(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125524
(43)【公開日】2024-09-19
(54)【発明の名称】水ジェット推進艇
(51)【国際特許分類】
B63H 11/08 20060101AFI20240911BHJP
B63H 21/17 20060101ALI20240911BHJP
B63H 19/02 20060101ALI20240911BHJP
【FI】
B63H11/08 A
B63H21/17
B63H19/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023033378
(22)【出願日】2023-03-06
(71)【出願人】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001911
【氏名又は名称】弁理士法人アルファ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小野 純弥
(57)【要約】
【課題】インペラによって発生された水流を有効に利用する水ジェット推進艇。
【解決手段】水ジェット推進艇は、船体と、駆動源と、蓄電装置と、ジェット推進機構と、発電機構と、コントローラと、を備える。船体は、吸水口と、噴射口と、吸水口と噴射口とに連通する流路であって、少なくとも吸水口から噴射口に向かって延びるメイン流路を含む流路とが形成されている。駆動源は、船体に配置される。蓄電装置は、駆動源に電力を供給する。ジェット推進機構は、メイン流路に配置され、駆動源の駆動力により動作して流路に水流を発生させるインペラを有し、インペラによってメイン流路に発生された水流によって船体の推進力を発生させる。発電機構は、流路に配置され、インペラによって発生する水流を利用して発電を行う。コントローラは、発電機構が発電した電力によって蓄電装置を充電する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水ジェット推進艇であって、
吸水口と、噴射口と、前記吸水口と前記噴射口とに連通する流路であって、少なくとも前記吸水口から前記噴射口に向かって延びるメイン流路を含む流路とが形成された船体と、
前記船体に配置される駆動源と、
前記駆動源に電力を供給する蓄電装置と、
ジェット推進機構であって、
前記メイン流路に配置され、前記駆動源の駆動力により動作して前記流路に水流を発生させるインペラを有し、
前記インペラによって前記メイン流路に発生された水流によって前記船体の推進力を発生させる、ジェット推進機構と、
前記流路に配置され、前記インペラによって発生する水流を利用して発電を行う発電機構と、
コントローラと、
を備え、
前記コントローラは、前記発電機構が発電した電力によって前記蓄電装置を充電する、水ジェット推進艇。
【請求項2】
請求項1に記載の水ジェット推進艇であって、
前記流路は、前記メイン流路から分岐した分岐流路を含み、
前記発電機構は、前記分岐流路に配置される、水ジェット推進艇。
【請求項3】
請求項2に記載の水ジェット推進艇であって、
前記分岐流路は、前記駆動源の周囲を通り、前記駆動源を冷却する冷却水の流路である第1の冷却水路を含み、
前記発電機構は、前記第1の冷却水路に配置される、水ジェット推進艇。
【請求項4】
請求項3に記載の水ジェット推進艇であって、
前記分岐流路は、前記冷却水の流路であって、前記第1の冷却水路における前記発電機構が配置された箇所よりも前記メイン流路側に位置する分岐地点から分岐した第2の冷却水路を含み、
前記第2の冷却水路には、前記発電機構が配置されず、
前記コントローラは、前記分岐地点において、前記冷却水の進路を、前記第1の冷却水路と前記第2の冷却水路との間で切り替える、水ジェット推進艇。
【請求項5】
請求項4に記載の水ジェット推進艇であって、
前記コントローラは、
前記蓄電装置の蓄電残量が所定の値以上である場合に、前記冷却水の進路を前記第2の冷却水路に切り替え、
前記蓄電装置の蓄電残量が所定の値未満である場合に、前記冷却水の進路を前記第1の冷却水路に切り替える、水ジェット推進艇。
【請求項6】
請求項4に記載の水ジェット推進艇であって、
前記コントローラは、前記第1の冷却水路の前記発電機構に異物が捕捉された場合に、前記冷却水の進路を前記第2の冷却水路に切り替える、水ジェット推進艇。
【請求項7】
請求項6に記載の水ジェット推進艇であって、
前記コントローラは、前記第1の冷却水路における前記冷却水の流量の変化に基づいて前記異物の捕捉を検知する、水ジェット推進艇。
【請求項8】
請求項6に記載の水ジェット推進艇であって、
前記コントローラは、前記発電機構による発電量の変化に基づいて前記異物の捕捉を検知する、水ジェット推進艇。
【請求項9】
請求項6に記載の水ジェット推進艇であって、
前記コントローラは、前記駆動源の温度の変化に基づいて前記異物の捕捉を検知する、水ジェット推進艇。
【請求項10】
請求項2に記載の水ジェット推進艇であって、
前記船体の上面にスパウト噴出口が形成され、
前記分岐流路は、前記スパウト噴出口から前記船体に対して上方に噴出するスパウト水の流路である第1のスパウト流路を含み、
前記発電機構は、前記第1のスパウト流路に配置される、水ジェット推進艇。
【請求項11】
請求項10に記載の水ジェット推進艇であって、
前記分岐流路は、前記スパウト水の流路であって、前記第1のスパウト流路における前記発電機構が配置された箇所よりも前記メイン流路側に位置する分岐地点から分岐した第2のスパウト流路を含み、
前記第2のスパウト流路には、前記発電機構が配置されず、
前記コントローラは、前記分岐地点において、前記スパウト水の進路を、前記第1のスパウト流路と前記第2のスパウト流路との間で切り替える、水ジェット推進艇。
【請求項12】
請求項11に記載の水ジェット推進艇であって、
前記コントローラは、
前記蓄電装置の蓄電残量が所定の値以上である場合に、前記スパウト水の進路を前記第2のスパウト流路に切り替え、
前記蓄電装置の蓄電残量が所定の値未満である場合に、前記スパウト水の進路を前記第1のスパウト流路に切り替える、水ジェット推進艇。
【請求項13】
請求項11に記載の水ジェット推進艇であって、
前記コントローラは、前記第1のスパウト流路の前記発電機構に異物が捕捉された場合に、前記スパウト水の進路を前記第2のスパウト流路に切り替える、水ジェット推進艇。
【請求項14】
請求項13に記載の水ジェット推進艇であって、
前記コントローラは、前記第1のスパウト流路における前記スパウト水の流量の変化に基づいて前記異物の捕捉を検知する、水ジェット推進艇。
【請求項15】
請求項13に記載の水ジェット推進艇であって、
前記コントローラは、前記発電機構による発電量の変化に基づいて前記異物の捕捉を検知する、水ジェット推進艇。
【請求項16】
請求項1に記載の水ジェット推進艇であって、
前記発電機構は、前記メイン流路に配置される、水ジェット推進艇。
【請求項17】
請求項16に記載の水ジェット推進艇であって、
前記発電機構は、前記メイン流路において、前記インペラに対して下流側に配置される、水ジェット推進艇。
【請求項18】
請求項1に記載の水ジェット推進艇であって、
前記蓄電装置は、第1のバッテリと、第2のバッテリと、を備え、
前記コントローラは、前記第1のバッテリおよび前記第2のバッテリの状態を、前記発電機構が発電した電力によって充電する充電状態と、前記駆動源へ電力を供給する供給状態との間で切り替える、水ジェット推進艇。
【請求項19】
請求項1に記載の水ジェット推進艇であって、
前記発電機構は、水流を受けて回転する羽根を有する、水ジェット推進艇。
【請求項20】
水ジェット推進艇であって、
吸水口と、噴射口と、前記吸水口と前記噴射口とに連通する流路であって、少なくとも前記吸水口から前記噴射口に向かって延びるメイン流路を含む流路とが形成された船体と、
前記船体に配置される駆動源と、
ジェット推進機構であって、
前記メイン流路に配置され、前記駆動源の駆動力により動作して前記流路に水流を発生させるインペラを有し、
前記インペラによって前記メイン流路に発生された水流によって前記船体の推進力を発生させる、ジェット推進機構と、
前記流路に配置され、前記インペラによって発生する水流を利用して発電を行う発電機構と、
前記船体に配置される電気機器と、
コントローラと、
を備え、
前記コントローラは、前記発電機構が発電した電力を前記電気機器へ供給する、水ジェット推進艇。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される技術は、水ジェット推進艇に関する。
【背景技術】
【0002】
水ジェット推進艇は、船体と、駆動源と、ジェット推進機構とを備える。ジェット推進機構は、駆動源によって駆動され、船体の後方に向かう水流を発生させることにより、船体の推進力を発生させる。
【0003】
従来、船体と、駆動源と、インペラを含む推進ユニットとを備え、インペラの回転によって生じた水流を後方に噴射することによって推進する船舶が開示されている。インペラによって生じた水流は、船体の推進に利用されるだけでなく、例えば、駆動源の冷却にも利用される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
インペラによって発生された水流は、船体の推進や、上記先行文献で開示されたような駆動源の冷却以外に利用することについて検討されていなかった。
【0006】
本明細書では、上述した課題を解決することが可能な技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書に開示される技術は、例えば以下の形態として実現することが可能である。
【0008】
(1)本明細書に開示される水ジェット推進艇は、船体と、駆動源と、蓄電装置と、ジェット推進機構と、発電機構と、コントローラと、を備える。前記船体は、吸水口と、噴射口と、前記吸水口と前記噴射口とに連通する流路であって、少なくとも前記吸水口から前記噴射口に向かって延びるメイン流路を含む流路とが形成されている。前記駆動源は、前記船体に配置される。前記蓄電装置は、前記駆動源に電力を供給する。前記ジェット推進機構は、前記メイン流路に配置され、前記駆動源の駆動力により動作して前記流路に水流を発生させるインペラを有し、前記インペラによって前記メイン流路に発生された水流によって前記船体の推進力を発生させる。前記発電機構は、前記流路に配置され、前記インペラによって発生する水流を利用して発電を行う。前記コントローラは、前記発電機構が発電した電力によって前記蓄電装置を充電する。
【0009】
本水ジェット推進艇によれば、インペラによって発生する水流を利用して発電を行う発電機構が発電した電力によって蓄電装置を充電することにより、インペラによって発生する水流を有効に利用することができ、ジェット推進艇の航続距離を延ばすことができる。
【0010】
(2)本明細書に開示される他の水ジェット推進艇は、船体と、駆動源と、ジェット推進機構と、発電機構と、電気機器と、コントローラと、を備える。前記船体は、吸水口と、噴射口と、前記吸水口と前記噴射口とに連通する流路であって、少なくとも前記吸水口から前記噴射口に向かって延びるメイン流路を含む流路とが形成されている。前記駆動源は、前記船体に配置される。前記ジェット推進機構は、前記メイン流路に配置され、前記駆動源の駆動力により動作して前記流路に水流を発生させるインペラを有し、前記インペラによって前記メイン流路に発生された水流によって前記船体の推進力を発生させる。前記発電機構は、前記流路に配置され、前記インペラによって発生する水流を利用して発電を行う。前記電気機器は、前記船体に配置される。前記コントローラは、前記発電機構が発電した電力を前記電気機器へ供給する。
【0011】
本水ジェット推進艇によれば、インペラによって発生する水流を利用して発電を行う発電機構が発電した電力を電気機器へ供給することにより、インペラによって発生する水流を有効に利用することができる。
【0012】
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、水ジェット推進艇、水ジェット推進艇の製造方法等の形態で実現することができる。
【発明の効果】
【0013】
本明細書に開示される水ジェット推進艇によれば、インペラによって発生する水流を利用して発電を行う発電機構が発電した電力によって蓄電装置を充電することにより、インペラによって発生する水流を有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本実施形態の水ジェット推進艇10の構成を概略的に示す側面図
【
図2】本実施形態の水ジェット推進艇10の構成を概略的に示す上面図
【
図3】駆動装置30およびジェット推進機構40の周辺構成を概略的に示す説明図
【
図4】水ジェット推進艇10の制御構成を示すブロック図
【
図5】本実施形態の発電機構100の詳細構成を概略的に示す説明図
【
図6】モータ31周辺の流路の配置を概略的に示す説明図
【
図7】スパウト噴出口25周辺の流路の配置を概略的に示す説明図
【
図8】変形例の発電機構100aの詳細構成を概略的に示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0015】
A.実施形態:
A-1.水ジェット推進艇10の構成:
図1は、本実施形態の水ジェット推進艇10の構成を概略的に示す側面図である。
図2は、本実施形態の水ジェット推進艇10の構成を概略的に示す上面図である。
図1,
図2および後述する他の図面には、水ジェット推進艇10の位置を基準とした各方向を表す矢印を示している。より具体的には、各図には、前方(FRONT)、後方(REAR)、左方(LEFT)、右方(RIGHT)、上方(UPPER)および下方(LOWER)のそれぞれを表す矢印を示している。前後方向、左右方向および上下方向(鉛直方向)は、それぞれ互いに直交する方向である。
【0016】
本実施形態における水ジェット推進艇10とは、例えば、パーソナルウォータークラフト(PWC)である。水ジェット推進艇10は、船体20と、駆動装置30と、ジェット推進機構40と、噴流調整機構50と、変位機構60と、操船装置70と、コントローラ(制御装置)80と、後述する電気機器84と、蓄電装置86と、後述する発電機構100とを備える。
【0017】
(船体20の構成)
船体20は、ハル21と、デッキ22と、シート23と、取付部24とを有する。ハル21は、船体20の船底を構成する。デッキ22は、船体20の上部を構成する。デッキ22には、スパウト噴出口25が形成されている(
図2参照)。スパウト噴出口25には、後述するスパウト水SWが供給される。水ジェット推進艇10は、スパウト噴出口25から船体20に対して上方に噴出させることにより、周辺の波が高い場合であっても、他船の乗員が水ジェット推進艇10の存在を認識できるようにしている。シート23は、船体20の前後方向の略中央に配置されており、図示しないオペレータ(乗員)が着座することができる。取付部24は、駆動装置30とジェット推進機構40とを収容しており、ハル21の下部に取り付けられている。また、船体20には、後に詳述するように、少なくともメイン流路41を含む流路190が形成されている。
【0018】
(駆動装置30の構成)
図3は、駆動装置30およびジェット推進機構40の周辺構成を概略的に示す説明図である。
図3に示すように、駆動装置30は、船体20における下方に配置されている。駆動装置30は、モータ31と、ウォータージャケット33とを有する。モータ31は、例えばブラシレスモータである。モータ31は、蓄電装置86から供給された電力によって出力軸(図示せず)を中心に回転駆動する。ウォータージャケット33は、モータ31の外側を覆っている。モータ31とウォータージャケット33との空間には、後述する冷却水導入路91からモータ31を冷却するための冷却水CWが供給される冷却水槽34が形成されており、冷却水槽34に供給された冷却水CWによってモータ31が冷却される。モータ31は、特許請求の範囲における駆動源の一例である。
【0019】
(ジェット推進機構40の構成)
ジェット推進機構40は、船体20の推進力を発生させる機構である。ジェット推進機構40は、船体20における後下方に配置されている。ジェット推進機構40は、ダクト41aと、インペラハウジング41bと、静翼ハウジング41cと、ノズル41dと、インペラ44と、ドライブシャフト45と、静翼46と、スクリーン47と、ハウジング49とを有する。
【0020】
ダクト41aと、インペラハウジング41bと、静翼ハウジング41cと、ノズル41dとは、それぞれ前後方向に延びる略筒状体である。ダクト41aには、水を吸い込むための開口である吸水口42が形成され、ノズル41dには、インペラ44によって発生される後述する噴流JWを噴出させるための開口である噴射口48が形成されている。また、ダクト41aと、インペラハウジング41bと、静翼ハウジング41cと、ノズル41dとのそれぞれの内部に形成された空間が互いに連通することにより、吸水口42と噴射口48とに連通し、吸水口42から噴射口48に向かって延びるメイン流路41が形成されている。
【0021】
ドライブシャフト45と、インペラ44と、静翼46と、スクリーン47とは、メイン流路41に配置されている。ドライブシャフト45は、棒状の部材であり、モータ31の出力軸(図示せず)の後端部に連結されている。インペラ44は、複数の羽根を有しており、ドライブシャフト45の後方に取り付けられている。静翼46は、複数の羽根を有している。スクリーン47は、格子状の部材であり、吸水口42付近に取り付けられることにより、メイン流路41への異物の侵入を抑制する。
【0022】
ハウジング49は、ハウジング49の内部に配置された複数のベアリング(図示せず)を介して、ドライブシャフト45を回転可能に支持している。従って、インペラ44は、ドライブシャフト45の回転軸線Acを中心として、ドライブシャフト45と一体となって回転する。一方、静翼46は、ハウジング49および静翼ハウジング41cに固定されている。従って、静翼46は、回転不能である。
【0023】
このような構成により、蓄電装置86からコントローラ80を介してモータ31に電力が供給されることによってモータ31の出力軸が回転すると、モータ31の駆動力がドライブシャフト45に伝達される。ドライブシャフト45の回転に伴ってインペラ44が動作すると、船体20の外部(ハル21の下方)の水が吸水口42を介してメイン流路41に吸い込まれ、メイン流路41に水流が発生する。メイン流路41に発生した水流は、インペラ44から静翼46に送られる。前述の通り、静翼46は、インペラ44の動作に関わらずハウジング49と静翼ハウジング41cとによって固定されているため、静翼46に送られた水流は、インペラ44の回転によって生じたねじれが低減され、整流される。整流された水は、静翼46からノズル41dに送られ、噴射口48から後方に噴射される。これにより、噴流JWが発生し、前進方向への推進力が発生する。このような構成であるため、モータ31の回転速度が高いほど、ジェット推進機構40から噴出される噴流JWの流量が増加する。従って、モータ31の運転状態(回転速度)を変更することによって、ジェット推進機構40から噴出される噴流JWの量(噴射力)が調整される。
【0024】
(噴流調整機構50および変位機構60の構成)
噴流調整機構50は、デフレクタ51とリバースゲート52とを有する。変位機構60は、デフレクタ移動機構61と、リバースゲート移動機構65とを有する(
図1参照)。
【0025】
デフレクタ51は、略円筒状(円錐台状)の部材であって、後方に向かうほど内径が小さくなるように形成されている。デフレクタ51は、ノズル41dの後方に配置され、ノズル41dの噴射口48を覆っている(
図1参照)。従って、ノズル41dの噴射口48から噴出した噴流JWは、デフレクタ51内を通って排出口51aから噴出する。デフレクタ51は、噴射口48の後方において鉛直軸回り及び水平軸回りに回動可能である。すなわち、デフレクタ51は、その回動位置に応じて噴射口48から船体20の後方に噴出される噴流JWの左右方向の向き及び上下方向の向きを変更可能である。デフレクタ移動機構61は、操船装置70による操作に応じてデフレクタ51を変位させる。
【0026】
リバースゲート52は、デフレクタ51の後方側に配置されており(
図1参照)、前進位置とニュートラル位置と後進位置との間で変位することが可能である。前進位置は、前後方向においてリバースゲート52がデフレクタ51の排出口51aを覆わない位置であり、リバースゲート52が前進位置にあるとき、噴流JWの噴出によって船体20が前進する。ニュートラル位置は、前後方向においてリバースゲート52がデフレクタ51の排出口51aの一部を覆う位置であり、リバースゲート52がニュートラル位置にあるとき、噴流JWの噴出によって船体20が減速する。後進位置は、前後方向においてリバースゲート52がデフレクタ51の排出口51aの全体を覆う位置であり、リバースゲート52が後進位置にあるとき、噴流JWの噴出によって船体20が後進する。リバースゲート移動機構65は、操船装置70による操作に応じてリバースゲート52を変位させる。
【0027】
(操船装置70の構成)
操船装置70は、ステアリングハンドル71と、右グリップ部72Rと、左グリップ部72Lとを有する(
図2参照)。ステアリングハンドル71は、船体20に対して左右方向に延びた一対のバー状の部分を有し、上下方向に沿った回動軸中心に回動可能に支持されている。右グリップ部72Rは、ステアリングハンドル71の右側に設けられ、左グリップ部72Lは、ステアリングハンドル71の左側に設けられている。水ジェット推進艇10のオペレータは、右グリップ部72Rと左グリップ部72Lとを把持してステアリングハンドル71を回動させることができる。ステアリングハンドル71を回動させると、変位機構60を介して、デフレクタ51を左右方向に回動させることができる。また、操船装置70は、複数の操作子(図示せず)を有しており、オペレータは、操作子を操作することによって、モータ31の始動および停止、デフレクタ51の上下方向の回動、または、リバースゲート52の回動を行うことができる。
【0028】
(コントローラ80、電気機器84、および、蓄電装置86の構成)
図4は、水ジェット推進艇10の制御構成を示すブロック図である。コントローラ80および蓄電装置86は、船体20内に配置されている。本実施形態では、蓄電装置86は、第1のバッテリ87と、第2のバッテリ88とを有する。
【0029】
コントローラ80は、例えば、CPU、マルチコアCPU、プログラマブルなデバイス(Field Programmable Gate Array(FPGA)、Programmable Logic Device(PLD)等)を用いて構成される。コントローラ80は、モータ31、第1のバッテリ87、および、第2のバッテリ88のそれぞれと電気的に接続されている。コントローラ80は、操船装置70の操作に応じて第1のバッテリ87および第2のバッテリ88に充電された電力をモータ31に供給する。コントローラ80は、操船装置70の操作に応じて電力の供給量を変化させ、モータ31の回転数の制御を行う。
【0030】
また、詳細は後述するが、水ジェット推進艇10は、流路190に配置され、インペラ44によって発生する水流を利用して発電を行う発電機構100(100A~100D)を備えている。コントローラ80は、水ジェット推進艇10に備えられた発電機構100によって発電された電力の供給先を制御する。コントローラ80は、発電機構100が発電した電力によって蓄電装置86を充電し、或いは、モータ31もしくは水ジェット推進艇10に備えられた電気機器84へ直接電力を供給する。電気機器84とは、例えば操船装置70に備えられたディスプレイ等の電力によって動作する各種装置である。
【0031】
A-2.発電機構100の詳細構成:
図5は、本実施形態の発電機構100の詳細構成を概略的に示す説明図である。発電機構100は、船体20に形成された流路190に配置され、インペラ44によって発生する水流を利用して発電を行う。
図5(a)は、水流の流れ方向視での発電機構100の構成を示しており、
図5(b)は、水流の流れ方向に交差する方向視での発電機構100の構成を示している。また、
図5(b)中の矢印(FLOW)は、水流の流れ方向を示している。発電機構100は、ハウジング101と、インペラ102と、回転軸103とを備える。ハウジング101は、インペラ102と、回転軸103とを収容する。回転軸103は、棒状の部材であり、延伸方向が水流の流れ方向に略平行となるように配置されている。インペラ102は、羽根を有しており、回転軸103周りに回転するように回転軸103に固定され、水流を受けて回転することができる。すなわち、発電機構100は、インペラ44によって発生される水流のエネルギーをインペラ102の回転エネルギーに変換し、インペラ102の回転エネルギーを電気エネルギーに変換することによって発電する機構である。なお、本実施形態の発電機構100は、回転軸103の延伸方向が水流の流れ方向に略平行となるように配置されるタービン型の発電機構である。
【0032】
A-3.発電機構100による発電方法の詳細:
図3に示すように、船体20に形成された流路190は、メイン流路41に加え、メイン流路41から分岐した分岐流路90を含んでいる。分岐流路90は、冷却水流路96と、スパウト流路99とを含む。
【0033】
図6は、モータ31周辺の流路の配置を概略的に示す説明図である。
図6は、船体20の内部を示している。冷却水流路96は、モータ31の周囲を通り、モータ31を冷却する冷却水CWの流路である。冷却水流路96は、冷却水導入路91と、左舷側第1冷却水路92と、左舷側第2冷却水路93と、トランサム側第1冷却水路94と、トランサム側第2冷却水路95とを含む。左舷側第1冷却水路92は、特許請求の範囲における第1の冷却水路の一例であり、左舷側第2冷却水路93は、特許請求の範囲における第2の冷却水路の一例である。また、トランサム側第1冷却水路94は、特許請求の範囲における第1の冷却水路の一例であり。トランサム側第2冷却水路95は、特許請求の範囲における第2の冷却水路の一例である。
【0034】
左舷側第1冷却水路92には、発電機構100(以下、特に「発電機構100A」という。)が配置されている。左舷側第2冷却水路93は、左舷側第1冷却水路92における発電機構100Aが配置された箇所よりもメイン流路41側に位置する分岐地点110Aから分岐し、発電機構100Aよりも下流で、再度、左舷側第1冷却水路92に合流する構成を有する。分岐地点110Aには、例えば、電磁弁等の流路切替装置(図示せず)が配置されている。また、トランサム側第1冷却水路94には、発電機構100(以下、特に「発電機構100B」という。)が配置されている。トランサム側第2冷却水路95は、トランサム側第1冷却水路94における発電機構100Bが配置された箇所よりもメイン流路41側に位置する分岐地点110Bから分岐し、発電機構100Bよりも下流で、再度、トランサム側第2冷却水路95に合流する構成を有する。分岐地点110Bには、例えば、電磁弁等の流路切替装置(図示せず)が配置されている。
【0035】
インペラ44によって吸水口42から取り込まれた水は、メイン流路41におけるインペラ44に対して下流側にある開口から分岐した冷却水導入路91に送られる。冷却水導入路91は、メイン流路41との接続部である一方の端部から前方に延びており、他方の端部は、ウォータージャケット33に形成された開口に接続されている。冷却水CWは、メイン流路41から冷却水導入路91に送られ、冷却水槽34を通過することにより、モータ31の冷却を行う。冷却水槽34を通過した冷却水CWは、左舷側第1冷却水路92またはトランサム側第1冷却水路94に送られる。
【0036】
左舷側第1冷却水路92は、ウォータージャケット33との接続部である一方の端部から左方に延びており、他方の端部は、ハル21の左方側に形成された排水口(図示せず)に接続されている。また、トランサム側第1冷却水路94は、ウォータージャケット33との接続部である一方の端部から後方に延びており、他方の端部は、ハル21の後方側に形成された排水口(図示せず)に接続されている。そのため、モータ31の冷却に用いられた冷却水CWは、左舷側第1冷却水路92またはトランサム側第1冷却水路94に送られ、排水口を介して船体20の外部に放出される。このとき、左舷側第1冷却水路92に配置された発電機構100Aおよびトランサム側第1冷却水路94に配置された発電機構100Bは、冷却水CWのエネルギーを利用して発電することができる。
【0037】
一方で、左舷側第2冷却水路93には、発電機構100が配置されていない。そのため、コントローラ80は、発電機構100Aによる発電を行わない場合は、分岐地点110Aの流路制御装置を制御し、冷却水CWの進路を左舷側第2冷却水路93に切り替えることにより、発電機構100Aを迂回することができる。同様に、トランサム側第2冷却水路95には、発電機構100が配置されていない。そのため、コントローラ80は、発電機構100Bによる発電を行わない場合は、分岐地点110Bの流路制御装置を制御し、冷却水CWの進路をトランサム側第2冷却水路95に切り替えることにより、発電機構100Bを迂回することができる。具体的には、蓄電装置86の蓄電残量が所定の値以上である場合に、冷却水CWの進路を左舷側第2冷却水路93およびトランサム側第2冷却水路95に切り替え、蓄電装置86の蓄電残量が所定の値未満である場合に、冷却水CWの進路を左舷側第1冷却水路92およびトランサム側第1冷却水路94に切り替える。これにより、蓄電装置86が過充電となることを抑制することができる。
【0038】
上記以外にも、コントローラ80は、所定の状態となった場合に、分岐地点110Aおよび分岐地点110Bの流路切替装置を制御し、冷却水CWの進路を、左舷側第1冷却水路92から左舷側第2冷却水路93に切り替え、または、トランサム側第1冷却水路94からトランサム側第2冷却水路95に切り替える。所定状態とは、例えば、発電機構100に異物が捕捉された状態である。コントローラ80は、左舷側第1冷却水路92の発電機構100Aに異物が捕捉された場合に、冷却水CWの進路を左舷側第2冷却水路93に切り替え、発電機構100Aを迂回させる。同様に、コントローラ80は、トランサム側第1冷却水路94の発電機構100Bに異物が捕捉された場合に、冷却水CWの進路をトランサム側第2冷却水路95に切り替え、発電機構100Bを迂回させる。これにより、発電機構100Aまたは発電機構100Bに捕捉された異物によって冷却水流路96に流れる冷却水CWの流量が低下し、モータ31の温度が上昇することを抑制することができる。コントローラ80は、左舷側第1冷却水路92およびトランサム側第1冷却水路94における冷却水CWの流量の変化や、発電機構100Aおよび発電機構100Bによる発電量の変化、モータ31の温度の変化に基づいて、発電機構100Aおよび発電機構100Bでの異物の捕捉を検知することができる。
【0039】
図7は、スパウト噴出口25周辺の流路の配置を概略的に示す説明図である。
図7は、船体20におけるデッキ22と取付部24との空間を示している。スパウト流路99は、スパウト噴出口25から船体20に対して上方に噴出するスパウト水SWの流路である。スパウト流路99は、第1のスパウト流路97と、第2のスパウト流路98とを含む。
【0040】
第1のスパウト流路97には、発電機構100(以下、特に「発電機構100C」という。)が配置されている。第2のスパウト流路98は、第1のスパウト流路97における発電機構100Cが配置された箇所よりもメイン流路41側に位置する分岐地点110Cから分岐し、発電機構100Cよりも下流で、再度、第1のスパウト流路97に合流する構成を有する。分岐地点110Cには、例えば、電磁弁等の流路切替装置(図示せず)が配置されている。
【0041】
インペラ44によって吸水口42から取り込まれた水は、メイン流路41におけるインペラ44に対して下流側にある開口から分岐した第1のスパウト流路97に送られる。第1のスパウト流路97は、メイン流路41との接続部である一方の端部から上方に延びており、他方の端部はデッキ22に形成されたスパウト噴出口25に接続されている。スパウト水SWは、メイン流路41から第1のスパウト流路97に送られ、スパウト噴出口25から船体20に対して上方に噴出することにより、他船の乗員が水ジェット推進艇10の存在を認識できるようにしている。このとき、第1のスパウト流路97に配置された発電機構100Cは、スパウト水SWのエネルギーを利用して発電することができる。
【0042】
一方で、第2のスパウト流路98には、発電機構100が配置されていない。そのため、コントローラ80は、発電機構100Cによる発電を行わない場合は、分岐地点110Cの流路制御装置を制御し、スパウト水SWの進路を第2のスパウト流路98に切り替えることにより、発電機構100Cを迂回することができる。具体的には、蓄電装置86の蓄電残量が所定の値以上である場合に、スパウト水SWの進路を第2のスパウト流路98に切り替え、蓄電装置86の蓄電残量が所定の値未満である場合に、スパウト水SWの進路を第1のスパウト流路97に切り替える。これにより、蓄電装置86が過充電となることを抑制することができる。
【0043】
上記以外にも、コントローラ80は、所定状態となった場合に、分岐地点110Cの流路切替装置を制御し、スパウト水SWの進路を、第1のスパウト流路97から第2のスパウト流路98に切り替える。所定状態とは、例えば、発電機構100に異物が捕捉された状態である。コントローラ80は、第1のスパウト流路97の発電機構100Cに異物が捕捉された場合に、スパウト水SWの進路を第2のスパウト流路98に切り替え、発電機構100Cを迂回させる。これにより、発電機構100Cに捕捉された異物によってスパウト噴出口25から噴出するスパウト水SWの流量が低下することを抑制することができる。コントローラ80は、第1のスパウト流路97におけるスパウト水SWの流量の変化や、発電機構100Cによる発電量の変化に基づいて、発電機構100Cでの異物の捕捉を検知することができる。
【0044】
図3に示すように、メイン流路41においても、発電機構100(以下、特に「発電機構100D」という。)が配置されている。発電機構100Dは、メイン流路41において、インペラ44に対して下流側に配置されている。メイン流路41に配置された発電機構100Dは、インペラ44によって取り込まれ、噴流JWとなって噴出する前の水の水流のエネルギーを利用して発電することができる。
【0045】
上述のような方法で発電機構100によって発電された電力は、コントローラ80の制御によって蓄電装置86、モータ31、電気機器84に供給される。蓄電装置86は、第1のバッテリ87と、第2のバッテリ88との2つのバッテリを備えている。コントローラ80は、第1のバッテリ87および第2のバッテリ88の状態を、発電機構100が発電した電力によって充電する充電状態と、モータ31へ電力を供給する供給状態との間での切り替えを制御する。これにより、水ジェット推進艇10が航走中であっても、蓄電装置86の充電と、蓄電装置86から駆動装置30への電力の供給とを両立することができる。
【0046】
B.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
【0047】
上記実施形態の水ジェット推進艇10の構成は、あくまで一例であり、種々変形が可能である。例えば、上記実施形態では、駆動装置30の駆動源としてモータ31のみを例示したが、モータ31とともに、または、モータ31に替えて、エンジン等を備えていてもよい。
【0048】
上記実施形態の水ジェット推進艇10は、パーソナルウォータークラフトであったが、例えば、ジェット推進機構を備えるスポーツボート等の他の船舶であってもよい。
【0049】
上記実施形態では、蓄電装置86は、第1のバッテリ87と、第2のバッテリ88との2つのバッテリを備えているが、3つ以上のバッテリを備えていてもよい。
【0050】
上記実施形態では、発電機構100が配置される流路として、冷却水流路96と、スパウト流路99と、メイン流路41とが示されているが、発電機構100が配置される流路はこれに限られず、インペラ44によって発生される水流の流路であれば、いずれの位置に配置されてもよい。
【0051】
上記実施形態では、メイン流路41は、ダクト41aと、インペラハウジング41bと、静翼ハウジング41cと、ノズル41dとが一体となって形成されているが、メイン流路41は単一の部材によって形成されていてもよい。
【0052】
上記実施形態では、冷却水流路96およびスパウト流路99は、メイン流路41におけるインペラ44に対して下流側から分岐しているが、冷却水流路96およびスパウト流路99は、メイン流路41におけるインペラ44に対して上流側から分岐していてもよい。
【0053】
上記実施形態では、左舷側第1冷却水路92と左舷側第2冷却水路93、トランサム側第1冷却水路94とトランサム側第2冷却水路95、または、第1のスパウト流路97と第2のスパウト流路98のそれぞれにおいて、流路制御装置による流路の切り替えを行う所定状態について、発電機構100に異物が捕捉された状態を例示しているが、所定状態は、これに限られない。例えば、回転軸103が折れた状態や、発電機構100による発電量が低下した状態、発電機構100による発電がされているものの蓄電装置86が充電されない状態、発電機構100と分岐流路90との間で水漏れが発生した状態等も、所定状態に含まれる。
【0054】
上記実施形態では、メイン流路41に配置された発電機構100Dは、メイン流路41におけるインペラ44に対して下流側に配置されているが、インペラ44に対して上流側に配置されていてもよい。
【0055】
上記実施形態では、メイン流路41に配置された発電機構100Dは、噴流JWとして噴出する前の水の水流を利用して発電を行っているが、発電機構100Dは、噴射口48から噴射された後の噴流JWを利用して発電を行ってもよい。例えば、発電機構100Dをリバースゲート52に取り付けることにより、噴流JWの水流を利用して発電してもよい。
【0056】
上記実施形態では、冷却水流路96に配置された発電機構100Aおよび発電機構100Bは、冷却水槽34よりも下流側に配置されているが、冷却水槽34よりも上流側(すなわち、本実施形態の冷却水導入路91)に配置されていてもよい。
【0057】
上記実施形態では、水ジェット推進艇10は、タービン型の発電機構100を備えているが、発電機構100の構成はこれに限定されない。
図8は、変形例の発電機構100aの詳細構成を概略的に示す説明図である。水ジェット推進艇10は、例えば、
図8に示したような水車型の発電機構100aを備えていてもよい。
図8(a)は、水流の流れ方向視での発電機構100aの構成を示しており、
図8(b)は、水流の流れ方向に交差する方向視での発電機構100aの構成を示している。また、
図8(b)中の矢印(FLOW)は、水流の流れ方向を示している。発電機構100aは、ハウジング101aと、インペラ102aと、回転軸103aとを備えている。水車型の発電機構100aは、回転軸103の延伸方向が水流の流れ方向に交差するように配置される。発電機構100aは、発電機構100と同様に、インペラ44によって発生される水流のエネルギーをインペラ102aの回転エネルギーを電気エネルギーに変換し、インペラ102aの回転エネルギーを電気エネルギーに変換することによって発電することができる。
【0058】
上記実施形態では、水ジェット推進艇10は、モータ31の周囲を通った冷却水CWが船体20の外部へ放出されるまでの流路として、左舷側の流路(左舷側第1冷却水路92および左舷側第2冷却水路93)が形成されているが、冷却水CWの流路の構成はこれに限定されない。例えば、モータ31の周囲を通った冷却水CWは、右舷側の流路を介して船体20の外部へ放出されていてもよく、該右舷側の流路に発電機構100が配置されていてもよい。
【符号の説明】
【0059】
10:水ジェット推進艇 20:船体 21:ハル 22:デッキ 23:シート 24:取付部 25:スパウト噴出口 30:駆動装置 31:モータ 33:ウォータージャケット 34:冷却水槽 40:ジェット推進機構 41:メイン流路 41a:ダクト 41b:インペラハウジング 41c:静翼ハウジング 41d:ノズル 42:吸水口 44:インペラ 45:ドライブシャフト 46:静翼 47:スクリーン 48:噴射口 49:ハウジング 50:噴流調整機構 51:デフレクタ 51a:排出口 52:リバースゲート 60:変位機構 61:デフレクタ移動機構 65:リバースゲート移動機構 70:操船装置 71:ステアリングハンドル 72L:左グリップ部 72R:右グリップ部 80:コントローラ 86:蓄電装置 87:第1のバッテリ 88:第2のバッテリ 90:分岐流路 91:冷却水導入路 92:左舷側第1冷却水路 93:左舷側第2冷却水路 94:トランサム側第1冷却水路 95:トランサム側第2冷却水路 96:冷却水流路 97:第1のスパウト流路 98:第2のスパウト流路 99:スパウト流路 100:発電機構 100A:発電機構 100B:発電機構 100C:発電機構 100D:発電機構 101:ハウジング 102:インペラ 103:回転軸 110A:分岐地点 110B:分岐地点 110C:分岐地点 190:流路 Ac:回転軸線 CW:冷却水 JW:噴流 SW:スパウト水