(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125631
(43)【公開日】2024-09-19
(54)【発明の名称】ロッカー管理装置、ロッカー管理システム、ロッカー管理方法及びロッカー管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240911BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023033570
(22)【出願日】2023-03-06
(71)【出願人】
【識別番号】000221616
【氏名又は名称】東日本旅客鉄道株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大舘 賢史郎
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】複数の用途に利用できるロッカーについて、用途ごとの割り当て数を適切に決定し易くすることができるロッカー管理装置、ロッカー管理システム、ロッカー管理方法及びロッカー管理プログラムを提供する。
【解決手段】管理サーバ1は、複数の用途に利用可能な複数のロッカー21を有するロッカー装置2について、用途ごとのロッカー21の割り当て数を決定する割り当て数決定手段(制御部11)と、割り当て数決定手段が決定した割り当て数に係る情報である最終割り当て情報D9を、通信部13によってロッカー装置2へと送信させる第1送信制御手段(制御部11)と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の用途に利用可能な複数のロッカーを有するロッカー装置について、用途ごとのロッカーの割り当て数を決定する割り当て数決定手段と、
前記割り当て数決定手段が決定した割り当て数に係る情報を、送信手段によって前記ロッカー装置へと送信させる第1送信制御手段と、
を備えることを特徴とするロッカー管理装置。
【請求項2】
前記割り当て数決定手段は、
所定の期間分の割り当て数を予め決定する第1決定手段と、
前記第1決定手段が決定した割り当て数を修正する第2決定手段と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載のロッカー管理装置。
【請求項3】
所定の要素毎に、各用途について決定された固定値に係る情報を取得する第1取得手段を備え、
前記割り当て数決定手段は、前記固定値を用途ごとに合算した値の比率に応じて、前記用途ごとの前記ロッカーの割り当て数を決定することを特徴とする請求項1に記載のロッカー管理装置。
【請求項4】
前記要素は、ロッカー装置の設置箇所、日付、時間帯、繁閑、過去の稼働率の少なくともいずれか一つを含むことを特徴とする請求項3に記載のロッカー管理装置。
【請求項5】
所定の要素毎に、各用途について決定された固定値に係る情報を取得する第1取得手段を備え、
前記第1決定手段は、所定の要素に係る前記固定値を用途ごとに合算した値である第1合算値の比率に応じて、前記用途ごとの前記ロッカーの割り当て数を決定し、
前記第2決定手段は、前記第1合算値にさらなる要素に係る前記固定値を用途ごとに合算した値である第2合算値の比率に応じて、前記第1決定手段が決定したロッカーの割り当て数を修正することを特徴とする請求項2に記載のロッカー管理装置。
【請求項6】
前記第1決定手段が用いる要素は、ロッカー装置の設置箇所、日付、時間帯、繁閑、過去の稼働率の少なくともいずれか一つを含み、
前記第2決定手段が用いる要素は、前記ロッカー装置が設置された施設の周辺での所定のイベントの開催の有無、商品の販売に係る所定のウェブサイトでの所定のイベントの開催の有無の少なくともいずれか一つを含むことを特徴とする請求項5に記載のロッカー管理装置。
【請求項7】
前記ロッカー装置が有するロッカーのうち特定のロッカーについて、ユーザによる用途の変更希望に係る情報である変更希望情報を取得する第2取得手段と、
前記特定のロッカーの用途を前記変更希望情報に応じて変更する旨の情報を、送信手段によって前記ロッカー装置へと送信させる第2送信制御手段と、
を備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のロッカー管理装置。
【請求項8】
前記ロッカー装置が有する一部又は全てのロッカーについて閉状態又は開状態とする旨の指示に係る情報を、送信手段によって前記ロッカー装置へと送信させる第3送信制御手段を備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のロッカー管理装置。
【請求項9】
所定の要素毎に、各用途について決定された固定値に係る情報を取得する第1取得手段と、
前記固定値を用途ごとに合算した値に応じて、前記各用途に割り当てられたロッカーの利用料金を決定する料金決定手段と、
を備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のロッカー管理装置。
【請求項10】
予め予約の上で利用されるロッカーについて、ユーザが利用を終了した時刻である利用終了時刻に係る情報を取得する第3取得手段と、
前記利用終了時刻と、予め設定された利用終了の予定時刻である予定終了時刻と、を対比の上、前記利用終了時刻が前記予定終了時刻よりも早い程に大きくなるようにして、所定の種類の特典を前記ユーザに付与する特典付与手段と、
を備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のロッカー管理装置。
【請求項11】
前記割り当て数決定手段が決定した用途ごとのロッカーの割り当て数に係る決定の取り消しについて決定する割り当て数取消決定手段を備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のロッカー管理装置。
【請求項12】
請求項1から6のいずれか一項に記載のロッカー管理装置と、複数の用途に利用可能な複数のロッカーを有するロッカー装置と、を備えることを特徴とするロッカー管理システム。
【請求項13】
複数の用途に利用可能な複数のロッカーを有するロッカー装置について、用途ごとのロッカーの割り当て数を決定する割り当て数決定ステップと、
前記割り当て数決定ステップにおいて決定した割り当て数に係る情報を、送信手段によって前記ロッカー装置へと送信させる送信制御ステップと、
を含むことを特徴とするロッカー管理方法。
【請求項14】
コンピュータを、
複数の用途に利用可能な複数のロッカーを有するロッカー装置について、用途ごとのロッカーの割り当て数を決定する割り当て数決定手段、
前記割り当て数決定手段が決定した割り当て数に係る情報を、送信手段によって前記ロッカー装置へと送信させる送信制御手段、
として機能させることを特徴とするロッカー管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロッカー管理装置、ロッカー管理システム、ロッカー管理方法及びロッカー管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
駅等の公共の施設には、以前より多くのロッカーが設置されているが、近年このようなロッカーの用途は拡大しており、当該施設の利用者がその場で荷物を預け入れる従来の用途に限らず、例えば商品の受け渡し等にも利用されることがある。
そこで、このような特定の用途に応じてロッカーを利用するためのシステムに関する発明が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ロッカーの用途としては、例えば、ロッカーが設置された施設を訪れた利用者がその場で荷物を預け入れる場合(以下「一般預け入れ」という。)、ロッカーが設置された施設を訪れる予定の利用者が事前に利用時間帯等を指定して予約した上で荷物を預け入れる場合(以下「予約預け入れ」という。)、購入した商品の受け取りや、販売する商品の発送に利用する場合(以下「商品の受取・発送」という。)等、様々なものが考えられるところ、これら様々な用途のうち、いずれの用途にどれだけの需要が存在するかは、ロッカーが設置された施設の場所や時期等の様々な要因によって変化することが想定され、一律ではない。
したがって、様々な用途が考えられるロッカーについて、いかなる用途にどれだけのロッカーを割り当てるのが適切かを適切に判断することは容易ではなかった。
【0005】
本発明の課題は、複数の用途に利用できるロッカーについて、用途ごとの割り当て数を適切に決定し易くすることができるロッカー管理装置、ロッカー管理システム、ロッカー管理方法及びロッカー管理プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、ロッカー管理装置において、
複数の用途に利用可能な複数のロッカーを有するロッカー装置について、用途ごとのロッカーの割り当て数を決定する割り当て数決定手段と、
前記割り当て数決定手段が決定した割り当て数に係る情報を、送信手段によって前記ロッカー装置へと送信させる第1送信制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のロッカー管理装置において、
前記割り当て数決定手段は、
所定の期間分の割り当て数を予め決定する第1決定手段と、
前記第1決定手段が決定した割り当て数を修正する第2決定手段と、
を含むことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のロッカー管理装置において、
所定の要素毎に、各用途について決定された固定値に係る情報を取得する第1取得手段を備え、
前記割り当て数決定手段は、前記固定値を用途ごとに合算した値の比率に応じて、前記用途ごとの前記ロッカーの割り当て数を決定することを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のロッカー管理装置において、
前記要素は、ロッカー装置の設置箇所、日付、時間帯、繁閑、過去の稼働率の少なくともいずれか一つを含むことを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項2に記載のロッカー管理装置において、
所定の要素毎に、各用途について決定された固定値に係る情報を取得する第1取得手段を備え、
前記第1決定手段は、所定の要素に係る前記固定値を用途ごとに合算した値である第1合算値の比率に応じて、前記用途ごとの前記ロッカーの割り当て数を決定し、
前記第2決定手段は、前記第1合算値にさらなる要素に係る前記固定値を用途ごとに合算した値である第2合算値の比率に応じて、前記第1決定手段が決定したロッカーの割り当て数を修正することを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のロッカー管理装置において、
前記第1決定手段が用いる要素は、ロッカー装置の設置箇所、日付、時間帯、繁閑、過去の稼働率の少なくともいずれか一つを含み、
前記第2決定手段が用いる要素は、前記ロッカー装置が設置された施設の周辺での所定のイベントの開催の有無、商品の販売に係る所定のウェブサイトでの所定のイベントの開催の有無の少なくともいずれか一つを含むことを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載のロッカー管理装置において、
前記ロッカー装置が有するロッカーのうち特定のロッカーについて、ユーザによる用途の変更希望に係る情報である変更希望情報を取得する第2取得手段と、
前記特定のロッカーの用途を前記変更希望情報に応じて変更する旨の情報を、送信手段によって前記ロッカー装置へと送信させる第2送信制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載のロッカー管理装置において、
前記ロッカー装置が有する一部又は全てのロッカーについて閉状態又は開状態とする旨の指示に係る情報を、送信手段によって前記ロッカー装置へと送信させる第3送信制御手段を備えることを特徴とする。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載のロッカー管理装置において、
所定の要素毎に、各用途について決定された固定値に係る情報を取得する第1取得手段と、
前記固定値を用途ごとに合算した値に応じて、前記各用途に割り当てられたロッカーの利用料金を決定する料金決定手段と、
を備えることを特徴とする。
【0015】
請求項10に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載のロッカー管理装置において、
予め予約の上で利用されるロッカーについて、ユーザが利用を終了した時刻である利用終了時刻に係る情報を取得する第3取得手段と、
前記利用終了時刻と、予め設定された利用終了の予定時刻である予定終了時刻と、を対比の上、前記利用終了時刻が前記予定終了時刻よりも早い程に大きくなるようにして、所定の種類の特典を前記ユーザに付与する特典付与手段と、
を備えることを特徴とする。
【0016】
請求項11に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載のロッカー管理装置において、
前記割り当て数決定手段が決定した用途ごとのロッカーの割り当て数に係る決定の取り消しについて決定する割り当て数取消決定手段を備えることを特徴とする。
【0017】
請求項12に記載の発明は、ロッカー管理システムにおいて、
請求項1から6のいずれか一項に記載のロッカー管理装置と、複数の用途に利用可能な複数のロッカーを有するロッカー装置と、を備えることを特徴とする。
【0018】
請求項13に記載の発明は、ロッカー管理方法において、
複数の用途に利用可能な複数のロッカーを有するロッカー装置について、用途ごとのロッカーの割り当て数を決定する割り当て数決定ステップと、
前記割り当て数決定ステップにおいて決定した割り当て数に係る情報を、送信手段によって前記ロッカー装置へと送信させる送信制御ステップと、
を含むことを特徴とする。
【0019】
請求項14に記載の発明は、ロッカー管理プログラムにおいて、
コンピュータを、
複数の用途に利用可能な複数のロッカーを有するロッカー装置について、用途ごとのロッカーの割り当て数を決定する割り当て数決定手段、
前記割り当て数決定手段が決定した割り当て数に係る情報を、送信手段によって前記ロッカー装置へと送信させる送信制御手段、
として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、複数の用途に利用できるロッカーについて、用途ごとの割り当て数を適切に決定し易くすることができるロッカー管理装置、ロッカー管理システム、ロッカー管理方法及びロッカー管理プログラム提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】実施形態に係るロッカー管理システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】実施形態に係るロッカー管理システムの動作の流れの概要を示すフローチャートである。
【
図3】実施形態に係るロッカー管理システムの動作の流れの詳細を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、
図1から
図3に基づいて、本発明の実施形態であるロッカー管理システム100について説明する。ただし、本発明の技術的範囲は、図示例に限定されるものではない。
【0023】
[第1 構成の説明]
ロッカー管理システム100は、
図1に示すように、管理サーバ1と、ロッカー装置2と、を備えて構成され、各装置の間は、通信ネットワークNを介して接続されている。
【0024】
[1 管理サーバ]
管理サーバ1は、例えば、ロッカー管理システム100を管理・運営し、サービスを提供する企業等が保有するコンピュータであり、
図1に示すように、例えば、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、を備えて構成されている。
【0025】
なお、管理サーバ1は、必ずしも単一のコンピュータによって実現されていることを要せず、例えば、複数台のコンピュータが通信ネットワークNを介して接続されることで、複数台のコンピュータにより、管理サーバ1としての機能が実現されていてもよい。この場合、このような複数台のコンピュータが接続されたものが、管理サーバ1に該当することとなる。
【0026】
制御部11は、管理サーバ1の動作を制御する部分であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えて構成され、記憶部12に記憶されたプログラムデータ等とCPUとの協働により、管理サーバ1の各部を統括制御する。
【0027】
記憶部12は、管理サーバ1の運用に必要となる各種情報が記憶される部分であり、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、半導体メモリ等により構成され、プログラムデータ等の管理サーバ1の運用に必要となるデータを、制御部11から読み書き可能に記憶する。
【0028】
記憶部12には、設置箇所固定値情報D1と、日付固定値情報D2と、時間帯固定値情報D3と、繁閑固定値情報D4と、過去稼働率固定値情報D5と、基本割り当て情報D6と、周辺イベント固定値情報D7と、ウェブサイトイベント固定値情報D8と、最終割り当て情報D9と、が記憶される。なお、これらデータの詳細については、動作の説明の中で述べる。
また、記憶部12には、後述の動作の説明において述べるように管理サーバ1を動作させるための制御部11への各種命令を含むプログラムが記憶されている。
【0029】
通信部13は、管理サーバ1と、ロッカー装置2との間の通信に用いられる部分であり、例えば、通信用IC(Integrated Circuit)及び通信コネクタ等を有する通信インターフェイスであり、制御部11の制御の元、所定の通信プロトコルを用いて、通信ネットワークNを介したデータ通信を行う。
【0030】
[2 ロッカー装置]
ロッカー装置2は、複数のロッカーを有する装置であり、例えば、駅等の施設に設置される。ロッカー装置2は、複数のロッカー21と、管理サーバ1と通信してロッカー21の動作を制御するためのロッカー制御装置22と、を備えて構成されている。
なお、
図1においてはロッカー装置2を一つしか図示していないが、複数のロッカー装置2が、管理サーバ1と通信ネットワークNを介して接続されているようにしてもよい。
また、
図1においては、ロッカー装置2が備えるロッカー21を五つしか図示していないが、実際には各ロッカー装置2に多数のロッカー21が備えられている。
【0031】
ロッカー制御装置22は、
図1に示すように、例えば、管理サーバ1と同様に、制御部221と、記憶部222と、通信部223と、を備えると共に、さらに、表示部224と、操作部225と、を備えて構成されている。
【0032】
制御部221及び通信部223の構成は、それぞれ管理サーバ1における制御部11及び通信部13と変わるところはない。
記憶部222は、管理サーバ1における記憶部12と同様に、例えば、HDD、半導体メモリ等により構成され、後述の動作の説明において述べるようにロッカー装置2を動作させるための制御部221への各種命令を含むプログラムが記憶されている。
【0033】
表示部224は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイを備え、制御部221から出力された表示制御信号に基づいた画像を当該ディスプレイに表示する。
【0034】
操作部225は、例えば、文字入力キー、数字入力キー、その他各種機能に対応付けられたキーを有するキーボード等を備え、ロッカー装置2が備えるロッカー21を利用するユーザからの操作入力を受け付けて、操作入力に応じた操作信号を制御部221へと出力する。操作部225は、例えば、表示部224と一体的に形成されたタッチパネル等であってもよい。
【0035】
ロッカー装置2は、ロッカー制御装置22の制御によって、ロッカー21を複数の異なる用途に利用できるように構成されたものである。用途としては、例えば以下のものが考えられる。
【0036】
まず、一般預け入れは、例えば、ロッカー装置2が設置された施設の利用者であるユーザが、施設に到着した時点で空いているロッカー21を利用する場合であり、当該ユーザが、空いているロッカー21から利用を希望するものを選択の上、ロッカー制御装置22の操作部225を用いて、ロッカー毎に付けられた固有の番号等の当該ロッカーの識別情報(以下「ロッカー番号」という。)を入力すると、表示部224への表示、紙へのプリント等によって暗証番号が提供され、当該暗証番号を用いてロッカー21を利用する場合である。
【0037】
また、予約預け入れは、例えば、ロッカー装置2が設置された施設の利用者であるユーザが、施設に到着する前にロッカー21を予約する場合であり、当該ユーザが、予めスマートフォン、タブレット端末等から、ロッカーの利用予約に係る所定のウェブサイト等にアクセスの上、所定の操作を行うことで、予めロッカー番号と、暗証番号と、が送信され、ユーザは、施設に到着した時点で、予め送信された暗証番号を用いて、予め送信されたロッカー番号に係るロッカー21を利用する場合である。
【0038】
また、商品の受取・発送は、商品の受け取りであれば、例えば、EC(Electronic Commerce)サイト等を利用して商品を購入したユーザが、ロッカー21を利用して当該商品を受け取ることを希望する際に、受け取りに利用するロッカー21のロッカー番号及び暗証番号が、ユーザ及び配送業者の両者に送信され、これを用いて、配送業者がロッカー21に収納した商品を、ユーザが受け取る場合である。
また、商品の発送であれは、例えば、フリマアプリ(Flea Market Application)等を利用して商品を販売したユーザが、ロッカー21を利用して当該商品を購入者に発送することを希望する際に、発送に利用するロッカー21のロッカー番号及び暗証番号が、ユーザ及び配送業者の両者に送信され、これを用いて、ユーザがロッカー21に収納した商品を、配送業者が取り出して購入者に配送する場合である。
【0039】
[3 通信ネットワーク]
通信ネットワークNは、例えば、インターネット、電話回線網、携帯電話通信網、無線LAN通信網等であり、
図1に示すように、管理サーバ1と、ロッカー装置2と、の間を接続する。
通信ネットワークNとしては、上記のように各装置間を繋ぎ、これらの間でデータの送受信を行うことが可能なものであれば特に限定されない。
【0040】
[第2 動作の説明]
次に、本実施形態に係るロッカー管理システム100の動作について説明する。
ロッカー管理システム100の動作は、
図2に示すように、大きく分けて、基本割り当ての決定(ステップS1)、最終割り当ての決定(ステップS2)及び割り当ての適用(ステップS3)の3つのステップからなる。
なお、以下においては、ロッカー装置2の設置箇所が駅であり、ロッカー装置2が備えるロッカー21の用途が、上述の一般預け入れ、予約預け入れ及び商品の受取・発送の3パターンである場合について説明する。
【0041】
[1 ステップS1:基本割り当ての決定]
管理サーバ1においては、1年の所定の時期が到来した時点で、ロッカー装置2に備えられたロッカー21について、翌年1年間の用途ごとの割り当てを一括して決定する。この際の本システムの動作について、
図3のフローチャートに従って説明する。なお、ここで決定する割り当てを、以下「基本割り当て」という。
【0042】
管理サーバ1においては、まず、基本割り当ての決定を行うロッカー装置2の設置箇所である駅毎に各用途について予め設定された固定値に係る情報である設置箇所固定値情報D1を取得の上、記憶部12に記憶させる(ステップS1-1)
取得方法は特に限定されず、通信部13によって外部のシステムから通信ネットワークNを介して受信することで取得してもよいし、制御部11が自ら算出することで取得してもよい。また、取得のタイミングは問わず、基本割り当ての決定を行う時点で取得してもよいし、予め取得の上、記憶部12に記憶させておき、基本割り当ての決定を行う時点で制御部11が記憶部12から読み出して使用するようにしてもよい。いずれの場合も管理サーバ1において設置箇所固定値情報D1を取得する場合に含まれるものとする。
なお、この点は以下の各ステップで述べる情報の取得についても同様である。
【0043】
設置箇所固定値情報D1は、ロッカー装置2が設置された施設である各駅について所定の基準に従って分類の上、分類ごとに各用途について固定値を定めたものであり、例えば、駅についてターミナル駅、ベッドタウン駅に分類の上、ターミナル駅であれば一般預け入れ70、予約預け入れ30、商品の受取・発送0、ベッドタウン駅であれば一般預け入れ50、予約預け入れ30、商品の受取・発送20というように、各用途の合計が100となるように定められている。
このような固定値は、駅に設置されたロッカー装置2の過去の利用実績を基に、ターミナル駅及びベッドタウン駅のそれぞれについて、一般的なロッカーの需要の比率を算出の上、当該比率に従って、数値100を配分したものである。
【0044】
管理サーバ1においては、続いて、基本割り当ての決定を行う1年間の各日の属性毎に各用途について予め設定された固定値に係る情報である日付固定値情報D2を取得の上、記憶部12に記憶させる(ステップS1-2)
【0045】
日付固定値情報D2は、各日について暦上の所定の基準に従って分類の上、分類ごとに各用途について固定値を定めたものであり、例えば、各日について休日、休日に挟まれた平日、その他の平日に分類の上、休日であれば一般預け入れ60、予約預け入れ40、商品の受取・発送0、休日に挟まれた平日であれば一般預け入れ50、予約預け入れ40、商品の受取・発送10、平日であれば一般預け入れ40、予約預け入れ30、商品の受取・発送30というように、各用途の合計が100となるように定められている。
このような固定値は、駅に設置されたロッカー装置2の過去の利用実績を基に、各属性の日について、一般的なロッカーの需要の比率を算出の上、当該比率に従って、数値100を配分したものである。
【0046】
管理サーバ1においては、続いて、基本割り当ての決定を行う時間帯毎に各用途について予め設定された固定値に係る情報である時間帯固定値情報D3を取得の上、記憶部12に記憶させる(ステップS1-3)
【0047】
時間帯固定値情報D3は、時間帯について所定の基準に従って分類の上、分類ごとに各用途について固定値を定めたものであり、例えば、時間帯を朝(6時から10時)、日中(10時から18時)、夜間(18時から翌6時)に分類の上、朝あれば一般預け入れ60、予約預け入れ40、商品の受取・発送0,日中であれば一般預け入れ50、予約預け入れ40、商品の受取・発送10、夜間であれば一般預け入れ50、予約預け入れ30、商品の受取・発送20というように、各用途の合計が100となるように定められている。
このような固定値は、駅に設置されたロッカー装置2の過去の利用実績を基に、各分類の時間帯について、一般的なロッカーの需要の比率を算出の上、当該比率に従って、数値100を配分したものである。
【0048】
管理サーバ1においては、続いて、基本割り当ての決定を行う時期の繁閑の区別、すなわち繁忙期又は閑散期毎に各用途について予め設定された固定値に係る情報である繁閑固定値情報D4を取得の上、記憶部12に記憶させる(ステップS1-4)
【0049】
繁閑固定値情報D4は、1年間の各時期について、所定の基準に従って、ロッカー装置2が設置された施設である駅の繁忙期又は駅の閑散期に分類の上、分類ごとに各用途について固定値を定めたものであり、例えば、駅の繁忙期あれば一般預け入れ60、予約預け入れ40、商品の受取・発送0、駅の閑散期であれば一般預け入れ40、予約預け入れ40、商品の受取・発送20というように、各用途の合計が100となるように定められている。
このような固定値は、駅に設置されたロッカー装置2の過去の利用実績を基に、駅の繁忙期、駅の閑散期のそれぞれについて、一般的なロッカーの需要の比率を算出の上、当該比率に従って、数値100を配分したものである。
【0050】
管理サーバ1においては、続いて、基本割り当ての決定を行うロッカー装置2のそれぞれの過去の稼働率に従って予め設定された固定値に係る情報である過去稼働率固定値情報D5を取得の上、記憶部12に記憶させる(ステップS1-5)
【0051】
過去稼働率固定値情報D5は、各ロッカー装置2について、用途ごとの稼働率に従って固定値を定めたものであり、例えば、過去に一般預け入れの稼働率が高く、商品の受取・発送の稼働率が低かったロッカー装置2であれば、一般預け入れ80、予約預け入れ20、商品の受取・発送0というように、各用途の合計が100となるように定められている。
このような固定値は、駅に設置された各ロッカー装置2の過去の利用実績を基に、用途ごとの稼働率(各用途に割り振られたロッカー21の内実際に利用されたものの割合)を算出の上、稼働率が高い用途程に固定値が高くなるようにして、数値100を配分したものである。
【0052】
管理サーバ1においては、続いて、制御部11が、ステップS1-1からステップS1-5で取得した情報を用いて、基本割り当ての決定を行う(ステップS1-6)
【0053】
すなわち、制御部11は、基本割り当ての決定を行う1年間の各日の各時間帯について、用途ごとにステップS1-1からステップS1-5で取得した固定値を合算の上、合算した固定値の比率に応じて、ロッカー装置2が備えるロッカー21を配分する。
【0054】
例えば、1年間のうち2022年11月12日の日中の配分を決定する場合において、対象とするロッカー装置2がターミナル駅に設置されたものであり、対象とする日が休日であり、対象とする時間帯が日中であり、当該日の繁閑の区別が繁忙期であった場合に、ロッカー21を100基備えるロッカー装置2であったとすると、表Iに示すようにして、割り当ての決定を行うこととなる。
【0055】
【0056】
すなわち、表Iに示す例であれば、ロッカー装置2が備える100基のロッカー21を、2022年11月12日の日中について、一般預け入れ用途64基、予約預け入れ用途34基、商品の受取・発送用途2基と割り当てることとなる。
同様の割り当てを、1年間の各日の各時間帯について個別に行うことで、制御部11は、基本割り当てを決定することとなる。
【0057】
ロッカー21の数をW、一般預け入れの割り当て数をX、予約預け入れの割り当て数をY、商品の受取・発送の割り当て数をZとすると、上記の決定は、
W=αX+βY+γZという式において、α、β、γをどのように定めるかという決定と解することができる。
【0058】
ステップS1-6で基本割り当てを決定すると、制御部11は、決定した基本割り当てに係る情報である基本割り当て情報D6を、記憶部12に記憶させる(ステップS1-7)。
【0059】
なお、例えば月極で特定のユーザが固定的に利用しているロッカー等、用途を変動させることができないロッカーが存在する場合、ロッカー装置2が備えるロッカー21の数から、このような用途を変動させることができないロッカー21の数を引いた上で、各用途に割り当てることとなる。
具体的には、上記の例で、ロッカー装置2が備える100基のロッカー21のうち、50基が固定的に利用されている場合であれば、残りの50基を割り当て比率0.64:0.34:0.02に従って配分し、一般預け入れ用途32基、予約預け入れ用途17基、商品の受取・発送用途1基と割り当て数を決定する。
【0060】
この場合、ロッカー21の数をW、固定的に利用されているロッカー21の数をV、一般預け入れの割り当て数をX、予約預け入れの割り当て数をY、商品の受取・発送の割り当て数をZとすると、上記の決定は、
W=V+(αX+βY+γZ)という式において、のα、β、γをどのように定めるかという決定と解することができる。
【0061】
[2 ステップS2:最終割り当ての決定]
管理サーバ1においては、基本割り当てが決定された期間中の所定の日が到来した時点で、その後の所定の期間内について、ステップS1で決定した基本割り当てを修正し、ロッカー装置2に備えられたロッカー21について、用途ごとの最終的な割り当て数を決定する。この際の本システムの動作について、
図3のフローチャートに従って説明する。なお、ここで決定する最終的な割り当てを、以下「最終割り当て」という。
【0062】
なお、最終割り当ての決定(基本割り当ての修正)は、例えば、月単位で行い、各月の所定の日付が到来した時点で、翌々月(例えば当該日付が10月であれば12月となる。)について行えばよい。
また、例えば、週単位で行い、各週の所定の曜日が到来した時点で、翌々週について行うようにしてもよい。
【0063】
管理サーバ1においては、まず、制御部11が、最終割り当ての決定を行うロッカー装置2が設置された施設である駅の周辺で所定の種類のイベントが開催される場合について、各用途について予め設定された固定値に係る情報である周辺イベント固定値情報D7を取得の上、記憶部12に記憶させる(ステップS2-1)
【0064】
周辺イベント固定値情報D7は、ロッカー装置2が設置された施設である駅の周辺(駅から所定の距離内)で所定の種類のイベントが開催される日の開催される時間帯の、駅に設置されたロッカー装置2の過去の利用実績を基に、所定の種類のイベントが開催される日の開催される時間帯について、一般的なロッカーの需要の比率を算出の上、当該比率に従って、数値100を配分したものであり、例えば、一般預け入れ90、予約預け入れ10、商品の受取・発送0というように、各用途の合計が100となるように定められている。
【0065】
続いて、制御部11は、所定のECサイト等の商品の販売に係るウェブサイトにおいてセール等の所定の種類のイベントが開催される場合について、各用途について予め設定された固定値に係る情報であるウェブサイトイベント固定値情報D8を取得の上、記憶部12に記憶させる(ステップS2-2)
【0066】
ウェブサイトイベント固定値情報D8は、所定のECサイト等の商品の販売に係るウェブサイトにおいてセール等の所定の種類のイベントが開催される日の開催される時間帯の、駅に設置されたロッカー装置2の過去の利用実績を基に、所定のECサイト等の商品の販売に係るウェブサイトにおいてセール等の所定の種類のイベントが開催される日の開催される時間帯について、一般的なロッカーの需要の比率を算出の上、当該比率に従って、数値100を配分したものであり、例えば、一般預け入れ50、予約預け入れ20、商品の受取・発送30というように、各用途の合計が100となるように定められている。
【0067】
続いて、管理サーバ1においては、最終割り当ての決定を行う期間内の各日の各時間帯について、修正事項の有無を判定する(ステップS2-3)。
具体的には、ロッカー装置2が設置された施設である駅の周辺(駅から所定の距離内)で、当該日の当該時間帯に所定の種類のイベントが開催されるか否か、及び当該日の当該時間帯に所定のECサイト等の商品の販売に係るウェブサイトにおいてセール等の所定の種類のイベントが開催されるか否かについて判定し、これらのいずれか又は双方が開催される日の開催される時間帯について、基本割り当ての修正事項が存在するものと判定する。
【0068】
管理サーバ1においては、続いて、制御部11が、ステップS2-3で修正事項が存在するものと判定した日の修正事項が存在するものと判定した時間帯について、ステップS2-1からステップS2-2で取得した情報を用いて、基本割り当てを修正し、最終割り当てを決定する(ステップS2-4)
なお、ステップS2-3で修正事項が存在しないと判定した時間帯(修正事項が存在しない日及び修正事項が存在する日の修正事項が存在しない時間帯)については、修正を行うことなく、ステップS1-6で決定した基本割り当てを、そのまま最終割り当てとして決定することとなる。
【0069】
すなわち、制御部11は、最終割り当ての決定を行う期間中のステップS2-3で修正事項が存在すると判定した日の修正事項が存在すると判定した時間帯について、ステップS1-6で合算した固定値に、さらにステップS2-1及び/又はステップS2-2で取得した固定値を合算の上、合算した固定値の比率に応じて、ロッカー装置2が備えるロッカー21の配分を修正する。
【0070】
この際、ステップS2-3でロッカー装置2の設置箇所である駅の周辺で所定の種類のイベントが開催されると判定した日の判定した時間帯についてはステップS2-1で取得した周辺イベント固定値情報D7に係る固定値を加算し、ステップS2-3で所定のECサイト等の商品の販売に係るウェブサイトにおいてセール等の所定の種類のイベントが開催されると判定した日の判定した時間帯についてはステップS2-2で取得したウェブサイトイベント固定値情報D8に係る固定値を加算する。
また、ステップS2-3で両者が開催されると判定した日の判定した時間帯については、ステップS2-1で取得した周辺イベント固定値情報D7に係る固定値及びステップS2-2で取得したウェブサイトイベント固定値情報D8に係る固定値の両者を加算する。
【0071】
例えば、ステップS1-6で説明した2022年11月12日の日中の配分について、ステップS2-3で、当該日の当該時間帯について、ロッカー装置2が設置された駅の周辺で所定の種類のイベントが開催され、かつ所定のECサイト等の商品の販売に係るウェブサイトにおいてセール等の所定の種類のイベントが開催されると判定した場合であれば、表IIに示すようにして、割り当ての修正を行うこととなる。
【0072】
【0073】
すなわち、表IIに示す例であれば、ステップS1-6で、一般預け入れ用途64基、予約預け入れ用途34基、商品の受取・発送用途2基と割り当てた2022年11月12日の日中について、割り当てを、一般預け入れ用途66基、予約預け入れ用途28基、商品の受取・発送用途6基と修正することとなる。
同様の修正を、ステップS2-3で修正事項があると判定した各日の各時間帯について個別に行うことで、制御部11は、基本割り当てを修正し、最終割り当てを決定することとなる。
【0074】
ステップS2-4で基本割り当てを修正して最終割り当てを決定すると、制御部11は、決定した最終割り当てに係る情報である最終割り当て情報D9を、記憶部12に記憶させる(ステップS2-5)。
【0075】
[3 ステップS3:割り当ての適用]
続いて、ロッカー装置2において、ステップS2で決定された最終割り当てを適用する際の本システムの動作について、
図3のフローチャートに従って説明する。
【0076】
管理サーバ1においては、ステップS2-5で最終割り当て情報D9を記憶部12に記憶させると、制御部11が、最終割り当て情報D9に係る各用途へのロッカー21の割り当て数に係る情報を、通信部13から通信ネットワークNを介して、ロッカー装置2へと送信する(ステップS3-1)。
【0077】
管理サーバ1から送信された最終割り当て情報D9をロッカー制御装置22の通信部223によって受信したロッカー装置2においては、制御部221が、受信した最終割り当て情報D9に従って、ロッカー装置2が備える複数のロッカー21について、各用途に割り振る(ステップS3-2)。
すなわち、制御部221は、最終割り当て情報D9に係る割り当て数と一致するようにして、ロッカー装置2が備える各ロッカー21の用途を決定することとなる。
【0078】
なお、管理サーバ1からロッカー装置2へと、最終割り当て情報D9をそのまま送信するのではなく、管理サーバ1において、制御部11が、ロッカー装置2が備える各ロッカー21の用途を、最終割り当て情報D9に係る割り当て数と一致するように決定の上、決定した各ロッカーの用途に係る情報を、ロッカー装置2へと送信するようにしてもよい。
このような場合においても、管理サーバ1で決定された割り当て数を特定できる何らかの情報が管理サーバ1からロッカー装置2へと送信されている場合であれば、管理サーバ1において制御部11が決定した割り当て数に係る情報が、制御部11によって通信部13からロッカー装置2へと送信される場合に含まれるものとする。
【0079】
また、管理サーバ1からロッカー装置2への割り当て数に係る情報の送信は、必ずしも直接行われることを要せず、他のサーバ等を経由し、また他のサーバ等において情報の加工が行われた上で、ロッカー装置2へと送信されてもよい。
このような場合においても、管理サーバ1で決定された割り当て数を特定できる何らかの情報がロッカー装置2に到達している場合であれば、管理サーバ1において制御部11が決定した割り当て数に係る情報が、制御部11によって通信部13からロッカー装置2へと送信される場合に含まれるものとする。
【0080】
[第3 効果の説明]
次に、本実施形態に係るロッカー管理システム100の効果について説明する。
【0081】
本実施形態に係るロッカー管理システム100によれば、複数の用途に利用可能な複数のロッカー21を有するロッカー装置2について、管理サーバ1において、制御部11が、用途ごとのロッカーの割り当て数を決定し、決定した割り当て数に係る情報である最終割り当て情報D9を、通信部13から通信ネットワークNを介して、ロッカー装置2へと送信する。
これによって、いかなる用途にどれだけのロッカーを割り当てるのが適切かについて、管理サーバ1において判断することができることから、ロッカー装置2が備える複数の用途に利用できるロッカー21について、用途ごとの割り当て数を適切に決定することが容易となる。
【0082】
また、管理サーバ1において、制御部11が、所定の期間分の割り当て数を基本割り当てとして予め決定の上、割り当てが適用される日が近づいた段階でこれを修正して最終割り当てを決定することで、予め一括して基本割り当てを決定して割り当ての決定を効率化した上で、実際の適用日が近づかないと判明しない要素も加味して最終的な割り当てを決定することが可能となる。
【0083】
また、制御部11が、割り当てを、所定の要素毎に、各用途について決定された固定値に係る情報である設置箇所固定値情報D1、日付固定値情報D2、時間帯固定値情報D3、繁閑固定値情報D4、過去稼働率固定値情報D5、周辺イベント固定値情報D7及びウェブサイトイベント固定値情報D8を取得した上で、これらを用途ごとに合算した値の比率に応じて決定することで、複数の要素を加味した上で割り当てを決定することが容易となる。
【0084】
また、基本割り当て情報D6の決定を、所定の要素に係る固定値、すなわち、設置箇所固定値情報D1、日付固定値情報D2、時間帯固定値情報D3、繁閑固定値情報D4及び過去稼働率固定値情報D5を用途ごとに合算した値の比率に応じて行った上で、さらに、さらなる要素に係る固定値、すなわち、周辺イベント固定値情報D7及び/又はウェブサイトイベント固定値情報D8を用途ごとに合算した値の比率に応じて、基本割り当て情報D6を修正して最終割り当て情報D9の決定を行うことで、一律に適用される要素に係る固定値を予め加算して一律に割り当てを決定した上で、実際の適用日が近づかないと判明しない特定の要素に係る固定値も加算して、最終的な割り当てを決定することが可能となる。
【0085】
また、基本割り当て情報D6の決定に用いる固定値が、設置箇所固定値情報D1、日付固定値情報D2、時間帯固定値情報D3、繁閑固定値情報D4及び過去稼働率固定値情報D5を含むことで、設置箇所、日付、時間帯、繁閑及び過去稼働率に基づいて推定される各用途の需要に応じて、ロッカー21の用途毎の割り当てを決定することができる。
【0086】
また、最終割り当て情報D9の決定に用いる固定値が、周辺イベント固定値情報D7及び/又はウェブサイトイベント固定値情報D8を含むことで、ロッカー装置2の設置箇所である駅の周辺で所定の種類のイベントが開催されるか、所定のECサイト等の商品の販売に係るウェブサイトにおいてセール等の所定の種類のイベントが開催される場合において、これに応じてロッカー21の用途毎の割り当てを修正することができる。
これによって、例えば、ロッカー装置2の設置箇所である駅の周辺で所定の種類のイベントが開催される場合に、一般預け入れの需要が高まることから、一般預け入れの割り当て数を増やす、所定のECサイト等の商品の販売に係るウェブサイトにおいてセール等の所定の種類のイベントが開催される場合に、商品の受取・発送の需要が高まることから、商品の受取・発送の割り当て数を増やすといった形で、最終割り当てを決定することが可能となる。
【0087】
また、これらイベントの有無はステップS1-6の基本割り当ての決定時点では分からない場合が多いことから、実際の割り当ての適用日に近いステップS2-4の最終割り当ての決定時点で考慮することで、実際の割り当ての適用日に近い時期に判明するイベントの有無まで考慮の上で適切に割り当て数を決定することが可能となる。
【0088】
[第4 変形例]
次に、本実施形態に係るロッカー管理システム100の変形例について説明する。
【0089】
[1 変形例1:利用開始後のロッカーの用途の変更]
ステップS3-2で最終割り当て情報D9に係る割り当てが適用された後、決定された特定の用途に応じてロッカー21の利用を開始したユーザが、当該ロッカー21の用途を変更できるようにしてもよい。例えば、予約預け入れのためにロッカー21を予約したユーザが、当該ロッカー21を、自らが購入した商品の受け取り又は自らが販売した商品の発送に転用する場合等が考えられる。
【0090】
この場合、当該ユーザは、例えば、スマートフォン、タブレット端末等の自らが使用する端末装置を使用して、ロッカー21の用途の変更希望に係る情報、すなわち、例えば、ロッカー番号等のロッカー21の識別情報及び変更後の用途(上記の場合であれば商品の受取・発送)を入力し、入力した情報を、通信ネットワークNを介して管理サーバ1へと送信する。
【0091】
その上で、当該情報を通信部13によって受信した管理サーバ1において、制御部11が、受信した情報に応じて当該ロッカー21の用途を変更する旨の情報を、通信部13から通信ネットワークNを介してロッカー装置2へと送信することで、これを受信したロッカー装置2において、ロッカー制御装置22の制御部221が、ロッカー21の用途を切り替えるようにすればよい。
【0092】
これによって、ユーザが自らの希望に応じてロッカー21の用途を変更できることから、ロッカー21を利用するユーザの利便性を向上することができる。
【0093】
なお、ロッカー21の用途の変更希望に係る情報の管理サーバ1への送信は、ユーザの要求を受けた本システムの管理者等が、当該管理者等が使用する端末装置を使用して行うようにしてもよい。この場合も、管理サーバ1が取得する情報がユーザによる用途の変更希望に関する情報である点において変わるところはない。
【0094】
[2 変形例2:ロッカーの自動施錠・解錠]
ロッカー装置2が備えるロッカー21については、例えば、国賓の来日等、特別な警備を要する際に、警備上の理由から全て施錠し、閉状態、すなわち施錠された状態とすることがあるが、このような指示を、管理サーバ1から行うことができるようにしてもよい。
【0095】
この場合、管理サーバ1において、制御部11が、ロッカー21を全て施錠して閉状態とする旨の指示に係る情報を、通信部13から通信ネットワークNを介してロッカー装置2へと送信し、これを受信したロッカー装置2において、ロッカー制御装置22の制御部221が、ロッカー21の全てについて施錠する旨の制御を行えばよい。
【0096】
これによって、例えば職員が実際にロッカー装置2が設置された施設に赴いて手動でロッカー21を施錠する手間を掛けることなく、全てのロッカーを施錠することが可能となる。
【0097】
なお、上記のような管理サーバ1による施錠の指示は、上記のようにロッカー装置2が備える全てのロッカー21について一斉に行うのではなく、特定のロッカー21を指定した上で、指定したロッカー21についてのみ行うことができるようにしてもよい。
【0098】
また、上記とは反対に、ロッカー21について、犯罪捜査等の必要性から収納物を確認する必要性が生じた際に、管理サーバ1が強制的に開状態、すなわち施錠されていない状態とすることができるようにしてもよい。
【0099】
この場合、例えば、ロッカー装置2が備えるロッカー21を全て解錠する場合であれば、管理サーバ1において、制御部11が、ロッカー21を全て解錠して開状態とする旨の指示に係る情報を、通信部13から通信ネットワークNを介してロッカー装置2へと送信し、これを受信したロッカー装置2において、ロッカー制御装置22の制御部221が、ロッカー21の全てについて解錠する旨の制御を行えばよい。
【0100】
これによって、例えば職員が実際にロッカー装置2が設置された施設に赴いて手動でロッカー21を解錠する手間を掛けることなく、全てのロッカーを解錠することが可能となる。
【0101】
なお、この場合も、上記のような管理サーバ1による解錠の指示は、ロッカー装置2が備える全てのロッカー21について一斉に行うのではなく、特定のロッカー21を指定した上で、指定したロッカー21についてのみ行うことができるようにしてもよい。
【0102】
[3 変形例3:需要に応じた価格の設定]
上記説明においては、ステップS2-5において、各要素に係る固定値を用途ごとに合算した値の比率に応じてロッカー21の割り当て比率を決定する場合について説明したが、さらに、この固定値を合算した値に応じて、管理サーバ1において、制御部11が、各用途に割り振られたロッカー21の利用料金を決定するようにしてもよい。
【0103】
すなわち、例えば、固定値を合算した値が高くなるほどに利用料金が高くなるようにして、各用途に割り振られたロッカー21の利用料金を決定することが考えられる。
本実施形態において固定値は、過去のロッカーの利用実績に従って定められたものであり、固定値を合算した値が高い用途程、需要が大きいことが予想される用途であることを意味することから、これによって、需要が大きい用途程価格が高くなるようにして、ロッカー21の利用料金を定めることが可能となる。
【0104】
[4 変形例4:早期取出し時の特典付与]
ロッカー装置2が備えるロッカー21を予約預け入れで利用するユーザに対して、予め予定した期限よりも早く利用を終了した場合に、所定のポイント等の特典を付与するようにしてもよい。
【0105】
この場合、例えば、予約預け入れの用途で利用されるロッカー21について、当該ロッカー21のユーザにより解錠されて利用が終了した時点で、利用の終了を示す情報がロッカー装置2から管理サーバ1へと送信されるようにした上で、当該情報を通信部13によって受信した管理サーバ1において、制御部11が、情報を受信した時刻と、予め設定された予約預け入れの予定終了時刻とを対照の上、前者が後者に対してどれだけの時間早いかを算出する。
【0106】
その上で、利用を終了した時刻と予約預け入れの予定終了時刻との差が大きい程に特典が大きくなるようにして、例えば、所定のウェブサイト等において利用可能なポイント等の形で、ユーザに対して特典を付与すればよい。特典の不要方法は特に問わず、例えば制御部11が、当該ウェブサイトを管理するサーバ等に対して、付与すべきポイント等に係る情報を送信し、ポイントの付与を指示するようにすればよい。
管理サーバ1の制御部11が直接特典を付与しない場合においても、管理サーバ1から送信された情報に基づいて、特典が付与されている場合であれば、管理サーバ1の制御部11が、ユーザに対して特典を付与する場合に含まれるものとする。
【0107】
[5 変形例5:ロッカーの用途の追加、変更]
上記説明においては、ロッカー21の用途が、一般預け入れ、予約預け入れ及び商品の受取・発送の3つである場合について説明したが、割り当てを決定するロッカーの用途はこれらに限られず、これら3つの用途に加えて、又はこれら3つの用途に替えて、他の用途に対するロッカー21の割り当て数を決定するようにしてもよい。
【0108】
[6 変形例6:固定値が設定された要素の追加、変更]
上記説明においては、ステップS1-6の基本割り当ての決定で設置箇所固定値情報D1、日付固定値情報D2、時間帯固定値情報D3、繁閑固定値情報D4及び過去稼働率固定値情報D5を用い、ステップS2-4の最終割り当ての決定で周辺イベント固定値情報D7及びウェブサイトイベント固定値情報D8を用いる場合について説明したが、用いる固定値はこれらに限られず、これらの固定値に加えて、又はこれらの固定値に代えて、他の要素に係る固定値を設定の上、当該固定値を用いて、ステップS1-6及びステップS2-4で割り当ての決定を行うようにしてもよい。
【0109】
[7 変形例7:ロッカー装置の設置箇所の変更]
上記説明においては、ロッカー装置2の設置箇所となる施設が駅である場合について説明したが、本システムによって用途毎のロッカー21の割り当てを決定することができるロッカー装置2の設置箇所となる施設は、駅には限られない。
駅以外の他の施設に設置される場合、当該施設に設置されたロッカー装置2の過去の利用実績を基にして、各固定値を設定し、当該固定値を用いて、用途毎のロッカー21の割り当てを決定すればよい。
【0110】
[8 変形例8:割り当ての決定時期・期間の変更]
上記説明においては、ステップS1の基本割り当ての決定を、1年の所定の時期が到来した時点で翌年1年間の分について一括して行い、ステップS2の最終割り当ての決定を、月単位(各月の所定の日付が到来した時点で、翌々月について行う。)又は週単位(各週の所定の曜日が到来した時点で、翌々週について行う。)で行う場合について説明したが、基本割り当ての決定及び最終割り当ての決定は、基本割り当ての決定において所定の期間分まとめて決定された割り当てを、基本割り当ての決定日よりも実際に割り当てが適用される日に近づいた段階で、最終割り当ての決定によって修正するものであればよく、割り当てを行う時期及び期間は、上記のものに限られない。
例えば、基本割り当ての決定を月単位(各月の所定の時期が到来した時点で翌月の分について一括して行う。)で行った上で、最終割り当ての決定を、割り当てが適用される日から所定の日数前の日付が到来した段階で、日単位で個別に行うようにしてもよい。
【0111】
[9 変形例9:割り当て決定後の取り消し]
ステップS2-5で決定された最終割り当て情報D9に係る割り当てを、決定後のロッカー装置2が備えるロッカー21の実際の使用状況に応じて、取り消しできるようにしてもよい。
【0112】
すなわち、例えば、過去に類似したイベントの開催実績のないイベントが開催される場合等において、ステップS2-5における最終割り当て情報D9に係る割り当ての決定から、決定された割り当てが実際に適用される日までの間のロッカー21の使用状況から、ステップS2-5で決定した割り当てが、実際の使用状況と合致していないことが判明した場合に、決定された割り当てを取り消しできるようにする。
【0113】
具体的には、例えば、管理サーバ1において、リアルタイムにロッカー装置2から各用途に割り振られたロッカー21の使用状況(使用されずに空いているロッカー(空きロッカー)の数)に係る情報を取得の上、最終割り当て情報D9に係る割り当てが適用される日から所定の日数前において、このような空きロッカーの数が所定の割合を超える場合に、制御部11が、ステップS2-5で決定した割り当てが、実際の使用状況と合致していないと判定し、割り当てを取り消す旨の情報を、通信部13から通信ネットワークNを介して、ロッカー装置2へと送信する。
その上で、これを受信したロッカー装置2において、ステップS3-2で一度適用した割り当てを取り消すようにすればよい。この場合、用途毎の割り当てが取り消されることから、全てのロッカーについて、ユーザが先着順で各用途に使用することが可能となる。
【0114】
また、割り当ての取り消しの決定のみを管理サーバ1において行い、実際の割り当ての取り消しは、管理サーバ1における決定に従い、ロッカー装置2の管理者が手動で行うようにすることも可能である。
【0115】
これによって、割り当ての決定後に、予約預け入れ、商品の受取・発送等の一般預け入れ以外の用途に対する需要が小さいことが判明した場合にまで、これら用途に多くのロッカー21を割り振ってしまい、多数の空きロッカーが生じることを防止し易くなる。
【符号の説明】
【0116】
100 ロッカー管理システム
1 管理サーバ(ロッカー管理装置)
11 制御部(割り当て数決定手段、第1送信制御手段、第1決定手段、第2決定手段、第1取得手段、第2送信制御手段、第3送信制御手段、料金決定手段、特典付与手段、割り当て数取消決定手段、送信制御手段)
12 記憶部
13 通信部(送信手段、第1取得手段、第2取得手段、第3取得手段)
2 ロッカー装置
21 ロッカー
22 ロッカー制御装置
221 制御部
222 記憶部
223 通信部
224 表示部
225 操作部
N 通信ネットワーク
D1 設置箇所固定値情報
D2 日付固定値情報
D3 時間帯固定値情報
D4 繁閑固定値情報
D5 過去稼働率固定値情報
D6 基本割り当て情報
D7 周辺イベント固定値情報
D8 ウェブサイトイベント固定値情報
D9 最終割り当て情報