(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125641
(43)【公開日】2024-09-19
(54)【発明の名称】包装袋連続体を使用した給袋方法における袋高さ補正方法、給袋装置および給袋包装機
(51)【国際特許分類】
B65B 43/12 20060101AFI20240911BHJP
B65B 61/06 20060101ALI20240911BHJP
B65B 59/02 20060101ALI20240911BHJP
【FI】
B65B43/12
B65B61/06
B65B59/02
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023033584
(22)【出願日】2023-03-06
(71)【出願人】
【識別番号】000108281
【氏名又は名称】ゼネラルパッカー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090239
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 始
(74)【代理人】
【識別番号】100100859
【弁理士】
【氏名又は名称】有賀 昌也
(72)【発明者】
【氏名】宮部 祐樹
【テーマコード(参考)】
3E030
3E056
【Fターム(参考)】
3E030AA07
3E030BA01
3E030BB05
3E030CA02
3E030CB01
3E030DA01
3E030DA07
3E030EA01
3E030EB01
3E030FA05
3E030GA04
3E056AA05
3E056CA01
3E056DA01
3E056EA05
3E056FB03
3E056GA01
(57)【要約】
【課題】包装袋連続体Sの袋高さを所定の高さに容易に補正できると共に、製品の仕上がり品質を人の知識や判断に頼ることなく保持できる包装袋連続体を使用した給袋方法における袋高さ補正方法を提供する。
【解決手段】本発明の包装袋連続体を使用した給袋方法における袋高さ補正方法は、包装袋連続体高さ検出器31からの信号により包装袋連続体Sの袋高さが所定の高さより高いと判定すると、ローラー上部押圧装置38によるローラー上部30cへの押圧力を、ローラー上部押圧装置39によるローラー下部30dへの押圧力より弱くするように制御し、包装袋連続体高さ検出器31からの信号により包装袋連続体Sの袋高さが所定の高さより高いと判定すると、ローラー上部押圧装置38によるローラー上部30cへの押圧力を、ローラー上部押圧装置39によるローラー下部30dへの押圧力より弱くするように制御して、包装袋連続体Sの袋高さを補正する。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装袋連続体送り機構により包装袋連続体を搬送する搬送工程と、切断機構により前記包装袋連続体を包装袋毎に切断する切断工程と、包装袋受け渡し機構により前記切断機構にて切断された前記包装袋を包装部側に受け渡す受け渡し工程を有している前記包装袋連続体を使用した給袋方法における袋高さ補正方法であって、
前記包装袋連続体送り機構は、前記包装袋連続体を送り出すと共に袋高さを補正する機能を備えた袋高さ補正機能付き包装袋連続体送りと、搬送される前記包装袋連続体の高さを検出する包装袋連続体高さ検出器と、該包装袋連続体高さ検出器からの信号に基づいて前記補正機能付き包装袋連続体送りによる前記包装袋連続体への押当力を変更する押当力可変装置を有し、
該押当力可変装置は、前記補正機能付き包装袋連続体送りの一対の送りローラーによる前記包装袋連続体に対する押当力を変更するローラー上部押圧装置とローラー下部押圧装置を有し、前記包装袋連続体高さ検出器からの信号に基づいて、前記ローラー上部押圧装置または前記ローラー下部押圧装置にて前記一対の送りローラーのローラー上部またはローラー下部を押圧して上下の押当力を変更可能に構成されており、
前記包装袋連続体高さ検出器からの信号により前記包装袋連続体の袋高さが所定の高さより低いと判定されると、前記ローラー上部押圧装置による前記ローラー上部への押圧力を、前記ローラー下部押圧装置による前記ローラー下部への押圧力より強くするように制御し、前記包装袋連続体高さ検出器からの信号により前記包装袋連続体の袋高さが所定の高さより高いと判定されると、前記ローラー上部押圧装置による前記ローラー上部への押圧力を、前記ローラー下部押圧装置による前記ローラー下部への押圧力より弱くすることにより前記包装袋連続体の袋高さが補正されることを特徴とする包装袋連続体を使用した給袋方法における袋高さ補正方法。
【請求項2】
前記包装袋受け渡し機構は、切断された前記包装袋を把持すると共に前記包装部側へ受け渡すための袋捕捉部と、前記包装袋を把持した前記袋捕捉部を包装部側に移送するための袋移送部と、該袋移送部による移送中に前記包装袋の袋高さを補正する袋昇降部を有している請求項1に記載の包装袋連続体を使用した給袋方法における袋高さ補正方法。
【請求項3】
包装袋連続体を搬送する包装袋連続体送り機構と、前記包装袋連続体を包装袋毎に切断する切断機構と、前記切断機構にて切断された前記包装袋を包装部側に受け渡す包装袋受け渡し機構とを有した給袋装置であって、
前記包装袋連続体送り機構は、前記包装袋連続体を送り出すと共に袋高さを補正する機能を備えた袋高さ補正機能付き包装袋連続体送りと、搬送される前記包装袋連続体の高さを検出する包装袋連続体高さ検出器と、該包装袋連続体高さ検出器からの信号に基づいて前記補正機能付き包装袋連続体送りによる前記包装袋連続体への押当力を変更する押当力可変装置を有し、
該押当力可変装置は、前記補正機能付き包装袋連続体送りの一対の送りローラーによる前記包装袋連続体に対する押当力を変更するローラー上部押圧装置とローラー下部押圧装置を有し、前記包装袋連続体高さ検出器からの信号に基づいて、前記ローラー上部押圧装置または前記ローラー下部押圧装置にて前記一対の送りローラーのローラー上部またはローラー下部を押圧して上下の押当力を変更可能に構成されており、
前記包装袋連続体高さ検出器からの信号により前記包装袋連続体の袋高さが所定の高さより低いと判定されると、前記ローラー上部押圧装置による前記ローラー上部への押圧力を、前記ローラー下部押圧装置による前記ローラー下部への押圧力より強くするように制御し、前記包装袋連続体高さ検出器からの信号により前記包装袋連続体の袋高さが所定の高さより高いと判定されると、前記ローラー上部押圧装置による前記ローラー上部への押圧力を、前記ローラー下部押圧装置による前記ローラー下部への押圧力より弱くすることにより前記包装袋連続体の袋高さが補正されることを特徴とする給袋装置。
【請求項4】
包装袋連続体を搬送する包装袋連続体送り機構と、前記包装袋連続体を包装袋毎に切断する切断機構と、前記切断機構にて切断された前記包装袋を包装部側に受け渡す包装袋受け渡し機構とを有した給袋装置を備えた給袋包装機であって、
前記包装袋連続体送り機構は、前記包装袋連続体を送り出すと共に袋高さを補正する機能を備えた袋高さ補正機能付き包装袋連続体送りと、搬送される前記包装袋連続体の高さを検出する包装袋連続体高さ検出器と、該包装袋連続体高さ検出器からの信号に基づいて前記補正機能付き包装袋連続体送りによる前記包装袋連続体への押当力を変更する押当力可変装置を有し、
該押当力可変装置は、前記補正機能付き包装袋連続体送りの一対の送りローラーによる前記包装袋連続体に対する押当力を変更するローラー上部押圧装置とローラー下部押圧装置を有し、前記包装袋連続体高さ検出器からの信号に基づいて、前記ローラー上部押圧装置または前記ローラー下部押圧装置にて前記一対の送りローラーのローラー上部またはローラー下部を押圧して上下の押当力を変更可能に構成されており、
前記包装袋連続体高さ検出器からの信号により前記包装袋連続体の袋高さが所定の高さより低いと判定されると、前記ローラー上部押圧装置による前記ローラー上部への押圧力を、前記ローラー下部押圧装置による前記ローラー下部への押圧力より強くするように制御し、前記包装袋連続体高さ検出器からの信号により前記包装袋連続体の袋高さが所定の高さより高いと判定されると、前記ローラー上部押圧装置による前記ローラー上部への押圧力を、前記ローラー下部押圧装置による前記ローラー下部への押圧力より弱くすることにより前記包装袋連続体の袋高さが補正されることを特徴とする給袋包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装機等へ包装袋を供給する方法として包装袋連続体を使用した給袋方法における袋高さ補正方法、その袋高さ補正方法を適用した給袋装置および給袋包装機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、包装機等へ包装袋を供給する装置として、各種包装工程を行う包装機内に順次包装袋を供給する給袋装置が多用されている(例えば特開2016-55904号公報)。この種の給袋装置は、一般的には箱に収納された一枚一枚の包装袋を人手やロボット等を使用して取り出し順次コンベア上に並べて搬送し包装機等に供給している。
【0003】
これら従来の給袋装置や給袋包装機では、箱に収納された一枚一枚の包装袋を取り出して順次コンベア上に並べる手間が必要であると共に、包装袋の大容量化に伴い、設置スペースの増大化やコスト高が懸案となっていた。
【0004】
このような問題を解決するものとして、本件出願人は、先に包装袋連続体を使用した給袋方法(包装袋連続体送り機構により包装袋連続体を搬送する搬送工程と、切断機構により包装袋連続体を包装袋毎に切断する切断工程と、包装袋受け渡し機構により切断機構にて切断された包装袋を包装部側に受け渡す受け渡し工程を有している包装袋連続体を使用した給袋方法)、その給袋方法を適用した給袋装置および給袋包装機を提案している(特願2021-153800号、特願2021-153801号)。
【0005】
ところで、上記包装袋連続体を使用した給袋方法では、包装袋連続体送り機構により包装袋連続体を搬送する搬送工程において包装袋連続体の状態で搬送されるが、この搬送工程内で袋高さの補正が必要な場合がある。例えば、包装袋連続体を搬送中に袋高さが徐々に上昇または下降してしまった場合などである。
【0006】
このような場合、機外排出された製品により袋高さを人が確認し、レギュレータを手動で調整もしくはパネルに数値を入力して補正していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2016-55904号公報
【特許文献2】特願2021-153800号
【特許文献3】特願2021-153801号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明の課題は、包装袋連続体の袋高さを所定の高さに容易に補正できると共に、製品の仕上がり品質を人の知識や判断に頼ることなく保持できる包装袋連続体を使用した給袋方法における袋高さ補正方法、その袋高さ補正方法を適用した給袋装置および給袋包装機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を達成するものは、包装袋連続体送り機構により包装袋連続体を搬送する搬送工程と、切断機構により前記包装袋連続体を包装袋毎に切断する切断工程と、包装袋受け渡し機構により前記切断機構にて切断された前記包装袋を包装部側に受け渡す受け渡し工程を有している前記包装袋連続体を使用した給袋方法における袋高さ補正方法であって、前記包装袋連続体送り機構は、前記包装袋連続体を送り出すと共に袋高さを補正する機能を備えた袋高さ補正機能付き包装袋連続体送りと、搬送される前記包装袋連続体の高さを検出する包装袋連続体高さ検出器と、該包装袋連続体高さ検出器からの信号に基づいて前記補正機能付き包装袋連続体送りによる前記包装袋連続体への押当力を変更する押当力可変装置を有し、該押当力可変装置は、前記補正機能付き包装袋連続体送りの一対の送りローラーによる前記包装袋連続体に対する押当力を変更するローラー上部押圧装置とローラー下部押圧装置を有し、前記包装袋連続体高さ検出器からの信号に基づいて、前記ローラー上部押圧装置または前記ローラー下部押圧装置にて前記一対の送りローラーのローラー上部またはローラー下部を押圧して上下の押当力を変更可能に構成され、前記包装袋連続体高さ検出器からの信号により前記包装袋連続体の袋高さが所定の高さより低いと判定されると、前記ローラー上部押圧装置による前記ローラー上部への押圧力を、前記ローラー下部押圧装置による前記ローラー下部への押圧力より強くするように制御し、前記包装袋連続体高さ検出器からの信号により前記包装袋連続体の袋高さが所定の高さより高いと判定されると、前記ローラー上部押圧装置による前記ローラー上部への押圧力を、前記ローラー下部押圧装置による前記ローラー下部への押圧力より弱くすることにより前記包装袋連続体の袋高さが補正されることを特徴とする包装袋連続体を使用した給袋方法における袋高さ補正方法である(請求項1)。
【0010】
前記包装袋受け渡し機構は、切断された前記包装袋を把持すると共に前記包装部側へ受け渡すための袋捕捉部と、前記包装袋を把持した前記袋捕捉部を包装部側に移送するための袋移送部と、該袋移送部による移送中に前記包装袋の袋高さを補正する袋昇降部を有していることが好ましい(請求項2)。
【0011】
また、上記課題を達成するものは、包装袋連続体を搬送する包装袋連続体送り機構と、前記包装袋連続体を包装袋毎に切断する切断機構と、前記切断機構にて切断された前記包装袋を包装部側に受け渡す包装袋受け渡し機構とを有した給袋装置であって、前記包装袋連続体送り機構は、前記包装袋連続体を送り出すと共に袋高さを補正する機能を備えた袋高さ補正機能付き包装袋連続体送りと、搬送される前記包装袋連続体の高さを検出する包装袋連続体高さ検出器と、該包装袋連続体高さ検出器からの信号に基づいて前記補正機能付き包装袋連続体送りによる前記包装袋連続体への押当力を変更する押当力可変装置を有し、該押当力可変装置は、前記補正機能付き包装袋連続体送りの一対の送りローラーによる前記包装袋連続体に対する押当力を変更するローラー上部押圧装置とローラー下部押圧装置を有し、前記包装袋連続体高さ検出器からの信号に基づいて、前記ローラー上部押圧装置または前記ローラー下部押圧装置にて前記一対の送りローラーのローラー上部またはローラー下部を押圧して上下の押当力を変更可能に構成され、
前記包装袋連続体高さ検出器からの信号により前記包装袋連続体の袋高さが所定の高さより低いと判定されると、前記ローラー上部押圧装置による前記ローラー上部への押圧力を、前記ローラー下部押圧装置による前記ローラー下部への押圧力より強くするように制御し、前記包装袋連続体高さ検出器からの信号により前記包装袋連続体の袋高さが所定の高さより高いと判定されると、前記ローラー上部押圧装置による前記ローラー上部への押圧力を、前記ローラー下部押圧装置による前記ローラー下部への押圧力より弱くすることにより前記包装袋連続体の袋高さが補正されることを特徴とする給袋装置である(請求項3)。
【0012】
さらに、上記課題を達成するものは、包装袋連続体を搬送する包装袋連続体送り機構と、前記包装袋連続体を包装袋毎に切断する切断機構と、前記切断機構にて切断された前記包装袋を包装部側に受け渡す包装袋受け渡し機構とを有した給袋装置を備えた給袋包装機であって、前記包装袋連続体送り機構は、前記包装袋連続体を送り出すと共に袋高さを補正する機能を備えた袋高さ補正機能付き包装袋連続体送りと、搬送される前記包装袋連続体の高さを検出する包装袋連続体高さ検出器と、該包装袋連続体高さ検出器からの信号に基づいて前記補正機能付き包装袋連続体送りによる前記包装袋連続体への押当力を変更する押当力可変装置を有し、該押当力可変装置は、前記補正機能付き包装袋連続体送りの一対の送りローラーによる前記包装袋連続体に対する押当力を変更するローラー上部押圧装置とローラー下部押圧装置を有し、前記包装袋連続体高さ検出器からの信号に基づいて、前記ローラー上部押圧装置または前記ローラー下部押圧装置にて前記一対の送りローラーのローラー上部またはローラー下部を押圧して上下の押当力を変更可能に構成され、前記包装袋連続体高さ検出器からの信号により前記包装袋連続体の袋高さが所定の高さより低いと判定されると、前記ローラー上部押圧装置による前記ローラー上部への押圧力を、前記ローラー下部押圧装置による前記ローラー下部への押圧力より強くするように制御し、前記包装袋連続体高さ検出器からの信号により前記包装袋連続体の袋高さが所定の高さより高いと判定されると、前記ローラー上部押圧装置による前記ローラー上部への押圧力を、前記ローラー下部押圧装置による前記ローラー下部への押圧力より弱くすることにより前記包装袋連続体の袋高さが補正されることを特徴とする給袋包装機である(請求項4)。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の包装袋連続体を使用した給袋方法における袋高さ補正方法によれば、包装袋連続体の袋高さを所定の高さに容易に補正できると共に、製品の仕上がり品質を人の知識や判断に頼ることなく保持できる。
請求項2に記載の包装袋連続体を使用した給袋方法における袋高さ補正方法によれば、上記請求項1の効果に加え、切断された包装袋を高さ補正した後、包装部側に受け渡すことができる。
請求項3に記載の給袋装置によれば、包装袋連続体の袋高さを所定の高さに容易に補正できると共に、製品の仕上がり品質を人の知識や判断に頼ることなく保持できる。
請求項4に記載の給袋包装機によれば、包装袋連続体の袋高さを所定の高さに容易に補正できると共に、製品の仕上がり品質を人の知識や判断に頼ることなく保持できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の包装袋連続体を使用した給袋方法における袋高さ補正方法を適用した給袋包装機の平面概略図である。
【
図4】
図1に示した給袋包装機の包装工程を説明するための説明図である。
【
図5】
図1に示した給袋包装機におけるフィルム弛みセンサの作用を説明するためのフィルム弛みセンサ付近の左側面拡大図である。
【
図6】
図1に示した給袋包装機におけるフィルム弛みセンサの作用を説明するためのフィルム弛みセンサ付近の平面拡大図である。
【
図7】包装袋連続体を使用した給袋方法における袋高さ補正方法の作用を説明するためのタイムチャートである。
【
図8】本発明の包装袋連続体を使用した給袋方法における袋高さ補正方法の一実施例を説明するための説明図である。
【
図9】本発明の包装袋連続体を使用した給袋方法における袋高さ補正方法の一実施例を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明では、包装袋連続体高さ検出器31からの信号により包装袋連続体Sの袋高さが所定の高さより低いと判定すると、ローラー上部押圧装置38によるローラー上部30cへの押圧力を、ローラー上部押圧装置39によるローラー下部30dへの押圧力より強くするように制御し、他方、包装袋連続体高さ検出器31からの信号により包装袋連続体Sの袋高さが所定の高さより高いと判定すると、ローラー上部押圧装置38によるローラー上部30cへの押圧力を、ローラー上部押圧装置39によるローラー下部30dへの押圧力より弱くすることで、包装袋連続体Sの袋高さを所定の高さに容易に補正できると共に、製品の仕上がり品質を人の知識や判断に頼ることなく保持できる包装袋連続体を使用した給袋方法における袋高さ補正方法、その袋高さ補正方法を適用した給袋装置Qおよび給袋包装機Pを実現した。
【実施例0016】
本発明の包装袋連続体を使用した給袋方法における袋高さ補正方法の一実施例を、その袋高さ補正方法を適用した給袋包装機Pを用いて説明する。
この実施例の包装袋連続体Sを使用した給袋方法における袋高さ補正方法は、包装袋連続体送り機構20により包装袋連続体Sを搬送する搬送工程と、切断機構21により包装袋連続体Sを包装袋a毎に切断する切断工程と、包装袋受け渡し機構22により切断機構21にて切断された包装袋aを包装部側に受け渡す受け渡し工程を有している包装袋連続体Sを使用した給袋方法における袋高さ補正方法であって、包装袋連続体送り機構20は、包装袋連続体Sを送り出すと共に袋高さを補正する機能を備えた袋高さ補正機能付き包装袋連続体送り30と、搬送される包装袋連続体Sの高さを検出する包装袋連続体高さ検出器31と、包装袋連続体高さ検出器31からの信号に基づいて補正機能付き包装袋連続体送り30による前記包装袋連続体Sへの押当力を変更する押当力可変装置32を有し、押当力可変装置32は、補正機能付き包装袋連続体送り30の一対の送りローラー30a,30bによる包装袋連続体Sに対する押当力を変更するローラー上部押圧装置38とローラー下部押圧装置39を有し、包装袋連続体高さ検出器31からの信号に基づいて、ローラー上部押圧装置38またはローラー下部押圧装置39にて一対の送りローラー30a,30bのローラー上部30cまたはローラー下部30dを押圧して上下の押当力を変更可能に構成され、包装袋連続体高さ検出器1からの信号により包装袋連続体Sの袋高さが所定の高さより低いと判定されると、ローラー上部押圧装置38によるローラー上部30cへの押圧力を、ローラー下部押圧装置39によるローラー下部30dへの押圧力より強くするように制御し、包装袋連続体高さ検出器30からの信号により包装袋連続体Sの袋高さが所定の高さより高いと判定されると、ローラー上部押圧装置30によるローラー上部30cへの押圧力を、ローラー下部押圧装置39によるローラー下部30dへの押圧力より弱くすることにより包装袋連続体Sの袋高さが補正される。以下、各工程について順次詳述する。
【0017】
この実施例の包装袋連続体Sを使用した給袋方法における袋高さの補正方法を適用した給袋装置Qを備えた給袋包装機Pは、包装袋連続体Sを使用して包装袋aを包装部側に供給した後、包装袋aの袋口を開口して被包装物を充填し施封する装置であり、
図1および
図4に示すように、給袋装置Qのステーション1~8において行われる給袋工程と、ステーション9~17において行われる各包装工程を順次行って被包装物を充填した包装袋a(製品)を量産する装置である。
【0018】
ステーション1~8にて行われる給袋工程では、包装袋連続体送り機構20により包装袋連続体Sを搬送する搬送工程と、切断機構21により包装袋連続体Sを包装袋a毎に切断する切断工程と、包装袋受け渡し機構22により切断機構21にて切断された包装袋aを包装部側に受け渡す受け渡し工程が行われる。これらの給袋工程については後述する。
【0019】
ステーション9~17において行われる各包装工程では、上部開口部内のチャック開き及び不良袋排出工程(ステーション9)、印字検査工程(ステーション10)、上部開口部を開口および底部を拡張する開口及び底開口工程(ステーション11)、被包装物を包装袋a内に充填する充填工程(ステーション12)、被包装物に振動を与える袋振動工程(ステーション13,14)、包装袋a内のエア抜きを行う脱気工程(ステーション15)、袋口付近を水平方向にトップシールをするトップシール工程(ステーション16)、トップシールが冷却されると共に被包装物が包装された包装袋aを機外に排出する目付用冷却シールおよび製品排出工程(ステーション17)が順次行われる。
【0020】
なお、この実施例では、本発明の包装袋連続体を使用した給袋方法における袋高さ補正方法をロータリー方式の給袋包装機に適用しているが、本発明が適用される給袋包装機はこれに限定されるものではなく、製袋包装機以外の給袋包装機は広く包含され、例えばトラック方式の給袋包装機や直線移動方式の給袋包装機等も包含される。また、袋把持部がグリップ対以外で構成された給袋包装機等も包含される。さらに、各包装ステーションの内容およびステーション数は上記に限定されるものではなく、包装袋または被包装物等に応じて適宜設計変更可能である。
【0021】
この実施例の給袋包装機Pでは、
図2または
図3に示すように垂直方向に延在する回転軸18を回転自由に支持するスタンド19を機台28上に設け、その回転軸18の上部に取り付けられた移動体(円盤状回転体)29の周囲には、包装袋aを掴着又は釈放するための10対のグリップ対(袋把持部)gが回転軸18(間欠回転、連続回転を問わない。)を中心として等角度間隔で放射方向に突出するように設けられている。そして、給袋包装機Pは給袋工程の受け渡し工程において包装袋aの袋取りを行い、ステーション9へ順次移動してくるグリップ対(袋把持部)gに対して包装袋aが垂直姿勢で吊り下げ状に支持されるように給袋する。すなわち、この実施例の給袋装置Qはステーション9にてグリップ対(袋把持部)gに包装袋aを順次供給する。
【0022】
また、本願において「包装袋連続体」とは、切断して分離すると包装工程または包装機において個々の包装袋として被包装物を充填し施封可能な包装袋、または/および機外(給袋装置の外部または給袋包装機の外部)にて予め作製された包装袋の長尺状連続体を広く包含する概念である。例えば、製袋機にて作製された包装袋の長尺状連続体(プリメイド袋の連続体)の他、個々の包装袋を溶着により長尺状の連続体としたものなども広く包含される。また、連続させる方向としては、包装袋の長さ方向に連続させたもの、包装袋の幅方向に連続させたもの、包装袋の長さ方向に連続させることに加え、包装袋連続体の幅方向にも連続させたものなども「包装袋連続体」の概念に包含される。
【0023】
さらに、本願において「包装部側」とは、給袋装置単独の場合は包装機を意味し、給袋包装機の場合は、包装部、ステーション9に順次移動してくる袋把持部(例えばグリップ対)または給袋するためのステーション9を意味し、さらに包装工程を行う外部を広く包含する概念である。
【0024】
包装袋連続体送り機構20は、包装袋連続体Sを包装部側(下流側)に送るためのものであり、この実施例の包装袋連続体送り機構20は、包装袋連続体Sを巻回するためのフィルムリール23と、フィルムリール23を回転させて包装袋連続体Sを繰り出すためのフィルムリール駆動モータ24と、フィルムリール駆動モータ24の駆動に伴って繰り出された包装袋連続体Sの弛みを検知する包装袋連続体弛み検知センサ25と、包装袋連続体弛み検知センサ25の下流側に配された包装袋連続体送り26を駆動させて包装袋連続体Sを繰り出すための包装袋連続体送り駆動モータ27と、切断機構21の上流側に配され包装袋連続体Sを送り出すと共に袋高さを補正する機能を備えた袋高さ補正機能付き包装袋連続体送り30と、搬送される包装袋連続体Sの高さを検出する包装袋連続体高さ検出器31と、包装袋連続体高さ検出器31からの信号に基づいて補正機能付き包装袋連続体送り30による包装袋連続体Sの押当力を変更する押当力可変装置32を有している。以下、包装袋連続体送り機構20の各構成について順次詳述する。
【0025】
フィルムリール23は、包装袋連続体Sを巻回するためのものであり、
図1に示したステーション1に配置されている。この実施例では、フィルムリール23には、チャック付きスタンド袋aの連続体である包装袋連続体Sが巻回されており、この包装袋連続体Sが上部開口内にチャックが設けられた包装袋aの連続であるため、上部側が厚くなることから、
図4に示すようにトラバースして螺旋状にフィルムリール23に巻回されている。ただし、本発明の包装袋連続体を使用した給袋方法における袋高さ補正方法は、フィルムリール23に螺旋状に巻回された包装袋連続体に対する袋高さ補正方法に限定されず、包装袋連続体の袋高さを補正するためにフィルムリールに巻回された包装袋連続体に広く適用可能である。また、この実施例における包装袋連続体Sを構成する包装袋aの袋口は上方向(垂直方向)を向く状態で送られるため、包装部側に個々の包装袋aを受け渡す際に方向を変更する必要がなく好ましいが、これに限定されるものではなく、本発明の包装袋連続体を使用した給袋方法における袋高さ補正方法は、袋口が横方向を向く状態で送られる包装袋連続体Sにも適用可能である。
【0026】
フィルムリール駆動モータ24は、フィルムリール23を回転させて包装袋連続体Sを繰り出すためのものであり、この実施例では、時計回りに回転させると包装袋連続体Sを繰り出すように構成されている。フィルムリール23の下方には包装袋連続体Sを載置するための回転盤33が設けられており、包装袋連続体Sの縦方向の大きさに応じて昇降可能に構成されている。
【0027】
包装袋連続体弛み検知センサ25は、フィルムリール駆動モータ24の駆動に伴って繰り出された包装袋連続体Sの弛みを検知するものであり、
図1に示すようにフィルムリール23の下流側に設けられている。具体的には、この実施例の包装袋連続体弛み検知センサ25は、
図5または
図6に示すように、左右一対のフィルムガイド棒34の間を包装袋連続体Sが矢印m方向に進み、包装袋連続体弛み検知センサ25を通過する際の弛み具合を検出するように構成されている。
【0028】
包装袋連続体送り26は、
図1に示すように包装袋連続体弛み検知センサ25の下流側(ステーション2)に配されており、包装袋連続体送り駆動モータ27により包装袋連続体送り26を駆動させて包装袋連続体Sを繰り出すように構成されている。具体的には、包装袋連続体送り26は、一対の送りローラー26a,26bを有しており、これら一対の送りローラー26a,26bを包装袋連続体送り駆動モータ27(この実施例ではサーボモータ)により駆動回転、回転速度調整及び停止作動させることで包装袋連続体Sが適宜、包装工程が行われる下流側に送られるように構成されている。
【0029】
そして、制御部(図示しない)は、包装袋連続体弛み検知センサ25により包装袋連続体Sの弛みが不足した状態を検知すると、包装袋連続体送り駆動モータ27の回転数よりフィルムリール駆動モータ24の回転数を大きくすることで包装袋連続体Sに弛みを形成させて包装袋連続体Sを巻回されたフィルムリール23から落下させるように制御する。具体的に包装袋連続体Sの弛みが不足した状態とは、包装袋連続体弛み検知センサ25が包装袋連続体Sの通過を検知している状態(包装袋連続体Sが緊張している状態)であり、この状態では包装袋連続体弛み検知センサ25はON状態となり、制御部は包装袋連続体送り駆動モータ27の回転数よりフィルムリール駆動モータ24の回転数を大きくすることで包装袋連続体Sに弛みを形成させて包装袋連続体Sを所定の高さに落下させるように制御する。なお、この実施例で所定の高さとは、回転盤33の上面或いは下流側の各給袋工程を包装袋連続体Sに対して行うことができる一定の袋高さを言う。
【0030】
他方、制御部は、包装袋連続体弛み検知センサ25により包装袋連続体Sが弛み過ぎた状態を検知すると包装袋連続体送り駆動モータ27の回転数よりフィルムリール駆動モータ24の回転数を小さくすることで包装袋連続体Sの弛みを減少させるように制御する。具体的に包装袋連続体Sが弛み過ぎた状態とは、包装袋連続体弛み検知センサ25が包装袋連続体Sの通過を検知していない状態であり、この状態では包装袋連続体弛み検知センサ25はOFF状態となり、制御部は包装袋連続体送り駆動モータ27の回転数よりフィルムリール駆動モータ24の回転数を小さくすることで包装袋連続体Sの弛みを減少させるように制御する。
【0031】
このように、本発明の包装袋連続体を使用した給袋方法における袋高さ補正方法では、制御部が上記制御を繰り返し行うことで、包装袋連続体Sを所定の高さに補正するよう構成されている。このような制御により、重力に従って徐々に包装袋連続体を下げる必要もなく、フィルムリール23自体を上方または下方に逐次昇降制御して袋高さを所定の高さに保持する装置も不要で、袋高さを容易に補正できると共に、装置をより小型化して設置スペースを狭小化でき装置コストを低廉に抑えることができる。
【0032】
より具体的には、この実施例の包装袋連続体を使用した給袋方法における袋高さ補正方法では、
図7に示すように、包装袋連続体弛み検知センサ25により包装袋連続体Sの弛みが不足した状態(緊張した状態)を検知すると、包装袋連続体弛み検知センサ25からONの信号が制御部に伝達され、制御部はフィルムリール駆動モータ24を加速させて包装袋連続体送り駆動モータ27の回転数よりフィルムリール駆動モータ24の回転数を大きくする。その制御は包装袋連続体送り駆動モータ27の回転数を一定としてフィルムリール駆動モータ24を加速させて包装袋連続体送り駆動モータ27の回転数より大きくすることで行われる。
【0033】
他方、包装袋連続体弛み検知センサ25により包装袋連続体Sが弛み過ぎた状態を検知すると包装袋連続体送り駆動モータ27の回転数よりフィルムリール駆動モータ24の回転数を小さくする。その制御は、包装袋連続体送り駆動モータ27の回転数を一定としてフィルムリール駆動モータ24を減速させて包装袋連続体送り駆動モータ27の回転数より小さくすることで行われる。これらの制御により、包装袋連続体を使用した給袋方法における袋高さ補正方法をより簡素な制御で実現することができる。
【0034】
さらに、包装袋連続体弛み検知センサ25により包装袋連続体Sの弛みが不足した状態を検知すると包装袋連続体送り駆動モータ27の回転数よりフィルムリール駆動モータ24の回転数を大きくする制御は、フィルムリール駆動モータ24の回転数を一定として包装袋連続体送り駆動モータ27を減速させてフィルムリール駆動モータ24の回転数より小さくすることで行われてもよく、他方、包装袋連続体弛み検知センサ25により包装袋連続体Sが弛み過ぎた状態を検知すると包装袋連続体送り駆動モータ27の回転数よりフィルムリール駆動モータ24の回転数を小さくする制御は、フィルムリール駆動モータ24の回転数を一定として包装袋連続体送り駆動モータ27を加速させてフィルムリール駆動モータ24の回転数より大きくすることで行われてもよい。これによっても、包装袋連続体を使用した給袋方法における袋高さ補正方法をより簡素な制御で実現することができる。
【0035】
包装袋連続体送り26が設けられたステーション2の下流側には、ダンサーローラーを使用した滞留機構35が設けられている(ステーション3)。滞留機構35は、包装袋連続体Sを滞留させるためのものであり、この工程では、連続送りされてくる包装袋連続体Sを間欠送りに変更する。
【0036】
具体的には、滞留機構35は、内部に包装袋連続体Sを貯えて滞留させると共に間欠送りさせる機構であり、固定ローラー群と移動可能に設けられたテンションローラー群(バッファ用ダンサーローラー群)を有し、移動装置(例えばサーボモーター)によってテンションローラー群を移動させると、固定ローラー群とテンションローラー群との離隔距離が増加して包装袋連続体Sの蛇行路が形成されることで滞留可能になると共に下流側に包装袋連続体Sを間欠送りするように構成されている。
【0037】
また、この実施例の包装袋連続体Sの搬送工程では、包装袋連続体Sに対して充填前処理を施すための充填前処理工程が行われる。
この実施例の充填前処理は、ステーション4において印字装置36により行われる包装袋連続体Sに対する印字工程および包装袋連続体Sへの印字を検査する印字検査工程、ステーション5においてマークセンサ37にて行われる袋形態等確認工程である。
【0038】
このような充填前処理工程を給袋工程で行うことにより、包装部側における包装工程数を削減することができ包装機をより省スペース化できる。ただし、本願における充填前処理工程は、印字工程、印字検査工程等に限定されるものではなく、包装袋連続体Sに対して充填前処理を行う工程を広く包含するものであり、例えば、包装袋連続体Sに打ち抜き加工を行う打ち抜き加工工程等が行われてもよい。
【0039】
具体的には、給袋装置Qは包装袋連続体Sに打ち抜き加工を施すための打ち抜き加工装置(例えばパンチ)を有していてもよく、これにより、包装袋連続体Sに例えばRカット、ホールパンチ、ベースノッチ等の打ち抜き加工を施して所望な包装袋を作製することができる。
【0040】
包装袋連続体Sを構成する単位包装袋の袋形態としては、この実施例はチャック付きスタンド袋aであるが、これに限定されるものではなく、切断して分離すると包装工程または包装機において個々の包装袋として被包装物を充填し施封可能なものは広く包含され、平袋、中央に長さ方向にミシン目を備えた2連袋、ホールパンチ付き平袋、チャック付き袋、ガゼット袋、四方袋、三方袋、チャック付きガゼット袋などであってもよい。
【0041】
なお、包装袋連続体Sを構成する単位包装袋の袋形態の相違は、各単位包装袋に印刷されたレジマークをステーション5に配されたマークセンサ37が検知することにより認識され、制御部はマークセンサ37からの出力信号に基づいて、給袋包装機P内の各種装置を袋形態に応じて制御する。
【0042】
マークセンサ37の下流側で切断機構21の上流側には、包装袋連続体送り機構20の一つである袋高さ補正機能付き包装袋連続体送り30がステーション6に設けられている。
【0043】
袋高さ補正機能付き包装袋連続体送り30は、包装袋連続体Sを包装部側に送るためのものであり、包装袋連続体Sを包装部側に送る前に再度袋高さを補正する機能を備えている。この実施例の袋高さ補正機能付き包装袋連続体送り30は、
図8に示すように一対の送りローラー30a,30bを有しており、これら一対の送りローラー30a,30bをサーボモーター装置30eにより駆動回転、回転速度調整及び停止作動させることで包装袋連続体Sが包装部側に搬送されるように構成されている。
【0044】
また、ステーション6には、
図8または
図9に示すように、包装袋連続体高さ検出器31からの信号に基づいて補正機能付き包装袋連続体送り30による包装袋連続体Sの押当力を変更する押当力可変装置32が設けられている。
【0045】
包装袋連続体高さ検出器31は、搬送される包装袋連続体Sの高さを検出するためのものであり、包装袋連続体Saの袋高さや姿勢をセンサまたは画像処理カメラを用いて検出する。なお、この実施例の包装袋連続体高さ検出器31は、補正機能付き包装袋連続体送り30の上流側に設けられているが、補正機能付き包装袋連続体送り30の下流側に設けられていてもよい。
【0046】
この実施例の押当力可変装置32は、補正機能付き包装袋連続体送り30の一対の送りローラー30a,30bによる包装袋連続体Sに対する押当力を変更するローラー上部押圧装置38とローラー下部押圧装置39を有しており、包装袋連続体高さ検出器31からの信号に基づいて、一対の送りローラー30a,30bのローラー上部30cまたはローラー下部30dをローラー上部押圧装置38またはローラー下部押圧装置39にて押圧し、上下の押当力を変更することで包装袋連続体Sの袋高さを補正するように構成されている。
【0047】
この実施例のローラー上部押圧装置38またはローラー下部押圧装置39は、エアシリンダにて形成されおり、それぞれシリンダ38a,39a、シリンダロッド38b,39b、スピードコントローラ38c,39c、電空レギュレータ38d,39dを有し、電磁弁40を介してエア入力部41からエアが流入してするように構成されている。ただし、ローラー上部押圧装置またはローラー下部押圧装置はエアシリンダに限定されず、ローラー上部またはローラー下部を押圧できるものであればどのようなものでもよく、例えば電動シリンダ等でもよい。
【0048】
そして、制御部は、包装袋連続体高さ検出器31から包装袋連続体Sの袋高さに関する信号を受信すると、包装袋連続体高さ検出器31がセンサであればアナログ数値化し、画像処理カメラであればデータ化して、包装袋連続体Sの袋高さを補正する。
【0049】
具体的には、制御部は、包装袋連続体高さ検出器31からの信号により包装袋連続体Sの袋高さが所定の高さより低いと判定すると、ローラー上部押圧装置38によるローラー上部30cへの押圧力を、ローラー上部押圧装置39によるローラー下部30dへの押圧力より強くするように制御する。例えばローラー下部押圧装置38によるローラー上部30cへの押圧力を基準押圧力0.3MPaから0.4MPaに変更して強くし、ローラー下部押圧装置39によるローラー下部30dへの押圧力を基準押圧力0.3MPaから0.25MPaに変更して弱くする。これにより、ローラー上部30c側が強く押圧されるため遅く回転してブレーキとなり、ローラー下部30d側が弱く押圧されるため速く回転するため、ローラー下部30d側に送られる包装袋連続体Sの下部側が速く送られ、ローラー上部30c側に送られる包装袋連続体Sの上部側が遅く送られることで、袋高さが上昇して所定高さに補正されるように構成されている。
【0050】
他方、制御部が、包装袋連続体高さ検出器31からの信号により包装袋連続体Sの袋高さが所定の高さより高いと判定すると、ローラー上部押圧装置38によるローラー上部30cへの押圧力を、ローラー上部押圧装置39によるローラー下部30dへの押圧力より弱くするように制御する。例えばローラー下部押圧装置38によるローラー上部30cへの押圧力を基準押圧力0.3MPaから0.25MPaに変更して弱くし、ローラー下部押圧装置39によるローラー下部30dへの押圧力を基準押圧力0.3MPaから0.4MPaに変更して強くする。これにより、ローラー上部30c側が弱く押圧されるため速く回転し、ローラー下部30d側が強く押圧されるため遅く回転するためブレーキとなって、ローラー下部30d側に送られる包装袋連続体Sの下部側が遅く送られ、ローラー上部30c側に送られる包装袋連続体Sの上部側が速く送られることで、袋高さが降下して所定高さに補正される。このような制御がされることにより、容易に包装袋連続体Sの袋高さを切断前に補正することができる。
【0051】
包装袋連続体Sを包装袋a毎に切断する切断工程は、ステーション7において切断機構21により行われる。具体的には、袋高さ補正機能付き包装袋連続体送り30により下流側に送られる包装袋連続体Sは切断機構21により包装袋a毎に切断される。この工程により、連続した包装袋が搬送方向(送り方向)に直交する方向に切断され一枚ずつ分離される。
【0052】
なお、この実施例における切断機構21は、包装袋連続体Sの搬送方向(送り方向)に直交する方向に沿って設けられたカッターを有しており、このカッターによって包装袋連続体Sが切断される。ただし、切断機構はこれに限定されるものではなく、包装袋連続体Sを裁断して個々の包装袋aに順次分離可能なものであれば、例えば溶断機構等どのような切断機構であってもよい。
【0053】
切断機構21にて切断された包装袋aを包装部側に受け渡す受け渡し工程は、ステーション8に設けられた包装袋受け渡し機構22により行われる。この実施例の受け渡し工程は、包装袋aを包装部側のステーション9においてグリップ対gに順次受け渡すものであり、包装袋受け渡し機構22は、
図9に示すように切断された包装袋aの上部を把持すると共に包装部側(グリップ対g)へ受け渡すための袋捕捉部42と、包装袋aの上部を把持した袋捕捉部42を移送用往復動部(例えばシリンダ等、図示せず)により包装部側(グリップ対g)に移送するための袋移送部43と、袋移送部43による移送中に包装袋連続体高さ検出器31等からの信号に基づいて袋高さを補正する袋昇降部44とを有している。
【0054】
以上のように、この実施例の包装袋連続体Sを使用した給袋方法における袋高さ補正方法では、包装袋連続体高さ検出器31からの信号により包装袋連続体Sの袋高さが所定の高さより高いと判定すると、ローラー上部押圧装置38によるローラー上部30cへの押圧力を、ローラー上部押圧装置39によるローラー下部30dへの押圧力より弱くするように制御し、包装袋連続体高さ検出器31からの信号により包装袋連続体Sの袋高さが所定の高さより高いと判定すると、ローラー上部押圧装置38によるローラー上部30cへの押圧力を、ローラー上部押圧装置39によるローラー下部30dへの押圧力より弱くするように制御することで、袋高さを容易に補正できると共に、製品の仕上がり品質を人の知識や判断に頼ることなく保持できる。