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特開2024-125629炊飯システム、炊飯制御方法、及びサーバ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125629
(43)【公開日】2024-09-19
(54)【発明の名称】炊飯システム、炊飯制御方法、及びサーバ
(51)【国際特許分類】
   A47J 27/00 20060101AFI20240911BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240911BHJP
【FI】
A47J27/00 109Z
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023033568
(22)【出願日】2023-03-06
(71)【出願人】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 奨一
(72)【発明者】
【氏名】森田 賢治
(72)【発明者】
【氏名】加藤 功記
【テーマコード(参考)】
4B055
5L049
【Fターム(参考)】
4B055AA02
4B055BA31
4B055CB01
4B055CC18
4B055CD45
4B055CD57
4B055GA04
4B055GB11
4B055GC36
5L049AA21
(57)【要約】
【課題】利便性の高い炊飯システム等を提供する。
【解決手段】炊飯システム100は、炊飯器10と、炊飯器10との間で通信を行うとともに、炊飯器10を使用するユーザの情報端末30との間で通信を行う総合管理サーバ20と、を備え、ユーザによる情報端末30の操作に基づいて、米の炊き上がりに関するユーザの好み情報が更新された場合、総合管理サーバ20、情報端末30、又は炊飯器10は、更新後の好み情報に基づいて、炊飯パラメータを変更し、炊飯器10は、変更後の炊飯パラメータに基づいて炊飯を行う。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炊飯器と、
前記炊飯器との間で通信を行うとともに、前記炊飯器を使用するユーザの情報端末との間で通信を行うサーバと、を備え、
ユーザによる前記情報端末の操作に基づいて、米の炊き上がりに関するユーザの好み情報が更新された場合、前記サーバ、前記情報端末、又は前記炊飯器は、更新後の前記好み情報に基づいて、所定の炊飯パラメータを変更し、
前記炊飯器は、変更後の前記炊飯パラメータに基づいて炊飯を行う、炊飯システム。
【請求項2】
前記炊飯器による炊飯の完了後に前記炊飯器の蓋が初めて開けられた場合、前記炊飯器は、前記蓋の開信号を前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記炊飯器から前記開信号を受信した時から所定時間が経過した場合、前記好み情報の更新要求信号を前記情報端末に送信し、
前記情報端末は、前記サーバから前記更新要求信号を受信した場合、前記好み情報の更新用の入力画面を表示させること
を特徴とする請求項1に記載の炊飯システム。
【請求項3】
前記情報端末は、前記好み情報の種類に対応付けられた一つ又は複数の軸線を所定に表示させ、現状の前記好み情報を前記軸線上の位置で示すこと
を特徴とする請求項1に記載の炊飯システム。
【請求項4】
前記情報端末は、現状の前記好み情報を基準として、ユーザが前記好み情報を変化させる際の変化量に基づく複数の選択肢を表示させ、
複数の前記選択肢のうち、ユーザによる前記情報端末の操作で所定の選択肢が選択された場合、当該選択肢に対応する前記好み情報に基づいて、前記炊飯パラメータが変更されること
を特徴とする請求項1に記載の炊飯システム。
【請求項5】
前記情報端末は、前記炊飯器が購入されてから1回も炊飯が行われていない場合において、前記好み情報に関する所定の画面を表示させるとき、前記好み情報の更新画面への遷移を行わないこと
を特徴とする請求項1に記載の炊飯システム。
【請求項6】
前記好み情報が更新されてから、更新後の前記好み情報に基づく炊飯が前記炊飯器で完了するまでは、前記好み情報の再度の更新が禁止されること
を特徴とする請求項1に記載の炊飯システム。
【請求項7】
前記サーバは、前記好み情報及び前記炊飯パラメータを、前記炊飯器及び前記情報端末に対応付けて記憶すること
を特徴とする請求項1に記載の炊飯システム。
【請求項8】
前記炊飯器が別の型式の新たな炊飯器に買い替えられた場合において、前記情報端末から前記新たな炊飯器の識別情報を受信したとき、前記サーバは、買い替え前の前記炊飯器で使用していた前記好み情報に対応する前記炊飯パラメータを、前記新たな炊飯器に適合する所定の炊飯パラメータに変換し、変換後の前記所定の炊飯パラメータを前記新たな炊飯器に送信し、
前記新たな炊飯器は、前記所定の炊飯パラメータに基づいて炊飯を行うこと
を特徴とする請求項7に記載の炊飯システム。
【請求項9】
前記サーバは、前記炊飯器で炊飯が行われるときの天気情報と、更新後の前記好み情報と、に基づいて、前記炊飯パラメータを変更すること
を特徴とする請求項1に記載の炊飯システム。
【請求項10】
前記サーバは、前記炊飯器で炊飯が行われるたびに、当該炊飯に用いられた米の量を算出し、ユーザが所有する米の残量の推定値が所定値以下になった場合、米の購入サイトに誘導する画面を前記情報端末に表示させ、米の残量の前記推定値と、前記購入サイトで新たに購入された米の量と、に基づいて、ユーザが所有する米の量を更新すること
を特徴とする請求項1に記載の炊飯システム。
【請求項11】
前記サーバは、前記炊飯器で炊飯が行われるたびに、当該炊飯に用いられた米の量を算出し、ユーザが所有する米の残量の推定値が所定値以下になった場合、米の購入サイトに誘導する画面を前記情報端末に表示させ、前記購入サイトで購入された米の製造年月日と、前記好み情報と、に基づいて、前記炊飯パラメータを変更すること
を特徴とする請求項1に記載の炊飯システム。
【請求項12】
炊飯器との間で通信を行うとともに、前記炊飯器を使用するユーザの情報端末との間で通信を行うサーバを含む炊飯システムで実行される炊飯制御方法であって、
ユーザによる前記情報端末の操作に基づいて、米の炊き上がりに関するユーザの好み情報が更新された場合、前記サーバ、前記情報端末、又は前記炊飯器が、更新後の前記好み情報に基づいて、所定の炊飯パラメータを変更する炊飯パラメータ変更ステップと、
前記炊飯器が、変更後の前記炊飯パラメータに基づいて炊飯を行う炊飯ステップと、を含む炊飯制御方法。
【請求項13】
炊飯器との間で通信を行うとともに、前記炊飯器を使用するユーザの情報端末との間で通信を行うサーバであって、
ユーザによる前記情報端末の操作に基づいて、米の炊き上がりに関するユーザの好み情報が更新された場合、前記サーバは、更新後の前記好み情報に基づいて、所定の炊飯パラメータを変更し、変更後の前記炊飯パラメータを前記炊飯器に送信する、サーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、炊飯システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
炊飯器で米を炊き上げる際にユーザの好みを反映させる技術として、例えば、特許文献1に記載の技術が知られている。すなわち、特許文献1には、「調理終了後にユーザが評価入力手段により出来上がり評価を入力すると、その出来上がり評価に基づいて記憶手段に記憶されたパラメータが変更され、次回の調理時にはこの変更されたパラメータを有するフローが実行されて調理が行われる。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-342444号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、ユーザが炊飯器の所定のスイッチを押すことで出来上がりを評価するようにしているが、利便性の点で改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に係る炊飯システムは、炊飯器と、前記炊飯器との間で通信を行うとともに、前記炊飯器を使用するユーザの情報端末との間で通信を行うサーバと、を備え、ユーザによる前記情報端末の操作に基づいて、米の炊き上がりに関するユーザの好み情報が更新された場合、前記サーバ、前記情報端末、又は前記炊飯器は、更新後の前記好み情報に基づいて、所定の炊飯パラメータを変更し、前記炊飯器は、変更後の前記炊飯パラメータに基づいて炊飯を行うこととした。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態に係る炊飯システムが備える炊飯器の斜視図である。
図2】第1実施形態に係る炊飯システムが備える炊飯器の蓋が開かれた状態の斜視図である。
図3】第1実施形態に係る炊飯システムが備える炊飯器の断面図である。
図4】第1実施形態に係る炊飯システムの構成図である。
図5A】第1実施形態に係る炊飯システムにおいて、炊飯器で炊き上げられるご飯の現状の柔らかさの設定を示す表示画面の例である。
図5B】第1実施形態に係る炊飯システムにおいて、ご飯の柔らかさの設定を更新に用いられる選択画面の表示例である。
図6】第1実施形態に係る炊飯システムのタイムチャートである。
図7】第1実施形態の第1の変形例に係る炊飯システムのタイムチャートである。
図8】第1実施形態の第2の変形例に係る炊飯システムのタイムチャートである。
図9】第2実施形態に係る炊飯システムの構成図である。
図10】第2実施形態に係る炊飯システムのタイムチャートである。
図11】第3実施形態に係る炊飯システムの構成図である。
図12】第3実施形態に係る炊飯システムのタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
≪第1実施形態≫
<炊飯器の構成>
図1は、第1実施形態に係る炊飯システムが備える炊飯器10の斜視図である。
図1に示す炊飯器10は、米を炊き上げるための調理装置である。図1に示すように、炊飯器10は、本体1と、蓋2と、操作部3と、表示部4と、フックボタン5と、電源プラグ6と、を備えている。本体1は、後記する内釜7(図2参照)といった各部材が内部に設置される収容体である。蓋2は、本体1の開口を塞ぐものであり、外蓋回動軸8(図3参照)を介して回動自在になっている。なお、炊飯器10には、蓋2の開閉状態を示す信号を制御回路16(図3参照)に出力するための蓋スイッチ(図示せず)が設けられている。蓋2の後部には、炊飯中に蒸気を外に逃がすための蒸気口H1が設けられている。
【0008】
操作部3は、ユーザによる所定の操作を受け付けるものであり、蓋2の表面に設けられている。例えば、炊飯コースの選択やタイマ設定の他、炊飯開始や取消しといったボタンが操作部3として設けられている。表示部4は、操作部3を介したユーザの操作に基づいて、所定の情報を表示させるディスプレイであり、蓋2の表面に設けられている。フックボタン5は、蓋2を開く際にユーザが押すボタンである。電源プラグ6は、炊飯器10への電力供給に用いられる接続器具である。
【0009】
図2は、炊飯器10の蓋2が開かれた状態の斜視図である。
図2に示すように、炊飯器10は、内釜7を備えている。内釜7は、炊飯対象の米や水が入れられる金属製の釜であり、上側が開口した有底円筒状を呈している。なお、本体1には、内釜7に対応した形状の開口部(符号は図示せず)が形成されている。
【0010】
また、炊飯器10は、前記した蓋2に含まれる構成として、外蓋2aと、内蓋2bと、パッキン2cと、を備えている。外蓋2aは、本体1とともに炊飯器10の外郭を構成する蓋部材である。内蓋2bは、内釜7とともに密閉空間を形成する蓋部材であり、外蓋2aに対して内側(内釜7側)に設置されている。パッキン2cは、内蓋2bと内釜7との間を密閉するための環状の樹脂製部材であり、内蓋2bの周縁に設置されている。
【0011】
図3は、炊飯器10の断面図である。
図3に示す炊飯器10は、前記した各構成の他に、外蓋回動軸8と、結露受け皿9と、加熱部11と、インバータ回路12と、を備えている。さらに、炊飯器10は、温度検出部13と、送風部14と、調圧弁15と、制御回路16と、を備えている。外蓋回動軸8は、蓋2(図2参照)を回動自在に軸支するものである。結露受け皿9は、炊飯中に生じた結露水を受けるための皿であり、内蓋2bの下側(内釜7側)に配置されている。なお、結露受け皿9に滴り落ちた結露水は再び蒸気になり、蒸気通路H2及び蒸気口H1を順次に介して外に逃がされる。
【0012】
加熱部11は、例えば、内釜7を加熱するための誘導加熱コイルであり、内釜7の底の下側に設置されている。なお、内釜7には、電磁誘導で渦電流を発生させるための所定の磁性金属が含まれているものとする。インバータ回路12は、電源プラグ6(図1参照)を介して供給される交流電力に対して所定の電力変換を行う回路である。インバータ回路12で変換された電力は、加熱部11や送風部14や制御回路16に出力される。
【0013】
温度検出部13は、内釜7の温度を検出するセンサであり、内釜7の底の下側に設置されている。送風部14は、内釜7の周囲で空気を循環させるためのファンであり、内釜7の後側に設置されている。調圧弁15は、内釜7の内側の圧力を調整する弁であり、内蓋2bの上面の中央付近に設置されている。
【0014】
制御回路16は、図示はしないが、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、各種インタフェースを含んで構成されている。そして、ROMに記憶されたプログラムを読み出してRAMに展開し、CPUが各種処理を実行するようになっている。制御回路16は、操作部3(図1参照)を介した操作の他、ネットワークN1(図4参照)を介して総合管理サーバ20(図4参照)から受信した炊飯パラメータに基づいて、炊飯を所定に実行する。なお、制御回路16は、総合管理サーバ20(図4参照)との間でネットワークN1(図4参照)を介して情報を送受信するための通信回路(図示せず)を有するものとする。
【0015】
<炊飯システムの構成>
図4は、炊飯システム100の構成図である。
図4に示すように、炊飯システム100は、炊飯器10と、総合管理サーバ20(サーバ)と、情報端末30と、を含んで構成されている。総合管理サーバ20は、炊飯器10との間でネットワークN1を介して通信を行うとともに、情報端末30との間でネットワークN2を介して通信を行うサーバである。なお、炊飯器10の識別情報と、情報端末30の識別情報と、を紐付けたデータが総合管理サーバ20に記憶されているものとする。また、炊飯器10と総合管理サーバ20との間で通信を中継するルータ等(図示せず)が炊飯器10の付近に設けられていてもよい。
【0016】
情報端末30は、炊飯器10を使用するユーザの端末機である。このような情報端末30として、例えば、スマートフォンや携帯電話の他、タブレットやパーソナルコンピュータが用いられる。情報端末30には、炊飯の設定に関する所定のアプリケーションがダウンロードされている。
【0017】
そして、炊飯器10で炊き上がったご飯を食べたユーザが、「もう少し柔らかいご飯のほうがよい」といった所定の好み情報を情報端末30に入力すると、情報端末30からネットワークN2を介して、総合管理サーバ20に好み情報が送信されるようになっている。総合管理サーバ20は、ユーザの好み情報に基づいて、炊飯器10の炊飯パラメータを所定に変更する。このような炊飯パラメータとして、例えば、炊飯前の米の浸し時間の他、炊飯中の加熱時間や加熱温度や蒸らし時間といったものが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0018】
総合管理サーバ20で変更された炊飯パラメータは、ネットワークN1を介して、炊飯器10に送信される。炊飯器10は、総合管理サーバ20から受信した炊飯パラメータに基づいて、次回からの炊飯を行う。このようにして、炊飯器10で米が炊き上げられる際にユーザの好み情報が反映される。
【0019】
図5Aは、炊飯器で炊き上げられるご飯の現状の柔らかさの設定を示す表示画面の例である。
米の炊き上がりに関する好み情報の入力に先立って、まず、図5Aのような表示画面が情報端末30(図4参照)に表示される。図5Aの例では、「もちもち」を一端とし、「しゃっきり」を他端とする軸線L1上の点M1の位置で好み情報の現在の設定が示されている。なお、図5Aに示す「もちもち」とは、ユーザが変更可能な範囲内でご飯の柔らかさの度合いが最も高い場合の設定を示している。また、図5Aに示す「しゃっきり」とは、ユーザが変更可能な範囲内でご飯の柔らかさの度合いが最も低い場合の設定を示している。
【0020】
このように、情報端末30(図4参照)は、ご飯の柔らかさ(好み情報の種類)に対応付けられた軸線L1を表示させ、現状の好み情報を軸線L1上の点M1の位置で示す。これによって、ご飯の柔らかさ度合いに関する現状の設定をユーザが把握できる。
【0021】
軸線L1上で点M1の位置が「しゃっきり」から「もちもち」に近くなるにつれて、ご飯の柔らかさの度合いが段階的に高くなる。例えば、ご飯の柔らかの度合いを示す数値として、図5Aの「もちもち」では「+6」が対応付けられ、「しゃっきり」では「-6」が、また、その中間の位置P1では「0」が対応付けられるようにしてもよい。この場合には、ご飯の柔らかさが13段階で変更可能になる。図5Aの例では、中間の位置P1よりもご飯の炊き上がりが柔らかさめに設定されている。第1実施形態では、軸線L1上の点M1の位置で現状のご飯の柔らかさを確認したユーザが、「好み情報の選択画面へ」のボタンB1を操作し、次の図5Bの選択画面でご飯の柔らかさの設定を更新するようにしている。
【0022】
図5Bは、ご飯の柔らかさの設定を更新に用いられる選択画面の表示例である。
図5Bの例では、現状のご飯の柔らかさを基準として、「もう少しもっちり」と、「もっともっちり」と、「もう少ししゃっきり」と、「もっとしゃっきり」と、の4つの選択肢が情報端末30(図4参照)に表示されている。なお、ご飯の柔らかさの度合いの現状に対する変化量は、例えば、「もっともっちり」では「+2」であり、「もう少しもっちり」では「+1」であり、「もう少ししゃっきり」では「-1」であり、また、「もっとしゃっきり」では「-2」である。
【0023】
このように、情報端末30(図4参照)は、現状の好み情報(図5A参照)を基準として、ユーザが好み情報を変化させる際の変化量に基づく複数の選択肢を表示させる(図5B参照)。なお、基準となる「現状の好み情報」とは、図5Aの軸線L1上の点M1の位置に対応するご飯の柔らかさであり、また、ユーザが直近に食べたご飯の柔らかさでもある。そして、複数の選択肢(図5Bの例では4つの選択肢)のうち、ユーザによる情報端末30(図4参照)の操作で所定の選択肢が選択された場合、この選択肢に対応する好み情報に基づいて、総合管理サーバ20が炊飯パラメータを変更するようになっている。
【0024】
例えば、情報端末30(図4参照)の操作で「もう少しもっちり」が選択され、さらに、「好み情報を更新」のボタンB2が操作された場合には、総合管理サーバ20(図4参照)は、次の処理を行う。すなわち、総合管理サーバ20は、情報端末30から受信した更新後の好み情報に基づいて、ご飯の柔らかさの度合いを示す数値を現状(図5Aの点M1の位置)から「+1」だけ大きくし、変更後の数値を炊飯器10に対応付けて記憶する。そして、総合管理サーバ20(図4参照)は、更新後の好み情報を所定の炊飯パラメータに変換する。総合管理サーバ20で算出された炊飯パラメータは、ネットワークN1(図4参照)を介して、炊飯器10(図4参照)に送信される。これによって、更新後の好み情報が次回からの炊飯に反映される。
【0025】
図6は、炊飯システムのタイムチャートである(適宜、図4も参照)。
炊飯器10で炊飯が完了する(ご飯が炊き上がる)と、ステップS101において炊飯器10は、ネットワークN1を介して、総合管理サーバ20に炊飯完了の信号を送信する。また、炊飯器10による炊飯の完了後に炊飯器10の蓋2(図2参照)が初めて開けられた場合、ステップS102において炊飯器10は、蓋2の開信号を総合管理サーバ20(サーバ)に送信する。なお、「開信号」とは、炊飯器10の蓋2(図2参照)が開けられたことを示す信号である。
【0026】
炊飯器10から開信号を受信した時から所定時間が経過した場合、ステップS103において総合管理サーバ20(サーバ)は、フィードバック要求の信号(好み情報の更新要求信号)を、ネットワークN2を介して情報端末30に送信する。前記した「所定時間」は、ユーザが蓋2を開けてからご飯を食べ終わるまでの平均的な時間に基づいて、予め設定されている。例えば、ユーザがご飯を食べ終わってからしばらくしたときにフィードバック要求の信号が情報端末30に送信されるようにしてもよい。なお、総合管理サーバ20から情報端末30へのフィードバック要求は、プッシュ通知であってもよい。
【0027】
ステップS104において総合管理サーバ20は、現状の好み情報を、ネットワークN2を介して情報端末30に送信する。具体的には、総合管理サーバ20は、ご飯の柔らかさの設定(例えば、13段階の柔らかさのうちのいずれか)を示す現状の好み情報を情報端末30に送信する。このように総合管理サーバ20(サーバ)からフィードバック要求の信号(更新要求信号)を受信した場合、情報端末30は、好み情報の更新用の入力画面(図5A図5B)を表示させる。
【0028】
ステップS105では、ユーザによる情報端末30の操作に基づいて、ご飯の柔らかさに関する好み情報が更新される。図5Bの例では、「もう少しもっちり」が選択されている。ステップS106において情報端末30は、ユーザが選択したご飯の柔らかさを示す情報を更新後の好み情報として、ネットワークN2を介して、総合管理サーバ20に送信する。
【0029】
ステップS107において総合管理サーバ20は、炊飯パラメータを算出する(炊飯パラメータ変更ステップ)。すなわち、総合管理サーバ20は、更新後の好み情報に基づいて、一つ又は複数の炊飯パラメータを所定に変更する。例えば、総合管理サーバ20は、米の浸し時間や加熱時間や蒸らし時間といった炊飯パラメータを適宜に変更する。このように、ユーザによる情報端末30の操作に基づいて、米の炊き上がりに関するユーザの好み情報が更新された場合、総合管理サーバ20(サーバ)は、更新後の好み情報に基づいて、所定の炊飯パラメータを変更する。
【0030】
なお、炊飯パラメータの種類や、好み情報に基づく炊飯パラメータを変更の仕方は、所定のプログラムとして予め設定され、総合管理サーバ20に記憶されている。また、図6では省略しているが、総合管理サーバ20(サーバ)は、米の炊き上がりに関するユーザの好み情報及び炊飯パラメータを、炊飯器10及び情報端末30に対応付けて記憶する。
【0031】
ステップS108において総合管理サーバ20は、ネットワークN1を介して、変更後の炊飯パラメータを炊飯器10に送信する。そして、図6では省略しているが、炊飯器10は、変更後の炊飯パラメータに基づいて、次回からの炊飯を行う(炊飯ステップ)。
【0032】
なお、炊飯器10が購入されてから1回も炊飯が行われていない場合において、好み情報に関する所定の画面を表示させるとき、情報端末30が、好み情報の更新画面(図5B参照)への遷移を行わないようにするとよい。これによって、炊飯がまだ1回も行われていない(つまり、ユーザが現状のご飯の柔らかさを把握していない)にもかかわらず、好み情報の更新画面が情報端末30に表示されることを防止できるため、ユーザの違和感を抑制できる。例えば、ご飯の柔らかさに関する現状の設定の表示画面(図5A参照)において、「好み情報の選択画面へ」というボタンB1(図5A参照)をユーザが操作しても、この操作が画面遷移に反映されないようにしてもよいし、また、所定のエラー表示が行われてもよい。また、図5Aの表示画面において、「好み情報の選択画面へ」というボタンB1を表示させないようにしてもよい。
【0033】
また、ユーザによる情報端末30の操作で好み情報が更新されてから、更新後の好み情報に基づく炊飯が炊飯器10で完了するまでは、好み情報の再度の更新が総合管理サーバ20等によって禁止されるようにすることが好ましい。仮に、好み情報の複数回に亘る更新(連続的な更新)が許容された場合、例えば、ご飯の柔らかさの度合いを「+2」にし(図5Bの「もっともっちり」を選択し)、その後でさらに「+2」にするといった操作が行われる可能性がある。このようにご飯の柔らかさの度合いを急激に変化させると、ユーザの想定よりも柔らかいご飯が炊き上がるといった可能性がある。前記したように、1回の炊飯に対して、好み情報の更新回数を1回に制限することで、ご飯の柔らかさの設定が急激に変化することを防止できる。
【0034】
また、炊飯器10が別の型式の新たな炊飯器(図示せず)に買い替えられた場合において、情報端末30から新たな炊飯器の識別情報を受信したとき、総合管理サーバ20(サーバ)が、次の処理を行うようにするとよい。すなわち、総合管理サーバ20が、買い替え前の炊飯器10で使用していた好み情報に対応する炊飯パラメータを、新たな炊飯器に適合する所定の炊飯パラメータに変換し、変換後の所定の炊飯パラメータを新たな炊飯器に送信するようにするとよい。この場合において、新たな炊飯器は、総合管理サーバ20から受信した所定の炊飯パラメータに基づいて炊飯を行う。これによって、ユーザが新しい型式の炊飯器(図示せず)に買い替えた場合でも、炊飯パラメータの互換性に基づいて、直近の好み情報が反映されたご飯を新たな炊飯器で炊き上げることができる。
【0035】
<効果>
第1実施形態によれば、ユーザによる情報端末30の操作に基づいて、ご飯の炊き上がりに関する好み情報を総合管理サーバ20が更新し、更新後の好み情報に基づいて炊飯パラメータを変更するようにしている。これによって、炊飯器10でご飯を炊き上げる際、ユーザの好みを反映させることができる。また、好み情報を更新する際、ユーザは情報端末30を操作すればよいため、ユーザにとっての利便性が高められる。
【0036】
また、ユーザが好み情報を更新する前に、ご飯の柔らかさに関する現状の設定(図5A参照)が情報端末30に表示される。これによって、ユーザが現状の設定を把握した上で、自身の好みが反映されるように好み情報を適宜に更新できる。また、炊飯器10では、制御回路16(図3参照)が所定の通信回路(図示せず)を備えるようにすればよいため、炊飯器10の構造の複雑化を招くといったことがほとんどない。したがって、炊飯器10の製造コストの増加を抑制しつつ、ユーザにとっての利便性を高めることができる。
【0037】
≪第1実施形態の第1の変形例≫
図7は、第1実施形態の第1の変形例に係る炊飯システムのタイムチャートである。
図7に示す第1の変形例は、好み情報に基づく炊飯パラメータの算出を情報端末30が行う点が、第1実施形態(図6参照)とは異なっている。なお、炊飯システム100(図4参照)の構成については、第1実施形態と同様である。したがって、第1実施形態とは異なる部分について説明し、重複する部分については説明を省略する。
【0038】
図7のステップS105において、ご飯の柔らかさに関する好み情報が入力された後、情報端末30の処理はステップS206に進む。ステップS206において情報端末30は、好み情報に基づいて、炊飯パラメータを算出する。つまり、ユーザによる情報端末30の操作に基づいて、米の炊き上がりに関するユーザの好み情報が更新された場合、情報端末30は、更新後の好み情報に基づいて、炊飯パラメータを変更する(炊飯パラメータ変更ステップ)。
【0039】
ステップS207において情報端末30は、ネットワークN2(図4参照)を介して、総合管理サーバ20に変更後の炊飯パラメータを送信する。総合管理サーバ20では、変更後の炊飯パラメータを炊飯器10及び情報端末30に対応付けて記憶する。
ステップS208において総合管理サーバ20は、ネットワークN1(図4参照)を介して、変更後の炊飯パラメータを炊飯器10に送信する。そして、図7では省略しているが、炊飯器10は、変更後の炊飯パラメータに基づいて、次回からの炊飯を行う(炊飯ステップ)。このように、好み情報に基づく炊飯パラメータの算出を情報端末30が行うことで、管理対象となる炊飯器10の台数が多い場合でも、総合管理サーバ20の処理負荷を軽減できる。
【0040】
≪第1実施形態の第2の変形例≫
図8は、第1実施形態の第2の変形例に係る炊飯システムのタイムチャートである。
図8に示す第2の変形例は、好み情報に基づく炊飯パラメータの算出を炊飯器10が行う点が、第1実施形態(図6参照)とは異なっている。なお、炊飯システム100(図4参照)の構成については、第1実施形態と同様である。したがって、第1実施形態とは異なる部分について説明し、重複する部分については説明を省略する。
【0041】
図8のステップS106において、更新後のご飯の柔らかさを示す好み情報が入力された後、総合管理サーバ20の処理はステップS307に進む。ステップS307において総合管理サーバ20は、ネットワークN1を介して、更新後の好み情報を炊飯器10に送信する。
次に、ステップS308において炊飯器10は、更新後の好み情報に基づいて、炊飯パラメータを算出する。すなわち、ユーザによる情報端末30の操作に基づいて、米の炊き上がりに関するユーザの好み情報が更新された場合、炊飯器10は、更新後の好み情報に基づいて、炊飯パラメータを変更する(炊飯パラメータ変更ステップ)。そして、図8には図示していないが、炊飯器10は、変更後の炊飯パラメータに基づいて、次回からの炊飯を行う(炊飯ステップ)。このように、好み情報に基づく炊飯パラメータの算出を炊飯器10が行うことで、総合管理サーバ20の処理負荷を軽減できる。
【0042】
なお、炊飯器10において炊飯開始のボタンが押された場合、炊飯器10が総合管理サーバ20から好み情報を取得し、さらに、好み情報に基づいて炊飯パラメータを算出するようにするとよい。これによって、情報端末30でユーザがアプリケーションを起動させて炊飯パラメータを算出させる場合に比べて、ユーザの手間を省くことができる。
【0043】
≪第2実施形態≫
第2実施形態は、炊飯システム100A(図9参照)が天気情報サーバ40(図9参照)を含む点が、第1実施形態とは異なっている。また、第2実施形態は、総合管理サーバ20(図9参照)が炊飯パラメータを算出する際、ユーザの好み情報の他、天気情報も用いる点が第1実施形態とは異なっている。なお、その他については、第1実施形態と同様である。したがって、第1実施形態とは異なる部分について説明し、重複する部分については説明を省略する。
【0044】
図9は、第2実施形態に係る炊飯システム100Aの構成図である。
図9に示すように、炊飯システム100Aは、炊飯器10と、総合管理サーバ20と、情報端末30と、天気情報サーバ40と、を含んで構成されている。天気情報サーバ40は、総合管理サーバ20に天気情報を提供するサーバであり、ネットワークN3を介して総合管理サーバ20に接続されている。
【0045】
なお、天気情報サーバ40から提供される天気情報には、総合管理サーバ20で指定された所定の日付の天気(例えば、晴れ・曇り・雨・雪のいずれか)や気温、湿度、気圧の情報が含まれている。例えば、ご飯の炊き上がりが天気の影響を受けたり、また、ユーザが美味しいと感じるご飯の柔らかさがその日の天気で変わることがあったりする場合には、炊飯パラメータの算出に天気情報を反映させることが有効である。なお、ユーザによる情報端末30の操作に基づいて、炊飯器10の設置場所を含む地域を特定するための情報が総合管理サーバ20に事前に提供されているものとする。
【0046】
図10は、炊飯システムのタイムチャートである(適宜、図9も参照)。
なお、図10のステップ101~S106については第1実施形態(図6参照)と同様であるから、説明を省略する。
ステップS106において更新後の好み情報(更新後のご飯の柔らかさ)を受信した後、総合管理サーバ20の処理はステップS407に進む。ステップS407において総合管理サーバ20は、ネットワークN3を介して、天気情報サーバ40に天気情報要求の信号を送信する。総合管理サーバ20は、例えば、炊飯器10で今回の炊飯が行われてから次回の炊飯が行われるまでの平均日数に基づいて、次回の炊飯が行われる日付を推定する。そして、総合管理サーバ20は、推定した日付の天気情報を取得するように、天気情報要求の信号を天気情報サーバ40に送信する。
【0047】
ステップS408において天気情報サーバ40は、天気情報要求に応じて、ネットワークN3を介して、所定の天気情報を総合管理サーバ20に送信する。
ステップS409において総合管理サーバ20は、炊飯パラメータを算出する。すなわち、総合管理サーバ20(サーバ)は、炊飯器10で炊飯が行われるときの天気情報と、更新後の好み情報と、に基づいて、炊飯パラメータを変更する。例えば、雨の日にはしゃっきりしたご飯の方がユーザが美味しいと感じることが多いといった統計的なデータがある場合には、総合管理サーバ20は、好み情報をそのまま反映させたときよりもしゃっきりとしたご飯が炊き上がるように炊飯パラメータを算出(補正)する。
ステップS410において総合管理サーバ20は、ネットワークN1を介して、炊飯パラメータを炊飯器10に送信する。
【0048】
<効果>
第2実施形態によれば、総合管理サーバ20は、ユーザの好み情報の他、炊飯が行われる際の天気情報も炊飯パラメータに反映させる。したがって、ユーザが美味しいと感じるご飯の柔らかさが天気によって変わるような場合にも適切に対応できる。
【0049】
≪第3実施形態≫
第3実施形態は、炊飯システム100B(図11参照)が食材管理サーバ50(図11参照)を含む点が、第1実施形態とは異なっている。また、第3実施形態は、総合管理サーバ20(図11参照)が炊飯パラメータを算出する際、ユーザの好み情報の他、米の購入情報も用いる点が第1実施形態とは異なっている。なお、その他については、第1実施形態と同様である。したがって、第1実施形態とは異なる部分について説明し、重複する部分については説明を省略する。
【0050】
図11は、第3実施形態に係る炊飯システム100Bの構成図である。
図11に示すように、炊飯システム100Bは、炊飯器10と、総合管理サーバ20と、情報端末30と、食材管理サーバ50と、を含んで構成されている。食材管理サーバ50は、ユーザによる米の購入情報を総合管理サーバ20に提供するサーバであり、ネットワークN4を介して総合管理サーバ20に接続されている。食材管理サーバ50は、米の購入サイトを管理し、ユーザによる米の購入情報(購入履歴)を記憶している。食材管理サーバ50から総合管理サーバ20に提供される米の購入情報には、ユーザが購入した米の量の他、米の種類や製造年月日を示す情報が含まれている。
【0051】
そして、炊飯器10で炊飯が行われるたびに、当該炊飯に用いられた米の量を総合管理サーバ20(サーバ)が算出し、ユーザが所有する米の残量の推定値が所定値以下になった場合、米の購入サイトに誘導する画面を情報端末30に表示させるようになっている。そして、総合管理サーバ20は、米の残量の推定値と、所定の購入サイトで新たに購入された米の量と、に基づいて、ユーザが所有する米の量を更新する。
【0052】
なお、初期設定の際にユーザが所有している米の量を示す所定の数値が情報端末30の操作で入力され、さらに、この数値がネットワークN2を介して情報端末30から総合管理サーバ20に送信されるものとする。また、前記した購入サイト以外(例えば、スーパーマーケット)でユーザが米を新たに購入した場合には、米の量や製造年月日といった情報がユーザの操作で情報端末30に入力される。この情報はユーザが手動で入力することも可能である。
【0053】
図12は、炊飯システムのタイムチャートである(適宜、図11も参照)。
なお、図12のステップS101~S106については第1実施形態(図6参照)と同様であるから、説明を省略する。
ステップS106において更新後の好み情報(更新後のご飯の柔らかさ)を受信した後、総合管理サーバ20の処理はステップS507に進む。ステップS507において総合管理サーバ20は、ネットワークN4を介して、食材管理サーバ50に米の購入情報要求の信号を送信する。
【0054】
ステップS508において食材管理サーバ50は、米の購入情報要求に応じて、ネットワークN4を介して、米の購入情報を総合管理サーバ20に送信する。前記したように、米の購入情報には、ユーザが新たに購入した米の量の他、米の種類や製造年月日といった情報が含まれている。
【0055】
ステップS509において総合管理サーバ20は、炊飯パラメータを算出する。例えば、総合管理サーバ20(サーバ)は、購入サイトで購入された米の製造年月日と、好み情報と、に基づいて、炊飯パラメータを変更する。具体例を挙げると、ユーザが新たに購入した米が古米であり、その古米が次回の炊飯に用いられる可能性が高い場合には、新米の場合に比べて米の浸し時間を長くするといったように、総合管理サーバ20が炊飯パラメータを所定に変更する。
ステップS510において総合管理サーバ20は、ネットワークN1を介して、炊飯パラメータを炊飯器10に送信する。なお、次回の炊飯に古米が用いられる可能性が高い場合には、「通常よりも少しだけ水の量を多めにしてください」といったアドバイスが情報端末30に表示されるようにしてもよい。これによって、炊飯の際に古米が用いられる場合にも、ふっくらとした美味しいご飯が炊き上げられる。
【0056】
<効果>
第3実施形態によれば、ユーザの好み情報の他、購入情報に含まれる米の古さ等に基づいて、総合管理サーバ20が炊飯パラメータを算出する。これによって、米の状態に合った炊飯パラメータに基づいて、炊飯器10で米を炊き上げることができる。また、米の残量が所定値以下である場合、総合管理サーバ20は、米の残量が少ないことを示す画面を情報端末30に表示させる。これによって、米の買い忘れを防止できるため、ユーザにとっての利便性がさらに高められる。
【0057】
≪変形例≫
以上、本開示に係る炊飯システム100,100A,100Bについて各実施形態で説明したが、これらの記載に限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
例えば、各実施形態では、炊飯の完了後にユーザが初めて炊飯器10の蓋2を開けてから所定時間が経過した後、総合管理サーバ20が情報端末30にフィードバック要求のプッシュ通知を行う場合について説明したが、これに限らない。すなわち、ユーザが情報端末30を所定に操作し、炊飯に関する所定のアプリケーションの画面を開いた場合、フィードバック要求の画面(図5A図5B参照)が表示されるようにしてもよい。
その他にも、例えば、今回の炊飯完了後であって、次回の炊飯が開始される際、炊飯器10から総合管理サーバ20に所定の炊飯開始信号が送信された場合、総合管理サーバ20が情報端末30にフィードバック要求を送信するようにしてもよい。また、炊飯器10で炊飯が行われたときから所定日数が経過した場合、総合管理サーバ20が情報端末30にフィードバック要求を送信するようにしてもよい。また、総合管理サーバ20が情報端末30に定期的又は不定期的にフィードバック要求を送信するようにしてもよい。また、情報端末30において、炊飯に関するアプリケーションの直近の使用時から、このアプリケーションが使用されないままの状態で所定期間が経過した場合、総合管理サーバ20が情報端末30にフィードバック要求を送信するようにしてもよい。
【0058】
また、各実施形態では、ご飯の柔らかさに関する現状の設定を示す画面(図5A参照)が情報端末30に表示される場合について説明したが、これに限らない。すなわち、現状の設定を情報端末30に表示する処理を省略し、ユーザが情報端末30を所定に操作して、炊飯に関するアプリケーションを実行させ、現状のご飯の柔らかさに対して「もう少しもっちり」や「もっとしゃっきり」といった好み情報を入力するようにしてもよい。
【0059】
また、各実施形態では、ユーザの現状の好み情報が総合管理サーバ20から情報端末30に送信される場合について説明したが、これに限らない。例えば、総合管理サーバ20が情報端末30に現状の炊飯パラメータを送信するようにしてもよい。この場合において、情報端末30は、炊飯パラメータを好み情報(例えば、ご飯の柔らかさの度合いを示す数値)に変換した上で所定に表示させる。
【0060】
また、各実施形態では、ご飯の炊き上がりに関する指標として、ご飯の柔らかさが用いられる場合について説明したが、これに限らない。例えば、米の浸し時間や蒸らし時間といった指標が好み情報に適宜に追加されてもよい。そして、情報端末30が、好み情報の種類に対応付けられた複数の軸線を所定に表示させ、現状の好み情報を軸線上の位置で示すようにしてもよい。前記した複数の軸線を用いる例として、各指標の現状の大きさをレーダーチャートとして情報端末30に表示させ、ユーザの操作でレーダーチャートの各軸の値(各指標の値)を変更できるようにしてもよい。
【0061】
また、各実施形態では、図5Aの軸線L1上の点M1の位置によって、現状のご飯の柔らかさが表示される場合について説明したが、これに限らない。例えば、軸線L1上の点M1の位置がユーザの操作で移動可能であり、ユーザが点M1の位置を移動させることで、ご飯の柔らかさの設定を変更できるようにしてもよい。
【0062】
また、第2実施形態では、ユーザの好み情報及び天気情報に基づいて、炊飯パラメータが変更される場合について説明したが、これに限らない。例えば、天気情報の他、ユーザの居住地域、現在の季節、ユーザの年齢、性別、家族構成といった情報と、ご飯の柔らかさ等に関するユーザの好みと、の間の統計的な情報に基づいて、炊飯パラメータが算出されるようにしてもよい。前記した統計的な情報は、例えば、事前の統計調査で取得される。また、炊飯パラメータの算出において、機械学習を用いることも可能である。
【0063】
また、各実施形態が適宜に組み合わされるようにしてもよい。例えば、第2実施形態(図9参照)と第3実施形態(図11参照)とを組み合わせ、炊飯システム100が、炊飯器10や総合管理サーバ20や情報端末30を備える他、天気情報サーバ40や食材管理サーバ50を備える構成にしてもよい。この場合において、総合管理サーバ20は、ユーザの好み情報の他、天気情報サーバ40から取得した天気情報(第2実施形態)や、食材管理サーバ50から取得した米の購入情報(第3実施形態)に基づいて、炊飯パラメータを算出する。
【0064】
また、例えば、第1実施形態の第1の変形例(図7参照)と、第2実施形態(図9参照)と、を組み合わせて、情報端末30が好み情報及び天気情報に基づいて、炊飯パラメータを算出するようにしてもよい。また、例えば、第1実施形態の第2の変形例(図8参照)と、第3実施形態(図11参照)と、を組み合わせて、炊飯器10が好み情報及び米の購入情報に基づいて、炊飯パラメータを算出するようにしてもよい。その他にもさまざまな組合せが可能である。
【0065】
また、実施形態では、炊飯器10で用いられる加熱方式がIH式(Induction Heating)である場合について説明したが、これに限らない。例えば、ヒータ(図示せず)で内釜7が加熱される方式であってもよい。
また、各実施形態では、炊飯器10を含む炊飯システム100等について説明したが、他の自動調理器にも適用可能である。
また、各実施形態で説明した炊飯制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムは、通信回線を介して提供することもできる他、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に格納することも可能である。また、炊飯システム100の各種情報がクラウド上に存在していてもよい。
【0066】
また、各実施形態は本開示を分かりやすく説明するために詳細に記載したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、前記した機構や構成は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての機構や構成を示しているとは限らない。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、ほとんどすべての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0067】
1 本体
2 蓋
3 操作部
4 表示部
5 フックボタン
6 電源プラグ
7 内釜
8 外蓋回動軸
9 結露受け皿
10 炊飯器
11 加熱部
12 インバータ回路
13 温度検出部
14 送風部
15 調圧弁
16 制御回路
20 総合管理サーバ(サーバ)
30 情報端末
40 天気情報サーバ
50 食材管理サーバ
100,100A,100B 炊飯システム
L1 軸線
M1 点
N1,N2,N3,N4 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12