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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125397
(43)【公開日】2024-09-18
(54)【発明の名称】太陽電池及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/0224 20060101AFI20240910BHJP
   H01L 31/18 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
H01L31/04 260
H01L31/04 400
H01L31/04 264
【審査請求】有
【請求項の数】25
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2024106210
(22)【出願日】2024-07-01
(31)【優先権主張番号】202410140805.X
(32)【優先日】2024-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523183389
【氏名又は名称】トリナ・ソーラー・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TRINA SOLAR CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 2 Trina Road, Trina PV Park, Xinbei District, Changzhou, Jiangsu 213031, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェン ダミン
(72)【発明者】
【氏名】ウー クゥイー
(72)【発明者】
【氏名】ワン チーカン
(72)【発明者】
【氏名】チェン イーフェン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本願は、太陽電池及びその製造方法を提供する。
【解決手段】製造方法は、基板層を提供するステップであって、基板層は、その厚さ方向に沿って対向して設けられた第1表面及び第2表面を含み、基板層の第1表面に第1導電層が形成されるステップと、第1導電層の基板層から離れた側に第1電極パターンを形成するステップであって、第1電極パターンは、第1導電層に電気的に接続され、第1電極パターンは第1パッドパターンを含み、第1パッドパターンは、1つ又は複数の第1半田リボンとの溶接に用いられるステップと、第1電極パターンの基板層から離れた側に、第1電極パターンを覆う第1誘電体層を形成するステップと、第1パッドパターンが位置する領域に対応する第1誘電体層の部分を除去し、第1パッドパターンを露出させるステップと、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板層を提供するステップであって、前記基板層は、その厚さ方向に沿って対向して設けられた第1表面及び第2表面を含み、前記基板層の前記第1表面に第1導電層が形成されるステップと、
前記第1導電層の前記基板層から離れた側に第1電極パターンを形成するステップであって、前記第1電極パターンは、前記第1導電層に電気的に接続され、前記第1電極パターンは第1パッドパターンを含み、前記第1パッドパターンは、1つ又は複数の第1半田リボンとの溶接に用いられるステップと、
前記第1電極パターンの前記基板層から離れた側に、前記第1電極パターンを覆う第1誘電体層を形成するステップと、
前記第1パッドパターンが位置する領域に対応する前記第1誘電体層の部分を除去し、前記第1パッドパターンを露出させるステップと、を含む、ことを特徴とする太陽電池の製造方法。
【請求項2】
前記太陽電池は、前記第1導電層と前記第1電極パターンとの間に設けられた第2誘電体層をさらに含み、前記第1電極パターンは、前記第2誘電体層を貫通して前記第1導電層に電気的に接続され、
前記製造方法は、
前記第1導電層の前記基板層から離れた側に前記第1電極パターンを形成する前に、前記第1導電層の前記基板層から離れた側の表面に第2誘電体層を形成するステップと、
前記第2誘電体層の前記基板層から離れた側の表面に、前記第1電極パターンと同一形状の第1導電性ペーストパターンを形成するステップと、
前記第1導電性ペーストパターンを焼結することにより、前記第1導電性ペーストパターンが前記第2誘電体層を溶落ちし、且つ前記第1導電性ペーストパターン中の導電性材料が前記第1導電層とオーミックコンタクトを形成して電気的接続を実現し、前記第1電極パターンを形成するステップと、をさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記第1電極パターンの前記基板層から離れた側に第1誘電体層を形成するステップは、
前記第1電極パターンの前記基板層から離れた側に、前記第1電極パターン及び前記第1電極パターンの外に位置する前記第1表面の一部を覆う前記第1誘電体層を堆積形成するステップを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
前記第1パッドパターンが位置する領域に対応する前記第1誘電体層の部分を除去するステップは、
レーザーアブレーションを用いて、前記第1パッドパターンが位置する領域に対応する前記第1誘電体層の部分を除去するステップを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
レーザーアブレーションを用いて、前記第1パッドパターンが位置する領域に対応する前記第1誘電体層の部分を除去するステップは、
走査型ガルバノミラーを用いてレーザービームをパターニングし、前記第1パッドパターンと同一形状の予め設定されたパターンを有する複数のレーザースポットを形成するステップと、
予め設定されたパターンを有する複数のレーザースポットを前記第1パッドパターンが位置する領域に対応する前記第1誘電体層の部分上に投影し、前記第1パッドパターンが位置する領域に対応する前記第1誘電体層の部分をアブレーションするステップと、を含む、ことを特徴とする請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
走査型ガルバノミラーを用いてレーザービームをパターニングする前に、前記レーザービームに対して信号増幅及び集光処理を行うステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
【請求項7】
前記レーザーアブレーションに用いられるレーザービームの周波数は、1.5MHz~2.5MHzであり、レーザービームの移動速度は、200mm/s~300mm/sであり、レーザービームのパルス幅は、10ps~50nsであり、レーザービームの線幅は、8μm~500μmである、ことを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
【請求項8】
前記第1パッドパターンは、1つ又は複数の矩形パッドを含み、各矩形パッドの長さは、10μm~700μmであり、幅は、10μm~700μmである、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項9】
前記第1電極パターンは、メイングリッドと、マイクログリッドと、を含み、前記第1パッドパターンは、前記メイングリッド上に形成される、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項10】
前記メイングリッドの幅は、10μm~2mmであり、前記マイクログリッドの幅は、10μm~40μmである、ことを特徴とする請求項9に記載の製造方法。
【請求項11】
前記基板層の第2表面に第2導電層が形成され、
前記製造方法は、
前記第2導電層の前記基板層から離れた側に第2電極パターンを形成するステップであって、前記第2電極パターンは、前記第2導電層に電気的に接続され、第2パッドパターンを含み、前記第2パッドパターンは、1つ又は複数の第2半田リボンとの溶接に用いられるステップと、
前記第2電極パターンの前記基板層から離れた側に、前記第2電極パターンを覆う第3誘電体層を形成するステップと、
前記第2パッドパターンが位置する領域に対応する前記第3誘電体層の部分を除去し、前記第2パッドパターンを露出させるステップと、をさらに含む、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項12】
前記太陽電池は、前記第2導電層と前記第2電極パターンとの間に設けられた第4誘電体層をさらに含み、前記第2電極パターンは、前記第4誘電体層を貫通して前記第2導電層に電気的に接続され、
前記製造方法は、
前記第2導電層の前記基板層から離れた側に前記第2電極パターンを形成する前に、前記第2導電層の前記基板層から離れた側の表面に前記第4誘電体層を形成するステップと、
前記第4誘電体層の前記基板層から離れた側の表面に、前記第2電極パターンと同一形状の第2導電性ペーストパターンを形成するステップと、
前記第2導電性ペーストパターンを焼結することにより、前記第2導電性ペーストパターンが前記第4誘電体層を溶落ちし、且つ前記第2導電性ペーストパターン中の導電性材料が前記第2導電層とオーミックコンタクトを形成して電気的接続を実現し、前記第2電極パターンを形成するステップと、をさらに含む、ことを特徴とする請求項11に記載の製造方法。
【請求項13】
前記第2電極パターンの前記基板層から離れた側に第3誘電体層を形成するステップは、
前記第2電極パターンの前記基板層から離れた側に、前記第2電極パターン及び前記第2電極パターンの外に位置する第1表面を覆う前記第3誘電体層を堆積形成するステップを含む、ことを特徴とする請求項11に記載の製造方法。
【請求項14】
基板層と、第1電極パターンと、第1誘電体層と、を含み、
前記基板層は、その厚さ方向に沿って対向して設けられた第1表面及び第2表面を含み、前記基板層の第1表面に第1導電層が設けられ、
前記第1電極パターンは、前記第1導電層の前記基板層から離れた側に設けられ、且つ前記第1電極パターンは、前記第1導電層に電気的に接続され、第1パッドパターンを含み、
前記第1誘電体層は、前記第1電極パターンの前記基板層から離れた側に設けられ、且つ、前記第1パッドパターンが位置する領域に対応する前記第1誘電体層の部分に第1開口が設けられ、前記第1パッドパターンは、前記第1開口を介して外部に露出し、第1半田リボンとの溶接に用いられる、ことを特徴とする太陽電池。
【請求項15】
前記第1誘電体層は、前記第1パッドパターンが位置する領域を除いた、前記基板層の第1表面の残りの領域を覆う、ことを特徴とする請求項14に記載の太陽電池。
【請求項16】
前記第1誘電体層の材料は、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素及び酸化アルミニウムのうちの少なくとも1つを含む、ことを特徴とする請求項14に記載の太陽電池。
【請求項17】
前記第1誘電体層の厚さは、20nm~100nmである、ことを特徴とする請求項14に記載の太陽電池。
【請求項18】
前記第1誘電体層の前記基板層から離れた表面は、前記第1パッドパターンの前記基板層から離れた表面と面一である、ことを特徴とする請求項14に記載の太陽電池。
【請求項19】
前記太陽電池は、前記第1導電層と前記第1電極パターンとの間に設けられた第2誘電体層をさらに含み、前記第2誘電体層上に第1溝が設けられ、前記第1電極パターンは、前記第1溝を貫通して前記第1導電層に電気的に接続される、ことを特徴とする請求項14~18のいずれか一項に記載の太陽電池。
【請求項20】
前記第2誘電体層の材料は、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素及び酸化アルミニウムのうちの少なくとも1つを含む、ことを特徴とする請求項19に記載の太陽電池。
【請求項21】
前記第2誘電体層の厚さは、20nm~100nmである、ことを特徴とする請求項19に記載の太陽電池。
【請求項22】
前記基板層の第2表面に順次積層して設けられた第2導電層、第2電極パターン及び第3誘電体層をさらに含み、
前記第2電極パターンは、前記第2導電層に電気的に接続され、第2パッドパターンを含み、
前記第3誘電体層は、前記第2電極パターンの前記基板層から離れた側に設けられ、且つ前記第2パッドパターンが位置する領域に対応する前記第3誘電体層の部分に第2開口が設けられ、前記第2パッドパターンは、前記第2開口を介して外部に露出し、第2半田リボンとの溶接に用いられる、ことを特徴とする請求項14~18のいずれか一項に記載の太陽電池。
【請求項23】
前記太陽電池は、前記第2導電層と前記第2電極パターンとの間に設けられた第4誘電体層をさらに含む、ことを特徴とする請求項22に記載の太陽電池。
【請求項24】
前記第3誘電体層は、前記第2パッドパターンが位置する領域を除いた、前記基板層の第2表面の残りの領域を覆う、ことを特徴とする請求項22に記載の太陽電池。
【請求項25】
前記第3誘電体層の材料は、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素及び酸化アルミニウムのうちの少なくとも1つを含む、ことを特徴とする請求項22に記載の太陽電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、光起電力デバイスの技術分野に関し、特に太陽電池及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、市場から太陽電池に対する要求はより多く、各種の高効率太陽電池が登場し、製造プロセスが多種多様となっている。
【0003】
従来の技術案では、太陽電池のパターニングされた金属電極を製造するステップは、基板の表面に誘電体層を形成した後、さらにスクリーン印刷と高温焼結を用いて金属によって誘電体膜を溶落ちし、且つ基板又はエミッタと接触して金属グリッド線電極を形成することを含み、当該金属電極が直接露出し、後続のモジュールの作製過程で半田リボンが金属電極と直接溶接するのに便利である。半田リボンは、複数の太陽電池間の電気的接続のために使用される。しかしながら、全ての導電性ペーストが誘電体膜を溶落ちできるわけではなく、例えば単一の銀ペーストでは窒化ケイ素と酸化アルミニウムで形成された誘電体膜を溶落ちできず、銀ペーストに少量の特殊ガラスフリット(例えば特殊ガラスフリットは鉛合金ガラス又はテルル合金ガラスを含む)を加えなければ溶落ちできないため、この方法の実施は電極材料に制限される。また、レーザー溝開きの方式を用いてパッシベーション層を除去し、さらにスクリーン印刷して焼結して金属グリッド線電極を形成する方法もあるが、この方法は、レーザー溝開きの過程で電池シートに損傷を与えやすく、さらに電池効果に影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに基づいて、太陽電池及びその製造方法を提供することが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1態様において、本願は、太陽電池の製造方法を提供する。この製造方法は、基板層を提供するステップであって、前記基板層は、その厚さ方向に沿って対向して設けられた第1表面及び第2表面を含み、前記基板層の前記第1表面に第1導電層が形成されるステップと、前記第1導電層の前記基板層から離れた側に第1電極パターンを形成するステップであって、前記第1電極パターンは、前記第1導電層に電気的に接続され、前記第1電極パターンは第1パッドパターンを含み、前記第1パッドパターンは、1つ又は複数の第1半田リボンとの溶接に用いられるステップと、前記第1電極パターンの前記基板層から離れた側に、前記第1電極パターンを覆う第1誘電体層を形成するステップと、前記第1パッドパターンが位置する領域に対応する前記第1誘電体層の部分を除去し、前記第1パッドパターンを露出させるステップと、を含む。
【0006】
いくつかの実施形態において、前記太陽電池は、前記第1導電層と前記第1電極パターンとの間に設けられた第2誘電体層をさらに含み、前記第1電極パターンは、前記第2誘電体層を貫通して前記第1導電層に電気的に接続され、前記製造方法は、前記第1導電層の前記基板層から離れた側に前記第1電極パターンを形成する前に、前記第1導電層の前記基板層から離れた側の表面に第2誘電体層を形成するステップと、前記第2誘電体層の前記基板層から離れた側の表面に、前記第1電極パターンと同一形状の第1導電性ペーストパターンを形成するステップと、前記第1導電性ペーストパターンを焼結することにより、前記第1導電性ペーストパターンが前記第2誘電体層を溶落ちし、且つ前記第1導電性ペーストパターン中の導電性材料が前記第1導電層とオーミックコンタクトを形成して電気的接続を実現し、前記第1電極パターンを形成するステップと、をさらに含む。
【0007】
いくつかの実施形態において、前記第1電極パターンの前記基板層から離れた側に第1誘電体層を形成するステップは、前記第1電極パターンの前記基板層から離れた側に、前記第1電極パターン及び前記第1電極パターンの外に位置する前記第1表面の一部を覆う前記第1誘電体層を堆積形成するステップを含む。
【0008】
いくつかの実施形態において、前記第1パッドパターンが位置する領域に対応する前記第1誘電体層の部分を除去するステップは、レーザーアブレーションを用いて、前記第1パッドパターンが位置する領域に対応する前記第1誘電体層の部分を除去するステップを含む。
【0009】
いくつかの実施形態において、レーザーアブレーションを用いて、前記第1パッドパターンが位置する領域に対応する前記第1誘電体層の部分を除去するステップは、走査型ガルバノミラーを用いてレーザービームをパターニングし、前記第1パッドパターンと同一形状の予め設定されたパターンを有する複数のレーザースポットを形成するステップと、予め設定されたパターンを有する複数のレーザースポットを前記第1パッドパターンが位置する領域に対応する前記第1誘電体層の部分上に投影し、前記第1パッドパターンが位置する領域に対応する前記第1誘電体層の部分をアブレーションするステップと、を含む。
【0010】
いくつかの実施形態において、パターニングする前に、レーザービームに対して信号増幅及び集光処理を行うステップをさらに含む。
【0011】
いくつかの実施形態において、前記レーザーアブレーションに用いられるレーザービームの周波数は、1.5MHz~2.5MHzであり、レーザービームの移動速度は、200mm/s~300mm/sであり、レーザービームのパルス幅は、10ps~50nsであり、レーザービームの線幅(laser spot diameter)は、8μm~500μmである。
【0012】
いくつかの実施形態において、前記第1パッドパターンは、1つ又は複数の矩形パッドを含み、各矩形パッドの長さは、10μm~700μmであり、幅は、10μm~700μmである。
【0013】
いくつかの実施形態において、前記第1電極パターンは、メイングリッドと、マイクログリッドと、を含み、前記第1パッドパターンは、前記メイングリッド上に形成される。
【0014】
いくつかの実施形態において、前記メイングリッドの幅は、10μm~2mmであり、前記マイクログリッドの幅は、10μm~40μmである。
【0015】
いくつかの実施形態において、前記基板層の第2表面に第2導電層が形成され、前記製造方法は、前記第2導電層の前記基板層から離れた側に第2電極パターンを形成するステップであって、前記第2電極パターンは、前記第2導電層に電気的に接続され、第2パッドパターンを含み、前記第2パッドパターンは、1つ又は複数の第2半田リボンとの溶接に用いられるステップと、前記第2電極パターンの前記基板層から離れた側に、前記第2電極パターンを覆う第3誘電体層を形成するステップと、前記第2パッドパターンが位置する領域に対応する前記第3誘電体層の部分を除去し、前記第2パッドパターンを露出させるステップと、をさらに含む。
【0016】
いくつかの実施形態において、前記太陽電池は、前記第2導電層と前記第2電極パターンとの間に設けられた第4誘電体層をさらに含み、前記第2電極パターンは、前記第4誘電体層を貫通して前記第2導電層に電気的に接続され、前記製造方法は、前記第2導電層の前記基板層から離れた側に前記第2電極パターンを形成する前に、前記第2導電層の前記基板層から離れた側の表面に第4誘電体層を形成するステップと、前記第4誘電体層の前記基板層から離れた側の表面に、前記第2電極パターンと同一形状の第2導電性ペーストパターンを形成するステップと、前記第2導電性ペーストパターンを焼結することにより、前記第2導電性ペーストパターンが前記第4誘電体層を溶落ちし、且つ前記第2導電性ペーストパターン中の導電性材料が前記第2導電層とオーミックコンタクトを形成して電気的接続を実現し、前記第2電極パターンを形成するステップと、をさらに含む。
【0017】
いくつかの実施形態において、前記第2電極パターンの前記基板層から離れた側に第3誘電体層を形成するステップは、前記第2電極パターンの前記基板層から離れた側に、前記第2電極パターン及び前記第2電極パターンの外に位置する第1表面の一部を覆う前記第3誘電体層を堆積形成するステップを含む。
【0018】
第2態様において、本願は、基板層と、第1電極パターンと、第1誘電体層と、を含む太陽電池を提供する。前記基板層は、その厚さ方向に沿って対向して設けられた第1表面及び第2表面を含み、前記基板層の第1表面に第1導電層が設けられる。前記第1電極パターンは、前記第1導電層の前記基板層から離れた側に設けられ、且つ前記第1電極パターンは、前記第1導電層に電気的に接続され、第1パッドパターンを含む。前記第1誘電体層は、前記第1電極パターンの前記基板層から離れた側に設けられ、且つ、前記第1パッドパターンが位置する領域に対応する前記第1誘電体層の部分に第1開口が設けられ、前記第1パッドパターンは、前記第1開口を介して外部に露出し、第1半田リボンとの溶接に用いられる。
【0019】
いくつかの実施形態において、前記第1誘電体層は、前記第1パッドパターンが位置する領域を除いた、前記基板層の第1表面の残りの領域を覆う。
【0020】
いくつかの実施形態において、前記第1誘電体層の材料は、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素及び酸化アルミニウムのうちの少なくとも1つを含む。
【0021】
いくつかの実施形態において、前記第1誘電体層の厚さは、20nm~100nmである。
【0022】
いくつかの実施形態において、前記第1誘電体層の前記基板層から離れた表面は、前記第1パッドパターンの前記基板層から離れた表面と面一である。
【0023】
いくつかの実施形態において、前記太陽電池は、前記第1導電層と前記第1電極パターンとの間に設けられた第2誘電体層をさらに含み、前記第2誘電体層上に第1溝が設けられ、前記第1電極パターンは、前記第1溝を貫通して前記第1導電層に電気的に接続される。
【0024】
いくつかの実施形態において、前記第2誘電体層の材料は、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素及び酸化アルミニウムのうちの少なくとも1つを含む。
【0025】
いくつかの実施形態において、前記第2誘電体層の厚さは、20nm~100nmである。
【0026】
いくつかの実施形態において、前記基板層の第2表面に順次積層して設けられた第2導電層、第2電極パターン及び第3誘電体層をさらに含み、前記第2電極パターンは、前記第2導電層に電気的に接続され、第2パッドパターンを含み、前記第3誘電体層は、前記第2電極パターンの前記基板層から離れた側に設けられ、且つ前記第2パッドパターンが位置する領域に対応する前記第3誘電体層の部分に第2開口が設けられ、前記第2パッドパターンは、前記第2開口を介して外部に露出し、第2半田リボンとの溶接に用いられる。
【0027】
いくつかの実施形態において、前記太陽電池は、前記第2導電層と前記第2電極パターンとの間に設けられた第4誘電体層をさらに含む。
【0028】
いくつかの実施形態において、前記第3誘電体層は、前記第2パッドパターンが位置する領域を除いた、前記基板層の第2表面の残りの領域を覆う。
【0029】
いくつかの実施形態において、前記第3誘電体層の材料は、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素及び酸化アルミニウムのうちの少なくとも1つを含む。
【発明の効果】
【0030】
従来技術と比較して、本願は、少なくとも以下の有益な効果を有する。
本願は、太陽電池の製造過程において、まず基板層の一側にパッドパターンを有する第1電極パターンを形成し、さらにそれを覆う第1誘電体層を形成し、その後第1電極パターンのうちパッドパターンが位置する領域の第1誘電体層を除去し、開口を介してパッドパターンを露出させ、それによって半田リボンの安定した接続を確保する。また、本願は、第1誘電体層を除去する過程において、電極パターンの存在により、基板層を保護する役割を果たし、さらに基板層に損傷を与えることを回避できる。さらに、本願は、電極パターンを形成する過程において誘電体層の材料に限定されることなく、電極パターンの材料を選択するため、種々の電池タイプに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本願の1つの具体的な実施形態において提供される太陽電池の製造方法のフローチャートである。
図2】本願の別の具体的な実施形態において提供される太陽電池の製造方法のフローチャートである。
図3】本願の1つの具体的な実施形態において提供されるレーザー装置の構造概略図である。
図4】本願のまた別の具体的な実施形態において提供される太陽電池の製造方法のフローチャートである。
図5】本願のさらに別の具体的な実施形態において提供される太陽電池の製造方法のフローチャートである。
図6】本願の1つの具体的な実施形態において提供される太陽電池の第1電極パターンの概略平面図である。
図7】本願の1つの具体的な実施形態において提供される太陽電池の第1誘電体層の構造概略図である。
図8】本願の1つの具体的な実施形態において提供される太陽電池モジュールの概略平面図である。
図9】本願の1つの具体的な実施形態において提供される太陽電池モジュールの概略側面図である。
図10】本願の1つの具体的な実施形態において提供される太陽電池の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、実施形態及び実施例を参照して、本願をより詳細に説明するが、これらの実施形態及び実施例は本願を説明するためのものだけであり、本願の範囲を限定するものではなく、これらの実施形態及び実施例は、本願の開示内容の理解をより完全にするために提供されるものである。本願は、多くの異なる形態で実現され、本明細書に記載された実施形態及び実施例に限定されず、当業者であれば、本願の趣旨を逸脱することなく、様々な変更又は修正を行うことができ、得られた等価物が本願の保護範囲に同様に含まれることが理解されるべきである。さらに、以下の説明では、本願のより完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が与えられているが、本願は、これらの詳細のうちの1つ又は複数を必要とすることなく実施され得ることが理解されるべきである。
【0033】
特に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術的及び科学的用語は、本願の技術分野に属する当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書において本願の明細書で使用される用語は、具体的な実施例を説明する目的のためだけのものであり、本願を限定することを意図していない。
【0034】
本願において、「選択可能に」、「選択可能な」、「選択可能」とは、存在しても存在しなくてもよいことを意味し、つまり「存在する」又は「存在しない」の2つの並列案から選択されるいずれかを意味する。1つの技術案において、特に明記しない限り、また、矛盾や相互の制約関係がない限り、「選択可能」が複数存在する場合、各「選択可能」は、それぞれ独立している。
【0035】
本願において、「第1態様」、「第2態様」などにおいて、「第1」、「第2」などの用語は、単に説明の目的で用いられ、相対的な重要性又は数を指示又は暗示するものと理解されるべきではなく、また、指示された技術的特徴の重要性又は数を暗示するものと理解されるべきではない。また、「第1」、「第2」などは、非網羅的な説明の目的のためだけに意図されており、数に対する閉じた限定を構成しないことが理解されるべきである。
【0036】
本願において、オープン式で記述された技術的特徴には、列挙された特徴からなるクローズド式の技術案も列挙された特徴からなるオープン式の技術案も含まれる。
【0037】
本願において、数値区間(つまり数値範囲)に関して、特に明記しない限り、当該数値区間内の選択可能な数値の分布は、連続的であると見なされ、且つ当該数値区間の2つの数値端点(即ち、最小値及び最大値)、並びにこの2つの数値端点間の各数値を含む。特に明記しない限り、数値区間が当該数値区間内の整数のみを指す場合、当該数値範囲の2つの端点整数、及び2つの端点間の各整数を含み、各整数を直接列挙することに相当する。特徴又は特性を説明する複数の数値範囲が提供される場合、これらの数値範囲は組み合わされ得る。換言すれば、特に明記しない限り、本願に開示された数値範囲は、その中に含まれる任意の及び全てのサブ範囲を含むものと理解されるべきである。当該数値区間における「数値」は、任意の定量値、例えば、数字、百分率、割合などであってもよい。「数値区間」は、百分率区間、割合区間、比区間などの定量区間を広く含むことを許容する。
【0038】
本願において言及されている全ての文献は、各文献が参照により個別に引用されているように、本願において参照により援用される。本願に係わる引用文献は、本願の発明目的及び/又は技術案と矛盾しない限り、全ての内容、全ての目的で引用されている。本願において引用文献に係わる場合、関連する技術的特徴、用語、名詞、句などの引用文献中の定義も併せて引用される。本願において引用文献に係わる場合、引用された関連する技術的特徴の例、好ましい態様も参考として本願に包含されるが、本願を実施できるものに限定される。引用内容が本願の記載と矛盾する場合、本願に準ずるか、又は本願の記載に従って適宜修正されることが理解されるべきである。
【0039】
従来技術では、まず誘電体層を形成し、さらにスクリーン印刷と高温焼結を用いて金属が誘電体膜を溶落ちし、基板と金属グリッド線電極を形成する。ある特定のプロセス条件下では、誘電体膜(例えば反射防止膜)の製造ステップが金属化の後に配置されるが、反射防止膜の存在は、モジュール作製中に半田リボンが金属グリッド線と溶接されないことをもたらし、その結果、太陽光発電モジュールに大量に用いられる熱溶接技術が、そのような電池構造では用いることができない。本願では、まず基板層の一側にパッドパターンを含む電極パターンを形成し、次いで覆って誘電体層を形成し、パッドパターンが位置する領域の誘電体層を除去し、パッドを露出させて半田リボンの溶接に用い、プロセスが簡単で、製造効率が高いなどの特徴を有する。
【0040】
本願の第1態様は、太陽電池10の製造方法を提供する。この製造方法は、図1に示すように、基板層100を提供するステップであって、前記基板層100は、その厚さ方向に沿って対向して設けられた第1表面及び第2表面を含み、前記基板層100の前記第1表面に第1導電層111が形成されるステップと、前記第1導電層111の前記基板層100から離れた側に第1電極パターン121を形成するステップであって、前記第1電極パターン121は、前記第1導電層111に電気的に接続され、前記第1電極パターン121は第1パッドパターンを含み、前記第1パッドパターンは、1つ又は複数の第1半田リボンとの溶接に用いられるステップと、前記第1電極パターン121の前記基板層100から離れた側に、前記第1電極パターン121を覆う第1誘電体層131を形成するステップと、前記第1パッドパターンが位置する領域に対応する前記第1誘電体層131の部分を除去し、第1パッドパターンを露出させるステップと、を含む。
【0041】
本願は、太陽電池の製造過程において、まず基板層の一側にパッドパターンを有する第1電極パターンを形成し、さらに第1誘電体層を形成してそれを覆い、その後第1電極パターンのうちパッドパターンが位置する領域の第1誘電体層を除去し、開口を介してパッドパターンを露出させ、それによって半田リボンの安定した接続を確保する。また、本願は、第1誘電体層を除去する過程において、電極パターンの存在により、基板層を保護する役割を果たし、さらに基板層に損傷を与えることを回避できる。さらに、本願は、電極パターンを形成する過程において誘電体層の材料に限定されることなく、電極パターンの材料を選択するため、種々の電池タイプに適用することができる。
【0042】
なお、本願において基板層100は、PN接合が形成されたシリコン基板層であり、第1表面は、シリコン基板層の正面又は裏面であり、第1導電層111は、ドーピング層又は透明導電層であってもよい。例えば、太陽電池がTOPCon電池である場合、第1導電層111は、P型ドーピング層であってもよく、太陽電池がHJT電池である場合、第1導電層111は、透明導電性酸化物層であってもよい。さらに理解されるように、本願において第1電極パターン121は、正面グリッド線パターンであってもよいし、裏面グリッド線パターンであってもよい。
【0043】
いくつかの実施例において、前記第1誘電体層131は、反射防止層又はパッシベーション層のうちの少なくとも1つである。
【0044】
いくつかの実施例において、図2に示すように、前記太陽電池は、前記第1導電層111と前記第1電極パターン121との間に設けられた第2誘電体層141をさらに含み、前記第1電極パターン121は、前記第2誘電体層141を貫通して前記第1導電層111に電気的に接続され、前記製造方法は、前記第1導電層111の前記基板層100から離れた側に前記第1電極パターン121を形成する前に、前記第1導電層111の前記基板層100から離れた側の表面に第2誘電体層141を形成するステップと、前記第2誘電体層141の前記基板層100から離れた側の表面に、前記第1電極パターン121と同一形状の第1導電性ペーストパターン151を形成するステップと、前記第1導電性ペーストパターン151を焼結することにより、前記第1導電性ペーストパターン151が前記第2誘電体層141を溶落ちし、且つ前記第1導電性ペーストパターン151中の導電性材料が前記第1導電層111とオーミックコンタクトを形成して電気的接続を実現し、前記第1電極パターン121を形成するステップと、をさらに含む。
【0045】
いくつかの実施例において、前記第2誘電体層141は、パッシベーション層であってもよい。
【0046】
いくつかの実施例において、前記第1電極パターン121の前記基板層100から離れた側に前記第1誘電体層131を形成するステップは、前記第1電極パターン121の前記基板層100から離れた側に、前記第1電極パターン121及び前記第1電極パターン121の外に位置する前記第1表面の一部を覆う前記第1誘電体層131を堆積形成するステップを含む。
【0047】
いくつかの実施例において、前記第1パッドパターンが位置する領域に対応する前記第1誘電体層131の部分を除去するステップは、レーザーアブレーションを用いて、前記第1パッドパターンが位置する領域に対応する前記第1誘電体層131の部分を除去するステップを含む。
【0048】
本願は、レーザーを用いて第1誘電体層131を除去し、レーザーによる膜除去の領域が精密に制御でき、且つ膜層の除去が十分であり、しかもレーザー除去が便利で柔軟であり、レーザーのパラメータを設定した後に溝開き除去を行うことができ、操作の難易度が低く且つ利便性が高く、レーザーによる膜除去後の電極層の溶接強度は従来の電池の溶接強度と一致している。また、レーザー除去位置には電極パターンが存在するため、レーザー除去中に、電極パターンが保護の役割を果たすことができ、基板層100に損傷を与えることがない。
【0049】
いくつかの実施例において、レーザーアブレーションを用いて、前記第1パッドパターンが位置する領域に対応する前記第1誘電体層131の部分を除去するステップは、走査型ガルバノミラーを用いてレーザービームをパターニングし、前記第1パッドパターンと同一形状の予め設定されたパターンを有する複数のレーザースポットを形成するステップと、予め設定されたパターンを有する複数のレーザースポットを前記第1パッドパターンが位置する領域に対応する前記第1誘電体層131の部分上に投影し、前記第1パッドパターンが位置する領域に対応する前記第1誘電体層131の部分をアブレーションするステップと、を含む。
【0050】
いくつかの実施例において、パターニングする前に、レーザービームに対して信号増幅及び集光処理を行うステップをさらに含む。
【0051】
図3を参照すると、いくつかの実施例において、前記レーザーアブレーションは、レーザー装置を用い、前記レーザー装置は、レーザー発生装置21と、走査型ガルバノミラー27と、を含み、前記走査型ガルバノミラー27は、前記レーザー発生装置21から放出されたレーザーを制御して前記第1パッドパターンが位置する領域に対応する前記第1誘電体層131を位置決めして除去するために用いられる。
【0052】
いくつかの実施例において、前記走査型ガルバノミラー27は、デジタル走査型ガルバノミラーを含み、前記走査型ガルバノミラー27は、動き制御装置に接続され、走査型ガルバノミラー27と動き制御装置の動き制御ソフトウェアとの正確な連動により、パターニング及び加工精度を実現する。
【0053】
なお、走査型ガルバノミラー27は、X軸ガルバノミラー及びY軸ガルバノミラーからなり、X軸ガルバノミラー及びY軸ガルバノミラーは、それぞれ、水平方向及び垂直方向に振動可能であり、レーザーがX軸ガルバノミラーを通過する場合、レーザーの方向は水平偏向し、レーザーがY軸ガルバノミラーを通過する場合、レーザーの方向は垂直偏向する。X軸ガルバノミラー及びY軸ガルバノミラーの振動周波数及び振幅を制御することにより、レーザーの正確な制御を実現する。
【0054】
いくつかの実施例において、前記レーザー装置は、ビームエキスパンダー24及び視野レンズ28をさらに含み、前記レーザー発生装置21から放出されたレーザーは、ビームエキスパンダー24、走査型ガルバノミラー27及び視野レンズ28を順次通過する。
【0055】
前記ビームエキスパンダー24は、入射されたレーザービームを拡大するために用いられ、前記視野レンズは、レーザービームを集光するために用いられる。
【0056】
いくつかの実施例において、前記視野レンズ28は、F-θ視野レンズを含む。F-θ視野レンズは、平面視野走査レンズであって、高透過率の光学ガラスを基材として用い、レンズ群が特定の設計案で機械筐体の中に一体化されて構成されている。その集光ビームの高さはF×θ(θは入射ビームの入射角)であるため、入力ビームと出力ビームの角速度は直接正比例し、走査反射ミラーを一定の角速度で動作させることができ、エッジビームの入射能力を向上させ、不均一な光を均一化し、システムの像面湾曲や歪みなどを補償するために用いられる。また、F-θ視野レンズは、使用時に、平面視野像面を提供することができるとともに、制御回路を大幅に簡略化することができ、高透過率、大走査範囲、低収差及び低F-θ歪みなどの特徴を有する。
【0057】
いくつかの実施例において、前記レーザー装置は、レーザーを反射してレーザーの光路を調整するための複数の反射ミラーをさらに含み、例えば、第1反射ミラー22、第2反射ミラー23、第3反射ミラー25、及び第4反射ミラー26を含む。理解されるように、本願において装置の必要に応じて反射ミラーの数及び位置、並びに走査型ガルバノミラー27、ビームエキスパンダー24及び視野レンズ28の位置を合理的に設定することにより、光がビームエキスパンダー24、走査型ガルバノミラー27及び視野レンズ28を順次通過することを実現することができる。
【0058】
なお、本願では、レーザーアブレーションの過程で用いられるレーザーの周波数、速度、パルス幅及び線幅について具体的な要求及び特殊の限定はされておらず、当業者は、処理される第1誘電体層131の材料及び厚さに基づいて合理的に選択することができる。
【0059】
いくつかの実施例において、前記レーザー装置は、ステージ29を含み、レーザーにより誘電体層を除去すべき基板層100がステージ29上に置かれる。
【0060】
いくつかの実施例において、前記レーザーアブレーションに用いられるレーザービームの周波数は、1.5MHz~2.5MHzであり、例えば1.5MHz、1.6MHz、1.7MHz、1.8MHz、1.9MHz、2.0MHz、2.1MHz、2.2MHz、2.3MHz、2.4MHz又は2.5MHzであってもよい。
【0061】
いくつかの実施例において、前記レーザーアブレーションに用いられるレーザービームの移動速度は、200mm/s~300mm/sであり、例えば200mm/s、210mm/s、220mm/s、230mm/s、240mm/s、250mm/s、260mm/s、270mm/s、280mm/s、290mm/s又は300mm/sであってもよい。
【0062】
いくつかの実施例において、前記レーザーアブレーションに用いられるレーザービームのパルス幅は、10ps~50nsであり、例えば10ps、50ps、100ps、500ps、1ns、5ns、10ns、15ns、20ns、30ns、40ns又は50nsであってもよい。いくつかの実施例において、レーザービームのパルス幅は、10ps~1000psであり、誘電体層を除去する過程で誘電体層への損傷を低減するのに有利である。
【0063】
いくつかの実施例において、前記レーザーアブレーションに用いられるレーザービームの線幅は、8μm~500μmであり、例えば8μm、10μm、20μm、50μm、100μm、150μm、200μm、250μm、300μm、350μm、400μm、450μm又は500μmであってもよい。
【0064】
いくつかの実施例において、前記第1パッドパターンは、1つ又は複数の矩形パッドを含み、前記矩形パッドの長さは、10μm~700μmであり、例えば10μm、50μm、100μm、200μm、300μm、350μm、400μm、450μm、500μm、550μm、600μm、650μm又は700μmであってもよい。幅は、10μm~700μmであり、例えば10μm、50μm、100μm、200μm、300μm、350μm、400μm、450μm、500μm、550μm、600μm、650μm又は700μmであってもよい。
【0065】
いくつかの実施例において、前記第1電極パターン121は、メイングリッドと、マイクログリッドと、を含み、前記第1パッドパターンは、前記メイングリッド上に形成される。
【0066】
いくつかの実施例において、前記メイングリッドの幅は、10μm~2mmであり、例えば10μm、50μm、100μm、500μm、1.0mm、1.1mm、1.2mm、1.3mm、1.4mm、1.5mm、1.6mm、1.7mm、1.8mm、1.9mm又は2.0mmであってもよい。
【0067】
いくつかの実施例において、前記マイクログリッドの幅は、10μm~40μmであり、例えば10μm、13μm、16μm、19μm、22μm、25μm、28μm、31μm、34μm、37μm又は40μmであってもよい。
【0068】
いくつかの実施例において、隣接する前記マイクログリッドの間の間隔は、0.8mm~1.5mmであり、例えば0.8mm、0.9mm、1.0mm、1.1mm、1.2mm、1.3mm、1.4mm又は1.5mmであってもよい。
【0069】
図4を参照すると、いくつかの実施例において、前記基板層100の第2表面に第2導電層112が形成され、前記製造方法は、前記第2導電層112の前記基板層100から離れた側に第2電極パターン122を形成するステップであって、前記第2電極パターン122は、前記第2導電層112に電気的に接続され、第2パッドパターンを含み、前記第2パッドパターンは、1つ又は複数の第2半田リボンとの溶接に用いられるステップと、前記第2電極パターン122の前記基板層100から離れた側に、前記第2電極パターン122を覆う第3誘電体層132を形成するステップと、前記第2パッドパターンが位置する領域に対応する前記第3誘電体層132の部分を除去し、前記第2パッドパターンを露出させるステップと、をさらに含む。
【0070】
いくつかの実施例において、前記第3誘電体層132は、パッシベーション層又は反射防止層のうちの少なくとも1つである。
【0071】
図5を参照すると、いくつかの実施例において、前記太陽電池は、前記第2導電層112と前記第2電極パターン122との間に設けられた第4誘電体層142をさらに含み、前記第2電極パターン122は、前記第4誘電体層142を貫通して前記第2導電層112に電気的に接続され、前記製造方法は、前記第2導電層112の前記基板層100から離れた側に前記第2電極パターン122を形成する前に、前記第2導電層112の前記基板層100から離れた側の表面に第4誘電体層142を形成するステップと、前記第4誘電体層142の前記基板層100から離れた側の表面に、前記第2電極パターン122と同一形状の第2導電性ペーストパターン152を形成するステップと、前記第2導電性ペーストパターン152を焼結することにより、前記第2導電性ペーストパターン152が前記第4誘電体層142を溶落ちし、且つ前記第2導電性ペーストパターン152中の導電性材料が前記第2導電層112とオーミックコンタクトを形成して電気的接続を実現し、前記第2電極パターン122を形成するステップと、をさらに含む。
【0072】
いくつかの実施例において、前記第4誘電体層142は、パッシベーション層であってもよい。
【0073】
いくつかの実施例において、前記第2電極パターン122の前記基板層100から離れた側に第3誘電体層132を形成するステップは、前記第2電極パターン122の前記基板層100から離れた側に、前記第2電極パターン122及び前記第2電極パターン122の外に位置する第1表面を覆う前記第3誘電体層132を堆積形成するステップを含む。
【0074】
第2態様において、本願は、基板層100と、第1導電層111と、第1電極パターン121と、第1誘電体層131と、を含む太陽電池を提供する。前記基板層100は、その厚さ方向に沿って対向して設けられた第1表面及び第2表面を含み、前記基板層100の第1表面に第1導電層111が設けられる。第1電極パターン121は、前記第1導電層111の前記基板層100から離れた側に設けられ、且つ前記第1電極パターン121は、前記第1導電層111に電気的に接続され、前記第1電極パターン121は第1パッドパターンを含む。図6を参照すると、いくつかの実施形態では、第1電極パターン121は、メイングリッド1212およびマイクログリッド1213を含む。メイングリッド1212は、グリッド線本体と、グリッド線本体によって接続された、間隔をおいて設けられた複数のパッドとを含む。互いに間隔をおいて設けられた複数のパッドは、第1パッドパターン1211を構成する。図7を参照すると、第1誘電体層131は、前記第1電極パターン121の前記基板層100から離れた側に設けられ、且つ、前記第1パッドパターンが位置する領域に対応する前記第1誘電体層131の部分に第1開口1311が設けられ、前記第1パッドパターン1211は、前記第1開口1311を介して外部に露出し、第1半田リボンとの溶接に用いられる。
【0075】
いくつかの実施例において、前記第1誘電体層131は、前記第1パッドパターン1211が位置する領域を除いた、前記基板層100の第1表面の残りの領域を覆う。
【0076】
いくつかの実施例において、前記第1誘電体層131の材料は、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素及び酸化アルミニウムのうちの少なくとも1つを含む。
【0077】
いくつかの実施例において、前記第1誘電体層131の厚さは、20nm~100nmであり、例えば20nm、30nm、40nm、50nm、60nm、70nm、80nm、90nm又は100nmであってもよい。
【0078】
いくつかの実施例において、前記第1電極パターン121の材料は、銀、アルミニウム、ニッケル及び銅のうちの少なくとも1つを含む。
【0079】
いくつかの実施例において、図4を参照すると、前記第1誘電体層131の前記基板層100から離れた表面は、前記第1パッドパターンの前記基板層100から離れた表面と面一である。
【0080】
本願は、第1パッド部分の第1誘電体層131を除去し、且つ第1誘電体層131を第1パッドと同じ高さに維持することによって、第1パッドと半田リボンとの溶接を容易にする。
【0081】
いくつかの実施例において、前記太陽電池は、前記第1誘電体層131と前記第1電極パターン121との間に設けられた第2誘電体層141をさらに含み、前記第2誘電体層141上に第1溝が設けられ、前記第1電極パターン121は、前記第1溝を貫通して前記第1誘電体層131に電気的に接続される。
【0082】
いくつかの実施例において、前記第2誘電体層141の材料は、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素及び酸化アルミニウムのうちの少なくとも1つを含む。
【0083】
いくつかの実施例において、前記第2誘電体層141の厚さは、20nm~100nmであり、例えば20nm、30nm、40nm、50nm、60nm、70nm、80nm、90nm又は100nmであってもよい。
【0084】
いくつかの実施例において、前記第2電極パターン122の材料は、銀、アルミニウム、ニッケル及び銅のうちの少なくとも1つを含む。
【0085】
いくつかの実施例において、太陽電池は、前記基板層100の第2表面に順次積層して設けられた第2導電層112、第2電極パターン122及び第3誘電体層132をさらに含む。前記第2電極パターン122は、前記第2導電層112に電気的に接続され、前記第2電極パターン122は第2パッドパターンを含む。いくつかの実施形態では、第2電極パターン122は、第1電極パターン121と同様の構造、例えば図6に示す構造を有してもよい。前記第3誘電体層132は、前記第2電極パターン122の前記基板層100から離れた側に設けられ、且つ前記第2パッドパターンが位置する領域に対応する前記第3誘電体層132の部分に第2開口が設けられ、前記第2パッドパターンは、前記第2開口を介して外部に露出し、第2半田リボンとの溶接に用いられる。いくつかの実施形態では、第3誘電体層132は、第1誘電体層131と同様の構造、例えば図7に示す構造を有してもよい。
【0086】
いくつかの実施例において、前記第3誘電体層132の材料は、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素及び酸化アルミニウムのうちの少なくとも1つを含む。
【0087】
いくつかの実施例において、前記第3誘電体層132の厚さは、20nm~100nmであり、例えば20nm、30nm、40nm、50nm、60nm、70nm、80nm、90nm又は100nmであってもよい。
【0088】
いくつかの実施例において、前記太陽電池は、前記第2導電層112と前記第2電極パターン122との間に設けられた第4誘電体層142をさらに含む。
【0089】
いくつかの実施例において、前記第4誘電体層142の材料は、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素及び酸化アルミニウムのうちの少なくとも1つを含む。
【0090】
いくつかの実施例において、前記第4誘電体層142の厚さは、20nm~100nmであり、例えば20nm、30nm、40nm、50nm、60nm、70nm、80nm、90nm又は100nmであってもよい。
【0091】
いくつかの実施例において、前記第3誘電体層132は、前記第2パッドパターンが位置する領域を除いた、前記基板層100の第2表面の残りの領域に覆われる。
【0092】
いくつかの実施形態では、図8および図9を参照すると、複数の太陽電池10は、第1半田リボン181および第2半田リボン182によって互いに接続され、太陽電池モジュールを形成する。 各太陽電池10の第1電極パターン121におけるメイングリッド1212は、第1パッドパターン1211を介して第1半田リボン181に溶接され、各太陽電池10の第2電極パターン122におけるメイングリッドは、第2パッドパターンを介して第2半田リボン182に溶接される。
【0093】
いくつかの実施例において、前記太陽電池は、TOPCon電池、PERC電池、IBC電池又はHJT電池である。
【0094】
いくつかの実施例において、図10を参照すると、前記太陽電池は、HJT電池であり、前記太陽電池は、基板層100を含み、前記基板層100の第1表面に第1アモルファスシリコン層161、第1ドーピング層171、第1透明導電層111’及び第1誘電体層131が順次設けられ、前記太陽電池は、前記第1誘電体層131と前記第1透明導電層111’との間に設けられた第1電極パターン121をさらに含み、前記第1電極パターン121は、第1パッドパターンを含み、前記第1パッドパターンに位置する前記第1誘電体層131の領域に第1開口が設けられ、前記第1パッドパターンは、前記第1開口を介して外部に露出し、1つ又は複数の第1半田リボンとの溶接に用いられる。
【0095】
前記基板層100の第2表面に第2アモルファスシリコン層162、第2ドーピング層172、第2透明導電層112’及び第3誘電体層132が順次設けられ、前記太陽電池は、前記第3誘電体層132と前記第2透明導電層112’との間に設けられた第2電極パターン122をさらに含み、前記第2電極パターン122は、第2パッドパターンを含み、前記第2パッドパターンに位置する前記第3誘電体層133の領域に第2開口が設けられ、前記第2パッドパターンは、前記第2開口を介して外部に露出し、1つ又は複数の第2半田リボンとの溶接に用いられる。
【0096】
以下、実施例を挙げて本願の実施形態を詳細に説明する。これらの実施例は、単に本願を説明するためのものであり、本願の範囲を制限するものではないことを理解されたい。以下の実施例において具体的な条件を明記していない実験方法は、本願のガイドを参照することが好ましく、また当該技術分野の実験マニュアルや通常の条件に従うことができ、製造業者が推奨する条件に従い、又は当該技術分野で公知の実験方法を参照することもできる。
【0097】
実施例1
本実施例は、PERC電池を提供する。その製造方法は、以下のステップを含む。
ステップS1において、基板層としてのP型シリコンウェーハを提供し、P型シリコンウェーハの両面にテクスチャ化した。
ステップS2において、テクスチャ化後に、P型シリコンウェーハの正面にドーパント元素(例えばリン)を拡散させ、N型エミッタを形成した。
ステップS3において、拡散過程で形成されたリンシリコンガラス及びエッジP-N接合を除去し、且つ裏面側を研磨した。
ステップS4において、さらにP型シリコンウェーハを650℃で20min熱酸化処理し、拡散後の表面高濃度リン層を活性化し、表面のデッド層の厚さを減少し、且つP型シリコンウェーハの表面に1層の酸化ケイ素を生成した。
ステップS5において、シリコンウェーハの裏面側に厚さ10nmのAlO及び厚さ70nmのSiN:H層を堆積した。
ステップS6において、シリコンウェーハの正面側に厚さ80nmのSiN:H層を堆積した。
ステップS7において、レーザーを用いてシリコンウェーハの裏面側に線状溝を作り、AlO及びSiN:H層を開口し、溝の線数が130本で、線幅が30μmであった。
ステップS8において、スクリーン印刷方式を用いて裏面に裏面導電ペーストパターンを印刷し、レーザー線状開口にアルミニウムマイクログリッド線、及びアルミニウムグリッド線に接続された銀メイングリッドを印刷することを含み、銀メイングリッドは、グリッド線本体と、グリッド線本体によって接続された間隔をおいて設けられた複数の銀パッドとを含み、グリッド線本体の幅が200μmであり、銀パッドが方形であり、寸法が500μm×500μmであった。
ステップS9において、スクリーン印刷方式を用いて正面に、マイクログリッドとメイングリッドとを含む正面導電ペーストパターンを印刷し、メイングリッドは、グリッド線本体と、グリッド線本体によって接続された間隔をおいて設けられた複数の銀パッドとを含み、グリッド線本体の幅が200μmであり、マイクログリッドの幅が30μmであり、銀パッドが方形であり、寸法が500μm×500μmであった。
ステップS10において、高温焼結により、アルミニウムグリッド線がシリコン基板の裏面にアルミニウム裏面電界を形成し、正面導電ペーストパターンがSiN:H層を溶落ちしてN型エミッタと接触し、正面電極パターンを形成した。
ステップS11において、さらに正面側に厚さ40nmのSiO誘電体層をメッキし、当該誘電体層がステップS10に述べた正面電極パターンを覆った。
ステップS12において、レーザーを用いてS11に述べた銀パッド上のSiO誘電体層を除去して開口を形成して銀パッドを露出させ、開口面積が銀パッドの寸法に等しい。
ステップS13において、製造したPERC電池を組立工場に搬送し、電池シートを溶接し、半田リボンが赤外線ランプ管の加熱下でS12に述べたレーザー開口を介して銀パッドと溶接点を形成した。
【0098】
実施例2
本実施例は、HJT電池の製造方法を提供する。その製造方法は、以下のステップを含む。
ステップS1において、N型シリコンウェーハを洗浄し、テクスチャ化した。
ステップS2において、PECVDを用いてシリコンウェーハの表面に以下の層を順次製造した。
N型シリコンウェーハの正面に厚さ10nmの正面真性アモルファスシリコン層を形成し、
N型シリコンウェーハの裏面に厚さ10nmの裏面真性アモルファスシリコン層を形成し、
N型シリコンウェーハの正面側に厚さ10nmの正面リンドープ微結晶シリコン層を形成し、
N型シリコンウェーハの裏面側に厚さ10nmの裏面ボロンドープ微結晶シリコン層を形成した。
ステップS3において、PVDを用いてシリコンウェーハの正面及び裏面にそれぞれ厚さ30nmのITO層を成長させた。
ステップS4において、スクリーン印刷方式を用いてシリコンウェーハの両面のITO層上に低温銀ペーストを印刷し、正面導電ペーストパターン及び裏面導電ペーストパターンを形成し、導電ペーストパターンはマイクログリッドとメイングリッドとを含み、メイングリッドは、グリッド線本体と、グリッド線本体によって接続された間隔をおいて設けられた複数の銀パッドとを含み、銀パッドは方形であり、寸法が500μm×500μmであり、さらにスクリーン印刷した導電ペーストパターンを低温硬化して正面及び裏面電極パターンを形成した。
ステップS5において、PVD方式を用いてシリコンウェーハの前面及び裏面にSiO誘電体層をメッキし、厚さが50nmであり、当該誘電体膜がステップS4で得た正面電極パターン及び裏面電極パターンをそれぞれ覆った。
ステップS6において、レーザーを用いてステップS5で得た、銀パッドが位置する領域のSiO誘電体膜を除去して開口を形成して銀パッドを露出し、開口が銀パッドの寸法に等しい。
ステップS7において、製造したHJT電池を組立工場に搬送し、電池シートを溶接し、半田リボンが赤外線ランプ管の加熱下でステップS6に述べたレーザー開口を介して銀パッドと溶接点を形成した。
【0099】
比較例1
本比較例は、PERC電池を提供する。その製造方法は、以下のステップを含む。
ステップS1において、基板層としてのP型シリコンウェーハを提供し、P型シリコンウェーハの両面にテクスチャ化した。
ステップS2において、テクスチャ化後に、P型シリコンウェーハの正面にドーパント元素(例えばリン)を拡散させ、N型エミッタを形成した。
ステップS3において、拡散過程で形成されたリンシリコンガラス及びエッジP-N接合を除去し、且つ裏面側を研磨した。
ステップS4において、さらにP型シリコンウェーハを650℃で20min熱酸化処理し、拡散後の表面高濃度リン層を活性化し、表面のデッド層の厚さを減少し、且つP型シリコンウェーハの表面に1層の酸化ケイ素を生成した。
ステップS5において、シリコンウェーハの裏面側に厚さ10nmのAlO及び厚さ70nmのSiN:H層を堆積した。
ステップS6において、シリコンウェーハの正面側に80nmのSiN:H層を堆積した。
ステップS7において、レーザーを用いてシリコンウェーハの裏面側に線状溝を作り、AlO及びSiN:H層を開口し、溝の線数が130本で、線幅が30μmであった。
ステップS8において、スクリーン印刷方式を用いて裏面に裏面導電ペーストパターンを印刷し、レーザー線状開口にアルミニウムマイクログリッド線、及びアルミニウムグリッド線に接続された銀メイングリッドを印刷することを含み、銀メイングリッドは、グリッド線本体と、グリッド線本体によって接続された間隔をおいて設けられた複数の銀パッドとを含み、グリッド線本体の幅が200μmであり、銀パッドが方形であり、寸法が500μm×500μmであった。
ステップS9において、スクリーン印刷方式を用いて正面に、マイクログリッドとメイングリッドとを含む正面導電ペーストパターンを印刷し、メイングリッドは、グリッド線本体と、グリッド線本体によって接続された間隔をおいて設けられた複数の銀パッドとを含み、グリッド線本体の幅が200μmであり、マイクログリッドの幅が30μmであり、銀パッドが方形であり、寸法が500μm×500μmであった。
ステップS10において、高温焼結により、アルミニウムグリッド線がシリコン基板の裏面にアルミニウム裏面電界を形成し、正面導電ペーストパターンがSiN:H層を溶落ちしてN型エミッタと接触し、正面電極パターンを形成した。ステップS11において、製造したPERC電池を組立工場に搬送し、電池シートを溶接し、半田リボンを赤外線ランプ管の加熱下でステップS10での正面電極パターンにおける銀パッドによって溶接された。
【0100】
比較例2
本比較例は、HJT電池の製造方法を提供する。その製造方法は、以下のステップを含む。
ステップS1において、N型シリコンウェーハを洗浄し、テクスチャ化した。
ステップS2において、PECVDを用いてシリコンウェーハの表面に以下の層を順次製造した。
N型シリコンウェーハの正面に厚さ10nmの正面真性アモルファスシリコン層を形成し、
N型シリコンウェーハの裏面に厚さ10nmの裏面真性アモルファスシリコン層を形成し、
N型シリコンウェーハの正面側に厚さ10nmの正面リンドープ微結晶シリコン層を形成し、
N型シリコンウェーハの裏面側に厚さ10nmの裏面ボロンドープ微結晶シリコン層を形成した。
ステップS3において、PVDを用いてシリコンウェーハの正面及び裏面にそれぞれ厚さ30nmのITO層を成長させた。
ステップS4において、スクリーン印刷方式を用いてシリコンウェーハの両面のITO層上に低温銀ペーストを印刷し、正面導電ペーストパターン及び裏面導電ペーストパターンを形成し、導電ペーストパターンはマイクログリッドとメイングリッドとを含み、メイングリッドは、グリッド線本体と、グリッド線本体によって接続された間隔をおいて設けられた複数の銀パッドとを含み、銀パッドは方形であり、寸法が500μm×500μmであり、さらにスクリーン印刷した導電ペーストパターンを低温硬化して正面電極パターン及び裏面電極パターンを形成した。
ステップS5において、製造したHJT電池を組立工場に搬送し、電池シートを溶接し、半田リボンが赤外線ランプ管の加熱下でステップS4での銀パッドによって溶接された。
【0101】
上記実施例及び比較例で製造されたPERC電池及びHJT電池に対して電極溶接強度試験及び電池効率試験を実施した。
溶接強度試験:モジュール溶接張力試験機を用いて張力効果試験を行い、試験方法では、溶接後の半田リボンを張力試験機に置いて、半田リボンが脱落するまで張力試験機の張力を徐々に大きくし、同時に脱落時の張力の大きさのデータを記録して、溶接強度を逐次評価して、張力が大きいほど、溶接強度が大きい。
【0102】
電池の光電変換効率試験:標準試験条件(AM1.5、25℃、1000W/m)で、定常状態試験を用いてIV試験機で試験した。
【0103】
試験結果を表1に示す。
【0104】
【表1】
【0105】
上記表から分かるように、本願で製造された電池の電極溶接強度及び変換効率は、従来の電池よりも優れている。本願は、太陽電池の製造過程において、まず基板層の一側にパッドパターンを有する第1電極パターンを形成し、さらにそれを覆う第1誘電体層を形成し、その後第1電極パターンのうちパッドパターンが位置する領域の第1誘電体層を除去し、開口を形成してパッドパターンを露出させ、それによって半田リボンの安定した接続を確保する。また、本願は、第1誘電体層を除去する過程において、電極パターンの存在により、基板層を保護する役割を果たし、さらに基板層に損傷を与えることを回避できる。さらに、本願は、電極パターンを形成する過程において誘電体層の材料に限定されることなく、電極パターンの材料を選択するため、種々の電池タイプに適用することができる。
【0106】
上記実施例の各技術的特徴は、任意に組み合わせることが可能であり、説明の簡潔化のため、上記実施例における各技術的特徴の全ての可能な組み合わせを記載していないが、これらの技術的特徴の組み合わせに矛盾が存在しない限り、本明細書に記載の範囲と考えるべきである。
【0107】
上記実施例は、本願のいくつかの実施形態のみを示し、その記述がより具体的且つ詳細であるが、それによって本願の保護範囲を制限するものと理解すべきではない。なお、当業者であれば、本願の概念から逸脱することなく、いくつかの変形及び改良を行うことができ、これらはいずれも本願の保護範囲に属する。したがって、本願の保護範囲は添付の特許請求の範囲に準じるものとする。
【符号の説明】
【0108】
10 太陽電池、100 基板層、111 第1導電層、111’ 第1透明導電層、112 第2導電層、112’ 第2透明導電層、121 第1電極パターン、1211 第1パッドパターン、1212 メイングリッド、1213 マイクログリッド、122 第2電極パターン、131 第1誘電体層、1311 開口、141 第2誘電体層、132 第3誘電体層、142 第4誘電体層、151 第1導電性ペーストパターン、152 第2導電性ペーストパターン、161 第1アモルファスシリコン層、162 第2アモルファスシリコン層、171 第1ドーピング層、172 第2ドーピング層、181 第1半田リボン、182 第2半田リボン、21 レーザー発生装置、22 第1反射ミラー、23 第2反射ミラー、24 ビームエキスパンダー、25 第3反射ミラー、26 第4反射ミラー、27 走査型ガルバノミラー、28 視野レンズ、29 ステージ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10