(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125596
(43)【公開日】2024-09-19
(54)【発明の名称】打音検査結果出力装置および打音検査結果出力方法
(51)【国際特許分類】
G01N 29/04 20060101AFI20240911BHJP
【FI】
G01N29/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023033516
(22)【出願日】2023-03-06
(71)【出願人】
【識別番号】000232461
【氏名又は名称】日本電波株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002457
【氏名又は名称】弁理士法人広和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】嶺岸 拳吾
【テーマコード(参考)】
2G047
【Fターム(参考)】
2G047AA10
2G047BC03
2G047BC04
2G047BC07
2G047BC11
2G047CA03
2G047EA10
2G047GD02
2G047GG12
2G047GG32
2G047GH13
2G047GH14
(57)【要約】
【課題】熟練の検査者でなくても、打音検査の結果(不良の判定結果)を精度良く一目で判断することができる打音検査結果出力装置および打音検査結果出力方法を提供する。
【解決手段】打音検査装置1の判定部4は、被検体となるコンクリート構造物11に対してハンマーにより打撃を与えたときの打音の情報である打音データから、打撃位置の不良度を判定する。打音検査装置1の出力部5は、判定部4により判定された打撃位置の不良度を色の濃淡と対応させてモニタ6に出力する。ここで、打音データから第1判定処理によって得られた不良度と第1色(例えば赤)の濃淡とを対応させた判定結果を第1判定結果とし、打音データから第2判定処理によって得られた不良度と第2色(例えば青)の濃淡とを対応させた判定結果を第2判定結果とする。出力部5は、第1判定結果の第1色(赤)と第2判定結果の第2色(青)とを重ねて出力する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体に対する打撃により発生した打音の情報を打音データとし、
この打音データから判定された打撃位置の不良の程度を不良度とした場合に、
前記打音データから判定された前記不良度を色の濃淡と対応させて情報伝達媒体に出力する打音検査結果出力装置において、
前記打音データから第1判定処理によって得られた不良度と第1色の濃淡とを対応させた判定結果を第1判定結果とし、
前記打音データから前記第1判定処理とは異なる第2判定処理によって得られた不良度と前記第1色とは異なる第2色の濃淡とを対応させた判定結果を第2判定結果とした場合に、
前記第1判定結果の前記第1色と前記第2判定結果の前記第2色とを重ねて出力することを特徴とする打音検査結果出力装置。
【請求項2】
前記第1判定処理は、前記打音が収束するまでの時間および/または減衰率に基づいて不良度を判定する処理であり、
前記第2判定処理は、前記打音データをフーリエ変換して得られた周波数スペクトルのピークの全体の平均に対する大きさに基づいて不良度を判定する処理であることを特徴とする請求項1に記載の打音検査結果出力装置。
【請求項3】
前記第1色は、赤と青と緑とのうちのいずれかの色であり、
前記第2色は、前記赤と前記青と前記緑とのうちの前記第1色とは異なる色であることを特徴とする請求項1に記載の打音検査結果出力装置。
【請求項4】
前記第1色は、マゼンタとシアンとイエローとのうちのいずれかの色であり、
前記第2色は、前記マゼンタと前記シアンと前記イエローとのうちの前記第1色とは異なる色であることを特徴とする請求項1に記載の打音検査結果出力装置。
【請求項5】
前記第1色および前記第2色は、不良度が高い程、濃い色であることを特徴とする請求項1に記載の打音検査結果出力装置。
【請求項6】
前記情報伝達媒体は、紙媒体、または、表示装置の画面であることを特徴とする請求項1に記載の打音検査結果出力装置。
【請求項7】
前記打音データから前記第1判定処理および前記第2判定処理とは異なる第3判定処理によって得られた不良度と前記第1色および前記第2色とは異なる第3色の濃淡とを対応させた判定結果を第3判定結果とした場合に、
前記第1判定結果の前記第1色と前記第2判定結果の前記第2色と前記第3判定結果の前記第3色とを重ねて出力することを特徴とする請求項1に記載の打音検査結果出力装置。
【請求項8】
前記第3判定処理は、前記打音データから音色に基づいて不良度を判定する処理であることを特徴とする請求項7に記載の打音検査結果出力装置。
【請求項9】
被検体に対する打撃により発生した打音の情報を打音データとし、
この打音データから判定された打撃位置の不良の程度を不良度とした場合に、
前記打音データから判定された前記不良度を色の濃淡と対応させて情報伝達媒体に出力する打音検査結果出力方法において、
前記打音データから第1判定処理によって得られた不良度と第1色の濃淡とを対応させた判定結果を第1判定結果とし、
前記打音データから前記第1判定処理とは異なる第2判定処理によって得られた不良度と前記第1色とは異なる第2色の濃淡とを対応させた判定結果を第2判定結果とした場合に、
前記第1判定結果の前記第1色と前記第2判定結果の前記第2色とを重ねて出力することを特徴とする打音検査結果出力方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、例えばコンクリート等の構造物の打音検査の結果を出力する打音検査結果出力装置および打音検査結果出力方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、構造物の不良(異常、劣化)を検査する非破壊検査の一種として、打音検査が知られている。打音検査は、構造物を構成するコンクリートの外面をハンマーで叩き、そのときの音(打音)の違いから、外側から目視で判定できないコンクリートの内部の不良、例えば、内部亀裂、鉄筋腐食による空洞、下地(コンクリート)に対する上塗り(モルタル)の浮き等の不良(異常、劣化)を検知する。
【0003】
ここで、例えば、特許文献1には、打音検査装置および打音検査方法が記載されている。特許文献1では、検査結果をコンター図で可視化している。特許文献2には、打音検査記録装置が記載されている。特許文献2では、打音の評価値をグレースケールで表示する。特許文献3には、AIによる打音検査システムおよび方法が記載されている。特許文献3では、内部に異常があると推測される個所を強調して表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-73459号公報
【特許文献2】特開2016-50876号公報
【特許文献3】特開2021-124462号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、打音を耳で聞いて不良(異常、劣化)を判定する場合は、判定する人間の熟練度によって判定結果に差が生じる可能性がある。また、上述の特許文献1-3に記載された技術は、いずれも1種類の判定結果を表示するに過ぎない。また、例えば、判定結果を数字で表示する場合は、羅列された数字の中から不良個所を探す必要があり、不良個所が分かりにくい。
【0006】
本発明の目的の一つは、熟練の検査者でなくても、打音検査の結果(不良の判定結果)を精度良く一目で判断することができる打音検査結果出力装置および打音検査結果出力方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、好ましくは、被検体に対する打撃により発生した打音の情報を打音データとし、この打音データから判定された打撃位置の不良の程度を不良度とした場合に、前記打音データから判定された前記不良度を色の濃淡と対応させて情報伝達媒体に出力する打音検査結果出力装置において、前記打音データから第1判定処理によって得られた不良度と第1色の濃淡とを対応させた判定結果を第1判定結果とし、前記打音データから前記第1判定処理とは異なる第2判定処理によって得られた不良度と前記第1色とは異なる第2色の濃淡とを対応させた判定結果を第2判定結果とした場合に、前記第1判定結果の前記第1色と前記第2判定結果の前記第2色とを重ねて出力する。
【0008】
また、本発明は、好ましくは、被検体に対する打撃により発生した打音の情報を打音データとし、この打音データから判定された打撃位置の不良の程度を不良度とした場合に、前記打音データから判定された前記不良度を色の濃淡と対応させて情報伝達媒体に出力する打音検査結果出力方法において、前記打音データから第1判定処理によって得られた不良度と第1色の濃淡とを対応させた判定結果を第1判定結果とし、前記打音データから前記第1判定処理とは異なる第2判定処理によって得られた不良度と前記第1色とは異なる第2色の濃淡とを対応させた判定結果を第2判定結果とした場合に、前記第1判定結果の前記第1色と前記第2判定結果の前記第2色とを重ねて出力する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、熟練の検査者でなくても、打音検査の結果(不良の判定結果)を精度良く一目で判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態による打音検査装置を模式的に示すブロック図である。
【
図2】打音検査の対象となる被検体を示す斜視図である。
【
図3】ハンマーの打撃位置(打音位置)に黒点「・」を付した
図1と同様の斜視図である。
【
図4】第1判定結果が出力された情報伝達媒体(画面)を示す正面図である。
【
図5】第2判定結果が出力された情報伝達媒体(画面)を示す正面図である。
【
図6】第1判定結果と第2判定結果とが重ねて出力された情報伝達媒体(画面)を示す正面図である。
【
図7】打音データの一例を示す特性線図(時間-音圧)である。
【
図8】打音データの別例を示す特性線図(時間-音圧)である。
【
図9】打音データの周波数スペクトルの一例を示す特性線図(周波数-音圧)である。
【
図10】打音データの周波数スペクトルの別例を示す特性線図(周波数-音圧)である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態による打音検査結果出力装置および打音検査結果出力方法を添付図面に従って説明する。
【0012】
図1において、打音検査装置1は、コンクリート構造物等の被検体の不良(異常、劣化)を検査する検査装置である。打音検査は、例えば、被検体の外面をハンマー(打撃具)で叩き、そのときの音(打音)の違いから、被検体の内部の不良、即ち、外側からは目視で判定できない不良(コンクリート内部の不良)を判定する。コンクリート構造物の不良(異常、劣化)としては、例えば、コンクリートの内部亀裂、コンクリート内の鉄筋腐食による空洞、下地(コンクリート)に対する上塗り(モルタル)の浮き等が挙げられる。打音検査装置1は、被検体に対する打撃により発生した打音(ハンマーの打撃音)の情報である打音データ(打撃音データ)に基づいて、打撃位置の不良の程度である不良度を判定し、その判定結果を出力する。なお、以下、不良の程度が大きい程、不良度が高いとし、正常(健全)である程、不良度が低いとして説明する。
【0013】
打音検査装置1は、例えば、ディスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン等の情報処理装置、即ち、電子回路を利用して計算処理、情報処理を行う電子計算機により構成することができる。なお、打音検査装置1は、例えば、マイクロコンピュータを含んで構成される打音検査専用の電子計算機(打音検査専用機)として構成してもよい。打音検査装置1は、例えば、CPUとも呼ばれる演算処理装置、メモリとも呼ばれる記憶装置、打音データを取り込む取込装置、検査結果を出力する出力装置を含んで構成されている。
【0014】
取込装置としては、例えば、打音を電気信号に変換するマイクロフォン、音を含む振動を検出する振動検出センサ、USBメモリ等の記憶装置に記憶された打音データを読込む読込装置等に対応する。出力装置としては、例えば、検査結果を表示するモニタ、ディスプレイ等の表示装置、検査結果を紙媒体に印刷するプリンタ等の印刷装置等に対応する。そして、打音検査装置1の記憶装置には、打音検査処理用のプログラム(打音検査アプリケーションソフト)が格納されている。打音検査処理用のプログラムは、例えば、打音データから打撃位置の不良度を判定する不良度判定処理のプログラム(不良度判定アプリケーションソフト)と、不良度判定処理により得られた打撃位置の不良度を出力する判定結果出力処理のプログラム(判定結果出力アプリケーションソフト)と、を含んで構成されている。
【0015】
実施形態では、
図1に示すように、打音検査装置1は、入力部2と、記憶部3と、判定部4と、出力部5と、情報伝達媒体としてのモニタ6と、を備えている。入力部2には、打音データが入力される。入力部2は、例えば、マイクロフォンの入力コネクタ、または、USBメモリ等に記憶された打音データを読込むUSBコネクタ等に対応する。入力部2は、入力された打音データを記憶部3に出力する。記憶部3は、入力部2を介して打音検査装置1に入力された打音データを記憶する。記憶部3には、例えば、ハンマーの打撃位置と当該打撃位置の打音データとが対応して記録される。
【0016】
記憶部3は、打撃位置および打音データを判定部4に出力する。判定部4は、打音データから打撃位置の不良度を判定(解析)する処理を行う。判定部4は、演算装置、より具体的には、演算装置による不良度判定処理に対応する。判定部4は、不良度の判定結果を出力部5に出力する。出力部5は、打音データから判定された不良度を色の濃淡と対応させてモニタ6に出力する。出力部5は、演算装置、より具体的には、演算装置による判定結果出力処理に対応する。モニタ6は、出力部5からの出力に基づいて表示画面となる画面6Aに不良度を表示する。モニタ6は、出力装置に対応する。
【0017】
ここで、前述の特許文献1-3に記載された技術は、いずれも1種類の判定結果を表示するに過ぎない。このため、1種類の判定結果から被検体(コンクリート構造物)の不良個所を判断せざるを得ず、これだけでは精度を十分に確保できない可能性がある。これに対して、複数の判定結果から被検体の不良個所を判断することが考えられる。しかし、複数の判定結果を得たとしても、これらを見比べて判断する場合は、判断に時間を要する可能性がある。
【0018】
また、例えば、一目で判断できるように、複数の判定結果をそれぞれ数値化すると共にこれらをトータルで評価した演算結果を出力することが考えられる。しかし、この場合は、羅列された数字の中から不良個所を探す必要があり、不良個所が分かりにくくなる可能性がある。そこで、実施形態では、不良度を色の濃淡に対応させた複数の判定結果を重ねて表示することにより、打音検査の結果(不良の判定結果)を精度良く一目で判断できるようにしている。以下、この点について、詳しく説明する。
【0019】
実施形態では、打音検査装置1は、不良の判定結果を出力する出力部5を備えている。出力部5は、打音検査結果出力装置に対応する。出力部5は、被検体(例えば、後述のコンクリート構造物11)に対する打撃により発生した打音の情報(打音データ)から判定された打撃位置の不良の程度(不良度)を、色の濃淡と対応させて情報伝達媒体となるモニタ6に出力する。即ち、被検体(コンクリート構造物11)に対する打撃により発生した打音の情報を打音データとし、この打音データから判定された打撃位置の不良の程度を不良度とする。この場合に、出力部5は、打音データから判定された不良度を、色の濃淡と対応させて情報伝達媒体に出力する。
【0020】
情報伝達媒体としては、液晶モニタ、タッチパネル等を含むモニタ6、ディスプレイ等の表示装置の画面(表示画面、スクリーン)に対応する。なお、情報伝達媒体としては、用紙、透明シートを含む紙媒体としてもよい。この場合、出力部5は、プリンタ等の印刷装置を介して判定結果を出力することができる。また、不良度に対応する色は、例えば、不良度が高い程、濃く出力し、不良度が低い(正常)程、薄く出力する。
【0021】
そして、実施形態の出力部5は、複数の判定処理により得られたそれぞれの判定結果をそれぞれ異なる色の濃淡に対応させると共に、これら複数の判定結果(複数の色)を重ねて出力する。例えば、「打音データから第1判定処理によって得られた不良度」と「第1色(例えば赤)の濃淡」とを対応させた判定結果を、「第1判定結果」とする。また、「打音データから第2判定処理によって得られた不良度」と「第2色(例えば青)の濃淡」とを対応させた判定結果を、「第2判定結果」とする。第2判定処理は、第1判定処理とは異なる不良度の判定処理であり、第2色は、第1色とは異なる色である。この場合に、出力部5は、第1判定結果の第1色(赤)と第2判定結果の第2色(青)とを重ねて出力する。以下の説明では、第1色を「赤」とし、第2色を「青」として説明する。
【0022】
ここで、第1判定処理は、例えば、打音が収束するまでの時間および/または減衰率に基づいて不良度を判定する処理とすることができる。また、第2判定処理は、例えば、打音データをフーリエ変換して得られた周波数スペクトルのピークの全体の平均に対する大きさに基づいて不良度を判定する処理とすることができる。出力部5は、打音データから第1判定処理によって得られた不良度と「赤」の濃淡とを対応させた判定結果をモニタ6に出力する。第1判定結果の不良度に対応する「赤」は、不良度が高い程、濃く出力し、不良度が低い(正常)程、薄く出力する。また、これとは別に、出力部5は、打音データから第2判定処理によって得られた不良度と「青」の濃淡とを対応させた判定結果をモニタ6に出力する。第2判定結果の不良度に対応する「青」は、不良度が高い程、濃く出力し、不良度が低い(正常)程、薄く出力する。さらに、出力部5は、これらとは別に、第1判定結果の不良度に対応する「赤」と第2判定結果の不良度に対応する「青」とを重ねて出力する。
【0023】
これにより、実施形態では、モニタ6の画面に、「第1判定処理による不良度の結果(第1判定結果)」と「第2判定処理による不良度の結果(第2判定結果)」との総合的な評価として、赤と青とが重なって得られる赤紫が出力される。即ち、実施形態では、モニタ6の画面6Aに表示される赤紫の濃淡に基づいて、第1判定結果と第2判定結果との両方の結果を考慮した総合的な不良度の判断を行うことができる。なお、「第1判定結果」と「第2判定結果」と「これらを重ねて得られる結果」との3つの結果は、モニタ6の画面6Aに並べて表示してもよいし、選択操作によってモニタ6の画面6Aにいずれかを表示できるようにしてもよい。
【0024】
実施形態による打音検査装置1は、上述の如き構成を有するもので、次に、その作動について説明する。
【0025】
図2は、打音検査装置1により検査される対象、即ち、被検体としてのコンクリート構造物11を示している。このコンクリート構造物11は、直方体状のコンクリート壁11Aに、それぞれが円柱状に形成された複数のコンクリート片11Bを埋め込むことにより構成されている。
図2のコンクリート構造物11は、検査結果を評価できるように、コンクリート片11Bの不良度がそれぞれ異なっている。実施形態では、
図2の右下側程、不良の程度が大きくなっている。このため、検査結果は、
図2の右下側程、不良度が高く表示される。
【0026】
図3は、打音検査を行うときにハンマーにより叩いた位置(打撃位置、打音位置)を黒点「・」で示している。検査者は、ハンマーによりコンクリート構造物11の25個所の黒点「・」を順番に叩く。このとき、ハンマーの打撃音である打音を、マイクロフォン、振動検出センサ等を用いて記録(録音)する。この場合、打撃位置と打音とを対応させて記録する。
図7および
図8は、打音データの例を示している。
【0027】
なお、打音検査装置1は、例えば携帯可能なラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、小型専用機等により構成した場合は、打音検査を行う現場に打音検査装置1を持参して、その現場で打音を記録(録音)しつつ不良度の判定を行うことができる。これに対して、検査を行う現場に打音検査装置1を持参しない場合には、現場でUSBメモリ等の記憶装置に打音データを保存した後、その記憶装置から打音データを読み込み、不良度の判定を行うことができる。
【0028】
いずれにしても、打音検査装置1には、25個所の打撃位置の打音データが入力される。入力された打音データは、打撃位置と対応させて記憶部3に記憶される。打音検査装置1は、記憶された打音データと打撃位置とに基づいて、打撃位置の不良度を判定する。この場合、実施形態では、2つの異なる判定処理(第1判定処理、第2判定処理)により、不良度を判定する。
【0029】
例えば、第1判定処理では、打音が収束するまでの時間および/または減衰率に基づいて不良度を判定する。
図7は、健全(正常)な場合の打音データを示している。これに対して、
図8は、内部に不良がある場合の打音データを示している。
図7と
図8と比較すると、打音の波形が収束するまでの時間、換言すれば、減衰率が異なる。第1判定処理では、打音が収束するまでの時間が長い程(減衰率が低い程)、不良度合いが高いと判定する。
【0030】
即ち、打音検査装置1の判定部4は、第1判定処理により、打音が収束するまでの時間が長い程(減衰率が低い程)、不良度合いが高いと判定し、その判定結果を、出力部5に出力する。出力部5は、第1判定処理によって得られた不良度合いを赤の濃淡と対応させてモニタ6に表示する。
図4は、第1判定結果が表示されたモニタ6の画面6Aを示している。モニタ6の画面6Aには、二点鎖線で示すように被検体であるコンクリート構造物11が背景として表示されると共に、このコンクリート構造物11の打撃位置に対応して第1判定処理による不良度が赤の濃淡で表示される。
【0031】
また、第2判定処理では、打音データをフーリエ変換して得られた周波数スペクトルのピークの全体の平均に対する大きさに基づいて不良度を判定する。
図9は、健全(正常)な場合の周波数スペクトルを示している。これに対して、
図10は、内部に不良がある場合の周波数スペクトルを示している。
図9と
図10と比較すると、ピークが異なる。具体的には、
図10では、横軸(周波数)の2000Hz付近に非常に大きなピークが存在する。第2判定処理では、全体の平均に対してピークが大きい程、不良度合いが高いと判定する。
【0032】
即ち、打音検査装置1の判定部4は、第2判定処理により、全体の平均に対してピークが大きい程、不良度合いが高いと判定し、その判定結果を、出力部5に出力する。出力部5は、第2判定処理によって得られた不良度合いを青の濃淡と対応させてモニタ6に表示する。
図5は、第2判定結果が表示されたモニタ6の画面6Aを示している。モニタ6の画面6Aには、二点鎖線で示すように被検体であるコンクリート構造物11が背景として表示されると共に、このコンクリート構造物11の打撃位置に対応して第2判定処理による不良度が青の濃淡で表示される。
【0033】
これに加えて、実施形態では、出力部5は、第1判定結果の赤と第2判定結果の青とを重ねてモニタ6に表示する。
図6は、第1判定結果と第2判定結果とが重ねて表示されたモニタ6の画面6Aを示している。モニタ6の画面6Aには、二点鎖線で示すように被検体であるコンクリート構造物11が背景として表示されると共に、このコンクリート構造物11の打撃位置に対応して第1判定処理の不良度と第2判定処理による不良度との総合的な不良度が赤紫の濃淡で表示される。
【0034】
図4ないし
図6に示すように、実施形態では、打音データを用いた判定結果(解析結果)がモニタ6の画面6Aに表示される。
図4に示すように、モニタ6の画面6Aには、第1判定処理による結果として、不良度合いが高い程、赤が濃く表示される。また、
図5に示すように、モニタ6の画面6Aには、第1判定処理とは異なる判定処理である第2の判定処理による結果として、不良度合いが高い程、青が濃く表示される。
【0035】
さらに、
図6に示すように、モニタ6の画面6Aには、第1判定処理と第2判定結果とが重ね合わせて表示される。
図6のモニタ6の画面6Aは、総合的な不良度合いの判定結果に対応する。この場合、総合的な不良度合いが高い程、赤紫が濃く表示される。このため、実施形態によれば、熟練の打音検査者でなくても一目で不良個所が分かる。また、数字より直感的で分かり易い。
【0036】
以上のように、実施形態によれば、打音検査の検査結果としてモニタ6の画面6Aには、「第1判定結果の第1色(赤)」と「第2判定結果の第2色(青)」とが重なって出力される。このため、モニタ6の画面6Aに表示された色の濃淡、即ち、第1判定結果の第1色(赤)と第2判定結果の第2色(青)とが重なって得られる色(重なり色となる赤紫)の濃淡に基づいて、コンクリート構造物11の不良(異常、劣化)を判断することができる。即ち、1つの判定処理の結果である1色の濃淡だけではなく、2つの判定処理の結果である2色が重なった色(重なり色)の濃淡に基づいて、コンクリート構造物11の不良を判断することができる。これにより、1つの判定処理の結果から不良を判断する場合と比較して、精度良く不良を判断することができる。しかも、色(赤紫)の濃淡から不良を判断することができる。このため、熟練の検査者でなくても、打音検査の結果(不良の判定結果)を精度良く一目で判断することができる。
【0037】
実施形態によれば、第1判定処理は、打音が収束するまでの時間および/または減衰率に基づいて不良度を判定する処理である。また、第2判定処理は、打音データをフーリエ変換して得られた周波数スペクトルのピークの全体の平均に対する大きさに基づいて不良度を判定する処理である。このため、「打音が収束するまでの時間および/または減衰率に基づく不良度に対応した第1色(赤)の濃淡」と「周波数スペクトルのピークの全体の平均に対する大きさに基づく不良度に対応した第2色(青)の濃淡」とが重なって得られる色(赤紫)の濃淡に基づいて、被検体の不良を精度良く判断することができる。
【0038】
実施形態によれば、第1色(赤)および第2色(青)は、不良度が高い程、濃い色である。このため、色が濃い程、不良であると判断することができ、色が薄い程、不良でない(正常である、健全である)と判断することができる。なお、第1色および第2色を、不良度が高い程薄い色としてもよい。この場合には、色が薄い程、不良であると判断することができ、色が濃い程、不良でない(正常である、健全である)と判断することができる。
【0039】
実施形態によれば、第1判定結果の第1色(赤)と第2判定結果の第2色(青)とが重なって出力される対象(情報伝達媒体)は、表示装置であるモニタ6の画面6Aである。このため、モニタ6の画面6Aに、打音検査の総合的な結果(不良の総合的な判定結果)、即ち、「第1判定結果の第1色」と「第2判定結果の第2色」とを重ねて出力できる。
【0040】
なお、実施形態では、モニタ6の画面6Aに第1判定結果の第1色(赤)と第2判定結果の第2色(青)とを重ねて出力する場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、第1判定結果の第1色(赤)と第2判定結果の第2色(青)とが重なって出力される対象(情報伝達媒体)を、紙媒体としてもよい。紙媒体とした場合には、この紙媒体に、打音検査の総合的な結果(不良の総合的な判定結果)、即ち、「第1判定結果の第1色」と「第2判定結果の第2色」とを重ねて出力できる。
【0041】
実施形態では、第1判定結果の第1色を「赤」とし、第2判定結果の第2色を「青」とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、第1色を「赤」とし、第2色を「緑」としてもよい。即ち、第1色は、「赤」と「青」と「緑」とのうちのいずれかの色とし、第2色は、「赤」と「青」と「緑」とのうちの第1色とは異なる色とすることができる。そして、例えば、
図4ないし
図6に示すように、第1色を「赤」とし、第2色を「青」とした場合は、モニタ6の画面6A等の情報伝達媒体に出力される「赤紫」の濃淡に基づいて、被検体であるコンクリート構造物11の不良を判断することができる。
【0042】
これに対して、例えば、第1色を「赤」とし、第2色を「緑」とした場合は、モニタ6の画面6A等の情報伝達媒体に出力される「黄」の濃淡に基づいて、被検体であるコンクリート構造物11の不良を判断することができる。さらに、例えば、第1色を「青」とし、第2色を「緑」とした場合は、モニタ6の画面6A等の情報伝達媒体に出力される「青緑」の濃淡に基づいて、被検体であるコンクリート構造物11の不良を判断することができる。
【0043】
また、例えば、第1色を「マゼンタ」とし、第2色を「シアン」としてもよい。即ち、第1色は、「マゼンタ」と「シアン」と「イエロー」とのうちのいずれかの色とし、第2色は、「マゼンタ」と「シアン」と「イエロー」とのうちの第1色とは異なる色とすることもできる。そして、例えば、第1色を「マゼンタ」とし、第2色を「シアン」とした場合は、モニタ6の画面6A等の情報伝達媒体に出力される「ブルー」の濃淡に基づいて、被検体であるコンクリート構造物11の不良を判断することができる。
【0044】
また、例えば、第1色を「マゼンタ」とし、第2色を「イエロー」とした場合は、モニタ6の画面6A等の情報伝達媒体に出力される「レッド」の濃淡に基づいて、被検体であるコンクリート構造物11の不良を判断することができる。さらに、例えば、第1色を「シアン」とし、第2色を「イエロー」とした場合は、モニタ6の画面6A等の情報伝達媒体に出力される「グリーン」の濃淡に基づいて、被検体であるコンクリート構造物11の不良を判断することができる。
【0045】
実施形態では、第1判定結果と第2判定結果との2つの判定処理の結果を重ねて出力する場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、第1判定結果と第2判定結果と第3判定結果との3つの判定処理の結果を重ねて出力してもよい。即ち、「打音データから第3判定処理によって得られた不良度」と「第3色の濃淡」とを対応させた判定結果を「第3判定結果」とする。第3判定処理は、第1判定処理および第2判定処理とは異なる不良度の判定処理であり、第3色は、第1色および第2色とは異なる色である。この場合に、出力部5は、第1判定結果の第1色と第2判定結果の第2色と第3判定結果の第3色とを重ねて出力する。このような構成によれば、打音検査の結果(検査結果)としてモニタ6の画面6A等の情報伝達媒体には、「第1判定結果の第1色」と「第2判定結果の第2色」と「第3判定結果の第3色」とが重なって出力される。
【0046】
このため、モニタ6の画面6A等の情報伝達媒体に出力された色の濃淡、即ち、第1判定結果の第1色(例えばマゼンタ)と第2判定結果の第2色(例えばシアン)と第3判定結果の第3色(例えばイエロー)とが重なって得られる色(重なり色、例えばブルー、グリーン、レッドおよびブラック)の濃淡に基づいて、被検体であるコンクリート構造物11の不良(異常、劣化)を判断することができる。即ち、3つの判定処理の結果である3色が重なった色(重なり色)の濃淡に基づいて、被検体であるコンクリート構造物11の不良を判断することができる。これにより、より精度良く不良を判断することができる。しかも、色(例えば、ブルー、グリーン、レッドおよびブラック)の濃淡から不良を判断することができる。このため、熟練の検査者でなくても、打音検査の結果(不良の判定結果)をより精度良く判断することができる。
【0047】
また、第3判定処理は、例えば、打音データから音色に基づいて不良度を判定する処理とすることができる。これにより、「打音が収束するまでの時間および/または減衰率に基づく不良度に対応した第1色(例えばマゼンタ)の濃淡」と「周波数スペクトルのピークの全体の平均に対する大きさに基づく不良度に対応した第2色(例えばシアン)の濃淡」と「音色に基づく不良度に対応した第3色(例えばイエロー)の濃淡」とが重なって得られる色(例えばブルー、グリーン、レッドおよびブラック)の濃淡に基づいて、被検体であるコンクリート構造物11の不良を精度良く判断することができる。
【0048】
実施形態では、打音が収束するまでの時間、減衰率、周波数スペクトルのピーク、音色から不良を判定(解析)する場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、振幅から不良を判定(解析)してもよいし、これら以外の解析手法(判定手法)を用いてもよい。例えば、前述の特許文献1-3に記載された不良の解析手法を用いてもよい。即ち、コンクリート構造物11等の被検体の不良の判定(解析)は、被検体の不良(異常、劣化)の度合い、正常の度合い、健全の度合いを判定(解析)できる各種の判定手法(解析手法)を用いることができる。そして、異なる判定手法(解析手法)の判定結果(色)を重ね合わせて出力(表示)することにより、複数の判定結果を総合的に出力(表示)することができる。
【0049】
実施形態では、打音検査の対象である被検体を試験用のコンクリート構造物11とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、被検体は、例えば、コンクリート製の建物、トンネル、橋、道路等、各種のコンクリート構造物とすることができる。また、コンクリート構造物は、コンクリートが露出した外面(外壁)だけでなく、塗装された外面、タイル張りの外面、モルタルで仕上げた外面等、コンクリートが覆われていてもよい。さらに、被検体は、コンクリート構造物に限らず、打音に基づいて不良(例えば、内部亀裂、内部剥離、空洞、浮き等)の検査が可能な各種の検査対象物(各種の構造物)とすることができる。
【0050】
以上説明した実施形態によれば、打音検査の検査結果として情報伝達媒体には、「第1判定結果の第1色」と「第2判定結果の第2色」とが重なって出力される。このため、情報伝達媒体に出力された色の濃淡、即ち、第1判定結果の第1色(例えば赤)と第2判定結果の第2色(例えば青)とが重なって得られる色(重なり色、例えば赤紫)の濃淡に基づいて、被検体の不良(異常、劣化)を判断することができる。即ち、1つの判定処理の結果である1色の濃淡だけではなく、2つの判定処理の結果である2色が重なった色(重なり色)の濃淡に基づいて、被検体の不良を判断することができる。これにより、1つの判定処理の結果から不良を判断する場合と比較して、精度良く不良を判断することができる。しかも、色(例えば赤紫)の濃淡から不良を判断することができる。このため、熟練の検査者でなくても、打音検査の結果(不良の判定結果)を精度良く一目で判断することができる。
【0051】
実施形態によれば、第1判定処理は、打音が収束するまでの時間および/または減衰率に基づいて不良度を判定する処理である。また、第2判定処理は、打音データをフーリエ変換して得られた周波数スペクトルのピークの全体の平均に対する大きさに基づいて不良度を判定する処理である。このため、「打音が収束するまでの時間および/または減衰率に基づく不良度に対応した第1色(例えば赤)の濃淡」と「周波数スペクトルのピークの全体の平均に対する大きさに基づく不良度に対応した第2色(例えば青)の濃淡」とが重なって得られる色(例えば赤紫)の濃淡に基づいて、被検体の不良を精度良く判断することができる。
【0052】
実施形態によれば、第1色は、赤と青と緑とのうちのいずれかの色であり、第2色は、赤と青と緑とのうちの第1色とは異なる色である。このため、例えば、第1色を赤とし、第2色を青とした場合は、情報伝達媒体に出力された赤紫の濃淡に基づいて被検体の不良を判断することができる。また、例えば、第1色を赤とし、第2色を緑とした場合は、情報伝達媒体に出力された黄の濃淡に基づいて被検体の不良を判断することができる。さらに、例えば、第1色を青とし、第2色を緑とした場合は、情報伝達媒体に出力された青緑の濃淡に基づいて被検体の不良を判断することができる。
【0053】
実施形態によれば、第1色は、マゼンタとシアンとイエローとのうちのいずれかの色であり、第2色は、マゼンタとシアンとイエローとのうちの第1色とは異なる色である。このため、例えば、第1色をマゼンタとし、第2色をシアンとした場合は、情報伝達媒体に出力されたブルーの濃淡に基づいて被検体の不良を判断することができる。また、例えば、第1色をマゼンタとし、第2色をイエローとした場合は、情報伝達媒体に出力されたレッドの濃淡に基づいて被検体の不良を判断することができる。さらに、例えば、第1色をシアンとし、第2色をイエローとした場合は、情報伝達媒体に出力されたグリーンの濃淡に基づいて被検体の不良を判断することができる。
【0054】
実施形態によれば、第1色および第2色は、不良度が高い程、濃い色である。このため、色が濃い程、不良であると判断することができ、色が薄い程、不良でない(正常である)と判断することができる。なお、第1色および第2色を、不良度が高い程薄い色とした場合には、色が薄い程、不良であると判断することができ、色が濃い程、不良でない(正常である)と判断することができる。
【0055】
実施形態によれば、情報伝達媒体は、紙媒体、または、表示装置の画面である。このため、情報伝達媒体を紙媒体とした場合には、この紙媒体に打音検査の結果(不良の判定結果)を出力できる。また、情報伝達媒体を画面(表示画面)とした場合には、この画面(表示画面)に打音検査の結果(不良の判定結果)を出力できる。
【0056】
実施形態によれば、打音検査の結果として情報伝達媒体には、「第1判定結果の第1色」と「第2判定結果の第2色」と「第3判定結果の第3色」とが重なって出力される。このため、情報伝達媒体に出力された色の濃淡、即ち、第1判定結果の第1色(例えばマゼンタ)と第2判定結果の第2色(例えばシアン)と第3判定結果の第3色(例えばイエロー)とが重なって得られる色(重なり色、例えばブルー、グリーン、レッドおよびブラック)の濃淡に基づいて、被検体の不良(異常、劣化)を判断することができる。即ち、3つの判定処理の結果である3色が重なった色(重なり色)の濃淡に基づいて、被検体の不良を判断することができる。これにより、より精度良く不良を判断することができる。しかも、色(例えば、ブルー、グリーン、レッドおよびブラック)の濃淡から不良を判断することができる。このため、熟練の検査者でなくても、打音検査の結果(不良の判定結果)をより精度良く判断することができる。
【0057】
実施形態によれば、第3判定処理は、打音データから音色に基づいて不良度を判定する処理である。このため、「打音が収束するまでの時間および/または減衰率に基づく不良度に対応した第1色(例えばマゼンタ)の濃淡」と「周波数スペクトルのピークの全体の平均に対する大きさに基づく不良度に対応した第2色(例えばシアン)の濃淡」と「音色に基づく不良度に対応した第3色(例えばイエロー)の濃淡」とが重なって得られる色(例えばブルー、グリーン、レッドおよびブラック)の濃淡に基づいて、被検体の不良を精度良く判断することができる。
【符号の説明】
【0058】
1 打音検査装置
2 入力部
3 記憶部
4 判定部(解析部)
5 出力部(打音検査結果出力装置)
6 モニタ
6A 画面(情報伝達媒体)
11 コンクリート構造物(被検体)