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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125486
(43)【公開日】2024-09-19
(54)【発明の名称】車両
(51)【国際特許分類】
   B60N 3/00 20060101AFI20240911BHJP
【FI】
B60N3/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023033333
(22)【出願日】2023-03-06
(71)【出願人】
【識別番号】000220066
【氏名又は名称】テイ・エス テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(72)【発明者】
【氏名】古和 宗高
(72)【発明者】
【氏名】志田 隼人
(72)【発明者】
【氏名】松本 未希
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 大貴
(72)【発明者】
【氏名】小島 琢人
【テーマコード(参考)】
3B088
【Fターム(参考)】
3B088CA12
(57)【要約】
【課題】仕切部材が物と干渉するのを抑制することを目的とする。
【解決手段】車両1は、仕切部材10と、駆動装置20と、センサ30と、制御部40を備える。仕切部材10は、車内空間を仕切ることが可能である。駆動装置20は、仕切部材10を、車内空間を仕切る第1位置と、車内空間を仕切らない第2位置との間で移動させる。センサ30は、仕切部材10の移動軌跡上における物の有無を検知する。制御部40は、センサ30から取得した情報に基づいて、駆動装置20を制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車内空間を仕切ることが可能な仕切部材と、
前記仕切部材を、車内空間を仕切る第1位置と、車内空間を仕切らない第2位置との間で移動させる駆動装置と、
前記仕切部材の移動軌跡上における物の有無を検知するセンサと、
前記センサから取得した情報に基づいて前記駆動装置を制御する制御部と、を備えることを特徴とする車両。
【請求項2】
隣接する2つのシートをさらに備え、
前記仕切部材は、2つの前記シートの間を仕切ることを特徴とする請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記駆動装置は、車両のフロアの下に設けられることを特徴とする請求項2に記載の車両。
【請求項4】
前記フロアは、前記仕切部材が通過可能な孔を有することを特徴とする請求項3に記載の車両。
【請求項5】
前記フロアの下に設けられる2つのバッテリをさらに備え、
前記駆動装置は、2つの前記バッテリの間に位置することを特徴とする請求項3に記載の車両。
【請求項6】
前記センサは、前記フロアに設けられることを特徴とする請求項5に記載の車両。
【請求項7】
前記センサは、車両のルーフに設けられることを特徴とする請求項2に記載の車両。
【請求項8】
前記センサは、前記シートに設けられることを特徴とする請求項2に記載の車両。
【請求項9】
前記制御部は、
手動運転モードから自動運転モードに切り替わった場合に、前記センサによるセンシングを行い、
前記センサによるセンシングによって前記移動軌跡上に物がないと判定した場合、乗員に対して、前記仕切部材を前記第2位置から前記第1位置に移動させるか否かの問い合わせを行い、
前記センサによるセンシングによって前記移動軌跡上に物があると判定した場合、乗員に対して、物を移動軌跡上から除去することを提案することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車内空間を仕切る仕切部材を備える車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動運転時においてプライベート空間を確保するために、2人の乗員の間を仕切る仕切部材を備えた車両が知られている(特許文献1参照)。この車両は、仕切部材を動かすためのモータと、モータを制御する制御部とをさらに備え、所定条件を満たした場合に、制御部がモータを制御して、仕切部材を展開位置と収納位置とに移動させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-042324号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、2人の乗員の間に障害物がある場合に、制御部が仕切部材を展開位置に移動させると、仕切部材が障害物と干渉してしまうという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、仕切部材が物と干渉するのを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明に係る車両は、仕切部材と、駆動装置と、センサと、制御部と、を備える。
仕切部材は、車内空間を仕切ることが可能である。
駆動装置は、仕切部材を、車内空間を仕切る第1位置と、車内空間を仕切らない第2位置との間で移動させる。
センサは、仕切部材の移動軌跡上における物の有無を検知する。
制御部は、センサから取得した情報に基づいて駆動装置を制御する。
【0007】
この構成によれば、制御部は、仕切部材の移動軌跡上の物の有無に基づいて、仕切部材の動作を制御することができるので、仕切部材が物と干渉するのを抑制できる。
【0008】
また、車両は、隣接する2つのシートをさらに備えていてもよい。
仕切部材は、2つのシートの間を仕切ってもよい。
【0009】
また、駆動装置は、車両のフロアの下に設けられていてもよい。
【0010】
この構成によれば、車両のフロアの下の空間を有効活用できる。
【0011】
また、フロアは、仕切部材が通過可能な孔を有していてもよい。
【0012】
この構成によれば、車両のフロアの下の空間に収容した仕切部材を、孔を通して車内空間に進出させることができる。
【0013】
また、車両は、フロアの下に設けられる2つのバッテリをさらに備えていてもよい。
駆動装置は、2つのバッテリの間に位置していてもよい。
【0014】
また、センサは、フロアに設けられていてもよい。
【0015】
また、センサは、車両のルーフに設けられていてもよい。
【0016】
また、センサは、シートに設けられていてもよい。
【0017】
また、制御部は、手動運転モードから自動運転モードに切り替わった場合に、センサによるセンシングを行い、センサによるセンシングによって移動軌跡上に物がないと判定した場合、乗員に対して、仕切部材を第2位置から第1位置に移動させるか否かの問い合わせを行い、センサによるセンシングによって移動軌跡上に物があると判定した場合、乗員に対して、物を移動軌跡上から除去することを提案してもよい。
【0018】
この構成によれば、仕切部材の移動軌跡上に物がある場合には、制御部が、物の除去を乗員に提案するので、仕切部材が作動しない理由を乗員が知ることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、制御部が、仕切部材の移動軌跡上の物の有無に基づいて、仕切部材の動作を制御することができるので、仕切部材が物と干渉するのを抑制できる。
【0020】
また、駆動装置が車両のフロアの下に設けられることで、車両のフロアの下の空間を有効活用できる。
【0021】
また、仕切部材が通過可能な孔をフロアが有することで、車両のフロアの下の空間に仕切部材を収容することができる。
【0022】
また、仕切部材の移動軌跡上に物がある場合に、制御部が、物の除去を乗員に提案する構成とすることで、仕切部材が作動しない理由を乗員が知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】第1実施形態に係る車両を示す図であり、仕切部材が第1位置に位置する状態を示す図である。
図2】仕切部材が第2位置に位置する状態を示す図である。
図3】制御部の動作を示すフローチャートである。
図4】センサの位置の変形例を示す図である。
図5】第2実施形態に係る車両を示す図である。
図6】パンタグラフ機構を示す図であり、収縮状態を示す図(a)と、伸長状態を示す図(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[第1実施形態]
以下、図面を参照しながら、本発明の第1実施形態について説明する。
図1に示すように、車両は1、仕切部材10と、駆動装置20と、センサ30と、制御部40とを備える。
【0025】
仕切部材10は、車内空間を仕切ることが可能な部材である。本実施形態では、仕切部材10は、左右に隣接する2つのシートSの間を仕切る。仕切部材10は、例えば紙、布、樹脂などからなる。仕切部材10は、駆動装置20内のリール21に巻取可能となっている。
【0026】
仕切部材10は、図1に示す第1位置と、図2に示す第2位置との間で移動可能である。仕切部材10は、第1位置に位置するとき、車内空間を仕切る。仕切部材10は、第2位置に位置するとき、車内空間を仕切らない。
【0027】
駆動装置20は、仕切部材10を第1位置と第2位置との間で移動させる装置である。駆動装置20は、リール21と、モータ22と、ケース23とを備えている。
【0028】
リール21は、ケース23に回転可能に支持されている。モータ22は、ケース23に固定され、リール21に接続されている。モータ22は、正逆回転可能であり、リール21を正転または逆転させる。
【0029】
ケース23は、リール21およびモータ22を収容するケースである。ケース23は、車両1のルーフ1Aに固定されている。ケース23は、仕切部材10が通過可能な孔23Aを有する。孔23Aは、ケース23の下壁に位置する。
【0030】
センサ30は、仕切部材10の移動軌跡上における物の有無を検知するセンサである。センサ30としては、例えば赤外線センサやレーザーセンサなどを用いることができる。センサ30は、ケース23の下面に固定され、下に向けて赤外線などを出射する。言い換えると、センサ30は、ケース23を介してルーフ1Aに設けられている。
【0031】
制御部40は、図示しないCPU、ROM、RAM、書換可能な不揮発性メモリ等を有し、予め記憶されたプログラムを実行する。制御部40は、駆動装置20を制御する機能を有する。詳しくは、制御部40は、センサ30から取得した情報に基づいて、駆動装置20のモータ22を作動または停止させる。
【0032】
制御部40は、手動運転モードと自動運転モードを実行可能である。手動運転モードは、アクセル、ブレーキ、ハンドル等の操作子を運転者が操作することで車両が走行するモードである。自動運転モードは、操作子を運転者が操作することなく車両が走行するモードである。
【0033】
制御部40は、自動運転モードにおいて、例えば、車両に搭載したカメラ等のセンサを用いて、走行レーンから外れないように車両を走行させる処理や、自車両の前方を走る車両と自車両との間隔を所定値以上に保つ処理などを実行する。
【0034】
車両1は、自動運転モードを実行するための、図示せぬ自動運転スイッチを備えている。制御部40は、自動運転スイッチがONになると、自動運転モードを実行する。制御部40は、自動運転スイッチがOFFになると、手動運転モードを実行する。
【0035】
次に、制御部40の動作について詳細に説明する。
図3に示すように、制御部40は、自動運転スイッチからの信号に基づいて、手動運転モードから自動運転モードに切り替わったか否かを判定する(S1)。ステップS1において自動運転モードに切り替わっていない、つまり自動運転スイッチがOFFであると判定した場合には(No)、制御部40は、本処理を終了する。
【0036】
ステップS1において自動運転モードに切り替わった、つまり自動運転スイッチがONであると判定した場合には(Yes)、制御部40は、センサ30によるセンシングを行う(S2)。
【0037】
ステップS2の後、制御部40は、仕切部材10の移動軌跡上に障害物があるか否かを判定する(S3)。ステップS3において移動軌跡上に障害物があると判定した場合には(Yes)、制御部40は、乗員に対して、障害物を移動軌跡上から除去することを提案する(S4)。
【0038】
提案の方法としては、例えば、「仕切部材10の下に障害物があるので、仕切部材10を降ろしたい場合には、障害物をどかしてください。」といったメッセージを、音声や文字などで乗員に報知する方法が挙げられる。車両1は、提案を行うための機器、例えば、スピーカ、ディスプレイなどを備えている。
【0039】
制御部40は、障害物の除去を乗員に提案してから第1所定時間後に、再びセンサ30によるセンシングを行う(S5)。第1所定時間は、障害物の除去にかかる時間を考慮して適宜設定される。ステップS5の後、制御部40は、仕切部材10の移動軌跡上に障害物があるか否かを再度判定する(S6)。
【0040】
ステップS6において移動軌跡上に障害物があると判定した場合には(Yes)、制御部40は、本処理を終了する。ステップS3またはステップS6において移動軌跡上に物がないと判定した場合には(No)、制御部40は、乗員に対して、仕切部材10で空間を仕切るか否か、つまり仕切部材10を第2位置から第1位置に移動させるか否かの問い合わせを行う(S7)。
【0041】
問い合わせの方法としては、例えば、「仕切部材10を降ろしますか?」といったメッセージを、音声や文字などで乗員に報知する方法が挙げられる。車両1は、問い合わせを行うための機器、例えば、スピーカ、ディスプレイなどを備えている。
【0042】
ステップS7の後、制御部40は、仕切部材10で空間を仕切る指示を、第2所定時間の間に乗員から受けたか否かを判定する(S8)。なお、空間を仕切る指示は、例えば、乗員の声、ディスプレイの画面上にあるスイッチの選択などとすることができる。車両1は、乗員からの指示を受けるための機器、例えば、マイク、ディスプレイなどを備えている。また、第2所定時間は、乗員が指示を出すためにかかる時間を考慮して適宜設定される。
【0043】
ステップS8において指示を受けたと判定した場合には(Yes)、制御部40は、仕切部材10を第1位置に移動させて(S9)、空間を仕切部材10で仕切った後、本処理を終了する。ステップS8において指示を受けていないと判定した場合には(No)、制御部40は、仕切部材10を降ろすことなく、本処理を終了する。
【0044】
なお、仕切部材10を第1位置から第2位置に戻すタイミングは、任意に設定すればよい。例えば、自動運転モードから手動運転モードに切り替わったときや、乗員が仕切部材10を第2位置に戻すためのスイッチを押したときなどとすることができる。
【0045】
以上、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
仕切部材10の移動軌跡上に障害物がある場合には、仕切部材10が作動しないので、仕切部材10が障害物と干渉するのを抑制できる。
【0046】
仕切部材10の移動軌跡上に障害物がある場合には、制御部40が、障害物の除去を乗員に提案するので、仕切部材10が作動しない理由を乗員が知ることができる。
【0047】
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。以下の説明においては、前記実施形態と略同様の構造となる部材には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0048】
センサ30の位置は、駆動装置20の下面に限定されない。図4に示すように、センサ30は、ルーフ1Aに直接設けられていてもよい。また、センサ30は、シートSに設けられていてもよい。この場合、センサ30は、シートクッションS1の側面に設けられていてもよいし、シートバックS2の側面に設けられていてもよい。
【0049】
センサ30は、フロア1Bに設けられていてもよい。センサ30は、ドア1Cに設けられていてもよい。なお、ドア1Cに設けるセンサ30としては、例えば、距離センサが挙げられる。この場合、距離センサは、左右方向から見て、シートSと重ならない位置に配置すればよい。制御部40は、距離センサで検出した距離が、2つのシートS間の範囲内にある場合に、障害物があると判定すればよい。
【0050】
センサの位置は、図4の例に限らない。例えば、センサは、シートの背面に設けられていてもよいし、インストルメントパネルなどの内装部材に設けられていてもよい。
【0051】
[第2実施形態]
図5に示すように、第2実施形態に係る車両1は、2つのバッテリBTを備えている。駆動装置20と各バッテリBTは、車両1のフロア1Bの下に設けられている。駆動装置20は、2つのバッテリBTの間に位置する。
【0052】
フロア1Bは、仕切部材10が通過可能な孔H1を有する。駆動装置20は、布などからなる仕切部材10を支えるためのパンタグラフ機構50をさらに備える。センサ30は、フロア1Bの上に設けられている。
【0053】
図6(a),(b)に示すように、パンタグラフ機構50は、複数の四節リンク51と、複数のトーションバネ52とを有する。各四節リンク51は、図6(a)に示す第1状態と、図6(b)に示す第2状態とに切替可能となっている。四節リンク51は、第1状態のときよりも第2状態のときの方が、上下方向の寸法が大きい。
【0054】
トーションバネ52は、四節リンク51を第2状態に向けて付勢するバネである。トーションバネ52は、各四節リンク51の少なくとも一つの節に設けられる。
【0055】
パンタグラフ機構50の下端部は、駆動装置20のケース23に固定されている。パンタグラフ機構50の上端部は、仕切部材10の上端部に固定されている。パンタグラフ機構50は、図6(a)に示す伸長状態と、図6(b)に示す収縮状態とに切替可能となっている。
【0056】
パンタグラフ機構50は、収縮状態のとき、フロア1Bより下に位置する。パンタグラフ機構50は、収縮状態から伸長状態になる過程において、フロア1Bの孔H1を通る。パンタグラフ機構50は、伸長状態のとき、フロア1Bよりも上に突出する。
【0057】
パンタグラフ機構50が収縮状態のとき、仕切部材10は、第2位置に位置する。パンタグラフ機構50が伸長状態のとき、仕切部材10は、第1位置に位置する。
【0058】
この構造では、パンタグラフ機構50が収縮状態のとき、各トーションバネ52は縮められた状態となっている。制御部40は、仕切部材10で空間を仕切る指示を受けると、リール21に巻かれた仕切部材10が解かれる方向にモータ22を回転させる。以下、仕切部材10が解かれる方向にモータ22を回転させることを、「正回転」とも称し、正回転とは逆方向にモータ22を回転させることを、「逆回転」とも称する。
【0059】
モータ22が正回転すると、各トーションバネ52の付勢力によって、パンタグラフ機構50の上端部が上に移動する。これにより、仕切部材10が第2位置から第1位置に向けて移動し、空間が仕切部材10で仕切られる。
【0060】
仕切部材10を第2位置に戻す場合、制御部40は、モータ22を逆回転させる。これにより、仕切部材10が各トーションバネ52の付勢力に抗して第2位置に移動する。
【0061】
以上、第2実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
フロア1Bの下の空間に駆動装置20と各バッテリBTが設けられるので、フロア1Bの下の空間を有効活用できる。
【0062】
フロア1Bが孔H1を有するので、フロア1Bの下の空間に収容した仕切部材10を、孔H1を通して車内空間に進出させることができる。
【0063】
なお、空間を仕切部材10で仕切る場合に仕切部材10を下から上に移動させる構造は、図6の形態に限定されず、仕切部材を第1位置に向けて付勢する付勢部材を備える構造であれば、どのような形態であってもよい。また、この構造は、空間を仕切部材10で仕切る場合に仕切部材10を左右に移動させる構造としても利用できる。
【0064】
仕切部材は、前後に隣接する2つのシートの間を仕切ってもいいし、窓とシートの間を仕切ってもよい。
【0065】
仕切部材は、ブラインドのような折り畳み可能な構造であってもよいし、可撓性を有する板状部材であってもよい。仕切部材が、可撓性を有する板状部材の場合、例えば、以下のように構成することができる。
【0066】
仕切部材は、第2位置に位置するとき、フロアの下に横向きに配置される。仕切部材は、第2位置から第1位置に移動する場合、水平方向に移動した後、仕切部材を上に向けて案内する円弧状の面を有するガイドでガイドされる。ガイドで案内された仕切部材は、撓みながら先端を上に向け、第1位置に移動する。仕切部材は、第1位置に位置するとき、縦向きに配置される。
【0067】
駆動装置は、フロアの上に配置されていてもよい。駆動装置がフロアの上に設けられる場合、フロアの下にバッテリが設けられていてもよい。また、上下方向から見て、駆動装置とバッテリが重なっていてもよい。
【0068】
駆動装置は、シートやドアなどに設けられていてもよい。
【0069】
仕切部材は、前後方向または左右方向に移動してもよい。仕切部材は、上下方向、前後方向または左右方向に対して傾斜する方向に移動してもよい。仕切部材の移動軌跡は、直線に限らず円弧であってもよい。
【0070】
制御部は、仕切部材を第2位置から第1位置に移動させるか否かの問い合わせを行わなくてもよい。
【0071】
センサは、仕切部材の停止中に仕切部材の移動軌跡上の物を検知するセンサに限らず、仕切部材の移動中に移動軌跡上の物を検知するセンサであってもよい。例えば、センサは、仕切部材の先端に設けられる感圧センサであってもよい。この場合、制御部は、仕切部材で空間を仕切る指示を乗員から受けると、仕切部材を第2位置から第1位置に移動させる。制御部は、仕切部材の移動中において、仕切部材が障害物に触れたことを感圧センサで検知すると、モータを停止させて、仕切部材を停止させる。
【0072】
仕切部材を停止させた後、制御部は、乗員に対して障害物を除去するように通知する。制御部は、再センシングによって乗員が障害物を除去したか否かを判定する。障害物が除去されたと判定すると、制御部は、仕切部材を停止した位置から第1位置に移動させる。障害物が除去されていないと判定すると、制御部は、モータを逆回転させて、仕切部材を第2位置に戻す。
【0073】
また、仕切部材の移動中に移動軌跡上の物を検知するセンサは、例えば、仕切部材を移動させるモータに流れる電流を検知する電流センサであってもよい。この場合、制御部は、電流センサからの電流値に基づいてモータにかかる負荷が変化したかを判定し、変化した場合に、仕切部材が障害物と接触したと判定してもよい。
【0074】
また、仕切部材の移動中に移動軌跡上の物を検知するセンサは、例えば、静電容量センサなどの短距離センサであってもよい。この場合、短距離センサは、仕切部材の先端に設けられる。制御部は、短距離センサで仕切部材の先端近傍に障害物があると検知すると、モータを停止または逆回転させて、仕切部材を停止または第2位置に戻す。
【0075】
センシングのタイミングは、前記実施形態に限定されない。例えば、制御部は、乗員から空間を仕切る指示を受けた後、センシングして、障害物の有無を判定してもよい。
【0076】
再センシングの回数は、1回に限らず、複数回であってもよい。
【0077】
前記実施形態では、車両として、自動車を例示したが、本発明はこれに限定されない。車両は、例えば、電車などであってもよい。
【0078】
前記した実施形態および変形例で説明した各要素を、任意に組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0079】
1 車両
10 仕切部材
20 駆動装置
30 センサ
40 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6