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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125487
(43)【公開日】2024-09-19
(54)【発明の名称】車両システム
(51)【国際特許分類】
   B60R 16/037 20060101AFI20240911BHJP
   B60H 1/32 20060101ALI20240911BHJP
   B60N 2/04 20060101ALI20240911BHJP
【FI】
B60R16/037
B60H1/32 611B
B60N2/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023033334
(22)【出願日】2023-03-06
(71)【出願人】
【識別番号】000220066
【氏名又は名称】テイ・エス テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(72)【発明者】
【氏名】古和 宗高
(72)【発明者】
【氏名】志田 隼人
(72)【発明者】
【氏名】松本 未希
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 大貴
(72)【発明者】
【氏名】小島 琢人
【テーマコード(参考)】
3B087
3L211
【Fターム(参考)】
3B087AA04
3B087BA01
3B087BA11
3B087BA15
3L211BA60
3L211DA85
3L211EA02
3L211EA77
3L211FA02
3L211GA02
(57)【要約】
【課題】ユーザの行動情報に基づいて車載機器を制御する制御部を備えた車両システムにおいて、ユーザの意思が反映された制御を実現可能とすることを目的とする。
【解決手段】車両システムは、車載機器と、車載機器を作動させる制御部を備える。制御部は、ユーザが所持する携帯端末から、ユーザの行動に関するユーザ行動情報を取得する(S21:Yes)。制御部は、ユーザ行動情報に基づいて車載機器を所定モードにするか否かを判定する(S22,S23)。制御部は、車載機器を所定モードにすると判定した場合、車載機器を所定モードにするか否かをユーザに選択させるための選択情報を携帯端末に送信する(S26)。制御部は、ユーザが選択情報に基づいて車載機器を所定モードにすることを選択した場合に携帯端末から送信される許可情報を受けると(S27:Yes)、車載機器を所定モードにする(S28)。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載機器と、
前記車載機器を作動させる制御部と、を備えた車両システムであって、
前記制御部は、
ユーザが所持する携帯端末から、ユーザの行動に関するユーザ行動情報を取得し、
前記ユーザ行動情報に基づいて前記車載機器を所定モードにするか否かを判定し、
前記車載機器を前記所定モードにすると判定した場合、前記車載機器を前記所定モードにするか否かをユーザに選択させるための選択情報を前記携帯端末に送信し、
ユーザが前記選択情報に基づいて前記車載機器を前記所定モードにすることを選択した場合に前記携帯端末から送信される許可情報を受けると、前記車載機器を前記所定モードにすることを特徴とする車両システム。
【請求項2】
前記車載機器は、シートの姿勢および位置の少なくとも一方を変更することでシートを複数の状態に変更するシートアレンジ装置を含むことを特徴とする請求項1に記載の車両システム。
【請求項3】
前記シートアレンジ装置は、前記シートを第1状態にする第1モードと、前記シートを前記第1状態よりも車室内の収納空間を大きくする第2状態にする第2モードと、に切替可能であり、
前記ユーザ行動情報は、ユーザが物を購入したことを示す決済情報を含み、
前記所定モードは、前記第2モードを含み、
前記制御部は、前記決済情報に基づいて前記シートアレンジ装置を前記第2モードにするか否かを判定することを特徴とする請求項2に記載の車両システム。
【請求項4】
前記ユーザ行動情報は、ユーザのスケジュールを示すスケジュール情報を含み、
前記制御部は、前記スケジュール情報に基づいて前記シートアレンジ装置を前記第2モードにするか否かを判定することを特徴とする請求項3に記載の車両システム。
【請求項5】
前記シートアレンジ装置は、前記シートのシートバックの角度が所定角度となる第3モードと、前記第3モードよりも前記シートバックが倒れた第4モードと、に切替可能であり、
前記ユーザ行動情報は、ユーザの行動履歴、または、ユーザの行動によって変化する身体情報を含み、
前記所定モードは、前記第4モードを含み、
前記制御部は、前記行動履歴または前記身体情報に基づいて、前記シートアレンジ装置を前記第4モードにするか否かを判定することを特徴とする請求項4に記載の車両システム。
【請求項6】
前記シートアレンジ装置によって動く前記シートの軌跡上にある障害物を検出する障害物検出センサをさらに備え、
前記制御部は、
前記携帯端末から前記ユーザ行動情報を取得した後、前記障害物検出センサからの情報に基づいて前記軌跡上に障害物があると判定した場合、前記シートの状態が変更できないことを示す変更不可情報を前記携帯端末に送信することを特徴とする請求項5に記載の車両システム。
【請求項7】
前記制御部は、
前記携帯端末に前記選択情報を送信してから所定時間以内に前記許可情報を受けた場合、前記車載機器を前記所定モードにし、
前記携帯端末に前記選択情報を送信してから所定時間以内に前記許可情報を受けなかった場合、前記車載機器を前記所定モードにしないことを特徴とする請求項6に記載の車両システム。
【請求項8】
前記車載機器は、空調装置を含み、
前記空調装置は、車室の温度を第1温度にする第1空調モードと、車室の温度を前記第1温度よりも高い第2温度にする第2空調モードと、に切替可能であり、
前記ユーザ行動情報は、ユーザの行動履歴またはユーザの行動によって変化する身体情報を含み、
前記所定モードは、前記第1空調モードを含み、
前記制御部は、前記行動履歴または前記身体情報に基づいて、前記空調装置を前記第1空調モードにするか否かを判定することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の車両システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載機器を作動させる制御部を備えた車両システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両システムとして、ショッピングモールにおけるユーザの決済情報などの行動情報を、制御部がユーザの携帯端末から取得し、制御部が行動情報に基づいて、シートアレンジなどの車載機器の制御を実行するものが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-157943号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、制御部が携帯端末から行動情報を取得すると車載機器の制御を実行するので、ユーザが求めていないのに勝手に車載機器が作動してしまうおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、ユーザの行動情報に基づいて車載機器を制御する制御部を備えた車両システムにおいて、ユーザの意思が反映された制御を実現可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明に係る車両システムは、車載機器と、車載機器を作動させる制御部と、を備える。
制御部は、ユーザが所持する携帯端末から、ユーザの行動に関するユーザ行動情報を取得する。制御部は、ユーザ行動情報に基づいて車載機器を所定モードにするか否かを判定する。制御部は、車載機器を所定モードにすると判定した場合、車載機器を所定モードにするか否かをユーザに選択させるための選択情報を携帯端末に送信する。制御部は、ユーザが選択情報に基づいて車載機器を所定モードにすることを選択した場合に携帯端末から送信される許可情報を受けると、車載機器を所定モードにする。
【0007】
この構成によれば、制御部は、車載機器を所定モードにすると判定した場合、車載機器を所定モードにするか否かをユーザに選択させるための選択情報を携帯端末に送信するので、ユーザは、携帯端末を操作することで、車載機器を所定モードにするかどうか選択することができる。そのため、ユーザの行動情報に基づいて車載機器を制御する制御部を備えた車両システムにおいて、ユーザの意思が反映された制御を実現できる。
【0008】
また、車載機器は、シートの姿勢および位置の少なくとも一方を変更することでシートを複数の状態に変更するシートアレンジ装置を含んでいてもよい。
【0009】
また、シートアレンジ装置は、シートを第1状態にする第1モードと、シートを第1状態よりも車室内の収納空間を大きくする第2状態にする第2モードと、に切替可能であり、ユーザ行動情報は、ユーザが物を購入したことを示す決済情報を含み、所定モードは、第2モードを含み、制御部は、決済情報に基づいてシートアレンジ装置を第2モードにするか否かを判定してもよい。
【0010】
また、ユーザ行動情報は、ユーザのスケジュールを示すスケジュール情報を含み、制御部は、スケジュール情報に基づいてシートアレンジ装置を第2モードにするか否かを判定してもよい。
【0011】
また、シートアレンジ装置は、シートのシートバックの角度が所定角度となる第3モードと、第3モードよりもシートバックが倒れた第4モードと、に切替可能であり、ユーザ行動情報は、ユーザの行動履歴またはユーザの行動によって変化する身体情報を含み、所定モードは、第4モードを含み、制御部は、行動履歴または身体情報に基づいて、シートアレンジ装置を第4モードにするか否かを判定してもよい。
【0012】
また、車両システムは、シートアレンジ装置によって動くシートの軌跡上にある障害物を検出する障害物検出センサをさらに備えていてもよい。
この場合、制御部は、携帯端末からユーザ行動情報を取得した後、障害物検出センサからの情報に基づいて軌跡上に障害物があると判定した場合、シートの状態が変更できないことを示す変更不可情報を携帯端末に送信してもよい。
【0013】
この構成によれば、シートの軌跡上に障害物がある場合には、制御部が、変更不可情報を携帯端末に送信するので、ユーザは、シートアレンジ装置によってシートを動かすことができないことを知ることができる。
【0014】
また、制御部は、携帯端末に選択情報を送信してから所定時間以内に許可情報を受けた場合、車載機器を所定モードにし、携帯端末に選択情報を送信してから所定時間以内に許可情報を受けなかった場合、車載機器を所定モードにしなくてもよい。
【0015】
また、車載機器は、空調装置を含み、空調装置は、車室の温度を第1温度にする第1空調モードと、車室の温度を第1温度よりも高い第2温度にする第2空調モードと、に切替可能であり、ユーザ行動情報は、ユーザの行動履歴またはユーザの行動によって変化する身体情報を含み、所定モードは、第1空調モードを含み、制御部は、行動履歴または身体情報に基づいて、空調装置を第1空調モードにするか否かを判定してもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ユーザの行動情報に基づいて車載機器を制御する制御部を備えた車両システムにおいて、ユーザの意思が反映された制御を実現できる。
【0017】
シートの軌跡上に障害物がある場合に、制御部が、変更不可情報を携帯端末に送信する構成とすることで、ユーザは、シートアレンジ装置によってシートを動かすことができないことを知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】第1実施形態に係る車両システムを示す図である。
図2】シートが第1状態から第2状態に切り替わった状態を示す図である。
図3】スマートフォンの動作を示すフローチャートである。
図4】制御部の動作を示すフローチャートである。
図5】ユーザがスマートフォンで決済を行う場面を示す図(a)と、選択情報が表示されたスマートフォンの画面を示す図(b)である。
図6】変更不可情報が表示されたスマートフォンの画面を示す図である。
図7】第2実施形態に係るスマートフォンの動作を示すフローチャートである。
図8】第2実施形態に係る制御部の動作を示すフローチャートである。
図9】第3実施形態に係るシートアレンジ装置が第3モードであるときのシートの状態を示す図(a)と、第4モードであるときのシートの状態を示す図(b)である。
図10】第3実施形態に係るスマートフォンの動作を示すフローチャートである。
図11】第3実施形態に係る制御部の動作を示すフローチャートである。
図12】第4実施形態に係るスマートフォンの動作を示すフローチャートである。
図13】第4実施形態に係る制御部の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第1実施形態]
以下、添付の図面を参照しながら発明の第1実施形態について説明する。
図1に示すように、車両システム1は、シート10と、障害物検出センサ20と、車載機器の一例としてのシートアレンジ装置40と、制御部30とを備えている。
【0020】
シート10は、車両50の後部に位置する荷室52の前に配置されている。シート10は、運転席や助手席などの前列シートFSの後ろに配置されている。車両50は、5ドアタイプの車両であり、車両50の左右に位置する合計4つの図示せぬドアと、荷室52の後ろに位置するバックドア53とを備えている。
【0021】
シート10は、シートクッション11と、シートバック12と、ヘッドレスト13とを備えている。シートクッション11、シートバック12およびヘッドレスト13は、それぞれ、骨格を構成するフレームと、フレームを覆うパッドと、パッドを覆う表皮とを有している。
【0022】
シートバック12は、シートクッション11に回動可能に支持されている。シート10は、図示せぬスライドレールにより、前後方向に移動可能となっている。
【0023】
シートアレンジ装置40は、シート10の姿勢および位置の少なくとも一方を変更することでシート10を複数の状態に変更する装置である。シートアレンジ装置40は、シートバック12を回動させる図示せぬモータ等の第1駆動源を備えている。シートアレンジ装置40または車両50は、シート10を前後方向に移動させる図示せぬモータ等の第2駆動源を備えている。第1駆動源および第2駆動源は、制御部30によって制御される。
【0024】
シート10は、図1に示す第1状態と、図2に示す第2状態とに切替可能となっている。第1状態は、ユーザが着座可能な状態、つまり、シートクッション11に対してシートバック12が起立した状態であり、シート10が最も前方の位置以外の位置に位置している状態をいう。第2状態は、第1状態よりも車室内の収納空間を大きくする状態である。本実施形態では、第2状態は、シートバック12がシートクッション11と対面するように折り畳まれ、かつ、シート10が最も前方の位置に配置された状態をいう。
【0025】
シートアレンジ装置40は、シート10を第1状態にする第1モードと、シート10を第2状態にする第2モードと、に切替可能である。第2モードは、所定モードの一例である。
【0026】
障害物検出センサ20は、シートアレンジ装置40によって動くシート10の軌跡上にある障害物を検出するセンサである。本実施形態では、障害物検出センサ20は、シートクッション11の表皮とパッドの間に配置され、シートクッション11の座面上の物の有無を検出する。つまり、障害物検出センサ20は、第1状態から第2状態に切り替わるまでのシートバック12の回動軌跡上にある障害物を検出可能となっている。
【0027】
障害物検出センサ20は、例えば、圧力センサである。本実施形態では、障害物検出センサ20は、シートにユーザが座っているか否かを検出するシートベルトリマインダ用のセンサとしても利用されている。
【0028】
制御部30は、図示しないCPU、ROM、RAM、書換可能な不揮発性メモリ等を有し、予め記憶されたプログラムに基づいて処理を実行する。制御部30は、ユーザが所持する携帯端末の一例としてのスマートフォンSPと通信可能となっている。
【0029】
制御部30は、車両50に設けられていてもよいし、シート10に設けられていてもよい。なお、制御部30とスマートフォンSPとを通信可能にする設定は、ユーザによって制御部30およびスマートフォンSPに対して予め行われているものとする。
【0030】
制御部30は、スマートフォンSPから、ユーザの行動に関するユーザ行動情報を取得する。本実施形態では、ユーザ行動情報は、ユーザが物を購入したことを示す決済情報であることとする。
【0031】
制御部30は、決済情報に基づいてシートアレンジ装置40を第2モードにするか否かを判定する。制御部30は、シートアレンジ装置40を第2モードにすると判定した場合、シートアレンジ装置40を第2モードにするか否かをユーザに選択させるための選択情報をスマートフォンSPに送信する。制御部30は、ユーザが選択情報に基づいてシートアレンジ装置40を第2モードにすることを選択した場合にスマートフォンSPから送信される許可情報を受けると、シートアレンジ装置40を第2モードにする。以下の説明では、シートアレンジ装置40を第2モードにする処理を、「シート収納処理」ともいう。
【0032】
制御部30は、スマートフォンSPから決済情報を取得した後、障害物検出センサ20からの情報に基づいてシート10の軌跡上に障害物があるか否かを判定する。制御部30は、障害物があると判定した場合、シート10の状態が変更できないことを示す変更不可情報をスマートフォンSPに送信する。
【0033】
次に、スマートフォンSPおよび制御部30の動作について詳細に説明する。
図3に示すように、スマートフォンSPは、ユーザが物を購入したか否かを判定する(S1)。具体的には、スマートフォンSPは、電子マネーによる支払いを行う決済アプリケーションプログラムによって決済がされたか否かを判定する。なお、以下の説明では、「アプリケーションプログラム」を、単に「アプリ」ともいう。
【0034】
ステップS1において物を購入したと判定した場合には(Yes)、スマートフォンSPは、決済したことを示す決済情報を制御部30に送信する(S2)。ステップS2の後、または、ステップS1において物を購入していないと判定した場合には(No)、スマートフォンSPは、制御部30から選択情報を受信したか否を判定する(S3)。
【0035】
ステップS3において選択情報を受信したと判定した場合には(Yes)、スマートフォンSPは、選択情報を画面に表示する(S4)。ステップS4の後、スマートフォンSPは、選択情報を表示してから第1所定時間以内に、シート10の状態を第2状態にすることがユーザによって選択されたか否かを判定する(S5)。
【0036】
ステップS5においてシート10の状態を第2状態にすることが選択されたと判定した場合には(Yes)、スマートフォンSPは、制御部30から変更不可情報を受信したか否かを判定する(S6)。ステップS6において変更不可情報を受信していないと判定した場合には(No)、シート10の状態を第2状態にすることを許可するための許可情報を制御部30に送信する(S7)。
【0037】
ステップS7において変更不可情報を受信したと判定した場合には(Yes)、スマートフォンSPは、画面に変更不可情報を表示して(S8)、本処理を終了する。また、ステップS3またはステップS5でNoと判定した場合には、スマートフォンSPは、本処理を終了する。
【0038】
図4に示すように、制御部30は、スマートフォンSPから決済情報を受信したか否かを判定する(S21)。ステップS21において決済情報を受信したと判定した場合には(Yes)、制御部30は、決済情報に基づいて、ユーザが購入した物の最大長さが所定値より大きいか否かを判定する(S22)。
【0039】
ここで、所定値は、シート10の状態が第1状態であり、シート10の位置が最も後方の位置であるときの荷室長であってもよいし、荷室幅であってもよいし、立方体状の荷室空間の対角線の長さであってもよい。
【0040】
ステップS22において物の最大長さが所定値より大きいと判定した場合には(Yes)、制御部30は、シート収納処理を実行することを決定する(S23)。ステップS23の後、制御部30は、障害物検出センサ20からの情報に基づいて、シート10の軌跡上に障害物があるか否かを判定する(S24)。
【0041】
ステップS24において障害物があると判定した場合には(Yes)、制御部30は、選択情報と変更不可情報をスマートフォンSPに送信して(S25)、本処理を終了する。ステップS24において障害物がないと判定した場合には(No)、制御部30は、選択情報をスマートフォンSPに送信する(S26)。
【0042】
ステップS26の後、制御部30は、選択情報を送信してから第2所定時間以内にスマートフォンSPから許可情報を受信したか否かを判定する(S27)。ステップS27において許可情報を受信したと判定した場合には(Yes)、制御部30は、シート収納処理を実行、つまりシートアレンジ装置40を第2モードにして(S28)、本処理を終了する。
【0043】
ステップS27において第2所定時間以内に許可情報を受信しなかったと判定した場合には(No)、制御部30は、シートアレンジ装置40を第2モードにしないで、本処理を終了する。ステップS21またはステップ22でNoと判定した場合には、制御部30は、本処理を終了する。
【0044】
次に、スマートフォンSPおよび制御部30の動作の具体例を説明する。
図5(a)に示すように、ユーザがスマートフォンSPの決済アプリを使ってスキー板を購入すると、スマートフォンSPは、決済情報を、車両50の制御部30に送信する(S1:Yes→S2)。
【0045】
図4に示すように、制御部30は、決済情報を受信すると、決済情報に基づいてスキー板の最大長さが所定値より大きいか否かを判定する(S21:Yes→S22)。制御部30は、スキー板の最大長さが所定値より大きいと判定すると、シート収納処理の実行を決定する(S22:Yes→S23)。
【0046】
シート収納処理の実行を決定した後、制御部30は、シート10の軌跡上に障害物があるか否かを判定する(S24)。障害物がない場合、制御部30は、選択情報をスマートフォンSPに送信する(S26)。
【0047】
スマートフォンSPは、選択情報を受信すると、図5(b)に示すように、選択情報を画面に表示する(S3:Yes→S4)。具体的には、スマートフォンSPは、例えば、「シートを収納しますか?」というメッセージの画像と、シート収納処理を実行したときのシート10の状態を示す図の画像と、シートを収納するか否かを選択するための「はい」、「いいえ」の文字が付されたスイッチの画像とを、選択情報として画面に表示する。
【0048】
ユーザが「はい」のスイッチを選択した場合、スマートフォンSPは、許可情報を制御部30に送信する(S5:Yes→S6:No→S7)。制御部30は、許可情報を受信すると、シート収納処理を実行する(S27:Yes→S28)。制御部30がシート収納処理を実行すると、シート10が第1状態から第2状態に切り替わる。
【0049】
なお、シート10を第2状態から第1状態へ戻す場合には、例えば、制御部30が、ユーザからの要求によって、シートアレンジ装置40を制御すればよい。ユーザからの要求は、例えば、車内に設けられた操作部をユーザが操作することで制御部30に出力されてもよいし、ユーザがスマートフォンSPを操作することで制御部30に出力されてもよい。なお、スマートフォンSPの操作は、ユーザの声による操作であってもよい。また、ユーザが、リクライニング機構を動作させるレバーやスライド移動のロックを解除するレバーなどを操作することで、手動で第2状態から第1状態へ戻してもよい。
【0050】
制御部30は、ステップS24において障害物があると判定した場合(Yes)、選択情報と変更不可情報をスマートフォンSPに送信する(S25)。スマートフォンSPは、変更不可情報を受信すると、図6(a)に示すように、変更不可情報を画面に表示する(S6:Yes→S8)。
【0051】
具体的には、スマートフォンSPは、例えば、「シート上に物があるため、シートを収納できません。」というメッセージの画像を、変更不可情報として画面に表示する。
【0052】
以上、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
制御部30が、シートアレンジ装置40を第2モードにすると判定した場合、シートアレンジ装置40を第2モードにするか否かをユーザに選択させるための選択情報をスマートフォンSPに送信するので、ユーザは、スマートフォンSPを操作することで、シートアレンジ装置40を第2モードにするかどうか選択することができる。そのため、ユーザの行動情報に基づいてシートアレンジ装置40を制御する制御部30を備えた車両システム1において、ユーザの意思が反映された制御を実現できる。
【0053】
例えば、ユーザが購入したスキー板を車両50の荷室に積み込みたい場合には、ユーザが、シート収納処理の実行を許可することで、事前に荷室を大きくしておくことができる。また、例えば、ユーザが友人のためにスキー板を購入し、その場でスキー板を友人に渡す場合には、ユーザが、シート収納処理の実行を許可しないことで、シート10の状態を第1状態のままにすることができる。
【0054】
シート10の軌跡上に障害物がある場合には、制御部30が、変更不可情報をスマートフォンSPに送信するので、ユーザは、シートアレンジ装置40によってシート10を動かすことができないことを知ることができる。
【0055】
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。以下の説明においては、前記実施形態と略同様の構造となる部材には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0056】
[第2実施形態]
第2実施形態において、ユーザ行動情報は、ユーザのスケジュールを示すスケジュール情報である。第2実施形態に係る制御部30は、スケジュール情報に基づいてシートアレンジ装置を第2モードにするか否かを判定する。
【0057】
具体的には、第2実施形態において、スマートフォンSPは、図7の処理を実行し、制御部30は、図8の処理を実行する。図7の処理は、図3のステップS1,S2の処理を、新たなステップS41,S42の処理に置き換えたものである。図8の処理は、図4のステップS21,S22の処理を、新たなステップS51,S52の処理に置き換えたものである。図7および図8において、第1実施形態と同様の処理については同一符号を付して説明を省略する。
【0058】
図7に示すように、スマートフォンSPは、スケジュールを管理するためのスケジュールアプリを利用してユーザがスケジュールを入力したか否かを判定する(S41)。ステップS41においてスケジュールが入力されたと判定した場合には(Yes)、スマートフォンSPは、入力されたスケジュール情報を制御部30に送信する(S42)。
【0059】
ここで、スケジュール情報としては、例えば、日付、場所、イベントの内容などが含まれる。本実施形態では、スケジュール情報は、日付およびイベントの内容とする。
【0060】
ステップS42の後、または、ステップS41でNoと判定した場合、スマートフォンSPは、前述したステップS3~S8の処理を適宜実行する。
制御部30は、スマートフォンSPからスケジュール情報が送られてくるたびに、スケジュール情報を記憶する。
【0061】
図8に示すように、制御部30は、記憶したスケジュール情報に基づいて、翌日にイベントがあるか否かを判定する(S51)。ステップS51においてイベントがあると判定した場合には(Yes)、制御部30は、翌日のイベントが、スキー、釣り、キャンプなどの大きな荷物または多くの荷物が必要なイベントであるか否かを判定する(S52)。以下の説明では、スキーなどの大きな荷物または多くの荷物が必要なイベントを、「大イベント」ともいう。
【0062】
なお、大イベントの内容は、制御部30に予め記憶されていてもよいし、ユーザが入力することで制御部30に登録されてもよい。また、ステップS51において、「翌日」ではなく、2日後、3日後など、日にちは任意に変更してもよい。
【0063】
ステップS52において翌日のイベントが大イベントであると判定した場合には(Yes)、制御部30は、ステップS23にてシート収納処理の実行を決定する。ステップS23の後、制御部30は、前述したステップS24~S28の処理を適宜実行する。ステップS51またはステップS52においてNoと判定した場合、制御部30は、本処理を終了する。
【0064】
以上、第2実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
翌日のイベントが大イベントである場合には、ユーザのスマートフォンSPに、シート収納処理を実行するかの問い合わせがくるので、ユーザが、状況に応じて、荷室を大きくするかを決定することができる。例えば、スキーなどの大イベントにおいてユーザが荷室に多量の荷物を収容したい場合には、荷室を大きくすることをユーザが選択することができる。また、例えば、スキー用具などの荷物については宅配便で先に目的地に送っており、複数の友達を自車に乗せて目的地に行く場合には、荷室を大きくしないことを選択することができる。
【0065】
[第3実施形態]
第3実施形態において、シートアレンジ装置40は、図9(a)に示す第3モードと、図9(b)に示す第4モードと、に切替可能となっている。第3モードは、シート10のシートバック12の角度を所定角度とするモードである。第4モードは、第3モードよりもシートバック12を倒すモードである。第4モードは、所定モードの一例である。以下の説明では、シートアレンジ装置40を第4モードにする処理を、「リクライニング処理」ともいう。
【0066】
第3実施形態に係るシート10のシートバック12の背面には、障害物検出センサ21が設けられている。障害物検出センサ21としては、例えば赤外線センサやレーザーセンサなどを用いることができる。
【0067】
第3実施形態において、ユーザ行動情報は、ユーザの行動履歴である。本実施形態では、行動履歴として、スマートフォンSPに設けられるGPS発信機から取得される位置情報の履歴とする。制御部30は、行動履歴に基づいて、シートアレンジ装置40を第4モードにするか否かを判定する。
【0068】
具体的には、第3実施形態において、スマートフォンSPは、図10の処理を実行し、制御部30は、図11の処理を実行する。図10の処理は、図3のステップS1,S2の処理を、新たなステップS61の処理に置き換え、ステップS5の処理を、新たなステップS62の処理に置き換えたものである。図11の処理は、図4のステップS21~S23の処理を、新たなステップS71~S73の処理に置き換え、ステップS28の処理を、新たなステップS74の処理に置き換えたものである。図10および図11において、第1実施形態と同様の処理については同一符号を付して説明を省略する。
【0069】
図10に示すように、スマートフォンSPは、行動履歴を制御部30に送信する(S61)。ステップS61の後、スマートフォンSPは、前述したステップS3,S4の処理を適宜実行する。ここで、第3実施形態における選択情報は、シートアレンジ装置40を第4モードにするか否かをユーザに選択させるための情報、つまりリクライニング処理を実行するか否かをユーザに選択させるための情報である。
【0070】
ステップS4の後、スマートフォンSPは、ユーザによってリクライニング処理の実行が選択されたか否かを判定する(S62)。ステップS62においてリクライニング処理の実行が選択されたと判定した場合には(Yes)、スマートフォンSPは、前述したステップS6~S8の処理を適宜実行する。
制御部30は、スマートフォンSPから行動履歴が送られてくるたびに、行動履歴を記憶する。
【0071】
図11に示すように、制御部30は、ユーザが車両50に近づいたか否かを判定する(S71)。ここで、車両50にユーザが近づいたか否かの判定は、例えば、ユーザが所持する車両50のキーリモコンの電波に基づいて車両50に近づいたか否かを判定してもよいし、行動履歴に基づいて判定してもよい。
【0072】
ステップS71において車に近づいたと判定した場合には(Yes)、制御部30は、行動履歴に基づいて、ユーザが所定時間以上運動したか否かを判定する(S72)。ステップS72において運動したと判定した場合には(Yes)、制御部30は、リクライニング処理を実行することを決定する(S73)。
【0073】
ステップS73の後、制御部30は、前述したステップS24~S27の処理を適宜実行する。制御部30は、ステップS27において許可情報を受信したと判定した場合には(Yes)、リクライニング処理を実行する(S74)。ステップS74の後、または、ステップS71,S72のいずれかにおいてNoと判定した場合、制御部30は、本処理を終了する。
【0074】
以上、第3実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
ユーザが運動した後に車両50に乗る場合には、ユーザのスマートフォンSPに、リクライニング処理を実行するかの問い合わせがくるので、ユーザが、状況に応じて、シートバック12を倒すことができる。例えば、ユーザが運動により疲れている場合には、リクライング処理を実行することをユーザが選択することで、ユーザが車両50に乗る前に予めシートバック12を倒しておくことができる。また、例えば、ユーザが運動で疲れていない場合には、リクライング処理を実行しないことをユーザが選択することで、シートバック12を起立状態のままにして、通常通りシート10に着座することができる。
【0075】
なお、第3実施形態において、行動履歴の代わりに、ユーザの行動によって変化する身体情報をユーザ行動情報として利用してもよい。ここで、身体情報は、例えば、体温、脈拍、発汗量、心拍数などの情報を含む。この場合、制御部30は、ステップS72において、身体情報に基づいて、ユーザが運動したか否かや、ユーザの具合が悪いか否かを判定してもよい。
【0076】
[第4実施形態]
第4実施形態において、車載機器は、空調装置である。空調装置は、車両に設けられるエアコンであってもよいし、シートに設けられるシート空調であってもよい。空調装置は、車室の温度を第1温度にする第1空調モードと、車室の温度を第1温度よりも高い第2温度にする第2空調モードと、に切替可能となっている。第1空調モードは、所定モードの一例である。以下の説明では、空調装置を第1空調モードにする処理を、「クーリング処理」ともいう。
【0077】
第4実施形態において、ユーザ行動情報は、ユーザの行動履歴である。制御部30は、行動履歴に基づいて、空調装置を第1空調モードにするか否かを判定する。
【0078】
具体的には、第4実施形態において、スマートフォンSPは、図12の処理を実行し、制御部30は、図13の処理を実行する。図12の処理は、図10のステップS62の処理を、新たなステップS81の処理に置き換えたものである。図13の処理は、図11のステップS71の処理とステップS72の処理の間に、新たなステップS91の処理を加え、ステップS73の処理を、新たなステップ92の処理に置き換え、ステップS74の処理を、新たなステップS93の処理に置き換えたものである。図12および図13において、第3実施形態と同様の処理については同一符号を付して説明を省略する。
【0079】
図12に示すように、スマートフォンSPは、前述したステップS61,S3,S4の処理を適宜実行する。ステップS4の後、スマートフォンSPは、第1所定時間以内にユーザによってクーリング処理を実行することが選択されたか否かを判定する(S81)。ステップS81においてクーリング処理の実行が選択された場合には(Yes)、スマートフォンSPは、前述したステップS6~S8の処理を適宜実行する。ステップS81においてクーリング処理を実行しないことが選択された場合には(No)、スマートフォンSPは、本処理を終了する。
【0080】
図13に示すように、制御部30は、前述したステップS71の処理を実行する。ステップS71でYesと判定した場合には、制御部30は、温度センサの情報に基づいて、外気温が所定温度以上であるか否かを判定する(S91)。ステップS91において外気温が所定温度以上であると判定した場合には(Yes)、制御部30は、前述したステップS72の処理を実行する。
【0081】
ステップS72でYesと判定した場合には、制御部30は、クーリング処理を実行することを決定する(S92)。ステップS92の後、制御部30は、前述したステップS24~S27の処理を適宜実行する。
【0082】
ステップS27でYesと判定した場合には、制御部30は、クーリング処理を実行する(S93)。ステップS93の後、または、ステップS91でNoと判定した場合には、制御部30は、本処理を終了する。
【0083】
以上、第4実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
外気温が所定温度以上となる環境下でユーザが運動した後に車両50に乗る場合には、ユーザのスマートフォンSPに、クーリング処理を実行するかの問い合わせがくるので、ユーザが、状況に応じて、車室の温度を下げることができる。例えば、ユーザが暑がりである場合には、クーリング処理を実行することをユーザが選択することで、車室の温度を予め下げておくことができる。また、例えば、ユーザが空調の風に弱い人である場合には、クーリング処理を実行しないことをユーザが選択することで、ユーザが車室内で快適にすごすことができる。
【0084】
なお、第4実施形態において、行動履歴の代わりに、前述した身体情報をユーザ行動情報として利用してもよい。この場合、制御部30は、ステップS72において、身体情報に基づいて、ユーザが運動したか否かや、ユーザの具合が悪いか否かを判定してもよい。なお、ユーザの具合が悪いか否かを判定する方法では、ユーザの具合が悪くないと判定した場合に、クーリング処理を実行することを決定し、ユーザの具合が悪いと判定した場合に、本処理を終了してもよい。
【0085】
第1実施形態では、シート収納処理を実行するかを決めるための判定処理において、物の最大長さが所定値より大きいかを判定したが、本発明はこれに限定されない。例えば、制御部は、決済情報から、購入した物の数と大きさを取得し、物の数と大きさに基づいて、購入したすべての物が、シートの位置が最も後方の位置であるときの荷室に収納できるかを判定してもよい。
【0086】
シートアレンジ装置によるシートアレンジの種類は、前記実施形態に限定されず、例えば、フォールダウン、ダイブダウン、チップアップ、回転などであってもよい。
【0087】
図3の処理等のスマートフォンによる処理は、専用のアプリをスマートフォンにインストールして実施されてもよいし、スマートフォン自体にもともと組み込まれているプログラムで行ってもよい。
【0088】
制御部が車載機器を所定モードにすることをユーザに選択させるリコメンド機能は、不要な場合にはオフにすることができる。
【0089】
シートアレンジを複数提案してユーザに選択させることもできる。例えば、フォールダウンがよいか、チップアップがよいか、などをユーザに選択させることができる。また、荷物に応じたユーザの好みのアレンジを機械学習して提案することもできる。
【0090】
ユーザが日常的に出かける場所(例えば、週一回のスーパーへの買い出し)とシートアレンジの使用頻度を機械学習し、特定の状況のときのみリコメンド(制御部から携帯端末を介したユーザへの提案)なしでシートアレンジを実施してもよい。
【0091】
制御部からスマートフォンへの変更不可情報の送信のタイミングは、ユーザが車外へ出る前や出た直後にその旨を通知してもよい。
【0092】
シートアレンジ装置などに故障が発生した場合には、その旨を制御部がスマートフォンに通知し、シートアレンジの機能を制限または禁止してもよい。
【0093】
ユーザ行動情報は、SNS(Social Networking Service)から得られるコミュニケーション履歴であってもよい。制御部は、コミュニケーション履歴から分かる行先や人数に基づいて、シートアレンジを提案してもよい。例えば、制御部は、キャンプや釣りで荷物が多いと予想される場合には、リアシートのダイブダウンを提案してもよいし、出かける人数に合わせて4人モードから6人モードへのシートアレンジ(例えば、ダイブダウンされていたサードシートを復帰)を提案してもよい。
【0094】
制御部は、スケジュール情報の休日に基づいて、アクティビティとシートアレンジを提案してもよい。例えば、制御部は、スケジュール情報の休日に基づいて、「休日なので釣りに行きませんか?」というメッセージと、釣り用に荷室を大きくしたシートアレンジを選択させる選択情報をスマートフォンに送信してもよい。
【0095】
制御部は、行動履歴やコミュニケーション履歴からわかる人数や関係性に基づいてシートアレンジを提案してもよい。例えば、制御部は、ユーザの車に同乗する人が恋人であると判定した場合、2つのシートのうち少なくとも一方を回転させて、2つのシートを向かい合わせることを提案してもよい。
【0096】
制御部は、空調とシートアレンジを組み合わせて提案することもできる。例えば、制御部は、温度や決済情報に基づいて、ユーザが夏に大きな荷物を持っていると判定した場合には、シートアレンジと空調を同時にユーザに提案してもよい。
【0097】
車載機器は、シートヒータであってもよい。この場合、制御部は、例えば、温度と行動履歴に基づいて、ユーザが冬に釣りから車両に戻ってくると判定した場合に、シートヒータをONにするかをユーザに提案してもよい。なお、制御部は、シートヒータのONとともにエアコンによる暖房を提案してもよい。
【0098】
制御部は、コミュニケーション履歴からわかる車両に乗る人数に基づいて、暖房または冷房の強弱を設定してもよい。例えば、制御部は、温度とコミュニケーション履歴に基づいて、夏に複数人が車両に乗ると判定した場合、強めの冷房をユーザに提案してもよい。つまり、制御部は、外気温が高いほど冷房の温度を低く設定し、乗車人数が多いほど冷房の温度を低く設定するように構成されていてもよい。また、制御部は、外気温が低いほど暖房の温度を高く設定し、乗車人数が少ないほど暖房の温度を高く設定するように構成されていてもよい。
【0099】
制御部は、スマートフォンに入力されるスケジュール情報や検索履歴から行先を予測し、やっておいたほうが良い行動を提案してもよい。例えば、制御部は、スケジュール情報や検索履歴からユーザが遠出すると判定した場合には、前日に給油しておくことをユーザに提案してもよい。また、制御部は、カーナビゲーションシステムと連携して車両の近くにあるガソリンスタンドを提示してもよい。
【0100】
制御部は、行動履歴や検索履歴からユーザの好みを割り出して行先を提案してもよい。例えば、制御部は、スポーツ系の検索が多いと判定した場合、休日の前日にユーザの家の近くのスポーツ施設やジムやスポーツ観戦施設などをランキングでユーザに提案してもよい。
【0101】
携帯端末は、タブレットやウェアラブルデバイスなどであってもよい。
【0102】
前記した実施形態および変形例で説明した各要素を、任意に組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0103】
1 車両システム
30 制御部
40 シートアレンジ装置
SP スマートフォン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13