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特開2024-125560腕時計装着用バンド、腕時計及びコマ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125560
(43)【公開日】2024-09-19
(54)【発明の名称】腕時計装着用バンド、腕時計及びコマ
(51)【国際特許分類】
   A44C 5/00 20060101AFI20240911BHJP
   A44C 5/14 20060101ALI20240911BHJP
   A44C 27/00 20060101ALI20240911BHJP
   G04B 37/16 20060101ALI20240911BHJP
【FI】
A44C5/00 D
A44C5/14
A44C27/00
G04B37/16 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023033452
(22)【出願日】2023-03-06
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北村 繁樹
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 英男
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 洋平
(72)【発明者】
【氏名】内田 修平
【テーマコード(参考)】
3B114
【Fターム(参考)】
3B114CC02
3B114CC13
3B114DD00
(57)【要約】
【課題】より利便性の高い腕時計装着用バンド、腕時計及びコマを提供する。
【解決手段】腕時計装着用のバンド(10)は、複数のコマ(11)を有する。コマ(11)は、隣り合うコマ(11)と接続されて順番に並んでバンド構造をなす。コマ(11)の一部は、ある付加機能を有する付加コマ(110)である。複数のコマ(11)は、順番を入れ替えて接続が可能である。付加コマ(110)は、取付物が取り付けられる取付孔(111)を有していてもよいし、付加コマ(110)は、ある機能に係る動作を行う機能部品(112)を有していてもよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコマを有し、
前記コマは、隣り合う前記コマと接続されて順番に並んでバンド構造をなし、
前記コマの一部は、前記複数のコマのうち前記一部以外のコマが有さないある付加機能を有する付加コマであり、
前記複数のコマは、順番を入れ替えて接続が可能である
腕時計装着用バンド。
【請求項2】
前記付加コマは、取付物が取り付けられる被取付部を有する、請求項1記載の腕時計装着用バンド。
【請求項3】
前記付加コマは、ある機能に係る機能部を有する、請求項1記載の腕時計装着用バンド。
【請求項4】
前記機能部は、ある機能に係る動作を行うものであり、
前記付加コマは、前記機能部と接続される腕時計本体との接続端子を備える、請求項3記載の腕時計装着用バンド。
【請求項5】
前記付加コマには、前記接続端子と前記腕時計本体とを接続する配線コマが含まれる、請求項4記載の腕時計装着用バンド。
【請求項6】
前記付加コマは、当該付加コマ以外の他のコマとはサイズが異なる、請求項1記載の腕時計装着用バンド。
【請求項7】
前記付加コマは、前記付加機能を示す標識を有する、請求項1記載の腕時計装着用バンド。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の腕時計装着用バンドと、
前記腕時計装着用バンドが接続される腕時計本体と、
を備える腕時計。
【請求項9】
複数個が順番に並んで接続されることでバンド構造をなす腕時計装着用バンドのコマであって、
ある付加機能を有する
コマ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、腕時計装着用バンド、腕時計及びコマに関する。
【背景技術】
【0002】
腕時計などの腕に装着する電子機器には、装着のためにバンドが用いられる。このバンドに対して更に装飾、アクセサリーや、何らかの機能を実行する機能部品などの取付具を直接取り付ける技術がある。特許文献1では、バンドが特定の位置にアクセサリーの差し込み穴を有し、この差し込み穴にアクセサリーを着脱可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平7-2995号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、被取付具の取付位置が固定されて変更することができないという課題がある。
【0005】
この発明の目的は、より利便性の高い腕時計装着用バンド、腕時計及びコマを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る腕時計装着用バンドは、
複数のコマを有し、
前記コマは、隣り合う前記コマと接続されて順番に並んでバンド構造をなし、
前記コマの一部は、前記複数のコマのうち前記一部以外のコマが有さないある付加機能を有する付加コマであり、
前記複数のコマは、順番を入れ替えて接続が可能である。
【発明の効果】
【0007】
本発明に従うと、より利便性の高い腕時計のバンド及びコマが得られるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態のバンドを含む電子時計を示す図である。
図2】第1実施形態のバンドを含む電子時計を示す図である。
図3】バンドの他の例を示す正面図である。
図4】第2実施形態のバンドを含む電子時計を示す図である。
図5】他の付加コマを有するバンドを含む電子時計を示す正面図である。
図6】変形例の電子時計について説明する図である。
図7】変形例の電子時計について説明する図である。
図8】第3実施形態のバンドを含む電子時計について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1及び図2は、第1実施形態のバンド10を含む電子時計1を示す図である。図1(a)は、電子時計1の正面図であり、図1(b)は、電子時計1の側面図である。
本実施形態の腕時計である電子時計1は、本実施形態の腕時計装着用バンドであるバンド10と、電子時計1の本体20(腕時計本体)とを含む。バンド10は、本体20の12時方向及び6時方向の両側面に接続端101、102が接続されている。本体20は、ここでは指針21による表示画面201が示されているが、これに限られるものではない。デジタル表示を行う表示画面であってもよい。
【0010】
バンド10は、接続端101、102を両端として一本につながっていてもよいが、ここでは中央部付近の表示を省略している。バンド10は、複数のコマ11を有する。隣り合うコマ11が互いに接続されて順番に並ぶことで、バンド状に延びたバンド構造をなしている。接続されて隣り合うコマ11の間は、少なくともある回転角度の範囲内で相対角度が変化し得る。コマ11の間は、周知のピンやねじなどにより固定されており、すなわち、工具を利用することでユーザが自身で調整可能であってもよい。コマ11は、金属部材、例えば、ステンレス、チタン、ゴールドなどである。したがって、個々のコマ11は、折れ曲がりを生じない。しかしながら、本実施形態のバンド10は、これに限られない。コマ11は、折れ曲がりを生じ得る部材、例えば、樹脂などであってもよい。また、折れ曲がりを生じない他の材質として、セラミックのコマ11であってもよい。
【0011】
本実施形態のバンド10を構成するコマ11の一部は、付加コマ110である。付加コマ110は、装飾部品や機能部品(取付物)などを取り付ける(付加機能)ための取付孔111(被取付部)を有する。ここでいう付加機能は、本来のバンド10の一部としてのコマ11が有する腕への装着及びその快適性、確実性などに係る機能や、元々バンド10自体が有するデザイン性に係る機能以外のものを意味する。すなわち、付加コマ110以外のコマ11は、当該付加機能を有さない。図1(b)に示すように、付加コマ110に取り付けられる取付品Aは、取付孔111に挿入されるピンA1と、ピンA1の先端に取付孔111の反対側で接続される受部A2とを有する。付加コマ110aを取付品Aの本体と受部A2とで挟み込むことで、当該取付品Aが取付孔111上で固定される。
【0012】
各コマ11及び付加コマ110の外形状は、同一である。したがって、コマ11と付加コマ110は、任意の順番で入れ替えて互いに接続できる。すなわち、必要に応じて、バンド10における付加コマ110の位置は、変更され得る。
【0013】
図2(a)は、付加コマ110の位置を変更した電子時計1の例を示す正面図である。図1(a)と比較して、付加コマ110が接続端102から離れた側に移動している。
【0014】
なお、取付孔111の断面視形状は、適宜定められてもよい。例えば、図2(b)に示す取付孔111aのように凹凸を有する断面視形状、ここではT字型とされることで、取り付けられた取付品Aの回転方向へのずれを抑える。また、図2(c)に示すように、取付孔111bは、単一ではなくてもよい。ここでは、2個の取付孔111bが示されている。取付品Aが2本のピンA1を有することで、取付品Aがより安定して固定される。なお、取付孔111の形状が統一されている方が汎用性が高くなるが、取付品Aに応じて特定の形状の取付孔111が用いられる場合があってもよい。
【0015】
図3は、バンド10の他の例を示す正面図である。
付加コマ110は、1つに限られない。ここでは、2個の付加コマ110がバンド10内に位置している。付加コマ110は、バンド10とは別途取得されてもよいし、通常のバンド10内に1つ含まれてもよい。2つ以上の取付品Aがある場合には、ユーザが追加の付加コマ110を別途取得して追加され、又は元々あるコマ11と付け替え(交換)されてもよい。あるいは、全ての付加コマ110は、バンド10とは別途取得されるものであってもよい。
【0016】
[第2実施形態]
図4は、第2実施形態のバンド10aを含む電子時計1aを示す図である。
図4(a)の正面図で示される電子時計1aでは、バンド10aの付加コマ110aは、ある機能に係る(付加機能)機能部品112(機能部)を内蔵している。ここでいう内蔵には、付加コマ110aと一体である場合と、付加コマ110aの外装形状の内側に着脱可能に埋め込まれる場合とが含まれ得る。機能部品112が付加コマ110aと一体である場合には、機能部品112は、その一部が付加コマ110aの表面に露出していても露出していなくてもよい。あるいは、機能部品112は、必要な範囲で付加コマ110aの表面から突出していてもよい。付加コマ110aが埋め込み及び着脱可能な場合には、付加コマ110aは、着脱時に一時的に開放される蓋部分有していてもよく、また、着脱されるコネクタや固定部を内部に有していてもよい。
【0017】
機能部品112は、特には限られないが、例えば、各種センサ、表示部、発光する報知部、通信部などの機能に係る動作を行うものである。また、付加コマ110aは、これらを動作させるための小型のバッテリや発電部などを有していてもよい。通信部の通信相手は、本体20aであってもよいし、外部の他の機器であってもよい。通信部の通信規格は、特には限られないが、電力消費の小さいもの、例えばブルートゥース(登録商標)のローエナジー規格とされてもよい。表示部の表示画面、発光素子、センサが接触式の場合における接触面などは、外部から視認可能な機能部品112である。無線による通信部、非接触のセンサ、表示などの動作制御部、バッテリなどは、内部に埋め込まれてユーザが視認できない機能部品112とされ得る。図4図8において、実線で示された機能部品は、外側から視認可能であり、点線で示された機能部品は、コマの内部に位置して外側から視認できないことを表す。
【0018】
このように機能部品112が内蔵されると、付加コマ110a単独では、どのような機能を有する付加コマ110aであるかが認識しづらくなる場合がある。したがって、図4(b)に示すように、付加コマ110aは、機能を特定するための標識Sを有していてもよい。標識Sは、機能を一意に特定可能なID、略称や図形などであってもよい。標識Sは、ユーザが見やすいように表側、すなわち、装着時にユーザが視認可能な側にあってもよい。あるいは、標識Sは、装着中にユーザや第三者が認識しづらいように、裏側、すなわち、ユーザの装着面の側に位置していてもよい。
【0019】
図5は、他の付加コマ110bを有するバンド10aを含む電子時計1aを示す正面図である。
機能部品112bの部品数が増えたり、機能部品112b自体が大きかったりする場合には、これらが通常のコマ11と同一のサイズには入りきらない場合がある。複数の機能部品112bは、外側から視認可能なものと視認できないものとが混在していてもよい。例えば、付加コマ110bの内部に位置して視認できないセンサと、センサの結果やステータスに応じた表示を行い外側から視認可能な表示画面とが混在してもよい。この場合には、付加コマ110bのサイズが他の通常のコマ11とは異なっていてもよい。
【0020】
付加コマ110bは、他のコマ11と比較して、バンド10aの延在方向に長さが2倍程度となっている。付加コマ110bの長さは、バンド10aが装着面に沿いにくくなって装着性が低下しない範囲の長さで適宜定められてもよい。
【0021】
あるいは、この付加コマは、本体20と有線接続が可能であってもよい。
図6及び図7は、変形例の電子時計1bについて説明する図である。
【0022】
機能部品112cの動作に必要な電力が自身では得られない場合や、機能部品112cの動作により得られたデータなどを本体20に送信する場合などには、付加コマ110cと本体20との間で配線が接続されてもよい。
【0023】
図6に示すように、付加コマ110bを本体20bに接続可能とする場合には、付加コマ110cは、バンド10bの接続端のいずれか、例えば、接続端102bに位置していてもよい。この場合、図7(a)に示すように、本体20bは、バンド10bとの接続部分に通信や電力供給に係る端子22が位置している。本体20bに付加コマ110cが接続されると、端子22は、付加コマ110cの接続端子113と接触固定される。これにより、付加コマ110bの機能部品112cと、本体20bとの間は、配線により接続される。
【0024】
あるいは、図7(b)のように、付加コマ110cが接続端101、102に位置しない場合には、本体20bと付加コマ110cとの間には、付加コマの一種である配線コマ110dが位置していてもよい。配線コマ110dは、本体20と付加コマ110aとの間をつなぐ信号線や電力供給線とその入出力端子を含む配線114をそれぞれ有する。配線114は、配線コマ110dの内部に埋設されているものであってもよい(ここでは点線で表示)。本体20bと付加コマ110cとの間には、配線コマ110dが複数個直列に挿入されてもよい。あるいは、配線コマ110dは、付加コマ110bと同様に、長さが他のコマ11と異なっていてもよい。更に、配線コマ110dは、樹脂などの可撓性のものであってもよい。この場合には、複数種類の配線長にそれぞれ応じた配線コマ110dの中からユーザが好ましいものを選択して接続するのであってもよい。
【0025】
[第3実施形態]
図8は、第3実施形態のバンド10cを含む電子時計1cについて説明する図である。図8(a)は、電子時計1cの正面図である。図8(b)は、本体20bとバンド10cとの接続箇所を示す図である。
【0026】
電子時計1cの本体20bは、上記第2実施形態で示した電子時計1bの本体と同一である。
バンド10cは、図8(a)に示す機能部品Acが、図8(b)に示す付加コマ110eの取付孔111cに取り付け可能である。取付孔111cは、内面に電極などの接続端子を有する。取付孔111cの電極は、接続端子113が本体20bの端子22と接続固定されることで、本体20と電気的に接続される。これにより、機能部品Acは、本体20bから電力供給を受け、また、本体20bへデータなどを出力することができる。
【0027】
この電子時計1cにおいても、本体20bと付加コマ110eの間には、配線コマ110dが挟まれて位置していてもよい。
【0028】
機能部品Acが利用されない場合には、機能部品Acは、付加コマ110eの取付孔111cから取り外されてもよい。これにより、電子時計1cが軽量化される他、使用されない状況で機能部品Acをぶつけるなどにより損傷する可能性を低減させることができる。
【0029】
以上のように、本実施形態のバンド10は、複数のコマ11を有する。コマ11は、隣り合うコマ11と接続されて順番に並んでバンド構造をなす。コマ11の一部は、ある付加機能を有する付加コマ110である。付加コマ110を含む複数のコマ11は、順番を入れ替えて接続が可能である。
このように、コマ11を連ねたバンド10が、取付品Aの取付孔111を有する付加コマ110、110e、機能部品を有する付加コマ110a~110c、や配線コマ110dを含むことで、バンド10にアクセサリーや機能品などを容易に取り付けることが可能になる。また、付加コマ110~110eを含むコマ11の順番を適宜入れ替え可能とすることで、バンド10は、ユーザの好みや必要性などに応じて、好ましい位置にアクセサリーや機能品を柔軟に取付が可能となる。よって、バンド10は、ユーザの利便性を向上させることができる。
また、バンドが不必要に複数の取付箇所を有している必要がないので、バンドの加工の手間が軽減される。さらに、不要な取付箇所によるデザイン性の低下が抑制される。
【0030】
また、付加コマ110、110eは、取付品Aや機能部品Acが取り付けられる被取付部としての取付孔111~111cを有していてもよい。これにより、バンド10、10cは、ユーザが好みの又は必要な取付品Aや機能部品Acを適切な位置に容易に取付が可能となる。
【0031】
あるいは、付加コマ110a~110cは、ある機能に係る機能部としての機能部品112~112bを有していてもよい。すなわち、付加コマに更に取付品が取り付けられるのではなく、付加コマ110a~110c自体が何らかの機能に係る構成を有していてもよい。このような機能に係る構成も必要に応じて位置を調整したり、あるいは取り外したりすることが可能になる。位置の調整は、機能について適切な位置(センサなど)、ユーザが機能を利用しやすい位置(表示など)、及び/又は機能部品112~112bの重量に応じたバンド10のバランス調整など、多様な目的で行われ得る。よって、このバンド10によれば、ユーザが容易により柔軟なアクセサリーや機能の利用を図ることができる。
【0032】
また、機能部品112cは、ある機能に係る動作を行うものであり、付加コマ110cは、機能部品112cと接続される電子時計1bの本体20bとの間の接続端子113を備えている。機能部品112cを動作させるためのバッテリを付加コマ110cが保持するのが難しい場合などには、これにより、機能部品112cは、本体20bから直接電力供給を受けて、安定した動作を行うことができる。また、機能部品112cがセンサなどであって、計測データを直接本体20bが利用する場合にも、別途無線通信用の構成などを有さずに、配線を経由して直接計測データを本体20bに安定して送ることができる。
【0033】
また、付加コマには、接続端子113と電子時計1bの本体20bとを接続する配線コマ110dが含まれてもよい。これにより、機能部品112cを有する付加コマ110cと本体20bとを配線により直接接続する場合でも、付加コマ110cのバンド10b内での位置を柔軟に調整することが可能になる。したがって、バンド10bのユーザの利便性が向上する。
【0034】
また、付加コマ110bは、当該付加コマ110b以外の他のコマ11とはサイズが異なっていてもよい。腕への装着感の低下が抑えられ、かつ、他のコマ11と同様に接続順の並べ替えが可能であれば、付加コマのサイズは、必ずしも一種類に固定されていなくてもよい。特に、機能部品112cに必要な容積や表面積などに応じて適宜サイズが定められ得る。
【0035】
また、付加コマ110aは、付加機能を示す標識を有していてもよい。機能部品112を内蔵している場合などには、何の機能に係る付加コマ110aであるかが識別できなくなり得る。したがって、付加コマ110aが簡易な標識Sを有することで、ユーザが当該付加コマ110aの機能を容易に知得することができる。
【0036】
また、本実施形態の腕時計である電子時計1は、上記のバンド10と、当該バンド10が接続される電子時計1の本体20と、を備える。
このような電子時計1によれば、電子時計1の本体だけではなく、バンド10も利用して多様なデザインや機能をユーザの好みや使用条件などに応じて追加、カスタマイズすることができる。したがって、電子時計1は、ユーザの利便性や満足感などを向上させることができる。
【0037】
また、本実施形態の腕時計装着用のバンド10の付加コマ110~110eは、ただのコマ11ではなく、ある付加機能を有するものである。このような付加コマ110を好ましい位置に挿入して他のコマ11と接続することにより、バンド10をより多様かつ柔軟に利用することが可能となる。
【0038】
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、上記実施の形態では、被取付部として単なる取付孔111~111cを説明したが、これに限られない。被取付部は、取付品の脱落を抑制するばねなどの機構を有していてもよい。また、貫通孔である取付孔111~111cは、貫通方向に垂直な断面積が一定ではなくてもよい。あるいは、取付孔111~111cは、貫通孔ではなくてもよい。
【0039】
また、上記実施の形態では、接続端102bにのみ端子22があるものとして説明したが、これに限られない。接続端101の側に端子があってもよいし、両側にあってもよい。また、本体20bに端子があってもこれが利用されない場合に、付加コマ110と接続されず、端子22を保護するダミー端子を有する保護コマがあってもよい。
【0040】
また、通常のコマ11は、必ずしも全て同一のものである必要はない。めっきなどの色の異なるコマ11などが他に挿入されていてもよい。
【0041】
また、機能部品112は、電力が供給されて動作するものではなくてもよい。重力、磁場、静電気や温度などに応じて動作又は変化するものであってもよいし、動作せず付加コマ110cに固定されたものであってもよい。
【0042】
また、コマ11の形状及び接続機構は、上記実施形態で示したものに限られない。従来周知の種々の接続機構のうちいずれかであってもよい。
【0043】
また、本体20bの端子22や、付加コマ110cの接続端子113の形状などは、上記実施の形態とは他の形状であってもよい。これらは、配線の数などによって定められてもよい。また、配線は、電力供給線と信号線のうちいずれか一方であってもよい。また、信号線は、機能部品112から本体20bへデータを送信するだけではなく、本体20bから機能部品112へ信号を送信するものであってもよい。
【0044】
また、上記実施の形態では、機能部品112のサイズなどに応じて、他のコマ11よりも大きい付加コマ110bについて説明したが、限られない。取付品Aの取付に十分なサイズとして、コマ11よりも小さい付加コマであってもよい。
【0045】
また、接続端子113や端子22の形状は、上記で示したものに限られない。また、接続端子113や端子22が細いケーブルなどに接続され、当該ケーブルが、付加コマ110cと本体20bとの間の各コマ11の孔部などを貫通することで簡易的に支持されるようなものであってもよい。
【0046】
また、上記実施の形態では、腕時計は電子時計1であるものとして説明したが、腕時計は、機械式時計であってもよい。また、電子時計は、時計の専用品ではなくてもよい。例えば、スマートウォッチや、時計としての機能とセンサなどとを併用する多機能電子機器であってもよい。
その他、上記実施の形態で示した具体的な構成や構造などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。本発明の範囲は、特許請求の範囲に記載した発明の範囲とその均等の範囲を含む。
【符号の説明】
【0047】
1、1a~1c 電子時計
10、10a~10c バンド
11 コマ
20、20a、20b 本体
201 表示画面
21 指針
22 端子
101、102、102b 接続端
110、110a~110c、110e 付加コマ
110d 配線コマ
111、111a~111c 取付孔
112~112b 機能部品
113 接続端子
114 配線
A 取付品
A1 ピン
A2 受部
Ac 機能部品
S 標識
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8