠位部分161aの窪んだ面164と同じような外寸法である。組み立てられると、隆起部172は窪んだ面164に押し込まれ、遠位部分161aと近位部分161bを一体に連結する。いくつかの実施形態では、窪んだ面164と隆起部172の間に膠または他の適切な接着剤を用いて近位部分161bを遠位部分161aに固着する。このことはまた、2つのコンポーネント間の流体シールを生ずるのに役立つ。
【0070】
近位部分161bはいくつかの機構を含む。図示されるように、近位部分161bは、洗浄または吸引通路174を含む。洗浄または吸引通路174は、近位部分161bが遠位部分161aと組み合わされたとき、洗浄経路選定チャネル166の第2の端部に整列するように位置する。内視鏡10の使用中は、洗浄または吸引された流体は、洗浄経路選定チャネル166経由でユティリティ穴168と洗浄通路174の間を流れる。
【0071】
図11Aの例示の実施形態に図示されるように、内側鞘マウント160の近位部分161bは、鞘マウント・スリット176を含む。図示されるように、鞘マウント・スリット176は、水平方向を向いており(図11Aに示す向きを参照する)、内側鞘マウント160の近位部分161bに、ユティリティ穴168とおおよそ整列して位置する。鞘マウント・スリット176は、別の実施形態では、違った向きを向く。図11Aの例示の実施形態では、鞘マウント・スリット176は、近位部分161bの内部面(組み立てられたとき)の面に実質的に直交する角度で、近位部分161b全体を通って延在する。
【0072】
内側鞘マウント160の近位部分161bはまた、いくつかの開口178を含んでもよい。図11Aの例示の実施形態では、開口178は、近位部分161b全体を通って延在する小径の穴であり、ハンドル内から内視鏡10の遠位端へのプル・ケーブル、プッシュ・ケーブルまたはワイヤを通すことができるように用いられる。近位部分161bはまた、光ファイバ通路179を含んでもよい。例示の実施形態では、開口178と光ファイバ通路179は、近位部分161bの内部面(組み立てられたとき)に直交するような角度とされる。別の実施形態では、開口178と光ファイバ通路179は別の角度とされ、または異なった直径を有する。図示されるように、開口178は、鞘マウント・スリット176の回りに配置される。内側鞘マウント160が完全に組み立てられると、鞘マウント・スリット176と開口178は、遠位部分161aのユティリティ穴168と整列する。
【0073】
別の実施形態では、バルクヘッド、通り抜けバリアまたは内側鞘マウント160のいくつかの機構の形状、位置、寸法等が異なる。通り抜けバリアまたは内側鞘マウント160は、追加の機構を含み、あるいは、ある機構を省略してもよい。いくつかの実施形態では、より沢山の、または、より少ない開口178がある。いくつかの実施形態では、開口178は、図11Aに示される空間配置に配置されなくてもよい。2つ以上の洗浄通路174があってもよい。いくつかの実施形態では、内側鞘マウント160は、ガスケットと一緒に用いられ、またはガスケットを含み、内視鏡のハンドル内の影響を受け易い領域に流体が浸入するのをさらに抑止する。
【0074】
ハンドル電子部分80(たとえば図7A参照)は、好適に過剰な量の流体の浸入を防止する密封された機械電子コンポーネントを包含するように構成されている。(少量の流体または湿気は、特に電気コンポーネントが抗湿気フィルムで被覆されているならば、内視鏡の適正な機械的または電気的操作を抑制する必要はない)。内視鏡シャフトまたは挿入シャフトハンドルの遠位端でカメラ・アセンブリの動きを制御する旋回制御構造及び作動ケーブルを収容するように構成されたハンドル遠位外側部分82(旋回制御ハウジング)は、内視鏡の操作への最小の影響でもって液体にさらされてもよい。したがって、ハンドル電子部分80とハンドル遠位外側部分82の間に液体シールを維持することの方がより重要である。図13及び図14に示すように、シール部材210のようなバルクヘッドまたは通り抜けバリアは、抜け出る前に内視鏡の遠位端から近位端へ通らなければならない電子フレキシブルケーブル、光ファイバ束及び他の構造回りのタイトシール(たとえば、エラストマのシール)を提供するように作られる。一方、図11A及び図14に示すように、内側鞘マウント160のような通り抜けバリアは、劣ったシールを許容し、特に旋回制御構造から内視鏡シャフトの遠位端へ通るプル・ワイヤまたはケーブルに適用するときに許容する。ハンドル遠位部分82へ浸入した液体は、たとえば図8に示す通路108のように、ハウジングの独立した部分に作られた少なくとも1つのドレーン穴通路を通ってハウジングを抜け出ることができる。
【0075】
別の実施形態では、ハンドル遠位部分または旋回制御ハウジング82と内視鏡のシャフトの間の通り抜けバリア159(図10B参照)は、旋回制御ハウジングから内視鏡シャフトの遠位端へ延在するプル・ケーブルまたは作動ケーブルの動きを許容する完全なシール構造を備える。たとえば、通り抜けバリアは、柔軟な(または柔らかい)ダイアフラム、ひだ付きのエラストマのダイアフラム、アコーディオン構造のゴム製保護カバー、ベローズ構造または他のハウジングの周囲に接続される変位可能なダイアフラムを備え、それらは、その中央近くでその中を通過する構造の周囲に液体タイトシールを形成し、それらの中央領域は、そこを通過する旋回制御ケーブルの自由な動きを許容するように前後に遠位及び近位に自由に動く。内視鏡のこの部分でのより完全なシールにより、旋回制御ハウジングとハンドル電子部分80の間の2次的シールの必要性を低減し、または無くすことができる。
【0076】
図11Bは、可撓性部材153を含むバルクヘッドまたは通り抜けバリア159の代替的実施形態を示す。図示のように、通り抜けバリア159は、剛性構造167と可撓性部材153とを含む。剛性部分または構造167は、可撓性部材153が取り付けられまたは融合されるフレームとして機能することができる。いくつかの実施形態では、二重成形プロセスを使用して、可撓性部材153と剛性部分または構造167を製造中に一緒に結合することができる剛性構造167は、ハンドル遠位部分30の協働する嵌合特徴部と嵌合するようなサイズにすることができる1つ以上の嵌合形状部173を含むことができる(たとえば図15参照)。いくつかの実施形態では、嵌合機構173とハンドル遠位部30の協働部分との相互作用(たとえば図15参照)は、通り抜けバリア159とハンドル遠位部分との間にシールを形成することができる(たとえば図15参照)。
【0077】
ここで図11Cも参照すると、このようなシールの形成を容易にするために、ガスケット部材163が通り抜けバリア159の周囲に含まれてもよい。このようなガスケット部材163は、通り抜けバリア159の外縁165(図11B)に沿って配置されてもよい。あるいは、二重成形プロセスを使用して、製造中にガスケット部材163を通り抜けバリア159に取り付けることができる。ガスケット部材163は、剛性構造体167を完全に取り囲むことができ、たとえば、メタプレン(Metaprene)(登録商標)のような圧縮性または弾性材料から形成することができる。
【0078】
依然として図11B及び図11Cを参照すると、可撓性部材153は多数の通過要素を含む。多数のオリフィス178が例示の可撓性部材153に含まれている。さらに、可撓性部材153は、任意の照明または光ファイバ通路179を含むことができる。このような照明通路179は、たとえば、照明が内視鏡シャフトの遠位端における1つ以上のLEDによって提供される実施形態であることは必要でない場合がある。さらに、スリットまたはスロット177を可撓性部材153に含めることができる。例示の実施形態では、スリット177は、可撓性部材153から硬質構造167を通って、通り抜けバリア159の縁部まで延びる。
【0079】
通り抜けバリア159内の通り抜け要素及び通路はまた、通り抜けバリア159の剛性フレーム構造167内に配置されてもよい。たとえば、固定要素または非変位要素に関連する通過要素または通路が、通り抜けバリア159の剛性構造167に配置されることが望ましいことがある。例示の実施形態では、剛性構造167を通る通路を与える剛性構造通路169が示されている。
【0080】
導管取付け部位またはポート256は、通り抜けバリア159に含まれてもよい。図示されているように、導管取付けポート256は、剛性構造167から突出しており、可撓性のチューブまたは導管がその上に固定され得る棘付きフィッテイングを選択的に含む。
導管取付け部位256は、通り抜けバリア159を通って延伸する内部管腔を含むことができる。図11Bに示す例示の実施形態においては、内部管腔は、流体を通り抜けバリア159の一方の側から他方に移すことができる灌注または吸引通路174である。
【0081】
ここで図11Dも参照すると、組み立てられたとき、様々な通り抜け構成要素155が、通り抜けバリア159のオリフィス178、通路179、及びスリット177を通過することができる。これらの通り抜け部品155が通り抜けバリア159内に配置されると、封止部材または薬剤151が、通り抜けバリア159内の通り抜け部品155の入口及び/または出口点の一方または両方に選択的に適用され得る。例示の実施形態では、シーリング部材または薬剤151は接着剤などの固定剤であるが、他の実施形態では任意の適切なシーリング部材または接着剤を使用することができる。シーリング部材または薬剤151は、通り抜けバリア159内の通り抜け要素を通る流体連通を防止することができる。さらに、可撓性部材153上に適用されるとき、可撓性部材153内のその入口及び出口点に対して変位しないように、部品155を通過して固定することができる。その結果、この場合、通り抜け部品155の変位は、可撓性部材153を前後に動かす。
【0082】
図12は、旋回制御構造100の実施形態の例示的分解組立図を示す。旋回制御構造100は、構造の旋回を制御する。その構造は、たとえば、挿入部分14(図3A参照)の遠位端のカメラ・アセンブリ350(図21参照)であってもよい。別の実施形態では、旋回制御構造100は、代替的にまたは追加で挿入部分14の柔軟な部分の曲げを制御するのに用いる。旋回制御構造100のいくつかの実施形態では、以下に開示する実施形態とは異なり、ギア装置、モータ、複数棒のリンク機構、ダイアル等を含む。
【0083】
図12の例示の旋回制御構造100は、分解組立図で示される。上記に詳述した指先接触98は、旋回制御構造100から分離されて示される。図示されるように、指先接触98の底面は、オプションとしていくつかのペグ突起180を含む。図12に示される例示の実施形態では、概して円筒形状の4つのペグ突起180がある(ペグ突起の数と形は異なっていてもよい)。追加で指先接触98は、指先接触98の下面に位置する指先接触スロット182を含んでもよい。
【0084】
指先接触98の下方には、旋回制御構造100の旋回部材184の例示の実施形態が示される。旋回制御構造100の旋回部材184の頂部は、スライダ186を含む。スライダ186の中央から、指先接触スロット182と結合するように配置された指先接触ポスト188が突き出る。オプションとして、指先接触ペグ穴190が、指先接触ポスト188の各側面に設けられる。指先接触98が旋回制御構造100に取り付けられると、指先接触スロット182はスライダ186上の指先接触ポスト188上で滑る。追加として、組み立てられると、指先接触98のペグ突起180があるならば、ペグ突起180は、スライダ186の指先接触ペグ穴190に位置してもよい。
【0085】
旋回制御構造100は、内視鏡の少なくとも1つの機構と相互作用して、旋回制御構造100を所望の方向にロックまたは保持する。図示されるように、旋回部材184のスライダ186の底面は、オプションとして少なくとも1つの留め棒または窪み要素192を含む。他の実施形態では、複数の留め棒192はスライダ186の底部に沿って配置され、ハンドル12の対向する隆起した機構または突起部94と係合するように配置される。
【0086】
留め棒または窪み要素192は、上述のハンドル隆起部32のスライドボタン窪み92の隆起した機構または突起部94(図7Aによく見える)と相互作用してもよい。旋回制御構造100がユーザにより移動されると、突起部94の間の空間は、スライダ186の留め棒192が「留めて置かれる」窪みとして作用する。このことは、ユーザが旋回制御構造100を所望の位置に動かしそれを離すと、旋回制御構造100のドリフトまたは動きを止めるのに役立つ。また、その道具の使用の間に旋回制御構造100が誤って移動させられないことを確実にするのにも役立つ。代替的実施形態においては、また図7Cに関連して上述したように、いくつかの実施形態においては、旋回制御構造100はアーム97を含んでもよく、これは留め棒または窪み要素192として働く。
【0087】
図示されるように、旋回制御構造100の旋回部材184は、曲がった内部シールド194を含む。内部シールド194は、スライダ186の下方で、そして組み立てられたときにハンドル・ハウジングの下に段になる。柱196が、内部シールド194の上面とスライダ186の底面との間の距離にわたされる。いくつかの実施形態では、留め棒192は内部シールド194の頂部に位置する。そのような実施形態では、上記の突起部94は、突起部94が内部シールド194に留め棒192用の窪みを形成するようにハンドル遠位部分30のハウジングの内部壁に位置する。上記の通り、このことにより、旋回制御構造100は所望の位置に「留め置かれる」。
【0088】
旋回アーム198は、内部シールド194の底面から延在する。例示の実施形態では、旋回アーム198は2つの機械的ケーブル連結点または穴202を含む。1つの穴202は、旋回シャフト204の一の側部に配され、第2の穴202は、旋回シャフト204の他の側部に配される。図示した実施形態では、スライダ186の前進の動きは、下の穴202に接続された機械的ケーブルを近位へ後退させ、スライダ186の後ろへの動きは、上の穴202に接続された機械的ケーブルを近位へ後退させる。ハンドルの近位端から遠位端へ光ファイバまたは電気ケーブルを比較的スムーズに通過させるために、旋回アーム198は、たとえば、旋回シャフト204にノッチを付けられ、通過しているケーブルが旋回シャフト204(または旋回シャフト204を囲む同心のスリーブやハブ)上に自由に置かれる。そのような配置により、横方向または鉛直方向に最小の動きの通路にすることができる。
【0089】
ここで図12及び図14を参照すると、旋回アーム198は、旋回領域200と旋回シャフト204を覆う横変位部分199を有するように構成される。よって、旋回シャフト204を覆うハブまたはスリーブは(組み立てられたとき)、通過するケーブル250が置かれる支持面としての機能を果たすものとして示される。旋回アーム198の下部は、旋回シャフト204のハブまたはスリーブの直下の位置から下方に延在する。いくつかの実施形態では、旋回アーム198の下部は、オプションとして旋回アーム198の上部と鉛直方向に整列し、ポイントまたは穴202に接続された機械的ケーブルも鉛直方向に整列する。別の実施形態では、少なくとも1つのケーブル(たとえばケーブル250)は、種々の他の方法により旋回シャフト204のハブ回りに(または通って)進み、その経路は旋回制御構造100の旋回アーム198によって邪魔されることが最も少ない。
【0090】
オプションとして、2次的通り抜けシールは、ハンドル遠位部分30のハウジングに浸入する液体とハンドル近位部分16のハウジングの間の追加のバリアを提供し、そこには電子部分80が収容される。そのシールは、光ファイバ束、電子ケーブル及び/または流体導管チューブなどであるが、これらには限定されないコンポーネントが通過する開口、穴またはスリットを含む。穴またはスリットは、これらのコンポーネントがシールを通過するときに、コンポーネントにぴったりとフィットする大きさとされる。一つの実施形態では、2次的通り抜けシールはゴムまたは他のエラストマ材から形成され、その液体シール特性を強化する。いくつかの実施形態においては、たとえば、可撓部材153を含む通り抜けバリア159を含むものは、2次的通り抜けシールを含まないことがある。このような実施形態においては、電子部品部分80及び延長ハンドル部分82が同一の容積または連結された容積である。
【0091】
図13は2次的シール、すなわちシール部材210、の例示の実施形態を示す。シール部材210は、図13に示すように、概略、長方形形状をしている。図13に示すように、シール部材210の一端は第1の形状(たとえば長方形)で、シール部材210の第2端は第2の形状(たとえば、丸くされた縁を有するか、丸くされる)である。このことには、組み立ての間にシール部材210が適切な向きで取り付けられることを確かにするという利点がある。シール部材210は、いくつかの開口を含む。例示の実施形態では、シール部材210は、光ファイバ束(たとえば、照明ファイバ)開口212、フレキシブルケーブル(すなわち、電子ケーブル)開口214及び流体チューブ(たとえば、洗浄ライン)開口216を含む。図13に示す例示の実施形態では、照明ファイバ・開口212、フレキシブルケーブル・開口214及び洗浄ライン・開口216は、シール部材210全体を通って延在する。照明ファイバ・開口212は、比較的小径であり、ファイバ束または光導体の直径にマッチする。フレキシブルケーブル・開口214は、電子フレキシブルケーブルの大きさと形状にマッチするスリットである。洗浄ライン・開口216は、円筒形で照明ファイバ・開口212の直径より大きな直径を有する。照明ファイバ・開口212、フレキシブルケーブル・開口214及び洗浄ライン・開口216は、シール部材210の正面(図13に関して)に実質的に直交する角度で、シール部材210を通って延在する。別の実施形態では、シール部材210の開口は、数、大きさ、形で異なってもよい。いくつかの実施形態では、シール部材210は、たとえばボタン90に配線するための付かの穴を含む。
【0092】
図13の例示の実施形態に図示されるように、シール部材210はまた、いくつかのガスケット・アーム218を含む。図13に示す例示の実施形態では、ガスケット・アーム218は、シール部材210の近くで、シール部材210の上面及び底面から突き出ている。図示されるように、ガスケット・アーム218が2つある。いくつかの実施形態では、ガスケット・アーム218はまっすぐでもよい。例示の実施形態では、ガスケット・アーム218は、ガスケット・アーム218をシール部材210から離れるように曲げる弓形部分で接続された2つの直線部分を含む。
【0093】
図14は、ハンドル遠位部分30の半分(30a)の例示の実施形態を示す。図示されるように、内側鞘マウント160、旋回制御構造100及びシール部材210は、ハンドル遠位部分30の図示した半分(30a)内に組み立てられて置かれる。フレキシブルケーブル250(たとえば、フレキシブル電子通信/電力カーブル)も示される。図14に示される例示の実施形態では、内側鞘マウント160の遠位部分161aは、鞘マウント・ハブ252を含む。鞘マウント・ハブ252は、ユティリティ穴168(図11A参照)と同じ軸に沿って遠位に延在する。例示の実施形態では、鞘マウント・ハブ252は中空で、実質的に円筒形である。オプションとして、鞘マウント・ハブ252の内径は、ユティリティ穴168の直径と概ね同じかわずかに大きくてもよい。例示の実施形態では、鞘マウント・ハブ252の外表面から上方に突き出る。鞘マウント・タブ254は、鞘マウント・ハブ252が突き出る挿入側部片160aの面の隣に位置する。鞘マウント・タブ254は、それが鞘マウント・ハブ252に取り付けられると鞘(たとえば、図17に示す内側鞘312)を適切に方向付けるのに役立ち、オプションとして鞘を鞘マウント・ハブ252と鞘マウント160に固定する固定具材としての機能も果たす。
【0094】
他の実施形態では、鞘マウント・タブ254は、鞘マウント・ハブ252の内面に配置される。このことは、鞘の導管直径の限定をなくして内側鞘マウント・ハブ252を鞘の内側に入れ込む必要性を未然に防止するので、好ましい。その結果、そのような導管を通る流速を速くすることができる。あるいは、いくつかの実施形態では鞘マウント・タブ254を含まなくてもよい。代替として、鞘は適切な固定具(不図示)で、方向付けされ鞘マウント・ハブ252に固定される。
【0095】
図示されるように、フレキシブルケーブル250は、内側鞘マウント160を通って延在する。フレキシブルケーブル250は、鞘マウント・ハブ252を通って内側鞘マウント160の遠位部分161a内へ通る。フレキシブルケーブル250はまた、近位部分161bの鞘マウント・スリット176を通るようにルート決めされる。
【0096】
内側鞘マウント160の近位部分161bは、流体導管接続位置またはポート256を含む。流体導管接続位置256は中空で、概略円筒状の突起で、内側鞘マウント160の近位部分161bからその頁の右方向に(図14に関連して)延びる。洗浄ライン434(図96参照)のチューブは、流体導管ポート256の外面の上を滑り、オプションとして設置されたチューブの部分を保持するのを助けるためにかえしを付けられる。図示されるように、流体導管ポート256の右側縁は、チューブ部分の流体導管ポート256への設置を容易にするような方法で面取りされる。さらに、図14に図示されるように、流体導管ポート256の近位端は、流体導管ポート256の表面の他の部分よりわずかに大きな直径となるようにテーパが付けられる。これは、かえしとして動作し、接続されると洗浄ライン434のチューブ(図96参照)が簡単には外れないことを確かにするのに役立つ。別の実施形態では、流体導管ポート256は、シール部材210の洗浄ライン・開口216に延在し、フィットする。すると、洗浄ライン434用のかえし付き部/接続位置は、シール部材210に置かれる。
【0097】
旋回制御構造100は、図14に図示されるように、ハンドル遠位部分30に旋回可能に連結される。図示されるように、旋回シャフト204は、旋回制御構造100の旋回アーム198の旋回シャフト穴200を通って延在する。ハンドル遠位部分30の反対側の壁まで挿入された旋回シャフト204(または周囲ハブ)の端部は、ハンドル遠位部分30の内壁から突き出る旋回ベアリング260に置かれる。完全に組み立てられると、旋回シャフト204の反対側の端部は、同様にハンドル遠位部分30の他の半分(30b)の内壁から突き出る旋回ベアリング260に位置する。
【0098】
図14に図示されるように、旋回制御構造100のスライダ186と内部シールド194は柱196により、ハンドル遠位部分30の壁厚よりわずかに大きな距離だけ互いにずらされる。柱196は、上述した旋回制御構造ノッチ96を通って延在する。スライダ186と内部シールド194の曲率は、スライダ186と内部シールド194が、ハンドル遠位部分30のハウジングの壁と干渉することなく、ユーザからの入力により前後に自由に動けるように、選ばれる。旋回制御構造ノッチ96の長さは、ユーザが旋回制御構造100への入力で創造した旋回移動量を決める。
【0099】
いくつかの実施形態では、旋回制御構造ノッチ96の壁は、柱196に対して摩擦力を引き起こす。このような実施形態では、摩擦力は、旋回制御構造100が所定の位置に「留め置かれる」ようにする。そのような実施形態では、旋回制御構造ノッチ96の壁は、ゴムまたは他のエラストマ材のような摩擦係数の大きな材料で作られる。そのような実施形態では、旋回制御構造100は、上述のような留め棒192や突起部94を含む必要はない。
【0100】
内視鏡10はまた、プル・ケーブルまたはワイヤ、ベルト、またはプッシュ・ロッドの形の機械的旋回アクチュエータを含んでもよい。アクチュエータは、内視鏡10のハンドルから挿入部分の遠位端の可動要素まで延在する細長い部材、固形物、編み込んだもの、または他のものでもよい。細長い部材は柔軟でも、実質的に剛直でもよい。細長い部材は、丸まっていても(ケーブルの例のように)、卵形でも、比較的平らでも、他の形状または断面でもよい。いくつかの実施形態では、アクチュエータはベルトであってもよい。
【0101】
シャフトまたは挿入部分の遠位端またはその近くにパン撮り可能なカメラまたはカメラ・マウントを有する内視鏡では、プル・ワイヤまたは プッシュ・ロッドを用いてパン撮り可能なカメラまたはカメラ・マウントを回転する。プル・ワイヤの実施形態では、カメラ回転用ケーブルは、ケーブル接続穴202に接続または連結され、またはケーブル接続穴202を通って輪になってもよい。いくつかの実施形態では、2本のカメラ回転用ケーブルが、それぞれのケーブル接続穴202に接続される。好適な実施形態では、1本のカメラ回転用ケーブルの両端は、それぞれのケーブル接続穴202に接続されて輪を作る。
あるいは、1本のカメラ回転用ケーブルは、その中間でケーブル接続穴202を通って輪にされ、そしてケーブルの両端は回転するカメラまたはカメラ・マウントの遠位で接続される。カメラ回転用ケーブルは、旋回アーム198のケーブル接続穴202から延在し、内側鞘マウント160の近位部分160bの少なくとも1つの開口178を通ってルート決めされる。カメラ回転用ケーブルは、ユティリティ穴168を通り、内側鞘に形成される導管を通り、オプションとして電子フレキシブルケーブル250及び/または光ファイバ束の長さ方向に沿って延在する。旋回制御構造100を旋回させることにより、ケーブル接続穴202の1つに接続されたカメラ回転用ケーブルは引っ張られ、他の接続穴202に接続されたケーブルは緩められる。1つのケーブル接続穴202に関連するカメラ回転用ケーブルを旋回点の片側に接続し、他のケーブル接続穴202に関連するカメラ回転用ケーブルを旋回点の反対側に接続することによって、旋回制御構造100を用いて内視鏡の挿入部分の旋回対象を遠位に選択的に回転させる。他の実施形態では、同様のケーブル機構を用いて挿入部分の柔軟な遠位部を曲げてもよい。
【0102】
いくつかの実施形態では、旋回制御構造100の旋回アーム198は、ギア装置を介して旋回させられる。そのような実施形態では、指先接触98、指先接触ポスト188(図12参照)、スライダ186、鉛直柱196、及び内部シールド194は必要ではない。
ハンドル遠位部分30に含まれるユーザ入力ギアの少なくとも一部は、高くなったハンドル部34から突き出る。ユーザ入力ギアは、ハンドル遠位部分30内に配置される旋回軸回りに回転する。この回転は、たとえば、ユーザの指や親指を介してユーザにより起動される。ユーザ入力ギアは、旋回制御構造100の旋回アーム198用の旋回シャフト204回りに配置される旋回シャフト・ギアとかみ合ってもよい。そのような実施形態では、ユーザ入力ギアが回転すると、旋回シャフト・ギアと旋回アーム198とが回転させられ、上述のように旋回アクチュエータ(たとえば、カメラ回転用、駆動用またはプル・ワイヤ)に作用する。いくつかの実施形態では、ユーザ入力ギアと旋回シャフト・ギアの間に1つまたはいくつかの中間ギアがあって、動きの精密さや人間工学的要求に適合するように所望のギア減速を提供する。
【0103】
他の実施形態では、旋回アーム198は、電動モータ(たとえば、ブラシレスモータ、ステッピングモータ、等)を介して回転するようになされてもよい。モータを介しての回転は、ボタン90などの少なくとも1つのユーザ入力手段により制御される。少なくとも1つのボタン90を含む実施形態では、ボタン90は、旋回アーム198の動きの速さと方向を制御する。
【0104】
いくつかの実施形態では、旋回シャフト204は、ハンドル遠位部分30の外側に突出する。そのような実施形態では、旋回シャフト204(または、覆っているハブまたはスリーブ)は、ユーザにより直接的に回転させられる。いくつかの実施形態では、ハンドル遠位部分30から突出する旋回シャフト204の部分は、ノブ、ダイアル、クランク等を含み、ユーザがノブ、ダイアル、クランク等をつかんで回すことにより簡単に旋回シャフト204を回転できる。
【0105】
図14に図示されるように、シール部材210は、ガスケット窪み270に配置される。ガスケット窪み270は、ガスケット・アーム窪み272を含む。上述のように、種々のコンポーネントがシール部材210を通り抜ける。図示されるように、ハンドル近位部分16に収容される電子部分80内のプリント基板430a(たとえば図96参照)に接続されるフレキシブルケーブル250は、シール部材210のフレキシブルケーブル・開口214を通り抜け、ハンドル遠位部分30及び鞘マウント160を通ってシール部材210を超えて延在し、最終的には内視鏡の挿入部分に遠位に延びる。洗浄ライン434(図96参照)及び光ファイバ束(たとえば、照明ファイバ364。図96参照)は、それぞれ洗浄ライン・開口216及び光ファイバ束開口212を通り抜け、フレキシブルケーブル250と同様にハンドル遠位部分30のハウジングを通って延在する。いくつかの実施形態においては、シール部材210は含まれなくてもよい。これに代えて、電子部品部分80はハンドル12の残りから仕切られなくてもよい。このような実施形態においては、包囲されたプリント回路基板431(たとえば図15参照)が製陶などの保護被覆または層内に被覆または被包される。シール部材210を含む実施形態においてはプリント回路基板(たとえば図15参照)が保護被覆または層内に依然として被包される。これに加えて、またはこれに代えて、内側鞘マウント160は図11B-Cに示されるものに類似した可撓部材153を含み、これは任意の通り抜け構成要素(たとえば、フレキシブルケーブル250、アクチュエータ/ケーブル、照明ファイバーなど)が内側鞘マウント160を通じて移動するにつれて、その周りをシールして移動させる。
【0106】
ガスケット窪み270の半分だけが図14に示される。ガスケット窪み270の別の半分は、ハンドル遠位部分30の図示される半分(たとえば30b。図8参照)ではなく、他のところに置かれてもよい。完全に組み立てられると、シール部材210は、ガスケット窪み270の2つの半分の間に捕捉される。完全に組み立てられると、シール部材210は、ハンドル遠位部分30に存在する液体がハンドル近位部分16に浸入することを抑止するのを確かなものにし、ハンドル近位部分16は電子部分80を備える電子コンポーネントを内包する。シール部材210は適切にしなやかな(たとえば、エラストマの)材料または他の適切なガスケット材料で作られ、ガスケット窪み270に押し込まれてタイトシールを確かなものにする。いくつかの実施形態では、シール部材210は、接着剤を用いて所定の場所に保持されてもよい。
【0107】
図15は、ハンドル遠位部分30の1つの半分(30a)の別の例示的な実施形態を示す。示されているように、通り抜けバリア159及び旋回制御構造100が組み立てられ、ハンドル遠位部分30の示された半分(30a)内に配置される。保護材料752に被包されたプリント回路基板のエンクロージャ431もまた、ハンドル遠位部分30の一部30a内の定位置に示されている。いくつかの実施形態では、突出部分430hは、リボンまたはフレキシブルケーブル250(たとえば、図14参照)であってもよい。プリント回路基板は、バルクヘッドまたは通り抜けバリア159を通過する1つまたは複数のリボンケーブルを介してシャフト14の遠位端の構成要素と通信することができる。これらのケーブルは、内視鏡シャフトの遠位端におけるセンサまたはカメラ・ハウジングの回転運動に適応するために、またはシャフト14がフレキシブルシャフトであるならば、その屈曲及び伸展に適応するように、バルクヘッドを通して若干前後に摺動する必要がある場合としない場合がある。代替的に、PCBは、通り抜けバリア159を介してシャフトまたは挿入部14内に延在するPCB自体の延長部430hを含むことができる。いくつかの特定の実施形態では、プリント回路基板及びその延長部430hは、図33.2及び33.3、または図67に関連して示され説明されたものと同様であってもよい。突出部430hの周囲にシール剤151が配置されている。通り抜けバリア159は、周辺ガスケット163を含むことができる(たとえば図11D参照)。通り抜けバリア159は、接着剤、エポキシ、のり、溶剤結合、圧入などを含むが、これに限定されない任意の数の方法でハンドル遠位部分30に結合することができる。
【0108】
図15の旋回制御構造100は、図12及び図14に示されるものに類似する。しかしながら、旋回制御構造100は、図7Cに関して上述した隆起部94と接触するアーム97を含むことができる。さらに、この特定の実施形態では、旋回制御構造100のピボットアーム198は、プル・ワイヤ取り付け穴202を含まない(たとえば図14参照)。
これに代えて、留め具203またはアイレット201を含む類似の構造物をピボットアーム198の一部として取り付けてもよく、ピボットアーム198の一部として設けてもよい。プル・ワイヤは、アイレット201を介してピボットアームに取り付けられてもよく、旋回制御構造100は、プル・ワイヤを作動させるために使用されてもよい。可撓性のシャフトまたは挿入部14を曲げたり、挿入部14内のカメラ・アセンブリを回転させたりすることができる。プル・ワイヤは、通り抜けバリア159の可撓性部材153を通過して、挿入部14内の構成要素を作動させることができる。
【0109】
図15に示すように、通り抜けバリア159は、ハンドル遠位部分30及び近位部分16内に収容された電子構成要素から挿入部分14を分離する唯一の障壁であってもよい。
シール部材210(たとえば図14参照)は含まれていなくてもよい。いくつかの実施形態では、電子機器部分80は、ハンドル12の他の部分から仕切られていなくてもよく、または流体的に隔離されていなくてもよい。図11Cに関して上述したように、いくつかの実施形態では、追加のシールを与えるために、通り抜けバリア159が周辺ガスケット部材163を含むことができる。
【0110】
図16は外側鞘またはカニューレ・マウント300の例示の実施形態を示す。図16A及び図16Bに示すように、外側鞘またはカニューレ318は、挿入部分の遠位端のコンポーネントに追加の保護を提供するのに、またはユーザが、カニューレ318を元の位置にしつつ、内視鏡の挿入部分を引き抜くのに用いられ、後に内視鏡の挿入部分に再度挿入できるようにする。図示されるように、カニューレ・マウント300は円錐台形状を有し、内側鞘312(たとえば図17参照)上にカニューレ318を取り付けるコネクタ(たとえば、バヨネット・マウント)を形成する大きな直径部分を近位に伴う。カニューレ・マウント穴302は、カニューレ・マウント300を通って延在し、カニューレ通路と同化する。カニューレまたは外側鞘マウント穴302は、カニューレ318を受け入れて保持するように構成される。カニューレ318は、挿入部分の内側鞘312上のスリーブとして動作するように構成されてもよい。
【0111】
図示されるように、バヨネット・マウントのメス部304は、2つのスロット306を含む。スロット306はオプションとして異なった寸法を有し、ハンドル遠位部分30の遠位部分の組み合わされる(オスの)コネクタに関してカニューレ318の適切な方向を確かにする。いくつかの実施形態では、バヨネット・マウントのメス部304のスロット306はセリフを含み、セリフへバヨネット・マウントのオス部308がたとえば皿バネ座金を用いてバネ荷重を掛けられる。そのような実施形態では、バネ荷重を掛けられた接続は、2つの部品(カニューレ318とハンドル遠位部分30)がよりしっかりと一体に固定されることを確かにするのに役立つ。
【0112】
いくつかの実施形態では、カニューレ・マウント300に整列機構が含まれ、それは、組み立ての間にカニューレ・マウント300に対しカニューレ318を適切に方向付けるためで、最終的には挿入部分の内側鞘312上に設置されるときに内側鞘312(たとえば図17参照)に対し方向付けるためである。図16の例示の実施形態では、外側鞘マウント・タブ310は、外側鞘マウント穴302の内壁から突き出る。外側鞘マウント・タブ310は、バヨネット・マウントのメス部304の遠位面から延び、組み立ての間の結合スロットを有するカニューレ318にバヨネット・マウント300を整列するのに用いられる。あるいは、そのような機構の必要性は、外側鞘またはカニューレ318とカニューレ・マウント300を適切な固定具で連結することにより、取り除かれる。
【0113】
図17は、ハンドル遠位部分30の遠位の面の例示の実施形態の部分切欠き図を示す。
内側鞘312は、側鞘マウント160の鞘マウント・ハブ252に取り付けられる。内側鞘312は、鞘マウント・ノッチ314を含む。内側鞘マウント・ノッチ314は、鞘マウント・ハブ252上の鞘マウント・タブ254を受け入れる寸法とされる。そのような実施形態では、鞘マウント・タブ254と内側鞘マウント・ノッチ314は、内側鞘312が内視鏡10上で正しく方向付けられるのを確実にする。
【0114】
内側鞘312(及び/または外側鞘またはカニューレ318。図16参照)は、スチール、いくつかの硬化プラスチック、または他の剛直で耐久性のある材料から形成されてもよい。あるいは、内側鞘312またはその一部は柔軟であってもよく、目的領域の視線上ではない領域に挿入する必要があると、内視鏡の挿入部分を曲げられるようにする。これらの実施形態では、ユーザは外側鞘またはカニューレ318の使用なしで済ませ、あるいは、カニューレ318自身は、同様に柔軟な材料で作られてもよい。
【0115】
バヨネット・マウントのオス部308もまた、図17に示される例示の実施形態で見える。バヨネット・マウントのオス部308は、2つの突起物316を含む。突起物316は、ここで図16も参照すると、バヨネット・マウントのメス部304のL字型スロット306の足に適合する大きさとされる。外側鞘318とカニューレ・マウント300は、突起物316をスロット306に整列させ、バヨネット・マウントを突起物316上で押し、それからバヨネット・マウントを回して所定位置に固定することにより、ハンドル遠位部分30に連結される。図示されるように、オプションとして、2つの突起物316は、外側鞘マウント300がハンドル遠位部分30に連結されたときに1つの方向だけを有するように、異なった寸法とされてもよい。
【0116】
さらにここで、図16図17の両方を参照して、外側鞘またはカニューレ318は、内側鞘312上に滑り、スリーブを形成する。外側鞘318の内径は、内側鞘312の外径より僅かだけ大きく、確実にぴったりとフィットする。外側鞘318は、外側鞘ノッチ320を含んでもよい。外側鞘ノッチ320は、内視鏡が完全に組み立てられたときに外側鞘マウント・タブ310を受け入れる寸法とされる。いくつかの実施形態では、外側鞘318は、外側鞘マウント穴302を囲む壁に、摩擦嵌め、接着あるいは融合または貼り付けられる。外側鞘マウント・タブ310は、内視鏡10が完全に組み立てられたときに外側鞘318が確実に正しい方向となることを補助する。
【0117】
内視鏡10のシャフトまたは挿入部分14(図3参照)が目的領域に挿入されたときに、外側鞘318と外側鞘マウント300は、上述のように内視鏡10の他の部分から取り外される。このことにより、外側鞘318をカニューレとして使用でき、内視鏡10を目的領域に再度挿入できるように元の位置にとどまらせる。
【0118】
図17Aに示されるのは、外側鞘318との使用に適合したトロカールまたはオブチュレータ319である。手術部位への内視鏡の導入の間、トロカールを外側鞘318に挿入して、外側鞘318の所望の位置への進入を容易にし、その後、トロカールを引き抜くことができ、シャフト14の内側鞘312が挿入される。シャフト14が手術中に手術部位内で実質的に再配置する必要がある場合、内視鏡シャフト14は、外側鞘318を適所に保ちながら患者から引き抜くことができ、トロカールを外側鞘318に導入することができ、トロカール/外側鞘アセンブリは、必要に応じて再配置することができる。適切な位置に来ると、トロカールを外側鞘318から引き抜くことができ、内側鞘312を有する内視鏡シャフトを外側鞘318に再挿入することができる。図示された例では、トロカール319は、尖ったまたは鈍端の端部323を有する中実の軸部321と、基部325とを含む。基部325には、内視鏡ハンドルの遠位ハンドル部分30のものと一致する係止マウントがオプションで装備されているので、使用時にトロカールを外側鞘318に固定することができる。必要に応じて、外側鞘またはカニューレ318は、他の器具がそれを通って目的位置に導く導管として使用できる。外側鞘318はまた、液体が目的位置に導きまたはそこから引き抜く導管として機能することができる。
【0119】
カメラ・アセンブリ・ハウジング330または遠位作業部分は、内側鞘312の遠位端から分離されて、図18に示される。この実施形態では、内視鏡の挿入部分の遠位作業部分は、内側鞘312から分離されて作られ、その後に組み立ての間に内側鞘312の遠位端と結合される。他の実施形態では、内側鞘312は、遠位作業部分を組み込んで1つの部品として作られる。遠位作業部分が別に作られる実施形態では、遠位作業部分は、内側鞘312とは異なった素材から作られてもよい。さらに、遠位作業部分は、いくつかの組み立てられるパーツから作られてもよい。
【0120】
図18の例示の実施形態では、内側鞘312の遠位縁は、内側鞘遠位ノッチ322を含む。カメラ・アセンブリ・ハウジング330は、内視鏡10の組み立ての間、内側鞘312の遠位端に挿入されるのに適した形状とされ、適した外径を有する入れ子部332を含む。入れ子部332は、入れ子部タブ334または他の整列機構を含む。入れ子部タブ334は、内視鏡10が組み立てられたときに内側鞘遠位ノッチ322に結合するような寸法とされる。入れ子部タブ334と内側鞘遠位ノッチ322は、内視鏡10が組み立てられたときに確実にカメラ・アセンブリ・ハウジング330を適切に方向付けされ、整列させるのを補助する。
【0121】
カメラ・アセンブリ・ハウジング330は、さらに作動部336を含む。図示されるように、図18の作動部336は、底部空隙340を有しまたは有さずに、頂部空隙338を含む。頂部空隙338と底部空隙340は、カメラ・アセンブリ・マウント330の作動部336の大部分に沿って延在する。丸まった先端342は、カメラ・アセンブリ・マウント330の作動部336の遠位端に含まれる。図示されるように、丸まった先端342は、オプションとして、朝顔形の開口344を含む。朝顔形の開口344の縁は、斜めにされ、面取りされ、または丸められてもよい。例示の実施形態では、朝顔形の開口344は、頂部空隙338と連続している。いくつかの実施形態では、頂部空隙338と底部空隙340も同様に朝顔形とされる。
【0122】
図18に示されるような丸まった先端342は、いくつかの利点をもたらす。丸まった先端342は、挿入部分14を患者の目的領域への挿入を容易にする。いくつかの場合には、このことは、トロカールの必要性をなくす。関節鏡での用途では、丸まった先端342の輪郭により、内視鏡10を関節内の狭い空間に操作することができる。丸まった先端342により、さらに執刀医が目的領域内の組織に傷付けないように圧力を掛けることができる。丸まった先端342はまた、カメラ・アセンブリ350用の保護機構としての機能を果たす。
【0123】
図18に図示されるように、カメラ・アセンブリ・ハウジング330の作動部336の内部壁は、2つのカメラ・マウント旋回ベアリング346を含む。図18に示される例示の実施形態では、カメラ旋回ベアリング346は、カメラ・アセンブリ・マウント330の内側の壁から実質的に直交して突き出る。カメラ・アセンブリ・ハウジング330は、スチール、いくつかの硬化プラスチック、または、他の適切な強くて剛直な素材で作られる。
【0124】
図18に示される例示の実施形態では、カメラ・アセンブリ・ハウジング330の作動部336の内部壁は、いくつかのケーブル案内穴348を含む。好適な実施形態には、2つのケーブル案内穴348だけがある。1つのケーブル案内穴348は1つの側部壁に位置し、もう1つのケーブル案内穴348は反対側の側部壁に位置する。好ましくは、ケーブル案内穴348はカメラ・マウント旋回ベアリング346の下方に配置され、制御ケーブルの遠位端は、それが接続されるカメラ、カメラ・マウントあるいはカメラ・アセンブリ350(たとえば図23参照)に対して角度をなす。カメラ・アセンブリ・ハウジング330はまた、1つまたはいくつかの拘束機構を含む。図16に示される例示の実施形態では、2つの拘束ノッチ349がある。1つの拘束ノッチ349は1つの側部壁に位置し、他の拘束ノッチ349は反対側の側部壁に位置する。図16に図示されるように、拘束ノッチ349は、概略ケーブル案内穴348と直線になる。ケーブル案内穴348と拘束ノッチ349について、以下にさらに説明する。
【0125】
図19は、一部品として作られた遠位作業部分または カメラ・アセンブリ・ハウジング330と内側鞘312の実施形態を描写する。図20も参照すると、図19におけるカメラ・アセンブリ・ハウジング330の線20-20から見た断面が示される。遠位作業部分またはカメラ・アセンブリ・ハウジング330と内側鞘312が一部品として作られた実施形態では、それらはスチールから作られる。そのような場合、内側鞘312とカメラ・アセンブリ・ハウジング330の先端は、圧延工程を経て作られる。種々の空隙、開口及び、たとえば上記に説明した他の機構が、その部分に後で加工される。図19の例示の実施形態では、カメラ・アセンブリ・ハウジング330は、カメラ・マウント旋回ベアリング346だけを含む。
【0126】
内側鞘312とカメラ・アセンブリ・ハウジング330を一部品として作ることには利点がある。利点の中でも、その部分が丈夫なことが挙げられる。もう一つの利点は、入れ子部の必要性がなくなることである。結果として、内側鞘312とカメラ・アセンブリ・ハウジング33の交点における断面部分で「狭まった点」が取り除かれる。このことによりいくつかの利益が得られる。そのような狭まった点を取り除くことにより、内側鞘312やカメラ・アセンブリ・ハウジング330内の有用コンポーネントのような種々のコンポーネントに、より広いスペースを与えることができる。さらに、そのような狭まった点を取り除くことにより、内側鞘312やカメラ・アセンブリ・ハウジング330内に、より多くの洗浄液を流すことができる。代替または追加として、内側鞘312とカメラ・アセンブリ・ハウジング330の全体的な直径を減ずることができる。内側鞘312とカメラ・アセンブリ・ハウジング330とを厚くすることもできる。このことにより、その部分を強化できる。厚くすることはその部分を強化することになるので、外側鞘またはカニューレ318を薄くすることができる。外側鞘またはカニューレ318が薄いということは、次に内側鞘312とカメラ・アセンブリ・ハウジング330の直径を大きくできる。
すなわち、挿入部分14(外側鞘318、内側鞘312とカメラ・アセンブリ・ハウジング330で構成される)の全体的な直径を増大することなく、挿入部分14内の導管の断面積を大きくできる。厚くすることはさらに、カメラ・マウント旋回ベアリング346が大きな支持面を有するようにし、ベアリングに作用する圧力を広い面積に分散する。
【0127】
図21は、挿入部分14(図3Aで最もよく示される)の先端の組立図である。図21では、カメラ・アセンブリ・ハウジング330、カメラ・アセンブリ350、及び外側鞘またはカニューレ318が見える。図示されるように、カメラ・アセンブリ・ハウジング330の丸まった先端342は、外側鞘またはカニューレ318の遠位端を越えて突き出る。視覚ノッチ352は、外側鞘318の頂部にへこむ。カメラ・アセンブリ350は、朝顔形の開口344と視覚ノッチ352との組み合わせにより作られる開口で画定される視野範囲にわたってパン撮りする。いくつかの実施形態では、パン撮りできる範囲は約180°である。パン撮りするとき、カメラ・アセンブリ350はカメラ旋回ベアリング346(たとえば図18参照)上で旋回する。パン撮りする駆動については、以下にさらに説明する。
【0128】
いくつかの実施形態では、外側鞘318は、内視鏡10の挿入部分14(図3参照)が目的領域に挿入されているとき、挿入位置(不図示)に対して回転する。挿入位置では、視覚ノッチ352は、朝顔形の開口344や頂部空隙338と整列していなくてもよい。
このことは、挿入中にカメラ・アセンブリ350を保護するのに役立ち、医学的用途では、挿入部分14の挿入における組織の損傷のリスクを低減する。挿入後は、外側鞘318は、視覚ノッチ352が回転して、朝顔形の開口344や頂部空隙338と整列する位置に戻り、視野範囲全体が再び見られるようになる。
【0129】
いくつかの実施形態では、キャップまたは窓材料が、視覚ノッチ352と朝顔形の開口344を画定する開口を覆い、または置かれ、カメラ・アセンブリ350を保護する。いくつかの実施形態では、外側鞘318の遠位縁と視覚ノッチ352が、取り囲まれ、丸くされ、斜めにされるなどして、鋭利な縁を有することから生じる損傷を防止する。
【0130】
例示の実施形態では、キャップや窓は用いられていない。そのような配置は、いくつかの利点を有する。たとえば、挿入部分14の先端にキャップや窓を用いないことにより、サファイアや特殊ガラスのような高価で傷や摩耗に強い材料を使わないので、内視鏡のコストを下げられる。またキャップや窓を有していないことで、カメラにより撮像された画像の鮮明さに影響する、キャップや窓の表面からの好ましくない反射をなくすことができる。さらに、キャップや窓を用いないことにより、目標領域の洗浄を、内視鏡10の内側鞘312(図15参照)の導管を通じて遂行できる。このことにより、洗浄能力を維持しつつ、挿入部分14の全体直径を小さく保つことができる。さらに、内側鞘312の洗浄液の流れは、カメラ・アセンブリ350及び付随するレンズから破片または物質を除去しきれいにするのに役立つ。一例として、ユーザは、洗浄液の流れがカメラ・アセンブリ350のレンズ・アセンブリ354(たとえば図24参照)を洗い、破片や不要な物質を運び去るように洗浄中にカメラ・アセンブリ350をパンすることにより、効果的にカメラ・アセンブリ350を洗浄できる。追加の利点としては、洗浄液の流れは、カメラ・アセンブリ350に関連するイメージ・センサ380(たとえば図63参照)を冷却するのにも役立つ。
【0131】
図示されるように、朝顔形の開口344と視覚ノッチ352は、キャップや窓の必要性なしでカメラ・アセンブリ350を保護するような大きさとされる。図21の例示の実施形態では、朝顔形の開口344と視覚ノッチ352は、カメラ・アセンブリ350を部分的に覆い、カメラ・アセンブリ350は朝顔形の開口344と視覚ノッチ352により形成された外面からへこむ。よって、朝顔形の開口344と視覚ノッチ352は、カメラ・アセンブリ350の保護具の縁を画定する。部分的な覆いは、挿入部分を目的領域に挿入する間または目的領域に挿入された道具を使う間のいずれかに、カメラ・アセンブリ350の可動コンポーネントと付属するコンポーネント(たとえば、制御ケーブル、電気ケーブル、情報ケーブルなど)を外部物体との接触から保護するのに役立つ。朝顔形の開口344と視覚ノッチ352は、カメラ・アセンブリ350の小さな部分だけを挿入部分に対し外側の物体(たとえば剃刀などの医療器具)からの損傷の可能性にさらしつつ、カメラ・アセンブリ350に制限されない視野を提供する。このことは、挿入中または作動中にカメラ・アセンブリ350が損傷を確実に受けないようにするのに役立つ。
【0132】
カメラ・アセンブリ350が回転すると、カメラ・アセンブリ350と外側鞘318間の距離が変化する。その結果として、カメラ・アセンブリ350の視野に入りこむ外側鞘318の量もまた変化する。カメラ・アセンブリ350から外側鞘318への距離が大きくなるほど、カメラ・アセンブリ350の視野に入る外側鞘318の量が大きくなる。よって、カメラ・アセンブリ350に制限されない視野を与えられる、保護の最適な量は、視覚ノッチ352の幅を変化させることで達成される。
【0133】
図22は、視覚ノッチ352が変化する幅を有する挿入部分14(図3Aで最もよく示される)の先端の別の組立図である。視覚ノッチ352の幅は、視覚ノッチ352が、カメラ・アセンブリ350のどの角度方向においても、カメラ・アセンブリ350の視野のすぐ外側にあるように変化する。このことにより、外側鞘318によるカメラ・アセンブリ350の包囲をより大きな程度にできる。
【0134】
図23は、バー351で分離されたいくつかの開口353が、図20に示されるような視覚ノッチ352の代わりに含まれる挿入部分14(図3Aで最もよく示される)の先端のさらに別の実施形態を示す。このような配置によれば、カメラ・アセンブリ350に追加の保護を提供できる。バー351がカメラ・アセンブリ350の視野を妨げる量を最小化するために、バー351は透明な材料で作られる。他の実施形態では、バー351は、たとえば外側鞘318と同じ材料の不透明材料で作られてもよい。
【0135】
あるいは、視覚ノッチ352(図22参照)または少なくとも1つの開口353(図23参照)を部分的に覆うカバー部材(不図示)をシャフトまたは挿入部分14の遠位先端(たとえば図1参照)に取り付けてもよい。そのようなカバー部材は、たとえば、カメラ・アセンブリ350に追加の保護を提供しつつカメラ・アセンブリ350に本質的に鮮明な視野を与えられるケージであってもよい。いくつかの実施形態では、カバー部材は視覚的に透明な部分カバーを含む。
【0136】
別の実施形態では、カメラ・アセンブリは、保護先端構造342を伴わずに、内視鏡シャフトの遠位端に取り付けてもよい。先端構造342は、カメラ・アセンブリに幾分の保護を提供することができるが、その動きの範囲内のすべての位置において、カメラの全視野を抑制することもできる。別の構成の例を図23.1に示す。この例では、センサまたはカメラ・ハウジング500自体が、密閉されたカメラ・アセンブリ(たとえば、レンズ及びセンサ・アセンブリ)に対して適切な保護を与えるように構成される。たとえば、カメラ・ハウジング500は、少なくとも部分的に、鋼または同様に強い材料から構成されてもよく、内視鏡の挿入端が導入または再配置されるときに、少なくともハウジングの外殻を物理的な乱用に耐えるように構成することができる。ハウジング500の露出部分は、好ましくは、内視鏡シャフトが手術部位内で挿入または移動される際の組織への損傷を防ぐのに役立つ丸いエッジを与えるように、外側球状、回転楕円体(扁平、長楕円形など)またはドーム形状、または他の丸い形状を有する。内視鏡シャフト14の遠位端または先端550において、補強されて少なくとも部分的に丸みを帯びたハウジング500にカメラ・アセンブリを配置することは、手術部位の多くの部分に、遮られることのない視野を与え、カメラ・アセンブリまたはその近傍の組織を損傷させることがない。この例では、センサまたはカメラ・ハウジング500は軸504の周りにプル・ワイヤ502、ケーブルまたはバンドを用いて回転させることができるので、カメラ・アセンブリ(レンズ及びセンサ・アセンブリ)の光軸が内視鏡シャフト14の遠位端550の長軸に対して0度未満から90度より多くの方向へ向けることができる。センサまたはカメラ・アセンブリが広い視野を有するように構成されている場合、カメラ・ハウジングの動きの範囲は、内視鏡シャフトの遠位端または挿入端における長軸に対して約35度と約115度との間の光軸移動範囲である。この構成では、操作者は、内視鏡シャフトの遠位端の真正面に依然として手術部位を見ることができるが、内視鏡の先端の後ろの手術部位の領域を見ることができる。この配置はまた、オペレータがカメラ・アセンブリの表面を洗浄して、90度以上の位置にそれを回転させることによって蓄積された表面堆積物を除去することを可能にする。
【0137】
カメラ・アセンブリ350は、図24に分離して示されている。この構成は、図23に示す挿入部またはシャフトにより適しており、なぜなら、図18図23に示される遠位内視鏡シャフトの作業端の丸い先端部342によって提供される物理的保護のためである。図示されるように、リボンまたはフレキシブルケーブル250は、カメラ・アセンブリ350に接続され、カメラ・アセンブリ350への、及び、からの電力とデータ通信経路を提供する。カメラ・アセンブリ350は、内視鏡10のカメラを支持するように構成されたいかなる構造であってもよい。カメラ・アセンブリ350がパンされる実施形態では、カメラ・アセンブリ350は、旋回アクチュエータ取り付け機構を含む。
【0138】
図示されるように、カメラ・アセンブリ350は、レンズ・アセンブリ354を含む。
図示されるように、レンズ・アセンブリ354は、カメラ・ハウジング頂部356とカメラ・ハウジング底部358の間の適切な位置に維持される。組み立てられると、カメラ・ハウジング頂部356とカメラ・ハウジング底部358は、膠、接着剤、超音波溶接、協働機構の圧力嵌め等のような、しかしこれらには限定されない、適切な手段で一体に連結される。図24の例示の実施形態では、レンズ・アセンブリ354は、カメラ・ハウジング頂部356のレンズ開口360を通って突き出で、目標解剖学的領域の鮮明な視野を有する。いくつかの実施形態では、レンズ・アセンブリ354の少なくとも一部は、カメラ・ハウジング頂部356に出っ張る。
【0139】
カメラ・ハウジング頂部356は、いくつかの他の空隙を含んでもよい。図24に示される例示の実施形態では、カメラ・ハウジング頂部356は、レンズ開口360の左右の(図24に関して)側面に配置された2つの細長い光投射空隙362を含み、その空隙362は光ファイバの端面要素(またはオプションとしてLEDなどの他の光源)を収容するようになされ、カメラレンズまたはレンズ・アセンブリ354に向けられた方向と一致する目的領域に光を放射する。図示の例では、右の細長い空隙362は台形形状で、左の細長い空隙362は平行四辺形形状である。別の実施形態では、空隙362の形状は異なってもよく、たとえば、両方とも卵形であってもよい。別の実施形態では、追加の空隙362があってもよい。たとえば、いくつかの実施形態では、レンズ開口360の回りに三角形形状に配置された3つの空隙362がある。いくつかの実施形態では、レンズ開口360の回りに長方形、正方形、円形または卵形形状に配置された4つの空隙362がある。
【0140】
内視鏡10用の1つまたは複数の照明源が、内視鏡10内に少なくとも部分的に含まれる。照明源は、パン撮り位置に無関係に、カメラ・アセンブリ350のカメラの視野を照らす。いくつかの実施形態では、照明源は、カメラ・アセンブリ350の中にある。図24の例示の実施形態では、照明源はいくつかの光ファイバ364で、内視鏡10の外部の照明要素(不図示)からの光を伝達する。光ファイバ364は、カメラ・ハウジング頂部356内の空隙362に導かれ、接続される。例示の実施形態では、28本の光ファイバ364が、カメラ・ハウジング頂部356の空隙362に導かれる。光ファイバ364の本数は、別の実施形態では異なる。光ファイバ364の発光端は、概略カメラ・ハウジング頂部356の上面と同一平面である。いくつかの実施形態では、たとえばLEDなどの他の照明源を用いてもよい。光ファイバ364または他の照明源は、所定の光放射角度で所望の色または強さの光を提供するように構成される。
【0141】
図示されるように、図24の例示の実施形態では、カメラ・アセンブリ350は、旋回ピン366を含む。旋回ピン366は、カメラ・アセンブリ・ハウジング330の旋回ピン・ベアリング346(図18参照)に旋回可能に接続される。旋回ピン366は、挿入部分の長手軸から実質的に直交方向に突き出る。旋回ピン366は、カメラ・アセンブリ350及び光ファイバ364(または他の照明源)が互いに協力して旋回できるようにする。
【0142】
カメラ・アセンブリ350はまた、上述したように、旋回アクチュエータ取り付け機構を含む。図24の例示の実施形態では、カメラ・アセンブリ350は、頂部ケーブル取り付け機構またはアンカー点372と底部ケーブル取り付け機構またはアンカー点374を含む。頂部ケーブル取り付け機構372と底部ケーブル取り付け機構374については、以下にさらに説明する。
【0143】
上述のように、内視鏡10は、旋回アクチュエータをも含む。旋回アクチュエータは、旋回取り付け機構を介してカメラ・アセンブリ350を引っ張りまたは押すのに用いられる細長い部材である。図示の例では、旋回アクチュエータは、普通はプル・ケーブルまたはワイヤであるが、これらの例は、旋回アクチュエータをケーブル状の構造に限定するものと解してはならない。細長い部材は、柔軟でも本質的に剛直であってもよい。細長い部材は、丸くても(ケーブルの例のように)、平らでも、あるいは、他の形状または断面を有していてもよい。いくつかの実施形態では、旋回アクチュエータは、摩擦係合または他の方法でベルトの内周の機構と係合する協働取り付け機構回りに導かれたベルトである。
好適な実施形態では、旋回アクチュエータを用いて引っ張り力だけを提供する。そのような配置では、旋回アクチュエータが充分に厚くまたは断面が強化されておらず、または、支持経路内に閉じ込められて旋回アクチュエータに対する押す力に応答しての挿入部分14内での実質的に横方向の変位を防止されるので、小径の挿入部分14(図3A参照)とすることができる。プル・ワイヤまたはプル・ケーブルの配置は、材料が圧縮剛性ではなく、引張強さを有していることだけが必要となるので、旋回アクチュエータを作るのに広い範囲の材料を用いることを可能にする。
【0144】
図25に図示されるように、カメラ回転用ケーブルは、旋回ピン366の上方及び下方で、カメラ・アセンブリ350に取り付けられる。例示の実施形態では、カメラ回転用ケーブルは、図解を簡単にするため、比較的緩んだ状態で示される。作動中は、旋回ピン366の片側の1本または複数本のカメラ回転用ケーブルは張られた状態で、旋回ピン366の他の側の1本または複数本のカメラ回転用ケーブルは緩んだ状態である。上述のように、またここで図14も参照すると、カメラ回転用ケーブルは、旋回制御構造100のケーブル接続穴202(図14参照)に近位に取り付けられる。いくつかの実施形態では、2本のカメラ回転用ケーブルがそれぞれのケーブル接続穴202に取り付けられる。カメラ回転用ケーブルは、旋回アーム198のケーブル接続穴202から延在し、内側鞘マウント160の近位部分161bの1つまたは複数の開口178(図11A参照)を通る。
するとカメラ回転用ケーブルは、フレキシブルケーブル250に沿ってユティリティ穴168を通って延在する。ケーブル接続穴202は、旋回アーム198の旋回点の反対側に位置するので、旋回制御構造100を旋回すると、ケーブル接続穴202の1つに接続されたカメラ回転用ケーブルは緩められ、もう一つのケーブル接続穴202に接続されたカメラ回転用ケーブルはピンと張った状態になる。1つのケーブル接続穴202に関連するカメラ回転用ケーブルを旋回ピン366の1つの側のカメラ・アセンブリ350に取り付け、他のケーブル接続穴202に関連するカメラ回転用ケーブルを旋回ピン366の反対側に接続することにより、旋回制御構造100を用いてカメラ・アセンブリ350を選択的に回転する。いくつかの実施形態では、旋回制御構造100を前部の方に押すと、カメラ・アセンブリ350を前方にパンし、旋回制御構造100を後部の方に引くと、カメラ・アセンブリ350を後方にパンする。いくつかの実施形態では、組み立てると、全てのカメラ回転用ケーブルはテンション状態になる。
【0145】
好適な実施形態では、1本だけのカメラ回転用ケーブルが、旋回制御構造100の旋回アーム198の各ケーブル接続穴202(図14参照)に取り付けられる。そのような実施形態では、上部カメラ回転用ケーブル368と底部カメラ回転用ケーブル370がある。上部カメラ回転用ケーブル368と底部カメラ回転用ケーブル370は、上述のように、カメラ・アセンブリ350まで延在する。上部カメラ回転用ケーブル368は、カメラ・アセンブリ350の頂部ケーブル取り付け機構372に巻き付き、その原点から旋回アーム198の同じケーブル接続穴202に戻る。底部カメラ回転用ケーブル370は、カメラ・アセンブリ350の底部ケーブル取り付け機構374に巻き付き、その願点から同じケーブル接続穴202に戻る。あるいは、カメラ回転用ケーブルは、取り付け穴202を覆って輪になり、ケーブルの両端が遠位にケーブル取り付け機構上で終端処理される。
【0146】
例示の実施形態では、頂部ケーブル取り付け機構372(図24に最もよく示される)は、カメラ・ハウジング頂部356に2つの穴を含む。頂部ケーブル取り付け機構372は、さらにその2つの穴に接続する窪みを含む。上部カメラ回転用ケーブル368は、その穴の1つに入り、窪みを通り、その2つの穴のもう一つを出て、ハンドルのケーブル接続穴202(図14参照)に戻る。底部ケーブル取り付け機構374(図24で最もよく示される)は、2つの連結点か、カメラ・ハウジング底部358の反対側に突き出る2つのフックを含む。底部ケーブル取り付け機構374は、頂部ケーブル取り付け機構372に対し旋回ピン366の反対側にある。底部カメラ回転用ケーブル370は、底部ケーブル取り付け機構374の1つの連結点またはフックに巻き付き、底部ケーブル取り付け機構374の2番目の連結点またはフックに張られ、そこからハンドルの旋回アーム198のケーブル接続穴202に戻る。別の実施形態では、頂部ケーブル取り付け機構372及び/または底部ケーブル取り付け機構374は、たとえば、アイレット、突起物、ペグ等を含む。
【0147】
上部カメラ回転用ケーブル368と底部カメラ回転用ケーブル370は、金属または合成樹脂、編み込んだものまたはモノフィラメントなど、いかなるケーブルまたはワイヤ状の素材から作られる。上部カメラ回転用ケーブル368と底部カメラ回転用ケーブル370は、たとえば、横方向に柔軟な金属またはプラスチックの細長い片またはバンドである。好適な実施形態では、上部カメラ回転用ケーブル368と底部カメラ回転用ケーブル370は、テンション状態での伸びに耐性がある材料から作られる。旋回アーム198のケーブル接続穴202(図14参照)からの1本のカメラ回転用ケーブルをカメラ・アセンブリ350の旋回アクチュエータ取り付け機構に巻き付けることは、好ましい。なぜなら、カメラ・アセンブリ350に及ぶ側のカメラ回転用ケーブルが、カメラ・アセンブリ350からの側のカメラ回転用ケーブルと同じテンションであることが、確実になるからである。時間経過または使用により生ずるケーブルのある部分の伸びは、ケーブルの両半分に等しい影響を有する。
【0148】
好適な実施形態では、上部カメラ回転用ケーブル368は、カメラ・アセンブリ・マウント330の各内部壁のケーブル案内穴348の1つを通って引かれる。図25に図示されるように、上部カメラ回転用ケーブル368は、ケーブル案内穴348の1つを通って進み、カメラ・アセンブリ・ハウジング330の外部に沿ってカメラ・アセンブリ350に向かって延在し続ける。いくつかの実施形態では、上部カメラ回転用ケーブル368によって取られる道筋に沿って窪みまたはカメラ・アセンブリ・ハウジング330の外部にへこむ溝がある。そのような実施形態では、窪みまたは溝は、ガイドとしての機能を果たしてもよい。窪みまたは溝はまた、上部カメラ回転用ケーブル368がカメラ・アセンブリ・ハウジング330の外表面とおおよそ同一面となることを確かにするのに役立つ。このことは、外側鞘318(図21参照)が、完全に組み立てられた内視鏡10の使用中にその動きが悪くなるように上部カメラ回転用ケーブル368にぶつかることがないことを確実にする。
【0149】
図25に図示されるように、上部カメラ回転用ケーブル368は、カメラ・アセンブリ・ハウジング330の内部に再度入り込むと、拘束ノッチ349を通って張られる。すると、上部カメラ回転用ケーブル368は、上述のように、頂部ケーブル取り付け機構372へと伸びる。ケーブル接続穴202(図14参照)に戻る際に、上部カメラ回転用ケーブル368は、頂部ケーブル取り付け機構372からカメラ・アセンブリ・ハウジング330の反対側の壁の拘束ノッチ349(図18参照)に伸びる。それから上部カメラ回転用ケーブル368は、カメラ・アセンブリ・ハウジング330の前面壁の外表面に沿って、オプションとして壁の窪みや溝に沿って、延びる。それから上部カメラ回転用ケーブル368は、カメラ・アセンブリ・ハウジング330の内部空間に再度入り込み、前述のように、ハンドルのケーブル接続穴202に戻る。
【0150】
挿入部分の遠位端での旋回アセンブリへの接続の近位の旋回アクチュエータ(たとえば、ワイヤやケーブル)の末端セグメントは、支点または支持点で拘束され、挿入部分またはシャフトの長手軸に対し角度をなすようにアクチュエータの方向を変える。たとえば、上部カメラ回転用ケーブル368をケーブル案内穴348及び拘束するまたは方向を変えるノッチ349を通って延びさせ、旋回ピン366の他の側の頂部ケーブル取り付け機構372に整列させることにより、旋回カメラ・アセンブリ350により広い旋回範囲を可能にする。よって、所定のまたは固定の角度視野を有するイメージ・センサは、回転し、回転する視野が可能となり、視野領域が180度までの範囲に増大する。他の実施形態では、イメージ・センサは、180度を超える視野領域を達成するように回転する。図25に図示されるように、上述のようにケーブルをルート付けすることは、ケーブルを連結点372に対しより鋭角な入射角に置き、よって、カメラ・アセンブリ350の大きな角度の後方回転を許容する。
【0151】
いくつかの実施形態では、ここで図26も参照すると、カメラ・アセンブリ350は、2セットのケーブル案内穴348、すなわち上部カメラ・ハウジング部分を制御するガイド穴348の下方のセットと底部カメラ・ハウジング部分を制御するガイド穴348の上方のセット、があるために、完全に180度またはそれ以上に回転することができる。カメラ・アセンブリ350が回転できる角度は、カメラ回転用ケーブルの末端部がカメラ回転用ケーブルの近位部または挿入部分(または内視鏡シャフト)14(図1参照)の長手軸に関してなす角度の関数である。カメラ回転用ケーブルの末端部がカメラ・アセンブリ・ハウジング330の外部に再度入るときに挿入部分14の長手軸に関してなす角度が大きくなればなるほど、カメラ・アセンブリ350内に誘導する動きの範囲は大きくなる。
好適な実施形態では、カメラ・アセンブリ・ハウジング330の再度入る面または方向を変えるガイドは、カメラ回転用ケーブルの末端部の角度を挿入部分14の長手軸に関して約30-90度の範囲内とするように位置する。他の実施形態では、カメラ回転用ケーブルの再度入る表面またはガイドをカメラ回転用ケーブルの末端部の角度が約45-80度の範囲内となるように配置することによりカメラ回転用ケーブルの摩擦抵抗を限定しつつ、カメラ・アセンブリ350の動きの回転範囲を改良できる。上述のように、そのような実施形態では、一対の相補的なケーブル368、370、すなわち頂部ケーブル取り付け機構372に取り付けられるのに挿入部分14の遠位または終端位置で上方へ曲げられた1つと、対応する底部ケーブル取り付け機構374へ挿入部分14の遠位または終端位置で上方へ曲げられた1つ、のいずれかへの引っ張り力だけが要求される。この配置では、挿入部分14のほとんどの長さにおいて、駆動ケーブルを横方向または横切る方向に動かす必要はなく、挿入部分14の内部空間をより小さくでき、全体的な直径を最小にするのに役立つ。
【0152】
いくつかの実施形態では、拘束するまたは方向を変えるノッチ349を使わなくてもよい。いくつかの実施形態では、挿入部分の遠位端での壁に包含される別のタイプの拘束するまたは方向を変える要素を用いてもよい。いくつかの実施形態では、プーリまたはアイレットを、拘束として用いてもよい。ピン、ペグ、ポスト等も拘束するまたは方向を変える要素として用いることができる。いくつかの実施形態では、曲がった固定用爪や突起物をカメラ・アセンブリ・ハウジング330の側壁に形成してもよい。曲がった固定用爪は、カメラ・アセンブリ・ハウジング330の内部壁と曲がった固定用爪の間に空間があるようにカメラ・アセンブリ・ハウジング330の内部空間内に延在する。上部カメラ回転用ケーブル368は、曲がった固定用爪で固定されるようにこの空間を通り抜ける。ほとんどの実施形態では、拘束とケーブルの接触点は、内視鏡の操作の間にカメラ回転用ケーブルへの摩擦損傷の可能性を最小化するのに充分なだけ滑らかまたは曲率半径を有しているのが好ましい。いくつかの場合には、拘束は、テフロン(登録商標)のように低い摩擦係数を有する材料でコーティングされてもよい。
【0153】
いくつかの実施形態では、上部カメラ回転用ケーブル368の代わりに底部カメラ回転用ケーブル370が、カメラ・アセンブリ350が他の方向に対し1方向の回転で大きな旋回範囲が可能となるために前記の説明と同様に、拘束されてもよい。図26に図示されるように、底部カメラ回転用ケーブル370と上部カメラ回転用ケーブル368の両方が拘束され、または、方向を変えられて、さらに大きな範囲の旋回を可能にしてもよい。
【0154】
図26には、外側鞘318、カメラ・アセンブリ・ハウジング330及びカメラ・アセンブリ350が示される。2セットのケーブル案内穴348がある。1セットは、カメラ・アセンブリ・ハウジング330の長手軸の上方で、他はカメラ・アセンブリ・ハウジング330の長手軸の下方である。拘束ノッチ349も2つある。拘束ノッチ349の1つは、カメラ・アセンブリ・ハウジング330の長手軸の上方に位置し、他は、カメラ・アセンブリ・ハウジング330の長手軸の下方に位置する。
【0155】
カメラ回転用ケーブルの改良された機械的優位性は、方向を変える要素(たとえばノッチ)をカメラ・アセンブリ350の旋回軸の片側(たとえば下方)に配置し、カメラ回転用ケーブルの終末端をカメラ・アセンブリ350の旋回軸の反対側(たとえば上方)に位置するカメラ・アセンブリ350上の点に取り付けることにより、得られる。
【0156】
図示されるように、上部カメラ回転用ケーブル368は、長手軸の下方のケーブル案内穴348の1つを通り抜け、長手軸の下方の拘束ノッチ349でカメラ・アセンブリ・ハウジング330に再度入り込む。そして上部カメラ回転用ケーブル368は、カメラ・アセンブリ350上の頂部ケーブル取り付け機構372へ向け上方に方向を変える。図26では、底部カメラ回転用ケーブル370は、カメラ・アセンブリ・ハウジング330の長手軸の上方のケーブル案内穴348を通り抜ける。そして底部カメラ回転用ケーブル370は、カメラ・アセンブリ・ハウジング330の長手軸の上方の拘束ノッチ349を通ってカメラ・アセンブリ・ハウジング330に再度入り込む。そして、底部カメラ回転用ケーブル370は、底部ケーブル取り付け機構374に向け下方に方向を変える。上部カメラ回転用ケーブル368と底部カメラ回転用ケーブル370は、カメラ・アセンブリ350が旋回した方向に応じてカメラ・アセンブリ350の一部に巻き付く。図26では、底部カメラ回転用ケーブル370は、カメラ・アセンブリ350の一部に巻き付いて示される。
【0157】
いくつかの実施形態は、旋回アクチュエータとしてベルト384を使用する。旋回アクチュエータとしてベルト384を含む実施形態が図27に示される。図示されるように、ベルト384は、カメラ・アセンブリ350の旋回ピン366の1つに巻き付く。いくつかの実施形態では、旋回ピン366は細長く、少なくとも1つの旋回ピン366の一部が旋回ベアリング346から延在する。このような実施形態では、ベルト384は、図27に図示されるように旋回ピン366のこの部分に巻き付く。いくつかの実施形態では、カメラ・アセンブリ350の形状は、ベルト384がカメラ・アセンブリ350に巻き付くように、違っていてもよい。たとえば、カメラ・アセンブリ350は、実質的に円筒形状であってもよい。カメラ・アセンブリ350の実質的な円筒形状は、旋回ピン366と同軸にされる。そのような実施形態では、ベルト384は、カメラ・アセンブリ350の周囲に巻き付く。
【0158】
いくつかの実施形態では、ベルト384が巻き付けられる表面は、側部に位置する面に対して窪んでいる(たとえばV字型)。このことは、操作中にベルト384を所定の位置に保つのに役立つ。他の実施形態では、他のタイプのガイドが用いられる。たとえば、ベルト384が巻き付く表面は、操作中にベルト384を所定の位置に保つ2つの壁で側面とされてもよい。
【0159】
ベルト384は、ベルト384が駆動されたときに巻き付いている表面でスリップしないように高摩擦の素材で作られる。いくつかの実施形態では、ベルト384は、荒れた表面を有し、または歯が付けられ、カメラ・アセンブリの旋回ピン366(ギアが付けられてもよい)を掴み易くまたは確実に係合するのに役立つ。ベルト384の使用により、プル・ケーブル式の旋回アクチュエータが挿入部分14内で横方向に方向を変えられる必要なしで、カメラ・アセンブリ350の広い旋回範囲を可能にし、カメラ・アセンブリ350の等価な動きの範囲を達成する。このことにより、挿入部分14をより小さな直径にできる。
【0160】
ベルト384を使用する実施形態では、ベルト384は、旋回制御構造100(図14参照)の変位により駆動されるように構成される。いくつかの実施形態では、カメラ・アセンブリ350または旋回ピン366に巻き付くベルト384の反対側の端部は、旋回制御構造100の旋回シャフト204に巻き付く。このような実施形態では、旋回シャフト204の回転は、ベルト384を駆動する。ベルト384が巻き付いた旋回シャフト204の一部は、比較的大きな直径を有する。このことは、旋回シャフト204の小さな旋回移動が比較的大きな量でベルト384を駆動しなければならないときに好適である。ベルト384が歯付きである実施形態では、ベルト384の歯は、旋回制御構造100の旋回シャフト204に位置するギアと互いにかみ合う。そのような実施形態では、旋回シャフト204と旋回シャフト204上のギアの回転は、ベルト384を駆動する。ベルト384が駆動されると、ベルト384の動きは、カメラ・アセンブリ350に駆動力を与え、カメラ・アセンブリ350を旋回させる。
【0161】
他の実施形態では、ピボットアクチュエータは、ラックアンドピニオン装置のラックであってもよい。そのような実施形態では、カメラ・アセンブリ350のピボットピン366は、歯付き部分を含むことができる。ピボットピン366の歯付き部分は、ピボットアクチュエータのラックと噛合するピニオンギアであってもよい。ラックが挿入部14内で長手方向に変位すると、この運動はピボットピン366の歯付きピニオン部分を介してカメラ・アセンブリ350の回転に変換される。このような実施形態は、カメラ・アセンブリ350を回転させるための引っ張り力のみに依存しないが、ピボットアクチュエータは、依然として、挿入部14内のアクチュエータの横方向の変位を必要としない。それにもかかわらず、いくつかの特定の実施形態では、プッシュプルラック型アクチュエータは、(たとえば、剛性、厚さなどの)特徴を必要とすることがあり、そうでなければトラック内に拘束されて、ラックに圧縮力を加える間の横方向もしくは側側方向の撓みを防止する。
【0162】
少なくとも1つのカメラ回転用ケーブルを用いるさらに別の配置では、カメラ回転用ケーブルをカメラ・アセンブリ・マウント330に含まれる種々の機構を通らせることなく、同様の旋回範囲が達成される。このことは、挿入部分14(図1参照)の直径を小さくできるので、好ましい。さらに、このような実施形態用のカメラ・アセンブリ・マウント330は、穿孔(たとえば、図18のケーブル案内穴348)や方向を変える要素/拘束(たとえば、図18の拘束ノッチ349)を必要としないので、カメラ・アセンブリ・マウントの製造を単純化できる。そのような実施形態は、たとえば、図19の例示の実施形態で示されるカメラ・アセンブリ・マウント330と内側鞘312を用いる。
【0163】
そのような実施形態では、カメラ・アセンブリ350は、少なくとも1つの巻き取り機構または表面1400を含む。巻き取り機構は、カメラ回転用ケーブルの末端部をカメラ・アセンブリ350のハウジングに少なくとも部分的に巻き付ける。カメラ回転用ケーブルの終末端用の接続または連結点は、スプール機構に対し遠位のカメラ・アセンブリ・ハウジング上に位置している。巻き取り機構は、好ましくは曲がり、いくらかへこんだ表面を有し、該表面はカメラ・アセンブリ・ハウジングの一部を部分的または完全に包む。よって、種々の実施形態で、カメラ回転用ケーブルは部分的にだけハウジングに巻き付き、または、ハウジングを完全な1巻きあるいは複数巻きに巻き付く。長めの巻き取り機構は、カメラ・アセンブリの回転のより広い範囲を提供する。作動中、関連したカメラ回転用ケーブルは、巻き取り機構1400に巻かれ、巻きをほどかれる。巻き取り機構1400は、カメラ・アセンブリ350の旋回範囲を拡大する。巻き取り機構1400により、より一貫したトルクが回転中のカメラ・アセンブリ350に作用するようになる。巻き取り機構1400は、所望のまたは変化する長さのモーメント・アームを作るように構成されてもよい。さらに、巻き取り機構1400をカメラ・アセンブリの回転軸から半径方向に離れるように位置させることは、カメラ回転用ケーブルが回転トルクをより効率よく生成するのに役立つ。
【0164】
連続した図28~32は、いくつかの回転位置にある巻き取り機構1400を含むカメラ・アセンブリ350を概念的に図解する。図示されるように、巻き取り機構1400は、弓型部及び直線部を含む。弓型部は、カメラ・アセンブリ350の旋回軸から延在する曲率半径を有するように形作られる。巻き取り機構1400の直線部は、トルクを増加する機構として作用するように角度を付けられる。さらに、巻き取り機構1400の直線部は、カメラ・ハウジング355がより多くの材料(それは、弓形部分を続けるのに除去されなければならない)で作られるようにし、よって、カメラ・ハウジング355の構造的一体性を増加する。このことは、カメラ・アセンブリ350が非常に小さな空間にフィットするように設計され、よって非常に小さな形状計数で作られなければならない実施形態において、特に重要である。
【0165】
図28に図示されるように、上部カメラ回転用ケーブル368は、巻き取り機構1400に巻き付けられる。上部カメラ回転用ケーブル368により作用する引っ張り力は、カメラ・アセンブリ350の旋回軸回りのトルクを生み出し、カメラ・アセンブリ350を時計方向に回転させる。さらに、巻き取り機構1400の直線部は、より長いモーメント・アームを生み出し、よって与えられた量の引っ張り力に対し生ずるトルクを増大する。
【0166】
カメラ・アセンブリ350が図29に示される位置に回転すると、上部カメラ回転用ケーブル368は、巻き取り機構1400から巻きがほどかれ始める。力が掛けられ続け、カメラ・アセンブリが回転し続けると、上部カメラ回転用ケーブル368は、図30に図示されるように巻き取り機構からほどけ続ける。充分にほどかれると、上部カメラ回転用ケーブル368が巻き取り機構1400から離れる点が、巻き取り機構1400の弓形部分上に位置する(図29図30の両方に図示されるように)。ある実施形態では、巻き取り機構1400の弓形部分の全点が、旋回軸から等しい距離に置かれる。
【0167】
例示の実施形態では、上部カメラ回転用ケーブル368により引っ張り力が掛けられ続けると、カメラ・アセンブリ350は図31に図示されるように、上部カメラ回転用ケーブル368が巻き取り機構1400の表面にこれ以上接触しなくなるまで回転し続ける。
そして、カメラ・アセンブリ350は、上部カメラ回転用ケーブル368の引っ張り力がカメラ・アセンブリ350の回転軸との一致に近づくまで回転し続ける。この位置は図32に図解される。当業者には理解されるように、カメラ回転用ケーブル368は、巻き取り機構1400に1回またはそれ以上巻き付けられ、カメラ回転用ケーブル368を用いることにより生じる回転量を増大する。カメラ・アセンブリ350の接触面にカメラ回転用ケーブル368が巻き付く角度は、90度を超えるカメラ・アセンブリ350の回転の範囲を可能にする。するとカメラ・アセンブリ350の回転角度は、接続された電子フレキシブルケーブル及び/または光ファイバ束のゆるみの量や柔軟性にのみ制限される。
【0168】
ある実施形態では、カメラ回転用ケーブルと巻き取り面は、カメラ・アセンブリ350が遠位の内視鏡シャフトの長手軸の約90度から約120度の間の位置まで回転できるように配置され、カメラ・アセンブリのレンズ表面が少なくとも部分的に内視鏡シャフトの近位端の方向を向くようにする。この位置では、レンズ表面の破片または他の汚れは、内視鏡シャフト内で遠位方向に移動する洗浄液により洗い流される。
【0169】
カメラ・アセンブリ350を図32に示す位置から図30に示す位置に回転させるためには、底部カメラ回転用ケーブル370を介して引っ張り力を掛ける。いくつかの実施形態では、底部カメラ回転用ケーブル370は巻き取り機構と関連してもよい。たとえば、底部カメラ回転用ケーブル370が巻き付くカメラ・アセンブリ350の角や縁は丸くされる。
【0170】
図33及び図34は、巻き取り機構1400を含むカメラ・アセンブリ350の特定の例示の実施形態の上面斜視図を示す。カメラ・アセンブリ350は、レンズ・アセンブリ354を含む。レンズ・アセンブリ354は、カメラ・ハウジング355の内側に配置される。図示されるように、巻き取り機構1400は、カメラ・ハウジング355の側部に奥まって置かれる。例示の実施形態の巻き取り機構1400は、弓型部と直線部を含む。
巻き取り機構1400の弓型部は、旋回ピン366または旋回軸の中央から延在する曲率半径を有するように形作られる。
【0171】
図33に図示されるように、巻き取り機構1400が置かれる壁は、第1空隙1402を含む。またカメラ・ハウジング355は、第2空隙1404を含む。第2空隙1404は、カメラ・ハウジング355の上面を通り、カメラ・ハウジング355の底面へ通り抜ける。
【0172】
図示されるように、1本のカメラ回転用ケーブル1406だけが用いられる。カメラ回転用ケーブル1406は、カメラ・ハウジング355の第1空隙1402と第2空隙1404の両方を通って延在する。カメラ回転用ケーブル1406の一端は、旋回アーム198のケーブル接続穴202(図14参照)に接続される。カメラ回転用ケーブル1406の他端は、旋回アーム198の他のケーブル接続穴202に接続される。いくつかの実施形態では、カメラ回転用ケーブル1406は、1つまたは複数の点でカメラ・ハウジング355に固定して接続される。たとえば、膠の接着剤を空隙1402または空隙1404の1つに塗る。このことにより、作動中にカメラ回転用ケーブル1406がカメラ・ハウジング355の表面で滑ったりずれたりすることがない。さらにいくつかの実施形態では、カメラ回転用ケーブル1406に少なくとも1つの位置で結び目を作ってもよい。たとえば、カメラ回転用ケーブル1406は、空隙1402または空隙1404の1つを通って送りこまれ、結び目を作られ、それから空隙1402または空隙1404の他を通って送られる。好ましくは、結び目の幅は、空隙1402または空隙1404のいずれも通り抜けないように充分に広い。そのような結び目は、作動中にカメラ・ハウジング355の表面でカメラ回転用ケーブル1406が滑ったりずれたりしないようにするのに役立つ。
【0173】
当業者には明らかなように、図33及び図34に示す実施形態は、2本のカメラ回転用ケーブルを使うように簡単に修正できる。1本のカメラ回転用ケーブルは、第1空隙1402内でまたはその位置にて、終端を有しカメラ・ハウジング355に固定して接続される。第2のカメラ回転用ケーブルは、第2空隙1404内でまたはその位置にて、終端を有しカメラ・ハウジング355に固定して接続される。
【0174】
別の例では、図23.2は、旋回制御構造100によって操作されるプル・ワイヤ502が、内視鏡シャフト14の遠位端における丸いまたはドーム形のセンサまたはカメラハウジング500に巻き付けられ、及び/または取り付けられる方法を示す。内側鞘312は、明瞭化のために除去されている。この例では、カメラ・ハウジング500は、ハウジング500内に収容されたレンズ/カメラ・アセンブリ(好ましくは、ハウジングの2つの組み立てられた半体の概ね中央に位置決めされる)に干渉しないように、ハウジング500の一方の側へオフセットした概ね円周状のスロット501を含む。プル・ワイヤ502は、スロット501内に保持されており、窪み503でハウジング500に固定されてもよい。プル・ワイヤ502に配置された結び目は、プル・ワイヤ502が内視鏡シャフトに沿って前後に移動するときにハウジング500を回転させる取り付け点として機能するように、窪み503に埋め込まれてもよい。オプションとして、内視鏡の組み立て中に付加的な取り付け安全性を与えるために、少量の接着剤を使用することができる。好ましい実施形態では、プル・ワイヤ502は、ケブラー(Kevlar)糸を含み、これは実質的な縦方向の強度及び伸張に対する抵抗性を与える。他のワイヤ形式は、スチール(編組または一本鎖)、ナイロン、または伸張に適した強度及び耐性を有する他の材料を含むことができる。
【0175】
図23.1及び図23.2に示された丸み付けられたセンサ・ハウジング500は、より簡単に構成されたレンズ510及びイメージ・センサ512を取り囲むことができ、手術部位の照明のための光源は、ハウジング自体に取り付けることを必要とすることなく、センサ/カメラ・ハウジング500の近傍に配置することができる。図23.3及び図23.4は、2つの部分500a及び500bから丸いまたはドーム形のセンサ/カメラ・ハウジング500を構成する方法を示す。これらの各部分は、PCB延長部514またはフレキシブルケーブルの遠位端、その関連したセンサ512(たとえばCMOS又はCCD)及び適切なレンズ510を配置するための内部切欠きを有するように成型または機械加工することができる。2つの部分500a及び500bは、いくつかの方法によってこれらの構成要素の上に接合することができる。図示の例では、部分500bの1つ以上のピン500cは、部分500aの整合する窪み500dの対応する配置と嵌合することができる。図23.5に示すように、各部分の外側の旋回シャフト505は、組み立てを可能とするように弾性的に可撓な内視鏡シャフトの内側鞘312の遠位端の対応する穴、ベアリング、またはブッシング507に挿入することができる。組み立てられたハウジング500は、穴507内の所定の場所に圧入またはスナップ嵌めすることができ、これにより、2つの部分500a及び500bを互いに結合させた状態に維持するのを助けることができる。オプションとして、ピン500cを対応する窪み500dにしっかりと接合するために接着剤を使用することもできる。図示のセンサ/カメラ・ハウジング500は光源を含まないが、これはオプションであり、適切な大きさのLEDまたはLED群をレンズの周辺に含めることができ、または光ファイバ・ケーブルの終端を以下に説明するように同様の構成で取り付けることができる。
【0176】
例示的な構成では、内視鏡シャフト14の内側鞘312の開口部506に沿って、1つ以上のLED508を配置することができる。図33.1は、センサ・ハウジング500(明確化のためにハウジングの半分が除去されている)内のセンサ512及びレンズ510アセンブリを示す。レンズ510とセンサ512(たとえば、CMOS又センサまたはCCDセンサ)との両方は、液体がそれらの間に入るのを防ぐために適切にシールされる。センサ512は、内視鏡シャフトを通って内視鏡ハンドル内のPCBへ通じるリボンまたはフレキシブルケーブルに接続されてもよい。同様に、光源/LEDは、電力を受け取るためにリボンまたはフレキシブルケーブルに接続されてもよく、またはセンサ通信ケーブルに隣接する別個のリボンまたはフレキシブルケーブルに接続されてもよい。別の例では、内視鏡ハンドルの主PCBは、内視鏡シャフトを通ってシャフトの遠位端の1つ以上の構成要素まで延伸するように配置された細長い延長部を備えて製造することができる。
PCBは、剛性部品と一緒に挟まれた可撓性部品を有するように構成されてもよい。可撓性構成要素は、主PCBから出て、内視鏡シャフト用のPCB延長部を形成することができる。剛性構成要素は、同様に、主PCBから出て、内視鏡シャフト用のPCB延長部を形成することができる。これらの延長部の一方または両方は、代替的に、主PCBから到来するリボンまたはフレキシブルケーブルと組み合わせて、内視鏡シャフトの遠位端の構成要素に電力または通信を提供することができる。たとえば、センサ512は、内視鏡ハンドル12内の主PCBから可撓性PCB延長部514の遠位端に取り付けてもよい。センサPCB延長部514は可撓性であり、センサ・ハウジング500が回転されるときにセンサ512及びレンズ510の回転を可能にするのに充分なたるみを有する。また、この例の光源は、センサPCB延長部のいずれかに取り付けられた、または好ましくは別個の光源PCB延長部516に取り付けられた1つまたは複数のLED508を含む。光源の電力要件のために、別個のフレキシブルケーブルまたはPCB延長部516に電源供給線を取り付けることは、内視鏡の信頼性を増加させる可能性がある。また、内視鏡シャフト14が剛性である(たとえば、殆どの関節鏡の場合のように)ならば、光源電源ワイヤを剛性PCB延長部に取り付けることができ、内視鏡の全体的な堅牢性をさらに高める。
図33.1に示される例では、可撓性のセンサPCB延長部514は、その基部で折り畳まれ、剛性の光源PCB延長部516に配置され、両方の拡張部が内視鏡のハンドル12内の主PCBに合流する(下記参照)。
【0177】
図23.1及び図33.1に示される実施形態のためのプリント回路基板(PCB)についてのフォームファクタは、図33.2に示されている。図33.2及び図33.3に示されるフォームファクタはまた、如何にしてリボンまたはフレキシブルケーブルを折り畳んで、コンパニオンリボンまたはフレキシブルケーブルに隣接させて、またはバルクヘッドを通るコンパニオンPCB延長部に隣接させて、シャフトの遠位端における接続構成要素への内視鏡シャフトに沿って伸ばすかを表すのにも用いられることに留意されたい。
一例では、剛性主PCB518(多数の電子処理構成要素が搭載されている)は、剛性要素と可撓性要素の両方を一緒に挟み込んだ複合体を含み、主PCB518は内視鏡ハンドル内に配置される。可撓性PCB延長部514は、複合主PCB518から剛性延長部516の方向に対して角度をなして現れ、その結果、可撓性延長部514の近位の脚部514aは、点520(図33.3)で折り畳まれ、図33.3に示すように、剛性部分516に隣接して伸びることができる。図示の例では、フレキシブル基板延長部の近位脚部514aは、剛性基板延長部に対して約90度の角度にある。いくつかの実施形態では、近位脚部514aが不完全に整列した折り畳みを収容することを可能にするフレキシブル基板延長部の可撓性のために、角度は90度よりも小さくても大きくてもよい。可撓性PCB延長部514は、図33.4の剛性PCB延長部516に隣接して伸び、内視鏡シャフト(明確にするために内側鞘、センサ・ハウジング及びレンズを取り外した)に沿うように示されている。このようにして、両方のPCB延長部は、図11Bまたは図11Cに示すスロット177のようなバルクヘッドまたは流体バリアのエラストマースロットを通過することができる。
【0178】
図33.5は、例示の内視鏡の破断図を示す。主PCB518は、ハンドル近位部分16、カメラ制御ボタン37、バルクヘッドまたは通り抜けバリア159、及び旋回制御構造100に関連して示されている。回転位置センサ磁石51は、ハンドル近位部分16と主PCB518の両方に関連して示されている。バルクヘッド159に近づく例示の流体導管434(灌注または吸引用)が示されている。これは、図33.6に示すように、棘付きフィッティング256を介してバルクヘッド159に接続することができ、または他の適切な安全接続手段を介して接続することができる。この場合、内側鞘312は、説明の明確化のために除去されている。
【0179】
図33.6は、内視鏡のPCBが、その拡張部がバルクヘッドまたは通り抜けバリア159を通過するときに、ハンドル、内部シース、ピボット制御構造及び流体導管がない状態で示す。さらに、回転位置検知磁石51及びカメラ制御ボタン37及びシャフト38(磁石が埋め込まれている)は、主PCB518に関して示されており、PCB518上のどこに磁石についてのホール効果センサが位置することができるかの指標を与える。図示のように、可撓性PCB延長部の折り目点520は、バルクヘッド159に近接して配置されているので、隣接する可撓性及び剛性PCB延長部の組み合わせは、スロット177においてバルクヘッドを通過することができる。可撓性PCB延長部514における充分な量のたるみが、センサ512におけるその終端付近の遠位に提供されるので、この場合のスロットは、流体の浸透に対してしっかりとシールされる。
【0180】
図33.7に示すように、流体または空気搬送管腔157は、内視鏡シャフト14内の空間をPCB延長部514、516(または、1つまたは2つのリボンまたはフレキシブルケーブル)と共有し、これは光源に電力を供給し、内視鏡シャフト14の遠位端に位置するセンサ/カメラと通信する。センサ/カメラ・ハウジングは明確にするために取り外してある。(シャフト14の内側鞘312は、光源またはLEDによる照明を与える上方では、センサ/カメラ・ハウジングの近位に切り欠きまたは開口を有し、下方では、選択的にセンサ/カメラ・ハウジングの周りの流体の流れを改善することに留意されたい。このことは、たとえば図23.1及び72.6に示されている)。
【0181】
図33.8は、上述の内視鏡のハンドル遠位部分30の内部の破断図を示す。バルクヘッドまたは流体バリア159は、湿り部分30aから比較的乾燥した領域(ピボット制御構造、カメラ制御ボタン、及び主PCBの遠位端が位置する)を分離する。流体または空気導管434が内視鏡ハンドルの外側からハンドル近位部分16を通って延伸し、バルクヘッド159のポート256に接続する。この例では、導管434及びポート256を通過する流体は、湿り部分30aによって占有される空間を介して内視鏡シャフト14の内腔157を連通する。液体または空気が遠位部分ハウジングと内視鏡内部シース312の近位端との間に漏出しないように、この流体を阻止するために適切なシールを使用することができる。
【0182】
ここで図7C及び図14に戻り、旋回制御構造100は、高くなったハンドル部34またはハンドル12の他の部分のスライドボタン窪み92で突起部94により画定される窪みに「留め置かれる」ことができる。いくつかの実施形態では、突起部94は、突起部94により形成された窪みがカメラ・アセンブリ350の特定の角度方向に対応するように空間を空けられる。いくつかの実施形態では、突起部94により形成された窪みは、窪みの位置がカメラ・アセンブリ350の特定の角度増分(たとえば30°)に対応するように空間を空けられる。
【0183】
上述の通り(図7A参照)、ハンドル遠位部分30は、ハンドル近位部分16に対して回転可能である。そのような回転は、挿入部分14の長手軸を同様に回転させる。順に、カメラ・アセンブリ350が挿入部分14と共に回転する。このことにより、ユーザは、内視鏡10の角度再配置を最小または無しで、問題の解剖学的領域のほとんど全方位視野を得られる。ユーザは、カメラ・アセンブリ350をパンし、ハンドル近位部分16に対してハンドル遠位部分30を回転するだけで、解剖学的領域内の所望の視野を入手できる。
【0184】
光ファイバ364のような光ファイバの繰り返しのねじれと曲げは、1本またはそれ以上のファイバの破壊や破損を導くことがある。光ファイバ364の例では、このことは、より多くの光ファイバ364が危険にさらされると増加する光や照明喪失につながる。このような曲げは、上記のように、光ファイバ364が終端を有して旋回カメラ・アセンブリ350の一部に接続されまたは融合されると、生じ得る。もし内視鏡10が使い捨てとして設計されるならば、光ファイバ364の完全性や性能の低下は、その道具の計画寿命に関して許容限度内である。結果として、いくつかの実施形態では、光ファイバ364の破壊やその結果の光喪失に対する最小の懸念で、光ファイバ364は旋回できるカメラ・アセンブリ350に接続または融合される。いくつかの実施形態では、光ファイバ364に関連する終端照明、光投射要素または発光体は、カメラ・アセンブリ350の目的や視野がどのように回転しまたはパンしても光を放射するために、カメラ・アセンブリ350に取り付けられるのが有利である。そのような配置は、カメラ・アセンブリ350のパンできる範囲内でカメラ・アセンブリ350がどのように回転したかに関わらず、レンズ・アセンブリ354の視野(図23~25に破線で示される)を常に光ファイバ364で照らすのに役立つ。
【0185】
いくつかの実施形態では、照明システムは、ライトガイドまたは光導体375を含む。
いくつかの実施形態では、光ファイバ364は、照明システムの経路の少なくとも一部に沿ったライトガイドまたは光導体375(たとえば図35参照)を備える。用語「ライトガイド」及び「光導体」は、本書では同義に用いられる。光ファイバが比較的まっすぐであると、光ファイバ内のほとんど全反射を促進するほどにファイバ内の光の入射角が浅いので、光損失は比較的少ない。しかし、光ファイバを曲げると、光ファイバから外に光が伝達され得る点まで入射角を変えるかも知れない。しかし、光導体またはガイドの曲げは、制御できる。このため、使えるところでのライトガイド375の使用は、光ファイバ364を備える照明システムでの光損失を最小化するのに役立ち、または、全て光ファイバに取って代わる。ライトガイド375はまた、いくつかの他の利点を提供する。たとえば、ライトガイド375は装置の組み立てを助け、組み立て時間を短縮する。ライトガイド375は、本書で説明したタイプのものでもよいし、当業者に既知のいかなるタイプのライトガイドであってもよい。
【0186】
図35は、光導体375を用いる内視鏡10の例示の実施形態を示す。2本の大径の光導体375は、内側鞘312の壁(図18参照)の少なくとも1つの部分に沿ってカメラ・アセンブリ・ハウジング330へ延在し、カメラ・アセンブリの旋回ベアリング346の1つの中に曲がる。各光導体375の曲がり部は、方向を変えたときに光導体375からの光損失を最小にするために、高反射材料376でコーティングされる。当業者に既知のいかなる高反射材料376を用いてもよい。このような実施形態では、カメラ・アセンブリ350は、旋回ベアリング346で光導体375との接点に形成される内臓式カメラ・アセンブリ光導体377を有していてもよい。光導体375により運ばれた光は、接点でカメラ・アセンブリ光導体377に伝達される。カメラ・アセンブリ光導体377は、それぞれの旋回ピン366からカメラ・アセンブリ350内へと延在する。カメラ・アセンブリ光導体377は、光投射空隙362に終端を有し、カメラとレンズ・アセンブリの回転位置に関わらず、カメラ・アセンブリ350の視野が照らされるようにする。このような実施形態では、カメラ・アセンブリ光導体377がなす曲がりは、上述のように、高反射材料376でコーティングされるのがよい。いくつかの実施形態では、高反射材料376は、光導体375及びカメラ・アセンブリ光導体377の曲がりに加え、光導体375及びカメラ・アセンブリ光導体377の他の部分に含まれてもよい。
【0187】
カメラ・アセンブリ350の旋回領域と同じ場所の光導体接点を作ることは、カメラ・アセンブリ350が回転したときの光ファイバ364の曲げやねじりを回避し、光ファイバ364への損傷のリスクを除去するので、好ましい。そのようなデザインは、再使用可能な内視鏡10または使い捨て内視鏡10のいずれを使用するのにも適合する。
【0188】
光導体375を使用するもう一つの例示の実施形態(不図示)では、大径の光導体375は、基本的にフレキシブルケーブル250の経路に沿って延在する。内側鞘マウント160に最も近い光導体375の端部は、光ファイバ364との接点を形成しても、または、他の照明源からの光を引きこむように配置されてもよい。カメラ・アセンブリ350に最も近い光導体375の端部はまた、カメラ・アセンブリ350に延びる照明ファイバ364との接点を形成してもよい。
【0189】
いくつかの実施形態では、カメラ・アセンブリ350に至る光ファイバ364は、柔軟なリボン1000を形成するように配置され、最小の曲げまたは1方向だけの曲げ(たとえば図36参照)で光投射要素内に終端を有するファイバのリニアアレイを作る。あるいは、柔軟なリボン1000は、ファイバのリニアアレイである必要はなく、いくつかの実施形態では、代わりに1本のリボン状のライトガイド材料の柔軟なものでもよい。いくつかの実施形態では、2本の柔軟なリボン1000があり、それぞれがカメラ・アセンブリ350の光投射空隙362の1つに延在する。いくつかの実施形態では、柔軟なリボン1000は、反射材料376でコーティングされ、カメラ・アセンブリ350での光量を最大化する。いくつかの実施形態では、柔軟なリボン1000は、光導体との接点を形成する。
【0190】
いくつかの実施形態では、カメラ・ハウジング頂部356は、光導体材料を備え、光投射要素または照明としての機能を果たす。この場合、光は、ほとんどのカメラ・ハウジング頂部356からカメラ・アセンブリ350の視野へ放射される。いくつかの実施形態では、カメラ・ハウジング頂部356のいくつかの領域は明りを消されまたはマスキングされ、光がカメラ・ハウジング頂部356の所望の領域からだけ放射される。いくつかの実施形態では、カメラ・ハウジング頂部356のいくつかの領域は、高反射材料376でコーティングされ、それらの領域からの不要な発光を防止する。
【0191】
図36は、光ファイバ364が、オプションとして高反射材料376でコーティングされる柔軟なリボン1000に包含される実施形態を示す。柔軟なリボン1000は、カメラ・アセンブリ350にオーバーモールドされても、カメラ・アセンブリ350に埋め込まれても、カメラ・アセンブリ350に融合されても、あるいは別なやり方で接続されてもよい。
【0192】
図36の例示の実施形態では、カメラ・アセンブリ350は、頑丈なカメラ・ハウジング1002を備える。柔軟なリボン1000が取り付けられていない例示の頑丈なカメラ・ハウジング1002を、より詳細に図37に示す。例示の実施形態では、頑丈なカメラ・ハウジング1002は、光導体または光伝達材料から作られ、光投射要素として機能する。例示の実施形態での頑丈なカメラ・ハウジング1002は、概ね全体的に高反射材料376でコーティングされ、頑丈なカメラ・ハウジング1002のコーティングされていないまたはマスキングされていない領域からの光出力を最大化する。頑丈なカメラ・ハウジング1002にレンズ・イメージ・センサ・アセンブリを隣接して配置するのに適した形状を有する光投射または照明表面1004は、高反射材料376(または代替として単純な暗マスク)を塗布する間にその領域をマスキングすることで作られる。例示の実施形態では、光投射表面1004はリング形状をしている。他の実施形態では、光投射表面1004は、三日月形状、半円であってもよく、または他の所望の形状をしていてもよい。
光は、頑丈なカメラ・ハウジング1002の光投射表面1004から放射され、レンズ・アセンブリ354の視野を照らす。上記に説明した実施形態のように、照明領域はカメラ・アセンブリ350とともに旋回するのが好ましく、確実にレンズ・アセンブリ354の視野が常に照らされるようにする。
【0193】
図38は、頑丈なカメラ・ハウジング1002の別の例示の実施形態を示す。輪郭で図示されるように、頑丈なカメラ・ハウジング1002は、結合窪み1006を含む。結合窪み1006により、柔軟なリボン1000は頑丈なカメラ・ハウジング1002中に適切に結合される。いくつかの実施形態では、結合窪み1006により、柔軟なリボン1000は、たとえばスナップ嵌めを介して、頑丈なカメラ・アセンブリ1002中に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、結合窪み1006は、柔軟なリボン1000に形成されていない光ファイバ364を収容してもよい。図37と同様に、図38では、頑丈なカメラ・ハウジング1002は、光投射要素として機能する。頑丈なカメラ・ハウジング1002もまた同様に、図37に関連して説明した頑丈なカメラ・ハウジング1002のように、コーティングされてもマスキングされてもよい。
【0194】
図39図40は、光投射要素1005が柔軟なリボン1000の末端に包含される実施形態を示す。光投射要素1005は光導体材料から形成され、いくつかの実施形態では、所望の方法で光ファイバ束または柔軟なリボン1000から光を投射するのに適した形状に1群の光ファイバの融合である。いくつかの実施形態では、光投射要素1005と柔軟なリボン1000は、一体に融合される(たとえば、加熱によりまたは化学的に)2つの分かれた部分であってもよい。他の実施形態では、光投射要素1005と柔軟な光ファイバのリボン1000は、単一の成形された部分であってもよい。いくつかの実施形態では、光投射要素1005は、図49~62に関連して説明するように作成できる。
【0195】
さらに図39図40を参照すると、柔軟なリボン1000は高反射材料376でコーティングされる。光投射要素1005の底部及び側部の壁もまた、高反射材料376でコーティングされてもよい。このことは、光が、光投射要素1005のコーティングされていない頂部からだけレンズ・アセンブリ354の視野へ投射されることを確実にする。図40に図示されるように、光投射要素1005または柔軟なリボン1000は、結合機構1008を含む。結合機構1008により、光投射要素1005と柔軟なリボン1000は、カメラ・アセンブリ350上または中に結合される。結合機構1008は、光投射要素1005の一体の部分であってもよい。
【0196】
図41図42は、光導体材料から形成された光投射要素1005を含む柔軟なリボン1000の2つの例示の実施形態を示す。図41の光投射要素1005は概してリング形状を有し、図42の光投射要素1005は概して三日月形を有するが、所望により他の形状を選定してもよい。図41図42の例示の実施形態では、光投射要素1005の頂部表面だけが高反射材料376でコーティングされないままである。
【0197】
光投射要素1005は、光投射要素1005から投射される光を方向付けするのに役立つ1つまたはいくつかのテクスチャ1010を備える。いくつかの実施形態では、光を散乱されて投射されるようにするために、テクスチャ1010が含まれる。テクスチャ1010は、たとえば、光投射要素1005を成形する間に作りだしてもよく、あるいは、代替として、光投射要素1005を形成する光導体材料が、光投射要素1005から投射される光が散乱するようにする充填剤を含んでもよい。
【0198】
図43及び図44はそれぞれ、光投射要素1005の他の例示の実施形態の上面斜視図と底面斜視図を示す。図示されるように、光投射要素1005はリング状の形状をしている。光投射要素1005はまた、図44の底面斜視図に図示されるように、結合機構1008を含む。図44の結合機構1008は、光投射要素1005と一体の部分である。例示の実施形態では、結合機構1008は、レッジまたは棚である。レッジの結合機構1008は、光投射要素1005をカメラ・アセンブリ350などの他のコンポーネント上に配置しまたは他のコンポーネントと整列するのに役立つ。加えて、いくつかの実施形態では、接着剤や膠をレッジの結合機構1008に沿って塗り、光投射要素1005をカメラ・アセンブリ350などの他のコンポーネントに固定する。図48では、光投射要素1005は、例示のカメラ・アセンブリ350に取り付けられて図示される。
【0199】
図43及び44に示される光投射要素1005は、高反射コーティングまたは材料376(たとえば図39参照)を含まない。高反射コーティングまたは材料376のようなものの必要性は、光投射要素1005を発光が好ましくない光投射要素1005に入る及びその内の光の全内部反射を増大し、または、最大化するような寸法にすることにより、最小化される。このことは、発光が好ましくない光投射要素1005の領域内で曲がりが大きな半径を有するようにすることで、なされる。さらに、このことは、光投射要素1005中の肉厚の変動が、入射角を臨界角より小さくする光投射要素1005内の光の入射角の変化を取りこまないような光投射要素1005の寸法にすることによって、なされてもよい。光投射要素1005の肉厚が、光投射要素1005が取り付けられる光ファイバまたは柔軟なリボンの厚みより薄くなるほどに薄くならないのが好ましい。また、光投射要素1005の表面は、発光が好ましくない領域では滑らかであるのが好ましい。
【0200】
図45、46及び47は、図43及び44に示された光投射要素1005のいくつかの断面を図解する。断面はそれぞれ、図43の線43-43、線44-44及び線45-45で見られている。図示されるように、光投射要素1005に入る光は、光投射要素1005の頂部表面から投射される前に、第1曲がり1300と第2曲がり1302を横切らなくてはならない。図45~47に図示されるように、光投射要素1005は、これらの曲がりの半径が光投射要素1005の面に応じて変化するような形状とされる。これらの曲がり1300、1302のそれぞれの半径は、与えられた面において利用可能な空間でできるだけ緩やかになるように選定される。また図示されるように、光投射要素1005の厚みは、概略一定になされる。このことにより、厚みの変動による入射角の変化は、最小化される。
【0201】
典型的な光ファイバ光投射要素の製造方法は2014年1月31日出願の米国特許出願番号14/170,080号(米国特許公開番号2014/0221749)において開示されており、それ全体がここに参照により組み込まれる。
【0202】
図43~47に示され、それらの図に関連して説明された光投射要素1005は、図48では例示のカメラ・アセンブリ350に取り付けられる。図示されるように、光投射要素1005は、光を一次照射フィールド(この一次照射フィールドの周りの周囲領域も、投射された光の散乱や反射のために照らされる)に投射するように配置され、一次照射フィールドは基本的にレンズ・アセンブリ354の視野と一致する。
【0203】
図63は、図24の線61-61で代表される断面で取られた、レンズ・アセンブリ354を含む例示のカメラ・アセンブリの断面図を示す。レンズ・アセンブリ354は、図24のように、カメラ・ハウジング頂部356とカメラ・ハウジング底部358の間に収容されて示される。図示されるように、レンズ・アセンブリ354は、画像をイメージ・センサ380の面上に投射するように配置される。イメージ・センサ380のタイプには、たとえば、CCDイメージ・センサ、CMOSイメージ・センサ等が含まれる。好ましくは、イメージ・センサ380は、カメラ・アセンブリ350のシールされた部分に収容され、流体に晒されないように保護される。使い捨ての内視鏡では、アセンブリが過酷な消毒や再利用に耐えるように設計されていないので、イメージ・センサを流体に晒されるないようにシールする(たとえば、透明エポキシ化合物を用いる)のに、コストのより掛からない方法を用いてもよい。
【0204】
図63に図示されるように、イメージ・センサ380は、フレキシブルケーブル250のフレキシブル基板381に電気的に接続される。いくつかの実施形態では、絶縁保護コーティング材料を用いて、水分に対する更なる保護を与え、オプションとして、イメージ・センサ380に取り付けられるボール・グリッド・アレイの接点を支持するように作られる。フレキシブルケーブル250は、イメージ・センサ380からの及びイメージ・センサ380へのデータ及び/または指令の搬送手段に加え、イメージ・センサ380に電力を供給する。いくつかの実施形態では、補強材382をカメラ・アセンブリ350に含んでもよい。図63に示す例示の実施形態では、補強材382は、イメージ・センサ380が支持される構造を補強するように配置され、イメージ・センサ380の物理的な全体性を保護するのに役立つ。たとえば、補強材382は、薄いアルミニウムの裏あて(例示の実施形態では、約0.051mm{0.002インチ}の厚さである)を備えてもよい。
【0205】
カメラ・アセンブリ350はまた、1つまたはいくつかのファイバ・ガイド384を含んでもよい。図63に示す例では、ファイバ・ガイド384は、カメラ・ハウジング底部358の底面に接続される。例示のファイバ・ガイド384は、ガイド溝386を含む。
ファイバ・ガイド384のガイド溝386の背面壁は、図63のページの底部に向けて突き出るように示される。ファイバ・ガイド384はまた、図63に示される例示のファイバ・ガイド384ではガイド溝386の背面壁にへこむ、いくつかの方向付けノッチもしくはチャネル388である、または、いくつかの方向付けノッチもしくはチャネル388を含む。図63の例示の実施形態を含め、いくつかの実施形態では、方向付けノッチまたはチャネル388は、カメラ・ハウジング頂部356とカメラ・ハウジング底部358の片方または両方に形成される。ファイバ・ガイド384は、内視鏡10の組み立ての間、照明ファイバ364の経路を決めるのに役立つ。ファイバ・ガイド384はまた、内視鏡10の操作の間、照明ファイバ364を所定の位置に維持する働きもする。ファイバ・ガイド384の位置、形、数、大きさなどは、内視鏡10の特定の構造に応じて変わり得る。いくつかの実施形態では、照明ファイバ364を所望の位置に維持するのを助けるのに、ファイバ・ガイド384に加えて、膠、エポキシあるいは他の接着剤または化学物質が用いられる。たとえば、ライトガイドまたは光投射要素を用いるいくつかの場合(たとえば図35~42に図示され、または図64に図示されるように)には、ファイバ・ガイド384をアセンブリに用いなくてもよい。
【0206】
図64は、図34の線62-62から見た図34に示されたカメラ・アセンブリ350の断面を示す。図示されるように、レンズ・アセンブリ354が、カメラ・ハウジング355の所定の位置に示される。イメージ・センサ380もまた、カメラ・ハウジング355内の所定の位置に示される。レンズ・アセンブリは、画像をイメージ・センサ380に投射するように位置する。上記のように、イメージ・センサ380は、どのようなタイプのイメージ・センサ(たとえば、CCD、CMOS等)であってもよく、流体に晒されないようにシールされる。また上記のように、イメージ・センサ380は、フレキシブルケーブル250に取り付けられたフレキシブル基板381に接続される。図64に示されるカメラ・アセンブリ350は、ファイバ・ガイド384(図63参照)を含まない。代わりに、光投射要素または発光体2005が、図64のカメラ・アセンブリ350の所定の位置にある。
【0207】
図示されるように、フレキシブルケーブル250は、例示の実施形態では、それ自身をバックアップするため二重になっている。このことは、フレキシブルケーブル250を曲げて、フレキシブルケーブル250の影響を受ける領域に膠または他の固定剤を塗ることにより成し遂げられる。カメラ・アセンブリ350の下方でフレキシブルケーブル250を二重ループにすることは、カメラ・アセンブリ350が限られた空間に閉じ込められる実施形態では有利である。たとえば、カメラ・アセンブリ350を図22に示される内側鞘312内の空間に閉じ込めることは、曲げるのに使えるフレキシブルケーブル250の量を限定することになる。そこで、フレキシブルケーブル250は、カメラ・アセンブリ350のある回転位置で、不適切に小さな半径で曲がらなければならない。この小さな曲がり半径は、特にそれが繰り返し起こるときに、フレキシブルケーブル250に害を及ぼし得る。この問題は、内側鞘312の直径が小さくなると、より大きな問題となる。しかし、フレキシブルケーブル250をそれ自身をバックアップするため二重に配列することで、カメラ・アセンブリ350が回転する際にフレキシブルケーブル250のより大きな長さが繰り返しの曲げに利用でき、より大きな最小曲げ半径が得られる。よって、このことにより、繰り返しの小半径での曲げと戻しによるフレキシブルケーブル250の完全性に関する懸念なしで、内側鞘312を小径にすることができる。
【0208】
光投射要素2005につながるフレキシブルケーブル250と光ファイバ364の双方は、曲げにある程度の抵抗を示す。さらに、その双方は、曲げられたときに復元バネ力を示す。曲げに対するこの抵抗は、カメラ・アセンブリ350の回転に対する抵抗を増大する。図65に図示されるように、フレキシブルケーブル250と光ファイバ364は、互いに対して角度を有する。このような配列は、光ファイバ364に対するフレキシブルケーブル250の剛性を利用し、またその逆をし、カメラ・アセンブリ350を回転するのに役立つ。この概念を最もよく図示するため、図65では、フレキシブルケーブル250は、それ自身のバックアップのために二重にはされていない。
【0209】
いくつかの実施形態では、カメラ・アセンブリ350の少なくとも1つの照明源は、カメラ・アセンブリ350の視野内以外の方向に光を投影するように配置されてもよい。すなわち、照明源の直接照野は、それがカメラ組立体の視野の外側にあるか、または一致しないように方向付けられてもよい。このような照明源は、間接照明源と称することができ、一方、光をカメラ・アセンブリ350の視野に直接投影する照明源は、直接照明源と称することができる。間接照明源は、たとえば、カメラ・アセンブリ350の背後またはカメラ・アセンブリ350の視野の方向と実質的に反対の方向に光を放射するように配向されてもよい。たとえば、レンズ・アセンブリ354またはレンズの周囲に結合し、レンズ・アセンブリ354またはレンズの視野に光を投影する光投射要素2005の代わりに、またはそれに加えて、光投射要素2005を、カメラ・アセンブリ350をレンズ・アセンブリ354またはレンズの反対側に配置する。
【0210】
反直感的であるが、カメラ・アセンブリ350の視野の外に(たとえば、視野とは反対の方向にカメラ・アセンブリ350の背後に)投影光があると、画像品質が向上し、画像処理の必要性が低減する。たとえば、このような照明配置は、そうでなければ直接照明される領域のシャドーイングを維持することができるので、内視鏡手順においてより深い知覚を提供するのを助けることができる。投光素子2005または他の照明源からカメラ・アセンブリ350の視野の外の点に光を放射することにより、淡いホットスポットまたは領域と露出していない暗いスポットまたは領域が緩和される。そのような照明配置は、カメラ・アセンブリ350の視野内のより均一な照明を提供するのを助けることができる。
【0211】
いくつかの光源702a~dからカメラ・アセンブリ350の視野700の内側及び外側の領域に光を放射することができる照明構成の代表的な実施形態を図66に示す。示されているように、内視鏡ハンドル内のプリント回路基板の延長部430hが、カメラ・アセンブリ350まで延在して示されている。プリント回路基板延長部430hは、挿入部分14内の様々な構成要素に電力及びデータ通信経路を提供することができる。いくつかの実施形態では、プリント回路基板延長部430hの代わりにリボンまたはフレキシブルケーブル250(たとえば、図14参照)を使用することができる。プリント回路基板延長部430hには多くの部品が取り付けられている。これらの構成要素は、センサ、発光体などの任意のまたは様々な異なる構成要素であってもよい。例示的な実施形態では、構成要素は、光源702a~dとして説明される。光源702a~dは、限定されるものではないが、光ファイバ・ケーブル、投光素子2005(たとえば、図62参照)、LED、またはLEDのアレイなどの任意の適切な光源であってもよい。
【0212】
LEDの使用は、いくつかの特定の実施形態では、様々な理由により望ましいことがある。たとえば、LEDの使用は、いくつかの特定の実施形態の照明ファイバの束/リボンの必要性を除去することができる。一部の光ファイバは、使用中に長時間の曲げを受けると劣化し、曲げられたときに光損失する傾向がある。LEDは長持ちし、屈曲の対象となる長い繊維束を必要としない。LEDの使用はまた、内視鏡の乾燥部分(たとえば、ハンドル12)と内視鏡の湿潤部分(たとえば、挿入部分14)との間の通過要素の数を最小にすることができる。さらに、光ファイバを省略することにより、挿入部14内の流体導管の断面積がより小さくなることが防止される。これにより、挿入部14を通る灌注流体の流量を増加させることができる。LEDはまた、製造の容易さを単純化または向上させるのに役立ち得る。
【0213】
図示されているように、第1の光源702aは、概ねカメラ・アセンブリ350の視野700に向かって光を投射するように配置される。そのような光源702aは、視野700の直接照明を概ね提供することができる。いくつかの実施形態では、直接光源702aを省略してもよく、またはたとえば光源702b~dのいずれかまたは組み合わせなどの1つまたは複数の他の間接照明源を伴ってもよい。直接照明源702aが1つ以上の間接照明源と併せて含まれる実施形態では、直接照明源702aは、1つ以上の間接照明源よりも低い強度の光を提供することができる。いくつかの実施形態では、直接照明源702aは、間接照明源によって放射される異なるスペクトルまたはスペクトルのサブセットの光を与えることができる。たとえば、直接照明源702aはRBG LEDアレイであってもよく、間接照明源は白色光を放射してもよい。
【0214】
多数の他の光源702b~dも図66に示されている。これらの光源は、説明のために一緒に示されており、任意の所定の実施形態において存在する必要はない。任意の数の照明源702a~dが、様々な実施形態に含まれてもよい。照明源702a~dのいくつかは、様々な実施形態において省略されてもよい。光源702b~dの各々は、間接照明源であり、カメラ・アセンブリ350の視野700内に直接光を放射しないように配置されている。光源702b~dは、カメラ・アセンブリ350の視野700と実質的に反対の方向に光を放射するように配置される。光源702dは、カメラ・アセンブリ350に取り付けてもよく、カメラ・アセンブリ350の側面から光を放射するように構成してもよい。好ましい実施形態では、バックライトは手術部位の唯一の照明源を与える。この場合、内視鏡の遠位端のための照明源は、たとえば、位置702Bに配置された1つ以上のLEDのみを含むことができる。すなわち、カメラ・アセンブリの視野の大部分が向いている側から離れた内視鏡シャフトの側から光を投射する。このようにして与えられた光は、カメラ・アセンブリによって視認された空間をより間接的かつ拡散的に照明し、カメラに直接照射される光の明るい反射を防止し、または陰影のキャストを低減し、視野のオペレータの視野を改善する。一方、位置702AにLEDを配置することは、カメラ視野700が向けられる手術部位の領域の照明を改善することができる。
【0215】
カメラ・アセンブリ350は、1つ以上の光源702a~dから放出された波長を選択的に使用する1つ以上の光学フィルタを含むことができる。たとえば、偏光フィルタまたはバンドギャップフィルタを使用して、カメラ・アセンブリ350による撮像を強化することができる。
【0216】
実施形態に応じて、カメラ・アセンブリ350は、挿入部14内で回転可能であってもよい。このような実施形態では、照明源702a~dは、カメラ・アセンブリ350が回転されるときに静止したままであり得る。代替的に、1つ以上の照明源702a~dは、カメラ・アセンブリ350と共に回転することができる(たとえば、光源702a~dをカメラ・アセンブリ350に取り付け、カメラ・アセンブリ350と共に回転させることができる)。光源702a~dは、カメラ・アセンブリ350の可能な回転位置の任意のまたは大きな割合(たとえば、約70%から100%)で視野700に直接光を放出しないように配置してもよい。いくつかの実施形態では、シャフトまたは挿入部14の全遠位端(または挿入部14全体)は、透明であり、カメラ・アセンブリ350を回転させて、透明部分または複数の部分を通して多くの視野角を得ることができる。この特定の実施形態では、挿入部14の遠位部分は、任意に周囲の空間から流体封止されてもよく、カメラ及び光源は、シャフトの遠位端の透明性に頼っている。
【0217】
さらに、いくつかの実施形態では、カメラ・アセンブリ350の回転位置を監視するコントローラは、視野700の位置に応じて様々な光源702a~dによって放出される光の強度を増減させることができる。たとえば、コントローラは、ピボット軸204(たとえば、図14参照)に取り付けられた回転ポテンショメータなどのセンサを介して、旋回制御構造100(図14参照)の変位を監視してもよい。センサから収集されたデータに基づいて、コントローラは、光源702a~dが直接光源から間接光源へ、またはその逆にシフトしたかどうかを判断することができる。コントローラは、それに応じて、その光源702a~dによって生成される光の強度をそれに従って調整することができる。センサ読取値に基づいて、コントローラは、たとえば、どの光源702a~dがカメラ・アセンブリ350の視野700に光を放出しているかを決定し、これらの光源702a~dによって生成された光の強度を減少させる。コントローラは、カメラ視野700内に直接光を直接放射していた光源702a~dが間接的な光源として動作するように、センサ読取値を使用してカメラ・アセンブリ350が回転されたかどうかを判定することができる。
光源702a~dが直接光源から間接光源にシフトしたと判定された場合、その光源702a~dによって生成された光の強度を増加させることができる。放射される光の調整は、連続的、漸進的な方式、段階的な方式及び2値方式(たとえば、予め設定された直接的な強度レベルと間接的な強度レベルとの間の切り替え)で行ってもよい。
【0218】
いくつかのLED光源750と、プリント回路基板430aの延長部430h上のセンサ754とを含むプリント回路基板430aの一例が図67-68に示されている。センサまたはカメラ・アセンブリ350は、PCB延長部430hの端部にも示されている。
図67はプリント基板430aの上面図を示し、図68は、プリント回路基板430aの側面図を示す。
【0219】
プリント回路基板430aは、シャフト部分430Hが延出する主部分430Lを含むことができる。プリント回路基板430aの主要部分430Iは、内視鏡10のハンドル12(たとえば、図3Aまたは図3B参照)内に収容してもよい。図67図68に示す例示の実施形態では、簡略化のために、主要部分430Iは電子構成要素を装着して示されていない。例示的な構成要素430b~fが配置された例示のプリント回路基板430aが図96に示されている。いくつかの実施形態では、図68に示すように、プリント回路基板430aの主要部分430Lの少なくとも一部は、保護コーティングまたは材料の層でコーティングまたは被包することができる。保護材料は、様々なポッティング材料またはコンフォーマルなコーティング材料のいずれかであってもよい。アクリル、エポキシ、ポリウレタン、シリコーン、パリレン、熱硬化性プラスチック、ゴム、または任意の他のポッティング材料またはコンフォーマルコーティング材料を使用することができる。好ましくは、保護材料は生体適合性であり、防水特性を提供する。透明保護コーティングは、突出部430h上のLED750及びセンサ754の上に配置することもできる。
【0220】
PCB延長部(または任意選択でリボンケーブル)430hは、通り抜けバリア159(たとえば、図15参照)を通って、かつ、内視鏡10の挿入部14(図15参照)の軸線に沿って延在することができる。突出部分430hは、挿入部14内の様々な構成要素(たとえば、カメラ・アセンブリ350及び/またはLED750)に電力及びデータ通信経路を提供することができる(たとえば、図15参照)。突出部430hは、いくつかの異なる部分に分割することができる。図示の例では、突出部430hは、第1の部分430i、第2の部分430j、及び第3の部分430kを含む。(他の実施形態では、突出部430hは、異なる数の構成要素に分割されてもよい)。突出部430hの各部分は、異なる特性を有してもよい。たとえば、突出部分430hの各部分は、異なる程度の可撓性を有することができる。ある部分は剛性回路基板であり、他の部分はフレキシブルケーブルである。さらに、回路基板の各部分は、異なる層数、異なる幅、各層上の異なるトレース数などを有することができる。プリント回路基板430aの突出部分430hの少なくとも一部は、フレキシブルケーブルであるか、そうでなければ可撓性であることが望ましいことがある。これは、カメラ・アセンブリ350の回転を容易にするのに役立ち得る。
【0221】
いくつかの実施形態では、第1の部分430iは、6層の剛性回路基板であってもよい。第2の部分430jは、2層フレキシブルケーブルであってもよい。第3の部分430kは、4層の剛性基板であってもよい。各部分は、次の部分に移行することができ、またはコネクタは、突出部430hの1つまたは複数の部分の間で使用し得る。製造を単純化し、コストを削減するために、内視鏡シャフト内の通信及び電力線は、内視鏡ハンドル内に配置された主PCBの可撓性及び/または剛性の延長部を含むことが好ましい。延長部を有するPCB全体は、図33.2に示すように製造することができる。任意の可撓性PCB延長部は、図33.3に図示されるように折り畳むことができる。内視鏡の組み立て中に、コンパニオンPCB延長部(剛性または可撓性)に隣接して通る。
【0222】
センサ754は、様々なセンサのいずれであってもよい。いくつかの実施形態では、センサ754は、サーミスタ、熱電対、または抵抗温度検出器などの温度センサであってもよい。いくつかの特定の実施形態では、センサ754はサーミスタであってもよい。温度センサ754を使用して、LED750の近傍または周囲の環境の温度を監視することができる。
【0223】
内視鏡処置中、灌注流体がLED750の上を流れることがある。この流体は、LED750の温度を所望の温度範囲内に保つように、LED750を冷却するのに役立ち得る。内視鏡10が患者の外側にあり、灌注流体が流れていない場合、コントローラは、LED750の近くの環境が所望の温度範囲よりも暑くなっているかどうかを判断するためにセンサ754からのデータを監視する。温度が温度範囲を超える場合、コントローラはLED750への電流の流れを低下させるように命令するか、またはコントローラはLED750をオフにするように命令することができる。温度センサを灌流流体流量センサとして使用することもできる。内視鏡処置の間、灌流流体の流速は、LED750を囲む領域が所望の温度範囲内に入るように、対流によってLED750によって生成された熱を消散させるのに充分であり得る。流量が一定量を超えて減少する場合には、LED750に近接する領域の温度が上昇し得る。この上昇は、いくつかの実施形態では、灌注流体流量の減少としてコントローラによって解釈され得る。それに応答して、コントローラは、ユーザにこの旨の通知を生成することができる。
【0224】
図69は、検出された温度に基づいて挿入部14内のLEDを制御するためにコントローラによって使用され得る多くの例示のステップを詳述するフローチャートを示す。ステップ756において、コントローラは、LED近傍の温度センサからデータサンプルを受信する。次に、コントローラは、ステップ758でデータサンプルを分析する。分岐760で温度が第1の所定範囲外でない場合、ステップ756を繰り返すことができる。分岐760で温度が第1の所定の範囲外である場合、コントローラは、ステップ762において、1つ以上のLEDを第1の状態から第2の状態に遷移させることができる。温度範囲は、40~50℃(たとえば、50℃)の高境界を有することができる。第1の状態は、高い光出力強度のオン状態であってもよく、第2の状態は、オフ状態であってもよい。例示的なフローチャートでは、第2の状態は、淡色またはオフ状態である。コントローラは、ステップ764で温度センサからデータサンプルを受信し、ステップ766でデータサンプルを分析する。分岐768でデータサンプルが、温度が第2の所定の範囲外であることを示す場合には、ステップ764を繰り返すことができる。分岐768でデータサンプルが、温度が第2の所定の範囲内にあることを示す場合、ステップ770において、少なくとも1つのLEDをオンにするか、またはそれが生成する光の強度を増加させるように命令することができる。
【0225】
第1及び第2の所定の範囲は同じであってもよく、または第1及び第2の所定の範囲は異なっていてもよく、第2の所定の範囲は第1の所定の範囲より小さい。これにより、コントローラは、点灯/消灯または調光の間を急速に繰り返さず、LEDからの光の強度を増加させることができる。いくつかの実施形態では、ステップ762に到達した後、タイマーを開始することができる。タイマーは、明るさが変更された少なくとも1つのLEDのための最小明暗タイマーであってもよい。最小オフまたはディマータイマーが経過していない場合、温度が第2の所定の範囲内であっても、少なくとも1つのLEDを戻したり、光出力強度を増加させるように命令したりすることはできない。これは、LED状態間の急速なサイクルを防止するのにも役立つ。
【0226】
図70は、プリント基板430aの突出部430hの端部の一例を拡大して示す側面図である。図示するように、突出部430hは、第1の部分430i、第2の部分430j、及び第3の部分430kを含む。第3の部分430kには、カメラ・アセンブリ350が取り付けられている。センサ754は、第1の部分430i上に多数のLED750a~dの近傍に取り付けられている。センサ754は、サーミスタなどの温度センサであってもよく、LED750a~dの制御を助けるために使用してもよい。温度以外の流体環境(たとえば、導電率、pHなど)の特性を検出するためのセンサを使用することもできる。
【0227】
LED750aは、直接照明源であってよく、一般に、カメラ・アセンブリ350の視野700内に光を投射する。LED750aは、突出部430hの第1の部分430iの第1の側面430mに取り付けられる。LED750b~dは第1の部分430iの第1の側面430mの反対側の第2の側面430nに取り付けられている。これらのLED750b~dは、間接的な光源であってもよく、いくつかの実施形態では、カメラ・アセンブリ350の任意の回転方向でカメラ・アセンブリ350の視野700に光を直接投射することはできない。いくつかの実施形態では、LED750aはRBG LEDアレイであってもよい。LED750aは、所望の態様でカメラ・アセンブリ350のイメージ・センサによって生成された画像の色を修正するのに役立つスペクトルの光を提供するように調整することができる。たとえば、LED750aは、カメラ・アセンブリ750aのイメージ・センサのカラーバイアスを補正するように調整しもよい。LED750b~dは白色光LEDであってもよい。図示のように、突出部430hの第1の部分430iは、突出部430hの他の部分430j、430kに対するプリント回路基板のより厚い部分であってもよい。これは、LED750a~dの電力需要が容易に適応されることを可能にする。
【0228】
第1の部分430iは、突出部分430hの第2の部分430jに移行することができる。第2の部分430jは、比較的薄いフレキシブルケーブルであってもよい。第2の部分430jは、カメラ・アセンブリ350のピボットピン366の軸の周りのカメラ・アセンブリ350の回転を容易にすることができる。図示されているように、第2の部分430jは、第1の部分430iと第3の部分430kが互いに平行であるときに、第2の部分430jが湾曲またはアーチになるような長さであってもよい。これは、カメラ・アセンブリ350の動作範囲を広げるのを助けることができる。
【0229】
図71は、挿入部14のカメラ・アセンブリ・ハウジング330の例示の実施形態を示す。 図72は、図71の線72-72で見たカメラ・アセンブリ・ハウジング330の断面図を示す。カメラ・アセンブリ・ハウジング330は、内側鞘312と連続しており、両者は単一部品として形成することができる。図2に示すように、図71図72には、プリント回路基板430a(たとえば、図68参照)の突出部分430hが、カメラ・アセンブリ・ハウジング330内に示されている。突出部430hは、図4に示すものと同様である。カメラ・アセンブリ350と、複数のLED750a~dと、オプションとして、センサ754とを含む。図示されるように、LED750a~dは、カメラ・アセンブリ・ハウジング330の上部及び底部開口338、340から光を放射するように配置される。カメラ・アセンブリ350は、その視野が丸みを帯びた先端342で包囲された開口部344から上部空隙338によって提供される開口を通って掃引され得るように、パンされてもよい。完全に組み立てられたとき、外側鞘318(たとえば、図22参照)は、カメラ・アセンブリ350を保護するために、遮蔽されていない視野を提供しながら、カメラ・アセンブリ・ハウジング330及び内側鞘312の上に配置することができる。
【0230】
図23.1は、センサまたはカメラ・ハウジング500がシャフトの先端に配置される内視鏡(または関節鏡)14のシャフトの遠位端の斜視図を示す。この場合、内側鞘312は、最も遠位の保護ガード、シールドまたは先端構造を有していない。回転可能なセンサまたはカメラ・ハウジング500の少なくとも一部(すなわち最遠位部分)は、内視鏡挿入端部の最遠位要素を形成する。したがって、センサ・ハウジング500は、軟組織、骨、軟骨または関節面を含む解剖学的構造との繰り返し接触に耐えるように構成されることが好ましい。一実施形態では、カメラ・ハウジング350について上述したように、丸型またはドーム型カメラ・ハウジング500は、回転可能なカメラ・ハウジングと共に移動可能であり、カメラ・ハウジング500の視野に向かって連続的に向けられる光源を含むこともできる。光源は、たとえば、1つ以上のLED、または光ファイバ束の終端を含むことができる。図23.1に示すように、光源508(この場合、LEDのバンク)は、回転可能なセンサまたはカメラ・ハウジング500の位置のちょうど近位の軸の側に配置される。この図では、光源508は、内視鏡シャフト14の長軸に対して約90度回転したときに、カメラ/レンズ・アセンブリ500の一般的な視野に向けて照明を向ける側にある。(あるいは、光源は、カメラ・アセンブリ(レンズ及びセンサ)が向くことができる側とは反対側に配置されてもよい)。示された構成では、カメラ・アセンブリの光軸は、内視鏡の挿入端の第1の側から投影された光の方向に概ね向けられ得る。他の構成では、光源は、挿入端の第2の対向する側に配置され、内視鏡の挿入端の第2の側から光を投射し、一方、カメラ・アセンブリの光軸は、内視鏡の挿入端部の第1の側の反対側にある。図72.1は、光源508(この例ではLED)によって放射された光が、センサ及びレンズ512の視野から概ね離れた領域に向けられるこの後者の配置の斜視図を示す。
代替的な第2の配置は、内視鏡の手術部位において照明源によって生成される周囲光に依存するカメラ・アセンブリの視野の間接照明(またはバックライト)を提供することを意図している。照明源またはLEDは、挿入端部の内側鞘またはシャフトの外側表面と同一平面になるか、または窪むように取り付けられる。窪んでいる場合、LEDによって発生した熱が手術部位内の近くの組織に直接接触または傷つく可能性は低い。
【0231】
ここで図73を参照すると、異なる強度及び/またはスペクトルで光を生成することができる少なくとも1つの可変照明源を含む実施形態では、内視鏡10は、様々な照明パラメータを設定するのを助けるために、較正固定具780に配置し得る。1つ以上の白色LED及び1つ以上の有色LED(たとえば、RBG LEDアレイ)を有する実施形態は、たとえば、使用前に較正器具に置かれて、そのLEDの光出力強度を調整し、1つ以上の有色LEDの色出力を調整する。これは、より均一な画像品質を保証し、LED及び/またはイメージ・センサ間の変動に起因し得る内視鏡10間の差異を最小にするのに役立つことがある。
【0232】
較正用固定具780は、内視鏡10の挿入部14に嵌合するように寸法決めされた開口782を含む遮光ボックスまたは他の容積であってもよい。この開口782は、内視鏡10が較正用固定具780に取り付けられたとき、内視鏡10の挿入部14に対して遮光シールが形成されるように、ガスケットされてもよい。較正固定具780の内部は、内視鏡10のカメラ・アセンブリ350(たとえば、図71参照)の視野内に配置された既知の特性を有する1つ以上の目標を含むことができる。たとえば、既知の色特性を有する目標を較正固定具780内に配置することができる。
【0233】
コントローラは、カメラ・アセンブリ350のイメージ・センサによって取り込まれた画像内の1つまたは複数の目標の特性を監視することができる。目標の特性(たとえば、色)が分かっているので、コントローラは、捕捉された画像内の目標の特性が対象の目標の範囲内に一致するかまたはその範囲内または目標の既知の特性に入るまで、可変光源によって提供される照明を調整することができる。たとえば、挿入部14に含まれた多数のLED750a~750d(たとえば、図70参照)によって生成される光の強度及び/またはスペクトルを調整することができる。
【0234】
図74は、内視鏡に含まれる少なくとも1つの可変光源の1つ以上の照明パラメータを較正するために使用し得る多くの例示のステップを詳述するフローチャートを示す。ステップ784において、カメラ・アセンブリを含む内視鏡の挿入部の一部を較正用固定具内に配置することができる。一旦挿入されると、コントローラは、ステップ786において、内視鏡内の可変照明源に光を発するよう命令することができる。光は、デフォルト・パラメータ(たとえば、光強度及び色パラメータ)に基づいて放出されてもよい。ステップ788において、コントローラは、内視鏡のカメラ・アセンブリのイメージ・センサから画像データを受け取ることができる。このデータは、ステップ790においてコントローラによって分析されてもよい。画像データは、たとえば、捕捉された画像内の1つまたは複数の目標の関心の1つ以上の特性を決定するために分析されてもよい。これらの特性は、ステップ792において、画像化された1つまたは複数の目標の既知のまたは予想される特性と比較され得る。分岐794で取り込まれた画像内の目標の特性が、既知のまたは予想される特性の範囲内にある場合、較正は、ステップ796において完了したとみなされ得る。分岐794で取り込まれた画像における1つまたは複数の目標の特性が、既知または予想される特性の範囲内にない場合、コントローラは、ステップ798において、内視鏡の少なくとも1つの可変照明源の1つまたは複数の照明パラメータを調整することができる。例示の実施形態では、ステップ798において、少なくとも1つの可変光源によって生成された光の強度及び/またはスペクトルが調整される。ステップ788は調整後に繰り返されてもよい。画像は比較され、分析され続け、照射された画像内の標的の特性がそれらの既知の値または期待値の範囲内に入るまで照射パラメータを調節することができる。内視鏡シャフトの遠位端にあるセンサまたはカメラ上に画像を集束させるために、レンズまたはレンズ群の構成及び組立てに様々な方法を使用することができる。このような方法及び技術の例は、2014年1月31日に出願された米国特許出願第14 / 170,080号(米国出願公開第2014/0221749号)に開示されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0235】
図96は、内視鏡10の他の実施例を示す。外側鞘318は、図96の内視鏡に取り付けられて示されている。さらに、この説明の明確化のために、ハンドル近位部分16の下側半殻22及びハンドル遠位部分30の半分(30a)のみが見える。図示されるように、内視鏡10は、ハンドルに封入されたプリント基板430a(ハンドル又は主PCB430aとも称する)を含む。電子ケーブル(たとえば、パワー/HDMIケーブルなど)432、光ファイバ364及び洗浄/吸引ライン434も図示される。図96は、パワー/HDMIケーブル432、光ファイバ364及び洗浄ライン434の例示の経路も図示する。図示されるように、電子ケーブル432、光ファイバ364及び洗浄ライン434は、ハンドル近位部分16の後ろまたは残片の開口60を通って内視鏡10に入る。この入口はハンドル側部の入口より有利であり、それは、ハンドル近位部分16に対して挿入部分が回転して種々のコードやケーブルが絡まる可能性を低めるからである。
【0236】
いくつかの実施形態では、電子ケーブル432、光ファイバ364(存在するならば)、及び洗浄ライン434は、後ろのハンドル 開口60に対してある角度で内視鏡10に入ってもよい。そのような配置により、ユーザが、ハンドル近位部分16の後ろの部分のより大きな部分を掴むことができるので、ユーザにとって人間工学的利点をもたらす。
【0237】
図示されるように、電子ケーブル432、光ファイバ364(内視鏡に実装されているならば)、及び洗浄ライン434は、ハンドル近位部分16に入った後にハンドルPCB430aの部分を越えて延在する。電子ケーブル432は、ハンドルPCB430aのコネクタ430b(たとえば、パワー/HDMIコネクタなど)に差し込まれる。電子ケーブル432は、内視鏡10に電力を供給する。画像データは、フレキシブルケーブル250を経由してハンドルPCB430aに伝えられる。電子ケーブル432は、内視鏡10により収集された映像データを外部のグラフィカル・ユーザ・インターフェース・ディスプレイ(不図示)に伝達する。光ファイバ364(内視鏡に実装されているならば)と洗浄ライン434は、ハンドルPCB430aの下で延在し、前述の経路に従う。内視鏡10が使い捨ての実施形態では、電子ケーブル432、光ファイバ364及び洗浄ライン434はすべて、使い捨てコンポーネントに含まれ、内視鏡が使用されるたびに確実に無菌状態にし、または再利用のための無菌化及びパッケージングのための費用を節約する。
【0238】
この例では、ボタン90用の制御ワイヤ91も図96に図示される。図示されるように、制御ワイヤ91は、シール部材210の開口を通り抜ける。制御ワイヤ91は、ハンドルPCB430aと連通する。また図96に図示されるように、ハンドルPCB430aは、ハンドルPCBフレキシブルケーブル430eを含む。ハンドルPCBフレキシブルケーブル430eは、ハンドルPCB部430fにつながり、ハンドルPCB部430fが、ハンドルPCB430aの残りの部分に対してある角度(たとえば、直角)に向くようにする。組み立てられると、ハンドルPCB部430fに接続されたフレキシブルケーブルは、例示の回転検知アセンブリ150(図8参照)の2つのポテンショメータ122の間に配置される。
【0239】
いくつかの実施形態では、ハンドルPCB430aは、画像またはグラフィック処理ユニット430cを含む。しかし、画像処理ユニット430cは内視鏡10の外部に置くことが好ましい。画像処理ユニット430は、内視鏡10の電子復元機構(electronic righting mechanism)として機能する。画像処理ユニット430cは、イメージ・センサ380で撮像された画像を受信し、その画像は、イメージ・センサ380からハンドルPCB430aへフレキシブルケーブル250経由で送られる。好適な実施形態では、それからイメージ・センサ380で撮像された画像は、電子ケーブル432経由で内視鏡10の外部の画像処理ユニット430cへ伝達される。画像処理ユニット430cはまた、回転検知アセンブリ150からの信号を受信する。いくつかの実施形態では、アナログ/デジタル変換器430dがハンドルPCB430aに含まれ、回転検知アセンブリ150からの信号を変換する。画像処理ユニット430cは、回転検知アセンブリ150からの信号を用いて、その画像を電子的に所望の方向に「位置を戻す」ようにしてもよい。いくつかの実施形態では、ユーザの視点から撮像されたものとして表示されるように、画像は画像処理ユニット430cで回転される。いくつかの実施形態では、画像処理ユニット430cまた、レンズ歪みの影響を矯正する。
【0240】
グラフィカル・ユーザ・インターフェースに表示される画像の方向が最初に矯正されない限り、表示された画像はユーザにとって方向感覚が違っている。ユーザの視点に従って方向を決めることにより、画像処理ユニット430cは、回転検知アセンブリ150からのデータを用いて、画像がユーザの視点に対応するようにその画像を自動的に回転する。
【0241】
図97は、画像システムの例示のブロック図を示す。図示されるように、画像システムは画像を撮像するイメージ・センサ380を含む。イメージ・センサ380で撮像された画像は、カメラ・シリアル・インターフェース450(たとえば、MIPIカメラ・シリアル・インターフェース)を経由して画像処理ユニット452に渡される。すると画像処理ユニット452(IPU)は、イメージ・フレームを画像システム中の他のハードウェアコンポーネントに移動する。他のハードウェアコンポーネントには、記憶装置やグラフィックス・プロセッシング・ユニット430c(GPU)を含むが、これらには限定されない。グラフィックス・プロセッシング・ユニット430cは、レンズ・アセンブリ354で生じた歪みを矯正する。
【0242】
いくつかの実施形態では、グラフィックス・プロセッシング・ユニット430cは、グラフィックス・プロセッシング・ユニット430cに装着された表面のテクスチャとして画像を表現することによりこの歪みを矯正する。このことにより、レンズ・アセンブリ354により導入された歪みを矯正及び/または除去する方法で、画像を調節しあるいは引き延ばす。画像が正しい位置に戻される実施形態では、グラフィックス・プロセッシング・ユニット430cは、回転検知アセンブリ150(たとえば図8参照)からの入力を介して矯正された画像を回転する。たとえば、回転検知アセンブリ150からの計測結果は、アナログ/デジタル変換器430d(たとえば図96参照)を通じてグラフィックス・プロセッシング・ユニット430cに渡される。アナログ/デジタル変換器430dからの信号を用いて、画像を正しい位置に戻された方向に回転する。いくつかの実施形態では、ユーザは、画像を正しい位置に戻すこと、歪みの矯正、及び/または種々の他の画像操作を切り替えることができ、それらは実行をオンまたはオフとされる。画像を正しい位置に戻すことは、図98に関連して本明細書で以下にさらに説明する。
【0243】
画像処理ユニット430cからの処理された画像は、その後グラフィカル・ユーザ・インターフェースまたはディスプレイ454上に表示される。いくつかの実施形態では、画像処理ユニット430cからの処理された画像は、メモリに記憶される。そのような実施形態では、ユーザは、画像を撮像して、たとえばボタン90を起動することにより後で呼び戻すためにメモリに記憶する。いくつかの実施形態は、イメージ・センサ380からのフレームを記録可能なビデオ・フォーマットにエンコードするビデオ処理ユニット456を含む。そのような実施形態では、エンコードされたビデオは、メモリに記憶される。ユーザは、上記のボタン90のようなボタンの相互作用を介してビデオ撮影を開始し停止するように内視鏡に指令する。
【0244】
いくつかの実施形態では、画像処理ユニット430cは、撮像された画像に露出フィードバック解析を掛ける。特定の実施形態では、画像の全ピクセルから画像ヒストグラムを作り出す。画像ヒストグラムを用いて、画像を調整し、または、イメージ・チップまたはセンサ380で受信した続きの画像の露出を調整する。画像処理ユニット430cによるこのようなさらなる処理は、画像中のブローアウト・ホワイト領域(blown-out white areas)または画像の露出不足暗色領域(underexposed dark areas)を減ずるのに役立つ。たとえばトーン・マッピングなどの画像を調整する他の手段を用いてもよい。
【0245】
図98は、回転検知アセンブリ150(たとえば、図98参照)からの入力を用いてどのように画像を正しい位置に戻すかを説明する例示の図である。図示されるように、第1ブロック2100と第2ブロック2102が図示される。各ブロック2100、2102内に、視野2104を有する内視鏡10が示されている。第1ブロック2100の内視鏡10の視野2104は、第2ブロック2102の内視鏡10から約180度の方向に向けられている。このことは、内視鏡10の近位端に関して内視鏡10の遠位端を回転することにより達成できる。従来の内視鏡10では、イメージ・センサが近位部分に収容されているので、近位部分に関する遠位部分の回転の間、イメージ・センサは回転しない。よって、第1ブロック2100及び第2ブロックに示される内視鏡10は、両方とも、画像2106を撮像する。
【0246】
イメージ・センサ380が内視鏡2106の遠位端と回転する本明細書で説明した幾つかの実施形態では、このことは当てはまらない。第1ブロック2100に示される内視鏡10は画像2106を撮像し、第2ブロック2102に示される位置に回転した同一の内視鏡10は、画像2108を撮像する。イメージ・センサが内視鏡10の遠位端と回転するにつれて、イメージ・センサは画像を反転させる。この位置では、たとえば、イメージ・センサの頂部は、従来の内視鏡10に慣れ親しんだ人が画像の底部に期待するものを取得する。
【0247】
オプションとして、画像を、内視鏡10の遠位端の回転の度数に比例して回転する。よって、画像は常に従来の内視鏡10に慣れたユーザに期待されるように表示させることができ、このことは、回転するイメージ・センサに関連した問題の軽減に役立つ。
【0248】
図面で示された様々な実施形態は、本開示の特徴のある例を示すためだけに示されたものである。所与の図面に示された特徴が請求されたデバイスまたは特徴に必ず含めねばならないとは限らない。そして図面は図解の目的だけに解釈されるものである。よって、ある要素の大きさは、誇張され、特定のスケールで描かれてはいない。さらに、同一の参照番号を有する図面中に示された要素は、前後関係により、同一の要素または類似もしくは似ている要素である。
【0249】
たとえば用語「第1」「第2」「第3」などの任意の用語は、明細書で用いられても特許請求の範囲で用いられても、類似の要素を区別することを意図しており、必ずしも続き順や時間的な順番を意味してはいない。そのように用いられる用語は、適当な状況下で入れ替えることができ(そうではないと明白に記述されていない限り)、本書で記載された開示の実施形態は、本書で説明され図解されたものとは他の順番や配列で実施できる。
本発明の第1の態様は、
内視鏡であって、
近位ハンドルと、遠位挿入端を有するシャフトと、
前記挿入端上の回転可能なハウジングに取り付けられたカメラ・アセンブリとを備え、 前記回転可能なハウジングは、前記挿入端の長軸に対して概ね垂直な軸の周りを回転するように構成され、
前記回転可能なハウジングは前記シャフトの前記挿入端の最遠位要素である内視鏡である。
本発明の第2の態様は、
第1の態様の態様の内視鏡において、前記カメラ・アセンブリは、イメージ・センサに隣接するレンズを含む内視鏡である。
本発明の第3の態様は、
第2の態様の内視鏡において、前記イメージ・センサは、CMOSまたはCCDデバイスである内視鏡である。
本発明の第4の態様は、
第1の態様の内視鏡において、前記内視鏡は、前記ハンドルから前記シャフトの挿入端まで延伸するプル・ワイヤを備え、前記プル・ワイヤは、前記回転可能なハウジングの一部の周りを包み、前記プル・ワイヤは、前記シャフト内の前記プル・ワイヤの前または後ろの動きに応じて、前記回転可能なハウジングを前後に回転させるように構成されている内視鏡である。
本発明の第5の態様は、
第1の態様の内視鏡において、前記回転可能なハウジングは、前記カメラ・アセンブリに、前記挿入端の長軸に沿った領域と、前記挿入端の長軸に少なくとも垂直な領域とを含む視野を与える動作範囲を有する内視鏡である。
本発明の第6の態様は、
第1の態様の内視鏡において、前記回転可能なハウジングは、前記カメラ・アセンブリの光軸が前記挿入端の長軸に対して約0度から約120度まで可動である動作範囲を有する内視鏡である。
本発明の第7の態様は、
第1の態様の内視鏡において、前記回転可能なハウジングは、前記カメラ・アセンブリの光軸が前記挿入端の長軸に対して約35度から約115度まで可動である動作範囲を有する内視鏡である。
本発明の第8の態様は、
第1の態様の内視鏡において、前記カメラ・アセンブリの前記回転可能なハウジングは、2つのハーフシェルのアセンブリから構成された回転楕円体シェルを備え、前記ハーフシェルの一方または両方が、前記カメラ・アセンブリを収容するための内部切欠きを有する内視鏡である。
本発明の第9の態様は、
第1の態様の内視鏡において、前記回転可能なハウジング上に配置された光源をさらに備え、この光源は、前記カメラ・アセンブリの視野を照明するように構成されている内視鏡である。
本発明の第10の態様は、
内視鏡であって、
近位ハンドルと、遠位挿入端を有するシャフトと、
前記挿入端に取り付けられたカメラ・アセンブリとを備え、
前記カメラ・アセンブリは、前記挿入端の長軸に対して概ね垂直な軸の周りを回転するように構成されており、
前記内視鏡はさらに、
前記シャフトの前記挿入端に配置され、前記挿入端の長軸に概ね垂直な方向に光を投射するように配向された光源を備える内視鏡である。
本発明の第11の態様は、
第10の内視鏡において、前記カメラ・アセンブリは、前記光源によって直接照射される領域を含む視野を有するように回転するように構成されている内視鏡である。
本発明の第12の態様は、
第10の態様の内視鏡において、前記カメラ・アセンブリは、前記光源によって直接照射される領域を除外する視野を有するように回転するように構成されている内視鏡である。
本発明の第13の態様は、
第12の態様の内視鏡において、前記カメラ・アセンブリの前記視野は、間接的に、または前記光源からの反射光または周囲光によって照明される内視鏡である。
本発明の第14の態様は、
第10乃至12の態様のいずれかに記載の内視鏡において、前記光源は、1つ以上の発光ダイオードである内視鏡である。
本発明の第15の態様は、
内視鏡で使用するためのプリント回路基板であって、
前記内視鏡のハンドル内に存在するように構成された前記プリント回路基板の基部を備え、
前記プリント回路基板の1つ以上の細長い延長部は、前記ハンドル内の前記プリント回路基板の前記基部から前記内視鏡のシャフトを通って延伸し、前記シャフトの遠位挿入端で終端するように構成されているプリント回路基板である。
本発明の第16の態様は、
第15の態様のプリント回路基板において、前記基部は、剛性基板に結合されたフレキシブル基板の複合体であり、前記1つ以上の延長部の少なくとも1つは、フレキシブル基板延長部を含むプリント回路基板である。
本発明の第17の態様は、
第15の態様のプリント回路基板において、前記基部は、剛性基板に結合されたフレキシブル基板の複合体であり、前記1つ以上の延長部の少なくとも1つは、剛性基板延長部を含むプリント回路基板である。
本発明の第18の態様は、
第15の態様のプリント回路基板において、前記基部は、剛性基板に結合されたフレキシブル基板の複合体であり、前記1つ以上の延長部のうちの第1のものは、フレキシブル基板延長部を含み、前記1つ以上の延長部のうちの第2のものは、剛性基板延長部を含むプリント回路基板である。
本発明の第19の態様は、
第18の態様のプリント回路基板において、前記フレキシブル基板延長部及び前記剛性基板延長部は、互いに隣接する前記基部から出現し、前記フレキシブル基板延長部の近位脚部は、前記剛性基板延長部から約90度の角度で延伸しているプリント回路基板である。
本発明の第20の態様は、
第19の態様のプリント回路基板において、前記フレキシブル基板延長部の前記近位脚部は、前記フレキシブル基板延長部の前記遠位脚部が、前記内視鏡の前記シャフトを通る前記剛性基板延長部に対して平行にかつ前記剛性基板延長部に隣接して位置合わせされるように折り畳まれているプリント回路基板である。
本発明の第21の態様は、
第19の態様のプリント回路基板において、前記フレキシブル基板延長部の遠位脚部が、前記剛性基板延長部に対して平行に前記基部から離れて延在するプリント回路基板である。
本発明の第22の態様は、
第21の態様のプリント回路基板において、前記プリント回路基板の基部、前記剛性基板延長部、及び前記フレキシブル基板延長部は、耐水性コーティングまたは膜で被覆されているプリント回路基板である。
本発明の第23の態様は、
第22の態様のプリント回路基板において、前記剛性基板延長部及び前記フレキシブル基板延長部は、前記内視鏡シャフトの流体運搬管腔を通って延在するプリント回路基板である。
本発明の第24の態様は、
第18の態様のプリント回路基板において、前記剛性基板延長部は、前記内視鏡シャフトの前記挿入端で1つ以上の光源に接続された電気ラインを担持するプリント回路基板である。
本発明の第25の態様は、
第18の態様のプリント回路基板において、前記フレキシブル基板延長部は、前記内視鏡シャフトの前記挿入端においてイメージ・センサに接続された通信ラインを担持するプリント回路基板である。
本発明の第26の態様は、
第25の態様のプリント回路基板において、前記イメージ・センサは、CCDまたはCMOSセンサであるプリント回路基板である。
本発明の第27の態様は、
第26の態様のプリント回路基板において、前記フレキシブル基板延長部は、前記イメージ・センサが前記内視鏡シャフトの軸線に概ね垂直な軸の周りを回転することを可能にするように構成されているプリント回路基板である。
本発明の第28の態様は、
内視鏡であって、
前記内視鏡のシャフトの遠位端に配置されたイメージ・センサからの信号を処理するための電子処理基板を収容するように構成された近位ハンドル・ハウジングと、
遠位ハンドル部分に対して固定された位置に前記電子処理基板を保持するように構成された遠位ハンドル・ハウジングと、
前記近位ハンドル・ハウジングの内壁に取り付けられた1つ以上の磁石であり、前記電子処理基板上のホール効果センサの隣に配置された磁石とを備え、
前記近位ハンドル・ハウジングが前記遠位ハンドル・ハウジングに対して回転可能であり、前記ホール効果センサは、前記遠位ハンドル・ハウジングに対して前記近位ハンドル・ハウジングの相対回転を表す信号を電子プロセッサに提供するように構成されている内視鏡である。
本発明の第29の態様は、
第28の態様の内視鏡において、前記電子プロセッサは、前記イメージ・センサによって生成された画像を表示するユーザ・インタフェースに接続され、前記画像の回転方向は、前記近位ハンドル・ハウジングの前記遠位ハンドル・ハウジングに対する相対的回転の変化によって変化する内視鏡である。
本発明の第30の態様は、
内視鏡であって、
前記内視鏡のシャフトの遠位端に配置されたイメージ・センサからの信号を処理するための電子処理基板を囲むハンドルと、
磁石を囲む部材を有するハンドル上のボタンと、
ホール効果センサが配置された前記電子処理基板の一部の上にまたは隣接して配置された磁石とを備え、
前記ボタンの押下げ、解除、または移動は、前記ホール効果センサによって生成される信号を変更するのに充分な程度に前記ホール効果センサの近傍の磁場を変化させる内視鏡である。
本発明の第31の態様は、
第30の態様の内視鏡において、前記ボタンは、前記電子処理基板に接続された電子制御装置に、前記イメージ・センサによって生成された画像の記録を開始させ、前記イメージ・センサによって生成された画像の記録を停止させ、ユーザによる前記ボタンの移動または解除に基づいて、前記イメージ・センサによって生成された画像の写真を撮る内視鏡である。
本発明の第32の態様は、
第30の態様の内視鏡において、前記ボタンは、前記電子処理基板に接続された電子制御装置に、前記電子処理基板の軸の遠位挿入端に位置する光源を、ユーザーによる前記ボタンの移動または解除に基づいて、オン、オフ、または調整させるように構成されている内視鏡である。
本発明の第33の態様は、
第31または32の態様の内視鏡において、前記ボタンの移動または解除は、前記ボタンの短くまたはより長い継続時間の押下げ、前記ボタンの2回以上の所定の一連の押下げ及び解除、または2つ以上の可変持続時間を有する2回の押下げの間の前記ボタンの解除を含む内視鏡である。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図11C
図11D
図12
図13
図14
図15
図16
図16A
図16B
図17
図17A
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図23.1】
図23.2】
図23.3】
図23.4】
図23.5】
図23.6】
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図33.1】
図33.2】
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図33.4】
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図33.7】
図33.8】
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図42
図43
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図58.1】
図59
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