(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125455
(43)【公開日】2024-09-19
(54)【発明の名称】撮像支援システム、撮像支援プログラム、撮像支援方法
(51)【国際特許分類】
H04N 23/60 20230101AFI20240911BHJP
H04N 23/63 20230101ALI20240911BHJP
【FI】
H04N23/60 100
H04N23/63 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023033284
(22)【出願日】2023-03-06
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】517436062
【氏名又は名称】株式会社FLIGHTS
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】峠下 周平
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 悠
(72)【発明者】
【氏名】伊東 三友紀
(72)【発明者】
【氏名】栗原 隆幸
(72)【発明者】
【氏名】有持 雄司
【テーマコード(参考)】
5C122
【Fターム(参考)】
5C122EA42
5C122EA63
5C122FD03
5C122FK28
5C122FK37
5C122FK41
5C122GA34
5C122HA75
5C122HB01
5C122HB05
(57)【要約】
【課題】飛行体による対象物の撮影を支援するシステムを提供すること。
【解決手段】本発明は、観測面の画像を撮像するカメラを備える飛行装置と、端末とを有する撮像支援システムであって、前記端末は、前記カメラが取得した前記画像を前記端末が備える表示部に表示する画像表示部と、前記飛行装置が備える複数の距離センサが取得した、観測面とそれぞれの前記距離センサの間の距離を、前記表示部に表示する距離表示部と、複数の前記距離が所定の関係にある場合に、所定の表示をする報知部と、を備えることを特徴とする、撮像支援システムである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
観測面の画像を撮像するカメラを備える飛行装置と、端末とを有する撮像支援システムであって、
前記端末は、
前記カメラが取得した前記画像を前記端末が備える表示部に表示する画像表示部と、
前記飛行装置が備える複数の距離センサが取得した、観測面とそれぞれの前記距離センサの間の距離を、前記表示部に表示する距離表示部と、
複数の前記距離が所定の関係にある場合に、所定の表示をする報知部と、
を備えることを特徴とする、撮像支援システム。
【請求項2】
前記画像を撮像した時点の前記距離の情報を、前記画像と紐づけて記憶する画像記憶部と、
を更に備えることを特徴とする、請求項1に記載の撮像支援システム。
【請求項3】
前記報知部は、前記観測面と、少なくとも2つの前記距離センサのそれぞれと、の距離の差が、所定の範囲の差である場合に、所定の報知をすること、
を特徴とする、請求項1または2に記載の撮像支援システム。
【請求項4】
前期距離センサが測定する前期観測面の位置を変更する測定位置変更部と、
を更に備えることを特徴とする、請求項3に記載の撮像支援システム。
【請求項5】
前記距離表示部は、前記画像表示部が表示する前記画像に重畳して前記距離を表示すること、
を特徴とする、請求項4に記載の撮像支援システム。
【請求項6】
観測面の画像を撮像するカメラを備える飛行装置と、端末とを有する撮像支援プログラムであって、
プロセッサに、
前記カメラが取得した前記画像を前記端末が備える表示部に表示する画像表示ステップと、
前記飛行装置が備える複数の距離センサが取得した、観測面とそれぞれの前記距離センサの間の距離を、前記表示部に表示する距離表示ステップと、
複数の前記距離が所定の関係にある場合に、所定の表示をする報知ステップと、
を実行させる、撮像支援プログラム
【請求項7】
観測面の画像を撮像するカメラを備える飛行装置と、端末とを有する撮像支援方法であって、
プロセッサが、
前記カメラが取得した前記画像を前記端末が備える表示部に表示する画像表示ステップと、
前記飛行装置が備える複数の距離センサが取得した、観測面とそれぞれの前記距離センサの間の距離を、前記表示部に表示する距離表示ステップと、
複数の前記距離が所定の関係にある場合に、所定の表示をする報知ステップと、
を実行する、撮像支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は撮像支援システム、撮像支援プログラム、撮像支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、構造物の点検を、ドローン等の飛行体を用いて実施する方法が提案されている。
【0003】
特許文献1には、点検対象物を撮像するドローンの発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した技術は、対象物を自動撮影するドローン機体の発明であり、このような専用のドローンは高価になりがちである。すでに保有しているドローン機体の機能をもとに、ソフトウェア側での撮影支援機能により、より安価に精度の高い撮影をすることが求められている。
【0006】
そこで、本発明は、飛行体による対象物の撮影を支援するシステムを提供することを一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、観測面の画像を撮像するカメラを備える飛行装置と、端末とを有する撮像支援システムであって、前記端末は、前記カメラが取得した前記画像を前記端末が備える表示部に表示する画像表示部と、前記飛行装置が備える複数の距離センサが取得した、観測面とそれぞれの前記距離センサの間の距離を、前記表示部に表示する距離表示部と、複数の前記距離が所定の関係にある場合に、所定の表示をする報知部と、を備えることを特徴とする、撮像支援システム、が得られる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、飛行体による対象物の撮影を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施の形態によるシステムの構成例を示す図である。
【
図4】飛行装置3のハードウェア構成例を示す図である。
【
図5】距離センサ39を用いた距離測定の方法を説明する図である。
【
図6】距離センサ39を用いた距離測定の方法を説明する他の図である。
【
図7】飛行装置3のソフトウェア構成例を示す図である。
【
図8】ユーザ端末1のハードウェア構成例を示す図である。
【
図9】ユーザ端末1のソフトウェア構成例を示す図である。
【
図10】画面表示部、距離表示部により表示される画面例を示す図である。
【
図11】本実施形態に係る代表的な処理の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明は、以下のような構成を備える。
[項目1]
観測面の画像を撮像するカメラを備える飛行装置と、端末とを有する撮像支援システムであって、
前記端末は、
前記カメラが取得した前記画像を前記端末が備える表示部に表示する画像表示部と、
前記飛行装置が備える複数の距離センサが取得した、観測面とそれぞれの前記距離センサの間の距離を、前記表示部に表示する距離表示部と、
複数の前記距離が所定の関係にある場合に、所定の表示をする報知部と、
を備えることを特徴とする、撮像支援システム。
[項目2]
前記画像を撮像した時点の前記距離の情報を、前記画像と紐づけて記憶する画像記憶部と、
を更に備えることを特徴とする、項目1に記載の撮像支援システム。
[項目3]
前記報知部は、前記観測面と、少なくとも2つの前記距離センサのそれぞれと、の距離の差が、所定の範囲の差である場合に、所定の報知をすること、
を特徴とする、項目1または2に記載の撮像支援システム。
[項目4]
前期距離センサが測定する前期観測面の位置を変更する測定位置変更部と、
を更に備えることを特徴とする、項目3に記載の撮像支援システム。
[項目5]
前記距離表示部は、前記画像表示部が表示する前記画像に重畳して前記距離を表示すること、
を特徴とする、項目4に記載の撮像支援システム。
[項目6]
観測面の画像を撮像するカメラを備える飛行装置と、端末とを有する撮像支援プログラムであって、
プロセッサに、
前記カメラが取得した前記画像を前記端末が備える表示部に表示する画像表示ステップと、
前記飛行装置が備える複数の距離センサが取得した、観測面とそれぞれの前記距離センサの間の距離を、前記表示部に表示する距離表示ステップと、
複数の前記距離が所定の関係にある場合に、所定の表示をする報知ステップと、
を実行させる、撮像支援プログラム
[項目7]
観測面の画像を撮像するカメラを備える飛行装置と、端末とを有する撮像支援方法であって、
プロセッサが、
前記カメラが取得した前記画像を前記端末が備える表示部に表示する画像表示ステップと、
前記飛行装置が備える複数の距離センサが取得した、観測面とそれぞれの前記距離センサの間の距離を、前記表示部に表示する距離表示ステップと、
複数の前記距離が所定の関係にある場合に、所定の表示をする報知ステップと、
を実行する、撮像支援方法。
【0011】
<実施の形態の詳細>
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0012】
<概要>
図1は、本発明の一実施形態に係る撮像支援システムの全体構成例を示す図である。本実施形態の発明支援システムは、ユーザ端末1と飛行装置3を含んで構成される。ユーザ端末1は、飛行装置3と、通信ネットワーク2を介して通信可能に接続される。通信ネットワーク2は、たとえばインターネットであり、公衆電話回線網や携帯電話回線網、無線通信路、イーサネット(登録商標)などにより構築される。
【0013】
<ハードウェア構成>
本実施の形態によるユーザ端末1と、飛行装置3と、は以下のようなハードウェア構成を有する。なお、以下の構成は一例であり、これ以外の構成を有していても良い。
【0014】
<飛行装置3>
先に飛行装置3に関して説明を行う。
図1に示されるように、飛行装置3は、ユーザ端末1と通信を介して情報処理を実行することにより、撮像支援システムの一部を構成する。飛行装置3は、例えば空中に一定時間ホバリングする機能を有する飛行体であればよく、マルチコプタ、ティルトロータ、垂直離着陸機等であってもよいがこれらに限定されない。本開示においては、マルチコプタの例を記載する。
【0015】
飛行装置3の一例を
図2、
図3に示す。なお、飛行装置3は、マルチコプタの既存の装置と、飛行制御の実装を用いればよいため、以下の例に限らない。飛行装置3は、機体31と、機体31の下部に搭載したバッテリ32と、機体31の斜め前後方向に略水平に突出する4本の腕33の先端付近に搭載され、バッテリ32により駆動される4個の飛行モータ34と、飛行モータ34により回転駆動されてそれぞれ推力を生ずる4つのピッチロータ35と、4本の腕33にそれぞれ2個ずつ搭載されてバッテリ32により駆動され4つのピッチロータ35のピッチをそれぞれ変化させる4個のサーボモータ36と、を備える。
【0016】
飛行モータ34によりピッチロータ35の回転速度を変化させ、またサーボモータ36によりピッチロータ35のピッチをそれぞれ変化させることで、機体31に加わる推力の大きさ、方向および機体31の向きを変化させ、浮上、飛行およびホバリングすることができる。
【0017】
飛行装置3は、機体31の中央部に、飛行制御用の3軸加速度センサと3軸ジャイロセンサとを持つ機体情報取得手段としての慣性計測ユニット(IMU)と、GPSと、通常のマイクロコンピュータを持つフライトコントローラ(FC)と、無線通信ユニットと、電源管理ユニット(PMU)とを有する、飛行制御手段としての制御装置37を搭載する。
【0018】
制御装置37のフライトコントローラが、バッテリ32からの電源管理ユニットを介する給電により、慣性計測ユニットおよびGPSから得られる機体31の加速度、姿勢および位置情報に基づいて機体31の位置および姿勢を安定させる制御を行って、飛行装置3の浮上、飛行および空中静止を補助する。制御装置37の補助により、飛行装置3は、例えば通常のデジタルプロポーショナル型の操縦装置から制御装置37の無線通信ユニットを介してフライトコントローラに制御指令を与えることで、操縦装置の手動操作によって比較的容易かつ安全に遠隔操縦することができる。
【0019】
なお、本実施例において飛行装置3が備える制御装置37は、飛行制御に加えて、以下に記載する撮像支援に係る制御を併せて行ってもよい。撮像支援に係る制御を行う制御装置が別途飛行装置3に備わっていてもよいが、以下に制御装置37が撮像支援を行う実施例を記載する。
【0020】
図4に一例を示すように、制御装置37は、プロセッサ301、メモリ302、記憶装置303、通信インタフェース304、入力装置105、出力装置106を備える。記憶装置303は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信インタフェース304は、通信ネットワーク2に接続するためのインタフェースであり、例えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(Universal Serial Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどである。入力装置305は、データを入力する、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどである。出力装置306は、データを出力する、例えばディスプレイ(表示部)やプリンタ、スピーカなどである。なお、後述する制御装置37の各処理部はプロセッサ301が記憶装置#03に記憶されているプログラムをメモリ302に読み出して実行することにより実現され、制御装置37の各記憶部はメモリ302及び記憶装置303が提供する記憶領域の一部として実現される。
【0021】
飛行装置3は、さらに、
図2、
図3に一例を示すように、カメラ38、距離センサ39と、を備える。
【0022】
カメラ38は、一般的なカメラであればよく、画像、映像を取得する。カメラ38は、制御装置37により撮像の指示を受け、撮像を行う。
【0023】
距離センサ39は、距離センサと撮像の対象物間の距離を測定する。距離センサ39は、例えば既存のカメラ(ビジョンセンサ)、超音波、電磁波、レーザ光等を用いるものであってよく、測定方法も既存の実装を用いればよい。
【0024】
距離センサ39は、一例として、カメラ38の光軸を中心として、およそ対象の位置(
図5の39a、39b)に配されていればよい。
【0025】
距離センサ39(超音波式の例を示す)を用いた距離測定の方法の例を
図5に記す。飛行装置3は、離間した少なくとも2ヶ所に距離センサ39を備える。また、距離センサ39は、超音波を発信する送波器と、超音波を受信する受波器を備える。各距離センサ39は、対象物の垂直面OBに向けて、当該送波器から超音波USを発信し、その超音波が垂直面OBで反射した反射波を当該受波器で受信する。距離センサ39は、超音波USの発信から受信までの時間と音速とに基づき、距離センサ39から垂直面OBまでの距離を継続的に測定し、その距離センサ39から垂直面OBまでの距離を示す信号を、制御装置37の、後述する距離情報取得部312に供給する。なお、各距離センサ39は、飛行装置3において、カメラ38の光軸の方向(図中点線矢印で示す)の対象物までの距離を測定できるように配される。
【0026】
距離センサ39は、超音波を発信する角度を変更してもよい。少なくとも一つの距離センサ39の正面方向に対象物が存在しない場合や任意のタイミングで、例えば、
図6に例を示すように、対象物の端部を撮像する場合に、超音波を発信する角度を変更する。この場合、カメラの光軸の方向(
図6に点線で示す)と平行な線を距離センサ39から垂直面OBに対して引いた場合(
図6に2点鎖線で示す)に、距離センサ39が超音波を発信する角度(θ1、θ2)が所定の差以内になるように、超音波を発信する角度を変更すればよい。
【0027】
距離センサ39はカメラ(ビジョンセンサ)を用いてもよい。距離センサ39は、TOF方式、ステレオカメラを用いた三角測量の原理、ストラクチャードライトを用いた歪みの測定などの原理で深度を測定すればよいが、これらの方法に限定されない。また、この場合、カメラ38が距離センサ39を兼ねていてもよい。なお、カメラを用いて距離を測定する場合にも、任意のタイミングで対象物における距離を測定する位置を変更してもよい。その場合には、例えば
図6において距離センサ39aが距離を測定する位置が点bであった場合、カメラ38の光軸が対象物と交差する点aから点bまでの距離Aと、距離センサ39bが距離を測定する点bと点aの距離Bが、所定の関係になるように、点cが指定されればよい。なお、距離Aと距離Bの差が所定の値以内、例えば、0cm、0.5cm以内、1cm以内、3cm以内、5cm以内の場合などに、距離Aと距離Bが所定の関係であるとすればよい。
【0028】
なお、距離センサ39は、機体31の前後、左右、上下の6方向に対して距離を取得し、制御装置37を通じて、例えば、飛行モータ34によりピッチロータ35の回転速度を変化させ、またサーボモータ36によりピッチロータ35のピッチをそれぞれ変化させることで、衝突防止のために当該距離情報を用いてもよい。また、上下方向の距離情報を取得する複数のビジョンセンサにより取得した距離情報をもとに、機体31の上下方向に光軸を向けたカメラを用いて撮像した画像情報をもとに、
【0029】
図7は、制御装置37の、撮像支援に係る機能構成を示すブロック図である。
図6に示すように、制御装置37は、撮像部311と、距離情報取得部312と、送信部313と、撮像指示取得部314と、画像記憶部331と、距離情報記憶部332と、を含んで構成される。
【0030】
撮像部311は、カメラ38により画像、映像を取得する。撮像部311は、制御装置37が起動後に指示によらず撮像を行ってもよいし、撮像指示取得部314がユーザ端末1から撮像の指示を取得した場合に撮像を行ってもよい。なお、撮像部311は、対象物の映像をユーザ端末1に送信している間に、後述する撮像指示取得部314がユーザ端末1から撮像の支持を取得した場合に、画像を取得してもよいし、撮像指示を取得したタイミングに相当する撮像中の映像のフレームを画像として取得してもよい。撮像部311は、取得した画像、映像を画像記憶部331に記憶する。なお、撮像部311は、取得した画像、映像と、後述する距離情報を紐づけて記憶してもよい。
【0031】
距離情報取得部312は、距離センサ39により、距離センサ39と対象物の垂直面との距離を取得する。距離測定の方法は前述した方法による。距離情報取得部312は、距離情報記憶部332に、当該距離の情報を記憶する。
【0032】
送信部313は、ユーザ端末1に、撮像部311が撮像した映像と、距離情報取得部312が取得した距離情報を送信する。
【0033】
撮像指示取得部314は、ユーザ端末1より、撮像の指示を取得する。撮像部311は、撮像指示取得部314が当該指示を取得した場合に、上述したようにその時点の対象物の画像を取得する。
【0034】
<ユーザ端末1>
図1に示されるように、ユーザ端末1は、飛行装置3と、通信を介して情報処理を実行することにより、撮像支援システムの一部を構成する。ユーザ端末1は、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータであってもよいし、スマートフォン、タブレット等の携帯通信機器等であってもよい。
【0035】
図8に一例を示すように、ユーザ端末1は、プロセッサ101、メモリ102、記憶装置103、通信インタフェース104、入力装置105、出力装置106を備える。記憶装置103は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信インタフェース104は、通信ネットワーク2に接続するためのインタフェースであり、例えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(Universal Serial Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどである。入力装置105は、データを入力する、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどである。出力装置106は、データを出力する、例えばディスプレイ(表示部)やプリンタ、スピーカなどである。なお、後述するユーザ端末1の各処理部はプロセッサ101が記憶装置103に記憶されているプログラムをメモリ102に読み出して実行することにより実現され、ユーザ端末1の各記憶部はメモリ102及び記憶装置103が提供する記憶領域の一部として実現される。
【0036】
図9は、ユーザ端末1の機能構成を示すブロック図である。ユーザ端末1は、画像取得部111と、距離情報取得部112と、画像表示部113と、距離表示部114と、報知部115と、指示情報送信部116と、測定位置変更部117と、の各処理部と、画像記憶部331、距離情報記憶部332と、の各記憶部と、を備える。
【0037】
画像取得部111は、一例として、飛行装置3が取得し、送信した画像を取得する。画像取得部111は、取得した画像を画像記憶部131に記憶する。なお、画像記憶部131は、後述する距離情報取得部112が取得した距離情報を、画像と関連付けて記憶してもよい。
【0038】
距離情報取得部112は、一例として、飛行装置3が取得し、送信した距離情報を取得する。距離情報取得部112は、取得した距離情報を距離情報記憶部132に記憶する。
【0039】
画像表示部113は、一例として、ユーザ端末1が備える表示部に、画像取得部111が取得した画像を表示する。
【0040】
距離表示部114は、一例として、ユーザ端末1が備える表示部に、距離情報取得部112が取得した距離情報を表示する。
【0041】
画像表示部113がユーザ端末1に表示する画像の例を、
図10に示す(画面41)。画像表示部113は、飛行装置3が取得した画像(411)をユーザ端末1に提示する。当該画像と、距離表示部114がユーザ端末1に表示する距離情報(412a、412b)は、
図10のように重畳して表示してもよい。
【0042】
画面41には、距離センサ39が距離を取得した対象物上の位置を示す印(413a、413b)を表示してもよい。位置413aに対応する距離が412aであり、位置413bに対応する距離が412bである。画面41は一例であるので、対象物上の位置は2か所以上あってもよい。
【0043】
画像表示部113は、
図10に一例を示すように、ユーザから撮像の指示を取得するボタン等(413)を、ユーザ端末1に表示してもよい。
【0044】
報知部115は、飛行装置3が同時点に異なる距離センサ39から取得し、ユーザ端末1に送信した、複数の距離情報が所定の関係の場合に、画面の一部または全体に、撮像のタイミングとして適していることを報知する。報知の方法としては、ユーザ端末1の画面にて強調表示を行ったり、ユーザ端末1から所定の音声を発したり、ユーザ端末1を振動させたりしてもよいが、これらに限定されない。報知部は、一例として、
図10の413の撮像指示を入力するボタンの色を変更してもよい。
【0045】
報知部115は、例えば、複数の距離センサ39から、同時点に取得した距離の差が所定の値以内、例えば、1cm以内、3cm以内、5cm以内、10cm以内の場合などに、ユーザ端末1の画面に強調表示をすればよい。強調表示としては、前記ボタンの色の変更や、点滅、拡大、拡大縮小の繰り返しなどであって良いが、これらに限定されない。
【0046】
報知部115は、例えば、
図10の414に示すように、対象物と飛行装置3の正対の度合いを示すことで報知をしてもよい。
図10の414は、例えば5つのゾーンからなり、右から2番目のゾーンに色を付けるなどして強調表示されている。これは、413aと対応する距離センサ間の距離が1.8m(412a)で、413bと対応する距離センサ間の距離が1.75m(412b)であるので、413bに比べて413a側が対象物から離れていること、さらに離れている程度は少しであることを示している。報知部115が、414の真ん中のゾーンに色を付けるなどして強調表示するときは、対象物と飛行装置3がほぼ正対していると言える程度の差しか、413aと対応する距離センサ間の距離と413bと対応する距離センサ間の距離との間にないことを示す。
【0047】
報知部115は、例えば、複数の距離センサ39から、同時点に取得した距離の差が所定の値以内、例えば、1cm以内、3cm以内、5cm以内、10cm以内の場合などに、ユーザ端末1の画面に強調表示をすればよい。強調表示としては、前記ボタンの色の変更(413)や、点滅、拡大、拡大縮小の繰り返しなどであって良いが、これらに限定されない。
【0048】
指示情報送信部116は、ユーザから撮像指示の情報を取得し、飛行装置3に送信する。指示情報送信部116は、画像表示部113がユーザ端末1に提示した、ユーザから撮像の指示を取得するボタン等を、ユーザがタップした場合などに、飛行装置3に撮像の指示を送信すればよい。
【0049】
測定位置変更部117は、距離センサ39が測定する前期観測面の位置を変更する。具体的には、距離センサ39が超音波を発信する角度を、前述した方法で変更する。測定位置変更部117は、画像取得部111が取得した画像を解析し、画面の所定の位置に観測対象がない場合に、測定位置を変更してもよい。また、測定位置変更部117は、複数の距離センサ39が超音波を発信して受波器が受信するまでの時間を測定し、それぞれの時間が所定の時間以上離れている場合に、測定位置を変更してもよい。また、測定位置変更部117は、例えば
図10に示す413a、413bをユーザがタップ可能にユーザ端末1上に提示し、ユーザの操作により画面上の任意の位置に測定位置を変更した場合に、測定位置を変更してもよい。この場合、測定位置変更部117は、例えばユーザが413aの位置を左側に10cmずらした場合、413bを自動的に右側に10cmずらすなどの処理を行ってもよい。
【0050】
図11を用いて、本実施形態の代表的な処理の流れを説明する。飛行装置3の撮像部311が撮像する(3001)。距離情報取得部312が距離情報を取得する(3002)。送信部313は、画像と距離情報をユーザ端末1に送信する(3003)。ユーザ端末1が備える画像取得部111が画像を、距離情報取得部112が距離情報を取得する(1001)。画像表示部113と距離表示部114が画像と距離情報をユーザ端末1に表示する(1002)。報知部115は、距離情報が所定の関係の場合に、撮影のタイミングであることを報知する(1003)。指示情報送信部116が、ユーザ端末1を通じてユーザから撮像の指示を取得し、飛行装置3に送信する(1004)。撮像指示取得部314がユーザ端末1から撮影の指示を受けた場合に、撮像部311が画像を撮像する。(3004)。距離情報取得部312が、撮像部311が画像を撮像した時点の距離情報を取得する(3005)。送信部313が画像と距離情報をユーザ端末1に送信する(3006)。画像取得部111と距離情報取得部112が画像と距離情報を取得する(1005)。画像取得部111と距離情報取得部112が画像と距離情報を紐づけてユーザ端末1に記憶する(1006)。
【0051】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。上述した実施の形態は、本発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良することができると共に、本発明にはその均等物が含まれることは言うまでもない。また、本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0052】
本明細書において説明した装置は、一部または全部がネットワークで接続された複数の装置(例えばクラウドサーバ)等により実現されてもよい。例えば、ユーザ端末1のプロセッサおよび記憶装置は、互いにネットワークで接続された異なるサーバにより実現されてもよい。
【0053】
本明細書において説明した装置による一連の処理は、ソフトウェア、ハードウェア、およびソフトウェアとハードウェアとの組合せのいずれを用いて実現されてもよい。本実施形態に係るユーザ端末1の各機能を実現するためのコンピュータプログラムを作製し、PC等に実装することが可能である。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供することができる。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等である。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信されてもよい。
【0054】
また、本明細書において説明した処理は、必ずしも説明した順序で実行されなくてもよい。いくつかの処理ステップは、並列的に実行されてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
【0055】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【符号の説明】
【0056】
1 ユーザ端末
2 ネットワーク
3 飛行装置
31 機体
32 バッテリ
33 腕
34 飛行モータ
35 ピッチロータ
36 サーボモータ
37 制御装置
38 カメラ
39 距離センサ
101 プロセッサ
102 メモリ
103 記憶装置
104 通信インタフェース
105 入力装置
106 出力装置
111 画像取得部
112 距離情報取得部
113 画像表示部
114 距離表示部
115 報知部
116 指示情報送信部
117 測定位置変更部
131 画像記憶部
132 距離情報記憶部
301 プロセッサ
302 メモリ
303 記憶装置
304 通信インタフェース
305 入力装置
311 撮像部
312 距離情報取得部
313 送信部
314 撮像指示取得部
331 画像記憶部
332 距離情報記憶部