(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125576
(43)【公開日】2024-09-19
(54)【発明の名称】加湿装置
(51)【国際特許分類】
F24F 6/00 20060101AFI20240911BHJP
F24F 6/02 20060101ALI20240911BHJP
A61L 2/10 20060101ALI20240911BHJP
【FI】
F24F6/00 D
F24F6/02 B
F24F6/00 B
A61L2/10
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023033488
(22)【出願日】2023-03-06
(71)【出願人】
【識別番号】591239003
【氏名又は名称】株式会社SANKA
(74)【代理人】
【識別番号】100097065
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 雅栄
(72)【発明者】
【氏名】神子島 岩男
【テーマコード(参考)】
3L055
4C058
【Fターム(参考)】
3L055BC01
3L055CA04
3L055DA11
4C058AA20
4C058BB06
4C058KK02
4C058KK23
4C058KK46
(57)【要約】
【課題】UVランプ7で効率よく効果的に放出前の加湿用水蒸気に殺菌効果や抗菌効果を付与できる上に、このUVランプ7を適所に配設する簡易な構成で効率よく効果的に殺菌効果や抗菌効果を付与でき、常にきわめて衛生的な加湿用水蒸気を複数か所の吹き出し部4から飛散送風部6により放出できることとなる優れた蒸気式の加湿装置を提供すること。
【解決手段】加湿用水蒸気に紫外線を照射するUVランプ7を、上下方向案内路部8の上部であって且つ案内誘導整流させる左右方向または前後方向に広大な広大空間案内路部9の中央部に配設した加湿装置。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンクから随時補給される加熱用水槽部の水が加熱部により加熱されて水蒸気を発生させる水蒸気発生部と、
この水蒸気発生部で発生する前記水蒸気または水滴を含む加湿用水蒸気が装置機体上部の吹き出し部に蛇行案内誘導されて冷却される蛇行案内路部と、
この蛇行案内路部により蛇行案内誘導される前記加湿用水蒸気を、前記装置機体外へ放出させる前記吹き出し部と、
この吹き出し部が周辺複数か所に設けられていてこの吹き出し部から放出される前記加湿用水蒸気を遠方へ送風し飛散させる飛散送風部と、
前記蛇行案内路部内の蛇行案内されている前記加湿用水蒸気に紫外線を照射するUVランプと、が備えられている構成の加湿装置であって、
前記蛇行案内路部の途中に、下部の上下方向案内路部を介して下方から上方に案内される前記加湿用水蒸気が、さらに左右双方または前後双方に分岐蛇行案内されるとともに、左右双方または前後双方の上部にそれぞれ設けられている前記吹き出し部に案内され、前記上下方向案内路部よりも左右方向または前後方向の幅が長く路容積が大きい広大空間であって且つ前記加湿用水蒸気を案内誘導整流または案内誘導滞留させる広大空間案内路部が設けられていて、
前記上下方向案内路部の上部であって前記広大空間案内路部の左右方向または前後方向の中央部に、紫外線を左右方向双方または前後方向双方に照射して前記広大空間案内路部により分岐蛇行案内される前記加湿用水蒸気に紫外線を照射する前記UVランプが配設されている構成であることを特徴とする加湿装置。
【請求項2】
前記上下方向案内路部の上部であって前記広大空間案内路部の左右方向または前後方向の中央部に配設されている前記UVランプは、紫外線を左右方向双方または前後方向双方および下方に照射して前記上下方向案内路部の上部から前記広大空間案内路部に上昇してくる前記加湿用水蒸気およびこの広大空間案内路部で分岐蛇行案内される前記加湿用水蒸気に紫外線を照射する構成とされていることを特徴とする請求項1記載の加湿装置。
【請求項3】
前記装置機体の下部の前記水蒸気発生部の前記加熱用水槽部の上部に、前記蛇行案内路部が設けられていて、この蛇行案内路部の下部に、前記加熱用水槽部と連通し前記加湿用水蒸気を下方から上方に直線的に案内する下部上下方向案内路部と、この下部上下方向案内路部の上部と連通し左右方向または前後方向に伸び前記加湿用水蒸気を蛇行案内する途中蛇行案内路部とが設けられていて、前記蛇行案内路部の上部に、前記途中蛇行案内路部に連通状態にして前記加湿用水蒸気を下方から上方に直線的に案内する前記上下方向案内路部が設けられている構成であることを特徴とする請求項1記載の加湿装置。
【請求項4】
前記上下方向案内路部の上部と連通し左右方向または前後方向に伸びる前記広大空間案内路部は、縦方向に比べて左右方向または前後方向が長く前記上下方向案内路部よりも路容積が大きい広大空間に設定されていて、この広大空間案内路部の両端部の上部に前記吹き出し部がそれぞれ連通状態に配設されている構成であることを特徴とする請求項1記載の加湿装置。
【請求項5】
前記装置機体の下部の前記水蒸気発生部の前記加熱用水槽部の上部、またはこの加熱用水槽部と前記蛇行案内路部との間の案内路部、またはこの蛇行案内路部の下部に、前記飛散送風部またはさらに設けられている送風部により前記装置機体外から導入される外気と前記水蒸気とが混合され冷却される混合冷却部が設けられ、前記外気が前記装置機体内に導入され前記混合冷却部に送風案内されて前記水蒸気と混合されて前記水蒸気が冷却され、この外気と混合され冷却される前記水蒸気または水滴を含む加湿用混合気である前記加湿用水蒸気は、前記蛇行案内路部により上部へ蛇行案内されこの間でさらに冷却され、前記吹き出し部から前記装置機体外へ放出される構成であることを特徴とする請求項1記載の加湿装置。
【請求項6】
前記水蒸気発生部の前記加熱用水槽部と前記吹き出し部との間に設ける前記蛇行案内路部は、前記装置機体の分離または開閉に際して分離連結自在な管パーツからなる構成とされていて分解掃除自在な構成であることを特徴とする請求項1記載の加湿装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸気式(スチーム式)の加湿装置(加湿器)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
これまで様々な方式の加湿器が開発されているが、ヒーターで水を加熱して水蒸気を発生させ、この水蒸気や水滴(霧)を含む加湿用水蒸気を噴出(放出)させて室内を加湿する蒸気式加湿器は、その加湿能力が高く好評である。
【0003】
このような蒸気式加湿器において、出願人は、特許文献1に示すように、送風装置や外気混合構造や蛇行案内構造などを施して外気と混合した加湿用水蒸気を冷却し送風放出することで、室内を安全にして短時間広範囲に衛生的な加湿用水蒸気で万遍なく加湿できる蒸気式加湿器を開発した。
【0004】
またさらにこのような蒸気式加湿器は、加湿能力が高く、煮沸消毒効果もあり衛生的ではあるが、前述のように外気を取り込んで混合し蛇行案内路部により十分に冷却する構成とする場合には、さらに前記加湿用水蒸気に紫外線を照射して殺菌効果あるいは抗菌効果を付与するUVランプを設けることが望ましい。
【0005】
しかし、単に案内路部内に向けて紫外線を照射するだけではその効果が十分期待できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような問題をも解決するもので、水蒸気発生部で多量に生成される高温の水蒸気または水滴を含む加湿用水蒸気を複数の吹き出し部(噴出口)に蛇行案内誘導且つ分岐案内誘導して冷却し装置機体外に送風し飛散させ、短時間にして広範囲に加湿することができるとともに、さらにUVランプを設けて装置機体外に放出する前の加湿用水蒸気に紫外線を照射して殺菌効果や抗菌効果を付与し高めることができ、またさらにこのUVランプを、加湿用水蒸気が上昇してくる上下方向案内路部の上部であって分岐案内誘導させ且つ案内誘導整流または案内誘導滞留させる左右方向または前後方向に広い広大空間案内路部の中央部に配設した構成とすることで、UVランプで効率よく効果的に放出前の加湿用水蒸気に殺菌効果や抗菌効果を付与できる上に、このUVランプを上記適所に配設する簡易な構成で効率よく効果的に殺菌効果や抗菌効果を付与でき、常にきわめて衛生的な加湿用水蒸気を複数か所の吹き出し部から飛散送風部により放出できることとなる優れた蒸気式の加湿装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0009】
本発明は、タンク1から随時補給される加熱用水槽部2の水が加熱部により加熱されて水蒸気を発生させる水蒸気発生部3と、この水蒸気発生部3で発生する前記水蒸気または水滴を含む加湿用水蒸気が装置機体上部の吹き出し部4に蛇行案内誘導されて冷却される蛇行案内路部5と、この蛇行案内路部5により蛇行案内誘導される前記加湿用水蒸気を、前記装置機体外へ放出させる前記吹き出し部4と、この吹き出し部4が周辺複数か所に設けられていてこの吹き出し部4から放出される前記加湿用水蒸気を遠方へ送風し飛散させる飛散送風部6と、前記蛇行案内路部5内の蛇行案内されている前記加湿用水蒸気に紫外線を照射するUVランプ7と、が備えられている構成の加湿装置であって、前記蛇行案内路部5の途中に、下部の上下方向案内路部8を介して下方から上方に案内される前記加湿用水蒸気が、さらに左右双方または前後双方に分岐蛇行案内されるとともに、左右双方または前後双方の上部にそれぞれ設けられている前記吹き出し部4に案内され、前記上下方向案内路部8よりも左右方向または前後方向の幅が長く路容積が大きい広大空間であって且つ前記加湿用水蒸気を案内誘導整流または案内誘導滞留させる広大空間案内路部9が設けられていて、前記上下方向案内路部8の上部であって前記広大空間案内路部9の左右方向または前後方向の中央部に、紫外線を左右方向双方または前後方向双方に照射して前記広大空間案内路部9により分岐蛇行案内される前記加湿用水蒸気に紫外線を照射する前記UVランプ7が配設されている構成であることを特徴とする加湿装置に係るものである。
【0010】
また前記上下方向案内路部8の上部であって前記広大空間案内路部9の左右方向または前後方向の中央部に配設されている前記UVランプ7は、紫外線を左右方向双方または前後方向双方および下方に照射して前記上下方向案内路部8の上部から前記広大空間案内路部9に上昇してくる前記加湿用水蒸気およびこの広大空間案内路部9で分岐蛇行案内される前記加湿用水蒸気に紫外線を照射する構成とされていることを特徴とする請求項1記載の加湿装置に係るものである。
【0011】
また前記装置機体の下部の前記水蒸気発生部3の前記加熱用水槽部2の上部に、前記蛇行案内路部5が設けられていて、この蛇行案内路部5の下部に、前記加熱用水槽部2と連通し前記加湿用水蒸気を下方から上方に直線的に案内する下部上下方向案内路部10と、この下部上下方向案内路部10の上部と連通し左右方向または前後方向に伸び前記加湿用水蒸気を蛇行案内する途中蛇行案内路部11とが設けられていて、前記蛇行案内路部5の上部に、前記途中蛇行案内路部10に連通状態にして前記加湿用水蒸気を下方から上方に直線的に案内する前記上下方向案内路部8が設けられている構成であることを特徴とする請求項1記載の加湿装置に係るものである。
【0012】
また前記上下方向案内路部8の上部と連通し左右方向または前後方向に伸びる前記広大空間案内路部9は、縦方向に比べて左右方向または前後方向が長く前記上下方向案内路部9よりも路容積が大きい広大空間に設定されていて、この広大空間案内路部9の両端部の上部に前記吹き出し部4がそれぞれ連通状態に配設されている構成であることを特徴とする請求項1記載の加湿装置に係るものである。
【0013】
また前記装置機体の下部の前記水蒸気発生部3の前記加熱用水槽部2の上部、またはこの加熱用水槽部2と前記蛇行案内路部5との間の案内路部、またはこの蛇行案内路部5の下部に、前記飛散送風部6またはさらに設けられている送風部12により前記装置機体外から導入される外気と前記水蒸気とが混合され冷却される混合冷却部13が設けられ、前記外気が前記装置機体内に導入され前記混合冷却部13に送風案内されて前記水蒸気と混合されて前記水蒸気が冷却され、この外気と混合され冷却される前記水蒸気または水滴を含む加湿用混合気である前記加湿用水蒸気は、前記蛇行案内路部5により上部へ蛇行案内されこの間でさらに冷却され、前記吹き出し部4から前記装置機体外へ放出される構成であることを特徴とする請求項1記載の加湿装置に係るものである。
【0014】
また前記水蒸気発生部3の前記加熱用水槽部2と前記吹き出し部4との間に設ける前記蛇行案内路部5は、前記装置機体の分離または開閉に際して分離連結自在な管パーツ14からなる構成とされていて分解掃除自在な構成であることを特徴とする請求項1記載の加湿装置に係るものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明は上述のように構成したから、水蒸気発生部で多量に生成される高温の水蒸気または水滴を含む加湿用水蒸気を複数の吹き出し部(噴出口)に蛇行案内誘導且つ分岐案内誘導して冷却し装置機体外に送風し飛散させ、短時間にして広範囲に加湿することができるとともに、さらにUVランプを設けて装置機体外に放出する前の加湿用水蒸気に紫外線を照射して殺菌効果や抗菌効果を付与し高めることができ、またさらにこのUVランプを、加湿用水蒸気が上昇してくる上下方向案内路部の上部であって分岐案内誘導させ且つ案内誘導整流または案内誘導滞留させる左右方向または前後方向に広い広大空間案内路部の中央部に配設した構成とすることで、UVランプで効率よく効果的に放出前の加湿用水蒸気に殺菌効果や抗菌効果を付与できる上に、このUVランプを上記適所に配設する簡易な構成で効率よく効果的に殺菌効果や抗菌効果を付与でき、常にきわめて衛生的な加湿用水蒸気を複数か所の吹き出し部から飛散送風部により放出できることとなる優れた蒸気式の加湿装置となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の最適な実施形態を図面に基づいて本発明の作用を示し簡単に説明する。
【0018】
装置機体内の水蒸気発生部3で多量の水蒸気が発生する。すなわち、タンク1から随時補給される水蒸気発生部3の加熱用水槽部2の水は、たとえば加湿量を高めるため高出力ヒーターを採用した加熱部で加熱され短時間で多量の水蒸気が生成され、この加湿用水蒸気が蛇行案内誘導され且つ分岐案内誘導されて複数か所の吹き出し部4へと案内誘導され、飛散送風部6(サーキュレーターなどの送風装置)により送風され飛散され、短時間にして広範囲に加湿できることとなる。
【0019】
この水蒸気発生部3で発生する水蒸気の放出量(加湿量)は多量であり高温であるが、たとえば前記飛散送風部6やこれとは別に外気取り込み用に設けた送風部12(送風装置)により装置機体外から引き込み導入される外気と混合冷却部13で混合され冷却され、さらにこの混合冷却部13で発生する多量の水蒸気または水滴(霧)を含む加湿用水蒸気(加湿用混合気)は、蛇行案内路部5により上部の吹き出し部4に蛇行案内誘導されるがその間でも冷却される。
【0020】
すなわち、この蛇行案内路部5により蛇行案内誘導される前記加湿用水蒸気は、たとえば前記外気との混合とこの蛇行案内により、たとえば案内路長が長くなるだけでなく内面に衝突する蛇行案内誘導により、十分に冷却される(たとえば70度以下の安全な温度に低下した状態となる)。そしてこの安全な温度に冷却された加湿用水蒸気(加湿用混合気)は、上部の複数の吹き出し部4へ蛇行案内されるとともに分岐案内誘導され、前記飛散送風部6の送風により装置機体外へ送風飛散されることとなる。
【0021】
このようにして衛生的な加湿用水蒸気を複数か所の吹き出し部4から飛散送風部6により短時間にして広範囲に送風飛散でき、室内を容易にして万遍なく加湿できることとなる。
【0022】
またしかも本発明は、この装置機体外に放出する加湿用水蒸気に紫外線を照射して殺菌効果や抗菌効果を付与し高めるUVランプ7を設けているから、さらに衛生的である。
【0023】
その上、本発明は単に蛇行案内路部5の途中上部にこのUVランプ7を設けるだけでなく、加湿用水蒸気が上昇してくる上下方向案内路部8の上部であって案内誘導整流または案内誘導滞留させる広大空間案内路部9の中央部に配設した構成としている。
【0024】
そのため、蛇行案内路部5の途中の上下方向案内路部8により上昇案内されその上部の広大空間案内路部9でさらに左右方向または前後方向に分岐案内誘導され案内誘導整流または案内誘導滞留される前記加湿用水蒸気に紫外線が照射されるから、すなわち広大空間案内路部9の中央に配設されたUVランプ7によりこの左右方向または前後方向に紫外線が照射されるから、常に長期に紫外線を加湿用水蒸気に照射でき、また広大空間案内路部9で分岐案内誘導され且つ整流されるまたは停留する加湿用水蒸気にこの分岐案内双方向に紫外線が照射されることとなり、さらに一層常に長期に紫外線を照射できることになって、UVランプ7で効率よく効果的に殺菌効果や抗菌効果を付与することができる。
【0025】
そしてさらに、本発明ではこのUVランプ7を上記適所に配設する簡易な構成で効率よく効果的に殺菌効果や抗菌効果を付与し高めることができ、蛇行冷却しつつもきわめて衛生的な加湿用水蒸気を複数か所の吹き出し部4から飛散送風部6により短時間で広範囲に飛散放出できることとなる優れた蒸気式の加湿装置となるものである。
【実施例0026】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0027】
本実施例では、取り換え補給自在なカートリッジ式タンク1から補給路を介して水が随時補給される加熱用水槽部2に、この水槽部2内の水を短時間で加熱して多量の水蒸気を発生させる高出力ヒーターを加熱部として底部に設けた水蒸気発生部3を、装置機体の下部に設けた構成としている。
【0028】
また、この水蒸気発生部3で発生する水蒸気が装置機体外から外気導入用送風装置(送風部12)により引き込み導入される外気と混合され冷却される混合冷却部13を、この水蒸気発生部3の上部に設けた構成としている。
【0029】
本実施例では、この混合冷却部13を、前記水蒸気発生部3の前記加熱用水槽部2の上部、すなわちこの加熱用水槽部2と上部の蛇行案内路部5との間(蛇行案内路部5の基部ともいえる部分)に設けた構成としている。
【0030】
具体的には、装置機体の下部の水蒸気発生部3の後部に、前記送風部12(ファン)を設け、この送風部12により外気を装置機体内に引き込むとともに送風して、この外気が外気案内路を介して水蒸気発生部3の加熱用水槽部2の下部あるいは側部をまわってこの加熱用水槽部2の上部の前記混合冷却部13に案内送風され水蒸気と混合する構成としている。
【0031】
すなわち、本実施例では、この混合冷却部13内に送風導入された外気と水蒸気とがここで混合撹拌され、水蒸気は冷却され、この外気と混合され冷却された前記水蒸気または水滴(霧)を含む加湿用混合気(加湿用水蒸気)は、この混合冷却部13が下部と連通する蛇行案内路部5に送風案内誘導され、そして上部の吹き出し部4へと蛇行案内誘導され、その間でもさらにこの加湿用水蒸気は冷却され、上部の吹き出し部4から外方へ送風飛散される構成としている。
【0032】
さらに説明すれば、本実施例は、水蒸気発生部3の上部の混合冷却部13で、多量に発生する高温の水蒸気に外気が撹拌接触して冷却されるとともに、この水蒸気または水滴を含む外気混合の加湿用水蒸気を生じさせて、これが蛇行案内路部5により上部の吹き出し部4に蛇行案内誘導されることで、この間でさらに冷却される構成とし、この蛇行案内誘導され冷却された前記加湿用水蒸気を上部の本実施例では2か所の吹き出し部4から前記飛散送風部6(サーキュレーター)の送風力により送風飛散される構成としている。
【0033】
また、本実施例の前記水蒸気発生部3の前記加熱用水槽部2と前記吹き出し部4との間に設ける前記蛇行案内路部5は、単に上方に案内する直管状とせずに、蛇行あるいは迂回案内する蛇行案内管状に構成している。具体的には加湿用水蒸気を左右方向または前後方向に案内したり管路を狭めたりした構成として蛇行部分を形成し加湿用水蒸気が管内面に衝突するような天面部や傾斜面部を形成して、管路長が長くなるだけでなくこの内面衝突により温度低下が十分に生じるように構成している。
【0034】
また本実施例では、このように構成した蛇行案内管状の蛇行案内路部5を、装置機体のパネルを外して内部から取り出し自在または露出自在で、且つ装置機体の分離または開閉に際して分離連結自在な樹脂製管パーツ14からなる樹脂製の誘導管で構成して、これらパーツ分解により分解掃除自在な構成とし、良好に衛生を保てる構成としている。
【0035】
また本実施例の前記蛇行案内路部5は、途中に前記加湿用水蒸気を下方から上方に直線的に案内する上下方向案内路部8を設け、この下部の上下方向案内路部8を介して下方から上方に案内される前記加湿用水蒸気が、左右双方または前後双方(本実施例では左右双方向)に分岐蛇行案内されるとともに、左右双方(本実施例では装置機体の前部の上面部の飛散送風部6の送風排出部に沿った左右)にそれぞれ設けた2か所の前記吹き出し部4に案内され、前記上下方向案内路部8よりも左右方向の幅が長く路容積が大きい広大空間であって且つ前記加湿用水蒸気を案内誘導整流または案内誘導滞留させる広大空間案内路部9を設けた構成とし、この上部(広大空間案内路部9の左右端部上部)に、加湿用水蒸気を装置機体外に放出する前記吹き出し部4を連通状態に配設した構成としている。
【0036】
そして本実施例では、この直線的に上昇案内する前記上下方向案内路部8の最上部であって広大空間案内路部9の左右方向中央部に、下方に紫外線を照射するとともに、左右方向双方に紫外線を照射して、前記広大空間案内路部9により分岐蛇行案内される前記加湿用水蒸気に紫外線を照射する前記UVランプ7を配設した構成としている。
【0037】
さらに説明すると、本実施例では装置機体の下部の前記水蒸気発生部3の前記加熱用水槽部2の上部に、外気と水蒸気とが混合する前記混合冷却部13を設け、この混合冷却部13の上部に連通状態に前記蛇行案内路部5を設けた構成としている。
【0038】
そして本実施例では、この蛇行案内路部5の下部に、前記加熱用水槽部2の上部の広大空間路部である前記混合冷却部13と連通し前記加湿用水蒸気を下方から上方に直線的に案内する下部上下方向案内路部10と、この下部上下方向案内路部10の上部と連通し前後方向に伸び前記加湿用水蒸気を水平蛇行案内誘導する途中蛇行案内路部11とを設け、さらにこの上部すなわち蛇行案内路部5の上部に、前記途中蛇行案内路部11の端部と連通状態にして前記加湿用水蒸気を下方から上方に直線的に案内する前記上下方向案内路部8を設け、この上下方向案内路部8の上部の前方傾斜部と連通し、ここから左右方向に伸び広大な空間路部である前記広大空間案内路部9を設けた構成としている。
【0039】
また本実施例のこの広大空間案内路部9は、前述のように前記上下方向案内路部8の上部と連通し左右方向方向に伸び、縦方向に比べて左右方向が長く前記上下方向案内路部8よりも左右幅が長く路容積が大きい広大空間に設定した構成、すなわち左右方向に長い(前記上下方向案内路部8の横幅より長く路容積が大きい)広大空間に設定した構成とし、この広大空間案内路部9の前方左右端部の上部にそれぞれ上下方向案内部を介して前記吹き出し部4を連通状態に配設して、この2か所の吹き出し部4を飛散送風部6(サーキュレーター)の装置機体の上面部の送風排出部の近傍で(これに沿うように)装置機体上部の上面前側の左右に設けた構成としている。
【0040】
したがって本実施例では、前記蛇行案内路部5内を蛇行案内誘導される前記加湿用水蒸気に紫外線を照射するUVランプ7を単に蛇行案内路部5の上部に設けるのではなく、このUVランプ7を上下方向案内路部8の上部であって広大空間案内路部9の左右方向中央部に設けた構成としている。
【0041】
さらに本実施例では、前記上下方向案内路部8の上部であって前記広大空間案内路部9の左右方向の中央部に前記UVランプ7を配設して、紫外線を下方および左右方向双方に照射して前記上下方向案内路部8の上部から前記広大空間案内路部9に上昇してくる前記加湿用水蒸気およびこの広大空間案内路部9で分岐蛇行案内される加湿用水蒸気に紫外線が照射されるように構成している。
【0042】
したがって、本実施例では単に蛇行案内路部5の上部にこのUVランプ7を設けた構成でなく、広大空間案内路部9の中央に配設されたUVランプ7によりこの左右方向双方に紫外線が照射されるから、常に長期に紫外線を加湿用水蒸気に照射でき、また広大空間案内路部9で分岐案内誘導され且つ整流されるまたは停留する加湿用水蒸気にこの分岐案内双方向に紫外線が照射されることとなり、さらに一層常に長期に紫外線を照射できることになって、UVランプ7で効率よく効果的に殺菌効果や抗菌効果を付与することができる。
【0043】
そしてさらに、このUVランプ7を上記適所に配設する簡易な構成で効率よく効果的に殺菌効果や抗菌効果を付与し高めることができ、蛇行冷却しつつもきわめて衛生的な加湿用水蒸気を複数か所の吹き出し部4から飛散送風部6により短時間で広範囲に飛散放出できることとなる優れた蒸気式の加湿装置となるものである。
【0044】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。