(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125433
(43)【公開日】2024-09-19
(54)【発明の名称】学習用付箋及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
B42D 9/00 20060101AFI20240911BHJP
B42F 21/06 20060101ALI20240911BHJP
【FI】
B42D9/00 B
B42F21/06 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021110229
(22)【出願日】2021-07-01
(71)【出願人】
【識別番号】521291460
【氏名又は名称】樫原 優衣
(74)【代理人】
【識別番号】100125645
【弁理士】
【氏名又は名称】是枝 洋介
(74)【代理人】
【識別番号】100145609
【弁理士】
【氏名又は名称】楠屋 宏行
(74)【代理人】
【識別番号】100149490
【弁理士】
【氏名又は名称】羽柴 拓司
(72)【発明者】
【氏名】樫原 優衣
(57)【要約】
【課題】復習の適切なタイミングを示す学習用付箋、及び学習用付箋に示される情報を電子的に利用可能とするためのコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】
学習用付箋1は、互いに着脱自在に接着されて積層された複数の紙片11~13からなる積層体10を備え、複数の紙片11~13のそれぞれは、互いが接着されている状態において平面視で視認可能な表示領域を有しており、それらの表示領域のそれぞれには、学習のタイミングを示すタイミング情報(「2」、「8」及び「29」)が示される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに着脱自在に接着されて積層された複数の紙片からなる積層体を備え、
前記複数の紙片のそれぞれは、互いが接着されている状態において平面視で視認可能な表示領域を有しており、
前記表示領域のそれぞれには、学習のタイミングを示すタイミング情報が示される、
学習用付箋。
【請求項2】
各紙片の前記表示領域には、直上の紙片の前記表示領域に示されているタイミング情報が示すタイミングよりも後の時点を示すタイミング情報が示される、
請求項1に記載の学習用付箋。
【請求項3】
各紙片の前記表示領域には、学習すべき日にちを示す前記タイミング情報が示される、
請求項1又は2に記載の学習用付箋。
【請求項4】
前記複数の紙片は長さが異なり、下側から長さが大きい順に積層されている、
請求項1乃至3の何れかに記載の学習用付箋。
【請求項5】
前記複数の紙片のうちの少なくとも最下層の紙片以外の紙片には、透明領域が設けられており、
前記複数の紙片のうちの最上層の紙片以外の紙片の前記表示領域は、直上の紙片の前記透明領域と平面視で重なっている、
請求項1乃至3の何れかに記載の学習用付箋。
【請求項6】
複数の前記積層体が、互いに着脱自在に接着されて積層されている、
請求項1乃至5の何れかに記載の学習用付箋。
【請求項7】
撮像装置を備えるコンピュータに、前記撮像装置を用いて学習用付箋に示されている情報を読み取らせるコンピュータプログラムであって、
前記学習用付箋は、
互いに着脱自在に接着されて積層された複数の紙片からなる積層体を備え、
前記複数の紙片のそれぞれは、互いが接着されている状態において平面視で視認可能な表示領域を有し、
前記表示領域のそれぞれには、学習のタイミングを示すタイミング情報が示されており、
前記コンピュータを、
前記撮像装置を用いて前記表示領域に示されているタイミング情報を読み取る手段、
及び、読み取った前記タイミング情報を外部の装置に対して送信する手段
として機能させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の学習に用いられる学習用付箋、及びその学習用付箋に示される情報を電子的に利用可能とするためのコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、付箋紙本体にミシン目を形成することにより、そのミシン目から切断されて付箋紙本体から除去される除去部を設けた付箋が開示されている。この付箋の使用者が、学習の過程において除去部を適宜除去することによって、復習の実施の有無等を視覚的に確認することが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来の付箋の場合、復習が実施されたか否かの確認は可能であるものの、それを実施する適切なタイミングを確認することはできない。また、除去部を切断するという作業に馴染みのない使用者にとって利便性が高いとは言えず、さらに、除去部を切断しようとすると除去部を含む付箋紙本体そのものが剥がれてしまうなどの事態を容易に招くという問題もある。
【0005】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、上記の課題を解決することが可能な学習用付箋、及びその学習用付箋に示される情報を電子的に利用可能とするためのコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一の態様の学習用付箋は、互いに着脱自在に接着されて積層された複数の紙片からなる積層体を備え、前記複数の紙片のそれぞれは、互いが接着されている状態において平面視で視認可能な表示領域を有しており、前記表示領域のそれぞれには、学習のタイミングを示すタイミング情報が示される。
【0007】
前記態様において、各紙片の前記表示領域には、直上の紙片の前記表示領域に示されているタイミング情報が示すタイミングよりも後の時点を示すタイミング情報が示されていてもよい。
【0008】
また、前記態様において、各紙片の前記表示領域には、学習すべき日にちを示す前記タイミング情報が示されてもよい。
【0009】
また、前記態様において、前記複数の紙片は長さが異なり、下側から長さが大きい順に積層されていてもよい。
【0010】
また、前記態様において、前記複数の紙片のうちの少なくとも最下層の紙片以外の紙片には、透明領域が設けられており、前記複数の紙片のうちの最上層の紙片以外の紙片の前記表示領域は、直上の紙片の前記透明領域と平面視で重なっていてもよい。
【0011】
また、前記態様において、複数の前記積層体が、互いに着脱自在に接着されて積層されていてもよい。
【0012】
本発明の一の態様のコンピュータプログラムは、撮像装置を備えるコンピュータに、前記撮像装置を用いて学習用付箋に示されている情報を読み取らせるコンピュータプログラムであって、前記学習用付箋は、互いに着脱自在に接着されて積層された複数の紙片からなる積層体を備え、前記複数の紙片のそれぞれは、互いが接着されている状態において平面視で視認可能な表示領域を有し、前記表示領域のそれぞれには、学習のタイミングを示すタイミング情報が示されており、前記コンピュータを、前記撮像装置を用いて前記表示領域に示されているタイミング情報を読み取る手段、及び、読み取った前記タイミング情報を外部の装置に対して送信する手段として機能させるためのものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、学習効果が高く、且つ利便性が高い学習用付箋を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施の形態1の学習用付箋の構成を示す斜視図。
【
図2】実施の形態1の学習用付箋の構成を示す平面図。
【
図3】実施の形態1の学習用付箋の構成を示す側面図。
【
図4A】実施の形態1の学習用付箋が備える紙片の構成を示す平面図。
【
図4B】実施の形態1の学習用付箋が備える紙片の構成を示す平面図。
【
図4C】実施の形態1の学習用付箋が備える紙片の構成を示す平面図。
【
図5】紙片が順次取り外された場合における経時変化を示す平面図。
【
図6】付箋が書籍中の特定のページに貼付された状態を示す平面図。
【
図7】実施の形態1の学習用付箋の構成の他の例を示す平面図。
【
図9】実施の形態1の学習用付箋の変形例が備える紙片の構成を示す平面図。
【
図10】実施の形態2の学習用付箋の変形例の構成を示す平面図。
【
図11】実施の形態2の学習用付箋の構成を示す斜視図。
【
図12】実施の形態2の学習用付箋の構成を示す平面図。
【
図13】実施の形態2の学習用付箋の構成を示す側面図。
【
図14A】実施の形態2の学習用付箋が備える紙片の構成を示す平面図。
【
図14B】実施の形態2の学習用付箋が備える紙片の構成を示す平面図。
【
図14C】実施の形態2の学習用付箋が備える紙片の構成を示す平面図。
【
図15】紙片が順次取り外された場合における経時変化を示す平面図。
【
図16】付箋が書籍中の特定のページに貼付された状態を示す平面図。
【
図17】実施の形態2の学習用付箋の構成の他の例を示す平面図。
【
図19】実施の形態2の学習用付箋の変形例が備える紙片の構成を示す平面図。
【
図20】実施の形態2の学習用付箋の変形例の構成を示す平面図。
【
図21】実施の形態3のコンピュータシステムの構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す各実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置及び方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は下記のものに限定されるわけではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において種々の変更を加えることができる。
【0016】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1の学習用付箋(以下、単に「付箋」という)の構成を示す斜視図であり、
図2及び
図3はそれぞれ、その付箋の構成を示す平面図及び側面図である。なお、
図1では、矢印により付箋の各方向が示されている。
図1乃至
図3に示すように、付箋1は、3枚の紙片11,12,13で構成される積層体10を備えている。積層体10は、下から紙片13,12,11の順に積層されて構成されている。各紙片11~13の下面(裏面)後端部には粘着剤が塗布されており、この粘着剤によって、各紙片11~13は互いに着脱自在に接着されている。なお、最下層の紙片13は、図示しない台紙に接着されている。
【0017】
図4A乃至
図4Cは、紙片11~13の構成をそれぞれ示す平面図である。紙片11~13は、矩形状の紙材又は樹脂材等で形成されている。このうち、紙片11及び12の前端部の右側角部には、矩形状の欠落部11a及び12aがそれぞれ設けられている。欠落部11aは、欠落部12aと比べて左右方向の長さが大きくなっている。
【0018】
紙片11~13は、互いが接着されている状態において平面視で視認可能な表示領域11b~13bをそれぞれ有している。これらの表示領域11b~13bのそれぞれには、学習のタイミングを示すタイミング情報が示される。本実施の形態の場合、タイミング情報は、特定の時点(以下、「開始時点」という)からの経過時点を示す情報である。より具体的には、開始時点から1日経過した時点、1週間経過した時点、及び4週間経過した時点を示す情報が、タイミング情報として用いられる。
【0019】
本実施の形態において、各紙片の表示領域には、直上の紙片の表示領域に示されるタイミング情報が示すタイミングよりも後の時点を示すタイミング情報が示される。したがって、開始時点から1日経過した時点を示すタイミング情報が最上層の紙片11の表示領域11bに示され、同じく4週間経過した時点を示すタイミング情報が最下層の紙片13の表示領域13bに示される。
【0020】
なお、タイミング情報は、各種の手段を用いて各紙片11~13に付される。例えば、各紙片11~13に直接印刷されたり、タイミング情報が印刷されたシールを各紙片11~13に貼付したりすることにより、タイミング情報が付される。その他、付箋1の使用者の手書き等によりタイミング情報が付されてもよい。
【0021】
図4Aに示すように、紙片11においては、その表面の全面が表示領域11bとなる。この表示領域11bにおいて、後端部の右側角部には、「1」が示されている。本実施の形態において、この「1」は、上記の開始時点に相当するものであり、各月の初日である「1日」を意味する。
【0022】
また、紙片11の表示領域11bにおいて、前端部の左側角部であって、欠落部11aと隣り合う領域には、タイミング情報として「2」が示されている。この「2」は、開始時点から1日経過した日にち、すなわち「2日」を意味する。
【0023】
図4Bに示すように、紙片12においては、前端部の中央部であって、欠落部12aと隣り合う領域に、表示領域12bが形成される。この表示領域12bは、紙片11~13が互いに接着されている状態において、紙片11の欠落部11aと平面視で重なる領域に位置される。そのため、表示領域12bは、その状態において平面視で視認可能となる。
【0024】
表示領域12bにはタイミング情報として「8」が示されている。この「8」は、開始時点から1週間経過した日にち、すなわち「8日」を意味する。
【0025】
また、紙片12の後端部の右側角部には、開始時点が示されている。この開始時点が示されている領域は、紙片12の上に紙片11が接着されている状況では視認することはできず、紙片11が紙片12上から取り外された場合において視認可能となる。
【0026】
図4Cに示すように、紙片13においては、前端部の右側角部に、表示領域13bが形成される。この表示領域13bは、紙片11~13が互いに接着されている状態において、紙片11の欠落部11a及び紙片12の欠落部12aと平面視で重なる領域に位置される。そのため、表示領域13bは、その状態において平面視で視認可能となる。
【0027】
表示領域13bにはタイミング情報として「29」が示されている。この「29」は、開始時点から4週間経過した日にち、すなわち「29日」を意味する。
【0028】
また、紙片13の後端部の右側角部には、開始時点が示されている。この開始時点が示されている領域は、紙片13の上に紙片12が接着されている状況では視認することはできず、紙片12が紙片13上から取り外された場合において視認可能となる。
【0029】
図5は、紙片が順次取り外された場合における経時変化を示す平面図である。
図5(a)は紙片11~13が互いに接着されている状態を、(b)は当該状態から紙片11が取り外された状態を、(c)は当該状態から紙片12が取り外された状態を、それぞれ示している。
【0030】
図5(a)に示すように、紙片11~13が互いに接着されている状態においては、紙片11上の「1」及び「2」、紙片12上の「8」、並びに紙片13上の「29」が視認可能となる。また、
図5(b)に示すように、紙片11が取り外されると、紙片12上の「1」及び「8」、並びに紙片13上の「29」が視認可能となる。さらに、
図5(c)に示すように、紙片12が取り外されると、紙片13上の「1」及び「29」が視認可能となる。
【0031】
以下、本実施の形態の使用方法について説明する。なお、ここでは、付箋の使用者(学習者)が月初めの1日に学習を開始する場合を例示する。学習者は、書籍を用いて学習を行う。このとき、学習者は、書籍中の学習済みのページのうち、復習する必要があるページを特定し、そのページに付箋1を貼り付ける。この場合、紙片13の下面後端部に塗布されている粘着剤によって付箋1が当該ページに貼付される。
【0032】
図6は、上述したようにして付箋1が書籍中の特定のページに貼付された状態を示す平面図である。
図6に示すように、この状態では、付箋1の前側(図中上側)は外方に露出する一方、その後側(図中下側)は書籍3のページ内に収められる。その結果、紙片11上の「2」、紙片12上の「8」、及び紙片13上の「29」が視認可能となる。他方、紙片11上の「1」(開始時点)は外部から視認できない。
【0033】
学習者は、書籍3に貼付された付箋1を参照することにより、復習のタイミングを容易に把握することができる。
図6に示すように紙片11上の「2」が視認可能な場合、学習者は、その月の2日に復習をする必要があることを確認できる。そこで、当該月の2日に、学習者は、付箋1が貼付されているページを開く。このとき、紙片11の後端部の右側角部に示される「1」が視認可能となるため、学習者は、1日に開始した学習の復習であることを把握できる。学習者は、当該ページについて復習を行い、その後、紙片11を紙片12上から取り外す。なお、この作業は、一般的な付箋紙を取り外す(剥がす)場合と同様のものであるため、容易に実施可能である。
【0034】
上記のように紙片11が取り外された場合でも、紙片12上の「8」、及び紙片13上の「29」が視認可能な状態が維持される。そのため、学習者は、当該月の8日に次の復習をする必要があることを確認できる。そこで、当該月の8日に、学習者は、付箋1が貼付されているページを開く。このとき、紙片12の後端部の右側角部に示される「1」が視認可能となるため、学習者は、1日に開始した学習の復習であることを把握できる。学習者は、当該ページについて復習を行い、その後、紙片12を紙片13上から取り外す。
【0035】
上記のように紙片12が取り外された場合でも、紙片13上の「29」が視認可能な状態が維持される。そのため、学習者は、当該月の29日に次の復習をする必要があることを確認できる。そこで、当該月の29日に、学習者は、付箋1が貼付されているページを開く。このとき、紙片13の後端部の右側角部に示される「1」が視認可能となるため、学習者は、1日に開始した学習の復習であることを把握できる。学習者は、当該ページについて復習を行い、その後、紙片13を取り外す。これにより、付箋1が書籍3のページから取り外されることになる。
【0036】
このように、本実施の形態では、学習開始日から1日経過後、1週間経過後、及び4週間経過後の合計3回の復習が行われる。これは、エビングハウスの忘却曲線に基づいて定められた復習タイミングである。本実施の形態の付箋を用いることにより、適切なタイミングで復習を繰り返すことが容易となり、その結果、学習した知識の定着率を高めることができる。
【0037】
なお、本実施の形態の付箋1は、開始時点を月初めの1日とした場合のものであるが、本発明がこれに限定されないことは言うまでもない。
図7(a)~(f)に示すように、開始時点を2日~7日とするものであってもよい。この例でも、開始時点から1日経過した時点、1週間経過した時点、及び4週間経過した時点を示す情報が、タイミング情報として用いられる。もちろん、開始時点を8日以降とすることも可能である。
【0038】
また、本実施の形態の付箋1は、1つの積層体10を備えるものであるが、複数の積層体10が積層された構造を備えるものであってもよい。
図8は、そのような構造を備える付箋の構成を示す側面図である。この例では、付箋101が、7個の積層体10が積層された構造を備えている。例えば、上から順に、
図3に示す積層体10、及び
図7(a)~(f)に示す6個の積層体10が位置する構造とすることができる。これにより、開始時点が早いものから順に積層体10を取り外して使用することが可能になる。
【0039】
また、本実施の形態の付箋1は、紙片11及び12が欠落部11a及び12aをそれぞれ有しているが、その欠落部11a及び12aと対応する領域が透明な材質で構成されていてもよい。
図9(a)~(c)は、そのような変形例の各紙片11~13の構成をそれぞれ示す平面図である。
図9(a)及び(b)に示すように、紙片11及び紙片12は、欠落部11a及び12aに相当する領域に透明領域11c及び12cをそれぞれ有している。これらの透明領域11c及び12cは、可視光を透過する透明樹脂材料で構成されている。
【0040】
図10は、上記の変形例において紙片11~13が互いに接着されている状態を示す平面図である。
図10に示すように、紙片12の表示領域12bに示されるタイミング情報は紙片11の透明領域11cを介して、紙片13の表示領域13bに示されるタイミング情報は紙片11の透明領域11c及び紙片12の透明領域12cを介して、それぞれ視認可能となる。
【0041】
なお、上記の変形例では、紙片11及び12の一部が透明な材質で構成されているが、全部が透明な材質で構成されていてもよい。また、最下層の紙片13の一部または全部が透明な材質で構成されていてもよい。各紙片の表示領域が、直上の紙片の透明領域と平面視で重なっている構成を有していればよく、種々の態様が想定可能である。
【0042】
(実施の形態2)
実施の形態2の付箋は、長さが異なる複数の紙片を備えるものである。
図11は、実施の形態2の付箋の構成を示す斜視図であり、
図12及び
図13はそれぞれ、その付箋の構成を示す平面図及び側面図である。
図11乃至
図13に示すように、付箋2は、3枚の紙片21,22,23で構成される積層体20を備えている。紙片21~23は、互いに長さ(前後方向の長さ)が異なっており、紙片21が最も短く、紙片23が最も長い。なお、実施の形態1の紙片11及び12と同様に、紙片21及び22には欠落部が設けられているとみなすことができる。この場合、最上層の紙片21の欠落部の方が、紙片22の欠落部よりも前後方向の長さが大きくなっている。
【0043】
積層体20は、下から紙片23,22,21の順に積層されて構成されている。各紙片21~23の下面(裏面)後端部には粘着剤が塗布されており、この粘着剤によって、各紙片21~23は互いに着脱自在に接着されている。この接着されている状態において、各紙片21~23は後端が揃えられている。なお、最下層の紙片23は、図示しない台紙に接着されている。
【0044】
図14A乃至
図14Cは、紙片21~23の構成をそれぞれ示す平面図である。紙片21~23は、細長い矩形状の紙材で形成されており、互いに接着されている状態において平面視で視認可能な表示領域21b~23bをそれぞれ有している。これらの表示領域21b~23bには、実施の形態1の場合と同様のタイミング情報が示されている。
【0045】
図14Aに示すように、紙片21においては、その表面の全面が表示領域21bとなる。この表示領域21bの後端部には、開始時点である「1」が示されている。また、表示領域11bの上端部には、タイミング情報として「2」が示されている。
【0046】
図14Bに示すように、紙片22においては、その前端部に表示領域22bが形成される。この表示領域22bは、紙片21~23が互いに接着されている状態において平面視で視認可能である。この例では、表示領域22bにタイミング情報として「8」が示されている。
【0047】
また、紙片22の後端部には、開始時点が示されている。この開始時点が示されている領域は、紙片22の上に紙片21が接着されている状況では視認することはできず、紙片21が紙片22上から取り外された場合において視認可能となる。
【0048】
図14Cに示すように、紙片23においては、その前端部に表示領域23bが形成される。この表示領域23bは、紙片21~23が互いに接着されている状態において平面視で視認可能である。この例では、表示領域23bにタイミング情報として「29」が示されている。
【0049】
また、紙片23の後端部には、開始時点が示されている。この開始時点が示されている領域は、紙片23の上に紙片23が接着されている状況では視認することはできず、紙片22が紙片23上から取り外された場合において視認可能となる。
【0050】
図15は、紙片が順次取り外された場合における経時変化を示す平面図である。
図15(a)は紙片21~23が互いに接着されている状態を、(b)は当該状態から紙片21が取り外された状態を、(c)は当該状態から紙片22が取り外された状態を、それぞれ示している。
【0051】
図15(a)に示すように、紙片21~23が互いに接着されている状態においては、紙片21上の「1」及び「2」、紙片22上の「8」、並びに紙片23上の「29」が視認可能となる。また、
図15(b)に示すように、紙片21が取り外されると、紙片22上の「8」及び紙片23上の「29」に加えて、紙片22上の「1」が視認可能となる。
さらに、
図15(c)に示すように、紙片22が取り外されると、紙片23上の「29」に加えて、紙片23上の「1」が視認可能となる。
【0052】
以下、本実施の形態の使用方法について説明する。なお、実施の形態1の場合と同様の内容については適宜説明を省略する。学習者は、書籍を用いて学習を行った後、その書籍中の学習済みのページのうち、復習する必要があるページを特定し、そのページに付箋2を貼り付ける。
【0053】
図16は、上述したようにして付箋2が書籍中の特定のページに貼付された状態を示す平面図である。
図16に示すように、この状態では、紙片21上の「2」、紙片22上の「8」、及び紙片23上の「29」が視認可能となる。他方、紙片11上の「1」(開始時点)は、書籍3のページ内に隠れるため、外部から視認できない。
【0054】
実施の形態1の場合と同様、学習者は、書籍3に貼付された付箋2を参照することによって復習のタイミングを容易に把握することができる。そのため、適切なタイミングで復習を繰り返すことが容易となり、その結果、学習した知識の定着率を高めることができる。なお、学習者は、実施の形態1の場合と同様に、紙片21~23を順次取り外すことになる。この作業は、一般的な付箋紙を取り外す場合と同様のものであるため、容易に実施可能である。
【0055】
なお、本実施の形態の付箋2についても、実施の形態1の場合と同様に、開始時点を1日以外とすることができる。
図17(a)~(f)には、開始時点を2日~7日とした場合の構成が例示されている。
【0056】
また、実施の形態1の場合と同様に、本実施の形態の付箋2を、複数の積層体20が積層された構造を備えるものとしてもよい。
図18は、そのような構造を備える付箋の構成を示す側面図である。この場合でも、開始時点が早いものから順に積層体20を取り外して使用することが可能になる。
【0057】
また、実施の形態1の場合と同様に、透明領域を設けることによって表示領域を視認可能としてもよい。
図19(a)~(c)は、そのような変形例の各紙片21~23の構成をそれぞれ示す平面図である。
図19(a)及び(b)に示すように、紙片21及び紙片22は、欠落部に相当する領域に透明領域21c及び22cをそれぞれ有している。これらの透明領域21c及び22cは、可視光を透過する透明樹脂材料で構成されている。この場合でも、紙片21~23のすべての領域が透明な材質で構成されていてもよい。
【0058】
図20は、上記の変形例において紙片21~23が互いに接着されている状態を示す平面図である。
図20に示すように、紙片22の表示領域22bに示されるタイミング情報は紙片21の透明領域21cを介して、紙片23の表示領域23bに示されるタイミング情報は紙片21の透明領域21c及び紙片22の透明領域22cを介して、それぞれ視認可能となる。なお、各紙片の表示領域が、直上の紙片の透明領域と平面視で重なっている構成を有していればよく、種々の態様が想定可能であることは、実施の形態1の場合と同様である。
【0059】
(実施の形態3)
実施の形態3は、上述した付箋に示されているタイミング情報を電子データとして利用可能にするためのコンピュータシステムである。
図21は、そのコンピュータシステムの構成を示すブロック図である。
図21に示すとおり、本システムは、学習者によって用いられるユーザ端末4、及びユーザ端末4とインターネット6を介して通信可能なサーバ5によって構成されている。
【0060】
ユーザ端末4は、スマートフォン又はタブレット端末等の情報端末で構成される。ユーザ端末4の記憶装置には、本発明の付箋(ここでは、実施の形態1の付箋1を例示)に示されるタイミング情報を活用するためのプログラム41が記憶される。以下、このプログラムを付箋アプリと称する。付箋アプリ41は、学習者によってユーザ端末4に予めインストールされたプログラムである。但し、これに限定されるわけではなく、ウェブブラウザで実行されるスクリプト等によって付箋アプリ41が構成されていてもよい。
【0061】
ユーザ端末4は、撮像部42及び表示部43を備えている。撮像部42は、CCD又はCMOS等の撮像素子で構成されており、表示部43は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等で構成されている。
【0062】
付箋アプリ41は、サーバ5と連動してカレンダー管理を行うプログラムである。サーバ5は、学習者の予定等を含むカレンダー情報をカレンダーDB51に記憶しており、ユーザ端末4からのリクエストに応じてそのカレンダー情報をユーザ端末4に対して送信する。ユーザ端末4が、サーバ5から取得したカレンダー情報を表示部43に表示することにより、学習者は自らの予定等を確認することができる。
【0063】
以下、学習者が付箋1を用いる場合のユーザ端末4及びサーバ5の動作について説明する。学習者は、書籍3を用いて学習を行う際、復習が必要なページに付箋1を貼付する。その後、学習者は、ユーザ端末4を操作して付箋アプリ41を起動させる。以下で説明するユーザ端末4の動作は、付箋アプリ41によって実現されるものである。
【0064】
ユーザ端末4は、付箋アプリ41にしたがって、撮像部42により書籍3に貼付されている付箋1の撮像画像を取得する。次に、ユーザ端末4は、取得した撮像画像に対して画像処理を施すことにより付箋1に示されているタイミング情報を抽出し、そのタイミング情報をサーバ5に対して送信する。
【0065】
サーバ5は、ユーザ端末4から受信したタイミング情報をカレンダーDB51に記憶する。その後、サーバ5は、ユーザ端末4からのリクエストに応じて、タイミング情報を含むカレンダー情報をユーザ端末4に対して送信する。
【0066】
ユーザ端末4は、カレンダー情報を表示部43に表示する。このとき、カレンダー情報にはタイミング情報が含まれているため、学習者は、表示部43の表示を参照することにより、どのタイミングで復習を行う必要があるのかを確認できる。このように、付箋アプリ41を用いることにより、学習者は、書籍3が手元にない場合であっても、復習のタイミングを把握することが可能になる。
【0067】
なお、本実施の形態では、ユーザ端末4側で撮像画像からタイミング情報の抽出が行われているが、ユーザ端末4から撮像画像がサーバ5に提供された後、サーバ5がその撮像画像からタイミング情報を抽出するようにしてもよい。
【0068】
(その他の実施の形態)
上記の実施の形態1及び2では、付箋を構成する積層体が3枚の紙片により構成されているが、紙片の枚数はこれに限定されるわけではなく、2枚以上であれば何枚でもよい。
【0069】
また、上記の実施の形態1及び2では、タイミング情報として、エビングハウスの忘却曲線に基づいて定められた日にちが用いられているが、復習が必要なタイミングを示す情報であれば他のものであってもよい。例えば、時刻などをタイミング情報として用いることができ、また、上記の忘却曲線と関連性がない日にち等の情報がタイミング情報として用いられてもよい。
【0070】
また、上記の実施の形態1及び2では、各紙片の表示領域に、直上の紙片の表示領域に示されているタイミング情報が示すタイミングよりも後の時点を示すタイミング情報が示されているが、これに限定されるわけではなく、例えば反対にそれよりも前の時点を示すタイミング情報が示されていてもよい。但し、その場合は、復習終了後に、付箋全体を取り外して最下層の紙片を除去した後、また付箋を貼り付ける等の手間が生じる。
【0071】
また、上記の実施の形態1及び2では、開始時点が各紙片に示されているが、例えば最上層の紙片のみ等のように一部の紙片のみに示されていてもよく、どの紙片にも示されていなくてもよい。
【0072】
なお、付箋を構成する各紙片の形状は矩形状に限らず、円形、星形、ハート型等の任意の形状を採用することが可能である。
【符号の説明】
【0073】
1 学習用付箋
10 積層体
11,12,13 紙片
11a,12a 欠落部
11b,12b,13b 表示領域
11c,12c 透明領域
2 学習用付箋
20 積層体
21,22,23 紙片
21b,22b,23b 表示領域
21c、22c 透明領域
4 ユーザ端末
41 コンピュータプログラム(付箋アプリ)
42 撮像部
43 表示部
5 サーバ
51 カレンダーDB
6 インターネット