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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125481
(43)【公開日】2024-09-19
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20240911BHJP
【FI】
A63F7/02 304D
A63F7/02 317
A63F7/02 312Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023033318
(22)【出願日】2023-03-06
(71)【出願人】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】110000936
【氏名又は名称】弁理士法人青海国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】関 隆志
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088BC22
2C088EB74
(57)【要約】      (修正有)
【課題】演出効果の低下を抑制することができる遊技機を提供する。
【解決手段】第1領域および第2領域のいずれか一方に進入した遊技球は、第1領域および第2領域のいずれか他方に進入しない。第1領域への遊技球の進入に基づいて第1演出を実行可能であり、第2領域への遊技球の進入に基づいて第2演出を実行可能であり、第3領域への遊技球の進入に基づいて第3演出を実行可能である。第1演出の実行中において、第2領域への遊技球の進入に基づく第2演出を実行可能であり、第2演出の実行中において、第1領域への遊技球の進入に基づく第1演出を不実行とし、第3演出の実行中において、第1領域への遊技球の進入に基づく第1演出、および、第2領域への遊技球の進入に基づく第2演出を不実行とする。
【選択図】図55
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が進入可能な第1領域、第2領域、第3領域を含む遊技領域と、
前記遊技領域への遊技球の進入に基づいて演出を実行する演出実行手段と、
を備え、
前記第1領域および前記第2領域のいずれか一方に進入した遊技球は、前記第1領域および前記第2領域のいずれか他方に進入せず、
前記演出実行手段は、
前記第1領域への遊技球の進入に基づいて第1演出を実行可能であり、
前記第2領域への遊技球の進入に基づいて第2演出を実行可能であり、
前記第3領域への遊技球の進入に基づいて第3演出を実行可能であり、
前記第1演出の実行中において、前記第2領域への遊技球の進入に基づく前記第2演出を実行可能であり、
前記第2演出の実行中において、前記第1領域への遊技球の進入に基づく前記第1演出を不実行とし、
前記第3演出の実行中において、前記第1領域への遊技球の進入に基づく前記第1演出、および、前記第2領域への遊技球の進入に基づく前記第2演出を不実行とする、
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に示されるように、遊技球が特定領域に進入することで大当たりとなる遊技機が知られている。こうした遊技機においては、例えば、遊技球が所定の領域に進入することで演出が実行され、遊技者の期待感と緊張感とが高められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-220311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、遊技球が所定の領域に進入したことに基づいて演出が実行される場合、遊技球が各領域に進入するタイミングによっては、演出効果が低下するおそれがある。
【0005】
本発明は、演出効果の低下を抑制することができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の遊技機は、
遊技球が進入可能な第1領域、第2領域、第3領域を含む遊技領域と、
前記遊技領域への遊技球の進入に基づいて演出を実行する演出実行手段と、
を備え、
前記第1領域および前記第2領域のいずれか一方に進入した遊技球は、前記第1領域および前記第2領域のいずれか他方に進入せず、
前記演出実行手段は、
前記第1領域への遊技球の進入に基づいて第1演出を実行可能であり、
前記第2領域への遊技球の進入に基づいて第2演出を実行可能であり、
前記第3領域への遊技球の進入に基づいて第3演出を実行可能であり、
前記第1演出の実行中において、前記第2領域への遊技球の進入に基づく前記第2演出を実行可能であり、
前記第2演出の実行中において、前記第1領域への遊技球の進入に基づく前記第1演出を不実行とし、
前記第3演出の実行中において、前記第1領域への遊技球の進入に基づく前記第1演出、および、前記第2領域への遊技球の進入に基づく前記第2演出を不実行とする、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、演出効果の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】扉が開放された状態を示す遊技機の斜視図である。
図2】遊技機の正面図である。
図3】遊技盤の正面図である。
図4】役物ユニットの正面図である。
図5】役物ユニットの正面を斜め上方から見た斜視図である。
図6】役物ユニットにおける遊技球の通過ルートを説明する図である。
図7】遊技機の第1のブロック図である。
図8】遊技機の第2のブロック図である。
図9】メインCPUが用いるメモリ領域のアドレスマップである。
図10】特1用小当たり決定乱数判定テーブルを説明する図である。
図11】特2用小当たり決定乱数判定テーブルを説明する図である。
図12】当たり図柄乱数判定テーブルを説明する図である。
図13】リーチグループ決定乱数判定テーブルを説明する図である。
図14】リーチモード決定乱数判定テーブルを説明する図である。
図15】変動パターン乱数判定テーブルを説明する図である。
図16】変動時間決定テーブルを説明する図である。
図17】特別電動役物作動ラムセットテーブルを説明する図である。
図18】大役遊技の終了後の遊技状態を設定するための遊技状態設定テーブルを説明する図である。
図19】当たり決定乱数判定テーブルを説明する図である。
図20】(a)は普通図柄変動時間データテーブルを説明する図であり、(b)は開閉制御パターンテーブルを説明する図である。
図21】遊技機状態フラグを説明する図である。
図22】主制御基板におけるCPU初期化処理を説明する第1のフローチャートである。
図23】主制御基板におけるCPU初期化処理を説明する第2のフローチャートである。
図24】主制御基板におけるサブコマンド群セット処理を説明するフローチャートである。
図25】主制御基板における電源断時退避処理を説明するフローチャートである。
図26】主制御基板におけるタイマ割込み処理を説明するフローチャートである。
図27】主制御基板における設定関連処理を説明するフローチャートである。
図28】主制御基板におけるスイッチ管理処理を説明するフローチャートである。
図29】主制御基板におけるゲート通過処理を説明するフローチャートである。
図30】主制御基板における第1始動口通過処理を説明するフローチャートである。
図31】主制御基板における第2始動口通過処理を説明するフローチャートである。
図32】主制御基板における特別図柄乱数取得処理を説明するフローチャートである。
図33】主制御基板における特定領域通過処理を説明するフローチャートである。
図34】特別遊技管理フェーズを説明する図である。
図35】主制御基板における特別遊技管理処理を説明するフローチャートである。
図36】主制御基板における特別図柄変動待ち処理を説明するフローチャートである。
図37】主制御基板における特別図柄変動番号決定処理を説明するフローチャートである。
図38】主制御基板における特別図柄変動中処理を説明するフローチャートである。
図39】主制御基板における特別図柄停止図柄表示処理を説明するフローチャートである。
図40】主制御基板における大入賞口開放前処理を説明するフローチャートである。
図41】主制御基板における大入賞口開閉切替処理を説明するフローチャートである。
図42】主制御基板における大入賞口開放制御処理を説明するフローチャートである。
図43】主制御基板における大入賞口閉鎖有効処理を説明するフローチャートである。
図44】主制御基板における大入賞口終了ウェイト処理を説明するフローチャートである。
図45】普通遊技管理フェーズを説明する図である。
図46】主制御基板における普通遊技管理処理を説明するフローチャートである。
図47】主制御基板における普通図柄変動待ち処理を説明するフローチャートである。
図48】主制御基板における普通図柄変動中処理を説明するフローチャートである。
図49】主制御基板における普通図柄停止図柄表示処理を説明するフローチャートである。
図50】主制御基板における普通電動役物入賞口開放前処理を説明するフローチャートである。
図51】主制御基板における普通電動役物入賞口開閉切替処理を説明するフローチャートである。
図52】主制御基板における普通電動役物入賞口開放制御処理を説明するフローチャートである。
図53】主制御基板における普通電動役物入賞口閉鎖有効処理を説明するフローチャートである。
図54】主制御基板における普通電動役物入賞口終了ウェイト処理を説明するフローチャートである。
図55】演出の一例を説明する図である。
図56】副制御基板におけるサブCPU初期化処理を説明するフローチャートである。
図57】副制御基板におけるサブタイマ割込み処理を説明するフローチャートである。
図58】副制御基板における役物演出処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照しながら、本発明に係る好適な実施例について詳細に説明する。かかる実施例に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0010】
本発明の実施形態の理解を容易にするため、まず、遊技機の機械的構成および電気的構成を簡単に説明し、その後、各基板における具体的な処理を説明する。
【0011】
図1は、遊技機100の斜視図であり、扉が開放された状態を示している。図示のように、遊技機100は、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成される外枠102と、この外枠102にヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた中枠104と、この中枠104に、ヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた前枠106と、を備えている。
【0012】
中枠104は、外枠102と同様に、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成されており、この囲繞空間に遊技盤108が保持されている。また、前枠106には、ガラス製または樹脂製の透過板110が保持されている。そして、これら中枠104および前枠106を外枠102に対して閉じると、遊技盤108と透過板110とが所定の間隔を維持して略平行に対面するとともに、遊技機100の正面側から、透過板110を介して遊技盤108が視認可能となる。
【0013】
図2は、遊技機100の正面図であり、図3は、遊技盤108の正面図である。ただし、図2においては、遊技盤108が取り外された状態を示している。
【0014】
図2に示すように、前枠106の下部には、遊技機100の正面側に突出する操作ハンドル112が設けられている。この操作ハンドル112は、遊技者が回転操作可能に設けられており、遊技者が操作ハンドル112を回転させて発射操作を行うと、当該操作ハンドル112の回転角度に応じた強度で、不図示の発射機構によって遊技球が発射される。
【0015】
このようにして発射された遊技球は、図3に示すように、遊技盤108に設けられたレール114a、114b間を上昇して遊技領域116に導かれることとなる。
【0016】
遊技領域116は、遊技盤108と透過板110との間隔に形成される空間であって、遊技球が流下または転動可能な領域である。遊技盤108には、多数の釘や風車が設けられており、遊技領域116に導かれた遊技球が釘や風車に衝突して、不規則な方向に流下、転動するようにしている。
【0017】
遊技領域116は、発射機構の発射強度に応じて遊技球の進入度合いを互いに異にする第1遊技領域116aおよび第2遊技領域116bを備えている。第1遊技領域116aは、遊技機100に正対した遊技者から見て遊技領域116の左側に位置し、第2遊技領域116bは、遊技機100に正対した遊技者から見て遊技領域116の右側に位置している。レール114a、114bが遊技領域116の左側にあることから、発射機構によって所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球は第1遊技領域116aに進入し、所定の強度以上の発射強度で発射された遊技球は第2遊技領域116bに進入することとなる。
【0018】
また、遊技領域116には、遊技球が入球可能な一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122が設けられており、これら一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122に遊技球が入球すると、それぞれ所定の賞球が遊技者に払い出される。なお、賞球数は1個以上であれば何個でもよく、また、一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122のそれぞれで払い出す賞球数を異ならせてもよいし、同じ賞球数に設定してもよい。このとき、第1始動口120に遊技球が入球して払い出す賞球数を、第2始動口122に遊技球が入球して払い出す賞球数よりも少なく設定することも可能である。
【0019】
なお、詳しくは後述するが、第1始動口120内には第1始動領域が設けられ、また、第2始動口122内には第2始動領域が設けられている。そして、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球して第1始動領域または第2始動領域に遊技球が進入すると、予め設けられた複数の特別図柄の中からいずれか1の特別図柄を決定するための抽選が行われる。各特別図柄には、遊技者にとって有利な小当たり遊技の実行可否や、以後の遊技状態をどのような遊技状態にするかといった種々の遊技利益が対応付けられている。したがって、遊技者は、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、所定の賞球を獲得するのと同時に、種々の遊技利益を受ける権利獲得の機会を獲得することとなる。
【0020】
第1始動口120は、遊技領域116の下部に2つ設けられている。ここでは、第1遊技領域116aを流下する遊技球が入球可能な位置と、第2遊技領域116bを流下する遊技球が入球可能な位置とに、それぞれ1つの第1始動口120が設けられている。また、第2始動口122は、第1遊技領域116aを流下する遊技球と、第2遊技領域116bを流下する遊技球との双方が入球可能な位置に配置されている。
【0021】
この第2始動口122は、可動片122bを有する可変始動口(始動可変入賞装置)によって構成されており、第2始動口122への遊技球の進入容易性が可変するようになっている。
【0022】
可動片122bは、通常、閉状態に維持されている。可動片122bの閉状態では、第2始動口122の鉛直上方に設けられた構造物により、第2始動口122への遊技球の入球が不可能もしくは困難となっている。
【0023】
これに対して、第1遊技領域116aに設けられたゲート124を遊技球が通過すると、第2始動口122への遊技球の入球が容易となる補助遊技の実行有無が決定される。より詳細には、ゲート124を遊技球が通過したことを条件として、後述する普通図柄の抽選が行われ、この普図抽選によって当たりに当選すると、可動片122bが所定時間、開状態に制御される。可動片122bが開状態となると、当該可動片122bが遊技球を第2始動口122に導く受け皿として機能し、第2始動口122への遊技球の入球が容易となる。
【0024】
また、第2始動口122の下方には、第1大入賞口126が配置されている。第1大入賞口126には、可動片126bが開閉可能に設けられており、通常、可動片126bが第1大入賞口126を閉鎖して、第1大入賞口126への遊技球の入球が不可能となっている。後述する大役遊技が開始されると、可動片126bが開放されて、第1大入賞口126への遊技球の入球が可能となる。
【0025】
そして、遊技盤108の略中央には、役物ユニットUが設けられている。役物ユニットUは、第2大入賞口128を含む。第2大入賞口128には、可動片128bが開閉可能に設けられており、通常、可動片128bが第2大入賞口128を閉鎖して、第2大入賞口128への遊技球の入球が不可能となっている。
【0026】
後述する小当たり遊技が実行されると、可動片128bが開放されて、第2大入賞口128への遊技球の入球が可能となる。なお、遊技盤108の最下部には、排出口130が設けられており、一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122、第1大入賞口126、第2大入賞口128のいずれにも入球しなかった遊技球は、排出口130から遊技領域116の外部に排出される。
【0027】
図4は、役物ユニットUの正面図であり、図5は、役物ユニットUの正面を斜め上方から見た斜視図であり、図6は、役物ユニットUにおける遊技球の通過ルートを説明する図である。図4に示すように、役物ユニットUの上部には、左右に離隔して配置された一対の可動片128bが設けられている。また、一対の可動片128bの上方には、構造物129が設けられている。一対の可動片128b、構造物129、および、役物ユニットUを構成する隔壁によって区画された空間が第2大入賞口128となる。
【0028】
図4に示すように、一対の可動片128bが閉鎖された状態では、可動片128bと構造物129との間の隙間が小さく、第2大入賞口128への遊技球の入球が不可能である。このように、第2大入賞口128の閉状態では、遊技領域116を流下する遊技球は、一対の可動片128b、構造物129、役物ユニットUを構成する隔壁に衝突し、役物ユニットUの周囲を鉛直下方に向けて流下する。
【0029】
一方で、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、特別図柄が決定される。特別図柄には小当たり図柄が設けられており、小当たり図柄が決定されると、小当たり遊技が実行される。小当たり遊技では、可動片128bが短時間開放される。可動片128bの下部には、回転軸が設けられており、図中、左側の可動片128bは、回転軸を中心に反時計回りに約45度回転し、右側の可動片128bは、回転軸を中心に時計回りに約45度回転する。これにより、第2大入賞口128が開状態となり、可動片128bが、第2大入賞口128へ遊技球を導く受け皿として機能する。
【0030】
第2大入賞口128内には、複数の役物装置が設けられている。ここでは、役物装置として、第1役物装置400、第2役物装置420、第3役物装置430、第4役物装置450、第5役物装置460、第6役物装置470が設けられている。役物ユニットUの幅方向の略中央には、第1役物装置400が設けられている。第1役物装置400は、後述する可動モータ400cと、可動モータ400cに接続される振り分け板402とを備える。振り分け板402は板状部材で構成され、第2大入賞口128に入球した遊技球は振り分け板402上を転動する。
【0031】
振り分け板402は、一対の可動片128bの鉛直下方に位置する。第2大入賞口128に入球した遊技球は、必ず、振り分け板402上に落下する。可動モータ400cの出力軸は、振り分け板402の幅方向の略中央に接続されており、可動モータ400cの駆動力により、振り分け板402が所定の角度の範囲内で傾倒する。具体的には、振り分け板402は、右端が左端よりも僅かに鉛直下方に位置する第1の状態と、左端が右端よりも僅かに鉛直下方に位置する第2の状態とに切り替わる。
【0032】
振り分け板402の第1の状態では、振り分け板402上に落下した遊技球が、振り分け板402の右側に向けて転動、流下する。また、振り分け板402の第2の状態では、振り分け板402上に落下した遊技球が、振り分け板402の左側に向けて転動、流下する。
【0033】
第1役物装置400の初期状態では、振り分け板402が水平方向に沿うようにして静止している。そして、小当たり遊技が開始されると、可動モータ400cが通電され、振り分け板402が揺動する。このとき、第2大入賞口128の開放直後には、振り分け板402が第1の状態となるように可動モータ400cが通電される。その後、振り分け板402が第2の状態となるように可動モータ400cが通電される。振り分け板402は、第2大入賞口128の開放直後の僅かな時間のみ第1の状態となり、その後は、小当たり遊技が終了するまで第2の状態に維持される。
【0034】
したがって、小当たり遊技の開始直後に第2大入賞口128に入球した遊技球は、振り分け板402によって役物ユニットUの右側に振り分けられる。一方、小当たり遊技の開始後、所定時間が経過してから第2大入賞口128に入球した遊技球は、振り分け板402によって役物ユニットUの左側に振り分けられる。
【0035】
ただし、第1役物装置400の制御、すなわち、振り分け板402の姿勢の制御内容はこれに限らない。例えば、振り分け板402が第1の状態と第2の状態とを定期的に繰り返すように、可動モータ400cが通電制御されてもよい。また、振り分け板402が第1の状態に維持される時間と、振り分け板402が第2の状態に維持される時間との割合は適宜設定可能である。
【0036】
振り分け板402の左下方には、通常通路410が設けられている。通常通路410は、遊技球が転動可能に形成された通路であり、振り分け板402の左端から流下した遊技球を鉛直下方に導く。なお、通常通路410は、遊技球の流下速度を低減させるように、左右方向や奥行方向に部分的に蛇行した形状となっている。また、通常通路410には、通常通路検出スイッチ410sが設けられている。通常通路検出スイッチ410sは、通常通路410を流下する遊技球を検出する。通常通路検出スイッチ410sは、通常通路410の途中に設けられており、通常通路検出スイッチ410sによって検出された遊技球は、さらに、所定時間をかけて鉛直下方に向けて流下する。
【0037】
ここで、図6に示すように、通常通路410の下流側には、第2役物装置420が設けられている。第2役物装置420は、プッシュソレノイド420c(図7参照)と、プッシュソレノイド420cに接続されたプッシュロッド422とを備える。また、通常通路410の下流側には、遊技盤108の幅方向に貫通する貫通孔410aが形成されている。プッシュロッド422は、通常、貫通孔410aから退避した退避位置に静止している。一方で、第2役物装置420は、小当たり遊技中、所定間隔でプッシュソレノイド420cを通電する。プッシュソレノイド420cが通電されると、プッシュロッド422が貫通孔410a内に突出する。
【0038】
つまり、小当たり遊技中、プッシュロッド422は、所定間隔で貫通孔410a内に突出する。通常通路410を流下する遊技球のうち、プッシュロッド422に衝突しなかった遊技球は、通常通路410を鉛直方向に落下し、非特定領域500を通過して、第2大入賞口128の外部に排出される。一方、プッシュロッド422が貫通孔410a内に突出した際に、通常通路410内を流下する遊技球がプッシュロッド422に衝突すると、貫通孔410aから通常通路410の右側、すなわち、遊技盤108の幅方向の中央側に遊技球がはじき出される。プッシュロッド422によって貫通孔410aからはじき出された遊技球は、第3役物装置430に導かれる。
【0039】
図5に示すように、第3役物装置430は、役物ユニットUの幅方向の略中央に位置する。第3役物装置430は、第1回転体モータ430c(図7参照)と、第1回転体モータ430cに接続された第1回転体432とを備える。第1回転体432は、遊技機100の稼働中、常時、一定速度で一定方向に回転する。ただし、第1回転体432は、小当たり遊技中にのみ回転してもよい。また、第1回転体432は、回転中に速度が変化してもよい。
【0040】
第1回転体432には、径方向に開口する複数の収容部434が設けられている。複数の収容部434は、回転方向に配列されており、プッシュロッド422によって貫通孔410aからはじき出された遊技球は、第1回転体432のいずれかの収容部434に収容される。収容部434に収容された遊技球は、第1回転体432の回転方向に移動する。
【0041】
ここで、収容部434は、図6に示すように、ハズレ収容部434a、V収容部434b、リプレイ収容部434cに分類される。ここでは、V収容部434bおよびリプレイ収容部434cが1つずつ設けられ、それ以外の収容部434が全てハズレ収容部434aとなっている。
【0042】
また、第1回転体432の径方向外側には、リプレイ通路440が設けられており、第1回転体432の鉛直下方には、図中破線で示す非特定領域500および特定領域502が設けられている。ハズレ収容部434aに収容された遊技球は、必ず、非特定領域500に導かれる。また、V収容部434bに収容された遊技球は、必ず、特定領域502に導かれる。また、リプレイ収容部434cに収容された遊技球は、必ず、リプレイ通路440に導かれる。
【0043】
なお、例えば、ハズレ収容部434aおよびV収容部434bは、径方向の長さが互いに異なる。また、非特定領域500および特定領域502は、第1回転体432の径方向の位置が互いに異なる。そして、ハズレ収容部434aに収容された遊技球は、特定領域502から径方向にずれた位置を通過し、非特定領域500の直上を通過するように構成される。また、V収容部434bに収容された遊技球は、特定領域502の直上を通過するように構成される。このようにすることで、ハズレ収容部434aに収容された遊技球が必ず非特定領域500に導かれ、V収容部434bに収容された遊技球が必ず特定領域502に導かれるようにすることができる。
【0044】
また、例えば、リプレイ収容部434cは、ハズレ収容部434aおよびリプレイ収容部434cよりも、鉛直方向の深さが浅く形成され、リプレイ収容部434cの底面が、リプレイ通路440の底面と面一となるように構成されている。そして、リプレイ収容部434cがリプレイ通路440と対向したときに、リプレイ収容部434cからリプレイ通路440に遊技球が転がり落ちるようにする。一方、ハズレ収容部434aおよびV収容部434bに収容された遊技球は、リプレイ通路440との間の段差により、転がり落ちることなくリプレイ通路440を通過する。これにより、リプレイ収容部434cに収容された遊技球のみが、リプレイ通路440に導かれる。
【0045】
なお、上記した第1回転体432の構成は一例に過ぎない。いずれにしても、第1回転体432の収容部434に収容された遊技球が、リプレイ通路440、非特定領域500、特定領域502のいずれかに導かれればよく、その構成は特に限定されない。なお、ここでは、第1回転体432からリプレイ通路440に遊技球が導かれることとしたが、リプレイ通路440は必須ではない。
【0046】
リプレイ通路440の下流には、第4役物装置450が設けられている。第4役物装置450は、昇降モータ450c(図7参照)と、昇降モータ450cに接続された昇降部材452と、通路構成部材454とを含む。通路構成部材454は、内径が遊技球の直径よりも大きい円筒状の部材で構成され、鉛直方向に延在する。昇降部材452は、通路構成部材454内に設けられ、昇降モータ450cの駆動力により、通路構成部材454を鉛直上方に向けて移動する。
【0047】
通路構成部材454の下部には、リプレイ通路440に開口する孔が形成されており、第1回転体432からリプレイ通路440に導かれた遊技球が、通路構成部材454内に進入する。昇降部材452は、通常、リプレイ通路440よりも下方で静止しており、リプレイ通路440から通路構成部材454内に進入した遊技球が、昇降部材452上に載置される。
【0048】
第4役物装置450には、昇降部材452上に載置された遊技球を検出するリプレイ通路検出スイッチ450sが設けられている。リプレイ通路検出スイッチ450sによって遊技球が検出されると、昇降部材452を鉛直上方に上昇させるように、昇降モータ450cが駆動される。そして、昇降部材452が、図中破線で示すように、通路構成部材454の上端に到達すると、昇降部材452上の遊技球が第5役物装置460に向けて転動する。
【0049】
第5役物装置460は、第2回転体モータ460c(図7参照)と、第2回転体モータ460cに接続された第2回転体462とを備える。第2回転体462は、遊技機100の稼働中、常時、一定速度で一定方向に回転する。ただし、第2回転体462は、小当たり遊技中にのみ回転してもよい。また、第2回転体462は、回転中に速度が変化してもよい。
【0050】
第2回転体462には、径方向に開口する複数の収容部464が設けられている。複数の収容部464は、回転方向に配列されており、昇降部材452から転がり落ちた遊技球は、第2回転体462のいずれかの収容部464に収容される。収容部464に収容された遊技球は、第2回転体462の回転方向に移動する。
【0051】
ここで、収容部464は、図6に示すように、ハズレ収容部464aおよびV収容部464bに分類される。ここでは、V収容部464bが1つ設けられ、それ以外の収容部464が全てハズレ収容部464aとなっている。
【0052】
また、第2回転体462の背面側には、図中破線で示す非特定領域500および特定領域502が設けられている。ハズレ収容部464aに収容された遊技球は、必ず、非特定領域500に導かれる。また、V収容部464bに収容された遊技球は、必ず、特定領域502に導かれる。なお、ハズレ収容部464aに収容された遊技球が非特定領域500に導かれ、V収容部464bに収容された遊技球が特定領域502に導かれる構成は上記と同様である。
【0053】
ここで、小当たり遊技において、第2大入賞口128に入球した遊技球が特定領域502に進入すると、二種大当たりとなる。二種大当たりに当選すると、小当たり遊技に続いて大役遊技が実行される。大役遊技では、第1大入賞口126が開放されるラウンド遊技が複数回実行される。一方、非特定領域500に遊技球が進入した場合には、ハズレとなり、第2大入賞口128から全ての遊技球が排出されたところで小当たり遊技が終了する。
【0054】
本実施形態では、第2回転体462に2つのハズレ収容部464aと、1つのV収容部464bとが設けられている。したがって、上記したように、第1回転体432のリプレイ収容部434cに遊技球が収容された場合、1/3の確率で二種大当たりとなる。
【0055】
また、振り分け板402の右下方であって、かつ、第5役物装置460の上方には、第6役物装置470が設けられている。第6役物装置470は、ギアモータ470c(図7参照)と、ギアモータ470cに接続された第1ギア472および第2ギア474を含む。第1ギア472および第2ギア474は、遊技機100の稼働中、常時、一定の速度で回転している。ただし、第1ギア472および第2ギア474は、小当たり遊技中にのみ回転してもよい。また、第1ギア472および第2ギア474は、回転中に速度が変化してもよい。
【0056】
第1ギア472および第2ギア474の外周には、遊技球を収容する溝が複数形成されている。振り分け板402の右端から落下した遊技球は、第1ギア472に導かれる。第1ギア472に導かれた遊技球は、第1ギア472の回転に伴って、第1ギア472の回転方向に移動する。そして、第1ギア472の溝から自重によって落下した遊技球は、第2ギア474の溝に収容される。第2ギア474に導かれた遊技球は、第2ギア474の回転に伴って、第2ギア474の回転方向に移動する。そして、第2ギア474の溝から自重によって落下した遊技球は、第5役物装置460のいずれかの収容部464に収容される。
【0057】
したがって、振り分け板402によって、右側に遊技球が振り分けられた場合、二種大当たりに当選する確率は1/3となる。これに対して、振り分け板402によって、左側に遊技球が振り分けられた場合、まず、第2役物装置420によって、非特定領域500もしくは第3役物装置430に遊技球が振り分けられる。なお、第2役物装置420によって第3役物装置430に遊技球が振り分けられる確率は、例えば、1/2から1/10である。
【0058】
そして、第3役物装置430の第1回転体432には、V収容部434bおよびリプレイ収容部434cが1つずつ設けられているのに対して、ハズレ収容部434aが4つ設けられている。したがって、第3役物装置430において、特定領域502に遊技球が進入して二種大当たりに当選する確率は1/6である。また、第3役物装置430においてリプレイ収容部434cに遊技球が収容され、かつ、この遊技球が第5役物装置460において、特定領域502に進入する確率は1/6×1/3=1/18である。
【0059】
以上からも明らかなように、本実施形態では、第1役物装置400によって右側に遊技球が振り分けられた場合には、第1役物装置400によって左側に遊技球が振り分けられた場合よりも、二種大当たりの当選確率が高い。小当たり遊技中、遊技者は、特定領域502に遊技球が進入することを切望しながら遊技球を見守るが、特に、第1役物装置400によって右側に遊技球が振り分けられた場合には、遊技者の期待感が高まることとなる。
【0060】
なお、図4に示すように、役物ユニットUの中央には、遊技機100の奥行方向に貫通する孔が形成されている。そして、役物ユニットUの背面側には、演出表示装置200のメイン演出表示部200aが設けられている。したがって、メイン演出表示部200aは、遊技盤108の略中央部分において、遊技機100の正面側から視認可能に配置されている。このメイン演出表示部200aには、さまざまな演出用の画像が表示される。
【0061】
また、図2に示すように、遊技機100には、演出照明装置204、音声出力装置206、演出ボタン208が設けられている。演出照明装置204は、遊技中、種々の演出に合わせて点灯制御される。また、音声出力装置206は、前枠106の上部位置や外枠102の最下部位置に設けられ、メイン演出表示部200aに表示される画像等に合わせて、遊技機100の正面側に向けてさまざまな音声を出力する。
【0062】
演出ボタン208は、遊技者の押下操作を受け付けるボタンで構成され、遊技機100の幅方向略中央位置であって、かつ、透過板110よりも下方位置に設けられている。この演出ボタン208は、メイン演出表示部200aに表示される画像等に合わせて有効化されるものであり、操作有効時間内に遊技者の操作を受け付けると、当該操作に応じて、さまざまな演出が実行される。
【0063】
なお、図中符号132は、遊技機100から払い出される賞球や、遊技球貸出装置から貸し出される遊技球が導かれる上皿であり、この上皿132が遊技球で一杯になると、遊技球は下皿134に導かれることとなる。また、この下皿134の底面には、当該下皿134から遊技球を排出するための球抜き孔(不図示)が形成されている。この球抜き孔は、通常、開閉板(不図示)によって閉じられているが、球抜きつまみ134aを押し込ませることにより、当該球抜きつまみ134aと一体となって開閉板がスライドし、球抜き孔から下皿134の下方に遊技球を排出することが可能となっている。
【0064】
また、図3に示すように、遊技盤108には、遊技領域116の外方であって、かつ、遊技者が視認可能な位置に、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170が設けられている。これら各表示器160~170は、遊技に係る種々の状況を表示するための装置であるが、その詳細については後述する。
【0065】
(制御手段の内部構成)
図7は、遊技の進行を制御する制御手段の内部構成を示す第1のブロック図であり、図8は、遊技の進行を制御する制御手段の内部構成を示す第2のブロック図である。
【0066】
主制御基板300は遊技の基本動作を制御する。この主制御基板300は、メインCPU300a、メインROM300b、メインRAM300cを備えている。メインCPU300aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM300bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。メインRAM300cは、メインCPU300aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0067】
遊技機100は、主に第1始動口120または第2始動口122への遊技球の入球によって開始される特別遊技と、ゲート124を遊技球が通過することによって開始される普通遊技とに大別される。そして、主制御基板300のメインROM300bには、特別遊技および普通遊技を進行するための種々のプログラムや、各種の遊技に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
【0068】
上記主制御基板300には、一般入賞口118に遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出スイッチ118s、第1始動口120に遊技球が入球したことを検出する第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口122に遊技球が入球したことを検出する第2始動口検出スイッチ122s、ゲート124を遊技球が通過したことを検出するゲート検出スイッチ124s、第1大入賞口126に遊技球が入球したことを検出する第1大入賞口検出スイッチ126s、第2大入賞口128に遊技球が入球したことを検出する第2大入賞口検出スイッチ128s、遊技領域116から排出された遊技球を検出するアウト球検出スイッチ130s、非特定領域500に遊技球が進入したことを検出する非特定領域検出スイッチ500s、特定領域502に遊技球が進入したことを検出する特定領域検出スイッチ502sが接続されており、これら各検出スイッチから主制御基板300に検出信号が入力されるようになっている。
【0069】
なお、遊技盤108の背面には合流通路が設けられており、一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122、第1大入賞口126、第2大入賞口128にそれぞれ入球した遊技球と、排出口130から背面側に導かれた遊技球とが合流通路で合流して、遊技場の設備に導かれるように構成されている。アウト球検出スイッチ130sは、合流通路に設けられており、遊技領域116から排出された全ての遊技球、換言すれば、遊技領域116に発射された全ての遊技球が、アウト球検出スイッチ130sによって検出される。
【0070】
また、主制御基板300には、第2始動口122の可動片122bを作動させる普通電動役物ソレノイド122c、第1大入賞口126を開閉する可動片126bを作動させる第1大入賞口ソレノイド126c、第2大入賞口128を開閉する可動片128bを作動させる第2大入賞口ソレノイド128c、振り分け板402を揺動させる可動モータ400c、プッシュロッド422を作動させるプッシュソレノイド420c、第1回転体432を回転させる第1回転体モータ430c、昇降部材452を昇降させる昇降モータ450c、第2回転体462を回転させる第2回転体モータ460c、第1ギア472を回転させるギアモータ470cが接続されており、主制御基板300によって、第2始動口122、第1大入賞口126、第2大入賞口128の開閉制御、および、振り分け板402、プッシュロッド422、第1回転体432、昇降部材452、第2回転体462、第1ギア472の可動制御がなされるようになっている。
【0071】
さらに、主制御基板300には、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170が接続されており、主制御基板300によって、これら各表示器の表示制御がなされるようになっている。
【0072】
また、遊技機100には、電波を検知する電波検知センサ、磁気を検知する磁気検知センサ、中枠104や前枠106の開放状態を検知する扉開放センサ等、異常または不正の可能性があることを検知する異常検知センサ174が複数設けられており、各異常検知センサ174から主制御基板300に異常検知信号が入力されるように構成されている。
【0073】
さらに、遊技盤108の背面には、設定変更スイッチ180sが設けられている。設定変更スイッチ180sは、専用の鍵によってアクセス可能に構成されている。設定変更スイッチ180sがオンしていることを条件として、設定値を変更、確認する操作が可能となる。詳しくは後述するが、遊技機100は、有利度合いが異なる6段階の設定値のいずれかが設定値バッファに登録設定値として記憶され、記憶されている登録設定値に応じて遊技が進行する。
【0074】
また、遊技盤108の背面には、RAMクリアボタンが押下操作可能に設けられており、このRAMクリアボタンの押下操作がRAMクリアスイッチ182sによって検出される。RAMクリアスイッチ182sは主制御基板300に接続されており、RAMクリアスイッチ182sから主制御基板300にRAMクリア操作信号が入力される。電源投入時にRAMクリアスイッチ182sからRAMクリア操作信号が入力されている場合、メインCPU300aは、メインRAM300cをクリアする。
【0075】
また、遊技盤108の背面には、性能表示モニタ184が設けられている。主制御基板300により、性能表示モニタ184に登録設定値やベース比率が表示される。
【0076】
また、主制御基板300には、払出制御基板310および副制御基板330が接続されている。
【0077】
図8に示すように、払出制御基板310は、遊技球を発射させるための制御、および、賞球を払い出すための制御を行う。この払出制御基板310も、CPU、ROM、RAMを備えており、主制御基板300に対して双方向に通信可能に接続されている。この払出制御基板310には遊技情報出力端子板312が接続されており、主制御基板300から出力される遊技進行上の種々の情報が、払出制御基板310および遊技情報出力端子板312を介して、遊技店のホールコンピュータ等に出力されることとなる。
【0078】
また、払出制御基板310には、貯留部に貯留された遊技球を賞球として遊技者に払い出すための払出モータ314が接続されている。払出制御基板310は、主制御基板300から送信された払出個数指定コマンドに基づいて払出モータ314を制御して所定の賞球を遊技者に払い出すように制御する。このとき、払い出された遊技球数が払出球計数スイッチ316sによって検出され、払い出すべき賞球が遊技者に払い出されたかが把握されるようになっている。
【0079】
また、払出制御基板310には、下皿134の満タン状態を検出する皿満タン検出スイッチ318sが接続されている。この皿満タン検出スイッチ318sは、賞球として払い出される遊技球を下皿134に導く通路に設けられており、当該通路を遊技球が通過するたびに、遊技球検出信号が払出制御基板310に入力されるようになっている。
【0080】
そして、下皿134に所定量以上の遊技球が貯留されて満タン状態になると、下皿134に向かう通路内に遊技球が滞留し、皿満タン検出スイッチ318sから払出制御基板310に向けて、遊技球検出信号が連続的に入力される。払出制御基板310は、遊技球検出信号が所定時間連続して入力された場合に、下皿134が満タン状態であると判断し、皿満タンコマンドを主制御基板300に送信する。一方、皿満タンコマンドを送信した後、遊技球検出信号の連続入力が途絶えた場合には、満タン状態が解除されたと判断し、皿満タン解除コマンドを主制御基板300に送信する。
【0081】
また、払出制御基板310には、発射制御回路320が双方向に通信可能に接続されている。この発射制御回路320は、払出制御基板310から発射制御データを受信すると発射の許可を行う。この発射制御回路320には、操作ハンドル112に設けられ、当該操作ハンドル112に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ112sと、操作ハンドル112の操作角度を検出する操作ボリューム112aと、が接続されている。そして、タッチセンサ112sおよび操作ボリューム112aから信号が入力されると、発射制御回路320において、遊技球発射装置に設けられた発射用ソレノイド112cを通電して遊技球を発射させる制御がなされる。
【0082】
副制御基板330は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この副制御基板330は、サブCPU330a、サブROM330b、サブRAM330c、RTC330dを備えており、主制御基板300に対して、当該主制御基板300から副制御基板330への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU330aは、主制御基板300から送信されたコマンドやタイマからの入力信号等に基づいて、サブROM330bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、演出を実行制御する。このとき、サブRAM330cは、サブCPU330aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0083】
具体的には、副制御基板330は、上記メイン演出表示部200aに画像を表示させる画像表示制御を行う。サブROM330bには、メイン演出表示部200aに表示される種々の画像データが多数格納されており、サブCPU330aが、画像データをサブROM330bから不図示のVRAMに読み出して、メイン演出表示部200aの画像表示を制御する。
【0084】
また、副制御基板330は、演出用の可動装置である演出役物装置202を可動したり、演出照明装置204を点灯制御したりするとともに、音声出力装置206から音声を出力させる音声出力制御を行う。さらには、演出ボタン208が押下操作されたことを検出する演出ボタン検出スイッチ208sから操作検出信号が入力された際に、所定の演出を実行する。
【0085】
また、副制御基板330には、通常通路検出スイッチ410s、リプレイ通路検出スイッチ450s、SPルート検出スイッチ470sが接続されている。通常通路検出スイッチ410sは、通常通路410に設けられ、通常通路410に導かれた遊技球を検出する。リプレイ通路検出スイッチ450sは、リプレイ通路440に導かれた遊技球を検出する。なお、リプレイ通路検出スイッチ450sは、リプレイ通路440を転動する遊技球を検出可能な位置に設けられればよく、例えば、リプレイ通路440上に設けられてもよいし、通路構成部材454内に設けられてもよい。SPルート検出スイッチ470sは、振り分け板402から右側、すなわち、第6役物装置470側に落下した遊技球を検出する(図6参照)。なお、SPルート検出スイッチ470sは、第6役物装置470を介して第5役物装置460に到達する遊技球を検出可能な位置に配置されればよい。
【0086】
また、ここでは、通常通路検出スイッチ410s、リプレイ通路検出スイッチ450s、SPルート検出スイッチ470sが副制御基板330に接続されている。ただし、通常通路検出スイッチ410s、リプレイ通路検出スイッチ450s、SPルート検出スイッチ470sは、主制御基板300に接続されてもよい。
【0087】
なお、各基板には、不図示の電源基板が接続されており、電源基板を介して商用電源から各基板に電力供給がなされている。また、電源基板にはコンデンサからなるバックアップ電源が設けられている。副制御基板330に設けられたRTC330dは、このバックアップ電源から電源供給を受けて現在時刻を計時する。
【0088】
図9は、メインCPU300aが用いるメモリ領域のアドレスマップである。なお、図9において、アドレスは16進数で示しており、「H」は16進数であることを示している。図9に示すように、メインCPU300aが用いるメモリ領域は、メインROM300bに割り当てられたメモリ領域(0000H~2FFFH)と、メインRAM300cに割り当てられたメモリ領域(F000H~F3FFH)とを含んでいる。
【0089】
メインROM300bのメモリ領域は、遊技の進行を制御するためのプログラムおよびデータを格納する使用領域(0000H~1A7AH)と、使用領域以外の領域であって、遊技機規則で定める試験を行うための処理や、性能表示モニタ184を表示するための処理(性能表示モニタ184に表示するベース比率を算出するための処理を含む)を実行するためのプログラムおよびデータを格納する使用外領域(2000H~2BFFH)とが設けられている。
【0090】
メインROM300bの使用領域には、遊技の進行を制御するためのプログラムが格納されるプログラム領域(0000H~0A89H)、未使用領域(0A8AH~0FFFH)、プログラム以外のデータが格納されるデータ領域(1000H~1A7AH)が設けられている。なお、使用領域は、未使用領域(0A8AH~0FFFH)を含めないようにしてもよい。
【0091】
メインROM300bの使用外領域には、遊技機規則で定める試験を行うための処理や、性能表示モニタ184を表示するための処理を実行するためのプログラムが格納されるプログラム領域(2000H~27FFH)、これらのプログラム以外のデータが格納されるデータ領域(2800H~2BFFH)が設けられている。
【0092】
また、メインROM300bのメモリ領域には、使用領域および使用外領域以外にも、未使用領域(1A7BH~1DFFH)、プログラムのタイトル、バージョン等の任意のデータが格納されるROMコメント領域(1E00H~1EFFH)、未使用領域(1F00H~1FFFH)、未使用領域(2C00H~2FBFH)、メインCPU300aがプログラムを実行するために必要な情報が格納されるプログラム管理領域(2FC0H~2FFFH)が設けられている。
【0093】
メインRAM300cのメモリ領域は、遊技の進行を制御するためのプログラムが実行されている際に一時的に用いられる使用領域(F000H~F1FFH)と、使用領域以外の領域であって、遊技機規則で定める試験を行うための処理や、性能表示モニタ184を表示するための処理のプログラムが実行されている際に一時的に用いられる使用外領域(F210H~F228H)とが設けられている。
【0094】
メインRAM300cの使用領域には、遊技の進行を制御するためのプログラムが実行されている際に一時的に用いられるワーク領域(F000H~F12AH)、未使用領域(F12BH~F1D7H)、遊技の進行を制御するためのプログラムの実行中にデータを一時的に退避させるスタック領域(F1D8H~F1FFH)が設けられている。なお、使用領域は、未使用領域(F12BH~F1D7H)を含めないようにしてもよい。
【0095】
メインRAM300cの使用外領域には、遊技機規則で定める試験を行うための処理や、性能表示モニタ184を表示するための処理のプログラムが実行されている際に一時的に用いられるワーク領域(F210H~F21FH)、これらのプログラムが実行されている際にデータを一時的に退避させるスタック領域(F220H~F228H)が設けられている。
【0096】
また、メインRAM300cのメモリ領域には、使用領域および使用外領域以外にも、未使用領域(F200H~F20FH)、未使用領域(F229H~F3FFH)が設けられている。
【0097】
このように、メインROM300bおよびメインRAM300cでは、遊技の進行を制御するために用いられる使用領域と、遊技機規則で定める試験を行うための処理や、性能表示モニタ184の表示制御をするための処理を実行するために用いられる使用外領域とが分かれて設けられている。
【0098】
そして、メインRAM300cでは、使用領域と使用外領域との間に、16バイトの未使用領域(F200H~F20FH)が設けられている。この未使用領域(F200H~F20FH)は、使用領域および使用外領域を分ける境界領域として設定されており、使用領域と使用外領域との境界が明確となり、遊技の進行を制御するためのプログラムが実行されている際に使用外領域が用いられること、および、遊技機規則で定める試験を行うための処理や、性能表示モニタ184の表示制御をするための処理のプログラムが実行されている際に使用領域が用いられることを防止している。
【0099】
なお、使用領域と使用外領域との間に設けられる未使用領域は、少なくとも1バイト以上であればよく、不正防止の観点から、4バイト以上であることが望ましく、16バイト以上に設定されることがより望ましい。また、未使用領域は、データの書き込みおよび読み出しが禁止されているが、不正防止の観点から、所定のタイミングでクリアするようにしてもよい。
【0100】
次に、遊技機100における遊技について、メインROM300bに記憶されている各種テーブルと併せて説明する。
【0101】
前述したように、遊技機100は、特別遊技と普通遊技の2種類の遊技が並行して進行するものであり、これら両遊技を進行する際の遊技状態として、非時短遊技状態または時短遊技状態のいずれかの遊技状態にて遊技が進行する。
【0102】
各遊技状態の詳細については後述するが、非時短遊技状態というのは、可動片122bが開状態になりにくく、第2始動口122に遊技球が入球しにくい遊技状態であり、時短遊技状態というのは、非時短遊技状態よりも可動片122bが開状態になりやすく、第2始動口122に遊技球が入球しやすい遊技状態である。なお、遊技機100の初期状態は、非時短遊技状態に設定される。
【0103】
遊技者が操作ハンドル112を操作して遊技領域116に遊技球を発射させるとともに、遊技領域116を流下する遊技球が第1始動口120または第2始動口122に入球すると、遊技者に遊技利益を付与するか否かの抽選(以下、「大役抽選」という)が行われる。この大役抽選において、小当たりに当選すると、第1大入賞口126または第2大入賞口128が開放されるとともに当該第1大入賞口126または第2大入賞口128への遊技球の入球が可能となる小当たり遊技が実行される。以下では、大役抽選方法について説明する。
【0104】
なお、詳しくは後述するが、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、大役抽選に係る種々の乱数値(小当たり決定乱数、当たり図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数)が取得されるとともに、これら各乱数値がメインRAM300cの特図保留記憶領域に記憶される。以下では、第1始動口120に遊技球が入球して特図保留記憶領域に記憶された種々の乱数を総称して特1保留とよび、第2始動口122に遊技球が入球して特図保留記憶領域に記憶された種々の乱数を総称して特2保留と呼ぶ。
【0105】
メインRAM300cの特図保留記憶領域は、第1特図保留記憶領域と第2特図保留記憶領域とを備えている。第1特図保留記憶領域および第2特図保留記憶領域は、それぞれ4つの記憶部(第1~第4記憶部)を有している。そして、第1始動口120に遊技球が入球すると、特1保留を第1特図保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶し、第2始動口122に遊技球が入球すると、特2保留を第2特図保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶する。
【0106】
例えば、第1始動口120に遊技球が入球したとき、第1特図保留記憶領域の第1記憶部~第4記憶部のいずれにも保留が記憶されていない場合には、第1記憶部に特1保留を記憶する。また、例えば、第1記憶部~第3記憶部に特1保留が記憶されている状態で、第1始動口120に遊技球が入球した場合には、特1保留を第4記憶部に記憶する。また、第2始動口122に遊技球が入球した場合にも、上記と同様に、第2特図保留記憶領域の第1記憶部~第4記憶部の中で、特2保留が記憶されていない、最も番号(序数)の小さい記憶部に特2保留が記憶される。
【0107】
ただし、第1特図保留記憶領域および第2特図保留記憶領域に記憶可能な特1保留数(X1)および特2保留数(X2)は、それぞれ4つに設定されている。したがって、例えば、第1始動口120に遊技球が入球したときに、第1特図保留記憶領域に既に4つの特1保留が記憶されている場合には、当該第1始動口120への遊技球の入球によって新たに特1保留が記憶されることはない。同様に、第2始動口122に遊技球が入球したときに、第2特図保留記憶領域に既に4つの特2保留が記憶されている場合には、当該第2始動口122への遊技球の入球によって新たに特2保留が記憶されることはない。
【0108】
図10は、特1用小当たり決定乱数判定テーブルを説明する図である。第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0~65535の範囲内から1つの小当たり決定乱数が取得される。そして、大役抽選を開始するときに読み出された保留種別に応じて小当たり決定乱数判定テーブルが選択され、当該選択された小当たり決定乱数判定テーブルと取得された小当たり決定乱数とによって大役抽選が行われる。
【0109】
特1保留について大役抽選を開始する場合には、特1用小当たり決定乱数判定テーブルが参照される。ここで、実施例では、有利度合いを異にする6段階の設定値が設けられており、特1用小当たり決定乱数判定テーブルは、設定値ごとに設けられている。遊技中は、設定値が6段階のうちのいずれかに設定されており、現在設定されている設定値(設定値バッファに記憶されている登録設定値)に対応する特1用小当たり決定乱数判定テーブルを参照して大役抽選が行われる。
【0110】
設定値=1に設定されている場合(登録設定値=1)には、図10(a)に示す特1用小当たり決定乱数判定テーブルaを参照して大役抽選が行われる。この特1用小当たり決定乱数判定テーブルaによれば、小当たり決定乱数が20001~20555であった場合に小当たりと判定し、その他の小当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の小当たり確率は約1/118.0となる。
【0111】
また、設定値=2に設定されている場合(登録設定値=2)には、図10(b)に示す特1用小当たり決定乱数判定テーブルbを参照して大役抽選が行われる。この特1用小当たり決定乱数判定テーブルbによれば、小当たり決定乱数が20001~20575であった場合に小当たりと判定し、その他の小当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の小当たり確率は約1/113.9となる。
【0112】
また、設定値=3に設定されている場合(登録設定値=3)には、図10(c)に示す特1用小当たり決定乱数判定テーブルcを参照して大役抽選が行われる。この特1用小当たり決定乱数判定テーブルcによれば、小当たり決定乱数が20001~20595であった場合に小当たりと判定し、その他の小当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の小当たり確率は約1/110.1となる。
【0113】
また、設定値=4に設定されている場合(登録設定値=4)には、図10(d)に示す特1用小当たり決定乱数判定テーブルdを参照して大役抽選が行われる。この特1用小当たり決定乱数判定テーブルdによれば、小当たり決定乱数が20001~20615であった場合に小当たりと判定し、その他の小当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の小当たり確率は約1/106.5となる。
【0114】
また、設定値=5に設定されている場合(登録設定値=5)には、図10(e)に示す特1用小当たり決定乱数判定テーブルeを参照して大役抽選が行われる。この特1用小当たり決定乱数判定テーブルeによれば、小当たり決定乱数が20001~20635であった場合に小当たりと判定し、その他の小当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の小当たり確率は約1/103.2となる。
【0115】
また、設定値=6に設定されている場合(登録設定値=6)には、図10(f)に示す特1用小当たり決定乱数判定テーブルfを参照して大役抽選が行われる。この特1用小当たり決定乱数判定テーブルfによれば、小当たり決定乱数が20001~20655であった場合に小当たりと判定し、その他の小当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の小当たり確率は約1/100.0となる。
【0116】
図11は、特2用小当たり決定乱数判定テーブルを説明する図である。特2保留について大役抽選を開始する場合には、特2用小当たり決定乱数判定テーブルが参照される。特2用小当たり決定乱数判定テーブルも、特1用小当たり決定乱数判定テーブルと同様に設定値ごとに設けられている。
【0117】
設定値=1に設定されている場合(登録設定値=1)には、図11(a)に示す特2用小当たり決定乱数判定テーブルaを参照して大役抽選が行われる。この特2用小当たり決定乱数判定テーブルaによれば、小当たり決定乱数が20001~25461であった場合に小当たりと判定し、その他の小当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の小当たり確率は約1/12.0となる。
【0118】
また、設定値=2に設定されている場合(登録設定値=2)には、図11(b)に示す特2用小当たり決定乱数判定テーブルbを参照して大役抽選が行われる。この特2用小当たり決定乱数判定テーブルbによれば、小当たり決定乱数が20001~25661であった場合に小当たりと判定し、その他の小当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の小当たり確率は約1/11.6となる。
【0119】
また、設定値=3に設定されている場合(登録設定値=3)には、図11(c)に示す特2用小当たり決定乱数判定テーブルcを参照して大役抽選が行われる。この特2用小当たり決定乱数判定テーブルcによれば、小当たり決定乱数が20001~25861であった場合に小当たりと判定し、その他の小当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の小当たり確率は約1/11.2となる。
【0120】
また、設定値=4に設定されている場合(登録設定値=4)には、図11(d)に示す特2用小当たり決定乱数判定テーブルdを参照して大役抽選が行われる。この特2用小当たり決定乱数判定テーブルdによれば、小当たり決定乱数が20001~26061であった場合に小当たりと判定し、その他の小当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の小当たり確率は約1/10.8となる。
【0121】
また、設定値=5に設定されている場合(登録設定値=5)には、図11(e)に示す特2用小当たり決定乱数判定テーブルeを参照して大役抽選が行われる。この特2用小当たり決定乱数判定テーブルeによれば、小当たり決定乱数が20001~26261であった場合に小当たりと判定し、その他の小当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の小当たり確率は約1/10.4となる。
【0122】
また、設定値=6に設定されている場合(登録設定値=6)には、図11(f)に示す特2用小当たり決定乱数判定テーブルfを参照して大役抽選が行われる。この特2用小当たり決定乱数判定テーブルfによれば、小当たり決定乱数が20001~26461であった場合に小当たりと判定し、その他の小当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の小当たり確率は約1/10.1となる。
【0123】
以上のように、大役抽選は、登録設定値に応じて行われる。実施例では、登録設定値が大きい場合の方が、小さい場合に比べて、小当たりに当選しやすいこととしたが、登録設定値が異なっても、小当たりの当選確率は変わらないこととしてもよい。また、登録設定値は必須ではなく、小当たりの当選確率は常に一定でもよい。
【0124】
図12は、当たり図柄乱数判定テーブルを説明する図である。第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0~99の範囲内から1つの当たり図柄乱数が取得される。そして、上記の大役抽選により「小当たり」の判定結果が導出された場合に、取得している当たり図柄乱数と当たり図柄乱数判定テーブルとによって、特別図柄の種別が決定される。
【0125】
このとき、特1保留によって「小当たり」に当選した場合には、図12(a)に示すように、特1用当たり図柄乱数判定テーブルが選択される。また、特2保留によって「小当たり」に当選した場合には、図12(b)に示すように、特2用当たり図柄乱数判定テーブルが選択される。以下では、当たり図柄乱数によって決定される特別図柄、すなわち、小当たりの判定結果が得られた場合に決定される特別図柄を小当たり図柄と呼び、ハズレの判定結果が得られた場合に決定される特別図柄をハズレ図柄と呼ぶ。
【0126】
図12(a)に示す特1用当たり図柄乱数判定テーブル、および、図12(b)に示す特2用当たり図柄乱数判定テーブルによれば、取得した当たり図柄乱数の値に応じて、図示のとおり、特別図柄の種別(小当たり図柄)が決定される。
【0127】
一方、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合に、当該抽選結果が特1保留によって導出されたときは、抽選を行うことなくハズレ図柄として特別図柄Xが決定される。また、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合に、当該抽選結果が特2保留によって導出されたときは、抽選を行うことなくハズレ図柄として特別図柄Yが決定される。
【0128】
つまり、当たり図柄乱数判定テーブルは、大役抽選結果が「小当たり」であった場合にのみ参照され、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合に参照されることはない。なお、ここでは、特1用当たり図柄乱数判定テーブル、および、特2用当たり図柄乱数判定テーブルにおいて、異なる小当たり図柄が決定されることとした。しかしながら、両テーブルにおいて同一の小当たり図柄が決定されるようにしてもよいし、保留種別を問わず、1の当たり図柄乱数判定テーブルを参照して特別図柄の種別(小当たり図柄)を決定してもよい。
【0129】
なお、ここでは、小当たり図柄の選択比率が、全設定値で共通としたが、小当たり図柄の選択比率を、設定値ごとに異ならせてもよい。
【0130】
図13は、リーチグループ決定乱数判定テーブルを説明する図である。このリーチグループ決定乱数判定テーブルは複数設けられており、保留種別、保留数、遊技状態、遊技状態に対応付けられている変動状態等に応じて、予め設定されたテーブルが選択される。第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0~10006の範囲内から1つのリーチグループ決定乱数が取得される。上記のように、大役抽選結果が導出されると、当該大役抽選結果を報知する変動演出パターン(変動モード番号、変動パターン番号)を決定する処理が行われる。実施例では、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合に、変動演出パターンを決定するにあたって、まず、リーチグループ決定乱数とリーチグループ決定乱数判定テーブルとによってグループ種別が決定される。なお、変動状態とは、いずれのテーブルを参照して変動演出パターンを決定するかが規定されたものであり、遊技状態とは別に設定される概念である。
【0131】
例えば、遊技状態が非時短遊技状態に設定されているときに、特1保留に基づいて「ハズレ」の大役抽選結果が導出された場合において、大役抽選を行うときの特1保留の保留数(以下、単に「保留数」という)が0個であれば、図13(a)に示すように、リーチグループ決定乱数判定テーブル1が選択される。同様に、非時短遊技状態に設定されているときに、特1保留に基づいて「ハズレ」の大役抽選結果が導出された場合において、大役抽選を行うときの保留数が1個であれば、図13(b)に示すように、リーチグループ決定乱数判定テーブル2が選択され、保留数が2~3個であれば、図13(c)に示すように、リーチグループ決定乱数判定テーブル3が選択される。なお、図13において、グループ種別の欄に記載しているグループxは、任意のグループ番号を示している。したがって、取得したリーチグループ決定乱数と、参照するリーチグループ決定乱数判定テーブルの種類とに応じて、グループ種別として種々のグループ番号が決定されることとなる。
【0132】
なお、ここでは、非時短遊技状態において、特1保留に基づいて「ハズレ」の大役抽選結果が導出されたときに参照されるリーチグループ決定乱数判定テーブルについて説明したが、メインROM300bには、この他にも多数のリーチグループ決定乱数判定テーブルが記憶されている。
【0133】
なお、大役抽選結果が「小当たり」であった場合には、変動演出パターンを決定するにあたってグループ種別を決定することはない。つまり、リーチグループ決定乱数判定テーブルは、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合にのみ参照され、大役抽選結果が「小当たり」であった場合に参照されることはない。
【0134】
図14は、リーチモード決定乱数判定テーブルを説明する図である。このリーチモード決定乱数判定テーブルは、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合に選択されるハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルと、大役抽選結果が「小当たり」であった場合に選択される小当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルとに大別される。なお、ハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルは、上記のように決定されたグループ種別ごとに設けられており、小当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルは、保留種別ごとに設けられている。
【0135】
また、各リーチモード決定乱数判定テーブルは、遊技状態や図柄の種別ごとにも設けられている。ここでは、所定の遊技状態および図柄種別において参照されるグループx用ハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルの一例を図14(a)に示し、特1用小当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルの一例を図14(b)に示し、特2用小当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルの一例を図14(c)に示す。
【0136】
第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0~250の範囲内から1つのリーチモード決定乱数が取得される。そして、上記の大役抽選の結果が「ハズレ」であった場合には、図14(a)に示すように、上記のグループ種別の抽選により決定されたグループ種別に対応するハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルが選択され、選択されたハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルとリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号が決定される。
【0137】
また、上記の大役抽選の結果が「小当たり」であった場合には、図14(b)、(c)に示すように、読み出された保留種別に対応する小当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルが選択され、選択された小当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルとリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号が決定される。
【0138】
また、各リーチモード決定乱数判定テーブルにおいては、リーチモード決定乱数に、変動モード番号とともに、後述する変動パターン乱数判定テーブルが対応付けられており、変動モード番号が決定されるのと同時に、変動パターン乱数判定テーブルが決定される。なお、図14において、変動パターン乱数判定テーブルの欄に記載しているテーブルxは、任意のテーブル番号を示している。したがって、取得したリーチグループ決定乱数と、参照するリーチモード決定乱数判定テーブルの種類とに応じて、変動モード番号と、変動パターン乱数判定テーブルのテーブル番号とが決定されることとなる。また、実施例において、変動モード番号および後述する変動パターン番号は、16進数で設定されている。以下において、16進数を示す場合には「H」を付するが、図14図16に○○Hと記載しているのは、16進数で示される任意の値を示すものである。
【0139】
以上のように、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合には、まず、図13に示すリーチグループ決定乱数判定テーブルとリーチグループ決定乱数とによってグループ種別が決定される。そして、決定されたグループ種別と遊技状態に応じ、図14(a)に示すハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルとリーチモード決定乱数とによって、変動モード番号および変動パターン乱数判定テーブルが決定される。
【0140】
一方、大役抽選結果が「小当たり」であった場合には、決定された小当たり図柄(特別図柄の種別)に対応する、図14に示す小当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルを参照し、リーチモード決定乱数を用いて、変動モード番号、変動パターン乱数判定テーブルが決定されることとなる。
【0141】
図15は、変動パターン乱数判定テーブルを説明する図である。ここでは、所定のテーブル番号xの変動パターン乱数判定テーブルxを示すが、変動パターン乱数判定テーブルは、この他にも、テーブル番号ごとに多数設けられている。
【0142】
第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0~238の範囲内から1つの変動パターン乱数が取得される。そして、上記の変動モード番号と同時に決定された変動パターン乱数判定テーブルと、取得した変動パターン乱数とに基づいて、図示のように変動パターン番号が決定される。
【0143】
このように、大役抽選が行われると、大役抽選結果、決定された図柄種別、遊技状態、保留数、保留種別等に応じて、変動モード番号、変動パターン番号が決定される。これら変動モード番号、変動パターン番号は、変動演出パターンを特定するものであり、そのそれぞれに、変動演出の態様および時間が対応付けられている。
【0144】
図16は、変動時間決定テーブルを説明する図である。上記のように、変動モード番号が決定されると、図16(a)に示す変動時間1決定テーブルにしたがって変動時間1が決定される。この変動時間1決定テーブルによれば、変動モード番号ごとに変動時間1が対応付けられており、決定された変動モード番号に応じて、対応する変動時間1が決定される。
【0145】
また、上記のように、変動パターン番号が決定されると、図16(b)に示す変動時間2決定テーブルにしたがって変動時間2が決定される。この変動時間2決定テーブルによれば、変動パターン番号ごとに変動時間2が対応付けられており、決定された変動パターン番号に応じて、対応する変動時間2が決定される。このようにして決定された変動時間1、2の合計時間が、大役抽選結果を報知する変動演出の時間、すなわち、変動時間となる。
【0146】
以上のようにして変動モード番号が決定されると、当該決定された変動モード番号に対応する変動モードコマンドが副制御基板330に送信され、変動パターン番号が決定されると、当該決定された変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドが副制御基板330に送信される。副制御基板330においては、受信した変動モードコマンドに基づいて、主に変動演出の前半の態様が決定され、受信した変動パターンコマンドに基づいて、主に変動演出の後半の態様が決定されることとなるが、その詳細については後述する。なお、以下では、変動モード番号および変動パターン番号を総称して変動情報と呼び、変動モードコマンドおよび変動パターンコマンドを総称して変動コマンドと呼ぶ場合がある。
【0147】
図17は、特別電動役物作動ラムセットテーブルを説明する図である。特別電動役物作動ラムセットテーブルは、小当たり遊技および大役遊技を制御するための各種データが記憶されたものであり、小当たり遊技および大役遊技中は、この特別電動役物作動ラムセットテーブルを参照して、第1大入賞口ソレノイド126c、第2大入賞口ソレノイド128cが通電制御される。
【0148】
特別電動役物作動ラムセットテーブルによれば、オープニング時間(最初のラウンド遊技が開始されるまでの待機時間)、特別電動役物最大作動回数(1回の小当たり遊技中または大役遊技中に実行されるラウンド遊技の回数)、開放大入賞口(各ラウンド遊技において開放される第1大入賞口126および第2大入賞口128)、特別電動役物開閉切替回数(1ラウンド遊技中の第1大入賞口126および第2大入賞口128の開放回数)、ソレノイド通電時間(第1大入賞口126および第2大入賞口128の開放回数ごとの第1大入賞口ソレノイド126cおよび第2大入賞口ソレノイド128cの通電時間、すなわち、1回の第1大入賞口126および第2大入賞口128の開放時間)、規定数(1回のラウンド遊技における第1大入賞口126および第2大入賞口128への最大入賞可能数)、大入賞口閉鎖有効時間(ラウンド遊技間の第1大入賞口126および第2大入賞口128の閉鎖時間、すなわち、ラウンド間インターバル時間)、エンディング時間(最後のラウンド遊技が終了してから、通常の特別遊技が再開されるまでの待機時間)が、大役遊技の制御データとして、小当たり図柄の種別ごとに、図示のように予め記憶されている。
【0149】
実施例では、小当たり図柄である特別図柄Z1、Z2が決定された場合には、まず、1回のラウンド遊技で構成される小当たり遊技が実行される。特別図柄Z1が決定された場合、小当たり遊技では、第2大入賞口128が0.1秒×1回開放される。また、特別図柄Z2が決定された場合、小当たり遊技では、第2大入賞口128が0.1秒×2回開放される。
【0150】
なお、小当たり遊技における第2大入賞口128の開放回数および開放時間は一例に過ぎない。例えば、特別図柄Z1、Z2で、第2大入賞口128の開放回数および開放時間が完全に同一でもよい。
【0151】
上記したように、第2大入賞口128の内部には、特定領域502および非特定領域500が設けられており、第2大入賞口128に入球した遊技球は、必ず、特定領域502または非特定領域500に進入する。そして、小当たり遊技において、第2大入賞口128に入球した遊技球が特定領域502に進入した場合には、小当たり遊技に続いて、第1大入賞口126が開放される大役遊技が実行される。この大役遊技では、ラウンド遊技が9回(2Rから10R)実行される。
【0152】
大役遊技における各ラウンド遊技では、第1大入賞口126が29.0秒×1回開放される。小当たり遊技および大役遊技における各ラウンド遊技には、第1大入賞口126または第2大入賞口128の開放時間が最大開放時間に到達すること、および、規定数の遊技球が第1大入賞口126または第2大入賞口128に入球することのいずれか一方を満たすことが終了条件として設定されている。終了条件が成立することで、小当たり遊技または大役遊技が終了する。ここでは、規定数として10個が設定されており、10個の遊技球が第1大入賞口126または第2大入賞口128に入球した時点で、小当たり遊技または大役遊技が終了する。
【0153】
図18は、大役遊技の終了後の遊技状態を設定するための遊技状態設定テーブルを説明する図である。上記のようにして小当たり遊技において二種大当たりに当選し、大役遊技が実行された場合、大役遊技の終了後の遊技状態が設定される。ここでは、大役遊技後に、必ず、時短遊技状態に設定される。なお、本実施形態では、遊技状態として、非時短遊技状態および時短遊技状態が設けられている。
【0154】
非時短遊技状態は、遊技機100の初期状態であり、時短遊技状態は、非時短遊技状態よりも、第2始動口122が開放しやすい状態である。つまり、各遊技状態には、第2始動口122を開放するための開放条件が設定されており、時短遊技状態には、非時短遊技状態よりも、第2始動口122が開放しやすい開放条件が設定されている。
【0155】
また、大役遊技後の遊技状態が時短遊技状態に設定された場合には、時短遊技状態を終了させる時短終了条件が併せて設定される。ここでは、時短終了条件として、時短回数が設定される。時短回数は、時短遊技状態が終了するまでの特別図柄の変動回数であり、ここでは、時短回数が10回に設定される。したがって、本実施形態では、時短遊技状態において、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に特別図柄が10回停止表示された場合に、時短遊技状態が終了し、非時短遊技状態に設定される。
【0156】
なお、ここでは、大役遊技後の遊技状態および時短回数が一様に設定されることとした。ただし、特別図柄、すなわち、小当たり図柄の種別や、小当たり当選時の遊技状態によって、大役遊技後に設定される遊技状態、および、時短回数のいずれか一方または双方を異ならせてもよい。
【0157】
図19は、当たり決定乱数判定テーブルを説明する図である。遊技領域116を流下する遊技球がゲート124を通過すると、第2始動口122の可動片122bを通電制御するか否かが対応付けられた普通図柄の判定処理(以下、「普図抽選」という)が行われる。
【0158】
なお、詳しくは後述するが、遊技球がゲート124を通過すると、0~99の範囲内から1つの当たり決定乱数が取得されるとともに、この乱数値がメインRAM300cの普図保留記憶領域に4つを上限として記憶される。つまり、普図保留記憶領域は、当たり決定乱数をセーブする4つの記憶部を備えている。したがって、普図保留記憶領域の4つの記憶部全てに当たり決定乱数が記憶された状態で、遊技球がゲート124を通過した場合には、当該遊技球の通過に基づいて当たり決定乱数が記憶されることはない。以下では、ゲート124を遊技球が通過して普図保留記憶領域に記憶された当たり決定乱数を普図保留と呼ぶ。
【0159】
非時短遊技状態において普図抽選を開始する場合には、図19(a)に示すように、非時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルが参照される。この非時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルによれば、当たり決定乱数が0であった場合に、普通図柄の種別として当たり図柄が決定され、当たり決定乱数が1~99であった場合に、普通図柄の種別としてハズレ図柄が決定される。したがって、非時短遊技状態において当たり図柄が決定される確率、すなわち、当選確率は1/100となる。詳しくは後述するが、この普図抽選において当たり図柄が決定されると、第2始動口122が開状態に制御され、ハズレ図柄が決定された場合には、第2始動口122が閉状態に維持される。
【0160】
また、時短遊技状態において普図抽選を開始する場合には、図19(b)に示すように、時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルが参照される。この時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルによれば、当たり決定乱数が0~98であった場合に、普通図柄の種別として当たり図柄が決定され、当たり決定乱数が99であった場合に、普通図柄の種別としてハズレ図柄が決定される。したがって、時短遊技状態において当たり図柄が決定される確率、すなわち、当選確率は99/100となる。
【0161】
図20(a)は、普通図柄変動時間データテーブルを説明する図であり、図20(b)は、開閉制御パターンテーブルを説明する図である。上記のように、普図抽選が行われると、普通図柄の変動時間が決定される。普通図柄変動時間データテーブルは、普図抽選によって当たり図柄もしくはハズレ図柄が決定されたときに、当該普通図柄の変動時間を決定する際に参照されるものである。この普通図柄変動時間データテーブルによれば、遊技状態が非時短遊技状態に設定されている場合には変動時間が10秒に決定され、遊技状態が時短遊技状態に設定されている場合には変動時間が0.1秒に決定される。このようにして変動時間が決定されると、当該決定された時間にわたって普通図柄表示器168が変動表示(点滅表示)される。そして、当たり図柄が決定された場合には普通図柄表示器168が点灯し、ハズレ図柄が決定された場合には普通図柄表示器168が消灯する。
【0162】
そして、普図抽選によって当たり図柄が決定されるとともに、普通図柄表示器168が点灯した場合には、第2始動口122の可動片122bが、図20(b)に示すように、開閉制御パターンテーブルを参照して通電制御される。なお、実際は、開閉制御パターンテーブルは、遊技状態ごとに設けられており、普通図柄が決定されたときの遊技状態に応じて、対応するテーブルが普通電動役物ソレノイド122cの通電開始時にセットされるが、ここでは、説明の都合上、1つのテーブルに各遊技状態に対応する制御データを示す。
【0163】
当たり図柄が決定されると、図20(b)に示すように、開閉制御パターンテーブルを参照して第2始動口122が開閉制御される。この開閉制御パターンテーブルによれば、普電開放前時間(第2始動口122の開放が開始されるまでの待機時間)、普通電動役物最大開閉切替回数(第2始動口122の開放回数)、ソレノイド通電時間(第2始動口122の開放回数ごとの普通電動役物ソレノイド122cの通電時間、すなわち、1回の第2始動口122の開放時間)、規定数(第2始動口122の全開放中における第2始動口122への最大入賞可能数)、普電閉鎖有効時間(第2始動口122の各開放間の閉鎖時間、すなわち、休止時間)、普電有効状態時間(第2始動口122の最後の開放終了からの待機時間)、普電終了ウェイト時間(普電有効状態時間の経過後、後述する普通図柄の変動表示が再開されるまでの待機時間)が、第2始動口122の制御データとして、遊技状態ごとに、図示のように予め記憶されている。
【0164】
このように、非時短遊技状態および時短遊技状態には、それぞれ、第2始動口122を開閉するための開閉制御条件が、遊技進行条件として対応付けられており、時短遊技状態においては、非時短遊技状態よりも第2始動口122に遊技球が入球しやすくなる。つまり、時短遊技状態においては、ゲート124を遊技球が通過する限りにおいて、次々と普図抽選がなされるとともに、第2始動口122が頻繁に開放状態となるため、遊技者は遊技球の費消を低減しながら、大役抽選を行うことが可能となる。
【0165】
なお、第2始動口122の開閉条件は、普通図柄の当選確率、普通図柄の変動表示の時間、第2始動口122の開放時間の3つの要素を規定するものである。そして、実施例では、このうち2つの要素において、非時短遊技状態よりも時短遊技状態の方を有利に設定することで、時短遊技状態の方が、非時短遊技状態よりも、第2始動口122に遊技球が入球しやすくなるように設定した。しかしながら、上記3つの要素のうち、1つまたは3つの要素について、時短遊技状態の方が、非時短遊技状態よりも有利に設定してもよい。いずれにしても、時短遊技状態の方が非時短遊技状態に比べて、少なくとも1つの要素について有利となることで、総合的に時短遊技状態の方が、非時短遊技状態よりも第2始動口122に遊技球が容易に入球するようにすればよい。つまり、遊技状態が非時短遊技状態に設定されている場合に、第1の条件にしたがって可動片122bが開閉制御され、遊技状態が時短遊技状態に設定されている場合に、第1の条件よりも開状態になりやすい第2の条件にしたがって可動片122bが開閉制御されればよい。
【0166】
次に、遊技機100における遊技の進行に伴う主制御基板300の主な処理について説明する。
【0167】
図21は、遊技機状態フラグを説明する図である。主制御基板300においては、遊技を進行可能な状態であるか否かが遊技機状態フラグにより管理される。遊技機状態フラグには、00H~05Hの6種類のフラグ値のいずれかがセットされる。遊技機状態フラグのフラグ値=00Hは遊技可能状態を示しており、遊技機状態フラグが00Hである場合に、遊技が進行制御され、遊技機状態フラグが00H以外である場合には、遊技が停止される。
【0168】
遊技機状態フラグのフラグ値=01Hは設定変更状態を示しており、遊技機状態フラグが01Hである場合には、登録設定値の変更操作が可能となる。遊技機状態フラグのフラグ値=02Hは設定確認状態を示しており、遊技機状態フラグが02Hである場合には、登録設定値が性能表示モニタ184に表示される等して、登録設定値を確認することが可能となる。遊技機状態フラグのフラグ値=03Hは設定異常状態を示しており、遊技機状態フラグが03Hである場合には、登録設定値が異常であるとして遊技が停止される。遊技機状態フラグのフラグ値=04HはRAM異常状態を示しており、遊技機状態フラグが04Hである場合には、遊技が停止される。遊技機状態フラグのフラグ値=05Hはチェックサム異常状態を示しており、遊技機状態フラグが05Hである場合には、遊技が停止される。電源が投入されると、遊技機状態フラグがいずれかのフラグ値にセットされ、遊技機状態フラグに応じた処理が行われる。
【0169】
(主制御基板300のCPU初期化処理)
図22は、主制御基板300におけるCPU初期化処理を説明する第1のフローチャートであり、図23は、主制御基板300におけるCPU初期化処理を説明する第2のフローチャートである。
【0170】
電源基板より電源が供給されると、メインCPU300aにシステムリセットが発生し、メインCPU300aは、以下のCPU初期化処理(S100)を行う。
【0171】
(ステップS100-1)
メインCPU300aは、電源投入に応じて、初期設定処理として、メインROM300bから起動プログラムを読み込むとともに、各種処理を実行するために必要な設定処理を行う。
【0172】
(ステップS100-3)
メインCPU300aは、タイマカウンタにウェイト処理時間を設定する。
【0173】
(ステップS100-5)
メインCPU300aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。なお、主制御基板300には、電源断検知回路が設けられており、電源電圧が所定値以下になると、電源断検知回路から電源断予告信号が出力される。電源断予告信号を検出している場合には、上記ステップS100-3に処理を移し、電源断予告信号を検出していない場合には、ステップS100-7に処理を移す。
【0174】
(ステップS100-7)
メインCPU300aは、上記ステップS100-3で設定したウェイト時間が経過したか否かを判定する。その結果、ウェイト時間が経過したと判定した場合にはステップS100-9に処理を移し、ウェイト時間は経過していないと判定した場合には上記ステップS100-5に処理を移す。
【0175】
(ステップS100-9)
メインCPU300aは、メインRAM300cへのアクセスを許可するために必要な処理を実行する。
【0176】
(ステップS100-11)
メインCPU300aは、Dレジスタに電源断前の遊技機状態フラグのフラグ値をロードする。
【0177】
(ステップS100-13)
メインCPU300aは、チェックサムを算出するとともに、算出したチェックサムが、電源断時に保存されたチェックサムと一致する(正常である)か、ならびに、バックアップフラグが正常であるかを判定する。その結果、バックアップフラグおよびチェックサムが正常であると判定した場合にはステップS100-15に処理を移し、いずれか一方または双方が正常ではないと判定した場合にはステップS100-25に処理を移す。
【0178】
(ステップS100-15)
メインCPU300aは、メインRAM300cのクリア対象の先頭アドレスに、設定値および遊技機状態フラグを含まない番地をセットする。
【0179】
(ステップS100-17)
メインCPU300aは、RAMクリアスイッチ182sからRAMクリア操作信号が入力されているか(RAMクリアボタンが押下操作されているか)を判定する。その結果、RAMクリア操作信号が入力されていると判定した場合にはステップS100-31に処理を移し、RAMクリア操作信号は入力されていないと判定した場合にはステップS100-19に処理を移す。
【0180】
(ステップS100-19)
メインCPU300aは、上記ステップS100-11でロードした遊技機状態フラグのフラグ値が00H(遊技可能状態)であり、設定変更スイッチ180sがオンしており、かつ、中枠104が開放しているかを判定する。その結果、3つの条件をすべて満たすと判定した場合にはステップS100-21に処理を移し、3つの条件の1つでも満たされないと判定した場合にはステップS100-23に処理を移す。
【0181】
(ステップS100-21)
メインCPU300aは、遊技機状態フラグに02H(設定確認状態)をセットする。すなわち、中枠104が開放されており、設定変更スイッチ180sがオンしており、RAMクリアボタンが押下されていない状態で正常に電源投入がなされると、設定確認状態となる。
【0182】
(ステップS100-23)
メインCPU300aは、メインRAM300cのうち、上記ステップS100-15でセットされた先頭アドレス以降の領域である電源復帰時のクリア対象をクリアする初期化処理を実行し、ステップS100-49に処理を移す。
【0183】
(ステップS100-25)
メインCPU300aは、Dレジスタに05H(チェックサム異常状態)をセットする。
【0184】
(ステップS100-27)
メインCPU300aは、使用外領域のリードライトメモリのチェックおよびクリアを行う領域外リードライトチェック処理を行う。
【0185】
(ステップS100-29)
メインCPU300aは、メインRAM300cのクリア対象の先頭アドレスに、設定値および遊技機状態フラグを含む番地をセットする。
【0186】
(ステップS100-31)
メインCPU300aは、使用領域のリードライトメモリのチェックおよびクリアを行う。
【0187】
(ステップS100-33)
メインCPU300aは、上記ステップS100-31におけるリードライトメモリのチェック結果が正常であるかを判定する。その結果、正常であると判定した場合にはステップS100-37に処理を移し、正常ではないと判定した場合にはステップS100-35に処理を移す。
【0188】
(ステップS100-35)
メインCPU300aは、Dレジスタに04H(RAM異常状態)をセットし、ステップS100-45に処理を移す。
【0189】
(ステップS100-37)
メインCPU300aは、Dレジスタに02H(設定確認状態)がセットされているかを判定する。その結果、02Hがセットされていると判定した場合にはステップS100-39に処理を移し、02Hはセットされていないと判定した場合にはステップS100-41に処理を移す。
【0190】
(ステップS100-39)
メインCPU300aは、Dレジスタに00H(遊技可能状態)をセットする。
【0191】
(ステップS100-41)
メインCPU300aは、設定変更条件を満たしているかを判定する。その結果、設定変更条件を満たしていると判定した場合にはステップS100-43に処理を移し、設定変更条件は満たしていないと判定した場合にはステップS100-45に処理を移す。なお、ここでは、設定変更条件に、設定変更スイッチ180sがオンしていること、中枠104が開放していること、および、RAMクリアスイッチ182sからRAMクリア操作信号が入力されていることが少なくとも含まれる。
【0192】
(ステップS100-43)
メインCPU300aは、Dレジスタに01H(設定変更状態)をセットする。
【0193】
(ステップS100-45)
メインCPU300aは、Dレジスタにセットされている値を遊技機状態フラグにセーブする。
【0194】
(ステップS100-47)
メインCPU300aは、メインRAM300cのうち、RAMクリア時のクリア対象をクリアする初期化処理を実行し、ステップS100-49に処理を移す。
【0195】
(ステップS100-49)
メインCPU300aは、メインRAM300cがクリアされたことを払出制御基板310に伝達するための払出コマンド(RAMクリア指定コマンド)の送信処理(RAMクリア指定コマンドを送信バッファに格納)を行う。
【0196】
(ステップS100-51)
メインCPU300aは、遊技機状態フラグをロードする。
【0197】
(ステップS100-53)
メインCPU300aは、上記ステップS100-51でロードした遊技機状態フラグが00H(遊技可能状態)であるかを判定する。その結果、00Hであると判定した場合にはステップS110に処理を移し、00Hではないと判定した場合にはステップS100-55に処理を移す。
【0198】
(ステップS110)
メインCPU300aは、サブコマンド群セット処理を行う。なお、このサブコマンド群セット処理については後述する。
【0199】
(ステップS100-55)
メインCPU300aは、所定のコマンドを副制御基板330に送信するためのサブコマンドセット処理を行う。
【0200】
(ステップS100-57)
メインCPU300aは、タイマ割込みの周期を設定する。
【0201】
(ステップS100-59)
メインCPU300aは、割込みを禁止するための処理を行う。
【0202】
(ステップS100-61)
メインCPU300aは、当たり図柄乱数用初期値更新乱数を更新する。なお、当たり図柄乱数用初期値更新乱数は、当たり図柄乱数の初期値および終了値を決定するためのものである。つまり、後述する当たり図柄乱数の更新処理によって当たり図柄乱数が、当たり図柄乱数用初期値更新乱数から、当該当たり図柄乱数用初期値更新乱数-1まで1周すると、当たり図柄乱数は、そのときの当たり図柄乱数用初期値更新乱数に更新されることとなる。
【0203】
(ステップS100-63)
メインCPU300aは、払出制御基板310から受信した受信データ(主コマンド)を解析し、受信データに応じた種々の処理を実行する。
【0204】
(ステップS100-65)
メインCPU300aは、送信バッファに格納されているサブコマンドを副制御基板330に送信するための処理を行う。
【0205】
(ステップS100-67)
メインCPU300aは、割込みを許可するための処理を行う。
【0206】
(ステップS100-69)
メインCPU300aは、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数を更新し、以後、上記ステップS100-59から処理を繰り返す。なお、以下では、変動演出パターンを決定するためのリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数を総称して変動演出用乱数と呼ぶ。
【0207】
図24は、主制御基板300におけるサブコマンド群セット処理(S110)を説明するフローチャートである。
【0208】
(ステップS110-1)
メインCPU300aは、遊技機状態フラグのフラグ値をロードする。
【0209】
(ステップS110-3)
メインCPU300aは、所定のコマンドを副制御基板330に送信するためのサブコマンドセット処理を行う。
【0210】
(ステップS110-5)
メインCPU300aは、遊技機100の機種情報を示す機種コマンドを送信バッファにセットする機種コマンド設定処理を行う。
【0211】
(ステップS110-7)
メインCPU300aは、登録設定値を示す設定値指定コマンドを送信バッファにセットする設定値指定コマンド設定処理を行う。
【0212】
(ステップS110-9)
メインCPU300aは、特1保留数を示す特図1保留指定コマンドを送信バッファにセットする特図1保留指定コマンド設定処理を行う。
【0213】
(ステップS110-11)
メインCPU300aは、特2保留数を示す特図2保留指定コマンドを送信バッファにセットする特図2保留指定コマンド設定処理を行う。
【0214】
(ステップS110-13)
メインCPU300aは、時短遊技状態の残り回数を示す回数コマンドを送信バッファにセットする回数コマンド設定処理を行う。
【0215】
(ステップS110-15)
メインCPU300aは、変動パターン選択状態を示す変動パターン選択状態指定コマンドを送信バッファにセットする変動パターン選択状態指定コマンド設定処理を行う。
【0216】
(ステップS110-17)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを示す特図フェーズ指定コマンドを送信バッファにセットする特図フェーズ指定コマンド設定処理を行う。なお、特別遊技管理フェーズについては後述する。
【0217】
(ステップS110-19)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズが特別図柄変動待ち状態であるかを判定する。その結果、特別図柄変動待ち状態であると判定した場合にはステップS110-21に処理を移し、特別図柄変動待ち状態ではないと判定した場合には当該サブコマンド群セット処理を終了する。
【0218】
(ステップS110-21)
メインCPU300aは、客待ち指定コマンドを送信バッファにセットし、当該サブコマンド群セット処理を終了する。
【0219】
次に、主制御基板300における割込み処理について説明する。ここでは、電源断時退避処理(XINT割込み処理)およびタイマ割込み処理について説明する。
【0220】
(主制御基板300の電源断時退避処理(XINT割込み処理))
図25は、主制御基板300における電源断時退避処理(XINT割込み処理)を説明するフローチャートである。メインCPU300aは、電源断検知回路を監視しており、電源電圧が所定値以下になると、CPU初期化処理に割り込んで電源断時退避処理を実行する。
【0221】
(ステップS300-1)
電源断予告信号が入力されると、メインCPU300aは、レジスタを退避する。
【0222】
(ステップS300-3)
メインCPU300aは、電源断予告信号をチェックする。
【0223】
(ステップS300-5)
メインCPU300aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。その結果、電源断予告信号を検出していると判定した場合にはステップS300-11に処理を移し、電源断予告信号を検出していないと判定した場合にはステップS300-7に処理を移す。
【0224】
(ステップS300-7)
メインCPU300aは、レジスタを復帰させる。
【0225】
(ステップS300-9)
メインCPU300aは、割込みを許可するための処理を行い、当該電源断時退避処理を終了する。
【0226】
(ステップS300-11)
メインCPU300aは、出力ポートの出力を停止する出力ポートクリア処理を実行する。
【0227】
(ステップS300-13)
メインCPU300aは、チェックサムを算出して保存するチェックサム設定処理を実行する。
【0228】
(ステップS300-15)
メインCPU300aは、メインRAM300cへのアクセスを禁止するために必要なRAMプロテクト設定処理を実行する。
【0229】
(ステップS300-17)
メインCPU300aは、電源断発生監視時間を設定すべく、ループカウンタのカウンタ値に所定の電源断検出信号検出回数をセットする。
【0230】
(ステップS300-19)
メインCPU300aは、電源断予告信号をチェックする。
【0231】
(ステップS300-21)
メインCPU300aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。その結果、電源断予告信号を検出していると判定した場合にはステップS300-17に処理を移し、電源断予告信号を検出していないと判定した場合にはステップS300-23に処理を移す。
【0232】
(ステップS300-23)
メインCPU300aは、上記ステップS300-17でセットしたループカウンタの値を1減算する。
【0233】
(ステップS300-25)
メインCPU300aは、ループカウンタのカウンタ値が0でないかを判定する。その結果、カウンタ値が0ではないと判定した場合にはステップS300-19に処理を移し、カウンタ値が0であると判定した場合には上記したCPU初期化処理(ステップS100)に移行する。
【0234】
なお、実際に電源断が生じた場合には、ステップS300-17~ステップS300-25をループしている間に遊技機100の稼働が停止する。
【0235】
(主制御基板300のタイマ割込み処理)
図26は、主制御基板300におけるタイマ割込み処理を説明するフローチャートである。主制御基板300には、所定の周期(実施例では4ミリ秒、以下「4ms」という)毎にクロックパルスを発生させるリセット用クロックパルス発生回路が設けられている。そして、リセット用クロックパルス発生回路によって、クロックパルスが発生すると、CPU初期化処理(ステップS100)に割り込んで、以下のタイマ割込み処理が実行される。
【0236】
(ステップS400-1)
メインCPU300aは、レジスタを退避する。
【0237】
(ステップS400-3)
メインCPU300aは、割込みを許可するための処理を行う。
【0238】
(ステップS400-5)
メインCPU300aは、コモン出力バッファにセットされたコモンデータを出力ポートに出力し、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172、性能表示モニタ184を点灯制御するダイナミックポート出力処理を実行する。
【0239】
(ステップS400-7)
メインCPU300aは、各種の入力ポート情報を読み込み、最新のスイッチ状態を正確に取得するためのポート入力処理を実行する。
【0240】
(ステップS400-9)
メインCPU300aは、遊技機状態フラグのフラグ値をロードする。
【0241】
(ステップS400-11)
メインCPU300aは、上記ステップS400-9でロードしたフラグ値が00H(遊技可能状態)であるかを判定する。その結果、00Hであると判定した場合にはステップS400-15に処理を移し、00Hではないと判定した場合にはステップS400-13に処理を移す。
【0242】
(ステップS400-13)
メインCPU300aは、上記ステップS400-9でロードしたフラグ値が03H(設定異常状態)以上であるかを判定する。その結果、03H以上であると判定した場合にはステップS400-27に処理を移し、03H以上ではないと判定した場合にはステップS450に処理を移す。
【0243】
(ステップS450)
メインCPU300aは、設定関連処理を実行し、ステップS400-27に処理を移す。なお、設定関連処理については後述する。
【0244】
(ステップS400-15)
メインCPU300aは、各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を行う。ここで、各種タイマカウンタは、特に断る場合を除き、当該主制御基板300のタイマ割込み処理の度に減算され、0になると減算を停止する。
【0245】
(ステップS400-17)
メインCPU300aは、上記ステップS100-61と同様、当たり図柄乱数用初期値更新乱数の更新処理を実行する。
【0246】
(ステップS400-19)
メインCPU300aは、当たり図柄乱数を更新する処理を行う。具体的には、乱数カウンタを1加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを0に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時の当たり図柄乱数用初期値更新乱数の値から乱数を更新する。
【0247】
なお、詳しい説明は省略するが、実施例では、小当たり決定乱数および当たり決定乱数は、主制御基板300に内蔵されたハードウェア乱数生成部によって更新されるハードウェア乱数を用いている。ハードウェア乱数生成部は、小当たり決定乱数および当たり決定乱数を、いずれも一定の規則にしたがって更新し、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列を変更するとともに、システムリセット毎にスタート値を変更している。
【0248】
(ステップS500)
メインCPU300aは、第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口検出スイッチ122s、ゲート検出スイッチ124s、第1大入賞口検出スイッチ126s、第2大入賞口検出スイッチ128s、特定領域検出スイッチ502s、アウト球検出スイッチ130sから信号の入力があったか否か判定するスイッチ管理処理を実行する。なお、このスイッチ管理処理の詳細については後述する。
【0249】
(ステップS600)
メインCPU300aは、上記の特別遊技を進行制御するための特別遊技管理処理を実行する。なお、この特別遊技管理処理の詳細については後述する。
【0250】
(ステップS700)
メインCPU300aは、上記の普通遊技を進行制御するための普通遊技管理処理を実行する。なお、この普通遊技管理処理の詳細については後述する。
【0251】
(ステップS400-21)
メインCPU300aは、各種エラーの判定およびエラー判定結果に応じた設定を行うためのエラー管理処理を実行する。
【0252】
(ステップS400-23)
メインCPU300aは、一般入賞口検出スイッチ118s、第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口検出スイッチ122s、第1大入賞口検出スイッチ126s、第2大入賞口検出スイッチ128sのチェックを行い、該当する賞球制御用のカウンタ等を加算するための入賞口スイッチ処理を実行する。
【0253】
(ステップS400-25)
メインCPU300aは、上記ステップS400-23でセットされた賞球制御用のカウンタのカウンタ値等に基づく払出コマンドの作成および送信を行うための払出制御管理処理を実行する。
【0254】
(ステップS400-26)
メインCPU300aは、役物ユニットU内の役物装置を制御する役物制御処理を実行する。ここでは、役物装置ごとに予め設定されている作動条件に基づいて、各役物装置のアクチュエータが通電制御される。なお、作動条件としては、遊技機100の通電状態で役物装置に一定の動作を行わせること、小当たり遊技中に役物装置に所定の動作を行わせること、所定のセンサが遊技球を検出した場合に役物装置に所定の動作を行わせること等が設定されている。
【0255】
(ステップS400-27)
メインCPU300aは、遊技情報出力端子板312から外部へ出力する外部情報用の出力データをセットするための外部情報管理処理を実行する。
【0256】
(ステップS400-29)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172等の各種表示器(LED)を点灯制御するための表示データを、各コモンに対応した出力バッファにセットするLED表示設定処理を実行する。
【0257】
(ステップS400-31)
メインCPU300aは、普通電動役物ソレノイド122c、第1大入賞口ソレノイド126c、第2大入賞口ソレノイド128cおよび可動部材駆動ソレノイド142cのソレノイド出力イメージを合成し、出力ポートバッファに格納するためのソレノイド出力イメージ合成処理を実行する。
【0258】
(ステップS400-33)
メインCPU300aは、各出力ポートバッファに格納されたコモン出力バッファの値を出力ポートに出力するためのポート出力処理を実行する。
【0259】
(ステップS400-35)
メインCPU300aは、割込みを禁止するための処理を行う。
【0260】
(ステップS400-37)
メインCPU300aは、メインRAM300cの使用外領域を用いて、性能表示モニタ184に表示するベース比率を算出するための処理を行い、算出したベース比率を性能表示モニタ184に表示するためのコモンデータをコモン出力バッファにセットする性能表示モニタ制御処理を実行する。なお、性能表示モニタ制御処理においては、所定期間ごとにベース比率が算出される。ここで、性能表示モニタ184には、現在の期間のベース比率と、それ以前の期間のベース比率とが所定時間ごとに切り替え表示されてもよい。また、所定の操作に応じて、性能表示モニタ184に表示されるベース比率が切り替わってもよい。
【0261】
(ステップS400-39)
メインCPU300aは、レジスタを復帰してタイマ割込み処理を終了する。
【0262】
図27は、上記の設定関連処理(S450)を説明するフローチャートである。
【0263】
(ステップS450-1)
メインCPU300aは、遊技機状態フラグのフラグ値が01H(設定変更状態)であるかを判定する。その結果、01Hであると判定した場合にはステップS450-3に処理を移し、01Hではないと判定した場合にはステップS450-15に処理を移す。
【0264】
(ステップS450-3)
メインCPU300aは、設定値バッファに記憶されている登録設定値を所定の処理領域にロードする。
【0265】
(ステップS450-5)
メインCPU300aは、RAMクリアスイッチ182sが押下されたか(RAMクリア操作信号が入力されているか)を判定する。その結果、RAMクリアスイッチ182sが押下されていると判定した場合にはステップS450-7に処理を移し、RAMクリアスイッチ182sが押下されていないと判定した場合にはステップS450-9に処理を移す。
【0266】
(ステップS450-7)
メインCPU300aは、処理領域の設定値に1を加算する。
【0267】
(ステップS450-9)
メインCPU300aは、処理領域の設定値が1~6の範囲であるかを判定する。その結果、設定値が1~6の範囲であると判定した場合にはステップS450-13に処理を移し、設定値が1~6の範囲ではないと判定した場合にはステップS450-11に処理を移す。
【0268】
(ステップS450-11)
メインCPU300aは、処理領域の設定値を1にセットする。
【0269】
(ステップS450-13)
メインCPU300aは、処理領域の設定値を設定値バッファにセットする。
【0270】
(ステップS450-15)
メインCPU300aは、設定変更スイッチ180sがオンしているかを判定する。その結果、設定変更スイッチ180sがオンしていると判定した場合には当該設定関連処理を終了し、設定変更スイッチ180sはオンしていないと判定した場合にはステップS450-17に処理を移す。
【0271】
(ステップS450-17)
メインCPU300aは、設定関連処理の終了を示す設定関連終了指定コマンドを送信バッファにセットする。
【0272】
(ステップS110)
メインCPU300aは、図24のサブコマンド群セット処理を実行する。すなわち、設定関連処理が実行された場合、その終了時に、機種コマンド、設定値指定コマンド、特図1保留指定コマンド、特図2保留指定コマンド、回数コマンド、変動パターン選択状態指定コマンド、特図フェーズ指定コマンド、客待ち指定コマンドが副制御基板330に送信されることとなる。
【0273】
(ステップS450-19)
メインCPU300aは、遊技機状態フラグに00H(遊技可能状態)をセットし、当該設定関連処理を終了する。
【0274】
以上のように、実施例によれば、中枠104が開放され、設定変更スイッチ180sがオンされ、RAMクリアボタンが押下操作された状態で、正常に電源投入がなされると、CPU初期化処理(図22)において、遊技機状態フラグに01H(設定変更状態)がセットされる。その後、タイマ割込み処理が実行されるが、遊技機状態フラグに01H(設定変更状態)がセットされているため、遊技の進行に係る全ての処理(図26のステップS400-15~ステップS400-25)が停止され、設定関連処理が実行される。
【0275】
設定関連処理は、設定変更スイッチ180sがオンしている間、繰り返し実行され、この設定関連処理中は、RAMクリアボタンの押下操作が、登録設定値の設定変更操作として受け付けられる。すなわち、設定変更操作を受け付ける設定変更処理(S450-1~S450-13)中は、設定変更操作に応じて、設定値バッファに記憶する登録設定値が、複数段階設けられた設定値のいずれかに切り替えられる。
【0276】
そして、遊技機状態フラグに01H(設定変更状態)がセットされている状態で、設定変更スイッチ180sがオフに切り替わると、設定変更処理が終了となり、遊技機状態フラグに00H(遊技可能状態)がセットされる。これにより、次のタイマ割込み処理から、遊技の進行に係る処理が実行可能となる。
【0277】
ここで、設定関連処理では、RAMクリアボタンの押下操作、すなわち、登録設定値の設定変更操作の受け付け終了後に、サブコマンド群セット処理において、登録設定値に対応する設定値指定コマンドが副制御基板330に送信される。一方で、設定変更操作の受け付け中は、設定値指定コマンドが副制御基板330に送信されることはない。このように、設定変更操作の受け付け中は、設定値指定コマンドを送信せずに、設定変更操作の受け付けが終了し、遊技の進行が可能な状態に移行する場合に、設定値指定コマンドを送信することで、登録設定値が不正に取得されるリスクを低減することができる。
【0278】
また、実施例では、01H(設定変更状態)を少なくとも含む複数のフラグ値が切り替えられる。そして、遊技機状態フラグに01H(設定変更状態)がセットされている場合に設定関連処理が実行可能となり、かつ、遊技の進行が停止される。このように、遊技の進行中に設定関連処理が実行されることがないため、遊技の進行中に設定値指定コマンドが送信されることもなく、登録設定値が不正に取得されるリスクが低減される。
【0279】
次に、上記したタイマ割込み処理のうち、ステップS500のスイッチ管理処理、ステップS600の特別遊技管理処理、ステップS700の普通遊技管理処理について、詳細に説明する。
【0280】
図28は、主制御基板300におけるスイッチ管理処理(ステップS500)を説明するフローチャートである。
【0281】
(ステップS500-1)
メインCPU300aは、ゲート検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、ゲート124を遊技球が通過してゲート検出スイッチ124sからの検出信号がオンされたかを判定する。その結果、ゲート検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS510に処理を移し、ゲート検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500-3に処理を移す。
【0282】
(ステップS510)
メインCPU300aは、ゲート124への遊技球の通過に基づいてゲート通過処理を実行する。なお、このゲート通過処理の詳細については後述する。
【0283】
(ステップS500-3)
メインCPU300aは、第1始動口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、第1始動口120に遊技球が入球して第1始動口検出スイッチ120sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、第1始動口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS520に処理を移し、第1始動口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500-5に処理を移す。
【0284】
(ステップS520)
メインCPU300aは、第1始動口120への遊技球の入球に基づいて第1始動口通過処理を実行する。なお、この第1始動口通過処理の詳細については後述する。
【0285】
(ステップS500-5)
メインCPU300aは、第2始動口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、第2始動口122に遊技球が入球して第2始動口検出スイッチ122sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、第2始動口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS530に処理を移し、第2始動口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500-7に処理を移す。
【0286】
(ステップS530)
メインCPU300aは、第2始動口122への遊技球の入球に基づいて第2始動口通過処理を実行する。なお、この第2始動口通過処理の詳細については後述する。
【0287】
(ステップS500-7)
メインCPU300aは、大入賞口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、第1大入賞口126および第2大入賞口128に遊技球が入球して第1大入賞口検出スイッチ126sおよび第2大入賞口検出スイッチ128sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、大入賞口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS500-9に処理を移し、大入賞口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合には、ステップS500-11に処理を移す。
【0288】
(ステップS500-9)
メインCPU300aは、現在、大役遊技中または小当たり遊技中であるか否かを判定し、第1大入賞口126および第2大入賞口128への遊技球の入球が適正になされたものであるかを判定する。ここでは、大役遊技中または小当たり遊技中ではないと判定した場合には、所定の不正検出処理を実行し、大役遊技中または小当たり遊技中であり、第1大入賞口126および第2大入賞口128への遊技球の入球が適正になされたと判定した場合には、大入賞口入賞球数カウンタを1加算するとともに、大入賞口入賞指定コマンドを送信バッファにセットする。
【0289】
(ステップS500-11)
メインCPU300aは、特定領域検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、特定領域502に遊技球が進入して特定領域検出スイッチ502sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、特定領域検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS540に処理を移し、特定領域検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500-13に処理を移す。
【0290】
(ステップS540)
メインCPU300aは、特定領域502への遊技球の進入に基づいて特定領域通過処理を実行し、当該スイッチ管理処理を終了する。なお、この特定領域通過処理の詳細については後述する。
【0291】
(ステップS500-13)
メインCPU300aは、一般入賞口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、一般入賞口118に遊技球が入球して一般入賞口検出スイッチ118sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、一般入賞口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS500-15に処理を移し、一般入賞口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500-17に処理を移す。
【0292】
(ステップS500-15)
メインCPU300aは、一般入賞口入賞指定コマンドを送信バッファにセットする。
【0293】
(ステップS500-17)
メインCPU300aは、アウト球検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、アウト球検出スイッチ130sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、アウト球検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS500-19に処理を移し、アウト球検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合には、当該スイッチ管理処理を終了する。
【0294】
(ステップS500-19)
メインCPU300aは、アウト球検出指定コマンドを送信バッファにセットし、当該スイッチ管理処理を終了する。
【0295】
図29は、主制御基板300におけるゲート通過処理(ステップS510)を説明するフローチャートである。
【0296】
(ステップS510-1)
メインCPU300aは、ハードウェア乱数生成部によって更新された当たり決定乱数をロードする。
【0297】
(ステップS510-3)
メインCPU300aは、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値が最大値以上であるか、つまり、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値が4以上であるかを判定する。その結果、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値が最大値以上であると判定した場合には当該ゲート通過処理を終了し、普通図柄保留球数カウンタは最大値以上ではないと判定した場合にはステップS510-5に処理を移す。
【0298】
(ステップS510-5)
メインCPU300aは、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
【0299】
(ステップS510-7)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域の4つの記憶部のうち、取得した当たり決定乱数をセーブする対象となる対象記憶部を算定する。
【0300】
(ステップS510-9)
メインCPU300aは、上記ステップS510-1で取得した当たり決定乱数を、上記ステップS510-7で算定した対象記憶部にセーブする。
【0301】
(ステップS510-11)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域に記憶されている普図保留数を示す普図保留指定コマンドを送信バッファにセットし、当該ゲート通過処理を終了する。
【0302】
図30は、主制御基板300における第1始動口通過処理(ステップS520)を説明するフローチャートである。
【0303】
(ステップS520-1)
メインCPU300aは、特別図柄識別値として「00H」をセットする。なお、特別図柄識別値は、保留種別として特1保留および特2保留のいずれであるかを識別するためのもので、特別図柄識別値(00H)は特1保留を示し、特別図柄識別値(01H)は特2保留を示す。
【0304】
(ステップS520-3)
メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタのアドレスをセットする。
【0305】
(ステップS535)
メインCPU300aは、特別図柄乱数取得処理を実行して、当該第1始動口通過処理を終了する。なお、この特別図柄乱数取得処理は、第2始動口通過処理(ステップS530)と共通のモジュールを利用して実行される。したがって、特別図柄乱数取得処理の詳細は、第2始動口通過処理の説明後に説明する。
【0306】
図31は、主制御基板300における第2始動口通過処理(ステップS530)を説明するフローチャートである。
【0307】
(ステップS530-1)
メインCPU300aは、特別図柄識別値として「01H」をセットする。
【0308】
(ステップS530-3)
メインCPU300aは、特別図柄2保留球数カウンタのアドレスをセットする。
【0309】
(ステップS535)
メインCPU300aは、後述する特別図柄乱数取得処理を実行する。
【0310】
(ステップS530-5)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズをロードする。なお、詳しくは後述するが、普通遊技管理フェーズは、普通遊技の実行処理の段階、すなわち、普通遊技の進行状況を示すものであり、普通遊技の実行処理の段階に応じて更新される。
【0311】
(ステップS530-7)
メインCPU300aは、上記ステップS530-5でロードした普通遊技管理フェーズが「04H」ではないかを判定する。なお、普通遊技管理フェーズの「04H」は、普通電動役物入賞口開放制御処理中であることを示すものである。この普通電動役物入賞口開放制御処理においては、普通電動役物ソレノイド122cが通電されて可動片122bが開状態に制御されることから、ここでは、第2始動口122が適正に開放され得る状態にあるかを判定することとなる。その結果、普通遊技管理フェーズが「04H」ではないと判定した場合には当該第2始動口通過処理を終了し、普通遊技管理フェーズが「04H」であると判定した場合にはステップS530-9に処理を移す。
【0312】
(ステップS530-9)
メインCPU300aは、普通電動役物入賞球数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新し、当該第2始動口通過処理を終了する。
【0313】
図32は、主制御基板300における特別図柄乱数取得処理(ステップS535)を説明するフローチャートである。この特別図柄乱数取得処理は、上記した第1始動口通過処理(ステップS520)および第2始動口通過処理(ステップS530)において、共通のモジュールを用いて実行される。
【0314】
(ステップS535-1)
メインCPU300aは、上記ステップS520-1またはステップS530-1でセットした特別図柄識別値をロードする。
【0315】
(ステップS535-3)
メインCPU300aは、対象特別図柄保留球数をロードする。ここでは、上記ステップS535-1でロードした特別図柄識別値が「00H」であれば、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特1保留数をロードする。また、上記ステップS535-1でロードした特別図柄識別値が「01H」であれば、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特2保留数をロードする。
【0316】
(ステップS535-5)
メインCPU300aは、ハードウェア乱数生成部によって更新された小当たり決定乱数をロードする。
【0317】
(ステップS535-7)
メインCPU300aは、上記ステップS535-3でロードした対象特別図柄保留球数が上限値以上であるかを判定する。その結果、上限値以上であると判定した場合には、ステップS535-23に処理を移し、上限値以上ではないと判定した場合には、ステップS535-9に処理を移す。
【0318】
(ステップS535-9)
メインCPU300aは、対象特別図柄保留球数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
【0319】
(ステップS535-11)
メインCPU300aは、特図保留記憶領域の8つの記憶部のうち、取得した小当たり決定乱数をセーブする対象となる対象記憶部を算定する。
【0320】
(ステップS535-13)
メインCPU300aは、上記ステップS535-5でロードした小当たり決定乱数、上記ステップS400-19で更新された当たり図柄乱数、上記ステップS100-69で更新されたリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数を取得し、上記ステップS535-11で算定した対象記憶部に格納する。
【0321】
(ステップS535-15)
メインCPU300aは、特図保留記憶領域に記憶されている特1保留および特2保留の入賞順序を更新して記憶する特別図柄保留球入賞順序設定処理を行う。
【0322】
(ステップS535-17)
メインCPU300aは、上記ステップS535-13で対象記憶部に格納した各種の乱数に基づいて、大役仮抽選、当たり図柄仮決定、変動情報仮決定をする取得時演出判定処理を実行する。この取得時演出判定処理では、新たに記憶された保留が読み出された際に決定される変動情報を示す先読み指定コマンドを副制御基板330に送信する。
【0323】
(ステップS535-19)
メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタおよび特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値をロードする。
【0324】
(ステップS535-21)
メインCPU300aは、上記ステップS535-19でロードしたカウンタ値に基づいて、特図保留指定コマンドを送信バッファにセットする。ここでは、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値(特1保留数)に基づいて特図1保留指定コマンドをセットし、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値(特2保留数)に基づいて特図2保留指定コマンドをセットする。これにより、特1保留または特2保留が記憶されるたびに、特1保留数および特2保留数が副制御基板330に伝達されることとなる。
【0325】
(ステップS535-23)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズをロードする。
【0326】
(ステップS535-25)
メインCPU300aは、上記ステップS535-23でロードした普通遊技管理フェーズを確認し、後述する普通電動役物入賞口開放制御状態未満であるかを判定する。その結果、普通電動役物入賞口開放制御状態未満であると判定した場合にはステップS535-27に処理を移し、普通電動役物入賞口開放制御状態未満ではないと判定した場合には当該特別図柄乱数取得処理を終了する。
【0327】
(ステップS535-27)
メインCPU300aは、異常入賞があったか否かを判定するとともに、異常入賞があったと判定した場合には、所定の処理を行う始動口異常入賞エラー処理を実行し、当該特別図柄乱数取得理(ステップS535)を終了する。
【0328】
図33は、上記ステップS540の特定領域通過処理を説明するフローチャートである。
【0329】
(ステップS540-1)
メインCPU300aは、上記ステップS500-11で特定領域検出スイッチオン検出時であると判定した場合には、有効期間フラグがオンしているか否かを判定する。その結果、有効期間フラグがオンしていると判定した場合にはステップS540-3に処理を移し、有効期間フラグはオンしていないと判定した場合にはステップS540-9に処理を移す。
【0330】
なお、詳しくは後述するが、この有効期間フラグは、特定領域502への遊技球の進入を有効なものとみなすか否かを判断するためのものであり、実施例においては、小当り遊技(1回目のラウンド遊技)の開始時にオンされる。
【0331】
(ステップS540-3)
上記ステップS540-1において、有効期間フラグがオンしていると判定した場合には、メインCPU300aは、特定領域進入フラグがオンしているかを判定する。なお、特定領域進入フラグは、特定領域502に遊技球が既に有効に進入したことを識別するものである。特定領域進入フラグがオンしていると判定した場合には当該特定領域通過処理を終了し、特定領域進入フラグはオンしていないと判定した場合にはステップS540-5に処理を移す。
【0332】
(ステップS540-5)
メインCPU300aは、特定領域進入フラグをオンする。
【0333】
(ステップS540-7)
メインCPU300aは、特定領域502に遊技球が有効に進入したことを副制御基板330に伝達すべく、特定領域進入コマンドを送信バッファにセットし、当該特定領域通過処理を終了する。
【0334】
(ステップS540-9)
メインCPU300aは、所定のエラー処理を実行する。
【0335】
(ステップS540-11)
メインCPU300aは、エラーが検出されたことを示すエラーコマンドを送信バッファにセットし、当該特定領域通過処理を終了する。
【0336】
図34は、特別遊技管理フェーズを説明する図である。既に説明したとおり、実施例では、第1始動口120または第2始動口122への遊技球の入球を契機とする特別遊技と、ゲート124への遊技球の通過を契機とする普通遊技とが、同時並行して進行する。特別遊技に係る処理は、段階的に、かつ、繰り返し実行されるが、主制御基板300では、こうした特別遊技に係る各処理を特別遊技管理フェーズによって管理している。
【0337】
図34に示すように、メインROM300bには、特別遊技を実行制御するための複数の特別遊技制御モジュールが格納されており、これら特別遊技制御モジュールごとに、特別遊技管理フェーズが対応付けられている。具体的には、特別遊技管理フェーズが「00H」である場合には、「特別図柄変動待ち処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「01H」である場合には、「特別図柄変動中処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「02H」である場合には、「特別図柄停止図柄表示処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「03H」、「07H」である場合には、「大入賞口開放前処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「04H」、「08H」である場合には、「大入賞口開放制御処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「05H」、「09H」である場合には、「大入賞口閉鎖有効処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「06H」、「0AH」である場合には、「大入賞口終了ウェイト処理」を実行するためのモジュールがコールされる。
【0338】
図35は、主制御基板300における特別遊技管理処理(ステップS600)を説明するフローチャートである。
【0339】
(ステップS600-1)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズをロードする。
【0340】
(ステップS600-3)
メインCPU300aは、上記ステップS600-1でロードした特別遊技管理フェーズに対応する特別遊技制御モジュールを選択する。
【0341】
(ステップS600-5)
メインCPU300aは、上記ステップS600-3で選択した特別遊技制御モジュールをコールして処理を開始する。
【0342】
(ステップS600-7)
メインCPU300aは、特別遊技の制御時間を管理する特別遊技タイマをロードし、当該特別遊技管理処理を終了する。
【0343】
図36は、主制御基板300における特別図柄変動待ち処理を説明するフローチャートである。この特別図柄変動待ち処理は、特別遊技管理フェーズが「00H」であった場合に実行される。
【0344】
(ステップS610-1)
メインCPU300aは、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特2保留数(X2)が「1」以上であるかを判定する。その結果、特2保留数(X2)が「1」以上であると判定した場合にはステップS610-7に処理を移し、特2保留数(X2)は「1」以上ではないと判定した場合にはステップS610-3に処理を移す。
【0345】
(ステップS610-3)
メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特1保留数(X1)が「1」以上であるかを判定する。その結果、特1保留数(X1)が「1」以上であると判定した場合にはステップS610-7に処理を移し、特1保留数(X1)は「1」以上ではないと判定した場合にはステップS610-5に処理を移す。
【0346】
(ステップS610-5)
メインCPU300aは、客待ち指定コマンドを送信バッファにセットするとともに、客待ち状態に設定するための客待ち設定処理を実行し、当該特別図柄変動待ち処理を終了する。
【0347】
(ステップS610-7)
メインCPU300aは、第2特図保留記憶領域の第1記憶部~第4記憶部に記憶されている特2保留、または、第1特図保留記憶領域の第1記憶部~第4記憶部に記憶されている特1保留を、1つ序数の小さい記憶部にブロック転送する。具体的には、上記ステップS610-1において、特別図柄2保留球数が「1」以上であると判定した場合には、第2特図保留記憶領域の第2記憶部~第4記憶部に記憶されている特2保留を、第1記憶部~第3記憶部に転送する。また、メインRAM300cには、処理対象となる第0記憶部が設けられており、第1記憶部に記憶されている特2保留を、第0記憶部にブロック転送する。また、上記ステップS610-3において、特別図柄1保留球数が「1」以上であると判定した場合には、第1特図保留記憶領域の第2記憶部~第4記憶部に記憶されている特1保留を、第1記憶部~第3記憶部に転送するとともに、第1記憶部に記憶されている特1保留を、第0記憶部にブロック転送する。なお、この特別図柄記憶エリアシフト処理においては、第0記憶部に転送された保留種別に対応する対象特別図柄保留球数カウンタのカウンタ値を「1」減算するとともに、特1保留または特2保留が「1」減算したことを示す、保留減指定コマンドを送信バッファにセットする。
【0348】
(ステップS610-9)
メインCPU300aは、第0記憶部に転送された小当たり決定乱数、保留種別をロードし、対応する小当たり決定乱数判定テーブルを選択して大役抽選を行い、その抽選結果を記憶する特別図柄当たり判定処理を実行する。
【0349】
(ステップS610-11)
メインCPU300aは、特別図柄を決定するための特別図柄図柄判定処理を実行する。ここでは、上記ステップS610-9の大役抽選の結果が小当たりであった場合には、第0記憶部に転送された当たり図柄乱数、保留種別をロードし、対応する当たり図柄乱数判定テーブルを選択して特別図柄判定データを抽出し、抽出した特別図柄判定データ(小当たり図柄の種別)をセーブする。また、上記ステップS610-9の大役抽選の結果がハズレであった場合には、保留種別に対応するハズレ用の特別図柄判定データ(ハズレ図柄の種別)をセーブする。具体的には、保留種別が特1保留であれば、ハズレ図柄として特別図柄Xをセーブし、保留種別が特2保留であれば、ハズレ図柄として特別図柄Yをセーブする。このようにして、特別図柄判定データをセーブしたら、当該特別図柄判定データに対応する図柄種別指定コマンドを送信バッファにセットする。
【0350】
(ステップS610-13)
メインCPU300aは、上記ステップS610-11で抽出した特別図柄判定データに対応する特別図柄停止図柄番号をセーブする。なお、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162は、それぞれ7セグで構成されており、7セグを構成する各セグメントには番号(カウンタ値)が対応付けられている。ここで決定する特別図柄停止図柄番号は、最終的に点灯するセグメントの番号(カウンタ値)を示すものである。
【0351】
(ステップS612)
メインCPU300aは、変動モード番号および変動パターン番号を決定する特別図柄変動番号決定処理を実行する。この特別図柄変動番号決定処理の詳細は後述する。
【0352】
(ステップS610-15)
メインCPU300aは、上記ステップS612で決定された変動モード番号および変動パターン番号をロードするとともに、変動時間決定テーブルを参照して、変動時間1および変動時間2を決定する。そして、決定した変動時間1、2の合計時間を、特別図柄変動タイマにセットする。
【0353】
(ステップS610-17)
メインCPU300aは、メインRAM300cの予備領域に、小当たり図柄の種別(特別図柄判定データ)等を記憶する予備領域設定処理を行う。
【0354】
(ステップS610-19)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162において、特別図柄の変動表示を開始するために、特別図柄表示図柄カウンタを設定する処理を実行する。第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162を構成する7セグの各セグメントにはカウンタ値が対応付けられており、特別図柄表示図柄カウンタに設定されたカウンタ値に対応するセグメントが点灯制御される。ここでは、特別図柄の変動表示の開始時に点灯させるセグメントに対応するカウンタ値が特別図柄表示図柄カウンタに設定されることとなる。なお、特別図柄表示図柄カウンタは、第1特別図柄表示器160に対応する特別図柄1表示図柄カウンタと、第2特別図柄表示器162に対応する特別図柄2表示図柄カウンタとが別個に設けられており、ここでは、保留種別に対応するカウンタにカウンタ値が設定される。
【0355】
(ステップS610-21)
メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタおよび特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値をロードし、特図保留指定コマンドを送信バッファにセットする。ここでは、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値(特1保留数)に基づいて特図1保留指定コマンドをセットし、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値(特2保留数)に基づいて特図2保留指定コマンドをセットする。また、ここでは、上記ステップS610-7で記憶した特1保留および特2保留の入賞順序に対応する特別図柄入賞順序コマンドを送信バッファにセットする。これにより、特1保留または特2保留が消化されるたびに、特1保留数および特2保留数、ならびに、これら各保留の入賞順序が副制御基板330に伝達されることとなる。
【0356】
(ステップS610-23)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「01H」に更新し、当該特別図柄変動待ち処理を終了する。
【0357】
図37は、主制御基板300における特別図柄変動番号決定処理を説明するフローチャートである。
【0358】
(ステップS612-1)
メインCPU300aは、上記ステップS610-9における大役抽選の結果が小当たりであるかを判定する。その結果、小当たりであると判定した場合にはステップS612-3に処理を移し、小当たりではない(ハズレである)と判定した場合にはステップS612-5に処理を移す。
【0359】
(ステップS612-3)
メインCPU300aは、現在の遊技状態、小当たり図柄の種別、保留種別、変動状態に対応するリーチモード決定乱数判定テーブルをセットする。
【0360】
(ステップS612-5)
メインCPU300aは、読み出した保留の保留種別が特2保留である場合には、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値を確認し、読み出した保留の保留種別が特1保留である場合には、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値を確認する。
【0361】
(ステップS612-7)
メインCPU300aは、現在の遊技状態、上記ステップS612-5で確認した保留数、保留種別に基づいて、対応するリーチグループ決定乱数判定テーブルをセットする。そして、セットしたリーチグループ決定乱数判定テーブルと、上記ステップS610-7で第0記憶部に転送したリーチグループ決定乱数とに基づいて、リーチグループ(グループ種別)を決定する。
【0362】
(ステップS612-9)
メインCPU300aは、上記ステップS612-7で決定されたグループ種別に対応するハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルをセットする。
【0363】
(ステップS612-11)
メインCPU300aは、上記ステップS612-3または上記ステップS612-9でセットしたリーチモード決定乱数判定テーブルと、上記ステップS610-7で第0記憶部に転送したリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号を決定する。また、ここでは、変動モード番号とともに、変動パターン乱数判定テーブルが決定される。
【0364】
(ステップS612-13)
メインCPU300aは、上記ステップS612-11で決定した変動モード番号に対応する変動モードコマンドを送信バッファにセットする。
【0365】
(ステップS612-15)
メインCPU300aは、上記ステップS612-11で決定した変動パターン乱数判定テーブルと、上記ステップS610-7で第0記憶部に転送した変動パターン乱数とに基づいて、変動パターン番号を決定する。
【0366】
(ステップS612-17)
メインCPU300aは、上記ステップS612-15で決定した変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドを送信バッファにセットして、当該特別図柄変動番号決定処理を終了する。
【0367】
図38は、主制御基板300における特別図柄変動中処理を説明するフローチャートである。この特別図柄変動中処理は、特別遊技管理フェーズが「01H」であった場合に実行される。
【0368】
(ステップS620-1)
メインCPU300aは、特別図柄変動ベースカウンタを更新する処理を実行する。なお、特別図柄変動ベースカウンタは、所定周期(例えば100ms)で1周するようにカウンタ値が設定される。具体的には、特別図柄変動ベースカウンタのカウンタ値が「0」であった場合には、所定のカウンタ値(例えば25)がセットされ、カウンタ値が「1」以上であった場合には、現在のカウンタ値から「1」減算した値にカウンタ値を更新する。
【0369】
(ステップS620-3)
メインCPU300aは、上記ステップS620-1で更新した特別図柄変動ベースカウンタのカウンタ値が「0」であるかを判定する。その結果、カウンタ値が「0」であった場合にはステップS620-5に処理を移し、カウンタ値が「0」ではなかった場合にはステップS620-9に処理を移す。
【0370】
(ステップS620-5)
メインCPU300aは、上記ステップS610-15で設定された特別図柄変動タイマのタイマ値を所定値減算する特別図柄変動タイマ更新処理を行う。
【0371】
(ステップS620-7)
メインCPU300aは、上記ステップS620-5で更新した特別図柄変動タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、タイマ値が「0」であった場合にはステップS620-15に処理を移し、タイマ値が「0」ではなかった場合にはステップS620-9に処理を移す。
【0372】
(ステップS620-9)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162を構成する7セグの各セグメントの点灯時間を計時する特別図柄表示タイマを更新する。具体的には、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」であった場合には、所定のタイマ値がセットされ、タイマ値が「1」以上であった場合には、現在のタイマ値から「1」減算した値にタイマ値を更新する。
【0373】
(ステップS620-11)
メインCPU300aは、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS620-13に処理を移し、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合には当該特別図柄変動中処理を終了する。
【0374】
(ステップS620-13)
メインCPU300aは、更新対象の特別図柄表示図柄カウンタのカウンタ値を更新し、当該特別図柄変動中処理を終了する。これにより、7セグを構成する各セグメントが、所定時間おきに順次点灯することとなる。
【0375】
(ステップS620-15)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「02H」に更新する。
【0376】
(ステップS620-17)
メインCPU300aは、対象の特別図柄表示図柄カウンタに、上記ステップS610-13で決定した特別図柄停止図柄番号(カウンタ値)をセーブする。これにより、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に、決定された特別図柄が停止表示されることとなる。
【0377】
(ステップS620-19)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に特別図柄が停止表示されたことを示す特図停止指定コマンドを送信バッファにセットする。
【0378】
(ステップS620-21)
メインCPU300aは、特別図柄を停止表示する時間である特別図柄変動停止時間を特別遊技タイマにセットし、当該特別図柄変動中処理を終了する。
【0379】
図39は、主制御基板300における特別図柄停止図柄表示処理を説明するフローチャートである。この特別図柄停止図柄表示処理は、特別遊技管理フェーズが「02H」であった場合に実行される。
【0380】
(ステップS630-1)
メインCPU300aは、上記ステップS620-21でセットした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には、当該特別図柄停止図柄表示処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS630-3に処理を移す。
【0381】
(ステップS630-3)
メインCPU300aは、回数切り管理処理を実行する。ここでは、遊技状態が時短遊技状態である場合、残りの時短回数を計数する時短回数切りカウンタのカウンタ値をデクリメントする。そして、カウンタ値が0になった場合、遊技状態を時短遊技状態から非時短遊技状態に変更する。
【0382】
(ステップS630-5)
メインCPU300aは、残りの時短回数を示す回数コマンドを送信バッファにセットする。
【0383】
(ステップS630-7)
メインCPU300aは、特別図柄が確定したときの遊技状態を示す特図確定時遊技状態確認指定コマンドを送信バッファにセットする。
【0384】
(ステップS630-9)
メインCPU300aは、大役抽選の結果を確認する。
【0385】
(ステップS630-11)
メインCPU300aは、大役抽選の結果が小当たりであるかを判定する。その結果、小当たりであると判定した場合にはステップS630-15に処理を移し、小当たりではないと判定した場合にはステップS630-13に処理を移す。
【0386】
(ステップS630-13)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該特別図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、1の保留に基づく特別遊技管理処理が終了し、特1保留または特2保留が記憶されている場合には、次の保留に基づく特別図柄の変動表示を開始するための処理が行われることとなる。
【0387】
(ステップS630-15)
メインCPU300aは、確定した特別図柄の種別に応じて、特別電動役物作動ラムセットテーブルのデータをセットする。
【0388】
(ステップS630-17)
メインCPU300aは、特別電動役物最大作動回数設定処理を行う。具体的には、上記ステップS630-15でセットしたデータを参照し、特別電動役物最大作動回数カウンタに、カウンタ値として所定数(特別図柄の種別に対応するカウンタ値=ラウンド数)をセットする。なお、この特別電動役物最大作動回数カウンタは、これから開始する小当たり遊技において実行可能なラウンド数(「1」)を示すものである。一方、メインRAM300cには、特別電動役物連続作動回数カウンタが設けられており、各ラウンド遊技の開始時に、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値を「1」加算することで、現在のラウンド遊技数が管理される。ここでは、小当たり遊技の開始に伴って、この特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値をリセット(「0」に更新)する処理が併せて実行される。
【0389】
(ステップS630-19)
メインCPU300aは、上記ステップS630-17でセットしたデータを参照し、特別遊技タイマに、タイマ値として所定のオープニング時間をセーブする。
【0390】
(ステップS630-21)
メインCPU300aは、小当たり遊技の開始を副制御基板330に伝達するためのオープニング指定コマンドを送信バッファにセットする。なお、このオープニング指定コマンドは、オープニング時間ごとに設けられており、ここでは、上記ステップS630-19でセーブされたオープニング時間に対応するオープニング指定コマンドが送信バッファにセットされる。
【0391】
(ステップS630-23)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「07H」に更新して、当該特別図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、小当たり遊技が開始されることとなる。
【0392】
図40は、主制御基板300における大入賞口開放前処理を説明するフローチャートである。この大入賞口開放前処理は、特別遊技管理フェーズが「03H」、「07H」であった場合に実行される。
【0393】
(ステップS640-1)
メインCPU300aは、特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該大入賞口開放前処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS640-3に処理を移す。
【0394】
(ステップS640-3)
メインCPU300aは、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
【0395】
(ステップS640-5)
メインCPU300aは、第1大入賞口126および第2大入賞口128の開放開始(ラウンド遊技の開始)を副制御基板330に伝達するための大入賞口開放指定コマンドを送信バッファにセットする。
【0396】
(ステップS641)
メインCPU300aは、大入賞口開閉切替処理を実行する。この大入賞口開閉切替処理については後述する。
【0397】
(ステップS640-7)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズが07Hであるか、つまり、小当たり遊技中であるかを判定する。その結果、特別遊技管理フェーズが07Hであると判定した場合にはステップS640-9に処理を移し、特別遊技管理フェーズは07Hではないと判定した場合にはステップS640-13に処理を移す。
【0398】
(ステップS640-9)
メインCPU300aは、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値に基づいて、1回目のラウンド遊技の開始時であるかを判定する。その結果、1回目のラウンド遊技の開始時であると判定した場合はステップS640-11に処理を移し、1回目のラウンド遊技の開始時ではないと判定した場合にはステップS640-13に処理を移す。
【0399】
(ステップS640-11)
メインCPU300aは、有効期間フラグをオンする。これにより、小当たり遊技の開始に伴って、特定領域502への遊技球の進入が有効化される。
【0400】
(ステップS640-13)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを、現在の値に01Hを加算した値(「04H」または「08H」)に更新し、当該大入賞口開放前処理を終了する。
【0401】
図41は、主制御基板300における大入賞口開閉切替処理を説明するフローチャートである。
【0402】
(ステップS641-1)
メインCPU300aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数(1回のラウンド遊技中における第1大入賞口126および第2大入賞口128の開閉回数)の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合には当該大入賞口開閉切替処理を終了し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS641-3に処理を移す。
【0403】
(ステップS641-3)
メインCPU300aは、特別電動役物作動ラムセットテーブルのデータを参照し、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値に基づいて、第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cを通電制御するためのソレノイド制御データ、ならびに、第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cの通電時間もしくは通電停止時間であるタイマデータを抽出する。
【0404】
(ステップS641-5)
メインCPU300aは、上記ステップS641-3で抽出したソレノイド制御データに基づいて、第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cの通電を開始するか、もしくは、第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cの通電を停止するための大入賞口ソレノイド通電制御処理を実行する。この大入賞口ソレノイド通電制御処理の実行により、上記ステップS400-31およびステップS400-33において、第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cの通電開始もしくは通電停止の制御がなされることとなる。
【0405】
(ステップS641-7)
メインCPU300aは、上記ステップS641-3で抽出したタイマデータに基づくタイマ値を、特別遊技タイマにセーブする。なお、ここで特別遊技タイマにセーブされるタイマ値は、第1大入賞口126および第2大入賞口128の1回の最大開放時間となる。
【0406】
(ステップS641-9)
メインCPU300aは、第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cの通電開始状態か、すなわち、上記ステップS641-5において、第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cの通電を開始する制御処理がなされたかを判定する。その結果、通電開始状態であると判定した場合にはステップS641-11に処理を移し、通電開始状態ではないと判定した場合には当該大入賞口開閉切替処理を終了する。
【0407】
(ステップS641-11)
メインCPU300aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新し、当該大入賞口開閉切替処理を終了する。
【0408】
図42は、主制御基板300における大入賞口開放制御処理を説明するフローチャートである。この大入賞口開放制御処理は、特別遊技管理フェーズが「04H」、「08H」であった場合に実行される。
【0409】
(ステップS650-1)
メインCPU300aは、上記ステップS641-7でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合にはステップS650-5に処理を移し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS650-3に処理を移す。
【0410】
(ステップS650-3)
メインCPU300aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合にはステップS650-7に処理を移し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS641に処理を移す。
【0411】
(ステップS641)
上記ステップS650-3において、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数の上限値ではないと判定した場合には、メインCPU300aは、上記ステップS641の処理を実行する。
【0412】
(ステップS650-5)
メインCPU300aは、上記ステップS500-9で更新された大入賞口入賞球数カウンタのカウンタ値が規定数に到達していないか、すなわち、第1大入賞口126または第2大入賞口128に、1ラウンド中の最大入賞可能数と同数の遊技球が入球していないかを判定する。その結果、規定数に到達していないと判定した場合には当該大入賞口開放制御処理を終了し、規定数に到達したと判定した場合にはステップS650-7に処理を移す。
【0413】
(ステップS650-7)
メインCPU300aは、第1大入賞口ソレノイド126cおよび第2大入賞口ソレノイド128cの通電を停止して第1大入賞口126および第2大入賞口128を閉鎖するために必要な大入賞口閉鎖処理を実行する。これにより、第1大入賞口126および第2大入賞口128が閉鎖状態となる。
【0414】
(ステップS650-9)
メインCPU300aは、大入賞口閉鎖有効時間(インターバル時間)を特別遊技タイマにセーブする。
【0415】
(ステップS650-11)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを、現在の値に01Hを加算した値(「05H」または「09H」)に更新する。
【0416】
(ステップS650-13)
メインCPU300aは、第1大入賞口126および第2大入賞口128が閉鎖されたことを示す大入賞口閉鎖指定コマンドを送信バッファにセットし、当該大入賞口開放制御処理を終了する。
【0417】
図43は、主制御基板300における大入賞口閉鎖有効処理を説明するフローチャートである。この大入賞口閉鎖有効処理は、特別遊技管理フェーズが「05H」、「09H」であった場合に実行される。
【0418】
(ステップS660-1)
メインCPU300aは、上記ステップS650-9でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該大入賞口閉鎖有効処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS660-3に処理を移す。
【0419】
(ステップS660-3)
メインCPU300aは、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物最大作動回数カウンタのカウンタ値と一致するか、すなわち、予め設定された回数のラウンド遊技が終了したかを判定する。その結果、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物最大作動回数カウンタのカウンタ値と一致すると判定した場合にはステップS660-9に処理を移し、一致しないと判定した場合にはステップS660-5に処理を移す。
【0420】
(ステップS660-5)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「03H」に更新する。なお、特別遊技管理フェーズが「09H」である場合、すなわち、小当たり遊技の制御中は、小当たり遊技のラウンド遊技回数が「1」であることから、上記ステップS660-3で必ずYESと判定され、当該ステップに処理が移行することはない。
【0421】
(ステップS660-7)
メインCPU300aは、所定の大入賞口閉鎖時間を特別遊技タイマにセーブし、当該大入賞口閉鎖有効処理を終了する。これにより、次のラウンド遊技が開始されることとなる。
【0422】
(ステップS660-9)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズが09Hであるか、つまり、小当たり遊技中であるかを判定する。その結果、特別遊技管理フェーズが09Hであると判定した場合にはステップS660-11に処理を移し、特別遊技管理フェーズは09Hではないと判定した場合にはステップS660-21に処理を移す。
【0423】
(ステップS660-11)
メインCPU300aは、第2大入賞口128に入球した遊技球が全て排出されたかを判定する。ここでは、第2大入賞口128に入球した遊技球数から、特定領域502および非特定領域500に進入した遊技球の合計数を減算した値が0になった場合に、排出が完了したと判定する。排出が完了したと判定した場合にはステップS660-13に処理を移し、排出は完了していないと判定した場合には当該大入賞口閉鎖有効処理を終了する。なお、排出が完了していないとする判定結果が一定時間に亘って継続的に導出されると、エラー処理が行われる。
【0424】
(ステップS660-13)
メインCPU300aは、特定領域進入フラグがオンしているかを判定する。その結果、特定領域進入フラグがオンしていると判定した場合にはステップS660-15に処理を移し、特定領域進入フラグはオンしていないと判定した場合にはステップS660-21に処理を移す。
【0425】
(ステップS660-15)
メインCPU300aは、特定領域進入フラグをオフする。
【0426】
(ステップS660-17)
メインCPU300aは、小当たり図柄の種別を確認し、特別電動役物最大作動回数カウンタに、カウンタ値として所定数(特別図柄の種別に対応するカウンタ値=ラウンド数から1を減算した値、すなわち、大役遊技におけるラウンド遊技数)をセットする。
【0427】
(ステップS660-19)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズに03Hをセットし、当該大入賞口閉鎖有効処理を終了する。
【0428】
(ステップS660-21)
メインCPU300aは、エンディング時間を特別遊技タイマにセーブするエンディング時間設定処理を実行する。
【0429】
(ステップS660-23)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを、現在の値に01Hを加算した値(「06H」または「0AH」)に更新する。
【0430】
(ステップS660-25)
メインCPU300aは、エンディングの開始を示すエンディング指定コマンドを送信バッファにセットし、当該大入賞口閉鎖有効処理を終了する。
【0431】
図44は、主制御基板300における大入賞口終了ウェイト処理を説明するフローチャートである。この大入賞口終了ウェイト処理は、特別遊技管理フェーズが「06H」、「0AH」であった場合に実行される。
【0432】
(ステップS670-1)
メインCPU300aは、上記ステップS660-21でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合には当該大入賞口終了ウェイト処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS670-3に処理を移す。
【0433】
(ステップS670-3)
メインCPU300aは、小当たり遊技において特定領域502に遊技球が進入したことに基づいて実行された大役遊技の終了後の遊技状態を設定するための状態設定処理を実行する。具体的には、メインCPU300aは、遊技状態設定テーブル(図18)を参照して、小当たり遊技の実行契機となった特別図柄の種別に基づいて、大役遊技終了後の遊技状態、および、時短回数を設定する。なお、小当たり遊技において特定領域502に遊技球が進入しなかった場合、すなわち、特別遊技管理フェーズが「0AH」であった場合には、当該ステップS670-3において、遊技状態の設定は行われない。
【0434】
また、ここでは、小当たり遊技の実行契機となった小当たり図柄と、設定中の設定値とに基づいて、大役遊技の終了後の変動状態を設定する処理も行われる。
【0435】
(ステップS670-5)
メインCPU300aは、大役遊技の終了後に設定される遊技状態および変動状態を伝達するための遊技状態変化指定コマンドを送信バッファにセットする。
【0436】
(ステップS670-7)
メインCPU300aは、上記ステップS670-3でセーブした時短回数に対応する回数指定コマンドを送信バッファにセットする。
【0437】
(ステップS670-9)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該大入賞口終了ウェイト処理を終了する。これにより、特1保留または特2保留が記憶されている場合には、特別図柄の変動表示が再開されることとなる。
【0438】
図45は、普通遊技管理フェーズを説明する図である。既に説明したとおり、実施例では、ゲート124への遊技球の通過を契機とする普通遊技に係る処理が、段階的に、かつ、繰り返し実行されるが、主制御基板300では、こうした普通遊技に係る各処理を普通遊技管理フェーズによって管理している。
【0439】
図45に示すように、メインROM300bには、普通遊技を実行制御するための複数の普通遊技制御モジュールが格納されており、これら普通遊技制御モジュールごとに、普通遊技管理フェーズが対応付けられている。具体的には、普通遊技管理フェーズが「00H」である場合には、「普通図柄変動待ち処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「01H」である場合には、「普通図柄変動中処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「02H」である場合には、「普通図柄停止図柄表示処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「03H」である場合には、「普通電動役物入賞口開放前処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「04H」である場合には、「普通電動役物入賞口開放制御処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「05H」である場合には、「普通電動役物入賞口閉鎖有効処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「06H」である場合には、「普通電動役物入賞口終了ウェイト処理」を実行するためのモジュールがコールされる。
【0440】
図46は、主制御基板300における普通遊技管理処理(ステップS700)を説明するフローチャートである。
【0441】
(ステップS700-1)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズをロードする。
【0442】
(ステップS700-3)
メインCPU300aは、上記ステップS700-1でロードした普通遊技管理フェーズに対応する普通遊技制御モジュールを選択する。
【0443】
(ステップS700-5)
メインCPU300aは、上記ステップS700-3で選択した普通遊技制御モジュールをコールして処理を開始する。
【0444】
(ステップS700-7)
メインCPU300aは、普通遊技の制御時間を管理する普通遊技タイマをロードする。
【0445】
図47は、主制御基板300における普通図柄変動待ち処理を説明するフローチャートである。この普通図柄変動待ち処理は、普通遊技管理フェーズが「00H」であった場合に実行される。
【0446】
(ステップS710-1)
メインCPU300aは、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値をロードし、カウンタ値が「0」であるか、すなわち、普図保留が「0」であるかを判定する。その結果、カウンタ値が「0」であると判定した場合には当該普通図柄変動待ち処理を終了し、カウンタ値は「0」ではないと判定した場合にはステップS710-3に処理を移す。
【0447】
(ステップS710-3)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域の第1記憶部~第4記憶部に記憶されている普図保留(当たり決定乱数)を、1つ序数の小さい記憶部にブロック転送する。具体的には、第2記憶部~第4記憶部に記憶されている普図保留を、第1記憶部~第3記憶部に転送する。また、メインRAM300cには、処理対象となる第0記憶部が設けられており、第1記憶部に記憶されている普図保留を、第0記憶部に転送する。なお、この普通図柄記憶エリアシフト処理においては、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値を「1」減算するとともに、普図保留が「1」減算したことを示す、普図保留減指定コマンドを送信バッファにセットする。
【0448】
(ステップS710-5)
メインCPU300aは、第0記憶部に転送された当たり決定乱数をロードし、現在の遊技状態に対応する当たり決定乱数判定テーブルを選択して普図抽選を行い、その抽選結果を記憶する普通図柄当たり判定処理を実行する。
【0449】
(ステップS710-7)
メインCPU300aは、上記ステップS710-5の普図抽選の結果に対応する普通図柄停止図柄番号をセーブする。なお、実施例では、普通図柄表示器168は1つのLEDランプで構成されており、当たりの場合には普通図柄表示器168を点灯させ、ハズレの場合には普通図柄表示器168を消灯させる。ここで決定する普通図柄停止図柄番号は、最終的に普通図柄表示器168を点灯するか否かを示すものであり、例えば、当たりに当選した場合には、普通図柄停止図柄番号として「0」が決定され、ハズレの場合には、普通図柄停止図柄番号として「1」が決定される。
【0450】
(ステップS710-9)
メインCPU300aは、現在の遊技状態を確認し、対応する普通図柄変動時間データテーブルを選択してセットする。
【0451】
(ステップS710-11)
メインCPU300aは、上記ステップS710-3で第0記憶部に転送した当たり決定乱数と、上記ステップS710-9でセットした普通図柄変動時間データテーブルとに基づいて、普通図柄変動時間を決定する。
【0452】
(ステップS710-13)
メインCPU300aは、上記ステップS710-11で決定した普通図柄変動時間を普通遊技タイマにセーブする。
【0453】
(ステップS710-15)
メインCPU300aは、普通図柄表示器168において、普通図柄の変動表示を開始するために、普通図柄表示図柄カウンタを設定する処理を実行する。この普通図柄表示図柄カウンタに、カウンタ値として例えば「0」が設定されている場合には普通図柄表示器168が点灯制御され、カウンタ値として「1」が設定されている場合には普通図柄表示器168が消灯制御される。ここでは、普通図柄の変動表示の開始時に所定のカウンタ値が普通図柄表示図柄カウンタに設定されることとなる。
【0454】
(ステップS710-17)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域に記憶されている普図保留数を示す普図保留指定コマンドを送信バッファにセットする。
【0455】
(ステップS710-19)
メインCPU300aは、上記ステップS710-7で決定された普通図柄停止図柄番号、すなわち、普通図柄当たり判定処理によって決定された図柄種別(当たり図柄またはハズレ図柄)に基づいて、普通図柄指定コマンドを送信バッファにセットする。
【0456】
(ステップS710-21)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「01H」に更新し、当該普通図柄変動待ち処理を終了する。
【0457】
図48は、主制御基板300における普通図柄変動中処理を説明するフローチャートである。この普通図柄変動中処理は、普通遊技管理フェーズが「01H」であった場合に実行される。
【0458】
(ステップS720-1)
メインCPU300aは、上記ステップS710-13でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、タイマ値が「0」であった場合にはステップS720-9に処理を移し、タイマ値が「0」でなかった場合にはステップS720-3に処理を移す。
【0459】
(ステップS720-3)
メインCPU300aは、普通図柄表示器168の点灯時間および消灯時間を計時する普通図柄表示タイマを更新する。具体的には、普通図柄表示タイマのタイマ値が「0」であった場合には、所定のタイマ値がセットされ、タイマ値が「1」以上であった場合には、現在のタイマ値から「1」減算した値にタイマ値を更新する。
【0460】
(ステップS720-5)
メインCPU300aは、普通図柄表示タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、普通図柄表示タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS720-7に処理を移し、普通図柄表示タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合には当該普通図柄変動中処理を終了する。
【0461】
(ステップS720-7)
メインCPU300aは、普通図柄表示図柄カウンタのカウンタ値を更新する。ここでは、普通図柄表示図柄カウンタのカウンタ値が、普通図柄表示器168の消灯を示すカウンタ値であった場合には点灯を示すカウンタ値に更新し、普通図柄表示器168の点灯を示すカウンタ値であった場合には消灯を示すカウンタ値に更新し、当該普通図柄変動中処理を終了する。これにより、普通図柄表示器168は、普通図柄変動時間にわたって、所定時間おきに点灯、消灯を繰り返す(点滅する)こととなる。
【0462】
(ステップS720-9)
メインCPU300aは、普通図柄表示図柄カウンタに、上記ステップS710-7で決定した普通図柄停止図柄番号(カウンタ値)をセーブする。これにより、普通図柄表示器168が最終的に点灯もしくは消灯制御され、普図抽選の結果が報知されることとなる。
【0463】
(ステップS720-11)
メインCPU300aは、普通図柄を停止表示する時間である普通図柄変動停止時間を普通遊技タイマにセットする。
【0464】
(ステップS720-13)
メインCPU300aは、普通図柄の停止表示が開始されたことを示す普図停止指定コマンドを送信バッファにセットする。
【0465】
(ステップS720-15)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「02H」に更新し、当該普通図柄変動中処理を終了する。
【0466】
図49は、主制御基板300における普通図柄停止図柄表示処理を説明するフローチャートである。この普通図柄停止図柄表示処理は、普通遊技管理フェーズが「02H」であった場合に実行される。
【0467】
(ステップS730-1)
メインCPU300aは、上記ステップS720-11でセットした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該普通図柄停止図柄表示処理を終了し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS730-3に処理を移す。
【0468】
(ステップS730-3)
メインCPU300aは、普図抽選の結果を確認する。
【0469】
(ステップS730-5)
メインCPU300aは、普図抽選の結果が当たりであるかを判定する。その結果、当たりであると判定した場合にはステップS730-9に処理を移し、当たりではない(ハズレである)と判定した場合にはステップS730-7に処理を移す。
【0470】
(ステップS730-7)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該普通図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、1の普図保留に基づく普通遊技管理処理が終了し、普図保留が記憶されている場合には、次の保留に基づく普通図柄の変動表示を開始するための処理が行われることとなる。
【0471】
(ステップS730-9)
メインCPU300aは、開閉制御パターンテーブルのデータを参照し、普通遊技タイマに、タイマ値として普電開放前時間をセーブする。
【0472】
(ステップS730-11)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「03H」に更新し、当該普通図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、第2始動口122の開閉制御が開始されることとなる。
【0473】
図50は、主制御基板300における普通電動役物入賞口開放前処理を説明するフローチャートである。この普通電動役物入賞口開放前処理は、普通遊技管理フェーズが「03H」であった場合に実行される。
【0474】
(ステップS740-1)
メインCPU300aは、普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口開放前処理を終了し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS741に処理を移す。
【0475】
(ステップS741)
メインCPU300aは、普通電動役物入賞口開閉切替処理を実行する。この普通電動役物入賞口開閉切替処理については後述する。
【0476】
(ステップS740-3)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「04H」に更新し、当該普通電動役物入賞口開放前処理を終了する。
【0477】
図51は、主制御基板300における普通電動役物入賞口開閉切替処理を説明するフローチャートである。
【0478】
(ステップS741-1)
メインCPU300aは、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、普通電動役物開閉切替回数(1回の開閉制御中における可動片122bの開閉回数)の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合には当該普通電動役物入賞口開閉切替処理を終了し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS741-3に処理を移す。
【0479】
(ステップS741-3)
メインCPU300aは、開閉制御パターンテーブルのデータを参照し、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値に基づいて、普通電動役物ソレノイド122cを通電制御するためのソレノイド制御データ(通電制御データまたは通電停止制御データ)、および、普通電動役物ソレノイド122cの通電時間(ソレノイド通電時間)もしくは通電停止時間(普電閉鎖有効時間=休止時間)であるタイマデータを抽出する。
【0480】
(ステップS741-5)
メインCPU300aは、上記ステップS741-3で抽出したソレノイド制御データに基づいて、普通電動役物ソレノイド122cの通電を開始するか、もしくは、普通電動役物ソレノイド122cの通電を停止するための普通電動役物ソレノイド通電制御処理を実行する。この普通電動役物ソレノイド通電制御処理の実行により、上記ステップS400-31およびステップS400-33において、普通電動役物ソレノイド122cの通電開始もしくは通電停止の制御がなされることとなる。
【0481】
(ステップS741-7)
メインCPU300aは、上記ステップS741-3で抽出したタイマデータに基づくタイマ値を、普通遊技タイマにセーブする。なお、ここで普通遊技タイマにセーブされるタイマ値は、第2始動口122の1回の最大開放時間となる。
【0482】
(ステップS741-9)
メインCPU300aは、普通電動役物ソレノイド122cの通電開始状態か、すなわち、上記ステップS741-5において、普通電動役物ソレノイド122cの通電を開始する制御処理がなされたかを判定する。その結果、通電開始状態であると判定した場合にはステップS741-11に処理を移し、通電開始状態ではないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口開閉切替処理を終了する。
【0483】
(ステップS741-11)
メインCPU300aは、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
【0484】
図52は、主制御基板300における普通電動役物入賞口開放制御処理を説明するフローチャートである。この普通電動役物入賞口開放制御処理は、普通遊技管理フェーズが「04H」であった場合に実行される。
【0485】
(ステップS750-1)
メインCPU300aは、上記ステップS741-7でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合にはステップS750-5に処理を移し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS750-3に処理を移す。
【0486】
(ステップS750-3)
メインCPU300aは、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、普通電動役物開閉切替回数の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合にはステップS750-7に処理を移し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS741に処理を移す。
【0487】
(ステップS741)
上記ステップS750-3において、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、普通電動役物開閉切替回数の上限値ではないと判定した場合には、メインCPU300aは、上記ステップS741の処理を実行する。
【0488】
(ステップS750-5)
メインCPU300aは、上記ステップS530-9で更新された普通電動役物入賞球数カウンタのカウンタ値が規定数に到達していないか、すなわち、第2始動口122に、1回の開閉制御中の最大入賞可能数と同数の遊技球が入球していないかを判定する。その結果、規定数に到達していないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口開放制御処理を終了し、規定数に到達したと判定した場合にはステップS750-7に処理を移す。
【0489】
(ステップS750-7)
メインCPU300aは、普通電動役物ソレノイド122cの通電を停止して第2始動口122を閉鎖するために必要な普通電動役物閉鎖処理を実行する。これにより、第2始動口122が閉鎖状態となる。
【0490】
(ステップS750-9)
メインCPU300aは、普電有効状態時間を普通遊技タイマにセーブする。
【0491】
(ステップS750-11)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「05H」に更新し、当該普通電動役物入賞口開放制御処理を終了する。
【0492】
図53は、主制御基板300における普通電動役物入賞口閉鎖有効処理を説明するフローチャートである。この普通電動役物入賞口閉鎖有効処理は、普通遊技管理フェーズが「05H」であった場合に実行される。
【0493】
(ステップS760-1)
メインCPU300aは、上記ステップS750-9でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口閉鎖有効処理を終了し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS760-3に処理を移す。
【0494】
(ステップS760-3)
メインCPU300aは、普電終了ウェイト時間を普通遊技タイマにセーブする。
【0495】
(ステップS760-5)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「06H」に更新し、当該普通電動役物入賞口閉鎖有効処理を終了する。
【0496】
図54は、主制御基板300における普通電動役物入賞口終了ウェイト処理を説明するフローチャートである。この普通電動役物入賞口終了ウェイト処理は、普通遊技管理フェーズが「06H」であった場合に実行される。
【0497】
(ステップS770-1)
メインCPU300aは、上記ステップS760-3でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口終了ウェイト処理を終了し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS770-3に処理を移す。
【0498】
(ステップS770-3)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該普通電動役物入賞口終了ウェイト処理を終了する。これにより、普図保留が記憶されている場合には、普通図柄の変動表示が再開されることとなる。
【0499】
以上のように、本実施形態によれば、第2大入賞口128に入球した遊技球が特定領域502に進入することで二種大当たりとなる、所謂第二種の遊技が実現される。第二種の遊技では、第2大入賞口128に入球した遊技球が特定領域502に進入するか否かを見守る点に最大の醍醐味がある。そして、本実施形態では、第2大入賞口128に遊技球が入球した場合に、遊技者の期待感を高める演出が実行される。
【0500】
図55は、演出の一例を説明する図である。本実施形態では、第2大入賞口128に遊技球が入球した際に実行される演出として、通常演出、高期待値演出、大当たり演出の3つの演出が設けられている。これら3つの演出では、メイン演出表示部200aに画像が表示され、演出照明装置204が点灯制御され、音声出力装置206から音声が出力される。
【0501】
なお、通常演出、高期待値演出、大当たり演出の具体的な内容は特に限定されない。ただし、大当たり演出は、高期待値演出および通常演出よりも派手な演出であり、高期待値演出は、通常演出よりも緊張感や期待感が高められる内容となっている。そして、これら3つの演出には、演出を開始する実行契機がそれぞれ設定されている。
【0502】
通常演出は、通常通路検出スイッチ410sによって遊技球が検出された場合に実行される。高期待値演出は、リプレイ通路検出スイッチ450sまたはSPルート検出スイッチ470sによって遊技球が検出された場合に実行される。また、大当たり演出は、特定領域検出スイッチ502sによって遊技球が検出された場合に実行される。
【0503】
つまり、通常演出は、第2大入賞口128に入球した遊技球が通常通路410に導かれた場合に開始となる。また、高期待値演出は、リプレイ通路440または第6役物装置470に遊技球が導かれた場合に開始となる。上記したように、リプレイ通路440または第6役物装置470に遊技球が導かれた場合、二種大当たりとなる確率は1/3であるのに対して、通常通路410に遊技球が導かれた場合に二種大当たりとなる確率は極めて低い。
【0504】
したがって、通常演出および高期待値演出により、二種大当たりの当選確率が遊技者に示唆されることとなる。また、大当たり演出は、二種大当たりに当選した場合に実行されるため、二種大当たりの当選を示唆する演出と言える。
【0505】
ここで、本実施形態では、1回の小当たり遊技中に、第2大入賞口128に複数個の遊技球が入球する可能性がある。そのため、例えば、高期待値演出の実行中に、通常通路検出スイッチ410sによって遊技球が検出される場合がある。このとき、通常通路検出スイッチ410sによる遊技球の検出を契機に、高期待値演出を強制終了させ、通常演出を開始することが考えられる。
【0506】
しかしながら、この場合、相対的に期待度の高い演出が、期待度の低い演出に変更されることとなり、演出効果が低下する。また、仮に、大当たり演出が、通常演出や高期待値演出に切り替わると、演出の内容が遊技の状況と一致しなくなり、遊技の興趣が低下する。そこで、本実施形態では、上記の3つの演出に優先度が設定されている。そして、相対的に優先度の高い演出は、優先度の低い演出を強制的に中止させたうえで開始可能とし、相対的に優先度の低い演出は、優先度の高い演出中は実行されないように設定されている。
【0507】
なお、リプレイ通路検出スイッチ450sによって遊技球が検出された場合に実行される高期待値演出と、SPルート検出スイッチ470sによって遊技球が検出された場合に実行される高期待値演出とは同じでもよいし、異なってもよい。また、例えば、リプレイ通路検出スイッチ450sまたはSPルート検出スイッチ470sによって遊技球が検出されて高期待値演出が実行されたとする。そして、この高期待値演出の実行中に、さらに、リプレイ通路検出スイッチ450sまたはSPルート検出スイッチ470sによって遊技球が検出されたとする。この場合、新たに遊技球が検出されたことに基づいて、高期待値演出が新たに開始されてもよいし、新たに遊技球が検出されたことに基づいては、高期待値演出が開始されないとしてもよい。
【0508】
以下に、上記のように演出を実行するための副制御基板330の処理について説明する。なお、ここでは、小当たり遊技中に実行される演出の処理について説明し、その他の演出に関する処理については説明を省略する。
【0509】
図56は、副制御基板330のサブCPU初期化処理(S1000)を説明するフローチャートである。
【0510】
(ステップS1000-1)
サブCPU330aは、電源投入に応じて、サブROM330bからCPU初期化処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM330cに記憶されるフラグ等の初期化、設定処理を行う。
【0511】
(ステップS1000-3)
次に、サブCPU330aは、各演出乱数を更新する処理を行うとともに、以後は、割込み処理が行われるまで当該ステップS1000-3の処理を繰り返し行う。なお、演出乱数は複数種類設けられており、ここでは、それぞれの演出乱数が非同期的に更新されている。
【0512】
(副制御基板330のサブタイマ割込み処理)
図57は、副制御基板330のサブタイマ割込み処理(S1100)を説明するフローチャートである。副制御基板330には、所定の周期(1秒間に30回)でクロックパルスを発生するリセット用クロックパルス発生回路(不図示)が設けられている。そして、このリセット用クロックパルス発生回路によるクロックパルスの発生により、サブCPU330aはタイマ割込み処理プログラムを読み込んで当該サブタイマ割込み処理を開始する。
【0513】
(ステップS1100-1)
サブCPU330aは、レジスタを退避する。
【0514】
(ステップS1100-3)
サブCPU330aは、割込みを許可するための処理を行う。
【0515】
(ステップS1100-5)
サブCPU330aは、副制御基板330で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を行う。ここで、各種タイマカウンタは、特に断る場合を除き、当該副制御基板330のサブタイマ割込み処理の度に1ずつ減算され、0になると減算を停止する。
【0516】
(ステップS1200)
サブCPU330aは、上記の通常演出、高期待値演出および大当たり演出を含む役物演出を実行するための役物演出処理を行う。この役物演出処理については後述する。
【0517】
(ステップS1100-7)
サブCPU330aは、タイムテーブルを参照して、当該タイムテーブルに記憶された該当時間に対応する処理を実行するタイムスケジュール管理処理を行う。ここでは、タイムテーブルにセットされたタイムデータに基づいて、各種のフラグをオン、オフしたり、あるいは、各演出デバイスにコマンドを送信したりすることで、上記の役物演出をはじめとする各演出の実行を制御することとなる。
【0518】
(ステップS1100-9)
サブCPU330aは、レジスタを復帰して当該サブタイマ割込み処理を終了する。
【0519】
図58は、副制御基板330における役物演出処理を説明するフローチャートである。
【0520】
(ステップS1200-1)
サブCPU330aは、主制御基板300から特定領域進入コマンドを受信したかを判定する。その結果、特定領域進入コマンドを受信したと判定した場合にはステップS1200-3に処理を移し、特定領域進入コマンドを受信していないと判定した場合にはステップS1200-7に処理を移す。
【0521】
(ステップS1200-3)
サブCPU330aは、大当たり演出の実行中であるかを判定する。その結果、大当たり演出の実行中であると判定した場合にはステップS1200-7に処理を移し、大当たり演出の実行中ではないと判定した場合にはステップS1200-5に処理を移す。
【0522】
(ステップS1200-5)
サブCPU330aは、大当たり演出実行処理を行い、上記の大当たり演出を開始する。
【0523】
(ステップS1200-7)
サブCPU330aは、リプレイ通路検出スイッチ450sがオンしたか、すなわち、リプレイ通路440に遊技球が進入したかを判定する。その結果、リプレイ通路検出スイッチ450sがオンしたと判定した場合にはステップS1200-11に処理を移し、リプレイ通路検出スイッチ450sはオンしていないと判定した場合にはステップS1200-9に処理を移す。
【0524】
(ステップS1200-9)
サブCPU330aは、SPルート検出スイッチ470sがオンしたか、すなわち、第6役物装置470に遊技球が進入したかを判定する。その結果、SPルート検出スイッチ470sがオンしたと判定した場合にはステップS1200-11に処理を移し、SPルート検出スイッチ470sはオンしていないと判定した場合にはステップS1200-17に処理を移す。
【0525】
(ステップS1200-11)
サブCPU330aは、大当たり演出の実行中であるかを判定する。その結果、大当たり演出の実行中であると判定した場合にはステップS1200-17に処理を移し、大当たり演出の実行中ではないと判定した場合にはステップS1200-13に処理を移す。
【0526】
(ステップS1200-13)
サブCPU330aは、高期待値演出の実行中であるかを判定する。その結果、高期待値演出の実行中であると判定した場合にはステップS1200-17に処理を移し、高期待値演出の実行中ではないと判定した場合にはステップS1200-15に処理を移す。
【0527】
(ステップS1200-15)
サブCPU330aは、高期待値演出実行処理を行い、上記の高期待値演出を開始する。
【0528】
(ステップS1200-17)
サブCPU330aは、通常通路検出スイッチ410sがオンしたか、すなわち、通常通路410に遊技球が進入したかを判定する。その結果、通常通路検出スイッチ410sがオンしたと判定した場合にはステップS1200-19に処理を移し、通常通路検出スイッチ410sはオンしていないと判定した場合には、当該役物演出処理を終了する。
【0529】
(ステップS1200-19)
サブCPU330aは、大当たり演出の実行中であるかを判定する。その結果、大当たり演出の実行中であると判定した場合には当該役物演出処理を終了し、大当たり演出の実行中ではないと判定した場合にはステップS1200-21に処理を移す。
【0530】
(ステップS1200-21)
サブCPU330aは、高期待値演出の実行中であるかを判定する。その結果、高期待値演出の実行中であると判定した場合には当該役物演出処理を終了し、高期待値演出の実行中ではないと判定した場合にはステップS1200-23に処理を移す。
【0531】
(ステップS1200-23)
サブCPU330aは、通常演出の実行中であるかを判定する。その結果、通常演出の実行中であると判定した場合には当該役物演出処理を終了し、通常演出の実行中ではないと判定した場合にはステップS1200-25に処理を移す。
【0532】
(ステップS1200-25)
サブCPU330aは、通常演出実行処理を行い、上記の通常演出を開始して、当該役物演出処理を終了する。
【0533】
以上の処理によれば、相対的に優先度の高い演出の実行中は、相対的に優先度の低い演出の実行契機となっても、新たな演出が開始されず、実行中の演出が継続される。一方、相対的に優先度の低い演出の実行中に、相対的に優先度の高い演出の実行契機となった場合には、実行中の演出が強制終了され、相対的に優先度の高い演出が新たに開始される。
【0534】
これにより、演出効果の低下が抑制され、遊技の興趣が向上する。なお、ここでは、実行中の演出と、優先度の等しい演出の実行契機となった場合に、新たな演出が開始されないこととした。ただし、実行中の演出と、優先度の等しい演出の実行契機となった場合に、実行中の演出を強制終了させ、新たな演出が開始されてもよい。
【0535】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施例について説明したが、本発明はかかる実施例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0536】
上記実施例では、第二種の遊技機に本発明が適用される場合の一例について説明したが、本発明が適用可能な遊技機の遊技性はこれに限らない。例えば、本発明は、第一種の遊技機、第一種第二種混合機にも適用可能であることは言うまでもない。本発明は、所定の領域に遊技球が進入したことを契機として演出が実行されればよく、所定の領域は具体的に限定されるものではない。
【0537】
いずれにしても、本発明は、遊技球が進入可能な第1領域(通常通路410)、第2領域(第6役物装置470)、第3領域(特定領域502)を含む遊技領域116と、遊技領域116への遊技球の進入に基づいて演出を実行する演出実行手段(副制御基板330)と、を備え、第1領域および第2領域のいずれか一方に進入した遊技球は、第1領域および第2領域のいずれか他方に進入せず、演出実行手段は、第1領域への遊技球の進入に基づいて第1演出(通常演出)を実行可能であり、第2領域への遊技球の進入に基づいて第2演出(高期待値演出)を実行可能であり、第3領域への遊技球の進入に基づいて第3演出(大当たり演出)を実行可能であり、第1演出の実行中において、第2領域への遊技球の進入に基づく第2演出を実行可能であり、第2演出の実行中において、第1領域への遊技球の進入に基づく第1演出を不実行とし、第3演出の実行中において、第1領域への遊技球の進入に基づく第1演出、および、第2領域への遊技球の進入に基づく第2演出を不実行とすればよい。
【0538】
したがって、例えば、上記の第1領域、第2領域、第3領域のいずれか1または複数は、第2大入賞口128の外部の遊技領域116に設けられてもよい。また、例えば、上記の第1領域、第2領域、第3領域は、第1始動口120、第2始動口122、ゲート124、第1大入賞口126内の領域でもよい。
【符号の説明】
【0539】
100 遊技機
116 遊技領域
300 主制御基板
300a メインCPU
300b メインROM
300c メインRAM
330 副制御基板
330a サブCPU
330b サブROM
330c サブRAM
410 通常通路
470 第6役物装置
502 特定領域
図1
図2
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