(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125410
(43)【公開日】2024-09-18
(54)【発明の名称】スマート機器収納用の書籍
(51)【国際特許分類】
H04M 1/11 20060101AFI20240910BHJP
【FI】
H04M1/11 Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024106771
(22)【出願日】2024-07-02
(62)【分割の表示】P 2022563355の分割
【原出願日】2021-04-22
(31)【優先権主張番号】10-2020-0048770
(32)【優先日】2020-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】520414273
【氏名又は名称】キム、ミュン ラン
(74)【代理人】
【識別番号】100083138
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100189625
【弁理士】
【氏名又は名称】鄭 元基
(74)【代理人】
【識別番号】100196139
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100199004
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 洋
(72)【発明者】
【氏名】キム、ミュン ラン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】外観上区別がつかないようにして、周りの人々または乳幼児期の子どもに知らせずにスマート機器を使えるようにするスマート機器が収納可能な書籍及びスマート機器ケースを提供する。
【解決手段】書籍は、書籍ケース本体と、書籍内にスマート機器が収納可能な収納部と、スマート機器を収納部に結合及び固定する結合部と、書籍ケース本体の表面を覆っている書籍表紙と、を備える。また、スマート機器ケースは、スマート機器ケース本体と、スマート機器が収納可能な収納部と、スマート機器を収納部に結合及び固定する結合部と、スマート機器ケース本体の表面を覆っている書籍表紙と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
書籍ケース本体と、
書籍内にスマート機器が収納可能な収納部と、
スマート機器が前記収納部に結合及び固定できるようにする結合部と、
書籍ケース本体の表面を覆っている書籍表紙と、
を備え、
前記収納部と書籍表紙との間の折り畳み面に貼り付けられた内側の中表紙をさらに備え、該中表紙は、前記収納部を覆うことで、該収納部に収納された状態のスマート機器を被覆することが出来、
該中表紙と前記収納部の間には磁石が設けられていることを特徴とする、書籍。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマート機器収納用の書籍に関する。
【背景技術】
【0002】
乳幼児期の子どもを持った親のほとんどは、子どものスマートフォンの使用に大きな悩みを抱えている。ほとんどの幼い子どもがスマートフォンから流れる刺激的な画像と音にはまっており、スマートフォンの使用が許されなければ、直ちに感情的な反応を示したりする。このような子どもたちは、スマートフォンを手に握らせると、直ちに静かにのめり込むため、親たちは、やむを得ず自分の子どもにスマートフォンの使用を許したりすることが多い。
【0003】
スマートフォンが乳幼児に及ぼす影響と中毒性については、既に数多くの研究結果が発表されてきている。中でも、一部の研究調査結果によれば、乳幼児がスマート機器(スマートフォン、タブレットPC)を使う場合、未使用群に比べて情緒調節能と認知能が低下することが判明されている。特に、新生児は、脳が小さく、頭蓋骨の結合が完全に行われていないため、スマートフォンからの電磁波に非常に弱く、子どもの脳機能の発達を阻害し、しかも、脳のサイズを小さくするということが明らかになった。この理由から、世界保健機構(WHO)は、1歳未満の乳幼児がスマートフォンをはじめとする電子機器から晒されないよう勧告している。
【0004】
乳幼児期の子どもたちは、親の言葉使いや行動をそっくりそのまま学習し、これと同様に、スマートフォンの存在と使い方もまた、親の行動から学んでしまう。スマートフォンの電源を入れる方法、画像を再生する方法、写真を拡大する方法などについて子どもに言葉で説明してくれなくても、子どもは、親の行動を見て自然に真似をしてしまう。結局、子どもは、親がスマートフォンを使う様子を見て育ちながら自然にスマートフォンへの関心と依存度が高まるのである。
【0005】
結果的に、子どもがスマートフォンに対してできる限り遅く接するようにするためには、親が子どもの前でスマートフォンを使う様子それ自体を最大限に見せないことが好ましい。しかしながら、スマートフォンは、単なる電話手段としての意味を超えて、メッセンジャー、ウェブ、ネットサーフィン、ドキュメントの閲覧、ニュース、電子メール業務、動画の視聴など非常に多岐にわたる機能を通して現代人の生活に非常に密接に関わっているが故に、子どもの世話を見ながらスマートフォンを使わないということは、事実上不可能に近い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
親のスマートフォンの使用を乳幼児期の子どもに見せないつつも、必要に応じて、スマートフォンを使えるようにする技術構成が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一つの目的は、書籍ケース本体と、書籍内にスマート機器が収納可能な収納部と、スマート機器が前記収納部に結合及び固定できるようにする結合部と、書籍ケース本体の表面を覆っている書籍表紙と、を備える書籍を提供することである。
【0008】
本発明の別の目的は、スマート機器ケース本体と、スマート機器が収納可能な収納部と、スマート機器が前記収納部に結合及び固定できるようにする結合部と、スマート機器ケース本体の表面を覆っている書籍表紙と、を備えるスマート機器ケースを提供することである。
【発明の効果】
【0009】
本発明のスマート機器が収納可能な書籍及びスマート機器ケースは、スマート機器の種類や厚さ、大きさ、ケースの有無を問わず、スマート機器を本またはケースの内部の収納部に強固に結合できながらも、外観を本とちょうど同一にすることにより、外観上区別がつかないようにして、周りの人々または乳幼児期の子どもに知らせずにスマート機器を使えるようにする。なお、書籍またはケースの外部または内部に様々なストーリーや挿絵が印刷された用紙を挿し込んでユーザーをして本を読めしめる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明のスマート機器が収納可能な書籍またはケースについてのそれぞれの例示を示すものである。
【
図2】本発明のスマート機器が収納可能な書籍またはケースについてのそれぞれの例示を示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
上記の目的を達成するための本出願の一つの態様は、書籍ケース本体と、書籍内にスマート機器が収納可能な収納部と、スマート機器が前記収納部に結合及び固定できるようにする結合部と、書籍ケース本体の表面を覆っている書籍表紙と、を備える書籍を提供する。
【0012】
本出願の別の態様は、スマート機器ケース本体と、スマート機器が収納可能な収納部と、スマート機器が前記収納部に結合及び固定できるようにする結合部と、スマート機器ケース本体の表面を覆っている書籍表紙と、を備えるスマート機器ケースを提供する。
【0013】
これについて具体的に説明すれば、下記の通りである。一方、本発明において開示されたそれぞれの説明及び実施形態は、それぞれの他の説明及び実施形態にも適用可能である。すなわち、本発明において開示された様々な要素のあらゆる組み合わせが本発明の範ちゅうに属する。なお、以下に述べられた具体的な叙述によって本発明の範ちゅうが制限されるとはみなせない。
【0014】
上記の目的を達成するための本出願の一つの態様は、書籍ケース本体と、書籍内にスマート機器が収納可能な収納部と、スマート機器が前記収納部に結合及び固定できるようにする結合部と、書籍ケース本体の表面を覆っている書籍表紙と、を備える書籍を提供する。
【0015】
また、本発明は、スマート機器ケース本体と、スマート機器が収納可能な収納部と、スマート機器が前記収納部に結合及び固定できるようにする結合部と、スマート機器ケース本体の表面を覆っている書籍表紙と、を備えるスマート機器ケースを提供する。
【0016】
本発明における「書籍」は、本や書物を意味し、辞書的には、文字または絵画を手段として表現された、精神的な所産物を体系的に含めた物理的な形体のことをいう。本発明における書籍の類型としては、例えば、辞書、童話、雑誌、聖書、教科書、絵本、漫画、受験書、電子書籍、スマートブックなどが挙げられるが、社会通念上書籍であると認識可能なものであれば、これらに何ら制限されない。
【0017】
本発明の書籍は、国際標準図書番号(ISBN)が与えられたものであってもよい。
【0018】
本発明における書籍ケース本体またはスマート機器ケースは、本における表表紙、耳、溝、背、裏表紙を備える構造からなる。本発明の前記書籍ケース本体またはスマート機器ケースの材質としては、紙、木、プラスチック、金属、合成樹脂、皮革、人造皮革、シリコンなどが挙げられ、ソフトケースまたはハードケースであってもよく、より好ましくは、ハードケースであってもよい。ケースの材質と種類に応じて、ユーザーが感じるグリップ感が異なってくる可能性があり、スマート機器に対する保護効果が異なってくる可能性がある。
【0019】
本発明における前記書籍ケースまたはスマート機器ケースは、テキストまたは絵画が印刷された多数枚の中紙または外紙をさらに備えるものであってもよい。本発明における中紙または外紙は、紙製の多数枚の本の用紙を意味し、様々な内容のテキストや絵画を含めるようにして、ユーザーをしてスマート機器を使っていて、テキストや絵画の内容を感想せしめる。
【0020】
本発明における前記書籍またはスマート機器ケースは、収納部と書籍表紙との間の折り畳み面に貼り付けられた内側の中表紙(中扉)をさらに備えるものであってもよい。内側の中表紙は、多数枚または1枚~2枚から作製されてもよく、紙、木、プラスチック、金属または合成樹脂から作製されてもよい。内側の中表紙は、折り畳み面に強固に取り付けられながらも、速やかに収納部を覆えるようになっていて、収納部に取り付けられたスマート機器を速やかに隠せる役目をする。なお、このような内側の中表紙は、別途のテキストや絵画が加えられたものであってもよく、乳幼児の力ではなかなか外し難い磁石が内側の中表紙と収納部にそれぞれ取り付けられたものであってもよい。
【0021】
本発明において、前記書籍ケース、スマート機器ケース、表紙または内側の中表紙は、近距離無線通信(NFC)タグチップを含むものであってもよい。前記NFCタグチップは、市販中のNFCチップであれば、種類の制限なしに使用可能である。NFCタグチップを含む書籍ケース、スマート機器ケース、表紙または内側の中表紙が収納部に近づくと、スマート機器のディスプレイ電源が切れるか、スマート機器の音響機能が終了されるか、あるいは、スマート機器の画面が書籍のテキストまたは絵画に関する内容に切り換えられるものであってもよい。前記NFCタグチップは、収納部に収納されたスマート機器から0.1cm~5cmの距離だけ離れた場所において動作するものであってもよく、たとえ上記の距離だけ離れた場所に置かれるとしても、書籍が開かれている間には、スマート機器に影響を及ぼさないものであってもよい。このような書籍ケース、スマート機器ケース、表紙または内側の中表紙のNFC機能を用いて、収納部に収納されたスマート機器のディスプレイ電源を一早く切ったり、音響機能を一早く終了したりすることができ、スマート機器の使用を一刻も早く隠すことができる。
【0022】
本発明における前記スマート機器は、スマートフォンまたはタブレットPCであるものであってもいが、社会通念上スマート機器であると認識可能な電子製品であれば、これらに何ら制限されない。
【0023】
本発明における前記収納部の上端部、下端部、側面は、本の上端部、下端部及び側面と同じ形状を有するものであってもよく、これを通じて、外観が通常の本のそれとちょうど同じくなるようにして、周りの人々や幼い子どもにスマート機器の使用を知らせないことができる。本発明の書籍の上端部は天(本の上の部分)、下端部は地(本の下の部分)、側面部は小口(本を開く側の手前部分、本の背(糊付け面)の反対側になる面)(前小口)を意味する。
【0024】
本発明における前記収納部の内側面は、内部の区切り面の長さが可変であるものであってもよく、これにより、スマート機器の種類、年式、サイズ、厚さ、形状とは無関係に、スマート機器を収納部の内部に強固に固定することができる。例えば、従来のスマート機器に用いられていたケースは、当該型番のスマート機器の形状と厚さに応じてそれぞれ別々に作製されることを余儀なくされるという不都合があったが、本発明は、収納部の内側面の長さが調節可能になることにより、たとえ使っていたスマート機器を変えたとしても、本発明をそのまま使うことができるというメリットがある。収納部の内側面は、ゴムやシリコンなどの弾性材質、歯車、ねじ、長さ調節用のストラップまたはバネが活用された材質から作製されたものであってもよい。
【0025】
本発明における前記収納部は、内部の区切り面に冷却パッドが適用されたものであってもよく、これにより、スマート機器の使用により生じる熱気を有効に冷却させることができる。
【0026】
本発明における前記収納部は、スマート機器を強固に結合可能な結合部をさらに備えるものであってもよい。このような結合部は、スマート機器を装着及び固定可能な構成であれば、その種類に制限はなく、例えば、磁石、治具、スマート機器固定用のヤットコ、吸着パッド、シリコンまたは合成樹脂材質のスマート機器取付パッドなどが挙げられる。
【0027】
本発明における前記収納部は、スマート機器のバッテリーを充電可能な充電ケーブルを挿通可能なようにする充電部をさらに備えるものであってもよい。
【0028】
本発明における前記書籍表紙またはスマート機器ケース表紙は、本のそでを意味し、ケースの外側にかけられているブックカバーやジャケットであって、前後をケースの内側に折り込むことができる。書籍表紙には、本の内容や写真が印刷されてもよい。
【0029】
本発明における前記書籍表紙またはスマート機器ケース表紙と書籍ケース本体またはスマート機器ケース本体は、磁石を用いて着脱可能なものであってもよく、具体的に、書籍表紙の内部と書籍ケース本体の内部に適正な強さの磁石が埋め込みされたものであってもよい。これにより、ユーザーのニーズに応えて、書籍表紙を手軽に差し替えることができ、書籍表紙とケースとの間の引力を用いて強固に保持することができる。
【0030】
以上の説明から、本発明が属する技術分野における当業者は、本発明がその技術的な思想や必須的な特徴を変更することなく、他の具体的な形態で実施可能であるということが理解できる筈である。これに関し、上述した実施形態は、あらゆる面において例示的なものに過ぎず、限定的ではないものと理解すべきである。なお、本発明の範囲は、上述した詳細な説明よりは、後述する特許請求の範囲の意味及び範囲、並びにその均等概念から導き出されるあらゆる変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。