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特開2024-125399情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラムおよび情報処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125399
(43)【公開日】2024-09-18
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラムおよび情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/16 20060101AFI20240910BHJP
   A61B 5/11 20060101ALI20240910BHJP
   A61B 5/113 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
A61B5/16 130
A61B5/11 110
A61B5/113
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024106246
(22)【出願日】2024-07-01
(62)【分割の表示】P 2020561977の分割
【原出願日】2019-12-25
(31)【優先権主張番号】P 2018248119
(32)【優先日】2018-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】519459148
【氏名又は名称】南 紀之
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】服部 由里絵
(72)【発明者】
【氏名】川村 一弘
(72)【発明者】
【氏名】西塔 宏二
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ユーザの入眠および睡眠全体を管理する情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理装置であって、所定範囲内に存在するユーザの体動を検知する検知部と、検知部による検知結果に基づいて、ユーザが睡眠準備状態であるか否かを判断する判断部と、判断部の判断結果としてユーザが睡眠準備状態になったと判断される場合に、第1の処理を実行する処理実行部とを備える。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射波の照射、および、前記入射波の反射による反射波の受信を実行し、物体を非接触で検知する第1センサと、
照度値を検知する第2センサと、
所定範囲内に物体が存在することを示す前記第1センサの検知結果と、所定量以下の照度値を示す前記第2センサの検知結果とに基づいて、ユーザの睡眠状態が第1状態であると判定する状態判定部と、
前記状態判定部により前記ユーザの睡眠状態が前記第1状態であると判定されたことに基づいて、第1処理を実行する処理実行部とを備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記第1センサの検知結果に基づいて、物体の動きを算出する算出部をさらに備え、
前記状態判定部は、前記算出部により所定量以上の大きさの前記物体の動きが無いと算出されたことに基づいて前記ユーザの睡眠状態が睡眠準備状態であると判定し、前記第1処理の実行中は、前記算出部により前記物体の動きがあると算出されたことに基づいて前記ユーザの睡眠状態が前記睡眠準備状態ではなくなったとは判定しない、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記処理実行部は、前記第1処理に加えて、前記第1センサの検知結果に基づいて、前記ユーザの体動を促す音または画像を出力する出力処理を実行する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記動作は呼吸あるいは運動を含み、
前記処理実行部は、前記第1センサの検知結果に基づいて、前記出力処理を調整する、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第1処理は、前記ユーザの入眠時または睡眠中または起床時に実行される処理である、請求項1~4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
入射波の照射、および、前記入射波の反射による反射波の受信を実行し、物体を非接触で検知するステップと、
照度値を検知するステップと、
所定範囲内に物体が存在することを示す検知結果と、所定量以下の照度値を示す検知結果とに基づいて、ユーザの睡眠状態が第1状態であると判定するステップと、
前記ユーザの睡眠状態が前記第1状態であると判定されたことに基づいて、第1処理を実行するステップとを備える、情報処理方法。
【請求項7】
入射波の照射、および、前記入射波の反射による反射波の受信を実行し、物体を非接触で検知する第1センサと、照度値を検知する第2センサと、を備えるコンピュータで実行される情報処理プログラムであって、前記情報処理プログラムは、前記コンピュータに、
入射波の照射、および、前記入射波の反射による反射波の受信を実行し、物体を非接触で検知するステップと、
照度値を検知するステップと、
所定範囲内に物体が存在することを示す検知結果と、所定量以下の照度値を示す検知結果とに基づいて、ユーザの睡眠状態が第1状態であると判定するステップと、
前記ユーザの睡眠状態が前記第1状態であると判定されたことに基づいて、第1処理を実行するステップとを備える、処理を実行させる、情報処理プログラム。
【請求項8】
入射波の照射、および、前記入射波の反射による反射波の受信を実行し、物体を非接触で検知する第1センサと、
照度値を検知する第2センサと、
所定範囲内に物体が存在することを示す前記第1センサの検知結果と、所定量以下の照度値を示す前記第2センサの検知結果とに基づいて、ユーザの睡眠状態が第1状態であると判定する状態判定部と、
前記状態判定部により前記ユーザの睡眠状態が前記第1状態であると判定されたことに基づいて、第1処理を実行する処理実行部とを備える、情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ユーザの睡眠を管理する情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ユーザ(利用者)の体の動きに関する情報に基づいて、ユーザの睡眠状態を判定する装置が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-14708号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方で、従来の装置では、ユーザの睡眠状態を判定し、判定結果に基づいて所定の処理の実行を開始するのみであり、ユーザの入眠および睡眠全体を管理していなかった。
【0005】
上記のような問題を解決するためになされたものであって、本開示の目的は、ユーザの入眠および睡眠全体を管理することが可能な情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラムおよび情報処理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ある局面に従う情報処理装置であって、所定範囲内に存在するユーザの体動を検知する検知部と、検知部による検知結果に基づいて、ユーザが睡眠準備状態であるか否かを判断する判断部と、判断部の判断結果としてユーザが睡眠準備状態になったと判断される場合に、第1の処理を実行する処理実行部とを備える。
【0007】
処理実行部は、判断部の判断結果としてユーザが睡眠準備状態になったと判断される場合には、第1の処理を実行する。したがって、ユーザの睡眠準備状態を検知して、第1の処理を実行して、睡眠に誘導することが可能であるため、ユーザの入眠および睡眠全体を管理することが可能である。
【0008】
好ましくは、判断部は、検知部による検知結果に基づいて、所定範囲内でユーザを検知できるようになったこと、および、ユーザが就寝状態になったこと、のうち少なくとも一方に基づいて、ユーザが睡眠準備状態になったと判断してもよい。
【0009】
判断部は、所定範囲内でユーザを検知あるいは、ユーザが就寝状態になったことに応じて睡眠準備状態を判定するため、ユーザの睡眠準備のユーザの状態を確実に検知するためユーザの入眠および睡眠全体を管理することが可能である。
【0010】
好ましくは、情報処理装置は、自装置の周辺環境の状態を取得する周辺環境取得部をさらに備える。処理実行部は、判断部の判断結果としてユーザが睡眠準備状態になったと判断される場合に、周辺環境取得部により取得された周辺環境の状態が周辺環境条件を満たしている場合には、第1の処理を実行する。
【0011】
周辺環境取得部により取得された周辺環境の状態が周辺環境条件を満たしている場合に、第1の処理を実行する。周辺環境条件と組み合わせることにより、ユーザの睡眠準備の状態を確実に検知することによりユーザの入眠および睡眠全体を管理することが可能である。
【0012】
好ましくは、周辺環境取得部は、周辺環境の状態として、周辺の明るさに関する情報を取得してもよい。
【0013】
周辺の明るさに関する情報を用いることにより、ユーザの睡眠準備の状態を確実に推定することが可能である。
【0014】
好ましくは、周辺の明るさに関する情報は、照度の値を含んでもよい。
【0015】
照度の値を用いることによりユーザの睡眠準備の状態を容易に推定することが可能である。
【0016】
好ましくは、情報処理装置は、外部装置との間で通信可能に設けられた通信部をさらに備える。処理実行部は、第1の処理として、通信部を介して外部装置から翌日または翌朝の情報を音声出力してもよい。
【0017】
第1の処理として、翌日または翌朝の情報を取得し、取得した当該情報を音声出力する。したがって、ユーザの利便性の高い情報が出力されるためユーザの利便性に供することが可能である。
【0018】
好ましくは、情報処理装置は、予め設定された時刻が到来すると報知動作を行う報知部をさらに備える。翌日または翌朝の情報は、報知動作が実行される時刻を含む。
【0019】
第1の処理として、翌日また翌朝の報知動作の時刻が出力される。したがって、ユーザの利便性の高い情報が出力されるためユーザの利便性に供することが可能である。
【0020】
好ましくは、情報処理装置は、音声入力を受け付けて音声認識を実行する音声認識部をさらに備える。処理実行部は、音声認識部による音声認識の結果に従って、報知動作が実行される時刻を変更する。
【0021】
したがって、ユーザの音声による指示に従って、報知動作の時刻を変更することが可能であるためユーザの利便性に供することが可能である。
【0022】
好ましくは、翌日または翌朝の情報は、翌日または翌朝の天気の情報を含む。第1の処理として、翌日また翌朝の天気の情報が出力される。したがって、ユーザの利便性の高い情報が出力されるためユーザの利便性に供することが可能である。
【0023】
好ましくは、検知部は、ドップラーセンサを含む。情報処理装置は、ドップラーセンサからの出力に基づいて、ユーザの体動を検知する、体動検知部をさらに備える。
【0024】
検知部は、ユーザの体動を検知し、検知結果に基づいて睡眠準備状態であるか否か判定され、判断結果として、第1の処理が実行されるため装置を操作指示することなく第1の処理を簡易に実行することが可能である。
【0025】
好ましくは、情報処理装置は、ドップラーセンサからの出力に基づいて、第1の処理の後に続けてユーザの睡眠状態を測定する睡眠状態測定部をさらに備える。
【0026】
したがって、睡眠状態測定部は、ユーザの睡眠状態を測定するためユーザの睡眠を管理することが可能である。
【0027】
好ましくは、処理実行部は、ユーザの安静状態の測定に基づいて、ユーザが安静状態になったと判定すると、第1の処理の内容を調整する第2の処理を実行する。
【0028】
したがって、ユーザの安静状態の測定に基づいて第2の処理を実行することによりユーザの入眠および睡眠全体を管理することが可能である。
【0029】
好ましくは、処理実行部は、ユーザが睡眠状態ではない場合に、ユーザを睡眠状態へ導くための第3の処理を実行し、ユーザが睡眠状態となった場合に、第3の処理を停止する。
【0030】
したがって、第3の処理を停止することによりユーザの入眠および睡眠全体を管理することが可能である。
【0031】
好ましくは、第3の処理は、音楽再生処理を含んでも良い。
【0032】
したがって、音楽再生処理を実行するためユーザの睡眠を誘導することにより入眠および睡眠全体を管理することが可能である。
【0033】
好ましくは、第3の処理は、呼吸法または所定の運動を指示する音声案内処理を含んでもよい。
【0034】
したがって、呼吸法または所定の運動を指示する音声案内処理を実行するためユーザの睡眠を誘導することにより入眠および睡眠全体を管理することが可能である。
【0035】
好ましくは、検知部は、24時間の全期間において所定範囲内に存在するユーザの体動を検知してもよい。
【0036】
検知部は、24時間の全期間においてユーザの体動を検知するため、ユーザの入眠および睡眠全体を管理することが可能である。
【0037】
ある局面に従う情報処理方法であって、所定範囲内に存在するユーザの体動を検知するステップと、当該検知結果に基づいて、ユーザが睡眠準備状態であるか否かを判断するステップと、ユーザが睡眠準備状態になったと判断されると、第1の処理を実行するステップとを備える。
【0038】
判断ステップとしてユーザが睡眠準備状態になったと判断される場合には、第1の処理を実行する。したがって、ユーザの睡眠準備状態を検知して、第1の処理を実行して、睡眠に誘導することが可能であるため、ユーザの入眠および睡眠全体を管理することが可能である。
【0039】
ある局面に従うユーザの動きに応じた信号を検知するセンサを備えるコンピュータで実行される情報処理プログラムであって、情報処理プログラムはコンピュータにセンサからの信号に基づいて所定範囲内に存在するユーザの体動を検知するステップと、当該検知結果に基づいて、ユーザが睡眠準備状態であるか否かを判断するステップと、ユーザが睡眠準備状態になったと判断されると、第1の処理を実行するステップとを実行させる。
【0040】
判断ステップとしてユーザが睡眠準備状態になったと判断される場合には、第1の処理を実行する。したがって、ユーザの睡眠準備状態を検知して、第1の処理を実行して、睡眠に誘導することが可能であるため、ユーザの入眠および睡眠全体を管理することが可能である。
【0041】
ある局面に従う情報処理システムであって、所定範囲内に存在するユーザの体動を検知する検知部と、検知部による検知結果に基づいて、ユーザが睡眠準備状態であるか否かを判断する判断部と、判断部の判断結果としてユーザが睡眠準備状態になったと判断される場合に、第1の処理を実行する処理実行部とを備える。
【0042】
処理実行部は、判断部の判断結果としてユーザが睡眠準備状態になったと判断される場合には、第1の処理を実行する。したがって、ユーザの睡眠準備状態を検知して、第1の処理を実行して、睡眠に誘導することが可能であるため、ユーザの入眠および睡眠全体を管理することが可能である。
【発明の効果】
【0043】
上記によれば、本開示の情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラムおよび情報処理システムは、ユーザの入眠および睡眠全体を管理することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】実施形態に基づく睡眠管理システム1の構成の概略ブロック図である。
図2】実施形態に基づく睡眠アラーム装置2の構成の概略ブロック図である。
図3】実施形態に基づくサーバ6の構成の概略ブロック図である。
図4】実施形態に基づく端末8の構成の概略ブロック図である。
図5】実施形態に基づく睡眠アラーム装置2の利用形態について説明する概念図である。
図6】実施形態に基づく端末8で設定されるアラーム設定画面について説明する図である。
図7】実施形態に基づく睡眠誘導機能の開始および停止処理について説明する図である。
図8】実施形態に基づく睡眠アラーム装置2の機能ブロック図を説明する図である。
図9】実施形態に基づく睡眠誘導機能の処理のフローを説明する図である。
図10】実施形態に基づく睡眠誘導機能の開始処理のフローを説明する図である。
図11】実施形態に基づく別の睡眠誘導機能の開始処理のフローを説明する図である。
図12】実施形態に基づく睡眠誘導機能の実行処理のフローを説明する図である。
図13】実施形態に基づく音楽再生処理のフローを説明する図である。
図14】実施形態に基づくリラックス運動案内再生処理の概要を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
この実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0046】
本実施形態における情報処理装置は、一例として睡眠アラーム装置として説明する。携帯型(可搬型とも言う)の装置であってもよいし、据置型の装置であってもよい。
【0047】
<睡眠管理システムの構成>
図1は、実施形態に基づく睡眠管理システム1の構成の概略ブロック図である。
【0048】
図1に示されるように、睡眠管理システム1は、睡眠アラーム装置2と、サーバ6と、端末8とを含み、互いにネットワーク4で接続されている。
【0049】
ネットワーク4を介して、睡眠アラーム装置2、サーバ6および端末8との間で情報の授受が可能に設けられている。ネットワーク4は、無線通信あるいは有線通信のいずれの方式を採用してもよい。
【0050】
端末8は、携帯電話、あるいはスマートフォン等といった、携帯型(可搬型とも言う)の装置であってもよいし、パーソナルコンピュータ等といった据置型の装置であってもよい。
【0051】
睡眠アラーム装置2は、ユーザの入眠および睡眠全体を管理する装置である。
【0052】
睡眠アラーム装置2は、ユーザを目覚めさせるためのアラーム機能を有するとともに、ユーザの動きに応じた信号を非接触で検知するセンサ機能を有している。睡眠アラーム装置2は、快適な睡眠を得るために睡眠を誘導する睡眠誘導機能を有している。
【0053】
睡眠アラーム装置2は、睡眠データを解析する睡眠解析機能も有していても良い。
【0054】
睡眠アラーム装置2は、検知部による検知結果に基づいて、ユーザが睡眠準備状態であるか否かを判断し、ユーザが睡眠準備状態になったと判断される場合に、所定の処理を実行する。
【0055】
端末8は、睡眠アラーム装置2のアラーム機能および睡眠誘導機能の設定を行うとともに、睡眠アラーム装置2あるいはサーバ6からユーザの睡眠状態の情報を取得して表示することが可能である。
【0056】
サーバ6は、睡眠アラーム装置2で取得した睡眠データを保存する。
【0057】
<睡眠アラーム装置2の構成>
図2は、実施形態に基づく睡眠アラーム装置2の構成の概略ブロック図である。
【0058】
図2に示されるように、睡眠アラーム装置2は、時計20と、ディスプレイ21と、スピーカ22と、メモリ23と、通信装置24と、LED25と、照度センサ26と、CPU27と、マイク28と、入力装置29と、ドップラーセンサ30と、内部バス32とを含む。各部は、内部バス32で接続されている。
【0059】
CPU27は、睡眠アラーム装置2で実行される各種の情報処理を実行するための情報処理部である。CPU27は、メモリ23を用いて上記各種の情報処理を実行する。メモリ23は、睡眠アラーム装置2において実行される各種プログラムや、ユーザの就寝時にリアルタイムに測定された睡眠に関するデータを記憶する。
【0060】
メモリ23は、睡眠アラーム装置2に内蔵される記憶部である場合について説明するが、例えば光ディスクやカートリッジ等の、睡眠アラーム装置2に着脱可能な記憶媒体であってもよいし、これらの記憶部および記憶媒体の両方であってもよい。
【0061】
CPU27は、メモリ23に格納されているプログラムに基づいて各種機能ブロックを実現する。
【0062】
時計20は、時刻を計時する機能を有する。
【0063】
ディスプレイ21は、時刻等の情報を表示する。
【0064】
スピーカ22は、報知音としてアラーム音を出力する。
【0065】
通信装置24は、ネットワーク4を介して外部の装置(サーバ6および端末8)と通信するためのインターフェースである。
【0066】
LED25は、指示に従って点灯し、睡眠アラーム装置2の周囲を明るくする。
【0067】
マイク28は、外部からの音声入力を受け付ける。
【0068】
入力装置29は、各種の操作ボタンを有する。
【0069】
ドップラーセンサ30は、電波(マイクロ波)を被対象物に照射して、被対象物(ユーザ)の動きに応じた信号(反射波)を非接触で検知する。
【0070】
照度センサ26は、周辺環境の情報として部屋の照度値を検出する。
【0071】
睡眠アラーム装置2においては、ドップラーセンサ30から発したマイクロ波がユーザの呼吸による微小な動きにより変化した反射波を検出することで得られる情報を元に、ユーザの睡眠状態を例えば「深い睡眠」「浅い睡眠」「レム睡眠」「覚醒」の4種類のいずれかとして判定することが可能である。具体的な判定処理の方法については、例えば前述の特許文献1に記載されているような公知の技術を用いることができる。なお、睡眠状態の判定においては、心拍による微小な動きに関する情報も考慮してもよい。
【0072】
上述の呼吸による動きを検出したことに基づいて、ドップラーセンサ30の観測範囲に生体が存在しているかどうかの確からしさを算出することが可能である。これにより、例えばユーザがベッド上の観測領域内にいるかどうかを判定することができる。
【0073】
また、睡眠アラーム装置2は、ドップラーセンサ30を用いた公知の技術により、寝返りや手を振る動作のように、比較的大きい体動も検出することも可能である。上述の呼吸や心拍による微小な動きとは、例えば照射波と反射波の変化量や、周期性により区別することが可能である。
【0074】
なお、寝返りや手を振る動作のように比較的大きいユーザの動きを「体動」と呼び、呼吸や心拍等の微小な動きと合わせて「動き」と呼ぶことがある。 <サーバ6の構成>
図3は、実施形態に基づくサーバ6の構成の概略ブロック図である。
【0075】
図3に示されるように、サーバ6は、CPU60と、メモリ62と、通信装置64と、内部バス66とを含む。各部は、内部バス66で接続されている。
【0076】
CPU60は、サーバ6で実行される各種の情報処理を実行するための情報処理部である。CPU60は、メモリ62を用いて各種の情報処理を実行する。
【0077】
メモリ62は、サーバ6に内蔵される記憶部である場合について説明するが、例えば光ディスクやカートリッジ等の、サーバ6に着脱可能な記憶媒体であってもよいし、これらの記憶部および記憶媒体の両方であってもよい。
【0078】
通信装置64は、ネットワーク4を介して外部の装置(睡眠アラーム装置2および端末8)と通信するためのインターフェースである。
【0079】
<端末8の構成>
図4は、実施形態に基づく端末8の構成の概略ブロック図である。
【0080】
図4に示されるように、端末8は、CPU80と、ディスプレイ82と、通信装置84と、メモリ86と、入力装置88と、内部バス89とを含む。各部は、内部バス89で接続されている。
【0081】
CPU80は、端末8で実行される各種の情報処理を実行するための情報処理部である。CPU80は、メモリ86を用いて各種の情報処理を実行する。
【0082】
入力装置88は、タッチパネルを含む。
【0083】
通信装置84は、ネットワーク4を介して外部の装置(睡眠アラーム装置2およびサーバ6)と通信するためのインターフェースである。
【0084】
メモリ86は、端末8に内蔵される記憶部である場合について説明するが、例えば光ディスクやカートリッジ等の、端末8に着脱可能な記憶媒体であってもよいし、これらの記憶部および記憶媒体の両方であってもよい。
【0085】
<睡眠アラーム装置2の利用形態>
図5は、実施形態に基づく睡眠アラーム装置2の利用形態について説明する概念図である。
【0086】
図5に示されるように、睡眠アラーム装置2は、ユーザのベッドBD等に隣接して配置される。
【0087】
睡眠アラーム装置2は、ドップラーセンサ30からユーザに対して照射される電波の反射波を計測する。反射波に基づいてユーザの状態を観測する。また、睡眠アラーム装置2の観測領域は、ベッドBDにおいて、ユーザが就寝する所定領域(所定範囲)に対応している。
【0088】
睡眠アラーム装置2は、アラーム機能とともに睡眠誘導機能を有する。本例においては、睡眠アラーム装置2は、睡眠準備状態であると判断した場合に、所定の処理を実行する。例えば、睡眠誘導情報を出力する。ディスプレイ21には、一例として時計20が計時する現在時刻として「PM12:00」(午前0時)が表示されている。
【0089】
<アラーム設定画面>
図6は、実施形態に基づく端末8で設定されるアラーム設定画面について説明する図である。
【0090】
図6には、端末8のディスプレイ82に表示されたアラーム設定画面200が示されている。端末8のディスプレイ82には入力装置88としてタッチパネルが設けられており、タッチパネルを介して、睡眠アラーム装置2のアラーム機能の設定処理が可能である。なお、タッチパネルに限られずキーボード等を用いて設定処理を実行することも可能である。
【0091】
アラーム設定画面200には、アラーム機能のオンオフ切替ボタン202と、起床設定時刻入力フィールド204と、睡眠誘導機能のオンオフ切替ボタン206と、お知らせ機能のオンオフ切替ボタン208と、音楽再生機能のオンオフ切替ボタン210と、リラックス運動案内機能のオンオフ切替ボタン212と、登録ボタン214と、キャンセルボタン216とが設けられている。
【0092】
アラーム機能のオンオフ切替ボタン202は、アラーム機能のオンあるいはオフを切り替えるボタンである。アラーム機能がオンの場合には、報知動作が実行される。一方、アラーム機能がオフの場合には、所定の報知動作は実行されない。本例においては、一例として、アラーム機能が「オン」に設定されている場合が示されている。なお、アラーム機能が「オフ」に設定されている場合には、各切替あるいは選択ボタン等は無効状態に設定される。
【0093】
起床設定時刻入力フィールド204は、ユーザが起床設定時刻を入力するフィールドである。本例においては、一例として、起床設定時刻入力フィールド204に「07:00」が設定されている場合が示されている。
【0094】
睡眠誘導機能のオンオフ切替ボタン208は、睡眠状態に導く機能のオンオフを設定するボタンである。睡眠誘導機能がオンの場合には、睡眠状態に誘導するための所定の処理が実行される。一方、睡眠誘導機能がオフの場合には、所定の処理は実行されない。本例においては、一例として、睡眠誘導機能が「オン」に設定されている場合が示されている。
【0095】
お知らせ機能のオンオフ切替ボタン210は、ユーザが必要とする情報を通知する機能のオンあるいはオフを切り替えるボタンである。お知らせ機能がオンの場合には、情報通知処理が実行される。一方、お知らせ機能がオフの場合には、情報通知処理は実行されない。本例においては、一例として、お知らせ機能が「オン」に設定されている場合が示されている。具体的には、ユーザが必要とする情報として、ユーザが設定したアラームの設定時刻の情報、翌日あるいは翌朝の天気の情報等を含む。
【0096】
音楽再生機能のオンオフ切替ボタン210は、音楽再生の機能のオンオフを設定するボタンである。音楽再生機能がオンの場合には、音楽再生処理が実行される。一方、音楽再生機能がオフの場合には、音楽再生処理は実行されない。本例においては、一例として、音楽再生機能が「オン」に設定されている場合が示されている。
【0097】
リラックス運動案内機能のオンオフ切替ボタン212は、リラックス運動を案内する機能のオンオフを設定するボタンである。リラックス運動案内機能がオンの場合には、リラックス運動を案内する運動案内処理が実行される。一方、リラックス運動案内機能がオフの場合には、運動案内処理は実行されない。本例においては、一例として、リラックス運動案内機能が「オフ」に設定されている場合が示されている。なお、音楽再生機能とリラックス運動案内機能とは並列に動作しないため、音楽再生機能が「オン」の場合には、リラックス運動案内機能は「オフ」に設定される。
【0098】
登録ボタン214は、アラーム設定画面200で設定された設定情報を睡眠アラーム装置2に登録する登録処理を実行するためのボタンである。
【0099】
キャンセルボタン216は、アラーム設定画面200で設定された設定情報を睡眠アラーム装置2に登録する登録処理をキャンセルするためのボタンである。
【0100】
端末8は、ディスプレイ82に表示されたアラーム設定画面200の登録ボタン214が選択された場合に、アラーム設定画面100で設定された各種の設定情報(以下、単に「設定情報」とも称する)をネットワーク4を介して睡眠アラーム装置2に送信する。
【0101】
睡眠アラーム装置2は、端末8から送信された設定情報を受信して、メモリ23に格納する。睡眠アラーム装置2は、メモリ23に格納された設定情報に基づくアラーム機能等を実行する。
【0102】
端末8は、ディスプレイ82に表示されたアラーム設定画面200のキャンセルボタン216が選択された場合に、アラーム設定画面200を非表示にして設定情報の登録処理を終了する。
【0103】
なお、本例においては、端末8においてアラーム機能の設定処理を実行する場合について説明したが、これに限られず睡眠アラーム装置2の入力装置29を用いて同様の設定処理を実行することも可能である。
【0104】
図7は、実施形態に基づく睡眠誘導機能の開始および停止処理について説明する図である。
【0105】
図7に示されるように、睡眠アラーム装置2は、ドップラーセンサ30を用いてユーザの体動を検知する。睡眠アラーム装置2は、ドップラーセンサ30の検知結果に基づいて睡眠準備状態であるか否かを判断し、睡眠準備状態であると判断した場合に、睡眠誘導機能を開始する。睡眠アラーム装置2は、ドップラーセンサ30の検知結果に基づいて睡眠状態であるか否かを判断し、睡眠状態であると判断した場合に、睡眠誘導機能を終了(停止)する。
【0106】
睡眠準備状態であると判定する条件の一例として、本例においては所定範囲内(例えばベッド)でユーザを検知できるようになったこと、および、ユーザが就寝状態になったことのうち少なくとも一方に基づいて、ユーザが睡眠準備状態になったと判定して睡眠誘導機能の実行を開始する。
【0107】
図8は、実施形態に基づく睡眠アラーム装置2の機能ブロック図を説明する図である。
【0108】
図8を参照して、睡眠アラーム装置2のCPU27は、各種の機能ブロックを実現する。
【0109】
具体的には、CPU27は、メモリ23に格納されているプログラムに基づいて複数の機能ブロックを実現する。本例においては、CPU27は、存在/不在判定部271と、睡眠状態判定部272と、就寝状態判定部273と、体動検知部274と、表示制御部275と、睡眠準備状態判定部276と、安静状態判定部277と、睡眠誘導機能制御部278と、睡眠誘導機能実行判定部280と、音声認識部282と、情報取得部284と、報知制御部286とを含む。
【0110】
睡眠誘導機能実行判定部280は、睡眠アラーム装置2の睡眠誘導機能の実行可否を判定する。睡眠誘導機能実行判定部280は、睡眠アラーム装置2の睡眠誘導機能を実行すると判定した場合に睡眠誘導機能制御部278に指示して睡眠誘導機能の開始動作を実行する。
【0111】
存在/不在判定部271は、ドップラーセンサ30の検出信号に基づいてユーザが観測領域に対応する所定領域(所定範囲)に存在しているか、不在(存在していない)か否かを判定する。本例においては、一例としてユーザがベッドに存在しているか、不在(存在していない)かを判定する。
【0112】
睡眠状態判定部272は、ドップラーセンサ30の検出信号に基づいてユーザの睡眠状態をリアルタイムに判定する。具体的には、睡眠状態判定部272は、ドップラーセンサ30の検出信号に基づいてユーザの睡眠状態として、深い睡眠状態、浅い睡眠状態、レム睡眠状態、覚醒状態を判定する。
【0113】
就寝状態判定部273は、体動検知部274で算出された体動量に基づいて就寝状態か否かを判定する。具体的には、ドップラーセンサによりユーザの存在が検出されている状態で、所定期間の体動量が所定量以下となった場合に就寝状態と判定する。なお、就寝状態と判定する方法はこれに限られず他の手法を用いることも当然に可能である。就寝状態とは、ユーザが覚醒した状態でベッドにいる状態を含むものとする。
【0114】
体動検知部274は、ドップラーセンサ30の検出信号に基づいてユーザの体動量を算出する。
【0115】
報知制御部286は、スピーカ22によるアラーム報知(報知動作)を制御する。具体的には、一例として報知制御部286は、メモリ23に格納されている設定情報の起床設定時刻を取得して、報知条件を満たした場合にはスピーカ22により当該起床設定時刻にアラーム報知(報知動作)を実行する。
【0116】
表示制御部275は、ディスプレイ21の表示を制御する。
【0117】
睡眠準備状態判定部276は、存在/不在判定部271の判定結果と、就寝状態判定部273の判定結果とに基づいて睡眠準備状態か否かを判定する。睡眠準備状態判定部276は、判定結果を睡眠誘導機能制御部278に出力する。
【0118】
安静状態判定部277は、体動検知部274で算出された体動量に基づいて安静状態か否かを判定する。具体的には、ドップラーセンサによりユーザの存在が検出されている状態で、体動が一定時間検出されなかった場合に安静状態と判定する。なお、安静状態と判定する方法はこれに限られず他の手法を用いることも当然に可能である。
【0119】
睡眠誘導機能制御部278は、睡眠準備状態判定部276からの睡眠準備状態である旨の通知に従ってユーザに対して睡眠を誘導する所定の処理を実行する。
【0120】
音声認識部282は、マイク28を介して入力されるユーザの音声入力を識別して、睡眠誘導機能制御部278に出力する。
【0121】
情報取得部284は、睡眠誘導機能制御部278の指示に従って通信装置24を介して外部装置から情報を取得する。情報取得部284は、取得した情報をメモリ23に格納する。
【0122】
<睡眠誘導機能>
睡眠誘導機能は、ユーザを睡眠状態に誘導する機能である。例えば、音楽を再生してユーザをリラックスさせて睡眠状態に誘導したり、あるいは、呼吸法やリラックス運動を案内することにより睡眠状態に誘導する機能である。なお、当該睡眠誘導機能は、アラーム機能の処理と並列に実行される処理である。
【0123】
図9は、実施形態に基づく睡眠誘導機能の処理のフローを説明する図である。
【0124】
図9に示されるように、CPU27は、睡眠誘導機能がONか否かを判定する(ステップST5)。具体的には、睡眠誘導機能実行判定部280は、設定情報に睡眠誘導機能がONの情報が含まれているか否かを判定する。
【0125】
CPU27は、ST5において、睡眠誘導機能がONで無いと判定した場合(ステップST5においてNO)には処理を終了する(エンド)。この場合には、睡眠誘導機能は実行されない。
【0126】
一方、CPU27は、ステップST5において、睡眠誘導機能がONであると判定した場合(ステップST5においてYES)には、睡眠誘導機能開始処理を実行する(ステップST6)。睡眠誘導機能実行判定部280は、設定情報に睡眠誘導機能がONの情報が含まれていると判定した場合には、睡眠誘導機能制御部278に睡眠誘導機能開始処理を実行するように指示する。睡眠誘導機能開始処理の詳細については後述する。
【0127】
そして、処理を終了する(エンド)。
【0128】
上記処理により、ユーザが睡眠誘導機能の停止を望む場合(睡眠誘導機能がOFF)には、睡眠誘導機能は実行されない。したがって、無駄な処理の実行を抑制するとともに、ユーザの意図を反映させることが可能である。
【0129】
<睡眠誘導機能開始処理>
図10は、実施形態に基づく睡眠誘導機能の開始処理のフローを説明する図である。
【0130】
図10に示されるように、CPU27は、存在/不在確認を実行する(ステップS0)。具体的には、存在/不在判定部271は、ドップラーセンサ30からの信号に基づいてユーザが所定領域に存在するか否かを判定し、判定結果を睡眠準備状態判定部276に出力する。
【0131】
次に、CPU27は、存在判定かどうかを判定する(ステップS2)。睡眠準備状態判定部276は、存在/不在判定部271から存在判定の判定結果の通知を受けたかどうかを判定する。
【0132】
次に、CPU27は、ステップS2において、存在判定であると判定した場合(ステップS2においてYES)には、体動を検知する(ステップS4)。体動検知部274は、ドップラーセンサ30からの信号に基づいてユーザの体動を検知する。体動検知部274は、検知結果を就寝状態判定部273に出力する。
【0133】
次に、CPU27は、就寝状態を確認する(ステップS6)。就寝状態判定部273は、体動検知部274の体動量の検知結果に基づいて就寝状態か否かを判定し、判定結果を睡眠準備状態判定部276に出力する。
【0134】
次に、CPU27は、就寝状態か否かを判定する(ステップS8)。睡眠準備状態判定部276は、就寝状態判定部273から就寝状態の判定結果の通知を受けたかどうかを判定する。
【0135】
次に、CPU27は、就寝状態と判定した場合(ステップS8においてYES)には、睡眠準備状態と判定する(ステップS10)。睡眠準備状態判定部276は、判定結果が睡眠準備状態であるとして睡眠誘導機能制御部278に通知する。睡眠準備状態判定部276は、存在/不在判定部271からの判定結果としてユーザが存在することが検出され、かつ、就寝状態判定部273から就寝状態と判定されると、睡眠準備状態であると判定する。
【0136】
なお、本例においては、睡眠準備状態判定部276は、存在/不在判定部271からの判定結果としてユーザが存在することが検出され、かつ、就寝状態判定部273から就寝状態と判定されると、睡眠準備状態であると判定する場合について説明するが、存在/不在判定部271からの判定結果としてユーザが存在することが検出された場合に、睡眠準備状態であると判定しても良いし、あるいは、就寝状態判定部273から就寝状態と判定されると、睡眠準備状態であると判定しても良い。
【0137】
そして、CPU27は、処理を実行する(ステップS12)。睡眠誘導機能制御部278は、睡眠を誘導する機能として所定の処理を実行する。
【0138】
そして、処理を終了する(リターン)。
【0139】
一方、ステップS2において、CPU27は、存在判定でないと判定した場合(ステップS6においてNO)には、ステップS0に戻り上記処理を繰り返す。
【0140】
一方、ステップS8において、CPU27は、就寝状態でないと判定した場合(ステップS8においてNO)には、ステップS0に戻り上記処理を繰り返す。
【0141】
図11は、実施形態に基づく別の睡眠誘導機能の開始処理のフローを説明する図である。
【0142】
図11に示されるように、図10の処理と比較して、ステップS3およびステップS3Aを追加した点が異なる。
【0143】
具体的には、CPU27は、ステップS2において、存在判定であると判定した場合(ステップS2においてYES)には、環境情報を取得する(ステップS3)。具体的には、照度センサ26により周辺の環境情報として部屋の照度値を検出する。照度センサ26は、部屋の照度値を睡眠準備状態判定部276に出力する。
【0144】
CPU27は、環境条件が成立したか否かを判定する(ステップS3A)。睡眠準備状態判定部276は、照度センサ26から出力された照度値が所定の照度値以下か否かを判定する。
【0145】
ステップS16において、CPU27は、環境条件が成立したと判定した場合(ステップS3AにおいてYES)には、体動を検知する(ステップS4)。体動検知部274は、ドップラーセンサ30からの信号に基づいてユーザの体動を検知する。体動検知部274は、検知結果を就寝状態判定部273に出力する。
【0146】
次に、CPU27は、就寝状態を確認する(ステップS6)。就寝状態判定部273は、体動検知部274の体動量の検知結果に基づいて就寝状態か否かを判定し、判定結果を睡眠準備状態判定部276に出力する。
【0147】
次に、CPU27は、就寝状態か否かを判定する(ステップS8)。睡眠準備状態判定部276は、就寝状態判定部273から就寝状態の判定結果の通知を受けたかどうかを判定する。
【0148】
次に、CPU27は、就寝状態と判定した場合(ステップS8においてYES)には、睡眠準備状態と判定する(ステップS10)。睡眠準備状態判定部276は、判定結果が睡眠準備状態であるとして睡眠誘導機能制御部278に通知する。
【0149】
そして、CPU27は、処理を実行する(ステップS12)。睡眠誘導機能制御部278は、睡眠を誘導する機能として所定の処理を実行する。
【0150】
そして、処理を終了する(リターン)。
【0151】
一方、ステップS2において、CPU27は、存在判定でないと判定した場合(ステップS6においてNO)には、ステップS0に戻り上記処理を繰り返す。
【0152】
一方、ステップS8において、CPU27は、就寝状態でないと判定した場合(ステップS8においてNO)には、ステップS0に戻り上記処理を繰り返す。
【0153】
一方、ステップS3Aにおいて、CPU27は、環境条件が成立しないと判定した場合(ステップS3AにおいてNO)には、ステップS0に戻り上記処理を繰り返す。
【0154】
<実行処理>
図12は、実施形態に基づく睡眠誘導機能の実行処理のフローを説明する図である。
【0155】
図12に示されるように、CPU27は、お知らせ機能がONか否かを判定する(ステップS20)。
【0156】
CPU27は、お知らせ機能がONであると判定した場合(ステップS20においてYES)には、情報を出力する処理を実行する(ステップS22)。
【0157】
具体的には、睡眠誘導機能制御部278は、メモリ23に格納されている情報に基づいて設定情報に含まれるアラーム機能の起床設定時刻をスピーカ22を介して通知する。
【0158】
例えば、「明日の起床設定時刻は7:00です」との情報を通知する。また、明日(翌日)あるいは時刻が午前0時を超えた場合には明朝(翌朝)の天気、気温の情報を通知しても良い。例えば、睡眠誘導機能制御部278は、情報取得部284に指示して、通信装置24を介してネットワークと接続された外部装置と通信することにより、天気や気温の情報を取得してスピーカ22を介して通知する。あるいは、情報取得部284は、予め当該情報を取得して、メモリ23に格納されている情報を用いてもよい。なお、一例として情報として天気、気温の情報を出力する場合について説明したが、天気、気温の情報に限られず最新のニュースや、交通情報、メモ等、ユーザの利便性に供する情報であればどのような情報でも良い。
【0159】
なお、お知らせ機能は、例えば、音楽を再生させながら明日あるいは明朝の情報を出力するようにしても良い。そして、明日あるいは明朝の情報の出力の終了に従い音楽の再生を停止させてもよく、ユーザに対するリラックス効果を高めつつ、睡眠を促すことが可能である。
【0160】
また、睡眠誘導機能制御部278は、お知らせ機能による情報出力処理の結果、ユーザの指示に従って起床設定時刻を編集することが可能である。具体的には、音声認識部282は、マイク28を介してユーザの音声入力を識別して、睡眠誘導機能制御部278に出力する。例えば、ユーザが「アラームを8時に変更してください」というと、睡眠誘導機能制御部278は、ユーザの音声入力が起床設定時刻の変更であると判断した場合には、起床設定時刻を8時に変更する。
【0161】
次に、CPU27は、音楽再生機能がONか否かを判定する(ステップS24)。具体的には、睡眠誘導機能制御部278は、設定情報に含まれる音楽再生機能がオンの情報が含まれているか否かを判定する。
【0162】
次に、CPU27は、音楽再生機能がONであると判定した場合(ステップS24においてYES)には、音楽再生処理を実行する(ステップS26)。音楽再生処理の詳細については後述する。
【0163】
そして、処理を終了する(リターン)。
【0164】
一方、ステップS24において、音楽再生機能がONでないと判定した場合(ステップS24においてNO)には、リラックス運動案内機能がONか否かを判定する(ステップS28)。睡眠誘導機能制御部278は、設定情報に含まれるリラックス運動案内機能がオンの情報が含まれているか否かを判定する。
【0165】
CPU27は、音楽再生機能がONであると判定した場合(ステップS28においてYES)には、リラックス運動案内再生処理を実行する(ステップS30)。リラックス運動案内再生処理の詳細については後述する。
【0166】
そして、処理を終了する(リターン)。
【0167】
ステップS28において、CPU27は、リラックス運動案内機能がONでないと判定した場合(ステップS28においてNO)には、処理を終了する(リターン)。
【0168】
なお、本例においては、音楽再生機能およびリラックス運動案内機能のいずれか一方が実行される場合について説明しているが、音楽再生機能もONし、リラックス運動案内機能もONに設定することにより音楽再生処理およびリラックス運動機能案内再生処理が並列に実行されるようにしても良い。
【0169】
図13は、実施形態に基づく音楽再生処理のフローを説明する図である。
【0170】
図13に示されるように、CPU27は、再生処理を開始する(ステップS40)。睡眠誘導機能制御部278は、メモリ23に格納されている音楽ファイルを再生してスピーカ22から出力する。
【0171】
次に、CPU27は、安静状態を確認する(ステップS42)。安静状態判定部277は、体動検知部274で算出された体動量に基づいて安静状態か否かを判定する。
【0172】
次に、CPU27は、安静状態か否かを判定する(ステップS44)。睡眠誘導機能制御部278は、安静状態判定部277の判定結果が安静状態か否かを判定する。
【0173】
次に、CPU27は、安静状態であると判定した場合(ステップS44においてYES)には、音量調整処理を実行する(ステップS46)。睡眠誘導機能制御部278は、安静状態判定部277の判定結果が安静状態であると判定した場合には、スピーカ22を介して出力する音楽再生のボリュームの音量を下げる処理を実行する。
【0174】
なお、本例においては、睡眠誘導機能制御部278は、音量を下げる処理を実行する場合について説明するが、特にこれに限られず、例えば、高周波成分のカットフィルタの機能を用いて高周波成分を低減した再生処理を実行するようにしても良い。また、音量を下げる処理と高周波成分のカットフィルタを組み合わせても良い。あるいは、ピッチを調整する処理を実行するようにしても良い。また、音源に合わせて高周波成分のカットフィルタの種類を調整するようにしても良い。例えばボーカルの声がある音源と、ボーカルの声が無い音源とで高周波成分のカットフィルタの種類を調整しても良い。
【0175】
また、睡眠誘導機能制御部278は、安静状態判定部277の判定結果の安静状態の継続時間や安静状態の程度を表すパラメータに従って、リアルタイムにスピーカ22を介して出力する音楽再生のボリュームの音量あるいは、高周波成分のカットフィルタの強弱を変化させるようにしてもよい。
【0176】
音量調整処理を実行することによりユーザの状態に従ってユーザを睡眠状態への移行を促進することが可能である。
【0177】
次に、CPU27は、睡眠状態を確認する(ステップS48)。睡眠状態判定部272は、ドップラーセンサ30の検出信号に基づいてユーザが睡眠状態か否かを判定する。
【0178】
次に、CPU27は、睡眠状態か否かを判定する(ステップS50)。睡眠誘導機能制御部278は、睡眠状態判定部272から出力される判定結果が睡眠状態か否かを判定する。例えば、ユーザの睡眠状態として、覚醒状態以外の状態、深い睡眠状態、浅い睡眠状態、レム睡眠状態であれば睡眠状態と判定する。
【0179】
ステップS50において、CPU27は、睡眠状態であると判定した場合(ステップS50においてYES)には、再生処理を停止する(ステップS52)。睡眠誘導機能制御部278は、メモリ23に格納されている音楽ファイルの再生処理を停止する。
【0180】
なお、睡眠誘導機能制御部278は、睡眠状態であると判定した場合に、即座に再生処理を停止するのではなく、段階的に再生処理を停止するようにしても良い。例えば、睡眠状態の判定の確からしさに応じて段階的に音量を変化させてもよいし、音量が低下している状態で体動を検知したり、覚醒状態と判定されたりした場合は元の音量に戻すようにしても良い。当該処理により、音楽ファイルの再生処理が誤判定によって停止することを防止することも可能である。
【0181】
そして、処理を終了する(リターン)。
【0182】
一方、ステップS50において、CPU27は、睡眠状態でないと判定した場合(ステップS50においてNO)には、ステップS40に戻る。
【0183】
また、ステップS44において、CPU27は、安静状態でないと判定した場合(ステップS44においてNO)には、ステップS46をスキップしてステップS48に進む。
【0184】
ユーザの睡眠状態を確認した場合には、睡眠誘導機能を停止することによりユーザの睡眠状態を安定させることが可能である。
【0185】
リラックス運動案内再生処理についても音楽再生処理と基本的に同様である。
【0186】
具体的には、CPU27は、再生処理を開始する。睡眠誘導機能制御部278は、メモリ23に格納されているリラックス運動案内ファイルを再生してスピーカ22およびディスプレイ21から出力する。
【0187】
図14は、実施形態に基づくリラックス運動案内再生処理の概要を説明する図である。
【0188】
図14に示されるように、ディスプレイ21には、身体をリラックスするための運動案内画像P001が表示される。ユーザは、当該運動案内画像P001に従いながら身体をリラックスさせるストレッチ運動を行うことが可能である。上記運動案内画像の表示ともにユーザをリラックスさせるための音楽を再生するようにしてもよい。
【0189】
なお、本例においては、ストレッチ運動を行うように促す場合について説明するが、リラックスさせるためであるならばどのようなものでもよく、例えば、ユーザに呼吸法により深呼吸を促す動作を実行するように案内画像を表示し、音楽を再生することも可能である。
【0190】
本例においては、睡眠誘導機能制御部278は、メモリ23に格納されているリラックス運動案内ファイルを再生して睡眠アラーム装置2のスピーカ22およびディスプレイ21から再生出力する場合について説明するが、特にこれに限られず他のデバイスを用いても良い。具体的には、睡眠誘導機能制御部278は、通信装置24を介して端末8にデータを送信し、端末8のディスプレイ82やスピーカ(図示せず)を用いてリラックス運動案内ファイルを再生出力するようにしても良い。上記の音楽再生機能についても同様である。
【0191】
図13のフロー図で説明したように、CPU27は、安静状態か否かを判定し、安静状態であると判定した場合には、音量調整処理を実行する。睡眠誘導機能制御部278は、安静状態判定部277の判定結果が安静状態であると判定した場合には、スピーカ22を介して出力する音楽再生のボリュームの音量を下げる処理を実行する。なお、本例においては、睡眠誘導機能制御部278は、音量を下げる処理を実行する場合について説明するが、特にこれに限られず、例えば、高周波成分のカットフィルタの機能を用いて高周波成分を低減した再生処理を実行するようにしても良い。また、音量を下げる処理と高周波成分のカットフィルタを組み合わせても良い。あるいは、ピッチを調整する処理を実行するようにしても良い。また、音源に合わせて高周波成分のカットフィルタの種類を調整するようにしても良い。例えばボーカルの声がある音源と、ボーカルの声が無い音源とで高周波成分のカットフィルタの種類を調整しても良い。
【0192】
また、睡眠誘導機能制御部278は、安静状態判定部277の判定結果の安静状態の継続時間や安静状態の程度を表すパラメータに従って、リアルタイムにスピーカ22を介して出力する音楽再生のボリュームの音量あるいは、高周波成分のカットフィルタの強弱を変化させるようにしてもよい。
【0193】
また、睡眠誘導機能制御部278は、安静状態判定部277の判定結果の安静状態の継続時間や安静状態の程度を表すパラメータあるいは、ユーザの呼吸状態の検知に従って、ストレッチ運動で静止状態となったことに応じて案内画像あるいは音声情報を変化させたり、呼吸法の仕方をインタラクティブにサポートするようにしても良い。
【0194】
音量調整処理を実行することによりユーザの状態に従ってユーザを睡眠状態への移行を促進することが可能である。
【0195】
そして、CPU27は、睡眠状態か否かを判定し、睡眠状態であると判定した場合には、再生処理を停止する。睡眠誘導機能制御部278は、メモリ23に格納されているリラックス運動案内ファイルの再生処理を停止する。
【0196】
ユーザの睡眠状態を確認した場合には、睡眠誘導機能を停止することによりユーザの睡眠状態を安定させることが可能である。
【0197】
また、本実施形態におけるプログラムとして、パーソナルコンピュータで実行可能なアプリケーションを提供してもよい。このとき、本実施の形態に係るプログラムは、パーソナルコンピュータ上で実行される各種アプリケーションの一部の機能として組み込まれてもよい。
【0198】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0199】
1 睡眠管理システム、2 睡眠アラーム装置、4 ネットワーク、6 サーバ、8 端末、20 時計、21,82 ディスプレイ、22 スピーカ、23,62,86 メモリ、24,64,84 通信装置、26 照度センサ、28 マイク、29,88 入力装置、30 ドップラーセンサ、32,66,89 内部バス、200 アラーム設定画面、271 不在判定部、272 睡眠状態判定部、273 就寝状態判定部、274 体動検知部、275 表示制御部、276 睡眠準備状態判定部、277 安静状態判定部、278 睡眠誘導機能制御部、280 睡眠誘導機能実行判定部、282 音声認識部、284 情報取得部、286 報知制御部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14