(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125567
(43)【公開日】2024-09-19
(54)【発明の名称】映像表示装置及び映像表示方法
(51)【国際特許分類】
G09G 5/12 20060101AFI20240911BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20240911BHJP
G09G 5/399 20060101ALI20240911BHJP
G09G 5/395 20060101ALI20240911BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20240911BHJP
H04N 5/04 20060101ALI20240911BHJP
G09G 3/36 20060101ALN20240911BHJP
【FI】
G09G5/12
G09G5/00 550R
G09G5/00 555D
G09G5/399
G09G5/395
G09G3/20 670F
G09G3/20 612L
G09G3/20 633D
G09G3/20 631B
G09G3/20 631D
H04N5/04 Z
G09G3/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023033467
(22)【出願日】2023-03-06
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100170575
【弁理士】
【氏名又は名称】森 太士
(72)【発明者】
【氏名】関口 智
【テーマコード(参考)】
5C006
5C080
5C182
【Fターム(参考)】
5C006AF04
5C006AF05
5C006AF07
5C006AF72
5C006BB28
5C006BF02
5C006EC11
5C006FA16
5C080AA10
5C080BB05
5C080DD06
5C080GG17
5C080JJ02
5C080JJ04
5C080KK43
5C182AA03
5C182AA04
5C182AB03
5C182AC43
5C182BC05
5C182DA06
5C182DA15
5C182DA23
5C182DA24
5C182EA08
(57)【要約】
【課題】入力映像信号が途絶した後に復帰したときに、復帰した垂直同期信号が代替同期信号とずれていても映像をスムーズに表示することができる映像表示装置を提供する。
【解決手段】同期信号検出・入力途絶判定部6が入力映像信号の途絶を判定すると、制御部8は、読み出し制御部24に代替同期信号を供給するよう選択部9を制御する。入力映像信号が復帰した後、代替同期信号生成・位相差検出部7が、復帰した垂直同期信号と代替同期信号との位相差を検出すると、制御部8は、読み出し制御部24が、第1のフレームメモリ22または第2のフレームメモリ23に書き込まれた入力映像信号が途絶する前のフレームを構成する複数のサブフレームのうち、位相差に相当する期間で読み出し可能なサブフレームのみを読み出した時点で、読み出し制御部24に代替同期信号に代えて復帰した垂直同期信号を供給するよう選択部9を制御する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力映像信号を構成する各フレームを書き込み制御部によって第1のフレームメモリと第2のフレームメモリとに交互に書き込み、前記第1のフレームメモリに書き込まれたフレームと第2のフレームメモリに書き込まれたフレームとを読み出し制御部によって交互に複数のサブフレームに変換して読み出すサブフレーム変換部と、
前記入力映像信号の水平同期信号及び垂直同期信号を検出し、前記水平同期信号または前記垂直同期信号が途絶すると前記入力映像信号が途絶したと判定する同期信号検出・入力途絶判定部と、
前記垂直同期信号に基づいて前記垂直同期信号と同一周期の代替同期信号を生成し、前記垂直同期信号と前記代替同期信号との位相差を検出する代替同期信号生成・位相差検出部と、
前記読み出し制御部に前記垂直同期信号と前記代替同期信号とを選択的に供給する選択部と、
前記同期信号検出・入力途絶判定部が前記入力映像信号の途絶を判定すると、前記読み出し制御部に前記代替同期信号を供給するよう前記選択部を制御し、前記入力映像信号及び前記垂直同期信号が復帰した後、前記代替同期信号生成・位相差検出部が、復帰した前記垂直同期信号と前記代替同期信号との位相差を検出すると、前記第1または第2のフレームメモリに書き込まれた前記入力映像信号が途絶する前のフレームを構成する前記複数のサブフレームのうち、前記位相差に相当する期間で読み出し可能なサブフレームのみを読み出すよう前記読み出し制御部を制御して前記読み出し可能なサブフレームのみを読み出した時点で、前記読み出し制御部に前記代替同期信号に代えて復帰した前記垂直同期信号を供給するよう前記選択部を制御する制御部と、
を備える映像表示装置。
【請求項2】
入力映像信号を構成する各フレームを書き込み制御部によって第1のフレームメモリと第2のフレームメモリとに交互に書き込み、
前記第1のフレームメモリに書き込まれたフレームと第2のフレームメモリに書き込まれたフレームとを読み出し制御部によって交互に複数のサブフレームに変換して読み出し、
前記第1または第2のフレームメモリより読み出された前記複数のサブフレームを映像として表示し、
前記入力映像信号の水平同期信号及び垂直同期信号を検出して、前記水平同期信号または前記垂直同期信号が途絶すると前記入力映像信号が途絶したと判定し、
前記垂直同期信号に基づいて前記垂直同期信号と同一周期の代替同期信号を生成し、
前記入力映像信号が途絶したと判定されなければ、前記読み出し制御部に前記垂直同期信号を供給し、前記入力映像信号が途絶したと判定されれば、前記読み出し制御部に前記代替同期信号を供給し、
前記入力映像信号が途絶して前記入力映像信号及び前記垂直同期信号が復帰した後、復帰した前記垂直同期信号と前記代替同期信号との位相差を検出し、
前記第1または第2のフレームメモリに書き込まれた前記入力映像信号が途絶する前のフレームを構成する前記複数のサブフレームのうち、前記位相差に相当する期間で読み出し可能なサブフレームのみを読み出すよう前記読み出し制御部を制御して前記読み出し可能なサブフレームのみを読み出した時点で、前記読み出し制御部に前記代替同期信号に代えて復帰した前記垂直同期信号を供給する
映像表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像表示装置及び映像表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
映像表示装置は、入力映像信号を、入力映像信号の垂直同期信号に基づいて表示する。映像表示装置は、入力映像信号の途絶に備えて、垂直同期信号に基づいて代替同期信号を生成する。映像表示装置は、入力映像信号が途絶すると、途絶前に表示したフレームを、代替同期信号を用いて繰り返し表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
映像表示装置は、入力映像信号が復帰すると、入力映像信号を、代替同期信号に代えて垂直同期信号を用いて表示する。このとき、代替同期信号と復帰した垂直同期信号との位相がずれていると、映像をスムーズに表示できないことがある。
【0005】
本発明は、入力映像信号が途絶した後に復帰したときに、復帰した垂直同期信号が代替同期信号とずれていても映像をスムーズに表示することができる映像表示装置及び映像表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、入力映像信号を構成する各フレームを書き込み制御部によって第1のフレームメモリと第2のフレームメモリとに交互に書き込み、前記第1のフレームメモリに書き込まれたフレームと第2のフレームメモリに書き込まれたフレームとを読み出し制御部によって交互に複数のサブフレームに変換して読み出すサブフレーム変換部と、前記入力映像信号の水平同期信号及び垂直同期信号を検出し、前記水平同期信号または前記垂直同期信号が途絶すると前記入力映像信号が途絶したと判定する同期信号検出・入力途絶判定部と、前記垂直同期信号に基づいて前記垂直同期信号と同一周期の代替同期信号を生成し、前記垂直同期信号と前記代替同期信号との位相差を検出する代替同期信号生成・位相差検出部と、前記読み出し制御部に前記垂直同期信号と前記代替同期信号とを選択的に供給する選択部と、前記同期信号検出・入力途絶判定部が前記入力映像信号の途絶を判定すると、前記読み出し制御部に前記代替同期信号を供給するよう前記選択部を制御し、前記入力映像信号及び前記垂直同期信号が復帰した後、前記代替同期信号生成・位相差検出部が、復帰した前記垂直同期信号と前記代替同期信号との位相差を検出すると、前記第1または第2のフレームメモリに書き込まれた前記入力映像信号が途絶する前のフレームを構成する前記複数のサブフレームのうち、前記位相差に相当する期間で読み出し可能なサブフレームのみを読み出すよう前記読み出し制御部を制御して前記読み出し可能なサブフレームのみを読み出した時点で、前記読み出し制御部に前記代替同期信号に代えて復帰した前記垂直同期信号を供給するよう前記選択部を制御する制御部とを備える映像表示装置を提供する。
【0007】
本発明は、入力映像信号を構成する各フレームを書き込み制御部によって第1のフレームメモリと第2のフレームメモリとに交互に書き込み、前記第1のフレームメモリに書き込まれたフレームと第2のフレームメモリに書き込まれたフレームとを読み出し制御部によって交互に複数のサブフレームに変換して読み出し、前記第1または第2のフレームメモリより読み出された前記複数のサブフレームを映像として表示し、前記入力映像信号の水平同期信号及び垂直同期信号を検出して、前記水平同期信号または前記垂直同期信号が途絶すると前記入力映像信号が途絶したと判定し、前記垂直同期信号に基づいて前記垂直同期信号と同一周期の代替同期信号を生成し、前記入力映像信号が途絶したと判定されなければ、前記読み出し制御部に前記垂直同期信号を供給し、前記入力映像信号が途絶したと判定されれば、前記読み出し制御部に前記代替同期信号を供給し、前記入力映像信号が途絶して前記入力映像信号及び前記垂直同期信号が復帰した後、復帰した前記垂直同期信号と前記代替同期信号との位相差を検出し、前記第1または第2のフレームメモリに書き込まれた前記入力映像信号が途絶する前のフレームを構成する前記複数のサブフレームのうち、前記位相差に相当する期間で読み出し可能なサブフレームのみを読み出すよう前記読み出し制御部を制御して前記読み出し可能なサブフレームのみを読み出した時点で、前記読み出し制御部に前記代替同期信号に代えて復帰した前記垂直同期信号を供給する映像表示方法を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の映像表示装置及び映像表示方法によれば、入力映像信号が途絶した後に復帰したときに、復帰した垂直同期信号が代替同期信号とずれていても映像をスムーズに表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る映像表示装置を示すブロック図である。
【
図2A】
図2Aは、第1実施形態に係る映像表示装置の動作の第1の例を示す図である。
【
図2B】
図2Bは、
図2Aに続く、第1実施形態に係る映像表示装置の動作の第1の例を示す図である。
【
図2C】
図2Cは、
図2Bに続く、第1実施形態に係る映像表示装置の動作の第1の例を示す図である。
【
図3A】
図3Aは、第1実施形態に係る映像表示装置の動作の第2の例を示す図である。
【
図3B】
図3Bは、
図3Aに続く、第1実施形態に係る映像表示装置の動作の第2の例を示す図である。
【
図3C】
図3Cは、
図3Bに続く、第1実施形態に係る映像表示装置の動作の第2の例を示す図である。
【
図4】
図4は、第2実施形態に係る映像表示装置を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、第2実施形態に係る映像表示装置の動作の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、各実施形態に係る映像表示装置及び映像表示方法について、添付図面を参照して説明する。
【0011】
<第1実施形態>
図1において、第1実施形態に係る映像表示装置100は、映像信号処理回路1、フレーム処理部2、駆動回路3、液晶表示素子4、クロック発生器5、同期信号検出・入力途絶判定部6、代替同期信号生成・位相差検出部7、制御部8、選択部9、PLL(Phase Locked Loop)回路10を備える。フレーム処理部2は、書き込み制御部21、フレームメモリ22(第1のフレームメモリ)、フレームメモリ23(第2のフレームメモリ)、読み出し制御部24を有する。映像表示装置100は投射型表示装置であるが、直視型表示装置であってもよい。
【0012】
映像信号処理回路1には、液晶表示素子4に表示される入力映像信号と、入力映像信号の水平同期信号及び垂直同期信号と、各フレームの有効映像期間を示す有効映像期間信号とが入力される。入力映像信号のクロック(以下、入力映像クロック)は、映像信号処理回路1及び書き込み制御部21に入力される。映像信号処理回路1は、ガンマ処理回路等の一般的な映像信号の処理回路であり、入力映像信号を処理して書き込み制御部21に供給する。
【0013】
同期信号検出・入力途絶判定部6には、入力映像信号の水平同期信号及び垂直同期信号が入力される。同期信号検出・入力途絶判定部6は、入力される水平同期信号及び垂直同期信号を検出し、水平同期信号または垂直同期信号が途絶すると、入力映像信号が途絶したと判定する。同期信号検出・入力途絶判定部6は、映像信号処理回路1に入力映像信号が供給されているか途絶したかを示す判定信号を制御部8に供給する。例えば、判定信号が1であれば映像信号処理回路1に入力映像信号が供給されていることを示し、判定信号が0であれば入力映像信号が途絶したことを示す。
【0014】
クロック発生器5は例えば水晶発振器で構成され、クロックを発生して代替同期信号生成・位相差検出部7、PLL回路10、及び読み出し制御部24に供給する。PLL回路10は、入力されたクロックを分周して新たなクロックを生成し、液晶表示素子4及び制御部8に供給する。
【0015】
代替同期信号生成・位相差検出部7は、入力映像信号の垂直同期信号に基づいて、垂直同期信号と同一周期の代替同期信号を生成して、選択部9に供給する。選択部9には、入力映像信号の垂直同期信号と代替同期信号とが入力される。選択部9は、垂直同期信号と代替同期信号とを選択的に読み出し制御部24に供給する。代替同期信号生成・位相差検出部7は、垂直同期信号と代替同期信号との位相差を検出して、位相差を示す位相差情報を制御部8に供給する。
【0016】
制御部8は、同期信号検出・入力途絶判定部6より入力映像信号が途絶したことを示す判定信号が供給されなければ、読み出し制御部24に垂直同期信号を供給するよう選択部9を制御する。制御部8は、同期信号検出・入力途絶判定部6より入力映像信号が途絶したことを示す判定信号が供給されると、読み出し制御部24に代替同期信号を供給するよう選択部9を制御する。制御部8は、書き込み制御部21及び読み出し制御部24を制御する。
【0017】
後述するように、制御部8は、代替同期信号生成・位相差検出部7が代替同期信号を生成するタイミングを制御するための制御信号を代替同期信号生成・位相差検出部7に供給することがある。代替同期信号生成・位相差検出部7は、制御信号が入力されると、垂直同期信号とは周期の異なる代替同期信号を生成して選択部9に供給することがある。制御部8は、入力映像信号及び垂直同期信号が復帰すると、代替同期信号に代えて再び垂直同期信号を読み出し制御部24に供給するよう選択部9を制御する。
【0018】
書き込み制御部21は、制御部8による制御に従って、入力映像信号を構成する一連のフレームをフレームごとにフレームメモリ22とフレームメモリ23とに交互に書き込むよう制御する。読み出し制御部24は、制御部8による制御に従って、フレームメモリ22に書き込まれたフレームとフレームメモリ23に書き込まれたフレームとを交互に読み出すよう制御する。読み出し制御部24は、フレームメモリ22へのフレームの書き込みが完了してフレームメモリ23に次のフレームを書き込んでいるときにフレームメモリ22よりフレームを読み出す。読み出し制御部24は、フレームメモリ23へのフレームの書き込みが完了してフレームメモリ22に次のフレームを書き込んでいるときにフレームメモリ23よりフレームを読み出す。
【0019】
駆動回路3は、フレームメモリ22または23より読み出されたフレームを液晶表示素子4に表示するよう液晶表示素子4を駆動する。液晶表示素子4は、一例として、LCOS(Liquid Crystal On Silicon)と称される反射型液晶表示素子である。液晶表示素子4には照明光が照射され、液晶表示素子4は照明光を各フレームの映像に応じて変調した変調光を射出する。図示していない投射光学系は、液晶表示素子4より射出された変調光を図示していないスクリーンに投射して、入力映像信号の各フレームを映像として表示する。
【0020】
図2A~
図2C及び
図3A~
図3Cを用いて、入力映像信号が途絶した場合の映像表示装置100の動作の第1の例及び第2の例を説明する。
図2A~
図2C及び
図3A~
図3Cにおいて、(a)は入力映像信号、(b)はフレームメモリ22に対するフレームの書き込みまたは読み出し、(c)はフレームメモリ23に対するフレームの書き込みまたは読み出し、(d)はフレーム処理部2から出力される出力映像信号を示している。
図2A~
図2C及び
図3A~
図3Cにおいて、Vsyncは入力映像信号の垂直同期信号を示し、ハッチングを付したVsyncAは代替同期信号生成・位相差検出部7が生成した代替同期信号を示している。
【0021】
図2A~
図2C及び
図3A~
図3Cにおいて、(a)の入力映像信号に示すフレームF1以降の各フレームは有効映像期間を示しており、隣接する2つの垂直同期信号Vsync間の各フレームの前側及び後ろ側に位置する有効映像期間外の期間はブランキング期間を示している。
【0022】
まず、
図2A~
図2Cを用いて第1の例を説明する。
図2Aに示すように、書き込み制御部21は、垂直同期信号Vsyncが入力されると、時刻t1から映像データが開始するフレームF1をフレームメモリ23に書き込む。読み出し制御部24は、垂直同期信号Vsyncが入力されると、入力直後から、フレームメモリ22より1フレーム前に書き込まれたフレームF0を読み出す。続けて、書き込み制御部21は、垂直同期信号Vsyncが入力されると、時刻t2から映像データが開始するフレームF2をフレームメモリ22に書き込む。読み出し制御部24は、垂直同期信号Vsyncが入力されると、入力直後からフレームメモリ23より1フレーム前に書き込まれたフレームF1を読み出す。
【0023】
時刻t2の時点で同期信号検出・入力途絶判定部6は入力映像信号が途絶したと判定していないから、選択部9は制御部8による制御に従って、垂直同期信号Vsyncを読み出し制御部24に供給する。よって、読み出し制御部24は、出力映像信号としてフレームF0及びF1を順に出力する。
【0024】
フレームF2の途中である時刻t3で、入力映像信号が途絶したとする。制御部8は、入力映像信号が途絶した後は書き込み制御部21によるフレームメモリ22または23への書き込みの処理を停止させる。よって、フレームメモリ22にはフレームF2の途中までの映像信号しか書き込まれない。時刻t3以降、同期信号検出・入力途絶判定部6は入力映像信号が途絶したと判定し、選択部9は制御部8による制御に従って、代替同期信号VsyncAを読み出し制御部24に供給する。読み出し制御部24は、入力映像信号が途絶している期間、フレームメモリ23に書き込まれているフレームF1を1またはそれ以上のフレーム期間に渡って読み出す。読み出し制御部24は、1またはそれ以上のフレーム期間、代替同期信号VsyncAが入力されるごとに、出力映像信号としてフレームF1を出力する。
【0025】
時刻t3より所定時間後のフレームFnの途中である時刻t4で、入力映像信号が復帰したとする。時刻t4の後、垂直同期信号Vsyncが復帰する。
図2Aに示すように、復帰した垂直同期信号Vsyncは代替同期信号VsyncAよりも時間的に所定の短時間だけ前に位置している。垂直同期信号Vsyncが復帰する直前の出力映像信号におけるフレームF1の映像データは時刻t5で終了する。代替同期信号生成・位相差検出部7は、復帰した垂直同期信号Vsyncと代替同期信号VsyncAとの位相差を検出して、復帰した垂直同期信号Vsyncが時刻t5よりも前に位置していることを把握する。入力映像信号におけるフレームF(n+1)は時刻t5より後の時刻t6より開始する。
【0026】
そこで、
図2Bに示すように、書き込み制御部21は、垂直同期信号Vsyncが入力されると、時刻t6から映像データが開始するフレームF(n+1)をフレームメモリ22に書き込む。読み出し制御部24は、代替同期信号VsyncAが入力されると、入力直後から、フレームメモリ23よりフレームF1を読み出す。書き込み制御部21は、垂直同期信号Vsyncが入力されると、時刻t7から映像データが開始するフレームF(n+2)をフレームメモリ23に書き込む。読み出し制御部24は、代替同期信号VsyncAが入力されると、入力直後から、フレームメモリ22よりフレームF(n+1)を読み出す。
【0027】
この時点で、フレームメモリ22及び23は、一方が入力映像信号における最新のフレームを書き込み、他方が最新のフレームの1フレーム前のフレームを読み出すという、通常の動作に復帰している。
【0028】
代替同期信号生成・位相差検出部7が、復帰した垂直同期信号Vsyncと代替同期信号VsyncAとの位相差を検出した後、制御部8は次のように代替同期信号生成・位相差検出部7を制御する。制御部8は、代替同期信号生成・位相差検出部7から供給される位相差情報に基づいて、例えば、読み出し制御部24がフレームF(n+1)を読み出した後に、代替同期信号生成・位相差検出部7が代替同期信号VsyncAを発生するタイミングをブランキング期間内で所定の時間だけ早くするように代替同期信号生成・位相差検出部7を制御する。制御部8が代替同期信号VsyncAを発生するタイミングを早くするよう代替同期信号生成・位相差検出部7を制御する前の代替同期信号VsyncAの周期は周期C0である。周期C0は、垂直同期信号Vsyncの周期と同じである。
【0029】
制御部8が代替同期信号VsyncAを発生するタイミングを所定の時間だけ早くするように代替同期信号生成・位相差検出部7を制御するのは、代替同期信号生成・位相差検出部7が復帰した垂直同期信号Vsyncと代替同期信号VsyncAとの位相差を検出した後であればよく、読み出し制御部24がフレームF(n+1)を読み出した後に限定されない。制御部8は、読み出し制御部24がフレームF(n+2)を読み出した後に代替同期信号VsyncAを発生するタイミングを所定の時間だけ早くするように代替同期信号生成・位相差検出部7を制御してもよい。制御部8は、読み出し制御部24がフレームF(n+3)以降のフレームを読み出した後に代替同期信号VsyncAを発生するタイミングを所定の時間だけ早くするように代替同期信号生成・位相差検出部7を制御してもよい。
【0030】
代替同期信号生成・位相差検出部7は、制御部8が代替同期信号VsyncAを発生するタイミングを早くするよう代替同期信号生成・位相差検出部7を制御した後、周期C0より短い周期C1で代替同期信号VsyncAを生成する。
【0031】
書き込み制御部21は、周期C1の垂直同期信号Vsyncが入力されると、時刻t8から映像データが開始するフレームF(n+3)をフレームメモリ22に書き込む。読み出し制御部24は、代替同期信号VsyncAが入力されると、入力直後から、フレームメモリ23よりフレームF(n+2)を読み出す。
【0032】
図2Cに示すように、書き込み制御部21は、垂直同期信号Vsyncが入力されると、時刻t9から映像データが開始するフレームF(n+4)をフレームメモリ23に書き込む。読み出し制御部24は、代替同期信号VsyncAが入力されると、入力直後から、フレームメモリ22よりフレームF(n+3)を読み出す。代替同期信号生成・位相差検出部7は、読み出し制御部24がフレームメモリ22よりフレームF(n+3)を読み出した後、垂直同期信号Vsyncと代替同期信号VsyncAとのタイミングが一致したことを検出する。垂直同期信号Vsyncと代替同期信号VsyncAとのタイミングが一致するタイミングは一例である。
【0033】
書き込み制御部21は、垂直同期信号Vsyncが入力されると、時刻t10から映像データが開始するフレームF(n+5)をフレームメモリ22に書き込む。読み出し制御部24は、代替同期信号VsyncAが入力されると、入力直後から、フレームメモリ23よりフレームF(n+4)を読み出す。
【0034】
制御部8は、代替同期信号生成・位相差検出部7から垂直同期信号Vsyncと代替同期信号VsyncAとのタイミングが一致したことを示す位相差情報を受けて、代替同期信号VsyncAに代えて再び垂直同期信号Vsyncを読み出し制御部24に供給するよう選択部9を制御する。
【0035】
書き込み制御部21は、垂直同期信号Vsyncが入力されると、時刻t11から映像データが開始するフレームF(n+6)をフレームメモリ23に書き込む。読み出し制御部24は、垂直同期信号Vsyncが入力されると、入力直後から、フレームメモリ22よりフレームF(n+5)を読み出す。
【0036】
以降、入力映像信号が途絶しない限り、書き込み制御部21は、垂直同期信号Vsyncが入力されるごとに入力映像信号のフレームをフレームメモリ22または23に書き込む。また、読み出し制御部24は、垂直同期信号Vsyncが入力されるごとにフレームメモリ22または23に書き込まれたフレームを読み出す。
【0037】
以上のように、
図2A~
図2Cに示す第1の例における入力映像信号が途絶した後に復帰したときの映像表示装置100の動作、及び映像表示装置100で実行される映像表示方法によれば、入力映像信号が途絶した後に復帰したときに、復帰した垂直同期信号Vsyncが代替同期信号VsyncAよりも時間的に前にずれていても映像をスムーズに表示することができる。映像表示装置100の動作及び映像表示方法によれば、フレーム処理部2の動作をリセットしないので、表示される映像が一時的に途切れることもない。
【0038】
上記のように、時刻t4で復帰したフレームFnの後に復帰した垂直同期信号Vsyncは時刻t5よりも前に位置している。このような場合、ブランキング期間を削除して代替同期信号VsyncAから垂直同期信号Vsyncに戻すことはできない。映像表示装置100の動作及び映像表示方法によれば、そのような場合でも、代替同期信号VsyncAから垂直同期信号Vsyncに戻すことができる。即ち、復帰した垂直同期信号Vsyncと代替同期信号VsyncAとのずれ量の許容範囲を大きくすることができる。
【0039】
次に、
図3A~
図3Cを用いて第2の例を説明する。
図3Aに示すように、書き込み制御部21は、垂直同期信号Vsyncが入力されると、時刻t1から映像データが開始するフレームF1をフレームメモリ23に書き込む。読み出し制御部24は、垂直同期信号Vsyncが入力されると、入力直後から、フレームメモリ22より1フレーム前に書き込まれたフレームF0を読み出す。続けて、書き込み制御部21は、垂直同期信号Vsyncが入力されると、時刻t2から映像データが開始するフレームF2をフレームメモリ22に書き込む。読み出し制御部24は、垂直同期信号Vsyncが入力されると、入力直後から、フレームメモリ23より1フレーム前に書き込まれたフレームF1を読み出す。
【0040】
時刻t2の時点で同期信号検出・入力途絶判定部6は入力映像信号が途絶したと判定していないから、選択部9は制御部8による制御に従って、垂直同期信号Vsyncを読み出し制御部24に供給する。よって、読み出し制御部24は、出力映像信号としてフレームF0及びF1を順に出力する。
【0041】
フレームF2の途中である時刻t3で、入力映像信号が途絶したとする。制御部8は、入力映像信号が途絶した後は書き込み制御部21によるフレームメモリ22または23への書き込みの処理を停止させる。よって、フレームメモリ22にはフレームF2の途中までの映像信号しか書き込まれない。時刻t3以降、同期信号検出・入力途絶判定部6は入力映像信号が途絶したと判定し、選択部9は制御部8による制御に従って、代替同期信号VsyncAを読み出し制御部24に供給する。読み出し制御部24は、入力映像信号が途絶している期間、フレームメモリ23に書き込まれているフレームF1を1またはそれ以上のフレーム期間に渡って読み出す。読み出し制御部24は、1またはそれ以上のフレーム期間、代替同期信号VsyncAが入力されるごとに、出力映像信号としてフレームF1を出力する。
【0042】
時刻t3より所定時間後のフレームFnの途中である時刻t4で、入力映像信号が復帰したとする。時刻t4の後、垂直同期信号Vsyncが復帰する。
図3Aに示すように、復帰した垂直同期信号Vsyncは代替同期信号VsyncAよりも時間的に所定の短時間だけ後に位置している。次のフレームF(n+1)の映像データは時刻t5で開始し、時刻t6で終了する。時刻t6は、代替同期信号VsyncAよりも時間的に前に位置している。
【0043】
そこで、
図3Bに示すように、書き込み制御部21は、垂直同期信号Vsyncが入力されると、時刻t7から映像データが開始するフレームF(n+2)をフレームメモリ22に書き込む。読み出し制御部24は、代替同期信号VsyncAが入力されると、入力直後からフレームメモリ23よりフレームF1を読み出す。書き込み制御部21は、垂直同期信号Vsyncが入力されると、時刻t8から映像データが開始するフレームF(n+3)をフレームメモリ23に書き込む。読み出し制御部24は、代替同期信号VsyncAが入力されると、入力直後から、フレームメモリ22よりフレームF(n+2)を読み出す。
【0044】
この時点で、フレームメモリ22及び23は、一方が入力映像信号における最新のフレームを書き込み、他方が最新のフレームの1フレーム前のフレームを読み出すという、通常の動作に復帰している。
【0045】
代替同期信号生成・位相差検出部7が、復帰した垂直同期信号Vsyncと代替同期信号VsyncAとの位相差を検出した後、制御部8は次のように代替同期信号生成・位相差検出部7を制御する。制御部8は、代替同期信号生成・位相差検出部7から供給される位相差情報に基づいて、例えば、読み出し制御部24がフレームF(n+2)を読み出した後に、代替同期信号生成・位相差検出部7がブランキング期間を延長して代替同期信号VsyncAを発生するタイミングを、延長したブランキング期間内で所定時間だけ遅らせるよう代替同期信号生成・位相差検出部7を制御する。制御部8が代替同期信号VsyncAを発生するタイミングを遅らせるよう代替同期信号生成・位相差検出部7を制御する前の代替同期信号VsyncAの周期は周期C0である。周期C0は、垂直同期信号Vsyncの周期と同じである。
【0046】
制御部8が代替同期信号VsyncAを発生するタイミングを所定の時間だけ遅らせるように代替同期信号生成・位相差検出部7を制御するのは、代替同期信号生成・位相差検出部7が復帰した垂直同期信号Vsyncと代替同期信号VsyncAとの位相差を検出した後であればよく、読み出し制御部24がフレームF(n+2)を読み出した後に限定されない。制御部8は、読み出し制御部24がフレームF(n+3)を読み出した後に代替同期信号VsyncAを発生するタイミングを所定の時間だけ遅らせるように代替同期信号生成・位相差検出部7を制御してもよい。制御部8は、読み出し制御部24がフレームF(n+4)以降のフレームを読み出した後に代替同期信号VsyncAを発生するタイミングを所定の時間だけ遅らせるように代替同期信号生成・位相差検出部7を制御してもよい。
【0047】
代替同期信号生成・位相差検出部7は、制御部8が代替同期信号VsyncAを発生するタイミングを遅らせるよう代替同期信号生成・位相差検出部7を制御した後、周期C0より長い周期C2で代替同期信号VsyncAを生成する。
【0048】
書き込み制御部21は、周期C2の垂直同期信号Vsyncが入力されると、時刻t9から映像データが開始するフレームF(n+4)をフレームメモリ22に書き込む。読み出し制御部24は、代替同期信号VsyncAが入力されると、入力直後から、フレームメモリ23よりフレームF(n+3)を読み出す。
【0049】
図3Cに示すように、書き込み制御部21は、垂直同期信号Vsyncが入力されると、時刻t10から映像データが開始するフレームF(n+5)をフレームメモリ23に書き込む。読み出し制御部24は、代替同期信号VsyncAが入力されると、入力直後から、フレームメモリ22よりフレームF(n+4)を読み出す。書き込み制御部21は、垂直同期信号Vsyncが入力されると、時刻t11から映像データが開始するフレームF(n+6)をフレームメモリ22に書き込む。読み出し制御部24は、代替同期信号VsyncAが入力されると、入力直後から、フレームメモリ23よりフレームF(n+5)を読み出す。
【0050】
制御部8は、読み出し制御部24がフレームメモリ23よりフレームF(n+5)を読み出した後、垂直同期信号Vsyncと代替同期信号VsyncAとのタイミングが一致したことを検出する。垂直同期信号Vsyncと代替同期信号VsyncAとのタイミングが一致するタイミングは一例である。
【0051】
書き込み制御部21は、垂直同期信号Vsyncが入力されると、時刻t12から映像データが開始するフレームF(n+7)をフレームメモリ23に書き込む。読み出し制御部24は、代替同期信号VsyncAが入力されると、入力直後から、フレームメモリ22よりフレームF(n+6)を読み出す。
【0052】
制御部8は、代替同期信号生成・位相差検出部7から垂直同期信号Vsyncと代替同期信号VsyncAとのタイミングが一致したことを示す位相差情報を受けて、代替同期信号VsyncAに代えて再び垂直同期信号Vsyncを読み出し制御部24に供給するよう選択部9を制御する。
【0053】
書き込み制御部21は、垂直同期信号Vsyncが入力されると、時刻t13から映像データが開始するフレームF(n+8)をフレームメモリ22に書き込む。読み出し制御部24は、垂直同期信号Vsyncが入力されると、入力直後から、フレームメモリ23よりフレームF(n+7)を読み出す。
【0054】
以降、入力映像信号が途絶しない限り、書き込み制御部21は、垂直同期信号Vsyncが入力されるごとに入力映像信号のフレームをフレームメモリ22または23に書き込む。また、読み出し制御部24は、垂直同期信号Vsyncが入力されるごとにフレームメモリ22または23に書き込まれたフレームを読み出す。
【0055】
以上のように、
図3A~
図3Cに示す第2の例における入力映像信号が途絶した後に復帰したときの映像表示装置100の動作、及び映像表示装置100で実行される映像表示方法によれば、入力映像信号が途絶した後に復帰したときに、復帰した垂直同期信号Vsyncが代替同期信号VsyncAよりも時間的に後にずれていても映像をスムーズに表示することができる。映像表示装置100の動作及び映像表示方法によれば、フレーム処理部2の動作をリセットしないので、表示される映像が一時的に途切れることもない。
【0056】
単純にブランキング期間を延長して代替同期信号VsyncAから垂直同期信号Vsyncに戻そうとしても、垂直同期信号Vsyncがブランキング期間を延長できる範囲の上限を超えて時間的に後にずれている場合には、代替同期信号VsyncAから垂直同期信号Vsyncに戻すことはできない。映像表示装置100の動作及び映像表示方法によれば、そのような場合でも、代替同期信号VsyncAから垂直同期信号Vsyncに戻すことができる。即ち、復帰した垂直同期信号Vsyncと代替同期信号VsyncAとのずれ量の許容範囲を大きくすることができる。
【0057】
<第2実施形態>
図4において、第2実施形態に係る映像表示装置200は、第1実施形態に係る映像表示装置100におけるフレーム処理部2に代えて、サブフレーム変換部20を備える。
図4において、
図1と同一部分には同一符号を付し、その説明を省略することがある。
【0058】
第2実施形態において、入力映像信号の各フレームは映像信号処理回路1に入力される。映像信号処理回路1は、入力映像信号の各フレームを処理してサブフレーム変換部20に供給する。サブフレーム変換部20は、一例として、次のように各フレームを複数のサブフレームに変換する。各フレームの各画素は例えば12ビットであるとする。書き込み制御部21は、各画素を図示していないテーブルを用いて例えば64ビットに変換して、フレームメモリ22または23に書き込む。読み出し制御部24は、フレームメモリ22または23に書き込まれた64ビットのフレームの最下位ビットから最上位ビットまでの各ビットを、任意の順でサブフレームとして読み出す。
【0059】
駆動回路3には、入力映像信号の各フレームがサブフレーム単位で供給される。駆動回路3は、フレームメモリ22または23より読み出されたサブフレームを液晶表示素子4に表示するよう液晶表示素子4を駆動する。各フレームをいくつのサブフレームに分割するかは限定されない。12ビットの入力映像信号をビット数変換せず、各フレームを12サブフレームに変換してもよい。
【0060】
図5を用いて、入力映像信号が一時的に途絶した後に復帰したときの映像表示装置200の動作を説明する。
図5において、(a)は入力映像信号、(b)はフレームメモリ22に対するフレームの書き込みまたは読み出し、(c)はフレームメモリ23に対するフレームの書き込みまたは読み出し、(d)はフレーム処理部2から出力される出力映像信号、(e)は垂直同期信号Vsync、(f)は代替同期信号VsyncAを示している。
図5においては、フレームF1、Fn、F(n+1)…は、ブランキング期間を含む1フレームの全期間を示している。
【0061】
図5に示すように、書き込み制御部21は、垂直同期信号Vsyncが入力されると、フレームF1をフレームメモリ23に書き込む。読み出し制御部24は、垂直同期信号Vsyncが入力されると、フレームメモリ22より1フレーム前に書き込まれたフレームF0を読み出す。続けて、書き込み制御部21は、垂直同期信号Vsyncが入力されると、フレームF2をフレームメモリ22に書き込む。読み出し制御部24は、垂直同期信号Vsyncが入力されると、フレームメモリ23より1フレーム前に書き込まれたフレームF1を読み出す。
【0062】
フレームF2の途中である時刻t21で、入力映像信号が途絶したとする。時刻t21以降、書き込み制御部21には垂直同期信号Vsyncが入力されなくなるので、書き込み制御部21は、制御部8による制御に従って入力映像信号の書き込みを待機する。
【0063】
時刻t21以降、同期信号検出・入力途絶判定部6は入力映像信号が途絶したと判定し、選択部9は制御部8による制御に従って、代替同期信号VsyncAを読み出し制御部24に供給する。読み出し制御部24は、入力映像信号が途絶している期間、フレームメモリ23に書き込まれているフレームF1の各サブフレームを1またはそれ以上のフレーム期間に渡って読み出す。読み出し制御部24は、1またはそれ以上のフレーム期間、代替同期信号VsyncAが入力されるごとに、出力映像信号としてフレームF1を出力する。
【0064】
時刻t22でフレームF1及びF2の入力映像信号とは位相が異なる入力映像信号のフレームFnが入力されたとする。時刻t22以降、垂直同期信号Vsyncが復帰する。代替同期信号生成・位相差検出部7は、復帰した垂直同期信号Vsyncと代替同期信号VsyncAとの位相差を検出する。書き込み制御部21は、時刻t23で垂直同期信号Vsyncが入力されると、フレームF(n+1)をフレームメモリ22に書き込む。読み出し制御部24は、時刻t24で、フレームメモリ22へのフレームF(n+1)の書き込みを開始する直前にフレームメモリ23から読み出しを開始したフレームF1の読み出しを完了する。
【0065】
代替同期信号生成・位相差検出部7が、復帰した垂直同期信号Vsyncと代替同期信号VsyncAとの位相差を検出した後、制御部8は次のように代替同期信号生成・位相差検出部7を制御する。制御部8は、代替同期信号生成・位相差検出部7から供給される位相差情報に基づいて、例えば、時刻t24から、書き込み制御部21によるフレームF(n+1)のフレームメモリ22への書き込みが完了する時刻t25までの期間で、フレームメモリ23に書き込まれているフレームF1の64サブフレームのうちの一部のサブフレームを読み出すよう読み出し制御部24を制御する。フレームF1は、フレームメモリ22または23(
図5ではフレームメモリ23)に書き込まれた入力映像信号が途絶する前のフレームである。時刻t24から時刻t25までの期間は、復帰した垂直同期信号Vsyncと代替同期信号VsyncAとの位相差に相当する期間である。
【0066】
フレームF1を構成する複数のサブフレームのうち、時刻t24から時刻t25までの期間にフレームメモリ23より読み出し可能なサブフレームの数は、時刻t24から時刻t25までの期間の長さによって決まる。
図5において、(c)に示すフレームメモリ23からの読み出し、及び(d)に示す出力映像信号のフレームF1にハッチングを付しているのは、時刻t24から時刻t25までの期間のフレームF1が64サブフレームより少ないサブフレームで構成されていることを示す。
【0067】
なお、ハッチングを付している出力映像信号のフレームF1は、64サブフレームより少ないサブフレームしか表示されないので、本来のフレームF1の階調が表示されない。しかしながら、64サブフレームのフレームF1を複数のフレーム期間に渡って表示しているから、視覚的に違和感となることはほとんどない。
【0068】
代替同期信号生成・位相差検出部7は、制御部8による制御に従って、時刻t25で代替同期信号VsyncAを発生し、以降、復帰した垂直同期信号Vsyncと同一周期で代替同期信号VsyncAを発生する。
【0069】
このように、制御部8は、復帰した垂直同期信号Vsyncと代替同期信号VsyncAとの位相差に相当する期間に、フレームを構成する複数のサブフレームのうちの一部のフレームのみを表示することにより、垂直同期信号Vsyncと代替同期信号VsyncAとのタイミングを一致させる。垂直同期信号Vsyncと代替同期信号VsyncAとのタイミングを一致させる処理を開始するタイミングは、時刻t23と時刻t25との間の代替同期信号VsyncAの発生タイミングに限定されない。
【0070】
制御部8が、フレームを構成する複数のサブフレームのうちの一部のフレームのみを表示するよう制御して、代替同期信号VsyncAの発生タイミングを垂直同期信号Vsyncの発生タイミングと一致させるよう代替同期信号生成・位相差検出部7を制御するのは、代替同期信号生成・位相差検出部7が復帰した垂直同期信号Vsyncと代替同期信号VsyncAとの位相差を検出した後であればよい。制御部8は、位相差を検出した後であれば、時刻t22と時刻t23との間の代替同期信号VsyncAの発生タイミングで垂直同期信号Vsyncと代替同期信号VsyncAとのタイミングを一致させる処理を開始してもよいし、時刻t25以降で一致させる処理を開始してもよい。
【0071】
制御部8は、位相差に相当する期間で読み出し可能なサブフレームのみを読み出した時点t25で、読み出し制御部24に代替同期信号VsyncAに代えて復帰した垂直同期信号Vsyncを供給するよう選択部9を制御する。選択部9は、時刻t25以降、読み出し制御部24に垂直同期信号Vsyncを供給する。代替同期信号生成・位相差検出部7は、時刻t25以降、復帰した垂直同期信号Vsyncに同期した代替同期信号VsyncAを生成する。
【0072】
以上のように、映像表示装置200の動作、及び映像表示装置200で実行される映像表示方法によれば、入力映像信号が途絶した後に復帰したときに、復帰した垂直同期信号が代替同期信号とずれていても映像をスムーズに表示することができる。
【0073】
映像表示装置200の動作、及び映像表示装置200で実行される映像表示方法によれば、復帰した垂直同期信号Vsyncと代替同期信号VsyncAとの位相差が大きくても、代替同期信号VsyncAから垂直同期信号Vsyncに戻すことができる。即ち、復帰した垂直同期信号Vsyncと代替同期信号VsyncAとのずれ量の許容範囲を大きくすることができる。
【0074】
本発明は以上説明した第1及び第2実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
【符号の説明】
【0075】
1 映像信号処理回路
2 フレーム処理部
3 駆動回路
4 液晶表示素子
5 クロック発生器
6 同期信号検出・入力途絶判定部
7 代替同期信号生成・位相差検出部
8 制御部
9 選択部
10 PLL回路
20 サブフレーム変換部
21 書き込み制御部
22,23 フレームメモリ
24 読み出し制御部