(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125437
(43)【公開日】2024-09-19
(54)【発明の名称】ユーザ機器及び方法
(51)【国際特許分類】
H04W 16/28 20090101AFI20240911BHJP
H04W 72/0457 20230101ALI20240911BHJP
H04W 16/32 20090101ALI20240911BHJP
H04W 72/20 20230101ALI20240911BHJP
H04W 74/08 20240101ALI20240911BHJP
【FI】
H04W16/28
H04W72/04 111
H04W16/32
H04W72/04 136
H04W74/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021127531
(22)【出願日】2021-08-03
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100119585
【弁理士】
【氏名又は名称】東田 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100172199
【弁理士】
【氏名又は名称】松山 浩也
(72)【発明者】
【氏名】星野 正幸
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 秀明
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA26
5K067BB04
5K067BB21
5K067DD17
5K067DD43
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE24
5K067EE56
5K067FF16
5K067HH22
5K067JJ13
5K067KK02
(57)【要約】
【課題】非アクティブ化されたセカンダリセルグループについて検出されたビーム障害から回復することを可能にする。
【解決手段】本開示の一態様に係るユーザ機器は、上記ユーザ機器のためのデュアルコネクティビティのセカンダリセルグループに含まれるサービングセルについてのビーム障害が検出され、当該セカンダリセルグループが非アクティブ化されている場合に、上記ビーム障害からの回復のための回復動作をトリガし、当該回復動作を一時停止する第1制御部と、上記セカンダリセルグループがアクティブ化される場合に、一時停止された上記回復動作を開始する第2制御部と、を備える。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器(200)であって、
前記ユーザ機器のためのデュアルコネクティビティのセカンダリセルグループに含まれるサービングセルについてのビーム障害が検出され、当該セカンダリセルグループが非アクティブ化されている場合に、前記ビーム障害からの回復のための回復動作をトリガし、当該回復動作を一時停止する第1制御部(231)と、
前記セカンダリセルグループがアクティブ化される場合に、一時停止された前記回復動作を開始する第2制御部(233)と、
を備えるユーザ機器。
【請求項2】
前記サービングセルが、前記セカンダリセルグループに含まれるプライマリセカンダリセルである場合に、前記回復動作は、前記プライマリセカンダリセルでのランダムアクセス手続きである、請求項1に記載のユーザ機器。
【請求項3】
前記ランダムアクセス手続きは、ランダムアクセスプリアンブルを送信することを含み、
前記ランダムアクセスプリアンブルは、複数のビームにそれぞれ対応する複数のリファレンス信号のうちの1つのリファレンス信号に対応する、
請求項2に記載のユーザ機器。
【請求項4】
前記複数のリファレンス信号の各々は、SS/PBCH(synchronization signal/physical broadcast channel)ブロック又はCSI-RS(channel state information reference signal)である、請求項3に記載のユーザ機器。
【請求項5】
前記プライマリセカンダリセルでの前記ランダムアクセス手続きとして、前記回復動作に関連するタイマの状態に応じたランダムアクセス手続きを行う通信処理部(235)、をさらに備える、請求項2~4のいずれか1項に記載のユーザ機器。
【請求項6】
前記通信処理部は、前記タイマが動作中である場合に、前記プライマリセカンダリセルでの前記ランダムアクセス手続きとして、コンテンションフリーランダムアクセス手続きを行う、請求項5に記載のユーザ機器。
【請求項7】
前記通信処理部は、前記タイマが満了している場合に、前記プライマリセカンダリセルでの前記ランダムアクセス手続きとして、コンテンションベースランダムアクセス手続きを行う、請求項5又は6に記載のユーザ機器。
【請求項8】
前記サービングセルが、前記セカンダリセルグループに含まれるセカンダリセルである場合に、前記回復動作は、前記セカンダリセルのためのビーム障害回復である、請求項1~7のいずれか1項に記載のユーザ機器。
【請求項9】
前記ビーム障害回復は、ビーム障害回復用のMAC(Medium Access Control)制御エレメントの送信を含む、請求項8に記載のユーザ機器。
【請求項10】
物理アップリンク制御チャネルでのリンク回復要求の送信に応じて割り当てられたアップリンクリソースを使用して前記MAC制御エレメントを送信し、又は、ランダムアクセス手続きにおいて前記MAC制御エレメントを送信する通信処理部(235)、をさらに備える、請求項9に記載のユーザ機器。
【請求項11】
前記第1制御部は、特定の状況で、前記セカンダリセルのための一時停止された前記ビーム障害回復をキャンセルする、請求項8~10のいずれか1項に記載のユーザ機器。
【請求項12】
前記特定の状況は、前記セカンダリセルのための一時停止された前記ビーム障害回復のためにランダムアクセス手続きが必要な状況である、請求項11に記載のユーザ機器。
【請求項13】
前記第1制御部は、前記セカンダリセルのための一時停止された前記ビーム障害回復をキャンセルする、請求項8~10のいずれか1項に記載のユーザ機器。
【請求項14】
前記サービングセルが、前記セカンダリセルグループに含まれるプライマリセカンダリセルである場合に、前記回復動作は、前記プライマリセカンダリセルでのランダムアクセス手続きであり、
前記第2制御部は、前記セカンダリセルグループがアクティブ化される場合に、前記プライマリセカンダリセルでの一時停止された前記ランダムアクセス手続きを開始する、
請求項13に記載のユーザ機器。
【請求項15】
ユーザ機器(200)により行われる方法であって、
前記ユーザ機器のためのデュアルコネクティビティのセカンダリセルグループに含まれるサービングセルについてのビーム障害が検出され、当該セカンダリセルグループが非アクティブ化されている場合に、前記ビーム障害からの回復のための回復動作をトリガし、当該回復動作を一時停止することと、
前記セカンダリセルグループがアクティブ化される場合に、一時停止された前記回復動作を開始することと、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ユーザ機器及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP(3rd Generation Partnership Project)において、5G(5th Generation)の技術が検討され、3GPP技術仕様(Technical Specification:TS)に定められている。例えば、マスターノード(master node:MN)として動作する基地局とセカンダリノード(secondary node:SN)として動作する基地局とにユーザ機器(user equipment:UE)が接続されるデュアルコネクティビティが定められている(非特許文献1を参照)。
【0003】
デュアルコネクティビティについては、現在、消費電力を抑制するためにセカンダリセルグループ(secondary cell group:SCG)を効率的に非アクティブ化(deactivation)する技術が検討されている(非特許文献2-4を参照)。
【0004】
一方、UEによるビーム障害検出(beam failure detection:BFD)及びビーム障害回復(beam failure recovery:BFR)の技術が定められている(非特許文献5を参照)。具体的には、UEは、サービングセルについてのビーム障害を検出すると、当該ビーム障害からの回復のために必要な情報を、上記サービングセルの基地局に提供する。
【0005】
BFD及びBFRについては、現在、非アクティブ化されたSCGに含まれるサービングセルについてのビーム障害が検出された場合の動作が検討されている。具体的には、上記ビーム障害が検出された場合にUEがマスターセルグループ(master cell group:MCG)経由でネットワークに上記ビーム障害を報告することが提案されている(非特許文献6-9を参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】3GPP TS 37.340 V16.6.0 (2021-06) 3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network; Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA) and NR; Multi-connectivity;Stage 2 (Release 16)
【非特許文献2】3GPP TSG RAN Meeting #88e, Electronic Meeting, June 29 - July 3, 2020, RP-201040, Huawei, “Revised WID on Further Multi-RAT Dual-Connectivity enhancements”
【非特許文献3】3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #113bis-e, Online, 12 - 20 April, 2021, R2-2104315, Huawei, HiSilicon, “Summary of AI 8.2.2.1: Deactivation of SCG”
【非特許文献4】3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #113bis-e, Online, 12 - 20 April, 2021, R2-2103977, Huawei, HiSilicon, “SCG deactivation”
【非特許文献5】3GPP TS 38.321 V16.5.0 (2021-06) 3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network; NR; Medium Access Control (MAC) protocol specification (Release 16)
【非特許文献6】3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #113 bis electronic, Online, April 12 - April 20, 2021, R2-2104316, OPPO, “Summary of AI 8.2.2.2: UE measurements and reporting in deactivated SCG”
【非特許文献7】3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #113-bis-e, Online, Apr 12th - Apr 20th, 2021, R2-2103893, Qualcomm Incorporated, “UE measurements and reporting in deactivated SCG”
【非特許文献8】3GPP TSG-RAN WG2 #113bis-e, Electronic meeting, 2021-04-12 - 2021-04-20, R2-2103808, Ericsson, “UE measurements and reporting in deactivated SCG”
【非特許文献9】3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #114e, e-meeting, 19th - 27th May 2021, R2-2105158, ZTE Corporation, Sanechips , “Discussion on UE behaviour when SCG is deactivated”
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
非特許文献6-9には、非アクティブ化されたSCGについてのビーム障害をUEがMCG経由でネットワークに報告することが記載されているが、MCG経由で報告される具体的な情報も、ビーム障害から回復するための具体的な手法も記載されていない。
【0008】
本開示の目的は、非アクティブ化されたSCGについて検出されたビーム障害から回復することを可能にするユーザ機器及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様に係るユーザ機器は、上記ユーザ機器のためのデュアルコネクティビティのセカンダリセルグループに含まれるサービングセルについてのビーム障害が検出され、当該セカンダリセルグループが非アクティブ化されている場合に、上記ビーム障害からの回復のための回復動作をトリガし、当該回復動作を一時停止する第1制御部と、上記セカンダリセルグループがアクティブ化される場合に、一時停止された上記回復動作を開始する第2制御部と、を備える。
【0010】
本開示の一態様に係るユーザ機器により行われる方法は、上記ユーザ機器のためのデュアルコネクティビティのセカンダリセルグループに含まれるサービングセルについてのビーム障害が検出され、当該セカンダリセルグループが非アクティブ化されている場合に、上記ビーム障害からの回復のための回復動作をトリガし、当該回復動作を一時停止することと、上記セカンダリセルグループがアクティブ化される場合に、一時停止された上記回復動作を開始することと、を含む。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、非アクティブ化されたSCGについて検出されたビーム障害から回復することが可能になる。なお、本開示により、当該効果の代わりに、又は当該効果とともに、他の効果が奏されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示の実施形態に係るシステムの概略的な構成の一例を示す説明図である。
【
図2】本開示の実施形態に係る基地局により用いられるビームの例を示す説明図である。
【
図3】本開示の実施形態に係る基地局の概略的な機能構成の例を示すブロック図である。
【
図4】本開示の実施形態に係る基地局の概略的なハードウェア構成の例を示すブロック図である。
【
図5】本開示の実施形態に係るユーザ機器の概略的な機能構成の例を示すブロック図である。
【
図6】本開示の実施形態に係るユーザ機器の概略的なハードウェア構成の例を示すブロック図である。
【
図7】本開示の実施形態に係る処理の概略的な流れの例を説明するためのシーケンス図である。
【
図8】本開示の実施形態の第3の変形例に係る処理の概略的な流れの例を説明するためのシーケンス図である。
【
図9】本開示の実施形態の第4の変形例に係る処理の概略的な流れの例を説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付の図面を参照して本開示の実施形態を詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、同様に説明されることが可能な要素については、同一の符号を付することにより重複説明が省略され得る。
【0014】
説明は、以下の順序で行われる。
1.システムの構成
2.基地局の構成
3.ユーザ機器の構成
4.動作例
5.変形例
【0015】
<1.システムの構成>
図1を参照して、本開示の実施形態に係るシステム1の構成の例を説明する。
図1を参照すると、システム1は、基地局100A、基地局100B及びUE200を含む。
【0016】
例えば、システム1は、3GPP(Third Generation Partnership Project)の技術仕様(technical specification:TS)に準拠したシステムである。より具体的には、例えば、システム1は、5G又はNR(New Radio)のTSに準拠したシステムである。当然ながら、システム1は、この例に限定されない。
【0017】
ここでは、基地局100Aと基地局100Bとを区別しないときに、基地局100A及び基地局100Bの各々を単に「基地局100」と呼ぶ。
【0018】
(1)基地局100
基地局100は、無線アクセスネットワーク(radio access network:RAN)のノードであり、基地局100のカバレッジエリア内に位置するUE(例えば、UE200)と通信する。
【0019】
例えば、基地局100は、RANのプロトコルスタックを使用してUE(例えば、UE200)と通信する。例えば、当該プロトコルスタックは、RRC(Radio Resource Control)、SDAP(Service Data Adaptation Protocol)、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)、RLC(Radio Link Control)、MAC(Medium Access Control)、及び、物理(Physical:PHY)レイヤのプロトコルを含む。あるいは、上記プロトコルスタックは、これらのプロトコルの全てを含まず、これらのプロトコルの一部を含んでもよい。
【0020】
第1の例として、基地局100A及び基地局100Bの各々は、gNBである。第2の例として、基地局100A及び基地局100Bの一方は、gNBであってもよく、基地局100A及び基地局100Bの他方は、ng-eNBであってもよい。第3の例として、基地局100A及び基地局100Bの一方は、eNBであってもよく、基地局100A及び基地局100Bの他方は、en-gNBであってもよい。gNBは、UEに対するNRユーザプレーン及び制御プレーンプロトコル終端(NR user plane and control plane protocol terminations towards the UE)を提供し、NGインターフェースを介して5GC(5G Core Network)に接続されるノードである。ng-eNBは、UEに対するE-UTRAユーザプレーン及び制御プレーンプロトコル終端(E-UTRA user plane and control plane protocol terminations towards the UE)を提供し、NGインターフェースを介して5GCに接続されるノードである。eNBは、UEに対するE-UTRAユーザプレーン及び制御プレーンプロトコル終端を提供し、S1インターフェースを介してEPC(Evolved Packet Core)に接続されるノードである。en-gNBは、UEに対するNRユーザプレーン及び制御プレーンプロトコル終端を提供し、EN-DC(E-UTRA-NR Dual Connectivity)においてセカンダリノードとして動作するノードである。
【0021】
基地局100は、複数のノードを含んでもよい。当該複数のノードは、上記プロトコルスタックに含まれる上位レイヤ(higher layer)をホストする第1のノードと、当該プロトコルスタックに含まれる下位レイヤ(lower layer)をホストする第2のノードとを含んでもよい。上記上位レイヤは、RRC、SDAP及びPDCPを含んでもよく、上記下位レイヤは、RLC、MAC、及びPHYレイヤを含んでもよい。上記第1のノードは、CU(central unit)であってもよく、上記第2のノードは、DU(distributed unit)であってもよい。なお、上記複数のノードは、PHYレイヤの下位の処理を行う第3のノードを含んでもよく、上記第2のノードは、PHYレイヤの上位の処理を行ってもよい。当該第3のノードは、RU(radio unit)であってもよい。
【0022】
あるいは、基地局100は、上記複数のノードのうちの1つであってもよく、上記複数のノードのうちの他のユニットと接続されていてもよい。
【0023】
基地局100は、IAB(Integrated Access and Backhaul)ドナー又はIABノードであってもよい。
【0024】
例えば、基地局100A及び基地局100Bは、非理想的なバックホール(non-ideal backhaul)を介して互いに接続されている。
【0025】
(2)UE200
UE200は、基地局と通信する。例えば、UE200は、基地局100のカバレッジエリア内に位置する場合に、基地局100と通信する。
【0026】
例えば、UE200は、上記プロトコルスタックを使用して基地局(例えば、基地局100)と通信する。
【0027】
とりわけ本開示の実施形態では、UE200は、デュアルコネクティビティをサポートする。デュアルコネクティビティでは、UE200は、非理想的なバックホールを介して接続された2つの異なるノードにより提供されるリソースを利用し得る。
【0028】
(3)デュアルコネクティビティ
例えば、UE200のためのデュアルコネクティビティにおいて、基地局100Aがマスターノード(master node:MN)として動作し、基地局100Bがセカンダリノード(secondary node:SN)として動作する。UE200は、MNとして動作する基地局100AとSNとして動作する基地局100Bとに接続される。UE200は、MNとして動作する基地局100Aにより提供されるリソースと、SNとして動作する基地局100Bのリソースとを利用し得る。
【0029】
-MNとSN
MNは、コアネットワークへの制御プレーン接続を提供する無線アクセスノードである。SNは、コアネットワークへの制御プレーン接続のない無線アクセスノードであるが、UEへの追加リソースを提供する。
【0030】
第1の例として、上記デュアルコネクティビティはNR-NRデュアルコネクティビティ(NR-DC)であり、MNとして動作する基地局100Aと、SNとして動作する基地局100Bとの両方が、gNBである。第2の例として、上記デュアルコネクティビティはNR-E-UTRAデュアルコネクティビティ(NE-DC)であってもよく、MNとして動作する基地局100AはgNBであってもよく、SNとして動作する基地局100Bはng-eNBであってもよい。第3の例として、上記デュアルコネクティビティはNG-RAN E-UTRA-NRデュアルコネクティビティ(NGEN-DC)であってもよく、MNとして動作する基地局100Aはng-eNBであってもよく、SNとして動作する基地局100BはgNBであってもよい。第4の例として、上記デュアルコネクティビティはE-UTRA-NRデュアルコネクティビティ(EN-DC)であってもよく、MNとして動作する基地局100AはeNBであってもよく、SNとして動作する基地局100Bはen-gNBであってもよい。
【0031】
-MCGとSCG
MNに関連付けられるサービングセルのグループは、MCGと呼ばれる。MCGは、プライマリセル(primary cell:PCell)を含み、オプションで1つ以上のセカンダリセル(secondary cell:SCell)をさらに含む。
【0032】
SNに関連付けられるサービングセルのグループは、セカンダリセルグループ(secondary cell group:SCG)と呼ばれる。SCGは、プライマリセカンダリセル(primary secondary cell:PSCell)を含み、オプションで1つ以上のセカンダリセル(SCell)をさらに含む。
【0033】
MCGに含まれるPCellとSCGに含まれるPSCellとの各々は、スペシャルセル(special cell:SpCell)とも呼ばれる。
【0034】
なお、「セル」は、ダウンリンクリソースとアップリンクリソースとの組合せを意味してもよい。例えば、FDD(frequency division duplex)のケースでは、1つのセルは、1つのアップリンクキャリアと1つのダウンリンクキャリアとの組合せであってもよい。TDD(time division duplex)のケースでは、1つのセルは、1つのキャリアであってもよい。デュアルコネクティビティ及びキャリアアグリゲーションの文脈において、キャリアは、コンポーネントキャリア(component carrier:CC)と呼ばれてもよい。
【0035】
-サービングセルのアクティブ化と非アクティブ化
--SCell
デュアルコネクティビティにおいて、SCellのアクティブ化と非アクティブ化が行われ得る。
【0036】
例えば、MCGに含まれるSCellは、MCGにおいて受信されるMAC制御エレメント(control element:CE)によりアクティブ化又は非アクティブ化される。SCGに含まれるSCellは、SCGにおいて受信されるMAC CEによりアクティブ化又は非アクティブ化される。
【0037】
例えば、RRCによって、SCellごとに非アクティブ化タイマ値が構成(configure)される。SCellに対応する非アクティブ化タイマが満了(expire)すると、当該SCellは非アクティブ化される。
【0038】
--SCG
とりわけ本開示の実施形態では、SCGのアクティブ化と非アクティブ化が行われ得る。SCGが非アクティブ化された場合、SCGに含まれる全てのサービングセルが非アクティブ化される。即ち、SCGが非アクティブ化された場合、SCellだけではなくPSCellも非アクティブ化される。
【0039】
UE200は、非アクティブ化されたサービングセルに関する信号の送受信を行わない。当該送受信は、例えば、当該サービングセルについて測定されたCSI(channel state information)の報告、当該サービングセル上で送信されるPDCCH(physical downlink control channel)及び/又は当該サービングセルの無線リソース割当てを示すPDCCHのモニタリング、当該サービングセル上でのランダムアクセスプリアンブルの送信、当該サービングセル上でのSRS(sounding reference signal)の送信、並びに、当該サービングセル上でのPUCCH(physical uplink control channel)及びUL-SCH(uplink shared channel)の送信等を含む。このような非アクティブ化により、UE200の消費電力が抑えられる。
【0040】
例えば、UE200は、SCGを非アクティブ化することを指示するメッセージの受信に応じて、SCGを非アクティブ化する。例えば、当該メッセージは、MNによりUE200へ送信される。例えば、当該メッセージは、RRCメッセージである。あるいは、上記メッセージは、MAC CEであってもよく、又は、PDCCHで送信されるDCI(downlink control information)であってもよい。
【0041】
例えば、RRCによって、SCGのための非アクティブ化タイマ値が構成されてもよい。この場合に、UE200は、当該非アクティブ化タイマの満了に応じて、SCGを非アクティブ化してもよい。
【0042】
(4)ビームを使用した信号の送受信
とりわけ本開示の実施形態では、基地局100は、ビームを使用してUE200へダウンリンク信号を送信する。換言すると、基地局100は、UE200へのダウンリンク信号にビームフォーミング係数のセット(即ち、ビームフォーミング重みのセット)を適用する。例えば、当該ダウンリンク信号は、PDCCH及びPDSCH(physical downlink shared channel)を含む。
【0043】
例えば、基地局100は、SS(synchronization signal)とPBCH(physical broadcast channel)とを含むSSB(SS/PBCH block)を異なる時間に異なるビームを使用して送信する。UE200は、SSBに基づく測定を行い、最良のSSB又は2つ以上の良好なSSBを基地局100に通知する。そして、基地局100は、この通知に応じてビームを選択し、選択されたビームを使用してUE200にダウンリンク信号を送信する。
【0044】
例えば、基地局100は、CSI-RS(channel state information reference signal)を異なるビームを使用して送信する。UE200は、CSI-RSに基づく測定を行い、最良のCSI-RS又は2つ以上の良好なCSI-RSを基地局100に通知する。基地局100は、この通知に応じてビームを選択し、選択されたビームを使用してUE200にダウンリンク信号を送信する。
【0045】
図2を参照すると、基地局100により用いられるビームの例として、ビーム21、23、25及びビーム31、33、35、37が示されている。基地局100は、ビーム21、23、25を用いてSSBを送信し、ビーム31、33、35、37を用いてCSI-RSを送信する。SSBに対応するビーム21、23、25は、比較的広いビームであり、CSI-RSに対応するビーム31、33、35、37は、高い指向性及び高いゲインのビームである。この例では、ビーム23又はビーム33がUE200にとっての最良のビームであり、基地局100は、ビーム23又はビーム33を用いてUE200へダウンリンク信号を送信する。
【0046】
上述したように、例えば、基地局100は、ダウンリンク信号の送信のために送信ビームを使用する。一方、例えば、UE200は、ダウンリンク信号の受信ビームの受信のために受信ビームを使用する。例えば、UE200は、上記測定に基づいて受信ビームを選択する。このように、ダウンリンクビームペアが使用される。
【0047】
なお、ダウンリンク信号だけではなく、例えばアップリンク信号の送受信にもビームが用いられる。一例として、UE200がダウンリンク信号の受信に用いた受信ビームを、アップリンク信号の送信ビームとして用いることとしても良い。
【0048】
以上のように、ビームを使用して信号が送受信される。このようなビームによる信号強度の増大は高周波帯域での大きな電波減衰を補うことができる。
【0049】
<2.基地局の構成>
図3及び
図4を参照して、本開示の実施形態に係る基地局100の構成の例を説明する。
【0050】
(1)機能構成
まず、
図3を参照して、本開示の実施形態に係る基地局100の機能構成の例を説明する。
図3を参照すると、基地局100は、無線通信部110、ネットワーク通信部120、記憶部130及び処理部140を備える。
【0051】
無線通信部110は、信号を無線で送受信する。例えば、無線通信部110は、UEからの信号を受信し、UEへの信号を送信する。
【0052】
ネットワーク通信部120は、ネットワークから信号を受信し、ネットワークへ信号を送信する。
【0053】
記憶部130は、基地局100のために様々な情報を記憶する。
【0054】
処理部140は、基地局100の様々な機能を提供する。処理部140は、制御部141、第1通信処理部143及び第2通信処理部145を含む。なお、処理部140は、これらの構成要素以外の他の構成要素をさらに含み得る。即ち、処理部140は、これらの構成要素の動作以外の動作も行い得る。制御部141、第1通信処理部143及び第2通信処理部145の具体的な動作は、後に詳細に説明する。
【0055】
例えば、処理部140(第1通信処理部143)は、無線通信部110を介してUE(例えば、UE200)と通信する。例えば、処理部140(第2通信処理部145)は、ネットワーク通信部120を介して他のノード(例えば、他の基地局又はコアネットワーク内のネットワークノード)と通信する。
【0056】
(2)ハードウェア構成
次に、
図4を参照して、本開示の実施形態に係る基地局100のハードウェア構成の例を説明する。
図4を参照すると、基地局100は、アンテナ181、RF(radio frequency)回路183、ネットワークインターフェース185、プロセッサ187、メモリ189及びストレージ191を備える。
【0057】
アンテナ181は、信号を電波に変換し、当該電波を空間に放射する。また、アンテナ181は、空間における電波を受信し、当該電波を信号に変換する。アンテナ181は、送信アンテナ及び受信アンテナを含んでもよく、又は、送受信用の単一のアンテナであってもよい。アンテナ181は、指向性アンテナであってもよく、複数のアンテナ素子を含んでもよい。
【0058】
RF回路183は、アンテナ181を介して送受信される信号のアナログ処理を行う。RF回路183は、高周波フィルタ、増幅器、変調器及びローパスフィルタ等を含んでもよい。
【0059】
ネットワークインターフェース185は、例えばネットワークアダプタであり、ネットワークへ信号を送信し、ネットワークから信号を受信する。
【0060】
プロセッサ187は、アンテナ181及びRF回路183を介して送受信される信号のデジタル処理を行う。当該デジタル処理は、RANのプロトコルスタックの処理を含む。プロセッサ187は、ネットワークインターフェース185を介して送受信される信号の処理も行う。プロセッサ187は、複数のプロセッサを含んでもよく、又は、単一のプロセッサであってもよい。当該複数のプロセッサは、上記デジタル処理を行うベースバンドプロセッサと、他の処理を行う1つ以上のプロセッサとを含んでもよい。
【0061】
メモリ189は、プロセッサ187により実行されるプログラム、当該プログラムに関するパラメータ、及び、その他の様々な情報を記憶する。メモリ189は、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びフラッシュメモリの少なくとも1つを含んでもよい。メモリ189の全部又は一部は、プロセッサ187内に含まれていてもよい。
【0062】
ストレージ191は、様々な情報を記憶する。ストレージ191は、SSD(Solid State Drive)及びHDD(Hard Disc Drive)の少なくとも1つを含んでもよい。
【0063】
無線通信部110は、アンテナ181及びRF回路183により実装されてもよい。ネットワーク通信部120は、ネットワークインターフェース185により実装されてもよい。記憶部130は、ストレージ191により実装されてもよい。処理部140は、プロセッサ187及びメモリ189により実装されてもよい
【0064】
処理部140の一部又は全部は、仮想化されていてもよい。換言すると、処理部140の一部又は全部は、仮想マシンとして実装されてもよい。この場合に、処理部140の一部又は全部は、プロセッサ及びメモリ等を含む物理マシン(即ち、ハードウェア)及びハイパーバイザ上で仮想マシンとして動作してもよい。
【0065】
以上のハードウェア構成を考慮すると、基地局100は、プログラムを記憶するメモリ(即ち、メモリ189)と、当該プログラムを実行可能な1つ以上のプロセッサ(即ち、プロセッサ187)とを備えてもよく、当該1つ以上のプロセッサは、上記プログラムを実行して、処理部140の動作を行ってもよい。上記プログラムは、処理部140の動作をプロセッサに実行させるためのプログラムであってもよい。
【0066】
<3.ユーザ機器の構成>
図5及び
図6を参照して、本開示の実施形態に係るUE200の構成の例を説明する。
【0067】
(1)機能構成
まず、
図5を参照して、本開示の実施形態に係るUE200の機能構成の例を説明する。
図5を参照すると、UE200は、無線通信部210、記憶部220及び処理部230を備える。
【0068】
無線通信部210は、信号を無線で送受信する。例えば、無線通信部210は、基地局からの信号を受信し、基地局への信号を送信する。例えば、無線通信部210は、他のUEからの信号を受信し、他のUEへの信号を送信する。
【0069】
記憶部220は、UE200のために様々な情報を記憶する。
【0070】
処理部230は、UE200の様々な機能を提供する。処理部230は、第1制御部231、第2制御部233、通信処理部235及び測定部237を含む。なお、処理部230は、これらの構成要素以外の他の構成要素をさらに含み得る。即ち、処理部230は、これらの構成要素の動作以外の動作も行い得る。第1制御部231、第2制御部233、通信処理部235及び測定部237の具体的な動作は、後に詳細に説明する。
【0071】
例えば、処理部230(通信処理部235)は、無線通信部210を介して基地局(例えば、基地局100)又は他のUEと通信する。
【0072】
(2)ハードウェア構成
次に、
図6を参照して、本開示の実施形態に係るUE200のハードウェア構成の例を説明する。
図6を参照すると、UE200は、アンテナ281、RF回路283、プロセッサ285、メモリ287及びストレージ289を備える。
【0073】
アンテナ281は、信号を電波に変換し、当該電波を空間に放射する。また、アンテナ281は、空間における電波を受信し、当該電波を信号に変換する。アンテナ281は、送信アンテナ及び受信アンテナを含んでもよく、又は、送受信用の単一のアンテナであってもよい。アンテナ281は、指向性アンテナであってもよく、複数のアンテナ素子を含んでもよい。
【0074】
RF回路283は、アンテナ281を介して送受信される信号のアナログ処理を行う。RF回路283は、高周波フィルタ、増幅器、変調器及びローパスフィルタ等を含んでもよい。
【0075】
プロセッサ285は、アンテナ281及びRF回路283を介して送受信される信号のデジタル処理を行う。当該デジタル処理は、RANのプロトコルスタックの処理を含む。プロセッサ285は、複数のプロセッサを含んでもよく、又は、単一のプロセッサであってもよい。当該複数のプロセッサは、上記デジタル処理を行うベースバンドプロセッサと、他の処理を行う1つ以上のプロセッサとを含んでもよい。
【0076】
メモリ287は、プロセッサ285により実行されるプログラム、当該プログラムに関するパラメータ、及び、その他の様々な情報を記憶する。メモリ287は、ROM、EPROM、EEPROM、RAM及びフラッシュメモリの少なくとも1つを含んでもよい。メモリ287の全部又は一部は、プロセッサ285内に含まれていてもよい。
【0077】
ストレージ289は、様々な情報を記憶する。ストレージ289は、SSD及びHDDの少なくとも1つを含んでもよい。
【0078】
無線通信部210は、アンテナ281及びRF回路283により実装されてもよい。記憶部220は、ストレージ289により実装されてもよい。処理部230は、プロセッサ285及びメモリ287により実装されてもよい。
【0079】
処理部230は、プロセッサ285及びメモリ287を含むSoC(System on Chip)により実装されてもよい。当該SoCは、RF回路283を含んでもよく、無線通信部210も、当該SoCにより実装されてもよい。
【0080】
以上のハードウェア構成を考慮すると、UE200は、プログラムを記憶するメモリ(即ち、メモリ287)と、当該プログラムを実行可能な1つ以上のプロセッサ(即ち、プロセッサ285)とを備えてもよく、当該1つ以上のプロセッサは、上記プログラムを実行して、処理部230の動作を行ってもよい。上記プログラムは、処理部230の動作をプロセッサに実行させるためのプログラムであってもよい。
【0081】
<4.動作例>
図7を参照して、本開示の実施形態に係る基地局100及びUE200の動作の例を説明する。
【0082】
(1)デュアルコネクティビティ
UE200のためのデュアルコネクティビティが用いられる。上述したように、例えば、当該デュアルコネクティビティにおいて、基地局100AがMNとして動作し、基地局100BがSNとして動作する。UE200は、MNとして動作する基地局100Aと、SNとして動作する基地局100Bとに接続される。
【0083】
例えば、上記デュアルコネクティビティのSCGは、PSCell及び1つ以上のSCellを含む。
【0084】
(2)SCGの非アクティブ化
上記デュアルコネクティビティの上記SCGが、非アクティブ化される。これにより、上記SCGに含まれる全てのサービングセル(即ち、PSCell及び1つ以上のSCell)が非アクティブ化される。
【0085】
例えば、MNとして動作する基地局100A(第1通信処理部143)が、上記SCGを非アクティブ化することを指示するメッセージを送信し、UE200(第2制御部233)は、当該メッセージの受信に応じて、上記SCGを非アクティブ化する。あるいは、UE200(第2制御部233)は、上記SCGのための非アクティブ化タイマの満了に応じて、上記SCGを非アクティブ化してもよい。
【0086】
(3)ビーム障害の検出
UE200(第1制御部231)は、UE200のサービングセルについてのビーム障害を検出する。
【0087】
とりわけ本開示の実施形態では、UE200(第1制御部231)は、上記SCGに含まれるサービングセルについてのビーム障害を検出する。
【0088】
具体的には、例えば、UE200(測定部237)は、物理レイヤにおいて、上記サービングセルについての無線リンク品質を測定し、当該無線リンク品質が閾値よりも悪い場合に、ビーム障害インスタンス指示(beam failure instance indication)をMACレイヤに送る。UE200(第1制御部231)は、MACレイヤにおいて、当該ビーム障害インスタンス指示を受け取り、ビーム障害インスタンスのカウンタを1だけインクリメントする。UE200(第1制御部231)は、当該カウンタが最大カウント以上になると、ビーム障害を検出する。例えば、当該最大カウントは、“beamFailureInstanceMaxCount”である。UE200(通信処理部235)は、上記最大カウントを基地局100A又は基地局100Bから受信する。
【0089】
なお、上記カウンタが上記最大カウント以上になる前にビーム障害検出タイマが満了すると、上記カウンタはリセットされる。
【0090】
図2の例を再び参照すると、例えば、基地局100Bが、上記SCGのサービングセルについてビーム33を使用してダウンリンク信号をUE200へ送信している場合に、UE200が、当該サービングセルについてのビーム障害を検出する。
【0091】
(4)回復動作のトリガと一時停止
UE200(第1制御部231)は、UE200のサービングセルについてのビーム障害が検出される場合に、当該ビーム障害からの回復のための回復動作をトリガする。
【0092】
とりわけ本開示の実施形態では、UE200(第1制御部231)は、上述したように上記SCGに含まれるサービングセルについてのビーム障害が検出され、上述したように上記SCGが非アクティブ化されている場合に、上記ビーム障害からの回復のための回復動作をトリガし、さらに、当該回復動作を一時停止(suspend)する。
【0093】
これにより、例えば、SCGが非アクティブ化され、UE200がSCGにおいて回復動作に伴う送受信を行うことができない場合に、回復動作をキャンセルせずに保留(pending)にしておくことができる。
【0094】
上記回復動作は、ビーム障害回復要求(beam failure recovery request)と呼ばれてもよい。上記回復動作の具体的な内容は、後に詳細に説明する。
【0095】
(5)一時停止された回復動作の開始
UE200(第2制御部233)は、上記SCGがアクティブ化される場合に、一時停止された上記回復動作を開始(initiate)する。即ち、UE200(第2制御部233)は、上記SCGのアクティブ化に応じて、上記回復動作を一時停止状態(即ち、保留状態)から元の状態に戻す。
【0096】
これにより、例えば、SCGがアクティブ化され、UE200がSCGにおいて回復動作に伴う送受信を行えるようになったときに、UE200が回復動作を行うことが可能になる。よって、非アクティブ化されたSCGについて検出されたビーム障害から回復することができる。
【0097】
(6)回復動作の実行
UE200(通信処理部235)は、上記回復動作を行う。
【0098】
-PSCell
例えば、上記SCGに含まれる上記サービングセルは、上記SCGに含まれるPSCellである。この場合に、上記回復動作は、上記PSCellでのランダムアクセス手続きである。
【0099】
上記ランダムアクセス手続きは、ランダムアクセスプリアンブルを送信することを含む。例えば、当該ランダムアクセスプリアンブルは、複数のビームのうちの1つのビーム(例えば、最良のビーム)に対応する。より具体的には、例えば、上記ランダムアクセスプリアンブルは、上記複数のビームにそれぞれ対応する複数のリファレンス信号のうちの1つのリファレンス信号(例えば、最良の測定結果をもつリファレンス信号)に対応する。例えば、上記複数のリファレンス信号の各々は、SSB又はCSI-RSである。例えば、上記ランダムアクセスプリアンブルは、PRACH(physical random access channel)プリアンブルである。
【0100】
これにより、例えば、UE200は、ビーム障害からの回復のために望ましいビームを基地局100Bに通知することが可能になる。
【0101】
--コンテンションフリーランダムアクセス(CFRA)
例えば、上記ランダムアクセス手続きは、コンテンションフリーランダムアクセス(contention-free random access:CFRA)手続きである。
【0102】
例えば、ビーム障害回復のためのCFRAがUE200のために構成されている場合に、上記回復動作としてCFRA手続きが行われる。より具体的には、例えば、基地局100によりUE200へ送信される“BeamFailureRecoveryConfig”が“Rach-ConfigBFR”を含む場合に、上記回復動作としてCFRA手続きが行われる。
【0103】
例えば、ビーム障害回復のための候補リファレンス信号リストが構成される。当該候補リファレンス信号リストの各エントリは、特定のビームに対応するSSB又はCSI-RSである。UE200(測定部237)は、上記候補リファレンス信号リストの各エントリ(即ち、SSB又はCSI-RS)に基づく測定を行う。UE200(測定部237)は、閾値よりも良好な測定結果をもつSSB及びCSI-RSのうち、最良のSSB又はCSI-RSを選択する。さらに、UE200(通信処理部235)は、当該最良のSSB又はCSI-RSに対応するPRACHプリアンブルを選択する。そして、UE200(通信処理部235)は、上記CFRA手続きにおいて、当該PRACHプリアンブルを送信する。例えば、上記測定は、L1-RSRP(reference signal received power)の測定である。例えば、上記候補リファレンス信号リストは、“BeamFailureRecoveryConfig”に含まれる“candidateBeamRSSCellList”である。
【0104】
これにより、例えば、UE200は、上記PSCellについてのビーム障害と、ビーム障害からの回復のために望ましいビームとを、基地局100Bに素早く通知することが可能になる。
【0105】
上記候補リファレンス信号リストに、閾値よりも良好な測定結果をもつエントリ(即ち、SSB又はCSI-RS)がない場合には、UE200(通信処理部235)は、上記回復動作として、コンテンションベースランダムアクセス手続きを行ってもよい。
【0106】
なお、例えば、UE200(通信処理部235)が上記PRACHプリアンブルに対する基地局100Bからの応答を受信したときに、上記回復動作は完了する。当該応答は、ビーム障害回復のためのCORESET(control resource set)において送信されるUE200宛のPDCCHである。
【0107】
--コンテンションベースランダムアクセス(CBRA)
上記ランダムアクセス手続きは、コンテンションベースランダムアクセス(contention-based random access:CBRA)手続きであってもよい。
【0108】
例えば、ビーム障害回復のためのCFRAがUE200のために構成されていない場合に、上記回復動作としてCBRA手続きが行われる。即ち、UE200のための“Rach-ConfigBFR”がない場合に、上記CBRA手続きが行われる。
【0109】
例えば、UE200(測定部237)は、SSBに基づく測定を行い、最良のSSBを選択する。さらに、UE200(通信処理部235)は、当該最良のSSBに対応するPRACHプリアンブルを選択する。そして、UE200(通信処理部235)は、上記CBRA手続きにおいて、当該PRACHプリアンブルを送信する。例えば、上記測定は、L1-RSRPの測定である。
【0110】
これにより、例えば、UE200は、ビーム障害からの回復のために望ましいビームを基地局100Bに通知することが可能になる。
【0111】
なお、例えば、上記CBRA手続きが完了したときに、上記回復動作は完了する。
【0112】
-SCell
上記SCGに含まれる上記サービングセルは、上記SCGに含まれるSCellであってもよい。この場合に、上記回復動作は、上記Scellのためのビーム障害回復(beam failure recovery:BFR)であってもよい。上記SCellのための当該BFRは、ビーム障害回復用のMAC CEの送信を含んでもよい。
【0113】
--ビーム障害用のMAC CE
例えば、上記MAC CEは、BFR MAC CE、又は、Truncated BFR MAC CEである。
【0114】
例えば、上記MAC CEは、上記SCellについてビーム障害が検出されたことを示す情報を含む。
【0115】
さらに、例えば、上記MAC CEは、候補(candidate)リファレンス信号IDを含む。候補リファレンス信号は、SSB又はCSI-RSであり、特定のビームに対応する。候補リファレンス信号IDは、SSBのインデックス又はCSI-RSのインデックスである。上記SSBは、候補リファレンス信号リストに含まれるSSBの中で、閾値より高いSS-RSRPをもつSSBである。上記CSI-RSは、上記候補リファレンス信号リストに含まれCSI-RSの中で、閾値よりも高いCSI-RSRPをもつCSI-RSである。上記候補リファレンス信号リストは、“candidateBeamRSSCellList”である。
【0116】
これにより、例えば、UE200は、上記SCellについてのビーム障害と、ビーム障害からの回復のために望ましいビームとを、基地局100Bに通知することが可能になる。
【0117】
--MAC CEの送信の第1の例
第1の例として、UE200(通信処理部235)は、PUCCHでのリンク回復要求(link recovery request:LRR)の送信に応じて割り当てられたアップリンクリソースを使用して上記MAC CEを送信する。例えば、LRR用のPUCCHリソースがUE200のために構成されている場合に、このような送信手法が用いられる。このような送信手法により、例えば、ビーム障害用のMAC CEを素早く送信することができる。
【0118】
具体的には、例えば、UE200(通信処理部235)は、LRR用のPUCCHリソースを用いてLRRを基地局100Bへ送信し、当該LRRに応じて基地局100BによりPDCCHで送信されるDCIを受信する。当該DCIは、UE200に割り当てられたアップリンクリソースを示す。例えば、当該アップリンクリソースは、物理アップリンク共有チャネル(physical uplink shared channel:PUSCH)リソースである。UE200(通信処理部235)は、上記DCIにより示されるアップリンクリソースを使用して、上記MAC CEを送信する。上記DCIは、アップリンクグラントと置き換えられてもよい。
【0119】
なお、上記MAC CEの送信に使用されたHARQ(hybrid automatic repeat request)プロセスについて、新規送信のためのアップリンクグラントを示すPDCCHが受信されたときに、上記SCellのための上記BFR(即ち、上記回復動作)は完了する。
【0120】
--MAC CEの送信の第2の例
第2の例として、UE200(通信処理部235)は、ランダムアクセス手続きにおいて上記MAC CEを送信してもよい。例えば、LRR用のPUCCHリソースがUE200のために構成されていない場合に、このような送信手法が用いられてもよい。このような送信手法により、例えば、予めリソースが確保されていなくてもビーム障害用のMAC CEを送信することができる。
【0121】
具体的には、例えば、UE200(通信処理部235)は、コンテンションベースのランダムアクセス手続きを行い、当該ランダムアクセス手続きのMsg3において上記MAC CEを送信する。なお、ここではランダムアクセス手続きのMsg3を用いる例を示したが、これに限らず、例えば2-stepランダムアクセス手続きにおけるMsgAを用いることとしても良い。
【0122】
なお、上記ランダムアクセス手続きが完了したときに、上記SCellのための上記BFR(即ち、上記回復動作)は完了する。
【0123】
(7)処理の流れ
図7を参照して、本開示の実施形態に係る処理の例を説明する。
【0124】
UE200(第2制御部233)は、UE200のためのデュアルコネクティビティのSCGを非アクティブ化する(S301)。UE200(第2制御部233)は、基地局100Aにより送信されるメッセージに応じて上記SCGを非アクティブ化してもよい。あるいは、UE200(第2制御部233)は、上記SCGのための非アクティブ化タイマの満了に応じて、上記SCGを非アクティブ化してもよい。
【0125】
UE200(第1制御部231)は、上記SCGに含まれるサービングセルについてのビーム障害を検出する(S303)。
【0126】
UE200(第1制御部231)は、上記ビーム障害からの回復のための回復動作をトリガし、当該回復動作を一時停止する(S305)。
【0127】
その後、UE200は、上記SCGをアクティブ化する(S311)。
【0128】
UE200(第2制御部233)は、一時停止された上記回復動作を開始する(S313)。
【0129】
UE200(通信処理部235)は、上記回復動作を行う(S315)。
【0130】
<5.変形例>
図8及び
図9を参照して、本開示の実施形態に係る第1~第5の変形例を説明する。なお、これらの変形例の2つ以上が組み合わせられてもよい。
【0131】
(1)第1の変形例:特定の状況での回復動作のキャンセル
本開示の実施形態の第1の変形例では、UE200(第1制御部231)は、特定の状況で、上記SCellのための一時停止された上記BFRをキャンセルしてもよい。
【0132】
上記特定の状況は、上記SCellのための一時停止された上記BFRのためにランダムアクセス手続きが必要な状況であってもよい。上記ランダムアクセス手続きは、CBRA手続きであってもよい。
【0133】
より具体的には、上記特定の状況は、LRR用のPUCCHリソースがUE200のために構成されていない状況を含んでもよい。また、上記特定の状況は、LRR用のPUCCHリソースがUE200のために構成されているが、タイムアラインメント(time alignment:TA)タイマが満了している状況を含んでもよい。
【0134】
これにより、例えば、SCellのための一時停止されたBFRは、少ない負荷で素早く実行できる場合に限り行われる。そのため、回復動作による負荷が軽減され得る。
【0135】
(2)第2の変形例:回復動作のキャンセル
本開示の実施形態の第2の変形例では、UE200(第1制御部231)は、状況によらず、上記SCellのための一時停止された上記BFRをキャンセルしてもよい。そのため、UE200(第2制御部233)は、上記SCGがアクティブ化される場合に、上記SCGに含まれるSCellでの一時停止された上記ランダムアクセス手続きを開始しなくてもよい。
【0136】
一方、UE200(第2制御部233)は、上記SCGがアクティブ化される場合に、上記SCGに含まれるPSCellでの一時停止された上記ランダムアクセス手続きを開始してもよい。
【0137】
これにより、例えば、SCellのための一時停止されたBFRは行われない。そのため、回復動作による負荷が軽減され得る。
【0138】
(3)第3の変形例:タイマの状態に応じたランダムアクセス
本開示の実施形態の第3の変形例では、UE200(通信処理部235)は、上記PSCellでの上記ランダムアクセス手続き(即ち、上記回復動作)として、上記回復動作に関連するタイマの状態に応じたランダムアクセス手続きを行ってもよい。
【0139】
例えば、上記タイマは、“BeamFailureRecoveryConfig”に含まれる“beamFailureRecoveryTimer”であってもよい。
【0140】
UE200(通信処理部235)は、上記タイマが動作中(running)である場合に、上記PSCellでの上記ランダムアクセス手続きとして、CFRA手続きを行ってもよい。
【0141】
UE200(通信処理部235)は、上記タイマが満了している場合に、上記PSCellでの上記ランダムアクセス手続きとして、CBRA手続きを行ってもよい。
【0142】
これにより、例えば、タイマの満了後もCBRA手続きによりビーム障害から回復することができる。
【0143】
-処理の流れ
図8を参照して、本開示の実施形態の第3の変形例に係る処理の例を説明する。ここでは、
図7を参照して説明した処理の例との相違点のみを説明し、重複する説明を省略する。
【0144】
UE200(第1制御部231)は、上記SCGに含まれるサービングセルについてのビーム障害を検出する(S303)。ここでは、当該サービングセルは、PSCellである。
【0145】
UE200(通信処理部235)は、上記回復動作として、CFRA手続きを行う(S321)。
【0146】
上記CFRA手続きが完了せずに、上記回復動作に関連するタイマが満了する(S323)場合には、UE200(通信処理部235)は、上記回復動作として、CBRA手続きを行う(S325)。
【0147】
(4)第4の変形例:ネットワークへのビーム障害関連情報の送信
本開示の実施形態の第4の変形例では、UE200(通信処理部235)は、上記SCGに含まれるサービングセルについてのビーム障害が検出され、上記SCGが非アクティブ化されている場合に、当該ビーム障害に関する情報(以下、「ビーム障害関連情報」と呼ぶ)を基地局100Aへ送信してもよい。基地局100A(第1通信処理部143)は、上記ビーム障害関連情報をUE200から受信してもよい。
【0148】
さらに、基地局100A(第2通信処理部145)は、上記ビーム障害関連情報を基地局100Bへ送信してもよい。基地局100B(第2通信処理部145)は、上記ビーム障害関連情報を基地局100Aから受信してもよい。
【0149】
これにより、例えば、SNは、SCGが非アクティブ化されていても、SCGに含まれるサービングセルについてのビーム障害を知ることが可能になる。
【0150】
UE200(通信処理部235)は、上記ビーム障害関連情報を含むRRCメッセージを基地局100Aへ送信してもよい。当該RRCメッセージは、SCGFailureInformationメッセージであってもよい。
【0151】
上記ビーム障害関連情報は、上記ビーム障害が検出された上記サービングセルの識別情報、上記サービングセルの対象BWP(bandwidth part)の識別情報、及び、ビーム障害から回復するための候補ビームを特定するためのビーム特定情報を含んでもよい。当該ビーム特定情報は、当該候補ビームに対応するリファレンス信号(即ち、SSB又はCSI-RS)のIDであってもよい。
【0152】
-処理の流れ
図9を参照して、本開示の実施形態の第4の変形例に係る処理の例を説明する。ここでは、
図7を参照して説明した処理の例との相違点のみを説明し、重複する説明を省略する。
【0153】
UE200(通信処理部235)は、上記ビーム障害に関するビーム障害関連情報を基地局100Aへ送信する(S331)。基地局100A(第1通信処理部143)は、上記ビーム障害関連情報をUE200から受信する。
【0154】
基地局100Aへの上記ビーム障害関連情報の送信は、
図9の例に示されているようにステップS303とステップS305との間に行われてもよく、又は、ステップS305とステップS311との間に行われてもよい。
【0155】
基地局100A(第2通信処理部145)は、上記ビーム障害関連情報を基地局100Bへ送信する(S333)。基地局100B(第2通信処理部145)は、上記ビーム障害関連情報を基地局100Aから受信する。
【0156】
(5)第5の変形例:MNとSN
本開示の実施形態の上述した例では、UE200のためのデュアルコネクティビティにおいて、基地局100AがMNとして動作し、基地局100BがSNとして動作する。しかし、本開示の実施形態はこの例に限定されない。
【0157】
本開示の実施形態の第5の変形例では、UE200のためのデュアルコネクティビティにおいて、基地局100BがMNとして動作してもよく、基地局100AがSNとして動作してもよい。
【0158】
あるいは、本開示の実施形態の第5の変形例では、UE200のためのデュアルコネクティビティにおいて、基地局100A及び基地局100Bの一方が、MN及びSNの両方として動作してもよく、gNBであってもよい。
【0159】
以上、本開示の実施形態を説明したが、本開示は当該実施形態に限定されるものではない。当該実施形態は例示にすぎないということ、及び、本開示のスコープ及び精神から逸脱することなく様々な変形が可能であるということは、当業者に理解されるであろう。
【0160】
例えば、本明細書に記載されている処理におけるステップは、必ずしもフローチャート又はシーケンス図に記載された順序に沿って時系列に実行されなくてよい。例えば、処理におけるステップは、フローチャート又はシーケンス図として記載した順序と異なる順序で実行されても、並列的に実行されてもよい。また、処理におけるステップの一部が削除されてもよく、さらなるステップが処理に追加されてもよい。
【0161】
例えば、本明細書において説明した装置の1つ以上の構成要素の動作を含む方法が提供されてもよく、上記構成要素の動作をコンピュータに実行させるためのプログラムが提供されてもよい。また、当該プログラムを記録したコンピュータに読み取り可能な非遷移的実体的記録媒体が提供されてもよい。当然ながら、このような方法、プログラム、及びコンピュータに読み取り可能な非遷移的実体的記録媒体(non-transitory tangible computer-readable storage medium)も、本開示に含まれる。
【0162】
例えば、本開示において、ユーザ機器(UE)は、移動局(mobile station)、移動端末、移動装置、移動ユニット、加入者局(subscriber station)、加入者端末、加入者装置、加入者ユニット、ワイヤレス局、ワイヤレス端末、ワイヤレス装置、ワイヤレスユニット、リモート局、リモート端末、リモート装置、又はリモートユニット等の別の名称で呼ばれてもよい。
【0163】
例えば、本開示において、「送信する(transmit)」は、送信に使用されるプロトコルスタック内の少なくとも1つのレイヤの処理を行うことを意味してもよく、又は、無線又は有線で信号を物理的に送信することを意味してもよい。あるいは、「送信する」は、上記少なくとも1つのレイヤの処理を行うことと、無線又は有線で信号を物理的に送信することとの組合せを意味してもよい。同様に、「受信する(receive)」は、受信に使用されるプロトコルスタック内の少なくとも1つのレイヤの処理を行うことを意味してもよく、又は、無線又は有線で信号を物理的に受信することを意味してもよい。あるいは、「受信する」は、上記少なくとも1つのレイヤの処理を行うことと、無線又は有線で信号を物理的に受信することとの組合せを意味してもよい。上記少なくとも1つのレイヤは、少なくとも1つのプロトコルと言い換えられてもよい。
【0164】
例えば、本開示において、「取得する(obtain/acquire)」は、記憶されている情報の中から情報を取得することを意味してもよく、他のノードから受信した情報の中から情報を取得することを意味してもよく、又は、情報を生成することにより当該情報を取得することを意味してもよい。
【0165】
例えば、本開示において、「~を含む(include)」及び「~を備える(comprise)」は、列挙する項目のみを含むことを意味せず、列挙する項目のみを含んでもよいし、列挙する項目に加えてさらなる項目を含んでもよいことを意味する。
【0166】
例えば、本開示において、「又は(or)」は、排他的論理和を意味せず、論理和を意味する。
【0167】
なお、上述した実施形態に含まれる技術的特徴は、以下のような特徴として表現されてもよい。当然ながら、本開示は以下のような特徴に限定されない。
【0168】
(特徴1)
ユーザ機器(200)であって、
前記ユーザ機器のためのデュアルコネクティビティのセカンダリセルグループに含まれるサービングセルについてのビーム障害が検出され、当該セカンダリセルグループが非アクティブ化されている場合に、前記ビーム障害からの回復のための回復動作をトリガし、当該回復動作を一時停止する第1制御部(231)と、
前記セカンダリセルグループがアクティブ化される場合に、一時停止された前記回復動作を開始する第2制御部(233)と、
を備えるユーザ機器。
【0169】
(特徴2)
前記サービングセルが、前記セカンダリセルグループに含まれるプライマリセカンダリセルである場合に、前記回復動作は、前記プライマリセカンダリセルでのランダムアクセス手続きである、特徴1に記載のユーザ機器。
【0170】
(特徴3)
前記ランダムアクセス手続きは、ランダムアクセスプリアンブルを送信することを含み、
前記ランダムアクセスプリアンブルは、複数のビームにそれぞれ対応する複数のリファレンス信号のうちの1つのリファレンス信号に対応する、
特徴2に記載のユーザ機器。
【0171】
(特徴4)
前記複数のリファレンス信号の各々は、SS/PBCH(synchronization signal/physical broadcast channel)ブロック又はCSI-RS(channel state information reference signal)である、特徴3に記載のユーザ機器。
【0172】
(特徴5)
前記プライマリセカンダリセルでの前記ランダムアクセス手続きとして、前記回復動作に関連するタイマの状態に応じたランダムアクセス手続きを行う通信処理部(235)、をさらに備える、特徴2~4のいずれか1項に記載のユーザ機器。
【0173】
(特徴6)
前記通信処理部は、前記タイマが動作中である場合に、前記プライマリセカンダリセルでの前記ランダムアクセス手続きとして、コンテンションフリーランダムアクセス手続きを行う、特徴5に記載のユーザ機器。
【0174】
(特徴7)
前記通信処理部は、前記タイマが満了している場合に、前記プライマリセカンダリセルでの前記ランダムアクセス手続きとして、コンテンションベースランダムアクセス手続きを行う、特徴5又は6に記載のユーザ機器。
【0175】
(特徴8)
前記サービングセルが、前記セカンダリセルグループに含まれるセカンダリセルである場合に、前記回復動作は、前記セカンダリセルのためのビーム障害回復である、特徴1~7のいずれか1項に記載のユーザ機器。
【0176】
(特徴9)
前記ビーム障害回復は、ビーム障害回復用のMAC(Medium Access Control)制御エレメントの送信を含む、特徴8に記載のユーザ機器。
【0177】
(特徴10)
物理アップリンク制御チャネルでのリンク回復要求の送信に応じて割り当てられたアップリンクリソースを使用して前記MAC制御エレメントを送信し、又は、ランダムアクセス手続きにおいて前記MAC制御エレメントを送信する通信処理部(235)、をさらに備える、特徴9に記載のユーザ機器。
【0178】
(特徴11)
前記第1制御部は、特定の状況で、前記セカンダリセルのための一時停止された前記ビーム障害回復をキャンセルする、特徴8~10のいずれか1項に記載のユーザ機器。
【0179】
(特徴12)
前記特定の状況は、前記セカンダリセルのための一時停止された前記ビーム障害回復のためにランダムアクセス手続きが必要な状況である、特徴11に記載のユーザ機器。
【0180】
(特徴13)
前記第1制御部は、前記セカンダリセルのための一時停止された前記ビーム障害回復をキャンセルする、特徴8~10のいずれか1項に記載のユーザ機器。
【0181】
(特徴14)
前記サービングセルが、前記セカンダリセルグループに含まれるプライマリセカンダリセルである場合に、前記回復動作は、前記プライマリセカンダリセルでのランダムアクセス手続きであり、
前記第2制御部は、前記セカンダリセルグループがアクティブ化される場合に、前記プライマリセカンダリセルでの一時停止された前記ランダムアクセス手続きを開始する、
特徴13に記載のユーザ機器。
【0182】
(特徴15)
ユーザ機器(200)により行われる方法であって、
前記ユーザ機器のためのデュアルコネクティビティのセカンダリセルグループに含まれるサービングセルについてのビーム障害が検出され、当該セカンダリセルグループが非アクティブ化されている場合に、前記ビーム障害からの回復のための回復動作をトリガし、当該回復動作を一時停止することと、
前記セカンダリセルグループがアクティブ化される場合に、一時停止された前記回復動作を開始することと、
を含む方法。
【0183】
(特徴16)
ユーザ機器(200)のためのデュアルコネクティビティのセカンダリセルグループに含まれるサービングセルについてのビーム障害が検出され、当該セカンダリセルグループが非アクティブ化されている場合に、前記ビーム障害からの回復のための回復動作をトリガし、当該回復動作を一時停止することと、
前記セカンダリセルグループがアクティブ化される場合に、一時停止された前記回復動作を開始することと、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【0184】
(特徴17)
ユーザ機器(200)のためのデュアルコネクティビティのセカンダリセルグループに含まれるサービングセルについてのビーム障害が検出され、当該セカンダリセルグループが非アクティブ化されている場合に、前記ビーム障害からの回復のための回復動作をトリガし、当該回復動作を一時停止することと、
前記セカンダリセルグループがアクティブ化される場合に、一時停止された前記回復動作を開始することと、
をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータに読み取り可能な非遷移的実体的記録媒体。
【符号の説明】
【0185】
1 システム
21、23、25、31、33、35、37 ビーム
100 基地局
141 制御部
143 第1通信処理部
145 第2通信処理部
200 ユーザ機器
231 第1制御部
233 第2制御部
235 通信処理部
237 測定部